「預けた猫が返ってこない……!」協会阪神支部で何が起こっていたのか(後編)

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動物福祉協会の問題を取り上げた「週刊新潮」
前編はこちら 「N島さんに猫を預けたら返ってこない」 「○○県へ里親に出したと言うだけで、詳しく教えてくれない」 「領収書をくれない。しつこく頼むとなぜか逆ギレされる」  取材を進めるうちに浮かび上がってきた証言の数々。その中身をもう少し詳しく見てみよう。
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阪神支部の正常化を訴える会員からの告発文
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「NF会のN島さんに二匹の猫の手術代とワクチン代、回虫駆除代金と、『お車代もお願いね』といわれて合計8万円を払いました。車代というのは、猫を捕獲するのに車で来るからのようです。病院名は何回聞いても教えてもらえませんでした。高いとは思ったのですが、相場だと言われて言い返せなかったんです」(神戸在住の会員Cさん) 「病院名を聞いたら『○○(ある地域名)の先生に頼んである』と言われたんです。その先生はボランティアで無料で手術をしてくれることで有名な方なんですが、N島さんからは3万円を請求されて、なぜか領収書には別の獣医師の『K原』というハンコが押されてました。うさんくさいとは思ってたんですが、ほかに頼む人もいなくて......」(同Dさん)  また、手術ではなく「里親を探してほしい」と依頼した会員Eさんの証言は衝撃的だ。 「金額はともかく、預けた猫が行方不明になるというのはどういうことなんでしょう。すごく元気な猫だったのに、突然『あの猫は腎臓病で死んだ』と言う。そんなはずはないと問いただすと、『今は治療中だから』とか『具合が悪くて寝込んでる』と二転三転。もういいから返してくれと言うと、『私を疑ってるのか! 私はクリスチャンなんだから悪いことなんてしないわよ!』と意味不明なことを叫びだす始末です。しまいには逆ギレして『死んだって言ってるでしょ! あんたキ○ガイじゃないの』とまで言われました。キ○ガイはあんただと言いたいですよ。今は電話にも出てもらえません」
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預けた猫が死んで帰ってきたというある会員からの告発文
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 前編で述べた通り、動物福祉協会の本部事務局が環境省に対して昨年12月13日付でまとめた報告書では、N島氏らが高額の手術代金を受領していた点や、K原獣医師が実費より高額の領収書を発行していた実態を認めた上で、 「従来から、阪神支部の助成金は他の支部に比し突出しており、本来の動物福祉の理念を忘れて、助成金目当てを公言する会員が増えるなど本部も憂慮しておりました」(原文ママ)  と、大筋で不正を認めながらも、複数の猫が行方不明になっている事実には触れず、 「(N島氏とK原獣医師が)深く反省し、協会に対し、二度と水増し領収書の発行はしないと言明しており、今後こうした事態は発生しない」(同事務局)と結論付けている。さらに、その2日後に発行された会員向け会報では「本部の調査で助成金支給に関して不正等は存在しなかったことは確認されております」と、環境省へ提出された報告書と正反対の報告がなされているのだ。
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環境省総務課動物愛護管理室のある庁舎
 協会本部が事態の幕引きを図る背景に、「公益法人の認可が大きく関係しているのでは」と語るのは、事情に詳しい別の愛護団体の幹部だ。 「2年前に公益法人改革のための法改正が施行され、今までの社団法人は一般法人と公益法人に分けられることになりました。寄付金控除などが認められる公益法人は、経理の透明性や公益性などが内閣府公益認定等委員会の30人の委員により厳しく審査されます。これまで全国4万件の法人で公益認定を受けたのは、わずか300件ほどという狭き門です。動物福祉協会が資金を不正に流用し、猫たちが行方不明になり、さらに協会ぐるみで犯人を隠避したとなれば、公益認定は取れないでしょう。彼らはそれを恐れているのです」  皇室関係者が名誉総裁を務めるほどの由緒正しい(?)動物愛護団体が公益認定を取れなければ、伝統ある協会の権威はガタ落ちだ。さらに、歳入の多くを寄付金で賄っている同協会とすれば、公益法人に与えられる寄付金控除の恩恵はぜひとも享受したいに違いない。 「環境省も事実を知った以上、犯人隠避に加担するわけにはいかないでしょう。動物福祉協会のH理事や顧問獣医師のY氏らは現在、環境省中央審議会の公益認定委員(公益団体を選定する委員)のメンバーですが、不正が発覚した団体の理事が選考委員にいるのはおかしな話です。当然、辞任すべきでしょう。また、公益認定が取れなかった場合、華子妃は名誉総裁をお辞めになるとのウワサが協会内に広まっています。協会は今まで華子妃のお名前を利用して多額の寄付を集めてきましたし、華子妃ご自身も善意で多額のご寄附をされていますから、実はこれが協会にとって一番の痛手だという指摘もあります」  では、こうした事態を関係省庁はどう受け止めているのだろうか。まず、宮内庁総務課に見解を求めたところ、問題はあくまで「日本動物福祉協会において処理する事項である」とした上で、常陸宮華子妃も宮内庁も「関与する立場にない」との回答がファックスで寄せられている(下記画像の通り)。
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宮内庁からの回答
