池田大作重病説は本当だった!? 元・看護師が明かす厳戒病室

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「週刊文春」10月27日号 中吊り広告より
第1位 「モノクログラビア 誕生日は、3月11日」(「週刊文春」10月27日号) 第2位 「池田大作『創価学会』名誉会長『厳戒病室』本当の病状」(「週刊文春」10月27日号) 第3位 「ミステリー作家黒川博行『怒りの独占手記』週刊現代デッチ上げで『かい人21面相』にされた私」(「週刊文春」10月27日号)  1週間の中国旅行から帰った金曜日の夜、家人に買っておいてもらった週刊誌を読む。面白い。新聞はiPadでチェックしていた。週刊誌は雑誌の中吊りアプリでタイトルは見てはいたが、内容を読めない欲求不満がたまっていたから貪るように読んだ。  厚生労働省が突然、年金部会に提示した「年金開始年齢を68~70歳で検討している。65歳に引き上げの前倒しもある」という理不尽な案に、当然ながら各誌が怒っている。だが、幾分不満なのは、ではどうすればいいのかという具体策について頷けるものはなかった。  「フライデー」の「宮崎あおい、夫・高岡蒼甫とついに別居!」は、宮崎が二人の愛の巣を出て東京都下のマンションで暮らし、すでに二人の仲は破局していることを丹念な取材で明らかにしている。  「週刊新潮」が東京都世田谷区の住宅街で発生した高い放射線量騒動を取り上げている。結果、放置された夜光塗料に使われていたラジウム226だったが「年間30ミリシーベルトを50年浴びた『女性』はガンになったか!」と、92歳の女性もその家族もガンでなくなった人はいないと、放射能にビクビクしている読者に、そう心配しなくていいのだといっている。  22日土曜日の夜、お茶の水の山の上ホテルで行きつけのバーの「5周年を祝う」会があった。そこで話題になっていたのが、3位に上げた黒川博行の手記である。  「週刊現代」でノンフィクション・ライターの岩瀬達哉が、時効になったグリコ森永事件を取材して連載した「スクープ直撃!あなたが『21面相』だ」の中で、仮名だが犯人と断定されたと怒っている。  前の週の「週刊朝日」が黒川の「現代」告発を取り上げているが、こちらはより詳しく伝えている。  事件当時、黒川はデビュー作が脅迫状の文面や身代金の受け渡し方法が酷似していたことで、兵庫県警に事情聴取されているが、その時点で疑いは晴れているとしている。岩瀬と編集者に3回取材されたが、「あなたが真犯人ではないのか」という質問はなかったという。  岩瀬が黒川を真犯人だと疑う根拠は、犯人とされる人間との身長と年齢が合致、犯行に使用された車と似た車に乗っていた、容易に青酸ソーダを入手できた、脅迫テープに言語障害を持つ子どもの声が録音されているが、黒川の妹の息子にも言語障害がある、犯行現場に土地勘がある、などである。  だが黒川は、妹に言語障害の息子はいない、土地勘はない、青酸ソーダを入手できるメッキ工場は親族が経営しているが、事件当時はプレス工場だったと3点は間違いだと主張している。  取材の際のやりとりのおかしさから、黒川が真犯人だという思いこみが前提にあったとも指摘している。  当然のことながら、岩瀬と「現代」に対して抗議したが誠意ある回答はないと憤る。今回「文春」も岩瀬と「現代」に取材しているが、コメントはない。  私は岩瀬を知っているが、地道に取材をするライターである。年金問題を暴いたことでも有名で、彼が単なる思いこみで書くとは思いにくいのだが。  「朝日」は今号でも、犯人らがグリコ社長拉致に使用した車について、岩瀬の重大な事実誤認があると批判している。「週刊ポスト」も、かつて犯人のキツネ目の男に酷似しいているといわれた作家の宮崎学を、この件でインタビューしている。宮崎は連載も読んでいないし、コメントのしようがないとつれないが。  仮名で書いたのだからという言い逃れはできない。「現代」と岩瀬側はどんな反論をするのかと期待して「現代」を読んでみたが、おいおい、一行も触れていないではないか。  2年前になるが、「新潮」で朝日新聞襲撃犯の手記を掲載し、それがまったくのウソだったことが朝日新聞や他誌の指摘で明らかになり、ついには告白した当人が「文春」などで、手記は「新潮」に強制されたと告白して、「新潮」は大失態を演じた。  そのこともあって「新潮」だけではなく、他の週刊誌も売上げが減少し、存亡の危機に立たされたことを思い出す。  その後、「現代」は鈴木章一編集長が「団塊向け週刊誌」という原点帰りをして部数を少しずつ戻し、東日本大震災や島田紳助スキャンダルで勢いをつけ、ナンバー1の「文春」に迫ろうかという時期に起きた大トラブルである。  岩瀬も「現代」編集部も、黒川の批判にきちっと答える義務がある。小沢一郎のカネの問題で説明責任を果たせと追及してきた「現代」が、この問題に説明責任を果たさなければ、小沢追及とはいったい何だったのかを問われるのは間違いない。次号でやらなければ時機を逸し、また週刊誌への不信が高まり、「新潮」の二の舞になる。岩瀬と鈴木「現代」編集長が記者会見を開いて、説明すべきだと思うが。  さて、池田大作創価学会名誉会長といえば、日本を牛耳るドンのナンバー1といってもいい人物である。その池田名誉会長が昨年5月中旬以降、公の場に姿を見せていないことから重病説もささやかれてきた。  83歳だから、失礼だが病気で伏せっていてもおかしくはないが、なにせ大組織・創価学会を率いる人だから、万が一のことがあれば、組織や公明党まで、大きな影響を及ぼす。  「文春」は、その池田名誉会長の病状を間近で見たというAさんから話を聞いている。これが今週の2位。  Aさんは東京信濃町にある創価学会の医療関連施設「南元センター」で看護師として勤務していたという。数カ月にわたり看護をしてきたAさんは、池田名誉会長の病状をこう語っている。 「先生の病気は、脳梗塞です。梗塞は2カ所にあり、もともと糖尿病という持病をお持ちなので、合併症を誘発する恐れもあります。自力で歩くことはできず、移動は車椅子でした」  聞き取りづらい部分はあったが、入院当初は会話はできていたという。しかし東日本大震災以降、他人の認識できないこともあり、咀嚼が困難になり、食事をきちんと摂れなくなったため、誤嚥性肺炎の恐れから1日3回、経管注入で栄養剤を入れているという。  なぜ彼女は神のように崇めていた人の病状を明らかにしたのか。 「(中略)幹部の方々は、心配する我々学会員に対して『先生は元気です』とアピールするばかりです。しかし、それは学会員を欺き、池田先生を冒涜しているのと同じではないでしょうか。末端の学会員にも先生の現状をお知らせして、先生のために大勤行会を開いた方がいいと思うのです」  私が読んだ印象では、この告白の信ぴょう性はかなり高いと思う。どちらにしても池田名誉会長の体調ははかばかしくなく、近い将来、後継者問題が表面化してくることは間違いない。次期リーダーに誰がなったとしても、彼ほどのカリスマ性を持ったリーダーにはなり得ないから、この大宗教団体の今後は波乱含みであろう。  東日本大震災の傷跡はまだそこかしこに残り、復旧、復興はかけ声ばかりで、政治も役人も心底から被災者のことを思ったいるのか疑問に思えてならない。  しかし、どんなに被害を受けようとも、新しい命が生まれ、育っていくことを、この「文春」のグラビア特集は気付かせてくれる。  ここには3月11日に被災地で誕生した11の新しい命が載っている。春晴(はるせ)、瑞萌(みづき)、輝道(てるみち)、陽生(はるき)など、被災した親の思いがこもっている名前が多い。  春晴ちゃんは「早朝、石巻の病院で生まれる。(中略)交通手段もなく、家族が全員で顔を合わすことができたのは、4月6日。『春晴という名のように、よく晴れた日で、一生忘れられないと思います』と父・健司さん」  輝道ちゃんは、母親が初乳をあげようとしていたとき地震に襲われた。母親はとっさに輝道ちゃんにおおいかぶさると、その上から助産婦もおおいかぶさってくれたという。  陽生ちゃんは地震の直後に生まれた。母親は福島県の病院の陣痛室でその時を迎えた。看護婦の誘導で、寒い中大きなお腹を抱えて病院の駐車場に移動し、彼女の父親の車のシートを倒して布団を敷き、そこで産んだ。  お湯は出なかったから沐浴はできず、出生時刻を忘れないようにと、生まれたばかりの陽生ちゃんの足にマジックで書いたという。  虎ちゃんが生まれたのは地震から40分後。仙台市内の病院の受付の奥にある簡易ベットだった。生まれたはいいが余震が続く。へその緒を切るはさみやタオルがなく、看護師が探してくれた。書くものがなかったので、生まれた時刻はその場にいたみんなで覚えた。父親は虎ちゃんが息をしていないことに気付く。看護師が管を見つけてきてくれて、虎ちゃんののどに入れ、吸引して泣き声が戻る。その後、外へ出ると、避難していた人たちが「良かったね」と拍手をしてくれたという。  凛ちゃんの母親は青森市内の病院の分娩室にいるときに震災が起き、停電になった。「部屋が暗くなっていくので、早く産まなくちゃと焦った」と母親は話している。その夜は懐中電灯一つで過ごした。「人の痛みが分かる優しい子に育ってほしいと」と父親が言っている。  「天から遣わされた」ような命がすくすくと育っていってほしいと思う。切った張ったばかりではなく、こうした目線が読む側をほのぼのと温かくしてくれる。これが今週のグランプリである。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「週刊朝日」10月21日号
