キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第19回のゲストは、「キングオブコント2010」で見事"コント日本一"の座に輝いた、キングオブコメディさんです! [今回のお悩み] 「人見知りをどうにかしたく......」 ──わー、キングさんだ! サイゾーテレビの『ニコニコキングオブコメディ』見てます! 高橋 ありがとうございます。 今野 いや、あなたもやってる方だから。 ──いやいや、私のチンケな番組も初回にキングさんが出てくれたおかげで箔がつきました! 今野 あれ、初回だったの? 初回からゾンビの格好してやるテレビなんて見たことない。 ──あ、顔を晒すのが苦手なんですよ。だから気合いを入れるためにゾンビになろうと思って......。でも、結局アワアワしちゃって、まともにお話しできなかったんですよね。 高橋 今日が初めてだもんね、ちゃんとお会いするのは。......こういう顔をしてるんだね。 今野 あの時は「うわっ」て思ったけど、こんなに綺麗な人だったなんて。 高橋 お肌も綺麗だしねぇ。 ──......えっ!? 褒められるのも苦手なので勘弁して下さい! あ、あの、それで、キングさんの番組のアクセス数が、優勝して以来すごいアップしていてですね......。 高橋 マジっすか? 俺、知らないよ! 今野 さっき聞いたけど、その数がやっと小明さんと並んだんですよ。 高橋 やっと並んだか。今までなんだったんだろう。ねぇ、優勝もしていないのに、小明さん。 ──いや、いや、褒められるのも苦手だけど、絡まれるのはもっと苦手なので、やめて下さい! ゾンビでやった初回がまぐれでアクセス数が良くて、今はもう10分の1くらいなんですよ! このまま、どこまで下がるか怖くて! 今野 よしよし、俺らもゾンビの格好をしよう。ガンガン上がるかもしれない。 高橋 でも、僕らもどんどん下がって、一時、生放送で60人くらいしか見てなくてびっくりしたわ。今は「キングオブコント」の力を借りてアクセスを上げてるんです。 今野 これで、小明さんも何かで優勝してもらえればまた並びますね。いろんな大会がありますから、種飛ばし大会とか。 高橋 ありますね、地方のどこかの街で。何かありますよ。B-1グランプリとかね。 ──B-1グランプリのBってなんですか? ブス? B級アイドル? 高橋 B級グルメのBです。 ──あ、そう言えばありますね、そういうの。 高橋 そうです、たしかあずきホルモンとか。 ──なるほど、そういう地方の1位になってアクセス数を伸ばそうっていう不思議な啓蒙活動を......(狼狽して)ウッ、ゴホォッ! 今野 何ですか! 今のは!? ──あああ、いや、ええと、すみませんちょっと咳込んでしまって、こちらの事情で、ええ。 高橋 分かる分かる。頭で用意した質問を整理しつつ、相手の目も見なきゃいけないからね、分かりますよ。 ──こうやって人と会話をするのも久しぶりで、ましてや昨日もテレビで見ていた人たち......すみません、ちょっと耐性がついていないみたいで......! 高橋 分かります、分かります。僕も日陰の人間ですから、分かりますよ。 ──もう、目が見られなくて、2人いるから余計に。 今野 大丈夫? 1人なら見られるの? ──1人ならなんとかごまかしごまかし。2人だと、眼力が2倍になるから。 今野 ああ......。 ──とてつもなく恥ずかしくなってしまうんです。 高橋 分かります、よく分かりますよ。 ──良かった、いや良くない、えーと、あ、「キングオブコント」優勝おめでとうございます! 高橋 このタイミングで!? ありがとうございます。 今野 これは何ですか? また0から始めるとかですか? 高橋 今までの話は使わない気ですか? 今野 仕切り直しですか? 高橋 一回息をハーってして。 ──ハーっ、......緊張しいなんです。 高橋 分かります、分かりますよ。緊張してないようにごまかしているだけで、こっちもそれなりにしていますから。 ──本当ですか? 高橋 はい。でも、攻めて行けば割とごまかせるじゃないですか。緊張も誰かに押し付けちゃえば。 ──先に攻められるともう、ダメですね。負けます。もう私、今日はダメです。 今野 帰りますか、じゃあ。 高橋 では、改めて後日。 ──いや、すみません、いてください! えっと、今野さんは賞金のうち50万円を後輩芸人さんにあげるっておっしゃってましたけど、本当にあげちゃうんですか? 今野 まだ賞金が手元に着てないですけど、約束していることですから。 高橋 もったいないよ。 ──50万あげるってすごいですよ。太っ腹すぎますね! 今野 はい、太っ腹ですよ、僕は。お金に対してそんなに執着がないですから。 高橋 いいね、言ってみたいね。俺なんてどんだけ人が残した弁当がもったいなく思えるか。新しい弁当があるのにちょっと残っている方を食べたくなる。もったいないから。俺だって親父の借金がなければ、なんの執着もないよ(笑)。俺、お金使わないもの。 今野 じゃあ、いいじゃん。もう、全部親にあげなさいよ。 ──あげましょうよ。私も借金を返し終わったんですけど、爽快ですよ。 高橋 借金あったんですか? どういった借金?  ──学費などのいろんなもので、まぁ何百万って額じゃないんですけども。 今野 偉いですね、学費とか払ってたんですね。 ──でも、そのあとコツコツ貯めた貯金を今度は貸してしまって、また貧乏に......。 今野 貸しちゃった? 高橋 良くない男に? ──いえ、親に。 高橋 え!? うわー! ──父の遺産の配分がうまくいかなかったりで、実家も売ることになって、もう帰る家もなくなってしまって。 高橋 あらー、境遇が似てますね、非常に。僕も親に200万勝手に使われましたから。 ──200万!! それは賞金からですか? 高橋 いや、ナチュラルに。おふくろが死んだときに、生前俺のために貯めておいてくれたお金を親父がいつの間にか使ってた。 ──その上、借金が2500万円でしたっけ。 高橋 初めはもっとあったんですよ。それで家が半分なくなって......。 今野 隠されてたんですよ。 高橋 埋蔵金ですよ、秘宝ですよ、我が家の秘宝。高橋家の秘宝。ハムナプトラ。 ──いらないなー、その秘宝。マイナスの埋蔵金なんて嫌だ。 高橋 それで家が半分なくなったのに、まだ2500万あるって言われて。 ──賞金の取り分が250万だと、全額あげても10分の1で、そんなに足しにならないですね......。 高橋 でも、優しいんですよ、親父。半年も放っておいたワイシャツを突然クリーニングに出してくれたりして。このタイミングで。 ──それは回収準備に入ってますね。ちなみにお父様のお仕事は? 高橋 運送屋の社長です。社長って言っても小さいやつ。社長ってひとりでも社長って言うじゃない? 仕事が順調だったら返せるけれど、会社のドアを開けると親父と従業員のみんながキャッチボールしてたりするんですよ。膝から崩れ落ちますよ。 ──アハハハ! 時間と体力を持て余している! 高橋 そうなんですよ。うわー、今日も仕事が無いんだって思って。 ──でも、これから仕事がうまくいって返せたりするんじゃ? 高橋 もう70歳ですから。 ──あー、返せない。 今野 そこまで生きてきて返せないものは返せない。 ──やっぱり賞金はあげよう。 高橋 今、さりげなく親父の寿命を示唆していますね......。親父にあげると親父がだめになるでしょ! 本当に、俺がいくら親父にあげていると思っているの? その200万だって「あの200万どうなってるんだよ!」って怒ったら、「あの200万はもう無理だよ」って開き直られて、そのあげくに「50万入れないと会社がうまくいかないから」って言われて......。競馬もしてるみたいだし、女遊びもしてるみたいだし、200万無理だって言ってる人間が、50万返すわけないじゃないですか! (中編につづく/取材・文=小明) ●キングオブコメディ 高橋健一と今野浩喜からなるお笑いコンビ。2000年結成。「キングオブコント2010』王者。『キングオブコメディのカネとコメ』(ラジオ大阪)、サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にてトーク番組『ニコニコキングオブコメディ』(隔週木曜)出演中 ●小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
キングオブコメディ単独ライブ Vol.6 「葉桜」 コント一筋。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」(前編) 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

元AV女優ライター・峰なゆかが語る『ヤングくん』は"画力なき浅野いにお"!?

