チップ拒否→笑顔で「コマプスムニダ!」北朝鮮レストランのウエイトレスに異変

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上海の北朝鮮レストランの女性従業員たち (c)Stephan
 中国や東南アジアを中心に展開している北朝鮮レストラン、通称「北レス」。日本には進出していないが、熱狂的なファンが多く、各国の北レスを渡り歩いたり、通い詰める猛者もいるほどだ。  その北レスで働くウエイトレス(服務員)たちの接客に、変化が起きているという。  これまでは周りの目を気にしてか、外国人客からの“チップ”は頑なに受け取ろうとしなかった彼女たち。というのも、外国人客と接触すると、北朝鮮当局から「思想的に問題がある」と批判されかねないため。だが、最近では10元札(約200円)を1、2枚手渡すと、にっこりして「コマプスムニダ!」(ありがとうございます!)と自然に受け取ってくれるようになったという。   「チップを受け取るようになってからは、接客態度もソフトになりましたね。チップは本人の取り分になるのでモチベーションが上がり、それが店の売り上げにもつながる。長く働いている人は要領がわかっているので、笑顔を振りまいてチップを稼ごうと頑張ってますよ」(デイリーNK情報筋)  中国丹東の税関から程近い北レスでは、北保衛部の監視もあり、チップの受け取りに制限があるが、それはあくまでも表向き。上からは「チップを受け取るなら、自分を失わず堂々と受け取れ」と教育されているという。 「ウエイトレスたちは、夜はダンスと歌で盛り上げてくれます。みんな背が高く、スラリとしていてきれいですね。盛り上がりすぎて舞台に上がっちゃうお客さんもいますが、一緒にダンスしてくれますよ」(同)  北レスは、北京、上海などの中国の大都市だけでなく、地方の中都市にも進出している。北朝鮮に近い瀋陽や丹東などでは北レスが隣同士で並んでいる光景も珍しくない。外貨稼ぎを目的に、北朝鮮当局や中国企業との合弁で営まれており、ウエイトレスは、美貌はもちろんのこと、歌、踊り、楽器演奏に中国語まで兼ね備えた女性たちばかりだ。  彼女たちは主に平壌出身の20代で、徹底した身元調査を経た上で海外の北レスで働く。派遣期間は通常3年だが、コネと賄賂で期間延長も可能だという。  いずれの北レスも、老若男女限らずおおむね好評のようだが、客と駆け落ちして脱北するウエイトレスも少なくなく、当局にとっては頭の痛い問題も起きている。 (「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)