第1位 「福島第一原発"最高幹部"がプルトニウム検出の真相を語る 調べればもっとひどい現実がわかる」(「週刊朝日」10月21日号)) 第2位 「『60歳以上向けフーゾク』行列のできる店」(「週刊ポスト」10月21日号) 第3位 「独占入手!島田紳助『山口組ナンバー2との親密写真』」(「フライデー」10月21日号)  アップルのS・ジョブズが死んでしまった。彼の有名な言葉「ハングリーであれ、愚かであれ」を思い出す。こうしたベンチャー企業で、トップが創業者から変わってうまくいっているところなんかあるのだろうか。スポーツの世界でもよくいわれる。長嶋と王のいない巨人の監督になった王は大変だったろうと。  さて、今週の第3位は「フライデー」のスクープ第2弾。  紳助が極心連合会の橋本弘文会長を上回る山口組の大幹部と同席していた写真や、どないや紳助、グーのネもでえへんやろう。  見開きでドーンと出てるがな。右におるのが山口組のナンバー2、弘道会・高山清司会長や。山口組のナンバー4とナンバー2の間に座ってる芸人なんて、フツー考えられんことやそうや。  兵庫県警の関係者が言うてはる。 「大きなシノギ(収入を得るための手段)について、話し合いをしていたのかもしれない。山口組内では、紳助はフロント(企業舎弟)として認識されているのかもしれません」  これで紳助も絶体絶命やな。だけどこの写真、どこかで見たんと違うか? あれっ、この間スクープした写真と同じやないか。あん時は高山会長のところだけカットして出して、今度は全部出したというこっちゃな。  1粒で2度おいしいグリコのようなことやるんやな。まあ、どっちゃにしても橋本会長と高山会長がOKしたというこっちゃな。やっぱり会見で紳助が、橋本会長とそんなに親しくないと言ったことで、2人を怒らせてしもうたんや。  紳助の持っとる不動産にも暴力団が絡んでるという話やし、まだまだ紳助がらみの悪い話はでてきそうやな。  第2位は軟派記事でこのところ気を吐く「ポスト」の記事。人生80歳時代。還暦なんかまだまだハナタレ小僧みたいなもんだ。  だいぶ前から年金支給日はソープランドやマッサージ、中にはデリヘル嬢をホテルに呼ぶ高齢者もいるといわれていた。  草食系といわれる若い男連中は風俗には来ない。やはり狙い目は若いころからフーゾクにどっぷり浸かったことのある団塊世代。そこで連中が考え出したのは高齢者獲得のためのあの手この手だ。  東京・吉原のソープ街では年金が支給される偶数月の15日からしばらくの間は高齢者の客が急増する。これを「吉原年金族」というとポストに書いてある。  30歳未満の客はお断りの池袋の派遣型アロマエステ。やはり客を30歳以上に限定している東急沿線のデリバリーヘルスでは、30代が90分コース2万5,000円で、ナイスミドル会員は2万4,000円、ナイスシニア会員だと2万3,000円と年齢が上がるほど安くなる。  完全予約制で"心のふれあい"を大事にしているという中高年専門の老舗・店舗型ヘルス「ナイスミドル」は高田馬場駅近く。11年前にオープンしたが、60歳代が客層の中心で、岡山、北海道からも来てくれる客がいるという。  ED(勃起不全)に悩む男にとって打ってつけなのが、池袋の派遣型回春マッサージ。ここは高齢者の場合、看護士の資格を持った女の子を派遣するようにしているそうだ。  障害者や高齢者専門のデリバリーヘルスが大阪にある。ここへ入店する娘には、体の起こし方や脱がせ方、あそこの洗い方、手動式人工呼吸器の使い方まで指導する。ここは会員になると70分1万8,000円と指名料2,000円と交通費がかかる。90分で1万5,000円の「プラトニックコース」もあるという。  コラムも面白い。鶯谷の熟女専門のデリヘルに82歳のフーゾク嬢がいるといううわさを聞いて探してみると実際にいて、大塚駅近くのラブホに来てもらった話が書いてある。お客さんは実母のように甘えてくるのがいたり、話し相手欲しさに来る客が多く、空襲や戦争体験を彼女に話すそうだ。  私が会社に入ったころ、渋谷に60歳を超えたトルコ嬢(今のソープランド嬢)がいて、尺八が上手いと評判で、夜な夜な通う先輩がいた。どうしてそんな婆さんがいいんですかと聞くと、歯が抜けていてほとんどない、だから何ともいい難い感触がいいんだと、ニヤニヤしながら教えてくれた。横浜にメリーという娼婦がいたことが話題になったことがある。映画まで作られたが、彼女も相当な歳だった。  これだけ高齢者が増えてきて、まだまだ下半身も元気な連中は、これからのフーゾクの上得意になること間違いない。そういう意味では「ポスト」は金鉱を掘り当てたのかもしれない。  第1位は地味な記事だが、内容はすごい「朝日」の記事。9月30日、文科省は原発80キロ圏でストロンチウムが検出され、さらに原発の北西部・飯舘村ではプルトニウムが検出されたと発表した。  こうした深刻で大事な話を、なぜ2ページしかやらないのか疑問はあるが、やらないだけましか。  フクイチの最高幹部は以前「原子炉から核燃料が飛び散った可能性がある」と話していたが、それが現実になったのである。  プルトニウムは重いし、3号機のプルトニウムは陶器のように焼いて固めてあるから、そう遠くまで飛散しないと思っていたそうだが違った。 「そう考えると、今回のプルトニウムの検出は、3号機の爆発がいかに大きかったかという裏付けになるでしょう」  爆発直後「プルトニウムは飛ばない」と言っていた御用学者を非難し、調査サンプルが十分でないと疑問を呈している。  特に警戒区域、計画的避難区域のサンプルが少ない。それに文科省は約3カ月前に調査していたのになぜこんなに発表が遅れたのか? その理由は調査グループのメンバーを見ればわかるという。 「今回の調査には、電気事業連合会(電事連)がサンプル採取にかかわったと聞いています。(中略)言うまでもなく、みんな、原発を持っていて、つぶしたくない人たち。公正さを考えれば、今後、調査方法は考え直す必要があります」  プルトニウムは長く残存するし、少々取り除いてもダメだという。 「それほど爆発の威力が大きかったということを認め、汚染地域の住民の皆さんの帰宅は再考する必要があります。いくら除染しても、すぐに放射線量が下がるとは限りません。除染に使った水などの処理はどうするのか。下水や地下に流れたり、地中にしみこんだりして、また汚染が広がってしまう」  「週刊文春」のモノクログラビア「飯舘村の叫び」と合わせて読んでもらうといい。 「今度のプルトニウムも東電は知っていて今頃出してきたんだ。次は何が出るんだか。我々をバカにしてんだべ。バーアンと爆発したとき、県や市のお偉いさんは我々を置いて逃げたんだって。知らなかったのは我々だけだ」  今も「見捨てられた村」に残って暮らす佐藤義明さん(60)の言葉である。  84歳になる佐藤強さん(84)は、今年は米作りはできなかったが、この時期は山にマツタケをとりに行くのが楽しみだという。「飯舘のマツタケは最高だ」「俺は自分で作ったものを食べているんだ。放射能なんか関係ねぇんだ」。  愛する家畜たちを守りながら生活している夫婦もいる。こうした村を捨てず共に生きる覚悟をもった人びとの声は、永田村で安穏と暮らしている政治屋や霞が関村の税金泥棒たちには届かない。  何度もいうが、もはや原発事故は収束したかのような政府の発表と、それを鵜呑みにする大新聞やテレビ報道にだまされてはいけない。  福島第一原発事故は次第にその大きさが分かってきた。最悪の事態は避けられたかもしれないが、まだ放射能が飛散していることは間違いない。私の友人が先日福島市に行ってきた。だいぶ前に測った高い放射線量が減少していないところがまだまだあるそうだ。  ということは、放射線が福島第一原発から出続けているということではないのか。原発事故はまだ終わっていないことを知らせるのは週刊誌しかないのだ。頑張れ! 週刊誌。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「週刊ポスト」10月14日号 中吊り広告より
第1位 「仰天!男の『サイズ』を測る女たち」(「週刊ポスト」10月14日号) 第2位 「雅子さま愛子さま校外学習に宮内庁記者が『税金泥棒』『異常な母子』」(「週刊文春」10月6日号) 第3位 「円高ユーロ安で得する法」(「週刊朝日」10月14日号)  光文社の写真週刊誌「フラッシュ」が相当厳しいようだ。東日本大震災や島田紳助騒動でやや持ち直したものの、それでも実売率は60%程度で普段は50%前後だという。実売も10万部ぐらいで人件費や経費を切り詰めてもギリギリ、いつ休刊になってもおかしくないようだ。  かつては「フォーカス」(新潮社)、「フライデー」(講談社)、「フラッシュ」など5誌で約600万部もあった写真週刊誌だが、いまや「フライデー」がやや健闘しているだけになってしまった。  紳助と暴力団組長の写真を「フライデー」がすっぱ抜いたように、まだまだ写真週刊誌がやれることはあるし、ものによっては写真の持つ力は活字よりも大きい。「フラッシュ」にも最後の踏ん張りを見せてほしいものだが。  さて、「週刊朝日」と「ポスト」が怒っている。先日の小沢一郎の秘書3人の判決に対してである。「朝日」は「裁判所の暴走」、「ポスト」は「小沢『抹殺裁判』」と、口を極めて「こんな判決がまかり通るのはおかしい」と、まるで小沢の機関紙のように批判している。  東京地裁登石郁朗裁判長は「水谷建設」からの裏献金について「合計1億円を小沢事務所が要求し、被告人石川と同大久保が受け取ったことは、合理的な疑いなく認められる」とし、犯行動機を「被告らはゼネコンとの癒着が公になることを恐れ、犯行におよんだ」と断定した。  また、小沢がこれまで曖昧な説明に終始していることに対しても「4億円を用意した小沢の供述も変遷を繰り返しており(中略)信用できない」と指摘し、「被告らは法の趣旨を踏みにじり、政治活動や政治資金に対する国民の不信を増大させた社会的影響を見過ごすことはできない。不合理な弁解を弄して責任を頑なに否認し、反省の姿勢をまったく示していない」として有罪判決を下した。  両誌の批判の要点は、裁判は法と証拠に基づいて進められるべきなのに、裁判官は初めから「推定有罪」という予断をもって判決を出したという点だ。  「裁判所は検察のメンツを立てたのです」(魚住昭=朝日)と、裁判官は常に検察の方に顔を向けているから無罪判決を出す勇気などないと断じる。  「この国が恐ろしいのは、すべての権力が同じ方向を向いて走り、正義よりも自分たちの足下ばかり気にしている点だ。(中略)このような裁判がまかり通り、誰も『おかしい』と口を開かなくなれば、小沢自身も『有罪確定』と見て間違いない」(ポスト)と、このままではこれから始まる小沢の裁判も有罪判決が出る可能性が高いと危惧している。  私も、この判決は「あまりにも政治的」で「検察不信を払拭しようという司法の巻き返し」という底意があるように思う。だが注目すべきは、これが小沢時代の崩壊が始まった中で出されたということである。もはやこの流れは止めようがない。  小沢の父・佐重喜は69歳で亡くなっているが、小沢も同じ年になった。角栄になれなかった男はどう自分の政治家人生を締めくくるのだろうか。私の関心はそこにある。  今週の3位は、世界第2次恐慌までささやかれる中、いささか脳天気な「朝日」の記事。たしかにユーロ危機は深刻だろうが、こちとらビンボー人には「資産はこうして守れ」と言われても守るべき資産などない。ならば円高、ユーロ安で何かいいことはないのか。  並行輸入ならブランド品が半年前の3割安で買えるという。6万円のカルティエの長財布が3万9,000円、12万円のグッチのトートバックが9万6,000円だそうだ。  大手スーパーでは差益還元セールをやっているし、楽天市場やヤフーショッピングでもやっているから、オリーブオイルや岩塩、バルサミコ酢がお買い得だという。高級ワインなども昨年に比べて1~2割安で、楽天のワインショップは「シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ」2万1,800円を1万9,800円に引き下げたというが、自慢じゃないがこちとらワインは2,000円以下のものしか飲まないから関係ないね。  旅行は、大手ツアー会社は半期に一度しか見直しをしないから安くなるのはまだ先。狙いは個人旅行で、日本語のページもある世界最大旅行予約サイト「エクスペディア」がお薦めだそうだ。  このままいくと、輸入牛肉を使っているであろう「すき家」の牛丼も200円になるかも。  第2位は皇室ものでは昔から定評のある「週刊文春」の雅子妃についての記事。  宮内庁記者会といえば"上品"な記者たちが毒にも薬にもならない質問でお茶を濁すと思っていたが、こと雅子妃に関してはそうではないようだ。  ことの発端は先日行われた学習院初等科2泊3日の山中湖校外学習。