好調なXperia Aの陰に死屍累々 ドコモのツートップ戦略の明暗と迷走

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NTTドコモ公式サイトより
 NTTドコモは5月の発表会で9種類のスマートフォンを公開したが、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia A(エース) SO-04E」と韓国サムスン電子の「GALAXY S4 SC-04E」をツートップとして押し出した。定時株主総会では、この2モデルだけで1カ月後には100万台を売り上げたと、好調ぶりをアピールした。しかし、その陰で、これまでのパートナーが死屍累々としている。  1カ月の販売台数はXperia Aが64万台、GALAXY S4が32万台。これは悪くないペースなのだが、それ以外がひどい。シャープの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」と富士通の「ARROWS NX F-06E」が7万台、パナソニックの「ELUGA P P-03E」は1万5000台、NECの「MEDIAS X N-06E」に至っては1万台前後しか売れていない。とはいえ、これは当たり前。CMでの露出は段違いだし、割引にも差を付けられ、実売価格がツートップと比べると高いためだ。  その結果、7月26日の発表では、Xperia Aが110万台、GALAXY S4が55万台売れたという。しかし、6月末の契約数では、なんと純減という結果になった。要は、他社に大幅に流出しているのだ。6月のソフトバンクは+24万9100人、auは+23万2200人となっている。買い換え需要をツートップに誘導する効果はあったが、顧客を増やすことはできなかったわけだ。  この結果を受け、ドコモは6月に中止した販売奨励金を復活。さらに、ガラケーから乗り換える際の「はじめてスマホ割」を増額した上、ツートップ以外の機種にも適用した。しかし、時すでに遅し。確定ではないものの、パナソニックはドコモの冬モデルに新モデルを投入しないとか、NECは携帯事業から撤退するといったニュースが流れている。確かに、これまで一緒にやってきたのに、いきなり切られたようなものなので当然ではある。  加えて、ツートップの片割れであるGALAXY S4にも、「『ケタ違いに故障が多い!』サムスンGALAXYシリーズに、ドコモショップから悲鳴が……」という罠がある。ユーザー側も死屍累々という悲惨さだ。  ドコモの迷走ぶりは、経営の素人目に見ても泥縄状態といえる。しかし、「出るの? 出ないの!? “一人負け”ドコモがiPhone参入できない深いワケ」で述べたように、すでに国内メーカーとの離別が進んでおり、いよいよiPhoneの導入準備と、言い訳が揃いつつあるようにも見える。iPhone 5の売れ行きも芳しくなく、アップルも何か手を打とうと考えているはず。お互いが妥協して、いよいよ、という可能性も出てきた。ドコモから離れたくない! というロイヤルユーザーは、もうそろそろ新iPhoneの情報が出てくるので見逃さないようにしよう。 (文=柳谷智宣)

「なぜ作った?」広島カープ本拠地に設置された、“謎の人形”を追う!

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広島東洋カープ公式サイトより
 広島東洋カープの本拠地、マツダスタジアムに設置されている謎の人形が、ネット上で話題を集めている。4月末に第1弾として「CCダンスを踊る売り子のおねえさん」が設置されたのを皮切りに、おいしそうに球場名物のカープうどんをすする第2弾「カープうどんおじさん」、そしてこのたび第3弾として、CCダンスを踊るおねえさんの真似をする「双子の男の子」が登場した。  いずれも妙なリアルさで、昭和を感じさせるB級感漂うシュールなテイスト。突如現れた人形たちに、ネット上では「なぜ作った?」「意味不明すぎて怖い」「こんなもん作る金あるならバッティングマシンでも買えよ」といった疑問の声が多数上がっている。  球団公式サイトでは、「ぜひ、記念撮影をお楽しみください」と紹介されているが、一体、この謎の人形はなんなのか? 球団広報部に話を聞いた。 「人物をモデルにした等身大の人形を作るテレビ番組があって、球場にいる人をモデルにして作ってみたら面白いんじゃないか、という話になったんです。うどんを食べている人や、CCダンスを踊っている人は球場によくいるので、それを人形にしてみようと。もっとリアルに作ろうと思えばできたんですが、親しみやすさを重視しました。なかなか出来が良かったので、本物と間違える方もいらっしゃいますね。現在、球場では人形と記念撮影をするお客さんがたくさんいて、大盛況です。ただみなさん、『なんでこんなおじさんなの?』って……(苦笑)」  この人形はとりあえず第3弾で一区切りになるが、「何か面白いことができれば、続いていくかもしれない」とのこと。現在、阪神に次いで3位につける広島カープ。ペナントレースはもとより、“B級”球団として我が道をひた走るカープ周辺から、今後も目が離せない。

「Feedly」と「Diggリーダー」の二択がオススメ Googleリーダー後継の本命は?

