桐谷美玲が4月期にフジテレビ系でオンエアされる連続ドラマ『人は見た目が100パーセント』(木曜午後10時~)で主演を務めることがわかった。 同ドラマの原作は、2014年から女性コミック誌「BE・LOVE」(講談社)で連載され、昨年までに単行本が4巻出されている大久保ヒロミ氏の同名漫画。作中で主人公たちは「女子モドキ(JSM)」と称され、10~40代の女性から多くの支持を集めている。 桐谷が演じる主人公・城之内純は、製紙会社に勤務するマジメで、見た目は冴えない“リケジョ”の研究員。研究に没頭し、「女子力」や「美」に背を向けた人生を歩んできたばかりに、おしゃれ偏差値が最底辺になってしまった。しかし仕事の都合から、自分は「女子」ではなく、「女子モドキ」なのかもしれないことに気がつき、研究室の同僚女子2人と一緒に流行のメイク、ファッション、美容など「美の特別研究」を始めることになる。彼女たちは女性たちが求める「美」を自分たちのものにして、「ステキ女子」になれるのか、イケメン男子との素敵な恋の機会は訪れるのか、といったところが見せ場となるラブコメディーだという。 桐谷はフジでは、15年9月から11月に放送されたNetflixとのネット連動ドラマ『アンダーウエア』で主演するも、ゴールデン帯で放送されていた再編集版は、最終話が土曜日の日中へとスライドしたこともあり3%台を記録するなど大爆死。昨年7月期には、看板枠の“月9”『好きな人がいること』で主演したが、全話平均8.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、これまた爆死している。テレビ朝日系では、昨年1月期に金曜ナイトドラマ『スミカスミレ 45歳若返った女』で主役を務めたが、平均6.5%とイマイチで、すっかり“低視聴率女優”のレッテルを貼られてしまった感がある。 近年、フジはドラマの視聴率低迷で、大物俳優・女優を次々に潰してしまい、オファーをかけても、主役級の俳優・女優から断られまくっているともいわれている。そんな背景もあり、フジは数字を取れないのがわかっていても、ネームバリューはそれなりにある桐谷に声をかけたものと思われる。 今回、桐谷が主演する「木10」枠は、「日9」ドラマほどではないものの、まるで数字が取れていない。この枠で最後に視聴率2ケタ台に乗ったのは、14年10月期『ディア・シスター』(石原さとみ&松下奈緒主演)までさかのぼらなければならない。15年1月期から前クールまで、8期連続で1ケタ台が続いており、その間には北川景子、篠原涼子、松嶋菜々子、天海祐希らの大物に、ことごどく赤っ恥をかかせてきた。今クールの『嫌われる勇気』(香里奈主演)も、初回=8.1%、第2話=6.4%と低調で、まさに“鬼門”となっており、同枠での主演は役者側に大きなリスクがある状況だ。 ほとんど爆死濃厚ともいえるフジのオファーを桐谷が断れないのは、なぜなのか? 「そもそも数字を持っていない桐谷が爆死したところで、そんなに大きなダメージはありません。『フジだから視聴率が悪かった』との言い訳もできます。松嶋や天海らの超大物とは、置かれている立場も違います。それだったら、オファーを受けた方が得策なのです。所属事務所スウィートパワーからしてみれば、エースの堀北真希が妊娠・出産で休業状態にあるため、桐谷と黒木メイサには稼いでもらうしかありません。その黒木も第2子の妊娠が判明し、桐谷は“頼みの綱”なのです。そういったこともあり、せっかくの主役オファーを桐谷が断れるような状況にはないのでしょう」(テレビ制作関係者) 今回のドラマで、桐谷は「女子力ゼロのリケジョ」役に挑むわけだが、昨年12月には、美容雑誌「VOCE」(講談社)が選ぶ「2016年最も美しい顔」を受賞するなど、ルックスだけは多くの同性、異性から好まれているだけに、視聴者から「桐谷が女子力ゼロとかリアリティがなく、感情移入できない」「フェリス女学院文学部出身の桐谷がリケジョ役って、イメージできない」などと揶揄されそう。まだ相手役も発表されていない段階だが、今度こそは悲願の視聴率2ケタ獲得はなるか、注目されるところだ。 (文=田中七男)
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草なぎ剛『嘘の戦争』にキムタクが出演中!? たった14分で“上げて落とす”天才詐欺師に感服
元SMAP・草なぎ剛が男の色気ムンムンで詐欺師を好演している『嘘の戦争』の第3話。平均視聴率は前回から0.7%ダウンの11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 30年前に家族を殺された主人公が、事件に関わった人物を次々と懲らしめていく同作ですが、今回のターゲットは、六平直政演じる三輪警部補。三輪は、9歳の浩一(草なぎ)に「犯人は父」と偽証させた張本人ですから、浩一の恨みは相当のものでしょう。それより、30年前の回想シーンにも登場する六平ですが、まんまのルックスで29歳と言い張るとは、なんとも潔いですね。さて、あらすじを振り返りましょう。
たった14分でエグイ復讐!
今回の復讐は、三輪をヒーローに仕立て上げるところからスタート。三輪は、浩一が公園に仕掛けた爆弾を発見。身を挺して市民を守ったことで、マスコミに囃し立てられます。浩一いわく、「人は、褒めた後に叩くの好きだから……」だそう。共感しきりです。 これまでのターゲットは、買春に明け暮れていたり、不正な金を受け取っていたりと、欲深い悪者たちでしたが、三輪はいたって真面目な刑事。それでも「みじめに泣き叫ぶ姿をこの目で見たい!」と復讐心に燃える浩一は、三輪の“心の隙間”を探るため、三輪家の墓へ。浩一が「超アナログだけど、墓には意外な情報が埋もれていることがある」と言う通り、墓石に刻まれた情報から、三輪の娘が1歳で亡くなっていることを突き止めます。 ここからは、畳み掛けるように三輪を転落させていく浩一。“ファミレスの店長をクビになった一色祐一”という架空の男になりすまし、三輪の懐にスルスル~。三輪の携帯電話に少年が着替えている写真のデータを入れ、盗撮犯に仕立て上げます。ドラマ開始14分で、三輪は一度持ち上げられて、落とされてしまいました。三輪が超いい人なだけに、かわいそうです。 さらに、味方のフリをしながら、三輪を寝不足の“ぼんやりさん”にしてしまう浩一。いわく「人から判断力を奪う方法は、何日も寝させない状態を作ること」だそうです。鬼畜! その結果、三輪は週刊誌記者(ISSA似)をブン殴ってしまいます。 その後も、ハルカ(水原希子)のスカートの中を盗撮した犯人にされるなど、踏んだり蹴ったりの三輪。そこで、はたと浩一が30年前の少年であることに気付きます。それでも、浩一を責めるどころか、“報いを受け入れる”ことを選び、涙を流しながら謝罪する三輪。もう、見も心もボロボロです。マンネリ知らずの脚本
生まれつき心臓に問題のある娘がいた三輪は、30年前に二科興三から「アメリカで移植手術の手配をするよ」と持ちかけられ、事件の隠蔽に加担したのだとか。しかし、結局、娘は手術前に亡くなってしまいました。三輪は罪を犯しながらも、何ひとつ得しなかったということですね。 これまで、「悪者を懲らしめる」という話が続いていましたが、ここにきて「30年前に一度だけ罪を犯した。けど、超いい人」が出てきました。これには、やられたって感じです。脚本が高く評価されている『嘘の戦争』ですが、第3話にしてさらに「マンネリ化することはない」と確信しましたよ、ええ。 それにしても、ニシナコーポレーション社長・隆(藤木直人)の疑り深さが底なしでいいですね。第3話で、ついに浩一の写真を内ポケットに忍ばせ始めた隆に、愛おしささえ感じてしまいました。最初は敵だと思っていたのに、浩一にしてやられることが目に見えているためか、今はほっこりキャラに見えます。 そんな、仕事そっちのけで浩一のことばかり考えている隆ですが、だからこそ、今回は三輪の自殺未遂現場に駆けつけることができました。隆の疑り深さが、命を救ったわけです。いい話ですねえ。鳥の声はキムタク?