B型が一番人気!? 医者も認める、北朝鮮版「血液型性格診断」

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さすがに今回、血液型に関連する画像を用意するのは困難でした。その代わり、血の滴るような北朝鮮のレバ刺し画像でご勘弁ください。やがてこれが血肉となり……(苦しい)。
 こんにちは。突然ですが、商談や合コンなどで間が持たなくなったとき、大活躍するのが「血液型占い」という、愚にもつかない問答ではないでしょうか。  A型と言ったら「あー、確かにそう見えるぅ!」、O型と言っても「あー、確かにそんな感じぃ」……って、あれ? もはや一緒じゃね? と各自が心の中でツッコミを入れつつ行う、あの至極日本的コミュニケーション作法です。  私は毎度、AB型と勝手に決めつけられるのですが、「違う」と言うと「うそだ! ゼッッッタイうそ!」と血相を変えて糾弾されるのが常です。朝鮮大学校時代、飲み会で泥酔した教授からも「お前は絶対にAB型だ! そうに決まってる!」と朝まで責め立てられたのがトラウマになっています。試しにAB型をググッてみますと「変人」「二重人格」「理解され難い」と散々な言われようでした。ちなみに私はO型です。  ということで、今回は北朝鮮版「血液型性格診断」の話です。  この存在を知ったきっかけは、本連載第3回(http://www.cyzo.com/2014/11/post_19508.html)で私が伏せった際、付き添ってくれていた看護師と女性案内員の雑談でした。2人のそばで眠るまでもなく目を閉じ、じっとしていると「あんたはB型だからね」という言葉が耳に入ったのです。 「今、B型とおっしゃいましたよね?」 「そうよ。血液型の話よ」 「朝鮮の人も血液型を気にするんですか?」 「気にするわよ」  北朝鮮でも血液型別性格診断があるというのも驚きでしたが、日本では何かと「自己中」「ルーズ」というイメージで忌み嫌われるB型が女性案内員の説明によると、北朝鮮では一番人気だというのです。一方、最も不人気なのはA型だとか。  私は彼女の言葉を検証すべく、その後、北朝鮮人民と顔を合わせるたび、不審がられつつも「何型ですか?」とコッソリ聞いて回りましたが、やはりB型人気は不動。10人ほどに聞いた結果、以下のコメントが得られたのでした。 B型 「話が面白い」 「楽天的で朗らか」 「機転が利く」 「応用力がある」  特に「話の面白さ」には複数の人が重点を置いていました。  一方、A型については 「話がつまらない」 「暗い」 「仕事しかできない」 「頭が固い」 と、ボロクソ。O型については「鷹揚」、AB型は「そもそも、会ったことがない」でした。  この血液型性格診断、在日の帰国者が広めたわけでもなく、自然発生的なものだそうです。女性案内員いわく、「医師さえも認めている」とのこと。各血液型の分析は日本と差がないにもかかわらず、評価が正反対になる点に、大げさではありますが、今後の日朝関係の勘所が隠されているような気がしてなりません。  ちなみに韓国ではどうか?  韓国の有名リサーチ会社「ギャラップ」が2012年に行った調査結果によると、血液型別に性格の違いがあると信じる人々(19歳以上の男女1501名中994名)の間で最も人気があるのはO型(46.5%)。その理由は「性格が円満」「活発」であること。B型(13.4%)は「気前がいい」が主な理由でした。さらに「自分自身と最も相性のいい血液型」もO型がトップ(46.5%)、B型を選んだ人はA型(19.9%)に次ぐ12.8%でした。  B型を選んだ割合が少ないですが、O型とは相性がいいと言われるだけに、お次は南北両首脳の血液型が気になります。  韓国の調査機関と、私ごときの野良調査の結果を比べるべくもありませんが、同一民族内で好みの血液型が分かれるのは興味深い事実ですね。もしくは南北合同で、きちんと調査を行ったら意外と合致するのかもしれません。  その場合、私のようなAB型扱いされるO型でも認めてくれるのかという点が不安要素ではありますが……。 ●やす・やどろく ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

北朝鮮に“賄賂の季節”到来! 家電、下着、化粧品……今年の人気アイテムは“韓流”!?

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丹東の高級大型ショッピングモール、ワンダープラザ。テナントには韓国系のロッテマートが入っている。
 金日成氏の生誕記念日「太陽節(4月15日)」が過ぎた。この日が近づくと、北朝鮮の貿易関係者は、幹部たちへの賄賂の準備で大忙しになる。  まず、一般的な賄賂とは性格が少し違うが、絶対に欠かせないのは平壌・万寿台にある金日成氏の銅像に捧げる花輪と花束。これを怠れば、いくら仕事ができても思想的に問題があるとされてしまい、業務に支障を来しかねない。  それが確保できたら、今度は関係各所の幹部に贈る賄賂用の商品確保に奔走する。中国丹東の情報筋に、最近の人気商品について聞いてみた。 「最近よく売れているのは、韓国製のアンダーウエアやカミソリですかね。冷蔵庫、洗濯機、エアコンも人気です。幹部の妻には韓国製の化粧品を贈ると、覚えがよくなります。高級幹部向け賄賂で人気なのは、ヘネシーコニャックと中国南部で取れるトロピカルフルーツ。北朝鮮では最高級品扱いなので、多少高くても皆さん買って行かれますよ。免税は洋酒1本までなんですが、税関の職員に賄賂をつかませておけば、問題ないです。皆さん、大きなコンテナに洋酒を何箱も入れて持ち込んでいますからね」  彼らがここまで必死になるのは、賄賂が人事査定を左右するからだ。幹部に気に入ってもらえる物を贈っておメガネにかなえば、今後1年は楽に商売できる。それは、私腹を肥やすことにもつながる。  さまざまな事情で、北朝鮮に一時帰国しない在中貿易関係者も、もちろんいる。帰国しないからといって、太陽節をのんびり過ごせるわけではない。太陽節関連のさまざまな祝賀行事があるからだ。  駐瀋陽北朝鮮領事館の指示に従って、行事会場に花を届けて場を華やかに飾り立てることで評価も上がる。もちろん、領事館の幹部たちに賄賂を贈ることも忘れてはいけない。  毎週行われる生活総和(住民が労働党の指示などを学び、 日々の生活を“反省”する会)にまじめに参加していなかった人にとっても、太陽節は名誉挽回のいいチャンスになる。党組織の責任者に賄賂を渡して、“生活に問題がない”というニセの評価書を書いてもらうのだ。  北朝鮮の話ではあるが、あまり他人事のように感じられない向きもいるかもしれない。日本でもつい最近まで、取引先、監督官庁、自社の上司に、お中元、お歳暮を贈るのが当たり前だったからだ。それなりの地位にいる人の家の玄関には、大量の贈り物が積み上げられている光景がよく見られた。  個人情報保護やコンプライアンス順守が叫ばれるようになり、企業社会でのお中元、お歳暮の習慣もほとんど消えてしまった。いささかやりすぎ感はあれども、日本も北朝鮮も、やっていることに変わりはないようだ。 (「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)

「フクシマ怖い!」北朝鮮人も放射能にビビる!?

