「コッペパンを踏みつけて硬くして挿入」も!? 元女囚が語る“陰部摩擦罪”に、現役刑務官は何思う

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『女囚611 ~獣牝(オンナ)たちの館~』(GPミュージアムソフト)
 都内で行われた元受刑者の女性を集めたトークイベントで、現役の刑務官が観客に紛れ込んでいたことがわかった。イベントでは、元受刑者が“刑務所内のオナニー事情”などを過激に告白。これが何かの参考になったのだろうか?  2月下旬、都内で開催されたイベント「女囚たちの夜」には、『韓国女子刑務所ギャル日記』(辰巳出版)の著者である作家、仲河亜輝ら、女子刑務所の元受刑者たちが5人出演。会場は観客があふれて定員オーバーとなり、主催者が入場を止める事態になったほど。出演の元女囚5人はいずれも「シャブ」絡みでの受刑だが「女囚のほとんどは覚せい剤で捕まっている」とイベント関係者。  出演者はそれぞれ「夜中に覚せい剤を持ったまま不動産屋の前で部屋探しをしていたところ、パトカーが通りかかって職務質問され、捕まった」「部屋で覚せい剤を打っていたら警察に踏み込まれた」「運び屋のアルバイトをしたつもりが、荷物の中身が覚せい剤だった」などの服役理由を話したが、中には「家にクスリがあって、物心ついたときには手を出していた」という生粋のワルも。  ただ、中でも観客の興味を引いたのは、女囚の性欲処理法だ。女性たちは「5本のボールペン」「踏みつけて硬くしたコッペパン」など日用品を“道具”として利用し、陰部に挿入していたというのだ。  これは刑務官に見つかれば「留置施設内の衛生または風紀を害する行為をしてはならない」という規則に違反したとして懲罰対象となってしまうから、決死の行為だったようだ。 「これをムショ内では通称、陰部摩擦罪と呼んでいるんです。でも、懲罰で独居房行きになったらなったで、人目がないので、それはまたやりたい放題」と元女囚。  ただ、こうした話は刑務官にとって「監視の目を逃れる手法」の“種明かし”でもある。後に現役刑務官がこのイベントを見ていたことがわかり、改めて感想を聞くと「興味本位で、仕事とは関係ない」と言い張ったが、女囚が「内職で作る干したバナナの皮を使えば紙巻きタバコが作れて、実際に喫煙できた」という話などについては、「正直、その手があったか、とは思いましたね」と感心していた。  また、元女囚から「まともな生理用品もないから、裁縫をしたいと糸をもらっておいて、夜中にこっそりティッシュと糸を使ってタンポンを自作することもあった」「獄中出産したらすぐに引き離され、顔を合わせる機会も限られていた」と刑務所内の不満を並べていたことには、刑務官も「制度の改正が必要かも」と同情。ただし、気に入らない刑務官を部屋に引きずり込んで集団で暴行を加えるリンチ事件があったことが告白されたことには「あまり情けをかけすぎても怖い」と厳しい態度で接しなければならない自覚を新たにするなど、何かと仕事の参考にしている様子だった。  昨今、こうした「元受刑者」がテレビで取り上げられる機会は増えつつあり、約2年前の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)では「かつて刑務所に入っていたオンナたち」として元服役囚の女性5人が出演。こうした番組の反響は高く、「昔に比べて元受刑者が堂々と経験談を語るようになってきている」と刑務官。「前科者がテレビで犯罪自慢のようなことをするのはどうなんでしょう。まるで武勇伝のように話していて違和感もある」とも話した。  一方、イベントに出演した刑務所事情に詳しい作家の影野臣直氏はこう反論した。 「今回のようなイベントでのトークは決してふざけてやっているわけではなく、普通に暮らしている人たちには知る機会がない内情を伝えているもの。日本ではいまだ『一度刑務所に入ったら人生おしまい』という考え方が根強いですが、世の中が受刑者の社会復帰を支援し、こうした経験談も含めて受容してくれるように変わるのは良いことでしょう。元受刑者の反省と決意、新たな一歩を踏み出した姿を見られると思います」  確かに刑務所から出て社会復帰した人間が、こうして隠れもせず自分の考えを述べ、それを社会が把握できるのはデメリットがあるものではないだろう。唯一、刑務官が“女囚対策”の参考にしてしまうところは、受刑者にとってマイナスかもしれないが……。 (文=大山清/NEWSIDER Tokyo)

