ビットコインとは、2009年に誕生したP2Pの仕組みを利用した仮想通貨のこと。どこかが所有しているサービスではなく、ネットワーク上にのみ存在する通貨で、強固な偽造防止機構を備えている。メリットとしては、決済の際に手数料が不要な点が挙げられる。これは、夢のような話で、すでにビットコインで決済できるネットショッピングやレストランが登場している。1~3%の手数料が不要なので、ショップ側は大歓迎だ。世界共通の仮想通貨なので、国をまたいだ送金にも大きな効果がある。通常は、銀行で通貨を交換し、送金する手続きを取るが、その両方で大きな手数料が発生する。ビジネスで取り扱う場合は、バカにできない金額だ。だが、これもビットコインなら一瞬で決済できる。 メリットだけ聞くと、すごい仕組みに思える。しかし、P2Pによる高い匿名性は、マネーロンダリングやドラッグの売買に利用される可能性がある。もっと危険なのは、ビットコインの価値も為替と同じように変動するということ。ほんの3年前、1ビットコインは0.3セントの価値だった。その後、各マスメディアで紹介されるごとに高騰を続け、1200ドルまで上がってしまった。こうなると、為替や株と同様、ビットコインが投機の対象になる。 バブルはいつかはじける、という歴史の教訓に気がつかない人がいる。そもそも、政府や中央銀行が裏付けていないデータに金銭的な価値をつけるということが危険という判断がつかないのもおかしい。ギャンブルとしては面白いが、大まじめに貯蓄や利回りを期待した投資と考えるのは情弱といえる。 そもそも、ビットコインの仕組みを考えたナカモト・サトシという人物が誰なのかさえわかっていない。彼は100万ビットコインを保有しているといわれているが、この量はビットコイン市場を破壊するパワーを持っている。虎の子のお金を突っ込む前に、ビットコインの信頼性を検討しなかったのだろうか? 結局、ビットコインは12月18日に大暴落した。アメリカが規制するというニュースが流れた上、中国の中央銀行がビットコインの金融サービスを禁止。これは、中国で新たにビットコインを購入することが困難になったためだ。現在は、1ビットコイン約740ドル。短期間に価値が半減した所有者の修羅場は想像に難くない。 この手の投機対象は、イケイケだと新聞に出たら終了。その前に始めている情強だけが儲かるようになっている。今年後半から手を出した人が大ヤケドをするのは、当然の流れだ。 世界通貨の新しい形を見せてくれたビットコインの功績は大きい。ただし、ビットコインそのものが今後主流な通貨になる可能性はとても低い。ギャンブルするのであれば、チャートをよく見て短期売買することをオススメする。 (文=柳谷智宣)ビットコインの取引所「Mt.Gox」のサイト
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実質0円に苦情殺到! スマホが格安で買えるワケ
9月にiPhone 5Sが登場したころから、実質0円とうたいながらも、契約時にauの有料オプションに加入させられたという文句がネット上を飛び交うようになった。これは、ソフトバンクやドコモのショップでもあることなのだが、客に有料オプションを契約してもらうとキックバックが発生する。このキックバックは支援金と呼ばれており、ショップにとっては大きな収入源になっている。 とはいえ、オプションはなかなかごつい。映画やアニメを視聴したり、雑誌を読める「スマートパス」は月額390円。それに加えて動画が見放題の「ビデオパス」が月額590円、音楽を聞き放題の「うたパス」が月額315円、本が読み放題の「ブックパス」が月額590円。それに、留守番電話や待ち歌などが利用できる「電話きほんパック」(月額315円)やau携帯への通話が無料になる「au通話定額24」(月額500円)なども加わる。人によっては、アップルの保証サービス「AppleCare+」(初回416円、2回目以降408円)への加入を求められるケースもある。 