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Feedlyより
 7月1日をもって終了してしまったGoogleリーダー。乱立したRSSリーダーのシェアを、一時はほぼ独占したサービスを終了させてしまうGoogleには、怒りすらこみ上げてくる。  サービス終了が告知されてから、ネット上ではGoogleリーダーの継続を求める運動も行われていたが、Googleは聞く耳を持たないままこの日を迎えた。  筆者も、1日に2回はGoogleリーダーをチェックして、最新のニュースを取得する習慣が身に付いていた。だから、代替のリーダーを探さなければならない。真っ先に代替のリーダーとして名乗りを上げていたのが「Feedly」だが、終了が近づいた6月末、さらなる新手が登場した。北米の面白ニュースサイト(という理解でいいのか?)Diggが提供する「Diggリーダー」と、AOLが提供する「AOLリーダー」がそれだ。提供を開始するニュースが流れたのはいいが、その時点でDiggのサイトにアクセスすると「開発中なので完成したらメールするから、メールアドレスを入力してね。大丈夫! スパムは送らないよ(意訳)」と、メールアドレスの入力を促す画面が。AOLは登録するとメールで「順番待ちだよ(意訳)」という状態。間に合うのかと心配していたら、先週になり、どちらのサービスも利用可能になった。  そこで、まずは「Feedly」「Diggリーダー」「AOLリーダー」を試してみることに。どれも機能についてはリーダーの基本を押さえているが、まず利用する気になれなかったのは「AOLリーダー」だ。理由は単純で、画面に常に広告が表示されるのが邪魔なのだ。加えていえば「AOLリーダー」だけは最初に表示される画面で、Googleリーダーからの移行が表示されない(インポートへのリンクをクリックすると表示)。そうした面で一歩後れを取っているといえる。  残る「Feedly」と「Diggリーダー」を比較してみよう。インターフェースの美しさは「Feedly」が際立っている。通常のリスト表示のほか、画像メインで表示するなど表示方法が多彩なほか、キーボードショートカットなど使い勝手のよい機能を搭載している。また、先行してリリースされていたこともあって、すでに連携しているスマホアプリも多い。利用者の数が多いこともあり、Googleリーダー後継の本命としての地位は揺らいでいない。  対して「Diggリーダー」だが、キーボードショートカットが用意されている点では「Feedly」に劣らない。なにより便利だと感じたのは「Popular」機能だ。これは、登録しているフィードの中から、話題になっている記事を示してくれるというもの。まだ、iOSとAndroid版がリリースされていないのが不便だが、PCで試した限りでは「Feedly」と、どちらを選ぶか迷いそうだ。  このほか「Pulse」「Newsvibe」も試してはみたが、最終的にある程度のユーザーを確保して、順次改良を進めてくれそうなのは「Feedly」と「Diggリーダー」の2つになりそうな感じだ。  乗り換えなきゃいけないと思っているうちに7月を迎えてしまった人は、まず、この2つを試してみてはいかがだろうか。 (文=昼間たかし)

阿鼻叫喚のネット選挙解禁間近!「大量の公職選挙法違反者が出ることは確実」

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総務省「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」より
 ネット選挙が解禁される参院選が近づいてきた。しかし、ネット選挙がなんなのか、何ができて何ができないのかがまったくわかっていない人が多い。中には、インターネットで投票できるようになると勘違いし、投票会場に行かなくてもいいと思っている人もいるようだ。  ネット選挙解禁とは、ウェブサイトや電子メールによる選挙運動が解禁される、ということ。今までもTwitterやFacebookで意見などを発信していた政治家はいるが、これとは異なる。政治理念の表明などではなく、選挙期間中に票を入れてもらうために活動することができるようになったのだ。今まで禁止されていたのが不思議なくらいだが、この規制緩和で、無駄にポスターを貼りまくらなくてもよくなるし、無料の動画投稿サイトを利用して有権者にアプローチすることも可能になる。もちろん従来どおり、投票は会場で行う。  ただし、無制限に解禁するとユーザーの混乱を引き起こすため、ネット選挙には制限がかけられている。例えば、選挙運動メールを送信できるのは「自ら通知」してくれたアドレス宛のみとなる。「自ら通知」とは、名刺を直接交換したり、後援会の入会申込書に記入するといったことを指す。つまり、名簿屋からメールアドレスのリストを購入して、大規模に送信することはできないのだ。電話番号の一部を利用するSMSでも駄目なのだが、実はメールシステムを使っていないSNSのメッセージ機能ならOK。そのため、TwitterやFacebook、LINEといったSNSが抜け道的に活用されると考えられる。ちなみに、メールで選挙活動ができるのは政党や候補者だけ。一般の有権者が、誰かを応援するためにメールを配信するのはNGなのだ。  メールひとつ取ってもこれだけの違いがある。そのほか、例えば有料のネット広告は政党のみ利用できるが、候補者や有権者は利用できないといった細かい規制はたくさんある。もとより、未成年者は選挙活動ができないのだから、特定の候補者に関するツイートを行ったり、シェアしたりすることはできない。候補者から届いたメールを転送したり、印刷して配布したりするのもNGだ。  当然のことながら、これでまともに選挙が終わるわけがない。数え切れないくらい細かい違反が起きるし、政党や候補者も微妙なラインを攻めてくるはず。もちろん、なりすましや誹謗中傷といった、ネットのダークサイドも現れるだろう。国会では、なりすましや誹謗中傷について、名誉毀損罪や虚偽表示罪で対処するとしているが、監視カメラのないところでポスターにイタズラするのと同様、ネットで身元を特定されない方法などいくらでもある。また、ネットに詳しい人たちが、候補者からの報酬を求めて動き出すに違いない。  候補者の情報をネットで得られるとなれば、みんなネットを見るようになる。そこに、スキャンダルを流されたら被害甚大だ。当然、ライバルと接戦状態にある候補者は期待することだろう。今回も、候補者とは関係ないという建前の人たちが、いろいろな候補者のネガティブキャンペーンを打つことは必至。2ちゃんねるなどの掲示板にもスレが立つだろうし、TwitterやFacebookではいかがわしい投稿がシェアされまくることだろう。  情報が有権者に浸透していない状態でのネット選挙は、阿鼻叫喚の修羅場になることは間違いなし。筆者としては、ネット選挙に反対するレガシーな候補者の誘導にさえ思える。どちらにしても、有権者はうそはうそであると見抜かないと、間違った情報に踊らされてしまう。刺激的な情報でも、ひとつの情報源だけを見て脊髄反射しないようにしたい。 (文=柳谷智宣)

