ぼっち参戦も可能! 大人が本気で遊ぶ美術館『おもちゃ美術館』

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2万個の木のボールが敷き詰められた「木の砂場」で寝転がる。
 「当館は大人が本気で遊ぶ美術館ですので、十分に体調を整えていらしてください」 『東京おもちゃ美術館』に取材依頼をしたら、こんなことを言われた。四谷の廃校を改装して作られた『東京おもちゃ美術館』は、知る人ぞ知る“全力で遊べる美術館”。展示物の7割を触って楽しめるのだという。一体どんなハードなおもちゃ遊びが待っているのだろうか……。十分な睡眠をとった8月某日、現地へ行ってきた。  校舎の教室をそのまま展示室として使い、部屋ごとにそれぞれ「テーブルゲーム系おもちゃ」「昭和系おもちゃ」などテーマが設けられているが、できることは大きく分けて「見る」「作る」「遊ぶ」の3つ。 【おもちゃを見る】……「グッド・トイ展示室」「企画展示室」 【おもちゃを作る】……「おもちゃ工房」 【おもちゃで遊ぶ】……「おもちゃの森」「グッド・トイ展示室」「おもちゃの街 赤」「おもちゃの街 黄色」「ゲームの部屋」  そう、とにかく展示物の数も部屋の数もべらぼうに多い。館内案内図をもらった瞬間、「十分に体調を整えて~~」の意味が分かった。すべての展示おもちゃで遊ぼうとすると、半日は悠に過ごせる。  まずは受付近くの「グッド・トイ展示室」へ。色や形、感触、コミュニケーション性などの観点から選考された歴代の「グッド・トイ」が並ぶ部屋だ。展示のみのものもあるが、触って遊べるものがほとんど。夏休みという時期柄、やはり親子連れは多いが、中には若者が何かに取り憑かれたように木のおもちゃを積み上げている姿も……。単調ながらも病みつきになるタイプのおもちゃが多かった。
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「グッド・トイ展示室」
 隣の部屋に入ると、そこは「企画展示室」だった。年に数回、さまざまなテーマに沿って作品が飾られるこの部屋、今は日本の都道府県の伝統おもちゃが所狭しと並べられていた。ただ、館内で唯一、触って遊べるものがない展示のみの部屋だからか、やや閑散としていて、ほかの部屋と比べると華やぎに欠ける。ショーケースに近づいてよく見ると、味わい深い人形が多いのに……。
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「道祖神土鈴(長野)」。この二頭身と唇の存在感。袖には「米」の字が。
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「岐阜の張り子(岐阜)」。見透かされているような目。
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「八朔人形(栃木)」。質素な顔立ちが、いい味を出している。
 けん玉やだるま落としなど、昔ながらの昭和おもちゃを堪能できるのが「おもちゃの街 赤」の部屋。その隣の「おもちゃの街 黄色」では、ドイツのオストハイマー社製の高級な木のおもちゃや、一風変わったサイエンストイなどで遊べる。
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構造学を学ぶおもちゃ「スフィア」。ボール程度大からぐんと広がる。
 これだけでもずいぶんな数のおもちゃと触れ合ったが、ここまででまだ半分。部屋だけでなく、廊下にもところどころにおもちゃが置いてあり、通りすがりに軽く遊びつつ、次の部屋を目指す。部屋と部屋の移動ですら絶え間なくおもちゃ。ストイックにおもちゃ。おもちゃ以外のことを考える余裕もない。
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足の倍くらいの大きさの巨大ぽっくり。「モクバイク」というおもちゃだ。
 奥の部屋「おもちゃ工房」では、かざぐるま作り体験をやっていたので参加してみた(作るおもちゃは日替わり)。
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ボランティアスタッフの“おもちゃ学芸員”さんに教えを請う。
 上の写真では、楽しそうにスタッフさんに教わっているように見えるが、折り方の表裏を間違え、糊を塗る場所を勘違いしと、あらゆるドラマチックな出来事があった後の、付きっきりで教えてもらってホッとしている図である。図工の授業では誰よりも作品の完成が遅かった記憶が蘇った。工作が不得手な星の下に生まれた以上、もう一生こうなのだろう……。
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居残り……。他の参加者はとっくに完成。
 意外と没頭するのが、世界中のアナログゲームを体験できる「ゲームの部屋」。見覚えのあるボードゲームにテーブルサッカー、正式名称のよく分からない中国の謎のパズルなどが置いてある。日によっては日本テーブルサッカー協会の日本代表選手が教えに来てくれることもあるらしい。
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独楽を回してボウリングをするおもちゃ。
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中国のパズル。球体を組み合わせてピラミッドを作る。
 そして、最後にして最大のおもちゃ部屋「おもちゃの森」。入った瞬間、ふわっと木の香りに包まれるこの空間は、木のおもちゃを通して森林浴をする部屋だ。木の人形や積木、楽器などの正統派に混じって、箱いっぱいに詰まったそろばんの玉のコーナーが……! おもちゃの美術館なのに、なぜそろばん? と冷静になった今となっては思う。だが、そろばん玉を前にしたときは、それどころではなかった。そろばんの玉といえば、触り心地に定評がある。誰しも、そろばんの玉の一粒一粒をこう、指の腹でツルツル撫でたこと、あるでしょう? あのツルツルが、箱の中に10万個も詰まっているというのだ。干し草のベッド、ねこバス、と並んで、10万個のそろばん玉の中に手を入れるのは憧れの体験なのだ。  そろばん玉の中に、そろばんの枠を入れ、ガサガサと左右に動かし、そろばん作りの過程の一部も体験できる。玉をたくさん拾うには、枠を左右に動かす際に八の字を描くようにするといいそうだ。
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永遠にこのツルツルの中にいたい。
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特大サイズのそろばんもあった。
 そろばんで気持ちが高ぶりすぎて、すっかりクライマックスのような口ぶりになってしまったが、本当のクライマックスはこちら、「木の砂場」である。館内のエース的存在で、これ目当てに来るお客さんも少なくない。北海道産の木で作られた丸い楕円形のボールが2万個敷き詰められた“砂場”。
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座るもよし、寝るもよし。埋まるもよし。
●もり度 ★★★★★  盛りだくさんの『東京おもちゃ美術館』、外せないのは「おもちゃの森」。他は、和モノが好きなら「おもちゃの街 赤」、変わり種が好きなら「おもちゃの街 黄色」へ。「ゲームの部屋」以外は一人で遊べるおもちゃが多いため、ぼっち参戦も可能。 (取材・文=朝井麻由美) ●「東京おもちゃ美術館」 <http://goodtoy.org/ttm/> 新宿区四谷4-20 四谷ひろば内。丸ノ内線四谷三丁目より徒歩7分。開館時間は10:00~16:00、木曜休館。入館料は子ども500円(3歳~小学生)、大人700円(中学生以上)。なお、「おもちゃ工房」のおもちゃ作り体験は、土日は予約制、平日は午後ならいつでも参加可能。なお、’13年11月に沖縄県に姉妹館「やんばる森のおもちゃ美術館」( http://goodtoy.org/ttm/curator/yambaru.html )が設立される予定。 ◆「散歩師・朝井がゆく」過去記事はこちらから