当然、全部を払っていたら、実質0円で得する金額をはるかに超えてしまう。そこで、ショップのスタッフも、「明日以降解約してくれて結構」だと説明する。とりあえず、支援金が欲しいので契約してほしいということだ。カラクリは理解できるだろう。それなのに、auだけが炎上しているのは、セールス方針がやや異なるためだ。 ソフトバンクやドコモは、オプションに加入すれば割引があるので、トータルで得になると説明する。auも公式回答としては、オプションへの加入は強制ではないとしている。しかし、auショップではほぼ強制でオプションを契約させられたという声が多く、また、すぐに解約してよいと言われたオプションも、手続き方法がわかりにくいというネックがあった。そこで、auは11月1日に各種サービスを簡単に解約できるページを公開。だが、「AppleCare+」は電話やウェブで解約できないので、後日またショップに行く必要があるのが面倒だ。さらに、炎上は飛び火し続け、結局、12月1日にはオプションによる支援金評価方針を見直した。とはいえ、「スマートパス」のキックバックは続行されたようで、根本的な解決にはなっていない。 支援金は成績によって、1店舗当たり最大月額100万円近くなる。2~3人分の人件費が浮くとなれば、ショップの経営者は強制するに決まっている。ショップ側のモラルというよりも、そういう仕組みを作って餌をぶら下げているキャリア側に原因がある。筆者としては、大きな割引をしてもらっているのだから、オプション1回分の金額を払ったり、翌月に解約する手間くらい、別にいいではないかと思う。しかし、強制は感じが悪い。「すぐ解約してもいいので契約してくれれば、○○円割り引きますよ」と言えば、ユーザーは飛びつく。強制するから反発するのだ。魚心あれば水心。ユーザー目線で、スマートな仕組みを作ってほしいところだ。 (文=柳谷智宣)au公式サイトより
特定秘密保護法案に反対するほど逆効果 「アイツが反対しているから」賛成する流れが加速!
ここしばらく、特定秘密保護法案関連の話題で持ち切りになっている。6日に参議院本会議で可決され成立した後も、廃案を目指した運動が広がっている。この法案の是非についてはさておき、世論の形成について検証してみよう。 テレビや新聞などの大手マスコミの多くは、特定秘密保護法案に大反対。反対派の意見を連日報道していた。独自のアンケート結果なども紹介し、大多数の国民が反対していると伝えている。しかし、朝日新聞が特定秘密保護法案についてネットでアンケートを取ったところ、賛成派が圧倒的多数になった。これは珍しいことではない。 ニコニコ動画でも、11月28日に特定秘密保護法案に関するアンケート調査を行っている。結果は「成立させるべき」が「審議延長が必要」「廃案にすべき」を上回る36.6%でトップ。ほかのウェブ媒体でのアンケートでも、半数以上が賛成という結果が出ている。この温度差はなぜ生じるのだろうか? 11月22日に東国原英夫氏はTwitterで「朝日新聞の女性記者(知り合い)から連絡があり『特定秘密保護法案に明確に反対してくれれば記事にするので、取材をお願いしたい』と言われた。メディアというのは、大体こんなものである」と投稿している。反対なら記事にする、ということをしていれば反対派の意見ばかりがメディアに登場するのも当然だ。それなのに、なぜ反対派が主流にならないのか? それは、アピールの仕方が間違っているからだ。 特定秘密保護法案に反対するなら、論理的に反論すればいい。それなのに、針小棒大に騒ぎ立てたりヒステリックに反発するので、引いてしまう人が出るのだ。さらに、大マスコミや一部の著名人が大反対しているのもネック。もとより、そういった対象に対して不信感を持っている人は少なくなく、“いつもウソばかり垂れ流すマスコミが反対するなら、きっといい法律に違いない”というねじれた流れもできている。