「報道のTBSなので」悪ノリ許されず、ビートたけしが『情報7days』降板の余波

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『情報7days ニュースキャスター』(TBS)
 ビートたけしがメーンキャスターを務めるTBSの報道番組『情報7days ニュースキャスター』(土曜午後10時~)に激震が走っている。複数の週刊誌が、相次いでたけしの“降板危機”を報じているのだ。  視聴率は13%台を堅持しているが、番組内の「週間実は…」「たけしの三面記事新聞」「たけしの芸能コーナー」などで見せるたけしの悪ノリを、局上層部が「報道番組にふさわしくない」と判断したためという。  局内関係者によると「ドラマやバラエティ番組が伸び悩む中、頼みの綱は報道番組。故・筑紫哲也さんがいた頃は『報道のTBS』を自任しており、このところそれを復活させようとする動きが活発化している。たけしさんの悪ノリを快く思っていない上層部がいることは事実です」という。  同番組で長らくコメンテーターを務めていた女優の渡辺えりが、ひっそりと姿を消したのも、上層部の「厳格さ」によるものだった。  渡辺は昨年1月に「週刊文春」(文藝春秋)で、自ら主宰していた「劇団3○○(さんじゅうまる)」に所属するイケメン俳優の吉田侑生と“不倫関係”にあると報じられた。渡辺が購入した豪華マンションに吉田を住まわせていた時期もあり、取材旅行と称して2人で温泉旅行することもあったという。 「この一件で、渡辺さんは『報道番組にふさわしくない』との理由で番組を降ろされてしまった。ただ、豪快な性格の渡辺さんは酒の席で『まぁ、あれはしょうがないよね』『もともと私が報道番組をやること自体、無理があるわよね』などと、笑い飛ばしていたようですが(笑)」(芸能プロ関係者)  TBS局員によると、同番組の大幅リニューアルは既定路線という。たけしはどうなってしまうのか――。

「東スポ映画大賞」ビートたけしが、松田龍平と映画界の「変な伝統」について語る

tspo_taisho01.jpg  2月23日、ビートたけしが審査委員長を務める「第23回東京スポーツ映画大賞」および「第14回ビートたけしのエンターテインメント賞」の授賞式が、港区の東京プリンスホテルで行われた。  毎度おなじみ、たけしの「独断と偏見だけで決める」というコンセプトのもと、毎年恒例となっている本映画大賞。今年はどのような作品がノミネートされたのだろうか?  まずは、たけし審査委員長より開催のご挨拶。壇上に上がったたけしは「最近の映画はフィルムでの上映が少なくなって、ロサンゼルスからでもDVD1本送れば世界の映画館で上映できてしまう。映写技師の仕事もどんどんなくなっている。確かに便利かもしれないが、本来の映画の楽しみ方とはちょっと違うような気もするよね」と、現在の映画館事情に対してチクリ。自身のエンタテインメントと映画のあり方について熱く語った。  監督賞には『そして父になる』の是枝裕和監督が登壇。何度も「東スポ映画大賞」に呼ばれていることから「東スポファミリー」(?)なる称号も与えられた是枝監督に対し、たけしは「オイラにはない映像のセンスを持っている」と、その才能を高く評価した。  主演男優賞には『舟を編む』で変人編集者を演じた松田龍平が授賞。松田龍平のデビュー作『御法度』(大島渚監督)で俳優として共演したたけしは「(松田は)あの時はヘタクソだったけど、だいぶ成長した」と語り、話題は昨年亡くなった大島監督の思い出話に。大島監督は『御法度』撮影時、主役である松田を怒らず、隣いた田口トモロヲばかり怒っていたという。たけしは「山田洋次監督も、やたらにセカンド助監督ばかり怒っている。松竹の伝統なのかな?」と、映画界の変な風習について笑顔で語っていた。  「第14回ビートたけしのエンターテインメント賞」では、日本芸能大賞を千鳥、ウーマンラッシュアワー、流れ星、テンダラー、ロバートの5組が受賞。  たけしは千鳥に対し「ベタネタをベタで演る。彼らの実力は相当にある」と高評価。感激した千鳥の大吾は目に涙を浮かばせながら、たけしから賞状を受け取った。  また、ロバートに対しては「(体モノマネは)くだらねぇんだけど、アレ笑っちまうな」と、彼らの“反則技”をベタ褒めした。  今年の「エンタメ賞」のサプライズは、なんといっても特別賞のタモリ、話題賞のみのもんたに板東英二という、豪華かつ“ワケあり”な布陣だろう。タモリ、みのもんたの2人は残念ながらスケジュールの都合で欠席だったものの、2人からは熱いビデオメッセージが届いた。 tspo_taisho02.jpg  たけしはタモリについて「32年という長い間、毎日テレビに出続けるのは俺には絶対できない。お疲れ様でしたと言いたい」と、戦友にエールを送った。  昨年の「植毛会見」でさまざま話題(騒動)を提供した板東英二は壇上に上がり「野球では賞を一度ももらってないけど、芸能では今回を含めて3回ももらっている! ありがたいことです」とご満悦の様子であった。  また、今回は新たに設けられた賞として「特別芸能賞」が登場。これは、「古典芸能の大物たちも授賞させたい」という“浅草芸人・ビートたけし”としての熱い想いで設置された賞。  受賞者は、芸歴40年以上のベテラン奇術師・藤山新太郎と紙切り師の林家正楽。それぞれ熟練された技で、大勢の観客たちを沸かせた。  今年のたけし委員長は司会のガダルカナル・タカの制止も聞かず、あらゆるものにかみつく発言が多く目立った。来年はいったい、どんな映画、どんな人物が受賞するのか期待したいところだ。 (写真・文=穂積昭雪[山口敏太郎事務所])

