故郷の友は「遠くにありて思う」もの 世界と生き方で棲み分けされる友達関係

【サイゾーpremium】より 3月無料購読キャンペーン開催! SNS隆盛の昨今、「承認」や「リクエスト」なるメールを経て、我々はたやすくつながるようになった。だが、ちょっと待て。それってホントの友だちか? ネットワーク時代に問う、有厚無厚な人間関係――。
1303_az_13.jpg
『人はなぜ学歴にこだわるのか』
 1カ月ほど前、仕事の関係で「面影ラッキーホール」というファンクバンドのメンバーと話をする機会があったのだが、その時、リーダーのACKYさんという人が紹介してくれた話が面白かった。 「リアルなヤンキーと間近で会える機会って、免許の更新の時ぐらいしかないですからね」  と、彼は言っていた。ACKY氏によれば、ホワイトカラーとブルーカラーでも大卒と高卒でもよいが、社会的な階層分化は、その中に住んでいる我々の意識とは無関係に、常に、粛々と進行している。だから、押されている烙印の違う人間同士は、そもそも顔を合わせる機会を持たない。 「社会っていうのは、そういうふうに設計されているんですよ」  至言だと思う。  私自身、昨年の12月に免許の更新で江東区の運転免許試験場に出向いたばかりなのだが、違反者講習の教室には、たしかに、ふだん出会うことのないタイプの人間が勢揃いしていた。背中にデカい動物模様の入ったジャンパーを着ている兄ちゃんや、金髪ツケマの小年増が、私の生活圏の中にまったく住んでいないというのではない。が、普通に暮らしている限り、私の生活は、彼らとは無縁なレイヤーの上で進行していくことになっている。だから、普段は視界に入ってこない茶髪のオヤジやラメ入りのブラウスを羽織ったおばちゃんが、思い思いに座って化粧を直していたり、携帯をいじくっていたりする姿は、やはりなんというのか、新鮮な驚きだったのである。  免許証の更新手続きは、年齢、学歴、年収、職歴といった個々人の属性は一切勘案せず、東京中の自動車運転免許証所有者を、誕生日という一点で機械的にソーティングした上で招集している。だから、更新手続きが行われる運転免許試験場に集った人間たちには、生まれ月以外に、共通項がない。  ともかく、そうやって無作為抽出の人口統計データに最も近い人々に直面してみて、改めてはっきりするのは、我々が「分離されている」ということだ。  特に大学を出た人間は、地域から分断される。このことはぜひ強調しておきたい。我々の社会では、エリートコースと呼ばれる人生を歩むことは、生まれた町の地域社会とは別の枠組みに組み入れられることを意味しているのである。  昔、英文学の教授がこんなことを言っていた。 「日本の男が、会社がハネた後にも同僚と飲んで歩くのは、地域社会が崩壊しているからです。イギリスの会社員は、一旦自宅に帰ってから、改めて地元のパブに飲みに行きます」 「地元のパブには地元の仲間がいます」 「イギリスでは、子どもの時からの仲間と一生涯付き合うのが普通なのです」  もっとも、イギリスにしばらく住んでいたことのある人間の意見は少し違う。 「うーん。一生地元の友だちとツルんでいるっていうのは、ワーキングクラスの話じゃないかなあ」  彼によれば、シティーの中心部で働いているホワイトカラーの連中が、どういうパブで飲むのかは、話が別らしい。 「ほら、出身校とか、なんかのクラブとか、そういうのが拠点だと思いますよ。でもまあ、どっちにしろ会社の同僚と飲み歩くことはありませんね」 「というよりも、ワーキングクラスとミドルクラスはそもそも住んでる町が違いますから」  イギリスの社会がどうなっているのかは知らないが、我々の国の社会は、同じ町に別のレイヤーを重ねるカタチで形成されている。つまり、我が国では、階層別に住む町が違うというほど露骨な分化は進行していないものの、同じ町に住んでいる人間が、階層別に、行きつけの店や集まる場所を変えることで、世界と生き方を棲み分けているのである。  だから、地元の区立中学校を卒業すると、地元のコミュニティとの縁は、その時点でとりあえず切れる。で、高校生は、より広い地域の、学力においてより近いクラスメイトと出会う。というよりも、もう少し露骨ないい方をするなら、生まれてからしばらくの間、地域で分類されていた子どもたちは、15歳を過ぎると、学力という基準で再分類されることになるのである。  高校でも大学でも、もちろん友だちはできる。 「同程度の学力の同級生」や「よく似た文化的背景から出てきた子ども」である、高校・大学の仲間は、「同じ町に住んでいる子ども」であった小中学校の友だちよりは、ある意味で、付き合いやすいかもしれない。そういう意味では、生徒たちを学力別に再分類することが、我々を分離していると、一概に決め付けることはできない。  ただ、「学力」や「社会的な分類」や「階層的な同質性」を基準に集められたり分離されたりする中で形成される人間関係は、やはり、脆いといえば脆い。卒業してそれっきりになってしまうケースも多いし、なにより、このシステムに乗っかっている限り、進学、就職、退職、転職、結婚、出産………と、人生のステージが進むたびごとに、友だちを選び直さなければならなくなる。  さて、進学校の高校に進学して、大学を出た人間が地元から分断されるのだとして、では、そうでなかった生徒たちはどうしているのだろう。  簡単に答えの出せる質問ではない。  他府県から東京の大学に進学してきた人々の立場は、わりあいにはっきりしている。彼らは、かなりの程度、田舎を捨てる覚悟を持っている。  なにより、就職に際して、東京に本社のある一流企業を志望すること自体が、そのまま、生まれ故郷での生活を断念することを意味している。だから、彼らの出世双六の中では、スタート地点の故郷は、比較的早い段階で「遠くにありて思うもの」に設定し直されているわけだ。  