
『安住紳一郎の日曜天国』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。
放送局に所属する男性アナウンサーの中で、いま最も「フリーに近い男」。安住紳一郎がそう呼ばれるには理由がある。その理由とは、当たり前に聞こえるかもしれないが、彼が断トツに面白い人間だからである。ルックスや仕切り能力が評価されているのはもちろんだが、それだけでは業界内で一流の評価は得られない。だが、その面白さの発揮される余地が、テレビにはほとんどないというのも事実。彼の真価はラジオでこそ100%発揮される。『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ/日曜10:00~11:55)とはつまり、人間・安住紳一郎の魅力が高濃度でパッキングされた番組である。彼の評価を根底で支えているのは、間違いなくこの番組なのだ。
ラジオでの安住は、「アナウンサー」ではない。安住だけでなく、ラジオで冠番組を持つすべての「アナウンサー」が、ラジオにおいては「アナウンサー」ではない。ラジオのしゃべり手は、芸人であろうと歌手であろうと俳優であろうとアナウンサーであろうと、みな平等に「パーソナリティー」と呼ばれる。つまりラジオという戦場は、職種を剥ぎ取られた裸一貫の状態での、個の勝負の場として設定されている。ラジオを面白くするには、自らが見栄っぱりな衣を脱ぎ捨て、弱みも情けなさも変態性もあらわにしてリスナーにぶつかっていくしかない。『日曜天国』で明らかになる安住の魅力とは、まさにそういった、アナウンサーとして一見マイナスイメージとも取られかねない、人間らしい性質の数々である。そういう意味では、伊集院光が深夜ラジオで放つ魅力に近い。ただ安住のほうが、ルックスの爽快感と隠された毒性のギャップが大きい分、衝撃は大きいかもしれない。しかもこちらは日曜の朝からである。
安住の最大の魅力は、その独特の思考回路にある。人間の性格とはつまり、「何をどういう順番で考えるか」ということであって、魅力的な思考回路は人間的魅力に直結する。番組は毎度、丁寧な挨拶と天気の話題から入り、最近安住の身のまわりに起こったことをきっかけに、飛行機が徐々に離陸するように約30分のフリートークが展開されてゆく。ほかにも、生姜焼きマニアやマリンバ奏者など珍しいゲストを迎えるコーナーや、ほのぼのとした雰囲気ながらも毒の効いたメッセージ紹介コーナーなどもあるが、やはり長尺のオープニングトークがこの番組の肝だろう。
例えば、ある日のフリートーク。いつも通りの気候の話から、安住はその日が素晴らしい陽気であるということを伝えるのに、こんな話をする。その日の早朝、徹夜明けの安住は徒歩で帰宅途中、自転車を颯爽とこぐ女性に遭遇した。ごく普通の話だ。だが安住は、すれ違いざまに見たその女性の、まるで鼻歌を歌う寸前のような、口笛を吹く寸前のような恍惚とした表情になぜか衝撃を受ける。俺もあんな顔をしてみたいと強く思う。しかも今すぐに、家に着くまでの間に。安住は顔を変形させ、なんとかその女性そっくりに恍惚の表情を作り出そうと試みるが、どうしても再現できない。そこで、「なぜ俺はあの人と同じ気候のもと過ごしているのに、同じ顔ができないんだ」と考えた安住は、「ああ、俺は今さほど心地よくはないんだ」と急に気づき、「じゃあ、できないや」と、あっさりあきらめたという。
そう、それだけの話だ。単に「自転車をこぐ女性の恍惚の表情から、気候のいい朝だと気づいた話」というだけなのだが、しかし何かが決定的に狂っている。まず自分が心地よくないことに気づくのが遅すぎるし、そもそも他人が浮かべた恍惚の表情を見たからといって、どうしてもそれをマネしたいと思うだろうか? しかも、相手は異性である。同じ顔などできるはずがない。それ以前に、「同じ顔ができれば同じ感覚を共有できる」という発想が、根本的に間違っている。夢中になったわりには、ラストのあきらめも妙によすぎる。よく考えてみると、全部がおかしい。考え方も考える順番も、感覚も狂っている。まるで夢の論理である。なのになぜか話の流れは異様にスムーズで、特に身に覚えもないのに共感できる上、なんだか意味不明な説得力さえある。この「異様な思考回路をスムーズに伝える」能力は、やはりアナウンサーだからこその特性なのかもしれないが、普通の局アナにこんな思考回路はおそらくない。あったとしても、それを的確に伝える言語感覚を持っていない。だから安住紳一郎はすごい。
ほかにも安住は、「入浴中に額からしたたる汗を見て、ここから『俺の塩』ができるのではないか」と考え実際に自力で塩を精製したり、独自の理論でパンダの名前を予想してことごとく的中させたり、「アメリカンチェリーが日本に普及した歴史」をきっちり説明した上で、「あれはパン食をいつの間にか日本に根づかせたGHQの戦略と同じく、アメリカの陰謀だ!」と声高に唱えたりする。こういうと完全に危険人物だが、彼の話は決して独りよがりな妄執ではなく、その語り口には、同時に自らを冷徹に見つめる客観性をも強く感じさせる。そこには、少年のように純朴かつ感覚的な思いつきを、客観的な理論と知識で突き詰めていく知的な面白さがある。それはやはり、すべての根底にある彼の思考回路が抜群に面白いということだろう。『日曜天国』リスナーにとってラジオとは、パーソナリティーの思考回路が飛び出してくる魔法の箱なのである。
(文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>)
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予測不能な「集団的笑い」の境地『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』

『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。
『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』(TBSラジオ 土曜深夜1:00~3:00)は、『キングオブコント2010』で上位に大差をつけ断トツの8位(決勝8組中、とはいえ総勢3,009組中)を獲得したエレキコミックの2人(やついいちろう、今立進)と、ラーメンズの「ルックス的にはラーメンズだが創作的にはラーメンズじゃないほう(=髪型はラーメンだがネタを作ってないほう)」こと片桐仁による、3人組コントユニットが送る深夜のラジオ番組である。この番組こそ、いま最も最小単位で色濃く「集団的な笑い」を実現している番組だといえる。
では、「集団的な笑い」とは何か? それは、よりメジャーな笑いのフィールドであるところの、テレビの世界を席巻している潮流である。『エンタの神様』(日本テレビ系)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)全盛の時代には、何よりも個々の強烈なキャラクターがもてはやされた。しかし、「ひな壇上の連携プレー」という型を確立した『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が人気を博して以降、テレビの笑いは、いつの間にか集団のものになった。逆に、あまた出現していたキャラ芸人たちは集団の中で機能せず、次々と消えていった。個人技よりもチームワークの時代の到来である。ただし一方で、多くの番組が『アメトーーク!』的なスタイルを取り入れながらも、本家以上の笑いを生み出せていないという現実もある。
一方で、実はサッカーの世界でも、近年同様のことが起こっていた。2006年に日本代表監督に就任したイビチャ・オシムは、代表選手の選考基準として「ポリバレント」という言葉を用いた。これは「1人の選手が複数の役割を担う」という意味であり、同時に彼は、「コレクティブ(集団的な)」という言葉もよく使っていた。両者はつまり同じことを意味しており、集団的であるためには、1人の選手が複数のポジションをこなす必要があるということでもある。ただゴール前に突っ立って、ボールが来たときのみ派手な個人技を披露する古典的なストライカーは、チームプレーを阻害するとして、代表から外された。ディフェンダーも機を見て攻撃参加し時にはシュートを打ち、センターフォワードも状況によってはディフェンスラインまで下がって献身的な守備をすることが求められた。今の日本代表にその哲学が受け継がれているかは正直半信半疑だが、スペイン代表はまさにそれを突き詰めた集団的フットボールで、2010年のW杯と2008/2012年の欧州選手権を制するという快挙を成し遂げた。
つまり、いま主流の「集団的な笑い」を実現するためには、個々の芸人が自らのキャラにこだわらず、状況に応じて複数の役割をこなす必要がある。「ボケ」や「ツッコミ」といった明確な役割分担はもはや意味をなさず、現代サッカーのように流動的に、シーンに応じて役割を瞬間ごとに入れ替えながら、集団の関係性の中で笑いを生み出すプレーが求められる。
それがいま、ラジオ界でも同様の現象が起こっているのだ。『エレ片のコント太郎』は、2006年の番組開始当初はラジオコントを中心にした番組だったためこのような番組名になっているが、わりと早い段階でコントは皆無になり、3人のトークとネタコーナーが中心の番組構成となった。番組内のジングルでも自称しているように、一言で言えば毎回が「修学旅行気分」の番組である。といっても、「友達だと思っていた女子から不意に告白される」というようなリア充方面ではなく、「映画村で不良に絡まれる」「枕投げでそこそこの怪我をする」「なんとかして女風呂を覗こうと試みるも、体育教師に見つかってひと晩中正座」といった方向の、「リアルで卑屈」な修学旅行気分のほうなので圧倒的に信頼できる。
トークは毎回、基本的にエレキコミックのボケ担当であるやついいちろうが中心になって開始されるが、聴き手が2人いることもあって、さまざまな茶々がそこかしこに差し挟まれ、話が直線的に進むことはまずあり得ない。3人がめまぐるしくポジションチェンジを繰り返し、さっきまで笑っていた側の者が、気づけばいつの間にか笑われている。2人対1人で議論(といっても、個性的な自慰行為の手法など)を戦わせていたものが、いつの間にか1対2に形勢逆転していたり、イジられる対象の1人が別の人間にすっかりすり替わっていたりする。
