「のうのうと生きてちゃいけない」“リストカッター”鳥居みゆきが生きる意味を得たマンガ

【サイゾーpremium】より ――サブカル系のマンガ読みとしても知られ、”リストカット”経験を持つ芸人・鳥居みゆき。今年7月に発売された小説『余った傘はありません』(幻冬舎)でも自らの死生観をぶつけているという彼女は、小さい頃から「35歳で死ぬ」と公言しているという。そんな彼女に、リストカット体験を踏まえて、生きる意味を与えてくれたマンガについて聞いてみた。
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(写真/オノツトム A/M)
──鳥居さんは、好きなマンガ家さんっているんですか? 鳥居みゆき(以下、鳥居) 丸尾末広先生が大好き! 9月にやった単独ライブのチラシも、丸尾先生に描いてもらったの。で、今度発売する丸尾先生の画集にもコメント書かせてもらったんだ! いいでしょ! ──うれしそうですね……。丸尾先生にハマったきっかけは? 鳥居 小さい頃に、古本屋で、見世物小屋を舞台にした『少女椿』(青林工藝舎)を立ち読みして衝撃を受けて。それからしばらく見世物小屋の人につきまとって、「見せ物じゃねーよ!」って怒られてたくらい。それ以来、ずーっとファン。でもね、当時は、お小遣いを全部甘いパンに使ってて、そればっかり食べて太ってたから「白豚」って呼ばれてたの。 ──えっと……? 鳥居 だから、丸尾先生のほかの本がなかなか買えなかったの。 ──ああ、なるほど。 鳥居 白豚って呼ばれるのは構わないけど、でも丸尾先生の本は欲しいなって悩んでて。結局パンを我慢して丸尾先生の本を買うようになったの。それで痩せたし。ちょっとスリムになったのは丸尾先生のおかげ。 ──丸尾ダイエットですか(笑)。 鳥居 そう。あとね、つげ義春先生の『夜が掴む』『外のふくらみ』(共にちくま文庫)も好き。みゆきも夜が怖くて、「同じ感覚の人がいたんだ」って思った。夜眠れなかったんだけど、これを読んで部屋の窓にガムテープで目張りして、夜とか外が入ってこないようにしたら安心できるようになった。 ──それからは、夜眠れるようになったんですね。 鳥居 ううん。眠れない。 ──え? 安心できるって……。 鳥居 安心しても眠れるかどうかは別。だって、昼に寝てるもん。 ──……。ところで、本題に入りますけど、”死の描写”に惹かれたマンガ作品ってありますか? 鳥居 丸尾先生の作品のように、死んだ時が一番美しくなるように描いてたり、性と食のとらえ方が真逆で、人も殺していいっていう、藤子・F・不二雄先生の『気楽に殺ろうよ』とか、死を大げさにせずに、身近にあるものとして描くものが好き。 ──自分の死を意識することは? 鳥居 いつも。指にささくれができても「死にてぇ」って思うもん。 ──聞いたところによると、リストカットの経験もあるとか……。 鳥居 うん。でも、ある時「リストカットはダセぇな」って気づいて。その痕を消そうと思って、リゲインのふたの下のクルクルってなってるとこで、傷の反対側を切って皮膚をくるんって剥がせば傷が消えるんじゃねぇかって考えて、やってみたの。 ──成功……してないですよね?リストカットより怖いですよ。 鳥居 もう血がドバドバ出て。おかげで「痛い、痛いぃー! はっ! 私、生きてる!」って思えたんだ。 ──リゲインの用法違いますよ。 鳥居 でも、リゲイン飲んだから「よし、やるぞ!」って勢いがついたし。まぁ、リストカットの痕は自然に消えて、リゲインの傷だけ残っちゃったんだけどね。あはは。 ──壮絶ですね……。生きることを考えたマンガ作品とかはあります? 鳥居 しりあがり寿先生の『ジャカランダ』で、それを考えた。この作品の中では、死は重要視されていなくて、人を平気で殴り殺しちゃったりするの。で、その世界ではある”木”をご神木のようにみんなでありがたがってるんだけど、その木が成長して人を殺すようになって、初めて人々が死を恐れるっていう内容で。