口コミサイト「食べログ」また"代理店偽装"トラブルか 巨大化ゆえの落とし穴


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食べログより
 このところ、何かと話題になっている人気クチコミグルメサイト「食べログ」。当サイトでも以前、店舗側による不正指弾ツイートについて報じたが(※記事参照)、またしても飲食店から悲鳴の声が上がっている。  今回「食べログ」に反旗をひるがえしたのは、有楽町にあるトルコ料理店。ことの発端は、同店に再三かかってくる「食べログ」の営業マンからの、「有料店舗会員にならないか」というセールス電話だった。  「実際に私共も、お宅のお店さんに伺って口コミを書かせてもらいますから、結果、ポイントも上がり、順位を上げることも可能ですよ」「よい口コミを、ページの目立つところに配置し、悪い口コミを目立たない場所へと置き換えることもできます」などと、"公平な口コミサイト"というウリとはほど遠い"やらせレビュー"や、不正行為を助長する誘い文句をチラつかせていたという。  何度断っても電話がかかってくるため、「食べログ」内の同店PR画面に、「食べログさんからは有料プランへのお誘いを再三頂き、好きな口コミが選べる、食べログ社員さんの来店と口コミで点数アップさせます、という魅力的なお話ですが、やはり当店は実力で頑張ります。無料プランで、ごめんなさい」とアップしたところ、それがネット上で話題になり、それを見た「食べログ」を運営するカカクコム社からの抗議電話があったという。  カカクコム側の言い分としては、「当社の人間にそのような誘い文句を言う者はいない」「口コミを操作したり、点数を上げてやるといった誘いで有料店舗会員を募るようなセールスの仕方をしないように、常に代理店には指導している」「自分たちこそ被害者だ」というものだった。  カカクコムの主張を額面通りに受け取れば、「食べログ」の営業マンを騙る者が、掲載されている店に"勝手に"営業電話をかけて詐欺行為を働いているということになるが、「食べログ」はこうした"被害"にどう対処していくのだろうか。この件について、カカクコム社に問い合わせたところ、以下のような回答があった。 「代理店から短いスパンで繰り返し営業の電話をかけるような指導はもちろん行っておりません。また、弊社代理店が飲食店様に営業を行う際には、必ず代理店名をお伝えするようにしております。さらに、代理店に対しては営業活動に関して、(1)ユーザー、レビュアーに誤解を与える可能性の大きいサービス提供、(2)その他、飲食店様へご迷惑のかかる営業活動、(3)弊社商標を目的外で利用し、顧客接触する行為、(4)弊社商標を利用し、内容の断りなくホームページや広告で発信を行う行為、などを禁止行為として設定しています」(カカクコム広報室)  また、このトルコ料理店へ電話をかけた代理店の行為はカカクコム社の"業務妨害"ということになる。この代理店に対し、法的な手段を取る可能性はあるかという問いに対しては、 「これまでも不正業者に対しては厳正に対処してきており、今回もそのような事実が確認できました際には、同様に対処してまいります。また、弊社代理店を装う業者が存在することに関して、弊社として、サイト上に正規代理店一覧を掲載、注意喚起するとともに、会員店舗様には別途メルマガ等での注意喚起も行っております」  との返答だった。しかし、不正業者に対して具体的にどのような対処をしているのか、さらにこのトルコ料理店に対し、相手の電話番号や通話記録の録音提出を求めたのかどうかについては、「回答については控えさせていただきたい」とのことだった。  実際、飲食店にとって「食べログ」の影響力は大きく、代理店偽装トラブルは後を絶たないという。ネット上にはそうした「食べログ」の体質改善を求める「食べログ被害者の会」も立ち上がり、同サイトへの「掲載拒否」店も増え続けている。また最近では、バイトの面接で不合格になった学生が逆恨みして悪い点数をつけたり、「食べログ」を脅し文句にクレームをつける客が出てくるなどのトラブルも続出しているという。 「巨大化した口コミサイトの泣きどころです。"食べログの営業"を騙る詐欺行為ではなくとも、掲示板や口コミサイトの書き込みを代行する業者は無数にありますし、そうした業者の書き込みと純粋なユーザーレビューとを判別する具体的な方法はありません」(グルメライター)  そんな中、「食べログ」に対抗するかのように、この10月から大手グルメサイト「ぐるなび」も口コミによる採点ランキングの掲載を始めた。"ネット上の口コミ"という評価基準は決して万能ではなく、その有用性についての議論は今後も続いていくことになりそうだ。
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「照英の画像ください」がついに公式に!? 『FF XI』公式サイトに照英降臨

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『ファイナルファンタジーXI』特設サイト
「照英 in ヴァナ・ディール」より