東京出身の人間である私のような者の立ち位置は、多少歯切れが悪い。地元の友だちは、いないといえばいない。が、地元に住んでいる以上、顔を合わせれば挨拶ぐらいはする。でも、友だちではない。それはお互いにわかっている。  大学を出て5年ほどたった頃だろうか、地元の商店街を歩いていて、10人ほどの男女の集団に声をかけられたことがある。 「おい、オダジマ」  振り返ると、中学時代の同級生だ。クラス会というほどのものでもないのだが、彼らは、時々集まって飲んだり遊んだりしているようだった。で、その日は、私もゲスト待遇で参加することになった。ゲスト待遇といったのは、集まったメンバーの中で、大卒は私だけだったし、結局、私は、最後まで「お客さん」扱いだったからだ。  話が合わないとか、邪険にされたとか、そういうことではない。それなりに楽しく飲めたし、旧交をあたためたといえばそういえないこともない。ただ、心外だったのは、私が終始「優等生」という役柄を担わねばならなかったことだ。  何を言うんだ。数学のO崎に一番たくさん殴られたのはオレだぞ、と私は言ったが、 「それだけ目をかけられてたってことだろ」  と、その言葉は一蹴された。しかも、私は、登下校の道筋でいじめられたことになっている。 「えっ?」  話を聞けば、覚えている。学校の帰り道に、電柱ごとにじゃんけんで負けた者が全員の鞄を持って歩くゲームが流行ったことがあって、私はそのゲームでよく負けていたのだ。  布製の肩掛け鞄を10個もかけられて、ふらふらして歩いた記憶もある。でも、あれは単なるじゃんけんのゲームで、いじめではない。 「犬の糞を踏ませたこともあるぞ」  そう。確かに踏んだ。でも、あれもゲームだった。要するに私が偶然ジャンケンで負けたという、それだけの話じゃないか。  なのに、彼らの記憶の中では、私が優等生で、犬のクソを踏まされるタイプのいじめられっ子だったということになっている。  私は、かなり執拗に抗弁したが、多勢に無勢、相手にならなかった。  こんなふうにして、分断は進む。  違う道を歩くことになった昔の同級生たちは、互いに、記憶を再編成していたりする。  だから生まれた町に友だちはいない。  友だちはたぶん回線の向こう側にいる。 小田嶋 隆(おだじま・たかし) 1956年、東京赤羽生まれ。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。営業マンを経てテクニカルライターに。コラムニストとして30年、今でも多数の媒体に寄稿している。近著に『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社)、『もっと地雷を踏む勇気 ~わが炎上の日々』(技術評論社)など。 【今なら無料で読める!「サイゾーpremium」では他にも多彩な識者人たちのためになる連載記事が満載です!】町田康の続・関東戎夷焼煮袋「お好み焼きの焼きスタイル その多様さに神髄あり」宇野常寛の批評のブルーオーシャン「峯岸問題」法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン「児ポ法の悪法たるゆえんを河西智美『手ブラ騒動』に見る」
1lineimg.jpg
「サイゾーpremium」とは?
「3月無料購読キャンペーン開催!」
雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む)

株価半値のフェイスブック”最強代理店”電通はLINEへ乗り換え!?

【サイゾーpremiumより】
1210_diamond.jpg
「週刊ダイヤモンド」2011年1月29日号
 9月1日、アメリカの株式市場「ナスダック」において、投資家たちがため息を漏らした。今年5月の株式公開後ずっと値下がりを続けていたフェイスブック(以下、FB)の株価が19ドルまで下落、ついに公開価格の半値を切ってしまったからだ。  アップルが時価総額で世界一の企業となったように、20世紀末以降のアメリカ経済はIT産業が牽引してきた。多くのIT企業が株式公開し、その後の株価上昇によって莫大な利益が生み出されてきたのである。 「マイクロソフトやグーグルなど著名なIT企業があらかた株式公開してしまった中、9億人が利用する世界最大のSNSという『最後の大物IT企業』。当然投資家たちも大きな期待を寄せ、ヘッジファンドから個人投資家までが、FBの公開株に殺到しました」(証券アナリスト)  ところがFBの株価は、上場初日こそ38ドルという公募価格を上回ったものの、その後は連日最安値を更新し続け、わずか4カ月足らずで半値にまで下落した。上場時で約1000億ドル(約7兆8000億円)だった時価総額は、9月には約400億ドル(約3兆1000億円)にまで下落してしまったわけだ。  その要因としては、スマートフォンへの対応の遅れや創業者マーク・ザッカーバーグの経営手腕への不安などが挙げられている。しかし、最も大きいとされるのが、FB上での広告の収益力の弱さである。 「SNSを活用した広告は、従来のマス広告よりも購買行動につながりやすいといわれている。企業の宣伝よりも友人からの推薦のほうが信頼できるから、というわけですね。ところが、FBの広告は思ったよりも効果がないとして、米ゼネラル・モーターズがFBでの広告を打ち切ってしまったんです」(同)  このFBの株価騒動を、太平洋を挟んだ日本から不安げに見つめる企業がある。日本最大の広告代理店である電通だ。同社は、日本におけるFB掲載広告を一手に取り仕切っている。FBのページにはいくつかの広告が掲載される設定になっているが、電通は日本ユーザー向けの広告表示枠をすべて買い切る独占的な契約【1】をFBと締結。