日本で唯一の犯罪加害者支援団体代表・阿部恭子に聞く、“刑務所の内側と外側”

加害者支援を続ける阿部恭子氏
 刑務所の面会室へと向かう人々の“心の軌跡“を丁寧に描き上げた『愛について、ある土曜日の面会室』。この映画には、息子が殺されたという訃報を受け、その突然の死の真相を探りに祖国アルジェリアからフランスへと渡るゾラという母親が登場する。彼女は愛する息子のがなぜ死ななくてはならなかったのかをただ知りたいという一心で、自らの身元を隠し、息子を殺した青年の姉セリーヌに接触、交流を深めてゆく……。  そこで浮き彫りになるのは、被害者家族と同様に苦しむ加害者家族の姿。「もっと自分に何かできたのではないか……」と自分を責める家族の姿は、愛する家族を持つすべての人にとって、決して他人事ではないはずだ。この映画に惚れ込んだ、日本で唯一の加害者家族支援団体(NPO法人World Open Heart)理事長、阿部恭子さんに、加害者家族の実情を語ってもらった。 ──フランスの刑務所の面会室を舞台にした映画『愛について、ある土曜日の面会室』をご覧になって、阿部さんが「とてもリアル」とおっしゃっていたと伺ったのですが。 阿部 そうなんです。本当に劇映画とは思えないほどリアル。自分自身が普段向き合っている加害者やその家族たちと寸分違いがないと感じました。映画を観ているという気がしなかったぐらいです。被害者、加害者、その家族が抱える葛藤は、国を越えて普遍的なのだと思います。刑務所がテーマとなった映画などはドキュメンタリーも含めいろいろ観てきていますが、しっかりと人物に迫った描写があって、この映画は好きですね。 ──ご自身が普段向き合っていらっしゃる方たちと違わない、とは具体的にはどういうことでしょうか。 阿部 前提として、刑務所は遠く離れたところにあることが多いです。日本ではたいていの刑務所は土曜日に面会ができないので、面会に行くとなると仕事を休まなくてはならないですし、交通費などのお金もかかります。家族にとって、面会に行くことはとても大変なことです。面会室のシーンに、怒っている人の姿が映っていますが、外から来る人と中にいる人との感情のギャップはすごく大きいです。中にいる人は、ずっと次の面会を考えて暮らしています。一方で面会に来る側は、都合をつけるだけで精いっぱい。やっと会えても、「ずっと待っていたのに今頃来たのか!」「やっと来られたのよ!」とぶつかってしまうことも少なくないのです。私は、面会室でそういった光景を何度か目の当たりにしています。日本の面会室はガラス越しで触れ合うことはできませんので、気持ちの表現の仕方は違ってくるかとは思いますが、映画に映し出される「感情」はとてもリアルでした。 ──日本の面会室はガラス越しで、土曜日は面会ができない。フランスと日本では、だいぶ制度が違うのですね。 阿部 そうなんです。日本では受刑者を隔離することに重点が置かれていて、その家族のことにまであまり意識がいっていないのが現状です。面会時間は30分くらいで、とにかくたくさんの制限があります。一方で、いろんな局面で「権利」の意識の強いヨーロッパなどでは、加害者の家族の権利というものが感じられます。加害者の権利が制限されるのは仕方ないにしても、その家族に権利はあるべきではないかと思います。子どもは単純に、パパやママに会いたいですし。  海外では加害者家族の支援団体もたくさんあるんです。でも、日本には全然ない。制度と同様、支援団体の充実という面でも比較してみると欧米との差はありますね。日本では、どうしても「加害者側」というハードルが高すぎる気がします。加害者家族自身も、「自分たちなんかが支援を受けていいのでしょうか……」ということをおっしゃる人も少なくありません。笑ってはいけない、楽しんではいけない、幸せになってはいけない……と、自ら事件に関わったわけでもないにもかかわらず、自分を抑え込んでしまう傾向があります。