『孤独のグルメ Season6』第10話 タイアップが露骨すぎる(笑)まるで旅行番組みたいな鋸山アピール!!

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テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
 ホント、ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)ってば、商売のためなら、どこにだって足を運ぶのですね。  ええ、今回やってきたのは千葉県は富津市の浜金谷駅。東京湾フェリーの千葉県側の港のある街ではありますが、いわば地の果て。  それでも、プチ出張は苦にならないのがゴローちゃん。 「これはまた、ずいぶんと静かな駅前だ」  まだ仕事もする前からワクワク感が募ります。 「鋸山、ここだったんだ」  なんのタイアップなのでしょう? ひとまず観光案内も挿入。のんびりとした風景を存分に描いてから、本編はスタート。 「仕事先は、温泉旅館だし……なんだったら泊まっちゃうか」  独身かつ一人働きならではの、自由な生き方。ここに憧れる人も多いのでしょう。  さて、やってきた温泉旅館・かぢや旅館。  じゃらんの口コミを見たら、評価は「4」となかなかです。でも、宿泊は2名以上から。あーあ、これだから温泉旅館はイヤなんだよ。商売の都合もあるのでしょうけど、じゃらんとか楽天トラベルで紹介や口コミを見て、さあ予約しようとした時に宿泊は2名からのときのイラッとする感じ。最初から「一人客はお断り」と書いていてほしいものですな。  さてさて、旅館で待ってたのは、石川正則演じる旅館の人。商談の場となるロビーは、いろいろなものが置かれていてカオスとなっております。そんなロビーをラウンジ風に改築しようというわけで、よいコーヒー豆とコーヒーカップを求めてゴローちゃんを呼んだというわけです。  え、ゴローちゃんてば、コーヒー豆まで扱ってるんだ。マンガで仕入れた知識だと、コーヒー豆の取り扱いは高度な知識が必要だと思うのですが、すごいねゴローちゃん。あらためて尊敬ですよ。  てなわけで、商談を終えて鋸山登山を勧められるゴローちゃん。でも、スーツで登山というのもまったく合いそうになく、断念。そう、登山じゃなくて必要なのは空腹と店探しですよ。  そして、ゴローちゃんが見つけたのは「漁師めし」の文字。店の名前は「漁師めし はまべ」。なんとも、味のありそうな名前です。  ガラッと戸を引いて入る店内は、やっぱり味がある。  そんな店にいる漁師風の髭面の客が、いきなり一言絡んできます。 「この人ね、口うるさいけどね、味はうまいぞ~」  おっと、よく見れば佐藤蛾次郎ではありませんか。そして「余計なこと言ってんじゃないよ」と返してくる店の女将は松本明子。  味があるというには、濃すぎる店内です。  しかし、『男がつらいよ』が終わってから、久しぶりに佐藤蛾次郎を見たような。この人、なんでこんなに短時間でインパクトを振りまけるんだ? まあ、あまりのインパクトの強さに、そそくさとお勘定をして出演シーンは終了。最後のアドリブと思しき「うまいよっ」の一言が、やっぱりうまい。  さて、料理のほうも何を見てもうまそうです。 「アジ三昧。刺身たたきなめろうか。いい三昧だ。地魚フライ……」 「いやちょっと待て。フライが無性に気になってきた……」  さんざん悩んだ挙げ句に、地魚フライ定食がアジフライということで、これに決定。ついでに、さんが焼きも注文しようとしたら、今日は定食にさんが焼きがついているんだそうです。  さんが焼きというのは、あわびの殻になめろうを持って焼いたヤツ。漢字では山家焼きと書くそうです。  しっかし、この店はホントにできます。先に漬け物と肉じゃがの小鉢を出して、お客を期待させてくれるのです。  食べ物もうまいけど、すっかりオバサンになった松本明子がキャラ立ちしていてビックリ。こんなオバサン、定食屋によくいるよねえ。 「はい、アジフライお待たせしましたどうぞ~」 「うわっほ~ぉ!! これはでかいッ!!」  マジで視聴者が驚くようなデカさのアジフライ。こんなん、東京じゃあ絶対に食べられませんよ。 「なんてでかさだ。これが房総の底力か」  わざわざ、カバンから巻き尺を取り出して視聴者にアピールするゴローちゃん。ご飯の丼と味噌汁もデカイ。それに、タルタルソースも好きなだけ使えとばかりに、容器ごと置いてくれます。 「うわっ、何これ? フワフワ?? え~こんなアジフライって……いやぁ、びっくりした~おいしいびっくり久しぶりぃ~おぉ脂が……肉厚うますぎるこの軽さ~」  どうも松重ゴローちゃん、演技じゃなくてマジでうまかったのでしょう。そんな気持ちが伝わってくるセリフ回しです。  ちなみに、ゴローちゃんの食べ方ですが、最初はハジにちょこっとしょうゆを垂らしてから味わう。少しずつ、いろんな味を楽しもうというわけですが、そんなのなくともうまいアジフライであることが伝わってきます。  そして味噌汁。カジメ……ねばねばの海藻の味噌汁は、またうまい。そこに投入される、添え物のさんが焼き。 「う~ん、よいよい……さんが実によい。千葉の民は、よくぞなめろうを焼くという、いわば乱暴な料理を思いつきそうろう……」  こんなうまいおかずばかりで、ご飯が足りるハズもありません。  どんぶりメシのおかわりを頼むゴローちゃん。  さあ、追加ごはんと2枚目のアジフライで、さらなる満足感を目指しましょう。 「2枚目がある幸福……今はただこのアジフライを食べ続けていたい」  ここからは味変。今度はソース。そして、タルタル。  ここでまた、視聴者を驚かせる一言が!! 「うわっ、これすごくうまい!! すごくいいっひぃ!! うん、このアジ……タルタルの濃い味にもビクともしない」  さんざん満足したゴローちゃん。でも、満足したところで目に飛び込むのは「カジメ入りのしょうゆラーメン」の文字。でも、夜だけということで断念です。 「金谷の街に来て、こんなうまいアジフライ定食にありつけるとは思ってもいなかった」  競争相手の少ない田舎町だというのに、手を抜かない本気の味に満足するゴローちゃん。  今回も、視聴者にアジフライを食べさせたくする飯テロ。  でも、店を出るゴローちゃんに、松本明子がまた言うのです。 「今度よかったら、鋸山登りに来ることがあったら、また寄ってください~」  なんだ、この鋸山アピール。やっぱり、タイアップなのか? こういう露骨なタイアップは、嫌いではありません。 (文=昼間たかし)

やっぱり世の女性は“不倫”がお好き!? 上戸彩『昼顔』劇場版が好スタートで、フジがドラマの続編に意欲!