この流動性こそまさに、「ポリバレント」かつ「コレクティブ」な、いま最も進化した笑いの真髄であり、面白さは3人の関係性の中から、想定外のタイミングでひょこひょこと生まれてくる。逆にいえばリスナーには、その突発的な面白さを捕まえ続ける集中力が要求される。
ある回では、やついのことを「バカ」と言った片桐が、逆にやついから「バカ」と言い返された途端、「バカって言うなー!」と叫んで駄々っ子のように泣き出すという、想定外の急展開で立場があべこべになる瞬間が生まれた。これはもはや修学旅行気分というか、まさに中学生の感覚でしか説明できない極限の笑いだろう。「ただふざけてるだけ」に聞こえる笑いこそが、最も純粋な笑いなのだ。「好きなタイプは?」という質問に対し、軽々しく「少年の心を持った男性が好き」と答える夢見がちな女性には、このあまりに青少年ど真ん中なやりとりを聴かせて、「これでもか!」とぜひ訊いてみたい名場面である。
いつ誰が笑いの対象になるのかわからない。誰が何をどう笑っても、面白ければ構わない。そんな不安定な状況の中から生まれる笑いは、予測不能だからこそ、この上なくリアルなものとして響く。そして、その「上がりが読めない」現実を、期待を込めて見守るという懐の深さが、ラジオの文化として確かにある。企画書的な予定調和の笑いからは対極にあるそんな空気の中でこそ、「集団的な笑い」は自由を獲得し本領を発揮する。『エレ片』とは、いま最も(いや開始当初からずっと)ラジオの可能性を感じさせてくれる番組である。
(文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>)
予測不能な「集団的笑い」の境地『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』

『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。
『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』(TBSラジオ 土曜深夜1:00~3:00)は、『キングオブコント2010』で上位に大差をつけ断トツの8位(決勝8組中、とはいえ総勢3,009組中)を獲得したエレキコミックの2人(やついいちろう、今立進)と、ラーメンズの「ルックス的にはラーメンズだが創作的にはラーメンズじゃないほう(=髪型はラーメンだがネタを作ってないほう)」こと片桐仁による、3人組コントユニットが送る深夜のラジオ番組である。この番組こそ、いま最も最小単位で色濃く「集団的な笑い」を実現している番組だといえる。
では、「集団的な笑い」とは何か? それは、よりメジャーな笑いのフィールドであるところの、テレビの世界を席巻している潮流である。『エンタの神様』(日本テレビ系)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)全盛の時代には、何よりも個々の強烈なキャラクターがもてはやされた。しかし、「ひな壇上の連携プレー」という型を確立した『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が人気を博して以降、テレビの笑いは、いつの間にか集団のものになった。逆に、あまた出現していたキャラ芸人たちは集団の中で機能せず、次々と消えていった。個人技よりもチームワークの時代の到来である。ただし一方で、多くの番組が『アメトーーク!』的なスタイルを取り入れながらも、本家以上の笑いを生み出せていないという現実もある。
一方で、実はサッカーの世界でも、近年同様のことが起こっていた。2006年に日本代表監督に就任したイビチャ・オシムは、代表選手の選考基準として「ポリバレント」という言葉を用いた。これは「1人の選手が複数の役割を担う」という意味であり、同時に彼は、「コレクティブ(集団的な)」という言葉もよく使っていた。両者はつまり同じことを意味しており、集団的であるためには、1人の選手が複数のポジションをこなす必要があるということでもある。ただゴール前に突っ立って、ボールが来たときのみ派手な個人技を披露する古典的なストライカーは、チームプレーを阻害するとして、代表から外された。ディフェンダーも機を見て攻撃参加し時にはシュートを打ち、センターフォワードも状況によってはディフェンスラインまで下がって献身的な守備をすることが求められた。今の日本代表にその哲学が受け継がれているかは正直半信半疑だが、スペイン代表はまさにそれを突き詰めた集団的フットボールで、2010年のW杯と2008/2012年の欧州選手権を制するという快挙を成し遂げた。
つまり、いま主流の「集団的な笑い」を実現するためには、個々の芸人が自らのキャラにこだわらず、状況に応じて複数の役割をこなす必要がある。「ボケ」や「ツッコミ」といった明確な役割分担はもはや意味をなさず、現代サッカーのように流動的に、シーンに応じて役割を瞬間ごとに入れ替えながら、集団の関係性の中で笑いを生み出すプレーが求められる。
それがいま、ラジオ界でも同様の現象が起こっているのだ。『エレ片のコント太郎』は、2006年の番組開始当初はラジオコントを中心にした番組だったためこのような番組名になっているが、わりと早い段階でコントは皆無になり、3人のトークとネタコーナーが中心の番組構成となった。番組内のジングルでも自称しているように、一言で言えば毎回が「修学旅行気分」の番組である。といっても、「友達だと思っていた女子から不意に告白される」というようなリア充方面ではなく、「映画村で不良に絡まれる」「枕投げでそこそこの怪我をする」「なんとかして女風呂を覗こうと試みるも、体育教師に見つかってひと晩中正座」といった方向の、「リアルで卑屈」な修学旅行気分のほうなので圧倒的に信頼できる。
トークは毎回、基本的にエレキコミックのボケ担当であるやついいちろうが中心になって開始されるが、聴き手が2人いることもあって、さまざまな茶々がそこかしこに差し挟まれ、話が直線的に進むことはまずあり得ない。3人がめまぐるしくポジションチェンジを繰り返し、さっきまで笑っていた側の者が、気づけばいつの間にか笑われている。2人対1人で議論(といっても、個性的な自慰行為の手法など)を戦わせていたものが、いつの間にか1対2に形勢逆転していたり、イジられる対象の1人が別の人間にすっかりすり替わっていたりする。
この流動性こそまさに、「ポリバレント」かつ「コレクティブ」な、いま最も進化した笑いの真髄であり、面白さは3人の関係性の中から、想定外のタイミングでひょこひょこと生まれてくる。逆にいえばリスナーには、その突発的な面白さを捕まえ続ける集中力が要求される。
ある回では、やついのことを「バカ」と言った片桐が、逆にやついから「バカ」と言い返された途端、「バカって言うなー!」と叫んで駄々っ子のように泣き出すという、想定外の急展開で立場があべこべになる瞬間が生まれた。これはもはや修学旅行気分というか、まさに中学生の感覚でしか説明できない極限の笑いだろう。「ただふざけてるだけ」に聞こえる笑いこそが、最も純粋な笑いなのだ。「好きなタイプは?」という質問に対し、軽々しく「少年の心を持った男性が好き」と答える夢見がちな女性には、このあまりに青少年ど真ん中なやりとりを聴かせて、「これでもか!」とぜひ訊いてみたい名場面である。
いつ誰が笑いの対象になるのかわからない。誰が何をどう笑っても、面白ければ構わない。そんな不安定な状況の中から生まれる笑いは、予測不能だからこそ、この上なくリアルなものとして響く。そして、その「上がりが読めない」現実を、期待を込めて見守るという懐の深さが、ラジオの文化として確かにある。企画書的な予定調和の笑いからは対極にあるそんな空気の中でこそ、「集団的な笑い」は自由を獲得し本領を発揮する。『エレ片』とは、いま最も(いや開始当初からずっと)ラジオの可能性を感じさせてくれる番組である。
(文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>)
予測不能な「集団的笑い」の境地『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』

『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。
『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』(TBSラジオ 土曜深夜1:00~3:00)は、『キングオブコント2010』で上位に大差をつけ断トツの8位(決勝8組中、とはいえ総勢3,009組中)を獲得したエレキコミックの2人(やついいちろう、今立進)と、ラーメンズの「ルックス的にはラーメンズだが創作的にはラーメンズじゃないほう(=髪型はラーメンだがネタを作ってないほう)」こと片桐仁による、3人組コントユニットが送る深夜のラジオ番組である。この番組こそ、いま最も最小単位で色濃く「集団的な笑い」を実現している番組だといえる。
では、「集団的な笑い」とは何か? それは、よりメジャーな笑いのフィールドであるところの、テレビの世界を席巻している潮流である。『エンタの神様』(日本テレビ系)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)全盛の時代には、何よりも個々の強烈なキャラクターがもてはやされた。しかし、「ひな壇上の連携プレー」という型を確立した『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が人気を博して以降、テレビの笑いは、いつの間にか集団のものになった。逆に、あまた出現していたキャラ芸人たちは集団の中で機能せず、次々と消えていった。個人技よりもチームワークの時代の到来である。ただし一方で、多くの番組が『アメトーーク!』的なスタイルを取り入れながらも、本家以上の笑いを生み出せていないという現実もある。
