故・水木しげるさんが周囲を脅していた!?「死んだら化けて出るぞ」に編集者「楽しみに待っています」

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『人生をいじくり回してはいけない』(筑摩書房)
『ゲゲゲの鬼太郎』を生んだ漫画家の水木しげるさんが、11月30日に多臓器不全のため93歳で逝去した。  昨年12月に心筋梗塞で入院、今年2月の退院後は仕事復帰もしていたが、さすが「妖怪の父」、親しい編集者らには「死んだら化けて出るぞ」と冗談を言っていたという。  15年以上も水木さんを担当していたことがある元編集者によると「水木先生は、遊び心に溢れていて、3年ぐらい前から似たようなことを言っていたんです。俺が死んだら楽しみにしてろよ、とか。最後の会話も春ごろにそんな語らいだった」という。 「水木さんの大ファンで息子に“きたろう”と名付けた人がいたことがわかると、わざわざその人に大きな“目玉親父のぬいぐるみ”をプレゼントしていました。人との関わりも大好きだったんでしょう」  一方、二等兵として第二次世界大戦時に従軍していた水木氏は、一貫して安保関連の法改正に反対というスタンスだった。戦場で戦局が悪化した際、上から突撃して玉砕しろとの命令が下り、兵隊たちが「なんでそんな死に方を」と嘆いていた実話を述べたりもし「日本を再び、戦争に巻き込んではいかん」と口ぐせのように言っていた。同時に原発推進の風潮に「便利すぎる世の中は、必ず文明に仕返しされる」と嘆いていたが、その思いは風刺的な作品群にも表れていた。  近年、水木さんの作品を担当したことがある別の編集者によると「安保法案反対の漫画を描きたいとおっしゃっていたこともありましたが、執筆ペースは落ちていたので、体が許さなかったのでしょう」という。 「石ノ森章太郎さんとは思想で意気投合していたようで、両巨星が生きていれば、コラボして反戦漫画を描いたと思います」(同)  晩年は「元アシスタントたちを全員集めて、1日で何枚描けるかもう一度挑戦したい」と意欲を燃やすこともあったというから、まさに最後まで漫画家であり続けた水木さん。大ヒット作『ゲゲゲの鬼太郎』がヒットしたときは妖怪という言葉すら世間に浸透していなかったが、偉大な妖怪の父を称えるかのように、最近は妖怪ブームが訪れていた。  化けて出るぞと言われた編集者たちは悲しみに暮れつつも、口々に「出てくるのを楽しみにしたい」と話している。ある人は「2020年の東京五輪のときにこれを開けろと玉手箱のような小箱を渡された」というから、しばらくは水木さんの遊び心に付き合っていられるようだ。水木さんもそんな下界の様子をあの世から妖怪たちと楽しく眺めているに違いない。 (文=ハイセーヤスダ)

故・水木しげるさんが周囲を脅していた!?「死んだら化けて出るぞ」に編集者「楽しみに待っています」

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『人生をいじくり回してはいけない』(筑摩書房)
『ゲゲゲの鬼太郎』を生んだ漫画家の水木しげるさんが、11月30日に多臓器不全のため93歳で逝去した。  昨年12月に心筋梗塞で入院、今年2月の退院後は仕事復帰もしていたが、さすが「妖怪の父」、親しい編集者らには「死んだら化けて出るぞ」と冗談を言っていたという。  15年以上も水木さんを担当していたことがある元編集者によると「水木先生は、遊び心に溢れていて、3年ぐらい前から似たようなことを言っていたんです。俺が死んだら楽しみにしてろよ、とか。最後の会話も春ごろにそんな語らいだった」という。 「水木さんの大ファンで息子に“きたろう”と名付けた人がいたことがわかると、わざわざその人に大きな“目玉親父のぬいぐるみ”をプレゼントしていました。人との関わりも大好きだったんでしょう」  一方、二等兵として第二次世界大戦時に従軍していた水木氏は、一貫して安保関連の法改正に反対というスタンスだった。戦場で戦局が悪化した際、上から突撃して玉砕しろとの命令が下り、兵隊たちが「なんでそんな死に方を」と嘆いていた実話を述べたりもし「日本を再び、戦争に巻き込んではいかん」と口ぐせのように言っていた。同時に原発推進の風潮に「便利すぎる世の中は、必ず文明に仕返しされる」と嘆いていたが、その思いは風刺的な作品群にも表れていた。  近年、水木さんの作品を担当したことがある別の編集者によると「安保法案反対の漫画を描きたいとおっしゃっていたこともありましたが、執筆ペースは落ちていたので、体が許さなかったのでしょう」という。 「石ノ森章太郎さんとは思想で意気投合していたようで、両巨星が生きていれば、コラボして反戦漫画を描いたと思います」(同)  晩年は「元アシスタントたちを全員集めて、1日で何枚描けるかもう一度挑戦したい」と意欲を燃やすこともあったというから、まさに最後まで漫画家であり続けた水木さん。大ヒット作『ゲゲゲの鬼太郎』がヒットしたときは妖怪という言葉すら世間に浸透していなかったが、偉大な妖怪の父を称えるかのように、最近は妖怪ブームが訪れていた。  化けて出るぞと言われた編集者たちは悲しみに暮れつつも、口々に「出てくるのを楽しみにしたい」と話している。ある人は「2020年の東京五輪のときにこれを開けろと玉手箱のような小箱を渡された」というから、しばらくは水木さんの遊び心に付き合っていられるようだ。水木さんもそんな下界の様子をあの世から妖怪たちと楽しく眺めているに違いない。 (文=ハイセーヤスダ)

朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走

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布枝(吹石一恵)としげる(宮藤官九郎)はお互いのことを何も知らないまま、見合いから5日後に結婚する。売れっ子になる前の水木しげるは痩せていたことから、細身のクドカンが配役された。(c)2010水木プロダクション/『ゲゲゲの女房』製作委員会
 松下奈緒&向井理が主演した朝ドラ版『ゲゲゲの女房』(NHK)のような爽やかな感動のリフレインを求めて、吹石一恵&宮藤官九郎主演の映画版『ゲゲゲの女房』を見ると、ずぶずぶずぶりとドロ沼に足を踏み入れたような感覚を覚えるに違いない。朝ドラ版で描かれた片腕の漫画家のビンボー生活は、『ゲゲゲの鬼太郎』がテレビアニメ化され大ヒット、国民的人気漫画家として成功するという幸福なゴールが予め見えているドラマだから朝から楽しむことができた。ノスタルジーとしての甘美なビンボーだった。それに対して映画版の漫画家夫婦は、自分たちが将来的には報われることを知らず、ビンボーに耐え、ビンボーと格闘し、そしてビンボーを友達とし、ビンボーのままエンディングを迎える。映画版の主演俳優コンビが朝ドラ版よりも細かい演技が達者なだけに、よりリアルなビンボー生活が観客の前に横たわる。  1961年、布枝(吹石一恵)と貸本漫画家のしげる(宮藤官九郎)はお見合いで結婚した。東京の郊外にあるしげるの自宅兼アトリエで暮らし始めるまで、ろくに会話も交わさなかった。恋愛感情はとくにない。女の幸せは結婚して、嫁いでいくことだと当時は一般的に思われていたから、布枝は従っただけだ。戦争で左腕を失ったしげるには軍人恩給が支給されているはずだったが、その恩給はしげるの実家が全額受け取っていた。結婚前に聞かされた話と違って、夫婦の生活は汲々としている。新妻らしくご飯を用意しようにもお米がなく、道に生えている野草を摘んできたり、黒ずんで店で売れなくなったバナナを安く分けてもらい腹を満たす日々が続く。貸本漫画は斜陽産業で、しげるが根を詰めて描いた漫画を出版社に届けても「もっと売れる漫画をくれよ」と約束の原稿料の半分しか払ってもらえない。新宿中村屋のチキンカリーは贅沢すぎて手が届かない。これが世間でいう"女の幸せ"なのだろうか、布枝は不思議に思う。
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布枝は主婦兼アシスタントとして夫・しげるの仕事
を支えることに。2人3脚ならぬ、2人3本の腕
で漫画を仕上げていく。
 翌日に締め切りが迫ったしげるの漫画の手伝いを、布枝は頼まれる。漫画なんて一度も描いたことはないが、アシスタントも雇えない2人きりの暮らしだから手伝わざるを得ない。寒い夜、しげるの背中を見ながら、布枝はベタ塗りや背景を慣れない手つきで懸命に手伝う。現実の生活が苦しければ苦しいほど、二次元の世界のキャラクターたちは逆に生き生きとしてくる。漫画のことは全然知らない布枝でも、しげるの描く漫画は生きていることがハッキリと分かった。しげるの漫画を見ていると、まるで鏡の世界を覗き込んだような気分になる。異形の生き物である妖怪たちは、お金や名声とは無縁の着の身着のままの生活をしており、どこか人間臭く、ユーモラスでもある。しげると布枝の合作として命を吹き込まれた鬼太郎は、夜更けに漫画のコマの中から飛び出し、ダンスを踊り始める。恋愛感情のないまま結婚したしげると布枝だったが、少しずつ2人の心の距離が縮まっていく。  "漫画の神様"手塚治虫が明るい未来社会を予測したSF漫画でメジャー路線を走り続けたのに対して、妖怪や戦争を題材にした水木しげるは長らく貸本漫画をベースにアンダーグランド路線を歩み続けた。手塚治虫と水木しげるの関係は漫画界の"光と影"によく例えられる。でも"光と影"といった表現は傍観者たちが後から勝手に付けたもので、水木しげる本人は日々食べるのに懸命なだけ。ただ、食べるため、生きていくためにガムシャラに漫画を描き続けた。そしてアンダーグランド路線をひたすら歩み続けることで、気がつけば追随する者がいないその道の第一人者となっていた。手塚治虫が『W3』事件で週刊マガジンから週刊サンデーに移ったのをきっかけに、水木しげるの代表作『墓場鬼太郎』は『墓場の鬼太郎』、さらに『ゲゲゲの鬼太郎』と改題され、週刊マガジンで連載開始。ついにメジャーシーンで自分の椅子を得ることになる。手塚治虫が亡くなった現在ではメジャーシーンとアンダーグランドを線引きする境界線もなくなってしまい、88歳の水木しげるは漫画界の大巨人として崇められている。