ネット上では、不倫していない方のマギー演じるユウジが経営するバー「800」で飼われている、おしゃべりオウム(インコ説あり)の声の主について、予想合戦が繰り広げられています。 大方の予想は、「元SMAPの誰かでは?」というもので、中でも木村拓哉と香取慎吾が有力視されているようです。 木村かもしれない理由は、2000年に草なぎが主演を務めた連ドラ『フードファイト』(日本テレビ系)で、木村が九官鳥の声を務めていたから。この時は、最終回のエンドロールで、初めて木村だったことが明かされました。 確かに、『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)で主演中の木村がオウムの声を務めていたら「なんて面白いんだ!」と話題になるでしょうし、「本当はSMAPって仲いいんだよ~」とアピールできますから、一石二鳥かもしれません。 ただ、元SMAPのメンバーは、ラジオ番組をやっている草なぎと香取以外、“共演NG”とのウワサも。ただ、中居正広や稲垣吾郎の可能性だってありますし、「実は、草なぎが主役とオウムの2役やっていた! 詐欺師として、視聴者を騙していたのだ!」なんて線も捨てきれません。 でも、普通に山寺宏一とかだったらどうしましょう……。その時は、歴史に残るジャニヲタのズッコケぶりが見られそうですね。 いろいろな復讐のパターンだけでなく、復讐される側にもドラマがあることを見せてくれた第3話。そして、次回のターゲットは、ジュディ・オング演じる代議士だそうです。ジュディ・オングといえば、シリーズ前作『銭の戦争』でも金貸し役で出ていましたね。何かリンクしている部分でもあるのでしょうか? 放送を楽しみに待ちたいと思います。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)“フジ月9”初回最低視聴率を更新した『突然ですが、明日結婚します』 演技素人の山村隆太がフルボッコに
西内まりやが主演するフジテレビの月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』が23日に放送開始。初回視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、前クールのHey!Say!JUMP・山田涼介主演『カインとアベル』の8.8%を下回り、月9の初回最低視聴率を更新した。 その『カインとアベル』は全話平均8.2%で、月9史上ワースト視聴率に終わったが、『明日結婚します』もまた、その記録を更新しかねないほど不安なスタートとなった。 そもそも、主演に内定していた竹野内豊がそれを断ったため、キャスティングが難航したといわれているが、その影響もあって、主役は西内、準主役は演技経験がないロックバンド・flumpoolのボーカル・山村隆太のコンビという、フジの看板ドラマとしては、なんとも厳しい配役となった。 脇役陣で、なんとか沢村一樹、杉本哲太、山崎育三郎、高岡早紀ら、ネームバリューのある俳優・女優のキャスティングにこぎ着けたが、メーンストーリーには絡まないため、彼らが生かされないのが実情だ。 同ドラマの原作は、「プチコミック」(小学館)で連載中の宮園いずみ作の同名漫画。大手銀行に勤務する主人公・高梨あすか(西内)は人一倍結婚願望が強く、「結婚したら専業主婦になること」が夢。5年交際した彼氏からのプロポーズ待ちだったのに突然フラれ、婚活を始めるが、ことごとく惨敗。そんな折、「結婚したくない男」であるキー局・TNNの人気イケメンアナウンサー・名波竜(山村)と付き合うことになり、価値観が違う2人の恋愛模様を描いたラブストーリーだ。 視聴者のネット上での反応は、「山村はヘタすぎだし、滑舌悪いし、恥ずかしくて見ていられない」「flumpoolの人はセリフ棒読みで、まったく感情移入できない」「わざわざミュージシャンを抜擢するくらいだから、どんだけイケメンなのかと思ったけど、そんなに格好良くないし、演技も素人に毛が生えた程度」「アナウンサー役の人、演技はダメでも容姿が良ければいいかって思ったけど、たいしたことなかった」「西内の相手役、演技初挑戦らしいけど、学芸会じゃないのよ。公共の電波に乗っちゃうんだよ!」といった調子で、山村がフルボッコに遭っている。 「山村は福山雅治と同じアミューズ所属。昨年4月期に放送された『ラヴソング』は大爆死になってしまい、主演の福山に赤っ恥をかかせてしまいました。今回フジが演技経験ゼロの山村を準主役で抜擢したのは、そのときの贖罪ともいわれているようです。flumpoolはそれなりのヒット曲もありますし、『NHK紅白歌合戦』にも3回出てますが、なんせ一般的な山村のネームバリューは高くありません。その意味では、たとえ視聴率が悪かろうが、演技が酷評されようが、知名度アップにはなりますので、所属事務所的には、それでもいいのでは?」(スポーツ紙記者) 前評判では『カインとアベル』以下ともいえる『明日結婚します』だが、今後も苦戦するのは必至の情勢。なんとか一矢報いてほしいものだが……。 (文=田中七男)フジテレビ系『突然ですが、明日結婚します』番組サイトより
“フジ月9”初回最低視聴率を更新した『突然ですが、明日結婚します』 演技素人の山村隆太がフルボッコに
西内まりやが主演するフジテレビの月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』が23日に放送開始。初回視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、前クールのHey!Say!JUMP・山田涼介主演『カインとアベル』の8.8%を下回り、月9の初回最低視聴率を更新した。 その『カインとアベル』は全話平均8.2%で、月9史上ワースト視聴率に終わったが、『明日結婚します』もまた、その記録を更新しかねないほど不安なスタートとなった。 そもそも、主演に内定していた竹野内豊がそれを断ったため、キャスティングが難航したといわれているが、その影響もあって、主役は西内、準主役は演技経験がないロックバンド・flumpoolのボーカル・山村隆太のコンビという、フジの看板ドラマとしては、なんとも厳しい配役となった。 脇役陣で、なんとか沢村一樹、杉本哲太、山崎育三郎、高岡早紀ら、ネームバリューのある俳優・女優のキャスティングにこぎ着けたが、メーンストーリーには絡まないため、彼らが生かされないのが実情だ。 同ドラマの原作は、「プチコミック」(小学館)で連載中の宮園いずみ作の同名漫画。大手銀行に勤務する主人公・高梨あすか(西内)は人一倍結婚願望が強く、「結婚したら専業主婦になること」が夢。5年交際した彼氏からのプロポーズ待ちだったのに突然フラれ、婚活を始めるが、ことごとく惨敗。そんな折、「結婚したくない男」であるキー局・TNNの人気イケメンアナウンサー・名波竜(山村)と付き合うことになり、価値観が違う2人の恋愛模様を描いたラブストーリーだ。 視聴者のネット上での反応は、「山村はヘタすぎだし、滑舌悪いし、恥ずかしくて見ていられない」「flumpoolの人はセリフ棒読みで、まったく感情移入できない」「わざわざミュージシャンを抜擢するくらいだから、どんだけイケメンなのかと思ったけど、そんなに格好良くないし、演技も素人に毛が生えた程度」「アナウンサー役の人、演技はダメでも容姿が良ければいいかって思ったけど、たいしたことなかった」「西内の相手役、演技初挑戦らしいけど、学芸会じゃないのよ。公共の電波に乗っちゃうんだよ!」といった調子で、山村がフルボッコに遭っている。 「山村は福山雅治と同じアミューズ所属。昨年4月期に放送された『ラヴソング』は大爆死になってしまい、主演の福山に赤っ恥をかかせてしまいました。今回フジが演技経験ゼロの山村を準主役で抜擢したのは、そのときの贖罪ともいわれているようです。flumpoolはそれなりのヒット曲もありますし、『NHK紅白歌合戦』にも3回出てますが、なんせ一般的な山村のネームバリューは高くありません。その意味では、たとえ視聴率が悪かろうが、演技が酷評されようが、知名度アップにはなりますので、所属事務所的には、それでもいいのでは?」(スポーツ紙記者) 前評判では『カインとアベル』以下ともいえる『明日結婚します』だが、今後も苦戦するのは必至の情勢。なんとか一矢報いてほしいものだが……。 (文=田中七男)フジテレビ系『突然ですが、明日結婚します』番組サイトより