このため、日本企業がFBで日本人向けに広告を出すためには、すべて電通を通す必要があるのだ。  インターネットにおける広告は、グーグルでおなじみの「キーワード広告」のように、低価格かつ低単価で、中小企業でも手軽に宣伝が行えるのが特徴だった。このため「ウチの会社は、テレビCMや大型キャンペーン広告など、大きな予算がつく広告がメインです。それに比べるとネット広告の予算は小さいので、ウチの会社では積極的には扱ってきませんでした」と、ある電通社員は説明する。しかし、テレビ・新聞・雑誌・ラジオという、いわゆる4大マス媒体のメディアパワーが下がり、一方でネットがメディアとしても広告媒体としても大きく伸びてくると、ネット広告に消極的だった電通は、大きく出遅れる結果となった。 「完全にネット広告に出遅れたため、会社全体にもかなりの危機感がありましたね」(電通社員)  その起死回生の手段が、FB広告枠の買い切りだったというわけだ。 ■“センス”がない電通という企業  しかし、2010年の時点で米国ではすでにSNSの最大手となっていたFBだが、日本ではミクシィやモバゲーなど国内企業によるSNSが大きく普及しており、FBの躍進は困難に見えた。そこで電通は、FBを「ビジネスユーザーのための最新鋭サービス」と定義して売り込む作戦に出た。具体的には、経済系ニュース番組や雑誌などに、FBを大きく扱うよう売り込んだのだ。10〜11年にかけて、「週刊ダイヤモンド」から「GQ」「anan」に至る複数の雑誌で、「FB大特集」が繰り返されたことを覚えている読者も多いだろう。そのウラには、FBの認知度を高めたい電通による、メディアの熱心な誘導があったのだ。もちろん、取り上げる側のメディアにもメリットはある。FBと近しい距離にある電通が取材の便宜を図ることによって、それまであまり日本メディアには露出しなかったFB日本支社、さらにはFBを活用している企業の取材が可能になったのだ。さらに、”天下の電通”ならばこそ、他のページに入る広告に関しても、なんらかの優遇策を”おまけ”としてつけるなどしていることも容易に想像できるだろう。  電通によるこうした売り込み、そしてFB自体が他のSNSよりも使いやすいこともあって、日本でのユーザー数は11年末には1000万人を突破、12年8月末時点では1500万人を超えたといわれている。またユーザー層も、各メディアへの大量露出の効果もあって、20代後半から40代前半の働く世代が過半数を占めており、可処分所得の高い層が集まるSNSという、電通の狙い通りの広告媒体に育ちつつある。  そうした折も折に起こったのが、5月のFB上場であり、その後の株価下落だったのである。 「ウチの会社はしょせん”日本的”な営業の会社。ITやネットを活用することは不向きなんです。先物買いのつもりでFBに投資しましたが、このままでは持ち出しに終わってしまいそうですよ」(電通社員)  ところが、電通も懲りずに次の狙いを定めているという。それがスマホでヒットしているチャットアプリ「LINE」だ。韓国系企業NHNの日本支社が開発したアプリで、高校生や大学生、女性などを中心に急速に普及している(詳細は「サイゾーpremium」で9月28日より更新予定のNHN特集を参照)。そのLINEの広告は当初、博報堂がメインで扱っていた。ところが、LINEが成功を収めつつあるのを見た電通が、「ウチにもやらせろ」と食い込もうとしているというのだ。 「海の向こうのFBよりはコントロールしやすそうということで、目をつけたようです。だけど問題は、そもそもネットのセンスに電通がついていけてないことなんですよ。FBのように国内メディアを総動員して知名度を上げたところで、『広告媒体としてあんまり価値がなかった』ではねえ……」(同)  社員が呆れるほどネットのセンスに欠けているという電通。テレビや新聞など旧来型の媒体が本格的に崩壊する前に新たな広告枠を、とネットに飛びついているが、FBについては失敗に終わる気配が濃厚である。  ネット上では、”アヤしい”宣伝活動はすべて「電通の陰謀」「ステマ」などと揶揄されがちだ。しかし、FBにおける同社の暗躍を見れば、それもあながちデマではないということになる。いわば、火のないところに煙は立たぬ。しかし、その火も実は、風前のともし火なのかもしれないのである。 (三森黒介)
1210_dentsu.jpg
【1】独占的な契約 広告枠の「買い切り」は、電通に限らず大手広告代理店がよく行う手法である。人気のテレビ番組や新聞の紙面広告、雑誌の裏表紙など、多くの人の目に触れやすく、広告を出す側にも人気が高い広告のスペース、いわゆる”枠”をまるごと買い切って独占することで、広告料金をコントロールし、高値を維持しやすくなるのである。 ■下落し続けるフェイスブックの株価 「久しぶりの大型株上場」「第2、第3のアップル、グーグル」。鳴り物入りで5月18日に上場したフェイスブック。公募価格38ドルに対し一時は45ドルまで上昇したが、結局同日は38・23ドルで終了。メディアでは、一気に「期待はずれ」感が広まった。その後は30ドル前後をうろうろしていたが、8月以降は20ドル台前半にまで低迷していたのだ。 【「サイゾーpremium」では他にも話題のニュース記事が満載!】ブランド価値”1500億円”日経 の失態 読売と「リーク元公開」で業界騒然!第2のリクルート事件?”疑惑にまみれた”JAL再上場の舞台裏“脱税””隠し子”騒動でGACKTがピンチ! ベールは剥がされるのか
1lineimg.jpg
「サイゾーpremium」とは? 雑誌「サイゾー」のほぼ全記事が、
月額525円読み放題! (バックナンバー含む)

