爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ……夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ

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気弱な童貞くんコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は美女を助け、
脱童貞のチャンス到来。しかし、美女はすでにゾンビ菌に感染していた。
あ~、もったいない......。なんて言ってないで逃げ出せよ!
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 ジョージ・A・ロメロ監督が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68)、『ゾンビ』(78)、『死霊のえじき』(85)のゾンビ三部作を発表して以降、実に数多くのゾンビ映画が世界中で作られてきた。ゾンビが猛ダッシュで追いかけてくるイギリス映画『28日後...』(02)、ゾンビ発生をドキュメンタリータッチで描いたスペイン映画『REC/レック』(07)、米国の金髪セクシーゾンビたちが競演する『ゾンビ・ストリッパー』(08)など、ゾンビ映画は年々増殖を続けている。さて、そもそも"ゾンビ"とは何なのか。『ゾンビ映画大事典』(洋泉社)を読んだところ、1928年に発表されたノンフィクション本『The Magic Island』から"生きる屍=ゾンビ"の概念が広まったらしい。カリブ海の島国ハイチでブードゥー教の信者と1年間生活を共にした著者ウィリアム・シーブルックによると、ハイチでは呪術師が一度死んだ人間をゾンビとして甦らせ、農作業などの重労働に従事させていたとのこと。死んだ後も奴隷のように働かせられるとは、ハイチのゾンビも難儀だなぁ。でも、ゾンビ人間なら今の日本にもうじゃうじゃいるよ。マスコミ業界なんて、上司の命令か人気アンケートの結果でしか動かない、"思考停止状態"の超保守的ゾンビ社員だらけ。保険付きの美味しい企画にだけわらわらと群がる。しかも、ゾンビ社員の無気力さは、次々と感染するから要注意。欧米や日本など閉塞的状況に陥っている国々でゾンビ映画がやたらと作られていることは無関係じゃないと思うよ。  そんなところにドドーンと現われたのが、爽やか系青春ゾンビ映画『ゾンビランド』。気弱な主人公がゾンビランドと化した合衆国で、ゾンビと戦いながら恋と友情にハッスルしちゃうコメディタッチのロードムービーなのだ。ゾンビ映画だけど、爽快で胸キュン。このギャップが気持ちいいな~。全米で09年10月に公開され、興行成績初登場1位を記録したヒット作。ゾンビ映画のコメディというと、イギリスの新鋭エドガー・ライト監督の『ショーン・オブ・ザ・デッド』(04/日本ではビデオリリースのみ)が"ゾンビ愛"に満ちた名作パロディとして誉れが高いけど、本作はパロディというよりはゾンビ映画の世界観を使って、主人公がタフに成長するドラマ性に比重を置いた作品。これがデビュー作となるルーベン・フライシャー監督は製作が決まるまでは『28日後...』ぐらいしかゾンビ映画は観ていなかったらしい。本作はゾンビ映画に詳しくないゾンビ・ビギナーでも充分に楽しめる"開かれたゾンビ映画"ってわけ。  世界唯一の超大国として我が世を謳歌していた合衆国だが、汚染肉で作ったハンバーガーが原因でゾンビウィルスが感染爆発。またたく間に合衆国はゾンビランドに。気弱な青年コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は胃弱で、しかも引きこもり気味だったことから感染を免れていた。人間、何が幸いするか分からない。生物の歴史とは、環境の変化に対応できなかったマジョリティーが滅び、マイノリティーが生き残るという進化の繰り返しの歴史なのだ。マイノリティーばんざ~い! コミュニケーションべた、サイコー! 主人公コロンバスの捻れた青春がこうして始まる。  コロンバスは無人化した町へ出て、これまで感じなかった開放感を味わう。トイレで粘っているとゾンビが襲ってくるので、のんびりウンコしてられないけど、ゾンビの襲撃さえもコロンバスにとっては単調な生活に刺激を与えてくれるスパイス。故郷の両親とはウマが合わなかったけど、とりあえず安否を確かめに行こうと実家に向かう途中、マッチョ野郎タラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会う。平穏な時代なら口を利くこともなかっただろう性格が真逆な2人だが、ゾンビランドを生き延びるために協力し合う。さらに美人の詐欺師姉妹ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)も旅の仲間に加わる。ゾンビと戦う旅の中で、コロンバスは今まで味わうことのなかったウキウキ感で体中が満たされていく。
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コロンバスは旅の道中、マッチョ野郎のタラハ
シー(ウディ・ハレルソン)と行動を共に
することに。名作『ショーン・オブ・ザ・デッ
ド』同様、男同士の友情にホロリ。
 コロンバスは生き延びるため、ルールを作る。学校の教科書と違って、すべて自分の経験則から考え出したもの。ゾンビの攻撃から逃げ切れるよう常にダッシュで走ることをルール1、ゾンビを見たら迷わず2度撃ちすることをルール2、トイレにご用心をルール3......などのサバイバル・ルールを自分に課す。ルール17は"英雄になるな"。英雄気取りのキャラクターに死亡フラグが立つことはゾンビ映画のお約束。さて、合計31のルールだったが、旅の途中で何度かルールは書き改められる。ゾンビをぶっ殺すことのみを生き甲斐としているタラハシーだが、甘~いスポンジケーキ「トゥインキー」には目がない。荒廃したショッピングモールを見つけると、トゥインキーの在庫がないか夢中になって探し出す。合成保存料たっぷりのトゥインキーを食べている間だけ、タラハシーはゾンビランドになる前の幸福だった時代を思い出すことができるらしい。マッチョ野郎の過ぎ去りし過去を想い偲び、コロンバスはルール32に「ささやかなことを楽しめ」と付け加える。幸せの尺度に大きいも小さいもないことをコロンバスはマッチョなオッサンから学ぶのだった。  刺激に満ちた愉快な旅も、いつかは終わりを迎えるもの。コロンバスたちと別れたウィチタ&リトルロック姉妹は、ゾンビがいないと噂される夢の遊園地「パシフィックランド」に向かう。だが、ゾンビがいない理想郷なんて、現実社会に絶望した人間が生み出したただの幻想。ネオンに釣られて大量のゾンビたちがぞろぞろと遊園地に集まる。生きる希望と悪夢とが混然となった遊園地を、気弱でしかも胃弱なコロンバスは全力疾走で駆け抜ける。それはゾンビから逃げるためではなく、ゾンビに取り囲まれたウィチタたちを救出するため。ルール17に記された"英雄になるな"をコロンバスは自分から破棄する。  ルールは状況に応じて、自分の判断で書き換えるものなんだよ。自分は脳ミソがスポンジ化したゾンビじゃなくて、生きた人間なんだからさ! 死亡フラグを物ともせず、コロンバスはゾンビの大群に立ち向かう。ルールを破り、恐怖に打ち勝ったコロンバスは、このとき本当の意味での自由な人間となる。  ゾンビ人間に普段から悩まされているみなさん、この夏はサイコーにご機嫌な『ゾンビランド』にレッツゴーだね。 (文=長野辰次) 『ゾンビランド』 監督/ルーベン・フライシャー 脚本/レット・リース、ポール・ワーニック 出演/ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン、ビル・マーレイ 配給/日活 7月24日(土)よりヒューマントラスト渋谷ほか全国ロードショー公開 R15+ <http://www.zombieland.jp>
