
撮影=笹村泰夫


河西智美に続き、どうなってんだAKB!
AKB48の大島優子が18日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『悪の教典』の特別上映会に出席。上映後「私はこの映画が嫌いです。命が簡単に奪われていくたびに、涙が止まりませんでした。映画なんだからという方もいるかもしれませんが、わたしはダメでした」(原文ママ)と、同作品を痛烈に批判したことが大騒動となっている。
同作は貴志祐介のベストセラー小説を、伊藤英明主演で三池崇史監督が映画化したもので、生徒に慕われている人気教師(伊藤)が自己の目的のためにクラスの生徒全員を殺すという衝撃作。大島は上映会終了後、主演の伊藤とトークショーに臨む予定だったが、先に述べた理由から欠席した。
翌19日、大島優子はブログで取り乱したことについて「ニュースにもなったりと、お騒がせしました」と謝罪。それでも最後は「でも、私はあの映画が嫌いです。すいません」という言葉で結んだ。
ネット上では、結果的に映画の知名度が上がったことで「ヤラセ」や「宣伝」を指摘する声も上がっている。だが、現場に同席した記者の1人は「あれはヤラセではありません。映画の途中から大島さんは涙をこらえきれず、嗚咽を漏らしながら泣いていました。あれは演技ではないです」と断言。宣伝説が浮上した理由は、その後、映画会社の関係者がマスコミ各社に「この反応が本当かどうかは映画を見て、判断してほしい」というコメントを出したからという。
とはいえ、正直に感想を述べた大島を「よく言った」と褒めることはできない。映画関係者は「大島さんクラスなら、上映会のイベントだけで100万円以上のギャラが支払われている。要するに仕事。それなのに、公然と批判するなんてプロのやることではない」と憤る。
別の関係者は、業界全体がAKB48をもてはやしている現状に苦言を呈す。
「ひと昔前なら、彼女は干されていますよ。沢尻エリカが主演映画の舞台挨拶で不機嫌な態度を取り、その後、仕事がなくなったのと同じ。しかし、今の芸能界で独り勝ち状態のAKB48、それも人気NO.1の大島さんに対しては誰も文句は言えない」
今回の騒動で判明したのは、いまだAKB48の天下が続いていることだったようだ。

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■“再組閣”に見る「戦略的人的資源管理」と「スーパーローテート」
“再組閣”として、3代目チーム体制が12年11月から始動したAKB48。新旧世代が切磋琢磨しあい、痛みを伴う革命を断行したAKB48の現状を評論家・本城零次が分析する。
2005年12月の活動開始から、およそ2年ごとにチームを入れ替え、新たな仲間と刺激しあうことで、メンバー各自の成長を促してきたAKB48。初代チームA・Kをシャッフルした07年7月~08年4月のひまわり組、09年に発表した“組閣”による10年からの2代目チーム体制での活動。さらに今回、チームを入れ替え、“再組閣”を行い、3代目となるチーム体制が12年11月から始動した。しかも今回は、4チーム制から3チームに移行することで、各チームが既定の16人から22~23人となり、事実上“ベンチ入り”するメンバーが出現。
チームの中でいつの間にか生まれていた役割分担をリセットし、新たな環境に身を投じることで進化の方向性を探るチームシャッフル。企業でも人事異動や人事交流を通して、戦略的人的資源管理を行うように、今回AKB48は、姉妹グループを越えて、さらに活発に血を入れ替えていこうという痛みを伴う改革路線に舵を切った。
多くの企業でも人事異動、配置転換は行われるが、それを行う理由のひとつには、別の部署でも周囲に溶け込み、成果を出す人材を発掘することで、その人材が珠であるか、石であるかを見定める作業でもあるといえるだろう。AKB48には、チームAが王道アイドル、チームKが体育会系、チームBがおもちゃ箱のようになんでもありの妹系アイドルのようなチームカラーがある。今回の再組閣を通して、3チームすべてを経験したメンバーも9人と多い。あたかもそれは、「それぞれのチームの色に染まりながら、自分だけの色を見つけろ!」というメッセージかのようだ。例えるなら、医療の世界で、研修医が「スーパーローテート」として各科で研修を行い、総合的な知識や技術を養う方式にも似た人事異動とも表現できるだろう。
3代目チームのウェイティング公演では、SKE48、NMB48、SDN48の楽曲も織り込むという新たな試みにも挑戦。楽曲は各キャプテンを中心にメンバー自らがセレクトして決定した。姉妹グループの曲を歌うということは、オリジナルと比較されるのは必然だ。
■“篠田チームA”原点回帰!! 王道アイドル路線で見せる切磋琢磨
伊豆田莉奈、入山杏奈、岩田華怜、大島涼花、河西智美、川栄李奈、菊地あやか、小谷里歩(NMB48兼任)、小林茉里奈、佐藤すみれ、佐藤夏希、篠田麻里子(キャプテン)、高橋朱里、高橋みなみ(AKB48グループ総監督)、田野優花、中塚智実、仲俣汐里、仁藤萌乃、松井咲子、森川彩香、横山由依(NMB48兼任)、渡辺麻友

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王道アイドル路線のチームAだが、「目撃者」公演は“アイドルの向こう側”を追求したアバンギャルドな楽曲に挑戦。高橋みなみを中心に仲間たちは一枚岩となり、中でも、AKB48の歴史を抱いた「Pioneer」を歌う前の高橋のMCは回を追うごとに凄みを増していった。指原莉乃の移籍、前田敦子の卒業も乗り越え、ついに大団円を迎えたのだった。
