今週の注目記事 第1位 「4月『沖縄安保闘争』で血の惨事が起きる!」(「週刊ポスト」2月28日号) 第2位 「お父さんがAV男優でごめんな」(「週刊ポスト」2月28日号) 第3位 「恋するカトパン ダルビッシュとの極秘デート撮った!」(「週刊文春」2月20日号) 第4位 「首都圏極寒サバイバル!『ホームレス』はどうやって生き残った?」(「週刊新潮」2月20日号) 第5位 「袋叩きの『佐村河内守』はそんなに悪いか!」(「週刊新潮」2月20日号) 第6位 「ジョージ・ソロスが『日本売り』これから何が起きるのか」(「週刊現代」3月1日号) 私は、週刊誌は意見がブレてもいいと思う。空気感が変わったことをいち早く知らせる役割が週刊誌にはあり、そうしたことへ敏感にアンテナを張っていなければ週刊誌の存在理由がなくなってしまうからだ。 今週の週刊現代のトップタイトルを見て、この間は株が上がると大騒ぎしていたのに、今度はそれに冷や水をぶっかける記事とは“節操”がないが、それも週刊誌だと読んでみた。だが、内容はどっちつかずで、欲求不満のたまる記事であった。そのために第6位。 現代によれば、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、世界一の投資家・ソロスと安倍晋三首相が会談したのは現地時間の1月22日の午後であるという。マーケットにソロスの「日本売り」のウワサが駆け巡ったのは、会談後まもなくのことだった。 翌23日、東京株式市場は朝方こそ買いが入り日経平均株価は上げ基調で始まったが、午後に入ると海外勢とみられる売りが加速し、3日ぶりの反落となった。 さらに24日に入ると、市場が開くや怒涛の売りが殺到。東京株式市場では、ほぼ全面安の展開となり、フタを開ければ東証一部の9割以上の銘柄が値下がりして、日経平均はほぼ1カ月ぶりの安値に落ちたのだ。 その背景には、日本株買い・円売りをしてきたヘッジファンドを中心とする海外勢力が、安倍・ソロス会談を機にまったく逆の取引を加速させていることがあるという。 現代は、今年1月2日、チェコ共和国のプラハに本拠地を置くNPO「プロジェクト・シンジケート」のウェブサイトにソロスの寄稿文が掲載されたと報じている。そこにはこうある。 「(黒田東彦総裁率いる日本銀行が昨年から始めた)大規模な量的緩和、リスクのある実験。成長が加速すれば金利が上昇し、債務支払いのコストが維持できないものになる。しかし、安倍首相は日本を緩やかな死に処すより、そのリスクを取ることを選んだ。人々の熱狂的な支持から判断すれば、普通の日本人も同じように考えているのだろう」 「この文面を読めば、ソロスは積極的に日本株を支持していないと読めます」とマーケット・アナリストの豊島逸夫氏が解説している。 いよいよソロスが日本株を手放して、株安へと雪崩を打つのかと思うと、どうもそうではないらしい。 日銀総裁の黒田氏に「秘策」があるというのである。金融対策として早ければ4月にも、日本株を毎年5兆円買い入れると宣言する可能性があるそうだ。 そうして現代は「市場と国家の闘いが、いま幕を開けたのだ」というのだが、どっちに軍配が上がるのか、現代はどう見ているのか、今回の記事の中できちんと結論を出してほしいと思うのは、私だけではないはずだ。 文春がスクープした佐村河内守氏のゴーストライター問題は、まだまだ収まる気配を見せない。 佐村河内氏が自筆の謝罪文を発表したが、その中で聴覚障害2級の障害者手帳を取得したのは事実だが、3年ほど前から「耳元で、はっきり、ゆっくりしゃべってもらうと、こもってゆがむ感じはありますが言葉が聞き取れる時もある」と書いたことで、やはり全聾というのも「ウソ」だったのではないかと疑惑も拡がっている。 それがために、佐村河内氏の依頼した弁護士が辞めてしまうという事態にもなっている。 そこで、文春ではなく新潮お得意の「人の行く裏に道あり」路線の記事を紹介しよう。これが5位。 新潮は「佐村河内氏の仮面を剥いだ週刊文春の記事が、雑誌ジャーナリズムの王道を行く見事なスクープだったこと間違いない」と持ち上げながら、こう書いている。 「今回の騒動も、政治家や芸能人の本をゴーストライターが執筆することと、『構図』としては何ら変わるところがない」 昔から芸術の世界では「代作」が行われてきたのだと、作曲家の青島広志氏がこう語る。 「例えば、ドイツの作曲家メンデルスゾーンの曲の一部は、ファニーという名の彼の姉が書いたものだと言われています。マーラーという有名な作曲家も、奥さんのアルマに多くの曲を書かせていたと言われている。で、奥さんが自分の名も楽譜に載せて欲しいとお願いしたら、“誰が代表するかが重要なのであって、誰が書いたのかは重要ではない”と言ったという逸話も残っています」 また、美術評論家の藤田一人氏は、画の世界でもこうだと話している。 「近世は画家が描きたいものを決めるのではなく、金持ちのパトロンからの注文にいかに応えるかが肝でした。この時代は主張や構想や制作過程が評価対象になるわけではないので、工房制作が多かったのです。“自分で作らず弟子に作らせている”との批判が出始めるのは、画家の感性を重視する近代以降です。近代に入ると、モネ、ルノワール、ピカソなどが登場し、自らの感情や思想を表現するのが芸術、と言われるようになった。そのため、制作過程に他人が介在していることが分かると、観る人は“オリジナルではない”と嫌気がするのです」 佐村河内氏の場合、音符すら書けなかったというのだから、メンデルスゾーンやマーラーと比較するのはどうかと思うが、藤田氏のこういう見方は的を射ているのではないか。 「彼の場合、全聾という苦難などの“物語”を含めて人は魅了されていったわけで、共同制作では受け入れられないという頭が最初からあったはず。で、自分の中で全てを完結させるために、頭を壁に打ちつけ、深夜の公園で長時間苦悩する、といった過剰演出に走ったのでしょう」 新潮は結びで「自分がその曲を良いと思えば、作者が誰であろうと関係ないのだ」と書いている。その通りではあるが、私には別の違和感がある。 この報道が出てから、各メディアは私たちも騙されていたと大騒ぎになった。もちろん、“全聾の作曲家”だと偽っていた佐村河内氏に非はあるが、それを増幅して感動物語に仕立て上げ、視聴率を稼ぎ、本やCDを売りまくった側にほとんど反省もないのはおかしいではないか。 それとも、我々はあいつに騙された被害者だとでも言うつもりなのか。中でも、メディアはペテンの片棒を担いだ立派な加害者である。 文春は、佐村河内氏の虚像を拡大した『魂の旋律~音を失った作曲家』(NHKスペシャル)を制作したNHK側にも取材を申し込んでいると書いているが、調査中だとして答えないという。 メディアは何度も過ちを犯すものだ。だから自分たちが間違ったとわかったときは、視聴者や読者、CDを買った人たちに謝るのがスジではないか。佐村河内氏に損害賠償を求める声が出版社やレコード会社にあるというが、それこそ自分たちの見る目のなさを公表する「恥の上塗り」である。やめたほうがいい。 先々週(2月8日)に続き東京は先週も金曜日から雪が降り、記録的な大雪になった。私は長いこと東京に住んでいるがこんなことは記憶にない。 これは先々週の雪の日の話だが、新潮でホームレスたちが大雪の夜を無事に過ごせたのだろうかという記事をやっている。こういう目線が新潮の持ち味である。 都内には1,000人以上のホームレスがいるというが、新宿の60代のホームレスはこう話している。 「普段は、西口の地下広場で寝泊まりしているけど、あそこは午後11時から午前4時までしか、いちゃいけないことになっている。通勤客に迷惑が掛かるからね。実は、西口近くにある都庁の第二庁舎1階は広いスペースがあって、雨の日や雪の日は我々に開放されている。あそこなら屋根もあるし、風は入って来るが、雪はしのげる」 ここは基本的に歩道扱いで、広さは4,000平方メートルほどあるという。都庁の総務局庁内管理課の担当者は、普段は困るが、雪や雨が降ったときは目をつむっているという。 石原慎太郎都政がホームレスに冷たかったので心配したが、こういうお目こぼしはあっていい。 しかし、こうした緊急避難場所を知っているのはベテランホームレスだけで、ネットカフェにいたがカネが尽きて、西口広場に入り込んだが下に敷く段ボールもなく、壁にもたれたまま夜を明かした者もいる。 山谷公園脇の橋のたもとで、風に吹かれて寒くて仕方なく、ラジオを聞きながら、本当は付けてはいけないガスコンロに時々火を付けながら、一睡もできなかったホームレスもいた。 意外にもスカイツリーのお膝元、鐘ヶ淵駅から10分ほどの所にある隅田川の遊歩道には“裕福”なホームレスが多く、ブルーシートで覆われ木材で作られた2~3畳ほどもある“豪邸”が10戸ほどあるという。 空き缶を拾って売ったりしたカネで自家発電機を持っていて、ストーブもテレビもあるというのだ。 私も家を追い出されたら、まずは隅田川へ行ってみようか。 今週の3位は週刊文春がスクープした、フジテレビのエース女子アナ“カトパン”こと加藤綾子アナ(28)とダルビッシュ有(27)の「極秘デート」だ。 スポニチが2月11日の新聞で報じていたが、これは、文春がダル側に「写真を掲載する」と伝えたため、慌てたダル側が近しい記者に漏らして“衝撃”を弱めようとしたのだと、文春は書いているが、その通りであろう。 2人が行った店に居合わせた客が、ダルは日本酒を飲みながら2人で蟹料理を食べていたと、こう話している。 「2人が割烹に入ってきたのは、まだ客もまばらな午後7時頃。ダルはサングラスをかけていましたが、あの2メートル近い長身ですからすぐに分かりましたよ。加藤アナは白いセーターにベージュのスカートのコンサバ系。派手さはないが、モデルのようにスタイルがよく、お似合いのカップルでした。ダルは店の常連らしく、従業員に『いつもの場所に』と声をかけると、慣れた様子で彼女を奥の席にエスコートしていました」 ネット上では、この蟹料理で有名なミシュラン一つ星の店は「ととや魚新」ではないかと書かれている。私も何度か行ったことのある店だが、おいしい魚料理を食べさせるところである。 2人の事情を知る関係者はこう語る。 「加藤はダルを『人見知りするけど、かわいいいところがある』とベタ惚れでした。先輩の高島彩(34)には盛んに恋愛相談を持ちかけ、煮え切らない態度の彼に『もっとハッキリしてほしい』と苛立ちを隠せずにいました」 ダルといえば女性関係も派手で、元プロゴルファーの古閑美保、AV女優の明日花キララ、横山美雪、声優の平野綾、モデルのMALIAなどと浮き名を流してきた。 中でも古閑とは結婚するのではないかと報じられたが、文春によると、最近終わったという。 先の店で、カトパンが「空けておいて」としきりに言っていた1月31日、文春は再び加藤を追いかけたが、振り切られてしまったようだ。 モノクログラビアに写っている2人の写真を眺めると、なぜフライデーが撮れなかったのだろうと、古巣の編集部の“不振”が思われてならない。それとも古閑“本命”説にこだわりすぎて、こちらが疎かになってしまったのだろうか。 今週の第2位は、週刊ポストの「お父さんがAV男優でごめんな」。自分がAV男優、妻がAV女優だったという夫婦は多いようだが、子どもが生まれ年頃になったとき、子どもにそのことをどう話すのかはなかなか難しいことであろう。 こうした発想から記事を作るポスト編集部に、敬意を表したい。 AV監督で奥さんも美熟女AV女優の元祖で、今は官能小説を書いているという溜池ゴロー監督は、10歳になる息子からこういう質問を受けた。 「父さんの仕事はなに?」 さらに息子は続けた。 「それから、AVってなに?」 とうとうこの日が来たかと、溜池監督は感慨無量だったそうだ。 息子の素朴で無邪気な問いかけに、溜池監督は表情をあらためてこう答えた。 「お父さんの仕事はAV監督だ。ただし、AVってのは、まだお前は観ちゃいけない。18歳になるまで待たなきゃいけないんだ」 「エッチなやつ?」 溜池監督は「そうだ」とうなずく。 溜池監督は息子にこう誓った。 「お前が14歳になったら、父さんの仕事のことだけじゃなく、お母さんのこともすべて話す。だから、お前もそれまでは、AVのことを調べたりするな。いいか、男同士の約束だぞ」 佐川銀次さん(48歳)は、巨根AV男優として知られている。彼は、しみじみとこう話す。 「AV男優というのは、社会の底辺の仕事だと思います。私は、虚栄や驕りを全て吐き出すつもりでこの世界に飛び込んだんですが、やはり女房や子どもには、正面きって告白できないでいます。まだまだ、修行が足りませんね」 その気持ちわかるなぁ。ベテランAVライターは、世間のAVに対する蔑視や偏見がまだまだ横たわっていると語っている。 「あるベテラン男優は、娘さんが結婚する際に、『親子の縁を切ってくれ』と言われたそうです」 別の男優の高校生の娘も、父の職業を知ってグレ始め、ここ数年は音信不通だそうだ。 「男優や女優のお子さんが学校でいじめられるパターンは結構多い。中には、子どもが自殺未遂したケースまであります」(AVライター) 田淵正浩さん(46歳)も、キャリア25年のベテランAV男優。そのうち、娘から自分の仕事について聞かれる日が来るだろうと思っているという。 「その時、娘から不潔とか、許せないとなじられたら、僕は素直に『ごめんね』と謝ります。弁解なんかしないし、仕事の内容も説明しない。ひたすら謝り続けるつもりでいます」 坊主頭にギョロリとした目が印象的なピエール剣さん(46歳)は、こう声を大にした。 「一番大事なのは、僕たち夫婦が、子どもたちを無条件に、とことん愛してあげることです。もし、子どもたちがいじめられたら、僕とカミさんで、最後まで子どもたちを守り抜きます」 その心意気や良し。AVだって立派な仕事、胸を張ればいいというのは無責任な第三者の言うことだ。子どもが父親の仕事のことでいじめられないか、つらい思いをしていないか、親としては幼い子どもの寝顔を見ながらあれこれ悩むのであろう。 田淵さんの、ひたすら謝り続けるという気持ち、わかるな。 今週の第1位はポストの衝撃シミュレーション。沖縄で安保反対闘争が起きるというのである。 これは絵空事ではない。沖縄の日本政府や沖縄以外に住む日本人たちへの恨みは爆発寸前である。内地に住む日本人と同等の権利を持てるという謳い文句で「本土復帰」を果たしたはずなのに、米軍基地は固定化され、本土の“身代わり”にされたままの沖縄の人たちの中に、日本からの独立を真剣に考える者も多くいる。 安倍首相の進める積極的平和主義は、沖縄にさらなる犠牲を強いるものだから、こうした闘争が過激化する要素は十分にある。 沖縄情勢分析を担当する警備・公安関係者が、今そこにある危機を語る。 「昨年から左翼の活動家や基地反対の市民グループが続々と沖縄に入っている。その中には、かつての安保闘争で活動したメンバーも含まれている。名護市長選の前に住民票を同市に移転した基地反対派の新市民だけでもざっと2000人、住居を移していない活動家を加えるとその倍以上にのぼると見られている。基地反対は各セクトが大同団結できるテーマであり、連中は沖縄県民の7割が米軍基地の県内移設に反対していることから、地元の市民を巻き込んで数万人規模の大々的な反対運動を組織しようと動いている。しかも、それと対立する右翼勢力まで乗り込んできた。政府の埋め立て事業が本格化すれば、本土からの活動家や市民ら反対派と、右翼勢力との衝突も予想される」 私は、この見方には与しない。自民党からカネをもらって動くエセ右翼は別にして、真の右翼勢力なら、左翼勢力とはわからないが沖縄人民とは連帯して国と闘うはずである。 返還後、沖縄を“棄民化”してきたヤマトンチュ(大和人)は、沖縄の人たちに謝り、真の本土並みに戻すことを誓わなければ本当の“戦後”は終わらないのだ。 闘争が起こる時期は4月だという。下旬にはオバマ大統領の来日が予定されているからだ。 「そのさなかに米軍基地をめぐって官邸が恐れているような流血の惨事が発生すれば、安倍首相は首脳会談で『日米安保体制の強化』を演出するどころではなくなる。そのとき、事態を重く見た“安倍嫌い”のオバマ大統領が来日中止を判断する可能性は決して小さくない。それは安倍首相にとってまさに祖父が辿った同じ道ではないか」(ポスト) 沖縄にこれ以上米軍基地を押し付けておいていいのか? 安倍首相がこれからも日米安保体制を続けるというのなら、東京や大阪、名古屋に基地を移すべきであろう。 舛添要一都知事は、電力の大消費地である東京に原発を誘致し、東京の米軍基地をもっと拡げ、沖縄の負担を軽減すると宣言したらどうか。そうなったら東京にいたくないという人や企業は、東京から出て行けばいい。快適さだけを享受して嫌なものは遠ざける大都市など滅びてしまえ。東京都民の一人として、私は心底そう思って、怒っている。 (文=元木昌彦)「週刊ポスト」2月28日号 中吊広告より
「72」タグアーカイブ
「感動秘話には裏がある?」“偽ベートーヴェン”騒動に見る、文春のスクープ力