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オバちゃんたちの弁当。意外と、すごくおいしかったです
 こんにちは。先月、東日本大震災から4年を迎えましたが、地震については北朝鮮でも情報は伝わっていまして、その後の訪朝ではちらほらそんな話も出ました。とはいえ、朝鮮半島においては地震が日常的ではないため、原発事故などの副次的災害にまで話が及ぶことはまずありませんでした。    むしろ韓国などは、李明博前大統領が「日本を反面教師に」と言及し、2030年までに国内に40基建設を提示、中東にも積極的に輸出するなど、さらに強気で原発推進を続けています。取材で韓国の原発をいくつか訪れたことがあるのですが、某原発の担当者が「我が国は地震も津波もなく、何より日本とは炉型が違うため安全である」と強調していたのが思い出されます。  なにせ<原発が安全であること>を示す児童向けの啓蒙漫画に、 「うわー、地震だ! ふう……原発の下まで逃げてきたから、もう安心だ」 という日本では到底考えられない場面があり、そのイケイケぶりを見て取れます。  とはいえ、韓国でも原発ムラ問題、原発関係の汚職や、IAEA(国際原子力機関)基準では事故レベルの不具合が多発したにもかかわらず隠蔽されていたことが発覚するなど、天災よりも「人災」が事故を起こしかねない状態といえます。韓国国民も特に福島原発事故以来、原発には敏感になっており、北朝鮮の人々も例外ではないようです。  平壌から列車で中国の丹東まで行った時の話です。  丹東までは、およそ6時間。車内では暇を持て余し、退屈そうにしている人民が大半の中、隣の部屋から歓声が響きました。 「ウヒョッーーーー!」 「ガッハッハッハ」  のぞき込むと、50~60代とおぼしき北朝鮮のオバちゃんたちが、ずいぶんと楽しそうにトランプ遊びに熱中していたのでした。せっかくの機会なので、同行者らに「あそこと交流しないか」と提案すると、なんと一瞬にして断られてしまい、仕方なく1人で乗り込むことに。私はビールと朝鮮人民の酒の友(?)・乾燥タラを携え、若干の不安を覚えながらも声をかけました。もし拒絶されたら、素直に引き返すつもりでした。
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いざ出陣!
私「ア、ア、アニョハセヨっす」  オバちゃんたちの手が止まり、視線が一斉に集中。あ、やっぱり変だったかな……と後悔すると、意外にも気さくな反応が返ってきました。 「おおー、こっち座んなさい」  オバちゃんたちはだいぶ旅慣れており、素性は語りませんでしたが、事情通によると「中国へ向かう列車内には、中国の朝鮮レストランの労働者なども多い」とのこと。トランプ遊びで一喜一憂するリアクション、いきなりキムチを取り出す姿、会話のノリ、声が無駄にデカい点などが韓国のオバちゃんのそれとまったく同じで、さすが同じ民族であると実感しました。というより、国籍にかかわらず、オバちゃんはもはやオバちゃんという固有種なのかもしれません。  弁当をおすそ分けしてもらったり、ルールのよくわからないトランプ遊びに混ぜてもらい、「弱いね」などとからかわれていると、1人のオバちゃんが問いかけてきました。 「ところであんた、日本から来たんだったら、フクシマは今どうなっているんだい?」 すると、ほかのオバちゃんたちも次々とたたみかけてきました。 「朝鮮にも放射能が来ているんじゃないのかい? 怖いよ」 「日本人は、それで病気にならなかったのかい?」  私は原発に詳しいわけではありませんが、彼女たちを安心させるため、このように軽口を叩きました。 「大丈夫。フクシマは太平洋側です。放射能は太平洋に向かって流れており、朝鮮には来ていません。むしろアメリカに向かって飛んでいるのです、ご安心ください!」 「な~んだ。そうなの、ヒャッヒャッヒャ」  しかし、間髪入れず 「でも南朝鮮の原発もガタがきていて、細かい事故が多発しているみたいです。あまり報道されませんが」 と話すと、水を打ったように静まり返りました。 「……」  地続きである韓国原発についてはさすがにシャレにならないのか、無表情で絶句するオバちゃんたち。乗車疲れか、私の話のせいなのか、オバちゃんたちの口数は徐々に減り、やがて1人、2人と居眠りを始めました。  朝鮮もさんざん核実験や宇宙開発を行っているとはいえ、やはり身近に放射能が迫るのは怖いようですね。そりゃそうだろ……というお話でした。 ●やす・やどろく ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

