東北←→全国で風俗嬢のバーターが発生! 東北風俗業界と女の子の今

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鈴木大介氏の著書『家のない少女た
ち』
──被災地のさまざまな情報が飛び交ったこの半年。震災直後から実話誌などでは、現地の風俗の状況も報じられてきたが、そもそも以前から、東北の風俗文化は東京のそれとは大きく異なっていたのだという。そうした背景から出発し、東北の現在の風俗の状況を、そこに群がる裏社会の住人たちの証言を元に追っていく。  あの3月11日直後、さまざまな"裏産業"が時節を逃すまいとばかりに一気に動いた。治安が低下した被災地を狙った窃盗団に、被災者の急場につけ込んだ闇金融業や、震災便乗詐欺等々(特集『裏社会が群がる復興シノギ』参照)。だがそんな中で最も初期から「震災便乗」を狙った業界が、風俗産業だった。 「あの日、地震があって事務所に戻ってテレビをつけた瞬間、あのハンパない津波の映像が流れて、ピンときましたね。不謹慎だけど、これはとてつもないチャンスが来たんじゃないかと。これだけひどい災害があれば、復興に向けてボランティアや建築業の人間や自衛隊なんかの、すさまじい数の男が現地に向かうはず。これは震災特需だ! って」  そう語るのは、都内でフリーランスのスカウト業をする小山氏(仮名)。彼がそう直感したのは、あの阪神淡路大震災でも同じような特需が発生したことが、業界で伝説的に語られていたからだという。契約しているスカウト会社の幹部からは「足が確保できるなら、すぐ現地に行ってみてほしい」と、即ゴーサインが出た。だが3月末、交通網が復旧し、被災地に炊き出し支援に向かう都内暴力団関係者の車に同乗させてもらって宮城県に向かった小山氏が見たのは、想定外の光景だったという。「これは、特需どころじゃない」。そう思ったそうだ。 「まず『東京の業者が東京の女の子を連れていって、進出できるのか』と、逆に『現地で風俗をしている子や家を失った子を、東京に呼び寄せられないか』という両面からの視察だった。事前に聞いていたのは、震災で倒壊しなかった風俗店に客が集まって大入りとか、『家を流された女の子が店で働いているので、ぜひ遊んでお金を落としてください』なんていう路上のポン引きが大活躍してるとか。実際、被災した子を雇う店は多いんだけど、景気がいいって話は全部ガセ。まず現地の雰囲気は自粛ムードで、風俗どころか飲みに行くのも気が引けるような感じだった。そして意外だったのは、東北の風俗業者はほとんどが経営者の横のつながりのあるチェーン店で、店を失った女の子や男性スタッフが無事な店にたくさん避難してきて、完全な人余りの状態だったんです」(小山氏)  東北風俗は、予想外の「互助社会」だったというのだ。ある風俗チェーン店では、震災で家を失った店舗型風俗の女性やスタッフを集め、系列店のデリヘル業者が契約していたラブホテルを避難部屋にして住まわせることまでしていたという。  これでは、関東業者進出の余地を狙うどころではない。さらに、人余りなら関東に避難しつつ働けば......という申し出も、ほぼ全滅した。 「『家族がいるから東京には行けない』と言う子がほとんどで、アレ? っと思った」(同)  小山氏が感じた違和感は、現地を訪れた風俗関係者が一様に感じたものだったという。そもそも東京近郊で風俗に勤める女性の多くは、家族や社会のあらゆるコミュニティから抜け落ちてしまった「無支援者」であるケースが多い。ところが東北の風俗産業はまったく逆で、誰かを守るために風俗を選ぶというパターンが多いという。いわく「二大就労理由は、親を養うためと兄弟の学費」(小山氏)。稼ぎの悪い夫、時には親戚や親戚の子どもまでを、自らの風俗の稼ぎで養っているというのだ。  同じく現地を訪れたスカウト会社幹部が言う。 「現地の店は、震災後で人余りの状態でも、風俗経験のない被災者の女の子をどんどん雇っていた。東京なら面接を通らない不細工な子でも採用してるのを見て、ビックリした」 ■車内本番で5000円 現地で進んだ価格崩壊  一方そんな中、実際に「特需」を迎えていた業態もあった。店舗型風俗とは違って自粛感情とは関係なく、目立たず利用できる派遣型風俗のデリヘルや、出会い系サイトを使って営業する裏風俗の援デリ業者だ。当然ながらこちらも現地進出しようともくろんだ関東の業者がいたが、ゴールデンウィーク直前に実際に現地に向かったという援デリ業者は、眉を寄せて語る。 「価格崩壊が起きてたんですね。客はラブホテル代も払えないし、ボイラーが機能してないホテルも多くて、プレイは車内。それでも金が足りないからと、そこで本番行為をしても5000円などという、関東では考えられない価格で対応する業者すらいるんだから。女の子も被災しててお金がないから、そんな額でも働く。しかも客の中には家族を失った被災者も多くて、寂しくて話を聞いてほしくて女の子を呼ぶんだよ。同情して泣きながら帰ってくる女の子もいるって」  これもまた、被災地以外の女性を連れていったところでメリットは何もない。そもそも援デリ業者は震災前から東北に援デリ業態を定着させようと挑戦して、失敗してきた経緯がある。
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