野村総研、社員によるワイセツ被害女性を“逆に”訴えた恫喝訴訟で実質上の全面敗訴

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 「上戸彩の“つくり方”」芸能プロ大手オスカー幹部に聞く…恋愛禁止ルールは必要 市販薬で効く育毛剤はリアップだけ? 人がハゲるワケとその有効策【前編】 MKタクシー、低運賃の秘訣はブラック体質?経費全額ドライバー持ち、過酷研修? ■特にオススメ記事はこちら! 野村総研、社員によるワイセツ被害女性を“逆に”訴えた恫喝訴訟で実質上の全面敗訴 - Business Journal(2月1日)
「Thinkstock」より
「ブラック企業アナリスト」として、テレビ番組『さんまのホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、「週刊SPA!」(扶桑社)などでもお馴染みの新田龍氏。計100社以上の人事/採用戦略に携わり、あらゆる企業の裏の裏まで知り尽くした新田氏が、ほかでは書けない、「あの企業の裏側」を暴く!  日本を代表するシンクタンク・株式会社野村総合研究所(以下、野村総研)の幹部が、2007年12月に取引先の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働いたとされる、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」。野村総研がわいせつ行為の被害者へ起こしていた民事裁判は、同社が無条件で訴えのすべてを取り下げ、実質上の同社全面敗訴となり終了した。今後は、同社の被害者の支援活動をしている人に関する裁判が残るのみだが、これも同社は裁判所から「いい加減まともに前提を立証(証明)しなさい」と言われている内容すらも立証できずにおり、見通しは暗い。  概要としては、野村総研の上海支社副総経理(当時、日本の副社長に相当)のY氏が、取引候補先の女性社員を誘い出し、酒を飲ませ酔わせて、帰路に就く女性のタクシーに乗り込んできて、女性が家に着くとY氏が上がりこんで抱きつき、キスまで迫った事件。  この女性は必死に抵抗したためにそれ以上の被害は免れたものの、ほかにも上海の大学で開催されたミスキャンパスのイベントに際し、Y氏は野村総研と三菱商事が共同出資するグループ企業「iVision Shanghai(アイビジョン上海)」(中村柔剛総経理代理:当時)を通じ、同社会計からの協賛金の拠出やイベント用ウェブサイトの無償構築をイベント主催企業社長へ打診。その見返りに、イベントプログラムの中に水着撮影コーナーを設けることを提案し、Y氏自らがカメラマンとして参加。さらにコンテストに参加した女子大生らを、Y氏個人の旅行に同伴させていたという。  この事態を知った野村総研は、「Yは恋愛と思ってやった、ミスキャンパスは手伝おうと思ってやったことだ」と主張してY氏になんの処分もしないことを決定し、さらにY氏を被害者女性たちの近辺に配置しない要求についても拒絶。そしてY氏自身は被害者女性たちが求める謝罪も、本人たちに近づかないという誓約も拒絶し続けている。  その後Y氏は、JALや東方航空の客室乗務員、他社の女性社員へ、意識を失わせた上で性行為や強制わいせつ行為を行っていた疑惑が発覚。さらに上海でY氏が無免許の飲食店舗を経営し違法操業を行わせている事実、マカオにてY氏とアイビジョン社のメンバーとで集団買春を行っているなどの、公序良俗に反する事実も発覚した。その証拠を押さえられて通知をされた野村総研は、今度はなんら十分な証拠もなく、被害者女性までを民事裁判で訴え、「法人の精神的苦痛」として1000万円以上もの巨額の金銭を個人に要求したのが、この野村総研の裁判だ。そのため、当初から本裁判は「被害者個人を黙らせるための恫喝目的である」という見方が大半を占めた。 ●スーパーフリーが使った恫喝訴訟と同じ手口  このような恫喝のために裁判の権利を悪用する手口は「恫喝訴訟(SLAPP)」と呼ばれ、日本では早稲田大学の学生を中心としたレイプサークル「スーパーフリー」が行っていたので有名となった手口である。  性犯罪のような犯罪は「親告罪」といって、被害者が訴えないと犯罪として立件できない。そこで性犯罪者側は民事裁判制度を悪用して、被害者が親告するのを妨害するのだ。具体的には、 ・立場の弱い個人の被害者に対し、「性犯罪など事実無根で、名誉棄損だ」と逆に訴える ・「名誉棄損の賠償金」名目で、法外で巨額な金銭請求などを行う ・裁判になると、被害者の個人情報も公開されることになるため、被害者個人に精神的な苦痛を与える ・裁判を長期化させて、被害者に弁護士費用の負担をかけさせ、経済的に苦しめる と、被害者にとっては実に都合が悪い手口なのである。しかも、このように民事裁判が長引いてしまうと、警察も検察も民事裁判の結論が出るまでは動きにくくなるため、刑事事件として立件に至るまで時間稼ぎができることになる。また裁判所では裁判官が多忙であるために判決を書くのを嫌がることが多く、被害者にも和解を求めてくるケースが多いため、それを利用して和解の成立を狙い、親告罪が成立しないようにする効果もあるのだ。  野村総研による今回の訴訟は、どう見られるべきものなのだろうか? 都内の弁護士に聞いた。 「訴訟資料を確認しましたが、こんなまともな根拠が何もない内容で、野村総研は被害者に対して提訴までしており驚きました。そして、野村総研は無条件で訴えを取り下げていますが、これは実質的に完全敗訴です。和解もせずに取り下げることは、訴えに理由が認められず、この裁判で勝てる見込みがまったくないことを自ら認めたと言ってよいでしょう。裁判経緯を見ると、野村総研側は全面敗訴が予想される中で、その判決を受けるのが嫌で、訴えの取り下げをして逃げたのだと思います」 ●野村総研は謝罪、防止策を一切拒否  野村総研はこれまで、 「恫喝訴訟などではないのは明らか」 「原告(野村総研)の主張が認められるのは明らか」 だと、担当している弁護士4名を通じて裁判書面でも強硬に主張していたが、そこまでしたにもかかわらず、結局、無条件全面取り下げによる実質上の全面敗訴となったのだから、もはや恫喝目的の訴訟だといわれても仕方がないだろう。  訴えを取り下げた上で、被害者側への謝罪と犯罪的行為の防止措置をとっているというなら、野村総研の行為は企業としてのモラルがあるようにとれるが、取材した結果、野村総研は現在も被害者側への謝罪を拒絶したままであり、さらにY氏の処分も被害防止のための異動も拒絶し続けたままだという。  この裁判における、野村総研側の対応は、ひどいものだった。同社側は当初より「事実と違う」と述べており、被害者に対して巨額の「損害賠償金」を請求していたわけだが、その「事実無根であることの証明」も、「損害の立証」も、まったくできていなかった。さらに同社側は「相手(被害女性)がもう反論しないというなら、われわれの主張を書面で出す」という、後で嘘が露呈して弾劾されることを怖がった主張をしてきた。それも裁判所に認められず、提訴から約1年もたった2012年4月16日にようやく出してきた主張書面で、今度は被害額については「野村総研という法人の精神的損害なのだから立証の必要はない」という主旨の主張を行ってきたのだ。  法人の精神的苦痛といっても、その相場はせいぜい数十万円の前半であり、1000万円以上の請求とはいかにも法外な金額だ。野村総研の担当弁護士たちは日本4大法律事務所の一角、森・濱田松本法律事務所に所属しており、相場を知らないはずがない。この、故意に不当な請求をしている問題もクローズアップされ、本サイトでも報じている。  すると報道を受けて慌てたのか、野村総研は今度は2012年7月2日付で人事部のT氏の陳述書として「実は精神的苦痛だけではなく、野村ホールディングスやIYホールディングスがかけられた実損の損害だ、さらにインターネット上の書き込みの調査・監視を強いられたから、その費用を被害者に請求しているのだ」という主旨の主張を行ってきたのだ。 ●まともな証拠がない  これについて、本資料を確認した都内の弁護士はあきれて言う。 「裁判で実損を請求して認められるには、違法性だけではなく、その損害の発生や因果関係、金額算定根拠を立証しなければいけません。しかし、本件では性犯罪者側が被害者側に対して損害賠償を求めており、そもそも違法性はもちろん、損害の発生も因果関係も何もまともな証拠がないのであって、こんな請求が認められるわけがないでしょう」  挙げ句に野村総研がネットの監視を勝手にしていると主張して、その費用を請求しているのだから、もはや笑い話のレベルといえる。  この裁判の弁護士は、森・濱田松本法律事務所の労働法とM&A専門のパートナー弁護士である高谷知佐子、上村哲史、山内洋嗣、増田雅史弁護士の合計4名の弁護団。ちなみにこの高谷弁護士は、オリンパス社で内部告発したことがきっかけで、不当な人事配置による報復をされたとした社員が同社と争った裁判で、オリンパス側の代理人となり、最高裁で全面敗訴となった弁護士だ(2011年8月31日東京高裁判決等)。その後、2012年1月27日、東京弁護士会はオリンパスに対して人権侵害警告を行っている。  その同じ弁護士が今度は野村総研の代理人としても、法外な請求を被害者に行った挙げ句、実質上の全面敗訴が確定したのだから、痛い黒星となっただろう。現在、高谷弁護士は、市民団体から懲戒請求も出されている。  本裁判結果について野村総研に取材し、被害者側への謝罪をしたのかも含め文書で取材依頼を送付したが、期日までに回答はなかった。  また、野村総研が本裁判で「被害を与えられた」と実損を主張している野村ホールディングスやIYホールディングスには、今回の同社の実質上の全面敗訴を伝えた上で、同社に対し不適切な行為を慎むように何か対応をされるのか、もしくはされたのかについて文書で取材を申し入れたが、両社からも期日までに回答は得られなかった。  大企業が個人に恫喝訴訟を行った挙げ句、その手口の実態が露呈し、実質上の全面敗訴が確定した本裁判では、今後の展開と野村グループ各社の対応に注目が集まっており、本サイトでも続報予定である。 (文=新田 龍/ヴィベアータ代表取締役 ブラック企業アナリスト) ■おすすめ記事 「上戸彩の“つくり方”」芸能プロ大手オスカー幹部に聞く…恋愛禁止ルールは必要 市販薬で効く育毛剤はリアップだけ? 人がハゲるワケとその有効策【前編】 MKタクシー、低運賃の秘訣はブラック体質?経費全額ドライバー持ち、過酷研修? B787事故でGSユアサはスケープゴート?ソニー他はLi電池正念場で事業統合へ TSUTAYA、独占レンタルを倍増…ゲオの1本50円に高値戦略で対抗?

