芸能界を離れていた約10年の間、ヒロミがトレーニングジム経営で大成功を収めていたのは有名な話。2015年に『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)へ出演したヒロミは「芸能界でやってこられた人なら、ほかの何をやっても成功できる」と断言している。彼の実績を振り返ると、説得力のある言葉だ。 ほかにも、雨上がり決死隊・宮迫博之の元相方がラーメン店、キャバクラ、芸能事務所、アパレルブランドなどを立ち上げ、成功者となった恵藤憲二氏であることは多くの人が知る事実である。 これらの成功例を、“芸能界で培ったスキルが他業種でも通用する証し”としてもいいものだろうか? ■トレエンが「コンプレックスを武器に変える手法」を伝授 9月18日よりスタートした『漫才先生~ビジネス基礎~』(NHK Eテレ)が面白い。この番組のコンセプトは「漫才師がビジネスマンにビジネス道を熱血指導する前代未聞の若い働きマンへの新ビジネス指南番組」である。 第1回目の講師として登場したのは、トレンディエンジェル。斎藤司はNSC(吉本総合芸能学院)入学以前、楽天に勤務していた経歴の持ち主だ。そんな彼らが、若きビジネスマンたちを相手に講義を行う。今回のテーマは「コンプレックスを最大の武器にせよ」だ。トレエンのコンプレックスといえば、やはり頭髪ということになるだろう。 デビュー当初、トレエンは“ハゲネタ”を避けたネタ作りをしており、ウケを取ることができなかった。いや、それ以前にネタを真剣に見てもらうことすらできなかったという。これは、当時の彼らの知名度のなさゆえ。しかし、ハゲネタを解禁してから、彼らの快進撃は始まる。 斎藤「ハゲは、当時の僕らより有名でしたから。今はハゲを抜きましたけど」 たかし「ハゲを抜くって、ややこしいですけど」 要するに、自分のことを知らない相手への“壁”を突破する方法として有効なのが「コンプレックスを武器にする」という手法だったのだ。 ここからは実践編。「人見知り」をコンプレックスとする生徒が、たかしを相手にいつもの飛び込み営業の様子を披露したのだが、これがどうにも弱腰だ。保険のセールスをしたいのに「時間ないからいいよ」と言われた途端、「わかりました」と退出してしまう。その表情にはすまなそうな感情が出まくっており、俗に言う“困り顔”になってしまっていた。 そんな彼に、斎藤は「話を聞いてもらうことが大事」とアドバイス。その時、武器にしてほしいのがコンプレックスなのだ。「コンプレックスを見せる」と「相手に弱みを見せる」ことになり、それは即ち「心を開いてくれる」ということになるからである。 では、具体的にどうすればいいのだろう? ここで斎藤が見せたお手本は秀逸である。“困り顔”を、見事にプラスに転換してみせた。 斎藤「すいません、佐藤さんいらっしゃいますか?」 たかし「佐藤? ウチにそんな人いない」 斎藤「あれ、いないッスか? ……やっべ、間違えちゃいました! あのぉ、田中さんはいます?」 たかし「田中もいないよ(笑)」 斎藤「あれ? あるんですよ、こういうところ。すいません、失礼します!(退出しようとする)」 たかし「(斎藤が落とした財布を見つけ)あれ、ちょっと!」 斎藤「なんか、すみません。拾ってもらっちゃって。ただごとじゃないな、この関係性は……。じゃあ、またお邪魔しますんで。あっ、これよかったらウチでやってる保険の資料なんでこれ見といてください」 たかし「えっ?」 実はこのくだりには、ビジネスに有効なスキルがいくつか盛り込まれている。まず、質問を繰り返すことで会話をコントロールする「質問話法」を駆使。また、商品をまったく売ろうとしていない斎藤の態度は、会話中にニーズを見つけて「買いたい」と言わせる「売らない営業法」と通ずるものがある。加えて“困り顔”を印象付けることで、相手を助けたくなる「人間の援助行動」も引き出している。「人見知り」のコンプレックスが、相手の気を引くチャンスとして見事昇華されたのだ! ■「最速でネタに引き込む」という企業秘密をさらすサンドウィッチマン 9月25日放送の第2回目に登場したのは、サンドウィッチマン。