金正恩氏の偶像化教育に学校混乱「古代神話みたい」「いつ、どこで生まれたの?」

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平城市の金正淑第一高等中学校(本文とは関係ありません)
 北朝鮮の教育現場で、金正恩氏の幼年期の偶像化が始まりつつある。しかし、肝心の教材が曖昧すぎて、現場の教師たちも困っていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。  北朝鮮全国の初級中学校、高級中学校(日本の中学と高校に相当)で、「敬愛する金正恩元帥様の革命活動」の授業が新学期から始まった。  教師たちは配布された「教授参考書」(学習指導要領)に従って授業を進めなければならないが、生徒に配布する教科書の作成が間に合っていないという。  教育に関わる平安北道(ピョンアンブクト)の消息筋によると、教授参考書は1章から4章に分かれており、これに基づいて小学校は20コマ、中高は25コマの授業を行う。しかし、そもそも出来事が年代順になっておらず、「内容も抽象的で、古代神話のようだ」という。  同じく教育関係者で、慈江道(チャガンド)の情報筋は、金正恩氏の生年月日や生い立ち、家庭環境などがまったく触れられていないことによって、「逆に“正恩氏の出自”について、生徒が疑問を持つ結果になっている」と語る。 「生徒は『元帥様(金正恩氏)は、いつお生まれになって、どのような道をお歩きになったんですか?』と質問するが、教師たちはどう答えていいのかわからず、困り果てている」(同)  教授参考書によると、正恩氏は、金日成軍事総合大学入学前に父の正日氏から「外国の軍事大学に留学するつもりはあるか?」と尋ねられたという。これに対して正恩氏は、「私たち『万景台の家門』は事大主義とは縁遠いでしょう」と答えて留学しなかったとされている。これは、「万景台の家門(金日成一族)」は、「外国に頼る(事大主義)」ことはしない、すなわち正恩氏は「自主独立の精神を持ち、それを貫こうとしている」と強調するための逸話とみられる。  しかし、正恩氏がスイスに留学したことは、北朝鮮でも広く知られているエピソードだ。 「(正恩氏の)留学を知っている生徒たちは首をかしげながら、授業内容に疑問を持っている」(同)  果たして、偶像化教育は成功するのだろうか――。 (「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)

カニもマツタケも中国経由で大量輸入中! 日本の北朝鮮制裁が“ザル法”すぎる!?

