オリンパス粉飾でFBIが関係者逮捕、巨額罰金発生で再建へ影響の可能性も

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) FBで出回る迷惑チェーンレター mixi「ぼくはまちちゃん!」再び? 部下を潰す上司に3つの特徴 発売直前!結局Office2013は買いか?実はこんなにビジネスで使えて、使い勝手も向上! ■特にオススメ記事はこちら! オリンパス粉飾でFBIが関係者逮捕、巨額罰金発生で再建へ影響の可能性も - Business Journal(1月28日)
オリンパス, 宮崎あおい
宮崎あおいのカメラ少女を印象づけたCM。
(「オリンパスHP」より。)
 オリンパス事件の第2幕の幕が上がった。米国連邦捜査局(FBI)は2012年12月20日、オリンパスが巨額損失を隠していた事件に関与したとして、シンガポール在住の台湾人、チャン・ミン・フォン容疑者(50)を逮捕した。  米ブルームバーグ(12月21日付)は、『ニューヨークの連邦地検のプリート・バラーラ検事正は「チャン・ミン・フォン容疑者は、数億ドルの資産が関係する国際的な詐欺に関与し、手厚い報酬を得たが、それにはオリンパスが監査法人や株主を欺き、大掛かりな不正会計を何年にもわたって続けることを可能にする狙いがあった」と指摘した』と報じた。  FBIによると、少なくとも04年から10年にかけて、チャン容疑者はこの不正に関与しており、本人も容疑を認めているという。オリンパス事件に絡んで海外で逮捕者が出るのは初めてのことだ。チャン容疑者の逮捕はオリンパスに衝撃を与えた。日本では完全に終わった事件と考えられていたからだ。  チャン・ミン・フォン容疑者の具体的な容疑内容は、オリンパスが投資した金融商品を扱うファンドを管理し、オリンパス幹部の指示で、同社管理下の投資法人にこれらの金融商品を移し替えるなどの「飛ばし」に関わったというものだ。チャン容疑者は、95年から04年まで2つの金融機関に在籍し、オリンパスを担当。オリンパスから1000万ドル以上(約8億4000万円以上)の報酬を受け取ったとされている。  オリンパス事件の当初からチャン容疑者の存在は知られていた。オリンパスの損失隠しの実態を調べた第三者委員会の報告書に、外部協力者として、野村證券OBの中川昭夫被告、横尾宣政被告(2人については後述)、米国在住の佐川肇氏とともに、チャン容疑者の名前が出てくる。「山田及び森が、1998年ころ、受け皿ファンドを流す資金調達先を探す中で、中川を通じてコメルツ銀行シンガポール支店の紹介を受けた際に知り合った人物」と記載されている。  チャン容疑者のシンガポールグループには、和光証券やコメルツ銀行、HSBC銀行にいた人物がいる。この人物はジェイ・ブリッジ(現アジア・アライアンス・ホールディングス)やトランスデジタル、小杉産業などの経営に関与したことでも知られる。この人物はオリンパスの飛ばしの受け皿となったファンドは「チャンのもので、自分は関係ない」と主張している。  オリンパスの損失隠しは、企業買収や海外ファンドを悪用した巨額粉飾決算事件である。東京地検特捜部は12年3月28日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で菊川剛・前会長(71)、山田秀雄・前監査役(67)、森久志・前副社長(54)、中川・アクシーズジャパン証券元取締役(61)ら4人と法人としてのオリンパスを起訴。同法違反のほか損失穴埋めに利用された国内3社の株式を不当に高い額で売ったとしてコンサルタント会社、グローバル・カンパニーの横尾社長(57)を詐欺罪で追起訴。処分保留になっていた小野裕史・グローバル・カンパニー元役員(50)も起訴した。これで一連の事件捜査は終結した。  菊川剛・前会長ら旧経営陣3人の初公判は12年9月25日、東京地裁で開かれた。冒頭、菊川被告は「自分の優柔不断さから(巨額損失を)公表に踏み切ることができませんでした。一切の責任は私にあり、全責任を負う」と言い切った。ところが、その後の公判では被告人席に座る当事者同士が非難の応酬を繰り広げた。  3人の被告が被告人質問で、粉飾を続けた理由として真っ先に挙げたのが下山敏郎(88)、岸本正寿(76)の両元社長の圧力だった。下山氏は84~93年、岸本氏は93~01年に社長を務めた。菊川被告は01年6月に社長就任後、2人に簿外損失の公表を提案したところ、「バカを言うな、会社がつぶれてしまう」と頭ごなしに反対され、断念したと供述した。  被告人質問では損失隠しに反対していたことをそれぞれ強調した。法廷を舞台に(粉飾の)実務を担当していた元監査役の山田被告が、元経営トップの菊川被告を責め立てる“内ゲバ”まで勃発した。上司の命令を忠実に実行して出世してきたサラリーマン経営者が一朝ことあれば、お互いに責任のなすり合いをするのはよくあることだ。サラリーマンの悲しい性というほかはない。  検察側は子会社にした国内ベンチャー3社を利用した損失解消の過程で外部に流出した総額に関して、指南役である野村證券OBの中川被告、横尾被告ら数人に成功報酬など計161億円が渡ったと指摘した。  オリンパスは損失隠しに利用した子会社のアルティス、ニューズシェフ、ヒューマラボの3社を解散し清算した。3社は実際の企業価値を上回る金額で買収され、買収金額は合計で700億円を超えていた。この資金が損失隠しの解消に利用されていた。  アルティス(負債総額42億875万円)とニューズシェフ(同65億7979万円)は12月13日、ヒューマラボ(同55億5000万円)は12月26日、東京地裁に特別清算を申請した。  国内子会社3社の特別清算によってオリンパスの粉飾決算事件に一区切りがついたはずだった。日本の司法当局は旧経営陣と国内在住の外部協力者だけを逮捕・起訴してオリンパス事件の幕引きをした。しかし、米国在住の野村證券OBの佐川氏やシンガポール在住のチャン容疑者など海外の外部協力者には手をつけなかった。  FBIがチャン容疑者を逮捕した狙いはどこにあるのか。国際金融市場にせい息する金融犯罪のプロたちを日本の当局に代わって、FBIが成敗するわけではない。オリンパスは米国市場でADR(米国預託証券)を発行しており、証券詐欺の共同謀議の処罰の対象になるのである。  米国において、証券詐欺は最長20年の禁固刑。チャン容疑者は司法取引に応ずることになるだろう。日本からの捜査共助要請にもかかわらず、米当局が身柄を引き渡さなかった佐川氏はすでに司法取引を行ったといわれている。FBIの目的は司法取引で証拠を固め、オリンパスを攻め立て巨額の罰金を取ることにある。関係者は、罰金は数百億円にのぼると推定している。  オリンパスは13年3月末までにソニーから500億円の出資を受け入れて再建を目指すことになっているが、新たな資金負担が生じる恐れがある。オリンパス事件の国内での第2幕の始まりだ。 (文=編集部) ■おすすめ記事 FBで出回る迷惑チェーンレター mixi「ぼくはまちちゃん!」再び? 部下を潰す上司に3つの特徴 発売直前!結局Office2013は買いか?実はこんなにビジネスで使えて、使い勝手も向上! 部下を潰す上司に3つの特徴 ヤフー、楽天のFX事業本格参入で激化するネット金融業界の舞台裏

オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 孫社長の朝令暮改にうんざり 社員が語るソフトバンク みずほ銀行社員語る「アジア出張では幹部も本番フーゾク!?」 ルネサス社員語る「社員をもっとクビにしないと会社潰れる」 ■特にオススメ記事はこちら! オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」 - Business Journal(6月15日)
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オリンパス製デジカメの売れ行きは
悪くない。(「同社HP」より)