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 一方、動物福祉協会に対して今回、二度にわたり報告書の出し直しを命じるなど、比較的厳しい措置を取っている環境省は、「猫の行方不明については把握していない」としながらも、不明朗な会計が常態化していた事実を重く見ている。 「会員の内部告発を受け、省では協会から出された2009年度実績のすべてにあたる1,757頭分の報告書を精査し、不明点の再調査を指導しました。そもそも、阪神支部長という立場の人間が協会と別の個人組織(NF会)を並行して運営するというのがおかしな話です。それを見過ごしてきた協会本部の責任は決して小さくない。今後の協会の動きを見守っていきたいと考えています」(環境省動物愛護管理室)  最後に、当の動物福祉協会の見解を聞こう。以下は事務局長のコメントだ。 「今回の件は、以前から一部の会員から指摘されていました。本部としても放置してきたわけではないのですが、人員にも限界があり、必ずしも徹底した調査ができていたとは言えないのも事実です。また、一連の事態を会員に向けて十分告知していなかった点も反省すべきだと考えています。今回のことをしっかりと受け止め、改めるべき点は改め、協会の見直しを図っていきたいと考えています」  また、N島前支部長がなんらかの方法で猫を処分していた疑いについては、「そういうことはなかったと信じています」としながらも、具体的な調査は「予定していない」という。  実は、動物福祉協会の活動がメディアに注目されたのはこれが初めてではない。「週刊新潮」(1994年7月14日号/新潮社)が、「常陸宮妃殿下の日本動物福祉協会 犬一万匹薬殺」のタイトルで、協会が表向き不妊手術や保護をしていると偽りながら年間1万頭を薬殺処分していたとして、5ページを割いた特集で報じている。先の、別の愛護団体の幹部が言う。 「意外に知られていませんが、動物福祉協会は今でも預かった犬や猫の大半を行政に引き渡して、殺処分に加担しています。確かに野良猫や野良犬猫の処分に社会がどう取り組むべきかは大きな問題で、殺処分もひとつの方法だという議論そのものは、私はあってもいいと思います。であれば、こうした事実を活動方針として堂々と訴えるべきです。薬殺の実態を活動報告や収支報告書にも一切載せず、一方で保護をPRしながら寄付金を募るのは詐欺行為と言われても仕方ないでしょう」 (文=浮島さとし)
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動物愛護は金になる!? 動物福祉協会幹部が不正で辞任(前編)

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社団法人 日本動物福祉協会公式サイトより
 八百長騒動で日本相撲協会が公益法人の資質を問われている中、70年近い歴史を持つ別の法人団体が不明朗な会計で大揺れに揺れている。団体名は「(社)日本動物福祉協会」(本部:東京都品川区)。このほど、一部の幹部による協会資金の不正流用が発覚し、監督する神戸市が関係者に対して立ち入り調査をするなどの騒動が起こっているのだ。  協会資金を不正に着服していたのは、同協会前阪神支部長のN島氏。2008年には、同協会の推薦により環境大臣表彰を授章している。すでに支部長を辞任しているN島氏だが、0その理由は「一身上の理由」とされている。だが、事情を知る会員のAさんは次のように語る。 「N島さんは、顧問獣医師のK原氏らと共謀して協会資金を不正流用してきました。その事実を知った一部の会員が神戸市や環境省へ電話とメールで内部告発をし、これにより他の会員にも問題の存在が広がり、N島さんは会にいられなくなったのです」  日本動物福祉協会の歴史は古い。終戦直後の1946年、大学の実験動物の取り扱い改善を目的に創設。57年には社団法人の認可を受け、名誉会長には旧皇族の竹田恒徳氏が就任。以来、歴代の理事長には麻生元総理の母親・麻生和子氏や、中曽根康弘氏などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。  現在は正仁親王妃華子さまが名誉総裁を務め、同協会が毎年作成するカレンダーには、麻生元総理の実妹・寛仁親王妃信子さまが撮影した写真が長年使われてきた。また、動物愛護法改正を検討する環境省中央審議会のメンバーにも、同協会の理事や顧問獣医師が名を連ねるなど、社会的な信用度はきわめて高い。  協会の主な活動のひとつが、野良猫の不妊去勢手術の推進である。地方の各支部が行う野良猫の捕獲活動や不妊手術費用を東京本部が支援・助成する一方、全国の都道府県から毎年2地域を選んで「捨て猫防止キャンペーン」なども行っている。本部から支部への資金の流れは、内部資料によれば以下の通りだ。 (1)各支部は年間に行う不妊手術件数の予測を立て、予算案を策定する。本部は各支部から提出された予算案に基づき、支部予算の不足分を送金する。 (2)支部は「不妊去勢手術助成金取り扱い規則」や支部独自の規定に基づき、手術の「申請者」に対して助成金を支払う。 (3)支部は、手術を実施した獣医師の証明書や領収書を添えて毎月本部に実績報告する。  上記(2)でいう「申請者」とは、「野良猫が保健所に殺処分されてはかわいそうだから」と、手術費用を自腹で支出する会員や一般住民を指す。助成金は、こうした善意の自己負担に対する補助行為ということになる。  阪神支部の規定によれば、申請者に支払われる助成額は手術費用に応じて一件2,000円~5,000円。2009年度の同支部の実績報告書によれば、1,757匹の不妊手術に対して452万4,000円の助成金が申請者に支払われ、本部から支部へは不足分として419万円が補てんされている。  理論上は、野良猫をたくさん捕獲して不妊手術をすればするほど、その実績に対して多くの補填が本部から支払われるという仕組み。当然ながら、手術費用が高いほど、支部から申請者へ支払われる助成額も高くなる。ちなみに、「阪神支部の助成金は、他の支部と比較して突出して高額化していた」(協会本部の内部資料より)という。
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阪神支部の助成金規則と、2009年度の同支部の実績(協会内部資料より)。
※クリックすると拡大します(以下同)。
