今も燻るフォックスコン連続自殺 生産拠点の移転とともに内陸部へ飛び火

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Foxconn Technology Group公式サイトより
 中国でiPadやiPhoneなどのアップル社製品を受託生産する世界最大のEMS企業・フォックスコンは、100万人を超す従業員の中から優秀従業員として選出された200名を表彰し、副賞としてiPhone4や現金約5,000元(日本円で約6万円)、台湾旅行などを贈呈した。  フォックスコンといえば昨年、広東省深セン市にある工場で10人以上の従業員が相次いで飛び降り自殺を図る「連続自殺騒動」が起こり、過酷な労務環境が取り沙汰されたことも記憶に新しい。  そんななか行われた今回の表彰は、同社が従業員に配慮した企業であることをアピールする狙いがあると思われる。  連続自殺騒動のさなかにも、同社では再発防止策として賃上げや労働時間の見直し、さらに従業員への心理カウンセリングや僧侶による自殺者の供養などを実施した。その甲斐あってか、2010年11月に深セン市で23歳の男性従業員が自殺をしたのを最後に、自殺者は出ていなかった。   ところが最近になって、フォックスコンで再び従業員の自殺が立て続けに発生している。  今年7月18日、深セン市内の同社従業員寮で21歳の男性従業員が従業員寮の6階から飛び降りて即死。10月15日にも同地から目と鼻の先にある場所で、18歳の女性従業員が飛び降りて自殺を図った。  また、連続自殺騒動は、深セン市内のみならず中国全土にあるフォックスコンの生産拠点でも巻き起こりつつある。  5月26日、四川省成都市にある同社工場併設の寮で20歳前後の男性従業員が飛び降りて死亡。さらに11月23日には、山西省太原市の生産拠点で、21歳の女性従業員が飛び降りて死亡している。  これまで深セン市を主要拠点としてきたフォックスコンだが、沿岸部の人件費が高騰していることなどから、内陸への生産拠点の移転を進めている。しかしそれに伴い、連続自殺も各地に飛び火してしまうとは、実に皮肉な話である。  労務環境や福利厚生を改善しても、とどまるところを知らないフォックスコンの連続自殺。この騒動を引き起こしている本当の原因とはなんなのだろうか。 (文=高田信人)
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App Storeはやっぱり理不尽!? 世界一の企業となったアップルの未来は……。

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Appleの公式HPより。
 今月14日、ついにアップル社のスマートフォンiPhone4Sが、世界各国で発売を開始しました。日本におけるスマートフォン普及の先陣を切ったiPhone。今回のiPhone4Sは従来のソフトバンクに加え、KDDIからも発売されることもあり、大きな話題となりました。iPhoneやタブレット型コンピュータiPadを手がけたアップルは、今年8月に時価総額で世界一の企業に躍り出るなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けています。  そんな中、今月5日にはアップルの前CEOのスティーブ・ジョブズ氏の訃報が全世界を駆け巡り、多くのアップルファンやIT関係者が驚きととも喪に服しました。氏はそのたぐいまれなプレゼンテーション能力やこだわり抜いたデザインで多くの人々を魅了し、アップル人気の象徴ともいえる存在でした。そんな氏の喪失は今後のアップルにどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目されます。  アップルはほかにも多くの懸念事項を抱えているといえます。特に現在、オランダなど全世界規模で韓国のサムスン電子との訴訟合戦は激化の一途をたどっています。ほかにも、AppleのウェブマーケットであるAppstoreでの商品の勝手な値段変更や厳格な検閲に不満の声が上がることもあります。そこで今回のレベルアップ案内では、"iPhone4Sが絶好調のアップルの落とし穴"と題して、関連記事をピックアップ! ソフトバンクも言いなりのiPhone販売の裏から訴訟バトル激しいサムスン電子の正体、さらに元アップル社員が語る日本アップルの悲哀まで──世界一の企業の裏側に迫ります。果たして、ジョブズなき後のアップルはこのまま快進撃を続けられるのか!? 