私が団体を立ち上げる時も、加害者家族を支援するなんて言ったらバッシングで大変なことになるよ! などという忠告も数多く受けました。海外ではあたりまえなのに……。 ──阿部さんはどういった経緯で、いまのような加害者家族の支援活動をはじめたのでしょうか? 阿部 私は、犯罪の被害に遭った経験もあり、どちらかといえば、被害者の権利の方に関心がありました。大学院で、被害者支援について調査している時、「加害者の家族」という存在に気がつきました。実際、東北でも加害者家族が自責の念から自殺に至るという事件が起きていました。驚いたことに、こうした加害者家族が支援を受けることができる機関や団体が、国内にまったく存在しなかったのです。悲しみを分かち合うこともできず、自分が犯したわけでもない罪を背負って生きている……。苦しいだろうな……何かできないかと考えました。特に、子どもに罪はないはずです。それでも、家族の前科というものが就職や結婚の時に問題となってしまう。こうした不条理な差別をしない社会にしていきたいと思いました。 ──実際、阿部さんは、加害者家族に対してどのようなサポートをしていらっしゃるのでしょうか。 阿部 もしも家族が逮捕されたと聞かされたら、どうしますか? 「何をしていいのかわからない」が、多くの方の正直なところだと思います。そのため、電話をいただいたら、まず家族として、いま何をすればよいのかをお伝えします。加害者の方がどの段階にいるかによって、やることは決まってきます。警察からの事情聴取があるかもしれませんし、裁判の時に証人として家族が呼ばれる可能性もあります。そういった今後起こりうることを説明します。まずは主に情報提供ですね。みなさん慣れない場所なので、裁判所や刑務所に付き添ったりもします。また、いろいろな手続きの必要が出てきます。離婚しなければいけないとか。私たちが活動している仙台で一番多い相談は、転居です。団体の副理事長が不動産経営者なので、土地を売ったり、転居先を見つけたりと、総合的なサポートをしています。こうした事務的なサポートとは別に、とても必要なのが、心に寄り添うことです。映画の中の少女ロールのように、(夫や恋人が逮捕された後で妊娠が分かって)「おなかに宿ってしまった子どもを産むべきかどうかわからない」という相談もあるんです。そういう状況になってしまうと、本当にどうしたらいいか本人もわからなくなってしまうんです。絶対的な答えなどないので、話を聞いて、とことん一緒に考える。これしかないですね。 ──映画では、殺人を犯した青年の姉セリーヌが、加害者の家族として登場します。セリーヌの姿をご覧になって、どのようなことを感じられましたか? 阿部 セリーヌは一人でいる時も人前でもよく涙を流していますが、日本人は人前ではなかなか泣けないですよね。裁判でも耐えるほうが多いです。私は傍聴の付き添いもするのですが、やはり自分の子どもが手錠をかけられている姿を見るというのはとても心苦しい。「こんな子を産んでしまった……」などと考えてしまう親の心の痛みは計り知れないです。でも、ここで泣いてしまったら、自分が家族であることがわかってしまう……と涙をたえていらっしゃった方もいました。でも、本当は「泣き叫びたい、死んでしまいたい」といった気持ちだと思います。 ──映画では、被害者家族と加害者家族が交流をします。そのようなことは実際にありますか? 阿部 いえ、私の知っている限りではないですね……。ただ、隣人や親戚が加害者と被害者という関係になってしまうケースは結構あります。そういった意味では、現実には非常に距離が近くなってしまうことはあるかもしれません。その場合は、また違った問題が生じてくるかと思いますが。実際に活動の中で、「こんなこと、映画でしかありえない」って思うようなことが起きているので、何が起きてもおかしくないかなとは思います。 ──「映画でしかありえないこと」とは、具体的にはどんなことがありますか? 阿部 マスコミが家に押し寄せて、夜でも明かりが煌々としているなんて、まさに映画でしかありえないことですよね。私たちの団体につながって下さる家族は、たいてい普通の生活をしてきた方たちです。そうした普通の生活が一転する。テレビでもネットでも自分の家族の名前が飛び交っている。