 ここで話をAさんの証言に戻そう。 「阪神支部の前支部長のN島さんは、なぜか支部内に動物福祉協会とはまったく別の組織を立ち上げて、まるで商売のように不妊手術の"注文"を会員以外からも積極的にとっていました。組織の名前はN島さんと相棒のFさんの苗字をとって、漢字2文字で『NF会』と呼ばれていて、支部の中では大きな発言力を持っていました。このNF会と福祉協会阪神支部の活動がごっちゃになってしまい、それでお金の流れもよく分からなくなってしまったようです」  別の会員のBさんが言う。 「N島さんはいつも、阪神支部の顧問獣医師であるK原さんに8,000円で手術を依頼していたようなのですが、一方で申請者には1頭1万数千円や2万円、高いときは3万円くらいを請求していました。額は相手の懐具合を見て決めていたようです。なぜいつも3万円という高額な請求をしているのかと不審に思っていた会員は少なくなかったのですが、本人がいろいろな場で『3万円なんてもらえるのは全体の3分の1くらい。いつもではない』と自ら"白状"していますので、逆に言えば3分の1程度は3万円以上の高額請求をしていたということでしょう」  さらに、N島前支部長はK原獣医師に8,000円で手術を依頼しておきながら、実際の金額より高い1万円で虚偽の領収書を書くように要請。これにより助成金を不正に多く受け取っていたことが、後述するその後の本部による調査で判明している。3万円で受託した手術を8,000円でK原獣医師に"下請け"に出していたとしたら、その差額は一体どこへ消えたのだろうか。
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環境省の指導で動物福祉協会が昨年12月にまとめた、
事件の調査報告書。
 かねてよりN島氏の行動に強い不信感を抱いていた一部の会員らにより、昨年5月26日に開かれた阪神支部総会は激しく紛糾した。不明瞭な助成金の行方や「NF会」の存在理由、さらにはN島氏が自宅で常時40~50匹の猫を管理していたことが動物取扱業にあたらないかなどについて、会員から厳しい質問が飛び交ったという。N島氏はこれを受けて翌6月に辞任したが、その後も告発を受けた神戸市保健福祉局が、昨年8月18日にN島氏の自宅を立ち入り調査し、事態を重く見た環境省も協会事務局本部に対して事情説明を求めるなど、監督官庁らを巻き込みながら騒動は次第に広がりを見せはじめたのである。  こうした中、協会は12月13日付で調査書をまとめ、環境省に対して概要を以下の通り報告している。 ・N島氏とF氏らが立ち上げた「NF会」が高額の手術代金を受領していたのは事実。 ・K原獣医師が、N島氏の「ボランティアの労苦を慮って、好意的に実費より高額の領収書(実費8,000円→領収書1万円)を発行していた」(原文ママ)のは事実。
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環境省に提出された報告書の一部。
「NF会」(実際は漢字2文字)が高額な料金で不妊手術を受託していた。
 先のAさんが憤る。 「ニセの領収書を書いた理由が『日ごろの苦労を慮って』とか『あくまで好意で』なんていう理由が通用すなら、税務署は入りませんよ。実際、K原医師は税務署へどう申告していたのでしょうか」  Bさんも言う。 「K原獣医師にとっては、N島さんが営業担当者のように"仕事"を取ってきてくれるんだから、いい取引先なんでしょう」  さらに協会はこうした不正の事実を会員に対しては長らく報告してこなかったとBさんは言う。 「環境省からは事実報告をすべての会員に対しても行うように指導されているはずです。ところが、不正の事実を認めた12月13日の報告書のわずか2日後、12月15日付の会報(『jaws』65号)を見ると、『本部の調査で、助成金支給に関して不正等は存在しなかったことは確認されております』なんて書いてある。唖然としましたよ。内容が環境省に提出した報告書と、まるっきり逆じゃないですか」  また、取材を進めるうちにさらなる信じがたい証言も飛び出してきた。「NF会に猫を預けると二度と帰ってこない。いったいどこへ始末しているのか」との声が、協会本部や自治体に数多く寄せられていたのである。
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環境省に不正の事実を認めてから約10カ月後、
協会はようやく騒動の事実をHP上で会員へ報告。ただし、損害額は合計数万円程度で
「巨額の不正等は存在しない」と結論付けた。サイゾーが金額の根拠を問いただすと
「あくまで自己申告」「われわれは捜査機関ではないから」(事務局長)と回答。
これに対し環境省は「徹底した調査が求められる」と懸念を示している。
(後編に続く/文=浮島さとし)
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【再掲】地震や洪水のとき、愛犬はどうなるの? 地震大国日本でペットを守るための絶対ルール

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イメージ画像(「足成」より)
※当記事は、熊本地震の発生にあたり、サイゾーの過去の記事から再掲載しています。  阪神・淡路大震災(1995年)、三宅島の噴火(00年)、新潟県中越地震(04年)など、過去に起きた災害時には、人間だけではなく多くの動物たちも被災した。だが、実際にいざ自分が被災し当事者になったら、自分の飼っているペットはどうしたらよいのか、具体的な対応策を知っている人は少ないのではないだろうか。ただでさえパニックになりがちな災害時において、飼い主である人間は、正しい行動が取れるのだろうか──。  そこで、前述の災害時などで動物の救済活動に携わってきたひとり、獣医師の山口千津子氏(社団法人日本動物福祉協会)に「災害時のペット」の現状と防災対策について話を伺った。 「私たちは、阪神・淡路大震災以降、『緊急災害時動物救援本部』(日本動物愛護協会、日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会、日本動物保護管理協会、日本獣医師会によって組織)の被災地における動物救護本部設置の手伝いをはじめとする動物の救援活動をしてきました。