そうして新たに生まれ変わったチームAは、3チームでは最も平均年齢が若いチームとなり、原点回帰ともいえる王道アイドル路線の新体制となった。チームAならではなのが、ほぼ全員がキャッチフレーズを名乗ることにした点。高橋みなみ、横山由依が中心となって考案し、大島涼花は、かつて高橋が用いた「ちっちゃくたって、だいじょうヴイ!」を“継承”。その高橋は「燃える闘魂、燃える髪の毛、高橋みなみです」と自ら“チリみな事件(ショッピング中、キャンドルが紙袋に引火し、髪の毛がこげた騒動)”をキャッチフレーズに昇華させた。また、松井咲子は加入4年目にしてついに、「あなたのドレミを奏でたい」を名乗り、佐藤すみれは「チームAでは、“すーめろでぃ”じゃなくて、“すーエロでぃ”で行こうかな?」と、チームB時代の後半から目覚めつつあるオトナ路線を示唆するなど、彼女たちにも新たな変化が訪れているようだ。
一方、高橋から、横山由依と共に“2代目たかみな候補”に挙げられたこともある岩田華怜は「チームA、史上最高のチームなんじゃないの? と言われるぐらい、先輩に後れを取らないように、追い越す気持ちで頑張っていきたい」と怪気炎。「雨のピアニスト」で高橋のアンダー(代役)を担う田野優花と共に、先輩を追い越す気迫が感じられる2人だ。
一方、初日公演には出られず、2回目となる11月6日に出演したのが、伊豆田莉奈、小林茉里奈、森川彩香。10期生でAKB48合格から2年8カ月を経て、ついにチームの一員となった伊豆田は「みんなのステージを見ていた時に、自分が立ったらどうなるんだろう、なじめるのかな? と考えちゃったり、リハが緊張しちゃって振りをいっぱい間違えちゃいました。そのせいで本番前も緊張しちゃって、自己紹介まで声が震えたり……。でも先輩たちが優しくしてくれて、みんなが、大丈夫だよって言ってくれて。ファンのみなさんの笑顔があって、自分もいつもらしく笑顔でできました」と、ステージに立つことに緊張を覚えたことを告白。小林、森川もそれぞれ不安、悩みを抱えながら初日を迎えたことを吐露した。
彼女たちが感じた悔しさ、苦悩、それこそが今回の再組閣の趣旨であり、その気持ちをストレートに劇場の舞台の上で語り、向上を誓ったことは、彼女たちを進化させてくれるはずだ。
若いメンバーが多い分、まだまだ進化の余地がある印象のチームA。「立ち止まることの怖さ」に気づき、一度完成したルービックキューブに新たな色を付け、組み替えようとしている総監督・高橋みなみが、キャプテン・篠田麻里子とともに、若手をブラッシュアップし、切磋琢磨を見せてくれるはずだ。体調不良で公演に出られていない佐藤夏希の歌とMCの仕切りの能力はAKB48劇場には必要不可欠で、早期回復をひらに祈る。

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セットリストは「重力シンパシー」「言い訳Maybe」というイントロの早弾きギターがナビゲートする疾走感あふれた王道キャッチーナンバーの2曲から始まり、全体的にシングルやコンサートの定番曲が並んだ。「制服が邪魔をする」では表情を一変させ、10代の心の揺れ、愛への飢餓感を表現。続く。「上からマリコ」は篠田麻里子不在時には「大声ダイヤモンド」になるという変則的な構成だ。ユニット曲は、ひまわり組以降5曲が定番だったがチームAのみ6曲を配したのもポイント。柏木由紀という“母”から親離れし、チームAのエースとなった渡辺麻友、「はじける笑顔でスマイルセンター」を狙う“ギャグエクササイズ”川栄李奈の年下組による「スカート、ひらり」「天使のしっぽ」「ガラスのI LOVE YOU」と、年上組による「純愛のクレッシェンド」「雨のピアニスト」「黒い天使」の黒系人気曲が並ぶ。
「雨のピアニスト」は高橋みなみ、ピアニスト・松井咲子、佐藤すみれで披露。高橋不在時には、かつて「愛しさのアクセル」を劇場で披露したこともある田野優花が参加。また、「黒い天使」は篠田麻里子、仁藤萌乃、菊地あやかが披露。ユニット内では仁藤萌乃がリーダーで、篠田不在時には入山杏奈がスライドでアンダーを担当。そのほかのアンダーも今後誰が担っていくのかも注目だ。後半の全体曲では、SDN48の「孤独なランナー」をチームAはフルアレンジで披露。SDN48の魂を受け継ぐためには、もう一段階ストイックさが足りないのが正直な印象だ。17曲目にはチームサプライズの12曲目となる「AKBフェスティバル」を披露。全国握手会イベント「AKB48祭り」について歌った歌詞で、「MIXを打てよ」「名前呼んだり握手して」という歌詞も登場する極上ポップチューン。「男も女もゲイも」という歌詞にA1st公演の「Dear my teacher」の「オトコ・オンナ・ゲイしかいないの」を思い出した人は立派なAKB48通だろう。シングルが多い分、ともすると、ファンも飽きるのが早い可能性もはらんでいる公演。どれだけ自分たちで、「今日はこの点に気をつけてやってみよう」など、それぞれの目的意識を持って公演に取り組めるかが、大きな課題となりそうだ。
■“大島チームK”「未来は与えられるより自分で切り開こう」
秋元才加、阿部マリア、板野友美、内田眞由美、大島優子(キャプテン)、北原里英(SKE48兼任)、倉持明日香、小林香菜、佐藤亜美菜、島田晴香、鈴木紫帆里、近野莉菜、中田ちさと、仲谷明香、永尾まりや、藤田奈那、前田亜美、増田有華、松井珠理奈(SKE48兼任)、松原夏海、宮崎美穂、武藤十夢

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2代目チームの先陣を切って「RESET」公演を開始したチームK。今回の3代目体制もチームKから幕を開けた。キャプテン・大島優子、秋元才加を中心に、仲谷明香、佐藤亜美菜、中田ちさと、内田眞由美ら公演に人一倍汗を流してきた骨太なメンバーと、阿部マリア、鈴木紫帆里、前田亜美ら高身長メンバーも多いのが特徴。また、小林香菜、松原夏海、倉持明日香、近野莉菜、増田有華と初代チームKのメンバーの復帰が多く、安定感は抜群だ。
