中高生を中心に大人気のコミュニケーションツール「LINE」。現在、ユーザー数は1億5,000万を超え、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。それと同時に、大人と児童が手軽に出会えるツールとしても利用されており、多数の事件を引き起こしている。 実際、今年だけでも数え切れないほどの逮捕者が出ている。1月8日には愛知県で、児童買春などの疑いで会社員3人が逮捕された。14~16歳の少女とLINEで知り合い、関係を持ったという疑いだ。3月11日には32歳の会社員がLINEで知り合った15歳の女子高生とホテルで関係を持った。その後、クルマの助手席に乗せているときに検問で引っかかり、職務質問のうえ逮捕されている。さらに悪質な事件も起きている。LINEで知り合った女子高生に睡眠薬を飲ませて乱暴した32歳の男が、京都府警に逮捕されている。合意・非合意にかかわらず、表に出ているのが氷山の一角であることは間違いない。 これまでも、無料掲示板からSNSまで、出会い系に使われるサービスはあったものの、LINEは規模が違う。スマートフォンが若年層まで広がったうえ、手軽に使えるサービスとあって、これまでにないほど中高生のユーザーが増えているのだ。また、友だちになるにはLINE IDを交換する必要があるが、それを媒介するサービスが多数登場したことも大きな原因だ。それらの無料アプリをインストールすれば、すぐに女子中高生の投稿をいくらでも閲覧できる。中には「¥」「さぽ」など、露骨に援助交際を求めている投稿もある。そこでIDをコピーし、LINEアプリで連絡を取るという仕組みだ。 先月末、LINEの出会い系アプリ「L!マッチ」を提供している業者が、京都府警の要請でアプリストアからの削除に応じた。これは全国初のことで、取り締まりに向けたいい流れではある。とはいえ、この手の事件が掲示板で取り上げられると、「裏山死刑」「動画はどこ?」といったコメントが殺到する。大人にもお金が欲しい児童にも大きなニーズが存在するため、徹底的に対応しないと、駆逐するのは難しいだろう。LINEも大いに頭を悩ませている問題だとは思うが、このままずるずるユーザーを増やしていくと、パブリックエネミーに祭り上げられかねない。 まずはAppleやGoogleと協力し、仲介アプリを根絶。セキュリティサイトと連携し、出会いサイトをNGサイトとして登録してもらったり、警察の取り締まりもさらに強化し、誘いをかける児童側にも罰則を設けるといった対処も必要だろう。児童ポルノ根絶に関して見当違いの運動を必死に行っている政治家や慈善家には、ぜひその労力を目の前にある事件を減らすために使ってもらいたいものだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像
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関東連合OBも!? ネオヒルズ族の黒い交友関係…六本木ヒルズは半グレの棲み家?
――月刊サイゾーがウェブで読める「サイゾーpremium」から、今ホットな話題に関する記事をご紹介!
現在発売中の「週刊文春」(文藝春秋)にて「関東連合」元最高幹部の独占インタビューが掲載され、そのセンセーショナルな内容から今再び「半グレ」なる存在が注目を浴びています。記事では「長澤まさみを『借金返済』で追い込んだ」なんて物騒な話も飛び出しましたが、果たしてその実態とはいかに。月刊サイゾーでも度々とりあげる「半グレ」関連の記事から今回はコチラをピックアップ!六本木ヒルズが棲家になっているとかで、やはり金回りはよさそうです……。
■今回のピックアップ記事
『関東連合OBも!? ネオヒルズ族の黒い交友関係…六本木ヒルズは半グレの棲み家?』(2013年4月号掲載「ネオヒルズ族の真の顔」特集内)
──ここまで、ネオヒルズ族たちの”オモテの顔”から、その実態を探ってきたが、やはり彼らの周辺には、”ウラの顔”を持つ人物たちもウロウロしているよう。ヒルズ住民たちの黒い関係を探った。
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最近、ネオヒルズ族たちの周辺にすり寄るある会社に、刑事事件化の噂が飛び交っている。渦中にあるのは、太陽光発電設備の訪問販売を手がけるE社だ。 激安販売を売りに、ここ数年で売り上げが急拡大している同社だが、どうやら詐欺の疑いがあるのだ。取引先の関係者が言う。 「大勢の営業マンを抱え、実際に設備の販売は行っているようなのですが、そこから得た利益で回っている会社ではないんですよ。実態よりも業績を良く見せかけながら、金融機関から融資を引っ張り、A社長はじめ幹部連中がそのカネをことごとく流用しているのです。返済する気など端からなく、計画倒産で逃げ切りを狙っているんでしょう」 A社長が私的に流用するカネは、年間5000~6000万円ともいわれる。使途はご多分にもれず、女・酒・クルマのぜいたく三昧だ。そして、その蕩尽の「前線基地」になっているのが六本木ヒルズなのだ。 「E社の本社は関西なのに、A社長は会社のカネでヒルズに部屋を借りている。それだけで、相当な無駄遣いですよ」(前出・関係者) A社長がわざわざヒルズに拠点を構えるのは、この街ならではの人脈に理由がありそうだ。金融業界の事情通によれば昨年、ある証券会社を、見るからにイカツイ男たちが訪れたという。 「関東連合の有力OBです。E社への投資をネタにカネ集めをする相談を持ちかけてきたらしい」 六本木ヒルズには、複数の関東連合OBが居を構えているといわれる。オモテとウラの商売で潤っている彼らなら、別にヒルズでなくとも高級マンションを選びたい放題にも思えるが、何ゆえ同じ物件に集まってくるのか。 「彼らは、飲みに行く店も大体一緒なんですよね。ずばり言うと、六本木の高級クラブ『M』です。係りのママまで同じだから、飲んでいるだけで仲間の動向がなんとなく耳に入ってくる。ヒルズに住んでいれば、いつでも合流できるじゃないですか」(前出・金融事情通) 昨年9月、六本木のクラブ「フラワー」で飲食店経営者の男性が関東連合OBらに襲われる「人違い殺人事件」が起きたあと、このママはこんなことを吹聴していたという噂がある。 「関東連合に(被害に遭った男性が店にいると)連絡したのは、フラワーの責任者らしいわよ」 フラワーは名義上の経営者や店長の背後に、実質的なオーナーグループが控えているといわれ、彼女の言う「責任者」が誰を指すのかは判然としない。ただ、このクラブもフラワーも広い意味での関東連合ネットワークの中に含まれており、彼女の耳に事件の関連情報が入る蓋然性は高い。 クラブの常連客が話す。 「この店には芸能界関係者なども来るが、最近の上客は関東連合OBと、その周辺にいる企業経営者たち。また、かつては山口組五菱会(現6代目清水一家)系のヤミ金の連中が豪遊していた時期もあり、フラワーのオーナーグループのI氏もそのひとりだ。ヤミ金には暴走族上がりや元チーマーが多く、今羽振りのいい関東連合OBらの先輩の世代にあたる。元ヤミ金と関東連合OBは関係が近く、人脈もかぶっている」 ここに登場する面々の中にもヒルズの住人や元住人が含まれているが、ヒルズが開業したのは奇しくも、五菱会が摘発されたのと同じ03年のことだ。ヒルズは生まれながらにして、半グレの”棲み家”となっていたのだろうか。 (文/李策) 【「サイゾーpremium」では他にも半グレの実態に迫る記事が満載です!】 ・逮捕前夜の関東連合・元リーダー石元太一が語る”メディアと芸能界と俺たち” ・暴力団にとっては“バラマキ政策”が最後の春? 暴力団の抗争激化の懸念 危険度が増す裏社会の未来 ・関東連合壊滅に着手した警察 あの有名人の"闇"も炙り出す!?『六本木ヒルズの若手社長たち』(ブック