前回のトレエンは比較的、スピリッツの部分に関する授業を行っていたが、今回のサンドウィッチマンはがっつり営業方法について言及する。というのも、伊達みきおは芸人になる前に福祉用具の営業マンを5年間勤め上げていたのだ。 それにしても、この回のサンドウィッチマンは大サービスだった。自らの漫才台本を掲示し、そのシステムを親切丁寧に解説していくのだから。 サンドの2人がまず始めにアドバイスするのは「最初に一番言いたいことを言う」ということ。いわゆる“ツカミ”に当たる部分である。番組によって一つのネタを「3分にしてくれ」「5分にしてくれ」とリクエストされることなど、芸人にとっては日常茶飯事である。だからこそ「最速でネタに引き込む」が、永遠のテーマとなる。設定に入る前にだらだらさせない。 例えば、サンドのネタにはこういうくだりがある。 伊達「世の中、興奮することはいっぱいありますけど、一番興奮するのはお寿司屋さんに行った時だね」 富澤「間違いないね」 伊達「あっ、お寿司屋さんだ。興奮してきたな。ちょっと入ってみようかな」 上記の流れ、無駄が極力排除されているのだ。「俺、お寿司屋さんやってみたいんだよね」「そうなの?」「俺がお寿司屋さんやるから、あなたがお客さんとして入ってきて」というお決まりの流れが邪魔だと2人は考えた。なので、伊達が「あっ、お寿司屋さんだ」と言うだけに留めている。 そして、すぐにツカミへ突入する。 富澤「ヘイヘイヘイヘイヘイラッシャイ」 伊達「少年野球か、うるせえな!」 これは、ビジネスの世界にも応用できるロジックだ。あらゆるシチュエーションでは、切り口(入り)が大事になってくる。漫才も、テレビも、映画も、プレゼンも、重要なのは最初の1分間。この時点で、相手を引き込めるかが左右される。まさしく“ツカミ”。細かい説明は後回しでいい。とにかく、冒頭1分で本題に入ってしまう。それが重要だとサンドウィッチマンは説く。 それにしても、サンドウィッチマンが明かした手法は具体的すぎる。これって、彼らにとっての企業秘密じゃないのだろうか? 講義を受けたビジネスマンから「こんなに手の内をさらしちゃっていいんですか?」と問われたサンドウィッチマンは「全然いいですよ。台本に上げちゃえばわかるものなので」と、至ってクールな態度を貫いていた。 トレエンもサンドウィッチマンも、職人だ。一つのボケ、言葉が決まるまでに2~3カ月かけることもザラ。実を言うと究極に理論的なその構造は、ブラッシュアップされ尽くしているだけに、あらゆるシチュエーションで応用可能なスキルとなっていたようだ。 「漫才師がビジネスマンにビジネス道を熱血指導する」というコンセプトであるものの、それだけに収まらない『漫才先生』。裏側をあくまで“チラ見せ”することで、芸人がよりカッコ良く見えてくる番組であった。 (文=寺西ジャジューカ)グレープカンパニー公式サイトより
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サンドウィッチマンが大盤振る舞い! 「最速でネタに引き込む」漫才技術をビジネスマンに伝授
芸能界を離れていた約10年の間、ヒロミがトレーニングジム経営で大成功を収めていたのは有名な話。2015年に『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)へ出演したヒロミは「芸能界でやってこられた人なら、ほかの何をやっても成功できる」と断言している。彼の実績を振り返ると、説得力のある言葉だ。 ほかにも、雨上がり決死隊・宮迫博之の元相方がラーメン店、キャバクラ、芸能事務所、アパレルブランドなどを立ち上げ、成功者となった恵藤憲二氏であることは多くの人が知る事実である。 これらの成功例を、“芸能界で培ったスキルが他業種でも通用する証し”としてもいいものだろうか? ■トレエンが「コンプレックスを武器に変える手法」を伝授 9月18日よりスタートした『漫才先生~ビジネス基礎~』(NHK Eテレ)が面白い。この番組のコンセプトは「漫才師がビジネスマンにビジネス道を熱血指導する前代未聞の若い働きマンへの新ビジネス指南番組」である。 第1回目の講師として登場したのは、トレンディエンジェル。斎藤司はNSC(吉本総合芸能学院)入学以前、楽天に勤務していた経歴の持ち主だ。