MCでも、2代目チームKにもあった、メンバー一人が当日の公演を総括するコーナーも健在。初日は、秋元が大島に「エースがキャプテンをやるっていうのは、やはりよほどのプレッシャーなんだろうなと思った」「私がキャプテンの時に言われた『あなたは何もしなくていいよ。私たちが支えるから』という言葉を、また優子に返してあげられたらうれしい」とエールを贈った。その言葉に大島はさめざめと泣き出し、「AKB48の第2章、新しいチーム体制で、今日は出ていないメンバーもいますけれども、そのメンバーとも一緒に新しいチームKとして(ファンの)みなさんが絶対に楽しいと思える公演そして応援したくなるチームをお互いに切磋琢磨して作り上げていって、AKB48がもっとより良いグループになるように一人一人が頑張っていきたい」と初日に出られなかったメンバーの思いも背負いつつ、ファンに感謝と決意を語った。「ファンはパートナー」と語る大島がキャプテンとして、そして人間としてもさらに大きな経験を積んだ瞬間だった。

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セットリストは、「青春ガールズ」「脳内パラダイス」(定番の「夏海がかわいい」のコールも復活)「最終ベルが鳴る」とK2nd、K3rd、K4thの歴代公演タイトル曲を3曲続け、4曲目で3代目チームKに書かれた「スクラップ&ビルド」に移行するという4曲だけでチームKの歴史を追う前半曲。「未来は与えられるより自分で切り開こう」と現状維持よりも、革新を是と説く最新ナンバーでチームKの気概の高さを表現する。
ユニットからはチームK以外の曲も登場。「嵐の夜には」では、阿部マリアが研究生時代に任されていたのと同じポジションで参加。阿部の長い手足を生かしたダンスと目ヂカラは、あらためてこの曲の世界観を増幅させてくれる。「あなたとクリスマスイブ」は、まさかの秋元才加、板野友美のデュエット。チームKの温かい絆に触れ、よく笑うようになった板野と、“ブキヨウマッスグ”な秋元が美しいハーモニーで聞かせるA1st公演の名バラード。両者の不在時には、佐藤亜美菜、永尾まりやというペアで披露。サプライズで、増田有華、宮崎美穂、内田眞由美らのボーカルでも聴いてみたい曲だ。
また、松井珠理奈の代表曲のひとつであるレゲエ調のダンスナンバー「Glory days」には大島優子、藤田奈那、中田ちさとが挑戦。オリジナルの珠理奈、桑原みずき、中西優香が圧倒的なだけに、比較される憂き目になるのだが、どれだけパフォーマンスを磨いていけるか注目だ。研究生時代にはサポーターでひざや背中をガッチリ固めながら公演に出ていた藤田、ファンへの恩返しを常に考えながら活動してきた中田、そして、大島の真摯さで、難関に挑む。
後半曲には、チームA、K、B、4の歴代曲に加え、メドレーでSDN48、SKE48、NMB48の曲にも挑戦。「孤独なランナー」はイントロのみだが、「絶滅黒髪少女」のアウトロでは三つ指を突いてお辞儀し、そこからまさに岩のように転がって、チームKのチームアンセムであるド本命ヘビーメタルナンバー「転がる石になれ」を熱唱。かつてチームKは、チームAと比較され、メンバーが泣き出す中、秋元才加が「やるしかない!」と立ち上がり、次第に結束していった。そんな彼女たちに贈られた曲のスピリットが3代目チームKにも受け継がれたのだった。アンコールオーラスでは、仲間、ファンとのかけがえのない出会いを歌った「草原の奇跡」を秋元才加の伸びやかな歌声で披露。全国ツアーでも緑のサイリウムで、各地の会場を“緑の草原”に変えてきたチームKならではの温かいバラードで締める全19曲となった。
■“梅田チームB”個性豊かな仲間たちが挑む“超絶ポップ公演”始動
石田安奈(SKE48兼任)、石田晴香、市川美織、岩佐美咲、梅田彩佳(キャプテン)、大場美奈、大家志津香、柏木由紀、片山陽加、加藤玲奈、小嶋菜月、小嶋陽菜、小森美果、島崎遥香、竹内美宥、田名部生来、中村麻里子、名取稚菜、野中美郷、藤江れいな、峯岸みなみ、山内鈴蘭、渡辺美優紀(NMB48兼任)

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2代目チーム体制を大会場で初めて披露した横浜アリーナで柏木由紀が「初めてやります!」の宣言で始めた「初日」を、千秋楽では「最後にやります!」の掛け声で始めるというアイドルの物語性の重要さを熟知した柏木ならではの絶妙な演出で大団円を迎えたチームB。
「おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさ」がテーマのチームBらしい個性豊かな面々がそろった三代目チームB。AKB48グループ3大握手会女王、“胸厚”メンバー、有線大賞新人賞演歌歌手、ニコニコ動画フリーク、旦那と嫁、BBA(ババア)、ド天然、次世代エース候補など個性的な芸達者がそろったチームだ。
秋元康氏から「劇場が埋まらなかった頃のがむしゃらさを後輩メンバーに伝えてほしい」と“劇場魂”継承を任された梅田彩佳は、5年間伸ばしてきた前髪を切る決意表明でキャプテンに意欲十分。同じく前髪を切り、ガーリーに変貌したのが、高速足さばきダンスが売りの石田安奈。SKE48チームK IIとの兼任となるが、チームBでも小悪魔さはそのままで、小嶋陽菜とのクリスマスパーティー開催の約束も取り付けた。同じ石田姓である石田晴香は、レッスン前にポジションをまめにノートに書くようになるなど、成長の片りんを見せた。
「呼び捨てファンタジー」後には、16人が並んで話すという異例のMCを披露。そこでは、メンバーの一人の魅力を発掘するトークを行い、石田晴香について、梅田彩佳は「超冷静で超いい子」、田名部生来は「ありのままを出せるところがロック!」と評した。
また、MCで新たなキャラを見せたのは岩佐美咲で、「“釣り”はじめました」「1万5,000人のお客さんに囲まれて私は幸せ」など、演歌のプロモーションで各地を回って培ったトーク力も披露。また、再組閣後初の生誕祭を行った渡辺美優紀は、「兼任が始まってから、一人でホテルに泊まることが多くて、すぐにママに会いたくなったり、寂しくなって、ホームシックになるんですけど、そのたびに皆さんからのコメントで、泣きやみます」と癒やし系の笑顔の裏に苦悩があったことを告白した。