これを読んで、「のうのうと生きてちゃいけないな」って感じたよ。逆に、『方舟』(太田出版)を読んだ時は「生きててもしょうがねーじゃん!」って考えさせられたりもしたんだけど……しりあがり先生のメッセージは押しつけがましくなくて、かえって受け入れやすい。そこがかっこいいって思うの。 ──本当に「死にたいな」と思い詰めた時は、そういったマンガに救われたりも? 鳥居 ううん。そういう時は『美味しんぼ』で栗田ゆう子がアワビのしゃぶしゃぶを食べてるシーンを読んで、「エッロいなー」って思ったり、『名探偵コナン』(小学館)とか適当に読んで、あまり深く考えないようにしてる。 ──そこは、あまり重くない本を選ぶんですね。ちなみに、鳥居さんが人にマンガを勧めるなら? 鳥居 うーん。しりあがり先生を勧めたら「ちょっと怖いよ」とか、丸尾先生を勧めたら「絵はキレイなんだけどね……」って言われたりしてイラッとするから、最近は弘兼憲史先生の作品を勧めてる。 ──これまた幅広い。 鳥居 この間も『黄昏流星群』(小学館)を読んでたら、おじさんがテレビをぼーっと見てて、小島(よしお)らしき芸人が「おっぱっぴー!」とかやってたら消されるっていうシーンがあって。すぐに小島に電話して「おい! お前、すべってるぞ!」って言ってやったわ。 ──小島さん……(笑)。 鳥居みゆき(とりい・みゆき) 1981年、秋田県生まれ。高校卒業後、お笑い養成所「松みのるお笑い塾」に入る。現在はサンミュージックプロダクション所属のピン芸人。『PON!』(日本テレビ)にレギュラー出演するほか、バラエティに限らず、映画やドラマ、小説などでも活躍中。近著に、『余った傘はありません』(幻冬舎)。 【「サイゾーpremium」では他にも自殺をとりまく事象に迫る記事が満載!】『よいこの黙示録』『ぢるぢる日記』etc. マンガ家たちはなぜ自殺したのか? 最期の作品に隠された”遺言”自殺大国の実相と社会的包摂の必要性“劣悪”精神医療と製薬会社の思惑が自殺者量産!?
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【鳥居みゆき×小明】小説とDVDとゾンビ映画と白ブタと永遠の女子高生についてのパラグラム

torii_akari0001.jpg  小説『余った傘はありません』(幻冬舎)、巨匠・山岸伸によるファースト写真集撮影ドキュメントDVD『世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン』(コンテンツリーグ)、続いて私もゾンビ役で出演させてもらった映画『ゾンビデオ』の公開も控えて絶好調の鳥居みゆきさん。鳥居さんには何回もインタビューさせていただいているし、今日も楽しみだなぁとのんきに扉を開けて元気に挨拶をすると、鳥居さんが「えっ……そんなにフランクにくる感じ?」「なんか、どんどんお金かけない服になってきてるね。一応アイドルなのに」と苦笑いで迎えてくれました。出鼻をくじかれ、とめどなく流れる冷や汗の中で取材スタートです。 小明 このたびは、小説やDVDが立て続けにリリース、そして映画『ゾンビデオ』の公開ももうすぐのようで……。 鳥居 『ゾンビデオ』っていつ公開なの? ℃-uteと一緒に完成披露試写会をやったけど、それもけっこう前なのよ。 小明 それ観に行きましたけど、確か去年の夏でしたよね。公開は今年の春か夏って言ってた気がするんですけど……。 鳥居 夏きちゃったよ! 小明 完成から一年たちますね。鳥居さん、ほぼ主演だったのに。 鳥居 違うよ、主演は℃-uteだよ。みゆきは小明ちゃんと一緒だよ。 小明 私、素顔が一瞬しか映らないゾンビですよ(笑)。ずっと白目のコンタクトレンズで角膜が剥がれるかと思いました。 鳥居 それはそれでいいと思う(興味なさそうに)。 小明 DVD『世界鳥居紀(奇)行 in サイパン』では、海に沈んだり溺れたりとひどい目に遭いすぎて、ゾンビのようになってましたね。