まるで、日本中を敵に回してしまったかのような恐怖です。みなさん、悪夢のようだとおっしゃいます。 ──現在、加害者に向けた再犯防止のカウンセリングも行っているそうですね。 阿部 「被害者教育」「贖罪教育」などとも呼ばれていますが、全国の刑務所で始まっている教育プログラムの一つとして、加害者の家族の心情を理解するためのクラスに携わっています。加害者の方たちに対して、みなさんが社会と隔てられた場所にいる間に、家族のみなさんはこんな思いでいるんですよ、というのを伝える講義をしています。加害者の家族の方は、本当につらい目に遭っています。「自分も刑務所の中に入りたい」と思わず考えてしまうほど、世の中のバッシングがひどく、生き地獄のような場合があるんです。守ってくれる人がいない状態。ただそういう事実を加害者に伝えるだけでは、一方的に責めているように捉える方もいるかもしれませんが、責めることが講義の目的ではありません。自分の起こした事件を、もうちょっと客観的に見てみようというのが目的です。  また、まだはじまったばかりのプログラムですが、「なぜ、このような事件が起きたか」を聞くグループ・カウンセリングを3~4人単位で行っています。「なぜ」は被害者側の方々はもちろん、加害者の家族も聞きたいことです。どうして止められなかったか、と自分を責めてしまう方も多いので。裁判ではその「なぜ」の伝え方が違ってきてしまうので、カウンセリングでは罪名などではなく、「あなたはどんな悪いことをしましたか」「あなたが傷つけた人は誰ですか」と問いかけます。こめかみが痛くなるぐらい、神経を使う瞬間が多くあります。事件によって、たくさんの人が傷つきます。こちらも問いかけるのはとても苦しくはありますが、起きたことは元には戻せないので、その中で「なぜこのような事件が起きたか」話してもらい、自分が起こしたことを意味付けしてもらっています。 ──最後に一言どうぞ。 阿部 言葉では説明できないことを感じられるのが映画だと思います。みなさんあまり考えたくないことだと思いますが、家族がどこかで何を犯してしまうかはわからないですし、家族が過ちを犯さないようにすることは完全には不可能ですよね。交通事故などもありますし、潜在的には誰もが加害者家族になる可能性を持っています。加害者も、その家族も、私たちとなんら変わらない、普通の人なんです。私は、愛する人たちのために一生懸命である人を応援したいと思っています。『愛について、ある土曜日の面会室』で描かれる刑務所の内側と外側の人々の交流、人間模様を見て、塀の中の人にも想いをはせてもらえればと思います。 ●阿部恭子 1977年宮城県生まれ。10代前半より、社会的少数者や弱者の権利擁護、生活を支援する活動に参加。08年8月、東北大学大学院在学中に自ら発起人となり同級生らと人権問題を調査研究するための団体「World Open Heart」を設立。これまで見過ごされてきた「犯罪加害者家族」という問題に気がつき、仙台市を拠点として当事者に必要な支援活動を開始。全国的な支援体制の構築に向けて東京、大阪でも活動を展開している。近年、再犯防止教育の一環として、受刑者らに被害者家族の現状を伝える活動にも力を入れている。 hkjfsdvglqaisfl.jpg ●『愛について、ある土曜日の面会室』  大女優カトリーヌ・ドヌーヴも称賛! フランスの新星レア・フェネール監督衝撃のデビュー作。フランス・マルセイユ。ロール、ステファン、ゾラは、同じ町に暮らしながらお互いを知らない。サッカーに夢中な少女ロール。ある日、初恋の人アレクサンドルが逮捕されてしまうが、未成年のロールは面会ができず想いを募らせてゆく……。仕事も人間関係もうまくいっていないステファン。偶然出会ったピエールに、自分と瓜二つの受刑者と「入れ替わる」という奇妙な依頼を持ちかけられ、多額の報酬に心が揺らぎだす……。息子が殺されたとの訃報を受けた、アルジェリアに暮らすゾラ。突然の死の真相を探るためフランスへと渡り、加害者の姉に接触し交流を深めてゆくが……。ある土曜日の朝、3人はそれぞれの悲しみや痛みを受け入れ、運命を切り開くために刑務所の面会室へと向かう。 監督:脚本:レア・フェネール 出演:ファリダ・ラウアッジ『ジョルダーニ家の人々』、レダ・カテブ『預言者』、ポーリン・エチエンヌ マルク・ロティエ『親指の標本』、デルフィーヌ・シュイヨー『ポーラX』、ディナーラ・ドルカーロワ『動くな、死ね、甦れ!』 2009年/フランス/35ミリ/1:1.85/ドルビーSRD/120分 原題:Qu’un seul tienne et les autres suivront 12月15日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