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セットリストは、梅田彩佳キャプテンの「チームB、『初日』行きます」の円陣から始まる「初日」。以下、新旧アイドルソングとNMB48「ナギイチ」や、歴代各チーム公演曲がバランス良く入った構成。ユニットでは「抱きしめられたら」に小嶋陽菜、藤江れいな、加藤玲奈が参加。AKB48有数のオトナセクシーR&Bチューンに挑むことで、姫キャラ・加藤にどんな変化が訪れるのか注目だ。「思い出以上」は、ダンスに定評のある峯岸みなみ、梅田彩佳、片山陽加が挑戦。「UZA」を担当したBeat Buddy Boi・akihic☆彡が新たに振り付けを行い、よりストリート感を増強したパフォーマンスを見せた。本編ラストは「夕陽を見ているか?」の前口上を島崎遥香が担当。エースオーラを次第にまといつつある彼女の成長こそが、今後のAKB48を左右するのだろう。アンコールにはB4th公演の「タンポポの決心」を披露。ダンスがあまりない分、表情の表現力が問われる曲だ。B4th公演は島崎、大場美奈ら9期生が最初に覚えたセットリストであり、今では劇場を去った仲間も多い。当時の心境を思い出しながら、大切に歌ってほしい曲だ。
■総括~AKB48はまだまだ上にいける 視野を広げ、より汗を流せ! SKE48、NMB48、HKT48と共に「馴れ合いより刺激を」

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ミリオンヒットを連発しながらも、ファンと握手会で対話を行い、毎日チームに分かれ劇場公演を行うAKB48。公演は、わずか250人というファン一人一人の顔がわかる会場で、何をすればファンが盛り上がるかを、研究生の頃から自らの肌で実地訓練するオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場でもある。劇場もかつて、09年頃までは、毎回見に来る固定ファンに、同じ曲でも表情や表現の違いを見せ、飽きさせないということが課題だった。一方、ブレイク以降は、100倍近い当選倍率を潜り抜けて公演を見に来たファンに、AKB48の奥深さをさらに知ってもらうためのパフォーマンスが求められるようになった。
劇場公演は一種、舞台演劇に近く、「RESET」「目撃者」などの公演タイトルを軸に、16曲でひとつの世界観を構築しているものだった。だが今回は、新たなセットリストが完成するまでの初のウェイティング公演を開催。セットリストもメンバー自ら考案し、シングルが多いため、キャッチーで華やかな公演だ。ファンが盛り上がりやすい曲が多い公演だけに、今後メンバー側がそれに慣れてしまわずに、毎公演、目的意識を持ち、モチベーションを維持していくのも課題となるだろう。また、新たに22~23人体制となり、公演初日に舞台に立てないメンバーも生まれた。自分の居場所を奪われるような心痛の制度であり、今後も大規模コンサートやツアーでチームで曲を歌う際にも大きな影響を及ぼすだろう。だが、その痛みを向上のきっかけに変えてほしい。
姉妹グループの楽曲も歌うという異例の編成で、中でも、チームK、チームAのセットリストにSDN48「孤独なランナー」を入れた意味は大きい。熱心なファンに支えられ、2012年の「リクエストアワー」で3位に輝き、シリアスなメッセージが胸に突き刺さる楽曲だ。全員卒業となりながら最後まで一丸となり、劇場公演に励んだSDN48。さまざまな意見があるだろうが、彼女たちが劇場で汗と涙を流し、このAKB48劇場という“学び舎”を去っていったことは、より多くの人に知ってほしい事実だ。また、AKB48も研究生も含めれば70人以上のメンバーが、この場で汗を流し、夢を見ながら、それぞれの事情で、無念さ、悔しさ、つらさを覚えながら、劇場を去っていった。それがAKB48であり、ひいては芸能界という生存競争の場なのだ。彼女たちの気持ちを考えながら、「孤独なランナー」を歌い継げば、AKB48はまだまだ向上できるだろう。
SKE48、NMB48、HKT48という姉妹グループも着実に力をつけ、それぞれの魅力を放っている。今年は、“兼任”という制度も始まり、それぞれの良さを互いにインスパイアさせあう気風が生じた。HKT48の公演にSKE48のメンバーがゲスト参加し、NMB48研究生とSKE48研究生が対談するなど、互いに、刺激しあい、切磋琢磨している。芸能界に夢を持ち、生誕祭でその夢をファンの前で語り、その夢の実現のために、自分に今、何が必要かを考えて行動する。それこそが、AKB48がファンと続けてきたコミュニケーションの意味であり、それがファンへの恩返しなのだろう。
(文=本城零次)

さすが、いい子ちゃんキャラを演じて
いるだけあります。
公開中の映画『悪の教典』の特別上映会が18日に都内で行われ、AKB48から38人が参加。中心メンバーの大島優子がその内容にショックを受けて途中退場し、「この映画が嫌いです」と発言したことが大きく伝えられている。
「この上映会は、AKB48側がメンバーに“勉強させたい”として申し入れたと報道されていますが、もちろん実際は東宝側のプロモーションの一環です」(映画ライター)
貴志祐介のベストセラー小説を原作とした『悪の教典』は、共感能力に欠けたサイコパスの教師がクラス中の生徒を惨殺するというストーリー。主人公の“ハスミン”こと蓮実教諭を演じた伊藤英明が淡々と殺戮に及ぶ演技も、映画のセールスポイントとなっている。
「それを暴力描写に定評のある三池崇史監督が映画化しているのだから、年端もいかない少女たちに見せれば、ある程度の拒否反応が出るのは織り込み済み。だいたい『この大量殺人映画、大好きです!』なんてAKB48が言うわけがない。『悪の教典』は先月30日にも女子高生限定の試写イベントを行っていますし、若い女の子に作品を見せてこうした“ドン引き”のリアクションを引き出す作戦なのでしょう。ショッキングなバイオレンス映画であることをPRしたい東宝サイドは、今回の騒動にもほくそ笑んでいるはずですよ」(同)