今さらですがやっぱりFacebook使うのって危なくない?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 柔道女子で金メダルの松本が所属企業はマルチだった! 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 日テレ、テレ朝、東洋経済…トヨタの軍門に下るメディアたち? ■特にオススメ記事はこちら! 今さらですがやっぱりFacebook使うのって危なくない? - Business Journal(8月10日)
「Facebook」より
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!? 秘密暴露ゲーム  以前、アメリカ人と話していた時、「Myspaceによって将来の大統領選は成立しなくなる」と言っていた。3年前のことだ。Myspaceとは、アメリカで当時大流行していたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)だった。  なぜ大統領選が成立しなくなるのか?  「誰だって若いころはクスリでラリったりとか、女性と関係をもったことを自慢げに語るだろ。多かれ少なかれ、若気の至りってのはある。これまでは、誰も他者の過去はわからなかった。だけど、これからは自分の過去がしっかりとサーバーに記録されているんだ!」。そう、しかも本人の自発的な書き込みによって。  対立候補のネガティブキャンペーンをやろうと思えば、どんな候補者だってすぐに過去の悪行を暴くことができる。どんな品性高潔な人物だって、20年をさかのぼれば、浮気・暴行・賭博・クスリ・暴言・品性下劣などの行動が一つや二つは出てくるだろう。そんなことが暴かれ続ければ、アメリカ国民は誰に投票すべきかわからないという。「だから大統領選は崩壊する」と。彼の予想が正しいかどうかは、現在の高校生・大学生が大統領候補になっている20年後にわかるだろう。 20年後に自分の書き込みが読まれても大丈夫?  ところでこの記事の読者は、自身のSNSへの書き込みが、20年後に読まれたとして品位を保てるだろうか? 読者が20年後に部長か取締役になっていたとして、新入社員から「部長も若いころは、お局(おつぼね)のアケミさんと懇ろだったんですね」と笑われてしまっては、威厳も貫禄も消滅するに違いない。  そして私がアメリカの友人から話を聞いた3年後、今ではFacebookで猫も杓子もこぞって自らのプライバシーをさらすようになった。Facebookよりもmixiの優位性が続くだろう、といわれていた頃が懐かしいくらい、日本人もFacebookで自分自身の情報を投稿し続けている。 Facebookと税務当局  とりあえず、私はFacebookの株価がどうなるとか、マーク・ザッカーバーグの資産がいくらだとか、Facebook広告の投資対効果がどうだとか、セキュリティの脆弱性があるとか、それらについて興味はない。もちろん、Facebookのセキュリティに問題があると困るけれど、フリー(無料)である以上はFacebookを責め続けるわけにもいかず、諦観のうえで使用する必要はあるだろう。  それよりも私の興味関心は、Facebookがいかに税務当局から使用されるかにある。私が見ていて、あまりに「危なっかしい」Facebookユーザーがいる。会社の役員クラスであるにもかかわらず、私生活を公開しすぎなのだ。例えば、外車で遊びまわる写真をアップロードしている。レストランでの豪奢なそぶりを、笑顔とともに公開している。  あのー、みなさん間違っても、そのクルマは社用車として会社損金で減価償却していないですよね?   あきらかに彼女か愛人としか見えない相手との食事を、接待交際費で落としていないですよね? ちなみに、Facebookの写真に見える資産は、万が一のときに差し押さえられてもいいんですよね?  プライベートな支出を会社経費として損金計上することはできませんけれど、わかっていてFacebookで公開しているんですよね? ……とまあ、私が心配する必要もないけれど、それくらい「大胆」な、というか、無防備な投稿が多い。もちろん、個人の生活を可視化・透明化したところで、清廉潔白であれば税務当局など怖くないだろう、とする意見もあるに違いない。しかし、むやみやたらに取引関係者・利害関係者を公にしてしまうことのメリットばかりではないはずだ。 Facebookとのほどよい距離感  例えば、クルマを社用車として計上する場合は、「営業等の会社業務に使用しており」かつ「会社、あるいは近隣に駐車場がある」ことが必要となる。ただし、それを満たしていればどんなクルマでも大丈夫かというと、その妥当性については常に議論がつきまとう(つまり、高級車だったら認められないこともあるわけね)。なのにFacebookでリスクを自らさらすことはない。少なくとも私はそう思う。  SNSで人と人が「つながる」ことの優位性ばかりが喧伝されているけれど、危うさについても述べておきたかった。  それにしても、なんでまたインターネットを使って、自分たちの会社が羽振り良いことを自慢する必要があるのだろう。「いいね!」を押した会社からは毎日のように社長の豪華絢爛な遊びっぷりがニュースフィードに流れてくるし、「友達」の一人は高級ホテルに泊まり続ける様子を、ご丁寧に写真つきでアップしている。  いや、もちろんこれらの注意点は、サラリーマンには無関係だといわれるかもしれない。ただし、自分が情報を発することの利点とともに、危うさも認識しておきたいのだ。SNSとの「ほどよい」距離感を意識するほうがちょうどいい。 危険がないFacebookの使い方  ちなみに私はFacebookアカウントを持っており、毎日のように書き込んでいるものの、私生活や交友関係などはほぼ書き込んでおらず、ドラえもんとオタク趣味をひたすらつぶやいている。