千葉・バス立てこもり「マスコミを呼べ!」容疑者・荘司の知人が告白するその"主張"とは

「マスコミを呼べ! これを渡すんだ!」 「分かった、要求があれば聞くから」  16日朝、千葉市中央区のバス立てこもり事件で、ナイフを持って運転手と女性を人質にとった男は、片手にマスコミ宛の封書を持っていた。「緊急事態発生中」の表示を点灯させて繁華街の道路脇に停車された路線バスの中で、警察による約1時間の説得の末、警察がバス内に突入し、男は現行犯逮捕された。  幸い人質にケガはなかったが、捜査関係者によると犯人の荘司政彦容疑者(65)は、「前に服役したときひどい扱いを受けた。何度も警察に訴えたけど、取り合ってもらえなかった」と動機を語ったという。所持していた封書には数十枚の分厚い資料が入っていた。  荘司容疑者は2000年に大阪市で内縁関係の女性を絞殺したとして殺人罪で実刑判決を受け服役。"ひどい扱い"というのはこのときのものだというが、出所直後の08年12月にも、千葉大医学部の駐車場で通行人の女性の首を8分間も絞めて逮捕されており、再び服役している。当時も「刑務官からのひどい扱いを警察に訴えたが受理してもらえなかったから騒ぎを起こした」と話していたことが分かっており、つまり"服役中の不当な扱い"を主張するために2度の事件を起こしたというわけだ。  そこまでして荘司容疑者が訴えたかった"ひどい扱い"とは一体どういうものだろうか。荘司容疑者は昨年春ごろに出所していたが、実は昨秋アルバイト先で2週間ほど一緒に働いたという男性(49)が、荘司容疑者の主張の一部を聞いていたと告白している。 「私も過去に2度目のスリで服役したことがありまして、彼とは刑務所内の話で盛り上がったんです。すると彼は『俺は何も悪くないのに何度も懲罰房に入れられた』と興奮し始めました。所内では刑務官に点検用意と言われたら正座して待たなければならないんですが『ヒザが悪くて少し動作が遅れただけで厳しくされた』とか、『何もしていないのに不正連絡をしたと懲罰を受けた』とか語っていました。また、それを抗議すると『あとで行進中に背後から蹴られたり、刑務官がストレス解消のために自分に嫌がらせを続けた』とも言っていました」  この話になると荘司容疑者は「絶対に不正は許されない」と一方的にまくしたてていたというが、男性は「そうですね、と話を合わせると『一緒に警察に訴えよう』と誘われたこともあった」という。  もしかすると刑務官の不当な行ないは事実だったかもしれないが、どんな主張であっても犯罪行為を伴っての訴えが聞き入れられるはずもなく、今回の事件で適用される人質強要罪で起訴された場合、6カ月以上10年以下の懲役刑で実刑判決が予想される。荘司容疑者の持っていた封書が表になることはなさそうだ。 (文=鈴木雅久)
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「戦いはいまでも続いている」 爆破テロ犯が振り返る、左翼運動とその思想

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宇賀神さんの著書『ぼくの翻身』(模索舎)。