グチャグチャに汚されるのが快感! 日常から解放される「ゾンビバー」

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集合写真でピースはしない。ゾンビだから。
 「まーぁお客様! 気持ち悪くてございますぅー!」  六本木の月1限定バーイベント「ゾンビバー」での1コマである。今回は、本格的なゾンビメイクを施してもらえると聞いて「ゾンビバー」へやって来た。店に入るなり目の前には、カクテルを飲むゾンビ、スマホをいじるゾンビ、世間話をするゾンビ。混雑する店内で、ゾンビフードやゾンビドリンクのオーダーが次々と入り、ゾンビメイクも順番待ちだ。メイクを担当するゾンビスタッフさんは、「いい感じに腐ってきたわね~!」「いいわよ~、気持ち悪くて素敵よー!」と、お客さんを褒めておだてて一人、また一人とゾンビをこしらえていく。日本はこんなにゾンビになりたい人が多かったのか、と驚くほどあふれるゾンビ欲。満ち満ちた生命エネルギー。死んでいる存在であるはずの“ゾンビ”がイキイキしているこの矛盾。
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主催の一人・ゾンビーナ2号ナオミさん
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バーテンゾンビ
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スマホゾンビ
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カップルゾンビ
■ゾンビの乳首を食べてみた この店では、ゾンビの体の一部分を使った料理や、“ゾンビ感染”効果のある飲み物が出される。この日のオススメフードは、「ゾンビの切り落とし肉」(500円)と「ゾンビの大きめ乳首と干し小腸」(500円)。まずは、後者を頼んでみると、こんなものが出てきた。
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ナッツじゃないよ。乳首と小腸だよ!
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「ゾンビ菌カクテル」。“ゾンビ菌”が下のほうに沈殿している……。
 そして、飲み物にはそれぞれ“ゾンビ感染力”が設定されており、「ゾンビの生き血」(900円)は感染力“★4つ/強力”、「ゾンビール」(900円)は“★3つ/強”(★3つ)、そして、看板メニューの「ゾンビ菌カクテル」(900円)は“★5つ/最強”だ。「ゾンビ菌カクテル」の中に入っている菌と思しきツブツブの正体を聞こうとしても、 「搾りたてのゾンビ菌よ~! さっき私のおっぱいから搾ったの」(ゾンビーナ21号コロンさん) 「このゾンビ菌、どこから搾ったか聞きたい?(自身の女性器を指さしながら)」(ゾンビーナ2号ナオミさん) と、ゾンビの体から搾った菌だということしか分からなかった……。 ■ゾンビメイクで顔がグチャグチャに  腹ごしらえが済んだら、いよいよゾンビメイクの時間だ(1回500円)。目の周りを真っ黒にされ、全体に白いドーランを塗りたくられる。
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パンダ……?
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黒の上に白を重ねる。
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メイク道具。
 こうしてみるみるうちに鏡の中の自分の顔が汚れていき、その面積が広くなるにつれて、妙に気持ちが高揚していくのを感じた。汚されるのがうれしい、というわけではない。本来美しく飾り立てるものだったはずの“鏡の前でのメイク”で、真逆なことが起こっている、その背徳感からの高ぶり。そして、見たこともないような汚れた人が映る鏡を前にし、「これは自分ではないナニカだ」と頭が思い込もうとしている、そんな感覚もある。  そして、血のりで仕上げて、ゾンビが完成した。
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【Before】
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【After】
 自分ではない何者かに変身する、という意味ではコスプレも同じだが、多くの場合かわいいorかっこいいキャラクターになりきるコスプレは、“自分を魅力的に見せたい”という自意識がつきまとう。だが、ゾンビの場合グチャグチャに汚れていて、かわいい角度や目線も何もない。鏡を見たり、写真を撮ったりする際、写真うつりの良さ・悪さを一切気にせず大胆な表情やポーズをできる。“かわいい”からの解放である。それは、この後の「ゾンビウォーク」で確信に変わった。 ■ゾンビウォークで六本木を歩く  スタッフのコロンさん(ゾンビーナ21号)が、店いっぱいに増殖したゾンビたちを、六本木の街を練り歩く「ゾンビウォーク」に連れて行ってくれた。ちなみに、「ゾンビウォーク」はそのときの来客状況によるため、毎回必ず行うわけではないそうだ。 コロンさんは、「はーい、ひよこ組のみなさーん!」と言いながら、幼稚園の遠足よろしく引率する。ゾンビ外出の心得も教えてくれた。 【ゾンビ外出の心得】 その1:はしゃぎすぎて事故を起こして“本物のゾンビ”にならないこと。 その2:街を歩く普通の人間を脅かさず、大人のゾンビの対応をすること。 その3:片足に体重をかけた“ゾンビ歩き”をすること。  この片足に体重をかける歩き方がなかなかどうしてくせ者で、初心者ゾンビがやると、ただ単に足をくじいただけの人のようになってしまう。
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人間を捨てきれてないゾンビたち。
「そうよー、その調子よー! 歩くだけで楽しくなってきたでしょー? いいわね、あんたたち頭腐ってきてるよー!」と先輩ゾンビのコロンさんに叱咤激励されながら、ゾンビらしい歩き方をすべく試行錯誤をする。    また、道すがら、何度か写真撮影の許可を求められ、そのたびにみんな、どんどん殻が破れていっているようだった。(おそらく)メイクの下はクールな美人であろう女性も、(おそらく)普段はおとなしいであろう男性も、誰もが積極的に不気味なゾンビポーズをとる。顔が完全にメイクで覆われている分、驚くほど羞恥心が生まれないのである。  そして、最後はバーのある建物に戻るときの階段だ。ゾンビは普通に立って階段を上ってはいけない。四つんばいになり、階段を上りきったら「ううううぅぅ……」とうめくよう、コロンさんに指示される。ここまでくると恥じらう者はいない。15分ほどのウォーキングを経て、人間を捨てきれていなかったゾンビの卵たちは、立派なゾンビへと成長したのだった。
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 ゾンビをエンジョイしていたお客さんやスタッフさんに話を聞いて回ると、ほとんどが「実は、普段は地味なほうなんです」と言っていた。「ゾンビバー」は回を重ねるごとに女性のお客さんが増えていっているそうだが、それは普段の生活での、小ぎれいにしていなければならない呪縛から逃れたいからなのかもしれない。ゾンビの世界には、上目遣いや美肌信仰もなければ、顔を小さく見せるための手を頬に当てるなどといった写真テクもない。ゾンビに美人もブスもない。ドロドロのゾンビメイクをして死霊になりきることで、生まれたままのフラットな気持ちを呼び起こすことができるのだ。 ●極楽浄度 ★★★★★ 何か嫌なことがあったとき、「死にたい」「一度死んで苦しみから解放されたい」などと冗談で思うことがあるが、ここはまさに“死んで解放される場”だった。そしてひとしきり満喫した後、鏡を見ながらメイクを落とすときが我に返るとき。 (取材・文=朝井麻由美) ●「ゾンビバー」(ゾンビ集団ゾンビーナ) <http://www.zombiena.net/> ゾンビ集団ゾンビーナとは、イベントやパフォーマンスをするゾンビ集団。毎月最終日曜日に、六本木のバー「Night gallery cafe CROW」にて、「ゾンビバー」イベントを行っている。ゾンビ感染者を増やし、日本を世界的なゾンビ大国にするのが目的。バーでのメニューは毎月少しずつ変わる。「ゾンビバー」のほかにも不定期でイベントを開催。スケジュール詳細はHPを。なお、今月は「ゾンビバー」は臨時休業で、代わりに「ゾンビ林間学校」(7月28日11:00~)が開催される。事前エントリーの締め切りは7月25日まで。詳細はこちら(https://www.facebook.com/DaishiDanceXZombiena)。 「散歩師・朝井がゆく」過去記事はこちらから