 昨年10月、巨額の粉飾決算が発覚し、菊川剛元会長兼社長が退任したオリンパス。その直前には、同社の不正を追及しようとしたマイケル・ウッドフォード元社長を、菊川氏が突如解任するなど、すでに混乱が生じていた。結局、東京地検特捜部が動く事態となり、3月、特捜部は菊川氏ら旧経営陣を起訴。こうした混乱を受け、3月期決算は489億円もの赤字に陥り、5月には他社との資本提携や大規模なリストラが報道されるなど、いまだに落ち着きを見せていない。  そんなオリンパスの現役社員・A氏に、驚くべき同社の実態を聞いた。 ――まず、粉飾決算発覚前から、同社の現役社員である濱田正晴氏が、上司の不正行為を同社内の通報窓口に通報したことで、不当な配置転換を強要され、濱田氏が同社の不当労働行為の取り消しと損害賠償を請求した「オリンパス裁判」というものがありますね。 A氏 はい。昨年8月に出された控訴審判決では濱田氏が全面勝訴したものの、すぐに会社は最高裁へ上告し、現在も争っている模様です。会社が実施する「濱田君教育計画」という"教育プログラム"に基づき、新入社員が受けるレベルの技術系テストや無意味な資料整理をさせられていたといいます。 ――現在も濱田さんは、同じ境遇なのでしょうか? A氏 聞いた話だと、ほったらかしにされているようですね。形だけの部署で、濱田さんのほかに教育係、監視係がいるみたいです。濱田さんの仕事は、単純なエクセル入力などの作業くらいで、飼い殺し状態みたいです。席は、あくせく働く300人くらいの社員に囲まれていて、無人島にいるみたいに孤立している感じですね。 ――濱田さんに声をかけたりする人はいるんですか?   A氏 いないみたいですね。話しかけると、会社から目をつけられて怖いということもあるんじゃないですかね。 ――昨年から、粉飾決算など一連の問題が起きたときに、社内的にはどんな感じでしたか? A氏 何も変わらなかったし、今も一切、変わっていないですね。もともと陰湿な雰囲気のある会社ですが、社員はそういう話にはまったく触れずに、部長連中はなぜかニヤニヤ笑いながら働いていますね。 ――粉飾決算が発覚したことにいて、会社側から何か説明はありましたか? A氏 一応、社長のメッセージとかはありましたけど、「本当に大変な事態である」とか、そういった感じではなかったですね。「お客様は『がんばれ』、と言ってくれている」とか、洗脳に近い話ですね。やはり、オリンパスは世界のシェア7割を占めている内視鏡がまだあるので、能天気なのではないでしょうか。 ――5月30日、オリンパスが100億円の出資を受ける資本提携を目指し、ソニーとパナソニックに絞って交渉を進めていると、朝日新聞が報じました。そしてこの報道では、同社が社員を2500人削減する計画があることにも触れていますが、社内では事前に何か説明はあったのでしょうか? A氏 事前にはありませんでした。同日に、新社長の笹宏行と、新会長の木本泰行による訓示があったのですが、その冒頭で笹社長は「朝日新聞でリストラとか提携の件が載ったので、それについて触れなければいけないですね」と言ったのですが、結局最後まで一切触れませんでしたね。濱田さんの件も、会社は裁判で敗訴して、それを上告までしたという事実があるのに、それについてもまったく触れない。「会社として、コンプライアンスをしっかりやっていかなければいけない」とか言ってましたけど、ふざけた話だなと(笑)。社会的にも大きな話題になっているのに、社内的に黙って通せるものではないと思いますが、見事に黙っていますね。木本会長は、粉飾決算についても、「大したことじゃない」と言ってましたね。また、聞いた話ですけど、木本会長は今もって会食ざんまい、温泉ざんまいらしいです。お金がないというのに。「なんでコイツのために、高い温泉の予約を取らなくてはいけないのか」と、腹を立てている社員もいるでしょうね。 リストラ報道は、広報がマスコミに流したもの ――2500人のリストラの件は、社内ではどう受け止められていますか? A氏 これについても、社員は何も話さないですね。でも、会社からの正式な発表ではなく、おそらく広報などから意図的にマスコミに流しているんでしょうね。既成事実をつくって、外から社員を追い詰めたいというのが会社のやり方でしょう。いつかはやるんでしょうね。 ――リストラの件について、社員同士で話したりしますか? A氏 あまり聞こえてこないですね。うちは声を上げないという社風ですから。変わらないですね。パナソニックやソニーとの提携話についても、いまだに(6月4日現在)何も説明はないですね。 ――給料カットという話はないんですか? A氏 そういうのもないですね。組合も一生懸命に「リストラ反対!」というセレモニーだけはしています。でも、今回、経営の不祥事で社員がリストラされるということに対して、組合はどう対応するのかということは興味深いですね。 ――昨年4月に、マイケル・ウッドフォード氏が社長になったときに、会社は変わるかも、という雰囲気はありましたか?   A氏 何度も言うようですが、誰が社長になろうとも、何も変わらなかったです。ホント、不思議な会社です。もうコケが生えているんじゃないですかね。決算が赤字になっても、なんにも変わんなかったですね。 ウッドフォード元社長は金に走った ――ウッドフォード元社長が、巨額不正経理を追及して社長を解任されたのは不当だとして、オリンパスに損害賠償を求めた訴訟で、5月に両者は和解しました。同社がウッドフォード元社長に12億円もの和解金を支払うことでケリをつけたと言われていますが、これについて社員はどう思っているのでしょうか? A氏 和解に際し、いろんな条項があると思いますが、「彼が知っていることに対し、お金を払うことで、すべてを隠そう」という会社の思惑が感じられます。要は隠蔽ですよね。でも、それはいけないと思います。オリンパスは透明であらねばいけないし、そういう意味では、もう少し会社と戦ったほうが、社会的な彼の評価も上がったんじゃないかと思います。お金に走るのはしょうがないですけど、残念ですね。 ――先ほどお話の出た濱田さんの裁判でいえば、昨年8月に東京高裁で会社側が敗訴し、最高裁に即時に上告しましたが、それ以降、社長がころころ替わって、今の笹社長で4人目です。笹社長が「前経営陣の誤りだったので、上告を取りやめます」と言えば、社会的に評価されると思いますが。 A氏 笹社長に「これまでの膿を出す」という意気込みがあれば、オリンパスにとっては社会的にもブランド価値的にも非常にプラスになると思います。逆に、最高裁の判決を待っていれば、どんどん状況は悪くなりますよね。経営陣は、濱田さんに人権侵害をしておきながら、全社員に対しては「人権侵害はしないようにする」と言ったり、内部通報制度についても、最高裁に対しては「当社にはまったく問題ない」と言う一方、第三者委員会や東京弁護士会には「批判を厳粛に受け止めます」と言っていますよね。どういうことなんでしょうね。 ――しかし、いくらオリンパスには内視鏡があるといっても、自己資本比率も下がっていますし、経営的には危ないと思いますが、社員の危機感はどうですか? A氏 今、リストラの話が出ていますから、危機感はあると思います。でも、社内的には、そういうことを言ってはいけない雰囲気なんです。言った瞬間に、自分が会社から嫌がらせをやられると。 ――退職者が増えたとか、社員の流出はありますか? A氏 よくわかりませんが、今でも中途採用で人が入ってきますから、オリンパスは相変わらず優良企業なんでしょうね。普通でしたらとっくに潰れてますが、どんな悪いことをしても潰れない企業だと。 ――濱田さんのように干されている人は多いのですか? A氏 かなりいると思いますよ。オリンパスの得意技である「飼い殺し」で、少しうるさいから、おとなしく意味のない仕事をさせておくという。ウチは、仕事ができて上にもズカズカとモノを言う社員は、こうした仕打ちを受けるというのが、もう常識ですから。 (構成=編集部) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 孫社長の朝令暮改にうんざり 社員が語るソフトバンク オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」 ルネサス社員語る「社員をもっとクビにしないと会社潰れる」 「まとめブログビジネス」は崩壊するか? コンビニでは生理用品の40%を、男性が買っている!? 治療は陰部にゼリーや棒...定期的SEXで女性版EDを防げ! なぜ電気使用量のお知らせと払込用紙は、2回に分けて送られる?

オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 孫社長の朝令暮改にうんざり 社員が語るソフトバンク みずほ銀行社員語る「アジア出張では幹部も本番フーゾク!?」 ルネサス社員語る「社員をもっとクビにしないと会社潰れる」 ■特にオススメ記事はこちら! オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」 - Business Journal(6月15日)
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オリンパス製デジカメの売れ行きは
悪くない。(「同社HP」より)
 昨年10月、巨額の粉飾決算が発覚し、菊川剛元会長兼社長が退任したオリンパス。その直前には、同社の不正を追及しようとしたマイケル・ウッドフォード元社長を、菊川氏が突如解任するなど、すでに混乱が生じていた。結局、東京地検特捜部が動く事態となり、3月、特捜部は菊川氏ら旧経営陣を起訴。こうした混乱を受け、3月期決算は489億円もの赤字に陥り、5月には他社との資本提携や大規模なリストラが報道されるなど、いまだに落ち着きを見せていない。  そんなオリンパスの現役社員・A氏に、驚くべき同社の実態を聞いた。 ――まず、粉飾決算発覚前から、同社の現役社員である濱田正晴氏が、上司の不正行為を同社内の通報窓口に通報したことで、不当な配置転換を強要され、濱田氏が同社の不当労働行為の取り消しと損害賠償を請求した「オリンパス裁判」というものがありますね。 A氏 はい。昨年8月に出された控訴審判決では濱田氏が全面勝訴したものの、すぐに会社は最高裁へ上告し、現在も争っている模様です。会社が実施する「濱田君教育計画」という"教育プログラム"に基づき、新入社員が受けるレベルの技術系テストや無意味な資料整理をさせられていたといいます。 ――現在も濱田さんは、同じ境遇なのでしょうか? A氏 聞いた話だと、ほったらかしにされているようですね。形だけの部署で、濱田さんのほかに教育係、監視係がいるみたいです。濱田さんの仕事は、単純なエクセル入力などの作業くらいで、飼い殺し状態みたいです。席は、あくせく働く300人くらいの社員に囲まれていて、無人島にいるみたいに孤立している感じですね。 ――濱田さんに声をかけたりする人はいるんですか?   A氏 いないみたいですね。話しかけると、会社から目をつけられて怖いということもあるんじゃないですかね。 ――昨年から、粉飾決算など一連の問題が起きたときに、社内的にはどんな感じでしたか? A氏 何も変わらなかったし、今も一切、変わっていないですね。もともと陰湿な雰囲気のある会社ですが、社員はそういう話にはまったく触れずに、部長連中はなぜかニヤニヤ笑いながら働いていますね。 ――粉飾決算が発覚したことにいて、会社側から何か説明はありましたか? A氏 一応、社長のメッセージとかはありましたけど、「本当に大変な事態である」とか、そういった感じではなかったですね。「お客様は『がんばれ』、と言ってくれている」とか、洗脳に近い話ですね。やはり、オリンパスは世界のシェア7割を占めている内視鏡がまだあるので、能天気なのではないでしょうか。 ――5月30日、オリンパスが100億円の出資を受ける資本提携を目指し、ソニーとパナソニックに絞って交渉を進めていると、朝日新聞が報じました。そしてこの報道では、同社が社員を2500人削減する計画があることにも触れていますが、社内では事前に何か説明はあったのでしょうか? A氏 事前にはありませんでした。同日に、新社長の笹宏行と、新会長の木本泰行による訓示があったのですが、その冒頭で笹社長は「朝日新聞でリストラとか提携の件が載ったので、それについて触れなければいけないですね」と言ったのですが、結局最後まで一切触れませんでしたね。濱田さんの件も、会社は裁判で敗訴して、それを上告までしたという事実があるのに、それについてもまったく触れない。「会社として、コンプライアンスをしっかりやっていかなければいけない」とか言ってましたけど、ふざけた話だなと(笑)。社会的にも大きな話題になっているのに、社内的に黙って通せるものではないと思いますが、見事に黙っていますね。木本会長は、粉飾決算についても、「大したことじゃない」と言ってましたね。また、聞いた話ですけど、木本会長は今もって会食ざんまい、温泉ざんまいらしいです。お金がないというのに。「なんでコイツのために、高い温泉の予約を取らなくてはいけないのか」と、腹を立てている社員もいるでしょうね。 リストラ報道は、広報がマスコミに流したもの ――2500人のリストラの件は、社内ではどう受け止められていますか? A氏 これについても、社員は何も話さないですね。でも、会社からの正式な発表ではなく、おそらく広報などから意図的にマスコミに流しているんでしょうね。既成事実をつくって、外から社員を追い詰めたいというのが会社のやり方でしょう。いつかはやるんでしょうね。 ――リストラの件について、社員同士で話したりしますか? A氏 あまり聞こえてこないですね。うちは声を上げないという社風ですから。変わらないですね。パナソニックやソニーとの提携話についても、いまだに(6月4日現在)何も説明はないですね。 ――給料カットという話はないんですか? A氏 そういうのもないですね。組合も一生懸命に「リストラ反対!」というセレモニーだけはしています。でも、今回、経営の不祥事で社員がリストラされるということに対して、組合はどう対応するのかということは興味深いですね。 ――昨年4月に、マイケル・ウッドフォード氏が社長になったときに、会社は変わるかも、という雰囲気はありましたか?   A氏 何度も言うようですが、誰が社長になろうとも、何も変わらなかったです。ホント、不思議な会社です。もうコケが生えているんじゃないですかね。決算が赤字になっても、なんにも変わんなかったですね。 ウッドフォード元社長は金に走った ――ウッドフォード元社長が、巨額不正経理を追及して社長を解任されたのは不当だとして、オリンパスに損害賠償を求めた訴訟で、5月に両者は和解しました。同社がウッドフォード元社長に12億円もの和解金を支払うことでケリをつけたと言われていますが、これについて社員はどう思っているのでしょうか? A氏 和解に際し、いろんな条項があると思いますが、「彼が知っていることに対し、お金を払うことで、すべてを隠そう」という会社の思惑が感じられます。要は隠蔽ですよね。でも、それはいけないと思います。オリンパスは透明であらねばいけないし、そういう意味では、もう少し会社と戦ったほうが、社会的な彼の評価も上がったんじゃないかと思います。お金に走るのはしょうがないですけど、残念ですね。 ――先ほどお話の出た濱田さんの裁判でいえば、昨年8月に東京高裁で会社側が敗訴し、最高裁に即時に上告しましたが、それ以降、社長がころころ替わって、今の笹社長で4人目です。笹社長が「前経営陣の誤りだったので、上告を取りやめます」と言えば、社会的に評価されると思いますが。 A氏 笹社長に「これまでの膿を出す」という意気込みがあれば、オリンパスにとっては社会的にもブランド価値的にも非常にプラスになると思います。逆に、最高裁の判決を待っていれば、どんどん状況は悪くなりますよね。経営陣は、濱田さんに人権侵害をしておきながら、全社員に対しては「人権侵害はしないようにする」と言ったり、内部通報制度についても、最高裁に対しては「当社にはまったく問題ない」と言う一方、第三者委員会や東京弁護士会には「批判を厳粛に受け止めます」と言っていますよね。どういうことなんでしょうね。 ――しかし、いくらオリンパスには内視鏡があるといっても、自己資本比率も下がっていますし、経営的には危ないと思いますが、社員の危機感はどうですか? A氏 今、リストラの話が出ていますから、危機感はあると思います。でも、社内的には、そういうことを言ってはいけない雰囲気なんです。言った瞬間に、自分が会社から嫌がらせをやられると。 ――退職者が増えたとか、社員の流出はありますか? A氏 よくわかりませんが、今でも中途採用で人が入ってきますから、オリンパスは相変わらず優良企業なんでしょうね。普通でしたらとっくに潰れてますが、どんな悪いことをしても潰れない企業だと。 ――濱田さんのように干されている人は多いのですか? A氏 かなりいると思いますよ。オリンパスの得意技である「飼い殺し」で、少しうるさいから、おとなしく意味のない仕事をさせておくという。ウチは、仕事ができて上にもズカズカとモノを言う社員は、こうした仕打ちを受けるというのが、もう常識ですから。 (構成=編集部) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 孫社長の朝令暮改にうんざり 社員が語るソフトバンク オリンパス社員語る「会長訓示『粉飾は大したことじゃない』」 ルネサス社員語る「社員をもっとクビにしないと会社潰れる」 「まとめブログビジネス」は崩壊するか? コンビニでは生理用品の40%を、男性が買っている!? 治療は陰部にゼリーや棒...定期的SEXで女性版EDを防げ! なぜ電気使用量のお知らせと払込用紙は、2回に分けて送られる?