一方で、実はサッカーの世界でも、近年同様のことが起こっていた。2006年に日本代表監督に就任したイビチャ・オシムは、代表選手の選考基準として「ポリバレント」という言葉を用いた。これは「1人の選手が複数の役割を担う」という意味であり、同時に彼は、「コレクティブ(集団的な)」という言葉もよく使っていた。両者はつまり同じことを意味しており、集団的であるためには、1人の選手が複数のポジションをこなす必要があるということでもある。ただゴール前に突っ立って、ボールが来たときのみ派手な個人技を披露する古典的なストライカーは、チームプレーを阻害するとして、代表から外された。ディフェンダーも機を見て攻撃参加し時にはシュートを打ち、センターフォワードも状況によってはディフェンスラインまで下がって献身的な守備をすることが求められた。今の日本代表にその哲学が受け継がれているかは正直半信半疑だが、スペイン代表はまさにそれを突き詰めた集団的フットボールで、2010年のW杯と2008/2012年の欧州選手権を制するという快挙を成し遂げた。
つまり、いま主流の「集団的な笑い」を実現するためには、個々の芸人が自らのキャラにこだわらず、状況に応じて複数の役割をこなす必要がある。「ボケ」や「ツッコミ」といった明確な役割分担はもはや意味をなさず、現代サッカーのように流動的に、シーンに応じて役割を瞬間ごとに入れ替えながら、集団の関係性の中で笑いを生み出すプレーが求められる。
それがいま、ラジオ界でも同様の現象が起こっているのだ。『エレ片のコント太郎』は、2006年の番組開始当初はラジオコントを中心にした番組だったためこのような番組名になっているが、わりと早い段階でコントは皆無になり、3人のトークとネタコーナーが中心の番組構成となった。番組内のジングルでも自称しているように、一言で言えば毎回が「修学旅行気分」の番組である。といっても、「友達だと思っていた女子から不意に告白される」というようなリア充方面ではなく、「映画村で不良に絡まれる」「枕投げでそこそこの怪我をする」「なんとかして女風呂を覗こうと試みるも、体育教師に見つかってひと晩中正座」といった方向の、「リアルで卑屈」な修学旅行気分のほうなので圧倒的に信頼できる。
トークは毎回、基本的にエレキコミックのボケ担当であるやついいちろうが中心になって開始されるが、聴き手が2人いることもあって、さまざまな茶々がそこかしこに差し挟まれ、話が直線的に進むことはまずあり得ない。3人がめまぐるしくポジションチェンジを繰り返し、さっきまで笑っていた側の者が、気づけばいつの間にか笑われている。2人対1人で議論(といっても、個性的な自慰行為の手法など)を戦わせていたものが、いつの間にか1対2に形勢逆転していたり、イジられる対象の1人が別の人間にすっかりすり替わっていたりする。
この流動性こそまさに、「ポリバレント」かつ「コレクティブ」な、いま最も進化した笑いの真髄であり、面白さは3人の関係性の中から、想定外のタイミングでひょこひょこと生まれてくる。逆にいえばリスナーには、その突発的な面白さを捕まえ続ける集中力が要求される。
ある回では、やついのことを「バカ」と言った片桐が、逆にやついから「バカ」と言い返された途端、「バカって言うなー!」と叫んで駄々っ子のように泣き出すという、想定外の急展開で立場があべこべになる瞬間が生まれた。これはもはや修学旅行気分というか、まさに中学生の感覚でしか説明できない極限の笑いだろう。「ただふざけてるだけ」に聞こえる笑いこそが、最も純粋な笑いなのだ。「好きなタイプは?」という質問に対し、軽々しく「少年の心を持った男性が好き」と答える夢見がちな女性には、このあまりに青少年ど真ん中なやりとりを聴かせて、「これでもか!」とぜひ訊いてみたい名場面である。
いつ誰が笑いの対象になるのかわからない。誰が何をどう笑っても、面白ければ構わない。そんな不安定な状況の中から生まれる笑いは、予測不能だからこそ、この上なくリアルなものとして響く。そして、その「上がりが読めない」現実を、期待を込めて見守るという懐の深さが、ラジオの文化として確かにある。企画書的な予定調和の笑いからは対極にあるそんな空気の中でこそ、「集団的な笑い」は自由を獲得し本領を発揮する。『エレ片』とは、いま最も(いや開始当初からずっと)ラジオの可能性を感じさせてくれる番組である。
(文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>)
「演者最低、制作費最低なのに200点!?」宇多丸の人気ラジオ番組がまさかのドラマ化

ヒップホップグループ・ライムスターの宇多丸氏がメインパーソナリティーを務めるTBSラジオの人気番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(毎週土曜 21:30~24:30放送中)。2007年の開始以来、音楽、映画、アイドルなど知識が多岐にわたる宇多丸氏らしい内容で、時にはシャープに切り込み、時にはボンクラトークに花を咲かせ、幅広い世代から支持を得てきた。
そんな同番組から派生したDVD『タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~』(TCエンタテインメント)が3月28日に発売。ラジオ番組の企画モノDVDといえば、傑作トーク集や番組の裏側など本編に付随した内容が通例だが、今回はなんと番組出演者やスタッフが出演する完全撮りおろしのフェイクドキュメンタリー。しかも『SR サイタマノラッパー』(2008)や『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(2011)で注目を浴び、若手映画監督ナンバーワンの呼び声も高い入江悠監督が手掛けるという。
ラジオ番組の映画化とは一体どういうことなのか。早速、主演の宇多丸氏を直撃した。
――『タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~』について、いろいろうかがいたいのですが。
宇多丸 我ながら「コレは何?」っていうようなDVDの取材に来ていただいて、ホント申し訳ない……。
――いきなり恐縮しないでください(笑)。ラジオの番組DVDがフェイクドキュメンタリー作品とは、不意をつかれました。
宇多丸 普通ならオフショットを収録したりするんでしょうけど、番組DVDの話が出た時に「うちの番組でそれやってもねえ……」って言ってたんです。それでしばらくしたら、入江悠監督にやってもらえることになって、「えー! いいの!?」「でもちょっと待って、僕らが演技するわけ!?」「素人だけど大丈夫?」ってみんな不安と疑問でザワザワしてましたね。
――フタを開けてみれば、劇場で公開しないのがもったいないほどしっかりとした娯楽作品になりましたね。
宇多丸 役者として最低レベルの僕たちを使って200点出してますから、あらためて入江監督の才能が証明されましたよね。今回、それぞれのキャラクターを理解して作ってくださっているので、“それをやったら一番面白い人”に、ちゃんとそれをやらせてるんですよ。たとえば古川耕(番組構成作家)と近藤夏紀(プロデューサー&ディレクター)のラブシーンなんかも、ラブシーンを演じさせたら一番ギクシャクしそうな荒唐無稽な2人にやらせてる。それでいてラストは、ファンをイヤな気分にさせないところに着地していて、ファンが買う“アイドルビデオ”としてもちゃんと成立してるんです。
――全編“悪フザケ”ではあるんですが、展開が目まぐるしく変化していく中で、いつの間にかグッと引き込まれました。
宇多丸 とくにアクションに振れ出してからは、たとえ番組を知らなくても普通に楽しめますよね。入江監督は、後半に向けて違うところに行くような流れにしたいとおっしゃっていたんです。たとえば、タイトルを挙げるとハードル上がっちゃうけど『第9地区』(2009/ニール・ブロンカンプ監督)なんかがそうですよね。最初はフェイクドキュメンタリー調に始まって、途中からジャンルが変わっていくっていう。
――宇多丸さんが超つまらないフリートークをするシーンも印象的でした(笑)。
宇多丸 あれは「番組がおかしなことになってる感を漂わせたトークをしてください」って言われて、意外と大変だったんですよ。ほかにも僕が銃の話をしてるのに、古川さんは文房具の話をしていて、2人とも心ここにあらずで噛み合わないシーンもアドリブなんです。
――宇多丸さんから見て、演者としてとくに光っていたのはどなたですか?
宇多丸 やっぱりMVPは、橋本名誉プロデューサーですよ。一番負担の大きい役でしたし、学生プロレスラー上がりの彼の資質をすべて投入したんじゃないですかね。でも最近、役同様に「これカネになんの?」とかってカネカネ言うようになっちゃって。役柄との見境いが付かなくなる『ブラック・スワン』(2010/ダーレン・アロノフスキー監督)状態が起きていて恐ろしいです(笑)。
――橋本P以外の方々も、しまおまほさんのスピリチュアルキャラや、荒井マネジャーの横暴キャラなど、濃い役柄を演じられてましたが。
宇多丸 実際、それぞれにああいう要素があるんですよ。しまおさんもあそこまでではないけど、普段からキテレツなこと言うし。この作品でまったくないのは古川さんと夏紀のラブ要素だけ。それぞれの元々ある嫌な部分を増幅して見せられるから、撮り終わったあとに「しまおさんて普段からああいうこと言ってるよね」とか、「橋本Pってああいうとこあるよね。いつもちょっと怖いもんね」とかってみんな本当にイヤな気分になって。ちょっと番組やりづらくなったんですよ。
――あらら(笑)。DVDには特典として、出演者らの副音声や、入江監督×宇多丸さんの対談映像が収録されているとか。
宇多丸 副音声は、初見の状態で何人かで見ながら録ったんです。だから「ギャーッ」とか「ワーッ」とか、そんなんばっかのやつです(笑)。その分、対談では映画作りについてや、この作品の意図など解説っぽいことを話してます。
――ちなみに続編の可能性は?