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●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

うだるような暑さもスカッと爽快! SFリアルバトルアクション『プレデターズ』

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(c)2010 TWENTIETH CENTURY FOX
 うだるような夏の暑さが本格化するこの時期、戦いの熱い興奮と勝利の爽快感でスッキリ元気回復できるアクション映画は欠かせない。SFだがリアルなバトルが展開する『プレデターズ』(公開中)と、ファンタジックなファイトが楽しい『エアベンダー』(7月17日公開)は、タイプこそ異なるものの、主人公らが自らの能力と武器を駆使して敵と戦うという、格闘バトルの醍醐味を堪能できる2作品だ。  『プレデターズ』は、1987年に主演アーノルド・シュワルツェネッガーで大ヒットした『プレデター』のシリーズ最新作。傭兵のロイスは、パラシュートで落下したジャングルでロシア軍人、日本人のヤクザ、殺し屋、囚人など危険な連中と遭遇。自分たちがプレデター(捕食者)の狩りの標的として未知の惑星の「狩場」に連れてこられたと知り、生き残りを賭けプレデターとの壮絶な闘いを開始する......。  光学迷彩、熱センサー、プラズマ砲などの超ハイテクを装備し、身体のサイズ、パワー共に勝るプレデターに対し、人間側の武器は機銃に拳銃、手榴弾に刀剣といった具合。圧倒的に不利な状況の中、時には頭脳プレーで、また時には命懸けの行動で反撃に出る場面の痛快さはたまらない。  また、プレデターが誇り高き戦士であるというキャラ設定はシリーズに共通し、人間が意を決してタイマン勝負に臨むとき、フェアな決闘を受けて立つのもお約束。日本人なら思わずニヤリとさせられる"果たし合い"もある。  本作だけ観ても十分楽しめるが、過去のシリーズ作品とつながるネタも多いので、未見の人や忘れた人は予めDVDなどでチェックしておくと一層盛り上がれるだろう。  他方の『エアベンダー』は、M・ナイト・シャマラン監督による米テレビアニメの実写映画化で、3部作構想の壮大なファンタジーの第1章。  かつて世界は、気・水・土・火の4つの王国が均衡を保ち、各エレメントを操る「ベンダー」が国を護っていた。だが火の国が反乱を起こし、100年におよぶ戦争で世界は破滅の危機に。"気の使い手=エアベンダー"の最後の生き残りである少年アンは、全てのエレメントを操る者「アバター」になる宿命から一度逃避したが、世界の調和を取り戻すために立ち上げる......。  アン役のノア・リンガーは、10歳でテコンドーを始めてわずか2年で黒帯を手にした才能の持ち主。火の国の王子を演じる『スラムドッグ$ミリオネア』(08)のデブ・パテルもやはりテコンドー黒帯保持者だが、出演者らは本作のために中国武術の訓練を積み、ファイトシーンに臨んだ。そうした生身の動きに説得力があるからこそ、CGやワイヤーワークによるファンタジックな演出が一層映えるのだろう。  余談ながら、日本ではまだ知名度が低いものの、水の国のユエ王女を演じたセイチェル・ガブリエルの可憐さも見逃せない。メキシコ人の血を引く19歳の米国人女優で、美しい顔立ちと褐色の肌に、役柄の白いロングヘアが絶妙にマッチし、コスプレ的な魅力も漂わせる。今後の活躍が期待される注目株だ。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『プレデターズ』作品情報 <http://eiga.com/movie/55188/> 『プレデターズ』特集 <http://eiga.com/movie/55188/special/> 『エアベンダー』作品情報 <http://eiga.com/movie/54104/>
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ジブリVS.ピクサー 日米国民的アニメ映画、夏の陣! 

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(C)2008 WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
 いよいよ夏休み映画の封切りラッシュが始まる7月。今年も各ジャンルの作品が盛り沢山だが、やはり子どもも大人も一緒に楽しめる良質なアニメ映画は夏の風物詩だ。  中でも、ディズニー傘下のピクサーによる『トイ・ストーリー3』(7月10日公開)と、スタジオジブリによる『借りぐらしのアリエッティ』(7月17日公開)の2作品は要チェック。日米の国民的アニメスタジオの新作がほぼ同時期に公開され、興行レースへの関心もさることながら、内容の興味深い関連性や、制作面での共通点など、注目ポイントには事欠かないライバル2作品なのだ。  まず『トイ・ストーリー3』は、ピクサーの名を世界に知らしめた史上初のフルCGアニメ長編映画『トイ・ストーリー』(95)のシリーズ第3作。かつてカウボーイ人形のウッディや宇宙レンジャー人形のバズ・ライトイヤーらと遊んだアンディも、成長して大学に進むのを機に、おもちゃを整理することに。だが手違いで、おもちゃは近所の保育園に寄付されてしまう。「アンディに捨てられた」と傷つき、幼児たちに遊んでもらえる新天地を選んだおもちゃたちだったが、そこには予想外の試練が。一方ウッディは、ただ一人アンディを信じて保育園からの脱出を試みるも......。  監督のリー・アンクリッチは、シリーズ第1作や『バグズ・ライフ』(98)で編集、第2作『トイ・ストーリー2』(99)などでは共同監督を務めたが、単独でメガホンを取るのは本作が初。1作目で監督、2作目で共同監督を務めたジョン・ラセターは今回、製作総指揮に回っている。  一方『借りぐらしのアリエッティ』は、英女流作家メアリー・ノートンの児童文学が原作。身長10センチのアリエッティと両親は、人間が住む屋敷の床下で、「人間に見られてはいけない」という掟を守りながら、さまざまな生活品を借りて暮らしていた。だがアリエッティは、屋敷に引越してきた少年に姿を見られてしまい......。  米林宏昌監督もまた、96年にジブリに入社して以来、多数の宮崎駿監督作品に参加し、今作が長編デビュー。40年前に一度本作の映画化を企画したという宮崎は、企画・脚本を担当。  両作品共に、幼い登場人物が他者との出会い(と別れ)を通じて精神的に成長するという、ファミリー映画の王道をしっかり踏襲。また、サイズが人間の10分の1以下しかない主要キャラからの視点が描かれ、普段見慣れた小物が巨大サイズで見える新鮮さと、それらを小さき者が工夫して生活や冒険に活用する楽しさも共通する。さらには、『トイ・ストーリー3』のおもちゃ群の中に、ジブリ映画のある有名キャラも登場!  そんな具合に、大きなテーマから細部の描写まで、両作品の共通点や相違点、関係性などを家族や友人、カップルで語り合うのも盛り上がるはず。日米アニメ映画界の次世代ホープ同士による"夏の陣"といった趣の2作品は、笑いと涙と感動だけでなく、親しい人との豊かな語らいのひとときももたらしてくれる、まさに夏休みにピッタリの作品たちだ。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『トイ・ストーリー3』作品情報 <http://eiga.com/movie/53487/> 『借りぐらしのアリエッティ』作品情報 <http://eiga.com/movie/55169/>
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初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』

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初めての部屋を訪問する際には、必ず「入ってもいい?」と
尋ねる礼儀正しい吸血少女エリ。
「いいよ」と言われなかったエリは、血の涙を流すことに。