 2ちゃんねるで人気を集める「照英が○○してる画像ください」スレッド。さまざまなシチュエーションに身を置く照英の画像を求める声に、コラージュ職人が応えていくものなのだが、「照英がリュックサックに照英詰め込んでる画像ください」「半泣きの照英が鳥取砂丘で温泉掘り当てた画像ください」など、数々のスレが立ち上がっている。5月にはTwitterでも「照英の画像くださいbot」が作られ、さらに7月には「テレビブロス」(東京ニュース通信社)にて照英本人が自身の「コラ画像ブーム」について言及。いまや、ほぼ本人公認といっても過言ではない。  そんな中、『ファイナルファンタジーXI』(以下、FF XI)特設サイト「ヴァナTV」において、新企画「照英 in ヴァナ・ディール」がスタートした。これは、『FF XI』の舞台、ヴァナ・ディール(冒険の世界)にもし照英がいたら......というテーマのもと、ゲーム中のスクリーンショットと照英の写真をコラージュ合成し、その作品の出来栄えを競うユーザー参加型のもの。  サイトには、「歓喜の照英」「憤慨の照英」「号泣の照英」など全部で8種類のコラージュ素材が用意されており、ユーザーはこれらを使って"オリジナル照英コラージュ"を作成する。  これに対し、ネットユーザーは「公式が越えちゃいけないライン」「開き直りすぎだろw」など、まさかの"「画像ください」公式化"に少し戸惑っている様子。さらに、照英はこのキャンペーンサイト内で「FFをやったことがない」と告白しており、『FF XI』の親善大使としては少し違和感がある。では、なぜ照英が起用されたのか。『FF XI』販売元のスクエア・エニックスの担当者に、企画の意図を聞いた。 「今回の企画は照英氏でなければ成し得なかったものです。水面下の流行モノを公式として扱う部分に興ざめする方も多いでしょうし、企画当初は厳しいのではないかと思う部分もありましたが、あくまで『インパクト重視』な部分を優先して公開に踏み切りました。照英氏には、『何を伝えたいのか』をしっかりご説明した上でご協力いただいております。今回のオファーに対し、照英氏はノリノリで、ご本人からポーズのアイデアを出していただくこともありました」  応募締切は11月24日23時59分到着分までで、応募作品の中から優秀作品等が選ばれるかどうかも含め、「何が起こるのかはまだ分からない」(担当者)という。  元・やり投げの選手で、大学卒業後はモデルとして活躍。最近では日本テレビ系朝の情報番組『スッキリ!!』の人気料理コーナー「はるみキッチン」や、NHK『すくすく子育て』などで"イクメン"キャラとして主婦層の人気を集める照英だが、はたして彼はどこへ向かうのか。今後も照英から目が離せない。 ●照英 in ヴァナ・ディール <http://www.finalfantasyxi.jp/show-a/> ●Twitter 照英の画像くださいbot <@give_me_shoei>
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毒餃子事件再発の影でささかれる「ジャッキー・チェンの呪い」のうわさ

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ジャッキー・チェンが出演していた
政府広報ビデオ。
 中国で、毒餃子事件が再び発生した。北京五輪の公式スポンサーでもあり大手食品メーカーの「思念食品」が製造した冷凍水餃子から黄色ブドウ球菌が検出され、販売中止となったのだ。  この騒動に関し、中国のネット上ではある"呪い"がまことしやかにうわさされている。  回収騒ぎとなった商品の広告塔を務めていたのは、世界的スターのジャッキー・チェン。ところが、このジャッキーが過去に広告塔となった商品や企業が、次々と悲運に苛まれているというのだ。  中国版Twitter「微博」に書き込まれたネット市民らのつぶやきによると、ジャッキーの呪い伝説の始まりは、今から15年ほど前にさかのぼる。ジャッキーはVCD機メーカー「愛多VCD」のCMに出演。広告効果は上々で、同社は業界トップ3の座へと躍り出た。しかし、それも束の間、数年のうちに同社は経営破綻。経営トップは詐欺罪で逮捕され、懲役8年の刑に処せられた。  またその後、ジャッキーがCM出演していた中国産コーラ「汾湟可楽」も、間もなく市場から姿を消している。ジャッキーへの出演料も含め、年間1.5億元という巨額なテレビ広告費も、足を引っ張ったといわれている。  また最近では、昨年7月、ジャッキーがイメージキャラクターを務めていた、育毛促進漢方薬配合のシャンプー「覇王」の成分に、発がん性物質のジオキサンが含まれていたことが判明。製造元の覇王集団の株価は14%急落する事態となった。  ちなみにジャッキーはかつて、各地の出国審査場で放映される、中国からの模造品の持 ち出し禁止を呼びかける広報ビデオにも出演していた。これは、北京五輪が行われた2008 年に製作されたもので、「我が国は模造品密輸対策を行っていますよ」という世界にアピールするものだ。ところがその後、中国から世界への模造品輸出は減るどころか増加傾向にあり、世界に溢れる模造品の3分の1が中国産という不名誉に甘んじている。これもやっぱりジャッキーの呪い!? (文=高田信人)
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大型連休に沖縄を訪れた中国人が帰国後「中国帰属論」を展開中!

