アジア移住人気のワケ 起業や節税、高水準な教育求める母子留学、親の介護も安価…

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 新橋のビジネスマン133人が選ぶ、一足早い“勝手に”AKB総選挙結果…主力陣苦戦 地下化された下北沢駅周辺の跡地用途は白紙?公園?小田急電鉄に直撃! 岡村隆史、“妹分”矢口真里の離婚に「マジでか…という噂も耳に。謝罪の必要ない」 ■特にオススメ記事はこちら! アジア移住人気のワケ 起業や節税、高水準な教育求める母子留学、親の介護も安価… - Business Journal(6月1日)
シンガポールに11年2月開業した超巨大ホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」の屋上プール
 東南アジアに移住する日本人が増えている。国力低下につながる、富裕層や優秀な人材の流出は、なぜ起こっているのか? そして、移住先にはどんな魅力があるのか?  5月に『中国・インドの次に来る大チャンス 新興アジアでお金持ち』(講談社)を上梓した岡村聡氏に解説してもらった。  私は貯金をこれからしていく20代の若者から、資産数十億円以上の超富裕層まで、幅広い年代・資産クラスの方々に資産運用のアドバイスを行う会社を経営しているが、最近、頻繁に多くのお客様から海外移住についての相談を受けるようになってきた。  その中でも、シンガポール、マレーシアを中心とした東南アジアへの関心が非常に高まっている。これまでは、オーストラリアやニュージランドなどのオセアニアも、移住先として日本人の注目を集めてきたが、中国人を中心とした富裕層が殺到したことで、数年間の居住ビザの取得に5000万円以上を、永住権の取得には5億円以上を、両国政府が指定する商品に投資しなければならなくなったため、ほとんどの人には手が出しづらくなった。そこで、地理的にも文化的にも日本と近く、経済的なハードルも他の地域への移住ほど高くない東南アジアが注目されるようになってきた。  東南アジアへの移住に関心を持つ人たちは、大きく4つのパターンに分けられる。1つ目は富裕層や起業家が節税やビジネスのために行う移住で、この目的についてはシンガポールが圧倒的な人気となっている。2つ目は、現役世代がキャリアアップの中で転職することに伴う移住で、これについてもシンガポールが最も人気だ。3つ目は、引退世代が老後の生活費を抑えつつ、かつ充実した生活を送るための移住で、この目的ではマレーシアやタイが中心だ。最後の4つ目は、近年急増してきている母親と小さな子どもによる母子留学だ。母子留学についてはシンガポールが人気だったが、マレーシアも注目を集め始めている。  一般的に“東南アジア”と呼ぶ時に対象となるのは、ASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟している10カ国だが、日本人の移住先としては上記のようにシンガポール、マレーシア、タイの3カ国が中心となる。製造業を中心に進出が進むインドネシアやベトナム、経済が絶好調のフィリピンなどへの関心も高まってきてはいるが、日本人で現地に住む人は駐在員など期間が限定である人がほとんどで、完全に移住する人は少ない。 ●手厚い税優遇  富裕層や起業家がシンガポールに移住する最大のポイントは、やはり税金だろう。企業収益にかかってくる法人税は日本が40%程度であるのに対して、シンガポールはわずか17%だ。さらに、シンガポールで創業した法人は、創業3年目まで法人税が10%程度にまで軽減され、大企業もアジア本社をシンガポールに置いた場合は5%程度、グローバル本社を置いた場合は0%まで法人税が優遇されることがあるようだ。  こうした低い税金を求めてグローバル企業の多くはアジア本社をシンガポールに置くようになっており、昨年はP&Gがアジア本社を神戸からシンガポールに移し、三菱商事の金属部門も本社を東京からシンガポールに移したことは、日本でも話題になった。  法人税だけでなく、所得税の最高税率も日本の場合50%(住民税を含めて)で、これが55%まで引き上げられることが検討されているが、シンガポールでは20%と半分以下の水準だ。また、富裕層にとっては、投資収益にかかるキャピタルゲイン課税や相続税がシンガポールにはないことも魅力だろう。  このように、狭い国土で資源にも乏しいシンガポールは、国を挙げて富裕層・起業家を集める優遇策を整えることで、高付加価値人材をグローバルから集め、それがさらに人的ネットワークとなりシンガポールの魅力を高めることになるという好循環に入っている。不動産価格の高騰や、生活費の上昇など負の側面も現れ始めているが、日本人を含めた世界の富裕層・起業家がシンガポールに集まるトレンドはしばらく続くだろう。  2つ目のキャリアアップのためのシンガポール移住が進んでいることも、富裕層・起業家の流入と関係している。ビジネス上の意思決定を行う人物がシンガポールに増えることで、必然的にそれをサポートする人材へのニーズも高まってきている。