「まるで“逆”総会屋!?」揺れるオリンパス臨時株主総会で、コワモテ男性が株主を恫喝

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オリンパス公式サイトより
 粉飾決算事件に揺れたオリンパスの臨時株主総会では、不正告発で解任されたマイケル・ウッドフォード元社長の復帰を求める動きもあったが、それをかき消したのはまるで暴力団組員のようなコワモテ来場者だった。 「おい早く進めろよ、ゴラァ!」 「腹減ったよ、もういいよ!」  ドスの効いた声は大半が関西弁。面々の顔も、暴力団かと思うような怖い顔をした中年男性ばかりだった。野次は追い詰められる経営陣に飛んでいるのかと思いきや、どうも様子がおかしい。「NO個人株主軽視」とプリントされたトレーナーを着た男性がウッドフォード氏の復帰を求めたときだったからだ。  20日、招集通知には「混雑が予想されますので」とあったが、ホテルニューオータニの大会場「鶴の間」は半分ほどしか埋まらず、場内アナウンスも「空いているお席にお座りください」とあったほど。  おかげでこうした強烈な野次には場内が静まり、その野次を飛ばしていたひとりと見られる男性が質問者として関西訛りでまくし立てた。 「あなた方がやったことは世界中に恥をさらした。経営の根幹が腐っとる。菊川という奴は悪い奴だ。この会社は内視鏡屋さんでしょ! 会社の金庫にまず内視鏡入れなさいよ。これ以上、何かを隠していませんと言いなさいよ!」  一見、経営陣に対する厳しい声だが、その中身は具体性に乏しく、まるで時間稼ぎをしているようにも見えた。  事実、この質問者はその後も品の悪い連中と一緒に大声を出し、この日のハイライトであったウッドフォード氏の質問中も、「質問がなげえんだよ!」「ここは日本だぞぉ!」と遮っていた。 「おそらく、彼らはオリンパス経営陣が呼び込んだ総会屋でしょう」  場内にいた株主のひとりは、そうつぶやいた。関西訛りの質問者はその後、取締役役員とは掛け合い漫才のような馴れ合いを繰り返したあげく、「議長、早く決議しろ!」と終了を促した。まったくもって会社側に都合の良い質問者と野次だったのだ。  終了後には「どう見てもヤクザのような奴らがいたね」という株主たちの声が多々聞かれたが、今回の招集通知には不祥事後に結成された「第三者委員会」の調査と報告書が添付され、「反社会勢力との関係等」という項目も一応あった。ただ、その中身は「反社会勢力の関与は認められませんでした」という短文のみ。 「翌日の報道では“大荒れ”と書いているバカな新聞もありましたが、結局はかつて日本で横行した無風のシャンシャン総会。10年以上前から日本の商法が改正され続け、企業の国際化やコンプライアンス強化が謳われてきたんですが、このオリンパス総会で昔ながらのシャンシャン総会がそのまま残っていたことを示しましたね」(株主男性)  ただ、かつては企業側を糾弾するために存在した総会屋も、いまや“従来型のシノギ”が厳しいからか、その業態は“モノ言う個人株主を恫喝する”という真逆の立場になっているようだ。 (文=鈴木雅久)

「まるで“逆”総会屋!?」揺れるオリンパス臨時株主総会で、コワモテ男性が株主を恫喝

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オリンパス公式サイトより
 粉飾決算事件に揺れたオリンパスの臨時株主総会では、不正告発で解任されたマイケル・ウッドフォード元社長の復帰を求める動きもあったが、それをかき消したのはまるで暴力団組員のようなコワモテ来場者だった。 「おい早く進めろよ、ゴラァ!」 「腹減ったよ、もういいよ!」  ドスの効いた声は大半が関西弁。面々の顔も、暴力団かと思うような怖い顔をした中年男性ばかりだった。野次は追い詰められる経営陣に飛んでいるのかと思いきや、どうも様子がおかしい。「NO個人株主軽視」とプリントされたトレーナーを着た男性がウッドフォード氏の復帰を求めたときだったからだ。  20日、招集通知には「混雑が予想されますので」とあったが、ホテルニューオータニの大会場「鶴の間」は半分ほどしか埋まらず、場内アナウンスも「空いているお席にお座りください」とあったほど。  おかげでこうした強烈な野次には場内が静まり、その野次を飛ばしていたひとりと見られる男性が質問者として関西訛りでまくし立てた。 「あなた方がやったことは世界中に恥をさらした。経営の根幹が腐っとる。菊川という奴は悪い奴だ。この会社は内視鏡屋さんでしょ! 会社の金庫にまず内視鏡入れなさいよ。これ以上、何かを隠していませんと言いなさいよ!」  一見、経営陣に対する厳しい声だが、その中身は具体性に乏しく、まるで時間稼ぎをしているようにも見えた。  事実、この質問者はその後も品の悪い連中と一緒に大声を出し、この日のハイライトであったウッドフォード氏の質問中も、「質問がなげえんだよ!」「ここは日本だぞぉ!」と遮っていた。 「おそらく、彼らはオリンパス経営陣が呼び込んだ総会屋でしょう」  場内にいた株主のひとりは、そうつぶやいた。関西訛りの質問者はその後、取締役役員とは掛け合い漫才のような馴れ合いを繰り返したあげく、「議長、早く決議しろ!」と終了を促した。まったくもって会社側に都合の良い質問者と野次だったのだ。  終了後には「どう見てもヤクザのような奴らがいたね」という株主たちの声が多々聞かれたが、今回の招集通知には不祥事後に結成された「第三者委員会」の調査と報告書が添付され、「反社会勢力との関係等」という項目も一応あった。ただ、その中身は「反社会勢力の関与は認められませんでした」という短文のみ。 「翌日の報道では“大荒れ”と書いているバカな新聞もありましたが、結局はかつて日本で横行した無風のシャンシャン総会。10年以上前から日本の商法が改正され続け、企業の国際化やコンプライアンス強化が謳われてきたんですが、このオリンパス総会で昔ながらのシャンシャン総会がそのまま残っていたことを示しましたね」(株主男性)  ただ、かつては企業側を糾弾するために存在した総会屋も、いまや“従来型のシノギ”が厳しいからか、その業態は“モノ言う個人株主を恫喝する”という真逆の立場になっているようだ。 (文=鈴木雅久)

オリンパスが犯したもうひとつの罪──不当労働行為の被害者が告発

【プレミアサイゾーより】 ──相次ぐ社長交代や不正会計疑惑に揺れるオリンパス。そんな同社がかねてから抱えてきたトラブルのひとつに、内部通報により、不当な配置転換を強要された現役社員の濱田正晴氏が、同社に対し不当労働行為の取り消しと損害賠償を請求した「オリンパス裁判」がある。この裁判では、8月に出された控訴審判決で濱田氏が全面勝訴したが、9月に会社側は最高裁へ上告。その濱田氏が、現在の裁判制度、内部告発者を守るべき公益通報者保護法が孕む危険性について語るべく、その重い口を開いた。  今回濱田正晴氏が対談相手として選んだのは、オリンパス裁判を通じて濱田氏を実務面、精神面で支援した串岡弘昭氏(後述参照)。
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トナミ裁判元原告で現在は大学や自治体の研修会など
で講師も務める串岡弘昭氏(写真左)と、オリンパス
裁判控訴審で勝訴した原告・濱田正晴氏(写真右)
(写真/山本宏樹)
 串岡氏が起こした「トナミ裁判」(同)がひとつの契機となって成立したともいわれるのが、不正の内部告発者を保護することを定めた公益通報者保護法(通称:内部告発者保護法)である(同法の詳細は別枠参照)。現実にはその趣旨に反して「内部告発者に甚大な被害を与えかねない法律」と指摘する声も多い。今回は同法と因縁の深い2人に、同法の問題点に加え、ある日突然誰もが直面し得る司法や企業に潜む罠について語ってもらった。 ──濱田さんは裁判中の身のため、裁判に支障のない範囲でお話しいただければと思います。 串岡(以下、) 私が代わりに話すから大丈夫(笑)。 ──まず、濱田さんの内部通報のあらましについて教えてください。 濱田(以下、) 07年、私はオリンパスにとって重要な顧客企業の営業担当でした。そこで私は、上司がその顧客企業から、内部の情報を入手して取引を有利に進めるために、複数の社員を引き抜こうとしていることを知りました。これは、不正競争防止法違反の恐れがあったため、「社内で不正行為を知り得た者は内部通報努力義務がある」との社内規定に沿い、社内の通報窓口に通報しました。 ──その後、濱田さんは、会社から報復を受けたのですね?  はい。上司らが私を密室に監禁し、それまで長年従事してきた営業担当とはまったく畑違いの部署へ強制的に異動させたのです。 ──かつて串岡さんが内部通報をした時は、まだ同法はありませんでしたね?  ええ。私は74年にトラック業界の闇カルテル【編註:談合で違法な割増運賃を徴収】を勤務先(当時)であるトナミ運輸社内で内部告発したことがきっかけで、約30年間に及び閑職に追いやられました。 ──お2人は、会社に対し裁判を起こされましたが、裁判を経験されていかがでしたか?  私は地位回復と謝罪を求め02年にトナミ運輸を提訴し、06年の控訴審で会社側と和解しました。民事訴訟では和解交渉になるケースが多いのですが、私が和解交渉を拒否したところ、裁判官は法廷とは表情を豹変させ、「不利になりますよ」という意味のことを、相当キツイ口調で言いました。濱田さんの裁判でも、彼が一審で和解交渉を拒否したところ、裁判官が激高したそうです。 ──濱田さんは、一審の弁護士にも大変苦労されたようですが。  一審の濱田さんの代理人=弁護士が裁判の終盤で、濱田さんの意向を無視して、強引に和解に持ち込もうとし、「濱田氏はオリンパスのブランドを傷つけたので謝罪します」という和解案まで作成していたのです。 ──濱田さんは一審敗訴、二審の控訴審では全面勝訴し、会社の違法配転命令、不法行為が認定されましたが、9月にオリンパスは最高裁に上告しました。  裁判が続くということは、一個人にとって裁判費用の問題のみならず、何より精神的にキツイです。最高裁で判決が確定するまで、会社は濱田さんを継続して過酷な状況に置くことができる。それにより、そのほかの約4万人の社員に向けて、「内部告発者に対して、会社側はとことんやるぞ」という、一種の見せしめを行えるわけです。 ──「精神的にキツイ」ということですが、一番悩んだことはなんでしょうか?