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首里城で展示されている「冊封使儀礼」の
模型を見る中国人観光客。
 10月1日、建国記念日にあたる国慶節を迎えた中国では、その後1週間の大型連休となっ た。中国旅遊研究院が発表したところでは、この連休を利用して海外を訪れたのは約220万人と見られ、前年同期比で10%以上の増加となる。  中でも今年、海外の旅行先として注目されたのが沖縄だ。  日本政府は今年7月1日より、沖縄で1泊以上滞在することを条件に、3年間回数無制限で日本に入国できる観光数次ビザを中国人に交付し始めたばかりだ。加えて9月1日には、単次ビザ取得の発給要件から「職業地位」が撤廃された。  こうした日本政府による中国人へのビザ発給が緩和されてから、初めての大型連休となった国慶節休みには、中国各地と那覇を結ぶチャーター便が続々と運行し、沖縄は多くの中国人旅行者で賑わった。  震災と原発事故から訪日外国人数が低迷している中、これはまさに歓迎すべき客、といいたいところだが、予期せぬ事態も起きている。沖縄を訪れた複数の中国人が帰国後、沖縄の「中国帰属論」を唱え始めているのだ。  中国版Twitterの「微博」には、沖縄と中国との文化的類似点を挙げ、琉球は中国の一部だったと主張するこんなつぶやきが。 「沖縄料理は、味も調理法も福建料理とほとんど同じだった」 「沖縄の伝統的建築物群を見たが、南陽市(河南省)の集落と類似点が多い」  さらにこんな強引な主張まで。 「首里城には明朝の冊封使を琉球王が下座で迎えている模型があった。沖縄県民は、琉球が中国の属国だったことを認め、日本からの解放を望んでいるということの現れではないか」  昨年9月には、共産党系新聞「環球時報」で在日中国大使館に勤務歴のある研究者が、「沖縄は、中国の属国だった琉球を明治政府が不法に侵略したもので、現在の日本には沖縄の領有権はない」「沖縄住民の75%が日本からの独立を望んでいる」などといったトンデモ論文を発表したことが記憶に新しい。  外国人旅行者が遠のいた日本の観光業回復に、中国人観光客が無視できない存在であることは確か。しかし、何らかの対策も講じられなければ「庇を貸して母屋を取られる」という事態にもなりかねない!? (文=高田信人)
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「目指すのはコミュニケーションを促進するサービス」 はてな・近藤淳也社長に聞くウェブの未来

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はてな・近藤淳也社長。
 ウェブの未来を担う可能性のあるサービスや端末を発掘・共有・応援しようというコンセプトのイベント「WISH2011」が先月開催され、閑歳孝子氏のソーシャル家計簿サービス「Zaim」が「WISH大賞」に選ばれた(http://agilemedia.jp/wish2011/)。その一方で、ほぼすべての候補作がTwitterやFacebookなどアメリカ発のソーシャルネットワークでの利用を前提としており、世界中で使われるようなビッグビジネスにつながったり、ウェブに興味のない一般人でも分かるような大きなスケールのサービスは現れなかった。  今回、オープニングトークに登場し、審査員の一人でもあったはてなの近藤淳也社長に、そんな状況をどう見ているのか、また、「はてな」は今後どのような戦略でウェブの世界に立ち向かおうとしているのか。会場でお話をうかがった。 ――あらためて、「WISH」に選出されたサービスをご覧になっていかがですか? 近藤淳也社長(以下、近藤) ネットだけでなくて、リアルにもつながるサービスが多いな、というのが率直な感想ですね。大賞に選ばれた「Zaim」も、お金の管理というものに特化されていますし。 ――ソーシャルメディア、例えばTwitterやFacebookのAPIに乗ったサービスが多く、全体として小粒だという印象を受けました。 近藤 確かに、Facebookが日本にもかなり浸透している、という実感はあります。今後は、TwitterやFacebookというプラットフォームに乗った、1レイヤー上の世界が新サービスの主戦場になっていくと思いますので、方向性として正しいと思います。  僕たちはてなとしては、プラットフォーム的なサービスを指向していかないとこじんまりとしてしまうので、そこを取って行きたいという気持ちがあります。今までも、はてなIDを取得すればいろいろなダイアリー(ブログ)やブックマークなどを使える、といった全体感のあるサービスを作ってきましたが、今後はさらに「はてなを使っていれば豊かなネット生活を約束できる」といったものを提供していきたい。それでも、パネルディスカッションに登壇されていたnanapiさんのように、CGMサービスでFacebookからアクセスを集めているサービスも出始めているので、共存共栄のモデルを探って動いていかなければならない側面もありますね。 ――ウェブ業界全体として、スマートフォン向けのアプリや、ソーシャルゲームばかりという状況もあります。 近藤 実際、もうかりますからね。市場も立ち上がっているので、もうかるときにリソースを投資するのはビジネスとして正しい判断だと思います。僕たちも随分話をしていますけれど、どうしても手が動かないというか......。
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「WISH2011」の様子。