野村総研強制わいせつ事件の"恫喝"裁判がいよいよ佳境

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) "熱愛"西武涌井は「謝罪しない」と言うべきだった? 野村、インサイダーでも課徴金なし!?根絶のカギは密告 沢尻大麻疑惑、たかのビューティ「今後のCM契約は未定」 ■特にオススメ記事はこちら! 野村総研強制わいせつ事件の"恫喝"裁判がいよいよ佳境 - Business Journal(6月8日)
post_234_20120607.jpg
超自己チュー"野村総研の業界での評判は
すこぶる悪い。(「Thinkstock」より)
  日本を代表するシンクタンク企業「株式会社野村総合研究所」(以下、野村総研)の幹部が、2007年12月に取引先の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働いたとされる、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」の裁判が大きな節目を迎えている。事件の詳細については「日刊サイゾー」の過去記事をご参照頂きたい。  そもそも、性犯罪絡みの裁判といえば通常、被害者女性が加害者を訴える構図がイメージされるが、この裁判はまったく逆。加害者側であるはずの野村総研が、被害者の女性と、女性を支援して野村総研を告発していた友人を相手取り、「告発により社の名誉が棄損された」として約1000万円の損害賠償を求めているものだ。一部ネット上では「大企業の逆ギレ訴訟」「一般女性相手の恫喝訴訟」と話題になった。  ところが、原告である野村総研側が、公判を何度重ねても具体的な証拠をまったく提示できないため、たまりかねた三角比呂裁判長が今年4月の第4回公判で、ついに「審理の分離」【註1】を宣言。被告の一人である女性が裁判の審理から外れることになったのだ。裁判は今後、もう一人の被告である「女性を支援していた友人」に絞られて進められることになるが、「被害者女性を訴えた野村総研とすれば、事実上の敗訴の確定」(傍聴者)との声もある。  もともとこの裁判は、大企業である野村総研が、被害者側の一般女性を相手に裁判を起こしたという特殊性に加え、賠償額が約1000万円と極めて高額であったため、当初から「恫喝を目的とした訴訟ではないか」との批判が少なくなかった。  しかも、金額の根拠を求める被告側(被害者側)への説明にも時間がかかった。当初は取引先からの信用失墜などによる損害棄損などと主張しながら、裁判の過程でそれを立証できなかったため、提訴から1年近く経過してようやく、損害は野村総研という法人としての精神的苦痛であり、精神的苦痛は金額の損害立証の必要がないという、訴状にも記されていない趣旨に変更するというドタバタぶりを露呈したのだ。これにあきれるのは公判を傍聴し続けている法曹関係者だ。 「法人の精神的苦痛を漠然と認めろというのは、無理がある話です。どうしてもというなら、会社が受けた営業補償分や従業員の損害分、名誉回復のコストなどを積算して請求するべきですが、それもできていない。挙げ句に訴状に載ってもいない請求内容に慌てて変えている。百歩譲って裁判所が今回、訴えの変更を認めて法人の精神的苦痛を認定したとしても、相場の金額は数十万円程度。簡裁が管轄するような規模の話です。1000万円という金額は常識外。今回の提訴が恫喝目的であるとの印象は拭えません。また、明確な根拠もないのに1000万という数字を設定した野村総研側の弁護士の手法も、問題視されることになるのではないでしょうか」  では、今後の見通しについてはどうなのか。先の関係者が続ける。 「このたびの審理の分離を受けて、追い詰められた野村総研側はとうとう『話し合いの場を設けたい』と言いだしました。かといって謝罪や慰謝料は考えていないでしょう。おそらく和解条項案を女性に送りつけて、『提訴を取り下げてやるから、裁判のことをメディアにも友人にも口外するな、取材など受けたら訴える』くらいの対応でしょう」  それにしても、よりによって被害者の女性を被告に提訴しておきながら、公判で証拠も提出できないという迷走ぶり。大企業の訴訟戦略としては稚拙というしかないが、この野村総研側の代理人として訴訟を指南しているのは、日本の四大法律事務所の一つ「森・濱田松本法律事務所」(東京都千代田区)に所属するベテラン女性弁護士だ。会社法務の専門としてメディアへの露出も多いが、現在も市民団体から懲戒請求が出されているなど、その手法はしばしば物議を醸してきた。  例えば、昨年8月に精密機械大手のオリンパス(東京都新宿区)の社員が内部通報を理由に配置転換されたと訴えた裁判で、東京高裁は二審でオリンパスに対し220万円の損害賠償を命じ、さらに東京弁護士会からも「オリンパスの行為は人権侵害にあたる」として「人権侵害警告書」が同社に出されるなど、企業として多くの問題点が指摘されたわけだが、この時の代理人として背後で訴訟を指南していたのが、実は同じ女性弁護士だ。オリンパスの件でも、多くの矛盾を抱えた裁判戦略を一貫して主導してきた立場として、一部の法曹関係者からは批判の声が上がっていたという。  大手企業が大手法律事務所の名の知れた弁護士を使い、組織の不祥事を隠蔽するために一般の女性を恫喝訴訟【註2】しているとすれば、事態は極めて深刻だ。コンプライアンスという言葉が世に浸透した今、企業や法曹関係者の社会的責任の意味を考え直す意味においても、本案件における裁判所の今後の対応に多くの注目が集まっている。 (文=浮島さとし) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 "熱愛"西武涌井は「謝罪しない」と言うべきだった? 野村、インサイダーでも課徴金なし!?根絶のカギは密告 沢尻大麻疑惑、たかのビューティ「今後のCM契約は未定」 寝てる間に35万円稼ぐ!?独立して成功する人のカラクリ 話題本『米国製エリートは本当にすごいのか?』はすごい? JR、東急...肝入り「駅ナカ保育所」は犯罪、事故密集地帯? リボ払い、実はキャッシングやローンより大損!のカラクリ 【註1:審理の分離】 ある審判事件が他の審判事件と関連性がないと認められ、同一の手続きで審判する必要がないだけでなく、かえって審理の複雑化や遅延の原因になっていると認められる場合に、裁判官の裁量によって審理を分離し、個別の手続きによって審理することがある。 【註2:恫喝訴訟】 資本力のある大企業などが自社に不都合な事実を隠ぺいするため、社会的立場の弱い個人への嫌がらせを目的に起こす高額な損害賠償訴訟を指す。被告とされた個人は莫大な訴訟費用の負担や精神的苦痛を強いられるため、企業側は裁判の勝ち負けにかかわらず、訴訟を起こすことで個人を追いつめ、結果的に事実の隠蔽を図ることが可能となる。アメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation=スラップ)とも呼ばれ、現在では多くの州で反SLAPP法が制定されている。

野村総研強制わいせつ事件の"恫喝"裁判がいよいよ佳境

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) "熱愛"西武涌井は「謝罪しない」と言うべきだった? 野村、インサイダーでも課徴金なし!?根絶のカギは密告 沢尻大麻疑惑、たかのビューティ「今後のCM契約は未定」 ■特にオススメ記事はこちら! 野村総研強制わいせつ事件の"恫喝"裁判がいよいよ佳境 - Business Journal(6月8日)
post_234_20120607.jpg
超自己チュー"野村総研の業界での評判は
すこぶる悪い。(「Thinkstock」より)
  日本を代表するシンクタンク企業「株式会社野村総合研究所」(以下、野村総研)の幹部が、2007年12月に取引先の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働いたとされる、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」の裁判が大きな節目を迎えている。事件の詳細については「日刊サイゾー」の過去記事をご参照頂きたい。  そもそも、性犯罪絡みの裁判といえば通常、被害者女性が加害者を訴える構図がイメージされるが、この裁判はまったく逆。加害者側であるはずの野村総研が、被害者の女性と、女性を支援して野村総研を告発していた友人を相手取り、「告発により社の名誉が棄損された」として約1000万円の損害賠償を求めているものだ。一部ネット上では「大企業の逆ギレ訴訟」「一般女性相手の恫喝訴訟」と話題になった。  ところが、原告である野村総研側が、公判を何度重ねても具体的な証拠をまったく提示できないため、たまりかねた三角比呂裁判長が今年4月の第4回公判で、ついに「審理の分離」【註1】を宣言。被告の一人である女性が裁判の審理から外れることになったのだ。裁判は今後、もう一人の被告である「女性を支援していた友人」に絞られて進められることになるが、「被害者女性を訴えた野村総研とすれば、事実上の敗訴の確定」(傍聴者)との声もある。  もともとこの裁判は、大企業である野村総研が、被害者側の一般女性を相手に裁判を起こしたという特殊性に加え、賠償額が約1000万円と極めて高額であったため、当初から「恫喝を目的とした訴訟ではないか」との批判が少なくなかった。  しかも、金額の根拠を求める被告側(被害者側)への説明にも時間がかかった。当初は取引先からの信用失墜などによる損害棄損などと主張しながら、裁判の過程でそれを立証できなかったため、提訴から1年近く経過してようやく、損害は野村総研という法人としての精神的苦痛であり、精神的苦痛は金額の損害立証の必要がないという、訴状にも記されていない趣旨に変更するというドタバタぶりを露呈したのだ。これにあきれるのは公判を傍聴し続けている法曹関係者だ。 「法人の精神的苦痛を漠然と認めろというのは、無理がある話です。どうしてもというなら、会社が受けた営業補償分や従業員の損害分、名誉回復のコストなどを積算して請求するべきですが、それもできていない。挙げ句に訴状に載ってもいない請求内容に慌てて変えている。百歩譲って裁判所が今回、訴えの変更を認めて法人の精神的苦痛を認定したとしても、相場の金額は数十万円程度。簡裁が管轄するような規模の話です。1000万円という金額は常識外。今回の提訴が恫喝目的であるとの印象は拭えません。また、明確な根拠もないのに1000万という数字を設定した野村総研側の弁護士の手法も、問題視されることになるのではないでしょうか」  では、今後の見通しについてはどうなのか。先の関係者が続ける。 「このたびの審理の分離を受けて、追い詰められた野村総研側はとうとう『話し合いの場を設けたい』と言いだしました。かといって謝罪や慰謝料は考えていないでしょう。おそらく和解条項案を女性に送りつけて、『提訴を取り下げてやるから、裁判のことをメディアにも友人にも口外するな、取材など受けたら訴える』くらいの対応でしょう」  それにしても、よりによって被害者の女性を被告に提訴しておきながら、公判で証拠も提出できないという迷走ぶり。大企業の訴訟戦略としては稚拙というしかないが、この野村総研側の代理人として訴訟を指南しているのは、日本の四大法律事務所の一つ「森・濱田松本法律事務所」(東京都千代田区)に所属するベテラン女性弁護士だ。会社法務の専門としてメディアへの露出も多いが、現在も市民団体から懲戒請求が出されているなど、その手法はしばしば物議を醸してきた。  例えば、昨年8月に精密機械大手のオリンパス(東京都新宿区)の社員が内部通報を理由に配置転換されたと訴えた裁判で、東京高裁は二審でオリンパスに対し220万円の損害賠償を命じ、さらに東京弁護士会からも「オリンパスの行為は人権侵害にあたる」として「人権侵害警告書」が同社に出されるなど、企業として多くの問題点が指摘されたわけだが、この時の代理人として背後で訴訟を指南していたのが、実は同じ女性弁護士だ。オリンパスの件でも、多くの矛盾を抱えた裁判戦略を一貫して主導してきた立場として、一部の法曹関係者からは批判の声が上がっていたという。  大手企業が大手法律事務所の名の知れた弁護士を使い、組織の不祥事を隠蔽するために一般の女性を恫喝訴訟【註2】しているとすれば、事態は極めて深刻だ。コンプライアンスという言葉が世に浸透した今、企業や法曹関係者の社会的責任の意味を考え直す意味においても、本案件における裁判所の今後の対応に多くの注目が集まっている。 (文=浮島さとし) ■そのほかの「Business Journal」の人気記事 "熱愛"西武涌井は「謝罪しない」と言うべきだった? 野村、インサイダーでも課徴金なし!?根絶のカギは密告 沢尻大麻疑惑、たかのビューティ「今後のCM契約は未定」 寝てる間に35万円稼ぐ!?独立して成功する人のカラクリ 話題本『米国製エリートは本当にすごいのか?』はすごい? JR、東急...肝入り「駅ナカ保育所」は犯罪、事故密集地帯? リボ払い、実はキャッシングやローンより大損!のカラクリ 【註1:審理の分離】 ある審判事件が他の審判事件と関連性がないと認められ、同一の手続きで審判する必要がないだけでなく、かえって審理の複雑化や遅延の原因になっていると認められる場合に、裁判官の裁量によって審理を分離し、個別の手続きによって審理することがある。 【註2:恫喝訴訟】 資本力のある大企業などが自社に不都合な事実を隠ぺいするため、社会的立場の弱い個人への嫌がらせを目的に起こす高額な損害賠償訴訟を指す。被告とされた個人は莫大な訴訟費用の負担や精神的苦痛を強いられるため、企業側は裁判の勝ち負けにかかわらず、訴訟を起こすことで個人を追いつめ、結果的に事実の隠蔽を図ることが可能となる。アメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation=スラップ)とも呼ばれ、現在では多くの州で反SLAPP法が制定されている。