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速報! オリンパス代理人の「あの」弁護士に市民団体が懲戒請求!

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森・濱田松本法律事務所のある丸
の内パークビルディング(wikipe
diaより)。
 広域暴力団に過去のM&A(合併・買収)資金が流れていたと米メディアに大々的に報じられ、FBIが捜査を開始するなど、大混乱が続く光学機器のオリンパス。このほど同社の代理人を務める弁護士が、市民団体から懲戒請求を起こされ、騒ぎとなっている。  懲戒請求を起こされたのは、「日本四大法律事務所」のひとつといわれている「森・濱田松本法律事務所(東京都丸の内)の高谷知佐子弁護士ら。労働法のエキスパートとしてメディアへの露出も多く、300人以上の弁護士が勤務する同事務所の中でも「注目度が高い」(元同事務所職員)とされているひとりだ。オリンパス以外にも多くの上場企業を担当してきたことでも知られている。  ところが、オリンパスの社員Hさんが、上司の非合法行為を内部告発したことで社から恣意的な配置転換を強いられたと訴えた先の裁判で、東京高裁はHさんの訴えを認め、オリンパス側に220万円の損害賠償を命じる高裁判決を今年9月に下している(オリンパスは上告)。この案件を担当していたのが、今回懲戒請求を起こされた高谷氏である。事件は全国的に報じられ、高谷氏にとっては痛い"黒星"となったに違いない。  この「オリンパス敗訴」ついては、本サイトでも9月11日付「オリンパス敗訴で明らかになった女弁護士のブラックすぎる手口」にて報じたところだが(※記事参照)、この記事中に登場する「女性弁護士のT谷」という人物が、今回市民団体から懲戒請求を起こされた高谷氏である。日本を代表する大手法律事務所のベテラン弁護士でありながら、先のオリンパス訴訟では一社員に敗訴を喫し、さらに市民団体から懲戒請求を起こされた理由は何なのか。  筆者が入手した「懲戒請求書」によれば、請求者は市民団体「公正な司法を考える会」(東京都江東区)。請求日は10月27日。A4用紙4枚に記された「懲戒事由の説明」によれば、高谷氏は現在、オリンパスの他にも、大手シンクタンク「野村総合研究所」(以下、野村総研)が関係している裁判も代理人として担当しているとある。裁判の内容は、野村総研・上海支社の副社長だったY田氏が、現地で取引先企業の女性社員らに強制わいせつ行為を働き、これに対し被害者女性の友人が抗議行動を起こしたところ、逆にこの友人と女性を相手に提訴したというものだ。
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市民団体から提出された懲戒請求書。
 市民団体「公正な司法を考える会」は、この「強制わいせつ事件」訴訟に提出された公開文書を根拠に、野村総研と高谷氏を厳しく批判。野村総研のY田氏が「強姦、強制わいせつ行為」(本文より)の他、「中国での違法買春及び集団買春行為」(同)などを繰り返し、被害者女性の友人の抗議に対しても「損害の発生の立証もせずに名誉毀損だと1,000万円以上の金銭を要求する民事提訴を」起こし、これが女性を脅かすことを目的とした「恫喝訴訟にあたる可能性が極めて高い」と批判している。  ここで例に挙がった「野村総研強制わいせつ事件」については、これまで本サイトでも繰り返し報じてきた(※記事参照)。本記事でも、野村総研側が被害者を「逆ギレ提訴」しながら、被害者側の主張そのものに対して「事実無根だ」との反論を一切していない点を指摘。以下の通り被害者側の関係者証言を紹介している。 「これだけ一次証言がそろってしまうと、立証されるのを恐れて(事実関係の否定が)できないのでしょう。そこで苦し紛れに、『事実はどうであれ、まだ刑事罰が決まっていないのに、決まったかのような誤解を与える表現は名誉棄損だ』などと言ってるわけですが、その時点で『やりました』と言ってるようなもんなんですけどね」  このように矛盾点が多く、しかも被害者である一般女性に対する恫喝訴訟ともとれる裁判戦略を一貫して主導してきたのが、前述の高谷知佐子弁護士ということになる。  「懲戒請求書」は、これ以外にも高谷氏がオリンパスやそれ以外の企業で行ってきたと思われる行為についても触れている。「(高谷氏が)オリンパス株式会社や都内のコンサルティング会社で、集団ストーカー行為や専属産業医を悪用しての手口を行っている」ほか、「相手側の弁護士への脅迫」など、「反社会性の高さが大きな社会問題となっている」と批判を強めている。  「懲戒請求書」では引き続き複数の問題点を指摘しながら、高谷氏のこれまでの行為が「司法資格者がこれまで社会正義の追求のために努力し積み上げてきた社会からの信頼を毀損し、社会的に悪影響を大きく与える行為」であるとして、「対象弁護士(注:高谷氏を指す)らに厳しい懲戒を求め、本懲戒請求を実施する」と結論付けている。  こうした市民団体の動きに対して、森・濱田松本法律事務所および当の高谷氏はどう反論するのか。懲戒請求が出された27日、同事務所に電話で見解を求めたところ、「高谷はただいま留守にしております」「懲戒請求については本人と確認がとれておりませんので、現時点でコメントはできません」(広報)と回答している。 (文=浮島さとし)
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オリンパス事件は氷山の一角 現役産業医が語る「リアルでブラックなクビ切り術」

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写真はイメージです。
 勤務先の非合法行為を内部告発したことで不当解雇を迫られた社員が、勤務先である精密機器大手のオリンパス社を相手取り起こした裁判の二審で、9月、原告社員が勝訴(220万円の損害賠償)を勝ち取った。オリンパス社と顧問弁護士、産業医のブラックな連携による悪質な手口が明らかになるに連れ、社会的な反響は増すばかりだ。  同事件の内幕を報じた前回の本サイト記事でも、記事の配信先サイトも含めたリツイートが3,000件を超えるなどの"炎上"状態となり、「悪質すぎて信じられない」「本当にそんなひどい医者がいるのか!?」といった反響が多数寄せられた。  そこで今回、前回の取材に協力してもらった産業医とは別の、他の複数の現役産業医や産業医経験者らからも話を聞き、彼らの周りで起こっている「産業医の今」を語ってもらうことにした。  まずは産業医とは何であるか、基本的な定義から再確認しておきたい。  産業医とは「職場で労働者の健康管理にあたる医師」(大辞林より)とある通り、労働安全衛生法13条により、50人以上の労働者が常時従事する事業所には、労働者の健康管理のために産業医を置くことが義務づけられている。該当する企業が産業医の設置を怠ったり、選任だけして適切な業務を行わせなかったりした場合は、50万円以下の罰金処分が科せられる。  また、同法3項には、「産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、事業主に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる」とあり、「オリンパス事件」はこれが企業側により悪用されたケースと言えそうだ。  この「悪用」の詳細については、前回の本サイトの関連記事中で、関係者証言からの概要を以下の通りお伝えした(引用は要約)。 「悪質な企業では、会社にとって都合の悪い社員に『精神的なケアをする』との名目で、会社お抱えの産業医に診断をさせる。会社とグルの産業医は、その社員を『君は精神疾患だ』『重度のウツなので治療が必要』と診断し、精神病院への措置入院を誘導したり、合法的に解雇したりして、事実を隠蔽してしまう」  法を利用した、まさにブラック過ぎる手口と言える。さて、その産業医、大きく以下の2種類に分けることができる。  ひとつは、産業医である前に自身で病院経営をし、産業医は非常勤として受任している医師。産業医をしなくても安定した固定収入があり、あくまで「バイト感覚というか、ボランティアのような気持ちで産業医は引き受けている」(30代開業医)場合が多い。報酬は出勤日数により千差万別だが、一例を挙げれば「月1回か2回出勤して2万から5万程度。それでも何社か掛け持ちすれば20~30万になる」(同)という。  もうひとつは、事業所に常駐する産業医である。年収は「一般企業の役員程度で、金額的には1,500万程度かそれ以下」(40代医師)が一般的。当然ながら、収入はその事業所からの報酬に限定されるため、「立場的には総務部所属の一社員と同じような存在」(同)となる場合が多く、構造的に見て「会社の言いなりになるのも当然」(同)と言えそうだ。  ところで、一般に産業医に就くにはどのようなルートがあるのだろうか。