これは、行政、獣医師会、動物愛護団体が一緒になって行われているもので、この取り組みの積み重ねにより、最近になってようやく、災害時のペット避難対策を具体的に検討する自治体が増えてきました。ペットの同行避難に対する理解も広がってきており、私たちは、まず、災害時には飼い主によるペットの同行避難を呼びかけています」  災害に巻き込まれたペットは、被災地に置き去りにされたり、飼い主不明のまま保護される迷子も少なくない。迷子になれば、火災や事故に遭う危険性も出てくる。 「とにかく同行避難さえしていれば、餌の支給、物資援助、獣医師協力もあり、ペットの受け入れができない避難所の場合でも、一時的な預りを行う上記の救護本部などに依頼すれば、安全を確保することができます。ですが、もし、同行避難せずペットを置き去りにした場合、たとえ後日迎えに帰るつもりだったとしても、その地域が立ち入り禁止地区になったら、迅速な救助が困難となります。有珠山の噴火の時(00年)は、危険地域に置き去りにされた動物たちのために、自衛隊や警察・消防などに協力を要請し、飼い主に代わって餌やりや保護活動を行いました」(同)  もっとも、同行避難後も、大きなダメージとストレスに加え、プライバシーのない避難所での共同生活では、隣人への配慮が必要不可欠だ。動物の無駄吠え、かみつきなどの問題行動は、隣人トラブルの原因となる。また、不十分な健康管理やワクチン不接種の動物を持ち込むことで、感染症などの新たな問題も起こしかねない。 「家族の一員であるペットの命を守ることができるのは、飼い主だけです。このことを自覚し、正しい知識と責任を持って、日頃からしつけや健康管理などを行うことが何よりも大切です。また、それが飼い主自身の心の支えにもなります」(同)  災害時に限らず、一番必要なのは、「ペットのしつけ」ではなく、「飼い主のしつけ」なのだ。最後に、ペットの防災対策に有効なポイントを簡単にまとめてみたので、飼い主のみなさんはぜひ実践していただきたい。   [ペットの防災対策] 【1】健康管理(=ワクチン接種、定期健康診断、病気の治療) 【2】しつけ(=人間社会への適応) 【3】避妊・去勢(=みだりな繁殖や問題行動の防止) 【4】鑑札や迷子札、マイクロチップ(動物の個体間識別を可能にする電子標識器具)の装着(=飼い主の所在明示による迷子の防止) 【5】同行避難時の非常袋(フード、水、薬、リードなど)の準備 【6】飼い主の情報、ペットの健康状態、病歴などをまとめた情報手帳の携帯 (文=小林未央/本記事は「サイゾー」2008年9月号掲載のものを再構成したものです)

アリクイやタランチュラの脱水症を治す!? 獣医師が語る『珍獣の医学』

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『珍獣の医学』(扶桑社)
 昨今、日本では空前のペットブームが到来し、犬や猫などが家族の一員として、目に入れても痛くないというほど可愛がられている。それにともない、動物の診療技術がめきめきと発達し、人間に使用する医療機器を使い、MRI検査や放射線治療など、最先端の治療さえも受けられるほどの進化を遂げた。もはや、ペットは人間と同等、もしくは飼い主によっては人間以上の手厚い診療を受けられる時代になっている。    だが、その一方で、犬猫以外の動物の診療はあまり発達していない、という現実がある。というのも、日本の獣医学の世界では、犬猫以外の動物は、"エキゾチックペット"と呼ばれ、ウサギもハムスターもインコも珍獣扱いされている。大学の獣医学科では処置の方法を習うことすらない。犬猫ですら、きちんと診られるようになってきたのは、ここ30年ほどのことだという。  ではどうやって診療しているのかというと、「『がんばる』としか言いようがない」と、「田園調布動物病院」病院長・田向健一先生は語る。つまり、自主的な勉強でなんとかする、ということなのだ。   あまり知られていないが、動物病院というのは基本的に犬や猫を診る病院のことを指し、多くの場合、それ以外の動物は病院側が受け入れを拒否している。だが、田向先生は幼い頃からマイナーな生き物全般が大好きで、どんな生き物でも治してあげたい、という思いから、基本的にすべてを受け入れている。  本書『珍獣の医学』では、アリクイやタランチュラの脱水症、ごきぶりホイホイにつかまったハムスターのノリはがし、切断されてしまったウーパールーパーのしっぽの縫合など、田向先生の病院に訪れた数多くの珍ペットを診療する様子が、写真付きで分かりやすく書かれている。  中でもとくに個人的に興味を引かれたのが、ベランダからダイブし、甲羅がパックリと割れてしまったカメ。バーンと写真に映し出された甲羅の中身は、「えっ! こんなことになってるんだ!!」と、なかなか衝撃的だ。  動物はしゃべれない。だから、獣医師は余計に動物に対する責任が重い。田向先生は、実は獣医師だって、病気の動物を診ることは常に不安なのだと告白し、こんなことを言っている。 「『お~い、大丈夫か~生きてるか~?』と冗談交じりに話しかけているとき、半分は本気で『死んじゃっていたら、どうしよう』と思っていたりするものなのだ」  "エキゾチックペットを広く受け入れる"ということは、犬猫のように診療が確立されているペットたちより格段に大変なこと。前例がないため、失敗するかもしれないという不安が常につきまとう。しかも、もし死んでしまったら、飼い主をひどく悲しませてしまう。    それでも、目の前にいる動物を絶対に助けてあげたい、断ったらほかに行くところもなく飼い主が途方にくれて悲しむだろう、と言う思いから、日々勉強をして、100種類以上のペットたちの診療を続けている。獣医師の嘘偽りのない、まっすぐな言葉が胸に温かく届く。 (文=上浦未来) ●たむかい・けんいち 田園調布動物病院院長。愛知県出身。98年麻布大学獣医学科卒業。幼少時の動物好きが好じて獣医師に。大学時代は探検部に所属し、アマゾンやガラパゴス、ボルネオなど海外の秘境に動物訪問。卒業後は、東京、神奈川の動物病院勤務を経て、田園調布動物病院を開業。ペットとして飼育される動物のほとんどを診療対象としており、無脊椎動物、爬虫類から哺乳類までと守備範囲は広い。その専門知識を生かし一般書、専門書、論文まで動物に関する著書を多数執筆、監修を行う。