“嫌われている自覚”あり!? 香里奈『嫌われる勇気』8.1%発進も、フジテレビ局内では「意外と高い」と……
「初回視聴率は8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でしたが、局内では『意外と高かったな!』という好意的な意見が多かったですね。2ケタを切っているのに、こんなこと言うなんて、今のうちの惨状を如実に表しているんじゃないですかね」(フジテレビ関係者) 香里奈が主演する連続ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)。心理学者アルフレッド・アドラーの「アドラー心理学」をわかりやすく解説したベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)を刑事ドラマにした、1話完結型のミステリーだ。 「そもそも、自己啓発本を題材にするという発想からして、ワケがわからないですよね。事実、第2話は6.4%と、さらにダウン。迷走続けるフジテレビを揶揄して、『もう十分嫌われてるよ』なんて言う人が多いですね」(芸能事務所関係者) 実はドラマの制作にあたって、フジテレビはあるところに頭を下げているという。 「それが東映なんです。東映といえば、テレビ朝日とタッグを組んでいる『相棒』が有名ですが、フジテレビがアニメ以外で東映と組むことは珍しいんです。東映も、最近『相棒』の視聴率が下がってきているので、新しい刑事物を作りたかったんでしょうけど、よりによって香里奈主演で自己啓発本が原作では、厳しいですよね。完全に見誤りましたね」(テレビ局関係者) 東映にまで、嫌われなければいいのだが……。
日テレ『鉄腕!DASH!!』に惨敗の大河ドラマ『おんな城主 直虎』 望みは子役による演技終了後か
放送開始したばかりのNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(柴咲コウ主演)の苦戦が続いている。初回は16.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、今世紀の大河では歴代ワースト2位のスタート。第2話では15.5%に下がり、22日放送の第3話では14.3%まで落ち込んだ。 裏の日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!! DASH島に産業革命起こせ!2時間スペシャル』はマンネリ感が否めなかったが、それでも21.2%の高視聴率をマークし、『直虎』は惨敗を喫した。 近年の大河ドラマの中で第3話までに15%を割ったのは、歴代ワースト視聴率(全話平均)を記録した『花燃ゆ』(2015年/井上真央主演)の第2話(13.4%)以来のこと。その『花燃ゆ』と並んで、歴代ワーストの『平清盛』(12年/松山ケンイチ主演)でさえ、第5話までは15%を超えていたのだから、いかに『直虎』の出足が悪いかが如実にわかる。 脚本家・森下佳子氏の「直虎の子ども時代は重要」との強いこだわりで、第4話までは子役による演技が続く。主人公である井伊直虎役の柴咲はもちろんのこと、重要な登場人物である、いいなずけの井伊直親(亀之丞)役・三浦春馬、幼なじみの小野政次(鶴丸)役・高橋一生も、まだ出てきていない。さすがにこの条件下では、視聴率が低迷するのも当然のことなのだろう。 「『直虎』は第4話でも苦戦するのは間違いないでしょう。本当の勝負となるのは、柴咲、三浦、高橋が登場する第5話以降となります。ただ、その前の段階で、『今年の大河はつまらない』と脱落した視聴者も少なくないわけで、果たしてどこまで戻ってくるかがカギ。問題なのは、『花燃ゆ』の杉文(吉田松陰の妹)同様、直虎は歴史上、著名な人物ではないだけに、そもそも視聴者が今年の大河に関心を示しておらず、それが低視聴率につながっているとも考えられます」(テレビ誌関係者) そういった意味では、ポイントとなるのは第5話の視聴率。ここが、『直虎』が巻き返せるか、はたまた、このまま沈んでしまうのかの分岐点になりそうだ。 (文=田中七男)NHK『おんな城主 直虎』番組サイトより
8.5%ショック!史上最低スタートの月9『突然ですが、明日結婚します』の“危うい”原作改変とは
いろいろ悶着があってスタートの遅れた月9『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)も、ようやく開始。西内まりやとflumpool・山村隆太がメーンキャストという前代未聞のバリューのなさもあって、第1回の視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と同枠の第1話史上最低を記録。なんかもう、去年から何度「月9ブランド崩壊か!?」って書いたかわからないですが、今年はホントに月9枠の存亡が問われることになりそうな雲行きです。 それはそうと、このドラマの制作発表があったとき、「おっ」と思ったんですね。脚本のクレジットに倉光泰子さんが入ってる。去年の春クールの福山雅治主演『ラヴソング』で、当時の通話最低記録である8.5%を記録した脚本家さんです。この名前を見て「おっ」と思ったんです。 とはいっても、「フジテレビどんだけ人材不足なんだよプゲラwww」というわけではありません。『ラヴソング』の最終話レビューでさんざん書き散らかしましたが(記事参照)、あのドラマって、明らかに4話あたりから変節していったんですね。 後になって、いろんな都合があったであろうことは垣間見えてきましたが、とにかく脚本家が場当たり的な制作陣の要求に苦しんで、無理くりに急ごしらえの脚本を組み立てていたのが、視聴者にも丸わかりな出来だったんです。8話以降はもう、物語の体裁をなしていない状態でした。だから、倉本さんは悔しかっただろうな、フジテレビはもう1回、ちゃんとこの脚本家さんにリベンジの機会を与えるべきだな、と思ってた。そんなこともあって、1年もたたない間に、ふたたび倉本さんにチャンスを与えたフジテレビに(もちろん人材不足もあるんでしょうけれども)、「おっ、やるじゃん」「筋を通したな」と思ったんです。 そんなわけで、『突然ですが、明日結婚します』第1話です。 27歳の高梨あすか(西内)は成績優秀な銀行員。