金融・経営コンサルティング業界の専門的人材や、弁護士、会計士などがそれにあたるが、アジアで最も規模が大きくダイナミックなビジネス上の意思決定がシンガポールで行われるようになってきたことで、上記のような専門的なスキルを持つ人材のシンガポールへの移住も増えてきている。私自身、この夏にはシンガポールに法人を設立する予定だが、日本で資産運用のアドバイスを行っていたお客様が、富裕層を中心にシンガポールに続々と移住していることが、シンガポール進出の背景にある。 ●引退世代に人気のマレーシア、タイ  ただ、この富裕層、起業家、専門的な人材の流入により、シンガポールの不動産価格はオーチャードなど人気エリアの高級コンドミニアムであれば、平米単価が500万円(100平米のコンドミニアムで5億円)の物件が出てくるなど高騰しており、多くの人にとって手が出なくなってしまっている。こうした不動産価格、生活費の高騰が、長くシンガポールに住むローカルの不満を増す要因となっているので、国内に税収や雇用を生む起業家以外へのビザの発行を、同国政府も絞り始めている。  そこで、3つ目の引退層の移住先として注目を集めているのがマレーシア、タイだ。特に、マレーシアは日本人の移住先としてここ5年以上一番の人気となるなど、日本の引退層に絶大な人気を誇っている。  マレーシアに移住する際に取得するビザが、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)だ。タイにも同様の引退層向けのビザはあるが、更新期間は1年と短いのに対して、MM2Hは10年間のビザであることが人気となっている理由だ。金融資産が1000万円以上あって、月額収入が30万円以上あることがMM2H取得の条件となっており、タイのビザよりも取得ハードルは高いが、夫婦の資産や所得を合算できるため、多くの日本人引退層にとって検討範囲内だろう。日本人のMM2Hの取得者数は2010年に200人であったのが、11年に400人、12年に2000人と激増してきている。 ●介護施設費用は3分の1  また、本人のみが対象のタイのビザと異なり、MM2Hは本人と配偶者、21歳以下の子どもに加えて、両親も対象となる。介護が必要な人物であっても一緒に移住できるため、最近では引退世代が、介護が必要な両親を連れてマレーシアに移住するケースも増えてきた。マレーシアの首都クアラルンプールを中心として、日本語を話せるスタッフが常駐する介護施設が増えてきており、コストも月額10万円以下と、日本の同等の施設と比較して半分から3分の1程度の費用で済み、非常にリーズナブルだ。介護施設に入る必要がなかったとしても、マレーシアでは住み込みのメイドさんが月額2〜3万円で雇えるため、家事や両親の世話などを手伝ってもらえることも魅力だろう。  最後に4つ目として挙げた東南アジアへの母子留学も増えてきている。上記のようにシンガポールのビザは取得が難しくなっているが、シンガポール内のインターナショナル・スクールに子どもが通っていれば、保護者向けのビザが1つ発行される。これを利用して、幼少期から英語・中国語が学べ、質の高いインターナショナル・スクールが数多く存在するシンガポールに、小さな子どもと母親の2人で移住するケースが増えている。  ただ、前述したようにシンガポールの不動産価格・生活費は高騰してきているため、シンガポールから近い、マレーシアのジョホール・バルに母子留学をするケースも見られ始めた。ジョホール・バルには、英国のマルボロ・カレッジや、米国のカリキュラムに準拠したラッフルズ・アメリカン・スクールなど、世界的な名門校が国策として集められてきており、母子留学先としての魅力を急速に高めている。  このように、日本人の多種多様な人々がシンガポールを中心とした東南アジアに移住する例が増えてきている。筆者自身、初めてシンガポールを訪れてからわずか2年で、シンガポールに法人設立を決意するなど、東南アジアとの関わりを深めてきている。  私が2年という短い期間で東南アジアに進出しようと思った理由や、東南アジアへの移住、さらには東南アジアへの投資や転職、起業などについて幅広く有益情報を整理した書籍『中国・インドの次に来る大チャンス 新興アジアでお金持ち』(講談社)が出版されたので、この記事を通じて東南アジアに関心を持った人は、お手に取っていただけると嬉しい。 ●岡村聡(おかむら・さとし) 東京大学工学部卒、東京大学大学院学際情報学府卒。経営コンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、 国内大手PEファンド「アドバンテッジパートナーズ」に勤務後、2010年、株式会社S&S investmentsを立ち上げる。資産運用、海外移住や海外不動産投資などに関するコンサルティングを積極的に行っている。 ■おすすめ記事 新橋のビジネスマン133人が選ぶ、一足早い“勝手に”AKB総選挙結果…主力陣苦戦 地下化された下北沢駅周辺の跡地用途は白紙?公園?小田急電鉄に直撃! 岡村隆史、“妹分”矢口真里の離婚に「マジでか…という噂も耳に。謝罪の必要ない」 編集者にマンガの原稿をなくされた赤塚不二夫が発した言葉とは? なぜ関西、中高一貫校が国公立大に強い?本当に学ぶべき大学・塾は?

