東京ドームが大ピンチだ。節電のため4月中は使用自粛となっているが、球場内に広告を出している企業が激怒しているという。 ある企業は、既に3月末で広告から撤退するという。10年以上、広告を出し続けてきた松本歯科大学も7月までに撤退することを検討し始めた。同大学の関係者によると「4月以降に使用が再開できればいいんですが、これから夏に向けて家庭の消費電力も増えるので、この先も使用自粛の可能性が高い。早めに手を打つしかない」と話す。 ドームの野球使用は約5,000世帯の1日分の消費電力を必要とする。1988年の設立時は「日本初の屋根付き球場」として雨天中止がないと持てはやされたが、デーゲームでもナイターと同じ電力消費量があるという弱点をさらけ出した形だ。 当初は本拠地とする巨人が節電使用を訴えていたが、ドームの整備担当者に聞いたところ「外の装飾照明は落とせても、使用するなら通路を暗くすることはできない。空気圧で膨らませている屋根を支える送風ファンにも電力を使います。大幅な節電は難しい」というから、夏の使用も非常に厳しい様子だ。 ドームには自家発電装置もあるが、これは災害時の緊急用で「試合に使うほどの電力を想定したものではない」(同)という。 東京ドームにとって痛いのは、企業から広告費用返還の相談がきていることだ。ある企業の広報は「試合が全て行なわれる前提で支払った広告料なのだから、試合がないならその分は返金すべき」と交渉する構え。 株式会社東京ドームは1月、遊園地内で死亡事故があり、さらには所有する後楽園ホールが地震の影響で損傷、3月の予定が軒並み吹っ飛んだ。さらに東京ドームホテルの業績も減少傾向で売却観測も浮上しつつある。 昨年12月と今年1月、ドームは続けて業績の大幅下方修正していた中だ。今年1月期の予想では純損益9億円の赤字(従来9億円の黒字予想)としていたが、このままではさらに大きな赤字を抱えることも見通される。 小規模の広告でも年間1,000万円は下らないと言われるドーム広告だが、近年はプロ野球の試合中継も減少し広告効果も下落していた。今回の使用自粛で企業広告が撤退してしまえば、それこそ存続の危機に関わる大ピンチに陥る。 関係者のなかには「さいたまスーパーアリーナのように避難所として開放してはどうか」という声もあるが、とてもそんな余裕はなさそうだ。 (文=鈴木雅久)できた当時は"夢の球場"でしたが......。
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続報!「野村総研強制わいせつ事件」で内部リークが続出!

「嘉華中心」は05年に完成した上海の高級オフィスビル。
野村総研上海支社はこの29階にある。
当サイトが昨年8月報じた、いわゆる「野村総研強制わいせつ事件」が新たな広がりを見せている。事件詳細は前回の記事(http://www.cyzo.com/2010/08/post_5334.html)をご覧いただくとして、概要は以下の通り。
野村総研の上海支社副総経理(日本の副支社長に相当)であるY田氏が、取引先の別会社の女性営業担当者を「業務上の打ち合わせ」であるかのように誘い出し、女性の家に上がりこみ、抱きつき、押し倒してキスを迫るなどの強制わいせつ行為をした事件。女性は事件後に退社しているが、Y田氏はいまだ何の処分も受けてない。Y田氏の勤務先である野村総研は「当人同士で行き違いがあったことは非常に残念です」(広報部)と他人事だ。
ところが、8月にこの記事が出たことをきっかけに、記事を読んだという「同僚」や「関連企業勤務」を名乗る人間から数件の内部リークが寄せられている。被害者側の市民団体(「野村総合研究所のわいせつ、セクハラ被害者を救う会」=以下「救う会」)の一人は次のように言う。
「リークの内容はどれも、上海におけるY田氏の買春行為など、明らかな違法行為を告発するものばかり。あきれるしかありません」
「救う会」によれば、主なリーク内容は以下の通り。
・Y田氏は上海のカラオケ店で買春行為をしている。
・2009年10月と、10年1月にマカオで集団買春行為を行った。
・野村総研の社員でありながら上海市長寧区の日本料理屋に出資し、喫茶店の営業ライセンスしかない同店舗において飲食業を行わせている。

Y田氏が副支社長を務めていた野村総研(NRI)上海支社の受付窓口。
さらに最近になり、取材陣に対し「Y田氏と近い立場」を名乗る複数の人物から生々しい告発も寄せられている。以下は、そのうちの一人(上海在住の30代男性)から得た証言である。
「記事を見て、『まさか』というよりは『やっぱり』という感じ。女癖が最悪なことで有名でしたからね。Y田さんがミスコン出場者の中国人女子大生を自分の旅行に同伴させていたと(前回の記事に)書かれてましたけど、あの話はこっち(上海)では結構有名ですよ。『うちはミスコンのスポンサー様だ』とか、『上海の子は金で簡単に落とせる』とか、自慢げに言いふらしていました。さすがにみんなドン引きしてましたけど。あと、09年に日本人の女の子も上海に呼ばれてミスコンに出場したんですが、その時は女の子に『おめえらAV嬢と変わんねえだろ』と暴言を吐いてひんしゅくをかってましたね」
「救う会」はこれらの事実関係を確認するために、2010年11月12日付で野村総研本社およびY田氏が弁護を委託している「銀座東法律事務所」(東京都)へ「照会確認」をぶつけたが、野村総研は11年3月31日現在まで無回答。一方のY田氏側からは担当弁護士を通して「事実経緯に異議がある」との回答があったものの、異議の具体的な内容説明につていはいまだ説明がない。それどころか担当弁護士のM川氏は、同じ「銀座東法律事務所」に所属する弁護士6名と共同で署名、捺印した文書を被害者女性の代理人へ内容証明で送付。文面の趣旨は「交渉は野村総研でなく当法律事務所へ連絡せよ」というものだった。
これに対し「救う会」の一人が意図をM川弁護士へ電話で問い合わせたところ、M川氏はY田氏の代理弁護士でありながら「事件の詳細を把握していないので対応できない」と回答。さらに取材陣が後日、この点をM川弁護士に直接確認するため電話で問い合わせると、同法律事務所からは「M川は退職しましたので代理人も辞任しています」「もう当事務所とは一切関係がありません」との答えが返ってきた。

担当弁護士であるM川氏の突然の辞任を知らせる銀座東法律事務所からの通知。
救う会の一人があきれながら言う。
「代理人である弁護士が事件の詳細を知らないから対応できないというのだから、話になりません。しかも、そんな状態で意図のよくわからない内容証明を、法律に素人の被害者に送りつける威圧行為も大きな問題です。さらにその直後に退職したという。事務所内の混乱ぶりがうかがい知れます。この法律事務所はこれ以外にも不審な対応が目立つので、懲戒請求を検討しているところです」