都知事選出馬も取り沙汰されるビートたけし「そのまんま東は、俺を利用しようとするだろうね」

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辞任した猪瀬前都知事
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  猪瀬直樹が都知事を辞任したことで、年の瀬も押し詰まったにもかかわらず、都知事選レースの行方が大きな注目を浴びている。そんな中、「週刊文春」(12月26日号/文藝春秋)に「混迷都知事レースにビートたけし急浮上!?」なる見出しが踊った。読者アンケートをベースにした記事だが、その根拠として、たけしが東京五輪に情熱を持っていることを挙げている。しかし、たけしを知る筆者にとってはあり得ない話だ。  ところが、その後も、スポニチが社会面に大見出しで「たけし、都知事選急浮上」と報じた。記事では「永田町関係者によると『10日ほど前に周囲に“オレがやろうかな”と真剣に話していた』」とある。しかし、内容はほとんどは「文春」と変わらず。信ぴょう性を高めるような情報はなかった。にもかかわらず、この日から、たけしが所属する「オフィス北野」には取材が殺到。森昌行社長が「100%ありえない」と否定すると、「じぁ、200%ではないんですね」と念を押されたという。  この話を聞いたたけしは、「ふざけんなって。%の計算がおかしくなっているじゃない。橋下府知事が“知事選出馬は2万%ない”と言っておきながら出馬してから、おかしくなった。%は100まで。今の記者は数学も知らない」と苦笑した。  混迷する都知事選レースについては「ポスト猪瀬は、自公民の公認を取った奴の勝ちだね」と分析。気になるのは、先ごろ議員辞職した、元弟子の東国原英夫が出馬するかどうかだ。「文春」のアンケートでは「東国原は都知事にふさわしいと思うか?」との質問に、92%が「思わない」と答えていた。本人も議員辞職した時は「都知事選出馬は考えていない」と否定していた。しかし、彼は前々回の都知事選でも169万票を集めた実績がある。  東国原は議員辞職する前にたけしに会って、「辞める」と報告してきたという。その様子を見たたけしは、「都知事選を狙っているのは間違いない」と推察している。しかし、議員辞職以降、東国原からは連絡はないそうだ。そんな東に対してたけしは、東京スポーツ新聞の客員編集長インタビューで「東は、俺を利用しようとするだろうね」とも語っている。その言葉の裏には、どんな意味があるのか。  たけしは、政府の「アジア文化交流懇談会」のメンバーで、今夏、安倍晋三総理と直接意見交換。その後、年末の特番でも共演し、東京五輪の演出について熱く語った。実はたけしを同会メンバーに推薦したのは、小泉純一郎元総理の元秘書で、内閣参与の飯島勲氏。同氏は安倍総理に対する影響力を持つ実力者で、最近はたけしとの関係を深めている。  このように、たけしが自民党との太いパイプを持っていることを知っている東は、たけしを支持する浮動票を狙い、「たけしさんから、“しっかりやれよ”と言われました」と自民党幹部にすり寄って、同党公認を取りにかかるかもしれない。それが、たけしの読みだ。一方で、現在“本命”といわれる舛添要一が自民党に頭を下げて、同党の公認を取ったら、負け戦を嫌う東国原は、あっさりと降りるかもしれないともいう。果たして、師匠の読みは当たるだろうか?  また、かつてたけしの番組でアシスタントをしたことがある民社党の蓮舫や自民党の丸川珠代の名前も、候補として挙がっている。舛添も含め、くしくもたけしの周辺にいた人物たちを軸に、水面下の攻防戦は立候補締め切りぎりぎりまで続きそうだ。 (文=本多圭)