宇多丸 続編っすか(笑)。まあ、フェイクは今回でやり切ってしまった感があるので、やるとしたら違う手でしょうね。ドキュメントとか、ポルノとか、『風雲!たけし城』のパクリとか、さまざまな手がありますから。素材はそろってますので、いろいろな監督に競作してほしいですね。
――では最後に「日刊サイゾー」読者へ作品の見どころを!
宇多丸 ファン向けの内輪向け企画ではあるんですけど、演者最低、制作費最低という厳しい条件で、入江監督がちゃんと面白い映画にしちゃってます。なのである意味、門外漢の方も日本映画界の試金石として間違いなく必見です。もちろんこの番組のファンの方は絶対に楽しめますし、逆にアンチ宇多丸の方も、あなたの気に入らないハゲの無様な姿が全編に展開してますので、おすすめです!
――確かに宇多丸さん、劇中でボロボロなってますもんね(笑)。
宇多丸 僕に恨みを持ってる人は、僕が出るたびにワロタワロタ言えていいじゃないですか(笑)
(取材・文=林タモツ/撮影=尾藤能暢)
●『タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~』
『ウィークエンドシャッフル』の放送中、事件が起こる!? TBSの大人気ラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』の舞台裏を、実在の人物とフィクションが入り混じるセミドキュメンタリータッチでドラマ化。監督・脚本は日本映画界の新星・入江悠(「SRサイタマノラッパー」シリーズ)。
出演/宇多丸、しまおまほ、古川耕、妹尾匡夫、高橋芳朗、高野政所、コンバットREC、近藤夏紀、橋本吉史ほか スタッフ/監督・脚本:入江悠、製作・企画:TBSラジオ&コミュニケーションズ 定価/3,675円(税込) 3月28日発売
●宇多丸(ライムスター)
ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパーでラジオDJ。自身のTBSラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で、映画評論の「ザ・シネマハスラー」は単行本化される人気コーナー。最新映写技術「マッピング」を導入したことでも話題となった、ライムスターの全国ツアー『King
Of Stage Vol. 9』は、Blu-ray & DVDとなって3月21日待望リリース。
「演者最低、制作費最低なのに200点!?」宇多丸の人気ラジオ番組がまさかのドラマ化

ヒップホップグループ・ライムスターの宇多丸氏がメインパーソナリティーを務めるTBSラジオの人気番組『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(毎週土曜 21:30~24:30放送中)。2007年の開始以来、音楽、映画、アイドルなど知識が多岐にわたる宇多丸氏らしい内容で、時にはシャープに切り込み、時にはボンクラトークに花を咲かせ、幅広い世代から支持を得てきた。
そんな同番組から派生したDVD『タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~』(TCエンタテインメント)が3月28日に発売。ラジオ番組の企画モノDVDといえば、傑作トーク集や番組の裏側など本編に付随した内容が通例だが、今回はなんと番組出演者やスタッフが出演する完全撮りおろしのフェイクドキュメンタリー。しかも『SR サイタマノラッパー』(2008)や『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(2011)で注目を浴び、若手映画監督ナンバーワンの呼び声も高い入江悠監督が手掛けるという。
ラジオ番組の映画化とは一体どういうことなのか。早速、主演の宇多丸氏を直撃した。
――『タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~』について、いろいろうかがいたいのですが。
宇多丸 我ながら「コレは何?」っていうようなDVDの取材に来ていただいて、ホント申し訳ない……。
――いきなり恐縮しないでください(笑)。ラジオの番組DVDがフェイクドキュメンタリー作品とは、不意をつかれました。
宇多丸 普通ならオフショットを収録したりするんでしょうけど、番組DVDの話が出た時に「うちの番組でそれやってもねえ……」って言ってたんです。それでしばらくしたら、入江悠監督にやってもらえることになって、「えー! いいの!?」「でもちょっと待って、僕らが演技するわけ!?」「素人だけど大丈夫?」ってみんな不安と疑問でザワザワしてましたね。
――フタを開けてみれば、劇場で公開しないのがもったいないほどしっかりとした娯楽作品になりましたね。
宇多丸 役者として最低レベルの僕たちを使って200点出してますから、あらためて入江監督の才能が証明されましたよね。今回、それぞれのキャラクターを理解して作ってくださっているので、“それをやったら一番面白い人”に、ちゃんとそれをやらせてるんですよ。たとえば古川耕(番組構成作家)と近藤夏紀(プロデューサー&ディレクター)のラブシーンなんかも、ラブシーンを演じさせたら一番ギクシャクしそうな荒唐無稽な2人にやらせてる。それでいてラストは、ファンをイヤな気分にさせないところに着地していて、ファンが買う“アイドルビデオ”としてもちゃんと成立してるんです。
――全編“悪フザケ”ではあるんですが、展開が目まぐるしく変化していく中で、いつの間にかグッと引き込まれました。
宇多丸 とくにアクションに振れ出してからは、たとえ番組を知らなくても普通に楽しめますよね。入江監督は、後半に向けて違うところに行くような流れにしたいとおっしゃっていたんです。たとえば、タイトルを挙げるとハードル上がっちゃうけど『第9地区』(2009/ニール・ブロンカンプ監督)なんかがそうですよね。最初はフェイクドキュメンタリー調に始まって、途中からジャンルが変わっていくっていう。
――宇多丸さんが超つまらないフリートークをするシーンも印象的でした(笑)。
宇多丸 あれは「番組がおかしなことになってる感を漂わせたトークをしてください」って言われて、意外と大変だったんですよ。ほかにも僕が銃の話をしてるのに、古川さんは文房具の話をしていて、2人とも心ここにあらずで噛み合わないシーンもアドリブなんです。
――宇多丸さんから見て、演者としてとくに光っていたのはどなたですか?
宇多丸 やっぱりMVPは、橋本名誉プロデューサーですよ。一番負担の大きい役でしたし、学生プロレスラー上がりの彼の資質をすべて投入したんじゃないですかね。でも最近、役同様に「これカネになんの?」とかってカネカネ言うようになっちゃって。役柄との見境いが付かなくなる『ブラック・スワン』(2010/ダーレン・アロノフスキー監督)状態が起きていて恐ろしいです(笑)。
――橋本P以外の方々も、しまおまほさんのスピリチュアルキャラや、荒井マネジャーの横暴キャラなど、濃い役柄を演じられてましたが。
宇多丸 実際、それぞれにああいう要素があるんですよ。しまおさんもあそこまでではないけど、普段からキテレツなこと言うし。この作品でまったくないのは古川さんと夏紀のラブ要素だけ。それぞれの元々ある嫌な部分を増幅して見せられるから、撮り終わったあとに「しまおさんて普段からああいうこと言ってるよね」とか、「橋本Pってああいうとこあるよね。いつもちょっと怖いもんね」とかってみんな本当にイヤな気分になって。ちょっと番組やりづらくなったんですよ。
――あらら(笑)。DVDには特典として、出演者らの副音声や、入江監督×宇多丸さんの対談映像が収録されているとか。
宇多丸 副音声は、初見の状態で何人かで見ながら録ったんです。だから「ギャーッ」とか「ワーッ」とか、そんなんばっかのやつです(笑)。その分、対談では映画作りについてや、この作品の意図など解説っぽいことを話してます。
――ちなみに続編の可能性は?
宇多丸 続編っすか(笑)。まあ、フェイクは今回でやり切ってしまった感があるので、やるとしたら違う手でしょうね。ドキュメントとか、ポルノとか、『風雲!たけし城』のパクリとか、さまざまな手がありますから。素材はそろってますので、いろいろな監督に競作してほしいですね。
――では最後に「日刊サイゾー」読者へ作品の見どころを!
宇多丸 ファン向けの内輪向け企画ではあるんですけど、演者最低、制作費最低という厳しい条件で、入江監督がちゃんと面白い映画にしちゃってます。なのである意味、門外漢の方も日本映画界の試金石として間違いなく必見です。もちろんこの番組のファンの方は絶対に楽しめますし、逆にアンチ宇多丸の方も、あなたの気に入らないハゲの無様な姿が全編に展開してますので、おすすめです!
――確かに宇多丸さん、劇中でボロボロなってますもんね(笑)。
宇多丸 僕に恨みを持ってる人は、僕が出るたびにワロタワロタ言えていいじゃないですか(笑)
(取材・文=林タモツ/撮影=尾藤能暢)
●『タマフル THE MOVIE ~暗黒街の黒い霧~』
『ウィークエンドシャッフル』の放送中、事件が起こる!? TBSの大人気ラジオ番組『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』の舞台裏を、実在の人物とフィクションが入り混じるセミドキュメンタリータッチでドラマ化。監督・脚本は日本映画界の新星・入江悠(「SRサイタマノラッパー」シリーズ)。
出演/宇多丸、しまおまほ、古川耕、妹尾匡夫、高橋芳朗、高野政所、コンバットREC、近藤夏紀、橋本吉史ほか スタッフ/監督・脚本:入江悠、製作・企画:TBSラジオ&コミュニケーションズ 定価/3,675円(税込) 3月28日発売
●宇多丸(ライムスター)
ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパーでラジオDJ。自身のTBSラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で、映画評論の「ザ・シネマハスラー」は単行本化される人気コーナー。最新映写技術「マッピング」を導入したことでも話題となった、ライムスターの全国ツアー『King
Of Stage Vol. 9』は、Blu-ray & DVDとなって3月21日待望リリース。
CDのための音楽は表面的! "テーマありき"の楽曲は、音楽業界をぶった斬れるのか?