今週のグランプリ 「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった」(「週刊文春」2月13日号) 注目記事 第2位 「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」(「週刊新潮」2月13日号) 第3位 「浅田真央はキム・ヨナに勝てない」(「週刊現代」2月22日号) 第4位 「四代目が決まった! 安倍晋三の『養子縁組』」(「週刊ポスト」2月21日号) 第5位 「JOC副会長・田中英寿日大理事長と広域暴力団トップとの写真流失で、東京オリンピックは大丈夫?」(「週刊文春」2月13日号) 都知事選挙は、事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。 大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票がアテにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。 中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の2人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。 このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。 だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。 さて、今週はソチ五輪が開幕し、関連の記事が多く見られる。 まずは、文春のJOC(日本オリンピック委員会)副会長・田中英寿日大理事長が広域暴力団トップと親しいと報じているモノクログラビア。 一枚の写真がある。真っ青なスーツに派手なネクタイ姿でポーズをとる田中氏(左)と並んで写っているのは、山口組に次ぎ国内第2位の組員数を抱える指定暴力団住吉会を率いる福田晴瞭会長(右)であるという。 その事情を知る関係者は、こう語っている。 「この写真は、98年9月、ホテルニューオータニで開かれたパーティーの席で撮られたものです。その年は、福田氏が住吉会会長に就任し、祝う会が数多く開かれましたが、その一つです。主催者は迷惑がかかると思い声をかけなかったが、田中さんは顔を出した。会費は一人5万円で、引き出物も用意していましたが、田中さんが来たため、引き出物が足りなかったとか」 05年8月、当時、日大理事長だった森田賢治氏は、常務理事だった田中氏をめぐる「暴力団との密接交際」疑惑を究明するため、特別調査委員会を設置した。委員会がまとめた中間報告書は、田中氏の暴力団との交際を認めたという。 田中氏側は「古すぎてまったく覚えがない」と答えているが、公の立場にいる以上、国民への説明責任はあるはずである。 次は、少し気の早いポストの「安倍首相の後継問題」である。 岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代続いてきた安倍家だが、安倍晋三氏と昭恵夫人には子どもがいないため、安倍家のドンである故・晋太郎夫人の洋子さんは、4代目をどうするか考えていたらしい。だが、このほど後継者を“指名”したというのである。 「洋子さんが指さしたのはリビングのテーブルの上に飾られていた一枚の写真。安倍家と森永製菓のオーナーの松崎家(昭恵夫人の実家)、そしてウシオ電機オーナーの牛尾家(長男・寛信氏の夫人の実家)との一族集合写真を大きく引き延ばしたもので、昨年の夏前に撮影されたものだという。 そこで洋子さんが指さしたのは、寛信氏の長男、つまり首相の甥である孫・寛人氏の精悍な姿だった。『跡を継がせる』とは、首相の祖父の寛氏(代議士)──晋太郎氏と続く安倍家の政治的血脈を引き継ぐ『4代目』が決まったことを意味する」(ポスト) 次世代のプリンスは、いかなる人物なのか? 現在23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生。小学生時代、父の寛信氏(当時は三菱商事勤務)の転勤で、ロンドンで生活したことから語学が堪能である。一方で高校(学習院高等科)、大学とアーチェリー部に所属したスポーツマンだという。 まだ首相在任中なのに後継を決めようとしているのは、安倍家には小泉純一郎親子への対抗意識があるからだと指摘するのは自民党ベテラン議員だ。 「官邸は小泉元首相の叛乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉親子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。 首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴットマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」 また、山口県には林芳正・農水相というライバルがいることも後継を早く決めようという“動機”になっていると、政治ジャーナリストの野上忠興氏が解説している。 「林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには、新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」 現代でも、巻頭特集「安倍晋三が悩んでいる!『嫁姑大戦争』」の中でも、安倍の支援者がこう言っている。 「彼女(洋子=筆者注)も高齢だし、先行きを心配している。ごく最近、彼(寛信氏の長男)を後継に決めるよう、晋三さんに言ったとも聞きます」 安倍対小泉の因縁の対決は寛人対進次郎に受け継がれるのか? 私的にはどっちでもいいけどね。 ソチ五輪のハイライトは、浅田真央とキム・ヨナの氷上対決である。19日、20日に行われるフィギュアスケートの決勝は、ソチを最後に引退を表明している浅田にとって、キム・ヨナとの最終決戦になる。 前回のバンクーバー五輪ではヨナが金、浅田が銀。 この2人、生まれたのもスケートを始めたのも同じ年で、ジュニア時代から数えて2人の通算成績は15戦して、浅田はヨナに6勝9敗と大きく負け越している。 スポーツライターの野口美恵氏は、ヨナのすごさをこう語る。 「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディーだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」 安藤美姫と高橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏もやはり、そこがヨナのストロングポイントだという。 「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」 しかし、浅田も秘策を練っていたようだ。トリプルアクセルを1回減らしたというのである。 「昨年末の全日本選手権後、浅田は一度も練習を公開しなかった。よほどトリプルアクセルの精度が悪いのか、と現場で噂になっていた矢先の発表でした。今季、ここまでトリプルアクセルは一度も成功していません。勝てるスケートに徹するのは嫌だが、このままではヨナに勝てないのも事実。おそらく佐藤信夫コーチとぎりぎりまで話し合いを重ねた上で、金メダルを獲るために、『究極の選択』をしたのでしょう」(スポーツライター藤本大和氏) だが、連盟関係者は、金はなかなか難しいと話す。 「トリプルアクセルを成功させ、かつフリーの後半に2つ入れた連続ジャンプをノーミスでクリアすることが絶対条件。その上でヨナがミスをすれば、初めて金メダルが見えてくる」 どちらにしても「その瞬間」を見てみたいものである。 今週の第2位は、新潮らしい記事。 通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の“ひこにゃん”や、熊本県の“くまモン”などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。 ところが、ふなっしーは千葉県・船橋市の非公認キャラ。すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。 ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、“船橋をPRするサイトを作る”という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが“ふなっしー”なのです」 昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど人気は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、一体いくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。 経済アナリストの森永卓郎氏が、こう算盤を弾く。 「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9,000万円。テレビ等出演料が4,000万円。グッズのロイヤリティなどで1,000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5,000万円近くになります」 気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人は、この法人から役員報酬を得る形になっているらしい。 だが、税理士の話によると「いずれにせよ、半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。 経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。 私事で恐縮だが、大雪が降った土曜日(2月8日)の夕方、川崎駅近くにある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で開かれた「東京海上フィルハーモニックオーケストラ第21回定期演奏会」へ行ってきた。 ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」といわれるものだ。残念ながら2,000人が入る会場は、交通事情悪化のため半分ぐらいの入りだったが、100名近いフルオーケストラと300名近い男女の合唱は、神々しいまでに荘厳で迫力に満ちたものだった。 ドイツが東西に別れていた1956年から64年の間に開かれた五輪に合同選手団を派遣した際、国歌の代わりとして、この第四楽章「歓喜の歌」が歌われたそうである。 恥ずかしいが、この年になるまで「第九」を生で聴く機会がなかった。 ベートーヴェンが初めてこの曲を演奏し、終わったとき、全ての聴衆の目には涙が光り、嵐のような歓呼は永遠に止むことがないように思われたという。外が吹雪のせいもあったかもしれないが、同じような“感動”をこの日私も味わった。「ブラボー」の声があちこちから上がり、拍手は鳴りやまなかった。 その楽聖・ベートーヴェンに比して「現代のベートーヴェン」とTIME誌に言わせしめた日本人作曲家が、実はペテン師だったという文春の記事は衝撃的であった。これが久々のグランプリだ! 作曲家・佐村河内守氏(さむらごうちまもる・50)のゴーストライターを務めていた新垣隆氏(43)が、こう告白している。 「私は18年間、佐村河内守のゴーストライターをしてきました。最初は、ごく軽い気持ちで引き受けていましたが、彼がどんどん有名になっていくにつれ、いつかこの関係が世間にばれてしまうのではないかと、不安を抱き続けてきました。私は何度も彼に、『もう止めよう』と言ってきました。ですが、彼は『曲を作り続けてほしい』と執拗に懇願し続け、私が何と言おうと納得しませんでした。昨年暮れには、私が曲を作らなければ、妻と一緒に自殺するというメールまで来ました。早くこの事実を公表しなければ、取り返しのつかないことになるのではないか。私は信頼できる方々に相談し、何らかの形で真実を公表しなければならない責務があるのではないかと思い始めたのです」 この“事件”、新聞やスポーツ紙、ワイドショーでは数日前から騒ぎになっていたが、時間的にいえば、文春が取材し、その新聞広告を手に入れた新聞社がその事実を知り、新聞社名では出しにくいので共同通信に情報を渡し、共同が書いたということになるのではないか。 佐村氏は広島生まれの被爆2世で、全聾の作曲家として一躍有名になった。 2011年に発表した80分を超える「交響曲第一番 HIROSHIMA」(演奏、東京交響楽団/日本コロンビア)は、クラシック界では異例の約18万枚のセールスを記録したという。 また、昨年3月31日に放送された『NHKスペシャル』の「魂の旋律~音を失った作曲家」では、東日本大震災の被災地の石巻、女川を訪ねながら創作する過程が紹介され、それが元で生まれた「鎮魂のソナタ」(演奏ソン・ヨルム/同)は、番組の反響もあって10万枚の売り上げを記録しているそうだ。 この番組は私も見たが、佐村河内の名前を知らなかった私も、内容に感動して、すぐにAmazonでCDを買って聴いてみた。さほど交響曲には感動しなかったが、被曝2世、全聾者という彼の人生が音楽の隠し味になって、聴く者を感動へと誘っていたことは間違いない。 ソチ五輪の男子フィギュアのショートプログラムで、高橋大輔選手が彼の作曲した「バイオリンのためのソナチネ」で滑ることも話題になっていた。 そこに18年間もの間、佐村河内氏のゴーストライターをやっていたという桐朋学園大学音楽学部作曲専攻で講師を務める新垣氏が、「懺悔実名告白」をしたのだ。 2人が出会ったのは、1996年の夏のことだという。年上の佐村河内氏は、新垣氏にこう切り出した。 「このテープには、とある映画音楽用の短いテーマ曲が入っている。これをあなたにオーケストラ用の楽曲として仕上げてほしい。私は楽譜に強くないので」 新垣氏はこの申し出をあっさり受け入れた。佐村河内氏が提示した報酬は数万円。それが、いびつな二人三脚の始まりとなったと文春は報じている。 新垣氏がこう話す。 「クラシック界では、大家の下でアシスタントが譜面を書いたりオーケストラのパート譜を書いたりすることはままあることです。ところが、その後わかったのですが、佐村河内は楽譜に弱いのではなく、楽譜が全く書けない。正式なクラシックの勉強をした形跡もない。ピアノだって、私たちの常識では『弾けない』レベルです」 新垣氏はお金とか名声がほしくて引き受けたのではなく、自分が作曲した音楽を多くの人に聴いてもらえることがうれしかったからだと動機を語っている。 新垣氏は自分たちを「天才的な大馬鹿コンビ」と自嘲していたというが、まさに奇跡の出会いだったようだ。 楽譜の書けない佐村河内氏は、細かい「構成図」を書いて新垣氏に渡したという。文春によればこうだ。 「『中世宗教音楽的な抽象美の追求』『上昇してゆく音楽』『不協和音と機能調整の音楽的調和』『4つの主題、祈り、啓示、受難、混沌』等々、佐村河内は、ひたすら言葉と図で一時間を超える作品の曲想(コンセプト)を書いている。このコンセプトに沿って新垣は、一音一音メロディーを紡ぎだし、オーケストラ用のパート譜を書き起こしていく。つまり、佐村河内はセルフプロデュースと楽曲のコンセプトワーク(ゼロを一にする能力)に長け、新垣は、それを実際の楽曲に展開する力(一を百にする能力)に長けている」 だが、「新潮45」(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考『「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か』を読んで、新垣氏は不安を持った。 野口氏はこう綴っている。 「時にはバッハ風、ときにはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらは刹那的な感動の域を超えることがない(中略)、『交響曲』の最後で(中略)ほとんどマーラーの交響曲(第3番の終楽章?)の焼き直しのような響き」 講談社から出した自伝『交響曲第一番』の中の記述などもウソが多く、新垣氏はここで打ち切ろうというアドバイスをしたが、佐村河内氏は受け入れなかった。 思いあぐねた新垣氏は、自分の教え子でもあり佐村河内氏が曲を献呈していた義手のヴァイオリニストの少女の家族の前で、これまでの真相を話し、謝罪したというのである。 こうして綻びは大きくなり、砂上の楼閣は崩れ始めた。 驚くことに「全聾」というのもウソだと、新垣氏は言っているのだ。 「実際、打ち合わせをしても、最初は手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる。彼自身も全聾のふりをするのに、ずっと苦労したんだと思います。最近では、自宅で私と会う時は最初から普通の会話です」 米誌がつけた“現代のベートーベン”という言葉に踊らされ、日本人の多くが騙されていた感動物語は、思ってもみないエンディングを迎えてしまった。 しかし、これだから人生は面白のだ。昔、ロサンゼルスで妻を何者かに撃たれ、悲劇のヒーローになった三浦和義氏に「保険金詐欺の噂がある」と文春が連載し、大騒ぎになったことがあった。 感動秘話の裏にある、どす黒い真実を暴き出すのも週刊誌の役割である。そういう意味でも、日本中を驚かせた文春は見事である。 なぜ、文春にばかりスキャンダル情報が集まるのだろうか? ここでも何度か書いているが、AKB48のスキャンダルをはじめ、タブーに怖じ気づかず数々のスクープをものにしてきた文春だから、ネタを持っていけばやってくれるという「安心感」がネタ元にあるからだろう。 ほかの週刊誌では、「面白い話ですが、うちではコンプライアンスがうるさくて」とか、「あのプロダクションとはケンカできないので」とかいった「言い訳」で断ることが多いが、文春にはそうした断る理由が他誌よりはるかに少ないのだ。 この騒動が起きたとき、ネタ元は文春だとぴーんと来た。文春恐るべしである。 (文=元木昌彦)「週刊文春」2月13日号 中吊広告より
「感動秘話には裏がある?」“偽ベートーヴェン”騒動に見る、文春のスクープ力