「『けいおん!』で人生が変わった」将棋界の重鎮“みっち”高橋道雄九段の、ほとばしるアニメ愛

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 金髪パンチパーマや決めゼリフ「まじやべぇ!」など強烈なキャラで業界内外から注目を浴びる橋本崇載八段、軽妙な語り口やスイーツ大好きという個性的なキャラで将棋ファンに愛される加藤一二三九段といった個性的な棋士が話題になる一方、コンピューターとプロ棋士がガチンコで将棋の強さを競う「電王戦」をニコニコ動画で生放送するなど、最近何かとアグレッシブな動きを見せる将棋界。  そんな中で、いま特に注目を集めている棋士が「みっち」こと高橋道雄九段だ。御年53歳にして、先日開催された第5回AKB48選抜総選挙の上位3位の予想を見事に的中させ、ニコ動で放送された将棋の生中継では解説そっちのけでアニメ『けいおん!』に対する思いを熱く語るなど、将棋のお堅いイメージとは真反対のキャラクターを発揮する氏は、3月より個人ブログを開設。そこでもやはり、アニメやアイドルに対する、ほとばしるパッションを炸裂させている。  こうなったら、思う存分大好きなアニメやアイドルについて語ってもらおう! ということで、本人を直撃した! ──4月にニコニコ生放送で配信された第71期名人戦第2局2日目の解説で、「『けいおん!』で人生が変わった」と発言され、多くの将棋ファン、アニメファンに衝撃を与えた高橋九段ですが、この発言は事実なんですか? 高橋 はい。まさしくそうです。ブログを始めたのも、それが言いたかったからです。昔からずっと漫画──特に少年誌が好きで、「サンデー」「マガジン」「ジャンプ」といった雑誌やコミックスを買っていました。ただアニメとなると、娘が小さい頃は「娘と一緒に『セーラームーン』とかを見ている」という理由付けが世間に対してできていたんですが、この年になって男一人でアニメを見ているというのは、ちょっと恥ずかしくて……(苦笑)。それに最近はアニメがあまりにも多すぎて、どれを見たらいいのか分からなくて少し疎遠になっていたんです。 ──その中でも、特に『けいおん!』がよかった理由はなんだったのでしょうか? 高橋 説明しろと言われて、言えるようなものではないですね。パッと見て「これはいいな」と思ったから、そのままハマっちゃった感じでした。キャラクターの存在もありましたが、何より音楽が絡んでいるのが大きかったです。 ──『けいおん!』のキャラの中では、誰がお気に入りですか? 高橋 (ちょっとはにかみつつ)私はムギちゃん(キーボード担当の琴吹紬)。ホワホワしたところが大好きです。 ──分かります(笑)。しかし、ハマる最大のポイントは音楽だったんですね。 高橋 私の基本は音楽です。アニメも音楽が絡んでくるかどうかですごく違ってきて、今ハマっている『ラブライブ!』もそうなんですが、歌を一緒に歌って楽しめる部分があるかどうかは重要ですね。私にとって音楽は聴くためではなく、歌うためのものです。ほぼ毎日、寝る前に口パクで歌う練習もしています。 ──ちなみに、最近のヒットチューンはなんですか? 高橋 『ラブライブ!』の曲と、『とある科学の超電磁砲』シリーズのオープニングテーマです。 ──『ラブライブ!』といえば先日、「6thシングルセンター争奪第5回総選挙」が行われましたね。 高橋 そうなんですよ。終わってから選挙の存在を知って「あ~、しまったな」と思いましたね。次は絶対に参加したい! ……でも、誰が一番とか選べないですよ(ため息交じりに)。本当は全員に投票したいです。それじゃ、選挙にならないけど(笑)。 ──声優だと、三森すずこさんがお気に入りだそうですね。 高橋 まだあまり声優さんについては詳しくないんですが、とある作品で三森さんの声を聞いて「いい声優さんだな」と思いましたね。彼女以外にもPileさんは歌もダンスもうまいし、飯田里穂さんも明るい感じでいいですね。でも、私にとってアニメの基本は『けいおん!』なので、声優さんも「あ、『けいおん!』に出ていたあの人は、次はこのアニメに出るんだ」っていうふうに見ちゃいますね。 IMG_4429_.jpg ──もし誰か一人、声優さんにお会いすることができるとしたら、どなたと会ってみたいですか? 高橋 もしできることならば、豊崎愛生さんと一緒に歌いたい! やっぱり『けいおん!』の曲を歌いたいです。「GO! GO! MANIAC」「Utauyo!!MIRACLE」とかかなり速くて大変な曲をあんなに楽しく歌っているのを聴いていると、自分も一緒に歌いたくなります。 ──そろそろ4月スタートの春クールアニメもクライマックスに突入していますが、高橋九段が今ハマっているアニメはなんですか? 高橋 一概にどれが一番とかは言えないのですが、やっぱり『とある科学の超電磁砲S』かなあ。あとは『翠星のガルガンティア』がすごくいいですね。ほかには、世間的に注目されている『進撃の巨人』を、個人的にはどう判断すべきか悩ましいところですねえ。面白いんだけど、あのストーリーはどうだろう、とか(笑)。ただ画面の作りが素晴らしいので、見ていて面白いですよね。 ──アイドルにも精通されている高橋九段ですが、最近はAKB48関連でメディアに出ることも多いですね。 高橋 アイドルも好きで、アニメに行く前はそっちに傾いてました。基本的に、それぞれの時代に注目されている人たちは見てきました。最初は恐らく桜田淳子、山口百恵、森昌子の三人娘で、それからキャンディーズ、ピンク・レディー、おニャン子クラブ、モーニング娘。とハマって、必然的にAKB48に行きました。要するに、テレビが好きだったんです。テレビを見ていて面白いなと思ったのが、アニメやアイドル、音楽だったわけです。昔は音楽番組も花盛りでしたから、ずっとテレビを見ていました。 ──ちなみに、高橋九段の推しメンは誰ですか? 高橋 ゆきりん(柏木由紀)です。 ──でも今回の総選挙では、NMB48の山田菜々さんに投票されたそうですね。 