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:アップルに振り回される人々] アップル社の勝手な"強制突然バーゲン"で電子書籍市場が大パニック! 2011年7月23日付(日刊サイゾー) 価格を決めるのは市場ではなく、アップル!? アダルト絶対NGはホント? iPadで夢のエロ漫画読み放題生活! 2011年7月7日付(日刊サイゾー) いつでもどこでもエロマンガが読める。iPadならね。 iPhone4が絶好調でもソフトバンクが儲からない理由 2010年8月号(プレミアサイゾー) 孫さんが"SIMフリー"を「やりましょう!」と言わない理由。 [レベル2:アップルVSサムスン 仁義なき戦い] ジョブズ氏の死をきっかけに密かに広がる「サムスン不買」の輪 2011年10月12日付(日刊サイゾー) アップルVSサムスンのオランダ戦はアップル勝利で終わったが......。 サムソン、LG、現代自動車ら韓国系企業が抱える就労問題と著作権侵害 2011年2月号(プレミアサイゾー) サムスンは日本のトヨタのようなもの。 ケータイ業界──スマホ普及でやおら流動化! ケータイ乱世を制するのは誰だ? 2011年2月号(プレミアサイゾー) スマホ=iPhoneのイメージを覆せるか? [レベル3:ジョブズのルーツと盟友] 赤田祐一×仲俣暁生──ITの起源はヒッピーイズム? スティーブ・ジョブズも愛読した伝説の雑誌 2011年10月号(プレミアサイゾー) 実はヒッピーでちょい悪なジョブズ。 125億ドルでモトローラを買ったGoogleアンドロイド陣営の真の狙い 2011年10月号(プレミアサイゾー) アップル現CEOのティム・クックは○○だった!? [レベル4:アップルってどんな会社?] 日本代表NECを軽~く圧倒!? 売上3兆8600億円、純利益7400億円"アップル"が描く世界戦略 2010年3月号(プレミアサイゾー) 無駄な高機能志向が日本衰退の原因? 月給200万ながら即クビも!? アップル社員が匿名で語る"外ヅラ"と"ホンネ" 2011年10月号(プレミアサイゾー) 社員曰く「ジョブズがいないアップルなんて考えられないですからね。」 プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/ ■プレミアサイゾーとは? 雑誌サイゾーのほぼ全記事が、月額525円で読み放題!(バックナンバー含む)

ジョブズ氏の死をきっかけに密かに広がる「サムスン不買」の輪

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アップル公式サイトより
 IT業界のカリスマ、スティーブ・ジョブズの死去が全世界に衝撃を与える中、その前日に発表されたばかりのiPhone4Sは予約が殺到。未発売のジョブズの伝記も、予約段階で米Amazon第1位となっている。さらに、ジョブズが愛用していた黒いタートルネックまで売り切れ続出となるなど、ジョブズ氏にまつわる商品を対象に、"追悼買い"ともいえる現象が起きている。  その一方で、アップルと特許侵害に関する訴訟合戦を繰り広げて来たサムスン電子の製品には、不買運動の輪が広がりつつある。  熱狂的なMacユーザーが集まる米サイトの掲示板には、ジョブズの死後、「サムスンとの訴訟問題がなければ、アップルからもっと素晴らしい製品が世に出ていたかもしれない」というサムスンバッシングや、「ジョブズを弔うため、サムソン製品を廃絶しよう」という呼び掛けが書き込まれている。  また近年、反韓ムードが高まっている中国ではさらに辛らつだ。中国版Twitter「微博」には、 「サムスンのアップル製品の剽窃は、病に伏せるジョブズを苦しめた。人が弱ったところに攻撃を仕掛けるとは、韓国人のやりそうなこと」 「ジョブズ氏に哀悼の意を表し、今から家にあるサムスン電子製品を残らずたたき潰す!」  といったつぶやきが寄せられている。  当のサムスン電子は、10月11日に予定されていた、最新版のアンドロイド「アイスクリーム・サンドイッチ」を搭載した新型スマートフォン「Nexus Prime」の発売を延期した。また同社は、ジョブズの葬儀中はアップルに対する訴訟活動を停止するとも発表した。ともに、「ジョブズ氏に敬意を表するため」としているが、密かに広がる不買運動が過熱化することを警戒した措置だったのかもしれない。  死してなお宿敵を牽制するジョブズの存在感は、やはりカリスマといったところだ。 (文=高田信人)
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「KDDIの社員は口が軽いんだよ」ドコモもあきれる「iPhone5騒動記」の行方は?