ビートたけしが愛した銀座のギャルソンよ、永遠なれ

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芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  9月8日、東京・港区の青山葬儀場で、7月13日に胆管がんのために62歳の若さで他界した、銀座1丁目のフランス料理店「ピエール・エ・ペリニィヨン」の明永正範取締役会長のお別れ会である「一期一会たった一つの午餐会」が開かれた。  明永氏は、ノンフィクション『銀座の達人たち』(早瀬圭一/新潮社)で銀座のギャルソンの達人として紹介されたが、確かに日本一のギャルソンといっても過言ではない存在感があり、ギャルソンになるために生まれてきたような人で、お客に喜んでもらえるようにひたすら努力をしてきた。  そんな明永氏と筆者との出会いは27年前。神道である妻の父の一年祭法要を、ペリニィヨンで行ったのがきっかけだった。以来、頻繁に店に通っている。  通い初めた頃、店にいちげんで、グルメを気取る田中康夫が一人でやってきたことがあった。田中は有名人であるにもかかわらず、店のギャルソンが自分を優遇してくれないことに腹を立てて、自らが連載を持つ媒体で「店の接客態度が悪い」と批判記事を掲載した。それを見た明永氏は「うちの店は、誰に対しても差別しません」と一言。一方で、厳しい一面を持ち、不当に店の評価を貶めた田中を、その後、出入り禁止にしたというエピソードがある。  有名な料理評論家やグルメライターもよく来たが、彼は一切、媚びることなく対応。彼らの質の悪さを嘆いたこともあった。その後、筆者がビートたけしを店に紹介。気に入ったたけしは、現在も通っているが、今回の会はフジテレビの『平成教育委員会』の特番があって、参加できなかった。  ある日、明永氏から、ペリニィヨンのお客である高倉健さんのタニマチで、建設会社会長の粋な生き方を聞かされて、たけしは感動。筆者に「粋をテーマにした本を書けないか」と相談してきて、出来上がったのが4年前に出版された『下世話の作法』(祥伝社)だった。また、この店がきっかけで、健さんがたけしに「一緒に映画を撮ろう」と働きかけたこともあった。4年前、たけしの弟子で当時は宮崎県知事だった東国原英夫衆議院議員が、自民党からの誘いで、県知事から国会議員にくら替えしようとした時に、たけしが極秘で東国原を東京に呼んで、いさめたのもこの店だった。極秘であるにもかかわらず、複数のマスコミが店の前に駆け付けたが、お店のお客の邪魔になると、手際よく整理したのも明永氏だった。たけしが食事に来た時、弟子は店の外で待機しているが、おなかがすいたらかわいそうだと、必ずサンドイッチを届ける心遣いも忘れなかった。  そんな明永氏だが、数年前にがんに倒れ入院。その後は抗がん剤を打ちながらも、たけしが来る日には余計な心配をかけてはいけないと、無理に顔を出すこともあった。また、常に酒の飲みすぎの筆者の体まで心配してくれた。最後まで働き続け、客への気遣いを忘れることがなかった日本一のギャルソン・明永氏にあらためて、合掌! (文=本多圭)