これに雅子妃が同行したいと言い出したため厳戒態勢がとられ、山梨県警数十名も動員された。その上、雅子妃は愛子さまを含めた児童が宿泊したホテルの「インペリアルスイート」(1泊12万円)に泊まったことだった。  「文春」によれば9月22日、怒気を含んだ記者の声が宮内庁の報道室に響き渡った。 「今回のお付き添いは、極めつけの茶番ですよ。皇室の尊厳もくそもない!」  また別のベテラン記者はこう言った。 「(中略)震災から半年、国民が大増税の時代を迎えようとしているその時期に妃殿下は校外学習でインペリアルスイートに泊まられた。常識的に考えられない出費。"税金泥棒"との批判を受けるかもしれません。それを許した(皇太子)殿下はどうお考えなのですか」  毎日のように通学に付き添い、別室で授業が終わるまで待機して一緒に帰る愛子さまと妃殿下に対して「異様な母子」という言葉まで飛び出したというのである。戦前だったら間違いなく不敬罪で逮捕だね。  羽毛田信吾宮内庁長官も定例会見でこうコメントしている。 「校外学習ができたのは良いのですが、通常の形でないのは心配している」  この発言の裏には、両陛下が雅子さまのやり方に疑義を持たれていることがあるのではないかといわれる。  これから年末にかけて皇后さま、愛子さま、雅子妃、天皇陛下の誕生日が続く。そのときの会見で天皇陛下から、愛子さまの教育方針についての"不信感"が発せられないかと周囲はハラハラしているようだ。  皇室は世の中を映す鏡であるが、世の中が大乱のときこそ泰然として、われわれを温かく見守ってほしいと思うのだが、なかなかそうもいかないようである。  今週のグランプリは「ポスト」のセックス特集。おそらく、こうした記事がトップになったのは初めてではないか。快挙である。  これを選んだ理由は2つある。ひとつはこの特集が、われわれの世代には懐かしい「微笑」や「新鮮」という雑誌を取り上げているからだ。  今ひとつは、このページの右に綾瀬はるかのカラーグラビア、それもかわいい~顔のアップがあるからだ。はるかの顔のアップとさまざまなペニスの写真が載っている「サイズを測る女たち」を左右に並べたレイアウトは素晴らしい。  祥伝社から出された「微笑」(隔週刊誌)と「新鮮」(月刊誌)は、1970年代前半から90年代半ばにかけて大きなセンセーションを巻き起こした女性誌である。まだ性に関しておおっぴらに話せる雰囲気ではなかった時代に「愛棒身悶えるナメ方研究」「膣圧時計」「ペニス勃起度ゲージ」という特集を「淑女」たちがこぞって読んだのだ。  ペニスはもちろんヴァギナ、オナニーという単語が誌面に躍り、性をエンターテインメント化したのである。  これを創刊したのは今年80歳を迎えた櫻井秀勲である。櫻井は光文社にいて「女性自身」を国民雑誌にまでした伝説の編集長である。私が講談社に入ったときは残念ながら光文社の労働争議で辞められた後だったが、私を含めて多くの編集者にとって編集のバイブルのような存在である。  記事の中に「女を濡らした傑作タイトル選」がある。これが素晴らしい。「未確認ぶら下がり物体 よい『KOGAN』を見分ける」「ほのぼのレイプ」「本格膣圧計・ペニス長大器プレゼントつき!名器・名刀づくりカード」「1日10分!『締まるワギナ』蘇生ヨガ」  櫻井インタビュー「毎号、牢獄に入る覚悟で作っていました」もすこぶる面白い。  「微笑」が発売されて女性が自分からセックスに興味があるといえる環境ができたが、女性を性に目覚めさせたのは「微笑」ではないという。はるか昔からそういう女性がいたことを松本清張の『菊枕』を読んで知ったそうだ。女流俳人・杉田久女をモデルにした作品だった。時代を問わず悶々と性に悩む女性を檻から解放したい、そうした思いで「微笑」を作ったのだと話す。  彼の雑誌を成功させる技術のひとつに「振り子理論」がある。 「右に90度振り切って、左にも90度振り切る。『名器になりたい! この膣鍛錬で』という企画をやる一方で、『女性差別の原風景』という特集も組む。この"振り幅"が大きければ大きいほど、雑誌はウケる」  私も週刊誌編集長時代に「ヘア・ヌード」と「小沢一郎批判キャンペーン」をやって成功したが、これも振り子理論に当てはまるのだろう。  編集者諸君! 編集の奥義の詰まったこの特集を大至急読むべし。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
an・an (アン・アン) 2011年 9/7号 ananのセックス特集なんて大したことない? amazon_associate_logo.jpg
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19年前「私も一緒に焼いて!」と叫んで姿を消したちあきなおみ その消息

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「週刊新潮」9月29日号(新潮社)
第1位 「『ちあきなおみ』と刑務所暮らしの実父の物語」(「週刊新潮」9月29日号) 第2位 「ビートたけし『暴力団との交際』すべて語った」(「週刊文春」9月29日号) 第3位 「大阪府知事橋下独裁ハシズム」(「サンデー毎日」10月9日号) 「小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体『陸山会』をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた衆院議員・石川知裕被告(38)ら元秘書3人を有罪とした26日の東京地裁判決。登石郁朗裁判長は判決理由の中で、小沢事務所がゼネコンと癒着して政治資金を集めていた実態を指摘し、裏金受領の事実まで明確に認めた」(9月27日asahi.comより)  顔を引きつらせる小沢一郎元民主党代表と小沢派の面々。ほくそ笑む野田佳彦総理や前原誠司政調会長、仙谷由人政調会長代行という構図になろうか。  「週刊朝日」は「陸山会事件ついに判決 小沢一郎『最後の戦い』」、「サンデー毎日」は「秘書『判決』が決起の狼煙 小沢私塾130人秋の陣」と、どちらも「無罪判決」を想定していたような内容であるが、判決は「裏金の事実」まで認めた想定外のものだった。  小沢自身の裁判が10月に始まるが、この決着がつくまでジッと我慢が続き、小沢の力はいま以上に落ちていくことは間違いない。  だが、野田政権が安泰かというとそうではない。「週刊現代」が「どじょう野田を操る『本当の総理』勝栄二郎の正体」、「週刊ポスト」が「徹底解剖財務省の研究」でやっているように、財務省の首領・勝事務次官が着々と増税のために布石を打ってきていて、野田総理をはじめ閣僚たちはその手のひらの上でいいように踊らされているだけのようだ。  その手のひらには当然ながらマスメディアも乗って「増税必要論」を声高に叫ばされているのだが、そのきっかけになったのは国税の税務調査だったとポストは書いている。 「朝日新聞は09年2月に東京国税局の税務調査で京都総局のカラ出張による架空経理の計上など約5億1800万円の申告漏れを指摘され、(中略)同年5月には、読売新聞東京本社も東京国税局の税務査察で推定2億7000万円の申告漏れを指摘されている。その前には日テレ、フジテレビ、NHKも申告漏れを指摘された」  読売はその後、丹呉泰健・前財務事務次官を社外監査役に迎え、朝日新聞も「増税礼賛」の論調を強めていったとしている。  私の現役時代にも経験があるが、メディア企業にとっても恐ろしいのは国税の税務査察である。根こそぎ経理資料を持って行かれ徹底的に調べられれば、ホコリの2つや3つでない企業などまずない。それをちらつかせながら都合の悪い記事は止めさせ、都合のいい記事だけを書かせるなど、彼らにとっては朝飯前である。  野田総理が財務省のいいなりに増税路線を突っ走っている。これを止められるのは小沢一郎を中心とする反主流派であったが、それも今回の判決で士気をそがれ、多少の修正はあるにしても自民党を巻き込んで成立する可能性が高い。そして原発再稼働、電力料金値上げ、それでも足りなければ消費税値上げと、国民にとって最悪のシナリオが着々と進んでいくのを手をこまねいて見ているだけでいいのか。増税するか否かは国民に信を問うべきである。これだけは譲ってはいけない。  さて、一時は絶大な人気を誇った橋下大阪府知事だったが、そのやり方に「ハシズム」だという批判が巻き起こっている。  批判の声がこれほどまでに大きくなったのは「君が代起立斉唱条例」を強引に押し切って可決したあたりからだろう。  「毎日」は山口二郎、内田樹、佐藤優らに橋下の独善的なやり方を批判させている。山口は9月17日に大阪市で開かれたシンポジウム「『橋下』主義(ハシズム)を斬る」でこう語っている。 「維新の会の政策に反対するやつは"改革の敵"とレッテルを貼って退ける。この危うさを何とか食い止めなければと考え、大阪にやって来ました。ハシズムとは政治ではなく、権力による支配です」  佐藤優はこう批判する。 「代表を送り出す者(大衆)と代表にされる者(政治家)の利益がズレているにもかかわらず、代表しているというイメージをつくり出すことは歴史上、珍しくない。(中略)最近では、小泉元首相がそうです。規制緩和で得をしたのは大資本でした。圧倒的に支持した一般の働く国民はどうなったのか。選挙だけの民主主義は民主主義ではない。自由のない民主主義は独裁です」  内田樹が最も懸念するのは橋下の教育への政治介入だという。 「橋下氏は、教育現場を上意下達的なシステムに変えて、教師を規格化し、点数や進学率などの数値的な成果に基づいて格付けすることを目指していますが、これは教育の破壊以外のなにものでもないと思います」  11月27日の大阪府知事・市長のダブル選挙を仕掛け、「大阪都構想」の実現を目指す橋下知事だが、大阪の民意はどういう判決を下すのか。この結果如何では永田町にも飛び火すること間違いない。いまこそ週刊誌は挙って「橋下大研究」をするべきときだと思う。  第2位は「週刊文春」のビートたけしインタビュー。島田紳助引退騒動以降、芸能界と暴力団との癒着が騒がれている中で、絶好のタイミングでこの大物芸人を引っ張り出したのはお手柄である。  たけしには以前から暴力団との関係がウワサされてきた。たけし軍団を率いてフライデー編集部に殴り込んだ事件もあり、彼が作る映画の多くがヤクザを主役に据えたノワールものである。  実際に右翼の街宣活動を何度も受け、稲川会の稲川聖城総裁と「新潮45」(02年5月号)で対談をしている。  そうした多くの疑惑に対して、オレは紳助とは違うと、以下のように答えている。 「これまで何度も右翼団体から街宣活動かけられたことがあったけど、オイラは紳助と違う。ヤクザに仲介なんて頼んだことない。最初はフライデー事件の後、日本青年社に『復帰が早すぎる』と街宣をかけられたときだな。一人で住吉の堀さん(政夫氏、当時・住吉連合会会長)のところへ行って、土下座して謝ったの。その後、右翼の幹部にも会って、それで終わりだよ。ヤクザを頼ったとか、カネ払ったとか噂されたけど、一切ない。