【アジアカップ現地レポ】アラビア語の新聞でザックに一言!?

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まさかアラビア語の新聞に日本語が踊っているとは......。
 29日、サッカー日本代表が、中東カタールのドーハで行なわれていたアジアカップ決勝でオーストラリアを1-0で下し、2大会ぶり4度目の優勝を決めた。  筆者にとっては現地で取材を始めて23日後の出来事。試合終了から約3時間、いまは日本が優勝した事実と、ようやく日本へ戻れる気持ちとで二重の喜びに浸っている(なんせ、イスラムの国カタールには娯楽が皆無なうえに、ほとんどアルコールを口にできないのだから、酒好きの筆者にとっては苦痛以外の何者でもなかった)。  それにしても、岡チャンのあとを次いで就任したザッケローニ監督ことザックは、(昨年の2試合を含めて)8試合を戦って無敗、今大会も苦戦の連続(2試合で退場者を出し、1試合がPKでの決着)だったものの、ギリギリの戦いを制して頂点にまで上り詰めた。おそらく、この結果を持って"ザック株は急上昇"(元々、それほど低くはなかったが......)のことだろう。  だが、誰だろうと100%の信頼は危険である。あくまで結果は結果、冷静な目は必要だ。  そういえば、今日決勝の会場に出掛ける前にバスを待つホテルのロビーで見たアラビア語の新聞に面白い投稿を見つけた。  投稿というより、おそらくアジアカップを見に来たファンによる一言の寄せ書きみたいなもので、そのなかのひとつを(たぶん日本語なので)日本人が書いていた。 「ザッケローニ監督は、香川真司の良さを分かっているのだろうか。今大会では香川の良さを生かせたとは思えない」  女性の文字のようにも見えるが、熱心なファンによる、ある意味で的を射ているようなコメントである。  今季ドイツ1部リーグで大活躍した香川(なんとリーグ前半戦のMVP)くらいは、サッカーファンならずとも知っていることだろう。その香川は残念ながら、決勝を前に負傷で帰国の途に就いていたのだが......。  優勝に水を差すつもりはない。だが戒めとして、そんなファンの一言を忘れないでいるべきだろう。そうこうしているうちに帰国まで24時間を切った。なんだか、うれしくなってきた。 (取材・文=栗原正夫)
ザッケローニの哲学 人となり。 amazon_associate_logo.jpg
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【アジアカップ現地レポ】ドーハで謎のアジア人が握る寿司を喰らう

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外国人からすれば、本場、日本の職人が握っているだと思ってしまうのだろう。
 アジアカップに参加中のサッカー日本代表の取材で中東カタールのドーハ入り後20日あまりが経過した。  日本代表は苦しみながらも決勝進出を果たし、オーストラリアと対戦することになった。そんなわけで、筆者も大事な決勝を前に、景気づけと称して、ホテルの日本食レストランに出向き、現地入り後、初めてのアルコールを口にすることにした。  寿司と鉄板焼きを売りにする「SAKURA」と書かれた暖簾をくぐると、カウンター席に案内された。この店は4年ほど前に一度来たことがあったが、そのときは確かテーブル席だった。席につくと、カウンター越しに寿司職人が「いらっしゃい!」と迎えてくれた。アジア人ではあるが、発音からして日本人ではなさそうだ。それにしても海外でも中華やコリアンは中国人や韓国人が経営しているのに、なぜか日本食だけは"なんとなくそれっぽいアジア人"がやっているのはなぜなのだろうか。しかも、そんな店では大抵なんとなくそれっぽいものを、日本食といって出しているのだ。  5年ほど前に行った東欧ウクライナでは、確か「SHICHININN NO SAMURAI」(アルファベットにするとなんとも分かりにくい)という店で、たぬきうどんを注文したら汁さえなく、焼きうどんのようなモノに何か練り物のようなよくわからない具材がのってきたのを思い出す。  さて、注文した巻き寿司を巻いている職人に出身を聞けば、フィリピンから出稼ぎに来たとのことだった。だが、あちらはこちらが日本から来たとは思っていないらしい。「南? 北?」。朝鮮人と勘違いしているようだ。だいたい海外で間違えられるといえば決まって中国人だが、ここドーハでは違うようだ。  こちらが日本人だと言うと、フィリピン人の職人は少し恥ずかしそうな表情を浮かべて、「寿司、美味しいですね」と笑って見せた。  出てきた巻き寿司は普通に美味しかった。ただ、これはカリフォルニアロールだ。  やっぱり海外での外食といえば、断然、コリアン(中華)>日本食である。さて、注目の決勝戦はどんな結末を迎えるのか? 記者仲間とそんな話で一杯やったドーハの夜だった。 (取材・文=栗原正夫)
すしの技 すしの仕事 よく読んで! amazon_associate_logo.jpg
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【アジアカップ現地レポ】街ごとすっぽり!? ドーハの巨大モールがすごすぎる