高橋 彼女のことが好きというか、評価しているんです。チームのため、仲間のためにすごく努力していて、もう少しみんなに知られてもいいんじゃないかなという人って何人もいて、山田さんもその一人です。NMBの中でも、トップ2の陰にちょっと隠れがちなので、もっと前に出てほしいなと思って入れさせていただきました。そんな山田さんは今回28位。大躍進しましたね(第4回では46位)。ちゃんと評価してくれる人が、ほかにもいてくれるのはありがたいです。 ──最近では、ももいろクローバーZなんかが人気ですが、そちらはいかがですか? 高橋 (ももクロは)佐々木彩夏さんはかわいいと思うんですが、歌があまりピンとこなくて……。 ──やっぱり、音楽が重要な判断基準になっているんですね。 高橋 はい。結局、自分が歌いたいかどうかなんですよね。AKBは、だいたい30曲くらいは歌えますよ。ただ、確かにアニメとかアイドルを見るのも好きなんですけど、週に2回くらい、かなり向上心に燃えつつ30年くらいテニスをやってるんです。だから私の趣味は、アニメ、アイドル、テニスの三本柱ですね。 ──こうやってお話を伺っていると、娯楽に対する感度がすごく高いことに驚かされます。一方、高橋九段の本業である将棋界は、既存のイメージだと非常に堅い印象もあったのですが、ここ最近は「電王戦」やネットでの実況中継など新たなメディアを活用した展開や、個性的な棋士がメディア露出する機会が増えて話題を呼んでいます。 高橋 対局している姿だけ見ると、将棋の世界って難しそうなイメージがあると思いますが、実のところは比較的伸び伸びとしています。拘束時間は少ないし、完全に実力主義なので、年齢に関係なく尊敬される方も、そうでない方もいますし、上下関係もあまりない。意外と「こうしなきゃいけない」というルールがないので、自分なりの個性を出せる方が多いのではないかなと思います。そうは言いつつも、恐らく今までの将棋界だと何かと堅い意見も出てきたと思うんですけど、時代も世代も変わっていく中で、今の時代に合わせていこうという人たちが増えてきていることは確かですし、当然そうせねばいけないと思います。 ──一時は人気が低迷した時期もありましたが、最近では、子どもたちの間で将棋人口が増えていると聞きます。 高橋 はい。子ども大会みたいな催しをやると、どの会場にも何百人と子どもたちが集まります。人間同士でゲームを楽しむことで、考える力や人とのコミュニケーション能力もつくと思いますし、テレビゲームに負けず劣らず、子どもたちに娯楽として受け入れられている現状はうれしい限りです。現在、ネットの世界でも将棋が受け入れられているのも、やはり将棋という存在そのものに魅力があるということだと思います。 IMG_4439_.jpg ──ネット時代になって、新たな魅力を発信している将棋界ですが、「まじやべぇ!」で有名な橋本八段など、若くて個性的な新世代の棋士が出てきていますし、人気の若手声優・岡本信彦さんはかなりの実力者だという話も聞きます。 高橋 私としてはAKB48のグループの中で、将棋を指す子が出てこないかなという希望があるんです。将棋のプロや達人の中からアイドルが出てくるのではなく、アイドルの中から将棋の強い子が出てきてもいいんじゃないかなと思います。 ──そういう子たちを集めて、高橋九段プロデュースの将棋ユニットとか作ってみたり……。 高橋 やれるものならやってみたい(笑)。それはたぶん、その人自身のためになると思います。あれだけ多くのアイドルがいたら、かわいいだけだと個性が埋没してしまいますし、「アニメが好き」とか言っても、そこまで注目されないですしね。そこで「将棋をやっている」ってなったら、注目されると思いますよ。まあ将棋界だと、私みたいにアニメが好きとかいうと、異端ということで注目されるんですけど。……本当にプロデュースさせてくれないかなあ。 ──ところで、『けいおん!』好きをカミングアウトしたニコ動での解説に関して、将棋連盟から何か言われましたか? 高橋 たぶん将棋連盟の人たちは、なんの話をしているか分かっていないと思います。だから特に何も言われていません。ただ従来の将棋番組だと将棋の話しかできなかったし、そうであるべきだったんですけど、今回のニコ動での実況を含めて、ネットのおかげで自分の本当の姿を出せるようになりました。 ──ネットというメディアは、今までテレビでは出せなかった個性を出せる自由なメディアだと思いますか? 高橋 それは思いますね。以前より世間には将棋に対する固定観念があって、ごく一面しか見てもらえていない。素の自分が出せていないと、ずっとじれったく思っていたんです。今回ブログを始めたのも、本当の自分、素の部分を出したかったというのが最大の理由ですね。 ──いい大人がアニメを見るなんて、という風潮はまだ世の中にあると思いますが、そんな中で高らかにアニメ愛、アイドル愛を掲げる高橋九段に勇気づけられる同世代も多いと思います。 高橋 それが一番言いたいことなんです! 私も、この年代でアニメを見るなんて恥ずかしい、って思っていたことが恥ずかしいです。何歳になっても、好きなことは好きって言っていいんじゃないか。それが一番大事なことだと思います。「みんな好きなことは、好きなようにやっていこうよ」って、同年代の人たちに言ってあげたいですね。もちろん、やるべきことはちゃんとやりながらですよ(笑)。でも、「人生は一回しかないから、しっかりやりたいことはやっていこうよ」というメッセージに共感していただけたらうれしいです。 (取材・文=有田シュン) ●たかはし・みちお 1960年4月23日生まれ。将棋棋士。タイトルを5期獲得、順位戦A級を13期に渡って在籍。重厚・沈着な棋風と無口な印象から「地道高道」と呼ばれる、棋界の重鎮。また、AKB48の大のファンであり、漫画・アニメや特撮などのサブカルチャーから英会話、テニスまで幅広い趣味を持つ。 ブログ「みっち・ザ・わーるど」 <http://ameblo.jp/t-mitch142/>