そんな彼らが、若きビジネスマンたちを相手に講義を行う。今回のテーマは「コンプレックスを最大の武器にせよ」だ。トレエンのコンプレックスといえば、やはり頭髪ということになるだろう。 デビュー当初、トレエンは“ハゲネタ”を避けたネタ作りをしており、ウケを取ることができなかった。いや、それ以前にネタを真剣に見てもらうことすらできなかったという。これは、当時の彼らの知名度のなさゆえ。しかし、ハゲネタを解禁してから、彼らの快進撃は始まる。 斎藤「ハゲは、当時の僕らより有名でしたから。今はハゲを抜きましたけど」 たかし「ハゲを抜くって、ややこしいですけど」 要するに、自分のことを知らない相手への“壁”を突破する方法として有効なのが「コンプレックスを武器にする」という手法だったのだ。 ここからは実践編。「人見知り」をコンプレックスとする生徒が、たかしを相手にいつもの飛び込み営業の様子を披露したのだが、これがどうにも弱腰だ。保険のセールスをしたいのに「時間ないからいいよ」と言われた途端、「わかりました」と退出してしまう。その表情にはすまなそうな感情が出まくっており、俗に言う“困り顔”になってしまっていた。 そんな彼に、斎藤は「話を聞いてもらうことが大事」とアドバイス。その時、武器にしてほしいのがコンプレックスなのだ。「コンプレックスを見せる」と「相手に弱みを見せる」ことになり、それは即ち「心を開いてくれる」ということになるからである。 では、具体的にどうすればいいのだろう? ここで斎藤が見せたお手本は秀逸である。“困り顔”を、見事にプラスに転換してみせた。 斎藤「すいません、佐藤さんいらっしゃいますか?」 たかし「佐藤? ウチにそんな人いない」 斎藤「あれ、いないッスか? ……やっべ、間違えちゃいました! あのぉ、田中さんはいます?」 たかし「田中もいないよ(笑)」 斎藤「あれ? あるんですよ、こういうところ。すいません、失礼します!(退出しようとする)」 たかし「(斎藤が落とした財布を見つけ)あれ、ちょっと!」 斎藤「なんか、すみません。拾ってもらっちゃって。ただごとじゃないな、この関係性は……。じゃあ、またお邪魔しますんで。あっ、これよかったらウチでやってる保険の資料なんでこれ見といてください」 たかし「えっ?」 実はこのくだりには、ビジネスに有効なスキルがいくつか盛り込まれている。まず、質問を繰り返すことで会話をコントロールする「質問話法」を駆使。また、商品をまったく売ろうとしていない斎藤の態度は、会話中にニーズを見つけて「買いたい」と言わせる「売らない営業法」と通ずるものがある。加えて“困り顔”を印象付けることで、相手を助けたくなる「人間の援助行動」も引き出している。「人見知り」のコンプレックスが、相手の気を引くチャンスとして見事昇華されたのだ! ■「最速でネタに引き込む」という企業秘密をさらすサンドウィッチマン 9月25日放送の第2回目に登場したのは、サンドウィッチマン。前回のトレエンは比較的、スピリッツの部分に関する授業を行っていたが、今回のサンドウィッチマンはがっつり営業方法について言及する。というのも、伊達みきおは芸人になる前に福祉用具の営業マンを5年間勤め上げていたのだ。 それにしても、この回のサンドウィッチマンは大サービスだった。自らの漫才台本を掲示し、そのシステムを親切丁寧に解説していくのだから。 サンドの2人がまず始めにアドバイスするのは「最初に一番言いたいことを言う」ということ。いわゆる“ツカミ”に当たる部分である。番組によって一つのネタを「3分にしてくれ」「5分にしてくれ」とリクエストされることなど、芸人にとっては日常茶飯事である。だからこそ「最速でネタに引き込む」が、永遠のテーマとなる。設定に入る前にだらだらさせない。 例えば、サンドのネタにはこういうくだりがある。 伊達「世の中、興奮することはいっぱいありますけど、一番興奮するのはお寿司屋さんに行った時だね」 富澤「間違いないね」 伊達「あっ、お寿司屋さんだ。興奮してきたな。ちょっと入ってみようかな」 上記の流れ、無駄が極力排除されているのだ。「俺、お寿司屋さんやってみたいんだよね」「そうなの?」「俺がお寿司屋さんやるから、あなたがお客さんとして入ってきて」というお決まりの流れが邪魔だと2人は考えた。