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撮影/石垣星児
 コピー機で自分のチンチンをコピーする。デパートの化粧品売り場で"女の匂い"を思いっきり吸い込む。手のひらのベタつきを気にして女子に触れない......。こんな男子特有の"童貞マインド"がギッシリつまった4コママンガ『ヤングくん』(マガジンハウス)をご存じだろうか?  ムトウマサヤなる人物が描くユルユルなこのマンガ、もともとはマガジンハウスのウェブ媒体で連載されていたものだったが、ツイッターなどでじわじわと人気が広がり、「1,000人にフォローされたら出版」というユルめの企画を乗り越え、このたびめでたく書籍化が実現。そしてこの10月には、作者自ら印税をつぎ込み、マンガ単体としては異例の、ラジオ番組へのスポンサードを自腹で決定、TBSラジオの人気深夜番組『文化系トークラジオLife』にて、「この番組は『ヤングくん』の提供でお送りします」というギャグのような提供アナウンスが読み上げられた。  さて、童貞くささ満開の内容で、冴えない文化系男子たちから熱い支持を集める『ヤングくん』だが、そこに真っ向から噛みついたのが、『文化系トークラジオLife』にも出演経験があり、サブカルチャーに造詣が深い元AV女優ライターの峰なゆかさんだ。 峰なゆか(以下、峰) バカで、エロくて、ちょっぴり切ない脱力系4コマ──。ネット上のレビューなんかを見ると、『ヤングくん』は"童貞マインドをこじらせた思春期マンガ"なんて書いてあって、つまりは"非モテ系"の文脈に位置づけられているわけですが......まったく逆ですね。この本には女心をくすぐるテクニックが満載、完全なる"リア充マンガ"ですから!  う~む。一体どのあたりがモテ系マンガなのだろうか?  とにかくあざといんですよ。なんでこのモテ技を知ってるんだろうって思うくらい。例えば、女の世界には「乾燥機をじっと見ちゃう私アピール」というテクニックがあります。男から「いま何してんの?」的な電話がかかってきた際、「え~、回るもの見てた~」なんて答えると、不思議ちゃんキャラを演出できるわけですね。でも、それをなぜか男のヤングくんがやってるんですよ。これはタダモンじゃありません(笑)。  さらに峰さんは、このマンガの作者・ムトウマサヤについてもこう語る。  一度対談企画でお会いしたんですが、ムトウさんは女にモテそうな人でしたね。こういうシンプルな絵の不条理系マンガを描くのって、だいたいはモテる感じの人なんですよ。まあ、ちょっと方向性は違いますが、『おやすみプンプン』の浅野いにおさんにも近いような。THE・草食男子って感じの。そうそう、ヤングくんって、いうなれば"画力のない浅野いにお"かも(笑)。  いわく、"おしゃれトラウマ"な感じで、たまに哲学ネタとかあって、いかにも"絵本大好きな森ガール"あたりが食いついてきそうな点で、この2者は共通してるのだとか。そして、峰さんの舌鋒は文化系男子の批判へ......。  自分のことを草食だと思ってる文化系男子って、とにかく、傷つくのが怖いから恋愛でもリスクを負って頑張ったりしないじゃないですか。彼らって、そういう「ナイーブな俺」を理解してくれるマンガやアニメにすぐ飛びつきますよね。実際、浅野いにおもヤングくんも文科系男子の心をくすぐりそうなマンガ家さんですが......でも実はこの人たちはモテる側の人間ですから! 草食系男子のみなさん、この人たちに感情移入したって虚しいだけですよ!」  って、峰さん......草食男子に何か恨みでも?  ぶっちゃけ私、草食っぽい男が好みなんですよ。小説とかマンガの話をしながら、ほんわかとサブカルっぽい恋愛がしたいわけです。なのに、向こうは私みたいな巨乳女が嫌い、というか怖いんですよ。ホントはエロいくせに、「俺、そういうの苦手だから」みたいな顔して、性の匂いがしない森ガールとかに行くでしょ。そのせいで、私に寄ってくるのはオラオラな感じの人ばかり!  峰さんの周りに文化系の男子たちは、ひたすら受け身で積極性ゼロ。まったく恋愛に発展する匂いがしないのだそう。  文化系男子たちは、この本に感情移入してる場合じゃないですよ。ヤングくんを見習って、あざといモテ技を学んでほしいですね。とにかく、文化系男子の味方みたいな作家たちは、みんなヤリチンなんです! 癒されるんじゃなく、積極的にテクニックを学ぶ。この姿勢でお願いします!  "モテ本"としてのヤングくん。みなさんもぜひご一読を(笑)。 (文・取材=木元嵐) ヤングくん公式サイト「放課後! ヤングくん部」<http://young-kun.jp/> ヤングくん on Twitter<http://twitter.com/young_kunminenayu121202.jpg ●みね・なゆか 1984年生まれ。元AV女優のフリーライター。得意分野はエロ、文学小説、サブカルマンガ。AV情報サイト「men's NOW」でコラム「はだかのりれきしょ」を連載中。TBSラジオ「文化系トークラジオLife」にもたまにゲスト出演。ツイッター<http://twitter.com/minenayuka

ヤングくん1 売れたら、「2」もある!? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 角川書店に続き、集英社・小学館・講談社もアニメフェアをボイコットへ! Jカルチャーは韓国に"いいとこどり"されている!?  「クール・ジャパン」今後の課題 ホラー少女が鈍感力でライバルをなぎ倒す~椎名軽穂『君に届け』~
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テレクラは今こんなことになっている2010

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死ぬまでに一度は行きたいテレクラ!
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第6回は、テレクラを初体験してきました。 ■人生においてやり残していること......それがテレクラ!  三十路になっても自動車免許を持ってないとか、結婚してないとか、人としてやるべきことを全然こなせていない非常に残念な人生を送っているボクではあるのだが、その中でもやり残した感が非常に高い項目が「テレクラ」だ。  テレクラ、正式名称・テレフォンクラブとは、もちろん電話が著しく好きな人たちが集うユカイな同好会......ということではない。男子がお金を払うことにより電話を介して女子と会話することができ、さらには出会いやナンパをすることができるという、とってもアダルティなお店なのだ。  ボクが童貞臭全開の中学生だった1980年代後半、テレクラは全盛期を迎えていて、エロティックなマガジンには「テレクラ狂いのセックス依存症女を爆釣!」「テレクラで即面接、即ハメ!」といった見出しが躍り、テレクラでいかに女子を口説き落とすかという特集記事がバンバン組まれていた。そんな雑誌を読んでは田舎住まい&童貞のボクはまだ見ぬ大人の世界への期待で胸と股間をパンパンにふくらませていたものだ。  以来、「大人になったらテレクラに行こう!」「行こう行こう明日行こう! 明日はテレクラのお店に行こう!」がボクの合い言葉だったのだが、なんだかんだで行きそびれている内にテレクラブームもすっかり過ぎ去ってしまい、「テレクラはもう終わったね」「サクラしかいない」などといわれる始末。確かに、数年前だったら繁華街を歩けばしょっちゅうテレクラの看板を見かけたものだが、最近じゃずいぶんと減っているような気がする。こりゃあ、ホントに絶滅しちゃう前に行っておかねば!  ......というワケで今回はテレクラに突撃!  ドキドキしながら必要以上にビカビカと輝く看板をくぐりテレクラの中へ。受付を済ませると、デブだったら引っかかっちゃうんじゃないかというくらい狭っ苦しい店内を、さらに狭〜く区切った個室に通された。  約一畳強くらいの部屋の中は、まあ漫画喫茶の個室とそっくり。違っているのは、当然ながら電話が設置されていることと、ティッシュの箱がドーンと置かれていることくらいか。とにかくあとは、男子との出会いを求める女子たちから電話がかかってくるのを待つばかり......。
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することが明解すぎるテレクラの室内。
 とは言え、今のテレクラってホントに廃れてるって聞くし、どうせ電話なんて全然かかってこないんだろうな......と思っていた。ところが、部屋に入って一分も経たないうちにプルルルーッとコール音が!  「電話かかってこい!」と念じていたのにも関わらず、いざかかってくると思いっきりビビッてしまううれし恥ずかし30代男子。「まだ心の準備も出来てないし、なんか怖いし......今回のコールは見送ろうかな......」とコールを放置しておいたら、いつまで経っても鳴り止まないの......。ひーっ! なんか怖いっ! 仕方なく受話器を取ると。 「あのー、ワリキリで会いたいんですけど〜」  はあ......、そっち系ですか。その後も、電話が全然かかってこないどころか、ちょっとは休ませろというくらいガンガンかかってくるものの、そのほとんどが援助交際目当てなのだ。そうか、テレクラってそういうニーズで生き残ってたのね。  まあ別に、援交でもなんでも個人の勝手だとは思うけど、ボクがテレクラに求めてるのはそーいうんじゃないの。なんちゅうか、顔も見えない電話を通しての口説き口説かれみたいな......バチバチと火花の散るようなトークバトルを楽しみたいのよ! ■ついに女子とのトークバトルが  ......そんなことを思っていると、待望の援交目当て以外の電話が! 「テメー! なに昼間っからこんなところに電話してきてるんだよ! キメーんだよ!」  ひー、頭おかしい女キタ! こういうトークバトルは求めてません! そもそも、電話かけてきてるのはアンタでしょ。 ----はあ、スミマセン。 「アンタ、パソコン詳しい?」 ----は!?(なにそのジェットコースター展開) 「ウチのパソコン意味分かんないんだけど」 ----は、はあ......。多少は詳しいんで相談に乗りますよ。 「アタシ、マザーボードも全然使えないしさ(キーボードのことだと思う)」 ----あー、初心者だと難しいですよね。 「なんか電源入れるとジージー音がして......電波みたいな音がして......頭が、頭が痛くなるのよーっ!」 ----電波!? 電波って音するんですか? 「うるせーんだよ! お前が電波を出してるんだろ!」  神様スミマセン。トークバトルとかはやっぱり結構です。もう難しいことは言わないんで、シンプルに、ちょっとエッチな女子とお話出来れば満足ですので、なにとぞなにとぞ......。
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年齢と生まれ年、干支の対応表。年齢をごまかしてしゃべっている時、
生まれ年などを聞かれてもコレさえあれば大丈夫......