12年前には、東映の『バトル・ロワイアル』が国会で問題視され、話題を呼んで大ヒットにつながったこともあり、ネット上では今回の騒動そのものが「仕組まれた“炎上商法”なのでは?」と疑う声まで出ている。
10日に封切られた『悪の教典』は初週2位、20億円超えも視野に入る好スタートを切っているが、この騒動でさらに多くの観客が劇場を訪れることは間違いなさそうだ。


『NMB48 1st Anniversary Special Live』
(laugh out loud records)
アイドルグループNMB48にメンバーの卒業・活動辞退が続出している。9月下旬に、次期エースと目されていた城恵理子が卒業。10月に入っても3日にチームMの藤田留奈が腰痛の悪化により活動を辞退、翌4日にも同じくチームMの太田里織菜が学業に専念するため卒業、そして12日には研究生の東郷青空が活動辞退を発表。
相次ぐメンバーの卒業発表に、NMB48劇場支配人の金子剛氏も「連日、このような発表が続き皆様にご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」と公式ブログ上で謝罪している。だが、運営側からの詳しい事情説明がないため、ネット掲示板などでも「もう沈む船に乗り続けたくないからに決まってんじゃん」「一部の人しかメディア露出できないのに嫌気が差したから、じゃないかな」「下位のメンバーには厳しく売れてるメンバーには甘いルールも原因だな」「AKB本体ならともかく姉妹グループの末端では将来ないから仕方ないね」「続けてても、安いイベントガールにしかすぎない」「秋元バブル崩壊」などと、臆測を呼んでいる。
「ファンだけでなく、残された当のNMB48のメンバーたちも困惑しているほどですから、異例の事態であることは間違いない。最近のAKBグループは話題集めもあるだろうが、海外移籍やほかのグループへの移籍などのサプライズ演出が相次いでいることに嫌気が差しているのでは。こうした演出は本人が納得していれば問題はないのでしょうが、納得しようがしまいが、実際は運営側には逆らえないですからね。ある程度、年齢がいっていれば、売れるために割り切れるのでしょうが、城や東郷はまだ中学生。操り人形のように運営側に翻弄されるほかのメンバーを見て、やる気がうせてしまったことも考えられます」(芸能ライター)
東郷は公式ブログで「3期生内の色々な選抜に入れず悩み、いつしか希望が持てず苦しい日々が続きました」と、NMB48のメンバーとしての活動が思うようにいかず苦悩していた心情を吐露。だが、彼女は同グループの3期生として約5カ月前にデビューしたばかり。芸能界で成功するためには、並々ならぬ努力や苦労が求められる。その意味では結論を出すのが早すぎるし、甘いと言えば甘い。
「とはいえ、まだ14歳ですからね。そうした売れるまでの苦労について運営側は、どこまで年少のメンバーたちに説明しているのか。もっと言えば、メンバーたちの心のケアをちゃんとしているのか、ということです。最近は、AKB本体だけでなく、地方や海外にも系列グループが乱造されているわけじゃないですか。そして、メンバーの多くはデリケートな10代の少女たち。その中で熾烈な競争が行われるわけですから、運営側には当然甘い言葉で芸能界に誘うだけでなく、彼女たちの心のケアが求められるはずです。まだ14歳の少女に『希望が持てない』なんて嘆かせるNMB48の活動って、一体何なのでしょうか。これじゃ児童虐待ですよ。そもそも、秋元(康)さんはAKB本体はともかく、系列グループのメンバー全員の顔を把握しているのでしょうか」(同)
ファン心理をことさら煽り立てることで大成長を遂げてきた“AKB商法”だが、それ以上に総選挙やじゃんけん大会などで煽り立てられてきたのがメンバー間の競争。年少のメンバーにとって相当疲弊させられることは想像に難くない。系列グループの乱立でメンバーも大所帯になった今、運営側に求められるのは彼女たちへのより一層の丁寧な対応ではないだろうか。

長くセンターを務めてきた前田敦子の卒業後、次期エース候補の筆頭と目されているAKB48の大島優子。そんな大島の2013年のカレンダーが11月30日に発売されるが、そのサンプル画像がネット上に公開され「まるで別人のよう」と話題になっている。 「AKBの来年のカレンダーといえば、小学館から同日に発売されるオフィシャルカレンダーが“パンツ付”ということで話題を呼んでいますが、それとは別に大島や板野友美、渡辺麻友など人気メンバー13人が個別のカレンダーを発売予定で、すでに予約注文の受付が始まっています」(アイドルに詳しい編集者) その個別のカレンダーが、ネット上の掲示板で「AKBが顔イジりすぎてヤバイ」と話題になっているのだ。AKBといえば、一部メンバーの整形疑惑などが過去にも報じられているが、今回話題になっているのは整形ではなく“修整”のようだ。確かに、普段テレビで見かける大島とは顔が違うような気がしないでもないが……日常的にこうしたグラビアの画像修整を行っているという“職人”に話を聞くと、 「一見したところ、どのメンバーの写真も画像処理ソフトによる修整が入っていることは明らか。特に大島さんの写真は“知らない人が写っている”と思ってしまうほど、印象が変わっています。こうした印象の変化は撮影による部分もあると思いますが、私たちはどれだけ修整を加えても“本人である”という印象からは離れないように気を付けている。その感覚からすると、この仕事は少し逸脱しているような気がしますね。要するに、やりすぎです」 AKBと画像修整といえば、以前、前田が表紙を務めた雑誌「CUTiE」(宝島社)でも「別人じゃねーか!」と波紋を呼んだことがあった(※記事参照)。売れっ子になり、テレビでも露出の増えた彼女たちにとって、こうした過度のイメージ操作は、もはや不必要と思えるのだが……。『壁掛 AKB48-03大島 優子 カレンダー
2013年』(わくわく製作所)

ついにドンが怒った!