マン社)
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自分のアカウントが、知らぬ間に独り歩き!? Facebookの‟ニセモノ”にご用心
国内だけで約1,900万アカウントも利用されているFacebookなので、同姓同名のユーザーが存在する可能性は高い。アメリカでは同姓同名の人に友達申請を送るのがはやったり、同姓同名の男性と女性が結婚したことがニュースになったりしている。しかし、日本では好ましくない動きが目立ってきた。 実在するFacebookユーザーと同じ名前でアカウントを登録し、そのユーザーの友人・知人に友達申請を出しまくるのだ。写真を流用されたり、プロフィールを似た内容に編集されたら、友人・知人は本人だと思い込み、多くが友達申請を受け入れてしまうことだろう。顔を合わせた友人から「なんで2つ目のアカウントを作ったの?」と言われて初めて、自分の名前の別アカウントが存在することを知ることになる。 この恐ろしさがわかるだろうか? 今のところは、信用させてから出会い系サイトやアフィリエイトサイトに誘導するくらいしか報告されていないが、悪用しようと思えばいろいろできる。例えば、「ある製品がすごくいいので購入した」という記事をアップすればステマになるし、直接購入をお願いすることだってできる。「自分が開発に携わった」などと言われれば、安い物なら買ってしまいかねない。さすがに借金の申し込みはSNSでしないと思うので、金銭的な被害は限定的だが、本物ユーザーの信用を落とすのは簡単だ。 友人の投稿に対し、偽物が暴言を書き込みまくったらどうなるだろう? 明らかに攻撃的なら、いっそFacebookに通報されたほうが話が早い。しかし、地味に嫌な投稿を続けられると、水面下で被害が広まることになる。言い合いになり「だったら友達をやめればいいだろう」と書き込まれたら? 相手は当然、偽物だけでなく本物のアカウントとの関係性も切ることだろう。本当に仲のよい友人なら、電話やメールで真相を確かめてくれるかもしれない。しかし、数百人とつながっている人なら到底無理。ネットでつながっている人やコミュニティ仲間なら、壊滅的な被害を受けることは確実だ。学校や会社つながりでも深刻な問題になる。しかも、時間がたってから状況の説明ができても、そんな状況になるのもなんか変だよね――という空気が残ってしまいがち。 事が起きてからFacebookに報告しても、明らかにプロフィールや写真を盗んでいない限り、簡単にアカウントを削除してくれることはないだろう。削除されても、再作成するのは簡単だ。 このような事態に陥らないために、注意することは2つ。利用するSNSは限定し、使わないSNSは確実にアカウントを削除すること。次に、見知らぬ人とつながらないこと。友達申請をむやみに受け入れていると、そのうちスパムアカウントとつながり、餌食にされかねないからだ。 最後に、この記事をSNSでシェアしてはいかがだろう。万一の際になりすましの可能性を考えてくれて、本物のアカウントに状況の確認をしてくれるかもしれない。 (文=柳谷智宣)Facebookより
ネオヒルズ族は稼げてライターは稼げない 情報産業でメシを食うのに必要なこと
【サイゾーpremium】より
進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!
雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
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ウェブメディアの定着と雑誌の低調によって原稿料が下げ止まらなくなり、いわゆる「フリーライター」が飯を食っていくことが難しくなった。しかしこれは、メディア構造の変化に伴い、できる人/できない人の淘汰が進んだだけなのかもしれない。自身もフリージャーナリストである佐々木氏が考える、これからのフリーランスに必要な条件とは? 雑誌などのメディアに原稿を書いて収入を得る「フリーライター」と呼ばれる職業が、急速に終わりを迎えようとしている。インターネットの普及で情報の価値が落ちたことに加え、書くことが専業ではない人たちが安いギャラで原稿の仕事を請け負うようなことが増え、原稿料単価が驚くほど下がってしまったからだ。 少し前に、グーグルの及川卓也氏の呼びかけで『セミプロに駆逐されるプロという構図勉強会』という変わった名称の勉強会があった。集まったのは主にIT分野で記事を書いている専業や副業ライターの人たち40人。雑誌時代には1ページで2~3万円ぐらいだった原稿料単価が、最近のウェブメディアではどれだけ長く書いても1本1~2万円程度で、生活できなくなるレベルにまで落ちていることなどが語られた。驚いたのは、音楽ライター業界に「アルプス」という用語があるという話。 「最近は音楽ライターが『アルプスでやってくれない?』とメディアから言われるらしいですよ。『アルプス一万尺、小槍の上で』という歌があるでしょう。……つまり1万円弱でどうか、という意味なんです」 ……笑うに笑えない話である。 私自身のことを振り返ってみても、この原稿料の低下は体感している。私は1999年に毎日新聞社から月刊アスキー編集部に移り、ライターの人たちとお付き合いするようになった。2002年頃からアスキーの仕事と並行してライター仕事もこなすようになり、03年にフリーとして独立して今に至っている。 私がアスキーに移った99年頃はまだ雑誌が非常に元気で、10万部余り出ていた月刊アスキーの原稿料は、1ページ2万5000円前後だった。1ページは1500~2000文字ぐらいなので、文字単価が一文字10~15円だったことになる。専門性の高い記事や著名人への依頼の場合などでは、1ページ3万円払っていたこともある。ちなみに総合週刊誌の原稿料はもっと高く、だいたい1ページ3~5万円だった。いま振り返ると夢のような金額である。 