なので、伊達が「あっ、お寿司屋さんだ」と言うだけに留めている。 そして、すぐにツカミへ突入する。 富澤「ヘイヘイヘイヘイヘイラッシャイ」 伊達「少年野球か、うるせえな!」 これは、ビジネスの世界にも応用できるロジックだ。あらゆるシチュエーションでは、切り口(入り)が大事になってくる。漫才も、テレビも、映画も、プレゼンも、重要なのは最初の1分間。この時点で、相手を引き込めるかが左右される。まさしく“ツカミ”。細かい説明は後回しでいい。とにかく、冒頭1分で本題に入ってしまう。それが重要だとサンドウィッチマンは説く。 それにしても、サンドウィッチマンが明かした手法は具体的すぎる。これって、彼らにとっての企業秘密じゃないのだろうか? 講義を受けたビジネスマンから「こんなに手の内をさらしちゃっていいんですか?」と問われたサンドウィッチマンは「全然いいですよ。台本に上げちゃえばわかるものなので」と、至ってクールな態度を貫いていた。 トレエンもサンドウィッチマンも、職人だ。一つのボケ、言葉が決まるまでに2~3カ月かけることもザラ。実を言うと究極に理論的なその構造は、ブラッシュアップされ尽くしているだけに、あらゆるシチュエーションで応用可能なスキルとなっていたようだ。 「漫才師がビジネスマンにビジネス道を熱血指導する」というコンセプトであるものの、それだけに収まらない『漫才先生』。裏側をあくまで“チラ見せ”することで、芸人がよりカッコ良く見えてくる番組であった。 (文=寺西ジャジューカ)グレープカンパニー公式サイトより
フジ『バイキング』で“唯一面白い”地引網コーナー復活に視聴者歓喜! EXILE&江角マキコ不要論も……
フジテレビ系の昼の帯情報番組『バイキング』で、「唯一面白いコーナー」との呼び声も高い「生中継! サンドウィッチマンの地引網クッキング」が、9カ月ぶりに復活した。 同コーナーは、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの2人が、日本各地の海岸へ出向き、地元の人々と交流しながら地引網にかかった魚を料理する内容。低迷する視聴率ばかりが話題となった番組初期において、「面白そうな素人を見つけては、容赦なくいじり倒すライブ感が最高」と反響を呼び、同コーナーが放送されていた月曜日(今回は火曜日)は視聴率が安定。だが、昨年10月末に「気温が下がると、地引網で魚が取れなくなってしまう」との理由で、いったん中断していた。 復活を遂げた4日の放送では、サンドウィッチマンの地元であり、東日本大震災の被害を受けた宮城県東松島市の野蒜海岸から中継。コーナー冒頭から、盆踊りグループによる「東松島音頭」、関連団体による「ブルーインパルス音頭」、さらに学生の吹奏楽の演奏が海岸に同時に鳴り響く賑やかな状況に、サンドウィッチマン・富沢たけしは「うるさいので、どれかひとつにすればいいのに」とすかさずツッコミ。さらに、東松島市の自宅が震災で全壊してしまったというパンサー・尾形貴弘の母親も駆けつけ、地引網に参加。ワイプのMC・坂上忍が「尾形がうるさい(笑)」と苦情を訴えると、母親が代わって謝罪する一幕も見受けられた。 また、今回は“コチ”の調理を予定していたものの、コチが網にかからなかったため、急きょ、カマスと小さいサバを使って調理。「地引網から、調理台までが遠い」との理由で、陸上部の中学生がリレーで魚を運んだものの、サンドウィッチマンが追いつけず時間短縮にならなかったり、完成した調理が生焼けだったりと、最後までドタバタな展開をみせた。 約25分間にわたる同コーナー放送後、ネット上では「面白かった!」「サンドウィッチマンの中継は安定感抜群」「ほかのコーナーに比べて、ずば抜けてる」「1時間やってほしい」「もはや、スタジオいらない」「サンドウィッチマンと坂上だけでいい。スタジオにいる江角マキコや、EXILEいらない」などと、大反響をみせている。 「気温が上がる春頃に復活するとみられていたため、なぜ9カ月も空いてしまったのか疑問。秋になるとまた魚が取れづらくなるため、短い復活となるかもしれません。