精神科医の香山リカ氏も「秘密保護法に反対してる人がみなキライだからきっと良い法律なんだろ、という意見をネットでよく見る。反対を語れば語るほど逆効果になるくらい嫌われてるちゅうことを、私を含めたいわゆるリベラル派は考えてみなきゃ。これじゃ反対会見開いてかえって法案成立に貢献しただけ、ってことになる」とツイートしているが、まさにその通りだ。 嫌いな人が意見を述べているから、という理由だけで、自分はその反対に手を挙げるとは情弱といえるが、そういった人たちは少なくない。ネットで意見を発している人を「ネトウヨ」と十把一絡げにして軽視するのは間違いだ。ネトウヨなんて存在しない。ネットユーザーもリアルと同様、ありとあらゆる人がいる。変人もいるが、大多数は普通の人たちだ。この状態が続けば、マスコミがゴリ押しするほど、逆の流れができるようになる。 もし、筆者が反対派のブレーンであるなら、賛成派の意見も同じ比重で報道し、ユーザーに判断させることを選ぶ。デメリットもメリットも同じように紹介する。そうすれば、少なくとも「急いで決める必要はないんじゃない?」という流れになったはず。ネットで多数の人に敵視されている、という人なら、見当違いの論理で賛成すればいい。一挙に大多数の人が反対派に回るはずだ。 今回も想像通りの流れに乗ってしまった。ネットのムーブメントを特定秘密保護法案に反対する流れに乗せれば、廃案まで可能だろうに、このままでは賛同派が増えるばかり。しかし、反対派のほとんどはそのことに気がついておらず、ヒステリックになって賛成派を情弱呼ばわり。流れに棹さしているだけだ。世論を作り出したいなら、それなりの手法をとればいいのに、と思う。 とはいえ、そのうち逆張りの世論誘導術が行われるかもしれない。日刊サイゾーのユーザーには、上記の人たちのように感情で動かず、自分で情報のソースを当たり、自分の考えで判断を下してほしい。 (文=柳谷智宣)
ほとんどの人は気付いてない!? ノートPC内臓カメラからプライベート映像がダダ漏れ!
いまや、ほとんどのノートPCに搭載されている内蔵カメラ。スカイプなどで画面通話ができたりと便利なツールだが、このカメラ機能に外部から不正アクセスし、映像を取得している輩がいる。 自室でメールをチェックしながら着替えたり、風呂場にノートPCを持ち込んで映画を見たりすることはあるだろう。人目を気にしていない格好で、ウェブを閲覧しているかもしれない。そんなプライベート映像が知らぬ間にダダ漏れしているなんてにわかに信じがたいが、実は昔からごく普通に行われているのだ。 実際、今年の8月には「ミス・ティーンUSA」が自宅PCのカメラをハッキングされ、自室での映像を撮影され、それをネタに性的な脅しを受けている。まるで映画の中の話のようだが、実際にFBIが動き、犯人は特定されているという。このようにニュースになるのはまれだが、一般ユーザーも被害に遭っている。さらに恐ろしいことに、ほとんどの人たちは気がついていない。 レベルの低いトロイの木馬タイプのウィルスだと、カメラ動作時にLEDが点灯したりするが、「ミス・ティーンUSA」のケースでは点灯さえしていない。フラッシュなどのブラウザの脆弱性を突く場合は、怪しいプログラムをインストールしなくても被害に遭ってしまう。もちろん、既知の手法はアプリやセキュリティツールにより防御できるが、今後も未知の攻撃方法は続けて出てくるだろう。 盗撮趣味の輩たちは、アングラなサイトでゲットしたウェブカメラの情報や映像を交換している。セキュリティ企業の「Naked Security」によると、女性のウェブカメラへのアクセス権限は1ドルで販売されているという。女性はもちろん、男性でも映像によっては恐喝のネタになることは想像に難くないだろう。恐喝は手間とリスクがあるが、単にネットにばらまくだけなら簡単だ。人によっては、これでも大ダメージを受けてしまう。 対策としては、最新のセキュリティソフトをインストールし、怪しいメールやプログラムを開かないことが有効。しかし、最も手軽で確実なのが、ウェブカメラに付箋紙を貼ること。心配性すぎると笑い飛ばしていたのも昔のこと。いまや、当たり前のセキュリティワザになってきている。使わないときは、堂々とカメラを塞いでおこう。ハードウェア的にカバーが閉じるモデルが発売されれば、人気が出ると思うのだが、どこか作ってくれませんかね。 (文=柳谷智宣)イメージ画像(「足成」より)