マムシの生き血でノックダウン!? オカンが作る、“家庭の味風”ヘビ料理を食す

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こう見えて居酒屋です。
 どうか安直だなんて言わないでほしい。2013年、巳年。ヘビ年だ。ヘビ年だから、ただそれだけの理由で、ヘビ料理を食べてきた。十二支の中でも目立たないランキングではまあまあの位置についているであろう、ヘビ。何しろ直前が辰なのだ。ドラゴンの後だなんてあんまりだ。緑っぽくて長くてにょろにょろしている、というイメージは似ていても、圧倒的に華がない。「ねーうしとらうー」でも、「“みー”って何?」となりがちなヘビ。食べることによって、ヘビを全身で感じてみたい。  行ってきたのは、日吉にある「鳥八」。“ヘビ感”ゼロの店名とは裏腹に、店構えはこの通り。いかにもすぎる。滋養強壮界隈ではおなじみの、赤と緑のゴテゴテした色使いだ。一応、“居酒屋”の枠に入る店ではあるが、居酒屋であるというアイデンティティを捨て去っているようにすら見える。
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こういう店、麻布や六本木、代官山あたりには絶対なさそう。
■見るからに「効きそう」な店内  店内も期待を裏切らないディスプレイだった。いや、“ディスプレイ”などというカタカナを使うなんて許されないかもしれない。色あせたラベルの瓶が所狭しと並び、壁のメニューは赤字の楷書。“ヘビ料理の店とはかくあるべき”と言わんばかりの、実直さだ。なんというか、一言で言うと「効きそう」。
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存在感抜群のメニュー。
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なんかいろいろ良さそうなものが漬け込まれているお酒類。
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棚には虎の生殖器のお酒も……。手前に見える丸いのは虎のキンタマ。
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ヘビすらもおいしい家庭料理にしてくれそうなおばちゃん。
 ヘビ料理を作ってくれるのは、この女将さん。今にも肉じゃがやほうれんそうのおひたしを出してきそうな食堂のおばちゃん然とした風貌に、“ヘビを食べる”緊張感が一気に緩む。店じゅうに、「血行!」「エキス!」「強精!」「体力!」「必須アミノ酸!」などと元気よく書いてある薬局っぽさ。カウンターに立つ女将さんのオカンっぽさ。落ち着くんだか落ち着かないんだかよく分からない気持ちになりながら、料理の完成を待った。
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「マムシのタタキ」(5,000円)
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「マムシの唐あげ」(5,000円)
 待つこと数分。タタキと唐あげが運ばれてきた。タタキはなんと灰色。肉や魚のタタキ料理は赤や茶系の色と相場が決まってるのに、堂々の灰色である。  それではいただきます。
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おっ!?
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思ったより悪くない。
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 臭みも苦みもほとんどなく、消毒のために吹きかけられているウォッカの味しかしない。骨もそのまま砕かれているので、ザクザクとした食感が混じっている。かき氷(味なし)にアルコールをかけたらこんな味になりそうだ。  続いて、唐あげのほうは、ヘビの肉、内臓、卵、の各種部位が衣に包まれてやってきた。卵は、料理する個体によっては、ないこともあるそう。どの部位の唐あげも、揚げたてだったからか、衣の味ですべてが打ち消されていて、拍子抜けなくらいおいしくいただけてしまった。チョロいな、ヘビ。  思わぬ食べやすさに、すっかりヘビに対して気が大きくなってきたところにやってきたのが、生き血と肝のエキスだった。ヘビをさばいた際の血とエキスをアルコールで割っている飲み物で、どの料理にも必ずセットでついてくる。
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左が血、右が肝のエキス。
 今までの流れからすれば、案外ただのアルコールの味しかしないはず……。一縷の望みをかけて口にした。 ■しかし……  ……!
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※あまりの形相ゆえ、画像を加工してお届けします。
 あの味だった。口の中が切れたとき、鼻血が口に入ってきたとき、あのときのあの味だった。  飲めば飲むほど、底のほうに沈殿している血の色でグラスは赤く、味は濃くなっていき、私の顔は白くなっていったのだった。 ●唐あげの包容力 ★★★★★ 本来ならばヘビ料理やエキスを飲み食いしたらすぐに体がポカポカするはずが、足が冷えっぱなしの筆者を見かねて、残った唐あげとエキスをお土産にしてくれた。ニコニコしながら「今夜ちゃんと食べるのよ」と言う女将の母のような強制力には抗えず、その日の夜食は冷めた唐あげ(内臓部分)に。しかし、揚げたての風味はどこにもなく、ただただ苦くて弾力のある何かであった。ヘビがおいしかったのではなく、“揚げたての唐あげ”がおいしかっただけだったのだ。苦いそれをくちゃくちゃと噛み切りながら、唐あげという食べ物の懐の広さを知った夜だった。 (取材・文=朝井麻由美) ●『鳥八』 <http://ameblo.jp/torihachi-hiyoshi/> 神奈川県横浜市港北区日吉1-8-2。東急東横線日吉駅から徒歩約8分。営業時間は17:00~22:00(ラストオーダー21:30)。月曜定休。来店の際は要電話予約(045-561-6907)。 ヘビ類だけではなく、スッポン料理も安価で提供している。下記写真のような、マムシやスッポンの粉末も購入可能。詳細は電話で問い合わせを。
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「散歩師・朝井がゆく」過去記事はこちらから

ニクいぜ、グリコ! 話題の「グリコピア・イースト」でわくわく工場見学

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“ゴールインマーク”と一緒に記念撮影!
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  「工場見学」という仕組みを考えた人を胴上げしたい、と常々思っている。それくらい、工場見学の面白さに絶対の信頼を寄せているのだ。工場見学がなぜ楽しいって、企業側が全力で来場客を楽しませようと、渾身のホスピタリティを発揮してくるからである。商品ができるまでのまあまあカッコいいマシンを見せて、食品系の場合はいいにおいを嗅がせ、開発における泣かせるヒストリーを聴かせ、見学が終わる頃には購買意欲ゲージが満タンになる。いい気分になった見学客は、帰りにショップでしこたま買い込んで機嫌よく帰る。お互いが幸せな気持ちになる素敵なサイクルではないか。いいようにノセられているとしても、それでいい。好きだ、工場見学。  そんな筆者の工場見学への異常な愛情を満たしてくれそうな施設を発見した。グリコが10月、埼玉県にオープンした『“わくわくファクトリー”グリコピア・イースト』だ。なんと、オープン以来予約が途切れることなく、来年1月までほぼ埋まっている状況だという。“わくわくファクトリー”だなんて、名前からして楽しくないわけがない。文字通り、わくわくしながら取材の日を迎えた。
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入り口には、いきなりチョコレートの川が流れていました。わくわく。
■「ポッキーストリート&プリッツストリート」  工場見学といえば、創業者のドキュメンタリーが流れて、たいてい機械の説明があって、というのがお決まりのパターン。「グリコピア・イースト」でもその流れにのっとり、創業者・江崎利一氏の苦労話ドキュメンタリーから始まった。続いて、チョコレート菓子の工場といえば欠かせない、カカオ豆からチョコレートを練るまでの過程の紹介映像。これらを15分近く見た後、プリッツ、ポッキーのそれぞれの工場(「ポッキーストリート&プリッツストリート」)へ。
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「グリコピア・イースト」のアテンダントは軒並み美人。
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こねられた生地がパスタのように流れてきた。
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45mのオーブンで約4分間焼かれたプリッツがこんがりお目見え。
ホースの先にあるノズルから調味料をかけて味付け。
■レトロ体験&展示「グリコタウン」  『グリコピア・イースト』では、20人程度のグループで見学するのだが、ポッキー・プリッツ工場では、機械の一挙一動に子どもが大はしゃぎする一方、大人は「社会科見学を思い出すわ」とでも言いたげにクールな顔でさらりと見て回っているのが印象的だった。それが、この『グリコタウン』では攻守交代である。グリコ名物「映画付きグリコ自動販売機」(昭和6年のものを復元)が置いてあるのに思わず頬が緩む中年以上。しかも、実際に当時の硬貨である10銭を入れれば、約20秒間映画が流れた後にちゃんとグリコが出てくる。
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「グリコを続けて5~6個買うと、映画を最後まで見ることができました」
とアテンダントさん。商売上手な仕組みである。
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グリコと2銭のお釣りが出てきた。自販機で買うと、
通常10銭のところが割引で買えるのだ。
 さらに、追い打ちをかけるように、大正10年から現在に至るまでのグリコのおもちゃを、年代順に1500点展示。よくよく観察していると、それぞれ自分が遊んだことのある年代の場所で足を止めているようだった。 ■クイズ番組を体感! 『スタジアムホール』  ニクい演出ですっかり全員が童心に帰ったところで、ファンシーな映像を見ながらのクイズにチャレンジ。2人1組で席に着き、おとぎの国へ出発するとクイズスタート。クイズ内容は、「今までの見学をしっかり聞いていたかナ?」と言わんばかりのグリコ知識問題の連発だった。全然ファンシーじゃない……。「ファンタジープラネットに着きましたよ! さあ、最初のクイズを探しましょう!」とメルヘンなアナウンスに油断していると、筆者のようにポカミス連発で参加者ランキングで最下位になるので注意が必要である。
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クイズは3択で、目の前にあるボタンを押す。
クイズ番組にありそうなグラフィックで乗り物を操作するようなシーンもある。
 最後に、「フォトスタジオゾーン」にそびえ立っていた“ゴールインマーク”と一緒に記念撮影をしてシメ! と、思ったのだが……  なんと、芸が細かいことに、帰り際に寄ったお手洗いまで“ゴールイン”していたのだった。 guri_9.JPG
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赤ん坊も“ゴールイン”。
●わくわく度 ★★★★★ 工場の様子もさることながら、昔を再現した「グリコタウン」に、本格的なCGクイズが体験できる『スタジアムホール』とわくわく続き。やはり、工場見学というレジャーにハズレはないのだ。ちなみに、下の写真は、唯一の有料コーナー「ミニファクトリー」でポッキーをデコレーション中の様子。チョコペンやデコレーションシュガーを駆使して張り切ってデザインしたものの、結果はこの通り。我ながらコメントのしようがない微妙すぎる出来に心底困惑……。「ワクワクさーん……その変なポッキーなぁに~?」
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自分だけのオリジナルポッキーを作れます。
guri_11.JPG (取材・文=朝井麻由美) ●“わくわくファクトリー” グリコピア・イースト < http://www.glico.co.jp/glicopia/east/ > 埼玉県北本市中丸9-55。JR北本駅よりバスで10分。受付時間は9:30~16:30、毎週金曜日・お盆休み・年末年始は休館。案内時間は9:30・11:00・12:30・14:00の4回。所要時間約70分。入館料は無料(一部有料コーナーあり)。完全予約制のため、まずは電話(048-593-8811)かネットで。 ※本記事での見学コースは一例です。内容は同じですが、回る順番はグループによって変わります。(1回の定員は80人までで、基本4グループに分かれて見学) ※「ミニファクトリー」でのポッキー作りのみ有料(500円・所要時間30分)。中学生までのお子様が優先で、定員26人に満たない場合は大人も参加可能。定員を超えた場合は抽選。 「散歩師・朝井がゆく」過去記事はこちらから