■前編はこちらから
TOKYO FMで放送中のラジオ番組『SMJ全日本スキマ音楽』。その番組内で制作された楽曲の配信を記念してお届けしている、東京03の角田晃広とSAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太のインタビュー・前編では、番組開始からの彼らの変化について語ってもらった。ここからは、2人が今気になっている"スキマな人物"と、今後の番組の野望について盛り上がる――。
――番組の進行は、どんな雰囲気でやってるんですか?
浜野謙太(以下、浜野) ラジオに関しては、僕はやっぱりミュージシャンで(笑)。角田さんを頼りにせざるを得ないというか、言葉が何も湧いてこない時とかありますし......。
角田晃広(以下、角田) いやいや、こっちも言葉が浮かばないことなんてあるから(笑)。慣れない同士がやってますからね。
浜野 そうですよね。角田さんもコントではいじられるほうですもんね。
角田 そうそう。進行なんて、普段、東京03ではしないことですからね。そんな2人が番組始めてもうすぐ1年ですよ。

浜野 この1年、角田さんと出会えたってことは、僕にとってすごく大きかったですね。
角田 この番組を飛び越えて、東京03のライブにも出てもらったりしましたし、ハマケンのほうからもライブのステージに誘ってもらったりとか......は、ないんですけど。
浜野 いや、これからね、やります、やります。すみません......。
角田 すみませんって(笑)。でも、僕もいい出会いをさせてもらったなと。それでね、今年の目標としては、番組でイベントをやりたいと思っているんですよ。生放送じゃないので、聴いている方と直のやり取りができないじゃないですか。ちゃんと聴いてくれる人がいるんだ、っていうことを確認したい(笑)。
――では、スペイン坂スタジオに行きますか。
浜野 いやー、やったら人来るんですかね!?
角田 万が一やっちゃった(人が来なかった)場合、ダメージ大きいよね。
――そこは弱気なんですね(笑)。ハマケンさんは、何か今年の目標はありますか?
浜野 そうですね、この番組、収録にけっこう時間がかかるんですよ。角田さんは曲を収録前に作って持ってきてくれるんですけど、アレンジするのに時間がかかっちゃって。長く時間をかければいい曲になるっていうわけでもないし、どっかにコツがあるんだろうなって思ってるんですけど、それがもう少しで見つかりそうなんです。だから今年は、もうちょっと作業を早くできればと。
角田 助かるね(笑)。
浜野 角田さんもスタッフも、僕がアレンジをしている間ずっと待ってるんですよ。
角田 でも面白いですよ。音がどんどん出来上がっていく過程が見られて。
浜野 大人がみんなでこっちを見ながら待ってるから、僕はプレッシャーですけどね。
角田 確かにハマケンはやりづらいだろうね(笑)。
浜野 普段はトロンボーン奏者なんで、鍵盤がうまく弾けるわけでもないし、ギターを弾けるわけでもないので、それをどう効率的にするかを考えていて。
角田 でも、うまくなってきたよね。
浜野 あ、ありがとうございます(笑)。角田さんも、必要以上にギターがうまくなってきてますよね。
角田 こんなに毎週毎週ギター弾くことなんてなかったですからね。曲を作るために家でも弾いてますし、そりゃうまくもなるでしょ!
――回を重ねるごとに、クオリティーの高い曲ができてますよね。
角田 基本はそのはずです。その中に、ときどき「あれ?」っていうのが聴いてる人にはあるかもしれませんが(笑)。
浜野 あと、こんなに続くとは思わなかったんですよね。番組ではなく、アレンジが。
角田 ハマケンは毎週よくやってるよね。
浜野 そこがデカイとこなんですよ! こういう曲を作りたいとか、こういうことをやらなきゃいけないっていう"文脈"が僕らにはあるじゃないですか。コンセプトっていうとちゃっちい感じがするから、文脈って言ってみましたけど......。
角田 文脈のほうがいいね。
浜野 (笑)。文脈があると、表面的な意味ではない、新しい表情の曲ができるのが面白いんです。文脈があるだけ新しい曲があるっていうのは、大きな発見だったと思います。普段、CDのために曲を作る時とか、表面的に差別化された作品揃いになってしまうことがあると思うんですけど、ある1曲を作り上げる時には、なぜその目的地に向かいたいのか、っていう文脈が大事なんだなって気づきました。
角田 いいね、音楽業界軽く斬ったね(笑)。いいと思うよ、オレは。
浜野 この番組は、けっこう斬ってますよ。

角田 でも、斬られてるほうはまったくそんな気はしてないだろうけどね(笑)。
――ところで、お2人が注目しているお笑い界のスキマな人、音楽界のスキマな人っていますか?
角田 うーん......あ、後輩芸人で「のんたなか」っていう、最近ピンになった女芸人がいるんですけど、SMJを好きで聴いてくれているんで名前挙げておこうかと。って言っても、ピンでのネタはまだ見てないんですけど(笑)。天真爛漫で人から愛される子なので、いずれスキマじゃなくなるんじゃないかと思ってます。
浜野 僕はけっこう、王道が好きだからなぁ......。
角田 あれ? スキマな音楽番組やってるのに!?
浜野 はい(笑)。自分が関係しているバンドなんですけど、SMJにも来てくれてる"ジェントル"久保田(在日ファンクのトロンボーン奏者)が「ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド」っていうビッグバンドをやっているんですよ。今の時代にビッグバンドっていうのは、なかなかないじゃないですか。ビッグバンドだけど懐古主義ではなく、痛快なことをやっているんです。僕が歌ってるんで手前味噌ですけど(笑)、これはおすすめ。今はもう、機械を使って少ない人数でやってる音楽が多い中、そこをあえて無駄に大人数(22人)でやるっていうのがいいと思ってます。
角田 あれはかっこいいよね。
浜野 この時代に、スキマ的なことだと思うんですよね。
――最後に、番組の人気コーナー「後悔サヨナラマンボ」で、失敗や反省を笑い飛ばすという企画をやっていますが、最近、笑い飛ばしたい失敗や後悔はありましたか?
浜野 僕は、やっぱりちゃんと角田さんに年賀状出しておくべきだったなって(笑)。自分の中では去年を代表する重要な仕事だったのに、相方に年賀状を送らなかったのは痛恨ですね。
角田 僕は、在日ファンクのライブは見に行ったんですけど、SAKEROCKのライブはまだ見れてないので、今年は行きたいと思ってます。まぁ、去年も行こうと思えば行けた日もあったと思いますが(笑)。
浜野 去年、SAKEROCKはベースが抜けたんですけど、それも分からないですもんね。
角田 へぇ。そうなんだ。
浜野 ほら。けっこう大きな出来事だったんですけどね。
角田 いや、そこはほんと申し訳ない(笑)。
(文=高橋ダイスケ/写真=後藤秀二)
●かくた・あきひろ
1973年、東京都生まれ。お笑いトリオ・東京03のメンバーで、ボケ担当。プロ級のギターテクニックと歌唱力を誇り、作詞作曲もこなし自作曲も多数。ネタ中でもその腕前を披露することは多く、大竹マネジャーと組み、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「マジ歌選手権」等で歌ってきた「若者たちへ」で09年にメジャーデビューも果たしている。
●はまの・けんた
1981年、神奈川県生まれ。インストゥルメンタルバンド・SAKEROCKのメンバーとして、トロンボーン、スキャット、MCを担当し、07年に結成されたファンクバンド・在日ファンクではリーダー兼ヴォーカルを務めている。05年に出演した映画『ハチミツとクローバー』を皮切りに俳優としても活躍し、現在放送中の『ハングリー!』(フジテレビ系)では向井理とも共演を果たした。
●『SMJ 全日本スキマ音楽』
2011年4月1日よりTOKYO FMでスタートしたラジオ番組。世の中の"スキマ"をテーマに、"芸人"東京03の角田晃広が作曲、"ミュージシャン"SAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太がアレンジする。エブリスタやポッドキャストなどでも展開され、昨年10月にはスペースシャワーTVで「全日本スキマミュージックTV~SMJTV~」として映像化も実現! 大小合わせて3ケタにものぼるSMJが作った楽曲は、現在iTunesやレコチョクなどで配信中。ハマケンによってアレンジされた完成バージョンだけではなく、角田の原曲バージョン、さらには納得のいかなかったアレンジをリベンジした曲も入手可能。
・『SMJ全日本スキマ音楽』
TOKYO FM 毎週金曜21:00~21:30
・『全日本スキマミュージックTV~SMJTV~』
スペースシャワーTV 毎週金曜19:45~20:00
・楽曲ダウンロードはコチラ(http://itunes.apple.com/jp/album//id486704725)から。
※角田さんオススメの「青春の過ち」「告白しなければフラれない」、ハマケンさんオススメの「今日は一日寝て過ごしている」なども配信中!