また、前出の証言者は、今回の被害者以外にも、泣き寝入りしている女性は上海に数多くいるという。
「実はまったく別の女性が、最近までブログにそのことをアップしていたんです。やはり同じように酒を飲まされ、意識を失っているうちにY田さんに性行為をされてしまったと書かれていました。『副総経理(Y田氏の役職)は頭がおかしい!』とコメントされてましたが、今は削除されてます。Y田氏の行為が日常的だったと考えるのが自然でしょうね」
別の証言者(上海在住の日本人男性)も「会社名を絶対に出さないでほしい」との条件で次のようにコメントしてくれた。
「Y田さんは上海から日本へ戻っているみたいですね。最低でも2年はこちら(上海)にいると聞いてたんで、予定よりかなり早い。今回の事件が少しは関係してるんじゃないですか? ただ、野村総研は懲戒処分や降格などの厳しい処分はしないと思いますよ。そういう会社なんで(笑)。本人も武勇伝くらいの認識でしょう」
また、事件発覚当初の10年9月16日、被害者の代理人が野村総研本社を訪れて事実関係を問いただした際、「人事部のT沢部長らが、何度もチッと舌打ちをするなどの横柄な対応をした」(救う会)という録音記録を一部始終聞いてもらったところ、苦笑交じりに次のように感想を述べてくれた。
「だから、そういう会社なんですって(笑)。人事部も『ほとぼりが冷めるまで静かにしてよね」くらいのノリでしょう」

上海ミスコンの出場者数人をY田氏は個人旅行に同伴させたという。
この事態を当の野村総研本社はどう受け止めているのか。昨年8月のサイゾーからの問い合わせには、広報部の女性担当者が「お世話になりますぅ」「えーと、これは記事に出る感じですかぁ?」「うーん、Y田は幹部とまでは言えるかどうか~」と、実にハイテンションな応対をしてくれたが、あれから半年が経過した今、認識に変化は見られるのだろうか。電話で問い合わせてみたところ、以下の回答が返ってきた。
「現在、担当弁護士と相談しながら対応を検討しています」(広報部)
前回(昨年8月)質問した時は、あくまで「当人同士の個人的な問題」との認識だったはずだが、半年が経過してさすがに社としての対応を取り始めたということなのだろうか。
「いえ、それも含めて検討しているということです」
つまり、まだ何もしていないということのようだ。
(文=浮島さとし)
「それでも年収1,000万超」テレビ不況の中『日テレ×労組』の対立が法廷へ!?

日本テレビ公式ページより
日本テレビの内部対立が激化の一途だ。
昨年3月、日本テレビは春闘の中で給与制度の全面的な改定を進めたが、同局の労働組合はこれに猛反発し、断続的なストライキを繰り返している。
新しい給与制度では年功序列が見直され、残業手当ても切り下げ、さらに評価が一定に達しない場合は定期昇給もなく、年収が3割ほど減るとも言われる。
「家族3人を抱え、月50万円ぐらいもらっている40代の社員が35万円ぐらいになってしまう計算。これは他局と比べても最も低い」と組合員。
昨年10月で経営側は、組合との交渉を事実上の打ち切りで、組合は都の労働委員会に調停を申し立てている前代未聞の状況だ。
根底にあるのは不況による経費削減。番組制作費の削減だけでは追いつかない現状で、ついに聖域とされた給与の大幅見直しとなったわけだ。これにより人件費は約10億円もの節約となったと言われるが、これにも組合員は噛みつく。
「日テレの利益率は、他局と比べても高く、制作費の切り詰めで経常利益の増益もしている。これは同じ読売グループの読売新聞の収益が減って、大株主への還元からテレビにしわ寄せが来たものでしょう。それを社員の給与でやるのがおかしい」(同)
しかし、組合側の主張は現時点で受け入れられておらず、約600人の組合員からは、新たに組合を動かすための新組合を結成する者まで出ている。
「このまま平行線なら不当労働として訴えます。既に労働問題のプロフェッショナルである弁護士が味方についています」(同)
ただ、周辺関係者の見方は冷ややかだ。もともとテレビ局員の給与は「高すぎる」と以前から言われてきたことで、日テレ局員の給与は平均1,200万円以上とされており、これは世間から見れば3倍もの超高給。番組制作の下請け会社で働く男性は「てめえの給料になったら大騒ぎしているけど、労働基準で言ったら下請けには不当な長時間労働させているし、コンビニ以下の時給でADをこき使っている連中」と賃下げに賛成している。
この男性は万一、労働委員会の調停でも決着つかず、裁判になった場合は「知られざるテレビ界の給与事情が表になる」とニヤリ。
「一般社会では考えられないような厚待遇が白日の下に晒されるし、誰も知らない裏手当とかも表になる可能性がある」(同男性)
そうなれば経営陣への反発の前に、国民から反発を受けることになるかもしれず、これには他局から「泥仕合はやめてくれ」という声も。空前のテレビ不況の中、大手局の動向に注目が集まっている。
(文=鈴木雅久)
戦うカフェ「ベルク」はルミネの"異物"? それでもファンに支持される理由とは

新宿駅東口改札で出てすぐのところにある
「ベルク」。
本サイトでもたびたびルミネによる立ち退き問題を取り上げてきた新宿駅東口の名物ビア&カフェ「ベルク」(記事参照)。
ファン1万5,000人超の署名に支えられ、めでたく20周年を迎えようとしているが、ルミネ側はいまだに態度を変えておらず、10月初旬、再び2011年3月までの退店を迫る通知書を送付してきたという。
このルミネの行為に、定期借家制度【※】の実現を推進してきた中村てつじ民主党参議院議員は、Twitter上で「新宿『ベルク』の件、これが本当ならば大変なことだ。普通借家契約をしている借り主は守られている。家主が定期借家への切り替えを迫っても違法。これを許せば定期借家制度を作ったこと自体が批判されかねない」とコメントしているが、政治家に違法行為を指摘されてまで、なぜ、ルミネは、ベルクの立ち退きに固執するのか。
その理由をさぐるにあたって、まずは先ごろ、『食の職 小さなお店ベルクの発想』(ブルース・インターアクションズ)を上梓したベルク副店長・迫川尚子さん、そして同店長の井野朋也さんに話を聞いてきた。
──『新宿駅最後の小さなお店ベルク』に続くこのベルク本第2弾では、具体的なメニュー開発や食材選び、ベルクが誇る3人の職人さんのインタビューなど、随所に"味"へのこだわりが見えますが、意外にも(?)自分たちの趣味に走らず、きちんとビジネスとして成立させるために腐心されているのに、改めて関心させられました。