あんなに素顔でゾンビっぽくなれる人、他にいないですよ。 鳥居 そんなシーンないよ(きっぱり)。でも本当クソッタレだよ。だって、あんなの、やる予定じゃなかったんだよ。なのにコンテンツリーグさんが宣伝を勝手に進めちゃってさ、そこに「アクティビティに挑戦!」って書いてあってさ。 torii_akari0002.jpg 小明 「アクティビティ」って、また大ざっぱですよね(笑)。具体的に何をやるのか、ちょっとピンとこないですし。 鳥居 どうせ、アクティブな人間がラウンドワンとかでやるようなことでしょ? 宣伝に載っちゃったんなら、やるしかないでしょ。恐ろしいよ、コンテンツリーグ。 小明 前作の『世界鳥居紀(奇)行 in タイ』は、まだ鳥居さんも楽しんでいる感じがしましたけども、今回のは逃げ場なしといった感じで。 鳥居 タイは一応、楽しかった。今回は、楽しめないってことが最初からわかってたから。なんか、カメラが好きなカメラ小僧のおじさんがついてくるっていうし。 小明 山岸伸さんは巨匠ですよ! 山岸さんの撮影はどうでした? 鳥居 汗すげぇかくなぁって思った(笑)。汗かくのに痩せない人っているよね(笑)。 小明 写真の方はさすがにきれいに写ってましたね。 鳥居 ね。あの人、カメラ小僧のわりに意外とうまいよね? 小明 だから巨匠なんですよ! グラビア撮影はどうでしたか? 鳥居 私、毛がないんで、どこが出てもかまわないんですけど、肌が嫌なの。 小明 あの、ほとんど外に出てない感じの肌の質感に親近感が湧きました。 鳥居 バレた? 引きこもってる感あった? 外嫌い(笑)。 小明 でも、今の時代にグラビアでサイパンなんてすごいんですよ。篠崎愛さんとか吉木りささんじゃないと、連れて行ってもらえないんじゃないですかね。 鳥居 ……吉木りさちゃんに似てるよね。言われない? 小明 すごく疲れているときの吉木さんと、すごく調子がいいときの私がたまに似てるって言われます。 鳥居 そういうことだよね。イルカとクジラの境界線みたいなもんでさ。デカさで分けてんじゃん、あれ。それと同じで、めっちゃ疲れさせたら、吉木さんのグレードが下がるから、そのときに小明ちゃんがめっちゃ頑張れば、ギリ。境はあるんだけどね、確実に。 小明 そうなんですよね。境は確実にあるので、並べられたくはないなって思います。吉木さんは自分が勝っているのが本能でわかってるから、似てるって言われてるのを耳にしても「小明さんと絡みたい(笑)」とか言ってくれてるんですよ。でもこっちとしては、それってそうとうキツイんですよ。 鳥居 それは余裕がある人の発言だよね。ドジョウとウナギの差だもんね。ドブだもんね、小明ちゃん。 小明 ドブ……? えっと、DVDの話に戻りますが、海では奇声を上げたり地べたを這い回ったり、けっこうなはしゃぎっぷりで、さぞかし体を傷めたことだと思います。 鳥居 大丈夫、血がちょっと出るぐらいしか。 小明 あ、ちょっと跡が残ってる! っていうか、なんか傷だらけ! 鳥居 そう。毎日、毎日、傷ができるよ。ここも城咲仁のせいでパックリいっちゃうしさ。本の宣伝しようとしたら城咲仁が「おい、今、宣伝するなよ」っておどけてきて、その時に紙で皮膚がやられて城咲仁に「ジーンってやっちゃった」ってナチュラルダジャレ言っちゃって「ああああああ」ってなって……(赤面)! 本当にナチュラルダジャレほど恥ずかしいものはないよ。血も出たし、ちょう痛かった。映像も全然繋がらないし、ぜんぶ仁のせいです。(「実際は血なんて全然出てませんよ」担当マネージャー談) torii_akari0003.jpg 小明 流血といえば、小説で、そっくりな双子が似ていないところを作ろうとリストカットする場面はジーンときました。 鳥居 本当に? 私、全然きてないよジーンと。『余った傘はありません』ってタイトルは、どう取る? 