司法はいったい誰の味方? 被害者の個人情報を加害者に開示してしまう裁判所の愚行

nry01.jpg
ブログ作成者が使っていたIPを管理する企業に
接続業者から届いた同意を確認する通知文書。
請求者名に野村総研代理人の名前があるのがわかる。
 本サイトでもたびたび報じてきた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」(記事参照)。日本を代表するシンクタンク企業、野村総合研究所(以下、野村総研)の元上海支社副社長のY田氏が、取引先の女性社員に強引に性行為を迫るなどのわいせつ行為を働き、被害者女性の友人有志らがこれをブログなどで告発したところ、野村総研側は「ブログの内容はデマで名誉棄損」として、被害者女性本人を相手取り、1,000万円の損害賠償訴訟を昨年5月に提訴。ところが、女性本人はブログ作成に一切関わっていないため、今回の提訴が「素人女性の恫喝を目的とした典型的なブラック企業の手口」(ブラック企業アナリストの新田龍氏)として一部から批判を呼んでいる。  よりによって被害者女性を被告に立てて訴訟を始めてしまった野村総研だが、その裁判が提訴から9カ月経過した今も一向に進展していないのは前回報じた通り(記事参照)。行き詰った野村総研側の弁護士が、今度はブログ作成者のIPアドレス開示を求める裁判を別途起こし、これを認める判決が先ごろ出てしまったことから、問題が「企業幹部の性犯罪」から「個人情報の開示」へと飛び火する騒ぎとなっている。  一般に、ネット上の個人情報の開示については、いわゆる「プロバイダ責任制限法」に基づき、記載内容が事実誤認で関係者の権利が侵害されたことが明らかな場合などに原則的に限られている。開示までの流れはおおむね以下の通りだ。  まず、情報請求者がブログ作成者の情報開示を求める場合、ブログサービスを提供している会社(例:Yahoo!JAPANや楽天、Amebaなど)にIPアドレスの開示を請求する。多くの場合はこれが拒否されるため、請求者はサービス提供会社を被告に立てて開示請求の訴訟を起こし(現状は、まずは仮処分の申し立てを行うのが一般的)、権利侵害が明らかであることが立証できれば、裁判所はサービス提供会社に対してIPの開示命令を出す。  IPを開示してもらった請求者は、次にこのIPを解析して接続業者(プロバイダ)を独力で探し出す。接続業者にたどりつけたら、「このIPの人物の住所・氏名を教えなさい」とする通知を送付。これを受けた接続業者は、ブログ作成者本人に「こういう通知が届いていますが同意しますか」と通知する。たいていはブログ作成者がこれを拒否するので、次に請求者は接続業者を被告に立てて、前回と同様に開示請求訴訟を起こす。裁判所が「権利侵害が明らかである」ことを認めれば、個人情報は開示されることになる。ちなみに今回の場合は、接続業者からブログ作成者が使っていたIPを管理する企業に同意を確認する通知が届いた段階だという。  以上は簡単な流れだが、肝心なのは、プロバイダ責任制限法で開示を認めている基準は、記載内容が事実誤認であるなどして、権利侵害が明らかな場合に限られるという点だ。仮に、野村総研のY田氏が、身に覚えのない性犯罪行為をデタラメに書かれたのであれば、権利を侵害されたとしてIP開示は当然だろう。今回のブログはその点でどうなのだろうか。作成に携わった一人は「全て事実」と断言する。 「あそこに書かれているのは、野村総研に対して照会確認までしている事実や、すでに裁判やニュースで公になっている情報を転用したものです。今回、裁判所がIP開示を認めたということは、書かれている内容が事実誤認で野村総研の名誉を棄損していると認めてしまったことになります。裁判所は性犯罪被害者より、加害者である大企業の味方なのでしょう。そもそも、今回の個人情報の特定も目的が見えません。なぜなら、我々は最初から連絡先住所も明記した上で野村総研に通知書や照会確認書を送っていますし、反論があるならそこへ対して訴えるようにも通知しているんです。それもしないでおいて何をしたいのか。要するに、個人への嫌がらせをしたいだけなのでしょうね」  それにしても、裁判所はなぜあっけなく開示を認めてしまったのか。今回の訴訟を見続けている司法関係者も、この裁判所の判断を「ありえない」と否定的だ。 「IP開示を認めたということは、ブログが野村総研の名誉を棄損していると裁判所が判断したことになるわけですが、本筋の裁判でまだ結論も出ていないどころか、裁判長に"注意"まで受けるほど野村総研側が追い詰められている段階なのに、ここで開示を認めてしまうのは一般的な感覚から見てもおかしい話です。ましてや、今回のように企業幹部の性犯罪が告発されているような場合は、個人情報の開示には慎重になるべきです」  ここでいう、野村総研が裁判長から受けた"注意"とは何なのか。先の傍聴人が公判の模様を説明する。 「野村総研はブログの内容が事実誤認だとして訴訟を起こしたのだから、さっさと『ここがデマだから立証しろ!』と攻撃すべきなのに、その指摘を全くしない。理由は明らかで、ブログの内容が全部本当だからでしょう。被告側が証拠をそろえているのを勘づいているので、『立証せよ!』なんていって本当に立証されたら困るわけです。かといって今さら裁判を取り下げることもできない。完全に手詰まりの中で、前回公判では、野村総研の代理人の森・濱田松本法律事務所の高谷知佐子弁護士が、見かねた裁判長から『このままでは裁判は継続できませんよ』と、異例の注意まで受けています。つまり、ブログの中身はそれほど信憑性が高いということです」  そうした中で野村総研側が苦し紛れに起こしたIPの開示訴訟を、"もう一つの"裁判はあっけなく認めてしまったわけである。開示基準はいったいどこにあるのか。プロバイダ責任制限法に詳しい別の弁護士は、同法のあいまいさを問題視する。 「『権利侵害が明らかな場合に開示は認められる』といいますが、何をもって権利侵害というのかという基準がすごくあいまいなんです。ひどいストーカー被害を何年も受けている女性の開示請求を認めないこともあるのに、今回みたいに性犯罪行為を繰り返す側に、あっけなく開示してしまう場合もある。しかもそういうパターンが増えています。裁判所でも法の運用が固まっていないんですよ。特に最近はネット掲示板やSNSなどの書き込み被害が多いので、一部の裁判官たちの間でネットへのイメージが悪化していて、開示のハードルが下がっている。結局は裁判官の個人的な心証で決まってしまう場合が多いんです」  たしかに、デマや誹謗中傷で特定の個人を貶める行為がネット上に氾濫していることは大きな問題だが、今回のように裁判官の個人的な心証で簡単にIPが開示されてしまうのであれば、社会的立場の弱い個人が巨悪を告発する道が閉ざされることにもなりかねない。根拠となる法律の解釈が極めてあいまいである現状について、行政はどう考えるのか。プロバイダ責任制限法の監督官庁である総務省に聞くと、なぜか終始半笑いの答えが返ってきた。 「そうですねぇ(笑)、情報開示については裁判所のご判断ですので......(笑)。法解釈のあいまいさが指摘されていると言われましても、うーん、まぁ、さようでございますか、としかお答えのしようがないといいますか(笑)」(消費者行政課)  司法も行政も、守るべき対象と基準を見誤っているのではなかろうか。 (文=浮島さとし)
セクハラの誕生: 日本上陸から現在まで 本格上陸から30年だそうで。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇 続報! 幹部が強制わいせつ疑惑の野村総研が被害者女性を逆提訴! あのわいせつ事件の名も! 世田谷区が「恫喝訴訟」防止に無関心な理由