というアイテムらしい。
■実在していたUMA・痴女! 「もしもーし、アタシ今なにしてると思う?」 ----......電話? 「そうじゃなくて......。もうアソコ、いじっちゃってるのよ。わ・か・る?」  こ、これはまさか!? 世間ではモケーレ・ムベンベ級の幻な未確認生物とされている"痴女"さんではないですか!? まさかそんなファンタジックな生物が実在していたとは......! 脳内にAKB48のメジャーデビュー曲「会いたかった」が鳴り響く中、会話続行! 「ねえ、アタシのエッチな声、聞きたい?」 ----は、はい! 聞きたいであります! 「フフフ......もうおチン○ンカチカチなんでしょ」 ----ガッチガチでありますっ!  文字で書き起こすとホントに最悪な会話だが、ボクの軍隊コントばりに元気いっぱいの返答に気をよくしたのか、痴女の方もなんだかエキサイトしてきたようで、受話器の向こうから盛大なウッフン&アッハンのピンク・ボイスが。うはーっ、桃源郷じゃ桃源郷じゃ! 受話器の穴から桃源郷エキスが漏れ出しておる!  そんなボイスに身をゆだね、文字通りアハ体験をしていると、突然受話器から別の人の声が聞こえてきたのだ。 (○○子〜、今日の晩ご飯カレーでいい?) 「ちょ、ちょっと待ってて......。もう、今電話中なの! 夕飯なんてなんでもいいから!」 (じゃあカレーの材料買ってきてよ) 「だから今電話中だって......」 (まったくアンタはそうやって全然家の手伝いしないんだから......)  は、実家!? 実家の電話であんなことをしてたの!? 「あ、あの、買い物行かなくちゃならないんで......それじゃ(ガチャ)」  ボクはカレーよりもセックスアピールがないのか......。あまりの予想外な展開に、電話が切れたあともしばらく虚空を見つめてボーッとしてしまいましたとさ。  いやーしかし、廃れているどころかいろいろな意味でスゴイことになっているぞ、テレクラ! 期待していたアダルティな出来事はまったく起こらなかったものの、普段だったら絶対にしゃべる機会のない、とてつもなくフシギな人たちとの会話はなかなかにエキサイティング。もう一回くらい行っても......いいかなぁ。 terekura04.jpg (取材・文・イラスト・写真=北村ヂン)
あやしい人妻 テレクラ・リポート 奥さん、待ってます! amazon_associate_logo.jpg
●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」(後編)

akarimasuno05.jpg前編はこちら ――若い女子がたくさん集まると、大体面倒くさい揉め事が起きたりしますけど、升野さんも巻き込まれたりしますか?  やっぱりありますよね。でも、会うのが2週間に1回くらいだから、僕のところにあんまり届かないんですよ。で、僕はあんまり関係ないから。お前らが仲悪かろうが知ったことか、カメラ回ってるところでそんなの出したら許さねぇかんなって感じです。ま、いじれるところはいじりますけど。あと、憶測でいじったりします。こことここが仲悪そう、とか(笑)。別に、泣かしちゃっても「いい画撮れた~」と思うし、悪いと思ったことは1度もないから。 ――Twitterでも「ギャーギャー逃げ回っている女を見るのはすごい楽しい」って書かれてましたね。ドS!  大好きですね。ずーっと見ていたい。ドSってよく言われるんですけど、そうなんですかね、僕は思わないんですけど。でも、彼女とか、女の人とかにはまったくないです。だから性的な部分でないところでドSなのかもしれない。 ――ドSというより、いじめっ子体質? おっかない!  はい、いじめられっ子よりはいじめっ子に近かったかも。彼女らには、出来ればずーっとギャーギャー言ってもらいたい(笑)。 ――......えっと、升野さんってお酒を飲まれないですよね。お酒がないと、ストレス発散はどうされてるんですか? モヤモヤした気持ちの行き場なんかはどうしてますか?  持ち帰りますね。立ち向かってます、モヤモヤに。「あー、今日すげーうまくいかなかったなー、モヤモヤする日だー」って思いながら過ごしてます。特に何も無いですね、本当に趣味がないので。......あ、『世界の車窓から』のDVDは買いました。景色が流れるから飽きないんですよ。 ――気持ちは分かるけれど、まるで老後のよう......。パーッと遊んだりとかは?  遊んだり? 後輩連れて、お茶しに行ったりとかですね。で、夜帰って、またモヤモヤして......。何かして、気分って晴れますか? お酒で忘れても、どうせ思い出すじゃないですか。 ――確かに。でも、お酒飲まないと、飲みの席とかでつまらなくないですか?  行かないですよ。っていうか、呼ばれない。 ――あ......友達とかは......?  あんまり友達がいない。プライベートで遊ぶ友達が。近い後輩とかくらい? ――升野さんって、女性の噂もぜんぜん聞かないですね。  はい。僕、本当に聞かないって言われます。 ――なんだか、ものすごくマジメな生活環境じゃないですか!  僕、すごい真面目ですよ! ――こんなに女優さんやタレントさんばかりの職場でそんなはずは......もしや二丁目の人......?  『アイドリング!!!』の人たちにも言われるんですけど、それはない! キャバクラ行ったりしますよ! ――キャバクラに! お仕事の流れで、ですか?  自分から行ったこともありますよ? こないだは自分から行きました。 ――えっ! 意外です! なぜ!?  え!? 女の人と喋りたいからですよ! そうでもしないと喋れないじゃないですか! ――ええー! いくらでも綺麗な人と喋れる環境にいるじゃないですか! いつも楽屋とか休憩時間とか何してるんですか?  あんま話さないですね。楽屋で話すも何も、こういう人たち(『アイドリング!!!』のDVDを指さしながら)としか一緒にならないから、全然面白くないですよ、話も合わないですよ。ドラマの誰々がカッコよかったとか。 ――そこに『架空升野日記』のOLを降臨させても、なんかややこしいことになりそうですしね......。ちなみに、恋をするならどんな人が良いですか?  理想はOLですね~。 ――この業界でOLと出会うには......合コンですかね。  そうですねぇ。でも、合コンに来てる時点で僕はもうダメですね。そういう目でしか見れないですから。必死かこいつ、需要ないからじゃん? って思う。 ――あ、完全に私も同じ考えなんですけど、それだともう絶望的に出会いってないですよね。私、偶然、私の持ってた買い物袋が破けて、ジャガイモがゴロゴロ転がって、それを拾って微笑んでくれる人が理想なんです。  あはは。その人とすぐ結婚したいですね。 ――ずっと待ってるんですけど、なかなかないですね。  なかなかないですねー。 ――ねー。......えっと、升野さんは『アイドリング!!!』では司会としてのいじりに徹しているし、バラエティーでも淡々とネタをこなすし、なかなか素の顔を見せないですよね。今回のDVD『クイズ』でも、コント部分はたんまり出てくるけど、オープニングにもエンディングにも、特典映像にもまったく出てこなくってびっくりしました。  僕、毎回出ないようにしているんですよ。なんか格好つけてるような気がして。ナルシストだなぁと思われるじゃないですか?  ――特典映像で自分のお笑い論を語ったり、オフショットを載せたりは?  大っ嫌いなんですよ。......ダサいじゃないですか? そんなもの、すごい売れている方だとか、ものすごいスターの方がやるのは良いんですけど、もともと地味なのに素顔なんてそんなに変わんないし、需要もないだろうし......。 ――そんなことないですよ! ちなみに、どうして今回のDVDは『クイズ』だったんでしょうか?   特に意味はなく、なんとなく知的っぽく思われたいじゃないですか。 ――すごく知的っぽくない回答ですね。  知的っぽく思われたいんです。文化的な感じで。そうするとわりと長生きできそうな気がしたんで。 ――その感じすごく分かります。文化の香り出したいですよね。  出したい。 ――でも、内容は......特典映像以外、そんなにクイズ関係なかったですよね?  内容は関係ない。そのへんが照れなんでしょうね。『分かってやってる感』を出しちゃう感じ。 ――時事ネタとかを入れるとぐっと文化の香りがしそうですよね。  時事ネタとか、一貫して入れないです。バカがバレるから。 ――私も、下手に時事ネタに乗っかって浅いこと言っちゃって後悔すること、よくあります......。  あります、あります。だから時事ネタとかはダメですね。出来る人はすごいなぁって思います。それなりの情報がないと喋れないですからね。 ――下手したら炎上しちゃうし、手を出さないに越したことはないですよね......。それは置いておいて、Twitterをたくさん更新してくれてうれしいです! 結構エンジョイされてますか?  いや、飽きましたね、皆やるようになったし。毎回いろいろ適当なことを言っていたんですけど、リプライがめんどくさくて......。 ――升野さんのファンの方ってどんな感じなんでしょうか?  冷たいです。審査員目線なんです。 ――あ、アイドルファンも似たところありますよ。私もよく心が折れます。愛があるものはまだいいけど、やっぱり無神経なリプライもあって......。  来ます、来ます。お笑いたくさん見てるからって、てめぇが面白くなった気でいる奴らとか、上からなんですよね。 ――フォロワーも多いから大変ですよね、嫌になりませんか?  僕は、めっちゃブロックするんですよ。僕、ブロックしてなかったらもうちょっとフォロワー多いですよ。ひと言でガッツンガッツンブロックしますから。 ――ひと言でとは早い! 芸人さんは、特に失礼なことを言われる確率が高い気がします。「面白く返せよ(笑)」みたいな。  イラッときますよね。ブロックですよ。もう何万人っていう味方がいるわけですからね、こっちには!......こういうのも記事になるんですか? 前にスチャダラパーのBOSEさんと取材で一緒になったときに、BOSEさんに「サイゾー、結構そのまま載るから余計なこと言わないように気をつけろ」って言われて......。 ――もう遅いです! どうもありがとうございました! (取材・文=小明) ●バカリズム(ばかりずむ) 1975年、福岡県生まれ。本名は升野英知。95年にコンビ「バカリズム」でデビューし、05年よりピンに転向。現在、単独ライブのチケットが最も取りにくい芸人のひとりである。最新DVD『バカリズムライブ「クイズ」』(アニプレックス)好評発売中。 ●小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