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 上戸彩と斎藤工のコンビで、不倫を描いた映画『昼顔』が好スタートを切り、製作に携わるフジテレビは、ドラマの続編放送に強い意欲を見せているようだ。  連続ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち』(フジ系)は、2014年7月期にオンエアされ、平均13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマーク。特に終盤の4話は、すべて15%を超え、尻上がりに注目度が増す中、終わりを迎えた。「昼顔」の単語は、同年の「新語・流行語大賞」の候補50語にノミネートされて、流行語となるなど社会現象にもなった。  あれから約3年の月日を経て、劇場版『昼顔』が6月10日に公開された。上戸、斎藤、伊藤歩の主要キャストはドラマ版からそのまま。監督はドラマで演出を手掛けた西谷弘氏、脚本も井上由美子氏が担当するなど、可能な限り、ドラマの流れをくんだ格好。設定はドラマの結末から3年後が描かれている。  その劇場版『昼顔』は、興行通信社の調べによると、第1週の週末(同10日、11日)で、21万人を動員し、2億9,400万円の興行収入をあげた。同日に公開された『22年目の告白―私が殺人犯です』(藤原竜也&伊藤英明W主演)が、動員23万3,500人、興収3億2,100万円を記録したため、「週末観客動員数ランキング」は、惜しくも2位にとどまった。  しかし、12日以降の平日の動員がよく、「週間観客動員数ランキング」(同10日~16日)では、『22年目の告白』、大ヒット中のディズニー映画『美女と野獣』などを押しのけて堂々のトップに立った。また、第2週の「週末観客動員数ランキング」(同17日、18日)でも、動員13万6,000人、興収1億9,400万円で3位に食い込んだ。  4月29日以降に封切られたおもな邦画の中で、第1週の週末興行成績は、木村拓哉主演『無限の住人』が14万5,000人(動員、以下同)、1億8,900万円(興収、以下同)。菅田将暉主演『帝一の國』が16万6,000人、2億1,400万円。岡田准一主演『追憶』が18万人、2億2,700万円。野村萬斎主演『花戦さ』が10万7,000人、1億2,600万円。滝沢秀明主演『こどもつかい』が12万人、1億5,000万円といったところで、『昼顔』は、それらの大きく上を行くヒットとなった。 「ドラマの主たる視聴者層は女性、特に主婦層でした。その傾向は劇場版も同様で、観客のほぼ9割が女性。やはり、ほとんどの観客はドラマを見ていた人のようです。主婦層の観客が多いため、平日でも好調な動員ぶりです」(映画ライター)  ここ最近、まるでいいことがないフジにとって、劇場版『昼顔』のヒットは、久しぶりの明るい話題だ。こうなれば、ドラマの続編放送プランを本格的に推し進めることになるだろう。ポイントとなるのは、15年4月期の『アイムホーム』(テレビ朝日系)以来、ドラマから離れている上戸を、フジが口説き落とせるかどうかだ。 (文=田中七男)

やっぱり世の女性は“不倫”がお好き!? 上戸彩『昼顔』劇場版が好スタートで、フジがドラマの続編に意欲!

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 上戸彩と斎藤工のコンビで不倫を描いた劇場版『昼顔』が好スタートを切り、製作に携わるフジテレビはドラマの続編放送に強い意欲を見せているようだ。  連続ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち』は2014年7月期にオンエアされ、平均13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率をマーク。特に終盤の第4話はすべて15%を超え、尻上がりに注目度が増す中、最終回を迎えた。「昼顔」という言葉は、同年の「新語・流行語大賞」の候補50語にノミネートされて流行語となるなど、社会現象にもなった。  あれから約3年の月日を経て、劇場版『昼顔』が6月10日に公開された。上戸、斎藤、伊藤歩の主要キャストはドラマ版からそのまま。監督はドラマで演出を手掛けた西谷弘氏、脚本も井上由美子氏が担当するなど、可能な限り、ドラマの流れをくんだ格好。ドラマの結末から3年後が描かれている。  興行通信社の調べによると、第1週の週末(同10日、11日)で21万人を動員し、2億9,400万円の興行収入を上げた。同日に公開された藤原竜也&伊藤英明W主演『22年目の告白―私が殺人犯です』が動員23万3,500人、興収3億2,100万円を記録したため、「週末観客動員数ランキング」は惜しくも2位にとどまった。  しかし、12日以降の平日の動員がよく、「週間観客動員数ランキング」(同10日~16日)では、『22年目の告白』、大ヒット中のディズニー映画『美女と野獣』などを押しのけて堂々のトップに立った。また、第2週の「週末観客動員数ランキング」(同17日、18日)でも動員13万6,000人、興収1億9,400万円で3位に食い込んだ。  4月29日以降に封切られた主な邦画の中で、第1週の週末興行成績は木村拓哉主演『無限の住人』が14万5,000人(動員、以下同)、1億8,900万円(興収、以下同)。菅田将暉主演『帝一の國』が16万6,000人、2億1,400万円。岡田准一主演『追憶』が18万人、2億2,700万円。野村萬斎主演『花戦さ』が10万7,000人、1億2,600万円。滝沢秀明主演『こどもつかい』が12万人、1億5,000万円といったところで、『昼顔』はそれらの大きく上を行くヒットとなった。 「ドラマの主たる視聴者層は女性、特に主婦層でした。その傾向は劇場版も同様で、観客のほぼ9割が女性。やはり、ほとんどの観客はドラマを見ていた人のようです。主婦層の観客が多いため、平日でも好調な動員ぶりです」(映画ライター)  ここ最近、まるでいいことがないフジにとって、劇場版『昼顔』のヒットは久しぶりの明るい話題だ。こうなれば、ドラマの続編放送プランを本格的に推し進めることになるだろう。ポイントとなるのは、15年4月期の『アイムホーム』(テレビ朝日系)以来、ドラマから離れている上戸をフジが口説き落とせるかどうかだ。 (文=田中七男)