夢は「結婚して専業主婦になること」ですが、5年付き合った彼氏に誕生日デートでいきなりフラれ、傷心中です。 そんなあすかが参加した友人の結婚式で、司会を務めていたのが“ナナリュー”こと名波竜(山村)。赴任先のニューヨークから帰国したばかりの人気アナウンサーです。 式は大詰め、恒例のブーケトスに。あすかは花嫁の投げたブーケを横っ飛びでキャッチしますが、そのままプールにドボン! ナナリューの「おおーっと、これは想定外のハプニング!」「すばらしいサプライズ演出!」という実況に、会場は大いに沸きました。あすかは当然、ナナリューに対してムカついています。 このナナリューという男は、「結婚のことしか頭にない女なんてほんとやだよ」という人物。つまり、あすかとは対照的な結婚観を持っているわけです。 2人の再会は、意外な形で訪れました。 あすかは、先輩・小野広紀(森田甘路)の家に同僚女性2人とともに集まって「傷心飲み会」をしていたところ、飲み潰れてしまいました。朝方、家主の小野を「小野さーん」と起こしにいくと、いきなり首を引っ掴まれてキスされてしまいます。このキスしたのが、小野ではなくナナリューだったのです。聞けばナナリューは小野の大学時代の親友で、同居中なのだとか。寝ぼけてキスするのは癖だそうで、小野にも10回以上キスしているそうです。 この2度の邂逅を経て、あすかが抱くナナリューの印象は最悪に。一方のナナリューは、あすかの印象なんて特にありません。 後日、改めて小野さんの部屋で「バスケを見る会」が開かれることに。いきなりバスケなのは唐突な感じがしますが、フジテレビは昨年からBリーグ推しなので「若者にBリーグが人気だ」という、いわゆるステマです。 で、その会でナナリューは、先輩キャスター三上(沢村一樹)に「あすかにしろ」「あすかを狙え」とそそのかされ、ソファに座るあすかの横に陣取ってグイグイ来ます。バスケの前半が終わり、あすかは逃げるようにベランダに。 ナナリューがベランダについてきて、あすかにちょっと優しい言葉をかけると、あすか泣いちゃいました。そして、それからあすかは、ナナリューを恋する乙女的な目線で眺めることになります。イチコロです。すっごく簡単な女として描かれてます、このへん。 その後も、ナナリューと一緒に飲み会の買い出しに出ればポテチに伸ばした手がぶつかっちゃって胸キュン。重い荷物を持ってくれれば胸キュン。ついでに、かわいいパッケージのキャンディを見つけて勝手に胸キュンと、27歳の大人とは到底思えない落ち着きのなさを披露。勢い余って、ナナリューに「結婚して専業主婦になる夢」を滔々と語り出してしまいました。 するとナナリューは、「幻想でしょ、そんなの」と、ヒステリーを起こし「結婚のきれいなところ並べてるだけだよ」「結婚の夢なんて聞いてもおもしろくないよ」「結婚なんて意味がない」「もしかして永遠の愛とか信じてる?」「紙っペラ1枚でお互いを縛って」「呪いだよ」「人を不幸にする」などと、あすかの夢をフルボッコにし、ビンタを食らってしまいました。ふたたび、あすかのナナリューに対する印象は「最悪」に。 雨の中、ひとり帰路につくあすか。元カレの家から持って帰ってきた荷物を抱えて、雨に濡れながらトボトボ歩いていると、目の前に傘を持ったナナリューが現れます。傘を差し出し、「さっきはごめん」とナナリュー。あすかのポケットに何かを突っ込んで去っていきます。 ナナリューがポケットに入れてくれたのは、あすかが先ほど「かわいい」と胸キュンしていたキャンディでした。誕生日に失恋したあすかを気遣い、ナナリュー手書きの文字で「happy birthday」と書いてあります。 はい、胸キュン。 で、まあなんやかんやあってナナリューがあすかを抱きしめて「好きになってもいい?」と言いながらキスしようとし、あすかが「私と、結婚する気ありますか」と問い質し「無理」「ふんが!」「最低!」で第1話終了。 ちなみに、ナナリューのニューヨーク行きは栄転ではなく、年上既婚の人気女優・桜木夕子(高岡早紀)と不倫したことによる懲罰だったそうです。 その夕子とナナリューが一緒にMCを務める番組も、もうすぐ始まるそうです。このナナリューの不倫の過去と結婚アレルギーも何か関係あるんでしょうね、というフリになっています。 さて、どうしたものでしょう。 結婚したい女と結婚したくない男……つまり、結婚に対する価値観を共有できない男女が付き合うことになって云々というドラマなわけですが、第1話を見る限り、あすかとナナリューは結婚以外の価値観についても、何も共有していないんですね。何も共有していないというか、話をしてもいない。あすかは寝起きに出会い頭でキスして、優しいこと言われて泣いちゃって、雨の中で傘を差し出されてキャンディをもらったら、もう「急に優しくされたりすると、わけわかんなくなっちゃって」状態で、周囲から「恋の始まりね」と冷やかされる始末。到底、専業主婦を夢見る大人の振る舞いじゃない。 このあたり、気になったので原作をチェックしてみると、こちらでは「結婚以外の価値観」は共有しているんですね。ナナリューが他人の考えを尊重して自分の価値観を押し付けない人であることを、けっこうなページ数をかけて説明したうえで、あすかに「ナナリューが好き」と言わせている。理屈として、原作のあすかはナナリューを「こういう価値観の人と結婚したい」と思ったから「好き」なのであって、合わないのは「結婚に対する考え方」だけ。だからこそ、もどかしい。 という話なのだけど、ドラマ版のナナリューは、めっちゃヒステリックに、あすかと違う価値観を押し付けてくる。ほとんど言葉の暴力ともいうべき勢いで、相手の気持ちを考えることなく、持論を投げつけまくる。で、そのあとに優しい一面を見せて、あすかはコロッといっちゃう。なんだかDVの予感がしますし、「結婚」を語っていくドラマで“イケメンに優しくされたら、理屈抜きに好きになっちゃう”女のコが主人公というのは、これはすごく展開に不安を残す原作改変だと思った次第です。 あと、じゃあナナリューを演じる山村氏がイケメンなのかという問題がありますが、これは個人の趣味趣向もありますのでなんともいえませんけれども、顔面に緊張感がないのが少々気になりました。 かつての不倫相手・夕子と局の廊下ですれ違うシーンがあって、「ピキーン!」という感じのスローモーションで演出しているわけですが、山村氏、口が半開きなんですよね……。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『突然ですが、明日結婚します』番組サイトより
8.5%ショック!史上最低スタートの月9『突然ですが、明日結婚します』の“危うい”原作改変とは