バカリズムライブ「クイズ」 「ネタの発明家」(さまぁ~ず大竹)。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第18回のゲストは、DVD『バカリズムライブ「クイズ」』(アニプレックス)が大好評のバカリズムさんです! [今回のお悩み] 「女子力を上げたいのですが......」 ――あわわ、升野さんだ、緊張します。ファンです。  そんな、こんなゴミため芸人に。 ――そんなゴミだなんて! 升野さんが架空のOLになりきって書かれてる『架空升野日記』(辰巳出版)も読みました、何も起きないけど面白い!  ありがとうございます。『架空升野日記』は本当に自信作ですね。理想のOLの姿なんですよ。 ――私も昔から升野さんみたいにOLになりきる時があるんです。頭の中に一つパラレルワールドを作って、その世界の私はOLをしているんです。そこでセクハラ上司と喧嘩したりして、この業界に入ってないバージョンのマイストーリーを妄想しているんですけど、だんだん実際の年齢が妄想の設定年齢を超えてきて、ちょっとしんみりしたりして......。  ......僕は一応ブログをやるためにアレを作ってますから、日常的にはそんなこと考えてないですよ。それは共感できないです。 ――あ、そうですか......。ちなみに、どうして架空の人物で架空のことを書き綴ろうと思ったんですか? 普通にブログ書くよりもめんどくさそうじゃないですか。  日常のちょっとしたこととか、僕なんにも起きないんですよ。ずっと家にいるから友達も少ないし、「今日は誰々と会って~」とかもない。じゃあ、他の人たちがバカバカしくなることをやろうと思って。最初はバカリズムって名前も出さずに匿名でやっていたんで、OLの人たちが来たりしていたんですよ。「分かります!」とか、「どの辺で働いているんですか?」とか、ナンパされたり(笑)。要はネカマなんですよね。 ――私と同じで、完全に趣味ですよ! どの段階で正体をバラしたんですか?  結構早い段階だったと思います。「こんな面白いのに友達しか見てないってどうなんだろう?」と思って。 ――そこから出版まで、かなり長期で続けられてましたよね。私の中ではあのOL、完全に実在してますよ。最近はあんまり更新されてないんで寂しいです。  本が全然売れないからモチベーション下がっちゃって......。あの出版社、何もしてくれなくて。 ――升野さんが司会をしている『アイドリング!!!』(フジテレビ系)の本もたくさん出してる出版社ですよね。写真集と並べてくれればいいのに!  そうですよ、どうでもいいもんは売るくせに! ――どうでもいいとか言っちゃダメ! でも、男性の書く女性像ってもっと夢がありそうなもんですけれど、升野さんが書くのはかなり生活感がある普通のOLで、ご結婚もされてないのに、どうしてこんなにリアルに書けたんでしょうか?  女の人の話を聞くのが好きなんですよ。例えば、『アイドリング!!!』の女の子たちがなんにも面白くない話をしてるじゃないですか。「なに? その情報の言い合いみたいなの」って。あと、女子アナの人たちの会話をずーっと聞いているのが好きなんですよね。それで、居合わせた僕に気を使って話を振ろうとするんですけど、「気にしないで! 僕その話を聞いているのが好きなんで!」って言って、ずっと聞いてるみたいな。そういうところから来ているんじゃないですかね。 ――男子校出身の反動なんでしょうか......。  そう、高校が男子校で、もう男なんて気持ち悪くて嫌だから、専門学校時代は女子グループにいたんです。極力女の子と一緒にいたいと思って、そのグループでお茶とかしながらずっとどうでもいい話を聞いてました。 ――そこで女子力が培われたんですね、女子高上がりの私よりも全然女子力がありますよ! そこで相談なんですけれど、私も女子と仲良くなりたいというか、若干対人関係に難がありまして、女子がグループになった瞬間に恐怖を覚えるというか、だから架空の小説を書いたとしてもうまくいかないのかなーって。人間が見えていないというか、そのへんをぐるっとまとめて......。  どうしたらいいか、と? ――そうです!  知らねえよ!!!! ――ですよねぇー。  僕は自分のことでいっぱいいっぱいなんです! 「どうしよどうしよ」とか、「やばいぞやばいぞ」とか、いっぱい不安を感じながら......。 ――ちなみにどんな不安を抱えられているんですか?  どんな不安? どうやったらもっとタレントとして上手くやっていけるかなぁって......。 ――客観的に見ると、升野さんはすごく上手くやられていると思うんですが......。具体的な目標とかがあったりするんでしょうか。  特には。あんま分かんないですね、10年後とか。目の前のことを1個1個やっていくだけなんで、今くらいの感じでずっとやりたいです。今なんとか食っていけてるんで、もうこれだけで十分。あとはもうちょっとチヤホヤされたり、もうちょっと評価が上がれば......すいません、相談に乗れなくて。だって小明さんの出した本、タイトルが『アイドル墜落日記』って......。ノンフィクション? ――はい。スポットライトが当たらないアイドルの、華のない、辛酸をなめるような生活が良く分かる本なので、是非『アイドリング!!!』の皆さんにも悪いお手本として読んでいただきたいです。  あいつらもいつか書かなくてはいけないですからね。 ――それはなんか縁起が悪いですね......。あの、いつも『アイドリング!!!』を見ていて思うんですけど、升野さんって女の子を「苗字」+「さん」で呼んで、ある程度の距離を保って接するじゃないですか。芸人さんと若い女の子が出ているバラエティー番組って、親しげに下の名前で呼んだり、イチャイチャしたりしてて、「彼らは収録の後SEXしてるに違いない」って思ってしまうので、升野さんのそういう姿勢がとても好きなんです。  あはははは! ないですね! あのー、全然タイプじゃないんですよ、全員。可愛いと思ってないですからね。その、若い子がダメなんですよ。全員若すぎる。 ――私は初期の『アイドリング!!!』の子たちが好きです! キャラが濃くて!  「こいつマジか!?」ってヤツもいましたからね。珍味というか。最初に幼虫だったやつが、どうなるんだろうと思ってたら、そのままでっかく幼虫になったから。「このまんまだぞ、おい!」みたいな。個性溢れてましたね。 ――彼女たち、ゲームで顔面から突風を浴びるとき、酷い顔になるように口を開けて、ちゃんと面白くしようとするじゃないですか。そういう部分にプロ根性を感じてファンになりました。  はい、あれは僕があからさまに開けなかったヤツに変な空気を出すんです。画面では伝わらないかもしれないですけど、「何お前、かわい子ぶってんの?」って。大体そういう子には、その後、トークでも絡みもせずスパって置いていくんですよ。最初は頑張ってどうにかしようとしたんですけど、こっちも怪我するし、もういいやって思って。なんか、イチャイチャしたくないんですよ。調子乗るじゃないですか。 ――スパルタ升野塾! そうやって学んでいくんですね!  まあ、僕が勝手にやっているんですけどね。 (後編につづく/取材・文=小明) ●バカリズム(ばかりずむ) 1975年、福岡県生まれ。本名は升野英知。95年にコンビ「バカリズム」でデビューし、05年よりピンに転向。現在、単独ライブのチケットが最も取りにくい芸人のひとりである。最新DVD『バカリズムライブ「クイズ」』(アニプレックス)好評発売中。 ●小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
バカリズムライブ「クイズ」 「ネタの発明家」(さまぁ~ず大竹)。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

学校で唯一読めたコミック! 『エスパークス』今昔物語

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歴代エスパークスが勢揃い! いま見てもかっこいい!