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有料だが、ゴンドラにも乗れる。
 アジアカップに参加中のサッカー日本代表の取材で、中東カタールのドーハ入り後、2週間が過ぎた。本日1月20日は大会開幕後、初めてのレストデー(休息日)。『地球の○き方』によれば"世界一退屈な街"とされるこの地で、いったい何をすればいいのか、頭を悩ませてしまった。  簡単に時間を潰せる場所と言えば、モールぐらいしかない。というわけで、メイン会場のハリファ・スタジアムに隣接したショッピングモールに行ってきた。  「Villaggio(ヴィラッジオ/イタリア語で「村」の意味)」という名だけあって、イタリアのヴェネチアをモチーフにしているという、このショッピングモール。まるで街ごとすっぽり建物に入れたような巨大さで、歩いても歩いても終わりが見えない。  天井に青空が描かれ、カフェやブティックが並ぶ様は、まるでお台場のビーナスフォートのようだが、すごいのは「Dior」、「GUCCI」、「PRADA」、「TOD'S」そして「Louis Vuitton」らも店を連ねるほか、アイスホッケーリンクに遊園地(ジェットコースターや空飛ぶ絨毯もある)、果ては(ヴェネチアには欠かせない)人工の運河にはゴンドラまでが用意されているのだ。  さすが、天然ガスの宝庫カタール。外は肌寒い(現在は冬)というのに、モール内は冷房がガンガンに効いているのだ。エコなんて無縁。この国は光熱費がタダなのである。  前回のコラムでも触れたが、そんなカタールに2022年にはサッカーのワールドカップがやってくる。開催は6月から7月にかけてと予定されているが、その時期、気温は日中45度くらいまで上がるわけである。  筆者も中東の夏を何度か経験しているが、猛暑のなかではわずか数分歩くだけでも汗だくになり、建物の外に一歩出ればサウナ状態である。  そんななかで、果たしてワールドカップは本当にできるのか、不安視されている。現実的には筆者も難しい部分があるように思う。しかし、すべてのスタジアムは空調設備(冷房)を導入し、適切な気温のなか、試合は運営されるという。  本当にそんなことが可能なのか、当初は半信半疑だった。それでも、このモールを見せられてしまうと、この国ならやり兼ねない、とも思えてきた。  スタジアムもパブリックビューイングもみんなモールの中だったり......。11年後がいまから待ち遠しくなってきた。 (取材・文=栗原正夫)
《インテリアート》運河を行くゴンドラ 気分だけでも。 amazon_associate_logo.jpg
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【アジアカップ現地レポ】ワールドカップを3,000円で買う!?

