スイスのバーゼルからセレッソ大阪に復帰した柿谷曜一朗の左足クビに、ローマ数字でVIIIと彫られたタトゥーが今話題になっている。8という数字は、ミスターセレッソこと森島寛晃が着用していた背番号であり、後に香川真司、清武弘嗣とクラブの象徴となる選手が背負ってきた番号だ。柿谷自身も、清武から8番のユニフォームを引き継ぎ、2013年~14年にプレーしていた経験を持つ。今シーズン、バーゼルからの復帰でもう一度背負うことになった思い入れの強い番号に決意を込め、自身の身体に墨を入れる決断に至ったと思われる。しかし、この柿谷の“決意”を受け入れられないファンも少なくないという。 「海外ではタトゥーを入れていない選手の方が珍しかったりするんですが、日本ではまだ受け入れられない人も多いですよね。やはり、不良というイメージが強いのでしょうか?『悲しい! ファンやめる!』『タトゥーくらいでファン辞めるならファンじゃない』『プレーが良ければなんでもいい』『香水作って、タトゥー入れて、スイスで何してたの?』と、賛否両論の議論が巻き起こってます」(スポーツライター) 実は、小野伸二、佐藤寿人、槙野智章、鈴木隆行、中田浩二など、一般的にも知名度がある選手でもタトゥーを入れている日本人は意外なほど多い。特に海外志向の強い選手や、実際に海外でプレーしていた選手に多い傾向があるようだ。では、なぜ柿谷のタトゥーだけこのように騒がれているのだろうか? 「練習中の画像が出回ってこのタトゥーが発覚したんですが、見えかたが問題なんですよ。柿谷のタトゥーは、普段ソックスで見えない位置に彫られているんですが、不自然にソックスをずり下げ、まるで見てくれと言わんばかりにタトゥーを強調しているように見えるんです。この様がまるで、“ロッチ”のタトゥーをさり気なく見せようとする男のコント“タトゥー”みたいだとファンの間で話題になっていますね。『こいつは中岡か!』『中岡さんみたいに、“別に暇だから入れた”とか言いそう!』『人に見せるために彫ったわけじゃないとか?』という声を聞きますね」(同) 結果を出せずに海外チームから日本に戻ってくることには、多くの批判を伴う。それに対しプレーで見返そうという柿谷の決意には素直にエールを送りたい。いつか、その偉大な背番号8に恥じないようなプレーヤーになってくれるだろう。 (文=沢野奈津夫)柿谷曜一朗オフィシャルサイトより
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ロッチの『KOC』1本目はなぜ、あれだけウケたのか 日テレ『世界の果てまでイッテQ』(10月25日放送)を徹底検証!
『キングオブコント2015』(10月11日放送、TBS系)で主役の座を射止めたのは、ダークホースともいえる、コロコロチキチキペッパーズだった。2人のキャラクターを生かした設定と4分間の見事な使い方は、優勝にふさわしいものだった。だがこの日、主役はもう1組存在していた。コロコロチキチキペッパーズに優勝を譲る形になった、ロッチである。 ロッチの1本目のネタは、アパレルショップの試着室という設定。店員役のコカドケンタロウが何度声をかけても、お客の中岡創一はまだ着替えの途中でパンツが丸出し。このボケを繰り返すという、言ってしまえばただそれだけのネタだが、ウケにウケた。1本目が終わってからの結果は第1位。誰もが優勝を予想したわけだが、2本目のボクシングチャンピオンのネタで失速し、逆転を許すことになる。 なぜロッチの1本目は、あれほどウケたのか。そして、なぜロッチの2本目は、ウケなかったのか。結論からいえば、中岡のキャラクターがおそらく本人たちの予想以上にお茶の間に認知され、そして好意的に迎えられていたからではないか。ここ何年かで、中岡のドッキリ番組やリアクションの面白さは、それほどまでに周知のものとなっている。 10月25日に放送された『世界の果てまでイッテQ 秋の2H拡大SP』(日本テレビ系)でも、中岡の魅力は存分に引き出されていた。面白動画を撮影、投稿するという趣旨の「Q Tube」というコーナーは、まさに中岡にしかできない笑いにあふれていた。 ここ10年単位の話になるが、「リアクション芸」という名称が一般的なものとなって久しい。それは上島竜兵、出川哲朗という二大巨頭の偉大なる足跡だ。ただの「リアクション」と呼ばれていた行為は、「リアクション芸」というひとつの芸にまでなった。