野村総研の提訴は被害者女性への恫喝が目的? 公判3回目も具体的主張はゼロ

tokyochisai.jpg
公判が開かれた東京地方裁判所
(Wikipediaより)。
 日本を代表するシンクタンク「株式会社野村総合研究所」(以下、野村総研)の上海支社副社長(当時)が2007年12月、取引先企業の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働いた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」(※記事参照)。被害者女性の友人有志らがこれを告発したところ、野村総研が名誉を棄損されたとして、この友人の一人と被害者女性に1,000万円の損害賠償を求める"逆ギレ提訴"をした裁判の第3回公判が、11月18日東京地裁で開かれた。裁判までのいきさつは以下の通りである。  07年の事件発生以来、被害者女性の友人らはその女性が受けた強制わいせつ行為の他にも、他の女性らが元上海支社副社長から受けた過去の強姦や強制わいせつ、さらには業務上の背任未遂、脅迫行為、上海ミスコン出場者の個人旅行への同伴要求、マカオでの集団買春などの行いを、一次証言を元にブログや文書を通して厳しく批判してきた。  これに対し野村総研側は、こうした批判行為による「有形無形の損害」(訴状より)が「少なくとも1,000万円を下らない」(同)として、1,000万円の損害賠償を求める民事訴訟を今年5月に提訴したのである(※記事参照)。  一般に裁判で名誉棄損を主張する場合、原告は被告の主張が事実と反していることなどを指摘し、その上で賠償額を積算して請求するのが基本。これに対し、訴えられた被告は自身の主張の正当性を、証拠をそろえて立証するというのが基本的な流れだ。ところが、今回の裁判では、野村総研側が本来すべきである原告としてのそうした指摘をほとんど行わないため、裁判が一向に進まない状況にあるのだという。1回目の公判から傍聴を続けている関係者は言う。 「本来、原告の野村総研側が取るべき態度は『強制わいせつは事実ではない。もし事実と言い張るなら立証しろ』とか、『業務上の背任行為なんてうそだから証明せよ』とか次々に指摘して、それに対して被告が証拠をそろえて立証し、それを裁判官が判断して黒白つけるというのが流れなんですが、今回は野村総研がそうした具体的な反証をほとんど行っていないんです。だから被告も、訴訟を起こされただけで、裁判所で何もやりようがないという、異常な状態が続いているわけです」  また、企業犯罪に詳しい都内法律事務所のT氏は、野村総研が訴状の中で、元上海支社副社長の潔白を、積極的に主張してきていないことにも注目している。 「本来なら『事実無根だ!』と強く主張すべきところなんでしょうが、一切していません。野村総研の主張をかみ砕くと、『事実かどうかもまだ分からないのに、決まったかのような表現は世の中に誤解を与える。だから名誉棄損だ』と、恐ろしく弱気なんですね(笑)。おそらく、被告側が証人や証拠をがっちり押さえているのを知っているので、立証しろなんて言うと本当に立証されてしまうと恐れている。なので、この時点で『やりました』と言ってるようなもんですけどね」  野村総研側がこれまで行っている唯一の反論らしい行為として、元上海支社副社長の行為を被害者側が告発し続けてきたブログのプロバイダー「livedoor」に対して、「当社を『強姦企業』などの過激な言葉で不当におとしめて」いるなどとして削除要請を行い(livedoorは9月に削除)、その後、同様のブログをアップしているもうひとつのプロバイダー「FC2」(拠点はアメリカ)にも同じく削除要請を行っている(現在も運営中)。  であるならば、裁判の過程でも「ブログのどの部分が事実と反するか」を指摘すべきところであるが、これについても過去2回の公判では、なぜか一度も主張がされていない。注目された3回目も新たな主張や証拠は一切示されることはなかった。傍聴席にいた他の関係者があきれ気味に言う。 「性犯罪行為を批判されたら『うそつきだ! 名誉棄損だ!』と逆ギレして裁判を起こし、かといって裁判で『事実無根だ』とも主張しない。この野村総研の弁護士はいったい何がしたいんでしょうか(笑)。裁判が始まって半年近く経つのに、具体的な指摘すら何ひとつ出せない。この時点で犯罪を認めていると言われても仕方ない」  ここでいう「野村総研の弁護士」とは、当サイトが先日「オリンパス代理人の"あの"弁護士に市民団体が懲戒請求!」で報じた高谷知佐子弁護士(※記事参照)のことである。日本の四大法律事務所のひとつと呼ばれる「森・濱田松本法律事務所」(東京都千代田区丸の内)において会社法務を専門としているが、記事にあるとおり市民団体から懲戒請求が出されるなど、その強引な手口はしばしば注目を集めてきた。同じく高谷氏が代理人を務める光学機器メーカーのオリンパスが、高裁判決で先ごろ敗訴となった際には、産業医を悪用した高谷氏の手法に関係者が批判の声を上げている(※記事参照)。  また、野村総研が今回、一般女性を相手に1,000万円を求める訴訟を起こした行為そのものを批判する意見もある。公判に先立つ11月14日に、東京都の世田谷区議会へ「恫喝訴訟防止法案」の成立を求める請願が出されており(※記事参照)、請願の中で今回の野村総研の"逆ギレ1,000万円訴訟"が、恫喝訴訟の象徴的なサンプルとして紹介されているのである。  恫喝訴訟とは、資本力のある大企業などが不都合な事実を隠ぺいするために、社会的に立場の弱い個人への嫌がらせを目的に起こす高額な損賠賠償訴訟を指す。訴訟の勝ち負けにかかわらず、多額の訴訟費用や精神的苦痛により、被告は窮地へ追い込まれることになる。海外では多くの国や地域で規制法が制定されているが、規制がない日本では事実上の野放し状態となっている。  同請願を中心になって進めた、「みんなの党」の衆議院東京都第6区支部長の落合貴之氏は、「今回の請願で(野村総研などの)具体的な事例の存在を知り、問題の根深さを再認識している。今後も国に働きかけていく」とコメント。野村総研が被害者女性に1,000万円の損害賠償を恫喝的に求めるという一連の行為が、政治の世界でも注目され始めていることをうかがわせた。 ■裁判官の弁護士事務所への天下りは当たり前!?  いずれにせよ、原告が具体的な主張を一切しないために進展しないこの裁判。そんな中で興味深い(?)"事件"がひとつ起こっていた。被告が裁判書面の中で、一部の裁判官らが「森・濱田松本法律事務所」に天下っている実態を指摘し、この構造を高谷弁護士が裁判進行に利用しようとしていると疑義を呈したのだが、その際に被告が根拠として添付した報道資料が、当サイトが10月3日付で報じた記事「グルになってダマす!? 弁護士と裁判官の"不適切な"関係」だったのである(※記事参照)。以下、被告の裁判書面から関係する部分を抜粋する。 「原告の代理人の森・濱田松本法律事務所の高谷知佐子については、報道資料(乙26)の通り、大手法律事務所への裁判官の天下りをちらつかせ、不当に司法の公正さを歪め、利得を得ようとした実態が報道されている」  ここでいう報道資料「乙26」がサイゾーの記事というわけだが、原告側はこれに対し、書面の中で「裁判官の優遇を得るために天下りをしている実態はない」と陳述。この表現が天下りそのものは否定をしていないとも受け取れるためか、裁判官から「今回の公判とは直接関係性がない」との要請で、疑義・陳述ともに削除されている。これについて、ある法律関係者は「削除の要請は裁判ではよくあること」としながら、「できれば今回は削除してほしくなかった」と説明する。 「裁判所では毎日、膨大な数の事件を扱っていますので、問題を広げすぎると事件を裁ききれない。だから、ちょっと本筋とズレたことが書面にあると、どんどん削られます。結果的に、訴状に残された狭い範囲の論点に絞ってやり合うことになる。でも本来、それでは事件の本質は見えてこない。今回で言えば、大手法律事務所への裁判官の天下りは公然の事実ですし、実際、原告の陳述は『便宜はないけど天下り自体はある』と受け取れる内容です。削除するほど関係ない話ではないとも言えます」  また、別の法曹関係者は司法の権威に関わるより深刻な問題点を指摘する。 「高谷氏は今回の裁判で、実は弁護士としての仕事を全然していません。他の弁護士から笑いものになっているとのウワサも耳にします。ただ、訴訟を起こして時間を稼いでいるだけで、5カ月も経つのに何ひとつ立証していない。こういうふざけた行為を横行させないために『裁判迅速化法』があるのだから、本来なら裁判官の権限で即日棄却されてもおかしくない。それができないのは『森・濱田松本』が業界最大手だからと見られても仕方ありませんよ」  それにしても、野村総研は仮にも1,000万円もの損害賠償金を一般女性に要求している以上、事実関係の立証に、いいかげん本気で取り組む姿勢が求められるだろう。先の傍聴人が「何がしたいか分からない」と指摘した通り、このままでは被害者女性を追い詰めるための「恫喝訴訟」と取られても仕方がない。次回12月2日の公判における野村総研弁護団の動きが注目される。 (文=浮島さとし)
セクハラの誕生: 日本上陸から現在まで 本格上陸から30年だそうで。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇 続報! 幹部が強制わいせつ疑惑の野村総研が被害者女性を逆提訴! あのわいせつ事件の名も! 世田谷区が「恫喝訴訟」防止に無関心な理由