いろいろ悶着があってスタートの遅れた月9『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)も、ようやく開始。西内まりやとflumpool・山村隆太がメーンキャストという前代未聞のバリューのなさもあって、第1回の視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と同枠の第1話史上最低を記録。なんかもう、去年から何度「月9ブランド崩壊か!?」って書いたかわからないですが、今年はホントに月9枠の存亡が問われることになりそうな雲行きです。 それはそうと、このドラマの制作発表があったとき、「おっ」と思ったんですね。脚本のクレジットに倉光泰子さんが入ってる。去年の春クールの福山雅治主演『ラヴソング』で、当時の通話最低記録である8.5%を記録した脚本家さんです。この名前を見て「おっ」と思ったんです。 とはいっても、「フジテレビどんだけ人材不足なんだよプゲラwww」というわけではありません。『ラヴソング』の最終話レビューでさんざん書き散らかしましたが(記事参照)、あのドラマって、明らかに4話あたりから変節していったんですね。 後になって、いろんな都合があったであろうことは垣間見えてきましたが、とにかく脚本家が場当たり的な制作陣の要求に苦しんで、無理くりに急ごしらえの脚本を組み立てていたのが、視聴者にも丸わかりな出来だったんです。8話以降はもう、物語の体裁をなしていない状態でした。だから、倉光さんは悔しかっただろうな、フジテレビはもう1回、ちゃんとこの脚本家さんにリベンジの機会を与えるべきだな、と思ってた。そんなこともあって、1年もたたない間に、ふたたび倉光さんにチャンスを与えたフジテレビに(もちろん人材不足もあるんでしょうけれども)、「おっ、やるじゃん」「筋を通したな」と思ったんです。 そんなわけで、『突然ですが、明日結婚します』第1話です。 27歳の高梨あすか(西内)は成績優秀な銀行員。夢は「結婚して専業主婦になること」ですが、5年付き合った彼氏に誕生日デートでいきなりフラれ、傷心中です。 そんなあすかが参加した友人の結婚式で、司会を務めていたのが“ナナリュー”こと名波竜(山村)。赴任先のニューヨークから帰国したばかりの人気アナウンサーです。 式は大詰め、恒例のブーケトスに。あすかは花嫁の投げたブーケを横っ飛びでキャッチしますが、そのままプールにドボン! ナナリューの「おおーっと、これは想定外のハプニング!」「すばらしいサプライズ演出!」という実況に、会場は大いに沸きました。あすかは当然、ナナリューに対してムカついています。 このナナリューという男は、「結婚のことしか頭にない女なんてほんとやだよ」という人物。つまり、あすかとは対照的な結婚観を持っているわけです。 2人の再会は、意外な形で訪れました。 あすかは、先輩・小野広紀(森田甘路)の家に同僚女性2人とともに集まって「傷心飲み会」をしていたところ、飲み潰れてしまいました。朝方、家主の小野を「小野さーん」と起こしにいくと、いきなり首を引っ掴まれてキスされてしまいます。このキスしたのが、小野ではなくナナリューだったのです。聞けばナナリューは小野の大学時代の親友で、同居中なのだとか。寝ぼけてキスするのは癖だそうで、小野にも10回以上キスしているそうです。 この2度の邂逅を経て、あすかが抱くナナリューの印象は最悪に。一方のナナリューは、あすかの印象なんて特にありません。 後日、改めて小野さんの部屋で「バスケを見る会」が開かれることに。いきなりバスケなのは唐突な感じがしますが、フジテレビは昨年からBリーグ推しなので「若者にBリーグが人気だ」という、いわゆるステマです。 で、その会でナナリューは、先輩キャスター三上(沢村一樹)に「あすかにしろ」「あすかを狙え」とそそのかされ、ソファに座るあすかの横に陣取ってグイグイ来ます。バスケの前半が終わり、あすかは逃げるようにベランダに。 ナナリューがベランダについてきて、あすかにちょっと優しい言葉をかけると、あすか泣いちゃいました。そして、それからあすかは、ナナリューを恋する乙女的な目線で眺めることになります。イチコロです。すっごく簡単な女として描かれてます、このへん。 その後も、ナナリューと一緒に飲み会の買い出しに出ればポテチに伸ばした手がぶつかっちゃって胸キュン。重い荷物を持ってくれれば胸キュン。ついでに、かわいいパッケージのキャンディを見つけて勝手に胸キュンと、27歳の大人とは到底思えない落ち着きのなさを披露。勢い余って、ナナリューに「結婚して専業主婦になる夢」を滔々と語り出してしまいました。 するとナナリューは、「幻想でしょ、そんなの」と、ヒステリーを起こし「結婚のきれいなところ並べてるだけだよ」「結婚の夢なんて聞いてもおもしろくないよ」「結婚なんて意味がない」「もしかして永遠の愛とか信じてる?」「紙っペラ1枚でお互いを縛って」「呪いだよ」「人を不幸にする」などと、あすかの夢をフルボッコにし、ビンタを食らってしまいました。ふたたび、あすかのナナリューに対する印象は「最悪」に。 雨の中、ひとり帰路につくあすか。元カレの家から持って帰ってきた荷物を抱えて、雨に濡れながらトボトボ歩いていると、目の前に傘を持ったナナリューが現れます。傘を差し出し、「さっきはごめん」とナナリュー。あすかのポケットに何かを突っ込んで去っていきます。 ナナリューがポケットに入れてくれたのは、あすかが先ほど「かわいい」と胸キュンしていたキャンディでした。誕生日に失恋したあすかを気遣い、ナナリュー手書きの文字で「happy birthday」と書いてあります。 はい、胸キュン。 で、まあなんやかんやあってナナリューがあすかを抱きしめて「好きになってもいい?」と言いながらキスしようとし、あすかが「私と、結婚する気ありますか」と問い質し「無理」「ふんが!」「最低!」で第1話終了。 ちなみに、ナナリューのニューヨーク行きは栄転ではなく、年上既婚の人気女優・桜木夕子(高岡早紀)と不倫したことによる懲罰だったそうです。 その夕子とナナリューが一緒にMCを務める番組も、もうすぐ始まるそうです。このナナリューの不倫の過去と結婚アレルギーも何か関係あるんでしょうね、というフリになっています。 さて、どうしたものでしょう。 結婚したい女と結婚したくない男……つまり、結婚に対する価値観を共有できない男女が付き合うことになって云々というドラマなわけですが、第1話を見る限り、あすかとナナリューは結婚以外の価値観についても、何も共有していないんですね。何も共有していないというか、話をしてもいない。あすかは寝起きに出会い頭でキスして、優しいこと言われて泣いちゃって、雨の中で傘を差し出されてキャンディをもらったら、もう「急に優しくされたりすると、わけわかんなくなっちゃって」状態で、周囲から「恋の始まりね」と冷やかされる始末。到底、専業主婦を夢見る大人の振る舞いじゃない。 このあたり、気になったので原作をチェックしてみると、こちらでは「結婚以外の価値観」は共有しているんですね。ナナリューが他人の考えを尊重して自分の価値観を押し付けない人であることを、けっこうなページ数をかけて説明したうえで、あすかに「ナナリューが好き」と言わせている。理屈として、原作のあすかはナナリューを「こういう価値観の人と結婚したい」と思ったから「好き」なのであって、合わないのは「結婚に対する考え方」だけ。だからこそ、もどかしい。 という話なのだけど、ドラマ版のナナリューは、めっちゃヒステリックに、あすかと違う価値観を押し付けてくる。ほとんど言葉の暴力ともいうべき勢いで、相手の気持ちを考えることなく、持論を投げつけまくる。で、そのあとに優しい一面を見せて、あすかはコロッといっちゃう。なんだかDVの予感がしますし、「結婚」を語っていくドラマで“イケメンに優しくされたら、理屈抜きに好きになっちゃう”女のコが主人公というのは、これはすごく展開に不安を残す原作改変だと思った次第です。 あと、じゃあナナリューを演じる山村氏がイケメンなのかという問題がありますが、これは個人の趣味趣向もありますのでなんともいえませんけれども、顔面に緊張感がないのが少々気になりました。 かつての不倫相手・夕子と局の廊下ですれ違うシーンがあって、「ピキーン!」という感じのスローモーションで演出しているわけですが、山村氏、口が半開きなんですよね……。 (文=どらまっ子AKIちゃん)フジテレビ系『突然ですが、明日結婚します』番組サイトより