井野 そう、ちゃんとビジネスとして成立させるのが大事なんです(笑)。とくにベルクはこの新宿という場所に惹かれて始めたので、この場を最大限に活かすには"早い、安い、美味い"を極めるしかなかった。でも、最初の頃は、コンサルタントの方に、"自分たちだけの判断では絶対、趣味に走り過ぎるから"ってアドバイスをもらっていたんですよ。膨大なデータをもとに『この味はまだ×年早い』という分析が具体的かつ的確で、そこはさすがにプロでしたね。でも、職人はそういうデータには反発するから、プロデューサーとしてその間に立って味を決めるのが僕らの仕事になるわけです。
迫川 その際、普通は100人に支持される味と1000人に支持される味とでは、後者のほうが味が落ちるイメージがありませんか? でも、ベルクでは、多くの人の支持を得るために無難な味にするようなことは絶対しない。そういう意味で、味が最優先なんです。
──"早い、安い、美味い"というのは、ファストフードの基本とされていますが、でも、現実には、"早い、安い"はあっても、"美味い"まで並立させているお店は、なかなか見当たりません。
井野・迫川 そこは、ベルクの場合、本当に職人たちのおかげです(声を揃えて)。
──本書では、そんなベルクの職人さんへのインタビューも見どころのひとつになっていますが、ソーセージ職人の河野仲友さんが、あえて値段の高い腸を使って仕事の効率を上げ、値段を据え置きにするというエピソードには驚かされました。原材料費が高くなれば、そのぶん商品の価格に反映させるものだと思っていましたから。
迫川 あの話には私も目からウロコでした(笑)。『いい腸を使うと作業効率が上がるから、かえって時間単価は安くなっちゃう』って。要するに、ソーセージの価値は上がっているのに、職人の腕で実質的に値下げをしているわけですからね。ソーセージだけじゃなく、パンも、天然酵母を使いつつ、職人の高橋康弘さんの腕で安くしてもらっているようなもので、本当に助かっています。
井野 しかも、お客さんも分かっているから、パンを注文したときに『バターはいらないよ』って言ってくださる方が多いんです。今、バターも値上がりしているから、すごいコスト削減になっています(笑)。
■"食の安全"には殺菌・除菌!? 過剰な浄化志向が辿り着く先とは
──ベルクでは、職人さんだけでなく、スタッフの方もアルバイト・社員の隔てなく重要な戦力とされていますよね。特に、企業が常時取り替え可能な働き手として派遣や契約社員を重宝させているなかにあって、あえて長期スパンで行う社員教育は、業界に関係なく、理想的なように見えました。ただ、ノウハウを学んで独立されたら、正直、困る、ということはないのでしょうか?
迫川 たしかに以前は複雑な気持ちになりましたが、うちのコーヒー職人である久野(富雄)さんをみて考えが変わったんです。というのも、久野さんは全国でコーヒー焙煎の講習をしているんですが、それはなぜかと尋ねたら、『情報を共有することで業界全体のレベルを上げていきたい』と言われて。それ以降、独立するスタッフにも、どんどん面白いお店をつくっていってもらえたら、と思うようになりました。
井野 ただ、ベルクで得たノウハウを活かして独立しようと思っても、今はかなり不可能に近いのが現実です。というのも、飲食店の設備投資には数千万円単位のお金が必要で、さらにそれを回収するまでには最低でも十年ぐらいはかかりますが、1999年に借地借家法が改正されて定期借家制度が導入されたことで、賃借側である僕たちは通常2~3年という短期の定期契約しか結べず、しかも賃貸側から『契約を更新しません』と言われたら、契約終了後に出ていかなくてはいけなくなってしまったんです。そうなると、ベルクのような個人店をターミナルビルに出店するのはほぼ無理。こうした営業権の問題が見直されれば、ベルクも支店を出せるし、やる気のあるスタッフにはより明確な目標をもって働いてもらえるようになるのですが......。
──中村議員のつぶやきが端的に示しているように、この定期借家制度には改善すべき点がいくつかありそうですね。ところで、相変わらず立ち退きを勧告しているルミネ側とは、契約だけでなく、衛生管理をめぐっても"プチ・バトル"を展開中だそうですが。
迫川 ルミネさんが無料で定期的に衛生検査をしてくれるっていうんで、最初は喜んでいたんです。ところが、毎回すごいんですよ。『菌が出た』って。でも、菌って、当たり前のように存在しているんです。保健所なんかは"無菌なんてありえない"ということが分かっていますが、ルミネ指定のその業者さんというのは、もともと業務用洗剤の製造販売を手掛けていて、とにかく"殺菌・除菌"という発想なんですね。でも、そんな口に入れられないような薬品なんて厨房に入れたくないし、そもそも店を清潔にするには重曹と石鹸で十分。先方は、『菌が強くなっている』というのですが、それは、薬品に頼っているから薬品に対して強くなっているんであって、菌の繁殖力自体は弱まっているんです。化学薬品は悪い菌だけでなく、善い菌も見境なく殺しますし......悪循環ですよね。
* * *
過剰な浄化志向は、「ルミネはファッションビルだから」という理由だけで立ち退きを迫るルミネ側の姿勢と相通じるものを感じさせるが、ルミネだけでなく、それを是とする人々にしてみれば、ベルクのような個人経営の飲食店は、取り除くべき"異物"と映るのかもしれない。実際、本書を通じて語られる"ベルクの哲学"というべき食に対する姿勢──たとえば、なるべく作り置きはしない、なぜなら新鮮さが失われて味が落ちるから、など──は、一般的なファストフード店や企業とは正反対で、異質だ。
と同時に、そんな同店の立ち退き反対に1万5,000人超もの人が声を上げたのは、それが、"健康体を維持するためには、本来、人間が持っている抵抗力を失わせてはいけない"という、人間の本能に突き動かされた人々のレジスタンスだからなのではないか──2人の話に耳を傾けていたら、ふと、そんな気がしてきた。
(文=編集部)
【※】定期借家制度
1999年の借地借家法の改正により導入された賃貸契約の新制度。賃貸住宅市場の活性化がその目的で、借り手にとっては家賃が安くなるなどのメリットが生じるとされたが、それまでの借地借家法では、大家が立ち退きを求める場合、「正当事由」が必要だったのに対して、契約期間が終われば家主の通告で契約が打ち切れるなど、家主の権利が大幅に強化されることになり、「追い出し」などへの懸念が指摘され、野党が強く反対していた。
●ベルクHP<http://www.berg.jp/>
食の職 小さなお店ベルクの発想 味に対するこだわりとベルク愛がつまった1冊。
新宿駅最後の小さなお店ベルク 大反響を呼んだベルク本第1弾。
【関連記事】 「契約書に効力なし!?」またも新宿ルミネで立ち退きトラブルが発生中 「ルミネvsベルク」のその後 ここにもJRタブーが!? 1万人が怒りの声を上げた『ベルク』立ち退き騒動とは?