『バイキング』は、3月末に坂上をメインMCとして全曜日に出演させるなど、大幅リニューアルを行ったものの、レギュラーメンバーや、他番組のパクリや、リサーチ会社頼りの制作スタイルは相変わらずで、評判はイマイチ。むしろ、『共演者が、坂上に気を遣いすぎ』との指摘も。 視聴率において、裏番組の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)や、『ひるおび!』(TBS系)の背中にはいまだ近づけず、一時はテレビ東京の『昼めし旅』にまで追いつかれてしまった『バイキング』ですが、人気コーナーの復活が起爆剤となり、全曜日での底上げがはかれればいいのですが……」(制作会社関係者) 中継のうまさは天下一品といわれるサンドウィッチマンは、リニューアル後も低迷が続く『バイキング』の救世主となるだろうか?フジテレビ公式サイトより
フジ『バイキング』で“唯一面白い”地引網コーナー復活に視聴者歓喜! EXILE&江角マキコ不要論も……
フジテレビ系の昼の帯情報番組『バイキング』で、「唯一面白いコーナー」との呼び声も高い「生中継! サンドウィッチマンの地引網クッキング」が、9カ月ぶりに復活した。 同コーナーは、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの2人が、日本各地の海岸へ出向き、地元の人々と交流しながら地引網にかかった魚を料理する内容。低迷する視聴率ばかりが話題となった番組初期において、「面白そうな素人を見つけては、容赦なくいじり倒すライブ感が最高」と反響を呼び、同コーナーが放送されていた月曜日(今回は火曜日)は視聴率が安定。だが、昨年10月末に「気温が下がると、地引網で魚が取れなくなってしまう」との理由で、いったん中断していた。 復活を遂げた4日の放送では、サンドウィッチマンの地元であり、東日本大震災の被害を受けた宮城県東松島市の野蒜海岸から中継。コーナー冒頭から、盆踊りグループによる「東松島音頭」、関連団体による「ブルーインパルス音頭」、さらに学生の吹奏楽の演奏が海岸に同時に鳴り響く賑やかな状況に、サンドウィッチマン・富沢たけしは「うるさいので、どれかひとつにすればいいのに」とすかさずツッコミ。さらに、東松島市の自宅が震災で全壊してしまったというパンサー・尾形貴弘の母親も駆けつけ、地引網に参加。ワイプのMC・坂上忍が「尾形がうるさい(笑)」と苦情を訴えると、母親が代わって謝罪する一幕も見受けられた。 また、今回は“コチ”の調理を予定していたものの、コチが網にかからなかったため、急きょ、カマスと小さいサバを使って調理。「地引網から、調理台までが遠い」との理由で、陸上部の中学生がリレーで魚を運んだものの、サンドウィッチマンが追いつけず時間短縮にならなかったり、完成した調理が生焼けだったりと、最後までドタバタな展開をみせた。 約25分間にわたる同コーナー放送後、ネット上では「面白かった!」「サンドウィッチマンの中継は安定感抜群」「ほかのコーナーに比べて、ずば抜けてる」「1時間やってほしい」「もはや、スタジオいらない」「サンドウィッチマンと坂上だけでいい。スタジオにいる江角マキコや、EXILEいらない」などと、大反響をみせている。 「気温が上がる春頃に復活するとみられていたため、なぜ9カ月も空いてしまったのか疑問。秋になるとまた魚が取れづらくなるため、短い復活となるかもしれません。『バイキング』は、3月末に坂上をメインMCとして全曜日に出演させるなど、大幅リニューアルを行ったものの、レギュラーメンバーや、他番組のパクリや、リサーチ会社頼りの制作スタイルは相変わらずで、評判はイマイチ。むしろ、『共演者が、坂上に気を遣いすぎ』との指摘も。 視聴率において、裏番組の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)や、『ひるおび!』(TBS系)の背中にはいまだ近づけず、一時はテレビ東京の『昼めし旅』にまで追いつかれてしまった『バイキング』ですが、人気コーナーの復活が起爆剤となり、全曜日での底上げがはかれればいいのですが……」(制作会社関係者) 中継のうまさは天下一品といわれるサンドウィッチマンは、リニューアル後も低迷が続く『バイキング』の救世主となるだろうか?フジテレビ公式サイトより