豚のおっぱい、山羊のキンタマ……“食べ物界の一発屋”獣肉を食らう!!

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ワニ、トド、マンボウ……。メニューには妙な肉ばかりが並ぶ。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  東京・高田馬場に、「豚のおっぱい」や「山羊のキンタマ」を食べられる店がある。分かってる、こんなもの食べずとも、普通の食べ物のほうがおいしいに決まってる。ゲテモノは悲しいかな、試しに“ネタとして食べる”、食べ物界の一発屋である。でも、一度は食べたい。一度経験して、「私、山羊のキンタマ、食べたことあるもんね!」と声高らかに自慢したい。ただそれだけのために獣肉酒家「米とサーカス」へ行くことにした。待ってろ、おっぱい、キンタマ。  高田馬場駅前の路地を数秒歩くと、突然妙な建物が現れた。 niku_1.jpg  妙なのは建物だけじゃない。店員さんも何かがおかしい。 niku_2.jpg  店の中も徹底的に怪しく、
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すぐ裏に山手線が走っているとは思えない異空間ぶり。
 メニューはなぜか絵本を改造して作られている。
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表紙は絵本そのまま。中身がメニューになっている。
 雑多なサーカス小屋をイメージしたというが、それにしてもあまりに前衛的な店構えにメニューの珍しさがいささか霞む。しかし、私はおっぱいやキンタマを食べに来たのだ。こんなところで負けるわけにはいかない。気を引き締めて、お目当ての珍味をオーダーした。挑戦したのは、豚のおっぱい・鹿のタン・熊の味噌焼き・山羊のキンタマ、の4品。 ■『いや~ん 豚オッパイ炒め』(480円) niku_5.jpg  オーナーの宮下慧さん曰く「リピーターがかなり多い」とのこと。一口かじってみると、やや豚の臭みはあるものの、歯ごたえコリコリでタンのような食感。噛むと、口いっぱいに脂の旨みがとろけて、うまい。うおォン!  ちなみに、こんなに安いのは、豚には一頭あたり12~14個もおっぱいがついていて、入手しやすいからだという。 ■『エゾ鹿の舌 塩焼き』(720円) niku_6.jpg  豚のおっぱいよりもやや硬く、少し獣臭さがあり、好き嫌いが分かれる味。鹿は部位によって味が大きく異なり、「鹿のレバーは、ペーストにしてみたり、味噌で焼いてみたりと工夫したけど、どうしても臭みが抜けず、定番メニューにするのはあきらめました」(宮下さん)と、調理に苦労しているそうだ。 ■『野趣あふれる熊の味噌焼き』(980円) niku_7.jpg  「熊はものすごくクセのあるお肉です」(宮下さん)と聞いておそるおそる口にしたのだが、味噌の染み込んだ肉の味がじゅわっと広がり、これまたうまい! うおォンうおォン! 肉を柔らかくするため、味噌とみりんに漬け込んで柔らかく調理されている。ラム肉に近いが、ラムよりも万人受けする味かもしれない。  だが、冬眠前が一番おいしく、冬眠明けは脂がのってなくて淡泊と個体差があるようだ。 ■『まさに珍味な山羊の金玉』(950円) niku_8.jpg  4品の中で、最も口にするのに勇気を要する一品である。なにしろキンタマ。しかも、なんの調理もなされていないお刺身として出てきてしまった。味噌や塩で味付けされているわけでもない、まっさらなキンタマ……。これはキンタマだと思うから食べづらいのだ。目をつぶって、キンタマであることは忘れて――と心の中でぶつくさ言いつつ、一枚口に含んでみると……とろとろっと舌の上で溶けたミルキーなその味は白子そのもの。すごいぞ、キンタマ。もちろん精力増進の効果があるとのこと。  今回食べた4品は、当初想像していた以上にどれも食べやすかった。特に、豚のおっぱいに至ってはゲテモノ感ゼロ。おっぱいのくせに。ゲテモノとしてのプライドを問いただしたいくらいである。  ところで、おっぱい、鹿、熊、キンタマ、と立て続けに食べると、最後のほうは胸焼けと同時に、なんだかやけに体全体が熱を帯びて発汗したのをここに記しておく。これはつまり、アレがアレでアレしたということで、皆さまにおかれましては、“そういう用途”で使うのも頭に入れておかれますよう。 ●ドキドキ度 ★★★★★ いろいろな意味でドキドキする店である。食べ過ぎるとドキドキと発汗し、お店のチャレンジ精神にもドキドキさせられる。まず、食材を仕入れるルートは、「“ゲテモノ”でGoogle検索をして調べています」(宮下さん)。そんなんでいいのか。さらには、「以前、虫料理も出そうとしたのですが、調理場がものすごく臭くなっちゃって……虫なんて食べるもんじゃないですね(苦笑)」と言い出す始末。虫料理は、こういったイベント(※記事参照)で十分である。 (取材・文・撮影=朝井麻由美) ●『米とサーカス』 <http://kometocircus.com/> 新宿区高田馬場2-19-8。JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線 高田馬場駅より徒歩1分。営業時間は月~土17:00~7:00、日17:00~24:00。ちなみに、常に期間限定の新作メニューの研究を重ねていて、現在はウーパールーパー料理を開発中だそう。 【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.15】ご当地検定だと思ったら大間違い!? 意外とガチな「甲賀流忍者検定」 【vol.14】まるでUFOキャッチャー!? ゲーム感覚で楽しめる‟釣り居酒屋” 【vol.13】工場長のテンションにも注目!? おもしろ消しゴム工場見学! 【vol.12】“新秋葉電気鉄道”出発進行! 鉄ヲタ大満足の鉄道居酒屋 【vol.11】ドレスコードはバンドT! ROCKにキメる『ジャケ弁講座』に潜入 【vol.10】かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