あのわいせつ事件の名も! 世田谷区が「恫喝訴訟」防止に無関心な理由

setagaya_kuyakusho.jpg
「恫喝訴訟防止法案」の請願に対して、担当
課長が「必要性がない」との意思表明をした
世田谷区。
 本サイトでたびたび報じてきた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」(※記事参照)が、ここにきて新たな動きを見せている。同事件は、野村総研の上海副支社長(当時)が取引先企業の女性営業担当者に強制わいせつ行為を働きながら、野村総研側が、同問題を告発してきた被害者の支援者だけでなく、被害者女性に対して1,000万円の損害賠償を求める"逆ギレ訴訟"を起こしたというもの。  公判は18日に第4回目を迎えるが、これに先立つ11月14日、東京都の世田谷区議会に提出された「恫喝訴訟防止法案」の成立を求める請願が、この野村総研の"逆ギレ訴訟"を恫喝的な訴訟の象徴的な事例として挙げているのだ。区議会に請願を提出したのは、大手法律事務所と連携しながら各種案件の調査を専門に行っている証拠調査士の平塚俊樹氏。『LAW(ロウ)より証拠』(総合法令出版)などの著書や情報番組のコメンテーターとしても知られる人物である。  一般に恫喝訴訟とは、資本力のある大企業などが自社に不都合な事実を隠ぺいするため、社会的立場の弱い個人への「嫌がらせ」を目的に起こす高額な損害賠償訴訟を指す。被告とされた個人は莫大な訴訟費用や精神的苦痛を強いられるため、企業側は裁判の勝ち負けに関わらず、訴訟を起こすことで個人を追いつめ、結果的に事実の隠蔽を図ることが可能となる。  アメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation=スラップ)とも呼ばれ、80年代以降に横行。主に環境破壊などを訴える市民団体らに対し、企業側が「営業妨害」などを建前上の理由として多額の損賠賠償を請求する民事訴訟が頻発した。これが司法制度の精神を本質的に歪めるものとして社会的に問題視され、現在では多くの州で反SLAPP法が制定されている。  ところが、こうした恫喝訴訟が野放し状態の日本では、資金力のある大企業や団体がその気になればやりたい放題というのが現状だ。これに一定の歯止めをかけるべく、区議会へ提出されたのが今回の請願。その悪しき事例の筆頭に、野村総研が被害者女性に1,000万円の損害賠償を求めた"逆ギレ訴訟"を挙げたのである。「恫喝訴訟」防止の法案成立へ向け、まずは区議会の請願審査を経た上で、区を通して国会へ意見書を提出してもらうのが請願の目的とみられる。  ところが、請願審査が行われた区議会の企画総務常任委員会で説明を求められた世田谷区の淺野康・区政情報課長は、「国内でこの問題の議論は成熟していない」とした上で、「説明」を超えた異例とも言える断定的な答弁を概要以下の通り行っている。 「憲法で認められている訴訟の自由が犯される恐れがある。今の段階で国に"やみくもに"働きかける必要はない」 「区にそうした(恫喝訴訟に関連する性被害者等の)声は一件も届いていない。この時点で"むやみに"国へ提出する必要はない」(" "は筆者註)  こうした淺野課長の答弁に対し、今回の請願の「紹介議員」となった田中優子議員(みんなの党会派)は、「強い違和感を覚える」として次のように疑問を呈する。 「意見書を国に出すかどうかをこれから議会が審議しようというのに、なんで行政側が『必要ない』と言い切ってしまうのか。あの場で課長に求められているのは、あくまで行政の立場を説明すること。その意味で、説明を超えた過剰介入の発言との印象を受けます。法案内容も含めて国で検討をしてほしいというのが請願の趣旨なのに、『やみくもに』とか『むやみに』などという表現を使ってまで阻止を図るのも疑問です。少なくとも、今まではあんな答弁の仕方を行政はしてこなかったはずです。何か圧力でもあるんでしょうか。今回は非常に不自然な流れを感じています」  こうした世田谷区の反応について、請願者である平塚氏が次のように推測する。 「実はつい最近、世田谷区の課税課にいたある女性職員(編注:すでに退職)が、自らの相続問題に絡んで区民の納税証明書を勝手に取るなどの違法行為を繰り返していたとの告発があり、私から区の担当課長宛てに事実確認の内容証明を出すという一件がありました。淺野課長は同じ世田谷区の管理職として、一連の顛末と私の名前をご存じのはずですから、今回の請願に対して一定の警戒心を抱かれたのではないでしょうか」  結局、委員会に出席した他の区議会議員からも「時期尚早」「訴訟の自由を侵害する」「日本とアメリカは違う」などの意見が出され、多数決で「継続審議」というあいまいな決着に。建前上は「今後も時世を勘案しながら継続して審議していく」(企画総務委員長)としながら、事実上の"お蔵入り"との見方も強い。結果的に世田谷区役所と区議会は、性犯罪被害者の人権より、大企業による恫喝的な「訴訟の自由」を優先したとも受けとれる。  今回の請願の紹介議員の所属政党「みんなの党」の、衆議院東京都第6区の落合貴之支部長は、この問題について次にように語る。 「こういった問題は、企業や業界団体とのしがらみのない我々が関心を持たなければならないと考えています。今回の請願にあたり、(野村総研強制わいせつ事件などの)具体的な事例の存在を知り、問題の根深さを再認識しました。今回は継続扱いとなりましたが、今後も区議会議員と協力しながら、地域で問題提起をしていくとともに、立法機関である国会にも声を届けていきたいと考えています」  世田谷区役所については本サイトでも、NPO法人へ2,000万円の補助金が消えた一件で保坂区長や副区長、担当部長らの虚偽答弁の可能性について指摘したところだ(※記事参照)。実は、違法行為を繰り返していたと平塚氏が指摘する元課税課の女性職員についても、筆者のもとへ複数の内部リークが届いている。その中には女性職員が世田谷区役所OBの弁護士と共謀し、区民に対して恫喝まがいの訴訟を在職中に起こしていたという信じ難いものまで含まれている。現在、関係者を通して聴取を進めており、内容が確認でき次第、本サイトを通してお知らせしていきたい。 (文=浮島さとし)
はい・まっぷ 世田谷区住宅地図 けっこうブラック......。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 続報! 幹部が強制わいせつ疑惑の野村総研が被害者女性を逆提訴! NPO法人に2,000万円が消えた! 世田谷区で補助金スキャダルが発覚 速報! オリンパス代理人の「あの」弁護士に市民団体が懲戒請求!

続報! 幹部が強制わいせつ疑惑の野村総研が被害者女性を逆提訴!

nomura062001.jpg
Y田氏が副支社長として勤務していた野村総研上海支社の受付窓口。