――手が動かない理由は何かあるのでしょうか? 近藤 僕たちのやりたいとことの中心ではない、ということですね。僕たちのやりたいことはコミュニケーションを促進するサービスなので、その思想を変えちゃいけないと思っています。ですので、苦手なところに手を出すよりも、そういった強みを伸ばして勝負したいですね。とはいえ、僕はスマホはこれからだと思っていて、新しいデバイスが普及してから変化が起こると見ています。そこに合わせて「なるほど」と思わせるサービスを提供していきたいと考えています。 ――「はてな」のユーザーについてお聞きします。2004年ごろは、オフ会なども実施されていて、ユーザーとの距離が近かったと思います。現在は少し離れているようにも感じますが、ユーザー層の変化を感じられていられますか。 近藤 どうなんだろう? どう思いますか? ――単純にユーザー数も増えて一般化したのかな、とは感じていますが......。 近藤 そうですね。04年はまだ数十万人で、今は250万人。いろいろな層の方に使っていただいてます。僕たちもそれを目指してやってきましたから。知る人ぞ知るサービスでいいと思ったことは一度もなくて、なるべく多くの人に使われたい、という理念は実現されています。  ユーザーとの距離という話でいえば、先日、創業10周年記念のオンラインイベントをUstreamで配信したんですが、視聴者は1,500人もいらっしゃいました。期待されていることは感じているので、折に触れてコアユーザーとの接点は持っておきたいですね。それと同時に、運営している人の顔が見えないというライトなユーザーにとっても使いやすいサービスを作ることが大事だと考えています。 ――06年シリコンバレーに渡り、08年に京都に移りましたが、今までの期間で一番注力されてきたことは何ですか? 近藤 組織作りですね。この3年は第2創業というか、新しいサービスを作る体制を作ってきて、はてなのサービスの作り方がまったく変わってきています。「人力検索はてな」や「はてなアンテナ」、「はてなダイアリー」はわたしがプログラムを書きましたし、東京に移転してからは社員が増え、20人くらいがそれぞれいろいろなサービスを立ち上げて会社の礎を作ってくれました。シリコンバレーは行ってみたくて行ったんですが(笑)、そこでは「はてなスター」や「はてなハイク」を作りました。京都に戻ってからは、個人ではなく、チームで新しいサービスを作るようにしています。スタジオジブリで例えるなら、宮崎駿さんが監督を一切辞めて、若い脚本家や監督を育てることに専念すると決めて、彼らを育てつつ戦略を考える、という感じ。今7つのチームがあるんですが、面白いサービスの開発が進むようになり始めています。これは僕にとってもはてなにとっても大きな変化です。 ――お話をうかがって、「変な会社」から「普通の会社」への脱皮という印象を持ちました。 近藤 普通の会社というよりは、「大きくなっても変な会社であり続けたい」と考えています。組織を拡大しながら、初期のころのマインドというか、良さはなくさないようにしていきたいです。特に無駄な決まり事は増やさないようにしたいです。人数は増えましたが、今も外部から人が訪問されると、「大学の研究室のようだ」と驚かれます。 ――サービスも多様になってくると、ユーザーの声も様々になり、中にはいわゆる「炎上」につながりかねない事例もあったかと思います。何か対策は講じていらっしゃいますか? 近藤 これだけみなの声がダイレクトに僕たちのところまで届くようになると、ウソはつけないと思うんですよ。これまでも社内の会議をポッドキャストで公開したり、はてなは裏表がないサービス運営をしてきました。だから、ユーザーさんから何かご意見をいただいた場合は、分かってもらえるまで説明するしかないですね。最近、「はてなダイアリー」に記事を書くとポイントが溜まる「はてなダイアリーポイントプログラム」をスタートさせたのですが、Google AdSense広告が表示されることに関して、ユーザーさんから疑問やコメントやメールをいただきました。それに対しても、分かっていただけるまで説明をし、誠意を持って話し合いました。 ――はてなのサービスを使っているユーザーはもちろんですが、Twitterなどでもちょっとした発言で人生を悪い方向に進めてしまうような事件が起きています。そういうネットユーザーをどうご覧になっていますか? 近藤 悲しい事件ですよね。一般のユーザーが「炎上」してしまうようなことはできるだけ避けたいと、サービス提供者としても思います。本人が望まない人たちの目に触れ、無用な批判を受けるといったことを推進しても仕方がない。インターネットの発達段階で、それまで使っていた人の縄張り意識と、新しく入ってきた人のルールの対立はこれまでもありましたが、これだけネットが日常的になった今となっては、先にいた人ばかりのものではない。ある程度みんなもリテラシーを身に付けないといけないし、サービス運営もうまく「事故」が起きない方向に進むのが正しいのではないかと思っています。 ――最後に、これからのはてなやインターネット全体をどのように変化させて行きたいとお考えなのか、お聞かせいただければと思います。 近藤 はてなは「人と人とのコミュニケーションを促進する」ということを理念の軸にしているんですが、何かと殺伐としがちな現代生活って基本的に悲しいじゃないですか(笑)。「どこかに温かい会話がある」というのが豊かな要素だとしたら、ネットで温かいサービスを提供して生活を豊かにするというのが大きな使命だと思っています。ネガティブな要素はなるべく除いていきつつ、「はてなを使っていれば2、3割は人生が楽しい」というサービスを目指して行きたい、そう考えています。 ***  トークセッションの結びで「1億円稼いだとか、いい車を乗り回しているとか、そういうことは死ぬ時の自慢にはならない。でも『インターネットでたくさんの人が当たり前のように使っているあのサービス、実は僕が考えたんだ』というのは自慢になる」と語った近藤社長。  セッションの途中では、8年ぶりにリニューアルする新はてなダイアリーと、Twitter・Facebookとの連携を強化した新はてなブックマーク、そして、「写真を撮っていると、自分の写真がないということに気が付いた」というところから着想を得たスマホアプリの「はてなアルバム」の開発中の画面を発表した。「チーム体制が、ここで形になった」と自信を見せる近藤社長だが、次のステージへと進んだはてながどんなサービスをリリースするのか。今後も変わらずネットユーザーの注目を集める存在であり続けることになりそうだ。 (取材・文=ふじいりょう) ●こんどう・じゅんや 1975年愛知県生まれ。京都大学大学院理学研究科在住中に自転車レース活動を経て、自転車競技専門の写真家になる。その後プログラミングをITベンチャーで勉強し、2001年に有限会社はてな設立。「人力検索はてな」「はてなアンテナ」「はてなダイアリー」といったサービスをリリースする。04年に株式会社に組織変更後、本社を東京に移転。06年に米シリコンバレーに居を構えHatena Inc.を設立。2008年に帰国し、現在は京都を拠点に数々のサービス開発に取り組んでいる。