『山田孝之のカンヌ映画祭』第3話 “あざとさ/痛さ”をコメディたらしめる地上波なりの着地点
俳優・山田孝之がプロデューサーとなり、突如カンヌ映画祭受賞を目指すと言いだした。監督を頼まれたのは、松江哲明と共にこの番組の監督も務める山下敦弘、そして親殺しの猟奇殺人犯を演じる主演は、まさかの芦田愛菜。巻き込まれたのか共犯なのか、とにかく動き出した、このプロジェクト。 前回の第2話では、日本映画学校にて、さまざまな関係者にカンヌや日本映画の現状についての話を聞きつつ、「僕がカンヌ行けない理由って、なんなんですか?」と、なぜか山田以上にスイッチの入ってしまった本職の映画監督・山下の暴走が見どころだった。 彼もさまざまな海外映画祭に出品していることや、かつ「日本のジム・ジャームッシュ(カンヌ常連)」と呼ばれていたことなどを考えれば、当然ともいえる態度と見れなくもない。 今村昌平が『うなぎ』で受賞した時のパルムドールのトロフィーを関係者に持たせてもらいながら、浮かれて写真を撮りたがる山下と、「はい、カンヌ!」とシャッターを押しながらも、「僕らのじゃないから」という理由で持つことすら拒否する山田。好対照ながら、カンヌへの気持ちを固める2人と、うなぎよりタレの染みたご飯が好きという素のあどけなさを見せつつも、随時ランドセルを背負い、この狂った状況に溶け込み、我々をハラハラさせてくれる不思議の国の芦田。 そんな連中の映画制作を記録したドキュメンタリーのような、そうでないような番組の第3回が放送された。 「第3話 山田孝之 パイロットフィルムを作る」を振り返る。 前回を軽く振り返る映像の直後、いきなり老人が首を吊った! と同時にタイトル曲へ。 冒頭だからと油断して観ていたら、いきなりの後頭部を殴られるようなスタート。どうやら今回は「首をくくる」人が出てくるらしい。 その日、「どうしても撮りたいものがある」と山田に呼び出された山下と芦田。 その2人の車中、「不安は不安ですけどー」と語る芦田に「不安は不安だよね!」と、どこかうれしそうな山下。芦田がその後、肯定的なことを言おうとしていた気配があるのだが、そんなことは関係ない。共感を喜ぶ山下の様子は、芦田の同級生の女子のようだ。 共感しあえるはずと見込んだのか、芦田に対し「こういうときに何回も聞き直すと、あの人、怒るから」と、「あの人」には絶対言えない「不安」を、ここぞとばかりに口にする。 この時、芦田(12歳)が山下(40歳)に愛想笑いをしつつ、若干気遣いの眼差しを向ける。この先の現場で、しとしとと苦難が降りかかる監督・山下が、多少元気だったシーンだ。 今回プロデューサーに徹し、映画には出演しないと言い切る「あの人」こと山田孝之は、どうやら先に現場入りしているらしい。 山中の森林に囲まれた現場。すでに多くのスタッフが、準備でせわしなく動いている。 「監督の山下さんと、主演の芦田さんです」 これから芝居をすればよい役者である芦田はよいとして、役者と同じタイミングで紹介され、突如現場に放り出さる監督。所在なさげに何度か会釈を済ますやいなや、「ちょっと一瞬いい?」と山田を連れ出す。 まわりが準備に追われるのを横目に、「何撮りゃいいのコレ?」「聞いてないんだけど」と、山田にこそこそ問わねばならない監督である山下の心境は、なかなかにハードなものだろう。 「今日はパイロットフィルムを撮ります」と、現場に着いて初めてその事実を聞かされる監督・山下。同時に、助監督に段取りの説明を求められてしまい、「俺が(説明)するの?」「ええ山下さん、監督なので……」「あーそっか」という流れるようなやりとりは、監督だけが見ている白昼夢のようだ。 パイロットフィルムとは、「スポンサーから資金を獲得するために先行してつくられる試験映像」で、企画書で説明しきれない世界観を短めの映像で提示し、資金を調達する近道になったりするものらしい。 今話題の映画『この世界の片隅に』では、クラウドファンディングにより集めた資金でパイロットフィルムを作り、その結果ようやく本編の製作にこぎつけたのは有名な話だ。 そんな大切なパイロットフィルム制作の日に、台本も渡されなければ(そもそも存在していないらしい)、監督がするような説明や指示は全て山田に持っていかれ、その説明等をスタッフらと共に聞きながら「そうだったの?」といった具合に誰よりも新鮮に驚く、監督であるはずの男・山下。 今回に限らずだが、特に今回は、勝手にことを進める山田のおかげで、監督としての立つ瀬がどんどんなくなる人間・山下がたまらなく愛おしい。 山田が他のスタッフらに説明しているのを、遠目で見ながら、こっそり「うんうん」とうなずく山下の姿を、山田ら越しに映したカットは、なんとも悲しい構図だった。 どうやら、このパイロット版は、母親に殺されかけた少女が、森で目を覚ますシーンらしい。主人公の中の「殺人鬼」が芽生える大事なシーンのはずだ。 リハーサル時などに、母親に殺されそうになる芦田の芝居に演出をし、まわりのスタッフを動かすのは常に山田だ。 役者のかわりに芦田の首を絞める母親の架空の動きをさせられたり、山田に、小道具の包丁の落とし方が『火サス』のようだと揶揄される監督であるはずの男・山下は、どう見てもペーペーの新米助監督程度にしか見えない。あんなに前回、カンヌに向けて誰よりも熱くなっていたのに(どうやら、監督という職業は、全員が、素直に全権を握って好きなように演出だけできるというものでもないらしい)。 「親は死んだと思ってここに放置してるんですけど、死んでないんです」 「寂しいんですよ、母に首を絞められたのが最後の記憶なんで」 「もう戻るんだったら殺すしかないんですよ」 監督の全く知らなかった人物の背景や芝居プランを、堂々と語るプロデューサー・山田。 山田の「自分の首を絞めてる母の顔ですね」という演出に、山下が「父じゃないんだ? そうか、母か」と懸命に監督としての理解を示そうとしつつも、間違ってしましい、悟られないように自ら訂正するくだりも。 現場到着から始まった今回の山下の混乱は、カメラテスト時の「よーい、はい!」の掛け声を思わず言い忘れ、監督なのにもかかわらず「あ、俺か」と思わず言ってしまったところに集約されている。それほど、山下に「監督」の実感がなくなってしまっていることがわかる。もはや、何者でもない山下(監督)。 芦田が、芝居中に叫ぶことを提案した際にも、許可を出したのは山田だし、両者を見て、ただ頷いていたのは山下だった。 リハーサル後に、「声、ない方がいいですか?」と芦田に指示を仰がれた監督・山下は、「……声は……」と困りながら、横にいる山田をちらりと自ら仰いでしまう。 「いや、もっといきましょう!」の山田の一声で、芦田が叫ぶことの存続が決まったのだが、完全に山下の中で姿が何かが崩壊してしまっているように見えた。 現場にたどり着くまでの道中、たくさんの機材を運びながら険しい山道を登るスタッフに「カンヌ、目の前なんで!」と、ミネラルウォーターを飲みつつ、涼しい顔で鼓舞する山田。パイロット版で1シーンを撮る前の機材を運んでいる最中に「カンヌ」も「目の前」も糞もない。