とはいえ、この時期でさえすでに、古株のライターには「原稿料はもう何十年も上がっていない」というような愚痴を言う人もいた。バブルの頃はライター稼業もかなり羽振りが良かったらしい。 90年代でもまだその残滓はあった。例えばコンピュータ業界では95年以降、Windowsの爆発的人気でパソコンが一気に普及したが、当時はまだ初心者にはかなりハードルが高かったこともあって、解説本が売れに売れた。その象徴がインプレスの「できる」シリーズで、全体の累計はなんと現在までに4000万部に達しているというから驚かされる。 雑誌も同様で、一時は書店の雑誌棚の3分の1ぐらいを各種のパソコン雑誌が占領していた。自作系、エクセルなどの実用系、総合系、初心者系、プログラマー系、エンタープライズ系などさまざまなジャンルに分かれ、膨大な雑誌から依頼される原稿を書き分けているだけでも、ライターは十分に生活できたのである。 ■ある意味では当然のライターの淘汰 しかしこの「パソコン解説本バブル」が続いたのは、せいぜい00年代初頭ぐらいまでだ。WindowsもXPが出る頃にはたいへん使いやすくなり、エラーで落ちたりフリーズすることもあまりなくなって、誰でも使えるコモディティ商品に変わっていった。さらに、ブログが広まり、ちょっとした解説やお悩み相談程度なら、ネットで検索すればすぐに回答が見つかるようになった。これによってパソコン雑誌もパソコン解説本も市場は冷え込んでいく。 加えてブログ文化の勃興は、ネット検索での情報を豊かにしただけでなく、雑誌や書籍の分野でもプロとセミプロの境をなくしていった。それまではセミプロの書く文章は「素人くさい」「専門的すぎてわかりにくい」と思われていたのが、ブログで平易な文章を書き慣れる人たちが大量に現れ、雑誌や書籍にも進出して原稿を書いたり、本を出したりするようになったのだ。これによって専業ライターの領域は極端に狭まり、食えない人がたくさん現れてきた。それがこの10年代の現状だ。 とはいえ先ほどの勉強会では、こんな真っ当すぎる指摘もあった。 「そもそも、これは果たして悪いことなのでしょうか? プロと呼べる質の高い仕事をしていない人もたくさんいたわけで、そうした人たちが食べられなくなっていくのは仕方ない。問題は、良質なものが生き残るためにはどうするのかということ」 インターネットが普及する以前、情報の需給バランスは著しく供給側に傾いていた。つまり、情報を求めている人はたくさんいるのに、供給は雑誌や新聞、テレビなどに絞られていた。この需給バランスがメディア側に余剰の富をもたらしており、放送局や出版社、新聞社の高給はここから来ている。そしてフリーのライターやディレクターなどにも、そうした余剰が回ってきて業界全体を潤してくれていたということなのだ。 ネットが普及したことで需給バランスは逆に振れ、今や需要側に傾いている。つまり供給は膨大にあるけれども、そんなにたくさんの情報を全部読める人はいない、という情報洪水状態になったのだ。旧来の余剰が消し飛んでしまうのは当然である。 ではこのような状況で、専業のライターはどのようにしてメシを食っていけばいいのか。 ひとつは、自分の専門性を磨き、自分の仕事に付加価値をつけていくことである。勉強会では、今も元気に活躍されている女性ライターのひとりが「プロが食えなくなっているなんてことはない」と断言していた。 「ソフトやハード、開発系の記事は専業ライターでは結構難しい。でも発表会の取材記事や海外イベントの取材、企業の作るコンテンツに合わせた記事を書くことなどは、専業ライターの仕事としてちゃんと残っています」 彼女は、淘汰されるダメライターの5つのポイントをこう挙げた。 「特定の編集者とつながっている」 「英語が苦手」 「ソーシャルが苦手」 「昔話ばかり」 「文章が下手」 かなりきつい言葉が並んでいるが、これには私はまったく同意だ。 加えて、これからのライター稼業では、自分の売り方をきちんと戦略を立てて考えていく必要がある。 以前は、特定の編集者やセミナー会社などに人間関係だけでぶら下がり、仕事をもらう人が多かった。このようなやり方は、時折飲みに行って「なんか仕事ないっすかね」「こんな本書けないですかね」と駄弁っているだけで営業活動になるので、楽ちんだったのだ。しかし今やこういう人たちの大多数は、仕事がなくなってしまっているだろう。 そうではなく、自分にどんな付加価値があり、それがどう市場にマッチするかを分析し、その上でソーシャルメディアを駆使してセルフブランディングを構築し、読者を獲得する必要がある。ツイッターやフェイスブック、ブログの活用は必須だ。 単体の記事コンテンツの原稿料は下がっていっても、自分のブランドを確立できれば、ライター自身の価値は低下せず、自分自身というキャラクターを売っていくことで生計を立てていくことができる。そういう戦略が重要なのだ。 反語的だが、勉強会ではこんな意見も出たことを付け加えておこう。 「ライターは食えなくなったと言うけど、同じように情報で商売してるネオヒルズ族の与沢翼はメシが食えているということなんですよ。そういうこと言うと皆さん笑うけど、これはもうちょっと分析してみてもいい問題なんじゃないかな」 (文/佐々木俊尚) 佐々木俊尚(ささき・としなお) 1961年生まれ。毎日新聞、アスキーを経て、フリージャーナリストに。ネット技術やベンチャービジネスに精通。主な著書に『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー・21)、『キュレーションの時代』(ちくま新書)、『「当事者」の時代』(光文社新書)ほか。 【「サイゾーpremium」では他にも話題の識者陣による連載が満載です!】 ・【小田嶋 隆】友達リクエストの時代『敬語で始まった関係は友だちになれない?「友だち」という特殊な人間関係』 ・【宇野常寛】批評のブルーオーシャン『新しいリベラルとニコニコ超会議』 ・【町田康】続・関東戎夷焼煮袋『物事はダマになり易い ダマという人生の障害といかにして向き合うか』インプレス「できる」シリーズは今も続いている(画像は「できるポケット LINE」と「同 facebook」)。新しいサービスが世に広く出た時には、今でも需要があるようだ。
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ブラック企業の代名詞(?)光通信、なぜ社員から評判良い? 実力主義、高待遇…
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
■「Business Journal」人気記事(一部抜粋)
矢口真里と別居報道の中村昌也「アイツ全然料理つくらない。収入格差止まらない」
橋下徹慰安婦発言、デーブ「本性が口に」テリー伊藤「慰安婦抑えると一般人に危害」
“ミステリーな”村上春樹 大ヒット新作印税収入、次作の出版元、編集者も会えない…
■特にオススメ記事はこちら!