「富士スピードウェイに未だ反省の色なし」2007F1日本GP訴訟経過報告

あの悪夢から3年......。
10月8日~10日に三重県鈴鹿サーキットにて2010年F1日本グランプリが開催された。想定を超える悪天候により予選は雨天順延したものの、晴天の日曜日に同日予選・決勝が行われ、小林可夢偉選手の大活躍により多いに盛り上がった。
この3年前、07年9月末に富士スピードウェイが開催したF1日本グランプリの運営はずさん極まりなく、「劣悪な環境の中、長時間のバス待ちを余儀なくされ、精神的苦痛を受けた」として観客109名が富士スピードウェイ(以下、FSW)に対し、損害賠償を求め訴えている。08年8月から丸2年以上に渡って続いているこの裁判の経過について改めて取材した。
FSWが開催した2007年F1日本グランプリではチケット&ライドシステムと呼ばれる、各アクセスポイントから専用シャトルバスで来場する方式を取り、観客が自家用車や徒歩など、他の交通手段による来場を基本的に禁じていた。
予選日から各アクセスポイントと会場を結ぶシャトルバスの運行が滞り、数万人の観客が場内に閉じ込められた。決勝日ではシャトルバスの運行は改善されるどころか、さらに悪化。十分な時間をもって各アクセスポイントに到着した観客も、会場内外の大渋滞によりバスが時間通りに到着せず、決勝スタートに間に合わない者も多く出た。
決勝レース終了後も混乱は続いた。FSWはトヨタ関係車両を優先退場させるため急遽1時間45分もシャトルバスの運行を止め、シャトルバス待ちはますます悪化した。
バス乗り場ではどこに並んでいいのか分からないほど多数の観客で溢れ、スタッフによる誘導もなく混乱を極めた。運よく行列に並べたとしても足場は悪く、芝生は泥濘化、照明もなく真っ暗な中、観客は雨に打たれ凍えながらいつ来るか知れないシャトルバスを長時間待つことを強いられた。またトイレも圧倒的に不足しており、長蛇の列ができた上に足場は汚物で溢れた。またバス乗り場には食料や飲み物もなく、空腹にも耐えなければならなかった。

このように劣悪な環境により精神的・肉体的苦痛を受けたとして、原告はFSWに対して債務不履行に基づく損害賠償請求を行っている。
各原告は全国各地からFSWへ集まったため、利用した交通機関やアクセスポイントはさまざま。そのため個別性が高く、被害もさまざまであった。そして反論は各原告について個別に行われたため、裁判は難航を極めていた。ようやく一通り陳述書・反論が出揃い、改めて進行のための協議が行われている。
FSW側はこのシャトルバス渋滞を「想定を超える悪天候のため」としているが、実際には降雨量はほとんどなかった。予選日、決勝日を通して、今年の鈴鹿サーキットでの降雨量に遙かに及ばない。もちろん鈴鹿ではこのような事態は発生していないし、十分な準備を行った08年のFSWの開催でもスムースに運行できている。
原告の主張をまとめると、以下のとおりである。
・この原因はひとえにFSWの準備不足によるもので、特にバスルート計画のずさんさ、ボトルネックをまったく考慮していない場内バスルート計画により場内通路にて大渋滞を招いた。その結果渋滞は場外にまで達し、ますます渋滞を悪化させる悪循環に陥った。
・雨天に対する計画・準備もまったくなされてなかった。
FSWが開示した資料によると、雨の想定はしないことになっており、そのためそもそも検討すら行っていない。また陥没が起こった場内バスルートはバスが通行するために十分な強度をもった設計・施工が行われたという資料は存在しなかった。つまり漫然と従来あった管理用通路を使用し、簡易舗装しかされてなかっためにバスの重量により路面崩壊したと考えられる。さらにバスルートはバスが往復できる十分な幅員をもっておらず、1車線分しかなかった。そのためバスを交互交通させることとなり、渋滞を作り出していた。

陥没した道路。
この他、実地検証不足、ピーク時間設計ミス、連絡体制の不備、バス待機場の不適切な設定、関係者専用ルートの未確保、スタッフの教育不足などずさんな計画によるものに加え、当日も臨機応変な対応を怠った。
バス待ちが悪化し、多数の観客が苦情を寄せたにも関わらず一切対応をしていない。適切な情報を出すこともなく、状況を放置した。軟弱な簡易舗装の場内バスルートは予選日午前から陥没、バスの通行に支障をきたしたがこの発見、対応が遅れた。そのため予選終了後にバスを止めて緊急工事をするなど後手後手の対応によりバス待ちに拍車をかけた。この情報を観客に知らせることもなく、観客を漫然とバス乗り場へと誘導したためバス乗り場は人であふれ、空前絶後の大混乱を引き起こした。
予選日にこのような状況に陥ったにも関わらず、決勝日に対しての対応を一切しなかった。さらに来場するであろう観客に対して、適切な情報を提供もしていない。決勝日は行きのバスから大混乱、FSW近くで大渋滞によりバスが動かなくなり、刻々と迫る決勝レース開始時間に、まだ距離があるというのにバスを降り、歩いた観客も多数いた。しかしそれでもレース開始時間に間に合わない観客も多かった。
このような状況で決勝レース後のバス待ちは改善されるどころか、さらに悪化していった。特に被告関係者の車両、いわゆるVIP車両を優先させるために1時間45分に渡ってバスの運行を止めたことは混乱に拍車をかけた。劣悪な環境下での長時間のバス待ちにより、観客の疲労と怒りは最高潮に達し、殺気立った場内では現場放棄、逃げ出すスタッフまで出たほどであった。
原告の主張に対し被告は、「知らない」「(原告の主張は)信用ならない」として全面的に争っている。
裁判は原告それぞれの事情に由来する、個別性の高い被害をどう認定するかに焦点が絞られてきている。原告によって劣悪な環境下でのバス待ちが1時間から4時間以上とばらつきがあり、またこの大混乱で泣く泣く決勝日の観戦を諦めたものもいて、どう解釈するかが今後争点となりそうだ。