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猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』

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米国ミネソタ州のホスピスで暮らす"おくりねこ"のオスカー。
人間の死を予期する特殊な能力を有している。
(c)La bascule and Ana films
 和歌山県太地町におけるイルカの追い込み漁の実態を告発した米国映画『ザ・コーヴ』は2010年上半期の映画界の話題を独占したが、もう1本、日本人と動物の関係を考えさせるドキュメンタリー作品がフランスから上陸した。ミリアム・トネロット監督による『ネコを探して』がそれだ。19世紀のフランスでは"自立と自由の象徴"としてネコは画家や文化人らに愛されたが、さまざまな仕草のネコを描いた安藤広重の浮世絵が少なからず影響を与えているという。夏目漱石の『吾輩は猫である』も愛読しているトネロット監督は、米国や英国のネコたちも紹介するが、とりわけ日本のネコたちの紹介により時間を割いている。フランスの女性監督の目には、日本人とネコの関係はかなり特殊なものに映っているようだ。  アニメーションを導入に使うことで、ネコの肉球のごとくソフトタッチに始まる本作だが、日本人とネコの関わりを伝える序盤のエピソードにネコ愛好家は鋭いツメでえぐられるような衝撃を受けるだろう。世界初の公害病である水俣病の存在を人間社会に初めて伝えたのは水俣の海辺に暮らすネコたちだったのだ。確かに水俣病問題を最初に報道した1954年8月1日の「熊本日日新聞」の記事内容は『水俣市の漁村で百余匹いた猫が全滅し、ねずみが急増。あわてて各方面から猫をもらってきたが、これまた気が狂ったように死んでいく』というものだった。やがてネコだけでなく、痙攣や神経症状を呈する人間の患者が相次ぎ、"原因不明の奇病"として水俣病の存在が56年に公表される。メチル水銀が魚介類に蓄積され、それを摂取することによって起きたメチル水銀中毒と判明したのは59年。日本政府が公害病として認定したのは68年になってからだ。  水俣病の存在が報告されてからも工場廃水を流し続けたチッソ社は自社の無罪を証明するため、「400号」と名付けたネコに3カ月間にわたって工場廃水を飲ませる動物実験を行なっている。ネコ400号は人間の水俣病患者と同じ症状を見せたが、チッソ社はこの実験結果を公表せず、チッソ工場と水俣病は無関係であることを主張。また、チッソ社の付属病院だけでなく、熊本大学でもメチル水銀で汚染された魚をネコたちに与え続けるという動物実験が行なわれた。水俣病で苦しんでいるのは人間だけではなかったのだ。トネロット監督は水俣病研究の犠牲となったネコたち数万匹を弔う慰霊碑に手を合わせるかのようにカメラを向ける。
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ネコに鍼灸を施す獣医師・石野孝氏。
ペットの高齢化・美食化が進み、成人病の予防
は欠かせない。
 どーんと沈みきったネコ愛好家の気持ちを和ませてくれるのは、和歌山電鐵貴志川線貴志駅のスーパー駅長たま。人気者の駅長たまのお陰で、赤字ローカル線だった貴志川線は廃線を免れた。福を招く"招き猫"たまを写メに収めようと大勢の客が貴志駅を利用する。たまが駅長に就任したことによる経済効果は11億円にもなるという。芸術の国フランスではネコは自由のシンボルとして見られているのに比べ、どうも日本のネコたちは人間に対し献身的な役割を背負わされているようだ。秋田犬ハチが軍国化の進む戦前の日本で主人に尽くす"忠犬ハチ公物語"として美談化されたことを彷彿させる。  公共機関である鉄道を守っているのは、日本のスーパー駅長たまだけではない。英国鉄道では長い年月、信号ケーブルを齧るネズミを駆除するためのネコたちが公費で飼われていた。英国の鉄道員たちはネコをネズミ獲りの職人として認めていたのだ。ネコと人間がお互いに支え合った古き良き時代。しかし、90年代に英国鉄道は完全民営化され、職員の25%がリストラされたと同時に200匹の職人ネコたちも解雇された。経済効率至上主義の民営企業は、ネコたちに与えるエサ代は無駄な出費と考えたのだ。民営企業はネコのエサ代だけでなく、レールの点検作業や補修費なども省くようになり、民営化された英国鉄道では死者を出す大事故が続発。英国鉄道の民営化は失敗した、として立て直しが進められている。  自由気ままなネコの性質は、よく女性に例えられるが、米国ミネソタ州にあるホテル「キャットハウス」はちょっと妖しげ。オランダの風俗街「飾り窓」のように、さまざまなタイプの美猫たちはお客が来るのを毛づくろいしながら待っている。このホテルでは、お客は指名したお気に入りのネコちゃんと個室でひと晩、ベッドを共にすることができるのだ。自宅でネコを飼っているけど、ちょっと違う種類のネコと浮気してみたい人たちに大人気。1匹のネコを相手に3Pプレイを楽しむ夫婦もいるし、死んでしまったネコにそっくりなネコを見つけてペットロスでぽっかり開いた心の穴を塞ごうとする婦人の姿も。美しいネコたちは、それぞれ得意な仕草でお客の心をトロトロにとろかせる。  ミネソタ州の"猫のホテル"に比べ、せわしく狭苦しい印象を与えるのは、日本の猫カフェ。お気に入りのネコの喉をさすりながら、日本の若者たちは「大人になってもネコはカワイイ」「野良ネコはいやだけど、飼いネコならなってもいい」と口にする。猫カフェに押し込まれたネコたちはツメが切られ、去勢されたおとなしいネコばかり。さらに日本人はネコをペット服で着飾り、健康のために動物専用の鍼灸へ連れていく。人間を癒すために多大なストレスを抱える日本のネコたち。トネロット監督はネコは人間社会を映し出す鏡、過剰なペット・ビジネスに今の日本文化が象徴されていると感じている。  ネコをめぐる旅の最後に登場するのは、超能力ネコのオスカー。人間の死を正確に予期するというスピリチュアル系の不思議ネコだ。