
日本の尖閣諸島購入で一気に火がつき、中国全土へと広がった反日デモは、一時、日中国交正常化以来最大といわれる規模にまで達したものの、次第に収束へと向かいつつある。
そんな中、くすぶる人民の反日感情を刺激してビジネスへと結び付けようという動きが活発化している。
旧暦8月15日(2012年は9月30日)の中秋節に、親戚や知人と月餅を贈り合う習わしがある中国では、目下、月餅商戦真っただ中だ。そんな中、広西省のある菓子店が、日本への罵詈雑言を書き込んだ月餅を販売し、話題になっている。
問題の“反日月餅”は、1箱4個入りで、価格は500円前後。一見するとなんの変哲もない月餅に見える。しかしよく見ると、月餅の表面にはそれぞれ「小日本を恨め」「小日本を打倒せよ」「小日本を噛み殺せ」「小日本を追い払え」という穏やかならぬ言葉が刻まれているのだ。これが、このところの反日感情の高まりと相まってネット上で話題となり、全国から注文が殺到。これまでに、すでに数千個を販売したというから、菓子店の思うツボといったところであろう。
ほかにも、浙江省杭州市のスポーツジムが「体を鍛えて日本の尖閣侵略に抵抗しよう」をキャッチフレーズに宣伝活動を展開したり、陝西省西安市にあるホテルが「釣魚島ホテル」と改名したりと、企業が人民のナショナリズムの高まりに便乗する例は枚挙にいとまがない。デモ参加者の中には、理性を失って暴徒化する者も少なくなかったのとは対照的に、そんな彼らをしたたかにもカモにしてしまう中国の商売人たちは、ある意味、理性的にすぎる……。
今後は、こうした“愛国商法”に味を占めた中国企業の扇動による反日デモが、頻発することになりかねない!?
(文=牧野源)
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「愛国」という名の自爆スイッチ!? 反日デモで露見した中国最大の弱点

尖閣諸島問題に端を発した中国の反日デモは、激しさを増しながら60都市以上に広がっている。日本製品の不買運動や暴徒化したデモ参加者による日系工場の襲撃なども併せて行われており、日本経済に及ぼす影響も無視できない事態となってきている。
ところが「今回の反日デモで、一番ショックを受けているのは中国政府」と明かすのは、広東省ブロック紙社会部記者だ。
中国人の反日感情が慢性的なものとなり、日系の企業やその関連工場が撤退や閉鎖に追い込まれることになれば、最大1000万人の労働者が職を失うことになるともいわれている。日中関係の悪化が、両国経済にとって痛み分けとなることは明白である。
しかし同記者は、経済のみならず、中国の国際社会での立場すら危うくなる可能性を指摘する。
「当初、反日を叫んでいたシュプレヒコールはいまや政府批判へと変わりつつあり、現政権に不満を持つ保守派の旗印である、毛沢東の肖像などが掲げられるようになった。それまでは『飽きるまでやらせよう』というスタンスだった政府も、その時点でデモ隊の抑え込みに動き始めたが時すでに遅し。暴徒化したデモ隊にもはや手がつけられなくなり、泣く子も黙る武装警察も、彼らを前に後退を余儀なくされている。ここまでの事態になることは、政府にとっても想定外だった。最大の不覚は、世界に中国政府のガバナンスの弱さを露呈してしまったこと。日本をはじめとする諸外国に、『中国を攻撃するのに戦争などは必要なく、人民の愛国心を刺激すれば勝手に自滅する』という弱点を握られたことにな る。『人民の愛国心を刺激する』という外交カードは今後、中国と交渉の場につく多くの国に利用されるだろう」
国際社会において、これまで我が物顔の振る舞いを続けてきた中国が、これで少しはしおらしくなるのだろうか? ただ、反日人民からの無謀な開戦要求すら政府が抑え込めないという事態だけは勘弁してほしいものだ……。
(文=牧野源)
「愛国」という名の自爆スイッチ!? 反日デモで露見した中国最大の弱点