小明 読みはじめは双子が憎み合って「お前にやる傘なんてねぇよ」みたいな意味かと思ってましたけど、ラストまで読んだら違いました。意外とあたたかかったです。 鳥居 よかった、わかってくれて。私が思う『余った傘はありません』っていうのは、例えば、好きな人がいて、私だけが傘を持っている時に「一緒に入ろう」って言えない、ちょっとした心の歪みというか……私が人に対して素直になれない部分が込められています。 小明 やっぱり、ご自分がモデルになった話も多いんですか? 鳥居 なんかね、エッセイって自分を良いように書いちゃうけど、実は小説の方が自分が出ちゃうんだって。 小明 自分が考えていることを整理できて、セラピーにもなるって聞きますよね。小説の中で双子が互いに比べ合って、劣等感から「いい子でいなくちゃ」って追い詰められていく感じはよくわかります。鳥居さんも、お姉さんがいらっしゃいますよね。 鳥居 私、超デブだったの。おねぇは、変わらずキレイなままなの。読者モデルとかいろいろやってて。 小明 読者モデル! それって一番いいやつですよね。あえて女子アナを狙わない、欲のない美しさ。 鳥居 そう! そうなの! 一番モテるもん。そこと比較されて、白ブタって呼ばれてたから、私。 小明 白ブタ(笑)! 奇遇ですね、私もギャルの姉にガンハクトン(意味:顔が白い豚)って呼ばれてました! いつ、お痩せになったんですか? 鳥居 中2になって、背がいきなり伸びて、ちょうどいい感じになりました。よかったー。 小明 いい感じになっても、内面には比べてられていた時期の自分が根付いているから……。 鳥居 そう、暗いんですよね、結局は。すごい暗かったし、髪もどっちが前かわからないビッグフットみたいな感じで、人と目を合わせなくてもいいようにしてました。 小明 未確認動物状態だと、卒業アルバムもつらい感じになりそう。 鳥居 卒アルの集合写真って、目立っている人を重点的に良くしようとしてない? ずるいよね! 私、ひとりだけすげぇブレてるんだもん。あれ、ヒドイよ。でも、写真の上にひとりで載るやつも憧れる。 小明 私、昔それを狙って集合写真の日に学校休んだんですけど、上に別個で掲載もなくて、普通にクラスに存在しない人になってて悲しかったです。 鳥居 それはそれでいいね! ……ねぇ、あれって死んだら白黒? 小明 ひとりだけ白黒の黒縁にされても暗い気持ちになりますし、普通じゃないですか? っていうか、その枠には憧れちゃダメですよ! もう大人なんですから! 鳥居 でもね、私、高校生のとき、何があっても毎日学校行ってたの。で、卒業式だけ行かなかったの。だからね、私、永遠の女子高生なの。まだ、卒業証書もらってないの。すごくない? 「取りに来て」って言われたんだけど、まだ行ってないから、まだ女子高生のままなの。すごくない? 永遠のJK。 torii_akari0004.jpg 小明 ……。小説は、どれぐらいの期間で書かれたんですか? 鳥居 1年くらい幻冬舎で連載してたの。毎月書いてるから、全然繋がってなくて(笑)。いろいろ直して、量も増やして、タイトルも変えたって感じ。前は『4月1日』ってタイトルだったんだけど、「なんか違うな」って思って。「なんだそれ」って。「バカじゃねぇの?」「クソだな」って。 小明 そこまで思わなくても。最後はそれぞれの人生が交差して、ちゃんと繋がってましたよ。泣ける話もあって……。 鳥居 泣ける話あった? ひとつも泣いてないよ。『乾杯』が評判いいんですけど、女の子がすごい「感動した」とか言って、ホロッときてる感を出して、純粋な女の子と思われようとしてるんですよ(笑)。バカだな(笑)。 小明 自分で書いておいて見下すって、もう意味わかんないですよ! 鳥居 ひねくれてるの! あと、わかりづらいよね。『←ラブレター』には、ちょっとした仕掛けがあるのよ。親切心のやじるしがついてるでしょ。 《一部抜粋》 すみません、初めてお手紙を書きます。 きのう駅であなたに財布を拾ってもらった者です。 