オスカーは米国のロードアイランド州にある認知症患者のためのホスピスで暮らしている。普段は人間にあまり寄り付かないオスカーだが、死期が迫った患者を察知すると、亡くなる約4時間前からその患者のベッドに上がり、寝ずの番をするという。認知症で家族さえ判別できなくなっている患者も、かわいいネコが自分の横で丸まっていることで苦しみが和らぐらしい。死を予告するネコと聞くと不吉に考える家族もいるんじゃないかと思うが、オスカーが病室にいることで付き添う家族の気持ちも慰められている。オスカーと共に多くの患者を看取った医者のデイヴィッド・ドーサ氏はノンフィクション本『オスカー 天国への旅立ちを知らせる猫』(早川書房)の中で、人間の体が機能しなくなることで体内にケトン体が分泌され、ケトン体の匂いをオスカーは嗅ぎ分けているのではないかと推測している。戦場では先の長くない負傷兵からは甘い匂いが漂ってくるという衛生兵の談話も紹介している。しかし、それだけではオスカーの不思議な能力は説明できない。危篤患者が2人いる場合は、オスカーは身寄りのいないコドクな患者のベッドを選ぶのだ。オスカーはホスピス内で自分がやらなくてはいけない任務を熟知しているらしい。  本作を見終わって写真家アラーキーこと荒木経惟氏の言葉が思い浮かんだ。アラーキーは人妻熟女だけでなくネコ好きでも知られる。野良ネコのいる風景を撮り続けた『東京猫町』(平凡社)はネコ好きにはたまらない写真集だ。路地裏に佇むネコたちを追った『東京猫町』の中でアラーキーは、"猫が歩いている町はイイ町なのです"と語っている。"猫が消えちゃったら東京は廃墟になっちゃうんだろーニャア"とも言う。東京から、日本から、ネコがいなくなりませんように。 (文=長野辰次)
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(c)Jerome Jouvray
『ネコを探して』 監督/ミリアム・トネロット 出演/"駅長"たま、"おくりねこ"オスカー、"鉄道員"エリカ、"カメラねこ"ミスター・リー、"お泊りねこ"ジンジャー、鹿島茂、石野孝ほか 配給/ツイン 渋谷シアターイメージフォーラムほか全国順次公開中 <http://www.neko-doko.com>
東京猫町 にゃあ~ amazon_associate_logo.jpg
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』 [第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』 [第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』 [第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』 [第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

飼い主の自己満足に終わらない!"究極の愛犬家アイテム"とは?

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『Dreams for Dogs』(ハッツ・アンリミテッド))
 少子高齢化にあって、今やペットの数が15歳未満の子どもの数を上回ると言われるペット大国・ニッポン。  最近では、マンションでも犬や猫が飼えるようになるなど、動物好きにとってはうれしい環境が整いつつあるが、そんななか、"究極の愛犬家アイテム"として注目を集めているCDをご存じだろうか? そのCDとは、『Dreams for Dogs』(企画・販売元:ハッツ・アンリミテッド)。 「犬と一緒にゆっくりした時間が過ごしたい」「犬にもリラックスした時間を与えてあげたい」という飼い主のリクエストのもと、帝京科学大学アニマルサイエンス学科とレコードメーカーが共同で開発したインストゥルメンタル・アルバムで、チャイコフスキーの「花のワルツ」や、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」ほか、一般にもお馴染みのクラシックが収録されているのだが、単に癒し系楽曲を並べただけでなく、これらの音源に"特殊な効果音"をプラスしているというのだ。  具体的にどんな音かと言えば、犬の鳴き声をはじめ、"街のざわめき"とでも表現すべき音がクラシック音楽の背景からかすかに聴こえてくる......というもの。完全な静寂より、ほどよい雑音の中のほうがかえって眠気を誘うように、その効果音がなんとも絶妙な心地よさを演出するようで、さっそくyou tubeでもこのCDを聴きながらスヤスヤと眠りにつく小犬の姿が紹介されているほどなのだ。  実はこのCD、2007年に第一弾がリリースされるや、"眠ってしまうため最後まで聴けない、究極の快眠CD"として話題を集め、同年度の日本ゴールドディスク大賞でインストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した『Dreams』シリーズの第3弾。シリーズを通して、医学的・科学的実験データをもとに制作されているのが特徴で、実際、第1・2弾では、海外旅行の悩みである「機内でいかにぐっすり眠るか?」をテーマに、4カ月間で約170回の睡眠実験を繰り返したそうだが、今回の『Dreams for Dogs』でも、約5カ月の間、何種類もの音源をさまざまな犬種に聴かせてその活動量を計測したという。  それだけにその効果にも納得だが、さらに今回の実験は、今年7月にスウェーデンで開催されたIAHAIO(人と動物の関係学会国際会議)で日本の代表研究として採択されたとのことで、企画・販売元のハッツ・アンリミテッドは、「多数の研究論文の中からこの実験報告がとり上げられ、発表されることは、このCDの犬への効果が国際的にも注目されていることを裏づけるもの」と自信を覗かせている。  飼い主ともどもリラックスできるうえ、ひとりぼっちの不安が和らぐことから愛犬のお留守番時にも最適というこのCD。ストレス社会に生きる今どきのワンコちゃんには、オシャレなペット服よりこっちのほうが必須かも!?