ブラック企業の代名詞(?)光通信、なぜ社員から評判良い? 実力主義、高待遇… - Business Journal(5月20日)
世の中には「ブラック企業ランキング」「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によれば、「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがあるという。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影されている可能性があるためだ。新田氏がそのような企業を取り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。 まずは、次の企業データからご覧いただきたい。 ・資本金:542億5900万円 ・売上高:4,990億円(2012年3月末実績) ・従業員数:約8,570名(グループ計/2012年3月末) ・株式:東京証券取引所第一部上場 ・事業所:直販事業所 350拠点、コールセンター(中国含む) 49拠点、ショップ数 2,490店舗、地域販社及び合弁会社 約100社 売上高が同規模の東証一部上場企業といえば、ローソン(4,790億円)、キユーピー(4,860億円)、小田急電鉄(5,080億円)などがある。規模的には堂々の大企業だ。 ちなみにこの会社では、新卒学生を対象に「幹部候補生」を募集している。そちらの採用条件や募集要項を見てみると、ますます大企業の貫禄がうかがえる。 ・幹部候補採用:年俸420万円〜560万円 ※内定後のプログラムの評価により、入社時に決定致します。 ・昇給:年4回 ※実力主義なので年齢や経験に関わらず、能力や結果で評価します。東証一部の大手企業ですが、入社2年目の係長、入社3年目の課長も誕生します。 ・諸手当:住宅手当、残業手当、資格取得手当、通勤交通費(当社規定による)、持株奨励金 ・福利厚生:入社支度金(入社初月に50万円支給)、ストックオプション制度、資格取得支援制度、独立支援制度、FA制度、社会保険完備、社員持株会、従業員会、慶弔金制度、出産手当金制度、出産後復職助成金制度 ・勤務時間:9:00〜17:30 ※それぞれのワークスタイルにより様々ですが、 平均の退勤時刻は、19:00〜20:00の間が目安です。 【先輩の出身校】 ●2013年度 採用実績校(入社予定) 慶應義塾大学・埼玉大学・首都大学東京・中央大学・東京工業大学・東京工業大学大学院・東京大学・東京大学大学院・東京理科大学・東京理科大学大学院・一橋大学・明治大学・横浜国立大学・早稲田大学 ●2012年度 採用実績校 大阪大学・大阪府立大学大学院・慶應義塾大学・高知大学・上智大学・中央大学・東京大学・東京理科大学大学院・同志社大学・法政大学・明治大学・立教大学・早稲田大学・早稲田大学大学院 さて、この“一見”一流企業はどこだろうか? 光通信である。 ブラック企業ランキングでは長らく上位を不動のものとし、ブラック企業の代名詞ともいえる存在だ。一般的な印象としては、「何をしている会社かはよく知らないが、ブラックであることは知っている」という感覚ではなかろうか。 後述するが、同社は2000年に起こした事件によって、一時期表舞台から姿を消した。確かにその頃の同社の所業はブラックだった。ただ今回は同社の「現在の労働環境」についてフィーチャーしたい。当時の同社を知っている人にとっては、今の同社がだいぶ違う会社になったと思われるかもしれない。 ●ITバブル崩壊の立役者? まず2000年前後の光通信のイメージは、「携帯電話とYahoo! BBのブロードバンド回線を売る営業会社」というところだろうか。現在もその事業は継続しているが、ほかにも事業の柱が加わっている。簡単に説明しよう。 ・携帯電話販売事業(店舗数2490店で国内最大規模) ・法人事業(OA機器、通信回線、携帯電話などオフィスインフラの販売。OA機器分野での売上は国内トップクラス) ・メディア広告事業(「e-まちタウン」をはじめとするポータルサイト運営とモバイル広告) ・保険事業(医療保険を中心とした保険商品を、コールセンターを通して販売) 光通信は携帯電話やPHSの爆発的普及期に、携帯電話販売代理店「HIT SHOP」を全国展開していた。「携帯電話を無料で配って契約させ、キャリアから報奨金を得る」というモデルで売上を伸ばし、ITバブルで同社の株価は高騰した。しかし2000年3月、大量に獲得した契約は架空のもの(寝かせ)であったことが発覚し、株価は急落。同社が投資していたITベンチャー企業はもとより、同社とは無関係な他のIT系企業も軒並み株価が大幅安となり、「ITバブル崩壊の立役者」とさえ言われる始末となった。 その後は何度か倒産疑惑が持ち上がったが、創業当時の事業であるOA機器販売に回帰して経営危機を脱した。02年からは医療保険の販売に乗り出し、04年に再度黒字化して以降は、また携帯電話販売網を拡大しているところだ。同社の強みはまさにプッシュ型の営業そのものにあり、強みが生かせる分野を伸ばして再起した格好である。 私自身、身近に同社出身者が複数いる。いずれも厳しい時代にマネージャークラスとして生き抜いてきた人たちであり、当時の経験を生かして現社でも経営者や管理職として活躍している。当時を振り返り、皆「厳しかった」とは言うものの、なんら不満らしきことは漏らしていない。 ●社員からの意外な高評価 では、現在20代の若手社員は、同社の労働環境をどのように感じているのだろうか。さすがにこれだけブラックと騒がれているだけあり、厳しさについては覚悟をもって入社している人が多い印象であった。具体的には次の通りだ。 「やればやった分、給料に反映される。サブマネージャーになれば月収100万も可能。一方で達成できなければずっと一般社員のままで、年収も300万円程度。この会社は良くも悪くも自分次第であり、自分の価値がよくわかる」 「完全実力主義のため、成果を上げれば新入社員でも3カ月で昇格できる。場合によっては20代で事業部長になることも可能。女性管理職も多い。サブマネージャーにはノルマを達成すれば昇格できるが、マネージャーへの昇格には資質も判断される」 「数字がすべての会社。数字を達成し続けるだけで、尊敬され部下も与えられる。法人間や役職を飛び越えた交流も盛んなため、至る所に出世のチャンスがある。非常に勉強になる組織だと思う」 「成績が上がれば上がるほど、できる仕事の幅が増える。