できたらお礼がしたいのです。 すごく嬉しかったものですから、連絡ください。 小明 わ! 気づかなかった! この章ぜんぶ縦読みじゃないですか! 意味も本文と交差してるんだ、わー!! 鳥居 気づいても気づかなくても楽しめる作品。 小明 テクニカル! お互いに劣等感を持った双子の姉妹を軸に、登場人物のねじれた恋愛模様や心の闇がいくつも交差して、最後はあたたかい気持ちになる、これかなり良い小説ですよね。 鳥居 大人になったからこそわかる余裕みたいな、そういう感じのお話にしました。ふふふ。 小明 たくさん重版がかかりますように! この本は、どんな人に読んでもらいたいですか? 鳥居 子どもから大人まで幅広く読んで欲しいですね(棒読み)。 小明 子ども、歪むなぁー! 鳥居 じゃあ、(村上)春樹に飽きた人とか東野圭吾に飽きた人が読めばいいよ。 torii_akari0006.jpg 小明 投げやり! 個人的には、愛情表現が下手でこじれちゃった人には、きっとハマると思いますよ! 最近は舞台もやられていますし、次の単独もありますし、ずいぶんお忙しそうですね。単独のネタはもう固まりましたか? 鳥居 固まってはきてて、どういう組み立てにしたらいいか考えている。無意義と有意義をプラマイゼロにしたい感じ。メッセージ性ってさ、強く長く出すとダサいじゃん。 小明 努力、希望、仲間、絆、生きていく意味、みたいな? ひねくれた性格だと、メッセージ性が強いと引いちゃいますしね。 鳥居 そうそう。今、舞台の稽古をやってるんですよ。人が書いた本ってものにもまだ馴染めないし、今、けっこうストレス抱えてる。 小明 稽古って時間もかかるし、ギャラも出ないし、知らない人との団結を求められて……よほど好きじゃないと胃にきますよね。 鳥居 そう、「このカンパニーで~」とか言いだすのよ? 最近の劇団は。寒気するわーって思って。 小明 カンパニー? ベビースター? 鳥居 おやつカンパニー以外で聞かないよね? だから、「私、劇団員じゃなくてビジネスなんで。そういうノリじゃないんで」ってハッキリ言いました。そしたら、若い、初めて舞台に出る女の子とかが、「劇団員じゃないけど、みんなでカンパニーとして、仲良くなっていきたくて、前向きにぃ……」とか言いだして、さっきのは全否定かいと思って。(※ちなみに舞台は大好評で幕を閉じたそうです) 小明 うわー、DVDのアクティビティもそうですけど、ストレスになるのが分かってる仕事の前の晩はつらいですよねぇ。 鳥居 あぁ、それは昨日のことだな。 小明 ……もしかして、ちょっと飽きてきてますか? 鳥居 気づいていると思うけど、ちょっとじゃないよ。 小明 わー、どうもありがとうございました!  好きな人に「一緒に入ろう」が言えなくて「余った傘はありません」と突き放す鳥居さんですから、この私とのやりとりの中にも、きっとどこかに不器用な愛が隠れているはず……と一生懸命さがしてみましたが、特には見付からなかったので、本当に早く帰りたかったんだと思います。単独ライブも、昨年秋から一切情報が更新されない『ゾンビデオ』も楽しみですね! (取材・構成=小明) ●とりい・みゆき 1981年、秋田県生まれ。07年頃から、白いパジャマでテディベアを抱えた「マサコ」キャラでブレイク。以降、テレビ、映画、ラジオ、出版など幅広い活動を続けている。近著『余った傘はありません』(幻冬舎)発売中。DVD『世界鳥居紀(奇)行 IN サイパン』(コンテンツリーグ)は8月22日発売。映画『ゾンビデオ』(http://www.zomvideo.com/)年内公開予定。 鳥居みゆき 単独ライブ 狂宴封鎖的世界「方舟」 9月27日(木)~9月30日(日) 全6回公演 【場所】草月ホール(住所:東京都港区赤坂7-2-21) 【チケット発売情報】8月18日(土) CNプレイガイドにて午前10:00発売!

「わたしなりの『情熱大陸』です!」鳥居みゆきが微笑みの国・タイで大暴れ!!