ネット選挙解禁で阿鼻叫喚の修羅場は必至! 県議会議員が病院で「刑務所に来たんじゃないぞ」

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大炎上した、岩手県議会議員のブログ。(現在は削除されている)
 6月5日、岩手県議会議員がブログにアップした記事が大炎上した。あまりの炎上ぶりに、テレビでも取り上げられたほどなので、ご存じの方も多いだろう。  くだんの議員は、病院で番号で呼ばれたことに立腹し、「ここは刑務所か!」と受付嬢に食ってかかり、さらに会計をせずに帰宅したという。その上で、「このブログをご覧の皆さん私が間違っていますか」と問いかけた。匿名のTwitterでも炎上するレベルの投稿だが、今回は顔出し名前出しかつ要職にある人物によるものなので、大きな話題になった。  同じエントリーには、「病院の会計が1万5,000円以上だから上得意の客だ」「精算書を持ってカウンターから出て患者のほうに来い」など、モンスターペイシェントといわれても仕方がない過激な発言が目立つ。そもそも、病院が番号で呼び出すのはプライバシー保護の観点からだ。その点を指摘されると、「個人情報の関係?。馬鹿言っちゃいかんよ。あんたのような個人情報の中身を知らない者が個人情報と振りかざすから、こんな窮屈な世の中になるんだ」と反論。これには、ネットイナゴも大集合。何度もこのコラムで紹介している通り、一度炎上すると過去のエントリーもほじくり返される。以前も病院の支払いをせずに帰宅したり、銀行で5分待たされると通帳やおつりを無視して帰る、といった投稿が見つかってしまう。議員は謝罪文は掲載したものの、騒動が収まるわけはない。ブログだけでなくホームページも削除した上、電話番号も変えてしまった。病院へのクレームで、「事務長は逃げ回っているのですか」と食ってかかった人物とは思えない。  このニュースを見て、常識のない人もいるものだ、と終わらせるのは早計だ。議員は地元での評判がよく、堂々と実名で投稿している。投稿時点では、病院のひどい対応を世に知らしめる、といったつもりだったのだ。もちろん、今回は間違いだったのだが、これは誰にでもあること。ほかの炎上をバカにしつつ、間を置かず炎上を起こしたSNSユーザーは枚挙にいとまがない。自分では常識だと思っていることが、世間の反感を買うことはよくあるのだ。同じ価値観のクラスタで行動しているとわかりにくいが、誰でも閲覧できるネットではすぐに破綻してしまう。他人のふり見て我がふり直せで、攻撃的な投稿をする前はよく読み返し、少しでも不安があるなら取り消すくらい慎重になったほうがいいだろう。  それにしても心配なのがネット選挙だ。7月に行われる可能性が高い参議院選挙では、選挙中にホームページやブログ、Twitter、Facebookなどで情報を発信したり、投票を呼びかけたりできるのだ。街頭演説の情報を告知したり、YouTubeやニコニコ動画でメッセージを発信することも可能。これからの時代には当然の流れといえが、今回の事件のように自分が正義だと思っていることをネットで発信する場合、勘違いだった時に炎上するという高いリスクがある。  今回の議員のような年代だと、ITリテラシーが総じて低い。例えば、メールで投票を呼びかける場合、政党もしくは候補者が直接名刺をもらうなどした相手にしか送信できない。候補者から頼まれたから個人がメールで友人を勧誘する、といった行為はNGなのだ。ただ、メール機能を利用していないSNSのメッセージ機能(Facebookのメッセージや、Twitterのダイレクトメールなど)は規制対象外と、穴もある。  一方で、“当選されたらたまらない”と、ある候補者の落選運動を展開するというのはOK。連絡先の表示は必要だが、虚偽の内容でなければ問題ないのだ。