『オールスター感謝祭』暴走の裏に垣間見える、たけしの“品性”

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「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。 「ガダルカナル・タカさんの父親の職業は?」 という問題に、会場は騒然となった。「ヤバい、ヤバい!」というガヤが飛び交う。  回答の選択肢には「銀行員」「公務員」「農業」、そしてひときわ異彩を放つ「アウトレイジ」の文字。当事者であるタカは、出題したビートたけしに向かって言い放った。 「なんて言っていいのかわからないけど、とにかくいいかげんにしろ! 本当なだけに、ツッコみにくいわ!」  こうしてたけしは『オールスター感謝祭』(TBS系)にいつものように“乱入”し、いつものように暴走していた。  同じ日の朝、たけしは放送100回を迎える『サワコの朝』(同)にスペシャルゲストとして出演。MCを務める阿川佐和子とは『TVタックル』(テレビ朝日系)で長年共演し、気心の知れた関係だけに、その日の夜暴走した人物とは別人のように饒舌だった。  トークの中で阿川が、フライデー事件やバイク事故がだいたい10年単位で起きていることを指摘すると、たけしはこう答えた。 「結局……イラつくんじゃないですかね。漫才で売れて、ラジオでも売れて、逆にイラつく。“この先どうするんだろう”と。頭の中では落ち込むことしか出てこなくて。イライラして“俺どうする、どうする?”って。……白紙に戻す意味もあった」  そして、バイク事故の原因のひとつが映画にあったことを明かす。自信作だった映画がまったく評価されず、自暴自棄になってしまったと。 「でも、いいバチだと思って。節目、節目でバチが当たる。(略)やりたいことを、浅草の原点に戻って、自分がいいと思ったことをやって、評価されようとされまいと、しょうがないじゃない。そっから自分が芸人生活始めたのに、ちょっと売れたからって、それを守って、もっと上に行こうって図々しいことになったんだって思って。あとは、野となれ山となれ」  と、自嘲気味に笑う。  『オールスター感謝祭』に“乱入”したたけしは、開口一番「今日、ペニーオークション、来てるんだって?」と、復帰した小森純をイジって笑いに変えた。現在のテレビにおける、がんじがらめのルール。『サワコの朝』でも「(規則が厳しいと)あらゆる悪いことを、頭を使ってやるようになる」と言っていたように、それを破るか破らないかの境界線上をたけしは軽やかに行き来する。東京オリンピック開催決定に絡めて、たけしが最初に出題したのは「金をひとつしか取っていないのは誰でしょう?」という問題。回答の選択肢に谷亮子、北島康介、吉田沙保里といった複数回金メダルを獲得したアスリートが並ぶ中、爆笑問題・田中裕二の名が。思わずタカが「メダルとタマは違うんだよ! 田中が取ったのはキンタマで……」とツッコむと、「バカヤロウ! 恥を知れ、恥を!」とたけし。さらに今度は「金をひとつも取っていないのは誰?」という問題。その正解は坂本ちゃん。たけしが「ホントは(選択肢を)美輪明宏さんにしようと思ったんだよ」と言うと、司会の今田耕司が「事実は誰も知らないですから。そこはファンタジーの世界ですから」と必死にフォローする。  そして唐突に、「たけし軍団30周年」だから、と軍団関連の問題へ。そこで、冒頭の問題が出される。さらに「元M崎県知事のH国原さんが実際に起こした事件は?」という問題。慌てる東国原を尻目に「自転車泥棒」「師匠の金を盗んだ」「のぞき部屋で個室の壁を乗り越え、踊り場で全裸で踊った」「観光バスを勝手に運転して、谷底に落ちた」と選択肢が次々と読み上げられる。答えは「全部正解」。憔悴した東国原に、たけしは「まだあるぞ。『オレのファンクラブの会長に手を付けた』」と追い打ちをかけた。  最後の問題は「お父さんが経営するストリップ劇場で踊っている実の姉に、スポットライトを当てていたのは誰でしょう?」。  父親の職業が「アウトレイジ」であることをバラされたタカが再びイジられると、軍団らがたけしに罵声を浴びせながら詰め寄り、大乱闘。そして、たけしはCM明け、何事もなかったように姿を消した。  『オールスター感謝祭』で、このたけしパートだけは、それまでと同じ番組とは思えないほど、完全に性質が違うものになる。このコーナーには、まったく別のルールが適用されているかのようだ。いや、そのルール自体をイジり倒して暴れているのだ。ルール上、タブーと言われているものを無理やりにでも引きずり出して笑いものにする。  生きていれば触れたくない過去、あるいは触れられない過去は誰にでもあるだろう。そんな腫れ物になってしまうようなタブーを徹底的に笑い飛ばし、笑い話に昇華させる。マヌケな過去に塗り替える。それこそが、たけしの“品性”だ。  『サワコの朝』で「今、生きてることに感謝すればいいんだって思うよ。生きてることがすべてですって」と、たけしは子どもたちにメッセージを寄せ、こう微笑んだ。 「いずれみんな死ぬけど、『生きてる間に、いかに生きるかだけ考えろ』って言う。そうすると、マヌケなことをしているヒマはないでしょ、と。言ってる私がマヌケなことをしてるのが、ちょっとツラいですね」 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