主演なのに嵐・相葉雅紀が全然出てこない!『貴族探偵』視聴率低下と“忖度”しないプライド

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フジテレビ系『貴族探偵』番組サイトより
 いよいよ佳境に入ってきた嵐・相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)も第10話。視聴率は8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と最終回目前にして0.4%も下げました。  そりゃ下げるよ! 相葉ちゃん、最初と最後にちょろっと出ただけじゃんか! ……と言われることを、このドラマは全然恐れてない。上層部やらスポンサーやら、数字にこだわる大人たちに怒られたって、別に関係ないと思ってる。まったく“忖度”してない。なぜなら、そのほうが面白いと信じているから。そういうプライドがあるから。もう何度もこのレビューで書いていますが、実に尊い創作態度です。(過去のレビューはこちらから)  それにしても、前回の第9話「こうもり」で、ひとつ山を越えた感じはありますよね。原作既読組の1人としての感想ですけど、「ああ、もうこの制作陣は信じてもいいんだ」という結論が出たような気がしていて、わりと気軽に最後となる殺人事件を迎えることができました。今回は前後編の「事件編」となりますので、シナリオや演出については特にありません。来週の最終回を待ちたいと思います。もうお祭り気分です。  とはいえ、何も書かないわけにもいかないので、今回は主演を務めている相葉ちゃんについて考えてみたいと思います。  この『貴族探偵』の第1話を見始めて、最初に「あ、映像化に成功してるな」と感じたのが、この相葉ちゃんの起用だったんです。今になって思い返せば、最初の事件が解かれる前にそう思えたことが、このドラマを楽しめた一因だったと思います。  原作を読んだ段階では、「貴族探偵」の顔立ちをまるで想像することができませんでした。「皇室御用達の常盤洋品店」が仕立てたという高価なスーツを着こなしていて、口ひげをたくわえている。それしか描写されておらず、事件現場に現れては紅茶を飲み、使用人に推理をさせ、そこらへんの女性を口説いている。完全に常軌を逸した行動を繰り返す不審人物であり、最初から「リアリティ」という言葉が通用しない役柄なんです。「貴族探偵」というキャラクターそのものが、「頭に赤い洗面器を乗せている」というのと同じくらいリアルじゃない。人格や個性を消して、正体不明なキャラクターであることが要求されていたわけです。  実際、相葉ちゃんは「常盤洋品店」どころじゃないバカみたいな衣装に身を包んで現れ、おすまししながら棒読みのセリフ回しで事件を解決していきました。ガチャついた画面と、生瀬勝久を筆頭としたガチャついた芝居がフォーマットとして選択されたこのドラマにおいて、相葉ちゃん一派だけが無表情で佇んでいる。存在感を残しながら、人格だけが消えているように見える。  これによって、原作を読んだときに感じた「一般人」と「貴族」という人物描写における2本のリアリティラインが、映像の中で消化されていると感じたんです。ネット上には「貴族らしくないからダメ」という書き込みも散見されましたが、例えば及川ミッチーとかGACKTとか、山田ルイ53世とかひぐち君では、ガチャついた画面の中にガチャ溶けしちゃうので、「貴族探偵」というキャラクターに設定された“異物感”が表現できなくなっちゃう。アクがなくてツルンとした相葉ちゃんの年齢不詳な顔面と、「貴族らしくない演技」が正解だったのだと思うんです。  単話完結で、物語の縦軸がほとんど語られなかった前半の4話まで、相葉ちゃんの演技は徹底的に抑制されていました。原作の要求通りの演技を達成していたということです。ここまでは、相葉ちゃんにとっても、そんなに難しいプランではなかったと思います。  そもそも演技力は……という話をしてしまえば、それは確かに相葉ちゃんは上手な俳優さんではないのでしょう。与えられたキャラクターの個性と人格を咀嚼して自分の中に落とし込み、身体動作、表情変化、発声行為に反映させる技量と情熱において、例えば5・6話に登場した忍成修吾には及ばない。しかし、こと今回の「貴族探偵」というキャラクターにおいては、訓練を受けた本職の俳優よりも相葉ちゃんのほうが適任だったと思うんです。忍成なんてね、その場にいる全員をしっちゃかめっちゃかの混乱に陥れた上に、うぐぐぐぐとか言いながら床にダイイングメッセージを書き殴るあたりの役柄がお似合いなんですよ(大好き!)。  相葉ちゃんが適任だったな、と思わせるのは、5話以降です。女探偵が貴族探偵の正体を暴きにいったことで、徐々に物語が原作から離れていきます。同時に、相葉ちゃんにも新たな演技プランが与えられることになりました。  少し、変えただけだと思うんです。少し変えただけなのに、格段に華やかな人物として「貴族探偵」が浮き立ってくる。「確実に殺せ」というセリフもそうだし、バックハグとか花冠とか、そういう「キメ」のシーンを確実に決めてくる。一方で、「美しすぎる死体」を見つけたときの無邪気なしゃがみ方とのギャップも、1人の人物として違和感が全然ない。  つまりは相葉ちゃんの存在の中に、そうしたギャップが、あらかじめ内包されているんです。  それはきっと、相葉ちゃんが20年近く積み重ねてきた「アイドル」という職業の賜物なんだと思います。司会もするしバラエティも出るし、ステージに立てば5万人を前にして歌うし踊る。スチール撮影の現場なんかでは、何時間だって表情を作り続けることができるのでしょう。だからお芝居の中でも、アップショットで抜かれたら顔面を美しいまま固定できるし、高岡早紀を後ろから抱きしめるときの動作の華やかさたるや、思わず息を飲んでしまう。こうしたキメ顔や動作には、もちろんダンスの素養もあると思いますが、それ以上に「さまざまな自分を見せるプロ」としてのアイドル・相葉雅紀のキャリアが裏付けになっているはずです。相葉ちゃんがアイドルだったからこそ、『貴族探偵』は中盤を過ぎて一気に加速することができた。  いや、正直、そこまで計算されたキャスティングだとは思ってないです。さまざまなタイミングが重なった結果、偶然の産物として化学反応が起こって、原作と映像が完全にハマってしまったのだと思う。私は事前に原作を読んでしまっているので、「原作を受けて」という立場からしか話ができませんし、未読だったらどういう感想を抱いたのかも想像できません。もしかしたら、いつまでも伸びない視聴率が「世間の評判」として正しいのかもしれない。  さらに言えば、こうして相葉ちゃんに好意的な文章を書いているのだって、ドラマそのものが面白かったからであって、あくまで作品のパーツとしての評価でしかない。「これにより相葉雅紀は俳優として大きく飛躍していくであろう」とも、あんまり思ってない。  でもね、この3カ月、私が『貴族探偵』というドラマを心から楽しんできたことだけは間違いないんです。それは、相葉ちゃんが20年近くも国民的アイドルとして超一流の人気者であり続けてきたからこそ、成立した企画なんですよね。何しろ月9で、しかも30周年で、こんな企画そこらへんのタレントじゃ通るわけないんだから。 「面白いドラマができた。そこに、どうしたって相葉ちゃんは不可欠だった」  その事実こそが、相葉ちゃんの今回の最大の手柄だったと思うわけです。  あとNHKの『グッと!スポーツ』は、とてもいい番組だと思うので『貴族探偵』が終わっても頑張ってください。  そんなわけで、来週は最終回ですねえ。なんだか感傷的になってしまうね。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