その分責任も大きく、成功すれば評価は高まるし、さらにできる仕事の範囲は増える。逆に失敗すれば評価が下がる。本当の実力主義」 「部署異動が比較的自由で、子会社もたくさんあるので、社内でのキャリアパスは豊富。主体性があり、20代のうちからさまざまな経験を積みたいと考えている人にとっては良い環境であると思う」 皆「ウチの会社はこんなもの」と、意外と冷静に見ているようだ。まさに文字通り、数字がすべての実力主義の会社である。承知の上で入った、腕に自信のある人にとってはフェアな評価で居心地がよいということだろう。 一方で、腹がくくれていない人や、腕に自信のない人にとっては厳しい環境であることも事実だ。 「体育会系の部活みたいな雰囲気。仕事のつらさは、かなりキツイ部類に入る。営業では必ず即受注をしなければいけない、受注できなければ帰れない、電話越しに激詰めされるなど、だんだんと営業にいくのが怖くなることもあった」 もちろんこうした批判的な意見も多数あるが、それを紹介するのは別の機会に譲ろう。 ●実は、働きやすい会社? 割合多かったのが、年功によらない、完全実力主義であるがゆえの「フラットな組織」への評価であった。 「結果のみで判断されるため、非常にフラットで気楽。人情にも厚く、不調の際も必ず誰かがフォローしてくれる」 「出産や育児を経ても、働ける組織。2歳まで育児休業を延長できるし、短時間勤務制度もある。ただ、営業は勤務時間と成果が少なからず比例する部分もあると思うので、短時間勤務だと“成果”という部分で、『今までと同じように』というのは難しいかもしれない。産前産後休暇、育児・介護休業を取得したからといって、左遷されるとか、昇進が断たれるということはない」 「女性の責任者は他の会社に比べると多いほうだと思うし、女性だからとか男性だからとか、性別で何か評価が分かれるということは一切なかった。性別関係なく成果で評価される。『雑用は女性の仕事』的な風潮もまったくなく、自分のことは自分でやるという感じ」 同社での経験が糧であったと実感できるのは、他社に転職する際であろう。恐らく、同社在籍時よりもプレッシャーを感じる職場というのは、そうそうないはずだ。また、「営業として成果を上げる」という基本的なマインドが叩き込まれているので、営業職としての評価は高い。実際、別の会社に営業職として移っていった人は、このように述べていた。 「光通信にいたことを評価してもらえたとき、あの会社でよかったと思えました。自分では立てないような高い目標を、半ば強制的に負わされる経験を経て、自らより高い目標を目指して実績をつくっていくという主体性が芽生えました。(筆者補足:同社に勤務したとしても)最初の壁で挫折してしまう人がほとんどだと思いますが、その経験も外部からしたらかなり貴重なものなので、短期で離職した方も、その経験を前向きに捉えられるといいですね」 (文=新田 龍/ブラック企業アナリスト、ヴィベアータ代表取締役) 【今号のフォロー企業】 光通信 ハードワーク度 ★★★★★ 成果を適正に評価される度 ☆☆☆☆☆ (☆=優良度 ★=ブラック度 5段階評価中) ■おすすめ記事 矢口真里と別居報道の中村昌也「アイツ全然料理つくらない。収入格差止まらない」 橋下徹慰安婦発言、デーブ「本性が口に」テリー伊藤「慰安婦抑えると一般人に危害」 “ミステリーな”村上春樹 大ヒット新作印税収入、次作の出版元、編集者も会えない… パナソニック批判への違和感 復活担う社内ベンチャーと“わかりにくい”経営の強さ また高齢者の負担を若者が背負うのか…自動車の任意保険料なぜ値上げ?『ITバブルの内幕 光通信の天国と地獄』
(道出版/氏家和正)
情弱ホイホイにご用心! ネット上のウソを見抜くテクニックとは?
ネット上は欺瞞に満ちている。 「ウソをウソと見抜けないと(2ちゃんねるを使うのは)難しい」。これは、2ちゃんねるの元管理人・西村博之氏の言葉だが、今の時代、SNSやTwitter、ブログにまで当てはまる箴言(しんげん)と言える。単に間違った情報を得てしまうだけならともかく、シェアして拡散したり、偏った意見に同調して知人に迷惑をかけるという実害も出る。ネットのウソを見抜き、正確な情報だけを効率よく得ることは、意外と難しい。 ネット上のウソは、ありとあらゆるところで問題を引き起こす。例えば、先日アメリカのボストンでテロが起きた際、とんでもない動画がYouTubeに投稿された。「テロを祝福する在日米軍は不要」といった内容の英語のメッセージで、プロフィールには「I am JAPANESE」と書かれていた。テロで死傷者が出ているところに、政治を絡めてあおり立てるのは最悪だ。これを日本人の投稿と受け取ったアメリカ人がいるなら、ひどい反感を持つに違いない。しかし、うかつに真に受けず、ちょっと調べると何か変だということがわかる。投稿者のアイコンは韓国国旗にも使われている太極マークで、過去の投稿はすさまじい反日コメントだらけ。突如として日本人を装った投稿を行ったのは、動画を見た人に日本を攻撃させることが目的だとわかる。当然のように炎上したので動画は削除されたが、著作権侵害の申し立てをしたのは「kim min songさん」。ここまでくれば、日本に反感を持つことはないだろう。 これは日本人にとってはわかりやすい事例だが、通常はブログやTwitter、SNSなどで目にした情報が自分の琴線に触れると、真実かどうかのジャッジを行わず、良かれ悪かれ過剰反応してしまう。「イイ話をシェアする情弱が急増中 SNSで感動話を創作して「いいね!」を稼ぐ輩たち」(http://www.cyzo.com/2013/04/post_12968.html)でも触れたように、創作話に飛びついて、このいい話をシェアする自分ってなんてセンスがいいのでしょう、と情弱ぶりを晒している人たちも増えている。URLの転送先がアフィブログで、金儲けのコマにされているのに気がつかないのだ。「いいね!」やフォロワーを集めてから、突然内容を変えて怪しい商材を売ったり、偏向メッセージの発信をし始めるケースもある。 自分が共感できる意見だとしても、他人に発信する前には真偽を確認すること。ものすごく反感を覚える意見だとしても、すぐには反論しないこと。その人を貶めるために、逆の立場の人が偽装している可能性も高いのだ。耳に優しい情報だけを流動食のように摂取するのではなく、検索してウラを取り、正確な情報を得るようにしたい。Googleで検索するテクニックはみんな持っているはずだし、ネットにはすべての情報がある。ウソをウソと見抜くのは技術の有無ではなく、心がけの問題。とはいえ、すべてを疑って陰謀論にハマってしまうのもまた情弱。情報の流れの中道に立ち、真実を手にしてほしい。 (文=柳谷智宣)くだんのYouTube動画。