ビートたけしが振り返る、“しずちゃんのボクシング師匠”故・梅津正彦氏の素顔

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『南海キャンディーズ・しずちゃん ボクシングドキュメタリー~ロンドンへの挑戦~(仮)』(よしもとアール・アンド・シー)
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  先日、久しぶりにビートたけしと銀座で食事して、7月23日に悪性黒色腫で44歳の若さで亡くなった、ボクシングコーチでアクションディレクターの梅津正彦さんとの秘話を聞かされて、感動した。  梅津さんは、南海キャンディーズの“しずちゃん”こと、女子ボクシングの山崎静代選手の専属コーチとして知られているが、このほかに、ジャニーズの山下智久や亀梨和也、それに高橋克典らにボクシングを教えていた。その梅津さんが芸能界と深い関わりを持つようになったのは、1996年に公開された北野武監督の6作目作品『キッズ・リターン』だった。この作品で、主演の安藤正信や金子賢らにボクシング指導したのが、梅津さんだったのだ。  『キッズ・リターン』に出演したたけしの弟子のお宮の松は、それ以来、梅津さんと親しく付き合っていたという。2012年1月27日に、太ももにできた腫瘍に悪性の疑いがあると宣告された梅津さんは、お宮の松に「北野監督はオレを芸能界に入れてくれた人。心配かけたくないから、監督には病気のことは絶対言わないでくれ」と口止めしたという。さらに、亡くなる前日も、「監督には心配かけたくないから、言わないでくれ」と言っていたという。  この話を聞いて、筆者は10年前に膀胱がんで37歳の若さで亡くなった友人を思い出した。友人は九州の焼酎の蔵元の息子だったが、高校進学で東京に出てから、ゲイの世界に入ったために、家を継がなかった。その彼ががんの告知を受けて入院。退院後、筆者の誕生日パーティーに来た時に「大丈夫か?」と声を掛けたが、「大丈夫よ、私は本多の葬儀委員長をやるんだから、あなたより先に死なないから」と言ったにもかかわらず、2カ月後に他界した。亡くなる前日、九州から駆けつけた母親に「ゲイの世界に入ってごめんなさい」と詫びたという話を聞いて、涙が止まらなかった。たけしも、お宮の松から梅津さんが「芸能界に入れくれた人に心配をかけたくない」と言っていたということを聞いて、感動したという。「今どき義理堅い、こんな素晴らしい男がいたんだよね。弔問に行ってきたよ」と言って、たけしは少し涙ぐんでいた。  そのたけしだが、その日は、フジテレビの『27時間テレビ』用の収録で膝を怪我したらしく、痛々しい姿で現れた。66歳となった今も、芸人として体を張りつつ、映画人としても妥協をしない。そんな姿勢が、梅津さんにも愛されたのだろう。サービス精神はわかるが、危ないことは若い連中に任せて、そろそろ卒業してもらいたい。 (文=本多圭)