(c)EFTI_Hoyte van Hoytema
 スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』は、12歳の少年オスカーの初恋を描いた作品だ。学校でイジメに遭っているオスカーは気が優しくて、イジメっ子たちにやり返すことができずにいる。両親は離婚しており、母親は仕事で忙しい。父親は新しい恋人(男性)に夢中だ。オスカーにできることと言えば、日が沈んでからアパートの中庭の木にナイフを突き立てて、将来は立派な殺人鬼になれるようイメージトレーニングに励むことぐらいだった。そんな一人ぼっちのオスカーに初めて友達ができる。アパートの隣室に最近引っ越してきた美少女エリだ。コドクな者同士の魂が惹かれ合うような出会いだった。でも、エリはときどきひどく顔色が悪く、それに獣のような変な臭いがする。オスカーがキャンディをあげると、エリは吐き出してしまう。見た目はオスカーと同じ12歳の少女だが、実は200年前から生きながらえているヴァンパイアだったのだ。  ウルトラシリーズ屈指の名作『ウルトラセブン』ではアンヌ隊員(ひし美百合子)はモロボシ・ダン(森次晃嗣)が地球人ではないことに気づきながらも愛の告白をする。手塚治虫の短編コミック『るんは風の中』の主人公・アキラはポスターの中の少女・るんに夢中になる。人はときどきフツーではない、異形の相手に恋をしてしまう。恋に陥るという行為は誰にも止めることはできない。思春期の入り口に立つオスカーもまた、ミステリアスなエリにどんどん魅了されていく。隣室同士のオスカーとエリは、壁越しに覚えたてのモールス信号を送り合いながら、絆を深めていく。だが、オスカーの暮らす静かな町では次々と猟奇的な殺人事件が発生していた。やがて、オスカーはエリの正体を知ることになる。人間としてのモラルを守るのか、それとも初恋の成就を選ぶのか。オスカーの心は揺れ動く。  北欧ならではの静寂な森、真っ白な雪原に流れ落ちる鮮血。初恋の甘いセンチメンタルに混じって、静かな恐怖がじわじわと広がる。原作小説『モールス』(ハヤカワ文庫)を執筆したヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストは"スウェーデンのスティーヴン・キング"と呼ばれる新進作家だ。映画化にあたって、自ら脚本も担当している。トーマス・アルフレッドソン監督による映画版は、地元スウェーデンだけでなく、欧米各地の映画賞を受賞。今年10月には米国人キャストによるハリウッドリメイク版が全米公開されることが決まっている。  スウェーデンと言えば、生活水準が高く、社会保障が整っている平穏な国というのが一般的なイメージだろう。だが、それゆえに結婚・出産後に自立を求める女性も多く、離婚・別居してしまう夫婦が後を絶たない。オスカーのように母親と父親の間を定期的に行き来する子どもは珍しくない。原作小説ではオスカーだけでなく、イジメっ子のヨンニも片親であることが描かれている。ヨンニもまた家庭内にトラブルがあり、そのはけ口がオスカーに向かっているのだ。トーマス監督は言う、「確かに人々は、スウェーデンのことを"世界一モダンな国"と呼びます。でも、その副作用のひとつが片親の多さなのです」と。また、原作者ヨン・アイヴィデの出生地であり、映画のロケ地となっているのは、首都ストックホルムの郊外にあるブラッケベリという小さな町。トーマス監督によると、ブラッケベリという町は、第二次世界大戦後の豊かな時代に人工的に造られ、社会民主主義の理想を体現したニュータウンなのだそうだ。歴史のない新しく清潔な町で、次々と不可解な惨劇が起きるというのも本作の怖さだろう。
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学校で陰湿なイジメに遭っていたオスカーは、
エリという味方が見つかっただけで毎日が
ハッピーになる。
 キュートで獰猛なヴァンパイア・エリを演じたリーナ・レアンデションは07年2月の撮影時は役と同じ12歳だった。トーマス監督いわく、「動物に例えるなら、オオカミみたいな女の子を探した」そうだ。キャスティングは1年がかりで、エリ役オーディションはボーイッシュな少女だけでなく、ガーリッシュな少年にもあたっている。ちなみにリーナはスウェーデン人とイラン人とのハーフ。エキゾチックな雰囲気がエリ役にうまくハマっている。また、エリのために新鮮な"食料"を調達する中年男・ホーカン(ペール・ラグナル)が非常にいい味を出している。大人計画主宰者・松尾スズキは「じいさん萌え~。」を感じたほどらしい。ホーカンはヴァンパイアではなく、平凡な人間なのだが、秘めたる性癖のために彼もまたコドクを強いられている。ホーカンにとってエリは冷酷なヴァンパイアである前に、コドクを癒してくれる唯一の女神だったのだ。中年男ホーカンが12歳のオスカーに嫉妬し、エリに不器用な純愛を捧げるシーンは本作の大きな見どころとなっている。  エリは凶暴なヴァンパイアではあるが、礼儀正しい吸血少女でもある。初めて訪問した部屋に入る際には、必ず「入っていい?」と尋ねる。1897年にブラム・ストーカーが発表した怪奇小説『ドラキュラ』に登場するドラキュラ伯爵以来、由緒ある吸血鬼族のマナーなのだ。エリの正体を知ったオスカーは、エリの「入っていい?」という問いに対し、イジワルげに黙り込む。「入っていいよ」と言ってもらえないエリは、黒目がちな大きな瞳から赤い血の涙をドクドクと流す。目だけなく、全身から鮮血が逆流しだす。オスカーはようやく気づく。エリはオスカーの傷ついた心が呼び寄せた合わせ鏡的存在なのだと。エリは、誰にも理解されないもうひとりのオスカー自身なのだと。  本作の"白眉"とも言えるこのシーンだが、かなり難航した撮影だったらしい。良質のジュブナイル映画を志向するトーマス監督とホラー映画に造詣の深い原作者ヨン・アイヴィデとの間で、意見の食い違いがあったのだ。トーマス監督は「エリが血を流すなんて、やりすぎ、論外だと最初は思った。原作者のヨンに説得されて撮った」と話す。しかし、それはそれで面白い。エリという異形の恋人を自分は受け入れる度量があるのかどうか。YESとNOの答えがせめぎあうオスカー少年のざわめく心理が反映された微妙なシーンに結果的に仕上がったと言えるだろう。  ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』は、前世紀末の英国における移民の増加に対する社会不安が生み出したと言われている。第二次世界大戦直前の41年に製作された怪奇映画『狼男』は、ナチスドイツによるユダヤ人狩りが背景となっている。50~60年代に量産されたモンスター映画の多くは、核兵器に対する恐怖がモチーフとなっている。映画には往々にして、その時代の空気、社会情勢が反映される。スウェーデン映画『ぼくのエリ』にも、そういった社会背景があるのかと、トーマス監督に尋ねた。「その質問に対するボクの答えはNOだね。エリはオスカーの持っていないもの、怒りの象徴なんだよ」とトーマス監督は説明する。社会的存在というよりも、もっと個人的なメンタリティーから12歳の吸血鬼エリは生まれたとトーマス監督は考えている。なるほど、ならばスウェーデンに限らず、親の勝手な都合でコドクを強いられる少年少女は世界中に多い。吸血鬼エリは、これから世界各地に出没することになりそうだ。  コドクな人間の前に現れる美少女吸血鬼エリ。「入ってもいい?」というエリの問いかけに、あなたならどう答える? (文=長野辰次) elly03.jpg ●『ぼくのエリ 200歳の少女』 監督/トーマス・アルフレッドソン 原作・脚本/ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 出演/カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナル 配給/ショウゲート 7月10日(土)より銀座テアトルシネマほか全国順次公開 <http://www.bokueli.com>
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●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