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アニメーションパートでは「霧の中のジョニー」
の1シーンを再現。洗練されていない貸本漫画時代
の鬼太郎が動き出す。(c)水木プロ
 映画版『ゲゲゲの女房』を撮ったのは、鈴木卓爾監督。この人も"光と影"に縁のある人物だ。矢口史靖監督の傑作ブラックコメディ『裸足のピクニック』(93)と『ひみつの花園』(97)に共同脚本として参加。矢口監督のデビュー時代を支えた盟友として知られている。矢口監督はその後、ヒット作『ウォーターボーイズ』(01)、『スウィングガールズ』(04)を経て、オールスターキャストによる『ハッピーフライト』(08)へと明るくポップなエンタテイメント路線に羽ばたいていく。一方の鈴木監督はオムニバスホラー映画『コワイ女』(06)の一編『鋼』などの短編を監督する他、『トキワ荘の青春』(96)では俳優として若き日の藤子不二雄(A)を演じ、また『中学生日記』(NHK)の脚本を担当するなどして映像業界をサバイバルしてきた。今、振り返ると鈴木監督が脚本参加していた『裸足のピクニック』『ひみつの花園』のキャラクターたちには最近の矢口監督作品にはない陰影が付いていたように感じる。矢口監督とは対称的に地道にキャリアを積んできた鈴木監督が念願の長編デビューを飾ったのが、星野真里主演の『私は猫ストーカー』(09)。路地裏にたむろする野良猫たちを追いかけるイラストレーター志望の女の子のお話だ。好むと好まざると、人生の裏道を描くことでリアリティーを発揮する監督なのである。  最後に水木しげるが描いてきた"妖怪"とは何ものなのか考えてみたい。水木しげるにとって戦地として赴いたパプアニューギニアは手つかずの大自然に溢れ、貨幣の存在を知らない純朴な人々がのどかに暮らす"南洋の楽園"だった。戦争がなければ、水木しげるはパプアニューギニアに行くこともなかったが、無麻酔で片腕を切断されることも戦友たちが総員玉砕するという大惨事を体験することもなかった。乱暴な言い方をすれば、天国の陽気さと地獄の恐怖が水木しげるの記憶の中で渾然一体化したものが水木ワールドの妖怪たちなのだろう。水木しげるが生み出していった妖怪たちは、いわば生き物が生きていく上での"矛盾"の結晶体だ。水木しげるが妖怪を描くということは現実社会の矛盾を肯定するということであり、矛盾を肯定するということは現実社会で生きていくということでもある。布枝夫人と同様に水木しげるファンは、漫画界の大巨人のこの不思議な生命力に惹き付けられているのではないだろうか。 (文=長野辰次) gegege04.jpg 『ゲゲゲの女房』 原作/武良布枝 監督/鈴木卓爾 アニメーション/大山慶 出演/吹石一恵、宮藤官九郎、坂井真紀、村上淳、宮崎将、唯野未歩子、夏原遼、平岩紙、柄本佑、鈴木慶一、寺十吾、徳井優、南果歩 配給/ファントム・フィルム 11月20日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開 <http://www.gegege-eiga.com>
墓場鬼太郎 第一集 「人間世界で生きていくのも、楽じゃねえな」 amazon_associate_logo.jpg
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第92回]バラエティーでの実績は通用するか? テリー伊藤の初監督作『10億円稼ぐ』 [第91回] 不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 [第90回]"世界のナベアツ"大阪府知事に就任! 政治コメディ『さらば愛しの大統領』 [第89回]自分の恋愛もプロデュースする女優、ドリュー・バリモア主演『遠距離恋愛』 [第88回]スタローンが立ち上げた"筋肉共和国"男たちの祭典『エクスペンダブルズ』 [第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』 [第86回]マイノリティーは"理想郷"を目指す。