楽天優勝セールで通常価格の偽装祭り! 情弱狙いのショップが出現中
11月3日、東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズを制覇し、日本一に輝いた。その夜から、ネットショップモール「楽天市場」で楽天優勝セールがスタート。星野仙一監督の背番号「77」にちなんで、77%オフセールが多数出現した。しかし、情弱狙いのとんでもないショップが相次いで登場。夜中から別の意味で盛り上がることになった。 例えば「抹茶しゅーくりーむ」が、通常販売価格1万2000円のところ、77%オフの産地直送価格で2600円だという。しかし、その卸であるサイトの販売価格は2625円。そう、セールのためだけに通常価格を大幅にアップさせ、いつも通りの値段をさも割引しているように見せかけていたのだ。卸は寝耳に水だったと思われ、翌日には謝罪文を公開した。とはいえ、報告第2弾では、ショップの責任者が謝罪に訪れたことに触れているが、原因は「手違いであのような金額が表示されてしまいました」とのこと。卸元にはいい迷惑だが、原因となったショップの対応はいただけない。 最近、食材偽装のニュースでもよくあるが、「誤表示」とか「認識不足」といったオブラートに包んだ言い方で謝罪することが多い。しかし、こういう「逃げ」は、かえって消費者の反感を生み、話題を続行させてしまう。実際のところ、言い訳があったとしても、全面的に非を認めて対応するのが、炎上規模を抑えるテクニックなのだが……。 ほかにもある。iPhone 4S 64GB SIMフリー版を通常価格43万3915円と表記し、9万5048円として販売しているショップもあった。Amazonでは約7万円の商品なので、割引後の価格でさえ高い。ほかにも20数店舗、約1000点もの商品で価格の偽装があったことが発覚している。 楽天は、これらの悪質なショップには厳しく対処すると発表。三木谷浩史社長は「正式な日本一セールは、厳正な審査をしていた。便乗した“勝手セール”で、このような事態があった」とコメントを出した。しかし、これらの勝手セールが、77%引きセールとして検索できたのも事実。そもそも、日本一になったことをファンに感謝する名目のセールなのだから、ショップが独自に割引サービスを行うのも違和感がある。ショップが本当に割り引いた際に楽天がその割引額を補填するなど、大幅なポイント還元があればよかった。実際、ポイントアップはあったのだが、複数のショップを買い回らなければならないなど、現実的でなかった。 ネットで購入するユーザーは、情弱のままでは被害に遭う一方だ。自分の目で真実を見抜く必要がある。今回の件も、ほかのショップや卸などのホームページをチェックすれば、一発で相場がわかる。Amazonで検索するだけでもよかった。そもそも、自分が欲しい物にふさわしい値段は、自分で判断できるようになりたい。“何%引きだから買いたくなる”というなら、今後も騙されかねない。残念ながら、ネットの世界は信頼に足るサイトのほうが少ない。疑いの目を持つように心がけよう。 (文=柳谷智宣)
「2ちゃんねる」個人情報流出で加速する“ネット書き込み逆探知ビジネス”の世界