今週のグランプリ 「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった」(「週刊文春」2月13日号) 注目記事 第2位 「船橋市の高額納税者に出世した『ふなっしー』の確定申告」(「週刊新潮」2月13日号) 第3位 「浅田真央はキム・ヨナに勝てない」(「週刊現代」2月22日号) 第4位 「四代目が決まった! 安倍晋三の『養子縁組』」(「週刊ポスト」2月21日号) 第5位 「JOC副会長・田中英寿日大理事長と広域暴力団トップとの写真流失で、東京オリンピックは大丈夫?」(「週刊文春」2月13日号) 都知事選挙は、事前の予想通り舛添要一氏の圧勝に終わった。細川護煕氏の苦戦は予想されたが、宇都宮健児氏にも及ばない3位とは、残念な結果だった。 大雪のため投票率が大幅に下がったことも、組織票がアテにできない細川氏には痛かったが、一番の要因は「細川氏の影の薄さ」であった。 中野駅前で細川夫人と瀬戸内寂聴さんの細川応援演説を聴いた際、一枚のパンフレットをもらった。そこには細川氏と小泉純一郎氏の2人が並んで写っているのだが、細川氏のほうは顔が墨で塗りつぶされ、小泉氏だけがくっきり写っていた。 このパンフレットが象徴するように、細川氏は小泉氏の影武者で、彼には「原発をゼロにしなければいけない」という必死さが感じられず、原発を争点にすることができなかった。 だが、同じように原発再稼働反対の宇都宮氏と合わせれば舛添氏と匹敵する票数になるのだから、これで東京都民が「再稼働を容認」したと安倍政権が捉えるのは間違いである。 さて、今週はソチ五輪が開幕し、関連の記事が多く見られる。 まずは、文春のJOC(日本オリンピック委員会)副会長・田中英寿日大理事長が広域暴力団トップと親しいと報じているモノクログラビア。 一枚の写真がある。真っ青なスーツに派手なネクタイ姿でポーズをとる田中氏(左)と並んで写っているのは、山口組に次ぎ国内第2位の組員数を抱える指定暴力団住吉会を率いる福田晴瞭会長(右)であるという。 その事情を知る関係者は、こう語っている。 「この写真は、98年9月、ホテルニューオータニで開かれたパーティーの席で撮られたものです。その年は、福田氏が住吉会会長に就任し、祝う会が数多く開かれましたが、その一つです。主催者は迷惑がかかると思い声をかけなかったが、田中さんは顔を出した。会費は一人5万円で、引き出物も用意していましたが、田中さんが来たため、引き出物が足りなかったとか」 05年8月、当時、日大理事長だった森田賢治氏は、常務理事だった田中氏をめぐる「暴力団との密接交際」疑惑を究明するため、特別調査委員会を設置した。委員会がまとめた中間報告書は、田中氏の暴力団との交際を認めたという。 田中氏側は「古すぎてまったく覚えがない」と答えているが、公の立場にいる以上、国民への説明責任はあるはずである。 次は、少し気の早いポストの「安倍首相の後継問題」である。 岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代続いてきた安倍家だが、安倍晋三氏と昭恵夫人には子どもがいないため、安倍家のドンである故・晋太郎夫人の洋子さんは、4代目をどうするか考えていたらしい。だが、このほど後継者を“指名”したというのである。 「洋子さんが指さしたのはリビングのテーブルの上に飾られていた一枚の写真。安倍家と森永製菓のオーナーの松崎家(昭恵夫人の実家)、そしてウシオ電機オーナーの牛尾家(長男・寛信氏の夫人の実家)との一族集合写真を大きく引き延ばしたもので、昨年の夏前に撮影されたものだという。 そこで洋子さんが指さしたのは、寛信氏の長男、つまり首相の甥である孫・寛人氏の精悍な姿だった。『跡を継がせる』とは、首相の祖父の寛氏(代議士)──晋太郎氏と続く安倍家の政治的血脈を引き継ぐ『4代目』が決まったことを意味する」(ポスト) 次世代のプリンスは、いかなる人物なのか? 現在23歳。昨年、慶應義塾大学法学部を卒業し、現在は同大学ロースクールの1年生。小学生時代、父の寛信氏(当時は三菱商事勤務)の転勤で、ロンドンで生活したことから語学が堪能である。一方で高校(学習院高等科)、大学とアーチェリー部に所属したスポーツマンだという。 まだ首相在任中なのに後継を決めようとしているのは、安倍家には小泉純一郎親子への対抗意識があるからだと指摘するのは自民党ベテラン議員だ。 「官邸は小泉元首相の叛乱に加えて、息子の進次郎氏にも舛添氏への応援要請を拒絶され、小泉親子に煮え湯を飲まされたという思いが強い。しかも、進次郎氏は党内の多くが、『将来の総理・総裁』と期待するホープであり、党青年部の若手議員たちから厚い信頼を得ている。 首相にすれば、いくら都知事選で小泉元首相に勝ったといっても、いずれ自分に弓を引いた進次郎の時代が来るという焦りがある。ゴットマザーの洋子さんにも、後継者がいないままでは安倍家は小泉家に勝てないという複雑な思いがあるようだ」 また、山口県には林芳正・農水相というライバルがいることも後継を早く決めようという“動機”になっていると、政治ジャーナリストの野上忠興氏が解説している。 「林氏は参院から衆院への鞍替えを希望しており、地元では『安倍の次は林』という待望論が強いのは事実。安倍家が地盤を守るためには、新星のような後継者を出さなければならないという事情もあるのではないか」 現代でも、巻頭特集「安倍晋三が悩んでいる!『嫁姑大戦争』」の中でも、安倍の支援者がこう言っている。 「彼女(洋子=筆者注)も高齢だし、先行きを心配している。ごく最近、彼(寛信氏の長男)を後継に決めるよう、晋三さんに言ったとも聞きます」 安倍対小泉の因縁の対決は寛人対進次郎に受け継がれるのか? 私的にはどっちでもいいけどね。 ソチ五輪のハイライトは、浅田真央とキム・ヨナの氷上対決である。19日、20日に行われるフィギュアスケートの決勝は、ソチを最後に引退を表明している浅田にとって、キム・ヨナとの最終決戦になる。 前回のバンクーバー五輪ではヨナが金、浅田が銀。 この2人、生まれたのもスケートを始めたのも同じ年で、ジュニア時代から数えて2人の通算成績は15戦して、浅田はヨナに6勝9敗と大きく負け越している。 スポーツライターの野口美恵氏は、ヨナのすごさをこう語る。 「ヨナは音楽の曲想をとらえるのがうまい。単に音とタイミングが合うのではなく、メロディーだったり、ベース音だったり、楽曲全体が醸し出すニュアンスを演技に反映させることができる」 安藤美姫と高橋大輔をコーチしたニコライ・モロゾフ氏もやはり、そこがヨナのストロングポイントだという。 「フィギュアスケートは、他のスポーツと違って、観客を魅了しなければならない。そのためには女性としてのmaturity(成熟度)とか魅力が非常に重要になる。ヨナは女性としての魅力を最大限に出している。真央はどんなにきれいに滑っても、子供が滑っているように見えてしまう」 しかし、浅田も秘策を練っていたようだ。トリプルアクセルを1回減らしたというのである。 「昨年末の全日本選手権後、浅田は一度も練習を公開しなかった。よほどトリプルアクセルの精度が悪いのか、と現場で噂になっていた矢先の発表でした。今季、ここまでトリプルアクセルは一度も成功していません。勝てるスケートに徹するのは嫌だが、このままではヨナに勝てないのも事実。おそらく佐藤信夫コーチとぎりぎりまで話し合いを重ねた上で、金メダルを獲るために、『究極の選択』をしたのでしょう」(スポーツライター藤本大和氏) だが、連盟関係者は、金はなかなか難しいと話す。 「トリプルアクセルを成功させ、かつフリーの後半に2つ入れた連続ジャンプをノーミスでクリアすることが絶対条件。その上でヨナがミスをすれば、初めて金メダルが見えてくる」 どちらにしても「その瞬間」を見てみたいものである。 今週の第2位は、新潮らしい記事。 通常、ゆるキャラは確定申告なんかしない。彦根市の“ひこにゃん”や、熊本県の“くまモン”などはいずれも公認キャラで、活動は自治体の広報の一環だ。一方、莫大な利益を生むミッキーマウスやキティーちゃんは企業活動の一部だからである。 ところが、ふなっしーは千葉県・船橋市の非公認キャラ。すなわち個人が勝手にやってるもので、中の人は1人しかいないから税金がかかるというのだ。 ブレイク前から親交のあった某ゆるキャラ仲間は、ふなっしーの生い立ちをこう明かす。「震災で彼の店も収入がガタ落ちし、通販を始めるべく、パソコン教室に通い始めた。そこで、“船橋をPRするサイトを作る”という課題が出て、彼が思いつきで作ったのが“ふなっしー”なのです」 昨年末のNHK紅白歌合戦にも登場するなど人気は右肩上がりで、お菓子や玩具など関連グッズもめじろ押しとなっているから、一体いくら稼いでいるのだろうかと、これまたお節介を焼く。 経済アナリストの森永卓郎氏が、こう算盤を弾く。 「イベントは、新商品発表など非公開分も含めて年間300本。これが1本30万円として9,000万円。テレビ等出演料が4,000万円。グッズのロイヤリティなどで1,000万円。それにCDやDVDなどの印税を加えると、安く見積もっても1億5,000万円近くになります」 気になる確定申告だが、実はふなっしー、税金対策のためか、ちゃっかり法人化していたというのだ。ふなっしーの中の人は、この法人から役員報酬を得る形になっているらしい。 だが、税理士の話によると「いずれにせよ、半分程度は税金で持っていかれます」というのだ。 経費はほとんどなさそうだが、ゆるキャラ同士の懇親会は交際費として認められるそうだ。ゆるキャラも当たればでかいのだニャン。 私事で恐縮だが、大雪が降った土曜日(2月8日)の夕方、川崎駅近くにある「ミューザ川崎シンフォニーホール」で開かれた「東京海上フィルハーモニックオーケストラ第21回定期演奏会」へ行ってきた。 ベートーヴェンの交響曲第9番、いわゆる「第九」といわれるものだ。残念ながら2,000人が入る会場は、交通事情悪化のため半分ぐらいの入りだったが、100名近いフルオーケストラと300名近い男女の合唱は、神々しいまでに荘厳で迫力に満ちたものだった。 ドイツが東西に別れていた1956年から64年の間に開かれた五輪に合同選手団を派遣した際、国歌の代わりとして、この第四楽章「歓喜の歌」が歌われたそうである。 恥ずかしいが、この年になるまで「第九」を生で聴く機会がなかった。 ベートーヴェンが初めてこの曲を演奏し、終わったとき、全ての聴衆の目には涙が光り、嵐のような歓呼は永遠に止むことがないように思われたという。外が吹雪のせいもあったかもしれないが、同じような“感動”をこの日私も味わった。「ブラボー」の声があちこちから上がり、拍手は鳴りやまなかった。 その楽聖・ベートーヴェンに比して「現代のベートーヴェン」とTIME誌に言わせしめた日本人作曲家が、実はペテン師だったという文春の記事は衝撃的であった。これが久々のグランプリだ! 作曲家・佐村河内守氏(さむらごうちまもる・50)のゴーストライターを務めていた新垣隆氏(43)が、こう告白している。 「私は18年間、佐村河内守のゴーストライターをしてきました。最初は、ごく軽い気持ちで引き受けていましたが、彼がどんどん有名になっていくにつれ、いつかこの関係が世間にばれてしまうのではないかと、不安を抱き続けてきました。私は何度も彼に、『もう止めよう』と言ってきました。ですが、彼は『曲を作り続けてほしい』と執拗に懇願し続け、私が何と言おうと納得しませんでした。昨年暮れには、私が曲を作らなければ、妻と一緒に自殺するというメールまで来ました。早くこの事実を公表しなければ、取り返しのつかないことになるのではないか。私は信頼できる方々に相談し、何らかの形で真実を公表しなければならない責務があるのではないかと思い始めたのです」 この“事件”、新聞やスポーツ紙、ワイドショーでは数日前から騒ぎになっていたが、時間的にいえば、文春が取材し、その新聞広告を手に入れた新聞社がその事実を知り、新聞社名では出しにくいので共同通信に情報を渡し、共同が書いたということになるのではないか。 佐村氏は広島生まれの被爆2世で、全聾の作曲家として一躍有名になった。 2011年に発表した80分を超える「交響曲第一番 HIROSHIMA」(演奏、東京交響楽団/日本コロンビア)は、クラシック界では異例の約18万枚のセールスを記録したという。 また、昨年3月31日に放送された『NHKスペシャル』の「魂の旋律~音を失った作曲家」では、東日本大震災の被災地の石巻、女川を訪ねながら創作する過程が紹介され、それが元で生まれた「鎮魂のソナタ」(演奏ソン・ヨルム/同)は、番組の反響もあって10万枚の売り上げを記録しているそうだ。 この番組は私も見たが、佐村河内の名前を知らなかった私も、内容に感動して、すぐにAmazonでCDを買って聴いてみた。さほど交響曲には感動しなかったが、被曝2世、全聾者という彼の人生が音楽の隠し味になって、聴く者を感動へと誘っていたことは間違いない。 ソチ五輪の男子フィギュアのショートプログラムで、高橋大輔選手が彼の作曲した「バイオリンのためのソナチネ」で滑ることも話題になっていた。 そこに18年間もの間、佐村河内氏のゴーストライターをやっていたという桐朋学園大学音楽学部作曲専攻で講師を務める新垣氏が、「懺悔実名告白」をしたのだ。 2人が出会ったのは、1996年の夏のことだという。年上の佐村河内氏は、新垣氏にこう切り出した。 「このテープには、とある映画音楽用の短いテーマ曲が入っている。これをあなたにオーケストラ用の楽曲として仕上げてほしい。私は楽譜に強くないので」 新垣氏はこの申し出をあっさり受け入れた。佐村河内氏が提示した報酬は数万円。それが、いびつな二人三脚の始まりとなったと文春は報じている。 新垣氏がこう話す。 「クラシック界では、大家の下でアシスタントが譜面を書いたりオーケストラのパート譜を書いたりすることはままあることです。ところが、その後わかったのですが、佐村河内は楽譜に弱いのではなく、楽譜が全く書けない。正式なクラシックの勉強をした形跡もない。ピアノだって、私たちの常識では『弾けない』レベルです」 新垣氏はお金とか名声がほしくて引き受けたのではなく、自分が作曲した音楽を多くの人に聴いてもらえることがうれしかったからだと動機を語っている。 新垣氏は自分たちを「天才的な大馬鹿コンビ」と自嘲していたというが、まさに奇跡の出会いだったようだ。 楽譜の書けない佐村河内氏は、細かい「構成図」を書いて新垣氏に渡したという。文春によればこうだ。 「『中世宗教音楽的な抽象美の追求』『上昇してゆく音楽』『不協和音と機能調整の音楽的調和』『4つの主題、祈り、啓示、受難、混沌』等々、佐村河内は、ひたすら言葉と図で一時間を超える作品の曲想(コンセプト)を書いている。このコンセプトに沿って新垣は、一音一音メロディーを紡ぎだし、オーケストラ用のパート譜を書き起こしていく。つまり、佐村河内はセルフプロデュースと楽曲のコンセプトワーク(ゼロを一にする能力)に長け、新垣は、それを実際の楽曲に展開する力(一を百にする能力)に長けている」 だが、「新潮45」(13年11月号)に載った音楽家・野口剛夫氏による論考『「全聾の天才作曲家」佐村河内守は本物か』を読んで、新垣氏は不安を持った。 野口氏はこう綴っている。 「時にはバッハ風、ときにはマーラー風の美しい響きの瞬間も随所にあるが、それらは刹那的な感動の域を超えることがない(中略)、『交響曲』の最後で(中略)ほとんどマーラーの交響曲(第3番の終楽章?)の焼き直しのような響き」 講談社から出した自伝『交響曲第一番』の中の記述などもウソが多く、新垣氏はここで打ち切ろうというアドバイスをしたが、佐村河内氏は受け入れなかった。 思いあぐねた新垣氏は、自分の教え子でもあり佐村河内氏が曲を献呈していた義手のヴァイオリニストの少女の家族の前で、これまでの真相を話し、謝罪したというのである。 こうして綻びは大きくなり、砂上の楼閣は崩れ始めた。 驚くことに「全聾」というのもウソだと、新垣氏は言っているのだ。 「実際、打ち合わせをしても、最初は手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる。彼自身も全聾のふりをするのに、ずっと苦労したんだと思います。最近では、自宅で私と会う時は最初から普通の会話です」 米誌がつけた“現代のベートーベン”という言葉に踊らされ、日本人の多くが騙されていた感動物語は、思ってもみないエンディングを迎えてしまった。 しかし、これだから人生は面白のだ。昔、ロサンゼルスで妻を何者かに撃たれ、悲劇のヒーローになった三浦和義氏に「保険金詐欺の噂がある」と文春が連載し、大騒ぎになったことがあった。 感動秘話の裏にある、どす黒い真実を暴き出すのも週刊誌の役割である。そういう意味でも、日本中を驚かせた文春は見事である。 なぜ、文春にばかりスキャンダル情報が集まるのだろうか? ここでも何度か書いているが、AKB48のスキャンダルをはじめ、タブーに怖じ気づかず数々のスクープをものにしてきた文春だから、ネタを持っていけばやってくれるという「安心感」がネタ元にあるからだろう。 ほかの週刊誌では、「面白い話ですが、うちではコンプライアンスがうるさくて」とか、「あのプロダクションとはケンカできないので」とかいった「言い訳」で断ることが多いが、文春にはそうした断る理由が他誌よりはるかに少ないのだ。 この騒動が起きたとき、ネタ元は文春だとぴーんと来た。文春恐るべしである。 (文=元木昌彦)「週刊文春」2月13日号 中吊広告より
大沢樹生・喜多嶋舞元夫妻の長男騒動「99.9%僕はパパの子ども」発言で広がる波紋
今週の注目記事
第1位「元妻喜多嶋舞 周辺に大物俳優で『そして誰が父になる?』」
(「週刊新潮」1月2・9日号)
第2位「安倍政権NSC初代局長 許されざる『特定秘密』」
(「週刊文春」1月2・9日号)
第3位「小泉がまた動いた! 都知事選には『あの人』を担ぐ」
(「週刊ポスト」1月17日号)
第4位「『中国猛毒偽装食品』いま最も注意すべき30品目摘発リスト」
(「週刊文春」1月2・9日号)
第5位「米倉涼子が毎週泊める日本一の幸せ男 何者だ?」
(「フライデー」1月10・17日号)
第6位「『みのもんた』に骨董通りで土下座したテレビ局員」
(「週刊新潮」1月2・9日号)
番外「現代・ポストの袋とじ対決!勝者はどっちだ」
明けましておめでとうございます。早速、私事で恐縮ですが、今年はよい年になるかもしれない。といっても競馬の話だが。1月5日に行われた「中山金杯」「京都金杯」に連勝したのだ。私の半世紀近い競馬歴でも初めてのことである。
この両方のレースは年初のレースでハンデ戦とあって、難解この上ない。それを馬単(1着2着を当てる)で、ズバリ当てたのである。必勝法をお教えしよう。
ハンデ戦というのは、建前上ではハンデキャッパーがゴール前、馬が横一線になるようにハンデをつけることになっている。ならば馬の優劣はどこに出てくるのか。
馬が同じ力ならば、違うのは騎手の力量である。そこで「中山金杯」は、ベリー騎乗のオーシャンブルーから手広く流す。「京都金杯」は、ルメール騎乗のエキストラエンドからの流し。
オーシャンブルー(5番人気)が見事1着で、2着に8番人気のカルドブレッサが追い込んで馬単1万4,390円と好配当。
エキストラエンドは6番人気ながらルメールの見事な騎乗で楽勝し、2着に1番人気のオースミナインが来ても馬単5,820円とまずまず。
騎手の藤田伸二が『騎手の一分』(現代新書)で、外国騎手がやたらありがたがられるが日本の騎手と遜色ないと書いているが、残念ながら私は相当の技術的な差がまだまだあると考えている。それを証明して見せてくれたのが金杯であった。
本題について語る前に、1月4日に買った現代とポストの話をしたい。新聞広告を見ていたら、現代400円に対してポストは420円とあったので、早々とポストは値上げしたのかと思い、中野駅の売店で両誌を買うと840円を請求された。
あれ? と思い現代を見ると、ポストと同じ特別定価420円と表紙に書いてある。オフィスで新聞広告をもう一度確認すると、現代は本体400円の横に税込み420円と小さく書いてあるではないか。
現代のほうは外税的な書き方だが、これで400円の5%の20円が消費税分だから、4月の消費税アップ分を先取りし定価420円を固定化するつもりなのだろうか。これで週刊誌の売り上げがさらに落ち込まないか心配である。
さて現代、ポストは新年号付録のつもりなのだろう、袋とじでお得感を出そうとしのぎを削っている。
ポストはW袋とじで「永久保存版 美熟女専科1万円写真集 創業25年富士出版 ベストセレクション 豪華ミニ写真集」と「それだけでアナタのSEXライフは10倍の快楽を得られます! 完全保存版 女性ためだけの『秘密のフェラチオ講座』」
現代も袋とじで「こんなことしてお嫁に行けるの? やばいSEX」というのをやっていている。
「富士出版 ベストセレクション」は小雑誌になっていて、素人だそうだが、中年女性のあられもない姿がなかなかのわいせつ感を醸し出している。
もう一方は、ポストお得意の「最新最強のアダルトグッズ」の紹介があり、現代もカリスマAV女優が舌技を教えているページがある。
この袋とじ対決、お得感とわいせつ感でポストが現代を上回っている!