北野武監督の名作『キッズ・リターン』続編制作へ ただし監督は北野武ではなく……

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『キッズ・リターン』
(バンダイビジュアル)
「何しろ異例なことだらけで話を聞いたときはビックリしましたけど、これもあの作品の続編を作るためだと聞けば納得しましたね」(映画関係者)  この5月から、北野映画の名作『キッズ・リターン』の続編の撮影が始まるという。だが監督は北野ではなく、同作ほかいくつかの北野映画で助監督を務めた清水浩。設定も前作から10年後の話で、前作主演の安藤正信と金子賢は出演しないという。 「そもそも、この映画は北野作品の中でも異色で、ファンも多い。安藤さんはこれがデビュー作ですし、金子さんは俳優として飛躍するきっかけになりました。その2人の心情はどうなんでしょうかね」(芸能事務所関係者)  安藤が演じたボクサー役には平岡祐太、金子賢が演じたヤクザの役には三浦貴大がキャスティングされた。 「三浦さんは親子そろって北野映画で“ヤクザ”を演じることになりますから、話題性はあると思いますよ。そもそも違う監督が続編を作るのも異例ですしね。北野さんも『若い人の勉強になれば』という理由でリメイクをOKしたそうですが、本音としては、『アウトレイジ3』に専念したいという思いがあるそうです。事務所としても興行的にも『アウトレイジ3』のほうが儲かりますからね。すでに構想はできていて、スタッフと打ち合わせを重ねているところのようです。もしかすると、安藤さんと金子さんは、こちらの映画に出演するかもしれませんね」(映画関係者)  どちらの作品も楽しみだ。

ビートたけしと石橋貴明のTBSバラエティ『日曜ゴールデン』が、ひっそりと打ち切られていた!

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TBSの公式サイトには、まだ番組のページが残っているが……。
 “お笑い界の2大巨頭”であるビートたけしと、とんねるず・石橋貴明の共演で昨年10月からスタートしたTBS系『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』(日曜午後7時57分~)が、ひっそりと打ち切りになっていたことが分かった。  原因は言うまでもなく、視聴率の低迷。初回こそ8%台だったが、その後は5%前後を推移。今年3月3日が最後のオンエアで、その視聴率も3.2%と散々なものだった。  テレビ関係者は「公式にはアナウンスしていませんが、3月3日放送をもって打ち切りになったそうです。ゴールデンタイムでこの数字は、ひどすぎますからね。本来なら3月末で打ち切りとなるところを、3日で強制終了して、以降は『さんまのスーパーからくりTV』などのスペシャル番組でごまかしていたんです」と明かす。  低迷の理由として多く挙げられるのは、たけしと石橋のギクシャク感だ。お笑い関係者は「石橋さんがたけしさんに気を使いすぎたことで、彼の個性を消してしまっていた。石橋さんは暴れてこそナンボの人ですからね。また、たけしさんの“鶴の一声”で、懇意にしている島田洋七さんの特集を組むなど、強引なキャスティングも目立った。さらに、裏番組にたけしさんが出演したことで、石橋さん1人で番組を進行していた回もあった。TBSから『何をやってもいい』と言われたとはいえ、さすがにやりすぎた感がある」と分析する。  TBSにとって、たけしと石橋は別格で、たけしの1本のギャラは500万円クラスといわれているが、今回ミソをつけたことで「いくらか下がるのではないか?」という声も聞かれる。終わってみれば“両雄並び立たず”だったようだ。