タレントとしてそういういのを上手くやって逃げるのも本人の"芸"だっていっているんだけど、紳助は"芸"がなかったな」  暴力団の親分の娘が「たけしに会いたい」とねだったため、強引に連れていかれたこと、山口組渡辺芳則五代目組長と無理やり引き会わされたこと、たけし軍団には親父がヤクザという芸人がいる、暴力を扱った映画がなぜ多いのかについてよくしゃべっている。  10月1日から東京でも施行される「暴力団排除条例」については、これからはその条例を盾に暴力団の誘いを断れるから助かると話している。  紳助の過ちは「一番肝心な『ヤクザにモノを頼む』っていう大失敗をしでかしたこと」だと総括する。  だが、たけしがどう言い募ろうと、過去には多くの暴力団と"関係"があったことは間違いないし、いまでも続いているのではという疑惑は消えない。  はじめに引用したたけしのコメントにあるように、フライデー事件の後、ヤクザの親分のところへ行って土下座までしたのは、頼んだことにならないのだろうか。たけしは「謝っただけで頼んだんじゃない」と反論するかもしれないが、世間ではこういうことを「頭を下げて頼んだ」というのだ。  ところで昨夜、北千住の居酒屋「千住の永見」で名物の千住揚げを食べながら一杯やっていると声をかけられた。昔、文化放送の偉いさんだった男だ。話し込むうち、彼がいま一番知りたいのが原節子と阿部定(生きていれば100歳を超える)とちあきなおみの消息であるという。  いま出ている「週刊新潮」にちあきの近況がグラビアとともに出ていると話すと、慌ててコンビニに走って行った。  伝説の歌姫ちあきなおみが表舞台から姿を消して19年が流れた。最愛の夫・郷鍈治(享年55)の死がきっかけだった。火葬場で棺にすがって「私も一緒に焼いて!」と叫んだ話は有名である。その後、幾度も「復帰説」が流れたが幻に終わった。  ちあきが郷の命日にあたる9月11日に墓参した姿を「週刊新潮」が撮影に成功した。これが今週のグランプリ! 「花束と線香を静かに置いた彼女は、墓石の掃除を終えると、買ってきた大きな花束を地面に広げた。(中略)やがて、墓に眠る郷に向かって、何かを語りかけるかのように、静かな墓地に小さく嗚咽を響かせたのだった」(新潮)  喪服姿で花を花立てに挿しながら、いまにも泣き崩れようとしているちあきの姿が切なくて思わずもらい泣き。  「新潮」によると、ちあきが引退した理由はもう一つ別にあるという。それは彼女がかつて「私が13歳の時、病気で死んだ」と周囲に語っていた実父の存在だ。  ちあきは東京・板橋で三人姉妹の三女として生まれた。父親は定職をもたず母親が働いて一家の糊口を凌いでいた。  父親もかつては歌手を目指したほど歌が好きで、ちあきに幼いころからタップダンスを習わせ、米軍基地のステージに立たせた。  しかし父親は若い女に惚れてちあきたちを捨て去った。二度目の妻が語っている。彼女も働きのない男に苦労させられ、夜の店で働いて生まれた子ども2人を育てたそうだ。  甲斐性がないその上に、この男には窃盗癖があり前科十犯を優に超え、刑務所と娑婆の間をいったり来たりする人生を送ったのである。80歳を超えてもスーパーで盗みを働き交番に突き出されたこともあったそうだ。  二番目の妻は離婚しようと思ったが男のほうが同意せず、ようやく離婚できても行き場のない男の面倒を見ざるを得なかった。07年11月、病院で息を引き取ったときも彼女が看取った。  ちあきにとって記憶から消し去ってしまいたいほど憎かった父親だったのだろう。だが、父親の方は出所すると決まってちあきの居場所を探し当て、たびたび訪ねていたそうである。  父親のカネの無心から彼女を守ってくれたのが夫の郷だった。郷の死で、ちあきは最愛の夫と自分を守ってくれる防波堤を同時に失ってしまった。  犯罪常習者の父親のスキャンダルが明るみに出るかも知れないと怯え、それもあいまって引退を決意したのではないか、そう二番目の妻は推測している。 「喝采」でレコード大賞を受賞した後も、彼女に張り付いた暗さは消えることがなかったように思う。  彼女が唄う歌には、実父への恨みや子どものころの恵まれなかった日々が色濃く反映しているのかも知れない。「ねぇあんた」や「紅とんぼ」が無性に聞きたくなった。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
喝采 歌は鳴りつづける。 amazon_associate_logo.jpg
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原発関連記事は激少傾向! いま問われる週刊誌ジャーナリズムの役割

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「フライデー」9月30日号
第1位 「スミで146行塗り潰し!東電が隠す『事故手順書』」 「福島の農業『セシウム汚染放射能と共存するしかない』」 「福島第一原発作業員の告白『いまだ1万ミリシーベルト検出!作業拒否が続出』」(「フライデー」9月30日号) 第2位 「独占袋とじ企画 小向美奈子 誌上AV連続写真」(「週刊ポスト」9月30日号) 第3位 「鉢呂前経産相が語った失言騒動の一部始終」(「週刊朝日」9月30日号)  ジャーナリスト歴75年になる、むのたけじは『希望は絶望のど真ん中に』(岩波書店)の中で、ジャーナリズムについてこう書いている。 「私の考えでは民衆生活の朝夕の相談相手ですな。(中略)世の中の続発する動態についてその原因と過程と結果を明らかにして、さらに一つの結果が次の新しい原因となる筋道を明らかにする作業」  そうした任務をするべきジャーナリズムがおかしくなってきていると、むのは指摘する。  さて、福島第一原発周辺を視察した後の感想で「死の町」と表現し、前日の囲み取材では記者に「放射能つけちゃうぞ」と発言したとして辞任に追い込まれた鉢呂吉雄前経産相のケースは、バカな奴が大臣になっただけということで片がついたようだが、「週刊朝日」が検証してみると、事実関係がだいぶ違うというのだ。  まず「死の町」という表現は不適切なのか。当の鉢呂は、そう新聞に書かれたことを驚いたと話している。  元共同通信論説副委員長・藤田博司は、そう感じるのは自然だと弁護し、ノンフィクション・ライターの吉岡忍も、3月下旬に原発から半径20キロ圏内に入ったとき、まさにそこは「死の町」だったという。  「放射能つけちゃうぞ」発言は、鉢呂はまったく記憶にないという。先の藤田は、当事者である毎日新聞の記者が「『放射能をつけたぞ』という趣旨の発言をした」と書いているのは不自然だとし、表現も各社まちまちで鉢呂に真意を確認した形跡もないと断じる。この程度の事実で閣僚の進退や責任を問うのはおかしいともいう。  吉岡は、今回の報道の背景には被災者たちを弱者とみなす裏返しの差別を感じるという。 「そうなった理由には、遺体を報じられなかったメディアの形式主義があると思う。この震災では多くの被災者ががれきの下などに無惨に横たわる遺体を見ている。だから悲しみも大きいんです」  そういう現実から目をそむけたメディアは被災の残酷さを浅くしか理解しなかったため、今回のような見当外れの報道に陥ったのではないかと指摘する。  鉢呂は経産省の「総合資源エネルギー調査会」の委員を原発推進派が多数を占めていたため、それを半分にしようと予定していたのが、経産省にしてみれば煙たかったのではないかと語っている。  マスメディアがろくな検証もせず大声で触れ回れば、大衆は何の疑問も挟まず、けしからん辞任させろと大合唱する。今回のケースもそうではなかったのか。新聞、テレビ、週刊誌は今一度検証してみる必要がある。  第2位は「週刊ポスト」の袋とじ企画。クスリ疑惑騒動もあり、フィリピンに逃げていたとき撮られた醜く太った小向美奈子の姿に、これではカムバックは難しいのではないかと思っていたが、このグラビアで見る限り、彼女の愛らしとセクシーさがよく出ている。  今アイドルになるための道はいろいろあるようで、飯島愛のようにAV女優からアイドルを目指す子も多くいるようである。  小向は逆のケースだが、この胸の大きさと愛らしさがあればAV界のスターになれるかもしれない。つまらない男やクスリに走らず頑張れと声援を送りたくなるが、無理だろうな~。  今週のグランプリは「フライデー」の原発3連発に贈る。まだあの原発事故から半年しか過ぎていないというのに、メディアから原発記事が消えかかっているのは、おかしくないか。  あれほど放射能は危険だ危険だと大騒ぎしてきた「週刊現代」も、今週ザッと見る限り原発関連記事はゼロである。  ジャーナリズムの役割を忘れかけている週刊誌の中で、3本もやっているのは見事である。  「スミで146行塗り潰し!東電が隠す『事故手順書』」では、原発事故の原因を検証するために衆議院側が求め、9月7日にようやく東電側が出してきた「事故時運転操作手順書」は、12ページ分、全159行のうちスミが塗られていないのは13行だけだったと告発している。  東電側は知的財産や、開示することで原子力安全確保上の問題が生じるためだと弁解しているが、ふざけるな! である。「フライデー」は「福島第一原発事故が『人災』であることを示す決定的な証拠がそこに記載されている」ためではないかと書く。  地震直後、1号機原子炉内の圧力が急激に低下したが、これは揺れによって配管損傷が起きた証拠ではないかと指摘されてきた。東電と保安院側は圧力低下の理由を「非常用復水器が作動したため」としているが、それがわずか11分で停止されているのはつじつまが合わないではないかという厳しい批判もある。  もし非常用復水器が作動していれば、メルトダウンから水素爆発までの時間を稼ぐことができ、事故を回避できた可能性もあったのに、作業員の手によって「手動」で停止されてしまったのはなぜなのか。  ここで、私が事故直後の3月13日に公表した「地震のとき中国・北京で勝俣東電会長と一緒にいた」という事実をもう一度書いておきたい。  あとになって清水社長も奈良方面にいたことが判明するが、東電の決定権を持つトップ2人が震源地から遠く離れ、東電本社で2人がそろったのは、どう考えても地震が起きてから丸一日近くが経っていたはずである。原発事故の収束は現場だけで判断できるはずがない。廃炉にするかどうかも含めてトップの決断がなければ、現場は動きがとれなかったはずである。  私は、東電の不幸が日本人全体の不幸になってしまうのではないか、そこのところをしっかり検証してくれと、新聞を含めたメディアに話をしたのだが、どこのメディアも検証した形跡はない。  この記事を読んで、東電側が隠したかったのは、非常時には現場はもちろんだが、トップが即断するべきこともこと細かく書かれているのではないかと思った。しかし、そのトップ2人とは満足に連絡さえ取れなかったのである。そのことを含めて東電側は隠ぺいしたいのではないのか。この私の推測はそれほど間違っていないと、掲載されている勝俣東電会長が自宅から出てくる写真を見ながら、私は考えるのだが。  2番目の記事は、チェルノブイリ原発のその後をたどって、放射能とどう付き合ったらいいのかを考えるルポである。  86年4月の原発事故直後に政府は広範囲の線量マップを作り、高線量の放射能が確認された地域では、農業や酪農を停止し、中程度の地域では乳牛の飼育を禁じた。また汚染されていないエサを与え、家畜の体内の汚染量を下げる対策を取ったというのだ。  