Dreams for Dog 癒やされたい......。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 年間150億!「50年間発病ゼロ」狂犬病予防行政の実態は獣医師の利権確保?(前編) 死んだペットは「ご遺体」?「ゴミ」? ペット大国日本に突きつけられた問題

年間150億!「50年間発病ゼロ」狂犬病予防行政の実態は獣医師の利権確保?(後編)

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前編はこちら  これら死亡原因が狂犬病ワクチンであると科学的に断定するには、「死亡例のサンプルを収集し、ウィルス学的、免疫学的、病態学的、病理組織学的根拠を出す必要がある」(獣医学研究者)というものの、現状ではそこまでの実験を農水省は行っていない。ただ、「いずれにしても副作用が強いことは事実だし、何よりこうした情報が飼い主たちへ十分に周知されていない」(同)と指摘する声もある。  副作用で死亡する可能性がある危険な薬が横行している現状について、「ワクチン代で稼ぐ獣医師たちの利権が背後にある」というのは、前出の「公益財団法人どうぶつ基金」理事長の佐上氏だ。 「予防注射の代金は2,500円~3,000円ですが、ワクチンの仕入れ価格は約300円。ほとんど技術料です。注射を受ける犬の数が全国で年間約500万頭なので、原価との差額が2,500~3,000円とすれば単純計算で120~150億円の利権が存在することになる。集団接種の場合、各地の獣医師会が地元保健所から委託されて仕切り、獣医師会に一旦プールしたお金から日当として各獣医師へ配当されるのが一般的。予防注射が4~6月に行われるため、獣医師業界では『春のボーナス』と呼ばれています」  日本全国の獣医師に絡んだ"利権"150億円という数字が莫大かどうかは判断が分かれるところだが、あくまで春の臨時収入という前提と、仕入れ価格が300円前後であることを勘案すれば、極めて高い利益率であることは間違いない。さらに言えば、300円という原価でありながら3,000円前後に設定している注射代金の根拠もあいまいだ。関東の複数の保健所に電話で問い合わせたところ、「ずっと前からそうしている」を繰り返すだけで、どこも積算根拠は「特にない」との回答だった。  また、甲信越地方のベテラン保健所職員は次のように言う。 「保健所が金額のことをとやかく言って獣医師会がヘソを曲げたら困る。限られた期間で、法で定められた注射を済ますには獣医師会に頼むしかないのだから。地元に獣医師会は一つしかないので、行政はどうしても立場が弱くなる。うちの地域はまだいいほうだけど、よその県では獣医師会がえらい威張ってるとこがあるらしいからね」  佐上氏は言う。 「6割が予防接種を受けていない状態で、狂犬病発生が50年間ゼロというのが何よりのケーススタディ。今後も発生する可能性は限りなくゼロに近い。発病すれば死亡するのも事実ですが、実は噛まれた後からでも発病までの数週間から数カ月以内にワクチンを打てば、ほぼ100%完治する珍しい病気なんです。でもそういう営業上都合の悪いことはほとんど知らされない。万が一狂犬病が発生しても事後の対処で十分です。それより、犬が副作用で死んでしまうリスクのほうが大きいという合理的な考えから、日本以外の根絶国では義務化を廃止していると考えられます。日本でも、死んでいく犬の命の重さを考えた法改正が必要です」  3月24日に参議院会館で行われた民主党議員による「犬や猫等の殺処分を禁止する議員連盟」(座長:生方幸夫副幹事長)の勉強会へ講師として呼ばれた佐上氏は、集まった30人ほどの議員を前にして次のように語った。 「およそ800万頭近い犬が注射を受けていないのに、狂犬病にかかる犬が50年間一匹もいない。先進国の狂犬病根絶国で狂犬病ワクチンを毎年義務化している国は日本だけです。いまだ狂犬病があるアメリカでさえ、動物愛護協会が3年に一度の摂取を推奨しているだけ。オーストラリアでは副作用の危険性から使用を差し控えているという話もある。それほど危険な薬が獣医師の利権のために使用され続けていることが大きな問題です。また、鑑札や注射済票が無い犬は、捕獲されると狂犬病の疑いがあるという前提で検診もされずに殺処分されてしまう。動物愛護法の精神にも矛盾します。狂犬病予防法5条、6条を早急に改正して注射の義務化を廃止するとともに、施行後60年が経過して賞味期限切れとなった法律全体を、抜本的に見直すことが必要です」  議員立法を経て法改正までたどりつかなければ、犬を「死」という副作用から守ることは不可能なのだろうか。佐上氏は続ける。 「いえ、現行法のままでも飼い主が愛犬を守る方法はあります。狂犬病予防接種は法により義務付けられてはいますが、例外として副作用を伴う疑いがある場合は接種しなくてもいいことになっています。飼い主さんはワクチンが死を伴うリスクがあることを理解して、獣医師による十分な診断のうえで摂取を受けるべきでしょう」  都内の獣医師に以上の話をぶつけてみると、匿名を条件に次のように本音を語ってくれた。 「飼い主を欺いて利権確保する今のやり方を時代遅れと感じてる獣医師も最近は多い。それに、"本業"でしっかり儲けてる都市部の獣医師は"春のボーナス"のありがたみが無いから、獣医師会に加盟しない人も少なくない。都心部では加盟率70%くらいだと聞く。独力で稼げる医師と、獣医師会に頼らざるをえない層との二極化が進み、会自体が弱体化してるとも言われている。獣医師会のボス連中は現行法を堅持するため旧与党の代議士に献金したり、関係省庁にロビー活動をしてきたと聞いたことはあるけど、自分らは詳しいことは知らない。それに政権も変わったし、今後はどうなるのか......」  永住外国人地方参政権や夫婦別姓など「トンデモ法案のゴリ押し」(自民党若手議員)や、普天間基地の移設や子ども手当ての支給などで迷走続きの民主党。支持率も17.2%(4月16日・時事世論調査より)と超低空飛行を続ける中で、今夏の参院選に大きく不安を残しているのが現状だ。  前述の議員会館での勉強会の後、薬害肝炎訴訟の福田えりこ議員と言葉を交わす佐上氏の姿があった。 「薬品会社や医師の利益のために副作用を無視して命が奪われていく構図は、薬害肝炎と同じですねと言うと、福田さんは大きくうなずいてくれました。ペット業界団体や獣医師会とのしがらみのない若い議員に期待したいです」  参院選へ向けて亀井静香金融担当相が取り込みを図っていると言われる郵政票が最大でおよそ100万票。一方、飼い犬登録数から勘案される犬の飼い主の総数は、その10倍となる約1,000万人だ。全国の「飼い主票」獲得へ向けた政策提言は、党の支持率回復へ向けた起爆剤となる可能性を秘めていると言えるだろう。 (文=浮島さとし)