このような使い方がふさわしいものかはわからないけれど、危険はない。  しかし、それにしても外国人のアカウントを見ると、あまりに赤裸々に個人情報を公開していることに驚く。自分の子どもの名前と年齢を公開してしまえば、企業のマーケティングリストに載ることは明確だ。マーケッターたちがFacebookは宝の山というのもよくわかる。これまでお金を払って集めていたデータを、むしろ参加者がタダで公開してくれているのだ。しかも、趣味嗜好などの属性つきで。これほど儲けのタネが転がっている時代はないというわけだ。  ちなみに、私は冒頭で挙げた、将来のアメリカ大統領選が成立しなくなることを憂いてはいない。むしろ、日本人のハッカーたちが大統領選候補の人たちを過去のデータベースから拾い上げて、「こいつ、小学生のころに学校でウンコ漏らしたらしいぜ」とか「こいつ、彼女の誕生日プレゼントに自作の曲なんか贈って、キモヲタだぜきっと」とか笑い始めたら、多少はアメリカ人に対する萎縮がなくなって「こいつらも、たいしたことないじゃん」と思えるはずだ。  日本外交にも好影響を与えるかもしれない。  言いすぎかな。 (文=坂口孝則) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 柔道女子で金メダルの松本が所属企業はマルチだった! 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 日テレ、テレ朝、東洋経済…トヨタの軍門に下るメディアたち? 山本一郎「まさかのバンダイナムコが新ガチャで規制逃れ」 不正アクセスで手軽にネットカンニング! サッカー五輪代表は、海外移籍で1億円稼げるか? 有名女子高では4割!?医学部志望女子急増の意外なワケ

今さらですがやっぱりFacebook使うのって危なくない?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 柔道女子で金メダルの松本が所属企業はマルチだった! 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 日テレ、テレ朝、東洋経済…トヨタの軍門に下るメディアたち? ■特にオススメ記事はこちら! 今さらですがやっぱりFacebook使うのって危なくない? - Business Journal(8月10日)
「Facebook」より
さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!? 秘密暴露ゲーム  以前、アメリカ人と話していた時、「Myspaceによって将来の大統領選は成立しなくなる」と言っていた。3年前のことだ。Myspaceとは、アメリカで当時大流行していたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)だった。  なぜ大統領選が成立しなくなるのか?  「誰だって若いころはクスリでラリったりとか、女性と関係をもったことを自慢げに語るだろ。多かれ少なかれ、若気の至りってのはある。これまでは、誰も他者の過去はわからなかった。だけど、これからは自分の過去がしっかりとサーバーに記録されているんだ!」。そう、しかも本人の自発的な書き込みによって。  対立候補のネガティブキャンペーンをやろうと思えば、どんな候補者だってすぐに過去の悪行を暴くことができる。どんな品性高潔な人物だって、20年をさかのぼれば、浮気・暴行・賭博・クスリ・暴言・品性下劣などの行動が一つや二つは出てくるだろう。そんなことが暴かれ続ければ、アメリカ国民は誰に投票すべきかわからないという。「だから大統領選は崩壊する」と。彼の予想が正しいかどうかは、現在の高校生・大学生が大統領候補になっている20年後にわかるだろう。 20年後に自分の書き込みが読まれても大丈夫?  ところでこの記事の読者は、自身のSNSへの書き込みが、20年後に読まれたとして品位を保てるだろうか? 読者が20年後に部長か取締役になっていたとして、新入社員から「部長も若いころは、お局(おつぼね)のアケミさんと懇ろだったんですね」と笑われてしまっては、威厳も貫禄も消滅するに違いない。  そして私がアメリカの友人から話を聞いた3年後、今ではFacebookで猫も杓子もこぞって自らのプライバシーをさらすようになった。Facebookよりもmixiの優位性が続くだろう、といわれていた頃が懐かしいくらい、日本人もFacebookで自分自身の情報を投稿し続けている。 Facebookと税務当局  とりあえず、私はFacebookの株価がどうなるとか、マーク・ザッカーバーグの資産がいくらだとか、Facebook広告の投資対効果がどうだとか、セキュリティの脆弱性があるとか、それらについて興味はない。もちろん、Facebookのセキュリティに問題があると困るけれど、フリー(無料)である以上はFacebookを責め続けるわけにもいかず、諦観のうえで使用する必要はあるだろう。  それよりも私の興味関心は、Facebookがいかに税務当局から使用されるかにある。私が見ていて、あまりに「危なっかしい」Facebookユーザーがいる。会社の役員クラスであるにもかかわらず、私生活を公開しすぎなのだ。例えば、外車で遊びまわる写真をアップロードしている。レストランでの豪奢なそぶりを、笑顔とともに公開している。  あのー、みなさん間違っても、そのクルマは社用車として会社損金で減価償却していないですよね?   