改めてこの裁判をみると、FSWがコストを優先させるあまり雨天に対する準備、場内バスルートの整備、スタッフの数と教育、トイレの配置を怠ったことが浮き彫りになってきている。FSWはすでにメディアを通して謝罪をしているが、裁判では全面的に争っており、反省の色は伺えない。
07年FSWで、そして今年鈴鹿サーキットで大雨の中観戦したF1ファンに聞いてみた。
「雨? そりゃ土砂降りでしたよ。でも鈴鹿は歩いて駅までいけますし、近隣の駐車場に停めた人はそこまで歩けば車に入れる。私の場合は早めにタクシーに乗ったので白子駅までスムースに帰れました。FSWと違って、交通の選択の自由があるんです。」
「FSWの決勝レースは確かに雨でしたけど、バス待ちの混乱は予選日から始まっていましたから、雨は関係なく破綻してました。」
「鈴鹿サーキットはまったくFSWと違いますね。鈴鹿サーキットはスタッフが温かく迎えてくれました。レースが終わってからオフィシャルがメインストレートをパレードして観客に手を振るんです。その姿が本当に楽しそうで、F1が好きなんだなというのが伝わってきました。それにサーキットを退場するときにスタッフがチェッカーフラッグをふって観客を見送ってくれるんです。また来年来たい、と思わせますよね。FSWはただやっているという姿勢で、まったく気持ちがありませんでした。」
FSWは08年をもってF1開催から撤退、親会社トヨタも09年シーズン後F1から撤退している。09年以降、日本グランプリは鈴鹿サーキットで再び開催されている。
SUPER GT 2010 ROUND3 富士スピードウェイ 冗談はゲームの中だけにしてほしい。
【関連記事】 「手書きの遅延証明書を発見」2007F1日本GP訴訟・資料開示 "ずさんなF1"訴訟──富士スピードウェイに反省の色なし ついにトヨタ側を提訴!"お粗末"F1GPの波紋
事件や災害と感覚は同じ!? 日テレ"非"正社員のストライキへの寛容さ

日本テレビ公式サイトより
毎年恒例、『24時間テレビ』の終了直後、9月1日に24時間ストライキを実施し、「24時間テレビの後に24時間ストかよ」と揶揄された、日本テレビ。9月30日正午から、今年3度目となる36時間ストライキが開始されている。
ストライキの原因は、今年3月に会社側が提示している昇給ベースの変更や残業代の時間単価の切り下げなどを柱とした、人事労務制度の改革案。組合側は、これを「賃金カットになる」として拒否し対立が続いているのである。
もっとも「賃金カット」に対して怒っているのは、組合に所属する「正社員」たち。誰しも給料が下がれば怒るのはもっともだが、彼らの生涯賃金は推定4億円と言われる。それが、今回の改革案では平均1億から1億5,000万円下がるのだという。だとしても、高額なことには変わりなく、にわかに怒りを共有することはできない。
そんなテレビ局で働いているのは正社員だけではない。制作会社から出向や派遣の形で机を並べて仕事しているスタッフは、なくてはならない存在だ。しかし、彼らの待遇は正社員に比べて格段に下がる。毎月の月給はいわずもがな。出張手当にしても日テレでは、正社員に1万円程度支給されるが、出向・派遣スタッフの場合は5,000円。中には「ウチは3,300円!」という酷い話も聞かれる(残りは所属している制作会社の懐に入るワケだ)。
特に報道局なら、やっている仕事はほとんど同じ、危険な場面に遭遇する確立だって差はないのに、待遇だけは格差だらけ。ゆえに「賃金カット」に怒る正社員に、もっとも憎悪を燃やしているのではないか?
そこで、スト開始の数時間前に話を聞いてみた。話してくれたのは、長年、日テレの報道局に出向しているベテラン記者のM氏。
M氏によれば、報道局では約6割の人間がストに参加する正社員。後は非組合員の社員と、制作会社から出向・派遣されている記者だという。約6割が職場を離脱してしまうのだから、複雑な対立構造があるかと思いきや、実態は、なんら対立も存在しないという。
「まず、非組合員は正社員だから組合の要求が通れば恩恵に預かることができるわけで、ストに文句は言わない。では我々、制作会社から来ている人間がどうかといえば"社員のやってることだから関係ないよ"という受け止め方。対立なんて生まれるはずもありません」
正社員と、派遣・出向者の関係はいわば、省庁におけるキャリアとノンキャリアの関係に似ているとM氏。
とは言え、ただでさえ高い給料を維持する目的で6割の人間が職場を放棄するわけだから、殺人的な忙しさになるはず。混乱などは起きたりしないのか。
「自分の場合は、報道局ですから突発的な事件や災害で寝る間もなく取材に駆け回るのは、よくあること。ストもそれと同じような感覚です。なにより、ストの日時は分かっているわけですから、数日前からそれに備えたシフトが組まれていますよ」
どうも、突発的な事件や災害に比べると、日時が分かっていて備えることができるからマシということらしい。
「影響があるとすれば"明日ストらしいから、今日は飲まずにまっすぐ帰宅しよう"ってことになったのくらいですね」
さらにM氏によればスト自体を批判するような声もないという。
「一応、ジャーナリズムの現場にいるわけですから、誰もがストライキが労働者の正当な権利の行使という意識を持っています。ですので、応援はしないまでもスト自体に悪い感情は持ちませんよ。むしろ、カタルシスを味わうことができているような気もします」
こんな境地に達するのも報道に携わる者の行動の原点である、非日常的な出来事にワクワクする野次馬的な感覚があるからだろうか。ちなみに、生放送番組のアナウンサーなどは正社員であってもスト参加から除外だという。いっそのこと「スト決行中」と銘打って、ずっと環境映像でも流してくれれば、我々視聴者も非日常的なワクワク感に浸って、むしろ視聴率がアップするのではなかろうか。
(取材・文=昼間たかし)
組合員教科書 サイゾーは組合あるのかしらん?