KAT-TUN・亀梨和也、最終回の“匂わせ発言”に視聴者モヤモヤ……日テレ『ボク運』続編決定か?

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 KAT-TUN・亀梨和也主演のほのぼの恋愛ドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)のレビューもついにラスト。18日に放送された最終回の平均視聴率は、前回から0.5ポイント上昇の9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。全話平均は9.5%とまずまずの結果となりました。  前回、晴子(木村文乃)との初Hを終え、「あとはプロポーズだけ」とハイスピードで結婚へ突っ走る誠。婚約指輪を買いにジュエリーショップを訪れると、店の前にここみちゃん(ここみ……!!)という1人の少女が。「靴紐結びたいんで、ちょっと持っててくれませんか?」と風船を渡されるも、誠の手からスルリ。その風船は、合挽き肉のユルキャラ「アイビッキー」からもらった大切な風船で、少女は落ち込んでしまいます。  これ以降、周囲で立て続けに悪いことが起きる誠。営業先でお茶をぶっかけられるわ、晴子は大阪に出張へ行ってしまうわ、弁当に入っているはずの梅干しが入ってないわ……。挙げ句、サプライズで晴子に会いに行こうと、大阪行きの空路を手配するも、台風で便が欠航になってしまいます。  そんな中、烏田部長(田辺誠一)の「手前の出来事に目がいきがちだけど、根本的な問題はもっと最初のほうに潜んでたりするんだよ」との言葉を受け、歯車が狂いだした原因が少女の風船にあると確信する誠(なんで?)。早速、アイビッキーに風船をもらいに行き、ここみちゃんの母親(吉井怜)に渡します。  途端に、事態が好転する誠。東京に戻ってきた晴子と吹奏楽団のコンサートへ行き、スタンディングオベーション中に「ぼくと結婚してください」とプロポーズ。「はい」とOKの返事をもらいます。  そしてラストでは、“自称・神様”こと一郎(山下智久)の記憶を消されているはずの誠が、晴子に「神様は信じてるかもね。ちょっと生意気だけどね」と一郎のことを思い出したかのような意味深なセリフを言い放ったほか、一郎が誠の部屋に戻ってきたかのような匂わせカットがパッパッと映り、終了しました。  そんなこんなで、「運命を信じると楽しいよ~」というメッセージと共に、ふんわりとした感じでまとめられていた最終回。地球滅亡の危機が訪れる30年後については一切描かれず、最後は続編が予定されているかのような空気をバンバンに漂わせていました。  これに、ネット上では「すっきりしない」との批判的な意見や、「映画化ありそう!」「続編は結婚後の誠と晴子を描いてほしい」と盛り上がる人が見られる一方で、「日テレに要望のハガキ送った」というジャニヲタの報告が多数見受けられます。ハガキ利用者が激減する昨今ですが、このジャニヲタがやたらとハガキを使う文化は、末永く残ってほしいものですね。  また、ラストシーンでは、草野球の得点ボードに誠と晴子の大学の受験番号が書かれていたり、ここみちゃんと一郎が30年後に「結婚するんじゃ!?」と思わせるようなカットも。あとあとネットで話題になりそうな小ネタが好きな日本人は多いですから、視聴者心理をうまくついているなあという印象です。  というわけで、亀梨の代表作になりそうな同作。続編を待ちたいと思います。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

KAT-TUN・亀梨和也、最終回の“匂わせ発言”に視聴者モヤモヤ……日テレ『ボク運』続編決定か?

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 KAT-TUN・亀梨和也主演のほのぼの恋愛ドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)のレビューもついにラスト。18日に放送された最終回の平均視聴率は、前回から0.5ポイント上昇の9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。全話平均は9.5%とまずまずの結果となりました。  前回、晴子(木村文乃)との初Hを終え、「あとはプロポーズだけ」とハイスピードで結婚へ突っ走る誠。婚約指輪を買いにジュエリーショップを訪れると、店の前にここみちゃん(ここみ……!!)という1人の少女が。「靴紐結びたいんで、ちょっと持っててくれませんか?」と風船を渡されるも、誠の手からスルリ。その風船は、合挽き肉のユルキャラ「アイビッキー」からもらった大切な風船で、少女は落ち込んでしまいます。  これ以降、周囲で立て続けに悪いことが起きる誠。営業先でお茶をぶっかけられるわ、晴子は大阪に出張へ行ってしまうわ、弁当に入っているはずの梅干しが入ってないわ……。挙げ句、サプライズで晴子に会いに行こうと、大阪行きの空路を手配するも、台風で便が欠航になってしまいます。  そんな中、烏田部長(田辺誠一)の「手前の出来事に目がいきがちだけど、根本的な問題はもっと最初のほうに潜んでたりするんだよ」との言葉を受け、歯車が狂いだした原因が少女の風船にあると確信する誠(なんで?)。早速、アイビッキーに風船をもらいに行き、ここみちゃんの母親(吉井怜)に渡します。  途端に、事態が好転する誠。東京に戻ってきた晴子と吹奏楽団のコンサートへ行き、スタンディングオベーション中に「ぼくと結婚してください」とプロポーズ。「はい」とOKの返事をもらいます。  そしてラストでは、“自称・神様”こと一郎(山下智久)の記憶を消されているはずの誠が、晴子に「神様は信じてるかもね。ちょっと生意気だけどね」と一郎のことを思い出したかのような意味深なセリフを言い放ったほか、一郎が誠の部屋に戻ってきたかのような匂わせカットがパッパッと映り、終了しました。  そんなこんなで、「運命を信じると楽しいよ~」というメッセージと共に、ふんわりとした感じでまとめられていた最終回。地球滅亡の危機が訪れる30年後については一切描かれず、最後は続編が予定されているかのような空気をバンバンに漂わせていました。  これに、ネット上では「すっきりしない」との批判的な意見や、「映画化ありそう!」「続編は結婚後の誠と晴子を描いてほしい」と盛り上がる人が見られる一方で、「日テレに要望のハガキ送った」というジャニヲタの報告が多数見受けられます。ハガキ利用者が激減する昨今ですが、このジャニヲタがやたらとハガキを使う文化は、末永く残ってほしいものですね。  また、ラストシーンでは、草野球の得点ボードに誠と晴子の大学の受験番号が書かれていたり、ここみちゃんと一郎が30年後に「結婚するんじゃ!?」と思わせるようなカットも。あとあとネットで話題になりそうな小ネタが好きな日本人は多いですから、視聴者心理をうまくついているなあという印象です。  というわけで、亀梨の代表作になりそうな同作。続編を待ちたいと思います。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

