モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第30回のゲストは、ロックミュージシャンの大槻ケンヂさんです!
[今回のお悩み]
「明確なビジョンがありません......」
──わーい大槻さんだ! お久しぶりです! 唐突ですけど、初めて大槻さんと対談させてもらったとき、私、感極まって「結婚してください」って言ってたんですよね。あれから7年経ってもどちらも未婚ですし、そろそろ結婚して欲しいんですけど!
大槻ケンヂ(以下、大槻) え~? 僕と小明ちゃんとじゃマイナスとマイナスで、プラスになんないよぅ。よくないと思う(きっぱり)。
──確かにマイナスにマイナスを足してもマイナスが増えるだけ......。でも、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』で私のTシャツ(ゾンビのデザイン)とか着てくれてたじゃないですか!
大槻 あ、それは違うの。そういう意味じゃないの。夏フェスに来ている若者に冷や水をぶっかけてやろうみたいな、「いちばん夏フェスにふさわしくないシャツはどれかな?」って、お家で選んだの。
──え......そんな理由だったんですか? いや、えーと、ありがとうございます......? でも、大槻さん、今45歳じゃないですか。現状はどうなってるんですか?
大槻 現状? 老いていくなぁって......。
――結婚とかしないんですか?(しつこく)
大槻 人といるのは苦手かも。家族という単位が得意ではないかもしんない。あのさ、小明ちゃんは志村けんさんとかに行きなよ。仲本工事さん、ぶーさん、あとすわ親治さんとか、ジャンボマックスとか、もう意味が分からないところに行こう。
──私の結婚相手で奇をてらおうとしなくて大丈夫です! でも、若い奥さんもらった加藤茶さんが本当に幸せそうでうらやましいですよね。大槻さんもあと20年くらいしたら、17歳くらいのメイドさんとかと暮らすっていうのは?
大槻 それはあり! それはぜんぜんありなの、でも、そうもいかないやね~。
──それは現状でもぜんぜん可能じゃないですか? 女の子いっぱい寄ってきそうですし!
大槻 あのね、40代っていうのは、一番、若い子にガツガツするのを恥と思う年代なんです。やっぱ、ちょっと分別のついた今、それをやっちゃどうなのよ!? って思う。女の子に寄ってきてもらっても、お金であったりバックボーンであったりを含めてのものだから......それは悪いことじゃないんだけどね、そんな自分をよしとするのがちょっと......俺はそうじゃないだろうっていう......。
──真面目なんですね~。
大槻 真面目なの、それはなぜかって言うと、勃ちが弱くなってくるからなの。
──え!? 下の話!?
大槻 勃ちが弱くなってくると、男はそう思うの。ところが、それを超えると、自分の培ってきた立場なりコネクションなりを、「どうぞ~すべて差し上げますよ~」っていう、おおらかな気持ちになれる。
──それがカトチャン! ......大槻さんも、もうあと一周ですね!
大槻 そうなる前に死んでなければね~。
――発言がおじいちゃん......! それはさておき、私は『グミ・チョコレート・パイン』(角川書店)を読んでからずっと大槻さんリスペクトの人生ですから、今日はそのへんの話をじっくりと......。
大槻 いや~、本当にね、最近、リスペクト慣れしちゃってね~。とにかく会う人会う人みんな僕をリスペクトしてくれるんだよ。こないだもスポーツジムの風呂で、いきなり「あ、大槻さん! 筋少には命を救われたんですよ~」って、軽ぅ~く言われて、「あ、そ~すか~」って、こっちも裸でさぁ。それでその人と脱衣所でまた会っちゃって......。あっちは「また頑張って命を救ってくださいよ~!」とか言ってたり、ちょっと尊敬が軽いのよ(笑)。
──それはちょっと気まずそうですね~。
大槻 だからつまり、まとめて言うと......なんだっけ? そうだ、小明ちゃんと僕は良くないと思う! マイナスとマイナスで......。
――そんなに嫌ならもういいです! えっと、じゃあ気を取り直して今日の相談なんですけど......。
大槻 あ、僕が相談に乗るの? なんでも相談してください。ふふふ。
──いやぁ、大槻さんには他誌やイベントでも何度か相談に乗っていただいて......いつもすみません! この連載が始まってから、ずっと「大槻さんにお願いしよう」って話は出てはいたんです。でも大槻さんに相談しても、いつも「小明ちゃんは引田天功さんのモノマネをすればいいじゃない」としか言わないから......。
大槻 えっ!? だから、小明ちゃんはなんで天功さんを拒むの? それが分からない。だって伸びしろじゃん!
──伸びしろ、ですか?
大槻 そうだよ! そこからグッと引っ張ればいいのにさぁ!
──天功さんのモノマネして何を引っ張ろうと言うんですか! 北朝鮮ですか!
大槻 北朝鮮引っ張ってきたらたいしたもんじゃない。
──確かに! でも、私不器用なんですよ。イリュージョンできるかなぁ。
大槻 文句が多いんだよぅ。ちなみに、この連載ではみなさんどんなことを話してるの?
──えーと、みなさんそれぞれ、告知絡みだったりして......。
大槻 あははは! 告知(笑)!
──すみません、人望がないもので、告知に絡めて無理やり相談させてもらってる感じです。だから、今回みたいに告知なしで出てくれる方は本当にありがたいです!
大槻 えっ、したいですよ! 告知できないの? でもまぁ、とりあえず真面目に答えましょう。まず、小明ちゃんはどうなりたいんですか?
──それが、特に「こうなりたい!」っていう明確なビジョンなしに歩いてきちゃったもんで......強いて言うなら、人気のグラビアアイドルになりたいです!
大槻 それがいけないんですよ。まず、明確なビジョンを持ちましょうよ。
──え? いや、だから、グラドルに......えっと、大槻さんは25、6歳のときに、明確なビジョンありで走ってました?
大槻 あ~、そう言われるとちょっとな~。25、6歳でしょ? ぼんやりしてた。22歳でデビューして23歳くらいで突然ドカンと来て、24歳くらいでもう武道館に立っていたの。
──恐ろしい人生ですね......!
大槻 そうそう、ジェットコースター人生だったから、僕もあんまりビジョンはないなぁ。常に不安はありますけどね。小明ちゃんはどうしたらいいんだろう。何か売りがなきゃね。
──売り?
大槻 今は、その、ぼやき? ぼやきが売りになってるけど、ぼやきを売りにしてる"ボヤッキー"はもういるし。つぶやきシローとか。
──岸部シローもいますね。
大槻 岸部シローもいるね。シローはぼやくね。あっ、"小明シロー"って名前にしたらよくない? "ボヤッキー・小明シロー"とか。あと"ボヤッキー・小明ちゃん"っていう、サンプラザ中野くんさんみたいな、「なんだろうその改名?」っていうのとか。あっ、そうか! "アイドル小明くん"は? いいよね!? そしたらみんなから「あ、アイドルさん」って呼ばれるし。
──やだ......。
(中編につづく/取材・文=小明)
●おおつき・けんぢ
1966年、東京都生まれ。ロックミュージシャン。87年に「筋肉少女帯」としてメジャーデビュー。一躍スターダムに上り詰め、「特撮」でも活動中。また、92年に処女小説『新興宗教オモイデ教』(角川書店)を発売。以降、文筆家としても多数の作品を著している。
●あかり
1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
5年後の世界 6年ぶりの新作です。




































