「2ちゃんねる」の有料閲覧サービス会員の個人情報7万4,000人分が流出した件が波紋を呼んでいるが、なんと「誰が書き込んだか調べる」という“逆探知ビジネス”が登場している。 この仕事を始めたのは大阪のビジネスコンサルタント業者で、以前から掲示板の中傷などネット被害に対応をしてきたが、ここにきて「2ちゃんねる」の投稿者の特定を求める依頼が急増。そこで9月から専門チームを組んだという。 「2ちゃんねるは運営者が情報開示に応じないので有名ですが、きちんとした方法をとれば可能なんです。運営者に開示の責任が問われないことを説明して交渉するか、もしくはサーバー管理者やインターネット回線の提供会社に協力を要請できます。開示されれば、接続されたIPアドレスから契約者を特定。拒まれた場合は、裁判所経由で命令を出させることができます」 ただ、今回の流出で、こうした正規の手法をとらないで発信者を特定する業者も続出しているという。 「ネット関連に強い探偵業者が、グレーな手法で発信者を特定していますね。この場合、グレーなやり方をしているので、後に損害賠償を求める裁判などになった際、表に出せる客観的な証拠がない場合がありますが、探偵業者はずる賢く、投稿者に被害者との和解交渉を持ち掛けて仲介料をせしめるんです」(同) つまり、探偵業者は投稿者に「あなたが書き込んだことは分かっている。和解に応じないなら裁判を行うが、すべて表沙汰になってもいいのか」などと言って、直接の損害賠償を請求するという形だ。 「身に覚えがあれば、表沙汰にしたくない大半の投稿者は、この話に応じるそうです。場合によっては足元を見られて、かなり高額な和解金を提示されているようです」(同) こうしたビジネスを加速させたのが今回の流出事件で、投稿者のメールアドレス、クレジットカード番号と名義、登録住所、電話番号、登録時のIPアドレス、投稿内容などが流出している。当初はこれらがそれぞれバラバラに流出していたというが、現在では一部業者がマッチング。前出のビジネスにも応用できるよう、データをまとめているという話だ。 ネット上では、住所で検索すると、その住所付近の有料会員の自宅や投稿内容が表示される『あなたの街の2ちゃんねらー』なるサイトが作成中といわれ、今後はこの情報をめぐってのトラブルが拡大すると見られている。 発信者特定を始めた都内のネット探偵業者に取材したところ「基本料は状況に応じて4~10万円で請け負っています」としたが、その後の和解交渉については「通常の裁判ではネット投稿の被害ではあまり大きな損害賠償を取れず、裁判で戦っても弁護士費用を差し引けば赤字ということもありますので」と、やはり交渉の仲介を請け負うことをほのめかした。 流出した情報からは現在、官僚、大手マスコミ社員、大企業の幹部、政治家など、金のありそうな職業の面々が次々と特定されており、それを金のなる木と見る業者は増えているようだ。 前出コンサルタント業者は「ネットの投稿者情報が金になるという認識が広まっていて、例えば幼女趣味の愛好サイトに書き込んでいた政治家の情報を握ったりする業者も出てきているので、今後は思わぬトラブルが別のところで浮上するかもしれない」と話している。 匿名の投稿だからと、好き勝手に書くのは控えたほうがよさそうだ。 (文=ハイセーヤスダ)イメージ画像(「足成」より)
国内ネット史上最悪! 2ch個人情報漏えい事件でねらー発狂中
8月25日(日)の深夜、匿名掲示板「2ちゃんねる」で祭りが起こった。最近トレンドの、アルバイトによる炎上ではなく、「●」(通称:まる)の情報が漏えいしたというのだ。「●」は、「2ちゃんねるビューア」(http://2ch.tora3.net/)で利用されているサービス。●を購入すれば、2ちゃんねるの過去スレッドを閲覧したり、規制中のプロバイダーからも書き込むことができる。価格は年間33ドル(約3,200円)で使い放題だ。規約で禁止されている住所などの個人情報を書き込む輩がいると、そのプロバイダーすべてのユーザーが2ちゃんねるに書き込めなくなってしまうのだが、最近は多くのプロバイダーが規制を受けており、●がないとろくに書き込めなくなっていた。今回の漏えい事件は、●を買う人が増えてきたタイミングで起きた、国内ネット史上最悪のトラブルなのだ。 