「へんな会社」のつくり方 なるほどね。 amazon_associate_logo.jpg
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有名ジャーナリストがTwitterで「なりすまし」被害 インターネットという名の凶器

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話題になっている「なりすまし」Twitter
 第一線で活躍するジャーナリストがインターネット上で嫌がらせを受け、その内容があまりに悪質であるとして問題となっている。  被害を受けたのは、外国人労働者問題などに詳しく、最近では「在日特権を許さない市民の会」(在特会)などについての取材を進めている安田浩一氏(47)。  安田氏は本名でTwitterを利用しているが、何者かが安田氏と同姓同名のアカウントを開設した。しかも、単に名前が同じというだけではなく、アカウントが安田氏のTwitterと1文字違いという点を除いて、デザインやアイコンの写真までまったく同じなのである。外見的には安田氏のTwitterとほとんど変わりがなく、故意に似せた可能性が極めて高いと考えられる。   だが、この「なりすまし」Twitter、プロフィール欄の「千葉県 ジャーナリスト。元週刊誌記者」までは同じなのだが、次に紹介されている安田氏の著書は『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)なのに対し、「なりすまし」の方は『ルポ 寄生虫の在日朝鮮人』(光交社新書)という架空の書名が掲げられている。  そして何より、「なりすまし」によるツイート内容は安田氏のそれとはまったく異なっている。「なりすまし」ツイートはいずれも2010年12月7日の日付で、「狡猾さ、悪智恵、抜け目のなさ、不正行為、偽善などの諸特徴は朝鮮人の性格に根ざしたものである」「これら朝鮮人の劣等で犯罪的な性格は、彼らの人種としての特性に基づくものであるから、我々が外部からどのように努力してみても改善させることは不可能である」などと書き込まれている。  この「なりすまし」Twitterの特徴は、安田氏を直接攻撃するのではなく、あたかも安田氏が差別的な意見、偏見に満ちた発言をしているかのように見せかけている点である。「なりすまし」ツイートの内容は、安田氏が記事や著書で公にしているものとは正反対。この点が大きな問題なのだ。  ジャーナリストやライターといった文章表現を仕事にしている者は、ときに批判や反論を受けることも覚悟している。揶揄や誹謗中傷であっても、自分自身に対するものであれば堂々と受け止めるものだ。安田氏も筆者の取材に対し、「私は『表現者』である以上、自らも他者の表現の対象となることは覚悟しています。下半身であろうが上半身であろうが、好きなだけ攻撃してもらって一向に構いません。無名ライターの私とすれば、『なりすまし』なんてのは一種の勲章みたいなものです」と答えている。  筆者もまた、「物書きにとって悪口もほめ言葉」だと思っている。筆者も以前、ネット掲示板「2ちゃんねる」に、「玉泉のヤツは美人デザイナーを拉致して変態プレイに明け暮れている」などと書かれたことがある。このように自らを突飛な想像のネタに遊んでいただくことはまったく構わない。こうした笑えるジョークは大歓迎だ。  だが、安田氏の「なりすまし」には、ジョークでもなければウイットもない。安田氏に対する批判でもなければ風刺にもなっていない。単に安田氏が取材対象としている在日コリアンを誹謗する表現であり、それをあたかも安田氏の発言かのように見せかけることに徹している。これは、安田氏本人に対する中傷などより、はるかに悪質なものである。  この「なりすまし」に対して、安田氏は即刻削除するようDMで伝えたものの、何の反応もなかった。そして、安田氏もその「なりすまし」のことを忘れかけていた。  ところがその後、安田氏は知人などから「Twitterでひどいことを書いている」といった指摘を受けることが度々あった。「なりすまし」を安田氏の発言だと誤解していたのだ。  さらに、8月になって安田氏の著書の出版元である光文社に「『ルポ 寄生虫の在日朝鮮人』という本は、本当に出版されているのか」という問い合わせがあったという。こちらもやはり、「なりすまし」Twitterが原因だった。  こうした事態に出版元も問題視する動きを見せ、場合によっては相応の措置も検討しているという。  ちなみに、その安田氏の「なりすまし」Twitterは、9月30日現在も放置されたまま、削除もなされていない。  さて、ジャーナリストが不可解な嫌がらせを受けることは、これまでも何度か起こっている。たとえば、ジャーナリスト山岡俊介氏宅への放火事件がある。2005年7月3日の早朝、山岡氏の自宅兼事務所にドアの郵便受けから可燃物らしきものが投げ込まれて激しく炎上。たまたま起きていた山岡氏はベランダづたいに逃げたため無事で、火災も消防によって消し止められたものの、ひとつ間違えば大惨事になっていたことだろう。犯人および犯行の意図は未だに不明だ。  今回のケースも、安田氏に対して好意的ではないことは確かであるものの、その動機や真意については詳しいことはまったく分からない。  インターネットの普及によって、誰でも自らの意思や意見を広く世に問うことができるようになった。しかし同時に、誰もが言論というものを「凶器」として扱える可能性が格段に高くなったともいえる。今回の「なりすまし」は、その一例に過ぎないのではなかろうか。 (文=橋本玉泉)
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【関連記事】 なでしこも被害に Twitterでの失敗談42例『コワ~いツイッターの話』 「早く死にたい」台湾の空港に不法滞在の日本人男性 台湾芸能人まで巻き込み話題に 「KDDIの社員は口が軽いんだよ」ドコモもあきれる「iPhone5騒動記」の行方は?