 『エスパークス』。  この名前にビビッと来た人は、ほぼ間違いなく1980年代から90年代に、清く正しいジャリ文化を享受できた幸せな人だ。  エスパークスとは、「たれぱんだ」「リラックマ」「まめゴマ」などの女の子向けファンシーグッズを多数生み出したサンエックスの「男の子向け」オリジナルキャラクターである。ストーリーは、スーパーヒーロー・エスパークスが相棒の小猿・キー助を始めとする多くの仲間と共に、地球のみならず宇宙の平和を乱すさまざまな悪とバトルを繰り広げる、という壮大なファンタジー・アクション活劇。  その人気ぶりは、「『これは文房具ではない』と校則で持ち込み禁止になった学校が続出するほど」(昨年、発売された再録本より)だったというから驚きである。  今回は、そんな僕らのヒーロー『エスパークス』のスタッフにエスパークス誕生秘話をうかがった。 ■実は作家性が非常に強かった『エスパークス』 『エスパークス』が誕生したのは1989年のこと。  その歴史は、一冊のノートから始まった。  主人公・エスパークスをはじめとするカッコよくてかわいいキャラクターが表紙に描かれた、B5サイズのノート。一見、よくあるキャラクター文具かと思いきや、その中身の大部分を占めるのは漫画や迷路、すごろくなどのアナログゲームだ。
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ファンシーキャラらしい可愛らしさ
とヒーロー要素を兼ね備えた初代
エスパークス。
 ノートと漫画、アナログゲームのハイブリッド・メディアとして彗星のごとく文房具シーンに登場した『エスパークス』は、魅力的なキャラクターの活躍や壮大な物語もさることながら、学校でも「合法的に」読める漫画(だって購買部でも売ってる文房具だったもんね!)という側面や、ノートのみならず鉛筆、消しゴム、カンペンケース、下敷きなどに描かれたストーリーを補完することで物語の全体像が見えるというコレクション性が大いに受けて、当時の小学生男子を中心にスマッシュヒット! 最終的に、95年リリースの第9弾まで続くロングランシリーズとなったのだ。  当時の盛り上がりぶりについて、『エスパークス』プロジェクトの一員だったサンエックス広報担当の黒田政和氏はこう語る。 「当時はノートなどの単品の他にも、『エスパークス』関連の文房具が全部セットになったボックスを売っていたのですが、それもすぐにソールドアウトになっていました。小売店からも『いつ次が入る?』とよく問い合わせがありました。具体的な金額は出せないのですが、当時の『エスパークス』は他のキャラクターのおよそ4倍の売り上げでした。非常に大きな数字で、まさに商品が右から左にどんどん流れていくという感じでしたね」  ちなみに、文房具の他にもスーパーファミコンでゲーム化、小学生向け漫画雑誌「コロコロコミック」(小学館)でコミック版が連載されるなど幅広いメディア展開も行われた『エスパークス』。実現には至らなかったが、テレビアニメ化企画までも存在していたという。そんな一時代を築いた『エスパークス』の生みの親とも言えるのが、キャラクターデザイン、漫画制作を担当したデザイナーの征矢浩志氏だ。  征矢氏は、企画の始まりを以下のように語る。 「当時『ドラゴンクエスト』のようなファンタジー物が流行していたので、似た感じの新しいヒーロー物をやろうというところから企画が始まりました。当初は入社したばかりの僕がキャラクターデザインをして、プランナーさんと二人でお話を考える、という小さな体制で作っていたので、そんなに長く続くとは考えてはいませんでした」  そんな軽い気持ちでスタートした『エスパークス』だが、あれよあれよと言う間に人気に火がつき、先述のような大ヒット商品に急成長していったという。
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二代目エスパークスは、少年漫画らしいカッコ
良さを追求したデザインだ。
 驚きなのは、通常の商業コミックにおける担当編集者に相当する存在はなく、基本的に征矢氏が漫画家と編集者を兼ねていたということだ。 「ある意味、同人誌みたいなものです(笑)。ただ、やはりお金を出して買ってもらう商品なので、自分の趣味性だけを押し出していくのはいけないというバランス感覚は働いていました」  と、当時を述懐する征矢氏。  そんな征矢氏の作家性と商業作品としての良心がギリギリのバランスで共存していた『エスパークス』には、主人公・エスパークスをはじめ、ジャディーン、二代目エスパークスなどのヒーローのほか、キー助、ハガエル3世のようなファンシーキャラ。はたまたキューカー、マジックカプセルから出てきた3人組など、ホラー映画に出てきそうな迫力満点の敵キャラといったさまざまな要素をもったキャラクターが混在している。  そんな「ごった煮」な『エスパークス』ワールドの原点は、一体何だったのだろうか。 「元々アメコミやプログレッシブ・ロックのCDジャケット・イラスト、H・R・ギーガー(映画『エイリアン』のデザイナー)やホラー映画が好きで、その影響が表紙イラストやキューカーなどの敵キャラの絵に出ていますね。でも、サンエックス的にはキー助みたいなファンシーキャラも生かさないといけない。さらに男の子にはカッコいいと思ってもらわないといけない。それらをどうミックスしようかと思った時に参考にしたのが、香港映画です。ドタバタと全然物語と関係ないところでカンフーアクションをやっていたら、いつの間にか終局に向かっていた、という雰囲気を参考にしました。もう一つ参考にしたのは遊園地です。絶叫マシンもあれば、小さい子も楽しめるような乗り物があるというような、皆が楽しいものを心がけました。そういう自由な創作ができたのは、商業誌ではなかった、ということもあるかと思います」  「香港映画」に「遊園地」──。
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20周年記念の表紙。
 確かに、誌面狭しと大活躍するキャラクターや楽しげなゲームの数々の持つカラフルで賑やかな雰囲気は、それらとよく似ている。僕たち男子が大好きなものを惜しみなく盛り込んだ「ぜいたく感」こそが、『エスパークス』の楽しさの本質だったのかもしれない。  そんな『エスパークス』は、第9弾で唐突にシリーズが終了してしまうが、完結編の第10部の構想もあったそうだ。今のところ発表される予定はないようだが、「機会があれば、いずれ発表したい」という気持ちは今でもあるそうだ。  現在『エスパークス』はオフィシャルサイトが立ち上げられ、昨年にはこれまで発表された『エスパークス』第1弾から第9弾までを完全収録した再録コミックスも発売され、ファンから根強い声援が今も届いているという。  今後の展開については、 「即座に何かをするということは難しいのですが、今も応援してくださる皆さんの声を伺いつつ、何らかの形で応えていきたいと考えています」  と黒田氏は語っており、まだ『エスパークス』の戦いは終わりを告げていない模様。次なる展開に期待が高まるばかりだ。 ■時代の境目に立っていた『エスパークス』  『エスパークス』が誕生した89年は任天堂の携帯ゲーム機ゲームボーイが登場し、翌年にはスーパーファミコンが発売されるという、子ども向けのデジタル・ホビーが急速に高性能化し始めた時代。  そして、『エスパークス』が終了した95年はソニーのプレイステーション、セガのセガサターンなど、次世代機と呼ばれる超高性能ゲーム機が流行し始めた時代である。
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ズラリと揃ったエスパークス関連グッズ。
ちなみに一番売れたのは、中心にある札束メモだそうだ。
「『エスパークス』が生まれた頃は、アナログなホビーがデジタル・ホビーと共存できた、最後の幸せな時代だったと思います。それがデジタルに傾いていった理由は、世相的にバブルが弾けて、一つのパッケージの中での充実感というものが重視されるようになってきたために、バラバラの商品を集めるという行為が時代にそぐわなくなったからなのかも知れません。カードゲームはアナログ・ホビーですが、一つのパッケージに何枚かカードが入ってるし、テレビゲームはソフトを一本買えば、とりあえず事足りてしまうわけですから。子どもとしては、グッズをコレクションするという行為はすごく魅力的ではあるのですが、例えば800円くらいする缶ペンケースなどを度々買い換えるとなると、スポンサーのお母さん方からしたら苦しいものがあったのかもしれませんね」  征矢氏は、このように語る。  『エスパークス』のメディアミックスが始まったのは、ブームの末期である93~95年から。完全に人気を後追いする形でのやや遅めのメディア展開は、現在よく見られる最初から計画されたメディアミックスとは少し感覚が異なる。
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缶ペンケースの中には、すごろくゲームが。
合法的に学校でのゲームプレーを可能とした
救世主でした。