流出した情報は多岐にわたる。匿名掲示板の2ちゃんねるで発言者が同じことを証明するためのトリップの情報、●のIDとメアド、ここ2年間の●購入時の個人情報とクレジットカード、IPアドレス、そしてここ2カ月分くらいの書き込み履歴だ。それぞれ別ファイルにまとめられており、すでに入手は難しくなっているが、それでも数え切れない人によってこれらの情報をダウンロードされている。 個人情報とクレジットカードがセットで流出しているため、まずは金銭的被害が考えられる。しかし、いくつかの大手銀行は利用者の口座を24時間監視し、不正利用された場合でも負担をかけないと発表した。いち早くカードを止め、再発行手続きを行えば問題ないだろう。 問題は、すべてのデータをリンクさせて細かく分析すると、2ちゃんねるへの書き込みと個人情報がひも付けられてしまうこと。これがどうして重大なのかわからないなら、常識人の幸せ者。“便所の落書き”といわれてきた2ちゃんねるの膨大な罵詈雑言を、誰が書いたのか丸わかりになるのだ。心当たりがある人は、漏えい事件を知ったときに人生終了の鐘が聞こえたと思われる。 自分が勤めている会社の悪口や内部情報を書き散らした者。会社では責任のある地位にいるのに、子どもみたいな書き込みを連発した人。アウトなエロ画像・動画を張りまくった人。他人のプライバシーを侵害したり、脅迫した輩。掲示板を荒らしまくったバカ者。これらすべてが、本名とメールアドレスとセットでバレてしまうのだ。顔面蒼白では済まない。 動物を虐待する書き込みを行った人物を特定しようという動きが出ているなど、多くの人がデータの照会を始めている。すでに特定されている事案もある。例えば、ライトノベル『神様のメモ帳』の作者である杉井光氏は数百件の書き込みを特定された。匿名で、ほかの作家へ暴言や誹謗中傷を投稿しまくっていたのだ。現在は、ホームページで謝罪文を公開している。2ちゃんねるのまとめサイト「僕自身なんJをまとめる喜びはあった」の管理人も、書き込み履歴が漏えい。謝罪文で、荒らし行為をライフワークのように行っていたと告白。ブログを閉鎖することを宣言した。そのほかにも、ステマやライバル企業の誹謗中傷、目を覆うばかりのネトウヨ・ネトサヨ発言などの投稿者も特定されつつある。漏えいした約4万人のうち、ほとんどが書き込みをしているはず。書き込みが常識の範囲内であれば晒されることはないだろうが、匿名をいいことにモラルに反した書き込みをしているなら危ない。 漏えいしてしまった情報を回収することはできない。しかし、心当たりがあるがまだ晒されていない人たちがあがき始めた。まず、漏えい内容を書いた人をサイバーポリスに片っ端から通報しているのだ。確かに、個人情報の流布は取り締まりの対象になるし、プロバイダーに削除を要請することもできる。また、漏えいした情報と同じファイル名のダミーファイルを作成し、ありとあらゆるルートでばらまいている。本物をこれ以上拡散させないためだ。焼け石に水とはいえ、さすが生粋の2ちゃんねらーは対応が早い。 漏えいした情報には、大手企業や政治家の名前、メールアドレスも含まれている。すべての書き込みがリンクされたら、大事になるだろう。ただ、不幸中の幸いなのが、あまりにも規模が大きすぎて、少々の書き込みであれば風化してしまうという点。記録がネットに残ってしまうのはいたしかたないが、被害はある程度抑えられるかもしれない。 今回の漏えい事件はしばらく収まらないだろう。とはいえ、2ちゃんねるのひどい書き込みも、少し沈静化しているように見える。心当たりがある人は、2ちゃんねるなどの誹謗中傷行為に詳しい弁護士に相談するという手もある。自暴自棄にならずに、再生の手段を模索していただきたい。今回の災難を逃れた人は、ネットでの行動に責任を持つよう意識したほうがいいだろう。 (文=柳谷智宣)イメージ画像(「Thinkstock」より)
Androidアプリに要注意! うかつに入れると、個人情報が漏えいする!?