torii0617main.jpg  カルト芸人というイメージの強い鳥居みゆきだが、最近のテレビでの活動を見るに、わりとお茶の間対応した芸風になってきてるのかな......と思っていた。しかし鳥居みゆきは、まだまだどーかしていたのだ!  人生初となる海外ロケを敢行したDVD『世界鳥居紀(奇)行 IN タイ』。鳥居みゆきがタイを旅して魅力を伝えるポップなDVDなのかと思いきや、そこには異国の地で奇行を繰り広げまくる鳥居の姿が。  旅行番組のフォーマットを踏襲しようとしつつも、まったく成り立っていないシュールな映像が詰め込まれたDVDについて何を聞いたもんやらと、困惑したままインタビューに向かったのだが......。 ――今回のDVD『世界鳥居奇行 IN タイ』は本編が3分、映像特典が69分というすごく変な構成で、見はじめたらすぐに本編が終わっちゃったんでビックリしましたよ。 「あー、それはデッキが壊れてたんじゃないですか」 ――いや、壊れてないですけどね。 torii0617sub01.jpg 「私んちのデッキも壊れてたんですよ。事務所から『チェックしといて』って渡されたサンプルDVD見ようと思ったら『ぷっすま』がはじまって......。髭男爵さんが変な特技をやってエライ空気になってるのをひとりで見ちゃいましたよ」 ――それは何かが根本的に間違ってますね。 「そしたら事務所の人が『違うの渡しちゃったよー』って。でも、このDVD(『世界鳥居奇行』)は、ジャッキー・チェンなんですよ! ジャッキーの映画って最後にNG集が入ってくるじゃないですか。『それだ!』と思って」 ――別にジャッキー映画もNG集が69分あるわけじゃないですよ。 「だから、逆ジャッキー・チェンです。ユン・ピョウだ!」 ――タイに行くことになったのは鳥居さんの希望だったんでしょうか。 「私はパリに行くと思ってたんですけど......。エッフェル塔の前でフランスパンとオレンジを持って、パリジェンヌになりたかったんですよ。ナイススティックも好きだからフランスパンじゃなくてもいいんですけど」 ――その企画、ワンカット撮って終わりですよ。 「それをやろうと思ってたのに、着いてみたらタイだったんでチョー腹が立って! しかも、お札がくさいし」 ――ところで鳥居さんは今回が初海外だったそうですが、飛行機とかは大丈夫なんですか? 「昔は好きじゃなくて。危ない......危ないから......。すごくおっかないです! だって、飛行機って全員が『浮く』って思わない限り浮かないじゃないですか。乗ってる人がひとりでも『落ちる』って思ったら、落ちるから」 ――だとしたら、鳥居さんと一緒には乗りたくないですね。 torii0617sub02.jpg 「私なんかずっと『みんな頑張ってくれ!』ってお祈りしてましたから。飛行機にはじめて乗ったのも20歳を超えてからですもん。それまではおっかないから全部フェリー移動で」 ――フェリーだって沈む時は沈みますよ。 「またまたー、フェリーは沈まないよー! うふふふふ。だから遠くに行くのは全部フェリー」 ――目的地が内陸だったらどうするんですか。 「そういうところは行かない」 ――はじめて行った海外の印象はどうでしたか。 「トイレが汚い!」 ――ああ、タイのトイレってトイレットペーパーないですもんね。 「だからお尻とか水で洗うの。ホースでジャーッてするパターンと、桶でバシャバシャかけるパターンがあるんですけど、どっちにしろ便器がベッチョベチョになっちゃってるから。そんな便器に自分のお尻つけたくないじゃないですか。スタッフの人たちもみんな、腰をちょっと浮かせてするのが大変だって言ってたんで、私も『イヤだなー』って思いながらトイレに行ったら全然大変じゃなかったの。私、日本でもちょっと浮かせてウンコしてたみたい」 ――日本のトイレでも汚いからお尻をつけたくないと。 「いや、私の中でその高さまでが便器っていう概念なんでしょうね」 ――タイの虫料理にも挑戦してましたよね。偏食で知られる鳥居さんですけど、大丈夫だったんですか。 「虫はねー、いつも食べてるのよりマズくてねぇ」 ――......何を言ってるんですか。 「え、だって口に入っちゃうじゃないですか、歩いてると。そっちの方が美味しい」 ――ああ、蚊柱的なものが。 「あとはご飯の上に虫が乗ってたりすると、チャレンジするんですよ。『お皿から口まで運ぶ間に逃げられるかな?』って。でも、わりと逃げないんでそのまま食べ ちゃうの、美味しいから。タイの虫は食べやすくしてるんでちょっと......」 ――タイで売られている虫は調理してありますからね。 「だから虫のブチュッていういい食感が全然なくて。味も薄味だし。......そういえば、カールにも薄味ってありますよね。アレ、なんで薄味なんかにしちゃってるんですかね。濃い方がいいのに、へんなのー」 ――それは明治製菓に聞いて下さい。 