Jカルチャーは韓国に"いいとこどり"されている!?  「クール・ジャパン」今後の課題

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アニメ・フェスティバル・アジア2010の様子。
 「クール・ジャパン」のかけ声が、ますますかまびすしい昨今。6月には、日本政府が、日本文化の輸出を促進する「クール・ジャパン推進体制」を整備し、2020年には、アジア市場でのコンテンツ収入1兆円を目指すという、ジャパニーズ・ポップカルチャーのアジアへの拡大路線を発表したばかりだ。  去る11月13・14日、シンガポールで、東南アジア最大規模のジャパニーズ・アニメとポップカルチャーの祭典「アニメ・フェスティバル・アジア2010(AFAX)」が開催された。会場のサンテック・コンベンション・センターでは、アニソンのコンサートやフォーラムが行われるステージエリアと、物販や小規模なイベントが行われるフェルティバルホールが設置された。開催3年目を迎えて認知度を増し、また、開催直前にAKB48の東南アジア初のコンサートが決定するという話題も加え、シンガポールだけでなく、インドネシアやタイ、マレーシアなど、近隣の東南アジア諸国から、7万人ものファンやコスプレーヤーたちが集結した。
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会場には多数のコスプレイヤーたちの姿が。
 イベント開催前日(11月12日)には「クール・ジャパン・フォーラム」が行われた。日本のエンタテインメント・ブランドやコンテンツがどのように開発され、市場を作り、成功したか、その経験をシェアし、今後のアジアのコンテンツ産業の発展や、日本−アジア間のコラボレーションを推進する、アジア・コンテンツ・ビジネスの新しい「プラットフォーム」にしようというもくろみだ。  世界的な"カリスマ・オタク"、ダニー・チュー氏の総合司会で進行され、中西豪氏(キングレコード プロデューサー)、大浜史太郎氏(東京ガールズコレクション実行委員長)、秋元康氏(放送作家、AKB48プロデューサー)、杉山恒太郎氏(電通取締役)、高柳大輔氏(経済産業省商務情報政策局)など、アニメ、ファッション、エンタテインメント各分野のリーダーたちからのプレゼンテーションに、ビジネスのヒントを掴もうと会場に集まった来場者たちが身を乗り出して聞き入る姿が印象的だった。  しかし、こうした日本側からの意図的な「クール・ジャパン」施策よりもずっと昔から、ジャパニーズ・ポップカルチャーがアジアに与えて来た影響は、恐らく日本人の予想を遥かに越えたものとなっている。
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クール・ジャパン・フォーラムの様子。
 AFAXと連動する形で、11月11〜13日の3日間に渡り、日本ASEANセンター主催の「コンテンツ産業のための日本ASEANフォーラム:ポップカルチャーのフュージョン」が開かれ、日本とASEAN10カ国の代表がコンテンツ産業とポップカルチャーの現状と課題を共有する機会を有した。  ASEAN各国は、10~20代が人口の大多数を占める若いエリア。インターネットとFacebookで情報を得、コミュニケーションするデジタルエイジが、2000年以降のポップ・カルチャーシーンを牽引している。  それぞれの地理的、歴史的背景によるコンテンツ産業への取り組みや、インターネット環境などのインフラ整備の段階には、国によって違いは見られるものの、過去30年ほどの、日本を含めた他国からのカルチャーの入り方と時期は、驚くほど似通っている。  まず70~80年代には、アニメ、テレビ番組を中心としたジャパニーズ・ポップカルチャーが当時の子どもたちを熱狂させ、90年代に入るとそれが音楽(Jポップ)に広がり、ファッションやライフスタイルにまで影響を及ぼすようになる。今の30〜40代世代のほとんどがJカルチャーをごく自然に享受し、自分の一部として消化している。彼らにとっては、ジャパニーズ・ポップカルチャーは、「日本から来たもの」というよりも、もはや国を越えた共通言語なのだ。  ところが、自国のコンテンツの影響力を見落とし、市場の世代交代の対応に遅れたJカルチャーは、2000年以降、Kカルチャーの、国をあげての追撃に、ビジネス的には完全にお株を取られることになる。