 このように、純粋に子どもたちからの人気だけで盛り上がり、大きなブームとなった『エスパークス』は、80年代から90年代におけるホビーの性質の変化を象徴する記念碑的な作品なのかも知れない。  それにしても、漫画のような出版物とは異なるため、どんなに売れても発行部数という数字での記録は残らず、リアルタイムでブームを体験した小学生以外にはほとんど知られることもなく、時代の荒波に揉まれて、そっと役割を終えたかのように表舞台から去っていった『エスパークス』の姿は、まるで名も告げずにそっと立ち去る孤高のヒーローのようだ。 「新しいものを望む皆さんの声には、できるだけ応えていきたいと思うのですが、皆さんの中で『エスパークス』を育てていただいてもいいと思います。いろんな人が自分なりのエスパークスを作ってくれれば幸いです」 「権利関係に絡んじゃったりするのは困りますけど(笑)」と苦笑しつつも、征矢氏は語った。もしかすると『エスパークス』の新たな活躍を一番心待ちにしているのは、彼本人なのかもしれない。 (取材・文=有田シュン) ●エスパークスオフィシャルサイト <http://esparks.jp/>
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●【バック・トゥ・ザ・80'S】バックナンバー 【Vol.3】ゲームの可能性を広げた80年代のミッキーマウス 「パックマン」今昔物語 【Vol.2】世代を超えて愛される地上最速ホビー「ミニ四駆」今昔物語 【Vol.1】手のひらに広がる大冒険!「ゲームブック」今昔物語

ツッコミどころ満載? こびとたちの恍惚表情がたまらない『こびと観察入門』

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大好きな桃に囲まれたカクレモモジリ。
©Toshitaka Nabata, Nagasaki Publishing /こびと観察会
 一体どこから突っ込めばいいのだろう。如何ともしがたいDVDが10月20日に発売される。『こびと観察入門 モモジリ クサマダラ モクモドキ 編』と『こびと観察入門 ハナガシラ キノコビト バイブスマダラ 編』の2タイトル及び、これら両方を収録した『こびと観察入門 モモハナBOX』(特典付き)だ。  "こびと"とは、なばたとしたか作の絵本『こびとづかん』(長崎出版)に出てくる不思議な生き物。巷に溢れる"キモカワ"のキャラクターよろしく、唇や鼻の穴まで細密に描かれており、いかにもコアな熱狂的ファンを獲得しそうな風貌である。口コミでジワジワと話題を呼び、後に出版されたシリーズ本と合わせると、累計31万部を達成。今まで紙面だけでその存在感を放っていた"こびと"たちが、待望のDVD化によっていよいよ動き出す、という寸法だ。 ■小学校の「道徳」の時間に流しても違和感ない......かも?  このDVDでは、ご丁寧にも"こびと"の捕まえ方から世話の仕方、観察方法までの一通りを教えてくれるらしい。いざ再生してみると、野原や畑に生息する"こびと"を捕まえに行くための服装や持ち物の説明が、明るいナレーションとともに始まった。モデルとして登場しているのは小学生の男女。「靴は履きなれた運動靴を選び、絆創膏や虫よけスプレーの他、空腹に備えてお弁当やおやつも忘れないようにしましょう」と、まるでNHK教育を見ているよう。このまま『さわやか3組』が始まっても違和感がない。 "こびと"捕獲のための、大真面目な準備動画が終わったら、いよいよメインディッシュ"こびと"の登場だ。ここでは、DVDに登場する"こびと"の中でも、ひときわ突っ込みどころが満載の――そもそも突っ込みどころは本作全体に余すところなく散りばめられているのだが――【カクレモモジリ】について、かいつまんで紹介したい。
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©Toshitaka Nabata, Nagasaki Publishing /こびと観察会
■カクレモモジリとは [コビト網 亜胚目 退触頭科 モモジリ属] 桃が大好きな"こびと"。本人も、みずみずしく、桃の甘い香りがする......らしい。「桃太郎のモデルとも言われています」とナレーションのお姉さんはさわやかに解説するが、丸顔に大きなほっぺ、小さなたれ目に、ボテッとした鼻と唇、とてもじゃないが鬼退治を頼めそうな第一印象ではない。 ■カクレモモジリは、桃の近くに潜んでいるらしい  おいしい桃園で見つかる可能性が高いカクレモモジリ。彼らを探し、"こびと"探索御一行は、はるばる山梨県の農家の樋口さん一家へ。相変わらずのNHK教育的生真面目っぷりだ。樋口さんが丹精込めて育てた桃を木につるし、その下に落とし穴を作って、カクレモモジリが罠にかかるのを待つ。ちなみに、全編を通して、この類の古典的な罠作りを粛々と実行しているが、このあたりは行き過ぎた大真面目具合が、もう視聴者バカにしているようにしか見えない。
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凶暴なリトルハナガシラの群れ。
©Toshitaka Nabata, Nagasaki Publishing /こびと観察会
■必見はカクレモモジリが罠にかかるシーン  しばらくして現れたカクレモモジリは、桃(の罠)を発見し、その名に恥じぬ"モモ尻"をプリプリ上下に揺らしながら、木に登ってきた。そして、純粋なカクレモモジリは、見事古典的な罠にかかる。この、落とし穴にハマったときのカクレモモジリの表情が、どうしてもアノときのオーガズムの表情に見えてしまう下世話な私は、たとえ桃園に出向いても、純粋な心の持ち主であるカクレモモジリを見つけることはきっとできないだろう。  NHK教育風の誠実さをカムフラージュに、大人向けの官能的な演出をさりげなく織り込んでいる本作品、実は親子で楽しめる秀作なのかもしれない。また、DVD発売に先立ち、10月9日~11日の三連休に、シネセゾン渋谷にて上映会が開催されるとのこと。"こびと"の存在を信じる純粋なお子様はもちろん、日夜ストレスに抑圧されている大人のみなさんも、いたいけな"こびと"の珍行動や、徹底された動画の大真面目感に心の中で突っ込みを入れるなどして、ぜひリフレッシュしてほしい。 (文=朝井麻由美) 『こびと観察入門』先行公開! 10月9日(土)、10日(日)、11日(月・祝)の3連休限定! モーニング&レイトショー公開 シネセゾン渋谷 ・上映料(当日券のみ) 一般:1,000円、高校生以下:500円 ・上映時間 モーニングショー10:00~11:30(トークイベント付) レイトショー21:10~22:20 <http://www.ttcg.jp/cinesaison_shibuya/comingsoon> ・こびとづかんオフィシャルサイト <http://kobito-dukan.com/>
こびと観察入門 モモハナBOX 「こびと観察入門 モモジリ クサマダラ モクモドキ 編」「こびと観察入門 ハナガシラ キノコビト バイブスマダラ 編」の2枚組BOX。なばたとしたか描き下ろしイラスト外箱、モモジリ&ハナガシラ特製ラバーストラップの豪華特典付き。 価格 :5,800円( 各2,500円でも販売)/10月20日(水)発売 amazon_associate_logo.jpg
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ツッコミどころ満載? こびとたちの恍惚表情がたまらない『こびと観察入門』

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大好きな桃に囲まれたカクレモモジリ。
©Toshitaka Nabata, Nagasaki Publishing /こびと観察会
 一体どこから突っ込めばいいのだろう。如何ともしがたいDVDが10月20日に発売される。『こびと観察入門 モモジリ クサマダラ モクモドキ 編』と『こびと観察入門 ハナガシラ キノコビト バイブスマダラ 編』の2タイトル及び、これら両方を収録した『こびと観察入門 モモハナBOX』(特典付き)だ。  "こびと"とは、なばたとしたか作の絵本『こびとづかん』(長崎出版)に出てくる不思議な生き物。巷に溢れる"キモカワ"のキャラクターよろしく、唇や鼻の穴まで細密に描かれており、いかにもコアな熱狂的ファンを獲得しそうな風貌である。口コミでジワジワと話題を呼び、後に出版されたシリーズ本と合わせると、累計31万部を達成。今まで紙面だけでその存在感を放っていた"こびと"たちが、待望のDVD化によっていよいよ動き出す、という寸法だ。 ■小学校の「道徳」の時間に流しても違和感ない......かも?  このDVDでは、ご丁寧にも"こびと"の捕まえ方から世話の仕方、観察方法までの一通りを教えてくれるらしい。いざ再生してみると、野原や畑に生息する"こびと"を捕まえに行くための服装や持ち物の説明が、明るいナレーションとともに始まった。モデルとして登場しているのは小学生の男女。「靴は履きなれた運動靴を選び、絆創膏や虫よけスプレーの他、空腹に備えてお弁当やおやつも忘れないようにしましょう」と、まるでNHK教育を見ているよう。このまま『さわやか3組』が始まっても違和感がない。 "こびと"捕獲のための、大真面目な準備動画が終わったら、いよいよメインディッシュ"こびと"の登場だ。ここでは、DVDに登場する"こびと"の中でも、ひときわ突っ込みどころが満載の――そもそも突っ込みどころは本作全体に余すところなく散りばめられているのだが――【カクレモモジリ】について、かいつまんで紹介したい。
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©Toshitaka Nabata, Nagasaki Publishing /こびと観察会