「嫌だと言ってるのに無理やり部屋に上がり込まれて押し倒された」 「仕事の話と呼び出されたら酒を勧められ、帰してもらえなかった」 「酒を勧められ、飲んだら急に意識を失った。気付いたら裸にされていた」  これらはいずれも、日本を代表するシンクタンク「(株)野村総合研究所(以下、野村総研)」北京社上海支社副総経理(副支社長)のY田氏による強制わいせつ行為に関する、複数の女性からの証言である。  2007年12月、Y田氏が取引先の広告代理店営業担当(当時)のA子さんに強制わいせつ行為を働いた事件については、当サイトで過去2回にわたり報じてきたが(12)、記事を読んだという関係者から、新たな証言が複数寄せられている。  「いきなり抱きつかれて性行為を求められ、なんとか断ったが今もトラウマになっている」という日本人女性は、「顛末を詳しく書かれると自分が証言したと特定されてしまい、報復されるのが怖い」とおびえながら、「あんな人間が社会的地位に守られながら平然と暮らしているのは絶対に許せない」と怒りをあらわにした。  また、日本航空や中国東方航空のキャビンアテンダント(CA)からも、「マンションに強引に上がり込もうとして抱きつかれ、断ると玄関で無理やりキスされた」などの証言が数多く寄せられている。以下は、あるCAたちの証言だ。 「とにかくCAに片っ端から声を掛けるので有名でしたけど、『CAなんて低学歴の低所得者だ』とバカにしてましたね。酔わせてタクシーで送るといって、部屋に上がり込んで襲うというのがパターン。大学のレイプサークルと同じで、やることが幼稚なんですよ」(20代の中国東方航空CA) 「被害に遭った子たちは『タクシーに一緒に乗ったおまえが悪い』とか言われるのが怖くて相談できない。実際、同性の先輩から『誘ったんでしょ』と言われた人もいたようです。20代の若い子たちは『野村総研の茶髪のエロおやじには気をつけろ』と言い合ってましたね」(30代の日本航空CA)  被害女性たちの友人有志らで組織する「野村総合研究所(野村総研)のわいせつ、セクハラ被害者を救う会」(以下、救う会)は、これまでこうした情報の中から一次証言をまとめて文書化し、Y田氏本人と野村総研に対して「事実か否か」の照会確認を通知し、事実でないと主張する場合は期限内に回答するよう求めてきたが、いまだ回答は一度もないという。仮に女性たちの証言がすべて虚偽で、Y田氏が潔白であるならば、なぜ公の場で反論しようとしないのだろうか。  この点について、筆者は野村総研に対して2度にわたり電話でコメントを求めたところ、「当人同士で行き違いがあった。社としてはコメントを差し控える」(2010年8月、女性広報担当の回答)、「弁護士と協議中なのでコメントは差し控えたい」(2011年4月、同広報)と、具体的な説明はないまでも、事実関係そのものは否定しなかった。  静観の姿勢を崩さないかに見えた野村総研だが、ここへきて突如動きを見せ始めている。まずは5月20日、「救う会」が運営するブログ「野村総合研究所(野村総研)のわいせつ、セクハラ被害者を救う会」をサーバー管理しているプロバイダーのライブドア社に対し、名誉毀損を理由にサイトの削除を要求。ライブドアがこれを拒否すると、今度は5月26日にサイト管理人らの情報開示とサイトの閉鎖を要求した。「救う会」側の一人が、あきれながら言う。 「プロバイダー責任制限法に基づいて当方の情報を開示しろと言っているらしいのですが、もともと我々は連絡先を野村総研への文書に明示して公開質問を行っているわけで、それに答えもしないで何を今さらという感じです。自社の幹部が性犯罪を繰り返しているのに対処もせず、こちらが照会確認で公に反論の機会を与えているのに、それをも放棄して名誉毀損だという。株主総会が6月23日にあるので、『やることはやってる』という株主に対するアピールなんじゃないですか」
nomura062002.jpg
野村総研は内部統制の基本方針として
「法令遵守体制の実効性を確 保するため(略)必要な諸活動を推進」する
としているのだが......(同社HPより。下線は編集部)。
 「救う会」では直ちに、 ・当方は最初から連絡先を明示して公開で質問している。名誉毀損というなら照会確認に答えないのはなぜか。 ・連絡先を明示しているのに当方に連絡せず、プロバイダーに抗議するのは不当な嫌がらせである。反論するのならば当方に対して訴訟を提起せよ。  などの趣旨をまとめた文書を通知した。  すると野村総研は、「救う会」の一人Bさんと、なぜか被害者の一人であるA子さんを相手に、1,000万円の損害賠償を請求する民事訴訟を提訴。以下は訴状に記された1,000万円という金額の根拠となる部分の抜粋である。 「(略)原告(編注:野村総研)に発生した有形無形の損害は、現時点で原告が把握している事実関係に基づくだけでも、少なくとも1,000万円を下らない。したがって、被告らは、原告に対して、不法行為・共同不法行為に基づく損害賠償として、少なくとも1,000万円を連帯して支払う義務を負っている」  これについて、「金額の根拠があいまいで意味がわからない」と一笑に付すのは、企業の性犯罪事情に詳しい都内法律事務所のT氏だ。 「この前段に辛うじて1,000万円の根拠らしきことが書いてあるのですが、野村総研が『株主や顧客等へ対応を余儀なくされ、原告の業務が妨害された』からとしか書いていない。であるなら、被告側は、原告の株主である野村ホールディングスなどに、『野村総研が1,000万円の損害が出たと言ってますけど、お宅はどんな対応を迫ったのですか』と聞くべきでしょうね」(この点を「救う会」に確認したところ、「すでに野村総研の主要株主に対して質問をまとめた公開通知書を送付済み」とのこと)  またT氏は、訴状の中で野村総研がY田氏の潔白を、決して積極的に主張していない点にも注目する。 「野村総研は被害者側の主張に対して『事実無根だ』という反論を一切していません。これだけ一次証言がそろってしまうと立証されるのを恐れてできないのでしょう。そこで苦し紛れに、『事実はどうあれ、まだ刑事罰が決まっていないのに、決まったかのような誤解を与える表現は名誉毀損だ』というニュアンスで反論をしてるだけなんですが、その時点で『やりました』と言ってるようなもんなんですけどね」  さらに、数多くいる被害者の中からA子さん一人を抽出して提訴した点にも首をかしげる。 「訴状によれば、『救う会』のBさんが運営するウェブサイトが野村総研の名誉を毀損したというのですが、このサイトにA子さんはまったく関係していません。Bさん一人を訴えるならまだしも、なぜA子さんを引っ張り出したのか。立場の弱いA子さんを精神的に追いつめるのが目的でしょう」
NRI0401_01.jpg
「嘉華中心」は05年に完成した上海の高級オフィスビル。
野村総研上海支社はこの29階にある。
 それにしても、野村総研といえば、官公庁や各産業のトップ企業を顧客に持つ日本最大手のシンクタンク企業。就活学生の人気企業ランキングでは毎年上位を占めるなど、学生からの信望は極めて厚い。しかし、これまでの姑息とも言える一連の対応を見る限り、日本を代表する企業としての矜持は見えてこない。  これについて、「ランキングなんてものに左右されずに、学生さんはしっかりと企業体質を分析した方がいい」と言うのは、日本のブラック企業の事情に詳しい「(株)ヴィベアータ」代表取締役で企業アナリストの新田龍氏だ。 「今回の野村総研のやり方は、典型的なブラック企業の手口の一つです。A子さん一人を狙い撃ちしたのも、弱いところから攻めていくという常とう手段。そもそも、社内での違法行為を放置して、証拠不十分なのに逆ギレして個人を提訴なんて、仮にも一部上場企業がやることじゃない。明らかな犯罪隠蔽だし、大企業の権威をかさに着たどう喝行為。今回の件も氷山の一角でしょう」  折しも、この記事を作成している19日現在、Y田氏が上海へ赴任する前にあるアジア圏の国で、性的事件を起こしていたとの証言が届いている。筆者は既に関係者と接触を図りながら事実関係を確認中である。詳細が判明でき次第、続報として公開していきたい。 (文=浮島さとし)
挑戦し続ける野村総合研究所 最大手の名が廃る。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 続報!「野村総研強制わいせつ事件」で内部リークが続出! スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇 「武富士」破たんはこれからが正念場 創業一族=武井家の責任を追及する緊急集会が開催