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 「米アップルが今秋にも発売する『iPhone5』を、KDDIが日本で販売することが判明した。日本では初代iPhoneから3年間続いたソフトバンク(SB)による独占販売体制が崩れる」(以上、9月22日付け日経ビジネスオンラインより)  日経ビジネスオンラインが報じた「KDDIがiPhone5参入」の記事が波紋を呼んでいる。その後、日経本紙や他メディアもこぞって追随し、この結果ソフトバンクの株価が下落するなどの騒ぎになっている。これまでiPhoneといえば、国内ではソフトバンクモバイル1社の独占販売。報道が事実なら、スマートフォン市場で出遅れたKDDIの大幅な巻き返しが予想される。  しかしこのニュース、関係者の間では真偽のほどを疑う声も少なくない。第一報を報じた日経ビジネスオンラインも、それを後追いした一般紙も、情報ソースを明らかにしているところは一社もないからだ。場合によっては、各メディア総ぐるみの世紀の大誤報ということにもなりかねない。KDDI側は「当社からアナウンスしたものではないから、コメントのしようがない」(広報部)、「メディアさんが勝手に言っているだけでこちらは何も聞いていません」(都内auショップ)の一点張り。ライバル会社であるドコモのある関係者は、今回の報道のソースについて「日経ビジネスオンラインの記者が個人的なコネクションでKDDIの関係者から聞き出したということでしょう。政治記者が個々の情報ソースを秘書や代議士に持っているのと同じです」と推測するが、「事実かどうかは課内でも懐疑的」だという。  これについて、「可能性は極めて高い」と言うのは、ITジャーナリストの石川温氏だ。 「22日の報道を知った後に、私も複数の関係筋に確認したのですが、その感触では信ぴょう性は非常に高いというのが実感です。今のところ、誤報という結果にはならないと感じています」  発売時期を日経ビジネスオンラインが「11月」と報じた点については(他メディアは「年明けの可能性」とも報道)、アメリカでのiPhone5発売時期と関係しているという。アップルでは北米におけるiPhone5の発表を10月4日に、発売を中旬ごろに開始するとしており、日本のソフトバンクもこのスケジュールに準ずることが予測される。KDDIの「11月」は、これに極力近づけたいという意思の表れだというのだ。  KDDIは現在、Cメールをグローバル機種でも送受信できるように、メッセージングサービスを国際規格であるSMS/MMSに対応させようとシステムの改修を進めており、この完了が来年1月ごろといわれています。それを待ってiPhone5を発売するのか、前倒ししてソフトバンクのスケジュールに合わせるかという判断だと思います」  ただ、課題も残されていると石川氏は言う。 「当然ながら、料金体系もキャンペーンもアップルが仕切る形になりますし、相当量の販売ノルマも課せられる中で、KDDIが主導権を握れるかという懸念があります」  また、ユーザーの増加でネットワークのキャパシティーにも不安が残る。 「iPhoneユーザーがau利用者に拡大すれば、ネットワークも当然ながらひっ迫します。結果的に今のソフトバンクと同じくらい、つながりにくい状態になる可能性も否定できません」  一方、「今回の報道はあまりにソースがあいまい」として、情報自体の信ぴょう性を疑うのは、モバイル業界に詳しい武蔵野学院大学准教授の木暮祐一氏だ。 「交渉自体はauもドコモもアップルとはしてきているはずですから、その意味ではどちらも可能性がゼロということはありませんが、現時点での報道内容を見る限り、懐疑的にならざるをえませんね」  また、KDDIの社風という観点からも疑問を呈する。KDDIは自社のビジネス目的の達成のために、メーカーや販売店に制約をかける傾向が、他のキャリアより非常に強い企業なのだと木暮氏は言う。 「この26日に発表されたモトローラ社の『PHOTON(ISW11M)』は、本来は世界中で通信ができるようにさまざまな通信システムを搭載するように設計された機種なんです。ところが、今回KDDIを通して発売するにあたり、ドコモやソフトバンクが採用しているW-CDMAや、国際規格のGSMを外してしまった。完全に国内使用限定モデルにしてしまったわけです。