ここで提案。われわれが少年時代は「少年倶楽部」などの新年号8大付録に心を躍らせたものだった。付録に関する規制が緩和され、今の女性誌にはトートバッグやマフラーや傘までが付録につく。
週刊誌も新年号ぐらいは袋とじだけではなく、「サライ」のように万年筆や手帖、またはポーチなどを付録につけたらどうだろう。そうすれば部数は伸びるし、話題にもなるから損はしないと思うのだが、いかがだろうか。
さて、まずは第5位から。新潮のみのもんたのグラビア。
12月20日の21時過ぎ。港区南青山の骨董通りに面した高級割烹店から、ご機嫌な表情で出きたみのもんた(69)に対して、スーツ姿の男性が突如、冷たいアスファルトに膝をついて平伏したというのだ。
新潮によればこの人物、TBSの社員だという。その晩、みのが食事していた相手は「TBS前報道局長の取締役と報道局畑の局員たち」だった。
TBSにとって、朝を支え続けてくれたみのは「功労者」だという。それを降板させるということで、報道局員たちには負い目がある。そこで先の土下座になったというのだが、これではみのとTBSの上下関係はいつまでたっても変わらないようである。
久しぶりにフライデーを取り上げよう。平均視聴率23パーセントと大ヒットしたドラマ『ドクターX』(テレビ朝日系)の主役で、いま乗りに乗っている米倉涼子(38)が「結婚間近」だという張り込みネタだ。
12月上旬の夕方、真っ赤な「フォード・マスタング・コンバーチブル」に乗った米倉は、所属事務所での打ち合わせ終えると、南青山の交差点へと向かった。歩道には、ビジネスバックを持った長身の男性が待っていたという。
途中、明治屋などで買い物をした後、2人は米倉の自宅マンションへ入ると、そのまま一夜を明かしたそうだ。
気になる彼氏だが、彼の友人によるとこうだ。
「リクルートの元社員で、12年8月に独立したフリーの編集者です。現在は『ホットペッパー』などの情報誌を手がけています。
同じ8月に『女性セブン』にも二人の密会を報じられましたが、それ以降、本格的に付き合うようになったようです。年齢は30代半ばで米倉さんより年下ですが、入社5年目で『ホットペッパー』の編集長に抜擢されたほど優秀な人ですよ。雰囲気は、俳優の堺雅人さんに似ています」
米倉には『ドクターX』終了後、大きなスケジュールは入っていないという。フライデーは新春早々にも、サプライズ発表があるかもしれないと書いている。
この果報者め! 編集者って意外にモテるんだね。そういえば昔、週刊現代の副編集長が関根恵子と付き合っていて、彼女が編集部に夜食を届けに来たことがあった。
フライデーにいた編集者は、若い頃の藤原紀香とベットインしたことがあると自慢していたな。
幻冬舎の見城徹社長は若い頃、某女優と付き合っていると週刊誌のネタになったことがある。私にはそうした浮いたウワサが何一つなかったが、今からではもう遅い。
私は、文春が続けている中国の食品バッシングは好きではない。この欄でもほとんど取り上げていないが、今週の「中国猛毒偽装食品」は読んでいて反吐が出そうなぐらいひどい。
これが事実だとしたら、マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」の群馬工場で製造された冷凍食品から農薬マラチオンが検出された問題など、許せる気がするほどである。
これを読んだら、中国からの輸入食品は食べられないと思う。紹介してみよう。
文春は、山東省最大の魚工場である栄成市石島の水産加工工場へ行った。日本向けにイカのリングや白身魚のフライなどを年間5,000トン出荷しているというこの工場では「さらに不衛生な環境下で産地偽装が行われていた」というのである。
「工場内は薄暗く、長靴や手袋をしている従業員もいたが、農作業のような軍手姿。それも洗っていないらしく、真っ黒だ。素手で作業してる者も大勢いた。汚れたバットに入ったイカは常温で放置され、だいぶ傷んでいることがひと目でわかる。イカは添加物の水溶液に漬けられてからカットされるという。鼻を突く刺激臭を発するその液体は『酸化防止剤』という。
液体の臭いを確かめてみようと指を入れようとしたら、いきなり社長の怒声が飛んできた。
『危ない! 絶対に口に入れるなよ!』
そんな危険な溶液にイカを漬けるのかと背筋が凍りつく。社長によれば、イカをその溶液に浸すと膨れるため見栄えがよくなり、高く売れるという。
『でも自分で食べるなら、もちろん形が悪くても添加物なしのほうを選ぶね』
社長は卑屈に笑った。(中略)
私たちの『不衛生だ』という指摘に社長はカチンときたらしく、『ウチはマシなほう。百%日本向けに作っている工場で、もっと汚いところがある』と言い、近所の工場へ案内された。
そこは魚のフライ工場だった。遠くまで強烈な魚の腐臭が漂い、工場内は大量のハエが飛び交っていた。床には腐敗した魚の臓物が散乱していたが、作業員たちは魚が落ちても洗いもせず、そのままトレイに戻して捌いていた。滅菌室も消毒液もない。
この魚のフライは、日本の大手スーパーで売られるという。中国の大手企業に納入して、そこから日本に輸出しているそうだ。(中略)
『衛生管理が徹底してるのは、中国でも10~15%ぐらい。八割は零細工場で加工したものを大企業が買い付け、そこの商品と偽装して日本に輸出しているのです』(中国の大手食品加工会社社長)」
この記事を読んでも中国から輸入された食品を食べられる人は、よほど肝の据わった人か、食になんの関心もない人であろう。
大手メディアは多くの中国の食品加工工場を取材して、ここに書かれていることが一部の工場だけの話なのか、広く中国全土で行われていることなのかを取材して、報告してほしいものである。
安倍首相は景気が上向き加減なのをいいことに、圧倒的な数を頼んで「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設関連法や特定秘密保護法も成立させ、共謀罪まで視野に入れている。
韓国軍へ1万発の銃弾を無償譲渡して、武器輸出解禁へと踏み出した。今年の通常国会では、本丸である国家安全保障基本法案が提出される見込みだ。
一気に「戦争のできる普通の国」へ持っていこうとしている先には、中国と一戦交えようという腹があるのではないか。気弱で女々しい男が被った狼の仮面が剥がれるのは、いつになるのだろう。
我が世の春と思われていた猪瀬直樹都知事が、徳洲会からの5,000万円借り入れで辞任に追い込まれるとは思わなかったが、政治の世界は一寸先は闇である。
その躓きにつながるかもしれない記事が文春に載っている。安倍首相がご執心の日本版NSC初代局長谷内(やち)正太郎氏の「許されざる『特定秘密』」がそれである。
「NSC設立の狙いは、他国の情報機関との機密情報の共有により、日本の情報収集・分析能力を高めること。ありていに言えば、アメリカの機密情報をもらうための受け皿です」(政治部記者)
だが、アメリカも眉をひそめる友人が、谷内氏にはいるというのである。
「寛総会」という会が谷内氏にあるという。この会には朝日新聞の木村伊量社長など錚々たる顔ぶれが並んでいるが、パチンコ・パチスロメーカー「セガサミー」の里見治会長も名前を連ねている。
セガサミーは、今年法整備が進むと見られる国内カジノの参入を目指しているといわれる。
谷内氏はセガサミーの顧問を務めているが、顧問契約はセガサミーと株式会社谷内事務所との間で結ばれているそうだ。
そして、寛総会の事務局長として会を取り仕切っているのが、Kという人物だという。では、K氏とはどういう人物なのか。
今から約17年前、住宅金融会社(住専)がバブル崩壊で巨額の不良債権を抱え、社会問題化していたとき、「K氏も、住専四社から約六百億円の融資を受けた大阪の不動産会社社長としてバッシング報道の渦中にいたのだ」という。
不動産関係者がこう語る。
「あの頃大阪で成功した地上げ屋であれば、少なからず山口組系宅見組との接点を持っているはずですが、K氏の会社も例外ではありませんでした。頼み事をするには、組長の趣味だったフランスのエミール・ガレの高級美術品を持参するのが常識とされていたことから、贈り物探しに奔走していました。先頃韓国で仮釈放された許永中元受刑者が『韓国青年会議所を作ろう』とK氏に持ちかけてきたり、許氏と昵懇の実業家が度々会社を訪ねてくることがありました」
バブル崩壊まで突き進んだK氏の不動産会社、ピーク時で都銀や住専からの借金が総額約1,500億円まで膨らんでいたという。K氏はその後、自宅を差し押さえられたものの、一定の不良債権を処理した後、夜逃げ同然で、大阪から忽然と姿を消したそうだ。
そのK氏が谷内氏と結びついたのだ。
日中間に人脈を張り巡らせるK氏にこんな話があるという。公安関係者が絶対匿名を条件にこう明かしている。
「彼は、少なくとも一九六九年から一九八〇年までは韓国大統領直属の情報機関、KCIAのエージェントだったことが確認されている。 KCIAのエージェントは最盛期で八千人超いたと言われ、統一協会系の国際勝共連合などが隠れ蓑として使われていた。Kは活動資金が民団から出ている民団系のエージェントだ。北朝鮮情報の収集を担当し、日本国内では韓国大統領の一等書記官の指揮下にあった」
こうした背景が事実だとしたら、K氏と親しい谷内氏の初代NSC局長就任というのに疑問符がつかないのだろうか。
K氏は文春の取材に対して、KCIAのエージェントについてだけ「事実無根」だと伝えてきたという。
だが、官邸関係者がこう懸念している。
「実は、谷内氏はワシントンの大使館勤務の経験はあっても見るべき米国ルートがない。谷内氏の“人脈”をアメリカが把握すれば、機密情報を渡してくれるのか疑問です。これでは、何のために特定秘密保護法を無理押ししたのか……」
カジノ利権に関わる人物や韓国とのパイプが強い人物との交流に対して、谷内氏は釈明をすべきであろう。それとも自ら「特定秘密」に指定して蓋をしてしまうのであろうか。
お次は2月9日に投開票が決まった都知事選のお話。どうやらここへきて、候補者が絞られてきたようである。出る出ると大騒ぎの東国原英夫元宮崎県知事。自民党と公明が仕方なく推薦しそうな舛添要一元厚労大臣。宇都宮健児日弁連前会長。そして、ただ参加するだけの田母神俊雄元航空幕僚長。
新潮は、下馬評に挙がっている小池百合子元防衛大臣や橋本聖子参院議員、丸川珠代参院議員は出馬なしと読んで、東国原氏に勝てる候補となると舛添氏しかいなくなり、「消去法で200万票を貰う『舛添都知事』でいいのか?」と問うている。
そこでポストは、小泉純一郎元総理が動くと読む。これが第3位。
小泉元総理が都知事選に担ぐのは、やはり元総理の細川護煕氏だというのである。
細川氏は昨年10月に小泉氏と会談した後、脱原発を主張し、「幕末も薩長土肥が攘夷で一致した」(朝日新聞のインタビュー)と国民運動の必要性を唱えるようになったという。事実とすれば、小泉氏は都知事選に脱原発独自候補擁立を視野に入れて動いているということになると、ポストは書いている。
ポストはさらに、今年は1月19日投開票の沖縄名護市長選、2月9日に東京都知事選と続き、4月27日には徳洲会事件で失職が確実とみられている徳田毅代議士(自民党離党)の衆議院鹿児島2区補欠選挙が行われる。
この選挙は4月1日から消費税が8パーセントに引き上げられた直後のため、その影響が直撃するといわれているから、自民党は苦戦必至である。
その上ポストは6月の日本経団連総会で財界トップが交代するが、そこで脱原発派の会長が選ばれる可能性もあるというのである。
したがって東京都知事選は脱原発選挙になり、そこで勝った都知事が国に脱原発を迫るという筋書きである。面白い想定だが、細川氏や小泉氏自ら出馬しなくては、絵に描いた餅でしかない。果たしてそうなりますかな。
元光GENJIのメンバーとして一世を風靡した俳優・歌手の大沢樹生(44)が、喜多嶋舞(41)との間にできた息子(16)のDNA鑑定をし、「父子確率は0%」だという結果が出たという週刊女性の報道は、世の夫婦に衝撃を与えた。
大沢と喜多嶋は1996年にできちゃった婚している。だが9年後に離婚し、大沢は15歳年下の元モデルと再婚したが子どもはいないようだ。
息子の親権は大沢が持ち大切に育ててきたが、彼はずっと、この子は俺の子ではないのではないかという疑いを持っていたというのである。それは“ある夜の出来事”があったからだと、週刊新潮が報じている。これが今週の第1位。
2人をよく知る関係者がこう語った
「喜多嶋さんと結婚して3年ほど経った頃のこと。深夜、仕事を終えた彼女がひどく泥酔して帰宅したことがあったそうです。大沢さんが介抱していると、彼女は泣きじゃくりながら、こう話し出したのです。“奥田瑛二さんがね、『君が産んだ子は、俺の子じゃないのか』と言うの”と」
意を決してDNA鑑定をし、親子ではないとわかって大沢は7月に「親子関係の不存在」の確認を求める調停を東京家裁に申し立てている。
大沢は息子が自分の子でないとわかっても愛情に変化はないと、メディアの取材に答えている。
では、この子の本当の「父親」は誰なのか。喜多嶋は沈黙したままなので新潮は父親探しを買って出る。
名前が出た俳優・奥田瑛二(63)はどうなのか。奥田のマネジャーが、事実無根、どうして喜多嶋が自分の名前を出したのか見当がつかないと、奥田は当惑していると答えている。
先の関係者が、大沢の弁護士が「奥田さんの子どもですか」と聞いたところ、喜多嶋は「付き合っていた時期が(妊娠した時期と)違います」と答え、そのまま俯いてしまったという。
新潮はそこで、あの男に注目する。「不倫は文化」という迷言を吐いた石田純一(59)だ。
大沢と喜多嶋が結婚した96年当時、「この年の2月に、石田がホスト役を務めていた日テレのトーク番組に喜多嶋がゲスト出演したことがキッカケで、2人の交際が始まりました」と女性誌記者が語っている。
では、石田は何と答えるのか。当然ながら「喜多嶋さんと交際していた事実をまったくありません」と否定している。
しかし、96年4月に2人が南青山のサパークラブでデートする姿がメディアに報じられている。当時取材に当たった芸能記者が、こう話す。
「深夜、この店で石田と喜多嶋が頬寄せ合って、楽しそうに酒を飲んでる姿が頻繁に目撃されていた」
子どもが生まれた時期から計算すると、喜多嶋が大沢以外の男性と関係を結んだのは96年3月頃となり、石田との交際はまさにこの時期と重なると、新潮は書いている。
さてこの騒動、どういう結末を迎えるのだろうか。
(文=元木昌彦)
2013年【週刊誌スクープ大賞】BEST10はこれだ!