韓国は10~20代をメインターゲットとし、彼らの消費欲に合わせたコンテンツ(テレビ番組、映画、ファッション、コスメ、IT製品、オンラインゲームなどなど)にいち早くギアチェンジ。輸出規制を緩和し、自国のコンテンツをアジア市場にプッシュする、アグレッシブなマーケティングを行ったのだ。 Jカルチャーが今もかろうじてその"クールさ"を保持しているのは、コミックとアニメと食(ラーメン、トンカツ、寿司、日本茶など)のみとは......。つまり、日本で生まれたポップカルチャーは、事実上、韓国によって究極の「いいとこどり」を施され、商業化、市場化された、というのが、東南アジアのコンテンツ産業やクリエイティブ産業に関わる人たちに共通した認識なのだ。
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ASEANフォーラムの様子。
 今後は、ASEANの、あるいはその国独自のカルチャー・コンテンツを育てていくことが必須の課題となってくる。そのときのパートナーとして、日本がどのような役割を果たしていけるか。会議の参加者からは、日本のクリエイティビティに大きな信頼と期待を寄せる声が多く聞かれた。 これにシンクロするように、前述の「クール・ジャパン・フォーラム」で、杉山氏の述べた「クール・ジャパンは、歴史とモダンのシナジーである」という言葉は、「国のキャラクターを損なわずに、世界に通用するコンテンツを育てるにはどうすればいいのか?」と疑問を呈していた参加者にとってはズバリの回答になっただろうし、他のプレゼンターたちからも「日本からの一方的な発信ではなく、カルチャーを相互理解した上で、新しい市場を作っていくべき」という提案が、言葉を変えて繰り返された。  2020年には、東南アジアの富裕層の人口は3.9億に達するという予測もある。この巨大な市場を魅了していくためには、経済的な側面だけで捉えるのではなく、何よりも文化的(アジア人の心の根っこの部分)な面での共感を得、新しい世代に向けた"アジア発のポップカルチャー"を一緒に作り上げていくという気概こそが重要なのではないだろうか。 (取材・文=中西多香[ASHU]) ●「アニメ・フェスティバル・アジア2010」 < http://www.animefestival.asia/> ●実際にジャパニーズ・ポップカルチャーの影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエイターたちへのインタビューは、こちら
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「首相談話」は反日感情再燃が狙い!? 日韓併合100周年に考える「本当の中韓関係」

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なぜかおもねる首相談話。
 かつて大日本帝国が朝鮮半島を領有した「日韓併合」。その併合条約は明治43(1910)年8月22日に調印され、29日に公布・施行された。それから100周年を迎える今年の8月29日に先立ち、菅直人総理は植民地支配への「痛切な反省と心からのおわび」を表明する首相談話を10日に発表した。  特に注目されたのは「当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました」との表現。日韓併合をめぐる日本の立場は、昭和40年の佐藤栄作首相の「両者の完全な意思、平等な立場において(条約が)締結された」との答弁を歴代政権が引き継いできた経過がある。野党からは「意に反してという表現は併合条約の無効性さえ認めかねない。95年の村山談話より大きく踏み込んだ内容で極めて遺憾」(自民党議員)との声もある。  舌鋒の鋭さでおなじみの保守系論客はこれをどう見るのか? 元外交官で、現在は外交評論家である、NPO法人「岡崎研究所」所長の岡崎久彦氏に聞いた。 ――「日韓併合100周年」へ向けた今回の政府談話についてご意見をお聞かせください。 岡崎久彦氏(以下、岡崎) 寝た子を起こしたような話で、おさまっていた問題をわざわざ政府が蒸し返しているんですよ。日韓関係は今、民間のほうが進んでいる。