SIMカードを外して海外などで使わせないようにとの意図なんでしょうが、設計段階の思想を崩壊させてまでも、わざわざコストをかけてユーザーの利便性に反することをする。そういう企業文化の会社が、果たしてiPhone5を扱えるのかという疑問は残ります」  さらに、今回の一連の報道のソースがKDDIからのリークであった場合、契約に厳密な米アップルが黙っているかという問題もある。 「アメリカでは機密保持契約に対する概念が、日本とは比較にならないくらい厳しい。過去にも海外で、アップルと提携した経営者が記者発表の前日にポロっとしゃべってしまい、それで契約破棄になったという事例もあります。国内でも過去にドコモの山田社長が『iPadで使えるSIMを提供する』としゃべってしまい、後日撤回する騒ぎがありました。仮に今回、KDDIが本当にアップルと合意に達していたとしても、この大騒ぎをアップルがどう見るかというのは、今後注目すべきところでしょう」  KDDIは26日、スマートフォン秋冬モデルの新作発表を都内で行ったが、記者からのiPhone5に関する質問に対しては、予想通りノーコメントを通した。  冒頭でコメントしたドコモ関係者があきれ気味に言う。 「そもそもKDDIは脇が甘い会社でしてね。ドコモ以上に官僚体質というか、頭が固い会社の割に、口が軽い方が比較的多いんですよ(笑)。記者からドキっとする裏情報を聞いたときは、たいがいソースがKDDIだったりする。今に何か大きな問題に発展すると噂していたんですが......」  今回の報道で多くのauユーザーが歓喜したことは想像に難くない。しかし、彼らの手にiPhone5が届くまでには、まだまだ多くの紆余曲折を経る必要がありそうだ。 (文=浮島さとし)
ドコモとau SBは競争圏外? amazon_associate_logo.jpg
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月給200万ながら即クビも!? アップル社員が匿名で語る"外ヅラ"と"ホンネ"

──「米アップル本社の下請け」などと揶揄されがちなアップルジャパンの社員は、日々どんなことを考え、業務を遂行しているのか? そして、iPhone 5について、スマホブームについてどう考えているのか?元アップル社員をお呼びして、ぶっちゃけトークを展開!
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Appleの公式HPより。
 今やIT業界は、パソコンではなくスマートフォンを中心に回っている。2011年の世界出荷台数予測は、PCが3億8800万台に対してスマートフォンは4億5000万台となっており、初めてスマートフォンがPCを上回る見込みだ。さらに12年にはPC市場が横ばいなのに対して、スマートフォンは40%を超える成長が見込まれている。  その中でも常に話題の中心であり続けているのが、アップルのiPhoneだ。10月に発売されることが噂されている「iPhone 5」について、アップル系の情報サイトのみならず、新聞社や証券アナリストから名もなきブロガーまで、さまざまな噂話を繰り広げている。  そこに突然降って湧いたスティーブ・ジョブズCEOの退任発表。これまでアップルを牽引し、iPhoneの開発を指揮してきたカリスマがついに一線を退く決断をしたことで、世界中に衝撃が走った。だが、がんを患い肝臓移植を受けるなど闘病を続けてきたジョブズを、多くの人々は惜しむと同時に、ねぎらいの言葉を贈った。  アップルに関する噂がこれほどまでに多いことの原因は、単にアップルとその製品の注目度が高いのみならず、徹底的な秘密主義にもある。いまだに姿が見えないiPhone 5に、退任するスティーブ・ジョブズにしろ、その真の姿はアップルの分厚いベールの向こうに隠され、なかなか僕らの前に姿を見せない。隠されていればいるほど、それをのぞきたくなるのが人間のさが。そこで、そのベールの中をのぞいたことがある元社員の方々に集まっていただき、知られざるアップルの内部事情とiPhone 5の姿についてお話をうかがった。  ご参加いただいたのは、元法人営業担当のAさん(男性20代)、元セールス担当のBさん(男性30代)、元サポート担当のCさん(女性20代)、元開発担当のDさん(男性40代)の4名。なお、くしくも座談会が開催されたのは、ジョブズ退任発表の前日だった。