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中国・延辺朝鮮族自治州・延吉の魚市場。北朝鮮の水差物だが、カニは小ぶり。
 昨年7月から続いてきた日本と北朝鮮の政府間交渉が、暗礁に乗り上げた。理由の1つは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の自宅などへのガサ入れだ。捜査当局は5年前に起きた在日韓国人によるマツタケ密輸の外為法違反事件を名目にしているが、そもそも北朝鮮産品の全面輸出入禁止は「“ザル法”でしかない」と、ある日本人の貿易ブローカーは断言する。拉致問題の日朝交渉をやめるほどのヤマなのか、密輸が横行する実情を知る関係者からは疑問の声も出ている。  日本政府はテポドン発射や核実験強行などの理由から、2006年10月に北朝鮮向け輸出、09年6月からは北朝鮮からの輸入を全面禁止とする独自の制裁を始めた。制裁前の06年貿易統計では、カニ約6億円、マツタケは約7億円分が北から日本に輸入されていた。こうした利益を北に与えない、経済制裁の一環だった。  現在はどちらもゼロだが、日本と中国、北朝鮮を行き来する貿易ブローカーは「北朝鮮のマツタケ、カニは圧倒的に仕入れ値が安い。箱を詰め替えて、『中国産』として出荷している。中国の市場に行くとよく分かるが、北朝鮮産のカニやマツタケの一級品はあまり置いていない。優先して日本へ輸出しているからだ」とほくそ笑む。  北朝鮮は、中国からありとあらゆる物資を輸入しているが「衣料品やタバコ、酒は、中国製品より圧倒的に日本製品のニーズが高い。女性用下着なんて、北の外貨ショップに行くと、日本円の値札やタグが付いたまま販売されている」(同)。
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北朝鮮の外貨ショップにあったブラジャー。日本のタグがそのままで販売。
 ブローカーによると、日本からまずは中国に向けて輸出し、ブローカーが北朝鮮向けの荷物に積み替える。最近はお菓子や調味料といった安価な物まで日本製品が席巻し、ステータスのある贈答品としてよく売れているという。  平壌の外貨ショップには日本の商品があふれ、日本の食卓には中国産と称した北朝鮮産のカニやマツタケが並んでいる現実――。“密輸”は難なく日本と中国の通関をくぐり抜ける。  一方、直接北朝鮮から届く郵便物には、日本の税関当局によって徹底した検査が入る。日本に住む在日朝鮮人の30代男性は「どう見ても手紙しか入っていない薄い封筒なのに、100%中身を開けられている。年末、向こうの祝日が印刷されたカード型カレンダーと手紙を送ったと連絡があったが、手紙ごと没収された」と、ヘンなところに労力を割く日本の税関に腹を立てる。
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手紙でも北朝鮮からの郵便物であれば、税関が開封する。
 行き詰まる日朝交渉に、男性はこう苦言を呈する。 「ザル法で両国の交渉がつまずくぐらいだったら、ないほうがいい。マツタケやカニはもっと安く買えるようになるし、今のままだと、手間賃を抜く“密輸”ブローカーだけが儲かる構図だ」  拉致問題解決を阻む、日本政府の経済制裁。その実態把握と抜本的な見直しが望まれる。 (文=金正太郎)

脱北少年に聞く、北朝鮮イマドキ10代のおしゃれ事情「国が配給する制服なんてダサくて着られない!?」

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 先月、北朝鮮の海外向け週刊新聞「統一新報」が、北朝鮮の学生服のデザインとカラーが30年ぶりに変わったと伝えた。金正恩氏が学生たちの制服についても気を配る「人民大衆に優しい指導者」というイメージを打ち出すためだ。  北朝鮮当局は、こうした宣伝を通じて学生たちの忠誠心を育もうとしているが、そもそも10代のファッション事情とはどのようなものなのだろうか?  デイリーNKは、昨年10月に脱北したリ・チョルフン君(10代仮名)に話を聞いてみた。 ――2月に北朝鮮が新しい制服を発表したけど、どう思う? 「色は明るくなったけど、やっぱりダサいかなぁ。もともと制服の色は濃紺だけど、男子は“黒色の制服”を好みます。特に明るい色を嫌がりますね」 ――どうして黒い制服が人気なの? 「政府の幹部連中がよく着る“詰め襟服(人民服)”が黒いから、“黒は高級”というイメージがあります。女子も黒は好きですが、やはり中間色を好みます。グリーン、グレー、ブラウン、紺など。女子の上着の色は悪くないけど、赤紫なのはちょっと嫌がられるかな」 ――制服のシルエットは? 「ズボン太すぎ(笑)。中3にもなれば、外見に気を使います。細身のズボンをはきたがりますよ。でも、女子の制服は、社会服(学校を卒業した成人女性が着る服)みたいで悪くないと思います。女子学生は、わざわざセーラー服に仕立てたり、夏には鮮やかな色の制服を着ます。ジーンズに似せた“韓流風の制服”も人気です」 ■北朝鮮の制服事情  ここで、北朝鮮の制服事情について少し解説しよう。北朝鮮で学生服は1959年から無償配給され始めた。77年の金日成65歳の誕生日より、全国の幼稚園から、小・中・高・大学までのすべての生徒・学生に、靴、バッグ、タオル、学用品を含めた制服上下セットが、「贈り物」として配給された。  この「贈り物」は80年代末までに3年ごとに実施されたが、90年代の食糧難時代からは中断された。ところが、2007年の金正日氏65回目の誕生日からは、制服は「有償配給」になる。  これも、3年ごとで1着5,000ウォン(現在のコメ価格1キロ分)だった。しかし、国家から配給される学生服は生地の質が悪く、学生たちからは不評を買った。  これに目を付けた商人たちが、市場で「学生服に似せた服」の販売を始めると瞬く間に広まり、7割以上の学生が市場で「制服」を購入するようになった。  北朝鮮当局の制服が市場の制服に負けた格好だが、当局も学校側も、この流れを食い止めることができなかった。 *** ――国や学校から配給される制服を着なければ、学校で怒られるんじゃないの? 「配給制服は、いやでも無条件購入です。でも、それを着るか着ないかまでは、さすがに学校側も取り締まれないんです。あんなダサい制服を着たら“人間の価値が下がる”とまで言われるぐらいですから(笑)。今では、教員の子どもでも配給制服は着ないです」 ――では、配給制服を着たらいじめられる? 「3割ぐらいの金銭的に余裕のない家庭の学生は、配給制服を着ます。金持ちの学生は、わざわざ市場であつらえますよ。この時期、3月末からは新制服に似せた服が市場で売り出されると思います」 ――値段はどのぐらい? 「配給制服は5,000ウォン(米1キロ分)だけど、市場で売られている服は3~4倍くらいしますね」 ――普段は、どんな服を着るの? 「男子も女子も、一番多いのはジャージです。ジーンズも人気ですが、学校の青年同盟指導員(風紀委員みたいな存在)が目を光らせていて、バレようものなら大目玉。それだけではなく、脱がされてハサミでズタズタに切られてしまうことだってあります」 ――女子は、ジャージ以外ではどんな服が人気? 「女子は、やっぱり体のラインが出るタイトな服を好みます。高いヒールは、平壌の女性には人気があるみたいですが、女子学生はあまり履かないかなぁ。ブーツも履いていたら指導員がうるさいので、スニーカーや低めのヒールの靴を履きます」 ■「覇気ヘア」は、本当に大流行しているのか? ――ヘアスタイルは、どんなのがはやってるの? 総連(在日本朝鮮人総連合会)の報道では、金正恩氏みたいな髪形「覇気ヘア」が大流行と伝えられていたけど? 「ヘアスタイルについては、一番取り締まりが厳しいです。男子は、無条件に“覇気ヘア”にしなければなりません。後ろを刈り上げず、前髪を伸ばしているのが青年指導員に見つかったら警告を受けます。それでも切らなければ、バリカンで虎刈りにされてしまいます」 ――女子は? 「女子のヘアスタイルは比較的自由です。長く伸ばす時は、後ろでまとめるように指導されます。しかし、古臭いと男子にからかわれるので、取り締まりされない程度に切ります。長い髪に髪留めをつけたりするけど、派手なリボンだったら注意されます。韓流や金正恩氏の夫人・李雪主さんの影響もあってか、ショートカットは人気ですね。ストレートパーマをかけたりする女子もいますよ」 ***  外の世界から見れば地味に見える北朝鮮の学生たちだが、「ダサい制服」に抵抗して、ささやかな「おしゃれ闘争」を繰り広げていた。男子も女子も、年頃になればおしゃれに敏感になるというのは、万国共通のようだ。 (「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)