7月下旬、スマートフォンの電話帳のデータを不正に抜き取ったとして、東京のIT会社社長以下9人が逮捕された。なんと、3700万件ものメールアドレスを収集し、出会い系サイトの勧誘メールを送信した容疑だ。昨年10月には、1000万件の個人情報を盗んだ容疑で会社役員ら5人が逮捕されている。これだけの規模の漏えいが起こるということは、いつ自分が被害者になるかもわからない。また、不正アクセスされると、その端末内の電話帳データが丸ごと盗まれる。電話帳に登録されている友人が多いほど、被害を受ける可能性も高くなるというわけだ。 これは、Android OSの不具合ではなく、悪意のあるアプリが原因。ユーザーが自分でGoogle Playにアクセスし、インストールしているのだ。その際、アプリのアクセス権限を確認する画面が開いているはずだが、無視して許可しているのが問題。ある意味、自業自得といえる。 「the Movie」というアプリは動画アプリに見せかけて、端末の番号や電話帳のデータなどを外部に送信していた。ずる賢いのは、3月21日にアプリを公開し、出回ったことを確認できた4月に不正アクセスを開始している点だ。3700万件の漏えいは、「安心ウイルススキャン」というアプリ。皮肉にもセキュリティを高めようとしている人がターゲットになり、結果、81万人がインストールしてしまった。 アクセス権限を確認しても、限界がある。例えば、フラッシュを光らせるだけのアプリで、システムツールや位置情報、ストレージなどへのアクセスを求めてきたら、変だということがわかる。しかし、電話帳アプリなら電話帳へのアクセスを拒否するわけにはいかない。レビューをよく読んで、ほかの人が問題なく使えているかを確認。アプリ名でGoogle検索し、セキュリティの問題が報告されていないかもチェックしたい。万全を期すなら、シマンテック社の「ノートンモバイルセキュリティ」といったマルウェア対策アプリを購入しよう。価格は1年版で2980円と少々高いが、前出のような怪しい無料アプリでは本末転倒になりかねないので要注意。どちらにせよAndroid端末は、気軽にアプリをインストールして試すという使い方には向いていないといえる。 iOSではこのような問題がほとんど起きていない。これは、App Storeの審査が厳しいため。Appleは怪しいアプリは公開させないし、万一何かあっても即対応してくれる。反面、Androidは審査がない上、Google Play以外の場所からでもアプリをインストールすることができる。このため、なんでもありの無法状態になっているのだ。Androidのほうが「自由」なのは確かだが、個人情報ダダ漏れではスマホとして使うのは怖い。Googleには早急に、根本的な対処をしてほしいところだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像(「足成」より)
使い回しパスワードが危ない!「Yahoo!」「グリー」相次ぐ不正アクセスから身を守る方法
ウェブサービスのパスワードを個別に設定するのが面倒で、共通の文字列を使い回していないだろうか? ITに詳しくない人の多くは、同じメールアドレスとパスワードを使っていることが多く、パスワードを定期的に変更することもしない。たまに、友人に変更するようアドバイスしても、「誰も私なんか狙わない」「そんなに重要なデータを扱ってないから、大丈夫」という言葉が返ってくる。 だが、パスワードは簡単に漏えいする。2013年5月に「Yahoo! JAPAN」が不正アクセスされ、2200万件のIDが流出。そのうち、148万6000件はパスワードも一緒に漏えいした。しかも、パスワードを忘れたときに使う「秘密の質問」までセットになっているという、おまけ付き。実は、このような流出事件は頻繁に起きているのだ。 前述の筆者の友人のように、「Yahoo!はメールしか使っていないし、それさえほとんど使っていないので関係ない」とスルーする人がいるが、パスワードを使い回しているなら、それだけでは済まない。メールアドレスとパスワードのセットで、ほかのウェブサービスにログインされてしまうのだ。 通販のディノスは、同じく5月に中国と韓国のサーバーから不正アクセスを受けた。111万回のアクセスがあり、1万5000アカウントが不正ログインされている。この成功率はランダムアクセスではあり得ないので、他社から漏えいしたデータを元に行われていたことは確実。大量アクセスに気がついた担当者が該当IPからのアクセスを遮断したため、不正利用などの被害は起きていないが、タイミングが遅ければ被害が拡大していた可能性は高い。