あきらかに彼女か愛人としか見えない相手との食事を、接待交際費で落としていないですよね? ちなみに、Facebookの写真に見える資産は、万が一のときに差し押さえられてもいいんですよね?  プライベートな支出を会社経費として損金計上することはできませんけれど、わかっていてFacebookで公開しているんですよね? ……とまあ、私が心配する必要もないけれど、それくらい「大胆」な、というか、無防備な投稿が多い。もちろん、個人の生活を可視化・透明化したところで、清廉潔白であれば税務当局など怖くないだろう、とする意見もあるに違いない。しかし、むやみやたらに取引関係者・利害関係者を公にしてしまうことのメリットばかりではないはずだ。 Facebookとのほどよい距離感  例えば、クルマを社用車として計上する場合は、「営業等の会社業務に使用しており」かつ「会社、あるいは近隣に駐車場がある」ことが必要となる。ただし、それを満たしていればどんなクルマでも大丈夫かというと、その妥当性については常に議論がつきまとう(つまり、高級車だったら認められないこともあるわけね)。なのにFacebookでリスクを自らさらすことはない。少なくとも私はそう思う。  SNSで人と人が「つながる」ことの優位性ばかりが喧伝されているけれど、危うさについても述べておきたかった。  それにしても、なんでまたインターネットを使って、自分たちの会社が羽振り良いことを自慢する必要があるのだろう。「いいね!」を押した会社からは毎日のように社長の豪華絢爛な遊びっぷりがニュースフィードに流れてくるし、「友達」の一人は高級ホテルに泊まり続ける様子を、ご丁寧に写真つきでアップしている。  いや、もちろんこれらの注意点は、サラリーマンには無関係だといわれるかもしれない。ただし、自分が情報を発することの利点とともに、危うさも認識しておきたいのだ。SNSとの「ほどよい」距離感を意識するほうがちょうどいい。 危険がないFacebookの使い方  ちなみに私はFacebookアカウントを持っており、毎日のように書き込んでいるものの、私生活や交友関係などはほぼ書き込んでおらず、ドラえもんとオタク趣味をひたすらつぶやいている。このような使い方がふさわしいものかはわからないけれど、危険はない。  しかし、それにしても外国人のアカウントを見ると、あまりに赤裸々に個人情報を公開していることに驚く。自分の子どもの名前と年齢を公開してしまえば、企業のマーケティングリストに載ることは明確だ。マーケッターたちがFacebookは宝の山というのもよくわかる。これまでお金を払って集めていたデータを、むしろ参加者がタダで公開してくれているのだ。しかも、趣味嗜好などの属性つきで。これほど儲けのタネが転がっている時代はないというわけだ。  ちなみに、私は冒頭で挙げた、将来のアメリカ大統領選が成立しなくなることを憂いてはいない。むしろ、日本人のハッカーたちが大統領選候補の人たちを過去のデータベースから拾い上げて、「こいつ、小学生のころに学校でウンコ漏らしたらしいぜ」とか「こいつ、彼女の誕生日プレゼントに自作の曲なんか贈って、キモヲタだぜきっと」とか笑い始めたら、多少はアメリカ人に対する萎縮がなくなって「こいつらも、たいしたことないじゃん」と思えるはずだ。  日本外交にも好影響を与えるかもしれない。  言いすぎかな。 (文=坂口孝則) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 柔道女子で金メダルの松本が所属企業はマルチだった! 保険会社の「医療保険は必要」にダマされてはいけない? 日テレ、テレ朝、東洋経済…トヨタの軍門に下るメディアたち? 山本一郎「まさかのバンダイナムコが新ガチャで規制逃れ」 不正アクセスで手軽にネットカンニング! サッカー五輪代表は、海外移籍で1億円稼げるか? 有名女子高では4割!?医学部志望女子急増の意外なワケ

イケメンJリーガーが獣姦動画に「いいね!」したワケ

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大企業社員夏のボーナスとその使い道は? さすがAmazon! 毎度配送業者が変わる謎と答え 有名弁護士事務所まで非弁提携で市民を食い物に! ■特にオススメ記事はこちら! イケメンJリーガーが獣姦動画に「いいね!」したワケ - Business Journal(7月5日)
post_353.jpg
「BADだね」って言ってもわからんか。(「Thinkstock」より)
「ライクジャッキング」がFacebookユーザーを狙っている。ソフォス社のレポートによれば、特定の動画について、勝手に「いいね!(Like)」ボタンをクリックしたことにされてしまう事例が報告されている。  たとえば「巨大な蛇が飼育係を丸飲み!」などと題された見るに堪えないグロ動画を見ようとして再生ボタンを押すと、そこに隠しコードが含まれていて、勝手に「いいね!」がクリックされたことになってしまう。当然のことながら、このグロ動画については、ユーザー自身の"趣味"としてFacebookに投稿される。  このように、Facebookの「いいね!」機能を乗っ取る手口は「ライクジャッキング」と呼ばれる。その原型とも言える「クリックジャッキング」という手口は、2008年頃から頻発している。クリックという動作を乗っ取ってしまうことから、この名前がつけられた。  クリックジャッキングに引っかかると、ユーザーがウェブページにあるリンクなどをクリックした際に、自分がクリックしたのとは違うところを勝手にクリックさせられてしまう。結果的に、ユーザーは危険なウェブサイトへのリンクをクリックさせられたりする。これをFacebookの「いいね!」機能に特化したのがライクジャッキングというわけだ。  