非日常にもほどがある! 怒濤のトンデモ展開コメディ『ハングオーバー』

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『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
(C)2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 平穏な日常を生きる私たちにとって、「一夜明けたら人生が激変」なんてことはめったにないし、ちょっと憧れたりもする。そんな非日常を疑似体験するのに、映画はまさに打ってつけ。今回紹介する新作2本は、目を覚まして我に返ると想定外のトンデモな境遇に......というシチュエーションは共通するが、その後の展開も作品の味わいも好対照だ。  『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』は、記憶が丸ごと抜け落ちるほど泥酔し、その間に大変なことをやらかしちゃったらしい男たちが繰り広げるコメディ。結婚式を間近に控えた花婿と、その独身最後の夜を派手に祝うためラスベガスに繰り出した仲間3人。だが翌朝3人がひどい二日酔いで目覚めると、1人の前歯が無くなっていて、花婿の姿は見当たらず、なぜか虎と赤ん坊がホテルの部屋に......。  朦朧とした頭を抱えながら花婿を探す彼らに降りかかるドタバタに、徐々に明らかになる一夜の暴挙や愚行の数々が織りなす笑いの波状攻撃。巧みに組み立てられた脚本の面白さが受けて、有名スター不在、低予算ながら、全米で3億ドル弱を売り上げ、2009年度興収第6位の大ヒット作に。日本ではいったんDVDスルーになりかけたが、ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)の受賞と、劇場公開を熱望する映画ファンの声が後押しとなり、このたびめでたく7月3日より全国公開の運びとなった。
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『レポゼッション・メン』
TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー
(C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
配給:東宝東和
 もう1本のSFアクションスリラー『レポゼッション・メン』(R15指定)は、ユニオン社製の高価な人工臓器で人類が寿命を伸ばしている20年後のダークな近未来が舞台。ローンを支払えなくなった人々から問答無用で臓器を回収する男たち「レポメン」のエリート、レミー(ジュード・ロウ)は、仕事中の事故で失神し、目覚めると人工心臓につながれていた......。  これを境に仕事ができなくなったレミーは、じきにローンを払えなくなり、回収する立場から回収される立場に。やはり臓器ローンの不払いで追われる女(アリシー・ブラガ)を守るためにも、レミーはかつての同僚のレポメン、そして彼らの雇い主であるユニオン社と戦うことを決意する。  人体の切開シーンと精緻な人工臓器がリアルに描写され、倒錯したエロティシズムを生む一方で、スタイリッシュなアクションとBGMの個性的な使い方でコミカルな雰囲気も漂う。監督は新鋭のミゲル・サポチニク。  ジメジメした上に蒸し暑い梅雨の季節。ここはひとつ、涼しい映画館の暗闇で、銀幕に映し出された"うたかたの夢"の中、ゲームのような大どんでん返しの人生をしばし楽しむのも一興。見終えた後は、昨日と大差ない今日を迎えられるささやかな幸せに改めて気づかされるはず。定番ではあるが、そんな映画鑑賞の効能を実感できる2作品だ。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』 <http://eiga.com/movie/54531/> 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』主演ブラッドリー・クーパー インタビュー <http://eiga.com/buzz/20100618/26/> 『レポゼッション・メン』作品情報 <http://eiga.com/movie/53177/>
平凡 ......な人生なんてつまらんよ。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 闘争本能を呼び覚ませ! スクリーンで繰り広げられる男たちの熱きバトル 理性か本能か? 極限状況に置かれた人間の両面性を描く『ザ・ウォーカー』 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』

世界が爆笑した洋画『ハングオーバー』 日本では劇場未公開寸前だった舞台裏

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音楽・映画ライターのわたなべりんたろう氏。
『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(08)の
日本での劇場公開を求め、署名活動を行なった。
 製作費3,500万ドルという控えめな予算ながら、2009年6月に公開されるや全米興収2億7,700ドルの特大ヒットを記録。米国のコメディ映画史上最大のヒット作となったワーナー映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』が、7月3日(土)より日本でも公開される。米国だけでなく世界27カ国で第1位を記録した爆笑コメディだが、実は日本での公開をめぐって劇中さながらのドタバタ劇があった作品なのだ。洋画コメディは日本では当たらないという映画業界の風潮に加え、知名度のあるスター俳優が出演していないことから、日本では劇場未公開のまま3月にDVDが発売されることがワーナー・ホーム・ビデオから発表されていた。『バス男』『スーパーバッド 童貞ウォーズ』に続いて、『ハングオーバー』もDVDスルーかとコメディ愛好家たちが嘆く中、立ち上がった男がいた。欧米では大ヒットしたものの日本ではやはりDVDスルーが決まっていた英国産コメディ『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(08)の日本での劇場公開を求めてネット上で署名運動を展開した映画ライターのわたなべりんたろう氏だ。『ハングオーバー』はいかにして日本での劇場公開に至ったのか。劇場公開が決まる前の1月14日、劇場公開が決まった後の6月22日の2度にわたって、わたなべ氏へのインタビューを行なった。 ■今の日本は"文化的鎖国状態"!? ──練りに練られた脚本で、展開が予測できない爆笑ストーリー。でもってダメ男たちの友情にホロリとさせられる。こんなに面白い映画が日本では劇場未公開扱い(1月14日時点)とは残念です。 わたなべりんたろう(以下、わたなべ) ノンスター映画のコメディということで、日本でのヒットは難しいだろうという判断だったようです。キャストはこの作品が全米で大ヒットしたことで、今ではみんな売れっ子になっているんですけどね。花婿の義弟を演じたザック・ガリフィアナキスはスタンダップコメディ出身でジョン・ベルーシの後継者的な存在ですが、髭づらでメタボ体型。確かに、日本ではまず人気が出ないタイプです(苦笑)。コメディというとその国の文化事情を知ってないと笑えないという印象があるけれど、『ハングオーバー』は唐突にトラが出てきたりするフィジカルなギャグばかりなので、全世界共通で笑える内容です。それにストリッパー役のヘザー・グラハムがすごくいい。米国で人気が再燃しています。出演オファーを蹴ってしまったリンジー・ローハンは悔やんでいるそうです。まぁ、低予算映画ということで、米国でも公開前はここまで大ヒットすることは予測されてなかったわけですけどね。 ──わたなべさんは劇場公開についてワーナー側と交渉されたんでしょうか?