「やっぱり大苦戦……」ビートたけしが“男気”だけで引き受けたTBS『日曜ゴールデン』の負け戦

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TBS『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』
「今の状況が続くようなら、最悪、1年での打ち切りもあるかもしれないと言われています。ただ、上層部も『こちらが頭を下げて始めてもらった以上、打ち切りとは言えない。できれば、自分から辞めてほしいんだけど……』と、相当苦悩しているようでした」(TBS関係者)  ビートたけしと、とんねるずの石橋貴明が初タッグを組んだ『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』(TBS系)。鳴り物入りで始まった初回視聴率も8.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とまさかの2桁を割り込み、現在も5%前後と“大苦戦”中だ。 「もともと日曜夜の8時台は、何をやっても視聴率が取れないと言われていました。この番組以前は、制作費も安くて無難なクイズ番組がほとんどでしたからね。それでも数字が取れなくて、上層部がたけしさんに泣きついたそうです」(同)  ある意味、勝ち目のない戦いを“男気”だけで引き受けたビートたけし。その相方にとんねるずの石橋を選んだのも、たけしなりの理由があったのだという。 「たけしさんには、関西芸人に独占されているお笑い番組を東京芸人で巻き返したいという“芸人魂”があるんです。そこで、東京芸人の代表格でもある、とんねるずが選ばれたそうです」(芸能関係者)  ところが、石橋の持ち味である“勢い”はたけしの前では発揮されず、そのもくろみはいまだ形になっていない。 「おまけに、先日はたけしさんが裏番組に出ているため、石橋さんひとりの番組になりました。たけしさんも、そろそろ飽きてきているのかもしれませんね。もしかすると、当初のコンセプトも無視して、関西芸人も出演するかもしれませんよ」(番組スタッフ)  下手したら、わずか1年で終わってしまうかもしれない、この番組。TBS局内のあちこちから、「何やってんだ」という声が聞こえる!?