日本政府より対応がはるかに速い。  90年代になると「プルシアンブルー」という薬品が使われた。これは牛に飲ませるとセシウム結合体を体外に放出させる効果がある。  そうしたことを試みながら「放射線量を何とか基準値以下に抑えこんで農作物を作り続けようという発想」で、流通も販売も「放射能汚染ありき」の態勢をとっているというのだ。  しかし福島の農家は、農作物が基準値より大幅に低くても、1ベクレルでも検出されれば消費者は買ってはくれないと嘆く。これだけ大量にばらまかれた放射能から逃げて暮らすことはできはしない。それは日本から離れても同じである。原発から出される人工放射能から逃れられないならば、どこで折り合いをつけて生きていくのかが、われわれ全員に問われているのだ。  3本目は福島第一原発の作業現場ではいまだに大変な事態が解消されてはいないという現場ルポ。  ベテラン作業員は「死地に行くようなもんだ」と仕事を拒否する者が多く、そのために人手が足りず、最近では原発で仕事をしたことがない素人でも大量に採用されている。しかし低賃金、保険未加入、契約書もない不当な雇用条件はおかしいと告発する作業員も出てきていて、現場では不満が鬱積してきている。そのため作業ははかどらず、東電が発表している「安定した状態」などウソっぱちだと作業員が語っている。  8月1日には1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒近くで「毎時1万ミリシーベルト」という、信じられない高い線量が検出されている。  浄化システムを構築したり原子炉建屋をカバーで覆っても、しょせんは応急措置をしているだけで、溶解した核燃料を取り除くためには格納容器近くに作業員が入らなければならない。だが、そうした作業はほぼ不可能だと、東芝で原子炉格納容器を設計した後藤政志は分析している。彼は「福島第一は手のつけられない状況にあるんです」と警鐘を鳴らす。  東電や政府が情報を出さなくなったときこそ危ないのである。メディアはどんな小さなことでもいいから、福島第一原発から目を離してはいけない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
希望は絶望のど真ん中に そう信じたい。 amazon_associate_logo.jpg
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「フライデー」9月23日号 中吊り広告より
第1位 「やっぱりあった独占入手!島田紳助『極心連合会橋本会長との親密写真』」(「フライデー」9月23日号) 第2位 「ケーススタディ『暴力団排除条例』」(「週刊新潮」9月15日号) 第3位 「日本の性教育は世界の非常識!」(「週刊朝日」9月23日号)    不謹慎な言い方になるが、今年で10年を迎えたアメリカの9月11日は、予想外に平穏に過ぎていった。テロの首謀者と言われるビンラディンがアメリカの手によって射殺され、式典にはブッシュとオバマが出席した。  憎悪の連鎖が断ち切られ、真の平和が成し遂げられたわけではないが、ひとまずホッとした一日だった。  ここに電気事業連合会が作成した「Enelog Vol.1」という薄い小雑誌がある。Enelog というのはEnergyとDialogueとの造語で、今後のエネルギーについて考える一助になればと創刊したと、八木誠会長名で書いてある。4月15日に会長になった八木誠は関西電力社長で、電事連は言わずと知れた原発推進の牙城である。  しかし3・11以降脱原発の流れが進み、これまでのようなあからさまな原発擁護論はないだろうと思って読んでみたが、どうもそうではない。  まず、厳しかった今年の電力事情と題して、原発再開が地元の理解を得られず、今年の夏は全国で電力が不足することとなりましたと、まるで原発がなければ電力はなくなるがそれでもいいのかと言わんばかりで、原発事故についての反省の言葉などない。  また低線量被ばくの"不確実性"と宇宙の"超越性"という訳の分からない題で、東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一なる人物が、100ミリシーベルト以下の低線量被ばくでがんが増えるかどうか分からないとして、喫煙や飲酒、野菜嫌いや運動不足の方が、がんになるリスクは放射線とは比べものにならないほど高いと書いている。  喫煙でがんによる死亡率は16倍に増えるが、これは2,000ミリシーベルトの被ばくに相当すると、持論を展開している。  さらに驚くのは、自然被ばくや医療被ばくが存在する以上、どんな人もグレーゾーンにいることになり"純白"は存在しないから、白か黒かのデジタル式二元主義がグレーを受け入れる妨げになっているとまで言うのである。 「福島第一原発事故で、発がんの増加は検出できないと私は思っています」とまで言い切る。  これこそ電力会社にからめ捕られた御用学者の戯言だが、こうした見解を載せる電事連の裏には東電や関電がいる。これを読むと、彼らが今回の原発事故でもまったく反省していないことがよく分かる。  さて、今週の第3位、「週刊朝日」の記事からいこう。よくある性教育ものではあるが、随所に「ヘー」と思わせる数字がある。  例えば、2008年に行われた東京都の児童・生徒の性意識調査では、中学3年生の性交経験率は男子5.5%、女子8.3%だが、高校1年では男子が24.5%、女子では24.3%にもなる。  日本の性教育が遅れているのはよく指摘されるが、オランダは一番進歩的なのだそうだ。同性結婚、マリファナ、セックスワーカーが合法で、お互いの合意があれば12歳以上でのセックスが認められている。  小学校高学年ではバナナにコンドームをかぶせる実習を行う学校もあるそうだ。そのためか、オランダの10代後半の少女の出産・中絶率はアメリカやイギリスよりも低い。  アメリカは宗教的背景があり性教育事情はかなり複雑で、禁欲教育と中絶、同性愛、避妊も教える総合的教育が混在している。  そのアメリカは先進国の中でも10代後半での出産率が飛び抜けて高く、10代後半の女性1,000人あたりの出産率はオランダが4人、日本が5人なのにアメリカは36人にもなる。ブッシュ前大統領のお膝元テキサスは絶対禁欲教育が行われているが、10代の妊娠率と性感染症感染率が全米一高いとされる町ラボックがある。  北欧では高校生に男装、女装、SM、のぞき魔、露出狂まで教えるそうである。性教育の比較研究で知られる女子栄養大学の橋本紀子教授はこう言っている。 「フィンランドの性教育は主に『生物』と『健康教育』の授業で行います。ヨーロッパ諸国では生物ではまず、"人間"を教えるんです。でも日本の高校は生物の教科書で"人間"はほとんど扱わないですし、あっても参考程度です」  確かに性教育からその国が見えてくる。  私もいくつかの大学で教えているが、少し前、ある大学の生徒から誘われて呑み会に行った。そこには男女4人ずつ来ていたが、彼らから、私たちはゲイとレズなのだといわれた。そのあっけらかんとした言い方も好ましかったが、彼らはネットで各大学にいるゲイやレズたちとのネットワークを作り、月に何度か集まっているというのだ。彼らは楽しそうに話し合っていたが、私には関心を示してくれないので、早々に退散した。だが、時代は確実に変わってきていることを実感させられた一夜だった。  第2位は、島田紳助問題でクローズアップされている「暴力団排除条例」についてタイミングよく解説している「週刊新潮」の記事。  10月1日から東京都や沖縄で施行され、全国で出そろう「暴力団排除条例」だが、一般市民も対象とされているため、相手が暴力団だと知らなくても密接交際者とみなされれば、金融機関との取引はストップされ、公共事業の入札参加資格は取り消され、企業は倒産の危機に陥りかねないのだ。  先に施行されている福岡県では、県内の建設業者70社が集まって定期的にゴルフコンペを開催していたが、そこに山口組系組長や指定暴力団・道仁会系の組長が参加していたため、暴力団との関係が深いと判断された9社の名前が県警のホームページで公表された。  そのために下水工事を請け負っていた河野組は、県や福岡市の公共工事から締め出され、資金繰りが悪化して2カ月後に倒産してしまった。  飲食店が暴力団の息がかかっている業者からオシボリの納入を受けている場合も、暴力団の資金源になっているから条例に抵触する。葬儀場や結婚式場についても、他の団体なども参列する大規模な組葬に場所を貸せば条例違反。結婚式も同じ。  この条例は、暴力団員への電気・ガス・水道の供給事業者は引っかからないのか? 暴力団員個人の生活の場ではなく、組事務所ならば条例の趣旨から供給をストップさせることも可能だそうだ。  もし東京電力が暴力団事務所だと知りながら電力を供給していた場合、勧告が行われてもなお供給を続けていた場合は、社名を公表、社員が逮捕されることも考えられなくはないという。  確かに自営業者、工務店、飲食店経営者は必読である。しかしこうした条例ができたために、「暴力団が地下組織に変貌したり、窮屈な警察国家が誕生したりせぬよう」(新潮)にしたいものである。  今週のグランプリは「フライデー」のスクープで決まり。島田紳助問題の核心、山口組ナンバー4で極心連合会橋本弘文会長(64)とのツーショット写真の独占公開である。  この写真は、フライデーの記事を写して「週刊現代」でも小さく掲載しているが、迫力が違う。  紳助は8月23日に開いた引退記者会見でこう豪語していた。 「手紙を送ったとか、写真があるとか。僕の関係者のとことか行って、探し回ったんでしょうね。あるわけないですから」  そのあるわけない写真をみごとに「フライデー」が見つけ出し、紳助のウソを満天下に暴いて見せたのだ。この写真は、05年に大阪府警が橋本会長の自宅をガサ入れしたとき発見した写真とは違うもののようだ。  どこかの料亭だろうか。右に紳助、左に橋本会長。橋本会長は意外なほど優しい顔をしている。二人の前に置かれたワインは残り少なくなっている。ビールグラスのようなものもあるから、たまたま出会って記念写真を撮ったのではないことが見て取れる。  肩がくっついているところを見ても、二人の親しさが伝わってくる。  紳助はやや緊張気味。二人の間の後方にもうひとりいるが、顔はモザイクで隠されている。  橋本会長の顔をモロに出しているということは、本人が了解したのだろうか。こうした写真を出す時、編集部が一番気を遣うのは橋本会長の顔を出すかどうかの判断である。  おそらく橋本会長の暗黙の了解があったのではないか。または橋本会長筋から直接、写真提供があったのではないだろうか。  だとすれば、紳助の記者会見での「交際とか交流という認識はなかった」という言い方が、橋本会長側の気に障ったのかも知れない。  この写真流失をきっかけに、紳助と暴力団の癒着問題はさらなる展開を迎えることになる予感がする。百聞は一見にしかず。写真の持つ力は強い! (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「紳助はスケープゴート」暴力団との不適切な関係は吉本の体質だった!?