筒井文学の金字塔『七瀬ふたたび』 [第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』 [第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』 [第83回] 女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』 [第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』 [第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』 [第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』 [第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』 [第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』 [第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』 [第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ [第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』 [第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』 [第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』 [第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張 [第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』 [第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 [第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』 [第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』 [第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼! [第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』 [第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン  ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走

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布枝(吹石一恵)としげる(宮藤官九郎)はお互いのことを何も知らないまま、見合いから5日後に結婚する。売れっ子になる前の水木しげるは痩せていたことから、細身のクドカンが配役された。(c)2010水木プロダクション/『ゲゲゲの女房』製作委員会
 松下奈緒&向井理が主演した朝ドラ版『ゲゲゲの女房』(NHK)のような爽やかな感動のリフレインを求めて、吹石一恵&宮藤官九郎主演の映画版『ゲゲゲの女房』を見ると、ずぶずぶずぶりとドロ沼に足を踏み入れたような感覚を覚えるに違いない。朝ドラ版で描かれた片腕の漫画家のビンボー生活は、『ゲゲゲの鬼太郎』がテレビアニメ化され大ヒット、国民的人気漫画家として成功するという幸福なゴールが予め見えているドラマだから朝から楽しむことができた。ノスタルジーとしての甘美なビンボーだった。それに対して映画版の漫画家夫婦は、自分たちが将来的には報われることを知らず、ビンボーに耐え、ビンボーと格闘し、そしてビンボーを友達とし、ビンボーのままエンディングを迎える。映画版の主演俳優コンビが朝ドラ版よりも細かい演技が達者なだけに、よりリアルなビンボー生活が観客の前に横たわる。  1961年、布枝(吹石一恵)と貸本漫画家のしげる(宮藤官九郎)はお見合いで結婚した。東京の郊外にあるしげるの自宅兼アトリエで暮らし始めるまで、ろくに会話も交わさなかった。恋愛感情はとくにない。女の幸せは結婚して、嫁いでいくことだと当時は一般的に思われていたから、布枝は従っただけだ。戦争で左腕を失ったしげるには軍人恩給が支給されているはずだったが、その恩給はしげるの実家が全額受け取っていた。結婚前に聞かされた話と違って、夫婦の生活は汲々としている。新妻らしくご飯を用意しようにもお米がなく、道に生えている野草を摘んできたり、黒ずんで店で売れなくなったバナナを安く分けてもらい腹を満たす日々が続く。貸本漫画は斜陽産業で、しげるが根を詰めて描いた漫画を出版社に届けても「もっと売れる漫画をくれよ」と約束の原稿料の半分しか払ってもらえない。新宿中村屋のチキンカリーは贅沢すぎて手が届かない。これが世間でいう"女の幸せ"なのだろうか、布枝は不思議に思う。
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布枝は主婦兼アシスタントとして夫・しげるの仕事
を支えることに。2人3脚ならぬ、2人3本の腕
で漫画を仕上げていく。