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事件や災害と感覚は同じ!? 日テレ"非"正社員のストライキへの寛容さ

日本テレビ公式サイトより
毎年恒例、『24時間テレビ』の終了直後、9月1日に24時間ストライキを実施し、「24時間テレビの後に24時間ストかよ」と揶揄された、日本テレビ。9月30日正午から、今年3度目となる36時間ストライキが開始されている。
ストライキの原因は、今年3月に会社側が提示している昇給ベースの変更や残業代の時間単価の切り下げなどを柱とした、人事労務制度の改革案。組合側は、これを「賃金カットになる」として拒否し対立が続いているのである。
もっとも「賃金カット」に対して怒っているのは、組合に所属する「正社員」たち。誰しも給料が下がれば怒るのはもっともだが、彼らの生涯賃金は推定4億円と言われる。それが、今回の改革案では平均1億から1億5,000万円下がるのだという。だとしても、高額なことには変わりなく、にわかに怒りを共有することはできない。
そんなテレビ局で働いているのは正社員だけではない。制作会社から出向や派遣の形で机を並べて仕事しているスタッフは、なくてはならない存在だ。しかし、彼らの待遇は正社員に比べて格段に下がる。毎月の月給はいわずもがな。出張手当にしても日テレでは、正社員に1万円程度支給されるが、出向・派遣スタッフの場合は5,000円。中には「ウチは3,300円!」という酷い話も聞かれる(残りは所属している制作会社の懐に入るワケだ)。
特に報道局なら、やっている仕事はほとんど同じ、危険な場面に遭遇する確立だって差はないのに、待遇だけは格差だらけ。ゆえに「賃金カット」に怒る正社員に、もっとも憎悪を燃やしているのではないか?
そこで、スト開始の数時間前に話を聞いてみた。話してくれたのは、長年、日テレの報道局に出向しているベテラン記者のM氏。
M氏によれば、報道局では約6割の人間がストに参加する正社員。後は非組合員の社員と、制作会社から出向・派遣されている記者だという。約6割が職場を離脱してしまうのだから、複雑な対立構造があるかと思いきや、実態は、なんら対立も存在しないという。
「まず、非組合員は正社員だから組合の要求が通れば恩恵に預かることができるわけで、ストに文句は言わない。では我々、制作会社から来ている人間がどうかといえば"社員のやってることだから関係ないよ"という受け止め方。対立なんて生まれるはずもありません」
正社員と、派遣・出向者の関係はいわば、省庁におけるキャリアとノンキャリアの関係に似ているとM氏。
とは言え、ただでさえ高い給料を維持する目的で6割の人間が職場を放棄するわけだから、殺人的な忙しさになるはず。混乱などは起きたりしないのか。
「自分の場合は、報道局ですから突発的な事件や災害で寝る間もなく取材に駆け回るのは、よくあること。ストもそれと同じような感覚です。なにより、ストの日時は分かっているわけですから、数日前からそれに備えたシフトが組まれていますよ」
どうも、突発的な事件や災害に比べると、日時が分かっていて備えることができるからマシということらしい。
「影響があるとすれば"明日ストらしいから、今日は飲まずにまっすぐ帰宅しよう"ってことになったのくらいですね」
さらにM氏によればスト自体を批判するような声もないという。
「一応、ジャーナリズムの現場にいるわけですから、誰もがストライキが労働者の正当な権利の行使という意識を持っています。ですので、応援はしないまでもスト自体に悪い感情は持ちませんよ。むしろ、カタルシスを味わうことができているような気もします」
こんな境地に達するのも報道に携わる者の行動の原点である、非日常的な出来事にワクワクする野次馬的な感覚があるからだろうか。ちなみに、生放送番組のアナウンサーなどは正社員であってもスト参加から除外だという。いっそのこと「スト決行中」と銘打って、ずっと環境映像でも流してくれれば、我々視聴者も非日常的なワクワク感に浸って、むしろ視聴率がアップするのではなかろうか。
(取材・文=昼間たかし)
組合員教科書 サイゾーは組合あるのかしらん?
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「会社更生の価値ナシ!」武富士の経営破たんと問われる経営者一族の責任

武富士公式サイトより
大手消費者金融の武富士(本社・東京都新宿区)が28日午後、東京地裁に会社更生法適用を申請したと発表した。
この件については、27日に日本経済新聞が一報を伝え、その後マスコミ各社が一斉に報じた。当初、武富士は会社更生法による申し立てを否定していたが、一夜明けて報道は現実のものとなった。
武富士については、利用者の支払能力を無視した過剰な貸し付けや違法な取り立て、また社内における過酷とも言えるノルマや創業者幹部による独裁的な体制など、これまでに数々の問題点が指摘されている。今回の同社経営破たんについては、報道では度重なる法規制やグレーゾーン問題による過払い金請求の増加などを挙げているが、そうした同社の体質によるものと指摘するジャーナリストたちも少なくない。
その一人、武富士の実情を報じた記事によって同社から言いがかり的に裁判に訴えられ、その後勝訴した経験を持ち、『武富士追求』(リム出版新社)などの著書がある、ジャーナリストの三宅勝久氏は次のように話す。
「武富士の破たんは、創業者一族によるワンマン経営や、コンプライアンスをまったく無視した同社の根幹に端を発したものであり、いわば当然の結果だろう。経営者は、その責任を負うべきだ。また、同社の破たんによって顧客から請求されている過払い金が減額される可能性があるなどと報道されているが、とんでもない話である。消費者保護は、最優先に考えなければならないのであるから、過払い金は全額が支払われるべきである。まして、デタラメな経営のツケを消費者に背負わすなどということは、まったく言語道断だ」
さらに、『武富士対言論』(花伝社)や『高利金融』(旬報社)などの著者である、ジャーナリストの北健一氏も、「今回の破たん劇は、法規制の影響というよりも、やはり過剰融資などの無茶な経営を続けてきたことが原因で、いわば自業自得」とした上で、さらに厳しく指摘する。
「個人的な意見としては、東京地裁は武富士の会社更生を認めずに、破産に移行すべきであろう。同社はこれまでに、それこそ山のように違法行為や不正行為を重ねてきたという過去がある。とても、更生して生き残る社会的な価値があるとは思えない。だから、現行の経営陣を残したまま存続させても、再び問題が起きる可能性が否定できない。したがって、裁判所は破産に移行して管財人を送り込み、徹底的に調査して経営陣の責任を明らかにすべきだ。そして、創業者一族のうち、取締役だった者については、個人的な責任も追及されて当然だろう。場合によっては、該当する個人の資産を被害者救済に当てるくらいのことがあってもよい」
さらに、三宅氏は債権の行方にも注目する。
「武富士には債権譲渡についても、不明瞭な部分があると思われる。譲渡された債権によって取り立てが行われるなど、混乱を招く恐れがある。そうした点についても、監視していくことが不可欠だ」
武富士に限らず、消費者金融各社を取り巻く状況は厳しい。6月に完全施行された改正貸金業法の総量規制も、消費者金融の経営に影響を与えると指摘されている。