対山下だけでなく、スタッフと山田との「ズレ」も浮き彫りにされる。 ここまで観て、今更ながらに思うのは、これは、痛い主演俳優や、言うことを聞かず口を挟んでくる大物役者、現場をわかってない映画会社やスポンサー側のお偉いさんらに振り回される中間管理職的な監督の悲哀を描くコメディであり、同時に、「山田」のような、痛く、「あざとく」映画を撮る人間を描く、やはりコメディなのだろう。いわゆる風刺とも言えるかもしれないが、そこまで何かを批判したいというよりは、問題を投げつつも、基本笑いたい、笑わせたい、楽しませたいといった地上波なりのサービス精神を感じる。 それは、状況がリアルすぎないように、主演に芦田という「子ども」のアイコンを配置し、ギャップを持たせたところにも現れているし、また、前回の『北区赤羽』よりも、山下に「番組の監督」であるのと同時に、製作している「映画の監督」という立ち位置を、より強調させたことにより、「プロデューサー」山田との関係性が明確になり、より観やすいものになったのではないかと思う。 そして、それが生きているのが今回の第3話だ。 山田が演出時に言った「本当のリアルって、リアルに見えないんで」「多少のフィクションを」という発言は、本音(リアル)なのかもしれないが、監督である山下を無視して演出している「痛い山田」の状況は、この番組の中でのフィクションなのではないか。 そして今回、強烈なインパクトを残したのは、目を覚ました芦田のバックで、首を吊って死んでいる父親役というか、遺体役で出演した、その名も「首くくり栲象(たくぞう)」という存在。冒頭の男性だ。 国立(くにたち)の自宅の庭を改造した、ステージと呼ぶには粗末な(失礼)、見るからにあばら家な(失礼)、しかしれっきとした主演の舞台で、毎晩「首をくくる」パフォーマンスを行っている表現者らしい。 その活動の一端は、彼の活動を追ったドキュメント映画『首くくり栲象の庭』やドキュメント映像である『密着24時!首吊り芸術家 - The Hangman』等でも観ることができる。 そこで確認できるのは、わずか数人の観客に囲まれ、庭の木に吊るしたロープで「首をくくり」、しばし吊られてみせるというパフォーマンス。首を吊るための庭の木の枝が低いからか、地面を若干掘ってある地面や、終演後、観客と語らう際に振る舞われる自家製の焼きうどんの生々しさ等が、実にリアルだ(『密着24時!首吊り芸術家 - The Hangman』より)。 今回も収録現場にて、なぜ首を? という誰しもが感じる問いに対し、「海がそこにあれば泳ぎたくなるように」目の前に「庭があるからだ」と答える姿は、わかるようなわからなような、まったくわからないような気持ちにさせてくれる。 「海=水泳」は、わかるのだが、「庭=首吊り」が理解できないのがその原因なのだが、そんな理屈ではない、首吊りのプロを出演させるあたりに、ドキュメンタリー好きの両監督の強い趣向が垣間見れる。 番組中で「この季節(初夏)なら3分は(くくってて)大丈夫」だと語る姿は、実にドキュメンタリーらしいドキュメンタリーだった。「空気も美味しいし」と言われ、何か言いたいが、言えないスタッフの表情も秀逸だ。 今回、このようなきわどい「題材」を登場させるために、「(包丁の)歯落とし、してあります」とか「看護師の人、来てんだ?」という、入れ込まなければ地上波で放送できなかったであろう、「説明」を自然に盛り込めているのが新しいと感じた。DVDや映画とは違う現代の地上波テレビという問題を、冷めてしまうようなテロップを排除しつつ、さりげなくクリアしている。 首くくり栲象が首をくくるシーンにだけ「絶対に真似をしないで下さい」と入れざるを得なかったのは、この「ドラマ」をドキュメンタリーとして見せている以上、仕方のないことだし、むしろそうまでしても入れたかった「題材」なのだろう。この番組のもう一人の監督である松江哲明は、自身のTwitterで、今回編集に悩んだことと同時に、ギリギリまでやらせてくれたテレ東の製作番組部(P部と表記)へ感謝の言葉を述べている。 ちなみにこの松江監督は、先日、新聞広告に出された映画『この世界の片隅で』へのコメントとして「緻密に調べ上げた上で、現実とファンタジーを同時に、そしてその境界を曖昧なままにするのが片渕監督の凄さ。誰も真似できないと思う。」と、発言している。 「現実とファンタジー」を「境界を曖昧なまま」描くことに触れたコメントは彼だけだった。 そして、完成したパイロットフィルムが番組後半、公開された。 お母さんによって殺されかけ、森の中で目を覚ました芦田、その後ろには首を吊った父親がゆっくりと風に揺れている。戻りゆく意識を辿るかのように、「うおおおおおーーー!!!」と天に向かい咆哮する芦田。『プラトーン』(1986)のウイレム・デフォーのように。ほんの3分ないショートフィルムだ。 タイトルは『穢の森/La forêt de l'impureté』。 やたらとテロップにフランス語を多用し、バリバリにカンヌを意識した作り。 しかも『穢の森』とは、前回「カンヌに近い監督」として名前の挙がった山下とも因縁のある河瀬直美のカンヌ審査員特別大賞(グランプリ)を受賞した『殯の森』(2007)に酷似していることがわかる。 山下が以前撮ったフェイクドキュメント作品の『道』(05)で、河瀬がモデルと思われる「痛い監督」を描いているのだが、やはり今回のこの番組の企画自体、それが元ネタなのではないのだろうか。 そして唐突に、このパイロット版を公開したイベント会場にカメラは移る。 映画評論家でお馴染み有村昆の「バカデミーシネマラボ」というトークイベントらしい。 このパイロットフィルムの反応を見るために山田自ら持ち込んだようだが、肝心のその反応は、「以上です」と山田が言わないと、いるはずの観客から拍手も起きなかったし、思わず「以上なんですか?」と有村昆に言われる始末。自分もそうだし、観客もとまどっていると代弁する有村は、さらにこの映画を今後どうしていきたいのかと問う。 「カンヌを目指す」とはっきり言い切る山田に、タイトルの出方とかそれっぽいとか芦田に驚かされたといいつつも、慎重に言葉を選び、コメントしづらそうな他の出演者(同じサンミュージックの芸人・藤井ペイジら)たち。 しかし、イベントの主催者である有村はいう。 ほとんどの山田の作品は拝見させてもらっているが、「カンヌを獲るために今の日本映画じゃないことをやろう」としていると。「親殺し」から一番遠い芦田愛菜のキャスティングを「あざとい」と言い切り、真っ向から「コンセプトが見えちゃう」と指摘する。 多くの人が感じたが口ごもったかもしれない感想を、責任感からなのか、しっかりと口にする有村。「あざとさ」が出るのはもったいないとフォローしつつも本質をついた発言だろう。 なおも有村は、「山田がやりたいことをやった方が」いい。(カンヌに)「寄せて、寄せて」というのは「方法論として逆なんじゃないか」と続ける。 それに対し、「みんな寄せていってる」「あざとくてもいいと思う」と、一歩も譲らない山田。 そのシーンはなかったが、突然登場したビッグゲストにおそらく観客は歓喜しただろう。スター登場以外に、そのスターの製作中の新作映画の一部まで観せてくれるというのだ。 なのに、その作品がまったくピンと来ないばかりか、まさかこんな気まずいやりとりを見せつけられてしまうとは。 