 翌日に締め切りが迫ったしげるの漫画の手伝いを、布枝は頼まれる。漫画なんて一度も描いたことはないが、アシスタントも雇えない2人きりの暮らしだから手伝わざるを得ない。寒い夜、しげるの背中を見ながら、布枝はベタ塗りや背景を慣れない手つきで懸命に手伝う。現実の生活が苦しければ苦しいほど、二次元の世界のキャラクターたちは逆に生き生きとしてくる。漫画のことは全然知らない布枝でも、しげるの描く漫画は生きていることがハッキリと分かった。しげるの漫画を見ていると、まるで鏡の世界を覗き込んだような気分になる。異形の生き物である妖怪たちは、お金や名声とは無縁の着の身着のままの生活をしており、どこか人間臭く、ユーモラスでもある。しげると布枝の合作として命を吹き込まれた鬼太郎は、夜更けに漫画のコマの中から飛び出し、ダンスを踊り始める。恋愛感情のないまま結婚したしげると布枝だったが、少しずつ2人の心の距離が縮まっていく。  "漫画の神様"手塚治虫が明るい未来社会を予測したSF漫画でメジャー路線を走り続けたのに対して、妖怪や戦争を題材にした水木しげるは長らく貸本漫画をベースにアンダーグランド路線を歩み続けた。手塚治虫と水木しげるの関係は漫画界の"光と影"によく例えられる。でも"光と影"といった表現は傍観者たちが後から勝手に付けたもので、水木しげる本人は日々食べるのに懸命なだけ。ただ、食べるため、生きていくためにガムシャラに漫画を描き続けた。そしてアンダーグランド路線をひたすら歩み続けることで、気がつけば追随する者がいないその道の第一人者となっていた。手塚治虫が『W3』事件で週刊マガジンから週刊サンデーに移ったのをきっかけに、水木しげるの代表作『墓場鬼太郎』は『墓場の鬼太郎』、さらに『ゲゲゲの鬼太郎』と改題され、週刊マガジンで連載開始。ついにメジャーシーンで自分の椅子を得ることになる。手塚治虫が亡くなった現在ではメジャーシーンとアンダーグランドを線引きする境界線もなくなってしまい、88歳の水木しげるは漫画界の大巨人として崇められている。
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アニメーションパートでは「霧の中のジョニー」
の1シーンを再現。洗練されていない貸本漫画時代
の鬼太郎が動き出す。(c)水木プロ
 映画版『ゲゲゲの女房』を撮ったのは、鈴木卓爾監督。この人も"光と影"に縁のある人物だ。矢口史靖監督の傑作ブラックコメディ『裸足のピクニック』(93)と『ひみつの花園』(97)に共同脚本として参加。矢口監督のデビュー時代を支えた盟友として知られている。矢口監督はその後、ヒット作『ウォーターボーイズ』(01)、『スウィングガールズ』(04)を経て、オールスターキャストによる『ハッピーフライト』(08)へと明るくポップなエンタテイメント路線に羽ばたいていく。一方の鈴木監督はオムニバスホラー映画『コワイ女』(06)の一編『鋼』などの短編を監督する他、『トキワ荘の青春』(96)では俳優として若き日の藤子不二雄(A)を演じ、また『中学生日記』(NHK)の脚本を担当するなどして映像業界をサバイバルしてきた。今、振り返ると鈴木監督が脚本参加していた『裸足のピクニック』『ひみつの花園』のキャラクターたちには最近の矢口監督作品にはない陰影が付いていたように感じる。矢口監督とは対称的に地道にキャリアを積んできた鈴木監督が念願の長編デビューを飾ったのが、星野真里主演の『私は猫ストーカー』(09)。路地裏にたむろする野良猫たちを追いかけるイラストレーター志望の女の子のお話だ。好むと好まざると、人生の裏道を描くことでリアリティーを発揮する監督なのである。  最後に水木しげるが描いてきた"妖怪"とは何ものなのか考えてみたい。水木しげるにとって戦地として赴いたパプアニューギニアは手つかずの大自然に溢れ、貨幣の存在を知らない純朴な人々がのどかに暮らす"南洋の楽園"だった。戦争がなければ、水木しげるはパプアニューギニアに行くこともなかったが、無麻酔で片腕を切断されることも戦友たちが総員玉砕するという大惨事を体験することもなかった。乱暴な言い方をすれば、天国の陽気さと地獄の恐怖が水木しげるの記憶の中で渾然一体化したものが水木ワールドの妖怪たちなのだろう。水木しげるが生み出していった妖怪たちは、いわば生き物が生きていく上での"矛盾"の結晶体だ。水木しげるが妖怪を描くということは現実社会の矛盾を肯定するということであり、矛盾を肯定するということは現実社会で生きていくということでもある。布枝夫人と同様に水木しげるファンは、漫画界の大巨人のこの不思議な生命力に惹き付けられているのではないだろうか。 (文=長野辰次) gegege04.jpg 『ゲゲゲの女房』 原作/武良布枝 監督/鈴木卓爾 アニメーション/大山慶 出演/吹石一恵、宮藤官九郎、坂井真紀、村上淳、宮崎将、唯野未歩子、夏原遼、平岩紙、柄本佑、鈴木慶一、寺十吾、徳井優、南果歩 配給/ファントム・フィルム 11月20日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開 <http://www.gegege-eiga.com>
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