ネット広告市場が8600億円超えで急成長 鉄槌を振るう電通と博報堂の目論見
【サイゾーpremium】より
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2012年、ネット広告最大手のサイバーエージェントが1411億円の売り上げを計上。ネット広告市場全体でも8600億円を超えるほどに成長している。一方、ネットなどでは「電通・博報堂はネット広告に弱く、今後弱体化する」という見方もなされているが、広告業界を牛耳ってきたこの2社は本当に衰退していくのか――? 電通、早期退職100人募集――新年早々、こんなニュースがネット上を賑わせた。ガリバー企業の崩壊の始まりか、構造改革の一手か。多くのメディアがそうした予見を書きなぐったことは、記憶に新しい。 だが電通はこの騒動を尻目に、その翌月の2月に「2012年 日本の広告費」を発表。景気後退のあおりを受けつつ、東日本大震災の反動増もあり、「総広告費は5兆8913億円で、5年ぶりに前年実績を上回った」と報じ、多くのメディアやエコノミストたちもまた、一転して希望的観測を述べるのであった。しかし、リーマンショック以前の総広告費には、依然1兆円以上及ばない。 日本経済を測るバロメーターでもある広告業界の市場規模だが、果たしてアベノミクス効果を追い風とし、再び躍動し始めているのだろうか? 現場の声を拾いつつ、広告業界の行く末をみていこう。 「今、広告業界は、IT技術を駆使し、広告の効果を数値化できる広告プランニングに移行しているため、メディアの枠買いという直接的な効果が見出しにくい受動的なビジネスモデルに見切りをつけないと、活路を見出せない状況にまで追い詰められています。電通、博報堂、ADKの大手3社はさておき、大広や読売広告社など業界4位以下の会社は大型の広告取引の立案が難しい。サイバーエージェント(CA)やオプトなど、ネットでの広告プランニングを手がける代理店が業界上位に食い込んできている一方で、今でも メディアバイイング力=広告会社の規模 という旧来型の図式が支配的な広告業界では、ネットでのノウハウや独自の媒体を持たない中小が上位に食い込む可能性はゼロ。名も知れぬ第三極ローカルや、売り上げ5億円未満の中小は、数年以内にどんどん倒れていくでしょう」 そう話すのは、電通の某アカウント・プランナーだ。 「東芝エージェンシーやアイプラネットなど、特定の企業としか仕事をしないハウス・エージェンシーは、自社メディアを開発しない限り、窮地に立たされるのは時間の問題。今年1月、相鉄エージェンシーが身売りしたことからも、それは見て取れます。博報堂と経営統合して10年がたつ大広、読売広告社も、統合直後の営業利益に戻ってしまった。12年、10位圏内で明るい話題があったのは、グループ企業が『渋谷ヒカリエ』を開業させた東急エージェンシーぐらいでしょう。数多くのナショナルクライアントとつながりが深く、マスコミ4媒体の内情にも詳しい、電博以外で躍進する総合広告代理店はない。電博が市場シェアの50%近くを寡占している状況下、中小が活路を見出すなら、電博から仕事を受注するか、海外にジョイントベンチャーを作ることぐらいしかないんじゃないかな」(同) 電通・博報堂とその他。広告業界の二極分化は、拡大していくばかりなのだ。 ■結局市場を握るのは電博とグーグル・ヤフー このように、電通と博報堂DYグループというガリバー2社の寡占が進み、それ以外が衰退をし始めるという業界にあって、前年比107.7%を計上し、テレビに次ぐ第二の広告メディア に成長したのが「インターネット広告」である。 黎明期(96年)には16億円だった市場規模も、2年後に114億円、03年には1000億円を突破し、急速に拡大。12年には8680億円を計上した。一見すると好調をキープし、右肩上がりの業界のようだが、さていかに? 大手ネット広告代理店の社員は「クライアントの争奪戦は、今もって熾烈です」と、話す。 12年の売上高が1400億円を誇ったサイバーエージェントのように、ネット広告を主軸としながらも、PCやスマホ向けのメディア事業も手がけるネット広告代理店はごくわずか。DACやオプト、GMO、セプテーニなどのネット広告業界で上位の代理店では、営業力や技術開発力といった自社の強みを生かしながら、覇権争いに日々奔走中だという。 そんな状況であるにもかかわらず、現在でも新規参入を試みる会社が雨後のタケノコのごとく現れているのだ。 「彼らはネット上には市場拡大の余地があり、いまだ収益源になりそうな対象を獲得できるチャンスが転がっている、という幻想を抱いているようです。実際にはすでにレッドオーシャン化しており、激しい競争にさらされるのですが……」(前出・電通プランナー) こうしたトップランナーたちの苦悩を知ってか知らずか、インターネット広告業界の勢力図は、今もってアップデートされ続けているのである。 このようにネット広告代理店は、機動力と専門性を武器に、広告業界全体でも上位を占めるようになってきた。今後の発展のキーポイントは、日進月歩で進化するIT技術をいかにキャッチアップできるかによるところが大きいという。一方で前述の通り、ネット広告業界内での競争は熾烈を極めている。 バナー広告が主だったゼロ年代半ばまでは、送り手側が一方的に情報を露出し、それをクリックしてもらえば、広告主のサイトに誘導できる時代だった。広告代理店の仕事も、メディア・レップ(メディア側を代理する会社)が買い付けてきた媒体の広告枠をクライアント(広告主)に売るというビジネスが主流。広告主のマーケティングROI(効果測定)を高めることを第一に考える現在とは違い、代理店の仕事は枠買いにとどまっていた。 だが、こうした広告手法に転機が訪れる。ネット広告が、ユーザーの興味や関心にターゲティングした、リスティング広告の時代に入ったのだ。 「特に08年に起こったリーマンショック以降、純広告の予算が激減したことで広告主側は、ユーザーアクションと連動して課金される『クリック課金制度』に活路を見出し、アドネットワークにシフト。広告の「運用」という概念が一般化しました。この動きは、現在のネット業界の考え方の根幹になっています」(業界に詳しいジャーナリスト) リスティング広告は「アドネットワーク配信型広告」と「検索連動型広告」という2種類の広告配信方法に大別できる。