「早く死にたい」台湾の空港に不法滞在の日本人男性 台湾芸能人まで巻き込み話題に

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ブログ「2011/9/7~台湾不法滞在記」より
 台湾の桃園国際空港に不法滞在しているZhongZhengと名乗る40代の日本人男性が、台湾メディアをにぎわせている。ZhongZheng氏は9月7日から台湾での不法滞在の状況をブログにつづっており、その話題が9月26日、台湾の新聞「蘋果日報(APPLEDAILY)」に報じられたのだ。  台湾に日本人はビザなしで90日間滞在することができる。ZhongZheng氏は9月6日にその90日目を迎えたため、不法滞在者となってしまった。その時点でお金も尽きていたZhongZheng氏は、空港でオーバーステイであることを報告して処分を受けるつもりだったそうだ。しかし、空港の移民局で不法滞在であることを報告するも、係の女性に「何の方法もない」と言われ、まるで映画『ターミナル』のような不法滞在生活がスタートしてしまった。  ちなみに、不法滞在に対する台湾の処罰としては、2,000元の罰金が科されるとのことだが、今の彼にはそんなお金はもちろんない。  不法滞在生活がスタートしてからは、ブログに「早く死にたい」と記し、「そもそも日本に帰ったとして、そのほうが地獄を見る。家もなく仕事もなく、泊めてくれそうな友人も思いつかない。みんな守るべき生活がある。家族がある。こんな浮浪者になった自分を助けてくれるのは、台湾人の友だけだ。ひとりだけ、メールで近況を伝えている日本の友人が沖縄にいるが、彼とも台湾で知り合った」とも書いている。  このブログが2ちゃんねるなどを通じてじわじわと日本でも注目されているが、後ろ向きなZhongZheng氏に対する日本人のコメントは辛らつだ。働く気のない氏に対して「ゴミだな」というものや、所持金があまりないにもかかわらず、酒ばかり飲んでいることを指して「ちょっと待てや、コラ」などというものも見られる。  一方、台湾人の反応はというと、日本人ほど辛らつなものは見られない。もちろん、「早く強制送還すべき」「日本の経済もここまでになってしまったのか......」というものもあるが、「わずかな所持金で生活するなんて、『いきなり!黄金伝説。』の1カ月1万円生活みたいだな」という、いかにも日本通なものや、「台湾人が日本の空港で不法滞在した場合、何日間滞在が可能なんだろう」などというコメントまで見られた。  また最近は、台湾や中国で数万人単位の観客を集める超人気のロックバンド「五月天(メイデイ)」のボーカルの阿信が、Twitterを通じてZhongZheng氏にメッセージを送ったことでも話題になった。これは、ZhongZheng氏が食事をするお金にすら困っているにもかかわらず、五月天が出演する3D映画『五月天(メイデイ)3DNA』を見に行ったことをブログに記していたのがきっかけ。この事実を知り、五月天のボーカルの阿信が感動。櫻花男(台湾でのZhongZheng氏のニックネーム)に、「今度ビールをおごってあげたい」とツイートしたのだ。  ZhongZheng氏も、このコメントや台湾の人々の温かい気持ちに触れ、最初のように「早く死にたい」という気持ちは薄れ、前向きな気持ちをブログにつづるようになった。  一体、この騒動はどのような形で終結するのか。台湾の芸能人も巻き込んだことで、ますます注目を集めそうだ。 ●2011/9/7~台湾不法滞在記 <http://blog.livedoor.jp/die_door/>
奇怪ねー台湾 いいところだね。 amazon_associate_logo.jpg
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「これがVIPクオリティ!?」元テレビマン2ちゃんねらーによるYouTubeアニメが話題に

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テレビ四国公式サイトより
 8月下旬、「私の居場所はインターネット」と語る、引きこもりの少女が主人公のアニメ『despair/hope』がYouTubeを通じて公開され、2ちゃんねるをはじめ、各種ニュースサイトで話題となった。  このアニメは、愛媛県松山市の動画配信サイト「テレビ四国」が製作したもの。聞き慣れない局名を目にして「テレビ四国とはどういう会社だろう?」と疑問に思ったネットユーザーも数多くいたようだが、実はグル―ポンの「スカスカおせち」を最初に映像にして報じたのも、このテレビ四国だ。  この2つの取り組みを見ただけでも、インターネットの現在のあり方を非常に熟知していると感じられるのだが、実はプロデューサー兼監督を務めているテレビ四国の水口真吾報道制作局長は、その昔、2ちゃんねるのν速(ニュース速報板)やVIP板、2ちゃんねる証券取引所(2ちゃんねる株)などで、いわゆるコテハンの"したり@ν速ファンド"という名前で活動をしていたという。そんな水口氏が、インターネットで情報の送り手となったのはなぜなのだろうか。