総選挙結果を予見した!? 指原3連覇の裏で“負け犬”に光を当てた『豆腐プロレス』

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テレビ朝日系『豆腐プロレス』番組サイトより
 17日、『AKB48 49thシングル選抜総選挙~まずは戦おう!話はそれからだ~』の開票日の夜に放送された『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)22話。今回のタイトルは「拝啓、ユンボ島田様」。タイトルのとおり、ユンボ島田(AKB48島田晴香)に向けられた手紙がドラマにおける重要な役割を担う回だった。その手紙の書き手は、同じ工事現場同盟のボイス山田(NGT48山田野絵)。彼女がユンボ島田に向けて書いた手紙のモノローグが、ナレーションの代わりのように随所に登場する演出だ。  そして、今回の対戦カードは待ちに待った、最大のライバルであるハリウッドJURINA(SKE48松井珠理奈)。リングに上がったユンボ島田とハリウッドJURINAは、リングの真ん中で向き合って会話する。「お前に勝って、お前が押し殺している本当のお前に弱音を吐かせてやるよ」と啖呵を切るユンボ島田に対し、ハリウッドJURINAは「弱音を吐くハリウッドJURINAなんて、誰も見たくない」と応答する。その様子をリングサイドから見上げるボイス山田。ここで「私は、あなたが珠理奈に勝つことを信じています。この手紙は、あなたの勝利に向けた、私の祈りです」と山田のモノローグが入る。  試合自体も見応えがある。両者のロックアップから、向き合ってのエルボーの応酬。島田と松井は、確かに運動神経はよいが、これまでこのドラマを盛り上げてきたSKE48須田亜香里、AKB48湯本亜美、NGT48加藤美南といったメンバーのようにアクロバティックな動きができるわけではない。だが、流れるような動きは緊張感があって面白く、ドラマ放送前にあった「ボロが出てしまわないかな」という不安を一蹴するような展開だった。  今回の注目すべき点は、極端に言ってしまえば「ユンボ島田がどう負けるか」。主人公のチェリー宮脇(HKT48宮脇咲良)と、彼女の憧れの存在であるハリウッドJURINAの決勝戦になるのが同ドラマの流れとしては順当であり、そのためにはユンボ島田は、ハリウッドJURINAに負けなければならない。では、どう負けるか。あるいは、その敗北がどのようにドラマで表現されているのか。そこがおそらく今回の見どころである。  リングサイドの山田に戻ろう。山田は、ラーメン屋で食い逃げしようとしていたところを島田に見つかり、そのまま島田に誘われプロレスを始めるようになる。島田の誘い文句が、かつてWIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)会長の矢崎英一郎(渡辺いっけい)が暴れまわっていた島田に対してかけた言葉と同じ「その情熱、プロレスに注いでみないか?」というセリフだったというのにグッとくる。 「これまであなたは、島田晴香を押し殺してユンボ島田を生きてきました。ハリウッドJURINAが、松井珠理奈を押し殺しているように」後輩のセリフで描かれるユンボ島田と、それと並列して語られるハリウッドJURINAがリング上で戦うシーンには胸を打たれる。気づけばリングを飛び出し、試合は場外乱闘へ。 「あなたはハリウッドJURINAを誰よりも尊敬している。私はそんな気がしています。だからあなたは、ハリウッドJURINAに勝ちたかったんですよね」。このあとハリウッドJURINAはユンボ島田との場外乱闘で流血するのだが、山田のセリフが効果的で、ユンボ島田の凶器などを使った攻撃が単なるヒールの卑劣な戦い方以上の意味を持っていることを感じさせる。試合の盛り上がりとともに、リングサイドを走り回りいつもの奇声をあげ騒ぎ立てるボイス山田。赤いメイクの奥に見えるユンボ島田を見つめる瞳がいつも以上に純粋に見える。それは、ユンボ島田が負けるという“死亡フラグ”を示唆していた。試合は一進一退だったが、最後はハリウッドJURINAの勝利となった。  ライバルがいるからこそ互いに輝くことができた。しかし、どちらかが負けなければならない。そういうとき、負けるのは悪役。この試合であれば、ユンボ島田であった。  AKB48グループが毎年行っている総選挙もまた、勝つ者がいるからこそ、負ける者もいる。島田は、9月を目処に卒業することを既に発表しており、今回が最後の総選挙になった。2010年開催の第2回で初めて出馬してからこれまで、一度もランクインすることがなかった彼女は、今回も選抜に入れなかった。  一方、ハリウッドJURINAを演じる松井珠理奈は、島田と対照的に選抜メンバーにランクインする常連メンバーではあるものの、まだ1位にはなったことがなかった。特に今年の総選挙はここ数年“1位争い”を繰り広げていた、HKT48指原莉乃とAKB48渡辺麻友が総選挙の出馬を今年で最後にすると宣言していたので、松井は2人に勝って1位になりたかったはずだ。しかし、今年も松井は指原、渡辺の牙城を崩すことはできなかった。  渡辺は今年も指原を倒せず2位となり、壇上で卒業を発表。そして指原は、前人未到の3連覇を達成した。しかしその指原、渡辺よりも話題になったのは、壇上で“結婚発表”をしたNMB48の須藤凛々花であった。高橋みなみや大島優子といった卒業メンバーもさまざまな形でコメントを残しているが、総じて否定的な反応だったと思う。  AKB48の総選挙は、高橋みなみが「努力は必ず報われる」という言葉を壇上でスピーチして以来、「努力は報われるか?」という議論と合わせて見られてきた。須藤の結婚発表は、この努力に水を差すようなものとして受け取られている。実際11位にランクインしたAKB48高橋朱里は、壇上でこの結婚発表を批判するようなコメントを残している。  そんな中、選挙の結果発表の当日に放送された『豆腐プロレス』は、特に“負け犬”にスポットライトを当てた話だった。総選挙直後にこの回を持ってきた制作スタッフ陣はすごいなと思った。1人のAKB48ファンとして最大限の賛辞を贈りたい。 (文=MC内郷丸)