松木安太郎の“応援解説”が冴えわたる!『不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。』
「韓流スターと葉月里緒奈ってところかな」 「もうちょっとナチュラルメイクのほうがいいんじゃない? 皮膚呼吸できなそうだなぁ」 「二人は愛し合ってるねえ」 A級プロダンサーを目指す男女ペアを見守りながらも、矢継ぎ早に発せられるサッカー解説者・松木安太郎のナレーション。そのVTRを見ながら、MCのサンドウィッチマン・富澤は思わず吐き捨てた。 「集中できないよ、VTRに!」 それでも松木は止まらない。いよいよA級がかかった競技会に挑むペアの緊張感あふれる姿を「静かに見守りましょう」とナレーションを入れたわずか数秒後には、「よーし! ここ頑張りましょう!」と口を開く。 これには伊達も「いや、『静かに見守りましょう』って言ったじゃねーか!」とツッコみ、富澤も「5秒もたたないうちにしゃべりだしたよ」とあきれていた。それだけではない。時には、ナレーションを忘れ、拍手までしてしまう始末だ。 これは、『不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。』(テレビ東京系)という長いタイトルの番組の一幕。テレ東では『YOUは何しに日本へ?』の成功もあり、この手の素人インタビュー&密着番組が急増している。特に月曜23:58からは1カ月ごとに番組を変える、いわば“お試し”枠とあって、手間はかかるが予算はかからない『家、ついて行ってイイですか?』『新婚さんに「結婚を決めた一言」聞いてみた』『卒業文集の夢、叶いましたか?』などの名作が次々と誕生している。『家、ついて行ってイイですか?』などは、ゴールデンタイムで特番にもなった。 『不躾ですが~』はそのタイトル通り、ある人たちの「ドキドキな発表の瞬間」に密着するという番組である。その“応援ナレーター”が、松木である。 松木のサッカー解説といえば、熱くポジティブでテンションが高いことでおなじみだ。 「あっ! PKだろ! 倒してないか、今?」 「ハンドじゃないか? ハンドだよねえ? ハンドだよー!」 「ふざけたロスタイムだなぁ」 「シュート打て、打てっ!」 と、中立的解説とは無縁の暑苦しい応援解説。それが一部サッカーファンからは不評を買っていたが、一方で、その「分かりやすさ」は普段サッカーを見ない層がサッカーを見る機会となるワールドカップなどの場面では大いに注目された。今では、日本代表戦に松木の解説がないとなんだか寂しいと思ってしまうほどだ。 そんな松木解説は、バラエティ番組にも飛び火。『ケータイ大喜利』(NHK総合)では「サッカー中継。『ちゃんと解説してください…』松木安太郎さん、何と言った?」などと大喜利のお題となり、視聴者から寄せられた回答を実際に読むという大役を果たしている。松木解説は、番組屈指の人気「声のお題」となっているのだ。 そんな松木の“応援解説”に注目したのが、『不躾ですが~』だ。下着モデルのオーディションや76歳のボディビルダーの大会挑戦、9歳のピアニストのコンクール、足掛け26年、49歳で弁護士を目指す司法試験の合格発表など、ドキドキの発表の瞬間に挑む真剣な人たちを、松木が熱く、それでいてどこかふざけて応援する。そして、その挑戦VTRと松木の応援ナレーションの両方に対し、適度な距離感でツッコミを入れたり、素直に感想を言い合うのがMCのサンドウィッチマンだ。その三位一体の構造が絶妙だ。 ボクシングのプロライセンスを目指す33歳の青年がいた。彼の名は上原裕三。すかさず、「上原裕三くん、名前は野球っぽいけどね」と、松木のいらないナレーションが入る。プロテストは、33歳までという年齢制限がある。だから、これが最後の挑戦だ。 「33歳っていうと、俺引退した歳だよ」と松木。思わず伊達が「ナレーションの手数多すぎるわ!」とツッコむ。 これまでの人生で、いろいろなことから逃げてきたという上原。“やり遂げた”ことが一つもなかった。だから、プロテストに合格すれば、自分が変われるのではないかと、挑戦を続けてきたのだという。 「わっかるなー!」 と、真剣なトーンの上原と対照的な軽いリアクション。