本人を直撃した。 水口 「もともと私は地上波民放テレビ局の正社員で報道記者をしていましたが、退職してからネットの世界にハマりました。自分は情報の送り手でしたが、テレビ局にいると、送り手が一方的に情報を発信するだけで、受け手は見ていることしかできないという構造に疑問を持っていました。でも、2ちゃんねるを知って、ここにこそ国民の声があると思って。ネットがあれば、全員が受け手にも送り手にもなれる。だから、自分がまずそれをやってみようと思ったんです」  テレビ局で記者をやっていれば、「受け手」の声に耳を傾けるようなことは徐々になくなっていくもの。それでも、情報の格差から目を背けなかったのには理由があるという。 水口 「実は、学生時代に別のテレビ局で4年間アルバイトをしていてたんですが、その時に記者やカメラマンに、僕らバイトはひとくくりにされて"バイト君"と呼ばれていたんです。この呼ばれ方に、2ちゃんで言う"名無し"になったような屈辱を感じました。その経験からテレビ局の特権意識に反発したし、だからこそテレビ局に入りたかったんです」  しかし、実際に記者となってからも、その"特権階級"に対しての疑問は消えず、退社して現在のテレビ四国での活動を始めた。今回のアニメは、ネット上でも賛否両論あったようだが......。 水口 「意見は10人いたら10通りあってもいいと思います。それに、ネットをしていて、フラッシュ動画やMADの面白さを知って衝撃的でした。特権的なテレビ局の人が作るものでなくて、ごく普通の人が作ったものの方が面白い。今回のアニメも、僕以外のスタッフのアイデアをどんどん取り入れていますし、このアニメの主人公も、2ちゃんねるのオフ会や、mixi、そのほか普通に生活していてリアルで知り合ったさまざまな女性や男性の話をもとに作ったキャラクターなんです」  水口氏の話の通り、ネットでは「自分のことのようだ」「リアルだ」という声も多かったが、人々の声をキャラに反映したからこその反応だろう。ほかにも、主人公のハルカの声が「まるでボーカロイドのよう」という意見もあったが......。 水口 「ハルカの声はボカロではなく、テレビ四国のアナウンサー・宇宙うさぎの生の声です。ニュースは普通に読んでいるんですが、はるかの心情を想像してしゃべったところ、あの声になっただけなんです(笑)」  現在、『despair/hope』は10話までを公開中だが、これからも、ネットだからこそできる活動は続くのだろうか。 水口 「テレビ局時代に視聴率ありきの姿勢に疑問を感じていたので、これからも本当にみんなが知りたいものや、受け手と作り手の間に隔たりのない創作物を公開していきたいですね。ネットっていうのは文明開化で平成の黒船。どんどんいろんな人が参加していけるメディアだと思いますから、ほかの人にも参加してほしいですね」  実は、このアニメを公開した直後に、ニコニコ動画から連絡があり、テレビ四国の公式チャンネルができることになったとのこと。これからも、テレビ四国は、ネットで話題を提供してくれそうだ。 ●テレビ四国 <http://tvshikoku.com/>
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真の集合知となれるのか? Yahoo!知恵袋の新機能"知恵ノート"への期待

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Yahoo!知恵袋「知恵ノート」ページより
 一般ユーザーの質問に一般ユーザーが答える「質問サイト」の代表として知られるYahoo!知恵袋。今年2月に、京都大学などの入試問題が同サイトに投稿された事件でも話題を呼んだ。そんな同サイトが「知恵ノート」なる新たなサービスを開始した。 「単なるQ&AだけだったYahoo!知恵袋に、知恵ノートとして、一般ユーザーがさまざまな知識をまとめたページが追加されました。税制問題から飲食店の選び方、満員電車でしっかり立つ小技など多種多様なものが書き込まれています。画像の添付や見出しを付けるなどの文章の強調化も可能で、単なる質問への解答よりも内容が読みやすくまとめられています。現在は、同サイトを積極的に活用してきたユーザーのみが投稿機能を利用できるようになっています」(インターネット関連雑誌の記者)  質問には専門家ではない一般ユーザーが答えるため、インターネットの利点である"集合知"ではなく、"衆愚"に陥る可能性も高かったYahoo!知恵袋。だが、このサービスでその状況が改善される可能性もありそうだ。 「Yahoo!知恵袋では、ほかのユーザーが提示した解答に対して質問者が主観で最良の答えを選択し、"ベストアンサー"を付けるため、時には誤った知識を流布してしまうこともあった。Yahoo!という大手サイトのサービスだけに、その情報がネット検索でも上位に来てしまうため、さらに誤情報が流布されるという状況も少なからずありました。また、質問の重複が多いのも特徴です。知恵ノートが活発化し、定番の質問がまとまれば、"集合知"として一段進化できるかもしれません」(同記者)  ユーザーを"チエリアン"と呼称し、パソコン、医療などの専門家や、スタッフが選出した優秀なユーザーも解答を行っている同サイト。自らを撮影した画像を掲載し、「(ジャニーズの)嵐に入れなくて困ってます」という、質問とも言い難い相談やアンケートなどもあまたある。知恵ノートの登場で情報収集がよりスムーズになるのは確かだが、結局は個々人が情報の取捨選択能力を磨くことが大切なのではないだろうか。