当日、有村やイベント側以外に山田の出演をツイートしている観客がいないように見えるのは、何かしらの「配慮」があったからかもしれないが、少なくともこの番組がオンエアされるまで、その場にいた観客は、我々のような今回初めて観た視聴者以上に気持ちが悪かったはずだ。 エンディング。「スカート」の曲に乗せて、事務所でひたすら楽しそうに一輪車に乗る芦田と、それをソファーから見つめるサングラスの山田のカットは、まさに「カンヌに寄せた」「あざとい」映像に感じた。 有村に批判されたとき、山田は何を感じたのか。どう思って「反論」を口にしたのか。罠にかかった獲物を喜ぶ表情を、こっそり噛み殺していたのではないのか。 次回「第4話 山田孝之 金を集める」の予告で、いかがわしそうな長髪の社長らしき人物に頭をさげて名刺を受け取る芦田愛菜は、『明日、ママがいない』のようでもあり、『闇金ウシジマくん』のようでもあった。 知らないうちに、映画作りの段取りを学び、同時に、日本映画の問題点を考えさせられてしまうこのこの番組。松江のTwitterによると、まだまだ何悶着もあるらしいというから目が離せない。 (文=柿田太郎)テレビ東京系『山田孝之のカンヌ映画祭』番組サイトより
視聴率アップのTBS『A LIFE~愛しき人~』 この“キムタクのためのご都合主義”は許されるか
元SMAP・木村拓哉主演の日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)も第2話を迎えました。視聴率は14.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より0.5ポイント上昇。莫大な予算を使って主役級を集めたTBSとしては物足りない数字かもしれませんが、「やっぱり、ちゃんと作ってるドラマはそこそこ獲るなー」という印象です。 シアトル帰りの主人公・沖田(木村)は、論文を書いて評価されることなんかにはまるで興味がなく、腕一本で勝負する“職人”外科医。第1話では、その天才的な手技で、大動脈弁狭窄に倒れた壇上記念病院の院長・虎之介(柄本明)の命を救いました。 その後、シアトルに帰るつもりでしたが、10年前に付き合っていた元カノ・深冬(竹内結子)の脳に腫瘍があることを知り、現在の夫であり同院副院長の壮大(浅野忠信)から深冬の手術を頼まれたこともあって、しばらくこの病院で勤めることにしました。脳外科手術は壮大の専門ですが、壮大いわく「家族の手術はできない」とのこと。「深冬のことを、もうなんとも思ってないなら、おまえが切れ」と迫られ、沖田は了承したのでした。 壮大と沖田の見立てでは、深冬が危険な状態になるまで「何もしなければ、半年」。しかし壮大も沖田も、深冬にはまだ自覚症状が出ていないと推察していますが、実際にはもう深冬は「最近、頭痛がひどい」状態です。進行は、2人の医師が思っているより早そう。悲劇の匂いがしますね。 『A LIFE』は、この「深冬の脳腫瘍」を下敷きにしながら、どうやら毎回ゲスト患者が登場する1話完結型のドラマとして進んでいくようです。 今回のゲストは、老和菓子職人の森本(平泉成)。院長の紹介で入院してきた森本は、大動脈瘤の手術を受けることになります。担当するのは、若手のエース外科医・井川(松山ケンイチ)。院長の紹介であるうえ、森本が宮内庁御用達の職人であると聞かされていた井川は、張り切り勇んで診察に臨みます。 交通事故の後遺症で通常の術式が採用できず、TEVERという難しい手術になりましたが、井川はこれを完璧に成功させます。さすがエース! 満天橋(名門だそうです)の御曹司! 森本は術前、井川に念を押していました。和菓子職人にとって、右手は命。右手に後遺症が残るようなことはないのかと。 井川は、理論上ありえないと告げていましたが、案の定、森本の右手に痺れと痛みが出てしまいます。 自分の手術に自信を持っている井川は、その痛みを「心因性」と判断。過剰なほどの外科的な検査を受けさせ、異常がないことを確認した上で、森本を「クレーマー」「モンスターペイシェント」と結論付けました。 しばらく病院に顔を出さなくなった森本に対し、井川も医局のみんなも「終わったこと」としていましたが、ある日、森本が自殺未遂を起こして担ぎ込まれてきました。幸い、命には別状がないものの、ともに和菓子屋を営む森本の息子は怒り心頭。壇上記念病院を訴えると息巻きます。 これに対し、副院長・壮大は「1億円の見舞金」をドーン! 医療ミスを認めずに森本一家を丸め込むことに成功しました。 これにて、一件落着……とはいきません。 この結論に納得いかないのが、沖田です。寿司職人を父に持つ沖田は、右手が使えなくなった森本の気持ちが痛いほどわかります。 そして沖田は、森本の右手の痛みが心因性などではなく、井川のミスであることを突き止めます。「クレーマーを相手にするのか」と食い下がる井川に「医師失格」の烙印を突きつけ、いざ手術へ。天才なので、治してしまうのでした。 まあ、沖田を立たせるための、「いかにも」なご都合主義です。実際、心因性でそういう痛みが出ることだってあるだろうし、一定の検査で見つからなかった痛みの原因を「探し出せなかった方が悪い」とするのは、超天才じゃない(主人公じゃない)医師たちにとっては酷な話です。 じゃあ、そのご都合主義がよくないのかというと、そうでもないんですよね。そこに説得力があれば、ぜんぜんいいと思う。で、今回の井川のミスの原因は森本に先天的な奇形があって血管のつながり方が普通じゃなかったことで、その奇形は幼少時じゃないと症状が出ないものだったんだそうです。 つまり、井川がこれを見落としてミスを犯しても「仕方がない」ものであり、これを見落としても、なお井川が“若手のエース”たる力量を持っていることが、しっかりと語られている。そして、こうした沖田の振る舞いを見た井川に、「すいませんでした!」と謝らせたうえで「でも俺、沖田先生を超えて見せますから」と言わせている。 現状、ドラマでいうところの4番手、5番手あたりに位置する井川にも「成長の余地」が振られているあたり、今後の展開にも期待が持てるところなんですよね。 というのも、「深冬の脳腫瘍」とは別にもうひとつ、ドラマの下敷きになっていきそうなのが、「院長派 vs 副院長派」の権力争いなんです。外科部長・羽村(及川光博)は、井川の医療ミスをマスコミにリークし、副院長と一緒になって院長を引責辞任させようとたくらんでいました。その羽村は第1話で井川に「沖田のような外科医になるな、潰れるから」と助言していたりもします。 今後、沖田が「理想の医療」を旗印に、ビジネスライクな副院長派を駆逐していくことになれば、その協力者となるのは井川に他ならない。 キムタク演じる沖田は設定的に、もう悟りきっちゃってるというか、考えることもやることも「目の前の人を治す」ということからブレようがないので(ブレたらおもしろいけど、無理でしょう)、井川たち脇役がどんなふうに変化していくかでドラマが転がっていくことになるのでしょう。「システムと理想」とか「金儲けと人の命」とか、確かに既視感のある構図ではありますが、松ケン/井川の意識の変化と、竹内結子/深冬の体調の変化が、いい具合にドラマを引っ張っていけそうな雰囲気です。要するに、3話以降も面白そうってことです。はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)TBS系『A LIFE~愛しき人~』番組サイトより