「んふー!」 ――DVDの中でワニ園に行ってましたけど、あそこは楽しかったんじゃないですか。ワニ釣ったりとかして。 「全然面白くない! ワニの口を開いてパフォーマーのおっさんが頭入れたり腕入れたりして『どうよ?』みたいな、しょーもない茶番をやってるんですよ。ワニとコントみたいなことをやったりもするんですけど、お客さんからお金が投げ入れられたらコントを中断して拾いに行くんですよ。コントなんてどうでもいいの、銭ゲバ! あとは、ワニの口開いて『ワニ皮の財布ですよー』みたいなことをしてお金入れてもらったり......ホント面白いですよねぇー」 ――さっき面白くないって言ってたじゃないですか。 「ある意味、面白い! 歴代のワニ・パフォーマーの人たちの写真が飾ってあったんですけど、もうボロボロになったおじいちゃんがポーズ決めて写ってて、それが面白くって......。絶対みんな死んでるんですよ」 ――全員ワニに食われてたらイヤですね。 「そんな体はって生きてきて、最後は階段から転げ落ちて死亡だったらもっとイヤですけどね!」 ――もうちょっと、タイで楽しかった話を聞きたいんですけが......鳥居さんって濃い顔のおっさん好きじゃないですか。 「えーっそんなことないよ」 ――石原伸晃さんとか好きでしょ。 「伸晃さんは全然濃くないよ!」 ――濃いですよ。じゃあ鳥居さん的に濃い顔っていうのは......。 「ゾマホン!」 ――うん、まあ確かに濃いですけどね。 「あとは、私のチーフ・マネジャーの小林さんっていうのがビッグフットみたいな顔してるから、濃い!」 ――濃い顔が好きだったらタイ人とか好みなのかなと思ったんですが、そうでもなかったんですね。 「タイ人の中では、なよっとしてる人の方が好みだなって思いました。でもそういう人ってみんなゲイなの。それ以外の人はモサッとしてて、汚いし、くさいし! 伸晃さんは小ぎれいじゃないですか。タイの人も、もっと小ぎれいにしてヒゲを濃くしてもらって、国土交通省とかに一回入ってもらったら好きになれますけどね」 ――国土交通省っていうのが重要なんですね......。じゃあタイで一番記憶に残っているところってどこでしたか。 「記憶に残ってるところ......タイじゃなくてもいいですか?」 ――うーんとダメだけど、とりあえず言ってみて下さい。 「記憶に残ってるのは、このあいだ行ったセブンイレブン。そこの店員さんに惚れられて、モテキがいきなり来たんです。煮物を買ったら『これくらいの温度でいいですか?』とか『熱すぎますか?』『かわいい服ですね』とかちょいちょい色目を使ってきて、箸を五本もつけてくれたんですよ」 ――鳥居さんだって気づいてたんですかね。 「気づいてなかったんだけど、変える時に気づいたらしく『はあああーーっ、鳥居さん! すみません、もう一本つけます』って、結局箸を六本ももらいました」 ――タレントパワーは箸一本分だと。 「あ、そうか。どういうことだよー!」 ――DVDのタイトルに「IN タイ」って入ってますが......。 「引退しないですよ! 失礼な」 ――いや、「IN タイ」です。シリーズ化するとして、今後行ってみたい国はありますか。 「続編が出てパリとかに行ってたらDVDが売れたんだろうなーって感じはしますよね。熱海とかになってたら、あんまり売れなかったんだ......って」 ――熱海だったらもはや『世界』じゃないですね。やっぱり行きたいのはパリなんですね。 「いや、タイランド......」 ――タイは行きましたよ、もう。 「あとは、梅毒で亡くなった加藤清正の井戸とか行きたいです」 ――清正の井戸なんて、明治神宮にあるんだから今からでも行けばいいじゃないですか。 「梅毒で亡くなった加藤清正のパワーがもらえるんで。みんな梅毒のパワーを携帯の待ち受けにしてるんでしょ!」 ――はあ......まあ、とにかくDVDが売れてくれればいいと。 「別に売れなくてもいいです。『弾丸トラベラー』(日本テレビ系)とかで海外に連れてってもらえばいいんで」 ――じゃあ最後に、このDVD、何なんだと思って見ればいいのか教えて下さい。 「私なりの『情熱大陸』です!」 ――全編、情熱ゼロな顔してましたよ。 「じゃあもう、全部私が悪いってことでいいです! 是非、劇場版もお楽しみに」 (取材・文=北村ヂン/撮影=尾藤能暢)
『世界鳥居紀(奇)行 IN タイ』 女芸人・鳥居みゆきが、人生初の海外旅行に旅立つ冒険企画。生まれから一度も海外経験のない鳥居が、王宮文化と世界遺産を有する異国の地・タイで、言葉が通じない中での観光名所やグルメ情報のレポートに挑戦。 定価3,990円/絶賛発売中 amazon_associate_logo.jpg
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