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年間150億!「50年間発病ゼロ」狂犬病予防行政の実態は獣医師の利権確保?(前編)

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 ペット大国と言われる日本。街を歩いて散歩中の犬に出くわさない日はない。  (社)ペットフード協会の調べでは、2008年の日本国内における犬猫飼育頭数は約2,683万9,000頭(犬:1,310万1,000、猫:1,373万8,000)。また、(株)矢野経済研究所が調べたペットフード、ペット用品、生体などを含めた08年度ペット関連市場は1兆1,371億円。02年度と比較して、実に15%も拡大している。  日本でペット頭数が増え続けている理由について、矢野経済研究所は調査結果の中で、「社会環境が変化し、家族とのつながりが以前より希薄になってきている中で、近年ペットをパートナーとして家族同様に扱い、また同時にペットに"癒し"を求める傾向が強まっている」と分析。世知辛い世の中で生きる現代人にとって、心を癒してくれるペットは生きるうえでのパートナーというわけだ。  人間社会に欠かすことができないペットゆえに、一緒に暮らすからには「家族」としての義務も求められる。その代表例の一つが、犬の登録と狂犬病予防注射だ。狂犬病予防法では、生後90日を経過した犬には、市町村への登録と年一回の狂犬病予防注射が義務付けられている。罰則規定もあり、違反者には20万円以下の罰金というから、けっこう厳しいのだ。  ところがこの予防注射、法律で義務付けられているものの、全国すべての飼い主が遵守しているわけではない。埼玉県に住む40代男性は、これまで飼った3頭の犬に、ほとんど注射を受けさせたことがないという。 「年3,000円の予防注射代がもったいないわけじゃない(笑)。単純に必要ないですよ。日本では狂犬病は50年以上前に根絶している。年一回の義務化は過剰だと思う。そもそも、狂犬病予防法ってサンフランシスコ講和条約の時代にできた法律でしょう。当時は必要だっただろうけど、なぜ見直しがされないのかむしろ不思議」と訝しがる。  また、都内で2匹のミニチュアダックスを飼っている30代女性も、注射を受けたのは最初の1回だけ。今後は受けるつもりはないという。 「アメリカから来た友達に話したら『信じられない』と驚かれて、初めて日本が特殊なんだと知った。アメリカでは狂犬病はまだ根絶されていないけど、3年に1度でいいらしい。それでも狂犬病が蔓延したという話はない。ググってみたら、こんなことしてるの日本だけみたい」  法律が過剰なのか飼い主のエゴなのかの議論はさておき、たしかに狂犬病予防法が施行されたのは1950年。国内における狂犬病患者は1956年を最後に確認されていない。半世紀以上前に根絶されている狂犬病の予防接種が、今も法律で毎年義務付けられていることについて、監督官庁である農水省はどう考えているのか。 「根絶したから必要ないと言いますが、毎年徹底した予防行政を行っているから抑えられているんです。それに、中国や韓国、インドネシアなどでは発生が増えており、近隣アジアとの交流が活発な現代では予断は許さない。狂犬病は一度発生してしまったら助かることがない恐ろしい病気ですから、年一回の予防注射は必要だと考えています」(畜水産安全管理課)  しかし、国内約1,300万頭の飼い犬のうち予防注射を受けているのは、実は全体の4割程度に過ぎない。1,300万頭の6割にあたる約780万頭が、注射を受けずに"放置"されていることになる。にも関わらず狂犬病の発生はゼロなのだ。これについて同省は「今まで無いからこれからも無いとは言えない。たまたま出なかったとも言える」と譲らない。神奈川県内のある獣医師はこれについて「うーん、奇跡ということでいいんじゃないの?」と笑顔で答えてくれた。果たして、年一回の予防注射義務化は本当に必要なのだろうか。  これについて、ワクチンの安全性という面から警笛を鳴らすのは、「公益財団法人どうぶつ基金」の佐上邦久理事長だ。 「予防注射に使われる狂犬病組織培養不活化ワクチンは、意外に知られていませんが、非常に副作用の強い危険な薬なんです。イギリスの調査報告[http://www.bogartsdaddy.com/bouvier/Health/vaccination-concerns-uk.htm]によると、ワクチンの副作用として大腸炎やてんかん、脳障害、心臓病、すい臓病などが報告されています。また、アメリカでもてんかんや筋肉の脱力脳脊髄炎、意識喪失、死亡などが報告されています。最悪の場合はショック死する犬もいるのです」  海外で衝撃的な事例が報告されている狂犬病ワクチン。日本国内も例外ではない。農林水産省動物医薬品検査所のホームページでは、「副作用情報データベース」のコーナー[http://www.nval.go.jp/asp/se_search.asp]で、薬品による様々な副作用事例を公開している。試しにキーワード欄に「狂犬病」と打ち込んで検索してみると、平成14年から現在まで145件(4月16日現在)の狂犬病予防注射による副作用報告が抽出され、その半数以上が「摂取後に死亡」していることがわかる。  たとえば、平成20年10月29日に報告された雌のチワワ(5月齢)の死亡例では、注射後に「嘔吐、脱糞が認められていることや病理解剖所見より、ワクチンによる遅発性のアナフィラキシーショックの可能性が高い」としたうえで、ワクチンとの因果関係について「因果関係があると考えられる」としている。また、平成20年5月4日に報告された雄のウェルシュコーギー(9歳)では、注射後に「多量の血様液(ピンク色)が鼻より流出」して死亡し、「ワクチンに対するアレルギーが原因となって発症したという可能性が否定できない」との所見が記録されている。 (後編につづく/文=浮島さとし)
狂犬病再侵入―日本国内における感染と発症のシミュレーション 噛まれるのはマジ勘弁!!! amazon_associate_logo.jpg
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