「“生まれ変わってもヤクザになる”は過半数!」ヤクザ100人に聞きました
今週の注目記事 第1位「『餃子の王将』創業家の『カネとオンナ』問題」 (「週刊現代」1月4・11日号) 第2位「NHK新会長・籾井勝人氏が語る『偏向報道』と『九州人脈』」 (「週刊文春」12月26日号) 第3位「現役100人ヤクザ世論調査」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 第4位「佐野眞一特別寄稿『猪瀬直樹君への手紙』」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 第5位「ビートたけしの『妄想AVネーミング大賞』」 (「週刊ポスト」1月1・10日号) 「有馬記念」のオルフェーブルの勝ち方は見事だった。調教は動かず、パドックでもおとなしすぎて心配されたが、走ってみれば8馬身差の圧勝だった。これでディープインパクトと並んだといってもいいだろう。 あとは、オルフェの仔どもたちがディープを超えられるかが次の勝負になる。3年後、オルフェとディープの仔がダービーで競う姿を想像すると、今からワクワクする。 ワクワクではなく腹が立ってしょうがないのは、安倍晋三首相だ。早速できたばかりの「国家安全保障会議(NSC)」で武器輸出三原則をいとも簡単に打ち壊し、南スーダンにいる国連部隊に「銃弾1万発」を提供することを決定してしまったのである。安倍首相は、この大量の銃弾がどれだけの人命を奪うかに思いを馳せることはないのだろう。この御仁、早く戦争がしたくて仕方ないとしか思えない。来年早々には集団的自衛権を容認させ、アメリカから手を貸せといわれればイランでもシリアへでも兵を差し向け、自分は安全な塹壕に隠れていて、自衛隊員に「天皇のために死んでこい」といえる男なのだろう。この男の“きな臭さ”は本物である。 今週は、そんな憂さを忘れさせてくれるものを選んでみた。ここには載せなかったが、週刊女性が報じた、俳優・大沢樹生が元妻で女優の喜多嶋舞との間に産まれた16歳の長男のDNA鑑定をしたところ、父子確率0%という結果が出たという記事はショッキングである。 DNA鑑定した経緯は省くが、ということは、この長男は結婚1年ぐらいして産まれているから、喜多嶋が他の男と不倫して作った子どもで、それを知らずに大沢は育てていたということになる。 この報道をワイドショーで女房と一緒に見ていた亭主たちは、多くが女房の顔を思わず見たに違いない。喜多嶋のコメントが聞きたいものである。 さて、手元にポストの綴じ込み付録「日本一美しい春画絵巻」という小雑誌がある。冒頭の月岡雪鼎の「幻の肉筆絵巻」は色遣いも美しく、男が自分自身をオンナのアソコに挿入しようとしている瞬間が鮮やかに描かれている。 またポストには「2014年版『性生活の知恵』」という特集もある。この元本である謝国権著『性生活の知恵』(池田書店)が出たのは1960年。たちまち大ベストセラーになった。 私は高校生だった。この本を買って授業中にクラスで回覧し、女生徒たちのひんしゅくを買ったことをよく覚えている。 いま見ればピノキオみたいな人形が足を開いたり、上向きになったりしているだけだが、こういうものでも興奮した時代であった。それが今はヘア・ヌードはもちろん春画に外性器である。だが、忘れないでほしい。こうした時代が到来したのはそう遠い昔ではないということを。 私が週刊現代で「ヘア・ヌード」という言葉を作った1990年代の初めは、ヘア・ヌードグラビアを載せる一般週刊誌など、一冊もなかったのである。 ヘア・ヌードという言葉が人口に膾炙し、それにつれてヘアの露出も増えていったが、警視庁の人間からは「取り締まるとすれば、現代かポストだ」と言われ続けていた。 刑法175条のわいせつの基準は、何一つ変わっていない。取り締まる側の胸三寸でいつでも二昔前に戻るのである。 わいせつ表現の自由の闘いは、出版の歴史でもある。私が入社した頃も、ずいぶん日が経ってからも、自分がやっている雑誌に春画を載せられる日が来るなどと思ったことはなかった。 わいせつ表現の自由は報道の自由のように、お上から与えられたものではない。私の先輩たちが闘い勝ち取ったものである。そんなことを春画を眺めながら考えた。 このところ文春、新潮の木曜発売組に精彩がない。月曜発売の現代、ポスト、特に今週はポストに面白いものが多い。 まずはビートたけしの「21世紀毒談」スペシャル版「妄想AVネーミング大賞」からいこう。 まずは今年の流行語からお題を頂戴して、「絶世の美女・滝川クリ●リスさんがあの手この手を使って男性委員を口説き落とす『クリちゃんのお・も・て・な・し』」 「現代文のスペシャリストが言葉攻めで女をとろけさせる『イクなら今でしょ』」 「視聴率40%超えの『半勃ち直樹』の『パイ返し』」 NHK朝ドラからは「ナマちゃん」が登場。「作品のクライマックスでは挿入歌の『潮吹きのメモリー』が流れる」 自転車のサドルばかりを200個盗んで捕まったという変態事件から、エロのトレンドはどんどん細分化して行かなきゃダメなんだよといいながら『サドルを舐めたい』をノミネート。 時事ネタからは『イノセクンの5000マンお借りします』。「人妻を一晩お借りして5000人斬りを達成する実録ドキュメント」。「後で不貞を追及されると、“奥さんを貸してくれるなんて親切な人だと思った”という名ゼリフを吐く」 宮崎駿監督最後の長編作品『風立ちぬ』はシンプルに『カリ勃ちぬ』。アニメで大ヒットした「進撃の巨人」からは『進撃の巨チン』。放送中止になった問題番組からは『ソコ×勃て』。 結局、たけし審査委員長の「第一回妄想AVネーミング大賞受賞作」は『サドルを舐めたい』に決定! こうした“毒”のあるものをやらせると、たけしはうまい。 お次もポスト。ノンフィクション作家・佐野眞一氏の「猪瀬直樹君への手紙」である。 佐野氏は約1年前、週刊朝日に書いた橋下徹大阪市長批判で轟々たる非難を浴び、連載を1回で中止した。またポストに連載した創価学会論「化城の人」に他人からの盗用疑惑があると指摘され、訴えられて現在訴訟中である。 佐野氏が批判されていたとき、猪瀬氏も批判の列に加わっていた。佐野氏と猪瀬氏は20代の頃から仕事を一緒にしてきた古い仲間である。 世の批判を受けていた頃、佐野氏は「私はいわば生ける屍も同然だった」と書いている。 だが氏は、その時の復讐を猪瀬氏にしたいためにこの一文を書いたのではないと断っている。そして、こう記している。 「『いくら身から出たサビとはいえ、ここまでマスコミの晒し者になってしまった猪瀬が気の毒だなあ』という正直な思いだった。そういう気持ちになれたのは、私が大きな失意を体験し、立ち上がったばかりだったからかもしれない。猪瀬の徳洲会問題と私が休筆を余儀なくされた問題は、もちろんまったく次元の異なる問題である。だが、私から言わせれば、一年を経ずして起きた二つの出来事に、猪瀬と私の間の巡り合わせを感じざるをえなかった。先輩たちが孜々(しし)営々として築き上げたノンフィクションの信用を裏切ったという点では、猪瀬問題も私の問題も変わらないではないか。ノンフィクションに関わる後輩たちにそう思われるのが、私には一年前の古傷に塩をもみこまれるようで、一番つらい」 猪瀬氏の都知事辞任はやむを得ないものの、この事件の本質は別のところにあると、こう続ける。 「徳洲会事件の背後には、猪瀬の後ろに隠れて甘い汁を吸った“巨悪”がいることは、ほぼ間違いない。それを放っておいて、猪瀬という批判しやすい“小物”ばかりを攻撃するマスコミは、どう考えても健全とはいえない。それは一時代前の“トップ屋”と同じやっつけ仕事の匂いがする。私がこの事件は同世代として悲しいと言ったのは、そういう意味である。(中略) 心ある都民は猪瀬の弁明にもならない弁明にみな呆れ返っている。釈明をすればするほど、猪瀬はもう晩節を汚すだけである」 1年ばかりの間にノンフィクション界の大物2人に、あってはならないスキャンダルが持ち上がった。 ただでさえ取材費が嵩み売れないノンフィクションに、出版社は手を出そうとしなくなっている。そうした中で、ノンフィクションの信用までも失墜させた2人の責任は重大である。 彼らは次なる作品で自らの汚名を晴らすとともに、ノンフィクションの真価を見せなくてはならない。 この“猪瀬事件”関連でいえば、現代は猪瀬辞任の陰にもっと大きな疑惑があると書いている。 「東電病院疑惑は、あくまで猪瀬氏と徳洲会の問題。実はその背後には、もっと巨大な構図の、まさに隠された疑惑があると指摘するのは、自民党閣僚経験者の1人だ。『それは、このところ急速に実現の機運が高まっている『カジノ』利権に関する問題だ。 猪瀬氏はもともと強力なカジノ推進派で、これまでも国内にカジノを設置すべきだと繰り返し発言し、安倍政権にも積極的に働きかけてきた。猪瀬氏とカジノ関連会社との付き合いは、かなり深いというのが当局の見解。しかしこの“カジノサークル”の本丸は、猪瀬直氏ではない。政権与党である自民党の問題だ』」 東京・お台場などを候補地に、国内初のカジノを設置する法案は、安倍首相や細田博之幹事長代行ら自民党幹部の肝煎りで推し進められ、次期通常国会での成立が期待されているという。現代によれば、 「仮に都議会で百条委員会が開催されたら、猪瀬氏はその周辺を洗いざらい調査され、偽証や証言拒否も不可能になる。そうなれば、徳洲会問題だけでなく、このカジノ利権の疑惑追及にも、一気に火がつく可能性があった。そんなことになれば、猪瀬氏1人のクビでは足りないだろう」 というのである。興味深い指摘である。 週刊朝日はポスト猪瀬は百花繚乱で、都知事選は女の戦いになると書いている。 朝日によれば、自民党で最初に取り沙汰された候補は、橋本聖子参議院議員だったという。冬季、夏季計7回の五輪出場を誇り、2014年2月のソチ冬季五輪の日本選手団団長にも決まっているから、東京五輪の顔としても最適だというのだ。それ以外でも、小池百合子元総務会長も虎視眈々と狙っている。 東国原英夫元宮崎県知事も出る模様だが、こんな秘策があるのではないかと、自民党関係者が語る。 「橋下市長が都知事選に出馬し、空いた大阪市長の椅子に東国原氏が座る、との合意がすでにあるというウワサが流れています。落ち目の2人が一度、立場をリセットしようというものです。そんなに簡単に行くとは思いませんが」 ふざけるなであるが、本命不在であることは事実である。 3位もポストの記事。ヤクザ100人に世論調査をしたという。 対象は山口組、住吉会、稲川会といった広域団体をはじめ、全国の指定暴力団に限定してあるという。 役職の内訳は一次団体のトップである代紋頭1名、一次団体幹部6名、二次団体幹部67名、一般組員が26名。 まず「景気は回復していると思いますか?」という問いに、「いいえ」が94%。暴力団側の言い分はこうだ。 「今のヤクザの景気は飛行機の尾翼だ。上がるのは最後で落ちるときは最初」(56歳、東京) 「安倍政権を支持しますか?」では、「いいえ」が81%にもなる。その理由を聞いてみると、 「目が死んでる。線が細すぎる。死ぬ気でやってるとは思えない。本気で喧嘩ができるようにも見えない」(66歳、中国) 意外にも「自宅は持ち家ですか? 賃貸ですか?」には、持ち家が73%もいる。 「月々の飲食費はいくらですか?」には、0~5万円が41%、5万~10万円が25%、それ以上使うヤクザが34%もいる。 「去年と比較して年収は上がりましたか?」には、「いいえ」が96%と、ほぼ全員が暴力団排除法などの影響を受けて収入は下がっているようである。 「結婚していますか?」という問いには、「はい」が56%もいる。「生まれ変わってもヤクザなりますか?」というのには、なんと「はい」が60%もいるのだ。しかも、若いヤクザに多いというのである。 「俺はヤクザという生き方が好きなんで、何度でもヤクザをやる」(25歳、中部) 「はい」と答えた暴力団員の9割は20代の若手組員だったそうだ。「NO」と即答したのはすべて年配の経験豊富な上層部だったという。 こんな面白い世論調査は、週刊誌にしかできない。 第2位は文春の記事。安倍首相がゴリ押しし、意のままに動く人間に交代させようと画策していたNHKの新会長が決まった。 やはり下馬評通り、日本ユニシス前社長の籾井勝人氏(70)である。文春はその籾井氏に、決定直前にインタビューしている。そこで氏は、こう語った。 「それはNHKに限らず、テレビの報道は皆おかしいですよ。例えば、『反対!』っていう人たちばかり映して、『住民が反対している』と。じゃ何人がデモに来ていたかというのを言わない。僕は言うべきだと思っている。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。安倍さんが言っているのはそういうことですよ。何も、左がかってるから右にしろと言ってるわけではないと僕は理解しています。中国が安倍さんのことを右傾化していると言っていたけど、何を言っているのかと。それで言うと中国なんかはもっと右じゃないか。それのことを日本のメディアはもっと考えてもらわないと困る」 やれやれである。時の政権にとって都合のいい「中立公正報道」がNHKに蔓延していくのだろう。先の特定秘密保護法のときもNHKは、この法案がどれほど危険なものかを論評せず「客観報道」に終始した。これからはもっと「安倍さまのためのNHK」になること間違いない。 さて、今週の第1位は、現代の取材ものだ。もう現代はカネがかかる事件取材はやらないのかと思っていたが、編集長交代で取り組む姿勢を見せている。拍手したい。 餃子の王将の社長・大東隆行氏(享年72歳)が早朝、何者かに「22口径ベレッタ」で射殺された事件は、いまだ手がかりがつかめないようである。 大東社長は人望もあり、酒も飲まず、人に恨みを買うような人柄ではないといわれている。 そこで現代は、創業家に注目し取材を進めていくうちに「カネとオンナ」問題があることを突き止めたという。創業者の加藤朝雄氏が京都で小さな中華料理店を始めたのが1967年。大東氏は創業者の義弟で、店を手伝い始めた。順調に成長してきた王将だったが、93年に朝雄氏が68歳で急死した後からおかしくなるという。 1年間のサラリーマン社長時代をはさみ、94年6月に長男の潔氏が社長に就任した。 同社の元幹部がこう明かす。 「バブルの末期、カネの流れが不透明な不動産投資や融資が増えたんです。先代(朝雄氏)から付き合いのある京都の不動産会社Kを通してのものでした。なかでも問題になったのは、99年に大阪国税局に申告漏れを指摘された、いわゆる『戎橋事件』でした」 89年2月に大阪市中央区の王将戎橋店の調理場で火災が起こり、店が入るビルの上の階に住んでいた、ビル所有者の夫婦が焼死する事件が起きてしまった。 「この夫婦の遺族と損害賠償で揉め、先代の指示もあって、そのトラブル処理をKに依頼した。そのためにKに支払った謝礼は1億円。Kは乱脈融資で大問題になった住専(住宅金融専門会社)からも100億円以上引っ張っていた、問題の多い会社でした。社長が潔さんに代替わりしてからの97年、王将は結局、戎橋のビルと土地を8億5800万円で買い取ることになります。その時に、Kに支払った解決金1億円を、不動産取得の経費として計上した。国税はこれに目をつけたんです」(元幹部) さらに、元幹部が続ける。 「戎橋の土地取得と相前後して、王将は福岡のゴルフ場運営会社に約90億円もの多額の貸し付けをしている。そして、このゴルフ場運営会社と、不動産会社の社長は同一人物だったのです。バブル期によくあった構図ですよ。何かをキッカケに企業が怪しい勢力に取り込まれ、際限なくカネを引っ張られるという。王将の場合、これらはすべて創業家とKのつながりで行われていた。こうした状況に義憤を燃やしたのが、当時副社長の大東さんを筆頭とする古参幹部たちだったのです」 限界だと判断した幹部社員たちは、件の90億円融資を世間に公表し、その経営責任を取らせる形で、00年4月に潔社長を退任に追い込んだというのだ。 そのことと今回の事件が関係しているのかどうかは、現代も追及できてはいない。 さらに王将創業家にはこんな問題も起きていた。 ウクライナ出身の加藤カチェリーナさん(30)が潔氏の長男・貴司氏と結婚したのは03年のことだった。 ところが、この結婚は悲劇に終わる。子どもを連れて逃げるようにウクライナに帰ったカチェリーナさんを、貴司氏が追ってきた。そして「3人で暖かいところに行こう」と妻子をエジプト旅行に誘い出し、そこで、息子と共に忽然と姿を消してしまったというのだ。 以後、2人は杳として行方知れずだというのである。カチェリーナさんはもう6年近く、息子に会っていないと嘆く。 急速に成長した餃子チェーンの内情は、どうもスッキリ味というわけにはいかないようである。 (文=元木昌彦)「週刊現代」1月4・11日号
「気分はもう戦争──?」特定秘密保護法成立の安倍政権下、週刊誌ができること