ライクジャッキングでは、先に紹介したグロ動画だけでなく、エロ動画が舞台となることもある。日刊サイゾーなどでも報じられたが、柏レイソルのDF増嶋竜也もエロ動画によるライクジャッキングの餌食となった1人だ。ライクジャッキングにより、獣◯モノのエロ動画について「いいね!」が勝手にクリックされたため、彼の"趣味"としてFacebookに投稿されるハメになってしまったのである。  笑い話で済むような内容の動画ならまだいいが、決して笑えないような度の過ぎたグロ動画や特殊すぎるエロ動画について、勝手に自分の"趣味"として投稿されるのは結構深刻な問題だと言える。人によっては、社会的信用に関わる事態に進展するケースも考えられるだろう。  では、どうしてライクジャッキングは行われるのだろうか。中には愉快犯的なケースもあるかもしれないが、基本的にはアクセス数を増やすことが目的となっている。つまり、「いいね!」を乗っ取ることにより、Facebookに対するスパムを仕掛けて拡散させることが目的なのだ。  そんなスパム攻撃の巻き添えを食らわないためには、(どうしても見たいなら)エログロ動画を見る時にはFacebookからログオフしておいた方がいい。また、セキュリティソフトをインストールしておけば、ライクジャッキングを引き起こす隠しコードを含むウェブページについては、たいていは警告が表示される。あやしいウェブサイトに置かれた動画については、安易に再生ボタンを押さないという注意も必要だ。 (文=宮島理/フリーライター) <おすすめ記事> 大企業社員夏のボーナスとその使い道は? さすがAmazon! 毎度配送業者が変わる謎と答え 有名弁護士事務所まで非弁提携で市民を食い物に! お騒がせ企業の役員報酬はいかほど? ダマした者勝ち?仁義なき離婚バトル必勝マニュアル 消費増税反対・小沢グループ川内博史「僕が離党しない理由」 YouTubeニコ動観たら逮捕、個人情報もダダ漏れ?

イケメンJリーガーが獣姦動画に「いいね!」したワケ

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大企業社員夏のボーナスとその使い道は? さすがAmazon! 毎度配送業者が変わる謎と答え 有名弁護士事務所まで非弁提携で市民を食い物に! ■特にオススメ記事はこちら! イケメンJリーガーが獣姦動画に「いいね!」したワケ - Business Journal(7月5日)
post_353.jpg
「BADだね」って言ってもわからんか。(「Thinkstock」より)
「ライクジャッキング」がFacebookユーザーを狙っている。ソフォス社のレポートによれば、特定の動画について、勝手に「いいね!(Like)」ボタンをクリックしたことにされてしまう事例が報告されている。  たとえば「巨大な蛇が飼育係を丸飲み!」などと題された見るに堪えないグロ動画を見ようとして再生ボタンを押すと、そこに隠しコードが含まれていて、勝手に「いいね!」がクリックされたことになってしまう。当然のことながら、このグロ動画については、ユーザー自身の"趣味"としてFacebookに投稿される。  このように、Facebookの「いいね!」機能を乗っ取る手口は「ライクジャッキング」と呼ばれる。その原型とも言える「クリックジャッキング」という手口は、2008年頃から頻発している。クリックという動作を乗っ取ってしまうことから、この名前がつけられた。  クリックジャッキングに引っかかると、ユーザーがウェブページにあるリンクなどをクリックした際に、自分がクリックしたのとは違うところを勝手にクリックさせられてしまう。結果的に、ユーザーは危険なウェブサイトへのリンクをクリックさせられたりする。これをFacebookの「いいね!」機能に特化したのがライクジャッキングというわけだ。  ライクジャッキングでは、先に紹介したグロ動画だけでなく、エロ動画が舞台となることもある。日刊サイゾーなどでも報じられたが、柏レイソルのDF増嶋竜也もエロ動画によるライクジャッキングの餌食となった1人だ。ライクジャッキングにより、獣◯モノのエロ動画について「いいね!」が勝手にクリックされたため、彼の"趣味"としてFacebookに投稿されるハメになってしまったのである。  笑い話で済むような内容の動画ならまだいいが、決して笑えないような度の過ぎたグロ動画や特殊すぎるエロ動画について、勝手に自分の"趣味"として投稿されるのは結構深刻な問題だと言える。人によっては、社会的信用に関わる事態に進展するケースも考えられるだろう。  では、どうしてライクジャッキングは行われるのだろうか。中には愉快犯的なケースもあるかもしれないが、基本的にはアクセス数を増やすことが目的となっている。つまり、「いいね!」を乗っ取ることにより、Facebookに対するスパムを仕掛けて拡散させることが目的なのだ。  そんなスパム攻撃の巻き添えを食らわないためには、(どうしても見たいなら)エログロ動画を見る時にはFacebookからログオフしておいた方がいい。また、セキュリティソフトをインストールしておけば、ライクジャッキングを引き起こす隠しコードを含むウェブページについては、たいていは警告が表示される。あやしいウェブサイトに置かれた動画については、安易に再生ボタンを押さないという注意も必要だ。 (文=宮島理/フリーライター) <おすすめ記事> 大企業社員夏のボーナスとその使い道は? さすがAmazon! 毎度配送業者が変わる謎と答え 有名弁護士事務所まで非弁提携で市民を食い物に! お騒がせ企業の役員報酬はいかほど? ダマした者勝ち?仁義なき離婚バトル必勝マニュアル 消費増税反対・小沢グループ川内博史「僕が離党しない理由」 YouTubeニコ動観たら逮捕、個人情報もダダ漏れ?