・ダウンロード、番組の詳細は番組公式サイト(http://televider.com/smj/)へ
【SMJとは?】
TOKYO FMと音楽専門チャンネル スペースシャワーTV、No1電子書籍サイト「E★エブリスタ」、テレバイダーが手を組みお届けするメディアミックスプロジェクトです。
提供ソニー・ミュージック・エンタテインメント
ケータイでE★エブリスタのサイトにアクセス
芸人風情が音楽なんか作りやがって!? スキマな音楽を作る"冒険活劇"ラジオの実態とは?

TOKYO FMで放送中の『SMJ全日本スキマ音楽』という番組をご存じだろうか。パーソナリティを務めるのは、お笑いトリオ・東京03の角田晃広と、SAKEROCKや在日ファンクで活躍するミュージシャン・浜野謙太。一見、まったくもって共通点の見えない2人が、世の中の"スキマ"を埋めるべく、ラジオ界の"スキマ"で、"スキマ"をテーマに、音楽を毎週作っているという。既存の曲を流すのではなく、その場で作った2人の曲を流すというこの番組、お笑い芸人の角田氏が作曲担当って......と思う人もいるだろうが、『ゴッドタン』(テレビ東京系)ファンであれば納得の、本格的なものに仕上がっている。今回はそんな2人に、番組のこと、それぞれのスキマなことを聞いた――。
――早速ですが、2011年4月1日にスタートした『SMJ 全日本スキマ音楽』とは、改めてどんな番組なんですか?
角田晃広(以下、角田) 普通は音楽業界で取り上げられないようなスキマなテーマを探して、僕がギターで曲を作り、ハマケン(浜野)がアレンジするというコンセプトの番組です。それで、完成した曲を残していこうという......言ってしまえば、"冒険活劇"ですね(笑)。
浜野謙太(以下、浜野) 冒険活劇......ですね(笑)。
――パーソナリティが自らその場で曲を作ってしまうというのも、ラジオ業界的にスキマな内容ですよね。
角田 そうですよね、なかなかないと思いますよ。
――この番組のオファーが来た時は、どんな心境でした?
浜野 僕はレギュラーでラジオ番組をやったことがなくて、どんなことになるのか見当もつかなかったんですけど、プロデューサーに「あまり心配しないで飛び込んで来てください!」的なことを言われて。胸を借りるつもりで乗り込んで、その状態が今も続いている感じです。
角田 僕は普段、聴いている音楽のジャンルがけっこう狭いんですよ。だからハマケンがやってるSAKEROCKも在日ファンクも知らなかったし、プロのミュージシャンに対して素人の僕が曲を提出する形だって聞いた時に、「芸人風情が音楽なんか作りやがって!」って思われたらどうしよう、とか思ってましたね。よく考えたら、引き受けている以上、そんなことは思わないんでしょうけど(笑)。でもやっぱり、最初に提出する時はかなりドキドキしましたよ。

浜野謙太
浜野 いや、さすがに「芸人風情が!」とはならなかったですよ(笑)。僕のほうが緊張してましたから。お笑い的に、面白いことをやらなきゃいけないんじゃないかと思って......。でも、実際始まってみるとそんな心配はなくて、むしろ曲作りに対する視点とか、学ぶことのほうが多かったですね。それが今の音楽の制作活動にも役に立っているというか。
角田 あー、ハマケンは現場で得たものを吸収してると思いますよ(笑)。僕はギターしかできないから、自分の作った曲にドラムやピアノの音がつくことだけで感動するんですよ。それをさらにアレンジしてくれるので、すごく楽しいですね。緊張しましたけど、1曲目を作り終わった時には「もう大丈夫だ」って確信しました。「これは、ただ楽しいだけのやつ(番組)だ」と(笑)。
――逆にハマケンさんは、アレンジで角田さんに気を遣ったりします?
浜野 いや、僕は最初から、その辺はなんとなく大丈夫だろうなとは思ってたので。それに、やっていく中で、角田さんの作ってきてくれた曲に対してどんどんダメ出しも湧き上がって、一切気は遣ってないですね(笑)。
角田 どうアレンジしてもらうかによって、原曲は同じでも、まったく違う曲になるんですよ。それが楽しみのひとつではあるんですけど、原曲とはだいぶかけ離れた曲になってたりもするんで、一切気は遣ってないでしょうね(笑)。
――昨年の7月に放送された「青春の過ち」は、コーラスやエレキギターまで入れて過去最高人数で収録したそうですが、スケールのでかいアレンジでしたよね。自分で作った曲があそこまで壮大になったら、気持ちいいんじゃないですか?
角田 そりゃあ、気持ちいいですよ! まして、それが音源として残るわけですから。これまで作ったスキマ音楽は全部iPodに入れて、ガンガン聴いてますし。
――ちなみに、お2人それぞれが、思い入れのある曲は?
角田 僕はやっぱり「青春の過ち」ですね。アレンジされた完成版もすごいですけど、僕がギター1本であの曲を作って持って来たってことも忘れないでください(笑)。あの曲は、原曲ができた時点ですでに気持ちよかったんですけど、それにハマケンのアレンジが加わって、壮大な"QUEEN的な曲"になってね。QUEENに追いついちゃったよね。
浜野 こう思ってくれるのが、僕からしたら"しめしめ"なんですよ(笑)。まずは、角田さんを喜ばせるためにやってるようなもんですから。
角田 まんまとだよね(笑)。あと、原曲のイメージがガラッと変わったなと思ったのは、初期の「告白しなければフラれない」(11年5月)ですね。あれは、曲をブチ壊されたって感じだった。
浜野 「告白~」は、ハードコアみたいなアレンジにしたんですよ。
角田 衝撃でしたけど、面白いなって思いましたね。あの曲も気に入っています。
浜野 僕は、「今日は一日寝て過ごしている」(11年4月)が好きなんですよね。僕の場合、いつも音楽をやってるから、曲作りもアレンジも、表面的な作業になりがちなんです。でも、「ボブ・ディランみたいな感じで歌って!」とか指示させてもらったりして、角田さんにも頑張ってもらったんです。音をどうアレンジしたか、というよりは、"どう頑張ったか"が伝わるようにしたいと思って作った曲ですね。
角田 もともとジャンル的には、ヒップホップ......いや、Dragon Ashみたいな感じの曲だったんですけど、ボブ・ディランの揺れるような歌い方も合うだろうとか、試行錯誤しながら作ったんですよ。
浜野 元の曲に打ち込みで楽器の音を入れて、ボブ・ディランのバンドっぽいアプローチにしてね。歌ってる角田さんも、完全にボブ・ディランになってましたもんね。

角田晃広
角田 完全になってたね。歌ってる時の記憶があんまりないもん(笑)。
浜野 あと僕、実は音楽に暗いので......アレンジも新しいものになりがちなんですよ。
角田 意外と音楽を知らないよね。それで一気に親近感が湧いたんだけど(笑)。
――音楽トークは、けっこう対等に喋ってるんですか?
浜野 いえ、角田さんのほうが詳しいから......。
角田 オレのほうが詳しいって、ミュージシャンとしてよっぽどだぞ、それ!
浜野 すいません......。でも本当に、クラッシュとか全然知らなかったですもん。
角田 あぁ、確かに。意外とメジャーどころを知らなかったりするもんね。
――クラッシュを知ってる、知らないは年齢差(8歳)もあるんですかね。番組をやっていて年齢差を感じることってありますか?
角田 8歳も下か。そういえば完全に忘れてました。多分、ハマケンも忘れてると思うんですけど(笑)。
浜野 でも、その感覚の違いでというか、新年早々怒られましたよ。
角田 そうだ。"明けましておめでとうメール"が来るだろうな、って思って待ってたんですけどあまりにも来なくて。こっちから「待ってたんだぞ!」とメールしちゃったんですよ。
浜野 メールが来て、確かに去年ものすごくお世話になった人だよな、と思って。なんで出さなかったのか......(笑)。
角田 ま、とはいえ、スタジオ入ったら「ハマケン様!」ですけどね。
(後編に続く/文=高橋ダイスケ/写真=後藤秀二)
●かくた・あきひろ
1973年、東京都生まれ。お笑いトリオ・東京03のメンバーで、ボケ担当。プロ級のギターテクニックと歌唱力を誇り、作詞作曲もこなし自作曲も多数。ネタ中でもその腕前を披露することは多く、大竹マネジャーと組み、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「マジ歌選手権」等で歌ってきた「若者たちへ」で09年にメジャーデビューも果たしている。
●はまの・けんた
1981年、神奈川県生まれ。インストゥルメンタルバンド・SAKEROCKのメンバーとして、トロンボーン、スキャット、MCを担当し、07年に結成されたファンクバンド・在日ファンクではリーダー兼ヴォーカルを務めている。05年に出演した映画『ハチミツとクローバー』を皮切りに俳優としても活躍し、現在放送中の『ハングリー!』(フジテレビ系)では向井理とも共演を果たした。
●『SMJ 全日本スキマ音楽』
2011年4月1日よりTOKYO FMでスタートしたラジオ番組。世の中の"スキマ"をテーマに、"芸人"東京03の角田晃広が作曲、"ミュージシャン"SAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太がアレンジする。エブリスタやポッドキャストなどでも展開され、昨年10月にはスペースシャワーTVで「全日本スキマミュージックTV~SMJTV~」として映像化も実現! 大小合わせて3ケタにものぼるSMJが作った楽曲は、現在iTunesやレコチョクなどで配信中。ハマケンによってアレンジされた完成バージョンだけではなく、角田の原曲バージョン、さらには納得のいかなかったアレンジをリベンジした曲も入手可能。
・『SMJ全日本スキマ音楽』
TOKYO FM 毎週金曜21:00~21:30
・『全日本スキマミュージックTV~SMJTV~』
スペースシャワーTV 毎週金曜19:45~20:00
・楽曲ダウンロードはコチラ(http://itunes.apple.com/jp/album//id486704725)から。
※角田さんオススメの「青春の過ち」「告白しなければフラれない」、ハマケンさんオススメの「今日は一日寝て過ごしている」なども配信中!