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世界で大ヒットした『ハングオーバー』がようや
く日本でも公開。ラスベガスで独身さよなら
パーティーを開いたダメ男たちがハメを外しす
ぎ、ハングオーバー(二日酔い)に。消えた
花婿は結婚式までに見つかるのか?
(c)2008WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.
わたなべ ワーナー・エンターテイメント・ジャパン内にも「未公開はもったいない」と考えている人はいました。映画評論家の町山智浩さんがPRを努めたこともあって、『ハングオーバー』が日本でプレミア上映された昨年9月の「第2回したまちコメディ映画祭in台東」のオールナイトイベント"復活! 映画秘宝ナイト"はチケットが売り切れるほどの人気でしたし。それで、わたしが11月末に「日本では公開しないんですか?」と確認したところ、「日本での公開は200%ない」という返事でした。それならばと、12月1日からダメもとでサイト上での署名活動(映画『ハンオーバー』劇場公開を絶対求める会)を始めたんです。こんなに面白い映画が世界中でヒットしているのに、日本だけ公開されないという状況はどうなんだと。 ──日本では若者の洋画離れが進んでいます。 わたなべ 日本では、コメディ映画を劇場で観て、みんなで大笑いしようという習慣がない。それに加え、若者たちの洋画離れが進み、洋画系の配給会社は苦しい状況。ムービーアイ、ワイズポリシーなど洋画を手掛けていた配給会社が次々と潰れています。若者の洋画離れは一説には、ゆとり教育の弊害なんじゃないかとも言われているようです。読みづらい字幕よりも吹き替え版のほうを好む。知らない外国の俳優が出ている洋画よりもテレビドラマの劇場版を選ぶ。若い人たちはそういう保険のついた、安心して観ることのできる作品を好むようになっている。ケータイ小説のような予定調和的な世界に感動している。これはすごく怖ろしいことですよ。日本の文化状況は、まるで"鎖国状態"に向かっているように感じるんです。音楽業界もそうですが、近年の映画業界はすごく内向きのマーケティングに偏っています。 ──1本のコメディ映画をめぐる問題ではなく、日本の文化全般にまつわる問題でしょうか? わたなべ 日本の音楽シーンで言えば、少し前にあった現象では洋楽をパクったような3年遅れぐらいのR&Bを平気でやっていた。国内でディーバとか言っても、海外ではまったく通用しないと思います。日本の音楽シーンは世界の動きを知らずに、音楽格差が生まれています。若い人たちも携帯配信で音質の悪いものを聴いて、それで良しとしている。CDが売れなくなるのは当然だと思います。音楽業界がファンを育てていくことを怠っていたツケが来ているんじゃないですか。映画業界も似たような状態でしょう。例えば、『スパイダーマン』シリーズをヒットさせたサム・ライミ監督の『スペル』(09)なんて爆笑もののホラーコメディなんですが、日本では若い人たちには作品の面白さが全然届かずに不発で、もう少し入ってもよかった。ある種の文化格差が生じてきているように思います。 ──80~90年代は各国の多彩なインディペンデント系作品がミニシアターで盛んに上映されていましたが、今はスター俳優の主演した恋愛映画じゃないと公開されにくい状況。 わたなべ でも、アクションコメディ『ホット・ファズ』は日本でもヒットしました。わたしが宣伝に協力した、売れないヘビメタバンドのドキュメンタリー映画『アンヴィル!  夢を諦めきれない男たち』(09)もロングランになりました。ノンスター映画でも本当に面白い作品なら、口コミで人が入ります。面白い映画はきちんと宣伝して一定期間公開すれば、観客に伝わります。それなのに安全パイの作品しか公開しないというのはどうでしょう? 日本の文化の層の薄さを感じさせます。 ──『ホテル・ルワンダ』(06)に続き、『ホット・ファズ』もネット上での署名活動から劇場公開に結びついたわけですが、『ハングオーバー』が劇場公開される見込みは......? わたなべ 厳しいです。山を動かすぐらいの覚悟ですね。無理を承知でやってます。何もやらないで後悔するよりは、やって後悔しようということです。もう後悔しつつありますけど(苦笑)。別にワーナーとケンカするためにやってるんじゃないんです。ネットを使って署名運動ができ、日本で公開したい作品があるならやろうよということです。ボクだけじゃなくて、みんな各自が思うものの署名活動をやればいいんじゃないかと思います。自分の意見を言うことを怖がっている人が多いように思いますね。正直、『ホット・ファズ』で署名活動をやって完全燃焼したので、2度はやるつもりはなかった。一銭にもなりません。 ──個人での署名運動は大変ですか? わたなべ 大変です。『ホット・ファズ』のときは完全なボランティアでした。寝ないでメールを送り、ブログを更新する生活。ネット喫茶にこもって集中して作業していたら、床ずれができました(笑)。日本版DVDが出たときに解説を書いて、その原稿料を規定額分もらっただけです。今回の『ハングオーバー』も知り合いのミュージシャンら著名人にコメントをお願いしていますが、サンプルを送ったり試写会で観てもらって、それからタイミングを見て、コメントを頼まなくてはいけない。時間がかかるし、注いだ熱量に対する見返りはないんです(苦笑)。ただ、やるべき価値のあることなら、やってみるべきだということですね。 ■ツイッターは宣伝スタイルを変えるか?  さて、わたなべ氏が署名活動はしんどいとこぼしたここまでが1月14日のインタビュー。日本での劇場公開は絶体絶命かと思われた『ハングオーバー』だが、このインタビューのすぐ後にミラクルが起きたのだ。1月18日に発表されたゴールデングローブ賞で『ハングオーバー』は見事に作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。このニュースが報じられた直後、DVDの発売を延期して日本でも劇場公開することが発表された。以下は6月22日に行なった、わたなべ氏への電話インタビューの内容だ。 ──本来は3月のDVD発売に合わせて映画業界に一石を投じるインタビュー記事としてアップする予定でしたが、記事をお蔵入りさせたままご無沙汰していました。『ハングオーバー』、まさかの日本での劇場公開おめでとうございます。
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『キリング・ミー・ソフトリー』(02)の
ヘザー・グラハムが、"いい女"っぷりで泣
かせる。