9月13日発売の「週刊新潮」(新潮社)が「『人形遣い』の錬金術 『秋元康』研究」なる連載を開始したことで、AKB48と新潮との全面戦争の火ぶたが切って落とされた。
AKB48サイドは同誌発売直後、運営会社である「株式会社オフィスフォーティーエイト」のホームページで、「本日の報道について」と題したコメントを掲載。
<本日発売の「週刊新潮」(2012年 9月 20日号)に弊社代表取締役に関する情報が掲載されておりますが、同記事の内容は全くの事実無根であり、弊社代表取締役、弊社及び 「AKB48」の信用を著しく傷つけるものであります。したがって弊社は、今後、「週刊新潮」発行元の株式会社新潮社(東京都新宿区、代表取締役:佐藤 隆信)に対して、厳重に抗議し記事の撤回と謝罪を求めるとともに、法的措置を講ずる予定であります>
と、新潮側に宣戦布告。19日には新潮社などに対し、1億1,000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。
関係者によれば、AKB48サイドが問題視したのは、運営会社の代表取締役である芝幸太郎氏について同誌が「振り込み詐欺の元頭目」や「ドラゴンタトゥーの男」などと誹謗中傷したこと。同氏を知る人物は「確かに芝氏はコワモテで知られ、過去にはいろいろあったのでしょうけど、新潮の記事は少し過激な気がしました。当然、記事を見た芝氏は怒り狂ったそうです」と話す。これに、最近“加入”した敏腕弁護士軍団が加勢。
「実は、少し前からAKB48は潤沢な資金にモノをいわせ、各分野で敏腕とされる弁護士を次々と法務部に招き入れているんです。マスコミに対する“抑止力”を有することが狙いですね。スキャンダルが発覚してもマスコミ各社が弱腰なのは、弁護士軍団をバックに、運営側がすぐに訴訟をチラつかせるからというのもあります。今回も新潮の記事についても、法務部は『看過できない』『訴えれば必ず勝てる』と豪語。AKB48サイドに訴訟を勧めたといわれています」(週刊誌デスク)
別の週刊誌記者も「弁護士軍団も“仕事”がないと存在感を示せませんからね。新潮の記事は格好のアピールチャンスになると考えている」と同調する。
結果、AKB48は本気で“新潮潰し”に動くというが……。
「その一方で、業界の穏健派の中には、なんでもかんでも訴訟という最近のAKB48の手法がマスコミと芸能界の関係を崩すのでは? と危惧している人もいる。訴訟以外の落としどころを模索する動きもあります」(芸能プロ関係者)
新潮は今後もAKB48連載を続けると見られ、両者の亀裂がさらに深まることは決定的。まずは法廷闘争の行方を見守りたい。

“恐竜ちゃん”と呼ばれたミドルティーン時代から、いまや超グラマラスボディに成長したハイパーポジティブガール・近野莉菜。胸の谷間もあらわな女スパイ衣装に挑み、彼女の親友である女優・武井咲に、セクシーさでは間違いなく勝ったといえるクオリティだ。対して、NMB48チームNで、AKB48チームB兼任として近野のチームメイトでもあるのが、“みるきー”渡辺美優紀。入浴を「ちゃぷちゃぷ」と表現し、その入浴音がシングル「ヴァージニティ」に収録されるまでに。今回はそのちゃぷちゃぷを思わせる衣装で参戦。だが、近野がチョキで勝利をさらった。ファンの心を巧みに操る“釣り師”みるきーも、じゃんけんの神を釣ることはできなかったようだ。
○阿部マリア vs 入山杏奈×
10期ラブラブ対決
10期の同期で、相思相愛な2人がガチンコ対決。長い手足を生かしたダンスのテクニックはAKB48屈指との呼び声高い阿部マリア。アニメ好きな美形少女で、女優としての才覚を発揮しつつある入山杏奈。「真夏のSounds good!」で選抜に初参加した点でも共通する2人の対決は、1回のパーでのあいこを経て、阿部がグーで勝利。そこから阿部は鈴木紫帆里との高身長対決を制した。「あんにん(入山)やしほりん(鈴木)の思いを背負って頑張りたいと思います」と負けた仲間の無念さを抱えながら、次の戦いに挑む決意を告白。普段は話し下手だが、ここ一番で彼女の胸にある熱い思いを吐露した。続いて、グラビアで新境地を見せつつあるSKE48・上野圭澄にも勝利。だが、トーナメントの番号でグループ名である48を引いていた横山由依に敗れ、結果6位となった。6位の位置で活躍すれば、阿部のダンスはさらに脚光を浴びることとなるだろう。
○柏木由紀 vs 肥川彩愛×
真のゆきりん決定戦
全世界待望の好カードが実現!! アイドルの申し子・柏木由紀と、彼女に憧れる“なんばのゆきりん”肥川彩愛が正面対決。肥川は、昨年のじゃんけん大会でNMB48でも入っていない選抜入りを経験。それ以降、グラビアでも注目され、チームMの「アイドルの夜明け」公演では柏木がかつて担当していたポジションを任され、「口移しのチョコレート」を披露している。
今回のじゃんけん大会も、NMB48の予備選を勝ち抜いて武道館に現れ、この日は水着姿に「エロい人」のたすきを着けて衝撃参戦。1回戦では、柏木の王子様・宮澤佐江と肥川の柏木をめぐる戦いに勝利し、いざご本尊と対戦。
自分を尊敬してくれるメンバーを「柏木チルドレン」として大切にする柏木だけに勝利を譲るかと思いきや、じゃんけんではチョキでのあいこを経て、再びチョキで肥川を下した。柏木は過去2回、1回戦で敗退しており、じゃんけん大会での勝利は今回が初で、自ら大いに目をひんむいて驚き、母親譲りのリアクション大魔王っぷりを発揮。柏木は事前に「ゆきりんは一人だということを証明したい」と語っており、“オリジナル”のアイデンティティにこだわる姿勢は揺るがなかった。
そこから、柏木は鈴木まりやとのチームB対決にも勝つも、新チーム体制で同チームとなる島崎遥香に敗れてしまった。大会終了後の会見で、柏木は「第1回優勝のうっちー(内田眞由美)もいるし、麻里子様(篠田麻里子)もいるし、センターがぱるる(島崎)で、今までで最強の選抜だと思います」と各媒体が見出しにしやすいキャッチーなコメントを即答。この頭の回転の速さこそが、彼女が握手会でファンから即座に振られた話題に的確に返答する“握手会の女王”として、君臨し続ける理由なのだ。