■カクレモモジリとは [コビト網 亜胚目 退触頭科 モモジリ属] 桃が大好きな"こびと"。本人も、みずみずしく、桃の甘い香りがする......らしい。「桃太郎のモデルとも言われています」とナレーションのお姉さんはさわやかに解説するが、丸顔に大きなほっぺ、小さなたれ目に、ボテッとした鼻と唇、とてもじゃないが鬼退治を頼めそうな第一印象ではない。 ■カクレモモジリは、桃の近くに潜んでいるらしい  おいしい桃園で見つかる可能性が高いカクレモモジリ。彼らを探し、"こびと"探索御一行は、はるばる山梨県の農家の樋口さん一家へ。相変わらずのNHK教育的生真面目っぷりだ。樋口さんが丹精込めて育てた桃を木につるし、その下に落とし穴を作って、カクレモモジリが罠にかかるのを待つ。ちなみに、全編を通して、この類の古典的な罠作りを粛々と実行しているが、このあたりは行き過ぎた大真面目具合が、もう視聴者バカにしているようにしか見えない。
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凶暴なリトルハナガシラの群れ。
©Toshitaka Nabata, Nagasaki Publishing /こびと観察会
■必見はカクレモモジリが罠にかかるシーン  しばらくして現れたカクレモモジリは、桃(の罠)を発見し、その名に恥じぬ"モモ尻"をプリプリ上下に揺らしながら、木に登ってきた。そして、純粋なカクレモモジリは、見事古典的な罠にかかる。この、落とし穴にハマったときのカクレモモジリの表情が、どうしてもアノときのオーガズムの表情に見えてしまう下世話な私は、たとえ桃園に出向いても、純粋な心の持ち主であるカクレモモジリを見つけることはきっとできないだろう。  NHK教育風の誠実さをカムフラージュに、大人向けの官能的な演出をさりげなく織り込んでいる本作品、実は親子で楽しめる秀作なのかもしれない。また、DVD発売に先立ち、10月9日~11日の三連休に、シネセゾン渋谷にて上映会が開催されるとのこと。"こびと"の存在を信じる純粋なお子様はもちろん、日夜ストレスに抑圧されている大人のみなさんも、いたいけな"こびと"の珍行動や、徹底された動画の大真面目感に心の中で突っ込みを入れるなどして、ぜひリフレッシュしてほしい。 (文=朝井麻由美) 『こびと観察入門』先行公開! 10月9日(土)、10日(日)、11日(月・祝)の3連休限定! モーニング&レイトショー公開 シネセゾン渋谷 ・上映料(当日券のみ) 一般:1,000円、高校生以下:500円 ・上映時間 モーニングショー10:00~11:30(トークイベント付) レイトショー21:10~22:20 <http://www.ttcg.jp/cinesaison_shibuya/comingsoon> ・こびとづかんオフィシャルサイト <http://kobito-dukan.com/>
こびと観察入門 モモハナBOX 「こびと観察入門 モモジリ クサマダラ モクモドキ 編」「こびと観察入門 ハナガシラ キノコビト バイブスマダラ 編」の2枚組BOX。なばたとしたか描き下ろしイラスト外箱、モモジリ&ハナガシラ特製ラバーストラップの豪華特典付き。 価格 :5,800円( 各2,500円でも販売)/10月20日(水)発売/販売元: ポニーキャニオン amazon_associate_logo.jpg
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ゲームの可能性を広げた80年代のミッキーマウス 「パックマン」今昔物語

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海外でも人気の『パックマン』。グッズの多さが、それを物語る。
 アナログとデジタルの過渡期であった1980年代。WiiもPS3もなかったけれど、ジャンクでチープなおもちゃがあふれていた。足りない技術を想像力で補い、夢中になって集めた「キン消し」「ミニ四駆」「ビックリマンシール」......。なつかしいおもちゃたちの現在の姿を探る!   日本が世界に誇るサブカルチャーの一つが、ビデオゲームだ。  最近はもっぱら海外ゲームの勢いに押され気味ではあるものの、やはり芸術的なドット絵とチープなピコピコ音、そしてアイデアに満ちた80年代のビデオゲームこそ、日本製ゲームの原点にして至高である!  そんな日本製ゲーム史の始まりを1978年の『スペースインベーダー』とするなら、ゲームの可能性を広げた作品として『パックマン』をぜひ挙げておきたい。ポップなキャラクター要素や縦横無尽にキャラを操作できる自由度という点で、非常にエポックメイキングだった『パックマン』がリリースされたのは1980年のこと。2010年でちょうど生誕30周年を迎える。  今年はそんな記念すべきアニバーサリー・イヤーというわけで、10月2日より秋葉原のアートスペース「アーツ千代田 3331」にて、「パックマン展-80's to 10's ゲーム&カルチャー」が開催されている。  80年代ハンター的には、このイベントに注目せざるを得ない! ということで、さっそく足を運んでみた。 ■偉大なる先人、『パックマン』の歴史を振り返る  アメリカでは、家庭用ゲーム機「Atari2600」に移植され約500万本を売り上げた他、アニメ、レコードが大ヒットを記録。「80年代のミッキーマウス」と称され、今もなお世界中で愛され続ける「パックマン」。  そんな「古今東西のパックマンを一堂に集めてご紹介する初めての展示会」(公式サイト紹介文より)である当イベント。「古今東西」とは聞き捨てならない一言である。これは期待するなという方が無理な相談だ。
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伝説はここから始まった! 記念すべき初代筐体。
 ウキウキしながら会場に足を踏み入れると、まずはパックマンの筐体がお出迎え。会場に設置されているゲームは全て無料でプレーできるようだ。おもむろに、まずは1パックマン(プレー)! ひとしきり堪能したところで横を見れば、これまで発売された『パックマン』グッズがズラリ。さらに、『パックマン』の企画書やキャラデザイン資料も展示されており、思わず感動してしまう。「バック・トゥ・ザ・80's」的に最大の注目展示プログラムは、家庭用ハードに移植された『パックマン』が全て展示されている一角だ。
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インストラクションカード。いま見てもワクワクする。
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無数に作られた『パックマン』グッズが所狭しと展示されている。
 先述の、一世を風靡したアタリ社のゲームハード「Atari 2600」に始まり(なんと実機をプレーすることも可能!)、AMIGAで、ファミコンで、インテレビジョンで、MSXで動く『パックマン』を思う存分堪能することができるのだ!(AMIGA、MSXは正確にはパソコンだけど)
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AMIGA500、MSX、カセットテープ......。一時代を築いた、愛すべきマシーンたち。
 80年代を駆け抜けたお宝ハードが一堂に会するなんて! ゲームファンでなくとも、部屋いっぱいに展示される大量のゲームハードに、家庭用ゲームの歴史の重みを感じることができるはずだ。
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数々のアーケードゲームもプレー可能。海外ゲームもプレーできます。
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メジャーハードからマニアックなハードまで、完全制覇した『パックマン』。
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近年も、さまざまなハードで発売されている『パックマン』。
 『パックマン』の歴史を辿る展示のみならず、ゲームデザイナーでもある女子美術大学短期大学部教授・伊藤ガビン氏による『パックマン』の可能性を探るアート作品や、フランス人アーティストのニコラ・ビュフ氏による新作オブジェも会場を飾る。その他、多くのアーティストや識者たちによる、『パックマン』をテーマにさまざまなイベントも予定されている「パックマン展-80's to 10's ゲーム&カルチャー」。
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(左)パックマンをイメージしたオブジェ。
(右)フランス人アーティストのニコラ・ビュフ氏によるオブジェ。
 ゲーム・キャラクターという枠を超え、カルチャー・アイコンとして世界中で愛される『パックマン』を通じて、ゲームの歴史や文化を振り返ってみてはいかがだろうか。なお、「パックマン展-80's to 10's ゲーム&カルチャー」は10月11日まで開催。入場は無料なので、ショッピングのついでにでも軽く足を運ぶもよし、だ。 ■『パックマン』の生みの親・岩谷徹氏が語る『パックマン』の時代! ビデオゲーム黎明期より活躍し、『パックマン』を生み出した男・岩谷徹氏。会場を訪れていた岩谷氏に、突撃インタビューを敢行! 『パックマン』が生まれた1980年代とはどんな時代だったのか? そして次の『パックマン』は一体どんなゲームなのか? 気になるところを聞いてみた。
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左より展示のディレクションを担当
した伊藤ガビン氏、パックマンの
生みの親・岩谷徹氏、企画監修のサ
イトウ・アキヒロ氏。パックマンをイメー
ジしたピザの前で記念撮影!