尖閣諸島問題に端を発した中国の反日デモは、激しさを増しながら60都市以上に広がっている。日本製品の不買運動や暴徒化したデモ参加者による日系工場の襲撃なども併せて行われており、日本経済に及ぼす影響も無視できない事態となってきている。
ところが「今回の反日デモで、一番ショックを受けているのは中国政府」と明かすのは、広東省ブロック紙社会部記者だ。
中国人の反日感情が慢性的なものとなり、日系の企業やその関連工場が撤退や閉鎖に追い込まれることになれば、最大1000万人の労働者が職を失うことになるともいわれている。日中関係の悪化が、両国経済にとって痛み分けとなることは明白である。
しかし同記者は、経済のみならず、中国の国際社会での立場すら危うくなる可能性を指摘する。
「当初、反日を叫んでいたシュプレヒコールはいまや政府批判へと変わりつつあり、現政権に不満を持つ保守派の旗印である、毛沢東の肖像などが掲げられるようになった。それまでは『飽きるまでやらせよう』というスタンスだった政府も、その時点でデモ隊の抑え込みに動き始めたが時すでに遅し。暴徒化したデモ隊にもはや手がつけられなくなり、泣く子も黙る武装警察も、彼らを前に後退を余儀なくされている。ここまでの事態になることは、政府にとっても想定外だった。最大の不覚は、世界に中国政府のガバナンスの弱さを露呈してしまったこと。日本をはじめとする諸外国に、『中国を攻撃するのに戦争などは必要なく、人民の愛国心を刺激すれば勝手に自滅する』という弱点を握られたことにな る。『人民の愛国心を刺激する』という外交カードは今後、中国と交渉の場につく多くの国に利用されるだろう」
国際社会において、これまで我が物顔の振る舞いを続けてきた中国が、これで少しはしおらしくなるのだろうか? ただ、反日人民からの無謀な開戦要求すら政府が抑え込めないという事態だけは勘弁してほしいものだ……。
(文=牧野源)
個人標的も「愛国無罪」 【反日デモ】日本人を襲撃する側の論理とは!?

日本政府による尖閣諸島国有化を契機に、中国での反日感情が悪化の一途をたどる中、在留邦人が襲撃されるケースが相次いでいる。上海の日本総領事館によると、13日までに、路上で暴行を受けたり、ラーメンを顔にかけられるなど、少なくとも6件の被害が報告されているという。
これまでにも、反日デモの際には日本車や日本食料理店などが暴徒化した群衆の襲撃対象とされることは度々あったが、日本人個人が標的とされるまでにエスカレートしたことは異例といえる。こうした中、中国大使館は在留邦人に注意喚起を続けている。
一方、中国人はこうした事態をどう見ているのだろうか。
中国版Twitterの「微博」上には、「愛国とはいえ個人を攻撃するのは支持できない」という冷静な意見もある中、「(襲撃されたのは)自業自得」「こうでもしなければ奴らは反省しない」といった、個人への襲撃を容認するような書き込みも少なくない。
「愛国無罪」は毎度のこととはいえ、なんの罪もない個人を攻撃することを彼らはどのように正当化しているのだろうか。
日本人個人への攻撃を容認するある微博ユーザーは、その根拠をこう述べている。
「『国と民は分けて論じるべき』などは戯言だ。日本は民主主義の国。政治家は国民の意思の下に選ばれ、政府は国民の総意を体現したもの。よって日本政府による中国主権の侵害は日本国民に責任がある」
また別のユーザーは、「日本人に善意があるのなら、民主的手続きにのっとって野田首相を罷免するべき」と主張する。そのほかの個人攻撃容認派の多くも、異口同音に「日本は民主国家である以上、政府の非は主権者である国民の非」というロジックを展開しているのだ。
つまり言い換えれば「うちは独裁国家だから、政府が何やろうが俺らは責任ないもんね」というわけである……。
(文=牧野源)
反日感情高ぶる中国ネット民 竹島問題に関しては日本に同情的だった!?