もちろん松木である。いよいよプロテスト当日、多くの受験者がいる控室の映像を見ながら「ファッションでは負けてないぞ、頑張れ!」「まず髪型が強そうだよね」などと軽口を叩くナレーション。上原が心境を語りだすと「ちょっと揺れながらしゃべるところがあるよね」なんて言っている。ついに、最後のテストであるスパーリングに向かう真剣な表情がアップで映し出されると「彼はホント、キレイな奥二重だよね」。 いざスパーリングが始まると、そこはスポーツ解説者。 「消極的だなぁ。ストレスたまる試合だね」 「気持ちで負けるな!」 「いやー、いいパンチ入ったね! リプレイ見よう、リプレイ!」 「そう、前へ前へ!」 と、的確で熱い解説が入っていく。 スパーリングの勝敗とプロテストの合否は無関係とはいえ、相手からダウンを奪い、リタイヤに追い込んだ上原。その表情は、充実感でいっぱいだった。合格すれば自分が変われるかもと語っていた上原は、合格発表を待たずに“やり遂げた”実感を得て言った。 「人生、変わった気がします!」 そんな姿に、富澤は涙を浮かべるのだった。 どんどんと複雑化する世の中で、提供されるコンテンツに対して、われわれはとかく斜に構え、ひねくれた見方をしがちだ。けれど、一方で単純に笑いたいし、単純に泣きたいし、単純に楽しみたいとも思っている。松木の“応援”は、いわば“オヤジ”を具現化したものだ。目の前のことに脊髄反射的に反応し、たとえ頭の中で複雑なことを考えていたとしても、実際に出てくる言葉は、ごくごく単純でシンプルな言葉ばかりだ。言ってみれば「バカ」な言動だ。けれど、そんな“オヤジ”を誰しもが自分の中に飼っているし、どこかで憧れている。バカになって素直に楽しむこと。松木は、そんな世の中の見方を“応援”しているのかもしれない。「よーし、出しきれよ! 全部出し切れ!」と。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。』テレビ東京
「もう全部このコーナーでいい!?」 打ち切り寸前の『バイキング』で、サンドウィッチマンの“地引網中継”が話題
『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の後番組としてスタートした情報バラエティ番組『バイキング』の18日放送分が、同番組最低の平均視聴率2.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録したことが分かった。 同番組が2.7%を記録したのは、15・16日に続き3度目。初回こそ6.3%を記録したが、最近は2~3%台と低迷が続いている。 「ネット上では、視聴者から『つまらない』『うるさい』『画面がごちゃごちゃしてる』といった声が殺到。2.7%は、『いいとも』が1982年10月15日に記録したワースト記録2.8%を下回る数字。この時間帯での2%台は、打ち切り範囲内です」(芸能ライター) そんな後がない『バイキング』だが、あるコーナーが視聴者から絶賛されているという。 「月曜日の中継コーナー『生中継! 日本全国地引網クッキング』が大好評。お笑いコンビ・サンドウィッチマンの2人が、日本各地の海岸へ出向き、地元の人々と交流しながら地引網を引き、取れた魚を料理して食べるという内容。雑多なタレントが並び、落ち着きのないスタジオとは一転、2人の中継はにぎやかながらも安定感抜群。伊達(みきお)と富澤(たけし)は、面白そうな素人を見つけては遠慮なくいじり倒し、生中継ならではのハプニングも起こるため、ヤラセ感がなく好評のようです」(同) 21日放送の同コーナーでは、神奈川県・湘南から中継。背後で踊る地元のフラダンサーを、富澤は「スケベな女たち」と呼び捨て、伊達は鳴り響く和太鼓の音に対し「太鼓うるせえな!」と叫び、さらに、スタジオの坂上忍が「富澤さんの隣のお母さん邪魔だから、どかして!」と言うと、富澤が「お母さん邪魔だって」と素人女性に言い放つなど、やりたい放題。また、素人が地元の名産をPRするミニコーナーでは、伊達が「海苔ようかん」を試食すると「しょっぺ!」、8万円のガラス工芸品を「たっけ!」と一蹴していた。 