○中村麻里子 vs 松井珠理奈×
品行方正・生真面目対決
チーム4のお母さん役でGoogle+で自分へのクレーム(ダメ出し)を求めるなど、向上心を持つ中村麻里子と、15歳にして何事にもブレないその圧倒的な存在感はもはや“1000年に一人の逸材”かもしれない松井珠理奈が対戦。SKE48加入と同時にセンターに抜擢された伝説の「大声ダイヤモンド」のブレザー衣装で、前髪も切って挑むが、パーのあいこが2度続き、珠理奈がグーに変えるが、中村はパーのままで勝ったのだった。やはり、珠理奈という人はじゃんけんでも、ブレてはいけないのだろう。だが、珠理奈は「やっぱり麻里子は強い」と、尊敬する篠田麻里子も絡めて、中村を絶賛。ステージから階段を下りる際には、互いに譲り合い、中村を先に行かせる器の大きさと気遣いを見せた。
中村は続いて、総監督・高橋みなみにも勝利し、初の選抜入りを果たすが、チーム4の仲間・島崎遥香の運には勝てず、結果8位となった。
<3回戦>
○梅田彩佳 vs 小嶋陽菜×
女神の記録を打ち破った“女・有吉”梅田彩佳
同学年で、新チーム体制でチームBになる2人の運命のバトル。インディーズデビュー曲「桜の花びらたち」から30枚連続で選抜入りというAKB48唯一の伝説を残してきた小嶋陽菜。過去の2回大会で、占い師のタパリヤ・ラムメスから赤い服を着ることを提案され、今回は自らプロデュースした赤のドレスに加え、セクシー伝道師・おかざきななから伝授されたセクシーじゃんけんも武器に参戦。1回戦で、サマンサタバサのゴルフウェアで参戦した“ごるふなでしこ”山内鈴蘭を破り、AKB48チームA兼任も決まった“なんばのヘタレ”NMB48・小谷里歩が、彼女の名言「囲まれてしまった」とばかりに武道館の雰囲気に圧倒される中、2度のあいこを経て小嶋が勝利。そしてコマを進めた選抜入りを決める3回戦で、梅田彩佳と対決。
梅田は足の骨折で地元・福岡での療養生活から復帰しながらも、AKB48冠番組には出られない日々があった。その分、公演を愛し、ファンを思い、地道に努力を続けてきた梅田。昨年の第3回総選挙で22位となり、アンダーガールズのセンターを担当。さらに勢いに乗り、今年の総選挙では16位で見事選抜入りを果たした。そんな梅田は1回戦は対戦相手のHKT48卒業に伴い、開催された敗者復活戦で勝ち残った下野由貴に勝利し、ついに小嶋と対戦。小嶋はドラマ『メグたんって魔法つかえるの?』(日本テレビ系)の衣装に着替えて参戦。同学年ながら歩んできた道の大きく異なる2人の戦いは、栄光をつかむがごとく開いた手のひらのようなパーで、梅田が勝利を手に入れたのだった。続いて、仁藤萌乃とのチームK対決には敗れたが、再び選抜入りを果たした梅田。『有吉AKB共和国』(TBS系)で、芸人・有吉弘行が、梅田が出るたびに「梅ちゃんじゃん」と親しげに話すことで知られているが、それは09年10月~10年3月放送の『崖っぷち』(同)で共演していた縁があっただけではない。実は梅田は“女・有吉”なのだ。有吉自身は猿岩石解散後、不遇の時代があり、“おしゃクソ事変”で再ブレイクし、今の地位を築いた。梅田も骨折と活動休止を経ながら、大好きなダンスで次第に道を固めてきた。2人とも、一度地獄を見てそこからはい上がってきた強さを持っており、その点に有吉がシンパシーを感じているのだろう。
<ベスト16>
○木本花音 vs 竹内美宥×
AKB48×SKE48『マジすか学園3』ギラギラ対決
SKE48チームEのエース・木本花音と、ドラマ『マジすか学園3』(テレビ東京系)で共演する竹内美宥の対決。同作ではチームハブとチームマングースの対抗組織に属しているが、対戦ではその戦いを思わせるギラギラした熱い瞳で木本は竹内を見つめ続けた。木本は、チームメイトの高木由麻奈を破って勝ち抜いており、その仲間の思いも背負うようなSKE48らしい熱い戦いだったが、残念ながら、木本は敗れ、竹内が7位となった。SKE48では玉のような汗をかくパフォーマンスで選抜常連の木本。じゃんけん大会での選抜入りを見事果たし、彼女が全国区で“いつかギラギラする日”も来るはずだ。
○篠田麻里子 vs 前田亜美×
チームAの最年長・最年少のモデル対決
チームAの最年長と最年少で、高身長の2人が対決。前回覇者の“上からマリコ”篠田麻里子は今回も強かった。1回戦では幼稚園児姿で現れた大家志津香と対戦し、同じ福岡出身で、かつて大家が研究生セレクションで落ちかけた際に、スタッフに大家の努力を伝え、残留させたというエピソードもある両者の関係。勝負は篠田はパーで一発勝ちとなった。続いて、篠田は、“ザ・負けず嫌い”田野優花にも勝利し、「ごめんね」とつぶやいた。
一方、3年連続の選抜入りを目指す前田亜美は灰をかぶったシンデレラ衣装で参加し、森川彩香、大島優子を打ち負かしてコマを進めた。第1回で前田敦子、第2回で大島、指原莉乃に勝ち、“太田プロキラー”ぶりは健在。そうして篠田と亜美が対峙するが、亜美は白いドレスにお直しし、灰かぶり姫からシンデレラガールにリニューアル。壇上までの道をランウェイかのように颯爽と現れた両者だが、篠田がこん身のパーで勝利をもぎ取った。
<ベスト8>
○仁藤萌乃 vs 篠田麻里子×
3代目チームAのキャプテン×現場監督対決
「やれって言われて、やらない人嫌いだから」を行動指針とし、先輩にもガツンとモノ申すメンタルの強さを持つ仁藤萌乃。消しゴムはんこの名人で書道4段、現在はミサンガ作りにハマり、ネイルやアクセサリーも自作するなど多彩な才能を持つ。じゃんけん大会では、2年連続初戦敗退だった仁藤だが、今回は1回戦で高城亜樹に勝つと勢いに乗り、仲川遥香、梅田彩佳に続き、篠田麻里子と対戦。篠田、仁藤といえば、『週刊AKB』(テレビ東京系)の「ドッキリ女学園」で波乱を呼んだ2人。だが、両者の仲は良好で、今回もベスト16の壇上で横になり、談笑を続けていた。そんな2人の戦いは互いに目を見つめ合う中、一瞬、仁藤が微笑むが、篠田はキリッと再び目ヂカラを強め、火花を散らした。