『竹島』(実業之日本社)
香港活動家らによる尖閣諸島上陸事件に端を発する反日デモが全土で散発している中国。中国のネット上でも、日本製品不買の呼びかけや、「小日本」「日本鬼子」といったお決まりの罵詈雑言が飛び交っている。
一方、韓国との間には竹島問題も抱えている日本は、複数の隣国と同時に抱える領土問題に苦慮している。
そんな中、中韓両国は国交樹立20周年を迎え、両国首脳が祝電を交換。日本との領土問題などをめぐり、戦略的協力パートナーシップを深めていくことを確認したという。領土問題において、日本を共通の敵とする中韓両国が手を組めば、日本にとってはピンチこの上ない。
ところが中国ネット民たちの声を拾ってみると、竹島をめぐる日韓の領土問題に関しては、意外にも日本に同情的な人が多いようだ。
「尖閣諸島は中国のもの。竹島は日本のもの」
これは、中国版Twitter「微博」上に書き込まれたつぶやきである。ほかにも、竹島に軍隊を駐留させて実効支配を続ける韓国を揶揄した「日本はコソ泥だが韓国は強盗だな」という発言も。さらに、「尖閣諸島には海底資源があるから争う意味がある。資源もない岩にムキになってしがみつく韓国はマヌケ」といった、率直な意見も見られる。いずれも尖閣問題をめぐっては日本に譲らないものの、竹島の領有権については日本に組するもので、竹島の韓国領有を主張するような書き込みはごく少数だった。
その理由について、広東省ブロック紙社会部記者はこう話す。
「中国人が本当に嫌っているのは、日本人より韓国人。反日感情は、歴史教育などによるイメージを元にしたぼんやりとした憎悪なのに対し、反韓感情は、実体験を伴った憎悪でリアリティがある。中国に住む韓国人は ビジネスや生活上で、夜逃げや契約不履行といったトラブルが多い上、韓国の学者が風水や漢字の起源を自国のものとして発表したりしていることが理由です。今年4月には、排他的経済水域の境界があいまいな黄海で、操業中だった中国船船長が韓国の海洋警察隊員を刺殺。その後、韓国の法廷で懲役30年という重い刑に処されたことで、領土問題をめぐっても対立を深めており、中韓が手を取り合うことは難しいのでは」
どうやら日中韓は、このまましばらく負の三角関係を続けていくことになりそうだ……。
(文=牧野源)
"裏"指揮権発動はやはり行われていた! 青山繁晴氏が尖閣問題をブッタ斬る

「株式会社独立総合研究所」代表・
青山繁晴氏。
沖縄県・尖閣諸島付近で起こった中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件は、中国側の船長を処分保留で釈放するという、いわば日本が"全面降伏"する形でひとまずの決着をみた。日本の弱腰な姿勢は国民に失望感を抱かせただけでなく、「中国の強弾圧迫に降伏した日本」(東亜日報=韓国)、「日本は圧力に屈した」(ヒンドゥスタン・タイムズ=インド)、「中国の怒りと圧力に(日本が)屈した」(ジャカルト・ポスト=インドネシア)と、日本の外交力の貧弱さを世界中に知らしめる形となった。
仙谷官房長官は24日の会見で、「釈放は那覇地検の判断」として政治介入を否定したが、一方の那覇地検は会見で「日中関係を考慮」(次席検事)と述べ、背後に政治判断があったことを匂わせた。与党内でも「官邸が検察に働きかけた事実上の指揮権発動」(民主党議員)と批判の声が上がっている。はたして今回の船長釈放はどのような経緯で決められたのか。「株式会社独立総合研究所」代表で国際安全保障問題に詳しい青山繁晴氏に、一連の騒動の裏舞台を聞いた。
──船長の処分保留による釈放は、誰がどのような経緯で決断したのでしょうか。
青山繁晴氏(以下、青山) 9月19日に勾留延長が決定された直後、中国側が「このままでは船長が正式起訴され法廷に立たされる」と気づいて反発が激しくなり、これを恐れた仙谷官房長官から検察側に「配慮してくれないか」との打診があった。これにより、検事総長の動揺が始まりました。その後、菅総理もニューヨークの国連総会へ発つ前に、官房長官に対して「私がNYにいる間に解決してくれ」と伝えています。これを受けて仙谷氏は数回にわたり柳田法務大臣を呼び、「このままでは指揮権発動になる可能性があるが、それでもいいのか」と迫りました。柳田大臣はこうした官邸の動きに一切抵抗せず、大林検事総長に官邸の意思をそのまま伝えました。検事総長としては、どうせ釈放するなら指揮権発動より、自ら決断した形のほうがいいと判断した。検察側にはいまだに首脳陣も含めて船長釈放に反発の声が強いようです。それらの証言も総合し、さらに内閣側で裏を取るとそういうことになります。
──指揮権発動(検察庁法14条の「法務大臣は(略)検察官を一般に指揮監督することができる」を指す)は法務大臣が検察の捜査を止めることもできるいわば"伝家の宝刀"で、戦後一度しか発動されたことがありません。今回発動される可能性はどの程度あったのでしょう。
青山 民主党政権下では指揮権発動へのためらいが少ないという感触を得ていました。千葉景子氏が法務大臣の就任会見で、小沢一郎氏に対する捜査での指揮権発動を否定しませんでした。あのことは検察側に強い印象として残ったようです。仮に今回発動されると、今後も発動に対するハードルは低くなるとも検察は考えた。指揮権が発動されると検事総長は必ず辞任しなければならないので、発動のたびに検事総長が辞任するということは、実質的な人事権を失うことを意味します。検察はそれを恐れたのです。
──船長釈放に際して、那覇地検は会見で「国民への影響と日中関係を考慮」と述べました。
青山 私も共同通信の若手記者時代に司法担当をしたことがありますが、検察はいかなるときも「法と証拠に基づいて」としか言いません。あの発言は異例中の異例です。ただ、あの原稿は那覇地検が作成したのではなく、大林検事総長の指示で最高検の側が作った。それを那覇地検が読み上げただけです。「日中関係を考慮」というのは、まさしく仙谷官房長官を通して、法務大臣が検察に対して政治的圧力をかけたことを示唆しているわけです。
──検察庁によるせめてもの抗議ということでしょうか。「国民への影響」の意味は?