ご当地検定だと思ったら大間違い!? 意外とガチな「甲賀流忍者検定」

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検定用の忍者コスプレはレンタルでも自前でも可。
筆者は無駄に気合いを入れて、専門店で2万5,000円
の衣装を購入(自腹)
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  履歴書の“資格等”の欄に、普通自動車免許以外のことを書けるようになりたい。それも、漢検や英検のような平凡な資格じゃダメだ。もっと突拍子もない検定でなければ。そんな折、5年前から滋賀県で行われている「甲賀流忍者検定」に受かれば忍者を名乗れる、との話を聞きつけた。これはいい。ご当地検定のようだし、観光ついでにヒョイッと受けて誰でも受かるようなものでしょう! と軽いノリで申し込んでみたのだが――。  こんな調子で、忍者検定をすっかり甘く見ていた私が検定用のテキストを開いたのは、検定の10日前。過去問を見た瞬間、絶句した……。  例えば、このような問題が出題されている。 「忍者が窮地から脱出するのに、逃げながら撒くのは“菱撒き退きの術”。撒き菱には、鉄ビシ、木ビシ、竹ビシ、天然ビシがある。では、天然ビシはどこで採れるか?」 →答え:池  ……どうやら、ヒョイッと簡単には忍者になれないようである。勉強がまるで間に合わず、当日、絶望的な気持ちになりながら現地へ向かった。  ちなみに、筆者が申し込んだ初級の試験は、50問の筆記試験(100点満点)に、コスプレ加点(5点満点)と手裏剣投げ加点(5点満点)がある。合格ラインは60点で、例えばもし、筆記試験が55点でも、コスプレで5点の加点を獲得したら合格になるという仕組みだ。筆記が異様に難しいのに、コスプレすれば許される――忍者検定、真面目なのかふざけてるのか……。  そして当日。検定の受付を午前9時台に済ませ、10時15分には試験開始となる。この空き時間に少しでも知識を叩き込もうと思っていたのに……そうは問屋が卸さなかった。会場は忍者コスプレだらけ。これからあの無駄に難しい試験を受けるとは思えないほど、おちゃらけた空気が蔓延していた。
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右も左も忍者だらけ。会場には、
なぜか信号みたいな色の忍者トリオもいた。
 こうなると当然の流れとして、お互いの撮影会である。忍者コスプレをしていれば、初対面だろうが年の差があろうが皆友達。撮ってください、撮らせてくださいの繰り返しでとてもじゃないけど、勉強の追い込みをするような雰囲気ではない。 「過去問、難しかったですよね? 勉強しました?」 「いやー、全然勉強できてないんですよー。たぶん落ちますね(笑)」 という会話が、ところどころで繰り広げられていた。いわゆる、試験前お約束の会話である。お前ら、その言葉信じるからな! 私は本当に勉強してないぞ! (だいたい、こういうときって、本当に勉強してない人のほうが少数派なのだよな……)  ちなみに、タイムテーブルは以下のようになっている。 10:15~10:45 筆記試験(この間にコスプレの採点もされる) 10:45~12:30 実技試験(手裏剣投げ)& 昼食 12:30~13:00 受験生有志による忍者パフォーマンスタイム 13:15~15:15 プロの忍者による講演&演武 15:15~    成績発表・表彰  10時15分、検定が始まった。筆記の制限時間は30分。筆記中に、審査員がコスプレの採点をしてまわるため、それなりにしゃんとした姿勢で試験に臨む。
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机の端には持参した手裏剣のオモチャを置いてみた。
小道具もしっかり揃えてきましたヨ、
という審査員への小さなアピールである。
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真剣に問題を解く忍者がズラリと並ぶ会場の光景は、少し異様。
 筆記試験が終わると、次は手裏剣投げの実技だ。筆記試験のハイレベル具合は先に述べた通りだが、手裏剣投げとて、今の時代の一般家庭では練習のしようがない。強いていえばダーツに近いものの、実技試験で使う手裏剣は鉄製でダーツよりもはるかに重く、感覚がまるで違う。ほかの受験生の手裏剣投げを見ていても、成功者はかなり少ないようだった。しかし、試験での得点が絶望的なだけに、ここでなんとしても加点がほしいところ――。
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試験官は当然投げ方を教えてくれないので、適当に投げるしかない。トリャー!
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あ、あれ!? 当たったー!! しかも一番高得点のところに!
 全部で三回投げるところ、一投目、二投目は的に届きすらしなかったが、三投目でまぐれの大当たり。  まさかの手裏剣が当たったことで、少し欲が出てきてしまった。実技試験に入るまでは、筆記の手ごたえがほぼ絶望的なだけに合格をあきらめていたのだが、手裏剣の加点が入ったため、まだあがけばなんとかなるかもしれない、と。そのとき、「午後からの“忍者パフォーマンス”に出れば、点数が加点される」とのウワサが流れてきた。パフォーマンスは、ダンス、歌、劇ほか、出し物であればなんでもOK。本来は、受験申し込みの段階で、パフォーマンス出演も申し込みをするのだが、どうやら飛び入り参加も可能らしい。  そこで、「なんとしても加点がほしい!」との思いと、手裏剣が当たって気が大きくなっていたのか、試験開始前に忍者コスプレの撮影会をしたメンバーを集め、9人で即興の忍者寸劇をすることになった。
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何しろ急ごしらえなので、忍者の武器も、
そこらへんにあった傘を使用。
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傘を開いて悪役を攻撃!
 悪者が現れ、ピンチに見舞われ、最後にはヒーロー忍者が助けに来る、といったストーリーとしてはベタもベタだったのだが、傘を武器に使うなどのチープさがウケたのか、なんと我々のチームは優勝してしまった。
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優勝賞品はビールケース。
 しかし。ここにきて、忍者パフォーマンスに関しては、優勝しても特に試験の加点にはならないことが発覚。なぜならば、忍者パフォーマンスタイムは、試験の採点の時間稼ぎのために設けられている単なるお遊びなのだそう。ああ、合格が遠のいてしまった。  そしていよいよ、結果発表の時間がやってきた。予想では、ギリギリ合格か、あと数点で惜しくも不合格か、のきわどいラインにいるはず。もしかしたら、もしかすると、とわずかな希望を胸に、合格者の名前が続々と映し出されるスクリーンを眺めていたのだが……結局、合格ラインには8点足りず、落第忍者になってしまった。今回は例年よりも合格率が高かったようで、初級は受験者98名中55名が合格したとのこと。不合格のほうが少ないだなんて! ちなみに、一緒に忍者パフォーマンスに出た9人のメンバーのうち、合格したのはたった2名だけというありさまだった。わざわざ滋賀県まで時間とお金をかけて行って、得られたものがビールケースだけって、一体何しに行ったんだろう……。  ただ、忍者コスプレの撮り合いっこや、「勉強した?」「全然ー」の“学生時代プレイ”も楽しめるため、友人と旅行を兼ねて参加するにはうってつけ。中学・高校時代と比べて記憶力が甚だしく落ちていることを心から実感するおまけ付きですけれども。 ●学生プレイ度 ★★★★★ 試験は午前開始のため、前日入りするか、夜行バスで行くかのどちらか。昨年の上位合格者の中には、忍者が好きすぎるあまり、単に腕試しとして再受験する検定リピーターになっている人も何人かいた。ちなみに、今回見事5位で合格した受験者の猪瀬隆さんによると、「市販の忍者本を読むよりも、甲賀市観光協会から過去問を数年分取り寄せて問題の傾向を掴んで、いかにも出題されそうなところを予想してネットで忍者について調べておくのが最も効率のいい試験対策」だそう。受験生さながらである。 (取材・文=朝井麻由美) ●『甲賀市観光協会』 < http://www.koka-kanko.org/ > 忍者検定を主催する甲賀市観光協会のHP。毎年6月に行われ、4月下旬頃から申し込みが始まる。受験料は1,000円。
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ちなみに、これが検定合格者に進呈される忍者認定の巻物。
いいなぁ……。
【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.14】まるでUFOキャッチャー!? ゲーム感覚で楽しめる‟釣り居酒屋” 【vol.13】工場長のテンションにも注目!? おもしろ消しゴム工場見学! 【vol.12】“新秋葉電気鉄道”出発進行! 鉄ヲタ大満足の鉄道居酒屋 【vol.11】ドレスコードはバンドT! ROCKにキメる『ジャケ弁講座』に潜入 【vol.10】かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