“金づる”中国人ツアー客を狙い撃ち! 北朝鮮の最新お土産事情「北海道名物のアレも!?」

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中国客向けの土産物店=北朝鮮新義州市
 3月上旬、北朝鮮は外国人に対して実施していたエボラ出血熱対策の入国制限を解除した。事実上、昨年10月から鎖国状態となっていたが、ここへきてようやく受け入れを再開した。だが、春節はすでに終わり、貴重な外貨収入が期待できる「爆買い」中国人ツアー客の恩恵は受けることができなかった。それでも北にとって、中国人観光客が金ヅルになっているのは紛れもない事実。北の土産物屋で並ぶグッズを探ると、「これでもか」というほど、スゴいシロモノが売られていた。  中国人向けの北朝鮮ツアーは、日帰りから数日間の本格的な周遊まで、多様なメニューが用意されている。ツアー代金は日帰りだと250元(約5,000円)から。宿泊が伴う場合は1,000~5,000元(約2~10万円)以内で行けるため、気軽な海外旅行先として人気を集めている。
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中国の旅行社が募集する朝鮮ツアーのポップ
 一方で、北朝鮮にはモノがない。最新鋭の炊飯器やカメラといった、「爆買い」中国人が好むアイテムは皆無だ。  そんな中でも生きるためには金儲けをしなきゃならんワケで、南部の大都市、開城(ケソン)特産の高麗人参や関連のお茶、健康食品、医薬品は土産物としてわりと人気があるという。
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漢字表記の多い朝鮮人参の土産物
 筆者が入手した中国人観光客が撮影した北朝鮮国内の写真には、「高麗人参」とばっちり漢字表記がなされていた。  中国人は、健康にバチッと効きそうな薬を好む。とある北の製薬メーカーは「糖尿病、腎臓病、高血圧、脳卒中、インポテンツ……」など、すさまじい効能書きのある薬品を開発し、土産物屋に陳列していた。
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怪しい万能薬「金糖-2」
 それが「金糖-2」注射薬だ。液体の入ったガラス製のアンプルを注射するという面倒くさい使用方法だが、ポスターには「無病長寿に効果あり」「鳥インフルエンザにも効きます」といい、事実であれば、鳥インフルがパンデミックした時に世界を救う特効薬になるかもしれない。  万能薬はこれだけではない。「パソコン疲れの目に効く鉱石」「血を浄化する指輪」など、1980年代のロールプレイングゲームを思い出させるアイテムもある。わが国のコエンザイムQ10もびっくりだ。
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どこかで見たことのある、木彫りの熊と豚
 元手のいらない木工製品も多い。入手した写真で驚かされたのは、昭和の家庭で一家にひとつはあった「木彫りの熊」の存在だ。シャケをくわえた木彫り熊。田中義剛の花畑牧場の台頭で、北海道土産としては最近ではすっかり見かけなくなったが、今は中国人向けの『北の国から』土産として、主力になっているようだ。 (文=金正太郎)