しかし、落選運動へ対抗するために、業者に書き込みを依頼するのは買収行為と見なされてしまう。ITと公職選挙法の改正に詳しくないと、全貌を正確に把握するのは難しい。片っ端から選挙違反を起こす候補者も続出するはずだ。  また、日本人は投票先を直前まで確定させないケースが多い。そのため、投票日直前に、ネガティブキャンペーンが打たれる可能性がある。内容がひどければ、一気に炎上して票が落ちることは間違いない。匿名でリークすることも簡単なので、ギリギリ競っている陣営はなりふり構わず攻撃すると思われる。  どうやら初めてのネット選挙は、阿鼻叫喚の地獄絵図となりそうだ。 (文=柳谷智宣)

自分のアカウントが、知らぬ間に独り歩き!? Facebookの‟ニセモノ”にご用心

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Facebookより
 国内だけで約1,900万アカウントも利用されているFacebookなので、同姓同名のユーザーが存在する可能性は高い。アメリカでは同姓同名の人に友達申請を送るのがはやったり、同姓同名の男性と女性が結婚したことがニュースになったりしている。しかし、日本では好ましくない動きが目立ってきた。  実在するFacebookユーザーと同じ名前でアカウントを登録し、そのユーザーの友人・知人に友達申請を出しまくるのだ。写真を流用されたり、プロフィールを似た内容に編集されたら、友人・知人は本人だと思い込み、多くが友達申請を受け入れてしまうことだろう。顔を合わせた友人から「なんで2つ目のアカウントを作ったの?」と言われて初めて、自分の名前の別アカウントが存在することを知ることになる。  この恐ろしさがわかるだろうか? 今のところは、信用させてから出会い系サイトやアフィリエイトサイトに誘導するくらいしか報告されていないが、悪用しようと思えばいろいろできる。例えば、「ある製品がすごくいいので購入した」という記事をアップすればステマになるし、直接購入をお願いすることだってできる。「自分が開発に携わった」などと言われれば、安い物なら買ってしまいかねない。さすがに借金の申し込みはSNSでしないと思うので、金銭的な被害は限定的だが、本物ユーザーの信用を落とすのは簡単だ。  友人の投稿に対し、偽物が暴言を書き込みまくったらどうなるだろう? 明らかに攻撃的なら、いっそFacebookに通報されたほうが話が早い。しかし、地味に嫌な投稿を続けられると、水面下で被害が広まることになる。言い合いになり「だったら友達をやめればいいだろう」と書き込まれたら? 相手は当然、偽物だけでなく本物のアカウントとの関係性も切ることだろう。本当に仲のよい友人なら、電話やメールで真相を確かめてくれるかもしれない。しかし、数百人とつながっている人なら到底無理。ネットでつながっている人やコミュニティ仲間なら、壊滅的な被害を受けることは確実だ。学校や会社つながりでも深刻な問題になる。しかも、時間がたってから状況の説明ができても、そんな状況になるのもなんか変だよね――という空気が残ってしまいがち。  事が起きてからFacebookに報告しても、明らかにプロフィールや写真を盗んでいない限り、簡単にアカウントを削除してくれることはないだろう。削除されても、再作成するのは簡単だ。  このような事態に陥らないために、注意することは2つ。利用するSNSは限定し、使わないSNSは確実にアカウントを削除すること。次に、見知らぬ人とつながらないこと。友達申請をむやみに受け入れていると、そのうちスパムアカウントとつながり、餌食にされかねないからだ。  最後に、この記事をSNSでシェアしてはいかがだろう。万一の際になりすましの可能性を考えてくれて、本物のアカウントに状況の確認をしてくれるかもしれない。 (文=柳谷智宣)