前出の30代開業医は、「同業の紹介で『○○って会社が産業医探してるんだけどやらない? おまえ暇だろ』という誘いもあったし(笑)、自分からなりたい場合は、医師会を通して斡旋してもらう方法もある」と言うが、多くは「産業医専門の派遣会社に登録して紹介してもらうケースが、数としては圧倒的に多い」(同)ようだ。  ためしにネット上で「産業医 派遣会社」で検索すると、関連会社や関係サイトがズラリと検出される。そのうちの一社に業務内容を電話で尋ねると、「産業医になりたいという希望者と事業所の間に入りながら、医師との面接から契約までを、責任を持って行っております」(某社広報)とのこと。仕組みそのものは一般の派遣会社と同じだ。 ■「上司からの指示という感覚」でモラルを捨てる産業医  さて、オリンパスなどのブラック企業の報道に見られるような、会社の命令で社員を追い込む悪質な産業医の実態についてはどうだろうか。筆者の質問に対し、ある40代の男性医師は「普通にいますよ」とあっさりと言い切った上で、「自分自身も経験がある」と告白してくれた。数年前に某メーカーでウツ気味の男性社員の相談を受けていたその医師は、結果的に会社側の片棒を担ぐ形で、その社員を解雇に追い込んだことを、今も気に病んでいるという。 「ある日、総務部の人間から書類を渡されて、『これに署名をもらってきてください』と言われたんです。内容は、休職中の補償などが記されている形式的なものだったのですが、実は『いかなる薬であっても常用している場合は復職できない』旨の一文が、小さな文字で隅に記されていたんです。でも、今の時代、睡眠薬を常用している人なんて普通にいますよね。彼もそのパターンで、結果的にその署名が誓約書となり、仕事に戻る上での障害になりました。本人は民事訴訟も考えたようですが、最後は『そんなエネルギーも、もうない』と言って辞めていきました。気づかなかったとはいえ、直接書かせたのは私ですからね。思い出すと気が重くなりますよ」  一方で、こうした産業医の横行を、「世の中に当たり前にある話と感じていた」とも言い、本サイト記事を読んでショックを受けた読者が多かったことを告げると、むしろ驚いた様子を見せた。 「もちろん、まじめにやってる人もいますよ。ただ、開業医と違って常勤の場合はサラリーマンと一緒で、会社から給料をもらっている立場なので上司には逆らえない。『会社とグル』という報道もありましたが、そういう対等な関係というより、上司からの指示という感覚で受け止めている人も多いでしょうね」  また、本サイトで報じた「集団ストーカー」でターゲットを追い込む手口については、実際にストーキングチームに加わり逆に精神を病んだという人物から、個人的に相談を受けた経験があるとして、「一部には存在する」と言う。 「私が相談を受けた集団ストーカーは、かなり大手の外資系会計事務所の法務部が、ある宗教団体の行動部隊へ委託して行われたという、かなり悪質な一件でした。信じ難いことですが、一部の教団にはそういう"業務"を請け負う部隊があり、各企業の法務部とパイプを構築しているのです。裏仕事を暴力団に頼むのと構図は同じです。しかもそのときは、顧問弁護を務めていた女性弁護士も承知していたというのだからひどい話です。道ですれ違いざまに『山田一郎(仮名)、死ね』とささやいたり、ホームの対面からじっと視線を合わせたりするわけです。ノイローゼになって産業医に相談に行くと、『最近、人の視線が気になりませんか』とか、『幻聴は聞こえますか』と誘導する。で、私に相談してきたのは、その集団ストーカーをしたひとり。『上からの指示でこんなことをしたが、もうやりたくない、死にたい』とメールで泣きついてきました。やる方もこたえる。負の連鎖ですよ」
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集団ストーカーの参加メンバーのひとりから
医師に届いた相談メール。「納得できない」
「もうやめたい」といった心の叫びがつづら
れていた。
 また、別の産業医(40代開業医)も集団ストーカーについて次のように言う。 「企業の法務部と教団ラインの集団ストーカーは、最近はあまり行われなくなったとも聞いています。人を多く使うので、どうしても情報が漏れやすいですからね。やる側も罪悪感から精神を病む人もいますし」  引き受ける教団も教団なら、そんなところへ"業務"として下ろす企業も企業。ここまでブラックな手法が一部の大手企業で常態化していた事実に驚くしかない。  今回の取材に応えてくれた医師らは皆、「産業医は誇りを持ちながらまじめに取り組んでいる人も多い」としながらも、「オリンパス事件」のような事例は「よくあること」と口を揃えた。また、過去に産業医経験があるという40代の開業医は、「誤解を恐れずに言えば、常勤の派遣産業医にはいい加減なのが多いですよ」と証言する。 「言葉は悪いけど、それだけで食ってる連中だし、短期間で勤務先が代わって会社へのロイヤリティーもないから、派遣先の上司のおかしな指示にも簡単に従う。そもそも医師というのは、手術や臨床経験、学会への論文などで実力をつけていくものですが、派遣登録の産業医は会社の中にいるだけだから、医師として能力が低いのも当然です。最近はお寺でも、坊さんが派遣先から電話1本でお経をあげに来るらしいけど、それと似てますよ」  また、最近では「安定して楽に稼げる」ことを理由に、最初から事業所に常勤する産業医を希望する若い医師や医大生も多いといい、「仕事に誇りを持たない医師は簡単に会社の犬になる」とその医師は言い切る。 ■産業医を使わないと「不良社員」も解雇できない !?  さらに、その医師は驚くべき以下の事実を教えてくれた。 「これもおかしな話なんだけど、産業医って、法令には『医師のうちから産業医を選任』としか書かれていないんですよ。つまり、内科や精神科でなくても、眼科医でも小児科医でも可なんです。実際にそういう会社を知ってますしね」  前述の通り、産業医を選任だけして適切な業務を行わせなかった事業所は、50万円以下の罰金が科せられると条文には記されている。仮に100人規模の企業で、経験の浅い「目医者さん」をひとり置いている場合、それが産業医としての「適切な業務」と言えるかどうか、一般的な感覚からすれば大いに疑問が残るところだ。  さて、その一方で、産業医を利用したブラックな解雇が横行している現状について、「日本の労働者が『整理解雇の四要件』で手厚く守られ過ぎているため、企業に対して不利益をもたらす社員をクビにするには産業医を使わないと不可能という現実もある」と指摘するのは、労働法に詳しい都内の30代弁護士だ。 「今の労働者優位の体制を作ったのは労組、つまり連合なんですが、相当な条件をクリアしないと正社員を解雇できない国は先進国で日本だけです。役人が『親方日の丸』で働かないと言われていますが、実は民間も含めた日本全体がそうなっているんです。これは、経済の活性化という面では極めてマイナス。制度上は社員の解雇を可能にして、並行してセーフティネットも整える。そういう社会に変えていくべきだと思いますけどね」  そもそも、産業医とは過労死が社会問題になった時代に、労働環境の改善のために導入された制度。従って当時は、「どこの会社も面倒くさがって、産業医なんて置きたくないと嫌がっていたんです。ところが、想定外の使い道があることを各企業が学習してしまい、今では産業医を置く目的や意図が、当初と全く変わってしまったんです」(前出の弁護士)  産業医の問題を考えるには、国内の雇用実態を勘案した上での、幅広い議論が必要のようだ。いずれにせよ、もし自分が「企業→産業医」ラインで"抹殺"される危険を感じた場合、個人はどのように対抗すべきなのか? これについては、「ひとりで抱え込まずに、とにかく仲間に相談しまくる」(先の弁護士)のが、何より効果的だと多くの関係者は言う。 「情報が拡散することを会社は恐れるし、いろんな人に相談していれば知恵を出してくれる人、仲間になってくれる人が現れます」(同)  また、前出の40代医師は「かかりつけの医師への相談が一番」と言う。 「昔は近所にかかりつけの診療所があるのが普通だったんですけどね。自分のことを知ってくれている医師を普段から作っておくのが理想的です。かかりつけでなくても、別の医者に行くのは必要。ただ、最近は、産業医が『一応ここでも診てもらってください』と表向きセカンドオピニオンを勧めながら、実はそこもグルで罠にハメようとしてくる場合がけっこう多いので注意が必要です」  右を見ても左を見ても、何を信じていいか分からない今のご時世。相談仲間をひとりでも多く作っておくというシンプルな戦略が、事前にできる最も簡単で効果的な戦略といえそうだ。 (文=浮島さとし)
職場はなぜ壊れるのか―産業医が見た人間関係の病理 グルだったとは。 amazon_associate_logo.jpg
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オリンパス社長解任劇で浮上した不正会計疑惑は同社で代々伝承された"お家芸"だった!?