まるでUFOキャッチャー!? ゲーム感覚で楽しめる‟釣り居酒屋”

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なんとこの店、ワシントンホテルの1階に入っている。
日本一アーバンな釣り堀だろう(たぶん)。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  やってみたいと思いつつも、手つかずになっているレジャーが、“釣り”だ。『糸井重里のバス釣りNo.1』や『牧場物語』シリーズ、『ぼくのなつやすみ』に『どうぶつの森』、『モンスターハンター』、思えばずいぶんたくさんのゲームでせっせと釣りをしてきた。だが、実際の釣りとなると、いかんせん朝が早い。言い換えれば、その程度の理由であきらめられるくらいにしか、釣りへの情熱がないということなのだが。ともかく、早起きしなくてもいい釣りじゃなきゃイヤだイヤだ、とワガママを言っていたら――あった。早起きどころか、電車でサクッと行けて、しかもその場で釣りたての魚を食べられる至れり尽くせりスポット、『釣船茶屋ざうお』だ。今回行ってきたのは、新宿店。この店の目玉は鯛で、ほかにアジやヒラメ、カサゴ、サザエやオマール海老、伊勢海老などが釣れるそう。庶民にとっての夢の食べ物・伊勢海老が、新宿でさらっと釣れちゃっていいの?  お店に着いてさっそく釣り道具を借り、魚の密集していそうなところに釣り糸を垂らすのだが、
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餌はオキアミ。
 ……釣れない。
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 「全然釣れないですねぇ」と横にいた店長の鄭虹志さんにボヤいたら、「まだ2分しかたってないですよ! そんなに早く釣れるわけないよ(笑)」と一蹴されてしまった。ゲームだとせいぜい5秒くらいで釣れたのに、おかしいな……。  ピクリとも動かない釣り竿をボーっと眺めていたら、魚にしては大きい生き物が近くを横切った。
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商売道具の魚を食い散らかすペット。
 なんとこれ、この店のペットのサメらしい。しかも1匹だけではなく、よく見たら生け簀のあちこちで何匹ものサメが悠々と泳いでいた。当然、ほかの魚を食べてしまうようで、 「夜中に食べてるのか、朝来たらアジの頭だけが生け簀に浮かんでることもありましたね。たまに伊勢海老が狙われることもあるんですよ。でも、面白いから飼い続けてます」(店長)  という。大事な商売道具の魚が食いちぎられてしまっても、めげずにサメを飼うって。そんなんでいいのか。
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海のギャング・ウツボも同様にペット。
 待つこと20分。ちっとも釣れないので場所を変えるも、やはり釣れない。私の何が悪いのだろう。海や川にいる野生の魚よりも食いつきはいいはずが、釣り竿は無情にもだんまりを決め込んでいる。結構な数の魚がウヨウヨと泳いでいるのに、どいつもこいつも餌に見向きもしない……チッ。あまりに釣れない筆者を見かねた店長さんは、餌をオキアミからサーモンに変えてくれた。すると、
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お……!?
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鯛が釣れたーーーーー!!!!
 釣れたらすかさず、店員さんが調理スペースへ持って行き、活き造りを作ってくれる。ちなみに活き造りは、釣り代と調理費込みで2,380円。そのほかの料理は、調理法によっては釣り代2,380円(魚によって異なる)に数百円加算されるという仕組みになっている。
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飲食スペースは船の形。
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この店で釣れるのは、「紀州 梅まだい」という
種類。言うまでもないが、ピチピチでおいしい。
釣らずに活き造りだけを注文する場合は3,200円。
釣ったほうがお得。
 そして、せっかくなので伊勢海老釣りにも挑戦してみたのだが……これまた釣れない。
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 伊勢海老やオマール海老、貝類などを釣る場合は、餌はつけず、体に針を引っかけて釣る。が、針が水の中でふよふよと動き、思うように海老の体に引っかかってくれないのだ。海老のあれだけゴツゴツした体なら、どこかしらに引っかかりそうなものなのに、狙えば狙うほど釣れない。もはや手づかみした方が早いわ! とジリジリしていたら、「欲のない子どもたちは、伊勢海老をひょいひょい釣っていきますね。価値をわかっていない分、余計な力が入らないのかも」と店長さん。鯛たちにはことごとくフラれ、伊勢海老を狙って自分の欲深さを再認識させられ、なんだか自分という人間について考えさせられてしまった。魚にも選ぶ権利がある、そういうことだろうか。これ以上魚と己について思いをめぐらせても暗い気持ちになるだけなので、このへんにしておく。  海でも川でも新宿でも、釣りは人を哲学的にさせる。 ●ゲーム度 ★★★★★ ゴツゴツしたその体で釣れそうな誘惑をまき散らし、いざ釣ろうとすると、釣れそうで釣れない伊勢海老。この感覚は、UFOキャッチャーのそれと似ている。また、安いアジを釣りたかったのに(アジは釣り代+調理費680円~)、釣れたのは高い鯛だった! という、狙い通りに取れないところもまるでUFOキャッチャーのよう。子どもは価値も分からずに伊勢海老をひょいひょい釣るらしいが、その親のお財布事情がやや気になるところである。 (取材・文=朝井麻由美 撮影=田所英一郎) ●『釣船茶屋ざうお』 < http://www.zauo.com/contents/zauo_top.html > 新宿店:新宿区西新宿3-2-9 新宿ワシントンホテル1F 電話:03-3343-6622 営業時間は、平日は11:30~14:00/17:00~23:00、土日祝は11:30~23:00 首都圏の他には、大阪、愛知、三重、福岡でチェーン展開。毎月第一木曜日の夜はマグロの解体ショーを見ることもできる。釣った魚を使ってお寿司作りを教われる「寿司職人体験教室」も随時開催中。 【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.13】工場長のテンションにも注目!? おもしろ消しゴム工場見学! 【vol.12】“新秋葉電気鉄道”出発進行! 鉄ヲタ大満足の鉄道居酒屋 【vol.11】ドレスコードはバンドT! ROCKにキメる『ジャケ弁講座』に潜入 【vol.10】かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

まるでUFOキャッチャー!? ゲーム感覚で楽しめる‟釣り居酒屋”