それではアップル元社員による、その内幕をこっそりのぞいてみよう。 ■iPhoneの発売の報は社内の人間にも30分前に ──アップル社員の皆さんは、iPhone 5に限らず新製品の情報をいつ頃知るんですか? A よく言われるように、アップルジャパンでは発表直前になるまで、ほとんどの社員は内容を知らないんですよ。上司のマネージャークラスなら知っているかもしれませんが、08年に発売されたMacBook Airとかの特に重要な製品だと、上司も知らなかったです。 B そうですよね、だからiPhone 4が発表されそうな時は、社内で毎日アップル系の噂サイトを熱心にチェックしていました。辞めてからもそれは変わらないですけど(笑)。でも、私のいた部署は 、オンラインストアがメンテナンスに入るタイミングがわかるんですよ。「We'll be back soon.」になる時ですね。だから、噂系サイトの情報と合わせると、アレが発売されるのはこの日だな、というのはなんとなくわかりました。 C iPhone 3Gの時なんか、発表の30分前まで教えてもらえませんでした。あの時は、まず上司が急に呼び出されて、走って会議室に行くんです。戻ってきたら部署のメンバーが全員集められて説明されました。でも「30分後にとある携帯電話会社が発表する」とだけで、詳しいことは教えてもらえなかった。 D 僕はソフトウェアに関しては、人より先に知ることができたんですが、製品全体については、やっぱりわかりませんね。米国本社に行くこともあって、開発部門の人間とも知り合いなんですが、彼らもやっぱり絶対に教えてはくれません。情報の管理に関しては、本当にすごく厳しい。 A iPhoneは特に情報が遅いですよね。というのも、iPhoneの販売はすべてソフトバンクがやっていて、アップルジャパンはノータッチ。iPhoneがいくら売れてもアップルジャパンの実績にはならないから、iPod touchのほうに一生懸命です(笑)。 D 日本にもローカライズや日本語環境での検証をする部署があるんですが、そこには発売前の新製品があります。ただ、そこにはほかの部署の社員証(セキュリティカード)では入れないんですよ。今はマクドナルドの原田泳幸社長がアップルジャパンの社長だった頃、社長なのに入れなかったくらいです。あの部署だけは、米国本社の飛び地みたいなところですね。 ■突然呼び出されてクビに 午後から職場に進入禁止 ──そもそも、アップルジャパンってどんな会社なんですか? C 公式なアップルジャパンの社員数は300人となっているんですが、絶対にそんなにいないはず。最近でも100人ちょっとじゃないかな。組織はかなり小さいんです。 B 社員数が、米国本社によって厳しく決められているんですよ。マネージャーはそれを守ることを求められるので、売り上げが伸びて忙しい時でも、人が減っていくことがある。 D 組織構成についても極秘扱いでした。かなり流動的で頻繁に変更があるんですが、新しい組織図が配られると同時に、古いものを回収する。 A 人の入れ替わりが激しいですよね。営業部門、中でも法人営業は特に激しいかも。とある大学に一緒に行った営業担当が、1カ月後にまた一緒に訪問しようとしたらすでに辞めていたことがありました。 B 営業はノルマがあるから特に厳しい。ただ、給料はそれなりにいいですね。「基本給+成果報酬」という形なんですが、私がいた頃は成果報酬の上限がありませんでした。だから月給が200万円を超えた人も。 C そんなに行くのはやっぱり例外。私は普通にやっていて月に40万から60万円くらいで、すごく調子がいいときで100万円とかでした。ただ、ボーナスがないですし、ほかの外資系IT企業と比べても、そんなにいいわけじゃない。 B 目標を達成できなかった時のプレッシャーは大きいですよ。僕も、ある日突然呼び出されて、その場でクビでした。目標が達成できていなかったので、覚悟はしていましたけど。その日の午後にはセキュリティカードが使えなくなっていました。 A 自分から辞める人より、やっぱり辞めさせられる人のほうが多いですね。日本企業みたいに平社員から順番に出世していくというパターンはあり得ない。だから、出世するにしても、一度辞めて外で成長してから戻ってきて上のポジションに就く、という人が多いですよ。 ──アップルで働くにはどうしたらいいんですか?