日本企業は海外でセクハラし放題! コンプライアンスはどうなってる !?

nomura0405_01.jpg
野村総研上海支社がある
「嘉華中心」ビル(中国上海)。
 当サイトで報じて、多くの反響を呼んだ「野村総研強制わいせつ事件」(http://www.cyzo.com/2011/04/post_6960.html)。その卑劣さに憤慨する向きがある一方で、このようなケースは氷山の一角であり、日本企業での、特に海外におけるわいせつ事件やセクハラ事件は表沙汰にならないものが多いとの指摘もあった。そこで今回は、そうした事情に詳しい人々に集まってもらい、知られざる日本企業の破廉恥な内情を語ってもらった――。 ■参加者 A氏 元テレビ番組制作会社プロデューサー B氏 労働法の実務専門家 C氏 コンプライアンス遵守のためのコンサルティング会社経営 D氏 ブランド防衛のコンサルティング会社経営 進行 浮島さとし(フリーライター) ――最初に皆さんの自己紹介をお願いします。 A もともと、某大手テレビ局関連の番組制作をしていました。そこでセクハラ問題の番組を取り扱ったこともあります。 B 労働法の実務を専門にしていまして、最近は中国など海外からの相談が増えています。 C 日本企業のコンプライアンス遵守におけるコンサルティングをしています。海外では、不正会計や使い込みの摘発などの案件が多いです。 D 企業防衛等を専門的に扱うマーケティングコンサルティング会社を経営しています。企業側が不祥事に対し、どう対応すべきかを専門的に対応していますが、不祥事に際しては、あくまで事実を開示して、正しく加害者を処罰して被害者を救済し、会社のリスクを軽減するべきという立場をとっています。 ――今日のテーマは「日本企業は海外でセクハラし放題! コンプライアンスは一体どうなってんだ!?」というものです。日本企業の海外でのセクハラはそんなに常態化しているのでしょうか? 今、私の手元に知人の中国通の女性記者が、周りの女性から相談を受けてまとめた事例集があります。主に日本企業の中国での事例ですが、これを元にお話を伺っていきたいと思います。まず、最初はこれです。 「社内の忘年会で男性社員が『この中で誰のチン○が大きいと思う?』とか、下ネタを連発して部下の女性たちに迫ってくる」。 一同 あぁ、これはよくある。 D 日本でもありますね。ただ、日本では男女雇用機会均等法があるから、会社が介入せざるを得ない。仮に会社がまともに対応しなければ、厚労省の雇用均等室が会社への指導に乗り出すという流れですね。 B 日本だとそうなんですが、これって海外での話でしょ? 均等法って海外適用がないから、厚労省も法的な権限がなくて手が出せない。そうすると窓口は社内の「セクハラ通報窓口」ぐらいしかないんだけど、そこに通報すると確実に隠蔽される。だから常態化するんでしょうね。 A 僕なんて、ちょっと前に上海へ「○○○○(大手商社)」の役員と一緒に行ったら、接待という名目でホテルのスイートを貸し切って、裸のおねーちゃんをはべらしてパーティーやってたからね。それから考えたら、これぐらいしょっちゅう起きてる話だね。 ――次の事例です。 「会社の取引先に食事を伴っての会合と言われて行くと、なぜか社交ダンスを踊る場所があった。すると、取引先のオッサンがダンスを踊ろうと抱きついてくる。誰も止めてくれず、尻や胸を触られまくった」 D 上司に言っても重要取引先のお偉いさんだからと、なあなあにされるんですよね。 ――他にも、こんなのがあります。 「男性の上司が、いわゆる現地妻を同伴して、取引先が出席する会合に堂々と出てくる。どう反応していいのか分からない。そんなことが日常茶飯事」だと。 B これも中国ではしょっちゅうですね。 nomura0405_02.jpg C 難しいですよね、愛人を作っているだけなら、モラルの問題はあるけれど刑事罰になるわけじゃないから。法的に違法とまでは言えない。 D ですね。中国のカラオケバーって、日本でいうキャバクラだったりして、売春する女性もいるんだけど、そこで愛人を作るのは本当によくある話。売春は非合法だけど、愛人として付き合うなら刑事罰とまでは言えない。ただ、女性も含めて社員も出席するような場、ましてや取引先も出席する公の場にまで同伴させるってのは、常識の範疇を超えているとは思いますけどね。 ――他にも、愛人がらみではこんなのもあります。 「男性の上司が中国人の愛人との間に子どもをもうけた。その問題解決のために部下の中国語の堪能な日本人女性に『愛人と和解交渉をやれ』と通訳させて交渉させる。なんで、あたしがこんなことをしなきゃいけないんだ」という事例。 A もう、平然とそんなことを言ってる状況なんだよね。隠そうともしない。 B でも、これぐらいなら海外だと「セクハラ」と認定されない。 ――では、コンプラ遵守を指導すべき企業側はどんな対応をしているのでしょうか。今回、日刊サイゾーで報じた野村総研の事例についてご意見を伺えますか。 A これについては、隠蔽しようとした証拠も残っているし、加害者を処分していない。「事実ではない」と言ったり、証拠を出されると「会社は関係ない」と言ったり。終いには弁護士を使って被害者に脅迫的対応でしょ。企業の対応としては最悪の部類ですね。こういう企業がコンプライアンス遵守だとか内部統制だとか言いながら、日本最大のシンクタンクとして仕事をしているのが現状なんですよね。 C もはや謝罪するタイミングも逃しているし、事態が沈静化するのを待っているだけでしょう。 D 厚労省の出しているセクハラ対策の指針というのがあって、セクハラ問題が起きた際には、企業は被害者女性も含めて直接面談で対応するのが望ましいとされている。今回、野村総研はどういう対応をしているんですか。 ――今回、野村総研は直接面談はとらず、M法律事務所のT弁護士を「外部の客観的な弁護士」として出していて、被害者女性にも「代理人を通さずに自分で直接相談してください。また、会社にではなく、こちらの指定する弁護士に言ってください、これは野村総研の人事部の規定です」と対応していたようです。 A 「代理人を使うな」ってのもナメてますね(笑)。でも、言われたほうも、素人だと「そういうものなのか」と思ってしまいますよね。 ●事件をもみ消す"裏マニュアル"の存在とは D 確かに、厚労省の指導内容に「コンプラ遵守の相談先を外部の客観的な立場の法律事務所にする」なんてのもあるんだけど、実際には法律事務所と企業が結託していることが多い。まともに機能していませんからね。それを裏マニュアル化していますね。 B 特に海外で起こった案件では、厚労省も動いてくれませんしね。強制わいせつ罪は法的には海外適用があるけど、現実には海外だと日本の警察は捜査ができないので、被害相談があってもなかなか立件できない。実際、今回の野村総研の事件でも、厚生労働省に相談しても海外だからという理由で対応してくれなかったようです。そうすると会社しか動けないけれど、野村総研のように多くの会社は隠蔽に走り、かつ若い女性よりも重鎮の人間のほうが社内の政治力もあるから保護してしまう。 ――現地の警察は動いてくれませんか? B まず無理ですね。今回の例で言えば、中国の警察としては日本人同士のトラブルには介入しにくいんですよ。日本企業とモメたくないし、言葉の問題もあるから捜査もしにくい。そこで、現地の警察ではできる限り外人同士のトラブルには介入しないよう通達が出ている現実があります。それが、日本企業が逃げ道に使う裏マニュアルのひとつとして使われるわけです。 ――裏マニュアルと呼ばれる企業の手口には、他にどんなものがあるのでしょう。 B 悪質な日本の大手シンクタンクや外資系コンサルでも使われている手口でこんなものもあります。被害者の女性社員に「精神的なケアをする」と言って、会社お抱えの産業医に診断をさせる。実際、産業医のサポートをつけることは、残業が多いとか、セクハラ問題があった場合には厚労省も指導している方法なんです。ところが、実際にはこの産業医が会社とグルになっている。 A 産業医という存在は意外に一般に知られていませんが、セクハラ問題で産業医が絡んでいるケースは少なくないんです。もちろん、すべてではありませんが。 B そうなんです。で、産業医は女性を「統合失調症だ」などと診断して、本当に精神病院へ入院させて「治療」する。これで隠蔽が完了というわけです。これをやられると、警察や弁護士が被害者女性に面会を希望しても、医師の診断書を出されて「治療中」とされたら手も足も出ない。かといって他の医者が、後から診断して診断書を再度書いてくれるかというと、同業他者の診断にケチをつけるのも大変ですし、産業医も他の医者の介入を認めないので、救出は簡単ではない。しかも、その後に治療しても自殺しても、保険が使えるから会社のお金は痛まないという手口です。 D 恐ろしいけど、そういう事実はありますね。産業医を派遣する専門の会社まであるほどです。確かに、入院後に抗うつ剤を「治療」として大量に投薬すれば、抗うつ剤って麻薬と同じように薬が効いているときと切れているときで態度が大きく変わるから、誰が見てもおかしく見える。そうすると診断は正しいと。おまけに、その後は被害者女性は自殺するケースが多いから、そうなれば完全に事実は隠蔽される。 ――となると、海外だけではなく国内で受けたセクハラ行為にも制度が対応しきれていないことになります。被害を受けて悩んでいる方はどうしたらいいでしょうか。 B まず、一人で絶対に悩まないことですね。別に弁護士でなくてもいいから、友人などに相談しまくりましょう。そうすると、第三者の客観的な観点で、協力してくれる人が出てきます。すると、監督省庁も警察も急に動きやすくなるんです。そして、より詳しい人に相談が行くようになり、助けてくれる人が増える。被害者本人だけだと、男女の被害は客観的な証明が難しくて動きにくいんですよね。 ――その上で具体的な対策は? B 証拠を確保することです。第三者の証言でもいいですが、できれば発言を録音するとか、録画しておくとか。今はボイスレコーダーやカメラなどが進歩していますから。 D 一人だと精神的にも辛いし、多くの女性は、相手の弁護士から「言いふらせば名誉毀損で法的措置を取る」などと言われて黙ってしまう。でも、まず知ってほしいのは、友達に相談するだけで名誉毀損になるなんて、まずないということ。だから、少しでも頼れる人がいればどんどんと相談する。その中で社内外に味方の輪を広げていくのがいい。 C とはいっても、企業としてもセクハラ通報窓口に来る全ての相談を鵜呑みにできるかというと、それはできない。やっぱり、実際にはおかしなクレームも来るわけで。そのたびに男性社員を飛ばすことはできないよね。 A そりゃあそうでしょう。悪用している会社ばかりではないですし。 B 最近は、被害者は女性だけじゃなくて、男性も多いんですよ。男同士で海外出張に行ったら上司のオッサンが豹変して......なんていうケースが増えています、これ本当に。警察に駆け込んでも助けてくれないのは女性と一緒です。 D そういう話はほとんど表に出てこないですねぇ......。いずれにせよ、海外に赴任している人には「セクハラ天国なんだから俺もやっちゃえ」なんて思わないでほしいですね。軽く考えていると証拠を取られて、報道もされて、強烈なパンチを食らう。 C 確かにメディアにリークするという手もありそうですが。 ●隠蔽工作に大手広告代理店も大活躍!? A でも、テレビ業界にいた立場で言わせてもらうと、報道する側に対しても圧力はあるからね。例えば、「○○○○(大手広告代理店)」はキー局の株主になってたりするので、報道を止めようと思えば大量に出稿している顧客企業から電話一本で止められてしまうこともある。 D 怖い例を言うと、「××××(大手流通会社)」という会社は、昔は大手広告代理店の「■■■■」と組んで、セクハラ事件が起きると被害者女性の家のまわりに暴力団員らしき男をたむろさせたり、女性を助けようとする友人が現れると、その友人が麻薬をやっているとか脱税しているとか噂を広げるという裏マニュアルを使うんだけど、書いた記者に対しても仕掛けてくる場合があるから、気をつけたほうがいいですよ。 B とにかく、週刊紙やテレビのような大手メディアもいいけど、一部のネットメディアも火がつけば拡散して世論が動く可能性もある。ニュースバリューがあることが分かるように粘り強く説得すれば、どこかが載せてくれます。 D 今回はサイゾーが報じてくれたけど、実は「□□□□(某週刊誌)」とか、「■■■■(某テレビ局)」とか、メジャーどころもいくつか取材はしてくれたんだよね。 C まだ出てないですよね。 D あるメディアは「登場人物が有名じゃないからネタにするのは難しい」って。あと、はっきり言わなかったけど、会社同士のしがらみも一部あったようです。たしかにマスコミも慈善事業ではないし、部数や視聴率といった数字も無視はできない。公共性があるとはいっても、ある意味での大人の関係もあるだろうし。 A ただ、「大人の関係」ということで言えば、対抗する側はその「大人の関係」を逆手にとって攻撃する戦略もあるわけですよ。いわゆる裏マニュアルに対抗する裏マニュアルということで、非常に高度な戦いにはなりますけど。そこらは専門のBさんに相談するなりして。 D あと、メジャー誌の記者が言ってたのは、舞台が上海ということで「取材費用が出ない」って。今どこも経営が大変だから。今回は記者さんが上海まで行って関係者数人と会ってるんですが、採算的には赤字でしょうね。 A 考えてみたら、こんな座談会もメジャー誌では記事化されないか。あ、それはそれとして、今日ここで出た代理店とか商社の企業名は伏字にしておいてね。やばいから(笑)。
壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか ナゼナゼ? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 続報!「野村総研強制わいせつ事件」で内部リークが続出! スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇 「武富士」破たんはこれからが正念場 創業一族=武井家の責任を追及する緊急集会が開催

続報!「野村総研強制わいせつ事件」で内部リークが続出!