前編はこちら  1970年代に東アジア反日武装戦線のメンバーとして、社会を震撼させた「連続企業爆破事件」に関わっていた宇賀神寿一氏。指名手配から7年間にわたる潜伏後、82年に逮捕。90年に懲役18年を言い渡され、03年に刑務所を出所するまで21年間の獄中生活を送った。その後の「救援連絡センター」メンバーとしての活躍は前編の通り。後編では、その「事件」に至るまでの経緯をうかがった。  高校時代から左翼運動に関わり始めた宇賀神氏。在日コリアン問題や下層労働者の問題に取り組み、「東アジア反日武装戦線」に参加。このグループには死刑判決を受けた大道寺将司 、益永利明や無期懲役判決を受けて服役中の黒川芳正、現在も逃亡中の桐島聡らが参加していた。  三菱重工や三井物産、大成建設などの大企業を標的にした連続企業爆破事件では、宇賀神氏は鹿島建設と間組の爆破事件に関与していた。はたして、その事件の裏にはどんな思想があったのだろうか? ――「連続企業爆破事件」では、鹿島建設と間組の件に関わっていますが簡単に概要を説明していただけますか? 「僕らは建設会社を標的としていました。鹿島建設が戦時中に起こした花岡事件を問題視したのがきっかけです。鹿島建設では戦時中、秋田県の花岡鉱山に中国人を強制連行し、過酷な労働により、虐待・殺害しました。敗戦後、建設会社は中国人に賠償するのではなく、逆に自分たちが 国から損害賠償をもらい、戦後は国内の下層労働者を搾取して金儲けをしていたんです。それに対してストップをかけ、企業の責任を追及するために闘いました」 ――しかし、「爆破テロ」という方法以外には考えられなかったのでしょうか? 「いまから考えれば別の方法もあったと思います。当時は『武装闘争』というのが盛んに叫ばれていたんです。当時、僕らが使える武器は爆弾くらいでした。だから、爆弾を使用した武装闘争に流れてしまったんです」 ――連続企業爆破テロは74年〜75年にかけての犯行でした。あさま山荘事件が72年ですから、左翼運動は勢いを弱めていた時期ですよね。 「あさま山荘でのリンチ殺人が発覚して、左翼全体が元気をなくし、武装闘争も下火になりかけていました。しかし、一方ではパレスチナなどで日本赤軍が『テルアビブ空港乱射事件』などを起こしていたんです。それがあさま山荘事件に対するアンチとしての戦い方ではないかと思ったんです」 ――企業に対して爆破テロをすることによって社会全体を変えようと思っていたんでしょうか? 「社会を変えるというよりは、悪いことをしてきた企業の責任を追及することが第一でした。企業活動を阻むことで、そういった悪事を止めようと思っていたんです。だから、左翼革命によって革命社会を実現するという目的ではなかったんです」 ――いま振り返って、宇賀神さんにとって左翼運動とは何だったと思いますか? 「僕自身のきっかけはベトナム反戦でした。いま、ベトナムで殺されかけている人間がいて、自分はどのような行動をするのかというのが問題だったんです。それで、デモや活動に入っていきました。だからはじめから左翼思想によって動いていたという訳ではありませんし、いまでも自分が左翼だったかどうかは分かりませんね」 ――宇賀神さんにとって重要なことは、企業爆破テロと同じように「理想の左翼社会を実現する」ということではなく、「今目の前にある問題を解決したい」ということですよね 「運動のきっかけはヒューマニズムだったんです。社会や企業の不正に対して怒りを感じ、社会を変えようという思いが生まれます。だから左翼を意識しすぎると、その根本となる『何を変えるか』『なぜ変えるのか』という動機が分からなくなってしまうんです」 ――事件を起こしてから30年以上の時間が経ちましたが、変化はありましたか? 「現代にも企業悪はありますよね。ただ、当時は戦争が終わってからそんなに経っていないということもあり、花岡事件に対する思いも強かったんです。最近、鹿島が花岡事件の企業責任を一部認めていましたが、今でも日雇いや野宿労働者に対する排除や虐待は増えているし、昔より良くなったというわけではないでしょう」 ――現在、宇賀神さんの闘争心は何に対して向けられているんでしょうか? 「抑圧であったり、他人が困っているという状況に対して反抗しています。救援連絡センターの活動も同じで、権力からの抑圧状況に対して反抗しているんです」 ――戦いは続いているんですね。 「『戦い』という言葉は恥ずかしいけどね(笑)。現状をなんとか良い方向に変えたいとはいまでも思っています。身近な例で言えば、電車の中に妊婦がいても老人がいても席を譲ろうともしない人が多いですよね。人と人との関係が断ちきられてしまって、一人一人バラバラになっちゃっている。