わたなべ ありがとうございます。 ──ぶっちゃけなところ、『ハングーバー』の日本での公開に、署名運動はどれだけの効果があったと思いますか? わたなべ もちろん、ゴールデングローブ賞受賞が大きな要因でしょう。日本での劇場公開が米国のワーナー本社からの指示なのか、ワーナー・エンターテイメント・ジャパンの判断かは分かりません。でも、署名運動をしたことで日本でも『ハングオーバー』を観たいという人たちがいることを具体的な数字でアピールできたことが基盤になっていると思います。ただゴールデングローブ賞を受賞しただけで、日本で公開されたかどうかは分かりません。実際、『ハングオーバー』の日本での公開にあたり、署名のために著名人たちが寄せてくれたコメントが活用されるなどもしています。 ──とりあえず、『ハングオーバー』は日本での劇場未公開を回避できましたが、日本における洋画の状況が根本的に変わってきたわけではありませんよね? わたなべ そうです。ですから、『ハングオーバー』が洋画の配給状況が変わる上での試金石になればと思いますね。『ハングオーバー』がヒットすれば、配給会社も多少なりとも洋画コメディに対する認識が変わるんじゃないですか。ノンスターのSF映画『第9地区』はヒットしています。日本映画ですが、テレビ局を絡めずに作った『告白』のようなエッジの効いた作品も当たっている。今までとは違った作品を観たいと思っている人は多いということでしょう。テレビ局主導の映画に対する反動もあると思います。それに映画の宣伝スタイルも変わりつつあるんじゃないかと思います。クエンティン・タランティーノ監督の戦争映画『イングロリアス・バスターズ』(09)は公開直前にタランティーノやブラッド・ピットらが大挙来日してキャンペーンを行ないましたが、観客動員できたのは第1週だけで、その後は続かなかった。テレビなどを使って公開直前に派手に宣伝する大作映画とは別に、ツイッターなどのネットでの口コミ的な宣伝が適した作品もあるんじゃないですか。『ハングオーバー』もツイッターで署名活動を広げたわけです。 ──ネットでの署名活動は『ハングオーバー』で打ち止めにしたいと前回は話していましたが......。 わたなべ 署名運動は大変なので、できれば他の人にやってほしい(苦笑)。『ハングオーバー』はすでに『ハングオーバー2』の撮影が年内に予定され、日本でも早々に劇場公開されることが確定しています。でも、まだこれから日本で劇場公開されるかどうか微妙な作品がけっこうあるんですよ。『ホット・ファズ』のエドガー・ライト監督の新作『スコット・ピルグリムvs.ザ・ワールド』ですが、これも日本での公開はまだ予定されていないと言われています。暴力シーン満載ながら笑える米国映画の話題作『キック・アス』も難しい状況。『40歳の童貞男』(06)で知られるジャド・アバトー監督の最新作『ファニー・ピープル』(09)は米国の人気コメディアンであるアダム・サンドラーとセス・ローゲンが主演したヒット作ですが、日本での公開の見通しは付いてませんしDVDも出ていないんです。とくにエドガー監督の『スコット・ピルグリム-』は撮影中のトロントを訪問して、エドガー監督にも会ってきているので、もし日本での公開が決まらず、他に署名活動を始める人がいなければ、やらざるを得ないかもしれませんね......(苦笑)。 ──『ハングオーバー』の日本公開に当たり、最後にひと言お願いします。 わたなべ 日本での公開が決まってからも署名数はまだ増えているんです。現在、署名数は2,481人です。公開初日の土曜、日曜はみんなで劇場に集まって盛り上がりたいですね。コメディって、ひとりでDVDで観るよりも、劇場でみんなで腹を抱えて笑うことで、もっと面白くなるもの。それに第1週の土日に観客動員できれば、その後の公開期間も伸びますしね。エンドロールで明かされる画像の数々は爆笑すること間違いなしです。  さて、『ハングオーバー』が公開される7月3日は、フジテレビ製作の『踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』も全国公開される。脚本重視のノンスターの洋画と国内興行記録を塗り替えたテレビ局主導の人気シリーズがぶつかり合う形だ。全国10館のみでの上映となる『ハングオーバー』は観客動員数では圧倒的に不利だが、満足度や1館あたりの動員率でどのような数字を残せるか。これからの映画興行を占う上で、非常に興味深い対決となりそうだ。 ● 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』 2日後に結婚式を控えた親友・ダグ(ジャスティン・バーサ)のためにバチェラーパーティーをラスベガスで開くフィル(ブラッドリー・クーパー)たち悪友仲間。だが、ハメを外しすぎて悪酔いし、誰も昨晩の記憶がない。ホテルにダグの姿はなく、代わりになぜか赤ちゃんとトラがいた! 監督/トッド・フィリップス 脚本/ジョン・ルーカス&スコット・ムーア 出演/ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリファアナキス、ヘザー・グラハム、ジャスティン・バーサ、ジェフリー・タンバー 配給/ワーナー・ブラザーズ映画 7月3日(土)よりシネセゾン渋谷ほか全国ロードショー <http://wwws.warnerbros.co.jp/thehangover/> ● わたなべ・りんたろう 1967年生まれ。映画・音楽ライター。「週刊朝日」映画欄の星取り表など執筆。ルワンダ紛争の実情を描いた『ホテル・ルワンダ』(06)の日本での公開を求める署名活動に参加。『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(08)では"映画『Hot Fuzz』の劇場公開を求める会"を主催し、2890人の署名を集めた。
ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ 五つ星☆ amazon_associate_logo.jpg
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闘争本能を呼び覚ませ! スクリーンで繰り広げられる男たちの熱きバトル

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(c)2010『アウトレイジ』製作委員会