「タイムラインが同じ奴のリア充自慢だらけ」利用者激減でFacebookが“オワコン”に!?

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『ソーシャル・ネットワーク』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
 世界で約10億人がのユーザーを抱える世界最大のソーシャルメディア・Facebookが、「ついに日本で廃れ始めた」と話題だ。  同サービスは、2008年に日本語版を公開されたが、当初は同時期に同じく日本語版をリリースしたTwitterや、mixi、Mobage、GREEといった既存SNSサービスに押され、ユーザー数に伸び悩みを見せた。しかし、有名企業などが販促ツールとして利用し始めると、日本にも一気に浸透。12年末には、1,712万人(「セレージャテクノロジー調べ/以下同)まで増加した。  しかし、13年に入ると、1月に前月比マイナス329万人と大幅に激減。2月もマイナス39万人と連続で減少し、5月現在の日本語版ユーザー数は約1,378万人だという。  また、Facebookの利用者も「廃れ始めた」と感じているようで、ネットでは「最近、タイムラインが同じ奴のリア充自慢だらけになって、見る気がなくなった」などと不満を訴えるユーザーが急増。さらに、無料通話メールアプリ・LINEの普及により、「LINEが手軽過ぎて、Facebookやるのが面倒くさくなった」という声も増えたようだ。  ネット事情に詳しいライターは、Facebookの未来についてこう話す。 「今年は急速に“過疎って”いくでしょうね。SNSが飽きられるのは3年と言われていますが、11年に物珍しさで登録した大量のユーザーが、おっくうに感じ始めるのがちょうど今頃なんです。『実名での利用が日本人に合わない』とか、『リア充が自分の生活を自慢する場』などと言われていますが、今年はそのリア充さえ使わなくなり、外国人と交流を求めている人や、海外にゆかりの深い趣味を持っている人なんかが残っていくのではないでしょうか? 現在、就職に有利とされているようですが、企業もその価値観を見直し始めるでしょうね」  実名で日常を投稿することから、“相互監視システム”と揶揄されることも多いFacebook。今年、早くも“オワコン”と言われてしまう可能性もありそうだ。

なぜ、若者の間でノー“テレビ”ライフが広がるのか?テレビを捨てた人たちの本音

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) みのもんた、タモリに「毎晩11時まで飲んで3時起床。68歳でエスカレーターめまい」 浜崎あゆみの元恋人、TV出演で「別れたとかは言いたくない。ホームレスで草食べてた」 家賃が下がる4〜6月は引っ越しの狙い目?物件探しで失敗しないためのテクニック ■特にオススメ記事はこちら! なぜ、若者の間でノー“テレビ”ライフが広がるのか?テレビを捨てた人たちの本音 - Business Journal(5月6日)
「Thinkstock」より
 本当はなくても済む。むしろ、ないほうがよい。人によっては「テレビ」とはそんな存在だ。ノーテレビライフを始めた20〜30代の人たちが異口同音に語るのは、生活の質の向上だった。  テレビをまったく視ないという人は微増している。NHK放送文化研究所が実施した「国民生活時間調査」では、平日のテレビ視聴時間が2010年までの5年ごとの調査で、  ・1995年:8%  ・2000年:9%  ・05年:10%  ・10年:11% と推移している。 「ニコニコ動画」を運営するニワンゴが10年に実施した調査では、平日にテレビを視る時間を問う質問で最も多かった回答が「まったく視ていない」で20.9%だった。年代別では20代の24.3%、30代の22.7%の順に多く、若い世代にノーテレビライフが増えている傾向も垣間みられる。  今回、取材に応じたノーテレビライフ実践者3名は、ともにもともとテレビを積極的に視るほうではなかったという。そして、転居、一人暮らし開始、地デジ化といった「テレビを改めて自分の部屋に置くか?」の選択を迫られる場面でノーテレビを選んだ。  自分で選んだノーテレビライフだから当然といえば当然だが、彼らはテレビとの決別の後悔を感じさせない。「無駄に過ごす時間がなくなった」(Nさん、30代、男性)や「生活の質は向上した。読書、執筆、語学、家事などに費やす時間が増えた」(Cさん、20代、女性)。唯一、大地震など災害時にテレビの必要性を感じるようだが、「ツイッターで状況はいち早くわかる」(Mさん、30代、女性)と話す人もいる。
ノーテレビライフ実践者の生活ぶり(取材をもとに筆者作成)
「活字離れ」や「読書離れ」といった言葉にネガティブな印象が付いてまわるのに対して、「テレビ離れ」にはどうもそれがない。その差はどこからくるのか?  テレビは、数ある媒体の中でも、人を“受動的”にさせやすいという特徴をもつ。リモコンのスイッチを押せば、映像が目に飛び込み、音声が耳に入ってくる。自分で買い求め、文字を追って情報を得る書物などの媒体とは対極的だ。インターネットにも、自分でアクセス先をクリックし、情報を得にいくという“能動的”な要素がある。人を“受動的”にさせる媒体の最たるものであるテレビと決別することが、その人の生活全般に積極性やハリをもたらす効果があるのではないか。 「本当は要らなかった物や、要らなかった人付き合いをなくせるようになりました」と、Mさんは言う。彼女にとって“本当は要らなかった物”の象徴だったテレビと決別したことが、この気づきのきっかけになった。  テレビを視ている人の中には、生活するうえでの楽しみを見出している人もいる。一方で、テレビを視ることに対してそこまで積極的でない人もいる。積極的でない人は、一度ノーテレビライフを何日か試してみてはいかが。テレビを視ること以上に得られるものがあるかどうかを、実感することができるだろう。 (文=漆原次郎/フリーライター) ■おすすめ記事 みのもんた、タモリに「毎晩11時まで飲んで3時起床。68歳でエスカレーターめまい」 浜崎あゆみの元恋人、TV出演で「別れたとかは言いたくない。ホームレスで草食べてた」 家賃が下がる4〜6月は引っ越しの狙い目?物件探しで失敗しないためのテクニック どん兵衛、サッポロ一番を特許侵害で提訴「また“お家芸”日清戦争」と業界は冷ややか 資生堂、動物実験廃止の背景と残酷な化粧品開発の実態…巨額宣伝費でメディアは黙殺?