今週の注目記事 第1位「今度は『共謀罪』まで言い出した 安倍総理、気分はもう戦争」 (「週刊現代」12月28日号) 第2位「にわかに露出アッキーは官邸のイメージ戦略か」 (「AERA」12月23日号) 第3位「ヌードで赤裸々告白 優希まこと さんまさんのお家で……」 (「週刊現代」12月28日号) 長いことこの欄を受け持っているが、これほど読むべき記事が少ない週は珍しい。中でも文春、新潮は“冬枯れ”どころではなく、木枯らしが吹きすさぶ厳冬期のようだ。 たとえば、両誌がこぞってやっている韓国の朴槿恵(パククネ・61)大統領批判がある。 新潮が「身内に犯罪者『朴槿恵大統領』孤独の夜」、文春が「日本人は知らない 韓国マスコミが突いた朴槿恵大統領の『急所』」。 ともに朴大統領が対日強硬派であることを難じている内容であるが、他国の大統領をここまで批判するのは、何が目的なのであろう。 膠着状態にある日韓関係を憂い、首脳たちの対話を促すなら、こうした記事がマイナスに働くこと間違いない。それとも両誌は、日韓の緊張をさらに高めてほしいのだろうか? ともあれ、新潮から見てみる。大手新聞のソウル特派員はこう話す。 「行政府、立法府から司法府まで、あらゆる勢力がコングロマリットの如く、反日を規範に行動しているのが今の韓国です。朴大統領の父親・朴正熙(パクチョンヒ)は、KCIA(中央情報部)の部長などを側近にして、16年にわたり独裁者として恐怖政治を敷きました。程度の差こそあれ、彼女もそのDNAを受け継ぎ、独断主義を通しているので、怖れられているわけです」 諫言できるブレーンもいなければ、彼女には夫もいない。では兄弟姉妹はどうかというと、これが醜聞だらけだという。 妹の朴槿令育英財団前理事長は、契約金名目で7,000万ウォン(約640万円)を騙し取ったとして、詐欺罪で有罪判決を受けている。また実弟の朴志晩は、覚せい剤使用で保護観察処分。しかも同罪での摘発が89年の初犯以降5回もあるというのである。新潮はこう書いている。 「心から頼れる身内もいない朴槿恵大統領。反日に凝り固まる彼女は、他の多くの政治家とは違い、夜の懇親会の会合は入れず、青瓦台で独りの時間を過ごすという。夜毎、ドラマを見ながら、ひとり酒を傾けつつ……」 さながら、寂しき青瓦台の女王といった趣である。 さらに、朴槿恵大統領が昨年の大統領選で目玉の公約に掲げたのは「国民幸福基金」という現代版徳政令と、「高齢者向け年金の給付」だった。 ジャーナリストの勝又壽良氏が、このように解説する。 「韓国は財閥企業による輸出依存型経済です。結果、個人より企業に富が集中し、貧乏人が増える格差社会になっている。個人消費が落ち込み内需が低迷し、10年ほど前からクレジットカードを利用しようというキャンペーンが起きました」 その影響で、個人債務者が急増してしまった。一般家庭の債務の総額は2002年で464兆ウォン(40兆円)だったのが、12年には963兆ウォン(84兆円)にまで増加したそうだ。勝又氏がこう続ける。 「韓国では04年以降、これまで負債減免政策は3回行われ、今回の『国民幸福基金』で4回目。過去3回の徳政令の元金減免率は30~50%だった。今回は一律50%で、生活保護を受給していれば、なんと70%も減額されるのです。これまでにない大盤振る舞いと言えます」 この非常識な経済政策で国内経済はガタガタだというが、私にはちょっぴりうらやましい気がする。 父は反共だったのに、なぜ朴大統領は中国べったりなのかとも批判している。それは、韓国の今年1月から10月の対中国輸出額が1500億ドル(約15兆3100億円)で、日本を抜いてトップになったから、中国におべっかを使っているというが、致し方ないのではないかと、私は思うのだが。 文春では、早くも朴大統領に退陣を要求するデモが拡がっていると報じている。 12月7日、ソウル中心部は、朴大統領の退陣を求めるデモ隊に埋め尽くされたという。「朴槿恵大統領は退陣せよ」という約2万3000人のデモ隊は、機動隊と衝突し、放水も行われた。 「就任1年目でここまでのデモが起こるのは異常です。任期はあと4年ありますが、レームダック(死に体)も早いかもしれません」(在韓ジャーナリスト) さらには、かつて隠し子報道も飛び出したそうである。40歳年上の崔という牧師との関係がウワサされ、朴大統領は、07年の大統領選候補を選出するハンナラ党予備選挙で、こう言ったという。 「検証聴聞会で自らDNA鑑定の可能性に触れている。それは『わたしに隠し子がいるとの説が出回っている。もし実在するなら、その子どもを連れてきてみてはどうか。そうすればDNA鑑定を受けてもいい』というものだった」(朝鮮日報07年8月3日) 両誌を読み比べて、正直ため息が出た。こうした情報を欲しがり、韓国に対して怒りをもっている読者がいるのであろう。だが、こうして国内の反韓感情を高めれば高めるほど、両国関係は拗れ、歩み寄ることは難しくなる。 韓国も日本に負けず反日情報をまき散らしているのであろうが、それと同じところへ下りていくことはない、そう考える。 安倍政権の反韓・反中路線の核弾頭として批判しているのであれば、両誌が常々辛口で書いている大新聞の政権ベッタリ、大本営発表たれ流しと同じになりはしないか? どちらにしても、このところの強圧的な政権運営で支持率が落ちている安倍政権と同じように、このままいけば部数も落ち込んでいくのではないかと心配している。 ポストは先週合併号なので、今週はお休み。よって、注目記事はどう拾っても上記の3本しかない。困ったものである。 まずは現代のカラーグラビア袋とじ。 先日フライデーされた明石家さんまの自宅お泊まり相手、優希まことがヘアヌードになって、さんまとのことを告白している。彼女はレースクイーンとして活動後、2010年にAVデビュー。瞬く間に人気ヌードルになったそうだ。 といっても、“赤裸々”なのはヌードのほうで、さんまとのことはほんのちょっぴりなのが残念だ。 「さんまさんは本当に優しくて紳士的。肌がきれいで60歳近くとは思えない体のキレが印象的でした。いろんな意味で、まさに大人の魅力、でしたよ(笑)。詳しい内容? うーん……、あまり話すと怒られちゃいそうだからなぁ。でもラブラブな雰囲気が好きみたい。すごくかわいいんです」(優希) 堂々たるヘアに、小ぶりなおっぱいがカワイイ。ベットではいい女だろうなと思わせる肢体。この体をさんまが愛でたというのは、少しうらやましい。 先週、安倍首相の奥さん、安倍昭恵夫人をインタビューした現代の記事を紹介したが、このところの彼女のメディア露出はすごいものがある。 AERAはその「放言」には官邸の陰が見え隠れしていると書いている。これが今週の第2位。 現代以外でもこう言っている。 「“50歳からの人生に向けて、安倍晋三の妻としてより、ひとりの女性・安倍昭恵としてどう生きるかを考えたい”と思ったのです」(「エクラ」14年1月号) 「(安倍首相にとって)一番大きいのが憲法改正なんだと思う。それが国会議員になって最もやりたいことだったんだろうと思う」(12月7日付「ウォールストリート・ジャーナル」電子版) 「自分の国で事故がきちんと収束していないのに、(原発を)海外に売り込むことに対し、私はやはり『どうなんだろうな』と思っている」「主人に『小さいところは本当に大変なので、消費税は上げないでください』と毎晩言っていた」(11月12日の北海道新聞東京懇話会) 現代では、石破茂自民党幹事長が「デモとテロはあまり変わらない」と発言したことに対しても、 「デモができるということは健全な社会である証拠ですから、それをテロと言うことはちょっと許されないと思います。私には原発反対デモをしている知人もいますし」 と、バッサリ斬っていたのは見事だった。 だがAERAによると、彼女の発言に官邸は痛し痒しで、こんなことをしていると官邸関係者が語っている。 「いま官邸にはチームアッキーの部屋があって、専属の女性秘書2人がついています。実質的には監視役。インタビューなどはすべて目を通してますし、官邸がコントロールしようとしているのは明白です。タカ派色を強める安倍首相に対して、アッキーの露出を増やすことでバランスを取ろうという意図も見え隠れします」 私も、アッキーの一連の反原発発言や消費税、特定秘密保護法反対の姿勢は、官邸の「意志」があると思っている。 安倍首相のタカ派路線、国会軽視の強硬路線が国民の反発を招くことは、首相周辺は重々承知しているはずである。 そこで、安倍首相の妻が、首相の考えをちょっぴり批判することで、タカ派イメージを薄め、あの奥さんがいるから安倍首相もそんな変なことをしないのではという「安心感」を与えようとしているのではないか。 特定秘密保護法案が出てきた頃と、多くのメディアに彼女が露出し始めた時期は重なる。彼女のすべての言葉が、自分の意と反する意見を言わされているとは思わないが、安倍首相周辺が黙っていることなどありえない。 そうでなく、現代で「政治家の夫婦って、一緒に外に出るときには仲の悪い素振りなんて見せられませんから」と言っていることが誠なら、この夫婦は「仮面夫婦」で、遠くない将来、小沢一郎のように、奥さんのほうから三行半を突き付けられることになるだろう。 今のところのアッキー発言は眉にツバをつけながら、少し割り引いて聞いていたほうがいいはずである。 編集長が交替して、かなり安倍政権への批判を強めようとしている現代だが、今週も巻頭で「安倍総理、気分はもう戦争」と小気味いい。これを今週の第1位に推す。 鈴木崇之編集長は「音羽の杜から」でこう書いている。 「いま自分たちも猛烈な砂嵐の中にあって、いつの間にかとんでもない事態になっているんじゃないか。特定秘密保護法に続き、共謀罪創設なんて話も聞こえてくる昨今。日本が戦争への道を進み、恐竜たちのように滅びるのは真っ平御免です」 現代によれば、EU(欧州連合)28カ国の在日本大使館の政治担当参事官が毎月1回集まり、世界情勢について意見交換する昼食会を開いているそうである。 その会合に先日、米国の政治参事官が呼ばれた。目的は安倍晋三総理がいま、何を考えてるのかを聞き出すためだったという。欧州の大使館関係者がこう語る。 「そこで米国の参事官が、安倍総理が中国と戦争するつもりではないかとの危惧を示したから会議が騒然としました。会合では今夏の麻生太郎財務相のナチス発言に触れて、いまの安倍政権の特定秘密保護法案への強硬姿勢も、まるでナチスと同じ手口ではないかという声も上がりました。要するに、いま欧米先進国の間では、安倍政権が戦争に突き進むのではないかとの不安が渦巻いてる。それほどまでに、日本は世界から『気分はもう戦争』という危険状態にあると見られているのです」 さらに驚いたのは、12月11日に「政府は共謀罪の新設検討」と朝日、日経新聞などが報じたことだ。共謀罪というのは殺人など重大犯罪の実行行為がなくても、謀議に加わっただけで処罰の対象とされるもので、現代の「治安維持法」として批判されてきたのだ。その悪法が、ここへきて急浮上してきた。 「安倍政権は11月末に『国家安全保障会議(日本版NSC)』創設関連法も成立させている。NSCは総理大臣、官房長官、外相、防衛相をメンバーとする『4者会合』を中核とし、外交・安全保障政策の司令塔となる組織。巨大な権限を持つことから、『戦争司令部』になりうると批判されているものだ。こうした既成事実を列挙すれば、確かに安倍政権は『戦時モード』へ突き進んでいるようにしか映らない」(現代) 現役米大使館幹部もこう話す。 「誤解されていますが、米国は秘密保護法に反対の立場です。東アジア情勢が安倍政権下で悪化する中で、なぜ戦時下の言論統制を連想させるような法案をあえて可決しようとするのかと、頭を抱えているほどです。オバマ大統領は、キャロライン・ケネディ駐日大使を通じて、安倍総理に『靖国だけには参拝するな』『これ以上中国を刺激して尖閣問題が再燃したら、米国は日本を助けない』とのメッセージも届けています。しかし安倍政権の動きを見ていると、忠告が全く響いていないように見える」 さらに現代は、安倍政権はこれに飽きたらず、戦時モードの強化へと突き進もうとしていると追及する。 NSC、秘密保護法はまだ序の口で、来年の通常国会では、本丸である国家安全保障基本法案が提出される見込みだというのである。 「昨年7月に自民党がまとめた法案の概要を見ると、戦争ができる国への一歩を大きく踏み出そうとしているのがよくわかります。例えば第3条では教育、科学技術など各内政分野は、国防を優先しろとの旨が書かれている。さらに第4条では『国民の責務』として『安全保障の確保に寄与』とある。早い話が国民も国防に協力しろという、国家総動員法まがいの内容です。さらに第10条では集団的自衛権を認め、第12条では武器輸出を解禁しようとしています」(弁護士の伊藤真氏) 国家安全保障基本法案がどれほど危険なものか。ビジネス情報誌「エルネオス」(13年10月号)で東京新聞編集委員の半田滋氏と対談したとき、半田さんはこう言っている。 「国家安全保障基本法案というのは去年の7月、自民党が野党だったときに総務会で決定しました。概略しか自民党はつくってませんけど、その中で自衛隊というものを法的に位置づけると言っていて、その中身を読んでいくと憲法とほとんど変わらないような規定なんです。たとえば『国民の責務』という項目があって『国民は、国の安全保障施策に協力し、我が国の安全保障の確保に寄与し、もって平和で安定した国際社会の実現に努めるものとする』と書いてある。 自民党の憲法草案にも似たような文章があって、要するに国防の義務を国民に負わせていくというような趣旨で、憲法九条の二項に『陸海空戦力をこれは保持しない』と書いてあるけれども、この中では『陸上・海上・航空自衛隊を保有する』と書いてあります。戦力という書き方じゃなくて自衛隊と明記した上で保有するとあって、国連には個別的・集団的の区分けがないところをうまく利用して、集団的自衛権の行使をやると書いている。 重要なのは、この法案は憲法よりは下だけれど国家安全保障の全体像を描いた上位法です。この法律だけでは漠然としてるので、下位法として集団自衛事態法をつくる。また自衛隊法を変えて集団自衛出動的任務規定を盛り込むということが書いてあります。それと国連の安保理制裁決議で武力行使が行われる場合には参加できるという項目もあるし、驚くべきことに武器の輸出ができるという規定まであります。 私がこの本(『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)=筆者注)を書いたときは、自民党の幹部の方が、これは議員立法でやりますと明言していたんです。三権分立ですから立法府としてこの法律をつくります。行政府、内閣はこの法律に従って自衛隊の活動を規定してくださいと要求していく。それによって自ずと自衛隊の海外における集団的自衛権の行使や武力行使ができるようにすると言っていた。 ところが今はシナリオがちょっと変わってきていて、安倍さんは内閣立法でやると言い出している。つまり安全保障は国の責任でやるべきだから閣法提出にすべきだ。それが内閣法制局長官の交代につながっているんです。つまり閣法で出すということは、内閣法制局で今の憲法解釈と齟齬がないか吟味してもらわなければいけません。これは合憲ですよと言ってもらわなければいけないわけで、イエスと言える法制局長官に差し替えて、万全の態勢で出していくという手続きが必要だと変わってきているんです」 内閣法制局長官を替え、体制は着々と整いつつある。これを阻止するには、民意の結集が必要である。 幸い、特定秘密保護法を無理やり通した後の世論調査では、NHKやJNNが10ポイントも下がって50%になり、共同通信などは47.6%にまで落ち込んでいる。 国民の怒りをくみ取り、安倍首相がしようとしている「戦争のできる普通の国」をやめさせるために週刊誌は何ができるのかを、真剣に考え誌面化しなくてはいけないこと、言うまでもない。 (文=元木昌彦)「週刊現代」12月28日号
「2年で30万円が2000万円に増えた」為末大は“インチキ投資ファンド”の広告塔だった?
今週の注目記事 第1位「安倍総理夫人が夫への『違和感』を告白」 (「週刊現代」12月21日号) 第2位「金正恩は朝鮮人民軍に暗殺される」 (「週刊現代」12月21日号) 第3位「中田英寿が3億円ブチ込んだ“インチキ投資ファンド”」 (「週刊文春」12月12日号) 第4位「中国『防空識別圏』を飛ぶJAL&ANA国際線全便リスト」 (「週刊ポスト」12月20・27日号) 番外1「2013ミステリーベスト10」 (「週刊文春」12月12日号) 番外2「小学校の音楽の先生が出ていた『無修正AV』ちょっと凄いぞ」 (「週刊現代」12月21日号) 今週の週刊新潮は、ちと期待外れ。週刊現代が編集長交代(藤田康雄編集長から鈴木崇之編集長)の御祝儀もあったのか(もっとも今号は前編集長からの引き継ぎ企画だが)、読み応えのある記事が多かった。 まずは、その現代の記事。わいせつ電磁的記録・記録媒体頒布ほう助の疑いで11月30日に逮捕されたA子(27歳)だが、現代によれば「罪名がわかりにくいが、インターネット上で配信するための無修正AVと知りながら、女優としてAV制作を助けた、つまり出演したという容疑である」そうだ。 実名を出すのは酷な気がするが、この容疑者が名門東京藝術大学の声楽家を卒業後、都内の小学校で音楽の先生をしていたというから、大きな話題を呼んだ。 60代男性がこう語る。 「この地区の運動会の開会式で『君が代』を斉唱していました。唄うように頼んだ人は、東京藝大出身と聞いて、『この地区に芸術家がいる』と喜んでいました。綺麗で愛想もよくて、この町のスターです。AV? 何かの間違いじゃないかな」 インターネット上にあるAVの写真まで出されては、先生としてやっていくことはできまい。ハイエナ週刊誌に「藝大出身の元小学校の先生Eカップの“お詫びヘア・ヌード”」なんてグラビアが載るのは近いかもしれない。かわいそうに。 私のようなミステリー好きにはたまらない、文春恒例の今年のベストミステリー。ベスト3と寸評を紹介してみよう。 国内部門の第1位は『教場』(長岡弘樹・小学館) 汐見薫「ある章の登場人物が次の章では全く違った人間像を見せる。その無駄のない文体と鮮やかな展開に感服」 第2位は『祈りの幕が下りる時』(東野圭吾・講談社) 田村良宏「こんなにも悲しい動機を描いたミステリーに出会ったのは初めて。いつまでも忘れられない作品になるだろう」 ちなみに東野氏は10位にも『夢幻花』(PHP研究所)が入っている。この作家の衰えない創作力には脱帽である。 第3位は『ノックス・マシン』(法月綸太郎・角川書店) 千街晶之「マニア気質と遊び心の融合から生まれた至高のパロディー短編集」 海外部門の第1位は『11/22/63』(スティーヴン・キング・文藝春秋) 狩野洋一「ファン待望の長編。ケネディー暗殺に時間を戻し、その後の歴史を織り込んだ読み応えのある力作」 第2位は『緑衣の女』(アーナルデュル・インドリダソン・東京創元社) 岩井志麻子「つらい物語だった。死体の身元を解き明かしながら、家庭内暴力も暴かれていく。心の中ってのが最大のミステリーか」 第3位は『遮断地区』(ミネット・ウォルターズ・創元推理文庫) 芹澤恵「人の弱い所、嫌な所を描くと右に出る者のない作家だが、今作では弱い人間にも骨がある所を丁寧に描く。それでいてこのスピード感」 私がこの中で読んだのは、高村薫の『冷血』、ジェフリー・ディーヴァーの『ポーカー・レッスン』、ローラン・ビネの『HHhH プラハ、1942年 55』だが、キングの本は早速読んでみよう。 さて、11月23日午前10時、中国国防部は、東アジア諸国・地域を震撼させる次のような発表を行った。 「本日、午前10時をもって、魚釣島(尖閣諸島)海域一帯に、防空識別圏を設定する。今後、この空域をわが国に許可なく通行することを禁じ、指示に従わない航空機に対しては防御的緊急措置を講じる」 文春「中国は世界の嫌われ者!」の中で、航空自衛隊幹部がこう懸念している。 「今回の防空識別圏の設定によって、海南島事件のようなケースが起きてしまうことです。日中の制服レベルのホットラインがない現状では、一度何か起きれば、事態がエスカレートしてしまいかねません」 海南島事件とは、2001年に中国南部の海南島から110キロの南シナ海上空で偵察活動を行っていた米軍の電子偵察機と、警戒にあたった中国軍の戦闘機が空中衝突した事件のことで、東シナ海上空に侵入する中国軍機が増えれば、このような事件が起きる恐れが高まるという。 アメリカもこの中国の発表に警戒感を強めているようだし、中国側の出方次第ではきな臭くなってくるかもしれない。 ポストは、民間機の安全がピンチだと、このあたりを飛ぶJALとANAの国際線のリストを掲載している。かつて大韓航空機撃墜事件があったから、客にとっては知りたい情報である。これが今週の第4位。 23日の中国側の設定以降、その空域を国際線の飛行経路とする全日空(ANA)と日本航空(JAL)は、中国政府にフライトプランを提出した。 安全運行を考えれば素直に従うほかなかったのだが、それに待ったをかけたのが日本政府だった。26日には国交省から、業界団体である定期航空協会に「中国にフライトプランを提出しないように」という要請が出たのである。