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芸人風情が音楽なんか作りやがって!? スキマな音楽を作る"冒険活劇"ラジオの実態とは?

TOKYO FMで放送中の『SMJ全日本スキマ音楽』という番組をご存じだろうか。パーソナリティを務めるのは、お笑いトリオ・東京03の角田晃広と、SAKEROCKや在日ファンクで活躍するミュージシャン・浜野謙太。一見、まったくもって共通点の見えない2人が、世の中の"スキマ"を埋めるべく、ラジオ界の"スキマ"で、"スキマ"をテーマに、音楽を毎週作っているという。既存の曲を流すのではなく、その場で作った2人の曲を流すというこの番組、お笑い芸人の角田氏が作曲担当って......と思う人もいるだろうが、『ゴッドタン』(テレビ東京系)ファンであれば納得の、本格的なものに仕上がっている。今回はそんな2人に、番組のこと、それぞれのスキマなことを聞いた――。
――早速ですが、2011年4月1日にスタートした『SMJ 全日本スキマ音楽』とは、改めてどんな番組なんですか?
角田晃広(以下、角田) 普通は音楽業界で取り上げられないようなスキマなテーマを探して、僕がギターで曲を作り、ハマケン(浜野)がアレンジするというコンセプトの番組です。それで、完成した曲を残していこうという......言ってしまえば、"冒険活劇"ですね(笑)。
浜野謙太(以下、浜野) 冒険活劇......ですね(笑)。
――パーソナリティが自らその場で曲を作ってしまうというのも、ラジオ業界的にスキマな内容ですよね。
角田 そうですよね、なかなかないと思いますよ。
――この番組のオファーが来た時は、どんな心境でした?
浜野 僕はレギュラーでラジオ番組をやったことがなくて、どんなことになるのか見当もつかなかったんですけど、プロデューサーに「あまり心配しないで飛び込んで来てください!」的なことを言われて。胸を借りるつもりで乗り込んで、その状態が今も続いている感じです。
角田 僕は普段、聴いている音楽のジャンルがけっこう狭いんですよ。だからハマケンがやってるSAKEROCKも在日ファンクも知らなかったし、プロのミュージシャンに対して素人の僕が曲を提出する形だって聞いた時に、「芸人風情が音楽なんか作りやがって!」って思われたらどうしよう、とか思ってましたね。よく考えたら、引き受けている以上、そんなことは思わないんでしょうけど(笑)。でもやっぱり、最初に提出する時はかなりドキドキしましたよ。

浜野謙太
浜野 いや、さすがに「芸人風情が!」とはならなかったですよ(笑)。僕のほうが緊張してましたから。お笑い的に、面白いことをやらなきゃいけないんじゃないかと思って......。でも、実際始まってみるとそんな心配はなくて、むしろ曲作りに対する視点とか、学ぶことのほうが多かったですね。それが今の音楽の制作活動にも役に立っているというか。
角田 あー、ハマケンは現場で得たものを吸収してると思いますよ(笑)。僕はギターしかできないから、自分の作った曲にドラムやピアノの音がつくことだけで感動するんですよ。それをさらにアレンジしてくれるので、すごく楽しいですね。緊張しましたけど、1曲目を作り終わった時には「もう大丈夫だ」って確信しました。「これは、ただ楽しいだけのやつ(番組)だ」と(笑)。
――逆にハマケンさんは、アレンジで角田さんに気を遣ったりします?
浜野 いや、僕は最初から、その辺はなんとなく大丈夫だろうなとは思ってたので。それに、やっていく中で、角田さんの作ってきてくれた曲に対してどんどんダメ出しも湧き上がって、一切気は遣ってないですね(笑)。
角田 どうアレンジしてもらうかによって、原曲は同じでも、まったく違う曲になるんですよ。それが楽しみのひとつではあるんですけど、原曲とはだいぶかけ離れた曲になってたりもするんで、一切気は遣ってないでしょうね(笑)。
――昨年の7月に放送された「青春の過ち」は、コーラスやエレキギターまで入れて過去最高人数で収録したそうですが、スケールのでかいアレンジでしたよね。自分で作った曲があそこまで壮大になったら、気持ちいいんじゃないですか?
角田 そりゃあ、気持ちいいですよ! まして、それが音源として残るわけですから。これまで作ったスキマ音楽は全部iPodに入れて、ガンガン聴いてますし。
――ちなみに、お2人それぞれが、思い入れのある曲は?
角田 僕はやっぱり「青春の過ち」ですね。アレンジされた完成版もすごいですけど、僕がギター1本であの曲を作って持って来たってことも忘れないでください(笑)。あの曲は、原曲ができた時点ですでに気持ちよかったんですけど、それにハマケンのアレンジが加わって、壮大な"QUEEN的な曲"になってね。QUEENに追いついちゃったよね。
浜野 こう思ってくれるのが、僕からしたら"しめしめ"なんですよ(笑)。まずは、角田さんを喜ばせるためにやってるようなもんですから。
角田 まんまとだよね(笑)。あと、原曲のイメージがガラッと変わったなと思ったのは、初期の「告白しなければフラれない」(11年5月)ですね。あれは、曲をブチ壊されたって感じだった。
浜野 「告白~」は、ハードコアみたいなアレンジにしたんですよ。
角田 衝撃でしたけど、面白いなって思いましたね。あの曲も気に入っています。
浜野 僕は、「今日は一日寝て過ごしている」(11年4月)が好きなんですよね。僕の場合、いつも音楽をやってるから、曲作りもアレンジも、表面的な作業になりがちなんです。でも、「ボブ・ディランみたいな感じで歌って!」とか指示させてもらったりして、角田さんにも頑張ってもらったんです。音をどうアレンジしたか、というよりは、"どう頑張ったか"が伝わるようにしたいと思って作った曲ですね。
角田 もともとジャンル的には、ヒップホップ......いや、Dragon Ashみたいな感じの曲だったんですけど、ボブ・ディランの揺れるような歌い方も合うだろうとか、試行錯誤しながら作ったんですよ。
浜野 元の曲に打ち込みで楽器の音を入れて、ボブ・ディランのバンドっぽいアプローチにしてね。歌ってる角田さんも、完全にボブ・ディランになってましたもんね。

角田晃広
角田 完全になってたね。歌ってる時の記憶があんまりないもん(笑)。
浜野 あと僕、実は音楽に暗いので......アレンジも新しいものになりがちなんですよ。
角田 意外と音楽を知らないよね。それで一気に親近感が湧いたんだけど(笑)。
――音楽トークは、けっこう対等に喋ってるんですか?
浜野 いえ、角田さんのほうが詳しいから......。
角田 オレのほうが詳しいって、ミュージシャンとしてよっぽどだぞ、それ!
浜野 すいません......。でも本当に、クラッシュとか全然知らなかったですもん。
角田 あぁ、確かに。意外とメジャーどころを知らなかったりするもんね。
――クラッシュを知ってる、知らないは年齢差(8歳)もあるんですかね。番組をやっていて年齢差を感じることってありますか?
角田 8歳も下か。そういえば完全に忘れてました。多分、ハマケンも忘れてると思うんですけど(笑)。
浜野 でも、その感覚の違いでというか、新年早々怒られましたよ。
角田 そうだ。"明けましておめでとうメール"が来るだろうな、って思って待ってたんですけどあまりにも来なくて。こっちから「待ってたんだぞ!」とメールしちゃったんですよ。
浜野 メールが来て、確かに去年ものすごくお世話になった人だよな、と思って。なんで出さなかったのか......(笑)。
角田 ま、とはいえ、スタジオ入ったら「ハマケン様!」ですけどね。
(後編に続く/文=高橋ダイスケ/写真=後藤秀二)
●かくた・あきひろ
1973年、東京都生まれ。お笑いトリオ・東京03のメンバーで、ボケ担当。プロ級のギターテクニックと歌唱力を誇り、作詞作曲もこなし自作曲も多数。ネタ中でもその腕前を披露することは多く、大竹マネジャーと組み、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「マジ歌選手権」等で歌ってきた「若者たちへ」で09年にメジャーデビューも果たしている。
●はまの・けんた
1981年、神奈川県生まれ。インストゥルメンタルバンド・SAKEROCKのメンバーとして、トロンボーン、スキャット、MCを担当し、07年に結成されたファンクバンド・在日ファンクではリーダー兼ヴォーカルを務めている。05年に出演した映画『ハチミツとクローバー』を皮切りに俳優としても活躍し、現在放送中の『ハングリー!』(フジテレビ系)では向井理とも共演を果たした。
●『SMJ 全日本スキマ音楽』
2011年4月1日よりTOKYO FMでスタートしたラジオ番組。世の中の"スキマ"をテーマに、"芸人"東京03の角田晃広が作曲、"ミュージシャン"SAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太がアレンジする。エブリスタやポッドキャストなどでも展開され、昨年10月にはスペースシャワーTVで「全日本スキマミュージックTV~SMJTV~」として映像化も実現! 大小合わせて3ケタにものぼるSMJが作った楽曲は、現在iTunesやレコチョクなどで配信中。ハマケンによってアレンジされた完成バージョンだけではなく、角田の原曲バージョン、さらには納得のいかなかったアレンジをリベンジした曲も入手可能。
・『SMJ全日本スキマ音楽』
TOKYO FM 毎週金曜21:00~21:30
・『全日本スキマミュージックTV~SMJTV~』
スペースシャワーTV 毎週金曜19:45~20:00
・楽曲ダウンロードはコチラ(http://itunes.apple.com/jp/album//id486704725)から。
※角田さんオススメの「青春の過ち」「告白しなければフラれない」、ハマケンさんオススメの「今日は一日寝て過ごしている」なども配信中!