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「週刊現代」9月17日号
第1位 「山口組元幹部が実名ですべて明かす『紳助に頼まれて処理したこと、紳助邸でのバーベキューパーティ、そして浜田のこと』」(「週刊現代」9月17日号) 第2位 「加藤シルビア『みのもんたも知らないラブラブ(ハートマークです)半同棲生活』」(「フライデー」9月16日号) 第3位 「徹底研究 がん保険 損か得か」(「週刊現代」9月17日号)  「週刊現代」の編集部の人間と話した。東日本大震災と原発・放射能の記事で落ちかけていた部数が戻り、右肩上がりになったが、どこでも放射線量を測りだし、ネットでもどんどん流れるようになって、部数はまたきつくなってきていたそうだ。  そんなところに島田紳助の引退スキャンダルが起き、干天の慈雨でどこも完売に近かったようだ。だが、これ以上新たなスキャンダルが出て来ないと、これからが大変だと話してくれた。  好調と言われている「現代」でさえきついという言葉が出てくるのだから、他誌はもっと大変だろう。昔は、部数はともかく広告だけは常にトップを走っていた「週刊文春」も、広告が入らないと嘆いているようだ。  その中で"孤高""唯我独尊"の「週刊ポスト」だが、今週の巻頭特集に「天皇家の健康法」をもってきたのには首を傾げざるをえない。なんでこれが「全国民必読!」なのであろう。  昭和天皇がお気に入りだった「カルグルト」という乳酸飲料を紹介している。脱脂乳を濃縮したものを殺菌し、乳酸菌を加えて発酵させ、その後、香料と砂糖シロップを加え攪拌してつくるらしい。なるほど体によさそうではあるが、そもそも天皇が食べるものは栃木県の「御料牧場」で生産され、厳重に管理されているのだから、素材からして、われわれ庶民の口に入るものとは違うし、健康状態についても主治医が常にチェックしているのだから、歴代天皇が長寿なのはご同慶の至りではあるが、庶民の健康法にどう取り入れていいのか、読み終わって困惑するだけである。  「ポスト」の目次の右トップは櫻井よしこの「外交無策と日本の孤立」、その横には小林よしのりの「国を想い、国を守る真の保守とは何か」がある。「ポスト」を発行している小学館には「SAPIO」という隔週刊誌がある。同じような論調の雑誌が2誌はいらないと、私は思うのだが。  このところ「がんブーム」と言っていいほど、毎週各誌こぞってがんについての特集を組んでいる。今週も「『がん治療実績』完全データの正しい読み方」(「ポスト」)、「食道癌で旅立った『団鬼六』の『手術は、しません』」(「週刊新潮」)、「現代」は「がん保険 損か得か」、がんで亡くなった「わが父 原田芳雄の生と死」、「男女別 治りにくいがんランキング」と三本もある。  放射線被曝でがんが増えるという恐怖心から、がんに対する関心が高まっているとも考えられるが、それにしても最近、どうしてこれほど多いのだろうか。がんを含めた「いい病院のみつけ方」なる企画は「週刊朝日」の売り物企画だが、他誌も負けじと力を入れてきている。  自分ががんだと分かった時、治るかどうかが最大の関心事ではあるが、がんと診断されてからすぐに出てくる問題は治療費であろう。そこで転ばぬ先の杖の「がん保険」に加入しておこうと探してみると、「診断給付金」「手術給付金」「入院給付金」「抗がん剤治療特約」など保障が細分化されていて、どれに入ったらいいのか分からない。  最近は、保険の加入や取りやめの相談に無料で乗ってくれるところもある。私も先日、駅前にある相談所に行ったが、予約を取るのが大変なことと、最初の相談だけで2時間以上かかることから、時間の余裕をもって行かなくてはならない。  相談員に、どうして無料でできるのかと聞いたところ、一部の保険会社が出資しているのと、相談に来た人が保険に加入してくれれば、その会社から手数料をもらえるのだという。  話は戻るが、最近は高齢化とがん検診の精度が高まったため、保険会社もなるべく払わなくていいようにいろいろ"細工"をしているから気をつけたほうがいい、と警告している。  ある例では、がんと分かったとき400万円の給付金が出る保険に入っていたのに、上皮内がん(早期がん)だったため出なかったそうである。  それに厚労省の医療費抑制政策のため、入院期間は短縮されてきていて、入院1日あたりいくらという保障は意味がなくなってきているそうだ。私が聞いた相談員も、今は一般的に2週間ぐらいで病院から出されてしまうと言われた。  また先進医療特約というのも、実際に使われているのは0.006%に過ぎないそうだ。なぜなら医者が説明しなかったり、入っていることを忘れてしまったりしている人が多いからなのだ。  それではどんながん保険がいいかと言うと、「がんになったときにまとまったおカネをくれる保険が一番いい」(保険コンサルタント後田亨氏)そうである。つまりシンプルに診断給付金をもらえる保険がいいのだ。  今は早期がんでも対象になり、診断されれば何度でも給付金が払われるという保険商品がいくつも出てきている。誌面の中でも紹介しているから、どうしようかと考えている人は読んでみるといいだろう。  第2位はTBSの朝の顔、みのもんたの『朝ズバ!ッ』を入社3年で射止めたシンデレラアナ・加藤シルビアに半同棲しているカレがいるという「フライデー」の記事。  読む限り、ふたりはこそこそ隠れて会っているわけではないようだ。カレは同じTBS社員で30代前半の向井理似のイケメン。  シルビアはカレのマンションからほど近いところに住み、チャリンコをこいで行き来しているのがほほえましい。腕を組んで歩いたり、スーパーで買い物をしたりと甘い時間を謳歌しているようだ。このまま結婚へゴールインすることは間違いないと思われるが、日本中で一番注目される女子アナという職業ゆえに、これまでも「悲恋」は掃いて捨てるほどあった。この恋の結末がハッピーエンドで終わるのか、まだまだ目が離せないようである。  紳助騒動は、本人が姿を見せないために、取材する側はネタ探しに四苦八苦だ。今の段階で、暴力団との不適切な関係に絞られ、中でも紳助の所有している不動産取引に暴力団が関係していたのではないか、その際、カネが暴力団側に流れていないかが焦点になってきているようだ。  今回、「現代」がインタビューしたのは片岡昭生元山口組山健組本部長。彼が山健組のナンバー3だったとき、紳助と親しい極心連合会の橋本弘文会長がナンバー2にいて、親しかった。  話はそれるが、昨夜(9月5日)講談社ノンフィクション賞の授賞式があり、その後、銀座のイタメシ屋で2次会が行われた。  私はそっちの方へ出席したが、今回の受賞作は、角岡伸彦氏の『カニは横に歩く 自律障害者たちの半世紀』(講談社)と森達也氏の『A3』(集英社インターナショナル)である。角岡氏は神戸新聞を経てフリーになった。森氏は元々テレビのドキュメンタリー出身のノンフィクション・ライターで、今回は、長年追いかけているオウム真理教の集大成とも言える本で、教祖麻原彰晃の裁判についての疑問と批判を込めた力作である。  この話を持ち出したのは、この記事の筆者が角岡氏だからだ。元々被差別問題に詳しいライターだが、そのつながりからこのスクープにつながったのだろうか。  片岡本部長は、10数年前に橋本会長から頼まれ、紳助が右翼団体と揉めて困っている件を解決したというのだ。  その後、紳助から誘いがあり、自宅のバーベキューパーティーに呼ばれて風呂にも入った。  その片岡本部長は今回の引退に関してこう言っている。 「もともと極心の会長(橋本会長のこと=筆者注)は吉本が好きや。お笑いが。紳助と極真の会長の関係を示す写真や手紙があるということがマスコミで報じられてますが、身近におったからわかる。あれ、嘘やおまへんわ。事実やと思う」  したがって、紳助が会見で「これぐらいはセーフやと思った」発言には「マンガやね」と一笑に付す。  注目は、吉本の人気お笑い芸人ダウンタウンの浜田雅功のトラブルも収めたと発言していることだ。  2006年6月26日、フジテレビ制作の『HEY! HEY! HEY!』で、司会の浜田がゲストの宇多田ヒカルに対して、倉木麻衣は宇多田のパクリではないかという趣旨の発言をしたらしい。それに対して倉木の所属事務所はもちろんのこと、右翼団体もテレビ局周辺に押しかけ抗議して騒動になった。  吉本から暴力団関係者とみられるイベント会社の社長に話があり、その社長から聞いて、片岡本部長がその件も収めたのだという。しばらくたってから吉本の林裕章社長(当時)から招待があって、神戸のクラブで一対一で会ったという。  この記事の核になるところはその程度だ。羊頭狗肉の感なきにしもあらずだが、このインタビューをするのに相当な苦労があったことを「現代」の関係者から聞いているから、まあいいか。  この証言から浮かび上がってくるのは、私が前々から言っているように、紳助だけではなく、暴力団との不適切な関係は吉本興業全体の体質の問題であることが、透けて見えることだ。  これこそ紳助騒動の裏にある核心である。そのところをどこまで追及できるか。テレビ・新聞にできないことをやる週刊誌の取材に期待するところ大である。期待感も含めてこの記事を今週のグランプリ! (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
delicious way 倉木麻衣と右翼のカンケイの方が気になるけど。 amazon_associate_logo.jpg
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「心を許せる友は暴力団関係者だけだった」島田紳助"黒い携帯メール"

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「週刊朝日」9月9日号
第1位 「独占スクープ!これぞ決定版 島田紳助"黒い携帯メール"106通全文入手」(「週刊朝日」9月9日号) 第2位 「『芦田愛菜』ちゃんは一体いくら稼ぐ気か!」(「週刊新潮」9月1日号) 第3位 「『長嶋解任』の確執は今も ミスターの追悼文を拒否した『正力家の怨念』」(「週刊現代」9月10日号)   民主党代表選挙は、世界陸上のウサイン・ボルトのフライングほどではないが、意外な結果になった。  第1回目、海江田万里の得票数は予想されたものだったが、小沢・鳩山派の票をまとめただけで、浮動票はほとんど入らなかった。世論調査では大本命と持ち上げられた前原誠司は74票しか集まらず、泡沫候補などと揶揄された野田佳彦が"予想外"の102票を集め、2位に入った。  前原は、地方議員やサポーターの票がなかったこと、直前に外国人からの献金問題を自ら明らかにしたが、代表になれば野党から追及されること必至なため、無難な野田に票が流れたのだろう。決選投票は前原、鹿野、馬淵陣営が野田に投票することでほぼまとまり、"泣き虫"海江田総理は消えた。  しかし、決選投票では野田が215票、海江田177票と案外な接戦になった。34もの票が小沢・鳩山派へ流れたのだ。 野田が代表あいさつの中で「ノーサイドにしましょう、もう」と言ったように、小沢対反小沢という対立構図がそのまま残る形になった。野田新総理は前原、鹿野、馬淵を重用しながら、海江田、小沢の処遇も配慮しなければならない。党内運営はさらに困難になり、対立は先鋭化していくのではないか。  だが週刊誌にとっては、ふつーのおっさんで平凡を絵に描いたような野田新総理はやりにくい相手かもしれない。財務省の傀儡といわれる野田が、復興増税、消費税増税路線を強引に推し進めていけば批判しやすいが、これだけ反小沢と親小沢が拮抗していたのでは、当分それはできまい。野田雪だるまは坂道の途中で踏ん張れるのか、転がり落ちるのか、予断を許さない。  さて、今週は小さな記事に読むべきものが多かった。第3位は「現代」の「秘密と嘘」というスーパーワイド特集の1本。  8月15日に亡くなった正力亨読売新聞グループ本社社主(享年92)の葬儀に、遺族側の意向で、幹部1名を除いて渡邉恒雄会長も白石興二郎社長も参列を許されなかったというのである。 その上、川上哲治、王貞治、原辰徳が哀悼のコメントを出したが、ミスタージャイアンツ長嶋茂雄のコメントがなかった。  無類の野球好きの正力は、長嶋の結婚式の仲人をやり、監督就任最初の年、最下位になっても長嶋を励まし続けた。長嶋が正力離れしたのは、80年に3位に食い込み、正力オーナーが監督留任を約束していたのに、突然解任されたことがきっかけだったという。  解任したのは務台光雄読売新聞社長(当時)だが、正力に裏切られたと思った長嶋は、務台の次に最高権力者になった渡邉に接近し、92年オフに監督復帰を果たす。正力はそれを苦々しい思いで見ていたことが、今回の「コメント拒否」につながったのではないかと「現代」は推測している。  読売をここまで大きくした正力松太郎の長男でありながら、晩年は、渡邉に巨人軍オーナーの座まで奪われ、孤独だったようだ。  読売新聞は下克上の会社である。大正力の番頭だった務台は自分が社長になると、正力の功績は自分がいたからできたのだと大声で吹聴し、務台に跡目を譲ると指名された渡邉は、読売の最大の功労者は自分であると胸を張る。  渡邉にオーナーを外された正力亨が、東京ドームバックネット裏の特別室で、ひとり寂しく野球を見ていた姿を思い出す。  対広島戦だったと記憶している。私は隣の部屋にいた。そこには日本テレビの氏家齋一郎社長や何人かのマスコミ人がいて、酒を飲みワイワイ言いながら観戦していたが、正力の部屋に出入りする者はいないようだった。  巨人軍の黄金時代を築いた彼が、今の野球界の凋落をどう見ていたのか。一度聞いてみたかった。  