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なんとこの店、ワシントンホテルの1階に入っている。
日本一アーバンな釣り堀だろう(たぶん)。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  やってみたいと思いつつも、手つかずになっているレジャーが、“釣り”だ。『糸井重里のバス釣りNo.1』や『牧場物語』シリーズ、『ぼくのなつやすみ』に『どうぶつの森』、『モンスターハンター』、思えばずいぶんたくさんのゲームでせっせと釣りをしてきた。だが、実際の釣りとなると、いかんせん朝が早い。言い換えれば、その程度の理由であきらめられるくらいにしか、釣りへの情熱がないということなのだが。ともかく、早起きしなくてもいい釣りじゃなきゃイヤだイヤだ、とワガママを言っていたら――あった。早起きどころか、電車でサクッと行けて、しかもその場で釣りたての魚を食べられる至れり尽くせりスポット、『釣船茶屋ざうお』だ。今回行ってきたのは、新宿店。この店の目玉は鯛で、ほかにアジやヒラメ、カサゴ、サザエやオマール海老、伊勢海老などが釣れるそう。庶民にとっての夢の食べ物・伊勢海老が、新宿でさらっと釣れちゃっていいの?  お店に着いてさっそく釣り道具を借り、魚の密集していそうなところに釣り糸を垂らすのだが、
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餌はオキアミ。
 ……釣れない。
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 「全然釣れないですねぇ」と横にいた店長の鄭虹志さんにボヤいたら、「まだ2分しかたってないですよ! そんなに早く釣れるわけないよ(笑)」と一蹴されてしまった。ゲームだとせいぜい5秒くらいで釣れたのに、おかしいな……。  ピクリとも動かない釣り竿をボーっと眺めていたら、魚にしては大きい生き物が近くを横切った。
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商売道具の魚を食い散らかすペット。
 なんとこれ、この店のペットのサメらしい。しかも1匹だけではなく、よく見たら生け簀のあちこちで何匹ものサメが悠々と泳いでいた。当然、ほかの魚を食べてしまうようで、 「夜中に食べてるのか、朝来たらアジの頭だけが生け簀に浮かんでることもありましたね。たまに伊勢海老が狙われることもあるんですよ。でも、面白いから飼い続けてます」(店長)  という。大事な商売道具の魚が食いちぎられてしまっても、めげずにサメを飼うって。そんなんでいいのか。
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海のギャング・ウツボも同様にペット。
 待つこと20分。ちっとも釣れないので場所を変えるも、やはり釣れない。私の何が悪いのだろう。海や川にいる野生の魚よりも食いつきはいいはずが、釣り竿は無情にもだんまりを決め込んでいる。結構な数の魚がウヨウヨと泳いでいるのに、どいつもこいつも餌に見向きもしない……チッ。あまりに釣れない筆者を見かねた店長さんは、餌をオキアミからサーモンに変えてくれた。すると、
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お……!?
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鯛が釣れたーーーーー!!!!
 釣れたらすかさず、店員さんが調理スペースへ持って行き、活き造りを作ってくれる。ちなみに活き造りは、釣り代と調理費込みで2,380円。そのほかの料理は、調理法によっては釣り代2,380円(魚によって異なる)に数百円加算されるという仕組みになっている。
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飲食スペースは船の形。
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この店で釣れるのは、「紀州 梅まだい」という
種類。言うまでもないが、ピチピチでおいしい。
釣らずに活き造りだけを注文する場合は3,200円。
釣ったほうがお得。
 そして、せっかくなので伊勢海老釣りにも挑戦してみたのだが……これまた釣れない。
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 伊勢海老やオマール海老、貝類などを釣る場合は、餌はつけず、体に針を引っかけて釣る。が、針が水の中でふよふよと動き、思うように海老の体に引っかかってくれないのだ。海老のあれだけゴツゴツした体なら、どこかしらに引っかかりそうなものなのに、狙えば狙うほど釣れない。もはや手づかみした方が早いわ! とジリジリしていたら、「欲のない子どもたちは、伊勢海老をひょいひょい釣っていきますね。価値をわかっていない分、余計な力が入らないのかも」と店長さん。鯛たちにはことごとくフラれ、伊勢海老を狙って自分の欲深さを再認識させられ、なんだか自分という人間について考えさせられてしまった。魚にも選ぶ権利がある、そういうことだろうか。これ以上魚と己について思いをめぐらせても暗い気持ちになるだけなので、このへんにしておく。  海でも川でも新宿でも、釣りは人を哲学的にさせる。 ●ゲーム度 ★★★★★ ゴツゴツしたその体で釣れそうな誘惑をまき散らし、いざ釣ろうとすると、釣れそうで釣れない伊勢海老。この感覚は、UFOキャッチャーのそれと似ている。また、安いアジを釣りたかったのに(アジは釣り代+調理費680円~)、釣れたのは高い鯛だった! という、狙い通りに取れないところもまるでUFOキャッチャーのよう。子どもは価値も分からずに伊勢海老をひょいひょい釣るらしいが、その親のお財布事情がやや気になるところである。 (取材・文=朝井麻由美 撮影=田所英一郎) ●『釣船茶屋ざうお』 < http://www.zauo.com/contents/zauo_top.html > 新宿店:新宿区西新宿3-2-9 新宿ワシントンホテル1F 電話:03-3343-6622 営業時間は、平日は11:30~14:00/17:00~23:00、土日祝は11:30~23:00 首都圏の他には、大阪、愛知、三重、福岡でチェーン展開。毎月第一木曜日の夜はマグロの解体ショーを見ることもできる。釣った魚を使ってお寿司作りを教われる「寿司職人体験教室」も随時開催中。 【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.13】工場長のテンションにも注目!? おもしろ消しゴム工場見学! 【vol.12】“新秋葉電気鉄道”出発進行! 鉄ヲタ大満足の鉄道居酒屋 【vol.11】ドレスコードはバンドT! ROCKにキメる『ジャケ弁講座』に潜入 【vol.10】かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

工場長のテンションにも注目!? おもしろ消しゴム工場見学!

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見学後、消しゴムオタクの筆者は、コレクション用に200個以上購入。
ちなみに、パロディー消しゴムは大人の事情によりデザイン変更が
しばしばあるとか。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  このところ、メーカー直営モノが盛り上がりを見せている。昨年秋は「カップヌードルミュージアム」(日清食品)のオープン、今月は東京駅の「東京おかしランド」やお台場「ダイバーシティ」にて、森永、カルビー、グリコなどのアンテナショップが登場した。また、昨夏からスタートした「ガリガリ君工場見学」(赤城乳業)は、あっという間に予約が埋まる大盛況だったという(何しろ、当連載で取材を申し込んだところ、対応に手が回らないとお断りされてしまったのだ)。ちなみに、レシピ本界隈では、『おかめちゃんの栄養たっぷり納豆レシピ』(ワニブックス)や『永谷園のお茶づけ海苔でおもてなし』(ぶんか社)などのメーカー監修本が年明け以来、あちらこちらから発売されている。  これはもう、間違いなくメーカー直営戦国時代の幕開けである。そこで今回は、「おもしろ消しゴム工場見学」(イワコー)へ行ってきた。“おもしろ消しゴム”とは、野菜やお寿司、スナック菓子パロディーなど、身近なアイテムをかたどった消しゴムのこと。文房具屋や雑貨店で見かけるこの消しゴム、日本では株式会社イワコーが9割以上のシェアを占めているのだ。ちなみに、私は狂おしいほどこの手の消しゴムが好きで、小学生の頃から集めている。もはや、おもしろ消しゴムは人生の教科書。株式会社イワコーに育てられたようなものだ。愛するおもしろ消しゴムのサンクチュアリ(工場)を見学できるだなんて、ああ、生きててよかった……!  埼玉県の八潮駅から徒歩15分ほどのイワコー工場へ着くと、工場長の案内に従って見学していく。この日は親子連れが15組ほど参加。このパターンが最も多い客層で、ほかには、学校関係者、観光客、機械系の企業の関係者が勉強しに来ることもあるそうだ。おもしろ消しゴムはパーツを分解できたり、動かしたりできるのだが、工場長はいくつか消しゴムを見せながらパフォーマンスを始めた。
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工場長「僕の後ろにある機械から、おもしろ消しゴムができ上がります。
これは歯磨き消しゴム。お父さんとお母さんにはね、
昔こんな時代があったんだよ」
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工場長「これはチョコのソフトクリームでーす。
コーンとアイスの部分をバラバラにすると、
ウ○コ……じゃないですよ~。ウ○コの消しゴムを
こうやってソフトクリームの上にのせちゃいけませんよ」
 チョコソフトクリームとウ○コ消しゴムをうれしそうに見せびらかす工場長を見て、小学生の見学者たちは大はしゃぎ。いつの時代も、子どもはウ○コが大好きだ。江戸時代も奈良時代も、もしかしたら原始時代すら、同じことが繰り返されてきたのかもしれない。  そして工場長は、「さて、今お見せした消しゴムがどうやってできてるかというと……」と言いながら、着色用の顔料と、白い消しゴムを触らせてくれた。
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上のオレンジ色の袋が顔料、ボウルに入っているのが白い消しゴム。
顔料と白い消しゴムを混ぜて機械に入れると、
ニュルニュルっと色付き消しゴムが登場。
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これも触らせてくれるが、このままだと相当熱いので……
風を当てて冷やす。湯気が出るほど熱い。
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フワフワでよく伸びる。
 このフワフワの色付き消しゴムを金型に流し込んでいくのだが、金型を本物そっくりのデザインにするために、細部まで研究を重ねているのだそう。あるときは、パフェ消しゴムを作るにあたって、担当の男性がひたすらパフェを食べ歩いて激太り。またあるときは、パトカー消しゴムを作ろうと、停車中のパトカーを撮影していたらお巡りさんに注意され、職務質問を受けたこともあるという。
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これはたいやき消しゴムの金型。
 工場内での説明が終わると、最後に消しゴムのパーツ組み立てを体験させてもらって、見学プログラムは終了となる。組み立ても子どもだましと思うなかれ。ノーヒントで行うと、案外失敗してしまう。
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パンダ消しゴムを組み立ててみた。工場では内職さんが1日に
ひとり1,000個も手作業で組み立てているのだそう。
 工場で大量の愉快な消しゴムを拝める喜びはさることながら、消しゴム工場の案内役にしておくにはもったいないほどの、工場長のテンションの高い消しゴムトークも見どころのひとつだった。ただし、ハイテンションパフォーマンスは参加者に小学生がいるとき限定だそうなので、はしゃぐ工場長を見られるかは運次第だ。
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おまけ。消しゴム製作で余ったパーツを頭にのせて、
「タケコプター!」とふざける工場長。
●ディ○ニーラン度 ★★★★★ ディ○ニーさん! キャスト候補がこんなところにいましたよ! (取材・文=朝井麻由美) ●『株式会社イワコー おもしろ消しゴム工場見学会』 < http://www.iwako.com/eraser/factory.html > 埼玉県八潮市大瀬184(つくばエクスプレス 八潮駅より徒歩約15分) 工場見学は完全予約制。048-998-5502まで。 【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.12】“新秋葉電気鉄道”出発進行! 鉄ヲタ大満足の鉄道居酒屋 【vol.11】ドレスコードはバンドT! ROCKにキメる『ジャケ弁講座』に潜入 【vol.10】かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた

“新秋葉電気鉄道”出発進行! 鉄ヲタ大満足の鉄道居酒屋

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乗務員さん「いらっしゃいませ。ご乗車ありがとうございます」。
ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。  先日、“新秋葉電気鉄道”に乗車してきた。“新秋葉電気鉄道”は、“新秋葉駅”から出発する鉄道……ということになっている。まずは、乗車の様子を写真でご覧いただきたい。  ここは、秋葉原にある鉄道をコンセプトにした居酒屋で、架空の駅・新秋葉から出発する“新秋葉電気鉄道”という設定になっている。鉄道好きの間では比較的有名なこの店は、右も左もコンセプト店だらけの秋葉原において、群を抜く本物志向ぶり。何しろ、“鉄道っぽい”設備やグッズではなく、廃車になった車両で使われていた本物の椅子やつり革が設置されているのだ。  入店……ではなく“乗車”したら、まずはオリジナルの切符をパチン。
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ここではSuica等は使えません。
 そして、本物の電車の椅子が設置されているテーブル席に案内された。テーブル席というより、ボックス席という方が正しいだろうか。
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 つり革付きの席もある。店内では、つかまる必要がある局面はないかもしれないが。
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お客さんからの提供もあり、オープン以来増え続けている
古い鉄道グッズのコーナー。
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電車といえば忘れちゃいけない定番、鉄道ジオラマももちろん完備。
 電車設備にキャッキャとはしゃいでいたら、「こちらが車内販売のメニューとなっております」と乗務員さんがやってきた。渡されたメニュー表を見てビックリ! 見事な路線図になっていた。そこかしこに電車演出を織り交ぜてくるこの店、油断も隙もない……!
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中央線っぽい箇所に“揚げ物線”、とジャンルごとに
路線で分けられている。丸で囲まれた数字は値段。
 ちなみにお酒のメニューも、山手線(ミドリモーニ)、京浜東北線(チャイナブルー)、中央線(ファジーネーブル)など鉄道にちなんでおり、ときどき“ダイヤ改正(メニュー改正)”を行っている。この際に、お客さんからの要望を反映して新路線を入れることもあり、過去にはなんと某鉄道会社の社員からじきじきに、うちもメニューに入れてほしいと要望があったのだとか。  なんだか店内の設備とメニューを見ているだけで、興奮でお腹いっぱいになりかけていたが、ここは一応秋葉原の萌え店。乗務員さんとのプレイ要素も堪能しておきたい。そこで、看板メニューだという、揚げ物てんこもりの『NAERプレート』(980円)を頼んでみた。上記メニュー表でピンクの丸印がついているものは、乗務員さんがひと手間加えてくれるそう。
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ひと手間加えてくれたのは乗務員せぇらさん。
好きな路線は丸ノ内線。
 『NAERプレート』は、乗務員さんが席で「出発進行!」と言いながらソースをかけてくれ、自分のちょうどよいときに「停車」と言うと止めてくれる。本物の電車と違って、停車位置の調整はできないため、タイミングを逃さないように。  ちなみに、『NAERプレート』が席に運ばれてくるのを待っているときには、「ただいま、揚げ物線が混雑しており、数分の遅れをもって運行しております」と遅延アナウンスが入った。つくづくこの店、抜かりない……。隙あらば鉄道らしさを盛り込んでくる。  最後に、この店で一番の萌えメニュー『駅員さんのおにぎり』(380円)を握ってもらった。
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握ってくれた乗務員のちはさん。好きな路線は山手線。
 そうこうしていたら、ラストオーダーの時間になり、乗務員室からアナウンスが流れてきた。 「当列車は23時のお時間をもちまして終着となります。どなた様もお忘れ物のなきよう、下車の準備をお願いいたします。本日も、新秋葉電気鉄道LittleTGVにご乗車いただきまして、誠にありがとうございます。またのご乗車を乗務員一同、心よりお待ちしております」  こんな通勤電車なら、毎日終電帰りでもいいよ! ●鉄分 ★★★★★  写真で紹介したもの以外にも、あちこちに路線図や昔の電車の写真が貼られ、お店の隅には『鉄子の旅』などの鉄道漫画や、時刻表も各種取り揃えてあった。鉄道から連想できるものはすべて詰め込みましたと言わんばかりの完璧ぶりで、なんというか、隙がない。  ところで、コスプレするのが好きな筆者。乗務員衣装のあまりの可愛さにものほしげに見ていたら、特別に着せていただけた! こ、ここで働かせて下さい……!
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好きな路線は井の頭線です。
(取材・文=朝井麻由美) ●『鉄道居酒屋 LittleTGV』 < http://littletgv.com/ > 千代田区外神田3-10-5イサミヤ第3ビル4F。 JR秋葉原駅より徒歩約5分。 営業時間は月~金18:00~23:00、土・日・祝12:00~23:00 乗務員さんたちは、各地で開催されている鉄道イベントに出演することも。
「鉄道むすめ」キャラクターソング Vol.1 栗橋みなみ しゅっぱ~つ! amazon_associate_logo.jpg
【散歩師・朝井がゆく!】バックナンバー 【vol.11】ドレスコードはバンドT! ROCKにキメる『ジャケ弁講座』に潜入 【vol.10】かわいいメイドさんの正体はガンマニア!? シューティングメイドカフェ 【vol.9】ドヤ顔からてへぺろまで!? 自分にそっくりな石像が見つかる「五百羅漢」 【vol.8】ドラクエ好き女子ライターが教える、ドラゴンクエスト展のマニアな楽しみ方 【vol.7】麺の気持ちになれるアトラクションまで!? 「カップヌードルミュージアム」が楽し過ぎる! 【vol.6】「舌の上でプチプチと......」知られざる珍味"蝉フルコース"にチャレンジ 【vol.5】お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談 【vol.4】"ライター"のプライドを懸けて「売り込みナイト」にガチで挑戦! 【vol.3】なんとも言えない高揚感に体が火照る!? 話題のアニソンバーで熱唱! 【vol.2】ベタなトルコをお気軽エンジョイ! 「東京ジャーミイ&トルコ文化センター」 【vol.1】サブカルイベントゆえのゆるさ!? 『ART MAP in 阿佐ヶ谷』を歩いてみた