だから、できなくなっちゃったんです」 ――70年代風に言えば『席譲り闘争』ですね(笑)。 「小さいけれどもそこからですよね。今は、人間関係を再構築して繋がり合うということを考えているんです」 ――最後に若い人に対してメッセージをお願いします。 「現状を変えたいと思ったら行動に移さなきゃなりません。現代では行動に移すということをしないですよね。自分より弱い相手に対して、暴力を振るったりするのではなく、国家権力など、強者に向かっていかないとダメだと思います。抑圧状況に対してしっかり反抗していかなきゃならないんです」 (取材・文=萩原雄太[カモメマシーン]) ●うがじん・ひさいち 1952年、東京都出身。東アジア反日武装戦線「さそり」班の元メンバーとして連続企業爆破事件に関与し逮捕される。出所後は人権団体「救援連絡センター」の事務局員として活動。
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歯医者にかかるまで半年!? 塀の向こう側の不条理な生活

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救援連絡センターで発行するビラや月刊誌「救援」。
 シャバで生活していれば、なかなか見えない塀の中の生活。そんな刑務所・拘置所に20年以上にわたって服役していたのが元東アジア抗日戦線の活動家・宇賀神寿一氏だ。社会を震撼させた「連続企業爆破テロ」の実行犯として逮捕された宇賀神氏。出獄後は人権団体「救援連絡センター」の一員として、逮捕者の人権保護に尽力する彼が見た刑務所の生活とは? そして、その問題点とはいったいどこにあるのだろうか? ■歯医者にかかるまで半年かかる......刑務所の医療事情 ――まず、宇賀神さんが所属する『救援連絡センター』の活動について教えてください。 「人権の砦として、警察に不当逮捕された人への弁護士の派遣をはじめ、刑事、民事事件、獄中者の処遇等の相談窓口となっています。死刑制度廃止や民衆抑圧のための法律に反対し、全国の心ある弁護士や仲間とネットワークを組みながら、幅広い活動をしているんです」 ――刑務所での受刑者の処遇についてはさまざまな問題が言われています。具体的にはどのような問題があるのでしょうか? 「まずは医療の問題があります。例えば刑務所では虫歯になっても歯医者にかかるまで半年かかってしまうんです。歯医者といっても外から歯科医を呼びます。頻繁に呼ぶことができないから何カ月に1回ということになってしまう。刑務所の中にも歯医者にかかりたい人は多いんです。だから、順番を待っていると歯医者に診察してもらうまで半年かかってしまうんです。もちろん、虫歯は進行していますから、治療といってもほとんどが抜歯になってしまいます」 ――刑務所の中には医療設備はあるんでしょうか? 「ある刑務所もありますが、ちゃんとした歯科設備まで完備されているところはないですね。行政にも医療予算があってその枠内でしかお金を使うことはできないので治療にも限界があるんです」 ――他の病気についてはどうでしょうか? 「ガンにかかってしまったらまず助かりません。治療環境も劣悪ですし、治療薬もない。元日本赤軍の丸岡修さんは、獄中医療のミスによって、"拡張型心筋症"という難病にかかり、いま瀕死の状態にありますが獄外の専門病院に移されません。監獄当局にとって、囚人を獄外の病院に入れることは考慮外のようです」 ――受刑者専用の医療刑務所は全国にありますよね。そういったところで治療を受けることはできないんでしょうか? 「治療といっても一般社会とは全く違った内容になります。もちろん悪いという意味です。刑務所の職員たちは『悪いことをしたんだから高い金を出して治療させてもらえると思うな』と考える人が多い。中にはそれをはっきりと口に出す職員もいます」 ――衛生面に関してはいかがでしょうか? 「刑務所では衛生管理が徹底されていないので、食中毒がとても多いんです。私のいた刑務所でも毎年食中毒が発生していました。そうすると百何十人にも及ぶ受刑者が一斉に嘔吐や下痢をしてしまいます」 ――その他に処遇の問題はありますか? 「刑務作業中にちょっと脇見をしただけでも懲罰になってしまいます。