前者はウェブページのコンテンツや文脈、ユーザーの行動履歴に連動した広告を表示し、後者はヤフーやグーグルで検索されたキーワードに連動した表示がなされる。双方ともにサイトへのアクセスを増やすためには、広告主への専門性の高いアドバイスが必要となる。 ネット広告の初期は、広告主の媒体への信用度も低く、中小の広告主を開拓することが中心。大手広告代理店の手がけるマス広告とは別の世界を形成していた。そんなさなか、少ない投資でも効果が視覚的にわかるリスティング広告が誕生。大企業もネット広告に関心を示し始めるのだった。 ■新興ネット企業は電博が買いあさり淘汰 そして現在、ネット広告は、さらに進化を遂げている(現在の業界の勢力図は、@hirohirokon氏によって作成された「カオスマップ」<http://www.venturenow.jp/main-img/tsubaki_100728-02-1.jpg>に詳しい)。大手広告代理店とネット専業広告会社の棲み分けが進み、市場にプレイヤーが溢れているのだ。 各社が新たなビジネスモデルを模索する中、電通や博報堂がネット系代理店を買収し、傘下に収めることも常態となった。これは、ノウハウの蓄積に乏しい企業が淘汰されていくことを意味する。 機動力、専門性を要求されるネット広告業界では、今後も大小さまざまな提携劇が続くことは間違いない。 「ネット広告業界の勝ち組は、ナショナルクライアントの予算を握る電通と博報堂DYグループです。なぜならいまだ、ナショナルクライアントの上層部はネットに対する信頼は低く、つながりの深い代理店にあずけてしまう実情がある。ですが、この2社に加えて、世界基準のポータルサイトを運営するヤフーとグーグルが、ネットでは真の覇者だと思います。さまざまなツールの受け皿として機能するヤフーとグーグルは、黙っていても莫大なマージンを手にすることができる。ネット専業のツールベンダーがどんなに先鋭的な技術を開発しても、所詮は彼らの手の平で転がされているに過ぎません。厳しい見方をすれば、売上高100億円規模以下のネット専業の広告会社は、ここ数年のうちに業界から淘汰されるか、資本力のある代理店に買収されていくのは確かでしょう」(前出・大手ネット広告代理店社員) 果たして広告業界に夢物語は存在するのか。アベノミクス効果を追い風としつつも、生きる会社・死ぬ会社はすでに決まっているのかもしれない。 (文/メコン伝太) 【「サイゾーpremium」では他にも有名企業の経営に斬り込む記事が満載です!】 ・電博は逃げ切り! サイバーが追い上げ!? 広告代理店の勝ち馬企業をオッズで大予想 ・「コンパでは目立たない……」 レッドオーシャンと化した広告代理店社員座談会 ・独占レンタルで非難轟々 死にゆく市場にCCCが放つ生き残り策『最新図解「進化するネット広告」のすべて』(技術評論社)
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巨人Amazonの牙城に挑む、国内量販店の逆襲
近年、ネット通販の雄Amazonは日を追うごとに巨大化し、小売りを殲滅するかのような状態だった。しかし、ここにきて新しい局面を迎えている。ヨドバシカメラやビックカメラといった家電量販店が、Amazonに対抗したサービスをスタートさせたのだ。 今年1月、ヨドバシカメラはショッピングサイト「ヨドバシ・ドット・コム」にてコミックを取り扱うようになった。オンライン注文の場合は、全品送料は無料。今では、小説から実用書、ゲームの攻略本まで品揃えが充実している。しかも、ポイント還元が大きいのも魅力だ。Amazonの場合は、ポイントが付く商品と付かない商品があるが、ヨドバシカメラの書籍は一律3%。通常、割引のない書籍でこのポイント還元はうれしいところだ。さらに、当日配送や翌日配送など、スピーディに届けられるのも見逃せない。 送料無料でポイント還元も付ければ、ヨドバシカメラ側の利益は少ない。膨大なアクセスが集中するショッピングサイトの構築・運営を考えれば、ヨドバシカメラ副社長の藤沢和則氏が「なんとか商売にはなるかなというレベル」と言うように、ビジネスになるぎりぎりのところだろう。公式にはサービスを開始した理由は語られていないが、筆者は、Amazonの寡占状態にメスを入れる目的が大きいと見ている。 書籍を買ってもらえるようになれば、ついでということで、ほかの商品もまとめ買いしてもらえるかもしれない。ポイントが付くので、囲い込みにもなる。それらのメリットの代わりに、配達スピードとポイント還元に力を入れたのだ。具体的な数字はまだ公開されていないが、注目度は抜群。ラインナップはどんどん充実していくことだろう。 売り上げ日本一の量販店、ヤマダ電機はAmazonと「価格」で真っ向勝負する。そのコストは、経営の合理化によって捻出している。日本の技術と根性は効果を上げ、ライバルと比べても高い利益率を叩き出しているのだ。 ビックカメラはAmazonが苦手な医薬品の取り扱いを開始した。処方箋のいらない第3類医薬品ではあるものの、ネットで購入できるのはありがたいところ。医薬品通販サイト「ケンコーコム」のように、第1類・第2類の販売が可能になれば、大きなアドバンテージとなるだろう。 このように、Amazon包囲網は着実に狭まってきている。筆者としても、売り上げ全体にかかる税金を日本に納めてくれる企業で買い物したいという気持ちもある。今はまだ劇的な変化はないが、今後ユーザーが流れることは確実。その時に、Amazonはどう迎え撃つのだろうか。顧客第一主義のAmazonのことだから、ユーザーが飛びつくようなサービスを打ち出してくるに違いない。 (文=柳谷智宣)「ビックカメラ.com」より
イイ話をシェアする情弱が急増中 SNSで感動話を創作して「いいね!」を稼ぐ輩たち