2位は、「マルマルモリモリ~」で今や人気絶頂の天才子役芦田愛菜ちゃんについての、「新潮」のお節介な記事である。  テレビドラマからCMまで、姿を見ない日はない愛菜ちゃんだが、彼女が出るだけでバラエティーは3%視聴率が上がると言われているそうだ。 「木村拓哉主演のTBSの連続ドラマ『南極大陸』がこの10月からスタートしますが、ここにも愛菜ちゃんの出演は決まっています。(中略)このところ人気が下降気味のキムタクとしては、今度こそ絶対にヒットさせたいという気持ちが強く、数字を持っている愛菜ちゃんをキャスティングして、その人気にすがろうというわけです」(芸能記者)  彼女は兵庫県西宮市のサラリーマン家庭に生まれた小学1年生。「演技には見えないような子どもらしい演技ができる」(作家・麻生千晶氏)才能と可愛さで、CMのギャラも鰻登り。  そうなると気になるのは他人のフトコロ。35万枚を突破した「マル・マル・モリ・モリ!」(ユニバーサルミュージック)の歌唱印税やドラマ、CMなどの出演料を合わせると、今年だけで軽く1億円以上を稼ぎ出す計算になるというのだ。  しかし、『ケーキ屋ケンちゃん』(TBS系)の宮脇健や安達祐実のように、大人になっても子役時代のイメージが強烈すぎて、名子役は大成できないとよく言われる。海の向こうでは、映画『ホーム・アローン』で世界一有名な子役になったマコーレー・カルキンがアルコール依存症になっていたと報じられたこともあった。  そこで「新潮」は、愛菜チャンの両親の願いをこうそんたくするのである。「これ以上大きくならないで」。これこそ大きなお世話である。  突然引退を発表して世の中をアッといわせた島田紳助の記事は数多あるが、「朝日」の記事が一番優れていたので今週のグランプリに決定!  火曜日(8月23日)深夜の記者会見だったため、「文春」か「新潮」に書かれたから、発売前に慌てて引退発表したのではないかというウワサが流れたが、そうではなかった。  そのあと、「フライデー」「ポスト」「AERA」などもやっているが、「現代」と「朝日」は、紳助と元ボクシング世界チャンピオン・渡辺二郎(07年に羽賀研二と医療関連会社の未公開株の売買を巡って知人男性から約3億7,000万円をだまし取ったとして、恐喝未遂で起訴され、現在最高裁に上告している)が携帯でやり取りしたメールの数を競っている。「現代」は50通だが「朝日」は106通全文入手だから「朝日」の勝ち!  引退にいたる経緯を簡単に書く。十数年前『紳助の人間マンダラ』(関西テレビ)という番組で、トロトロ走っている右翼の街宣車に文句をつけ、「菊の御紋」を侮辱するような発言をしたことを自慢そうに紳助が話したことがあった。  その発言に稲川会系の右翼団体が激怒し、連日、抗議行動をするようになり、困った紳助が渡辺二郎経由で、山口組系の極心連合会・橋本弘文会長に解決を依頼し、事なきを得、それが縁で付き合いが深まっていった。  その橋本会長は05年に競売入札妨害容疑で逮捕され、起訴後保釈されている。06年にも詐欺未遂容疑で逮捕拘留され、その後保釈されているが、メールを読むと、どちらの時期にも紳助は橋本会長に電話しているようだ。  「朝日」によれば、複数の吉本興業関係者はこう証言している。 「情報提供があったのは、8月13日だったと聞いています。しかし、それ以上は社内でも厳重な箝口令が敷かれていて詳細は分かりません。ただ、事態を重く見た吉本上層部は、吉本興業社外取締役の原田裕弁護士を含む複数の幹部で構成される調査チームを立ち上げ、約1週間にわたって『羽賀渡辺裁判の関係者』と直接、接触するなど徹底した調査をしたそうです。その結果、協力者の情報が大阪府警の捜査報告書に基づいていることが分かり、そこに記されている内容の信憑性も高いと判断した。結局、21日に紳助さん本人の聴取に踏み切ったのです」  本人はこれぐらいは「セーフ」だと思っていたが、警察および吉本は「アウト」の判定を下したのだ。  私が推測するに、吉本側がここまで強硬に紳助に迫ったのは、他にも暴力団との疑惑がある芸人がいるからではないか。  07年に吉本興業前会長・林裕章の未亡人・林マサが「新潮」に告発手記を書いたが、その中でマサは、漫才師・中田カウスが山口組5代目渡辺芳則会長と懇意にしていて、事あるごとにそれをひけらかし、吉本を牛耳っていると批判した。本人はそうした関係を否定したが、その後、カウスの乗っている車が何者かに襲われるなど、不可解な事件が起きている。  昔から興業界と暴力団は持ちつ持たれつの関係にあること、相撲界と似ている。紳助引退騒動は、新たな騒動への導入部かもしれない。  誌面には紳助がやりとりしたメールがズラッと載っている。大阪府警が作成した捜査報告書からの引用である。詳しくは「朝日」を読んでいただくとして、興味深いのは、紳助のメールにたびたび「自分は気が小さい」というフレーズが出てくることだ。 「昨日は精神安定剤のんでねました 弱いです私は すいません いつもたよってばかりで!」 「自分の気の小ささに やになります」 「気のよわい私は相変わらず下痢ですが」  面白いのは、50歳になったとき、55歳で引退することを予感していたようなメールがあるのだ。 「そんな歳になるなんて夢にも思わなかった、一番したかった事してきます、好きな南の島巡り、リュックサック持って、宮古島、多良間島、石垣島と渡り私の店のテラスで夕陽見ながらカウントダウン待ちます いっぱい涙して、あと五年好きに生きます」  心を許せる友が暴力団関係者しかいなかったことが紳助の悲劇かもしれない。今彼は沖縄にいるそうだ。"元ツッパリ少年"は芸能界を引退して静かな余生を送れるのだろうか。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
マル・マル・モリ・モリ! 子役はナマモノ。 amazon_associate_logo.jpg
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ブロス編集長が提案する「テレビ返り咲きの秘策」とは?

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 地デジ完全移行(東北3県は除く)から約1カ月、「テレビが生まれ変わる」といううたい文句も虚しく、Twitterに端を発した韓流ゴリ推し批判問題、不謹慎テロップ事件に対する大バッシングなど、テレビを取り巻く状況は日に日に厳しいものとなっている。テレビはこれからどうなってしまうのか――。それを一般視聴者とは異なる視点で危惧しているのが、他ならぬテレビ雑誌業界だ。テレビ、雑誌という2つの斜陽産業の十字架を背負いながら、テレビ雑誌はどんな未来を見据えているのか。他のテレビ誌とは一線を画す特集やコラムで根強い人気を誇る「TV Bros.」(以下、ブロス/隔週水曜日発売、東京ニュース通信社)、菅野大輔編集長に伺った。ぶっちゃけ、テレビとテレビ誌、大丈夫ですか? ――インタビューをお願いした絶好の(?)タイミングで、例の「フジ韓流偏向問題」が噴出するなど、何かとテレビ周辺が騒がしくなりまして。 菅野大輔氏(以下、菅野) みんなかわいそうですよ。あの問題、まさに「誰得」じゃないですか。愛情の裏返しなんでしょうかね......。他の局だって韓流推しが激しいですよ(笑)。 ――番組編成を俯瞰している立場として、韓流ドラマを増やすというフジの選択は妥当だと思われますか? 菅野 ブロスに来る読者からのお手紙を見ていて思うんですが、最近、特にネタが細かくなってきているんですね。これはオンタイムで見ていないな、と。それ自体は悪いことではないのですが、ただ、テレビがかつて視聴者に与えていた"曜日感覚"みたいなものが、もはや必要とされていないんですね。月9とか朝ドラとか。そういった意味で、"24時間ゴールデンプライム"とも言えます。だから平日の14時からのあの時間帯、テレビの向こう側にいる人々に最大公約数の答えを出そうとしたら、韓国コンテンツが増えるとしても不思議じゃないと思いますよ。 ――「韓国コンテンツ」というのは単なるきっかけで、テレビに対する積年の鬱々たる思いが爆発したのでしょうか。 菅野 僕はテレビが本当に大好きで、テレビは今でもエンタメ界の王様だと思ってます。どのチャンネルか知らない状態で番組を見ても、「これは日テレっぽい」「テレ朝の風味がする」と何となく分かる。だけど、特番に関してはまったく分からないんです、これが。出てるタレントさんもほとんど同じでしょう? 各局がローリスクなバラエティー番組に逃げた結果ですね。でもね、「どうしてそんなにテレビに文句言うの?」とも思う。だって、こんなに簡単でお金のかからないメディアはないでしょう? もちろん批評は大切だし、ネットがその役割を担っているところはあるけど、匿名者同士の連帯感は悪口に行き着くことの方が多い。ネットでテレビ業界の裏側を暴く、という段階は一段落していたところに今回の騒動が起こったわけですが、もっとドライに「嫌なら見ない」という選択をしている人もいると思います。その方がもっと怖いけど。 ――テレビ雑誌にとって、視聴者のテレビ離れは是が非でも食い止めたいところですよね。 菅野 それは僕たちがもっと考えなければいけないところですね。地上波・BS・CS・ネット......と選択肢はものすごく増えている。それをどうまとめるのか、というところにテレビ誌の役割があると思います。EPGでは表現できないことをやらなければ意味がなくなりますから。 ――5月28日号のブロスで、「福島」とアニメ『TIGER & BUNNY』を取り上げていたことには驚かされました。テレビ誌で福島の原発問題を取り上げるということ、そしてその後が『タイバニ』という......。 菅野 ブレているわけではありませんよ(笑)。ブロスの編集方針は「画面を通じて会える人やモノ、事象を取り上げる」。そして軸はやっぱり「テレビ」なんですよ。テレビがどのように福島を伝えているのかを知り、それをブロス流に料理する。「『タイバニ』に夢中になっている人に福島を知って欲しい」というメッセージもある。テレビはチャンネルを変えれば、ニュース・歌番組・お笑い・ドキュメンタリー......と瞬時に変化するでしょう? ブロスもテレビのように、見開きで刻々と変化する空間を作りたいと思っています。 ――"サブカル"と表現されがちな御誌ですが、基本はやっぱりテレビ誌であると。 菅野 いやぁ、どんな呼び名でも呼んでもらえるだけありがたい(笑)。しかし、褒め言葉として認識してはおりますが、本当の意味でのサブカルなんてもう存在しないんじゃないですか。すべてが白日の下に晒されてしまって、本来"陰"であるサブカルの隠れるところがなくなっちゃった。ただひとつ残されているサブカルがあるとしたら、それは"個人"以外にない。  いまだにテレビはマスに向けて放送しようとしていますが、昨今のテレビに対する拒否反応の根源はそこにあるんだと思います。もはや「大衆」は存在しないんです。誰もが喜び、誰も文句を言わない番組を放送しようとすれば、おのずとつまらないものになっていく。個人や特定のグループに当て込んだ番組作りにシフトしなければ、チャンネルの個性はどんどん失われ、テレビは衰退していくんじゃないでしょうか。 ――具体的にはどんな番組作りをすればいいと? 菅野 これはとっておきの秘策ですが......思い切って、全番組を生放送にしてしまうんです! 全部生ですよ。トラブル続出するでしょうね~(笑)。何が起きるか分からないと視聴者もドキドキ感を味わえます。何よりキャストが被らない(笑)。関係者に与えられる休息は、週一で放送される映画の間の3時間だけ。 ――『8時だョ! 全員集合』の「志村後ろ!」の感覚ですね(笑)。 菅野 3.11以降、NHKが復権を果たしたのも、そういうライブ感じゃないでしょうか。例えば地震が起きて、「今揺れてる」という事実をライブで共有するのは、地上波最大の強みだったはずです。再放送では絶対に味わえない。もちろんNHKは情報の信頼度も高いし、コンテンツを自局で制作している強みもあります。地デジ化よりもむしろ震災を境目にして、テレビも、それを伝えるテレビ誌も本来の役割を問われているように思うんです。 ――確かに、震災によって各局の底力のようなものが透けて見えた気がします。 菅野 一方で「テレビやテレビ雑誌が視聴者のそばにある」というのを痛感したのも震災でした。震災報道から通常の編成へ切り替わった時の、言い知れぬ安堵感。日常がテレビを求めていたこと。ブロスも震災後、史上最低の売り上げを記録したのですが(笑)、それでも待っていてくれる人がいた。交通が遮断され配本できなかった被災地の方から「今日ブロスが届きました!」というお便りをいただいた時、僕らは読者のためにずっと作り続けなければならないと思いました。震災でどん底も見ましたし、逆に底力も発揮されましたね。 ――どうか、ブロスはずっとブロスのままでいて下さい(笑)。 菅野 ハハハ、これしかできないですからね。僕からもみなさんに「もっとテレビを見よう!」とお願いしたい。諦めず、テレビに期待しましょうよ。面白きゃいいじゃんと思える、広い心を持ちましょう。震災や地デジ化でリセットするチャンスをもらったんだと思います。見る側も作る側も。ブロスは......まぁ何とかやっていきます。愛憎半ばされがちな雑誌ではございますが、悪運だけは強いので(笑)。 (取材・文=西澤千央)
TVBros.増刊 みんなの忌野清志郎 2009年 8/29号 これもいい号だった。 amazon_associate_logo.jpg
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阪神金本、"黒すぎる交際"で今後の野球人生が絶望的!?