ただし、総量規制に関しては、テレビから新聞、雑誌に至るまで、マスコミ各社が横並び的に否定的な報道を行っていることに、疑問を感じないわけにはいかない。6月には、総量規制の原則や仕組みを説明することなく、「庶民は借りられなくなる」「かえってヤミ金が増える」などと煽り立てる記事や番組が林立したが、その内容については何ら検証されていないし、段階的な法規制とともに自己破産件数が減少していることなどについては、どのマスコミもまったく触れていない。
ともかく、消費者金融業界と、個人向け融資については、当然目が話せないような状況であることは確かだ。
(文=橋本玉泉)
武富士 サラ金の帝王 サラ金だけには手を出さずに生きていきたいです。
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スクープ! 野村総研の経営陣に強制わいせつ疑惑! 担当弁護士にも懲戒請求が出されるドタバタ劇
「野村総合研究所」(嶋本正代表取締役社長)といえば、企業コンプライアンスに関しては日本を代表するシンクタンク。その野村総研の幹部に、強制わいせつ事件の疑惑が持ち上がっている。発端は8月16日に大阪弁護士会へ提出された一通の懲戒請求書。懲戒請求を出されたのは、大阪弁護士会に所属する中国人弁護士。
請求書の内容によれば、この中国人弁護士は、法的に許されていない日本国内における弁護士活動を違法に行い(非弁行為)、これが外弁法もしくは弁護士法の違反の可能性があるとして、懲戒の対象となるというのが請求の趣旨。その中国人弁護士が担当していた日本人依頼者が、野村総研のとある経営陣だというのだ。
問題の経営陣とは、野村総研・北京社上海支社副総経理(日本の副社長に相当)のY田氏。懲戒請求書に添付された資料をもとにした事件の概要は以下のとおりだ。
事件のはじまりは2007年12月の上海。広告代理店営業担当(当時)のA子さんは、日本人同士が集まるある会で、取引候補先である野村総研・北京社上海支社副総経理のY田氏と知り合い、上司とともに仕事上の会食を行う。その際、名刺を持ち合わせていなかったA子さんがY田氏に連絡先を電子メールで送ると、翌08年1月25日に食事の誘いを受ける。A子さんは業務の延長ということで応じたが、食事の席上、Y田氏は仕事の話をさえぎりながら、さかんに酒をすすめ、食事後にA子さんが帰りのタクシーを呼ぶと自分も強引に乗り込み、A子さんの体を触るなどの行為を繰り返した。さらにタクシーがA子さんの自宅に着くと、Y田氏は自分もタクシーを降りてA子さんの部屋にまで上がりこみ、キスを迫り、抱きついて押し倒そうとするなどのわいせつ行為を働いた。A子さんはこれを拒絶した。
Y田氏はその後も、A子さんの取引候補先に大手文具メーカー「コクヨ」中国社があることを知ると、A子さんと勤務先会社に対し、「コクヨのシステム面は全部うち(野村総研)でやってるから」「コクヨを今度紹介する」旨の話を持ち出し、業務上の優位性を保ちながらA子さんとの繋がりを維持しようと試みた。
一方でA子さんは、企業コンプライアンスの分野に詳しい友人B氏に、事件の顛末を相談した。B氏はスタッフを伴い直ちに上海へ渡り、Y田氏の身辺を調査。その結果、新たに次のようなY田氏の行状が明らかになった。
上海のある大学で開催されたミスキャンパスのイベント(以下、ミスコン)に際し、Y田氏は野村総研と三菱商事が共同出資するグループ企業「iVision Shanghai(アイビジョン上海)」(中村柔剛総経理代理)を通じ、同社会計からの協賛金の拠出や、イベント用ウェブサイトの無償構築をイベント側へ打診。その見返りに、イベントプログラムの中に水着撮影コーナーを設けることを提案し、Y田氏自らもカメラマンとして参加。さらに、コンテストに参加した女子大生らに、Y田氏個人の旅行へ同伴させていたという。
関係者の証言を得たB氏らは帰国後、これら事実を野村総研本社にぶつけた。野村総研側は当初、人事部がこれに対応したが、わいせつ行為自体は調査中として認めず、謝罪の言葉もなく、Y田氏に対する処分も「具体的に検討していない」と回答した。また、ミスコンへのスポンサードの実施、検討の事実も否定し、「これは野村総研として確認した事実」と主張した。
ところが後日、B氏が事件の顛末をまとめた文書を当時の野村総研の藤沼彰久社長(現会長)に送付したところ、こんどはM法律事務所(千代田区丸の内)のT弁護士が面談に応じ、「事実経緯についてはほぼ反論はない」と認めたうえで、A子さんへの行為はY田氏の恋愛感情であり、ミスコンへのスポンサードも「Y田氏が個人的にイベントを応援しようとした」と主張。そのうえで「Y田氏は女性に謝罪をする意向」と説明をした。そして後日、「今後の交渉はY田氏個人の代理人である大阪弁護士会所属の中国人弁護士と行なうように」と、事件がY田氏個人の問題であるとの認識を示し、「今後は本社に連絡をしないように」との通知をA子さん側に送りつけた。
ところが、この中国人弁護士が日本法における対応資格がないにも関わらず、あたかも弁護士資格を有するかのような発言を繰り返し、さらにA子さん側に対してもメールや文書で「不正確な話をあちこちに流したら、将来、名誉毀損により大変なことになります」「貴殿が不正確な内容を第三者に対して流布した場合、その名誉毀損行為に対して(中略)直ちに法的措置を実施します」などと、根拠法を示さずに脅しともとれる行為を繰り返し、これが結果的に、冒頭の懲戒請求につながることになる。大阪弁護士会はこれを受理し、現在調査が進められている。「謝罪する意向」なはずのY田氏からA子さんへの謝罪は、今も一切ないという。
今回の一連の騒動について、武蔵野学院大学客員教授で証拠調査士の平塚俊樹氏は、「懲戒請求の内容が事実なら、今回の野村総研の対応はあまりにお粗末」とあきれ気味だ。
「野村総研といえば、コンプライアンス遵守のコンサルティングもしている日本最大手のシンクタンク。Y田氏はその副社長です。その立場にある40代半ばの人間が、発注権限をチラつかせながら、取引先の20代半ばの女性社員に事実上、肉体関係を要求した。恋愛と勘違いしたという主張が社会的に認められると考えるには、あまりに無理があります」
さらに、ミスコンへの"スポンサード問題"についても、
「アイビジョン社のお金がY田氏の個人的な都合で使われたとすれば、会社の利益に相反する背任行為です。『個人的な応援』などと認められるはずもありません。そもそも、野村総研人事部は当初、スポンサードの事実はおろか『検討したことすらない。個人的な行為だ』と主張していたわけですから、株式の約半分を出資するグループ企業が関係していたのなら、実質的な隠蔽工作と受けとられても仕方ないでしょう」
と語る。
野村総研はサイゾーの取材に対し、「残念ですが当人たちの間に行き違いがあったようです。現在、関係者を通して調整中ですので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきます」(広報部)と回答している。
(文=浮島さとし)
■被害者側の有志が立ち上げているサイト
http://blog.livedoor.jp/rescuesekuhara/
壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか
「魔が差した」はウソ!?