青山 実は財界からも検察首脳陣へ「検察だけいい格好をして日本経済が破たんしてもいいのか」と圧力がかかっていました。その圧力の中で「国民生活への影響」という言葉が使われた。その「生活」という言葉を消して「国民への影響」としたのです。あえてその言葉を入れたのは、「経済界からの圧力があった」と示唆しているわけです。大林検事総長が政治圧力に屈したのは事実ですが、とはいっても指揮権発動は法で定められています。今回は発動されたのではなく、巧妙に示唆されただけですが、責任はあくまで法務大臣と官房長官、最終的には菅総理にあるのは言うまでもありません。
──アメリカはどんな動きをしていたのでしょうか。
青山 今回アメリカは、対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条が尖閣問題に適用されるという立場をとった。これはアメリカ国内でも議論があったわけです。アメリカは伝統的に他国の領土問題......もちろん日本とすれば領土問題すら存在しないわけですが、アメリカは基本的に領土問題には介入しない立場をとっています。それをあえて踏み込んで発言し、そのうえで日中双方に「冷静な行動を」と伝えた。中国側の発言が当初の「謝罪と補償を求める」から「謝罪と補償を求める権利がある」とトーンダウンしたのもそれが背景にあります。決して船長を釈放したからではなく、アメリカによるプレッシャーの結果です。その意味で、アメリカは仕事をしているわけです。
──米海軍が具体的に動いていたという話も一部にあります。
青山 9月8日の船長逮捕のわずか2日後に、米海軍の太平洋艦隊司令官と第七艦隊司令官の2人が横須賀の海上自衛隊司令部を訪れています。名目は第七艦隊司令官の新任挨拶ですが、その席でアメリカ側は、「中国の行動は子どもっぽい短絡的なものでなく、極めて戦略的。漁船も単なるトロール船ではなく、訓練された工作集団と見るべき」という考えを日本側へ伝えています。トロール船というのは旧ソ連時代からKGBの諜報戦に使われていた船種で、中国はそういう技術をソ連から学んでいる国です。さらに「中国側の狙いを甘く見ていると、沖縄近海まで奪われかねない」としたうえで、原子力空母ジョージワシントンを尖閣諸島近海にさりげなく出動させる可能性もあると伝えています。中国側へプレッシャーをかけ、さらに中国の潜水艦隊の動きも見るためです。そこまでアメリカは準備をしていたわけです。
──中国は尖閣諸島を領土化した後に沖縄も狙っていると言われていますが。
青山 それは明らかです。もう7~8年前になりますが、私が北京で中国海軍大佐と話したとき、彼は「沖縄は日本の県ではなく中国の一部だ」とはっきり言いました。「その証拠に日本の城はすべて石垣の角が直角だが、首里城は丸い。あれは明の文化だ」と。「青山さんは常々祖国とは文化と言っているじゃないか。その意味でも琉球は中国だ」と。当時からそう言っていました。中国は50年単位で国家戦略を立てます。10年、20年かけて尖閣諸島を奪い、そこを拠点に沖縄までを影響下、あるいは支配下におくというビジョンは昔からあったわけです。
──今後、沖縄へはどんな影響が考えられるでしょうか。
青山 「今後」ではなく、今現在、沖縄はすでに中国の脅威にさらされています。近年、沖縄本島では中国人移住者が急増しており、仮に外国人地方参政権が制度化すれば、中国の息のかかった人間でないと県知事になれないという事態にすらなりかねません。さらに石垣島を中心とした南の島々では、漁政(ぎょせい=日本の水産庁に相当)が軍艦を白く塗って偽装した船を近海に常駐させ、その威嚇行動で漁民はすでに正常な漁業活動がほぼできない状態です。現在進行形で沖縄は脅威にさらされているわけです。重要なのは、日米安保の第5条も自動発動条項ではなく、日本がアメリカに要請したときのみアメリカが動けるんです。そのことを日本国民はいまいちど認識すべきです。アメリカが何をしてくれるかということではなく、問われているのは日本の政治のあり方であり、何より主権者である日本国民の考え方なんです。
(文=浮島さとし)
日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記 うやむやが一番よくない。
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