情弱ホイホイにご用心! ネット上のウソを見抜くテクニックとは?

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くだんのYouTube動画。
 ネット上は欺瞞に満ちている。  「ウソをウソと見抜けないと(2ちゃんねるを使うのは)難しい」。これは、2ちゃんねるの元管理人・西村博之氏の言葉だが、今の時代、SNSやTwitter、ブログにまで当てはまる箴言(しんげん)と言える。単に間違った情報を得てしまうだけならともかく、シェアして拡散したり、偏った意見に同調して知人に迷惑をかけるという実害も出る。ネットのウソを見抜き、正確な情報だけを効率よく得ることは、意外と難しい。  ネット上のウソは、ありとあらゆるところで問題を引き起こす。例えば、先日アメリカのボストンでテロが起きた際、とんでもない動画がYouTubeに投稿された。「テロを祝福する在日米軍は不要」といった内容の英語のメッセージで、プロフィールには「I am JAPANESE」と書かれていた。テロで死傷者が出ているところに、政治を絡めてあおり立てるのは最悪だ。これを日本人の投稿と受け取ったアメリカ人がいるなら、ひどい反感を持つに違いない。しかし、うかつに真に受けず、ちょっと調べると何か変だということがわかる。投稿者のアイコンは韓国国旗にも使われている太極マークで、過去の投稿はすさまじい反日コメントだらけ。突如として日本人を装った投稿を行ったのは、動画を見た人に日本を攻撃させることが目的だとわかる。当然のように炎上したので動画は削除されたが、著作権侵害の申し立てをしたのは「kim min songさん」。ここまでくれば、日本に反感を持つことはないだろう。  これは日本人にとってはわかりやすい事例だが、通常はブログやTwitter、SNSなどで目にした情報が自分の琴線に触れると、真実かどうかのジャッジを行わず、良かれ悪かれ過剰反応してしまう。「イイ話をシェアする情弱が急増中 SNSで感動話を創作して「いいね!」を稼ぐ輩たち」(http://www.cyzo.com/2013/04/post_12968.html)でも触れたように、創作話に飛びついて、このいい話をシェアする自分ってなんてセンスがいいのでしょう、と情弱ぶりを晒している人たちも増えている。URLの転送先がアフィブログで、金儲けのコマにされているのに気がつかないのだ。「いいね!」やフォロワーを集めてから、突然内容を変えて怪しい商材を売ったり、偏向メッセージの発信をし始めるケースもある。  自分が共感できる意見だとしても、他人に発信する前には真偽を確認すること。ものすごく反感を覚える意見だとしても、すぐには反論しないこと。その人を貶めるために、逆の立場の人が偽装している可能性も高いのだ。耳に優しい情報だけを流動食のように摂取するのではなく、検索してウラを取り、正確な情報を得るようにしたい。Googleで検索するテクニックはみんな持っているはずだし、ネットにはすべての情報がある。ウソをウソと見抜くのは技術の有無ではなく、心がけの問題。とはいえ、すべてを疑って陰謀論にハマってしまうのもまた情弱。情報の流れの中道に立ち、真実を手にしてほしい。 (文=柳谷智宣)