・ダウンロード、番組の詳細は番組公式サイト(http://televider.com/smj/)へ
【SMJとは?】
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「ラジオは都落ちだと思ってた」"ラジオの女王"小島慶子、今だから語れるホンネ(後編)

■前編はこちらから
――そこで「局アナとしての役割を演じるのが職責だ」と理解しつつも、疑問を感じていたわけですね。
「"何かを伝えたい"と思ってアナウンサーという職業を選んだはずだったのに、実際にやってみたら全然違ったんですよ。『オマエの考えていること、言いたいことは封印して、言われたことだけを伝えろ』っていう仕事なんだって、入ってから気付きました。これはどうも私が素人頭で考えていた、"何かを伝える"っていうのとは違うぞと。だから結局、テレビでいくらしゃべっても、どんな人が見てくれていて、見た結果なにを思ったのかなんてほとんど分からないわけですよ。ホント、視聴率くらいしか手掛かりがない。そういう「伝わった、伝えたつもり」で、堂々と高いお給料をもらって『私たちは情報の伝え手である』とか言うアナウンサーの立場が気持ち悪かったですね。もちろん、キレイな若いお姉さんがキレイな日本語で、誰からも好かれるようなしゃべり方でモノを伝えるっていう役割はマスメディアにおいて、特にテレビにおいては絶対に必要な役割だと思っているので、局アナが必要ないなんてことはまったく思いませんよ。ただ、それと私のやりたいことは違ったんですよ」
――そのころは「ラジオだったら"何かを伝える"ことができるんじゃないか」とは思っていなかったんですか。
「アナウンサーになってからもラジオは大好きで聴いていましたけど、自分がラジオでしゃべるなんて本当に考えてもいませんでしたね。そもそも、テレビの局アナとして入社したつもりだったので、そのキャリアにおいてラジオに行くのは負けだなって。都落ちだって言われるんじゃないかっていう強迫観念がありました」
――そんな、ラジオが都落ちだと思ってた時にいきなり帯のレギュラーでラジオ番組(『アクセス』)の話が来たわけですよね。
「ラジオは都落ちだと思ってた上に、政治や社会問題を扱う番組なんて無理だよ、私まだ25ちゃいだもん......って思いましたね」
――でも実際にやってみたら、しっくりきたと。
「私が思っていた"何かを伝える"ということをやるためにラジオ番組が、しかも時事問題を扱う番組がふさわしいかどうかは分からなかったけど、信頼していた先輩からのアドバイスもあり、とりあえずやってみることにしました。そのころの私は『局アナっていう機能を果たすことが自分の仕事である』ということが分かれば分かるほど息苦しくなっていたんですけど、『アクセス』の現場では『聴いている人はしゃべり手が局アナだろうがなんだろうが関係がない、ひとりの人間としてどう話すかだけだ』って言ってもらえて、すごく楽になれましたね。こんなことを言ってもらえる現場はなかったんですよ」
――少なくともテレビではなかった。
「逆です、ずっと『局アナらしくやれ』『局アナっぽくしゃべれ』って言われ続けていましたから」
――その後、コンスタントにラジオの仕事を続けてきていますが、『久米宏 ラジオなんですけど』や『小島慶子 キラ☆キラ』など、それぞれ番組のタイプは違いますよね。
「私としては、番組の形態は違っても伝えているテーマは同じなんですけどね。『私はコレがやりたいんです』『コレをやるのにふさわしい場が来るまではやりません』って言っててもしょうがないわけですよ。それだったら、自分に振られた環境の中でやりたいことをやった方がいいじゃないですか」
――結局、小島さんが伝えたい"何か"って何なんですか。
「世の中って死んじゃいたいって思うような悪いことやイヤなことだらけに思えることもあるけど、そうじゃない面もあるんだよ、世の中そんなに捨てたもんじゃないよ......っていうことですね」
――そんなに死んじゃいたいことってあったんですか。
「正直、ありましたよ。中学生の時も、高校、大学でもそう思っていましたし。まあ、他人からしたら『そんなの死にたくなるような苦しみじゃないよ』って思うようなことかもしれないけど、本人にとっては大問題なわけですから。そんなつらい気持ちを持っている人が、ラジオを聴いて思わず笑ったりとか、『いい話あるじゃん』って思ったりして、かつての私がラジオに救われたように『世の中も捨てたものではないなぁ』って思ってもらえたらいいなって。もちろん、そんなことを思ってくれるのは何百万人が聴いてくれて数人とかだと思いますけど、でもそれって数値化できない価値ですよね。どんな番組をやる時でも、そういうことが伝えられたらなって思っています」
――それが時事問題を討論する番組であっても、バカ話をする番組であっても。
「はい。ただ、局アナっていう職責を背負っていると、それが非常に制限されていたんですよ。だから会社を辞めたんです」
――退職を決心した背景には『キラ☆キラ』の評判がすごく良かったというのもあるんじゃいないですか。
「そうかもしれませんね。『キラ☆キラ』では日常の中でのたわいない喜びとか、どうでもいいような失敗談とか、そういう非常にパーソナルな、他人から見たら価値が感じられないような話からも、ドラマや文学と同じように愛とか喜びとか悲しみを伝えられたらいいなと思っているんですが、そういう番組の背骨の部分をいちいち説明しないで、リスナーの方たちからのメールを淡々と読んでいくだけで『私の日常も捨てたもんじゃないなって思いました』とか『世の中って面白いことがあるんですね』っていう反響がとってもとってもいっぱい来たんですよ。ああ、これでよかったんだと。これだったら局アナじゃなくても伝えていけるのかなって思いましたね」
――TBSを辞めた後は「ラジオパーソナリティ」という肩書を名乗っていますよね。それだけラジオに力を入れていきたいということなんでしょうか。
「会社を辞める=アナウンサーを辞めることだと思っていたので、『フリーアナウンサー』っていう肩書というのはあり得なかったわけです。その上で、ラジオが好きだし、仕事に占める割合も多いので『ラジオパーソナリティ』と名乗ることにしただけで、別にラジオ専業を宣言したわけではないですけどね。今の時代、媒体の違いってそこまで意味があるのかなって思っているので。『キラ☆キラ』ではポッドキャストも非常にたくさんの人たちに聴いていただいていますが、それをラジオだって意識せずに聴かれていることも多いと思うんですよ。今はradikoやインターネットのストリーミング放送もやっているので、今まで接していた場所ではどうもしっくりこなかったという人が、ラジオっていう場に触れてもらえればと思っています」
――今回の本『ラジオの魂』も媒体関係なく、という活動の一環ということですかね。
「そうですねぇ。この本は、私がしゃべった内容をライターさんにまとめていただいたんですが、あれだけ支離滅裂にしゃべり散らかしたことを理解してくれて、自分で読んでいても『もしかして、私は10代のころからそんなに変わっていなかったのかな......』とかいろいろ発見がありました。ラジオで小島という人間に興味を持ってくれた人にはもちろん、仕事とやりたいこととの間で悩んでいる人や、子どもを産もうか仕事を続けようか悩んでいるような女性にも読んでもらいたいですね。ラジオ以外の切り口で、そういうことを伝えるのもアリなんじゃないかなと。別にこの本を出したことで『だから私を愛して!』とか『こういう私を理解して!』なんていう年齢は過ぎましたからね!」
(取材・文=北村ヂン/撮影=後藤匡人)
●こじま・けいこ
1972年オーストラリア生まれ。商社に勤務する父のもと幼少期を海外で過ごす。95年TBSにアナウンサーとして入社し、2010年6月に退社。現在はラジオパーソナリティとして、TBSラジオ『小島慶子 キラ☆キラ』のメインパーソナリティをはじめ、多方面で活躍中。
●『小島慶子 キラ☆キラ』
「みんなで世間話を楽しもう!」をキャッチフレーズに、個性豊かなパートナーたちと日替わりのテーマで送るトーク番組。毎週月~金13:00~。
公式サイト
<http://www.tbsradio.jp/kirakira/index.html>