映画『ソーシャル・ネットワーク』に見るソーシャルメディアの本質

──激変するITビジネス&カルチャーの深層を抉る! ──世界最大のSNSフェイスブック。創始者であるマーク・ザッカーバーグを中心に、その創業にまつわるエピソードを映画化した『ソーシャルネットワーク』が公開中だ。ナードでギークな26歳の億万長者が生まれたのは、彼が非コミュだったからだった!?
1102_it_ill.jpg
リアルとバーチャルが互いを補完し合うとき、
ザッカーバーグは完全体となった......!?
 本誌が発売される頃には、アメリカ映画『ソーシャル・ネットワーク』が公開されているはずだ。世界最大のSNSであるフェイスブックの黎明期を題材にしたデヴィッド・フィンチャー監督の作品である。『セブン』や『ファイト クラブ』『ゲーム』など、奇妙奇天烈な後味を残す映画ばかりを撮っている監督だ。この『ソーシャル・ネットワーク』も一筋縄ではいかない内容になっている。これはフェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグをはじめ、ナップスターの創業者ショーン・パーカーなど全員が実名で出てきて、しかも彼らがみんな「人でなし」として描かれるという、恐ろしい暴露映画なのである。  フェイスブックは世界最大のSNSとして知られていて、ユーザー数は5億人を超えている。国家の人口と比較すると、中国、インドに次いで大きい。創業者でCEOのザッカーバーグはまだ26歳。今や世界最年少のビリオネアとして知られていて、最近も69億ドル(約5800億円)にも上る資産の半分を、ビル・ゲイツらがやっている慈善団体「ギビング・プレッジ」に寄付することを表明したばかり。    彼はユダヤ系アメリカ人で、ニューヨーク郊外の高級住宅地として知られるホワイトプレインズで生まれ、超難関進学校として知られるフィリップス・エクセター・アカデミーを経て、ハーバード大学に進学したという超エリートだ。しかし映画にも描かれているように「超」のつくナード(オタク)で、大学で女性には全然モテなかった。友人も少ない。    そこでザッカーバーグは、コンピュータの才能を存分に発揮し、同じ授業を履修しているほかの学生を見つけられる「コースマッチ」や、女子学生を顔写真で評価する「フェイスマッシュ」などのネットのサービスを作って学内で話題になった。そして19歳でフェイスブックを立ち上げることになる。    当初彼は、キャメロン&タイラー・ウィンクルボス兄弟というボート部のマッチョな学生(のちに北京五輪に出場して6位入賞している)から「ハーバードコネクション」という新しいSNSの計画を打ち明けられ、「プログラミングを手伝ってくれないか」と誘われる。ザッカーバーグはこれを承諾しながら、催促のメールが来ると「まだ忙しくて」「今やってる」と引き延ばし、実はその裏側でこのプランを盗んで別のSNSを立ち上げるべく、プログラミングに精を出していた──。ザッカーバーグがこのようにして次々と周囲の人たちを裏切っていくというのが、この映画の中心コンセプトになっている。    裏切りについてこの映画で描かれる最大のお話は、共同創設者のエドゥアルド・サベリンをめぐるものだ。サベリンは1982年生まれと、ザッカーバーグの2歳年上のブラジル系アメリカ人で、ハーバード大学でザッカーバーグと出会って親友になる。共にフェイスブックを立ち上げてサベリン本人はCFOに就任するが、途中でフェイスブックから追い出され、本来は60%以上あった会社の持ち株比率も勝手に希薄化されて、0.03%に引き下げられてしまうのだ。  その後、彼は裁判所に訴え出て和解に持ち込み、「フェイスブック共同創業者」の肩書の復権と、持ち株比率の大幅な引き上げを認められた。  現在は5%程度のフェイスブック株を所有しているとされ、それだけでもものすごい金持ちだ。ちなみにこの人はいつもどこで何をしているのかさっぱりわからず、と思ったら突然いろんな場所に出没して人を驚かせたりしていて、「サベリンは今どこにいるのか?」というのが話題になったりするほどだ。現在はシンガポールに在住しているという。 ■ユーザー数増加の発端はアイビーリーグへの憧れ!?  話を戻そう。映画では、ウィンクルボス兄弟が「彼女を作るにはSNSだぜ」みたいな発言をして、ザッカーバーグが実際にフェイスブックを立ち上げた時も、「プロフィールに『独身』『交際中』『既婚』って表示できるんだ。だから女の子に近づく時もすぐに相手の状態がわかる」というようなことを友人に説明するシーンが出てくる。    実際のフェイスブックでもこういう出会い系の目的が当初はクローズアップされたのかもしれないが、しかしフェイスブックにはもっと大きなビジネス的な実利もあった。