やっと二階堂ふみが仕事した! 日テレ『フランケンシュタインの恋』不完全燃焼のワケは……

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日本テレビ系『フランケンシュタインの恋』番組サイトより
 日曜ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)第9話の視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回より0.7ポイント上昇。全体的には低迷しつつも、少しずつ盛り上がってきたように思います。  今回は、綾野剛演じる怪物が生み出された秘密を回想するお話。怪物が「山部呼六(やまべ・ころく)」として過ごした120年前の日々を振り返りました。  まず、綾野剛の演じ分けが出色でした。120年前の人間だったころと、その思い出をラジオで語る現在を行き来しながら、同一人物であり、しかしどうしようもなく変容してしまった一人の「人間/怪物」を、存在感を持って演じていたと思います。確かにこの人は120年前はこのようであり、怪物となった現在はこうなのだという説得力を持った造形です。  そして、第1話で怪物を山から下ろして以来、ほとんど何も役割を与えられなかった継実ちゃん役の二階堂ふみも、二役として登場した120年前のサキさんとして躍動しました。良家に生まれ、自分の出自に不満を抱きながらもまっすぐに育った健気な少女が若い医師に心惹かれていく様を、魅力的に演じていたと思います。明治時代を再現した衣装も、時代考証的に正しいかどうかは知りませんが、とってもかわいかったです。やっと二階堂ふみが仕事した! と思いました。  加えて、怪物を生んだ深志研太郎博士を演じた斎藤工も盤石です。芳醇なキャリアに裏付けられた繊細な演技で、揺れ動くマッドサイエンティストの心情を描き出すことに成功しています。  また、現代パートでのラジオDJである新井浩史と山内圭哉も、いかにもドラマ最終盤といった感じで、ギアを一段上げたような力のこもった芝居を見せていたと思います。  総じて、この第9話の画面から伝わってくるテレビドラマとしての『フランケンシュタインの恋』は、良作の雰囲気がぷんぷん漂っています。出てくる誰もが魅力的だし、テンポもいいし、要するにまあ回りくどく書きましたけど、今回は面白かったんです。  ただし、これを面白いを感じるためには、意識的にこれまでの回を忘れる必要がありました。特に怪物の出自となったSFパートの時系列や、怪物が人間を「触れる/触れない」という基本的な設定など、さんざんまき散らしてきた伏線という伏線が、すこぶる雑に回収されてしまったのです。  かつて、横山秀夫原作のNHKドラマで超スゴイ脚本を書いた大森寿美男さんが、いったいどうしてしまったんだと思いますよ。あまりにも「なかったこと」にしてしまったピースが多すぎる。第1話で怪物は毒胞子を散布しながら継実ちゃんを胸に抱え、山の麓のバス停まで運びました。しかし、いつの間にか怪物は「人間に触れない」という設定が悲劇として建て増しされ、今回、「やっぱり触れる!」と感動的に演出される。画面が美しく、演出が冴えているだけに「印象に残ったシーン」同士が矛盾して食い合ってしまうという状況が生まれている。結果、やっぱり感動は削がれます。  第2話で、神の視点で描かれた120年前の博士と怪物の会話がありました。 「人間じゃなくても生きられるんだ」 「いいか、人間だけが生命の在り方だと思ったら大間違いだ」 「おまえは、植物だ。考える植物だ」 「考えるという、つらい機能を残してしまったことは、謝る」 「すまん、だけどお前は、生きてる」  といったことを博士は怪物に語っていましたが、今回描かれた怪物の回想とは、まるで整合が取れません。怪物は、怪物として生き返った後に博士の日記を読んでいることになっていましたが、では記憶を失ったのはいつなのか。これは説明不足なのではなく、意図的に脚本家が設定を反故にしていることを示す場面です。  惜しいな、と思うんですよ。これだけ雰囲気がよくて、出てくる役者さんは誰もが魅力的な芝居をしていて、それでもSFとして設定ゴケしているので不完全燃焼になってしまう。基本的にドラマを見るときは「くさしたい」ではなく「楽しみたい」と思っているので、非常に惜しい作品になっていると思う。  次回は最終回。とりあえず一旦またいろいろ忘れて楽しみにしたいと思います。最終回くらい、継実ちゃんにちゃんと見せ場があるといいな。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