その結果、両航空会社は27日の0時から提出をやめてしまったのである。 しかし、アメリカは民間の航空会社がフライトプランを提出することをやめさせなかった。 ポストで米国国防関係者が言う。 「防空識別圏に設定された区域は、米軍が軍事演習を行う地域でもある。アメリカは軍用機の対応では日本と一致しており、中国政府に対して演習の事前通達をすることはない。だが、民間機は別だ。不測の事態は絶対に避けなければいけない。国民の安全を考え、“中国政府の出した方針に従うべき”というスタンスをとった」 国民の安全を考えればこの措置が当然だと思うが、日本政府は考え方が違うのである。おかしいと思うが、こうなったら自分の身は自分で守るしかない。 ポストによれば「日本から、当該の空域を通るのは原則、『台湾』と『香港』への往復航路になる。実際に、2航路のフライトプランは11月23~25日まで提出されていた。現在、その航路を飛行するのはJALとANA、そしてLCC(ローコストキャリア)のPeachを合わせて、1日に台湾便が28便、香港便が18便の計46便となる」そうだ。 こちらへ行く方は、くれぐれもご覚悟を。 2001年の世界陸上400メートルハードルで銅メダルを取り、侍ハードラーとして名高い為末大が広告塔になっているアジア・パートナーシップ・ファンド(APF)という投資ファンドが、えらいことになっているという記事が文春に載っている。これが第3位。 そもそもは11月1日、証券取引等監視委員会(SESC)がAPFグループの実質的代表である此下益司氏(46)に対して、40億9605万円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告したのである。社会部記者がこう話す。 「これまでの課徴金勧告の最高額は法人で約16億円、個人では約1億2000万円でした。個人に約41億円というのは前代未聞です」 APFグループは投資家から資金を集めて、タイなど東南アジアで不動産や企業などに投資し運用してきたそうだ。日本やタイで不動産、証券、食品などの企業を傘下に収め、07年末には運用規模1200億円を超えていたとされる。 「SESCの発表では、APFグループの会社ウェッジホールディングスが、虚偽の情報を公表し、株価を上昇させたとして金融商品取引法違(偽計)の疑いがあるというものでした」(同) APFがメディアで取り上げられるようになったのは、04年3月に為末が所属選手となったことがきっかけだったようだ。 為末は著書『インベストメント ハードラー』(講談社)で、此下氏との出会いについて明かしている。 「此下氏は超小型のファンドを作ってくれ、そのアドバイスに従って運用した結果、2年で30万円が2000万円に増えた。為末は『とても手堅くビジネスを推し進めていました』『怪しいなんて、とんでもない。この人は、本物だ』『此下会長から多くのことを学びました』」(文春) と絶賛しているそうである。確かに、為末の著書の帯には「30万円が2000万円に増えた話」と特筆大書してある。 APFの顧客には元サッカー日本代表の中田英寿や水泳の北島康介、野球の古田敦也。芸能界では美川憲一やうつみ宮土理などのセレブがいるという。 だが、ため息まじりにこう語る70代女性がいる。 「APFの担当者は私のことを『おかあさん、おかあさん』と呼んで、いろんなところに連れ出してくれた。お寿司を食べに行ったり、うつみ宮土理さんの舞台に招待してくれたり。でも、3年前に配当が止まってからは、きちんとした説明もない。一番、後悔しているのは自分の稼ぎだけでなく、夫の分もつぎ込んでしまったことです。夫が亡くなった時に、もっと好きなことをやらせてあげられたのではないか、と。それもこれも上手い話にのせられた自分が悪いんです」 此下氏は、約41億円もの課徴金を課せられる可能性があるほか、今年の5月には、投資家16名から4億6200万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に提訴されている。原告弁護団の橋口玲弁護士はこう語る。 「我々は、詐欺的な勧誘をした疑いがあると主張しています。口頭で元本保証をうたって商品を勧誘した疑いがあり、これは出資法違反の疑いがあるのです」 隆盛だったAPFの転機となったのは、10年6月、APFグループの会社に架空増資の疑いがあるとして、SESCが強制調査に入ったことだった。 投資家B氏によると、強制調査の前からAPFには異変が起きていたという。「タイで暴動が起きて事務所がクローズしたので」とか「タイにいる役員が辞めたから」といって、とにかく配当を先延ばしにしようとしたそうである。 そのうち強制調査が入って完全に配当が止まり、内容証明を送ったら、その日から一切連絡が取れなくなったという。 文春は、此下氏に対する「疑惑」には捜査当局も関心を持っていて、情報収集を続けているとある。 約40億円の課徴金を課せられる裏に悪徳商法でもあったら、為末の責任も問われることになるであろう。 12月3日に韓国発で衝撃的なニュースが飛び込んできた。故・金正日総書記の妹・金敬姫書記の夫で、北朝鮮の実質上のナンバー2である張成沢国防委副委員長(党行政部長)が失脚したというのである。加えて、張副委員長の腹心の2人の幹部が、公開処刑に処せられたというのだから、驚いた。 しかし、これは北朝鮮側によって裏付けられるのだ。北朝鮮の朝鮮労働党が8日、政治局拡大会議を開き、張成沢国防委副委員長をすべての職務から解任し。党から除名すると決めたと、朝鮮通信が伝えたのである。 若い金正恩を支え、後見人とまでいわれてきた人物の突然の失脚の裏には何があったのか、現代が詳しい。これが第2位。 中国の外交関係者がこう語る。 「金正恩政権のスローガンは『経済発展と核大国』だが、経済発展の担当責任者が張成沢だった。張は頻繁に訪中し、『わが国も中国を見習って経済発展したい』というのが口癖だった」 そんな張国防委副委員長がこの春以降、勝負に出たという。同じ関係者が続ける。 「中国が経済特区の指導をして、5月に経済開発区法を制定したのに続き、10月下旬には、国内14カ所に、中国式の経済特区を設置することを決めたのだ。この経済特区のポイントは、中国などから外資を誘致し、民間主導で都市の経済発展を図るというものだった。 これに真っ向から噛み付いたのが、120万朝鮮人民軍だった。朝鮮では、インフラ建設は軍の独占的利権だ。それを切り崩されたら、軍の大幅削減は必至なので、軍が焦燥感を募らせたのだ」 そこへ不幸が重なったというのだ。 「それは、金敬姫書記の健康問題だ。2年前の12月に独裁者だった金正日総書記が死去した後、金正恩第一書記が直ちに後継者となったが、黒幕は金敬姫だった。過去2年間の重要人事はすべて、金敬姫の意のままだったと言っても過言ではない。金正恩も張成沢も、金敬姫あってのナンバー1でありナンバー2だった。その金敬姫が、持病の糖尿病を悪化させ、絶体絶命のピンチに陥っているのだ」(同) そんな中で朝鮮人民軍は、経済特区設置によって軍の権益が侵されたとして一気に反撃出たのだという。国情院関係者がこう語る。 「だが、経済改革の旗手を失ったことで、14カ所の経済特区の開発は事実上ストップした。経済はいよいよ破綻し、この冬は再び大量の餓死者と凍死者を出すことになるだろう。そうなると、民衆の反乱が起こる可能性もある」 北朝鮮が内乱状態になり、軍が暴走する事態も考えられるのではないか。いよいよ北朝鮮王朝の断末魔も近いのかも知れないが、日本もそうなれば巻き込まれることになるはずである。北朝鮮からは目が離せない。 今週の第1位は、現代の安倍首相夫人・昭恵さんインタビューである。インタビュアーはジャーナリストの松田賢弥氏。 松田氏はもともと現代に籍を置いて仕事をしていたが、ここ数年は現代を離れ、文春の仕事が多かった。そのエース記者が古巣へ戻って、先日は菅義偉官房長官インタビューをやっていたが、これはどうということはなかった。 だが、今週号の安倍夫人インタビューは面白い。これが今週の第1位。 このインタビューの面白さは、インタビュアーの突っ込みのよさもあるが、ひとえに昭恵夫人の率直な受け答えにある。これほど現役総理夫人が“ホンネ”で語ったことはほとんどなかった。いくつか紹介しよう。 まずは、希代の悪法「特定秘密保護法」を強引に通したことについてどう思うかと聞かれ、こう答える。 「最近、皆さんにそのことを聞かれます。たしかに大きな時代の流れとしては、情報の開示は進めたほうがいいと思うんですね。主人は時代に逆行してるように見えるかもしれない。けれども、国民をだまして戦争しようとか、そういうことではないと信じている。日本という国がきちんと独立していく過程で必要な法案であり、いま通さなくてはいけない理由が、何かあるんだと私は理解しています」 この「いま通さなくてはいけない理由」こそが問題なのだと、私もあちこちでいっているが、彼女もそう感じていることが読みとれる。 石破茂自民党幹事長がデモとテロはあまり変わらないと言ったが、どう思うかと聞かれ、「デモができるということは健全な社会である証拠ですから、それをテロと言うことはちょっと許されないと思います。私には原発反対デモをしている知人もいますし」 亭主の政敵への“批判”もちゃんとするところがいいね。 彼女は反原発派で知られるが、亭主との違いを聞かれてはっきりとこう答えている。 「はい。もし、もう一度事故が起きれば、日本は終わってしまうと思うんです。以前、福島第一原発の20km圏内にも行きましたが、これだけの広範囲に未だに誰一人入ることができないという状況は、やはり普通ではないと感じました。(中略)子どもを持つお母さんたちは不安とストレスを抱え、風評被害は収まらず、除染も進まない。そんな状況で『原発は安全でしかも安い』と言われても。何か起きてしまえば莫大なお金がかかるわけですから、安いとは考えられません」 しかし、亭主は海外に原発を輸出するセールスマンになっているではないか。 「国内の事故が収束していないのに、外国に原発を売るというのは、私個人としてはなかなか心苦しいところがあります。(中略) 主人は『中国製の原発の方が危険なんだから、日本製を買ってもらったほうがいい』と言っています。実際、そうなのかもしれません。でも理想としては、日本が原発に代わる技術を開発して、それを売り込むのが筋なんじゃないか、と思います。なかなか簡単ではないでしょうけれど」 中国の原発なんか買う国があるわけないじゃないか。パチパチパチである。彼女は韓流ファンとしても知られるが、やはり相当プレッシャーがあるらしい。 「この前、日韓交流のイベントに行ったと(Facebookに=筆者注)書き込んだら、炎上するほど批判が寄せられたりして、大変な部分もあります。(中略)私は以前からずっと、日韓関係をよくしたいと考えていましたから、韓国の方々が喜んでくださるならそれでいいかな、と個人的には思います。でも、最近は非常に(日本国民からの批判が)厳しいですね…… 韓国のことについて発言すると」 これを読んでいて、私にはあるアイディアが浮かんだ。 きっかけは、『現代中国悪女列伝』(文春新書)というすこぶる面白い本を書いた、福島香織さんと会ったことだった。 この本には「金欲と情欲にまみれた中国を、ウラで動かす美女たち」という帯が着けられている。薄熙来の妻の谷開来や、温家宝の妻の張培莉などの「悪妻」と並んで、習近平の奥さんの彭麗媛夫人の「あげまん」ぶりが書かれているが、彼女は美人で中国を代表する歌手でありながら、現役将校でもある。彼女のおかげで習が人民解放軍に影響力を持てるといわれているほどだが、彭夫人は親日家でもあるといわれている。 実際、彼女は日本で公演を行い、皇太子ともパイプを持っている超大物だが、彼女と安倍昭恵首相夫人を会わせて「日中の女性問題を考える」というイベントでもしたら、深刻さを増す日中関係がほぐれるきっかけになるのではないか。ついでにミシェル・オバマ大統領夫人も加えたら最高だろう。 外交下手の習近平と安倍首相に任せていたら、両国関係は進まない。男がダメなら女の知恵を借りて、どうにもならないものを動かしてみたらいいのではないか。このインタビューを読みながら、そんな“夢”を描いてみた。 最後に、私が関係している本について紹介させてもらいたい。竹書房から出た三吉眞一郎著『翳りの城』という戦国時代小説である。 武田の大軍勢に囲まれた今川軍の残党が立て籠もった謎の城。そこへ攻め入った者は、二度と生きては戻ってこられない。“驚愕”という形容詞がこれほど当てはまる、手に汗握る小説は珍しいと思います。 ぜひお手にとってご覧下さい。後悔はさせません。 (文=元木昌彦)「週刊現代」12月21日号
文学は悪女とビッチと売春婦でできている──『萌える名作文学 ヒロイン・コレクション』
ひと昔前の雑誌と書籍を中心に取り上げているこの連載だが、たまには最近のものも取り上げなくては、と思った。「出版不況」といわれながらも、日本で年間に発行される書籍は7万点以上ある。つまり、多くの本は、読者が知らない間に消えていってしまうのだ。自分が関わった本も、発見されないままに消えていってしまう。それは、あまりに悲しいことである。 というわけで、筆者も携わった『萌える名作文学 ヒロイン・コレクション』(コアマガジン、2010年)を取り上げることにする。 この本の内容を一言で説明するならば、古今東西の文学作品に登場する女性を萌えキャラ化しつつ、真面目に作品を解説するというものである。 筆者の備忘録によれば、最初に企画に参加したのは2010年の4月初頭のこと。それは、一本の電話から始まった。 「昼間さん、文学って詳しいですか?」 と、尋ねてきたのは編集の伊藤氏。伊藤氏は日本刀を、美少女のイラストを添えてひたすら真面目に解説する『萌える日本刀大全』(コアマガジン、2009年)という、これまたマニアックな本を企画して、世間の注目を集めた編集者だ。そんな彼が、文学うんぬんを尋ねてくるとは何事か? 理由はわからないが、筆者も生まれた時から、雑誌と書籍のほかに友達のいない人生。本は山のように読んでいるわけで、「詳しいですよ」と返答する以外に選択肢はなかった。 こうして、企画への参加は電話一本で決まった。なんでも、企画は通ったけど、意外に文学に精通したライターがいなかったので、急遽連絡してきたそうだ(そういえば、この時まで伊藤氏からは2年余りまったく連絡はなかった……)。 筆者の仕事は、作品をセレクトして解説を書くだけ。イラストレーターとの打ち合わせはやらなくてもよいし、楽な仕事だと思っていたら甘かった。なぜなら、これは筆者の人生、人格、そのほかすべてのものを問われる戦いだったからだ。 「萌え」という言葉が日常的に使用されるようになって久しい。しかし、「萌え」とは本質的に、吉本隆明の分類するところの「自己幻想」にすぎない。個人がどのヒロインに萌えるかは、その個人が触れてきた文化によって決定される。どのヒロインに萌えるから無制約に自由であるが、他者がそれに共感するとは限らない。もちろん、自分が萌えているヒロインの魅力を「布教」することは誰も制約しないが、他者が誰に萌えるかをコントロールすることはできないのだ。 そうした中で、商業誌として成立させるために、「最大公約数」となるヒロインをセレクトしていかなければならない。それは、非常に困難な作業であった。当たり前だ、どんなに客観的になろうとしても、結局は自分が萌えることのできるヒロイン像に引きずられてしまうのだから。 かくして数度にわたった打ち合わせは、ほぼ死闘と化した。「こんな女に萌えるわけねえよ」「素人にはわからんのですよ」――。罵倒に激高、鉄拳の飛び合う打ち合わせは続いた。 今、冷静になって当時提出した取り上げるヒロインの案を見てみると「アンタの“萌え”ポイント、おかしいよ」と言われたことも、納得せざるを得ない気もする。ボツになったほうから、いくつか記してみよう(作者・タイトル・ヒロイン名の順である)。 ・安部公房『砂の女』砂の女 ・葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』少女 ・井伏鱒二『黒い雨』矢須子 ・金庸『笑傲江湖』東方不敗 ・作者不詳『ペピの体験』ペピ ・ヘルマン・ヘッセ『青春彷徨』エリーザベト 当時の記憶をたどると、『セメント樽の中の手紙』は「ホラーですよ!」と蹴られ、『笑傲江湖』は「ヒロインじゃねえ!」と怒られ、『ペピの体験』は「萌えとエロを勘違いするな」と、さらに怒られた。『青春彷徨』は、最後まで「ヘッセの作品は入れるべきである」と抵抗したが、一体どこが萌えるポイントかと問われて「エリーザベトは19世紀ドイツにおける最高のサークルクラッシャーである(主人公に気のあるフリをしてデートするが別の男と結婚してしまう)」と回答した結果、ボツになった。 激闘の末に、幾人かのヒロインが選ばれた。ここからが本番である。本文を執筆しつつ、イラストレーターに描いてもらう作中の場面を抜粋し、さらにヒロインの特徴も懇切丁寧に記さなければならない。ここで、大変なことに気づいてしまった。筆者の担当は十数人のヒロイン。つまり、すべての作品をいま一度じっくりと読み込んで、ここぞというシーンを見つけ出さなくてはならないのだ。尾崎紅葉の『金色夜叉』なんかは、熱海の海岸を散歩するところで決め打ちができる。でも、ダンテの『神曲』なんて文庫本で上中下巻もあるし、エミール・ゾラの『ナナ』も相当長い。自分で推しておいてなんだが、上田秋成『雨月物語』の一編「蛇精の淫」から萌えポイントを抽出するのは、ほとんど頓智である。 とはいっても、「危うく萌え殺されるところだったよ……」と言えるほど萌えてやる気で読み込めば、自ずと答えは見えてくるのだ。そもそも、自分が萌えているヒロインばかりなので、当然といえば当然でもあるが。 例えば、エミール・ゾラの『ナナ』のヒロイン・ナナは売春婦であるが、その生き様に萌え殺されそうだ。散々名声を得て金持ちになったかと思いきや、あっという間にカネがなくなって、ならばと街娼を始める。挙げ句に、学校時代の友人とは同性愛になるし、小間使いの女は散々こき使われているのに、女主人ラブ。この周囲を自分色に巻き込みっぷりは、スゲエよ! ゆえにナナが小間使いを「間抜け」と罵ったところ、「あたくし、こんなに奥様が好きで……」とさめざめと泣くシーンを推すしかなかったのだ。文豪・ゾラが「このシーンで萌えてくれ」と思って書いたかどうかは知らないが、萌える(もっとも、ゾラの『居酒屋』『ナナ』など20作品から成る「ルーゴン・マッカール叢書」は、主要登場人物がすべて血縁。まあ、19世紀フランスにおけるOverflowのエロゲーと考えてよい)。 日本では『三銃士』のタイトルで知られている『ダルタニャン物語』の悪女・ミレディーも、萌え要素が尽きないヒロインだ。みんなストーリーは知っていると思うので、ネタバレ気味に話すと、第一部の最後でミレディーは処刑されてしまうわけだが、最後まで逃げようとしたり往生際の悪さがまさに悪女の鏡である。「いずれ仇を討たれるんだから」という捨てゼリフが第二部『二十年後』で現実になるところも、まさに悪女の本領発揮といったところ。 つまり、本書を通して読者が知ることができるのは、現代の漫画・アニメで描かれるヒロインのほとんどの類型は、すでに20世紀前半までに発明されていたということだ。島崎藤村は『新生』でヤンデレヒロイン・節子を描いている。押川春浪『銀山王』は、薄幸と高慢の2つのタイプの令嬢ヒロインの織りなす物語だ。 その上で見えてくるのは、結局、魅力的なヒロインには「悪女・ビッチ・売春婦」の要素が不可欠ということだ。今さら「処女厨」でもあるまいに、黒髪ロングの一途な清純ヒロインのどこに魅力があろうか、と筆者は思う。本書が刊行されたとき、筆者の選んだヒロインを見て多くの人に「いったい、どんな人生を歩んできたら悪女・ビッチ・売春婦にばっか、萌えるようになるんですか?」と聞かれた。 そんなもの、自分でわかっていたら苦労はしない。畜生! 来年の今月今夜のこの月は、俺の涙で曇らせてやる! (文=昼間たかし)『萌える名作文学 ヒロイン・コレクション』(コアマガジン)
