フジテレビ系のニュースバラエティ番組『ワイドナショー』でのダウンタウン・松本人志の発言に、ジャーナリストの江川紹子氏が異論を唱えた。 3日放送の同番組では、覚せい剤取締法違反などの疑いで逮捕された元俳優の高知東生容疑者の話題を取り上げ、コメンテーターの松本は、会見を開いた妻・高島礼子を「偉かったと思う」と賞賛。高島に「これ(夫の逮捕)を利用するくらい、僕は頑張ってほしい」とエールを送った。 また同時に、「それに比べて、酒井法子ですよ!」と息巻いた松本。先月28日、酒井が登場した化粧品PRイベントで、高知容疑者に関する質問が出た途端、囲み取材が強制終了となったことを引き合いに出し、「さっきまで『マンモスうれピー』言うてたくせに、急にスーンとなって、何も言わないって。いやいや、あなたが言うべきでしょ。言う義務あるでしょ」「急にそれ言われて、冷凍マンモスみたいになりやがって」「囲み取材をこの時期にやるってことは、(マスコミは)聞きますよ。やめればいいんですよ」などと、いつになく興奮気味で語り、酒井の覚せい剤に関するコメントは「説得力もあるんですよ!」と力説した。 これに、共演者の東野幸治や、大宮エリーも同調。松本が「あの人(酒井)がノーコメントでも、(イメージは)払拭されないよ」と断言すると、大宮も「(覚せい剤を)やって、復帰できてるってことは、そのためにやることってあるじゃないですか。『絶対あかんよ』って話を(するべき)」と続けた。 しかし、松本の主張に対し、Twitterで20万人以上のフォロワーを擁する江川氏は、「義務なんかないよ!会見主催した化粧品会社だって、自分たちのロゴの前でそんな話題を語ってもらいたくないだろうし」とツイート。さらに、「彼女が、社会に対して、何らかの義務を負っているとすれば、それは2度と覚せい剤やその他の薬物に手を出さないことです。そうすれば、同じ過ちをおかしてしまった人やその周囲の人たちに、初犯で、社会の中で止め続けることができるという希望をもたらすことにもなります」と持論を展開した。 だが、この江川氏の反論に違和感を覚えた人は多いようで、たちまち炎上。ネット上では、「初犯? 関係あるか!」「松ちゃんは間違ったこと言ってないでしょ。江川さん、完全に間違ってるね」「松本は、囲み取材に出てきたくせに、シャブの話になった途端逃げたから怒ってるんでしょ?」「一般人と芸能人の立場の違いと、影響力を考えての松本の発言だと」と、松本をフォローするようなコメントが目立つ。 なお、酒井は2009年に覚せい剤取締法違反で逮捕され有罪判決を受け、12年から芸能活動を再開。先月、化粧品メーカー「エックスワン」の新商品イメージキャラクターに起用され、マスコミ宛てにはメーカー側から「酒井法子さん完全復活」と銘打たれたレジュメがばら撒かれた。ちなみに、同メーカーは、酒井の起用理由を「さりげなく、奥ゆかしくも、気の利いた、美しい日本の女性を標榜する新シリーズの象徴として、大和撫子の代名詞として中国で人気の高い酒井法子さんをイメージキャラクターに起用します」としている。 「酒井の今回の起用について、ネット上では『芸能界は、薬物犯罪に甘い』と批判が殺到したばかり。そのため、江川氏の主張に苛立ったネット民も多かった様子。ただ、江川氏は、松本のコメントのごく一部を切り取った某ネットニュースを引用ツイートしており、番組を全く見ていない可能性も。松本の発言のニュアンスが伝わっていないのかも」(芸能ライター) 炎上を全く気にしていないことをアピールしたいのか、5日には「おはよございますにゃん」とかわいらしくツイートしてみせた江川。次回の『ワイドナショー』では、この騒動をぜひ取り上げてほしい。
「5610」タグアーカイブ
大阪地検FD改ざん事件 震災報道の裏で検察が繰り広げる"茶番劇"

日本中の関心が震災の被災者と原発事故に集まり、大手メディアの報道もが震災一色になっている裏で、とんでもない茶番劇が繰り広げられている。
それは、厚労省元局長の村木厚子さんが逮捕・起訴された郵便不正事件の捜査の主任検事で、押収証拠のフロッピーディスク(FD)を改ざんしたとして証拠隠滅罪で逮捕・起訴された前田恒彦元検事の裁判だ。
大阪地裁で行われている裁判で、前田元検事は起訴事実を認めたため、裁判は2回の公判で結審。検察側は、懲役2年を求刑した。これは証拠隠滅罪の上限。震災の真っただ中で、多くのメディアはこの部分しか報道せず、検察側が厳しい対応をしているような印象を受けている人も少なくないだろう。