ゴローちゃんの過去の恋が次々と暴露……謎の女・ジョセフィーヌが気になる『孤独のグルメ Season6』第9話

ゴローちゃんの過去の恋が次々と暴露……謎の女・ジョセフィーヌが気になる『孤独のグルメ Season6』第9話の画像1
テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
 ゴローちゃんこと井之頭五郎(松重豊)は行く、東京に住んでても、まず訪れる機会のない街へと……。東京と一口にいっても、狭いようで広いもの。10年20年と暮らしても、一度も訪れたことのない街というのは多いのです。この『Season6』だけでも、東大和市とか世田谷区太子堂とか、マイナーな場所柄ゆえのワクワク感でおなかを空かせた人も多いのではないでしょうか。  さて、今回ゴローちゃんが訪れるのは、品川区は旗の台。個人的な話ですが、筆者は20代の数年間住んでいたことがあります。この街は東京の中でも特殊なカオス。何しろ、下町なのか山の手なのか。ザーマスと大衆とが渾然一体となった、不思議な土地なのであります。  実は先日、用があって久しぶりに駅に降りたのですが、カオスは健在。とりわけ、住民が利用する旗の台駅はカオスを象徴するものです。この駅は東急池上線と大井町線の交差するポイント。大井町線に急行が設定されたのを契機に駅は改築されたのですが、全面改築かと思えば池上線側はほぼそのまま、結果、昭和レトロと21世紀とか混在する奇妙な駅となったのです。  ちなみに、番組を見てお店を訪れるならば、ただメシを食って帰るだけじゃあもったいない。ここ、中原街道から第二京浜まで、途中は少々途切れながらも、ほぼ一直線に商店街が続くワンダーランド。近くには、これまた昭和レトロな中延商店街も。腹ごなしに、戸越公園でも見物しつつ大井町までトボトボ歩くのがオススメです。  と、余談はこれくらいにして、ゴローちゃんは、やってきました旗の台駅。ちょっと時間があるということで、ひとまずは喫茶店「アティック」でメールをチェック。 「あ、ジョセフィーヌからメールが来てる」  おお、今回は謎に包まれたゴローちゃんのプライベートがほのめかされる展開なのか?  英語のメールを日本語のナレーションで読み上げるゴローちゃん。今日は、ジョセフィーヌからの依頼で、銭湯のリノベーションのチェックという仕事の様子。  その仕事を前に、まずゴローちゃんが注文したのはクリームソーダ。ワイルドなはずのゴローちゃんがクリームソーダ。これ、原作の谷口ジロー先生の傑作『事件屋稼業』(双葉社)において、深町が深夜のファミレスで「うんと、甘いの」とパフェを注文するシーンのごとき、ハードボイルドなダンディズム。そう、背中で語る男には、一見似合わない注文こそがカッコイイのです。 「これこれ、このわざとらしいメロン味」  原作から拾った言葉を挿入しつつ「昭和の甘さ」「正しいクリソダ」。最初、なんといってるのかわからなかったのですが、クリームソーダをゴローちゃんはクリソダと省略。これは、いったいどこの方言なのでしょう?  さ、驚くのは次の瞬間。「そしてそして」と、ゴローちゃんは、まだ一口しか食べていないアイスクリームを完全に混ぜ込んでしまいます。な、なんとぜいたくな。貴重なアイスクリームは自然に溶けるまで、はじっこのちょっと凍ったところから、少しずつ食べるんじゃないのか? いや、これこそ、いつでもクリームソーダを注文できるくらいの懐の余裕ができた大人のワザなのか?  ま、オープニングを前にここまで文字数を使ってしまったあたり、すでに神回の予感です。  さて、オープニングを終えて、やってきたのは廃業した銭湯……って、ここ荏の花温泉じゃないか。この建物はまだあったのか!! と、元住民の筆者は驚きました。ロケで借りたのか、それとも何か別用途に使用しているのか、気になります。  こちらで待っていたのはオーナーの神尾佑。  リノベーションの参考資料ということで、さまざまな写真を撮影するゴローちゃん。ここの会話で明らかになるのは、ジョセフィーヌがフィンランド人であるということ。どうも彼女は、廃業した銭湯を用いて雑貨カフェを開くもくろみなのだとか。いろいろと謎です。  神尾演じるオーナーも、銭湯の一部を「ここは、いずれ釣り堀にでもしようと思っているんです」とか、やっぱり謎。で、ネットで調べてみたら、実際に工務店が所有していて現在は休業しているものの、元銭湯の釣り堀という形で営業していたんだとか。す、すごい……このタイアップがスゴイ!  と、導入部も終わり……かと思いきや、ゴローちゃんの手にしていたデジカメには、懐かしいパリの写真が。「紗雪……元気かな……」と、ふと忘れていた恋を想い出すゴローちゃん。パリの思い出のはずなのに、かつての恋のドラマの回想はどう見ても日本という……なんなの? なんにしても、ここまでですでに脚本がいつもの10倍くらい濃いですよ。これは、料理だけではなくドラマの部分に重点を置こうという、新たな手法に違いありません。  こうして、腹が減ったら、いつものゴローちゃん。 「今、俺が欲しているのは胃袋がドギマギするような料理だ」  そして、目の前に現れる店。 「スペイン食堂、石井」 「今、ずっきーんと来たぞ……真っ赤な看板が腹を空かせた俺という牛をガンガンと煽り立ててくれる。旗の台にスペインの旗。俺は闘牛だ……よぅし、突っ込んでいこうじゃないか」  今シーズン屈指の名言を吐きつつ入店すると、店員はいまや太ったおばさんキャラを確立した佐藤仁美。風景に馴染みすぎなのが、大女優の風格です。  さあ、メニューを開こうとすれば何かを炒めるバチバチという音。なんだ、この演出の挿入は? 「ええ、なになに? スペイン流の派手なお出迎えか……牛なんだからこんな音にビクつくな、こっちに集中するんだ」  パエリアが一人前から注文できることがわかって、本丸を固めるゴローちゃん。あれこれと呪文みたいなメニューをかまずに読み上げ、どんどん興味を惹かれていきます。ここに新たに見つけるのは「ハーフサイズもできます」という貼り紙。一気に、いろいろと楽しめる枠が広がってゴローちゃんは大喜び。 「せっかくだから、いろいろと食べたい」  イカ墨のパエリアを本丸に、ゴローちゃんがハーフサイズで注文するのは……サルスエラ・マッシュルームの鉄板焼き・サルシッチョンのレヴェルト・タラのアリオリオオーブン焼き・スペイン産ガス入りウォーター……素人目に見てもやりすぎですが、佐藤仁美も止める気がありません。  ここで、近くのテーブルで子どもが「バチバチきたー」と運ばれてきたのは、エビの鉄板焼き。なんでも、塩が弾ける音なんだそう。 「え、そうなの。俺は塩にビクついてたのか……」  ちょっと弱気になるゴローちゃんの前に運ばれてきたのは、マッシュルームの鉄板焼き。なんと、お通しのパンも一緒です。いや、パンはヤバいって。この手の料理店のパンって、信じられない勢いで腹をいっぱいにしちゃうのですから。でも、ゴローちゃんなら、おいしく食べきってくれるはず。それをかたずをのんで見守りましょう。  生ハムなどが入ったマッシュルームを、苦労しながら一口で食らうゴローちゃん。 「マッシュルームの概念を超えている。俺、マッシュルームのおいしさって、今ままで知らなかったのかもしれない……」  続いてやってきたのは、サルシッチョンのレヴェルト。なんのこっちゃわかりませんが、イベリコ豚のサラミとキノコのとろとろ卵炒めということで理解すればよいようです。 「あっこれはおいしい。塩加減が絶妙」 「トロトロ卵にサラミとエリンギの食感そこに黒胡椒。このレヴェルト……レベル高いんじゃないの?」 「マドリッドあたりの朝食こんな感じかな?」 「このレヴェルトレベル高いんじゃないの?」なんて、セリフが吐けるのもゴローちゃんのダンディズム。ちゃんと、パンに乗せて食べるあたりがゴローちゃんのテクニックです。  ここで、さらにニンジンサラダも追加注文しちゃうゴローちゃん。だって、隣のテーブルに運ばれてきたそれは、ニンジンを千切りにしたもの。いや、その赤さがうまさを徹底的に主張しているワケですから。思わず注文しちゃいますよね。  そこにさらに、追加はこちらタラのアリオリソース焼き。 「トマトの舞台でタラがフラメンコを踊っている。情熱的な光景だな。そそるぞ……そそるぞ……」 「うわぁ、このトマト旨み吸いまくり大会」 「タラとの組み合わせが、まさにスパニッシュギターとダンサー」 「超絶うまし。アリオリソースのオーブン焼き。旗の台にアリオリハベリイマソカリ」  そんなに満足しているくせに、さらに子ども連れのテーブルに運ばれてくる魚介のパエリアを見て「おお~。あれぞ、ザ・パエリア」と、ゴローちゃんの食欲は止まる気配がありません。  そこへやってきました。ニンジンのサラダとサルスエラ。サルスエラとは、いわばエビや貝がたっぷり入ったブイヤベースのスープ。 「ブイヤベースって、名前からしておいしそうだが見た目もそれを裏切らない」 「お~、味も見た目を裏切ってないぞ。ヒヒヒヒといううまさだ」 「地中海のエキスが凝縮されている。日本の海とはまた違う栄養滋養を感じる」 「ここでタラかぶり。でも、まったく問題なし」  貝などは手で摘まんで食べるゴローちゃん。安心してください。だいたいのスペイン人とかも、こういうのは手を使って食べますから、マナー違反じゃありません。まだまだ残っていたパンをスープに付けて「ねっ、おいしいよね、これ。このおいしさ世界共通だよね」。ニンジンサラダもほおばって「あ~、これはみんな頼むはずだ~、横にあるとうれしい味」。  ここで唐突に挿入される演出が、子ども連れのテーブルでの「ハッピーバースデートゥーユー」の歌声とケーキカット。子どもの時からこんなおいしそうな店で慣らされているなんて、うらやまし!!  でも、注目すべきは、そんな様子を見もしないで、手づかみで「う~んエビうまし」とやってるゴローちゃんです。  ここまで堪能した末に、ついに到達するのは本丸・イカ墨のパエリアです。 「一人前いい、サイズ最高!」  もう相当腹いっぱいだと思うのですけど、まったく、そんなそぶりは見せないゴローちゃん。ハイテンションな音楽と共に、食いっぷりには拍車がかかります。もう説明など、要りません!!!! 「さぁ、黒いお米をいただこう」 「うまい! イカスミのコクたまらない」 「赤パプリカにイカ、あっ、タコもか。イカスミの真っ暗な海底にさまざまなうまものが潜んでいる」 「こいつは、サルスエラとはまた別の滋味を形成している」  最後、鉄板に張り付いた、おこげまでこそげとって平らげたゴローちゃん。完全に満足して店を出たとき、ファンを驚かせる一言が……。 「いい食堂だったな。ジョセフィーヌが日本に来たとき一緒に来ようかな」  え、やっぱり、ジョセフィーヌとはそういう関係なの?  ゴローちゃんの知られざる女性関係が、次々と明らかにされそうになった今回。最終話までに、ゴローちゃんが恋人と再会する日は来るのか……?  でも、ジョセフィーヌってフィンランド人の名前じゃないよね。謎は深まるばかりです。 (文=昼間たかし)

