センバツ優勝の敦賀気比高に“プロアマ規定”抵触騒動「東出が直接指導」も高野連が黙殺か

tsurugakehi0403s.jpg
「週刊ベースボール 別冊第87回選抜高校野球 総決算号」ベースボールマガジン社
 第87回選抜高校野球大会で、2年ぶり6回目出場の敦賀気比(福井)が東海大四(北海道)に3-1で競り勝ち、春夏通じて初優勝を果たした。背番号「17」の松本哲幣外野手が準決勝で史上初の2打席連続満塁弾、決勝では勝ち越し2ラン。一躍シンデレラボーイになった。  北陸勢としても春夏通じて初優勝。その偉業は、実は表沙汰にはならなかった“プロアマ規定抵触騒動”を乗り越えてつかんだという。 「2~3年ほど前に、敦賀気比OBで現プロ野球・広島の東出輝裕が母校野球部グラウンドを訪れたそうです。その際、内野手2~3人に、守備の技術指導をしたそう。ゴロに対する1歩目のスタートを切る心構え、グラブの差し出し方など、熱心に教えたみたい。指導を受けたナインも『わかりやすかった!』などと喜んでいたよう。でもこれは、プロアマ規定に完全に抵触します」(高校球界関係者)  プロアマ規定では、プロ野球選手が高校野球部員などのアマチュア選手に直接指導することを禁じている。ただ、この規則自体、野球ファンから大ブーイングを浴び続けている。米・レンジャーズのダルビッシュ有投手は、2012年7月14日の自身のツイッターで「これには色々問題があり簡単ではないだろうけど、プロアマ双方が本当に日本の野球を考えるなら撤廃すべきでしょう。プロが中高生にどこでも教える事ができたらアマの技術が凄く伸びる」とコメント。野球ファンの胸中を代弁した。  現在は、かつて断絶していたプロ・アマ双方が歩み寄り、雪解けの気配を見せている。ただ、件の東出の技術指導がルール違反であることに変わりない。  同校野球部関係者も「それは……そうですが……」と歯切れ悪く、プロアマ規定の抵触を認めている。 「福井県高野連もこの事実を把握し、一時は実態調査に動くか検討していたそうですが、結局は地元の期待を背負う学校だけに黙殺というかたちで落ち着いたみたいです。この事実をつかんでいたスポーツ記者もいましたが、告発すると今後、広島カープへの取材もしにくくなるということで、闇に葬ったようです」(前出の高校球界関係者)  広島の名手・東出を招いたのは、他ならぬ、敦賀気比の東哲平監督だったという。  この2人は同校野球日の同期。俊足巧打の1番・東出が出塁して、強打の4番・東が返す強力打線で、1998年のセンバツはベスト16入りしていた。  東監督は母校の指揮官に2011年秋に就任。13年センバツと昨夏の甲子園でベスト4進出に導き、目覚しい復活を遂げていた。 「“野球弱小エリアの北陸で見返したい”“もう一度母校を強くしたい”との思いで必死だったそうです。その一環で、同期の東出を呼んだみたい。東出もその時、故障していたそうで“満足に練習できないなら後輩に教えたい”と思ったのでしょう」(地元福井のテレビ関係者)  せっかく甲子園の舞台で勝てるようになっても、いつかこの疑惑で世間を騒がせてしまう。何より部員に迷惑をかける――東監督はそう思っていたのではないか。 「東監督はその後はOBは呼ばず、愚直にトレーニングに励んだそうです。東出に直接指導を受けた部員たちはもう卒業しているようですから」(同)  しかし、北陸勢に初めて優勝旗をもたらした若き指揮官の“すねの傷”は、今後も消えることはないだろう。

「彼がいないなら学校を辞める!?」 保険金詐欺で逮捕の"名物高校野球監督"、地元の評判

 高校野球部の人気監督が逮捕され、生徒や出身選手にショックを与えている。  岡山県の私立倉敷高校の野球部監督、山本セキ容疑者(42)が11日、岡山県警に詐欺容疑で逮捕された。今年2月、野球部のバスを修理に出した際、自身が所有するバスを代車として父親の崔再鉉容疑者(同罪で逮捕)から借りたように装い、保険会社から約47万円を騙し取った疑いだ。  本人は「正規の代車契約」と容疑を否認しているが、同校は既に6月の時点で山本容疑者を解雇している。  山本容疑者は英語教員ながら野球部監督を務め、一昨年ドラフト2位で巨人に入団した宮本武文を育てた人物としても知られる"地元の大物指導者"だ。同校の関係者はこう語る。 「宮本選手は"素材は良いがルーズな性格で大成はしない"と言われていたが、山本監督が夜遅くまで練習に付き合い、生活態度に至るまで指導したんです。宮本選手にとっては恩人と言える存在でしょう」  山本容疑者は学生時代、4番打者として県大会ベスト8の記録を残した後、一時は韓国プロ野球チームに所属したこともあった。海外留学経験を生かし英語教員として勤務しながらアマチュア資格を取得、07年の津田大樹(元日本ハム)と宮本、2年連続でプロ野球選手を輩出した。 「特に投手指導は"ヤマモトメソッド"と呼ばれる独自の指導法が知られていて、野球誌でも紹介されたほど。彼に教わりたいという入学者も多かった」(前出関係者)  柔道金メダリスト山下泰裕氏に似た体格の良い人物で「特に金に困っているという話は聞いたことがなかった」と同関係者。バス代の保険金詐欺とはあまりにもお粗末な話だが、問題は逮捕前から野球部にも動揺が広がっていたことだという。 「つい先日まで、なぜ彼がいなくなったか、ほとんど誰も知らなかったと思います。説明もなく監督が解任されたことで"山本監督がいないなら転校する"と言い出す生徒もいましたし、今後有力な生徒を集めるのは難しくなるという不安も高まっています」  野球部にも危機をもたらした名監督の逮捕、その影響は大きい。 (文=鈴木雅久)
週刊ベースボール増刊 第92回全国高校野球予選展望号 夏です! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 押尾学事件 捜査線上に急浮上する「超大物アスリートK」の存在 「ギャラはビタ一文、まけない!」逮捕の浜田幸一元議員 借金かさみ汚れた晩節 『もしドラ』とAKB48の相関関係 岩崎夏海が明かすAKB48大ブレイクの真相(前編)