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「週刊文春」8月25日号 中吊り広告より
第1位 「スクープ!  阪神金本 『黒すぎる交際』"監禁被害者"に刑事告訴された!」(「週刊文春」8月25日号) 第2位 「10年後に食える仕事 食えない仕事」(「週刊東洋経済」8月27日号) 第3位 「小沢側近が虎視眈々と狙う『本当の勝負は首班指名だ』」(「週刊朝日」9月2日号)  仙谷由人官房副長官が民主党代表選挙に名乗りを上げている候補者を「B級グルメ」と表したそうだが、うまいことをいう。  各誌「ポスト菅」を特集しているが、タイトルだけで言えば「あーあ、民主党 こんな奴らが総理かよ」と、国民大多数の思いを言い表した「文春」が秀逸であるが、内容は、どれもこれも大同小異で、週刊誌らしい切れ味がない。  「AERA」の「『広告塔』は海江田経産相」は、原発事故による和牛市場の低迷が最後の引き金になり、民事再生法の適用を申請した和牛預託商法の元祖「安愚楽牧場」を、経済評論家時代の海江田万里が熱心に推奨していたという話。  だが、海江田は出馬表明したものの、衆議院の委員会で泣き崩れたことや辞任すると言ってまだグズグズしている優柔不断さが小沢一郎に疎まれ、代表への道は遠ざかったとみる向きが多い。  親小沢の「ポスト」は、ここぞとばかりに「小沢一郎を18年間抹殺し続ける日本というシステム」で、今こそ小沢の出番だと大声で叫んでいる。確かに小沢と鳩山由紀夫の数の力が、今回も代表選の行方を左右するだろうが、そこににじり寄り、小鳩の傀儡政権ができれば、党内の権力争いがどこかで火を噴き、同じことの繰り返しになることは火を見るより明らかである。  3位に取り上げた「朝日」の記事にもさしたる新味があるわけではない。ただ増税、マニフェスト放棄、大連立をかたくなに言い続け、党内からも反発が出ている野田佳彦財務相では勝てないとみた仙谷が、来年の代表選を目標にしていた前原誠司前外相擁立に動き出し、前原も前のめりになり始めたという見方が、他誌より目新しいと評価したからだ。  前原出馬となれば、野田の目は消える。小沢とどう折り合うのか。民主党関係者がこう話している。 「前原さんなら、小沢さん側とも組めるでしょう。と言うのも、前原さんがそれを望んでいるフシがあるからです。『増税』と『マニフェスト』で折り合えば、後は閣僚などのポストで話をつけるか、もしくは小沢さんの党員資格停止処分の解除か」  何のことはない、反小沢の旗を降ろして軍門に降りることで、総理の座を手に入れようというのである。しかし、もともと自信家で人の言うことを聞かない前原が総理になれば、小沢側と揉めるのは時間の問題だろう。  小沢もそこは承知で、本当の小沢の意中の人物は、原口一博前総務相だというのだ。また、もし野田が新代表に選出されたとしても、小沢派は首班指名で多数派工作をして、政界再編に結びつけるという腹づもりがあると、菅首相に近い人物が語っている。  各誌の記事を読み込んで見えて来るのは、今度の代表選が、新たな永田町混乱の始まりになるということだけである。彼らには、国民の姿など少しも見えてはいない。  第2位は「東洋経済」の記事。新聞広告で10年後に食える仕事の中に記者・編集者というのがあったから買ってみた。  グローバル化、IT化が進んで、日本人に有利な仕事は、「ジャパンプレミアム」という、日本人であることのメリットを最大限に生かす技能集約的なエリアの仕事と、「グローカル」といって、日本人のメリットを生かしつつ、高付加価値なスキルを身につけるエリアの仕事だという。  「ジャパンプレミアム」には、メガバンク地域営業、美容師、スーパー技能職、料理人、ホテルマン、看護師などがある。  「グローカル」には、医師、弁護士、コンサルタント、人事、システムエンジニアなどがあり、このなかに記者・編集者が入っている。  記者・編集者のところを読んでみたが、残る仕事と食える仕事は違うようだ。見出しにこうある。「外国との競争はないが給料は下落の一途をたどる」。当たり前だが、希望の見えるようなことはどこにも書いてない。  10年後には、今より給料が減って食えなくなる。広告収入は減り続け、国内市場の拡大は見込めないし、海外の顧客も増えない。労働条件はますます厳しくなり、リストラで雇用も奪われていく。  救いは、高い言語障壁があって外国人が参入して来ないこと。その上、マスコミ業界には資本規制があり、テレビには外資規制があるから、外国資本に乗っ取られる心配はいまのところない。  経営が苦しくなっても、どの社にも厳しい解雇規制と強力な労働組合があるから、よほどの強力なリーダーでもいない限り、総人件費の削減さえ難しいというのである。  要は、この仕事のマーケットはどんどん縮んでいき、給与は下がり続け、一人ひとりのノルマは厳しくなるが、経営者はそれをどうすることもできないアホばかりがそろっているということだ。  元出版社社員としては、うなずけるところもあるが、これではお先真っ暗な業界で、食える仕事ではないではないか。  まあ、弁護士は「先行投資重く競争激しい 二極分化はさらに鮮明に」なるそうだし、医師も「すさまじい価格破壊が医師の世界にやってくる」から、こちらも大変そうである。  この特集を読んでいると、私のように英語ももちろん中国語も話せず、何の資格も持たない人間は、生きていく術がないといわれているようで切なくなる。  これから就職を控えている学生諸君は、読んでおいた方がいい特集である。  今週の第1位は、阪神タイガースの人気選手・金本知憲(43)のスキャンダルを追いかけた「文春」の記事。  「新潮」も「刑事告訴された『阪神金本知憲』のカネ!カネ!カネ!」で、同じことを扱ってはいるが、切り口で「文春」が上回ったと判断した。  「文春」によれば、発端は8月10日。金本が親しかったファイナンシャル・アドバイザーA氏から「恐喝罪」で告訴されたことからである。  球界の高額所得者である金本は、以前から投資への関心が強かったようだ。A氏と話し合って07年に投資ファンド会社を設立し、金本は1億3,000万円を出資した。  しかし、うまく回らなかったのだろう、1年もたたずに金本は辞めると言い出し、A氏に自分の出資分を「貸金だったことに」して、返せと迫ったのだそうだ。  そして09年1月27日、金本はA氏を呼び出し、彼の友人と一緒に「金銭準消費貸借契約書」を書けと、こう恫喝したという。 「だてに夜、カネを使っているわけじゃねえ。山口組がすぐにでも行くぞ!」「お前を家族ごと抹殺してやる」  渋々、実印を押したA氏に今度は、ヨーロッパの銀行への投資で390万ドルの損失を出したのは、紹介者であるお前に責任があると、損失分の賠償を催告してきたというのである。ついに耐えかねたA氏が、刑事告訴に踏み切ったのだ。  以前、芦屋に購入したばかりの金本の豪邸が売りに出され、買い手がつかないと報じられたことがあった。それと今回の記事を合わせて読む限り、金本が相当カネに窮していることは間違いないようだ。  7月に、これまた阪神の人気選手でミスタータイガースといわれた掛布雅之(56)の個人会社「掛布企画」(大阪府豊中市)が、事実上倒産していたことが報じられた。負債総額は4億円と言われる。  かつては巨人の桑田真澄、江川卓が不動産投資で巨大な負債を抱えたことがあった。桑田の負債は巨人が肩代わりしてくれたが、江川は、その負債を返すためにせっせとテレビに出続けた。  その大きな負債があるために、江川は巨人の監督になるチャンスを逃したと言われている。  この報道が事実なら、金本の野球人生が大きな危機を迎えていると思われる。だが、この記事が出た8月17日と翌日の対広島戦で金本は、憂さを晴らすような見事なホームランをかっ飛ばしている。「アニキ」と慕われる金本は、この危機を切り抜ける、さよなら逆転ホームランを打つことができるだろうか。阪神ファンならずとも心配である。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
金本知憲 阪神タイガース スーパースター スーパースターであることは間違いないけど。 amazon_associate_logo.jpg
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