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アル・ワキーフ・スークで見つけたワールドカップ・トロフィー。
 アジアカップに参加中の日本代表の取材でカタールのドーハ入りしてから10日あまりが過ぎた。  その日本代表は第2戦で、シリアを相手に退場者を出しながらも2対1と勝利を収め、第3戦のサウジアラビア戦を5対0と快勝。1次リーグB組を2勝1分けの1位で突破した。  さて、大会の取材を続ける一方で、時間を見つけ、ドーハ市内にあるスーク(市場)に出掛けたら、面白いモノを見つけた。  まずは写真を見てほしいが、なんとワールドカップが! スークには多数の店が混雑しているが、そのなかのひとつに本物と見間違えるほどによくできたワールドカップ・トロフィーが売られていたのだ。  重さは約2キロ。店の主人に聞けば、砂のような材料を固めて作ったアート作品で、値段は120リアル(約3,350円)。カタールと言えば、昨年末にオイルマネーによって2022年大会のワールドカップ招致を勝ち取ったとして、「ワールドカップを金で買った」と揶揄されたが(事前の調査報告書ではイングランドが最も高い評価を得ていた)、これぞ金で買えるワールドカップではないか。それも、たったの3,000円ちょっとで。  同行したグッズコレクターのカメラマンのS氏はさっそく購入し、ご満悦。それにしても、このトロフィーを持って日本へ帰るのは至難の業とも思える。中東の治安は概ね平穏だが、テロの影響もあってか荷物検査は場合によって厳しく行なわれる。もし、そんなときにトロフィーが出てきたら......。笑って済まされるか、はたまた一大事になるかのどちらかだ。  ちなみにワールドカップ・トロフィーはよく売れるようで、当初10体近くあったが、数日後に再訪した際にはすでに1体も残っていなかった。  誰しも一度はトロフィーを掲げてみたいのだろう。それが3,350円でできれば安いものである。 (取材・文=栗原正夫)
庶民派トロフィー がんばって なんだか切ない......。 amazon_associate_logo.jpg
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【アジアカップ現地レポ】イスラム文化体験! "水タバコ"でサッカー観戦

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ディスダーシャにシーシャという、いかにもイスラム・スタイルで
試合を見つめる地元のカタール人。
 アジアカップに参加中のサッカー日本代表の取材で、中東カタールのドーハに来ている。  注目のザック・ジャパンは周知のとおり、初戦(1月9日)で格下のヨルダンを相手に、敗戦寸前のところまで追い詰められたが、なんとか土壇場のゴールで引き分けに持ち込み、第2戦以降に決勝トーナメント進出の望みをつないだ。  とはいえ、ここでは試合の経過は置いておいて、現地ならではの情報をご紹介したい。    イスラムの国、カタールではもちろん飲酒は禁止されているから、外国人と言えども高級ホテルか高級レストランへ行かなければ、ビールでさえ口にすることはできない。日本では毎日の晩酌を欠かさない筆者だが、現地入りから5日、いまのところ一切アルコールを口にできていない。  では、この国の大人たちは酒も飲まずにどのように"長い夜"を過ごしているのだろうか。12日は地元カタールの試合が組まれていたが、急遽キャンセルし、街で見つけたスポーツバーに出掛けてみた。  店に入ると、(まったくスポーツに似つかわしくない)ディスダーシャという白い民族衣装を着た野郎がゆったりとソファーに腰かけ、何やらプカプカと煙をふかしながら、テレビの試合にかぶりついていた。席に付き、カフェラテを注文すると、定員が「シーシャ(Shisha)はどうかと訊ねてきた」。シーシャ? どうやらこれがプカプカふかす"水タバコ"らしい。値段は25リアル(約700円)で、ストロベリーやマンゴー、アップル、ミントなどの香りがあるという。  注文すると、すぐに高さ1メートル近くもある、ボトルに長いトングの付いた物体が運ばれてきた。上部にはアルミホイルの皿があり、そのうえに火の付いた炭を乗せ、セッティングしてくれた。  見よう見まねでふかしてみる。通常のタバコに比べるとマイルドで香りも楽しめるではないか。アラブ人に言わせれば、男女ともに大好きで、社交の場に"水タバコ"は欠かせないという。  それにしても、この出で立ちでチャンスやピンチになると声を上げて、大きなアクションを起こすから面白い。彼らにしてみれば、酒の代わりということか。2時間近くやっていると筆者も少し頭がクラクラしてきたので、退散することに。何か悪いモノでも入っていたのだろうか。  スタジアムからバーでのテレビ観戦に切り替えたものの、そこはなかなかの盛り上がりを見せていた。異文化に触れるという意味では、記者席での取材以上に収穫があったと言えるかもしれない。 (取材・文=栗原正夫)
コーラン 上 読んでみるか。 amazon_associate_logo.jpg
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