 4年に一度、最強の男たちがピッチ上で演じるガチンコの戦いと言えば、もちろんFIFAワールドカップ。そして、映画館のスクリーンにも男たちの熱いバトルが久しぶりに帰ってきた。  まずは、現在公開中の北野武監督作品『アウトレイジ』。監督デビュー作『その男、凶暴につき』(89)以来、初期作品群で特徴的だったバイオレンスの原点に回帰し、巨大な暴力団の内部でヤクザ同士が繰り広げる権力闘争を描く。  「全員悪人」というキャッチコピーの通り、弱肉強食の世界に生きる男には、正義も友情も理性も不要。「親子」「兄弟」の仁義に縛られながらも、ナメられれば逆上し、下克上の好機には暴走する。  「度を超した怒り・狂気」といった意味のタイトルが示すように、闘争本能をむき出しにしたヤクザたちは狂犬そのもの。カッター、菜箸、歯科の治療器具などを使った残虐シーンには、身近な道具ならではの痛々しさと意外性から来るおかしさが奇妙に同居する。張り詰めた過激な描写の後に、ふふっと笑わせるショットをつなぐ巧みな編集のおかげもあり、不思議な爽快感が残る娯楽作だ。  次に紹介するのは、6月26日より公開されるジャン=クロード・バン・ダム主演の『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』。1992年に大ヒットしたSFアクション『ユニバーサル・ソルジャー』の「正統な続編」と位置づけられ、軍が極秘開発した蘇生技術で誕生した最強兵士たちによる戦いという基本コンセプトが、現代の設定でよみがえった。  最先端の兵士再生プログラム「NGU」(次世代型ユニソル)による超兵士(アンドレイ・アルロフスキー)を手に入れたチェチェン民族主義のテロリストが、ロシア首相の子息を誘拐し、チェルノブイリ原子力発電所を占拠。人間性を取り戻すリハビリを受けていた初期型ユニソルのリュック(バン・ダム)は、人質救出とテロ殲滅の命を受け、立ちはだかるNGUと、冷凍保存から目覚めた旧敵スコット(ドルフ・ラングレン)との対決に臨む。  CGやワイヤーアクションなど見た目の派手さに頼りがちな昨今のSFアクション映画と異なり、本物の格闘家たちによる対決が、オリジナルと同様に今作でも見どころ。共に空手の達人であるバン・ダムとラングレンによる前作でのライバル同士が再び相まみえることに加え、総合格闘家のアルロフスキーが新たに参戦。  スリリングなカーチェイスやガンアクション、爆発シーンもあるが、やはり殴る、蹴るというシンプルな攻撃で相手を「破壊」する壮絶な肉弾戦は、何にも代え難い興奮を観客にもたらす。『その男ヴァン・ダム』(08)同様、中年アクション・ヒーローの哀愁をバン・ダムが自虐ネタっぽく醸し出している点も、作品のいいスパイスになっている。  平和な日常の暮らしの中で眠っている闘争本能を呼び覚ましてくれる二本。暑さが本格化する夏を前に、ガツンと刺激が欲しいという人におすすめしたい。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『アウトレイジ』作品情報 <http://eiga.com/movie/55127/> 『アウトレイジ』北野武監督 インタビュー <http://eiga.com/movie/55127/special/2/> 『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』作品情報 <http://eiga.com/movie/55285/>
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理性か本能か? 極限状況に置かれた人間の両面性を描く『ザ・ウォーカー』

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(c)2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
 都市が瓦礫と化し、文明と秩序が失われ、わずかな水、食料、ガソリンを求めて、生き残った人々が奪い合い、殺し合う。そんな終末後の世界を描いた作品といえば、映画なら『マッドマックス』シリーズ、漫画なら『北斗の拳』あたりが代表格だが、この『ザ・ウォーカー』もまた、そうした作品群に加わる最新のハリウッド製アクション映画だ。  主人公は「ウォーカー」(歩く者)と呼ばれる、謎めいた風貌に超人的な戦闘能力を秘めた寡黙な男(デンゼル・ワシントン)。地球上にたった一冊残された、ある特別な「本」を携えて、荒廃したアメリカ大陸を西へ、西へと歩き続ける。一方、荒くれの略奪者たちを束ねる町の独裁者カーネギー(ゲイリー・オールドマン)は、その本が持つ「力」で世界を支配する野望を抱く。避けられない2人の激突。「本」に託された人類の未来は――。  製作のジョエル・シルバーは、『マトリックス』シリーズに代表されるように、強烈な個性を放つ映像世界とスタイリッシュなアクションシーンの融合が持ち味。今作で監督に迎えられたアルバート・ヒューズ&アレン・ヒューズ兄弟は、ハリウッド実写版『AKIRA』の監督候補としても、日本のみならず世界の映画ファンから期待が集まる注目株だ。  圧倒的なスケールの廃虚と荒野のランドスケープは、彩度を抑えた映像処理とフィードバックを強調したギターサウンドのBGMを伴い、空気感さえ伝えるかのよう。デンゼル・ワシントンが刀や銃を駆使する立ち回りでは、黒澤明作品の殺陣にも通じる、動と静、光と影を絶妙に対比させたアクションに、ある種の「奇跡」を目撃しているかのような高揚を覚える。  男臭さが目立つ作品ではあるが、『寝取られ男のラブ♂バカンス』(08)のリゾートホテル受付役で爽やかな美貌が印象的だったミラ・クニスが、今回は自らの意志で主人公の過酷な旅に随行する娘の役でワイルドな魅力を放っている。その母親役で『フラッシュ・ダンス』(83)のジェニファー・ビールスが出演しているのも、長年の映画ファンにはうれしいところ。  極限状況に置かれたとき、人としての尊厳を捨て、獣のように弱肉強食の世界に生きるのか。それとも、自らの信念に従い、未来の希望に向かって歩き続けるのか。有史以来問われ続けてきた、そうした人間の両面性を、『ザ・ウォーカー』は新たな切り口で示してくれる。  そしてまた、不景気だ、温暖化だ、モラル低下だと言いながらも、こうした終末世界に比べたらまだまだ物質的にも環境的にも道徳的にも恵まれている今の日本で、「明日の夢に向かって今日を生きること」の価値を改めて気づかせてくれる作品でもある。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ザ・ウォーカー』作品情報 <http://eiga.com/movie/55212/>
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過激! 爽快! スリル満点! 憂鬱な気分を吹っ飛ばす『アイアンマン2』