また、今月に入り、ソーシャルゲーム大手の「グリー」のサイトから最大でおよそ4万件、旅行予約サイト「じゃらんnet」から2万8000件の個人情報が流出したおそれがあることが発覚している。 ショッピングを悪用されるだけでなく、顧客情報ページに載っている住所や電話番号などが取得されたら危険度大。メールとパスワードのセットと、氏名と住所のセットがあれば、いろいろなことができるのだ。 メールサービスに不正ログインされたら、過去のメールのやりとりが筒抜けになる。ビジネスから交友関係まで丸裸だ。要職にいる人なら、社外秘の情報が見つかってしまうかもしれない。普通の会社員でも、脅迫のネタに使える内容があるかもしれない。それに氏名や住所までバレていたら、タダではすまない。海外旅行の予定をやりとりしていたら、その間は空き巣の格好のターゲットだし、ネットバンクも、いくつかのハードルはあるが、個人情報が揃っているならそこそこの確率で不正アクセスは可能。SNSをハックされて、交友関係をめちゃくちゃにされてしまう可能性もある。 パスワードを使い回している人は、いつか絶対に被害に遭う。銀行やメールといった重要サービスはもちろん、ろくに使わないサービスや怪しい新興のサービスこそ使い回しはNG。「abcdef01」を「abcdef10」にするといったちょっとの変更でもいいので、文字列を変えておきたい。パスワードをきちんと管理できるかどうかは、今後のネット社会でさらに重要になることは間違いない。 (文=柳谷智宣)「Thinkstock」より
好調なXperia Aの陰に死屍累々 ドコモのツートップ戦略の明暗と迷走
NTTドコモは5月の発表会で9種類のスマートフォンを公開したが、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia A(エース) SO-04E」と韓国サムスン電子の「GALAXY S4 SC-04E」をツートップとして押し出した。定時株主総会では、この2モデルだけで1カ月後には100万台を売り上げたと、好調ぶりをアピールした。しかし、その陰で、これまでのパートナーが死屍累々としている。 1カ月の販売台数はXperia Aが64万台、GALAXY S4が32万台。これは悪くないペースなのだが、それ以外がひどい。シャープの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」と富士通の「ARROWS NX F-06E」が7万台、パナソニックの「ELUGA P P-03E」は1万5000台、NECの「MEDIAS X N-06E」に至っては1万台前後しか売れていない。とはいえ、これは当たり前。CMでの露出は段違いだし、割引にも差を付けられ、実売価格がツートップと比べると高いためだ。 その結果、7月26日の発表では、Xperia Aが110万台、GALAXY S4が55万台売れたという。しかし、6月末の契約数では、なんと純減という結果になった。要は、他社に大幅に流出しているのだ。6月のソフトバンクは+24万9100人、auは+23万2200人となっている。買い換え需要をツートップに誘導する効果はあったが、顧客を増やすことはできなかったわけだ。 この結果を受け、ドコモは6月に中止した販売奨励金を復活。さらに、ガラケーから乗り換える際の「はじめてスマホ割」を増額した上、ツートップ以外の機種にも適用した。しかし、時すでに遅し。確定ではないものの、パナソニックはドコモの冬モデルに新モデルを投入しないとか、NECは携帯事業から撤退するといったニュースが流れている。確かに、これまで一緒にやってきたのに、いきなり切られたようなものなので当然ではある。 加えて、ツートップの片割れであるGALAXY S4にも、「『ケタ違いに故障が多い!』サムスンGALAXYシリーズに、ドコモショップから悲鳴が……」という罠がある。ユーザー側も死屍累々という悲惨さだ。 ドコモの迷走ぶりは、経営の素人目に見ても泥縄状態といえる。しかし、「出るの? 出ないの!? “一人負け”ドコモがiPhone参入できない深いワケ」で述べたように、すでに国内メーカーとの離別が進んでおり、いよいよiPhoneの導入準備と、言い訳が揃いつつあるようにも見える。iPhone 5の売れ行きも芳しくなく、アップルも何か手を打とうと考えているはず。お互いが妥協して、いよいよ、という可能性も出てきた。ドコモから離れたくない! というロイヤルユーザーは、もうそろそろ新iPhoneの情報が出てくるので見逃さないようにしよう。 (文=柳谷智宣)NTTドコモ公式サイトより