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アップル社の勝手な"強制突然バーゲン"で電子書籍市場が大パニック!

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350円の本を買おうとクリックすると、
なぜか表示されるのは250円という価格。
「あれ? アプリの値段が全部下がっている......。システム障害?」  7月14日の朝9時過ぎにApp Storeをのぞいたユーザーはさぞかし驚いたに違いない。App Store上の書籍やアプリを購入しようとクリックしたところ、要求された金額が表示価格より大幅に安かったからだ。驚いたのはユーザーだけではない。出店者側にとってもまったくの寝耳に水。値下げしたつもりのない自社の商品が、アップル社から何の連絡もないままに、値下げして売られていたのである。一体なぜこんなことになったのか。   ことの顛末を知る前に、まずはApp Storeで商品を売る際の価格設定ルールを知っておく必要があるだろう。App Storeでアプリや書籍を売る場合、実は販売価格は売り主が自由に決めることはできない。アップル側があらかじめ決めた価格帯からしか選択できないのだ。  例えば、7月14日午前9時以前までのApp Storeにおける一番安い商品価格は115円。以下、順に230円、350円、450円、600円、700円、800円、900円、1,000円......と上がっていく。つまり、「115円じゃ安すぎて儲からないけど、230円だともらいすぎだから、200円で売りたい」と思っても不可能なのだ。書籍も同様で、「この本は市場動向から見て300円なら売れそうだ」と思っても、売り主の意思で価格を決めることができないのである。
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App Storeでの世界各国の販売価格は帯ごとに決められてい
る。赤い枠内が日本(赤線は編集部)。115円の販売価
格のうち、出店側の取り分が81円(7割)という意味。
 では、なぜそんなルールになっているのか。この件についてアップル社はこれまで公式説明をしていなが、「為替レートの関係でしょう」と言うのはあるITライターだ。 「おそらく1ドル115円くらいのときに決めた"ドル建て価格"なので、あちらの感覚では1ドル、2ドルと、ドル単位で区切っている感覚なんだと思います。ただ、その計算でいうと3ドルは345円で端数になるため350円に切り上げてしまい、5ドルは575円だから600円にしてしまおうと、かなりアバウトに決められているようですね。そういう意味では115円だって端数なんですが、そこらも含めてアバウトなんでしょう。厳密な約束ことはないようです」  その結果、450円の次に高い商品が600円になってしまい、500円台で売ることができないというおかしな事態になってしまっているというのだ。一般に小売店で売られている商品は、製造や流通のコストと需給バランスを勘案し、1~10円単位でシビアに決められるのは当然のこと。スポーツ用品メーカーがサッカーボールを1個1,200円で売りたいと考えているのに、店側から「800円か1,500円かのどちらかを選ばないと売らせない」と言われて困惑している姿を想像してみれば分かりやすいだろう。  今回の突然の"価格改正"により、販売価格は85円(今まで115円)、170円(同230円)、250円(同350円)と、それぞれ大幅に下げられている。ちなみに、App Storeの決済システムを利用した場合、売り上げの30%がいわゆる"場所代"としてアップルに徴収される。この30%という数字は、携帯ゲームのGREEやmixiでアプリを売る場合もほぼ同じだ。  つまり85円で売れた場合の取り分は、わずか約60円。115円で売っていたこれまでと比較して一個あたり20円の収益源となる。より分かりやすい例で言えば、これまで800円で売っていた商品は140円も値下げとなるため、仮にこの商品が1万本売れた場合の誤差は実に140万円ということになる。では、なぜ今回、販売価格が突然下げられてしまったのか。  これについてもアップル社からの説明が一切ないため憶測の域は出ないものの、先のITライターは「円高が1ドル85円くらいまで進んでいるのでレートに合わせて、アバウトに調整しようということでしょう(笑)」と推察する。 