誰よりも芸人想いな「殿」が鳴らす、現代お笑い界への警鐘『ビートたけしのオールナイトニッポン』

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しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。  それ以降もあまたの才能あふれるお笑い芸人が出現し続けているにもかかわらず、なぜ誰もビートたけしの位置にたどり着けないのか? 実は、多くの芸人やお笑いファンがあきらめと共に棚上げにしているそんな根本的疑問について、誰よりも真剣に考えているのは当のビートたけし本人なのかもしれない。2月24日、「オールナイトニッポン45時間スペシャル」内で放送された『ビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)において、たけしは目にもとまらぬ冗談の絨毯爆撃を浴びせつつも、お笑い界の現状に関し重大な疑問を投下した。  この日の放送は、ラジオの女房役である高田文夫が体調不良により欠席したため、松村邦洋と浅草キッドの2人を迎えての4人体制で進められた。弟子及び後輩芸人に囲まれたその状況こそが、たけしの熱い芸人論を導き出したといえるかもしれない。  最近のたけしは、『THE MANZAI』(フジテレビ系)の最高顧問や、自らのチョイスで若手芸人を集めたネタ特番『北野演芸館』(TBS系)等の番組内で、若手芸人のネタに寸評を加える場面が増えている。また、著書『間抜けの構造』(新潮新書)の中でも、漫才の「間」と「スピード」の問題について触れるなど、以前よりも他者の笑いについて語る機会が増えてきているのは間違いない。そしてその多くは、ほぼ「ベタ褒め」と言っていいほどに、最近の若手芸人のネタのクオリティを、その鍛え上げられたスピードや練り込まれた構成力など、主に技術面において高く評価するものだった。いずれのコメントもさすがと感じさせる的確なものであったが、その一方にはまた、その奥に何か言い足りていない部分、技術以前の段階にある重大な何かを匂わせるような余韻が常に漂っているように感じていた。それがこの日のラジオでは、もう一歩先へと突っ込んだ形で語られた。  番組後半、最近の芸人のネタについて話が及ぶと、たけしは「今はもう高度だろ」と、まずはその技術的な巧みさを絶賛する。テレビで語られるたけしのネタ評は、そこからどこが高度なのかという具体論に展開し、若手を激励して終わる形が多いが、この日はそこにとどまらず、話題はより広い領域へと展開する。「高度っていうか、漫才じゃなくてもう芝居になってきたな。もう、つかこうへいになってきた」と。  「高度」という縦への純粋なプラス評価が、その実「漫才・コントから芝居への変容」という横への変化でしかないという事実に、正確に修正される。いや修正というよりは、目の錯覚でごまかされていたものを、別角度のカメラから捉え直すことで正確に捉え直した、という感じだろうか。芝居的なものは一見したところ高度には見えるが、それが笑いにとってプラスになる変化であるとは限らないということだろう。実際、今のお笑いコンテストにおいては、中身の面白さよりもスタイルの新しさを求める審査員も増えている。だがその新しさとは、単に隣の芝生から枠組みをごっそり持ってきて当てはめただけのものでしかないことも多く、「コントとしては新しく見えるが、芝居の世界ではありがち」な手法であったりする。  そしてたけしはさらに、そんな「芝居化するネタ」について、「客は前の漫才に少し飽きてきたから面白いかもわかんないけど」と観客の立場へと瞬時に視点を切り替えた後、グッとカメラ位置をクレーンで上昇させるように、テレビ界全体を俯瞰してみせる。「それで終わればいいけど、テレビのタレントとして活躍することがメインだとしたら、そりゃ駄目だな。(漫才は)コンビでしかありえないから。司会をやるのもまったく違う話」であると。  たけしのこの言葉からは、お笑い学校に入って、お笑いコンテストで優勝して、ひな壇芸人になって、レギュラー番組を持って、やがて司会者になるという、今の芸人が売れるための「正規ルート」となんとなく思われているものが、実は根本的に間違っているのではないか、という疑問が改めて浮かび上がってくる。  そしてたけしは、「漫才師を目指してるのか、タレントを目指してるのか」と、大前提としての芸人のスタンスに疑問を投じる。この言葉はさらに重いが、これはしかし、売れてから急速にタレント化していく若手芸人を必ずしも責めているわけではない。それどころか、たけし自身も幅広くタレント活動をしているという事実がある。だからこれはむしろ、業界全体に対しての、「面白い漫才師を育てたいのか、有用なタレントを育てたいのか」という問いかけなのではないか。  もしかしたら、漫才師をテレビ受けするタレントや司会者に育て上げるということは、ピッチャーとして獲得した選手をキャッチャーとして育てるような、もっといえばピッチャーとして獲った選手を球団経営者として育てるような、あるいは大食いチャンピオンを横綱に育てるような、思いのほかトリッキーな育成法なのかもしれない。これは別に芸人やスポーツの世界に限ったことではなく、はたから見れば似たように見える職業でも、求められる職能がまったく違うというのはよくあることだ。  現状として、漫才師が漫才師のまま芸能界のトップに立つという例はなく、お笑い芸人のゴールは冠番組の司会者と、なぜか相場が決まっている。それはまさに「大人数をまとめる立場になればなるほど給料が上がる」という会社のシステムとまったく同じ構造なわけだが、そもそも「ネタの面白さ」と「大人数をまとめる能力」を同列に評価できるはずがない。「ネタ作りの能力」と、今のテレビが求めている「タレント性」が似て非なるものであるのも、歴代コンテスト優勝者たちが図らずも証明してしまっている。  もちろん、こんなことを言ってみたところで、ただちに何かが解決されるわけではない。たけしもそんなつもりで発言をしているわけではなく、逆に簡単に解決法を提案できるような浅い問題であれば、わざわざ口にしないだろう。だがそろそろ、『M-1』が作り上げた芸人の出世システムを、本格的に見直すべき時期に来ているのかもしれないというのは、業界内の誰しもが、いやテレビの前のお笑いファンだって、なんとなく感じているはずだ。たけしの言葉は、にもかかわらずそこに気づかぬふりをして、このまま進んでいこうとする業界全体への警鐘に違いない。そしてその言葉は、今のビートたけしが、誰よりも有能な若手芸人の出現を待ちわびていることの証明でもある。そんな照れること、たけしが素直に認めるはずはないけれど。 (文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>) 「逆にラジオ」過去記事はこちらから