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メディア界の革命児・宇川直宏が挑む視覚コミュニケーションの可能性『@DOMMUNE』

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『@DOMMUNE』(河出書房新社)
 誰もが手軽に利用できるとあって、人気を集めているUstream配信。現在、さまざまな番組が配信されているが、そのパイオニア的存在であり、日本初のライブストリーミングチャンネルが「DOMMUNE」だ。この番組は、月曜から木曜まで東京・恵比寿にあるスタジオから生配信され、19~21時のトークプログラムと21~24時のDJプログラムの2部で構成されている。2010年3月の開設からこれまで、約700番組/2,000時間を無料で配信している驚異のチャンネルだ。  このほど、その主催者である宇川直宏氏が、DOMMUNEという、未踏の視覚コミュニケーションの可能性を書き綴った『@DOMMUNE』(河出書房新社)が発売された。これまでDOMMUNEに登場してきたアーティストたちとの対話形式をメインに、宇川氏自身がDOMMUNEをひもといていく。   「DOMMUNEとは民放の劣化版ではなく、滅びゆく紙メディアの墓場だ」と語る宇川氏は、休刊してしまった「STUDIO VOICE」(INFASパブリケーションズ)や「広告批評」(マドラ出版)、「エスクァイア」(エスクァイアマガジンジャパン)といった、自身と関わりの深かった紙メディアが蘇生する場としてDOMMUNEを位置付ける。そのためトークプログラムでは、宇川氏の趣味嗜好が色濃く反映された、ディープかつ、マニアックなサブカルプログラムを中心に配信されている。また、無料配信にもかかわらず、音響システムのクオリティーが非常に高く、DJプログラムでは音にうるさい音楽ファンたちをうならせている。  そんなDOMMUNEがUst番組という枠から飛び出し、その存在感をより強く世間に知らしめたのは、震災後の緊急配信と東日本大震災復興支援イベント「FREE DOMMUNE 0」、そして「DOMMUNE FUKUSHIMA!」の開局だろう。  日本中が混乱の中にあった震災4日後、DOMMUNEではいち早く義援金を募る音楽配信を開始。国内外のアーティストによる計8回の緊急配信を行い、750万円以上の義援金を集めた。さらに、1年前から企画されていたDOMMUNE主催のフリーフェスのコンセプトを"復興支援イベント"と変え、「東日本大震災復興支援イベント『FREE DOMMUNE 0』」を企画。普段はキャパ50人のスタジオから配信しているプログラムを、1万人以上最大2万の規模に拡張させ、より多くの義援金を集めることを目的としたこの壮大なプロジェクトには、その趣旨に賛同した国内外50組近いアーティストの出演が決定。前代未聞のフェスに注目が集まったが、まさかの悪天候のため、急きょ、中止を余儀なくされてしまった。  そして「DOMMUNE FUKUSHIMA!」の開局。これは、いまだ収束の目途すらたたない原発事故が起こった福島を孤立させるのではなく、そこから何か新しいことを世界に向けて発信していきたいという、ミュージシャンの大友良英氏らが中心となって立ち上げた「PROJECT FUKUSHIMA!」のプロジェクトの一環で、福島に住む人たちの手によってリアルな情報を発信していくために作られたメディアだ。DOMMUNEがこれまで培ってきたノウハウを、いわばのれん分けした形となったDOMMUNE FUKUSHIMA!は月に2度、DOMMUNEのプログラムのひとつとして配信されている。  グラフィックデザイナー、VJ、映像作家などなどさまざまな肩書きを持つ宇川氏は現在、その片書きをすべて捨て、365日DOMMUNEに全エネルギーを集中させている。無料配信にもかかわらず、なぜそこまでしてまでこのプロジェクトに賭けているのか。宇川氏は言う。「DOMMUNEは極私的な『現在美術』作品」だと。  図らずも、震災をきっかけにメディアとしての役割を見直されたUstream。活字メディアだけでなく、民放テレビ局も崩壊へのカウントダウンが始まっている今、DOMMUNEは"ファイナルメディア"として、日々その存在感を増している。はたしてこの快進撃はどこまで続くのか、今後も目が離せない。 (文=編集部)
@DOMMUNE サイゾーテレビもよろしくね。 amazon_associate_logo.jpg
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