『怠業』認定されてしまうんです。中には性格の悪い職員もいて、鍵束を持って受刑者の後ろを歩き、それを受刑者の後ろでわざと鳴らすんです。『何だろう?』と思って受刑者が後ろを振り返ればもう『怠業』に認定されてしまうんです。ほとんどいじめのようなものですよね。けど、刑務所は不条理の世界なんです」 ――懲罰の内容は? 「独房に入れられて正座、もしくは安座をさせられました。じーっと座っているだけで動いても行けません。もちろん本を読むこともできませんし、テレビやラジオがあるわけでもない。ただじーっと座って就寝時間になるまで寝転がることも許されません。私はこれを10日くらいやっていたんですが、とても辛かったことを覚えています」 ■再犯が頻発するのは構造的な問題 ――受刑者の数は飽和状態と聞きますが、何の対応もされていないと聞きます。 「3畳くらいの独房に、2人が収容されているという話も聞きます。私のいた頃はそんなことはありませんでした。近年の重罰化の影響で小さい犯罪でもどんどん刑務所に入れるようになっているんです」 ――宇賀神さんが見聞きした中で、最悪の刑務所はどこでしょうか? 「徳島刑務所は長期刑務所と言われる長期刑の囚人が多く入っている刑務所なんですが、ヤクザがとても多いんです。だから刑務官も横柄な対応をするようですね」 ――受刑者の飽和状態とともに、受刑者の高齢化も問題視されていますね。 「刑務所としても高齢者用の処遇をしていますが、やっぱり限界がありますよね。そもそも高齢者が増えた理由は再犯が増えているからなんです。なぜ再犯が多いかと言えばしっかりとした更生教育をしていないからです。日本の刑務所の職業訓練は職業訓練とは言えないようなものです。それを身につけても外で仕事ができるというものではありません」 ――例えばどういったことを訓練するんでしょうか? 「私は椅子を造っていたんですが、椅子の座面のシートをホチキスの大きなもので止めるだけの内容でした。これが職業訓練だったんです。何にもならないですよね(笑)。それよりもパソコンなどを使った作業をさせてもらった方が、出所後の就職に役立ちます。韓国の刑務所では職業訓練もパソコンを使った作業をしているそうです」 ――刑務所は犯罪者を更生させ、社会復帰させる場所ですよね? そんな内容ではただの隔離になってしまうと思うのですが。 「社会にとっての損得を考えても、再犯させることによる損失は大きいと思います。社会復帰できるように職業訓練をするべきだし、職業に就くうえでの考え方を変えていく必要があるんじゃないでしょうか。今は刑務所にいさせて、刑期が来たら出すというだけです。多くの受刑者には身元引受人もありません」 ――作業に対する対価はどれくらいなのでしょうか? 「私の場合、一等工という一番高いランクでしたが時給40円でした。1990年代の話です。当然、出所したところで金もないし。明日から住む場所もない。もちろん食べる金もありません。そうすると万引きや強盗をせざるを得ないんです。いまの刑務所は個人を追い込むような構造になってしまっているので、それを直さないと再犯の問題はどうしようもありません」 ――日本と海外の刑務所とでは違いがあるんでしょうか? 「フランスだったらワインを飲むことができます。また、北欧の刑務所では、女房、恋人が面会に来たら一つの部屋に入ってセックスもできるんです」 ――日本の刑務所では考えられないですね。 「昔はマスターベーションをしたら懲罰にかけられたりしていました。最近では許容されているらしく、黙認でしょうね。布団の中でやっていたりするのはあえてうるさく言われません」 ――オカズには何を使うんでしょうか? 「私が刑務所にいた時は『噂の真相』のアラーキーの写真を見ていましたよ。不思議なことにヘアーは塗り潰されていませんでしたが......(笑)。」 (後編につづく/取材・文=萩原雄太[カモメマシーン]) ●うがじん・ひさいち 1952年、東京都出身。東アジア反日武装戦線「さそり」班の元メンバーとして連続企業爆破事件に関与し逮捕される。出所後は人権団体「救援連絡センター」の事務局員として活動。
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