ほかのドラマがズタボロの中……通算2ケタゴールの小栗旬主演『CRISIS』がフジの救世主に

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フジテレビ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』
 小栗旬主演の『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(火曜午後9時~/フジテレビ系)が6月13日に最終回(第10話)を迎え、平均視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。これは、裏で放送された『ロシアW杯アジア地区最終予選 イラク×日本』(テレビ朝日系)が19.7%の高視聴率を獲得した影響と思われる。  最高は初回の13.9%で、計3度の1ケタ台はあったものの、全話平均は10.6%となり、2ケタ台を死守した。今期のフジの連ドラは、局が総力を挙げた月9ドラマ、嵐・相葉雅紀主演『貴族探偵』がよもやの低迷。第9話までの平均は8.5%で、全話平均で2ケタに乗せるのは絶望的。桐谷美玲主演『人は見た目が100パーセント』(木曜午後10時~)は5~6%台を、観月ありさ主演『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(日曜午後9時~)は4~5%台をウロウロしている惨状だ。  それを思えば、唯一2ケタ台で終えた『CRISIS』は、まさに“救世主”といっていいだろう。残念ながら、前期の草なぎ剛主演『嘘の戦争』の平均11.3%を上回ることはできなかったが、フジが置かれている現状を考えれば、10%超えしただけでも御の字だろう。  低迷が続くフジの連ドラの中にあって、「火9」ドラマは2期連続で2ケタ台をマーク。7月期の窪田正孝主演『僕たちがやりました』に、いい流れができた。ただ、同枠は系列のカンテレ(関西テレビ)の制作で、フジが制作するドラマがまるでヒットしない状況に変わりはない。  そもそも『CRISIS』は、2014年4月期に小栗主演でテレビ朝日系にて放送された『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』の流れをくんだドラマで、原案・脚本は、ともに直木賞作家・金城一紀氏が担当。つまり、人のふんどしで相撲を取るようなものだったが、今のフジにとっては、数字が取れたことのほうが大事なのだろう。  くしくもテレ朝は、『CRISIS』最終回の翌14日、小栗と金城氏のタッグを復活させ、年内にスペシャルドラマ『BORDER2 贖罪』をオンエアすることを明らかにした。好評だった『CRISIS』人気に便乗したタイミングでの発表となったのは見え見えだが、テレ朝的には、このコンビによる作品は「ウチのもの」との思いが強いのだろう。『BORDER』は平均12.2%と、高視聴率をマークした実績があるだけに、スペシャル版もファンの期待は高くなりそうだ。 (文=田中七男)