結果、仁藤がパーで一発で勝利をもぎ取り、両者は熱いハグを交わした。新体制の同じチームAになり、キャプテンになる篠田と、篠田、総監督・高橋みなみの不在の際には、“現場監督”として後輩をシゴくことになりそうな仁藤。2人はチームの大きな原動力となっていくはずだ。
<決勝戦>
○島崎遥香 vs 仁藤萌乃×
芸術家気質の天才×新世代ルーキー対決
『芸能界特技王決定戦TEPPEN』(フジテレビ系)で、芸能界書道ナンバー1に輝いた際の衣装で参戦した仁藤萌乃は、前回覇者・篠田麻里子、第1回優勝者で同期の内田眞由美も破り、5戦連続パーで一発勝利。ついに決勝戦までコマを進めた。
彼女が対戦するのは、次世代エース候補の島崎遥香。ダンスのキレもお辞儀の角度も甘く、“ぽんこつ”と評される。そんな彼女には苦い思いをした時期があり、当時研究生10人が出演したCMに自分は起用されず、軽度だが、円形脱毛になった過去を明かしている。一時は卒業も考えた島崎だが、同じアイドル好きの先輩・指原莉乃には悩みを打ち明け、「指原さんは私のすべて」とGoogle+で綴ったこともある。じゃんけん大会で島崎は、第1回は当時研究生で、予備選に敗れて不参加。第2回も初戦で敗れている。だが、今回は初戦でHKT48・中西智代梨に勝ち、続いて同期の永尾まりやのチーム4対決にも勝利し、選抜入りを確定。さらに新チームBで同じチームになる柏木由紀も負かし、同期の中村麻里子、横山由依も撃破し、決勝へ出陣。
前回、前々回の覇者を破った仁藤か? 同期を3人倒して、彼女たちの思いも背負う島崎か? ついに迎えた決勝戦では、仁藤は前方と後方にお辞儀をしてストイックに“闘拳台”へ向かったのに対して、島崎は笑顔を浮かべてトコトコと舞台へ。ずっとパーを出し続けてきた仁藤に対し、島崎は永尾との対戦以外チョキを出し続けており、決勝でも両者の姿勢はそのままで、島崎が優勝を手中に収めたのだった。次世代エース候補が見事、じゃんけんの神に選ばれるかのように、センターに立つことに決定した。
総括~運に選ばれた新エースと、タフネス“2等”萌乃……新旧世代の闘争から生まれる、新たなシナジー効果
同じグループで、1歳差ながら、まったく違う道を歩んできた島崎遥香と仁藤萌乃。9期の加入当初から「ヤングジャンプ」(集英社)の表紙に選抜常連メンバーと共に参加し、一時的に辛酸を舐めながらも、再び次世代エース候補となった島崎。一方、5期の中でも持ち前のタフネスはスタッフからの評価も高く、多彩な才能を開花させている仁藤。唯一起用されたシングル「涙サプライズ!」以来、実に3年ぶりの選抜入りとなった。クールな彼女だけに、この3年間はさまざまな葛藤もあったはずだが、今年はミュージカル『ピーターパン』に挑み、全力で演技と向き合い、あらためてステージに立つ喜びをかみしめた年でもあった。
両者の違いは、終了後の会見でも垣間見え、29thシングルについて聞かれると島崎は「普段、秋元(康)先生からも『ぽんこつ』と呼ばれているので、題名になりそう」とマイペースに答えると、ほかのメンバーから口々に「イヤだ~」とツッコまれた。すると、仁藤は「私はあんまりぱるるみたいにかわいいキャラじゃないので、アイドルっぽいのはキツいかな。大人っぽい曲がいいですね」と語り、両者の違いからどんな楽曲に昇華されるのか、新たな化学反応が起こりそうだ。あるいは、篠田麻里子、前田亜美、阿部マリアら高身長メンバーを生かした曲、板野友美、梅田彩佳、松原夏海らをフィーチャーしたダンスナンバーなど29thシングルはさまざまな可能性が想定できそうだ。
大会の前に披露されたのが10月31日発売の28thシングル「UZA」。「RIVER」「Beginner」「風は吹いている」とチャレンジングな曲に挑んできた秋のシングルの流れをくみ、今回の「UZA」はレディー・ガガにも通じるエレクトロニカ、あるいはエレクトロ・ポップサウンドで、AKB48史上最高難度のダンスにもチャレンジした。歌詞は前3作のメッセージソングとは違い、「最初にキスをしよう」とモラルに縛られずキスから恋を始める、情熱的で革新に満ちた恋愛を描いている。今回の披露では、間奏でストリートダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT」の2011年度チャンピオンでもある男性7人組・Beat Buddy Boiとのコラボで、ダンスバトルのパフォーマンスも行った。曲のセンターは大島優子、松井珠理奈の“Wセンター”方式。だが、今回、前田敦子卒業後のポストエースは、明言されていない。そういう意味では、まだメンバー全員に可能性があると表現していいだろう。実力者をエースとするのか、成長をテーマとするAKB48だけに10代や研究生を起用するのか? あるいはアニメ『AKB0048』のようにセンターノヴァ(不動のエース制度)はやめ、曲ごとにセンターを変える方式になるのか? 2013年の話だが、記念すべき30thシングルに今から注目だ。
新旧世代の闘争と、海外グループへの移籍、再組閣による3代目チームの発足など、過渡期の真っただ中にいるAKB48グループ。政情不安の世の中だからこそ、人々がエンタテインメントに求める期待も大きいはずだ。総監督・高橋みなみは9月2日の劇場公演で現在のAKB48をルービックキューブに例え、「色が揃うと壊したくなりませんか? 色をグチャグチャにして、もう1回やり直したくなる、そんな気持ちです」と語った。一度組み上がったキューブをバラし、今、AKB48は新たな色を付けて、新たな組み替えを行おうとしている。その組み替えるプロセスも含めて、エンタテインメントなのだ。このキューブが次はどんな形に仕上がっていくのか? その過程で彼女たちは何を学ぶのか? おそらく多くの汗と涙を流し、痛みも伴う分、多くのものが得られるはずだ。今のAKB48に、そして今の時代にこの言葉を贈ろう。「No pain,No gain(痛みなくして、得られるものはない)」。
(文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)
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