韓国のアイドルグループが日本で人気を集めたり、非常に仲がいいですよね。若い人は抵抗なくお互いの文化を受け入れることができる。戦後の「朝鮮人蔑視」なんていう意識を持っている人は少ないですよ。そういう時流が生まれると、必ず今回みたいに反日感情を再燃させようという勢力が動く。 ――その「勢力」とは具体的にどういう人たちですか。 岡崎 70年安保で挫折した人たちです。彼らは学生運動を終えて卒業しても就職できなかった。辛うじてもぐりこめたのが、役所であり、学校であり、新聞社だった。それが10年経って文部省や日教組で役職がついて、全共闘世代がようやく社会で発言力をもったのが80年代です。日韓問題が蒸し返されたのが、82年の教科書問題と85年の中曽根首相の靖国参拝ですが、どちらも日本のメディアが中国や韓国へご注進し、わざわざ反日コメントを引き出した。日本発信なんですよ。 ――A級戦犯の靖国神社への合祀が発表されたのが79年ですが、それまで一度も靖国批判をしてこなかった中韓が、85年の中曽根首相の参拝で唐突に批判の声をあげました。 岡崎 あれは朝日新聞発信です。ある日の紙面で「中国政府内部で中曽根総理の靖国参拝に批判的な声がある」と書いた。"政府内部"なんて言われても誰だかわからない。その直後に中国の「人民日報」が「日本の代表的メディアの一つである朝日新聞が参拝を批判している」と書き、今度はそれを朝日が拾って、「人民日報が日本を批判してる」と書く。さらに中韓の広報部へ行って「靖国問題が起こってるがどう思うか?」なんて聞くから、広報部だって立場があるから批判的なコメントを出す。すると「中国、韓国が厳しく反応」なんて書いて、それが国民世論として定着する。そんなことばかりやっていたんです。 ――日本のメディアが中国、韓国へマッチポンプ的に御用聞きに回っていた?
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「全共闘世代が問題を蒸し返している」
と岡崎氏。
岡崎 正しくいえば中韓に限らず東南アジア全域ですね。私はタイの大使を88年から92年までしていましが、その時代は特にひどかった。日本の防衛費が上がると、日本のすべての新聞が東南アジア各国の広報へ行き、「日本の軍国主義再興は脅威ですか?」と聞きにいく。軍国主義の再興が怖いかと聞かれたら、怖いと答えますよね。そうすると「アジア各国は厳しく反応」なんて一面に見出しが躍る。それが毎年でした。私のところにも聞きにきたので、「タイは大丈夫ですよ」と答えたんですけどね(笑) ――戦後処理をあいまいにしてきたツケだという声もあります。 岡崎 日本の戦争の過去の問題は決して未解決で放置してきたわけではなく、日韓基本条約ですでに解決済です。あとは人々に残る記憶の問題ですが、戦争の記憶というのはだいたい一世代、年数でいえば30年くらいで消えて、それからは歴史家の手に委ねられるものなんです。アメリカの独立運動でもイギリスによる圧制がありましたが、それをアメリカはいつまでも恨んでいるわけではないし、イギリスだって謝りもしない。また、1815年にワーテルローで敗れたナポレオンは島流しにまでされて叩かれたわけですが、一世代後にはその評価も消え、ナポレオンはフランスの栄光を輝かしたという評価で定着している。戦争の評価というのは、ある一定期間を過ぎたら歴史家の手に委ねられるものなんです。 ――歴史家に委ねるべき日本の戦後評価を、日本メディアが自ら人為的に蒸し返した? 岡崎 そういうことです。人工的に作ったムーブメントだから、いずれ消えますよ。中国も韓国も政策的には未来志向というスタンスですし。ただ、困ったことに、消えそうになると火をつける人がいる。それに乗っかるメディアもいる。その例が今回の菅総理の「談話」ですよ。たしかに反日教育は存在するし、それに反発する日本人の感情もありますが、本質的には民間レベルの中韓関係は非常に良好です。だから若い方々に申し上げたいのは、メディアに騙されてせっかくの友好関係を崩さないでほしいということ。政府がおかしな「談話」を出せばメディアも書くわけで、そんなものは無視すればいい。たとえ朝日新聞の一面に載っても無視すると(笑)。 (文=浮島さとし)
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