意外にシンプルでフランク!? ゴチャゴチャ悩んだら……「北朝鮮の人に人生相談」のススメ

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 こんにちは。今回は「北朝鮮の人に人生相談をしたらどうなるか」という話をしたいと思います。同じ相談内容であっても、相談する人のお国柄によっては、まったく違う解釈による答えが返ってきますよね。同じ国籍ですら千差万別なのですから、当然ですね。では、それが北朝鮮の人だった場合、どうなるのか――。 【相談内容1】 「好きな人ができません」 回答 「好きな人ができないのは、情熱的に生きていないからだと思う。熱く生きていれば、いずれは現れると思う」(20代女性) 【相談内容2】 Q「お金が貯まりません」 A「なぜだ? 何に使っているのだ」 Q「いろいろと……。まず、携帯電話料金がかかります。その他保険、税金、家賃、交通費、交際費、通信費、光熱費、親への仕送りなどもろもろ」 A「よくわからんが、それで何が不満なのだ?」 Q「先ほどのは必要経費ですが、そのほかにいろいろとかかるんです。例えば月に500円払うと情報サイトの記事が読み放題だったり、ネットで漫画が読めるのでその基本料金、あと月額3,000円程度でビデオが見放題だったりするサービスがあるんです。とかいって、まあほとんど利用する機会がないんですけどね。あと突然の交際費だったり、服飾費、書籍代とか。あっ、あと“今月は○万円残ってるから、旅行申し込んだりセミナー受けちゃおっかな”とか」 A「その、基本料金なんちゃらというのがよくわからない。サービス内容もなんだかよく理解できないが、そこまで必要なのか? さらに、ほとんど使っていないのであれば無駄ではないか。交際費っていうのは、飲み代か? セミナーというのは、何を習うのか知らないが、それをしないと生活が苦しくなるのか? 本当は自分でわかっているじゃないか。金の使い方は思想の反映だ。お前には無駄な思想があるのだ。日常が、不必要な概念で埋め尽くされているのだ。本当に必要なものには、逆にめったに金を使うことはないのだ。それは金で解決できないからだ」(40代男性) 【相談内容3】 「付き合っている人がいたのですが、別れました」 回答 「もともと合っていなかったということだ。結婚までいかずに別れたということは、付き合ったうちに入らない」(50代男性) 【相談内容4】 「北朝鮮に来てから体の調子がずっと悪いです」 回答 「普段からちゃんと食わないからだ。我が国の女を見ろ。よく見たら、みんな足腰がゴツくて小太りだろ。お前は痩せすぎだ」(40代男性)  お次は、少し長くなりますが、個人的な話です。私にはどうしても行きたい国がありましたが、北朝鮮パスポートでは通常入国ができませんでした。入国には難民申請並みに大量の身元証明書類が必要で、その要件にも巧妙なトラップがかかっており、そろえるのは事実上不可能に近いというものでした。    それでも挑戦するのであれば、試算で10万円以上の費用が必要と出たのですが、反骨精神に火がついた私は、要求された通りすべての書類を気合でそろえました。ちなみに、精神を軽く病むのでオススメしません。ですが、結果は2回にわたりNO。その上「二度とビザを申請するな」とまで言われてしまったのでした……。  通常はそこで心が折れるところですが、そこまで拒絶されると、逆に泳いででも入国してやりたい気持ちが暴走し、勝利条件を「何がなんでも入国」に設定した私はうわ言のように「入国、入国、さっさと入国……」とつぶやくようになっていました。ここらへんはウソですけど。  そこで登場した選択肢が、日本国籍の取得または韓国パスポートの取得だったわけです。日本国籍取得はさておき、私の場合は本籍地が朝鮮半島の最北であり、その上、韓国側の親族とは縁がなく、当時は渡航したこともなかったので抵抗感を禁じ得ませんでした。それで長期間かけて日本人、同胞問わず、たくさんの人に相談しました。 「世界には、もっとひどい立場の難民がいる」 「そんなこと言ったら、三都主(アレサンドロ)やハーフナー・マイクはどうなる」 「サウスだろうがノースだろうが、外国から見たら区別がつかない」 「人生は短い。自己実現のために国籍を変えるのは罪ではない。ましてや、北か南かだけの差だというのに」  結局、決定打になったのは、「分断されているうちはどっちも正式な国とは言えないから、どっちでもよい」という身内の言葉でした。  とはいえ、心情的には簡単に割り切れるものでもなく、その後もゴチャゴチャと悩んでいました。ほかにも某国入国管理局とのやりとりなど、書き切れないエピソードがありますが、今回の趣旨とは無関係なので割愛します。  そこで訪朝時、バーで一緒に飲んでいた案内員に、その一部始終を話しました。北朝鮮の人は私のようなケースにどう反応するのか試してみたい気持ちと、話すことでなんらかの理解を得たいという気持ちが半々でした。すると早速、同席していた在日コリアンのテレビ局員(※生まれながらの韓国籍者)が「お前、そんなことで変えるなんて、どうかしてるな。この裏切り者!」という趣旨のことを言ってきましたが、案内員の一声で話は終了しました。 案内員「えっ、別にいいじゃん。そういうのは」  まさかの一言スルー。人生相談というより、私の単なるこだわりの吐露でしたが、北朝鮮当局の人にそう言われたおかげで心が少し軽くなったような気がしたのは確かです。韓国籍を奨励しているわけではないでしょうが、私の語りぶりが面倒くさくて早く終わらせたかったのかもしれません。  「仕事上、そうせざるを得ない人がいるのも理解してる」「気持ちが大事だから」とも言っていましたが、私が長い間、夜も眠れないほど悩んだのは一体なんだったのかと、少し拍子抜けしました……。ほかの案内員も同様のことを言っていたので、次回機会があれば、彼らの国家と国籍観について深く聞いてみたいと思います。  以上、北朝鮮版人生相談でした。もっと込み入った相談がしたいという方は、次回訪朝できた場合に聞いてみたいと思いますので、ご連絡ください。怒られない範囲で聞いてきます。人選はランダムになります。 ●やす・やどろく ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