最近、昔ネットで見たことがあるイイ話、もしくはその改変された話がFacebookのタイムラインに流れてくるようになった。シェアしている人は実際に感動し、その情報を発信したいという善意に基づいた行動なのだろうが、そのシェアは多くの人に眉唾でスルーされており、情弱判定を喰らっているということは覚えておきたいところだ。 この手の投稿では、飛行機やバスなどの公共交通機関でマイノリティを差別する人が現れたときに、CAや運転手がその人を懲らしめるという勧善懲悪が有名。一旦、マイノリティを落とすようなことを言いつつ、それが実際には差別する側に向けられている言葉としてカタルシスを得るのだ。その他、東日本大震災に関連するものやビジネスの教訓なども見かけるが、このほとんどは創作だ。本当によくできている話が多く、改変に当たり、さらにブラッシュアップされていることもある。 ネタ話として読むならもちろん問題はないが、情弱はリアルに起きていることとして捉えてしまうのだ。シェアの際に「私も見習いたいです」「世の中捨てたもんじゃない」といったコメントが書かれている場合が多いが、実話だと勘違いしているなら痛いだけ。さらに、それを指摘すれば「創作でもいい話なんだからいいんだ」と自己防衛を張る。そのため、ほとんどの人はスルーするだけ。「いいね!」がついていても、それは機械的に片っ端から押す人がいるだけで、共感を得ているわけではない。 大本の投稿者は、「いいね!」やシェア数を集められてホクホクだ。単に自己顕示欲を満たしたいというだけなら被害はないが、投稿者への「いいね!」やフォローへ誘導しているケースも多い。それによって、多人数への影響力を強めようとしているのだ。実際、コピペを疑うことなく、感動して人に押しつける人たちの集合体がフォローしているなら、確かに影響力は大きいといえる。ネットの中での立場を強くするためには効率のいい手法だし、たくましいとも思う。しかし、皆さんには、そんな道具になってほしくない。ネットの情報はきちんと判断し、収集する必要がある。投稿を拡散する際には、その情報が自分を判断する基準とされるということを肝に銘じたいところだ。 (文=柳谷智宣)Facebookより
情弱飲食店が引っかかって阿鼻叫喚 店側も客側も得をしない“焼き畑”スタイルのクーポンビジネス
時々、クーポンサービスを利用した飲食店がSNSや掲示板で大炎上することがある。クーポンサービスとは、50%以上などの割引クーポンをネット上で販売し、購入ユーザーが一定数を超えた場合のみ成立するというもの。代表的なサービスとしては、「グルーポン」や「シェアリー」などがある。店側にとっては、ネットの強力な販促力により、自分だけではアプローチできない顧客層にクーポンを販売できるという魅力があり、新規顧客獲得の手段としては非常に効率がいいと言える。ユーザーは、もちろん通常時の半額以下で飲み食いできるというメリットがある。 一見、いいことずくめに思えるが、なぜトラブルが起きるのだろうか? まずは、価格設定のからくりを見てみよう。例えば、いつも2000円で出している商品を50%割引で出す場合、ユーザーが支払うのは1000円となる。そして、これを店側とクーポンサービス側で山分けするのだ。だいたい半分ずつというところが多い。つまり、店側の手取りは500円。一般的な原価率は3割なので、100円ほどの赤字が出てしまう。そこでよく見られるのが、普段とちょっと違う商品を用意し、ほんの一時期だけ倍の値段で売る二重価格手法。その実績があれば、50%割り引いて、いつも通りの価格になる。売り上げを半分持っていかれても、わずかながら黒字が出るという寸法だ。ただし、相当うまくやらない限りこの手はバレることが多く、炎上の燃料になる。 次に、クーポンを発行する枚数が問題になる。500~1000枚程度のケースが多いが、それでも個人店なら大変な枚数だ。有効期限が半年あるからといって、1日3~6人の上乗せと考えるなら相当情弱だ。購入したユーザーは当然、自分の都合のいい日時に食べに行くに決まっている。それは、一般客の動きと連動している。つまり、ただでさえ忙しい日にクーポン客が押し寄せることになり、その結果、常連客は入れないということも起きる。さらに、クーポン客のメニューは利益が薄い、もしくは赤字なので資金繰りが厳しくなる。満席状態に慣れていない店なら、サービスや味のクオリティが落ちることもある。それがあまりにひどい状態だと、炎上が始まる。ここに至り、店側は悲鳴を上げる。 店側が売却済みのクーポンを中止したこともある。クーポンはプリンタで印刷して持って行くのだが、コピーするのは簡単で、この偽造クーポンを多数使われてしまったためだ。テイクアウトをしているお店では、会計ごとにチェックするのが難しく、悩ましいところ。さらに、店側はブログで資金繰りが苦しくなったとも告白している。この場合は、店が被害者であることが明白なので、それほど大きな炎上にはならなかった。 大炎上するのは、店側がユーザーにひどい対応を取った場合。クーポン客に対して冷たい対応を取ったり、あからさまに手を抜いた料理を出したりしたら最悪だ。さらに、Twitterで「クーポン客は来ないでくれ」といった内容を投稿した店もある。ユーザーは正規のルートでお金を払ってわざわざ来店しているのに、暴言を吐かれようものなら怒り心頭になるのも当然だ。 とはいえ、新規顧客は獲得できているではないか、という見方もある。確かに新規の客ではあるが、リピーターになるかどうかは別問題。サービスレベルが低下した状態では、客はまた来たいとは思わないはず。また、サイゼリヤの創業者である正垣泰彦氏は「激安セールで集めた客は常連にならない」と言っている。価格を戻した瞬間に、来なくなるというのだ。確かに、クーポンを利用する人は、割り引きしている店だけを渡り歩くケースが多い。 このようなことがあると、店側も大ダメージを受け、ユーザーも不快な思いをする。儲けるのはクーポンサービスだけという結果になる。クーポンを利用した店が「二度とクーポンサービスはしない」とSNSなどで宣言することも多く、まるで焼き畑農業のような状態だ。とはいえ、飲食店は全国に70万軒ある。情報に疎い経営者を見つけるのは難しくないだろう。 結局、個人店でクーポンビジネスを利用するなら、発行枚数は身の丈に合ったレベルに抑える必要がある。クーポンサービスの営業は、枚数が多いほど売り上げが立つので増やそうとするが、乗ってしまうと経営が傾きかねない。また、価格設定もできるだけ正直にあるべきだ。個人店を経営していると、忙しい日々を送っているため、世間の情報に疎くなりがちだが、半面、客側はインターネットを介して、それまでのメニューを調べることなど朝飯前なのだ。 ユーザーとしても、混み合う時間帯を避けるようにするといいだろう。店への気遣いというより、自分へのサービスを向上させるためだ。さすがに店がガラガラなら、イラつかれることもないだろう。さらに上級者は、メニューが二重価格表示からの割引になっていないか、店のキャパシティオーバーになっていないか、などをチェックしたいところだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像