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セブン&アイ株主総会で経営陣とオーナーが激突!? 批判本の内容は事実無根と一蹴
これまで、セブン-イレブン本部による、不当な加盟店の扱いを批判してきた筆者だが(参照記事)、そんな筆者にとって看過できないことが5月27日に開催された、セブン-イレブン、イトーヨーカ堂などをグループ内に収めるセブン&アイ・ホールディングスの株主総会で起きたので報告させていただきたい。
同総会参加者の中には、「この日のために自社株を買った」というコンビニ加盟店ユニオン(本部の事業改善を望む加盟店オーナー団体)のメンバーもいた。コンビニ加盟店ユニオンは現在、岡山県労働委員会に労働組合としての認定を申請中だが、まだ正式な認定は得ていない。過去にプロ野球選手会など、個人事業主の労働組合が労働組合法適応対象として認定され、団体交渉権を保有するに至ったことはあるが、審査には時間がかかるようだ。そのため、株主という立場で、経営陣に事業改善を交渉する加盟店オーナーは過去にも存在した。
株主総会の壇上に現れた経営陣たちは、同ユニオンメンバーの参加者がいるのを知ってか一様に緊張した面持ち。ポーカーフェイスの鈴木敏文会長もどこか覇気がなく弱気な雰囲気が漂うように思われた。
そして、株主質問を向かえて、その経営陣の度肝を抜く事態となった。質問者のトップバッターが、ユニオンメンバーである加盟店オーナーだったのである。
その内容も経営陣には頭が痛いものであった。その株主オーナーは、「『セブン-イレブンの真実』(日新報道)、『セブン-イレブンの正体』(金曜日)、『セブン-イレブンの罠』(同)という三冊の(同社に批判的な)著書の内容を経営陣はどう思うのか? この本の内容が事実無根なら名誉毀損等で提訴すべきではないか?」という趣旨の質問をした上、「こうした本が出た後、セブン-イレブンの経営を誇りを持ってできない」と付け加えた。
これらの著書の内容の事実関係について、セブン-イレブンの井阪隆一社長の回答も驚くものだった。「それらの本の内容は事実無根であるし、記述が曖昧」と著書の内容を全面否定する発言を行ったのである。『セブン-イレブンの真実』は筆者の著作であり、『セブン-イレブンの正体』の執筆にも筆者は関与している。『セブン-イレブンの罠』にも協力をしている。ゆえに、この発言は看過できない。
2009年10月号の「サイゾー」誌上において、井阪社長は筆者に対して「セブン-イレブンのもっとポジティブな面も取材してもらいたい」と発言はしたが、これらの著書の内容を否定する言辞は一言もなかっただけに、この期に及んでの「事実無根」発言に、筆者は驚愕すると同時に自著への誹謗中傷に憤慨した。
さらに、この勇気ある株主オーナーは同社の矛盾を突く数々の鋭い質問を行ったが、井阪社長がうろたえ、まともな発言ができなくなった上、議長が発言を遮るので、結局、質問者が納得いくような回答は得られなかった。
そもそも、拙著などを「事実無根」と言い切るなら、株主オーナーの言うように、なぜ筆者らを名誉毀損らで提訴しなかったのか? 井阪社長は、前述のインタビューも含め、2度面会しているが、「この本を読むと、『セブン-イレブンに入ると地獄だ、地獄だ』というような内容で寂しくなります」と同社の暗部のみにスポットを当てたことを遺憾だと表明したが、「この本の内容はデタラメだ」とは一言も発言しなかったではないか。
他にも、近隣店舗にセブン-イレブンを出店する「ドミナント戦略」(特定地域内にセブン-イレブンを集中出店させる戦略)が自分の店舗の地域で行われ、売り上げ・利益が低迷しているので迷惑しているという株主オーナーの発言も飛び出した。
これには鈴木会長自らが回答し、「セブン-イレブン・ジャパン全体では、売り上げは伸びていますから心配しないでください」と、加盟店を軽視する発言を行ったのである。
ドミナント戦略の効果は、地域内におけるのセブン-イレブンチェーンの認知効果を上げるために行い、その結果、各加盟店の売り上げが伸びるという相乗効果を生み出すというのが本部の主張だったはず(事実、コンビニが認知されていない時代は、ドミナント戦略は相乗効果を産んだと古参オーナーから聴いている)。
だが、取材してみて明らかなことは、タダでさえ競合店も多いうえに、同一チェーンを近隣に出店されると売り上げが低迷し苦境にあえぐと、北海道から九州まで全国各地のオーナーから嫌というほど聞かされてきた。また、顧客としてコンビニを使用してみても、それはよく分かる。立ち寄ったセブン-イレブンで、品切れのセブンPB商品等があると、近所のセブン-イレブンに行ってしまうからである。
こうした質疑応答に会場からは時折、野次が飛んだかと思うと、「私はセブン-イレブンのメロンパンが大好きなんです」と本部が用意したと思しきサクラ的な株主の発言や、長年の株主が、「鈴木会長はそろそろ世代交代してはどうか」という発言も飛び出した。
最後に、株主一同に対して、セブン&アイ・ホールディングス経営陣は揃って一礼したが、鈴木会長のみは礼もせず、しかめ面をしていた。さすがに今回は強気になりようがなかったようだ。なにしろ、コンビニ加盟店ユニオン結成以来の株主総会であるし、また、昨年の公正取引委員会の立ち入り検査と排除措置命令が響いて同社の株価は約4割も下落しているのであるから、これでは強気になりようがあるまい。まずは、オーナーや株主からの批判に真摯に耳を傾ける姿勢を見せてほしいものだ。
(文=角田裕育)
セブン-イレブンの真実―鈴木敏文帝国の闇
メロンパンは、たしかに美味しいよね。

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