北朝鮮孤児院で教師が少女17人を強姦! 越境逃亡で逮捕の被害少女「連れ戻されると殺される!!」

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 北朝鮮・中朝国境地帯の孤児院で暮らしていた少女ら少なくとも17人が、施設の教師2人に強姦される事件が発生し、当局も市民も激しいショックを受けていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。  事件が起きたのは、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市の恵山中等学院。  2月22日の昼ごろ、施設から脱走した少女3人が鴨緑江(アムノッカン)を越えて中国に逃げ込もうとしていたところを、北朝鮮国境警備隊の隊員に逮捕された。  内部情報筋によると、逮捕された少女たちは、多くの市民が見守る中で「学院に連れ戻されると殺される」と大声で泣きわめいたという。  この話が恵山の街全体に広がり、施設に対する疑惑が高まった。両江道当局は調査に乗り出し、24日に恵山中等学院の体育教師2人を逮捕した。これで事件は一段落するかと思いきや、彼らの犯行の一部始終が明らかになると市民たちの怒りが爆発した。  道の人民保安局が被害に遭った少女たちから事情を聞いた結果、体育教師2人は中等学院に在学中の少女ら、少なくとも17人を強姦していたことが明らかになったからだ。  被害に遭いながら、施設側の報復を恐れて名乗り出ていない少女はほかにもいるとみられており、さらに今回逮捕された少女3人は妊娠していたという。  内部情報筋は「自分の意思を伝えられる年齢の少女たちもあんな目に遭っていたのに、愛育院や育児院にいる幼い子どもたちは、どんなひどい目に遭っているかわからない。中央の徹底的な調査と厳罰が必要だ」と憤る。  恵山では昨年11月にも、恵山愛育院で育てられていた孤児3人が洗濯用の苛性ソーダを誤飲して死亡する事故が起きるなど、子どもたちのための福祉施設での深刻な事態が続いている。 (「デイリーNKジャパン」<http://dailynk.jp>より)