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オリンパス株式会社の公式HPより
「ウッドフォード氏本人は、儀礼や慣習よりもずっと具体的で憂慮すべき問題を巡って、同僚たちと衝突したと話している。トップの立場から『内部告発』を行ったためだという」(10月15日付け英紙「フィナンシャル・タイムズ(FT)」)  10月14日、オリンパスの菊川剛会長は記者会見で、「日常の業務で組織を無視した指示があり、グループ全体が混乱していた」ことを理由に、同社取締役会がマイケル・ウッドフォード社長を解任し、菊川氏が社長職を兼務することを発表。今年4月の社長就任からわずか半年のスピード解任となった。  同日、この解任発表について、オリンパス社内は「不自然なほど誰も触れようとしない」(同社現役社員)状況で、全社員向けに「菊川会長兼社長」名で次のような「臨時メッセージ」が配信されていた。 「(ウッドフォード前社長が原因で)独断専横的な経営判断で物事が進んでしまい、(略)このような事態を長期にわたり続けることは当社の社員をはじめ、(略)さまざまなステークホルダーに対して多大なるご迷惑をおかけすることであり、(略)判断いたしました」  この説明を聞く限り、あたかも前社長に100%非があるように受け取れるが、冒頭のFTの記事によると、前社長が同社の主に2つの不正会計を社内で追及しようとしたことが解任理由だというのだ。  ひとつめは、2006~08年に同社が計7億7,300万ドルを投じた非公開企業3社の買収について、その後投資額の約7割が減損処理されていた問題。  2つめは、08年の同社による英医療機器メーカー・ジャイラス買収において、総額22億ドルの買収金額の約3分の1に相当する多額の報酬金を、買収を仲介しただけのフィナンシャルアドバイザーで、世界的な租税回避地(タックスヘイブン)であるケイマン諸島に所在する、いまだ所有者不明のAXAMという会社に支払っていた問題である。FTが入手した資料によると、オリンパスの社外監査法人だったKPMGも、09年監査の際にジャイラス及びAXAMの不正会計を示唆していたというのだ。  さらに、オリンパスが04年に子会社化したITサービス企業・ITXに関するオリンパスの会計処理についても、かねてから社内では疑念の声が上がっていたという。ITXの元関係者はこう証言する。 「ITX子会社化以前の00年から、オリンパスはITXの株式を15%以上所有していましたが、同社は直接保有する株式以外にも、ITXの株式を投資信託化して、同社と関係の深いオリンパス香港・中国有限公司、コンサルティング会社グローバル・カンパニー(GC)、リヒテンシュタイン銀行に保有させていました。これは、本来オリンパスが自社名義で保有すべき『株式』を、意図的に自社の代わりに他社名義の『投資信託』に見せかけ、見た目上の自社の株式保有比率を引き下げるという行為であり、『意図的なグループ連結会計外し』という極めて違法性の高い操作だと社内でささやかれていました【編註:複数の企業間で、自社名義でお互いの株式を持ち合うことは、一部の例外を除き合法】。そして、04年のITX子会社化の際には、オリンパスはこれらの投資信託を買い取り、株式化することにより、一気にITXの約70%の株式を取得しました。子会社化の直前にITXは株式公開に失敗し、オリンパスやこの4社以外の株主は、ITX株式の評価損を一斉に計上していましたが、オリンパスは子会社化により、計上すべき評価損を免れていた模様です【編註:自社保有の株式下落により会計上損失を計上しなければならない基準は、子会社の株式の場合緩和される】。しかしこの行為は、株価が上がらない場合、将来多額の損失を"のれん代"として償却しなければならなくなる恐れがあり、『"意図的な"将来への損失先送り=商法違反』の疑いがあったため、社内で異論が噴出し、実際2年後に数百億円レベルの損失を計上したと聞いています」 ●不正会計の指南役は某大手証券会社社員!?  また別の元関係者は、FTでジャイラスとAXAMに関する疑惑を目にしたとき、この不正会計の際に利用された手法の"指南役"と思われる人物A氏にまつわる噂を、社内で聞いたことを思い出したという。 「(FT記事が提示するひとつめの問題である)非公開企業3社とは、アルティス(健康食品会社)、ヒューマラボ(同左)、NEWS CHEF(食器・調理器具会社)ですが、オリンパスの事業分野と無関係な会社ばかりです。前出のCGはオリンパスから投資業務委託も受けていますが、CG傘下の投資ファンドが所有するこの3社を、06~08年にかけオリンパスはCGの仲介でこのファンドから買収します。この取引の中心人物が当時CGの幹部だった元某大手証券会社社員A氏でした。A氏はのちにオリンパスの関連会社幹部となり、前出のリヒテンシュタイン銀行にオリンパスの法人名義口座を開くため海外出張したりと、財務面で同社のアドバイザリー的な役割を担っていたともいわれていました。買収の仲介料を"裏の指南"への報酬としてA氏に支払うために、オリンパスは損失を出してまで買収を行ったのでは、という噂まで社内で出たほどです。のちのジャイラスとAXAMの件でも、A氏が指南した手法が使われた可能性があるのではないでしょうか」  ちなみにたびたび登場するこのリヒテンシュタイン銀行とは? 「スイス銀行に代表される、極めて顧客情報の守秘性が高いプライベートバンクで、口座開設にあたり最低でも必要な預金額は数億円以上。世界の富裕層の租税回避にも利用されており、08年にはアメリカ、ドイツなど複数国が協調して脱税捜査に入り、世界的に名の知れた起業家やミュージシャン、俳優が秘密口座を持っていた実態が明らかになりました」(証券アナリスト)  オリンパスが利益の見込めない買収劇を繰り返し、この銀行やケイマン諸島などの租税回避地を使って、不正な隠し財産を積み上げているとしたら? 真相は霧の中だが、もし仮にこの元関係者の証言やFTの記事が事実だとすると、疑問を抱かざるをえない。  10月20日付け日経新聞朝刊は、ジャイラス買収について、買収金額約2,200億円の約4分の1にあたる「557億円の減損処理を(オリンパスは)正当と主張するが、規模の大きい損失や支出が『財務悪化を招いた』(JPモルガン証券の森山久史アナリスト)との指摘がある」と報じた。また、新聞各社の報道によると、ウッドフォード前社長は17日、国際的な汚職などを捜査する英重大不正捜査局(SFO)にこの買収に関連する資料を提出し、オリンパス側も前社長に対し法的措置をとる可能性を示唆しているという。  いまだにジャイラスやAXAMの会計は未公開のままだが、こうしたオリンパスの"謎の多さ"が、「菊川現社長が退任しない限り、同社に投資する市場関係者は出ないでしょう」(前出の証券アナリスト)との声を呼んでいるのかもしれない。 (文=編集部)
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オリンパス敗訴で明らかになった女弁護士のブラック過ぎる手口

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「オリンパス社のホームページ」より