「サンドウィッチマンは、素人相手に失礼なことを言っても、どこか温かみがあり、嫌味な感じもなく、進行もきちんとこなしている。言うなれば、愛される毒舌でおなじみの毒蝮三太夫のような存在。また、『半径500mの日常をエンターテインメントにする』とうたいながらも、生活情報の少ない『バイキング』の中で、生放送中に料理をしている点も、同コーナーが広く受け入れられている一因かもしれません」(同) この日の視聴者の感想をうかがうと、ネット上では「サンドウィッチマンは安定の面白さ。一方、スタジオはセットもガチャガチャしてるし、レギュラーは相変わらず多すぎで、画面が鬱陶しいです」「地引網には興味ないけど、サンドウィッチマンが面白くて、つい毎週見ちゃう」「もう全部、このコーナーでいい」と賛辞が目立つ。中には、「サンドウィッチマンを司会にしたほうがいい」という声まで。 視聴率低迷ばかりが話題となっている陰で、好評を博している『生中継! 日本全国地引網クッキング』。『バイキング』の後番組の司会は、サンドウィッチマンで決まり!?『サンドウィッチマン ライブツアー2012』(エイベックス・マーケティング)
「もっと避難所を映せ!」サンドウィッチマン伊達の"提言"は震災報道を変えたか

サンドウィッチマン伊達みきお
オフィシャルブログより
宮城県・気仙沼でのロケ中に被災したお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の2人が、生放送中の番組でテレビ批判をして話題を呼んでいる。15日、日本テレビ系の情報番組に出演したサンドウィッチマンの伊達みきおは、「津波の凄い映像とかもういいから! 避難所を映してほしいんです。全局で同じことやってる事態じゃないですよ今」と提案。
2人とも仙台市出身とあって故郷を思う気持ちは強く、「救援物資が1個も届かないというのが、僕のブログのコメントにも入ってて、僕らに伝えてくれって頼まれた」(伊達)と必死の感情が伝わってきた。
これに芸人・なだぎ武がブログで、「それから日テレでの映像が変わった......メディアの流れを変えた」と賛美。実際、この時期からテレビで被災者の声を伝える趣向が強くなったことが伺えた。これが事実なら革命的な提案だったことになるが、当の局側からは"やむにやまれぬ事情があった"という声も聞かれる。
「提案は素晴らしいことだと思いますし、至らない部分は申し訳ないと思います」と、ある日本テレビディレクターは前置きした上で、「もともと被災者の声を届ける予定だったが、現場には現場の事情があった」と明かす。
「まず、震災直後はまだ取材スタッフが現地入りできていない状況で、ほとんど現地の支局から入る映像頼み。支局がない茨城県の映像が少なかったのも、そのせいです。支局のスタッフも家や家族を失った人がいて混乱する中、地域ごとの被害状況もハッキリ分からず、交通手段もない手探りの状況でした。取材材料に乏しい中では同じ映像を何度も流すしかなかった部分はあります」(同)
ようやく撮影機材を持ち込めても、そこはとても取材どころではない状況だったという。
「当初は負傷して血だらけの人や、家族を失い錯乱する人がいて、そこですぐに撮影を、というわけにもいかず、仕事を中断して現場の手伝いをしたスタッフも少なくなかったんです。避難所は一時的にも生活空間になっていて、無断で撮影はできないので、行政側の責任者と調整も必要でした。これは阪神大震災のときも同じで、当時も被災者情報は流しましたが、今回は場所が都市部でなかったので時間がかかったのです」(同)
また、伊達が「この局は安否確認、この局は原発、と役割を」と局ごとに分担して放送すべきといった意見には、「それができればこっちもスタッフを減らすことができますが、それは全系列の局が見られる中央にいる人の意見。チャンネルの少ない地方では、局ごとに分担すれば一部の情報しか入らない地域が出てきます。悩ましいところなんです」と前出ディレクター。「ただ、伊達さんのあの発言が私たち現場のテレビマンの背中を押してくれたことは間違いないですよ」と付け加えた。
未曾有の大災害を受けて、改めてテレビ局という大メディアの存在意義が見直される昨今、現場には志の高いテレビマンも決して少なくないようだ。