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 6月と言えば、梅雨入りの季節。今年は国政が混迷し、南アフリカW杯に出場する日本代表も頼りない。そんな冴えないムードを一掃し、爽快な鑑賞体験をもたらす映画がやって来る。ロバート・ダウニー・Jr.が現代的なヒーローに扮するアクション超大作『アイアンマン2』だ。  原作は米国マーヴェル・コミックスの人気漫画で、いわゆるアメコミヒーローもの。ただし典型的なスーパーヒーローと異なり、主人公トニー・スタークは身体的にはごく普通の人間。その代わり、軍需企業を創業した父親から譲り受けた天才的頭脳と莫大な資産を活用して、身体能力を増強し飛行性能と武器も備える強化スーツを開発。これを着用し、平和を脅かす強敵と戦うというわけだ。  品行方正なヒーロー像からほど遠いトニーの素行も現実味がある。第1作『アイアンマン』の冒頭では、賭け事と女遊びに興じる軽薄な2代目経営者そのもの。その後、テロ集団に拉致され、兵器部品の寄せ集めで最初のアイアンマン・スーツを作って脱出した際に、自社が"暴力"を輸出している現実を知る。そこからトニーは兵器部門の閉鎖を宣言し、ハイテクスーツの改良と悪者退治に励むことになるのだが、目立ちたがりで美女に目がなく、酒とジャンクフードを好む俗な側面は相変わらず。前作に続きトニーを支える有能な秘書ペッパー(グウィネス・パルトロウ)に甘え、さりげなく女性の母性本能をくすぐりながらも、今回初登場の謎めいた美女ナタリー(スカーレット・ヨハンソン)に色目を使う"ちょいワル"な面に親近感を覚える男性も多いはず。  そんなトニー=アイアンマンの今回の宿敵は、ウィップラッシュ。モナコグランプリに出場したトニーの前に突然現れ、ムチ型武器の一撃でF1カーを分断して会場をパニックに陥れる。低迷期を経て2008年の『レスラー』で復活を果たしたウィップラッシュ役のミッキー・ロークと、やはり『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(08年)などで再評価されたロバート・ダウニー・Jr.によるカムバック組の競演も感慨深い。  実写とCGを巧みに融合したド派手なバトルシーンも前作を超える出来で、ウィップラッシュとの因縁の対決に加え、遠隔操作ロボットの軍団がアイアンマンを一斉攻撃する場面も過激でスリル満点。さらに、スカーレット・ヨハンソンもセクシーなスパンデックス製スーツを身につけ、本格的なアクションを披露。ハードロックバンドAC/DCのサウンドトラックが高揚感を一層盛り上げる。  そのほか、サム・ロックウェル、ドン・チードル、サミュエル・L・ジャクソンといった個性派スター陣が脇を固め、監督のジョン・ファブローも前作に続きトニーの運転手役で出演も果たしている。アメコミ映画でも手を抜かない、名優たちによる本気全開の演技とアクションが感動を呼ぶ。テンポ良くストーリーが展開する124分間、日常を忘れて爽快さを満喫できる『アイアンマン2』は、こんな時期お薦めの娯楽作だ。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『アイアンマン2』作品情報 <http://eiga.com/movie/54257/> 『アイアンマン2』特集 <http://eiga.com/official/ironman2/> ●『アイアンマン2』 6月11日(金) TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給 公式サイト:<http://www.IRONMAN-MOVIE.jp> Iron Man 2, the Movie: (c) 2010 MVL Film Finance LLC. Iron Man, the Character: TM & (c) 2010 Marvel Entertainment, LLC & subs. All Rights Reserved.
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ボタンを押したら最後? 究極のサスペンス映画『運命のボタン』

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「ボタンを押せば1億円が手に入る。ただし、見知らぬ誰かがひとり死ぬ。決断の期限は24時間」  さて、こんな問いかけをされたら、あなたならどうする? キャメロン・ディアス主演最新作『運命のボタン』は、そんな究極の選択を迫られた夫妻の身に起こる不可解な事件を描いたサスペンスだ。   1976年、ノーマとアーサーのルイス夫妻のもとに、赤いボタンがついた奇妙な木製の装置が届けられる。その装置を届けたスチュワードと名乗る男は、火傷のような傷で顔が半分ただれた不気味な男。彼が言うには、その赤いボタンを押せば、「どこかであなたの知らない誰かが死ぬ」が、「あなたは現金100万ドル(約1億円)を手にする」という。ただし期限は24時間以内。それを過ぎれば権利は失われ、ボタンは別の誰かのもとに届けられてしまう。  夫妻は折りしも生活が苦しくなりつつあるときで、迷った挙句にノーマがボタンを押してしまう。翌日、再び現れたスチュワードは約束通り100万ドルを渡して去っていくのだが、それから2人の周囲では想像を超える不可解な事態が起こり始め......。  原作は、『アイ・アム・レジェンド』でも知られるSF小説界の大御所リチャード・マシスンが70年に発表した同名小説(76年に月刊プレイボーイで「死を招くボタン・ゲーム」として掲載。映画公開に合わせて「運命のボタン」に改題され、文庫本が発売された)。原作は基本設定は同じだが、10分程度で読めてしまう短編。「なるほど」と思わせる皮肉に満ちた結末が面白いが、映画はボタンを押した後の展開が小説とは異なるオリジナルストーリーで展開。原作では説明されていない物語の背景に、70年代のNASAの宇宙開発計画を絡めたり、主人公ノーマに身体的なハンディを与えるなどして長編化にあたっての工夫がこらされているので、小説と比べてみるのも面白い。  主人公ノーマを演じるのはキャメロン・ディアス。ラブコメディで見せるキュートな笑顔が人気な一方で、アクションやドラマもこなす彼女だが、実はサスペンスに主演するのは初めて(過去にトム・クルーズ主演の『バニラ・スカイ』などサスペンス映画に出演はしているが、主演はない)。昨年は『私の中のあなた』で初めて母親役に挑戦しており(今回も息子がいる設定なので母親役でもある)、着々と新境地を開拓中だ。今年のディアスは、トム・クルーズと再共演するアクションコメディ『ナイト&デイ』(10月公開)、声優を務める『シュレック フォーエバー』(12月18日公開)など得意分野も続くが、その前に一味違った彼女の魅力をチェックしてみよう。  もちろん、知らない誰かの命と引き換えに1億円を手にすることができるか? というテーマに対して、もし自分だったら......ということを考えてみるのも面白い。  監督は弱冠28歳で手がけた長編デビュー作『ドニー・ダーコ』(01)がカルト的人気を誇るリチャード・ケリー。監督第2作『サウスランド・テイルズ』が日本では劇場未公開だったため、9年ぶりにスクリーンで新作が見られる機会になった。共演にジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ。5月9日より全国公開。 (eiga.com編集部・浅香義明) 『運命のボタン』作品情報 <http://eiga.com/movie/54183/>
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