週刊ポスト VS 朝日・読売新聞 仁義なき“新聞広告エロタイトル”闘争
今週の注目記事 第1位「子供騙しの言い訳しかない『猪瀬直樹』都知事は首都の恥」(「週刊新潮」12月5日号) 「さらば猪瀬直樹」(「週刊現代」12月14日号) 第2位「本誌VS朝日・読売『エッチなタイトル<珍>闘争』をあえて公開します」 (「週刊ポスト」12月13日号) 第3位「スクープ! でたらめ除染 放射性ごみ民家裏に投棄」 (「週刊朝日」12月13日号) 第4位「『成分も効き方もみな同じ』ではなかった『ジェネリック医薬品』」 (「週刊新潮」12月5日号) 第5位「スクープレポート すわ米中開戦か 習近平は本気で日本の航空機を撃墜する」 (「週刊現代」12月14日号) 次号から週刊現代編集長が、藤田康雄氏から鈴木崇之氏に替わる。今週号、藤田編集長が「音羽の杜から」でお別れの言葉を書いている。 今週号のグラビア企画「墓碑銘2013」を読んでの感想から入り、「長命だった人も、非業の最期を遂げた人も、改めてその人生を振り返ると、誰もが大命をまっとうしたのだなと思った。さよならだけが人生だーー。」として、「次号から編集人が変わります」と続けている。 少しばかり短かった編集長在任期間だったが、大命はまっとうした、やるべきことはやったと言いたいのであろう。ご苦労様でした。 このところ、韓国・中国に対する批判を多くの週刊誌が熱心にやっている。文春は「『中韓同盟』10の虚妄」という大特集。目次を拾ってみると「伊藤博文暗殺テロリストを現地ハルビンの中国人は誰も知らない」「共同研究なんてムリ 中国の歴史は『プロパガンダ』韓国は『ファンタジー』」「朴槿惠は『韓国の土井たか子』習近平は『中国の小沢一郎』」。 新潮は「『朴槿惠大統領』を反日に染め上げた父の捏造教育」とあり、「ソウル近郊『反日スポット』ここまでやるか!」「まもなく石碑建立でも『安重根』の『伊藤博文』射殺に異議あり」「韓国『労働者』は生き地獄」。 ニューズウィーク日本版でも「アメリカも困惑する韓国の世界観」という特集をやっているし、朝日でも「暴走中国 防空識別圏で加速 尖閣諸島“強奪”シナリオ」、ポストでも「世界から嫌われる韓国その沈みゆく経済」をやっている。 その中では現代の、中国の脅威の記事に注目した。 11月23日午前10時、中国国防部は、東アジア諸国・地域を震撼させる発表を行った。 「本日、午前10時をもって、魚釣島(尖閣諸島)海域一帯に、防空識別圏を設定する。今後、この空域をわが国に許可なく通行することを禁じ、指示に従わない航空機に対しては防御的緊急措置を講じる」 というものである。 日本が尖閣列島を国有化したことへの本格的な報復措置が始まったと、現代で日本政府の外交関係者が話している。 また、軍事評論家の世良光弘氏によれば、不法侵入した他国の航空機を撃ち落としてもよいというのは、海岸線から12海里(約22.2km)までに限るというのが国際常識で、今回のような広大な東アジア海域を、いわば“準領空”だと主張したのは非常識も甚だしいという。 これには、安倍晋三首相が怒り狂ったという。25日に開かれた参議院の決算委員会では「中国による力を背景とした現状変更の試みには、わが国の領海領空を断固として守り抜く決意で対応する」と答弁した。 また、中国側も感情をエスカレートさせており、 「これからの日中関係はまったく違う展開になるということです。まず、中国空軍の東シナ海における活動範囲が、これまでの12倍に拡大します。そのため、戦闘機や哨戒機などを大量生産し、防空ミサイルも続々配備する。(中略)逆に日本は、民間航空機が撃墜されるリスクも出てきた。日本側の覚悟が問われます」(産経新聞北京特派員の矢板明夫氏) 撃墜などという事態は考えたくないが、民間航空機が中国側から威嚇を受けるようなことがあれば、集団的自衛権行使を進めたい安倍首相にとって絶好の口実になり、危険なルビコン川を渡ることになるかもしれない。 アメリカもこの中国側の発表に警戒感を強めているようだし、中国側の出方次第ではきな臭くなってくるかもしれない、要注意である。 新潮に、廉価で新薬と同じ効き目のあるジェネリックについての特集がある。これが今週の4位。 近畿大学薬学部教授・松山賢治氏は、ジェネリックのすべてが「先発薬」と同じ効力を持つと考えるのは危険で、注意しなくてはいけない点も多々あるというのだ。 日本でのジェネリック数量シェアはおよそ45%で、欧米各国は軒並み70%前後をキープしているから、まだまだだという。厚労省はそこで、18年3月までに数量シェアを60%以上に引き上げる方針を打ち出した。 だが、薬には薬効のある「主薬」のほかに、主薬の分解を防ぐために用いられる「安定化剤」や、錠剤の嵩を増やして消化液に溶けやすくする「賦形剤」から成り立っているが、ジェネリックに使えるのは特許が失効した主薬だけの場合が多いという。 たとえば「ランソプラゾール」という胃潰瘍の薬は、高温多湿の条件下では分解しやすいため、先発薬では安定化剤には炭酸マグネシウムが用いられているが、ジェネリックではこれが使えない。 そうなると、長期保存が難しく薬効が弱くなる恐れがあるという。そのほかにも、こうした危険薬が出回っているが、それはジェネリックには、極端な条件下における安定性を確保するための「苛酷試験」が義務付けられていないからだというのだ。 高血圧や狭心症に用いられる「ニフェジピン」というのは徐々に溶ける二層錠の形をとるから、副作用を大幅に軽減できるが、特許の関係で二層錠の形をとれないジェネリックでは、ニフェジピンが一気に放出されてしまい、心筋梗塞を引き起こして死に至ることもあるという。従って、先発薬と同じではないジェネリックも多く出回っていることも事実のようである。 近畿大薬学部の研究チームがまとめた、ジェネリックの使用状況が興味深い。ジェネリックを処方された割合が最も多かったのは共済組合を除いた被用者保険に加入している人で、次いで国民健康保険の加入者、次に高齢者医療制度の適用者で、最も低かったのが公務員たちの加入している共済組合だったというのである。 松山教授は「ジェネリックはやはり不安なので、自分や家族に使うとなると、役人もためらってしまう。さらには、そうした実態を彼ら自身も分かっているのでは……」と勘ぐられても仕方ないのでは、と批判する。 ジェネリックをもらうときは、こうしたことを頭に入れておくべきだろう。 朝日に、昨今すっかり忘れられてしまっている、福島の違法除染のことが載っている。ジャーナリストの今西憲之氏と本誌取材班によれば、11月初旬に一通の告発文書が送られてきたという。福島県の田村市東部にある一戸建ての家の庭に、除染業者が無断で放射能に汚染されたガラクタを埋めているというものだった。 今西氏たちが訪れた家は、立ち入り可能地区だが、近くには年間20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域に指定されているところもあり、ほとんどの人が仮設住宅にいて、帰ってきていないという。それをいいことに現場責任者が独断で指示し、埋めたというのである。 市役所職員立ち会いの下、地図に指定されたところをパワーシャベルで掘り進んでいくと、大きな布きれのようなものが大量に発見されたのだ。連絡した福島県警の警察官は「刑事事件を前提に現状保全して、捜査します」と筆者に告げたという。 今年1月4日にも、朝日新聞が、除染で取り除いた土や木の葉、洗浄で使った水を、作業員たちが周囲の山などに捨てている場面を撮影し、大きな問題になった。 除染費用は今年度までに約1兆3000億円の予算が組まれ、最終的には5兆円かかるといわれている。これだけの巨額な税金を投入しても、除染の効果は疑問視されているのだ。その上、業者が手抜きはする、人の家の庭に勝手に埋めてしまうでは、税金ドロボーといわれても仕方あるまい。 このような悪質業者は実名で告発すべきだと思うが、この記事ではすべてが匿名なのはなぜなのか? そこが気に入らないが、こうした問題を地道に追いかけている朝日にはエールを送りたい。いっそのこと、福島県情報に特化して、福島第一原発や除染問題、仮設で暮らす人たちの暮らしぶり、津波被害の復興の現状などを報じる「専門誌」になったらいいと思う。それだけでも膨大な情報があり、読者もいるに違いない。テレビはもちろん、新聞も週刊誌も福島を忘れてしまったかのような今こそ、そうした雑誌が求められているはずである。朝日編集長、ご一考を。 ポストの業界内幕ものが好きだ。今週はポストが毎回やっている「死ぬまでSEX」シリーズの新聞広告のタイトルをめぐって、朝日新聞と読売新聞との間で交わされた「戦い」の内幕を書いている。 11月25日号の「したことがないSEXをしたい」というタイトルで朝日新聞と揉め、新聞広告ではSEXという文字が小さくされた。先日も朝日新聞を見ていると「動く女●器」というタイトルがあり、ハハー、新聞側と揉めたなと思ったが、案の定だったらしい。 新聞社には「広告倫理綱領」というわけのわからないものがあり、それも各社まちまちに判断するから、めんどくさいことこの上ないのだ。 ポストによればこの1年間で新聞社側から言い換えを求められた言葉は、このようのようなものだったという。 ・潮吹き→快楽の極致へ! ・濡れちゃう→反応しちゃう ・やっぱり入れたい→やっぱりひとつになりたい ・抱いて死にたい→愛し合いたい おかしいのは、煽り文句「オンナの『イクゥ』演技を見破る法」の「イクゥのゥ」に、NGランプが点灯したというのである。結局「いく」で決着したらしいが、これでは編集部の意図が伝わるまい。「イク」「イクゥ」「いく」の違いさえ分からない新聞社には、私もずいぶん腹を立てたものであった。 ひとつ披露すると、「○○のセックス」というのがひっかかったことがある。なぜかと問うと、新聞は子どもも読むからセックスという言葉はやめてほしいというのだ。では、どう変えたらいいのかと聞くと、「SEX」ならいいという。なぜなら、子どもには英語が読めないからだというのである。こんなバカなやりとりがごまんとある。 強精剤の広告さえ堂々と載せるようになった新聞が、週刊誌のセックス記事で新聞の気品が損なわれるなどとよく言えるものだと、私も再び腹が立ってきた。 猪瀬直樹都知事の徳洲会からの選挙資金5000万円受領問題は、収まるどころか爆発寸前のようである。ほとんどの週刊誌が猪瀬辞めろという論調だが、その中で新潮と現代の記事を今週の第1位に推す。 猪瀬氏が、公職選挙法違反で東京地検特捜部の捜査を受けている「徳洲会」から、都知事選挙直前に5000万円もの大金を受け取っていたことが発覚した。つじつまの合わない「言い訳」をしている猪瀬都知事だったが、11月26日の「借用書はこれだ」と見せたことが、より大きな批判を招いてしまった。 新潮に沿って猪瀬発言の変遷の経緯をまとめれば、こうなる。 11月22日午後1時過ぎ、登庁時のメディアによる囲み取材で「資金提供という形で応援してもらうことになった。選挙に使った場合には、収支報告書に書くつもりだった」と説明した。これが午後3時の定例会見では「個人の借入金。選挙資金ではないと断言できる」と変化。 定例会見ではさらに「申し出があれば、断るのも失礼」となり、さらには「(先方が)持ちかけてきたわけでも、こちらからのお願いでもない」と奇妙に変容していく。翌日23日の囲みでは「貸すと申し出があった」に落ち着いた。 借金なら借用証が必要だが、これをめぐっては22日の定例で「受け取る際、借用証を書いた」と発言した。これが23日には「探せば、ある。公開する必要はない」と言っていたのに、11月26日の会見では借用証を公表。だが、徳田様という宛名と、猪瀬氏の名前が記入されているだけで、印鑑すら押されていないために偽造ではないかという声も出ているようだ。 しかも突如「極めて重要なもので、貸金庫に保管していた」と、それまでとは180度違うことを強弁し、恬として恥じないのだから恐れ入ると、新潮は書いている。 元外交官で鈴木宗男事件に絡んで東京地検特捜部に逮捕、起訴されたことのある佐藤優氏が文春でこう語っている。 「当初、ぶら下がり取材で『選挙関連のカネだ』と認めていた時点では、猪瀬氏は『どうやって釈明しよう』と都民と国民の方を見ていたのだと思います。ところが都庁での会見の瞬間から、彼は東京地検特捜部のことしか意識していない。逮捕されないためには何を言えばいいのかという目的から、前言を翻して『個人の借り入れ』と発言したのでしょう。社会通念上は批判されても違法にはならないというラインを狙っての発言です。 それは猪瀬知事がパニック起こしてるからです。正直に『選挙関連のカネ』と言えば法には触れるかもしれないが、みんな政治にカネがかかることはわかってるのだから一定の理解は得られる。社会的な復権は出来るのです。しかし、彼は捕まりたくない一心で社会的な復権の道を自ら閉ざした。冷静な判断ができなくなっているのです。(中略)もはや都知事としての資質がないことは明白。即刻辞任していただきたい」 佐藤氏の言うように、選挙資金として借りたものなら、記載していないから公選法違反か政治資金規正法違反に問われるが、個人の借金とすれば「ゴメン」で済むという腹づもりなのであろう。 しかし、新潮には「徳洲会」の総帥徳田虎雄氏と、次男で選挙違反の捜査を受けている徳田毅氏との、猪瀬氏へのカネをめぐる生々しいやりとりが書かれている。 それは、昨年の11月19日のこと。虎雄氏のいる「奥の院」を尋ねてきた、あおぞら銀行の常務や部長など3人の幹部がいるとき、毅氏から虎雄氏の携帯電話にかかってきた。携帯電話はハンズフリーのスピーカー機能に切り替えられ、その部屋に居合わせた誰の耳にも、相手の声が聞こえる状態になったという。話の概要はこのようだった。 毅代議士が「都知事選の応援で、猪瀬は1億5000万円とか言ってきました。でも結局は1億を先にくれ。残ったら、“返すから”という話になりました」 すると、虎雄氏は「とりあえず5000万円にしろ」と言ったという。 「受け渡しはどうしましょうか」と言う毅代議士に「向こうに取りに来させろ」、毅代議士が「議員会館でやりましょうか」と言うと「議員会館でやれ。足がつかないようにしろ」と指示があったというのだ。 これは決定的な「証言」である。文春で書いているように、一水会の木村三浩代表が仲介して、猪瀬氏は虎雄氏に会い、虎雄氏から都知事選挙の応援をするという約束をもらい、後日5000万円を受け取ったのである。 選挙には意外にカネがかからず、5000万円は手付かずだったようだが、明らかに選挙のための裏金であり、個人的な借金ではないだろう。 新潮で元東京地検公安部長の若狭勝弁護士が、この事件の展望をこう語っている。 「徳洲会の一部幹部が“借用書なんて知らない”“返金の打診を受けていない”と証言しているため、5000万円は寄付と見なせる可能性がある。出納責任者への報告を怠っており、公選法でダイレクトに猪瀬知事の責任を問えます。私はむしろ借用書が出てきた方が面白いと思っていました。特捜はそれが偽造されたものかどうか、必死で調べることになりますから」 現代は、安倍首相が猪瀬切りをすると書いている。現役の東京地検検事がこう語っている。 「上層部は『こうなる前に、猪瀬は辞職表明するはずだった』と漏らしています。一方で、安倍総理が『外聞が悪い』としきりにボヤいているという話も伝わってきている。要するにウチの上層部と官邸の間で、辞職させるから立件は見送るという内々の了解があったんでしょう。だが、猪瀬は辞職すれば、かつての金丸信(副総理)のように逮捕されると考えて、都知事の座にしがみつくことを選んだ。もう官邸は守ってくれない」 なぜ、徳洲会がポンと5000万円もの大金を猪瀬氏に出したのか? 現代は、徳洲会側が知事の許認可権をあてにして出したのではないかと見ている。 東京五輪への悪影響も心配されると現代は書いているが、猪瀬氏が都知事に居座ると、そうしたことも出てくるかもしれない。早くも辞任した後の都知事選挙の予測までしているが、本命は舛添要一元厚労相が有力だそうである。 猪瀬氏は、87年に『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞し、小泉純一郎政権下で道路公団民営化推進委員会の委員になり、政界への足がかりを作る。上昇志向と権力欲が異常なほど強く、あの小さな体で人を威圧する態度をとる彼に、ノンフィクション界の先輩や仲間からも嫌がられていた。だが、400万票以上を集め、東京五輪招致まで決まり、得意の絶頂で事件が発覚してしまった。 新潮で、かつて民営化推進委員会で一緒になった関係者がこう指摘している。 「猪瀬さんという人は、一見、改革派の旗印を掲げているように見えます。しかし、それと権力志向とは二律背反ではありません。つまり、彼は権力を掴むためにはどう行動すべきかを一貫して考えていた。反権力的な動きをし、人気を勝ち取った上で、権力の中枢に食い込んでいく手法です」 猪瀬氏が私淑していたノンフィクション作家の本田靖春さんは、猪瀬氏を嫌っていた。彼とは生き方がまったく違うと『我、拗ね者として生涯を閉ず』(講談社)で書いている。本田さんは「気の弱い人間である」から、いささかでも強くなるために自分に課した禁止事項があると『拗ね者』で書いている。 「欲の第一に挙げられるのが、金銭欲であろう。それに次ぐのが出世欲ということになろうか。それと背中合わせに名誉欲というものがある。これらの欲を持つとき、人間はおかしくなる。いっそそういうものを断ってしまえば、怖いものなしになるのではないか」 5000万円のカネをほとんど面識のない人間からもらって平気な人間には、ノンフィクションを書く資格はないと、本田さんが生きていたら断じたであろう。 都知事という座にしがみついても地獄、離れてもノンフィクション作家には戻れまい。書けるのは『なぜ私は5000万円で都知事の座を棒に振ったのか』という私ノンフィクションぐらいのものであろう。それはそれで読んでみたい気はするが。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。「週刊新潮」12月5日号 中吊広告