NRI0401_01.jpg
「嘉華中心」は05年に完成した上海の高級オフィスビル。
野村総研上海支社はこの29階にある。
 当サイトが昨年8月報じた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」が新たな広がりを見せている。事件詳細は前回の記事(http://www.cyzo.com/2010/08/post_5334.html)をご覧いただくとして、概要は以下の通り。  野村総研の上海支社副総経理(日本の副支社長に相当)であるY田氏が、取引先の別会社の女性営業担当者を「業務上の打ち合わせ」であるかのように誘い出し、女性の家に上がりこみ、抱きつき、押し倒してキスを迫るなどの強制わいせつ行為をした事件。女性は事件後に退社しているが、Y田氏はいまだ何の処分も受けてない。Y田氏の勤務先である野村総研は「当人同士で行き違いがあったことは非常に残念です」(広報部)と他人事だ。  ところが、8月にこの記事が出たことをきっかけに、記事を読んだという「同僚」や「関連企業勤務」を名乗る人間から数件の内部リークが寄せられている。被害者側の市民団体(「野村総合研究所のわいせつ、セクハラ被害者を救う会」=以下「救う会」)の一人は次のように言う。 「リークの内容はどれも、上海におけるY田氏の買春行為など、明らかな違法行為を告発するものばかり。あきれるしかありません」 「救う会」によれば、主なリーク内容は以下の通り。 ・Y田氏は上海のカラオケ店で買春行為をしている。 ・2009年10月と、10年1月にマカオで集団買春行為を行った。 ・野村総研の社員でありながら上海市長寧区の日本料理屋に出資し、喫茶店の営業ライセンスしかない同店舗において飲食業を行わせている。
NRI0401_02.jpg
Y田氏が副支社長を務めていた野村総研(NRI)上海支社の受付窓口。
 さらに最近になり、取材陣に対し「Y田氏と近い立場」を名乗る複数の人物から生々しい告発も寄せられている。以下は、そのうちの一人(上海在住の30代男性)から得た証言である。 「記事を見て、『まさか』というよりは『やっぱり』という感じ。女癖が最悪なことで有名でしたからね。Y田さんがミスコン出場者の中国人女子大生を自分の旅行に同伴させていたと(前回の記事に)書かれてましたけど、あの話はこっち(上海)では結構有名ですよ。『うちはミスコンのスポンサー様だ』とか、『上海の子は金で簡単に落とせる』とか、自慢げに言いふらしていました。さすがにみんなドン引きしてましたけど。あと、09年に日本人の女の子も上海に呼ばれてミスコンに出場したんですが、その時は女の子に『おめえらAV嬢と変わんねえだろ』と暴言を吐いてひんしゅくをかってましたね」  「救う会」はこれらの事実関係を確認するために、2010年11月12日付で野村総研本社およびY田氏が弁護を委託している「銀座東法律事務所」(東京都)へ「照会確認」をぶつけたが、野村総研は11年3月31日現在まで無回答。一方のY田氏側からは担当弁護士を通して「事実経緯に異議がある」との回答があったものの、異議の具体的な内容説明につていはいまだ説明がない。それどころか担当弁護士のM川氏は、同じ「銀座東法律事務所」に所属する弁護士6名と共同で署名、捺印した文書を被害者女性の代理人へ内容証明で送付。文面の趣旨は「交渉は野村総研でなく当法律事務所へ連絡せよ」というものだった。  これに対し「救う会」の一人が意図をM川弁護士へ電話で問い合わせたところ、M川氏はY田氏の代理弁護士でありながら「事件の詳細を把握していないので対応できない」と回答。さらに取材陣が後日、この点をM川弁護士に直接確認するため電話で問い合わせると、同法律事務所からは「M川は退職しましたので代理人も辞任しています」「もう当事務所とは一切関係がありません」との答えが返ってきた。
NRI0401_03.jpg
担当弁護士であるM川氏の突然の辞任を知らせる銀座東法律事務所からの通知。
 救う会の一人があきれながら言う。 「代理人である弁護士が事件の詳細を知らないから対応できないというのだから、話になりません。しかも、そんな状態で意図のよくわからない内容証明を、法律に素人の被害者に送りつける威圧行為も大きな問題です。さらにその直後に退職したという。事務所内の混乱ぶりがうかがい知れます。この法律事務所はこれ以外にも不審な対応が目立つので、懲戒請求を検討しているところです」  また、前出の証言者は、今回の被害者以外にも、泣き寝入りしている女性は上海に数多くいるという。 「実はまったく別の女性が、最近までブログにそのことをアップしていたんです。やはり同じように酒を飲まされ、意識を失っているうちにY田さんに性行為をされてしまったと書かれていました。『副総経理(Y田氏の役職)は頭がおかしい!』とコメントされてましたが、今は削除されてます。Y田氏の行為が日常的だったと考えるのが自然でしょうね」  別の証言者(上海在住の日本人男性)も「会社名を絶対に出さないでほしい」との条件で次のようにコメントしてくれた。 「Y田さんは上海から日本へ戻っているみたいですね。最低でも2年はこちら(上海)にいると聞いてたんで、予定よりかなり早い。今回の事件が少しは関係してるんじゃないですか? ただ、野村総研は懲戒処分や降格などの厳しい処分はしないと思いますよ。そういう会社なんで(笑)。本人も武勇伝くらいの認識でしょう」  また、事件発覚当初の10年9月16日、被害者の代理人が野村総研本社を訪れて事実関係を問いただした際、「人事部のT沢部長らが、何度もチッと舌打ちをするなどの横柄な対応をした」(救う会)という録音記録を一部始終聞いてもらったところ、苦笑交じりに次のように感想を述べてくれた。 「だから、そういう会社なんですって(笑)。人事部も『ほとぼりが冷めるまで静かにしてよね」くらいのノリでしょう」
NRI0401_04.jpg
上海ミスコンの出場者数人をY田氏は個人旅行に同伴させたという。
 この事態を当の野村総研本社はどう受け止めているのか。昨年8月のサイゾーからの問い合わせには、広報部の女性担当者が「お世話になりますぅ」「えーと、これは記事に出る感じですかぁ?」「うーん、Y田は幹部とまでは言えるかどうか~」と、実にハイテンションな応対をしてくれたが、あれから半年が経過した今、認識に変化は見られるのだろうか。電話で問い合わせてみたところ、以下の回答が返ってきた。 「現在、担当弁護士と相談しながら対応を検討しています」(広報部)  前回(昨年8月)質問した時は、あくまで「当人同士の個人的な問題」との認識だったはずだが、半年が経過してさすがに社としての対応を取り始めたということなのだろうか。 「いえ、それも含めて検討しているということです」  つまり、まだ何もしていないということのようだ。 (文=浮島さとし)
挑戦し続ける野村総合研究所 そういう会社。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇 「武富士」破たんはこれからが正念場 創業一族=武井家の責任を追及する緊急集会が開催 自己破産の正しい作法とは? 消費者金融の実態を描いた『仮面の消費者金融』

スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇

nri0829.jpg
野村総研HP
 「野村総合研究所」(嶋本正代表取締役社長)といえば、企業コンプライアンスに関しては日本を代表するシンクタンク。その野村総研の幹部に、強制わいせつ事件の疑惑が持ち上がっている。発端は8月16日に大阪弁護士会へ提出された一通の懲戒請求書。懲戒請求を出されたのは、大阪弁護士会に所属する中国人弁護士。  請求書の内容によれば、この中国人弁護士は、法的に許されていない日本国内における弁護士活動を違法に行い(非弁行為)、これが外弁法もしくは弁護士法の違反の可能性があるとして、懲戒の対象となるというのが請求の趣旨。その中国人弁護士が担当していた日本人依頼者が、野村総研のとある経営陣だというのだ。  問題の経営陣とは、野村総研・北京社上海支社副総経理(日本の副社長に相当)のY田氏。懲戒請求書に添付された資料をもとにした事件の概要は以下のとおりだ。
nrichokai.jpg
実際の懲戒請求書(クリックすると
拡大します)
 事件のはじまりは2007年12月の上海。広告代理店営業担当(当時)のA子さんは、日本人同士が集まるある会で、取引候補先である野村総研・北京社上海支社副総経理のY田氏と知り合い、上司とともに仕事上の会食を行う。その際、名刺を持ち合わせていなかったA子さんがY田氏に連絡先を電子メールで送ると、翌08年1月25日に食事の誘いを受ける。A子さんは業務の延長ということで応じたが、食事の席上、Y田氏は仕事の話をさえぎりながら、さかんに酒をすすめ、食事後にA子さんが帰りのタクシーを呼ぶと自分も強引に乗り込み、A子さんの体を触るなどの行為を繰り返した。さらにタクシーがA子さんの自宅に着くと、Y田氏は自分もタクシーを降りてA子さんの部屋にまで上がりこみ、キスを迫り、抱きついて押し倒そうとするなどのわいせつ行為を働いた。A子さんはこれを拒絶した。  Y田氏はその後も、A子さんの取引候補先に大手文具メーカー「コクヨ」中国社があることを知ると、A子さんと勤務先会社に対し、「コクヨのシステム面は全部うち(野村総研)でやってるから」「コクヨを今度紹介する」旨の話を持ち出し、業務上の優位性を保ちながらA子さんとの繋がりを維持しようと試みた。  一方でA子さんは、企業コンプライアンスの分野に詳しい友人B氏に、事件の顛末を相談した。B氏はスタッフを伴い直ちに上海へ渡り、Y田氏の身辺を調査。その結果、新たに次のようなY田氏の行状が明らかになった。  上海のある大学で開催されたミスキャンパスのイベント(以下、ミスコン)に際し、Y田氏は野村総研と三菱商事が共同出資するグループ企業「iVision Shanghai(アイビジョン上海)」(中村柔剛総経理代理)を通じ、同社会計からの協賛金の拠出や、イベント用ウェブサイトの無償構築をイベント側へ打診。その見返りに、イベントプログラムの中に水着撮影コーナーを設けることを提案し、Y田氏自らもカメラマンとして参加。さらに、コンテストに参加した女子大生らに、Y田氏個人の旅行へ同伴させていたという。  関係者の証言を得たB氏らは帰国後、これら事実を野村総研本社にぶつけた。野村総研側は当初、人事部がこれに対応したが、わいせつ行為自体は調査中として認めず、謝罪の言葉もなく、Y田氏に対する処分も「具体的に検討していない」と回答した。また、ミスコンへのスポンサードの実施、検討の事実も否定し、「これは野村総研として確認した事実」と主張した。  ところが後日、B氏が事件の顛末をまとめた文書を当時の野村総研の藤沼彰久社長(現会長)に送付したところ、こんどはM法律事務所(千代田区丸の内)のT弁護士が面談に応じ、「事実経緯についてはほぼ反論はない」と認めたうえで、A子さんへの行為はY田氏の恋愛感情であり、ミスコンへのスポンサードも「Y田氏が個人的にイベントを応援しようとした」と主張。そのうえで「Y田氏は女性に謝罪をする意向」と説明をした。そして後日、「今後の交渉はY田氏個人の代理人である大阪弁護士会所属の中国人弁護士と行なうように」と、事件がY田氏個人の問題であるとの認識を示し、「今後は本社に連絡をしないように」との通知をA子さん側に送りつけた。  ところが、この中国人弁護士が日本法における対応資格がないにも関わらず、あたかも弁護士資格を有するかのような発言を繰り返し、さらにA子さん側に対してもメールや文書で「不正確な話をあちこちに流したら、将来、名誉毀損により大変なことになります」「貴殿が不正確な内容を第三者に対して流布した場合、その名誉毀損行為に対して(中略)直ちに法的措置を実施します」などと、根拠法を示さずに脅しともとれる行為を繰り返し、これが結果的に、冒頭の懲戒請求につながることになる。大阪弁護士会はこれを受理し、現在調査が進められている。「謝罪する意向」なはずのY田氏からA子さんへの謝罪は、今も一切ないという。  今回の一連の騒動について、武蔵野学院大学客員教授で証拠調査士の平塚俊樹氏は、「懲戒請求の内容が事実なら、今回の野村総研の対応はあまりにお粗末」とあきれ気味だ。 「野村総研といえば、コンプライアンス遵守のコンサルティングもしている日本最大手のシンクタンク。Y田氏はその副社長です。その立場にある40代半ばの人間が、発注権限をチラつかせながら、取引先の20代半ばの女性社員に事実上、肉体関係を要求した。恋愛と勘違いしたという主張が社会的に認められると考えるには、あまりに無理があります」  さらに、ミスコンへの"スポンサード問題"についても、 「アイビジョン社のお金がY田氏の個人的な都合で使われたとすれば、会社の利益に相反する背任行為です。『個人的な応援』などと認められるはずもありません。そもそも、野村総研人事部は当初、スポンサードの事実はおろか『検討したことすらない。個人的な行為だ』と主張していたわけですから、株式の約半分を出資するグループ企業が関係していたのなら、実質的な隠蔽工作と受けとられても仕方ないでしょう」  と語る。  野村総研はサイゾーの取材に対し、「残念ですが当人たちの間に行き違いがあったようです。現在、関係者を通して調整中ですので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきます」(広報部)と回答している。 (文=浮島さとし) ■被害者側の有志が立ち上げているサイト http://blog.livedoor.jp/rescuesekuhara/
壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか 「魔が差した」はウソ!? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「あなたはセクハラの代名詞」根拠なき誹謗中傷続ける東村山市議 グラドル大久保麻梨子移籍 裏にはセクハラ&借金騒動!? サッカー協会犬飼新体制にセクハラ理事疑惑が噴出!