──『パックマン』がリリースされた当時、ゲーム業界はどういう雰囲気でしたか? 「最初は白黒モニタの『ジービー』というゲームを作っていたのですが、それがカラーになり、解像度もだんだんと上がっていって、クリエイターとして表現したいものが少しずつ描けるようになってきた。いわば、新しいキャンパスを手に入れることができたような時代でした。また、続編ものではなく、新しいゲームを作ることがゲーム業界の使命だった時代だとも思います。新しいコンセプトを創出する喜び、他社からそれが出るという悔しさ。あの時代の面白さは、そういう部分でした」 ──当時、岩谷さんがライバル、目標としていた相手は何でしたか?
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会期は11日(月・祝)まで。
この機会をお見逃しなく!
「やはり米国のアタリ社ですね。常に新しいコンセプトのゲームを出してくるという姿勢も含めて、アタリが自分の師匠でした」 ──80年代というと、日進月歩で技術が発展した時代だと思います。コンピュータの発展に伴い、パックマンも手足が生えたり鼻が伸びたりしていきました。『パックマン』が時代の変化に対応して、どんどん進化できた理由は何だと思いますか? 「まずシンプルなゲームシステムで作られていた、ということがあります。『パックマン』のルールに対して、『もっとこうした方がいい』とおっしゃる方もいましたが、自分は限界までそぎ落として、あらゆる可能性を考えぬいて『これ!』というものがあればいいと思っていました。逆に『パックマン』は無駄がないキャラデザインとゲーム内容だったので、何を足しても本質は変わらなかったのだと思います」 ──今後、どんな『パックマン』のゲームを作ってみたいですか? 「歌うパックマンのゲームを作りたいと思っています。映画でいうと、『ブルース・ブラザーズ』、音楽でいうとポップスのような、『あ~、楽しい!』って思えるようなノリのいい『パックマン』のゲームを作りたいです」 ──ありがとうございました。 (取材・文=有田シュン) ・パックマン展 <http://www.3331.jp/schedule/000638.html> ・パックマン ウェブ <http://pacman.com/>
パックマン いまも進化中。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 【バック・トゥ・ザ・80'S】Vol.2 世代を超えて愛される地上最速ホビー「ミニ四駆」今昔物語 【バック・トゥ・ザ・80'S】Vol.1 手のひらに広がる大冒険!「ゲームブック」今昔物語  あのころ、みんな子どもだった......「ロッチ」を生んだ"赤い海賊"コスモスの伝説

島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」(後編)

shimadaakari03.jpg前編はこちら中編はこちら  前に北陽のお二人が言っていたんですよ、「私たちは無いけども、『笑っていいとも!』の楽屋に行ったらみんな(アブノーマル線が)あった」って。多分、テレビって変わった人しか出れないと思うんですよね。同じ考えじゃなくて、変わった着眼点で、頭おかしい人じゃないと。小明さんも、ちゃんとしたアブノーマル線があるんで大丈夫です。 ──わーい! アブノーマルで良かった! っていうか、芸能界が特殊すぎますよね。島田さんにもアブノーマル線はありますか?  僕はあんまり。僕は普通だなぁってことやりますから(笑)。KY線の話もそうですけど、本当にアイドルの方とか俳優の方とか、なんでそんなに大したこともオチもない話を、自信満々に長い時間使って、ダウンタウンさんやカメラを相手に話せるんですかね? だから、この業界は変わっていたり、自分のことが本当に好きじゃないとダメなんだろうなって。 ──すごい準備しますよね。流れと盛り上がりどころを把握して、それがスベったときようの話を準備して.......ってしないとカメラの前に立つことが不安じゃないですか。  そうですよね。でも、全然大丈夫な人もいるんですよ。「この前、お風呂に行ったらね、すごい熱くて、うわって、びっくりしちゃった」って、なんにもない話でも堂々と話せるんですよ。俺にはコレできないなぁ。自信ないから。アレは才能って言うか、自分に自信がある。 ──自信がない占いを覚えたとか?  自信がないから、素の自分で行くのが怖いから、何か武器をつくらなきゃって思って、それが占いだったり。ただ、課題としては、自分が用意した話はできるけれども、それ以外も素で話せるようにならなきゃなって思いますね。 ──ちなみに、どうして芸人さんになられてから、更に占いや都市伝説の方面に?  怖い話が好きで、占いも好きで、みんながリアクションをしてくれるからですかね。占いができると、みんながウワーって寄ってきてくれる。芸人は笑ってもらって元気になってもらうけど、占いもその人にいろいろ言って元気になってもらったりもするし、いずれにしろ同じことになるなぁって。結果、どっちもサービス業的な。 ──占いって基本何千円もするじゃないですか。でも、島田さんの場合、現場に行ったら、みんなにタダで見て見てって言われるから大変ですよね。  そうなんですよ、正直。自分が人に頼むんだったら「申し訳ないんですけどお願いできますか?」って了承を得てから行きますけど、やっぱ芸能人って自分に自信を持ってるから、はじめから「お願いしまーす」って来るんですよ。あと、「彼女と友達と家族も」とか。その辺が芸能人にとって大事な部分であり、社会人としては欠落している部分なんじゃないかな。 ──こんなの頼んだら図々しいんじゃ......とか思ってしまいますよね。  でも、彼らは全部スケジュール管理してもらって、現場に行ったらどうぞどうぞって飲み物も用意してもらって、さあ、どうぞって出てくるのが当たり前なわけですからね。 ──ムリムリ、そんな良い対応されたら、この後何をしゃべったら良いのかな、とかを反芻しながらオエッてなったり、扉の向こうにバスローブ着たチョコさんがいたらどうしよう、とか考えてしまう......。扱いは若干ずさんなくらいがちょうどいい。  だからやっぱり特殊な仕事ですよね。 ──普通の神経だと辛そうですね......。あっ、でも、占いってモテるんじゃないですか? 女性芸能人なんてキレイどころばかりだし、どうなんですか? ムヒヒ。  ちょっと見れるとモテると思いますよ。見れすぎると、逆に相談になってしまう。番号を交換すれば「先生」って登録されて、「彼との相性も見てください」みたいな......。だから女性アイドルから僕に来るメールの大半は添付画像で手相が付いていて、時々添付がただのデコメールだったりすると、「どうせスクロールしていったら写真もあるんでしょ?」って見て、写真じゃなかったらうれしい、みたいな。 ──なんかハードルの低い喜びですね。まぁ私はそのメアドも教えてもらってないわけですが。じゃあ、占いやってて、何かいいことは......。  そうですね、僕も人見知りするんですけど、現場で会ったことない人に「島田くん見てよ」って言われると、すごい一気に距離も縮まるし、人見知りの方こそ、占いを覚えたらいいんじゃないかなって思いますけどね。 ──それはちょっといいなぁ! 是非パクドルとしてパクらせていただきたい!  ちょっと! 来月から『占いアイドル小明の~』とかで連載するのはやめてくださいね! ──うふふ。今日はありがとうございました! (取材・構成=小明) ●島田秀平(しまだ・しゅうへい) 1977年、長野川県生まれ。96年から、お笑いコンビ「号泣」のツッコミ担当として活動開始。占い師・菅野鈴子に占いの手ほどきを受け、08年コンビ解散後に、"手相芸人"としてブレイク。近著『全国開運パワースポットガイド決定版!!』(講談社)。 ●小明(あかり) 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
全国開運パワースポットガイド決定版!! あやかりたい。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」