「ただ、なんでそれをアップル社がすべての商品を一斉に、しかも出店側に何の告知もしないままにやるかのか、という問題です。円高が進んでしまってアメリカで売れなくなったとしても、それは売る側の責任で対処すべきことです。そもそも、電子書籍のように日本の市場だけをターゲットに出店しているところも多いわけで、余計なことをするなというのが出店者側の気持ちでしょう」  しかも、電子書籍の場合は執筆者に著者印税が発生する。1,000円の本なら3割の300円が相場だ。ただ、今回は突然、アップル側により1,000円の本が800円に下げられてしまった。この場合の印税計算はどうなるのだろうか。本の値段は下がっても、印税だけは同じ額を払わなければならないならば、出店側は大打撃だ。  実際に電子書籍をApp Storeで展開している「グリフォン書店」によると、「印税はあくまで販売価格に対する%で契約しているため、例えば1冊あたり300円でお支払いしていたものが240円に下がるという考え方になります」とのこと。ただ、単純に安売りになってしまうために、出店者も執筆者も収益が減ることは間違いない。しかも、「問い合わせがあったすべての著者さんにそのことをご説明して納得していただくのに、丸二日を要しました。起きてしまったことは仕方ないですが、せめて事前告知は欲しかったというのが正直なところです」と困惑する。グリフォン書店ではしかたなく価格の再設定を進めているが、実はこれにもアップルの審査が必要となる。おそらく今、日本中から数千件規模の価格変更が申請されているはずで、その処理が済んで画面上の表示に反映されるには、かなりの時間を要することになりそうだ。  また、ストア型のアプリ「食べレコ」を運営する「株式会社ハンズエイド」の小室健社長も、「すべての仕事や打ち合わせをキャンセルして、対応に一日が潰された」と憤懣やるかたない。「当社の場合は価格表示の変更をサーバ側で対応できましたけど、ストア型の出店者は大変だと思いますよ。アプリのデータベースもマスターを変えて、アプリ自身を更新する作業をしないといけない場合もありますから」  大幅値下げでたくさん売れて、結果的に売り上げがアップするのでは、という一部のネット上の声に対しては、「そういう考えも確かにありますし、弊社でもあるアプリを実験的にしばらく放置してみたんですが、それまで一日15個くらい売れていなかったのが、30個くらい売れましたからね(笑)。しかし、一時的にちょっと多く売れても、中長期的には経営にプラスになりません。安定した状態で売れ行きデータをとっていかないとマーケティングにもなりませんし」  また、「新興市場としてこれから盛り上がろうというときに、冷や水をかけられたのは業界にとって痛手」と懸念するのは、先のITライターだ。 「価格も自由に決められない上、いつ大幅値下げ、あるいは値上げが起こるか分からない。これでは事業計画も立てられません。革命前夜の社会主義国よりリスクが大きい(笑)。新規参入を検討している事業者はもちろん、著者側からしても二の足を踏みたくなるでしょうね。著者が躊躇すればコンテンツは増えない。業界にとっては大きなマイナスです」  同じことは今後も起こりうると考えるのが妥当のようだが、各社ともその対処にどう向き合っていくべきなのだろうか。前述の小室氏は、「海外市場をにらんだ展開をあらためて痛感した」という。 「アップル社のやり方の是非はともかく、価格変動にも揺るがない経営基盤を構築しないとならないというのが、今回の教訓ですかね。そのためには、国内のみならず、海外で利益を上げなければなりません。今、国内のiPhoneが400~500万台と言われていますが、世界中のIOS(iPhone、iPadなどに搭載のOS)は2億台です。そこを目指した展開を考えていかないとならないでしょうね」  もっとも、強大な資本を持たないベンチャー企業でも参入が可能なのが、この市場の一つの魅力のはず。世界を目指すために国内で地道に稼ぐスタイルがあってもよさそうなものだが、そういう事業者はアンドロイドへ移行すべきということか。いずれにせよ、今回の"アップル大恐慌"が今後の電子マーケットへ深い爪跡を残したことだけは間違いなさそうだ。 (文=浮島さとし)
スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション ちょっと、ジョブズさん! amazon_associate_logo.jpg
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