「人事部の人間からしつこく『産業医に診てもらえ』と異常なまでに強要され、最後にはストーカーのように追いかけまわされたんです!」  精密機械大手のオリンパス(東京都新宿区)の社員Hさんが、上司の非合法行為を内部通報したために配置転換されたと訴えた裁判で8月31日、東京高裁がオリンパス社の配置転換を無効とし、同社の行為は違法として220万円の損害賠償を命じた事件。判決後の会見でHさんが発した冒頭のコメントに、会場にいた支援者のひとりがこう続けた。 「オリンパスは産業医を使ってHさんを精神異常者に仕立て上げようとしたんですよ。手口がブラック過ぎます!」    意味深な発言にざわめく会見場。今回の判決で浮かび上がった大手法律事務所のブラック過ぎる手口とは何なのか。  すでに多くのメディアが報じている通り、今回のオリンパス敗訴の判決は多くの企業に導入されている「内部通報制度」のあり方に警鐘を鳴らした。と同時に、会社にとって都合の悪い社員が、会社側の顧問弁護士により社会的に抹殺されてしまう悪質な手口が明らかになりつつある。  今回、敗訴となったオリンパス社を弁護した「森・濱田松本法律事務所」(東京都丸の内)は、日本の「四大法律事務所」のひとつと称されるほどの大手である。特に、担当をしたT谷というベテラン女性弁護士は、労働法のエキスパートとしてメディアにも登場した経歴を持つ。ところが、このT谷弁護士がかねてから産業医とグルになり、陰湿な手口で社員を社会的に抹殺してきた疑いがあるという。今回の「オリンパス訴訟」を詳しく知るある人物がその手口を説明する。 「悪質な企業では、会社にとって都合のよくない社員に対して『精神的なケアをする』との名目で、会社お抱えの産業医に診断をさせるんです。この産業医が会社とグルで、その社員を『君は精神分裂症だ』『重度のウツなので治療が必要』などと診断し、精神病院へ措置入院させたり、合法的に解雇してしまい、事実が隠蔽されてしまう。過去にセクハラを訴えた多くのOLなどがこの手口で社会的に抹殺されていますし、今回のHさんもそのひとりの疑いがあります」  つまり、一部の大手企業では、「裏コンプライアンス・マニュアル」として産業医を活用したブラックな手口が常態化しており、オリンパス社もそのひとつである疑いが強いのだという。
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オリンパス社では、社員の休職や復職に産業医の権限が極めて大きく関与している。
写真は「オリンパス職員組合規約集」より(クリックすると大きくなります)。
 実際、オリンパス社に勝訴したHさんは、自身のブログに次のように記している。 <オリンパス人事部長・課長が、しつこく、ねちっと陰湿に、「オリンパス産業医診断」を強要したことと同じく、「あなたの健康のためだから」とか、「従業員の健康が会社の願いだから」、などと、巧みに、「オリンパス産業医の診断を受けてください」、「産業医の診断をうけて欲しいという会社の願いは組合としても同じだから」と、(中略)この、「組織ぐるみでの産業医診断強要作戦」は、「労働者に再起不能のレッテルを貼る(復職したくても、精神的なこを理由とされ、復職許可させないで休職期間満了退職を狙う)」ことを意図する、絶対にしてはならない「禁じ手」に他なりません>(原文ママ)  また、今回の裁判で東京地裁に意見書を提出した関西大学教授の森岡孝二氏も、意見書の中で次のように述べている(カッコは筆者)。 <原告(Hさん)が面談したF氏(オリンパス社人事部)は、原告の通報事実にはほとんど関心を示さず、健康問題が心配だから産業医の診断を受けるように勧めた。その場では原告もそれを了解し、F氏が産業医の予約をとった。しかし、原告はその直後に不審に思い、その日のうちに自ら予約をキャンセルした>
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T谷弁護士が昨秋、オ社の管理職限定で行ったセミナーに関する内部資料の一部。
「E」はエグゼクティブ=監督者を指し、「PゾーンGL」はグループリーダーで管理者(非組合員)を意味する。
 オリンパス社と産業医のブラックな結託が徐々に浮かび上がってきたわけだが、ここで注目すべきは、本サイトで度々報じてきた「野村総合研究所強制わいせつ事件」(記事参照)において、現在裁判中の野村総研側の弁護を担当しているのも、実はこのT谷という女性弁護士なのだ。本事件は、野村総研の上海支社副総経理(副支社長に相当)であるY田氏が、取引先の女性営業担当者A子さんの家に上がり込み、抱きつき、押し倒すなどの強制わいせつを働いた事件。女性は事件後に退社しているが、Y田氏はいまだ何の処分も受けてない。このことを野村総研に抗議したことで「名誉毀損」と・逆ギレ訴訟・を起こされたA子さんの支援者のひとりであるBさんは、裁判所に提出した書面に、森・濱田松本法律事務所のT谷弁護士が過去にも大手コンサルティング会社の弁護活動において、悪質な手口で一般社員を追い込んでいたと告発している(以下、裁判所の公開文書より抜粋)。 <T谷弁護士は(編注:原文は本名)都内の大手コンサルティング会社から労働法の専門弁護士として依頼を受任し(略)、不都合な社員や退職させたい社員がいる際には、まず集団ストーカーと呼ばれる手口で、その社員の周辺に複数の人間が常につきまとい、その社員に精神的苦痛を与え続け、その社員がたまらなくなって、怒鳴ったり暴力を振るったりしやすいようにする、もしくは精神的苦痛で自殺しやすい状況にする行為を続ける> <このような集団ストーカー行為、もしくは産業医の制度を悪用する手口を使って、被害を訴える個人に対し、精神分裂症等の精神病として診断書を作成して被害者の発言の信憑性を低下させ、その上で産業医が治療と称し措置入院等を行う事で、報道、捜査機関、裁判所等を欺いて対応が出来ないようにし、さらに一般市民を自殺や泣き寝入りに追い込む>  まさに、ブラックな企業とブラックな弁護士によるブラック過ぎる手口。大手企業のこうしたやり口は、過去に本サイトでも「<緊急座談会>問題なのは野村総研だけじゃない! 日本企業は海外でセクハラし放題! コンプライアンスはどうなってる !?」(記事参照)で、専門家の意見を通して問題提起してきたところだが、あまりに常軌を逸した手口の陰湿さから、一部の読者からは「劇画的過ぎる。本当にそんな手口あるのか?」との質問が寄せられたほどだ。ところが、日本有数の大手法律事務所で常態化している疑いが、図らずも今回のオリンパス事件で改めて浮かび上がったようだ。  冒頭の裁判関係者が言う。 「問題の女弁護士については、以前から集団ストーカーや嫌がらせ電話などの怪しい手口のウワサが絶えなかった。今回もそのやり方をして敗訴ですからね。これからヤバいんじゃないかって、弁護士や裁判官たちはウワサしてますよ」  おりしも、オリンパスとT谷弁護士は期限(高裁判決から二週間)直前の9日に上告することを決定。さらに野村総研強制わいせつ事件も含めて「どんな悪あがきを続けるつもりなのか」(同)が注目される。なお、多くの産業医は社員の健康のために誠実に勤務しており、一部の悪質な専属産業医の実態を一般化するものではない。念のため付記しておきたい。 (文=浮島さとし) ※当初、記事中でT谷弁護士の年齢を「50代」としておりましたが、一部の読者や関係者から「40代ではないか」との問い合わせをいただき、あらためて確認したところその可能性が高いことがわかり、年齢部分を削除致しました。
ブラック企業、世にはばかる まさに。 amazon_associate_logo.jpg
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