ところが、実際に裁判を傍聴していると、検察側は矛盾に満ちた説明をする前田元検事を追及するわけでもなく、実に予定調和的な、もっと率直に言えば、出来レースとしか思えないような対応をしている。
改ざんしたFDは、公的証明書を偽造して自称障害者団体「凛の会」に渡した厚労省元係長の自宅で押収された。そこに保管されていた証明書のデータの最終更新日時は「2004年6月1日午前1時20分6秒」となっていた。この日時は、元係長本人の記憶とも合致している。
一方、検察の筋書きでは、元係長は6月上旬に村木さんの指示を受けてから作成した、ということになっていた。FDによれば、指示の前に文章は出来上がっていたことになる。にもかかわらず、前田元検事は「この証拠があっても、村木さんの関与を否定するものではない」と強弁する。
本来、このFDは事件に直結する重要な証拠で、裁判所に提出するか検察で保管し、弁護人にも開示しなければならないはずのもの。なのに前田元検事は、このFDを元係長に還付することにした。「このFDの証拠価値は高くないと思った」というのがその理由。
ところが、筋書きと矛盾するFDは「嫌らしい証拠」だとも思って手放したくなった、という。還付した後、元係長が後で更新日時などを見るかもしれない、と心配になり、改ざんを思い立った、と説明している。
大したことがない証拠なら、なぜ改ざんまで心配するのか。その点についての彼の説明は実に分かりにくい。
「村木さんの無罪を決定づける証拠ではないが、読みようによっては公判が紛糾することがありうる」
このような説明を、検察はちっとも追及しせず、被告人質問で全く問い正さない。
そして、自分のパソコンに外付けのFDドライブを接続し、ファイル管理ソフトを利用して、最終更新日時を「2004年6月8日午後9時10分56秒」とした。
これなら検察の筋書きに合う。元係長の弁護人がFDをチェックしても、その筋書きのおかしさには気づかない。かなり巧妙な改ざんだ。
しかし、前田元検事はそういう巧妙さは否定。「改変にあたって調書を読み返したわけでもなく、もうザクッとした改変になっています」という。
そんないかにも不自然な説明を、検察はこれまた放置した。
前田元検事は当初、書き換えは意図的な改ざんではなくミスによるもの、と嘘の弁明をしていたが、それは上司の指示だったと主張。改ざんに至る背景としても、上司が強気一点張りで、慎重な意見を述べると激しく怒る人であり、プレッシャーが大きかった、と述べている。そのために、FDの日付を巡る問題などは上司に報告せず、「(日付の問題が)発覚して上司の叱責を受けるのを避けたかった」というのも改ざんの一因だと説明している。
聞いていると、責任の一端を上司に転嫁しようとしているようにも思えてくる。しかし、この点について検察は目をつぶった。
なぜ、このようなことになるのか。
実は、この事件では検察側と被告人側の利害は一致している。FD改ざんはよくなかったが、それ以外の捜査や公判については、問題はないという前田元検事の主張は、事件をFD改ざんに矮小化して組織として行った行為の正当化を図りたい組織としては大いに助かる。さらに、前田元検事のFD改ざんを隠蔽したとして、上司2人が犯人隠避罪で逮捕されたが、2人とも一貫して否認。すでに起訴したこの2人を有罪に持ち込むためには、前田元検事は最も重要な検察側の証人となる。
そんなこんなで、検察側は前田元検事の主張を限りなく尊重してやる結果になる。
しかも、弁護側が請求した証拠の3分の2は、郵便不正事件の調書類。いずれも村木さんが関与しているという筋書きに沿って作られたものだ。村木さんの裁判で、証拠としての信用性がない、と判断されたものまで含まれている。検察は反対せず、裁判所が職権で拒否することもなく、すんなりと採用されてしまった。
おそらく、平時であれば大きく報道され、厳しい批判を受けることになるだろう。しかし今は詳しい裁判報道がないため、このような茶番劇が平然と行われている。
検察の不祥事を検察が糾弾できるはずもなく、最も解明されるべき、捜査や公判の問題点は放置されたままだ。それを、ほとんどの国民が知る術もない。そのことが本当にやりきれない。
(文=江川紹子)