だが中岡の場合、この「リアクション芸」という高みにまで上らない、素のままの中岡がどこかに残ってしまうところに面白さがあり、それがある意味で視聴者の共感を呼んでいる。 例えば「Q Tube」の中で、水蒸気で作った竜巻を吸い込むいうネタがある。海外のYouTube職人が水蒸気を口に含み、それを竜巻のような煙にして吐き出し、吸い込むというものだ。この映像に中岡が挑戦すると、どうなるか? 中岡が、水蒸気を口に含む。すると、むせてしまう。何度やっても、むせるばかり。だから、それ以上の進展がない、という画期的な面白さが生まれてしまうのだった。 このように、中岡のできなさは尋常ではない。段ボールで作ったサーフボードを池に浮かべて水面を滑ることができるかというネタでは、池にたどりつく前に転んでしまう。しかも、メガネを池の中に落としてしまうというおまけまでついている。そもそもの主旨とはまったく離れたところに着地しているのだが、そのできなさが面白さとなる。 あるいは、人間振り子に挑戦するというネタでもそうだ。何人かの人間をクレーンで吊るして振り子にし、一直線になる瞬間が撮れるかどうか。かなり大掛かりなロケである。結局、一直線にはならないのだが、ナレーションでは「別の面白い動画が撮れた」と語られ、出川を撮影したカメラの後ろに不規則に中岡が現れるという場面が紹介される。スタッフさえおそらく予想していなかったと思うが、この意外性は中岡にしかできないものだといえるだろう。 上島や出川が成し遂げた「リアクション芸」はあくまでも芸であり、そこには努力と技術の蓄積がある。そこには「リアクション道」ともいえるストイックささえあるが、中岡にはそれがない。一切の気負いがなく、いつだって自然体だ。だからこそ、できないし、本人やスタッフが想像していなかった面白さが逆に生まれている。 『キングオブコント』の1本目は、そういった中岡の魅力が詰まったコントだった。『イッテQ』などの番組を通じてお茶の間が知っている、あるいはお茶の間が期待する中岡創一の姿がそこにあった。『キングオブコント』は今年から審査方法が変わり、客席も芸人ではなく一般視聴者ばかりになったというのも強く影響していると思うが、だからこそ1本目はあれだけウケた。言ってしまえば、ウケすぎてしまった。 ロッチの2本目はロッチらしいコントで、完成度も高い。だが1本目があまりにもウケすぎたことによって、観客は1本目のような、中岡(あるいは、コカド)の素の面白さが見えるようなコントを期待してしまったのだろう。もちろん、これらはすべて結果論だ。終わってからなら、なんだって言うことができる。それを事前に予想するのが不可能に近いから、『キングオブコント』は難しいのだ。 『キングオブコント』で、ロッチはつかみかけた優勝を逃してしまった。だが逆にいえば、2本目のような完成度の高いロッチらしいコントとは別に、1本目のような中岡の素の面白さが見える方向性のコントを手に入れた、ともいえるだろう。これで終わりではない。ロッチのコントがこの経験によってますます幅を広げ、そして誰も見たことのない境地に達することを、心から願ってやまない。 【検証結果】 本文でもつづったように、中岡は基本的にできない。そしてそのできなさが、笑いになっている。これは『キングオブコント』で中岡が演じたお客に対してもそうだが、できなくても笑いになる、ということ自体が救いにつながっている。それは誰も傷つけることのない、ロッチの笑いの本質でもある。できなくても笑いになるというのは、芸人に限った話ではなく、我々視聴者にとっても救いだ。できなくても笑える。負けても笑える。だから、お笑いは、素晴らしい。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは @aizawaaa『ロッチ単独ライブ「ストロッチベリー」』(アニプレックス)
「同じネタをやるのは3回が限界!?」"ロッチらしさ"プラスαの新作コントって?

来る11月、東京・大阪の2都市でロッチの単独ライブ第3弾『ストロッチベリー』が行われる。『キングオブコント』では2年連続の決勝進出を果たすなど、コントのスペシャリストとしても知られつつあるロッチ。飄々としたキャラクターの裏に隠されたコントへのこだわりをたっぷり語ってもらうことにした。
――今年の『キングオブコント』はいかがでしたか?
コカドケンタロウ(以下、コカド) 今回は決勝に行って当たり前みたいな感じがあったんで、僕らも「行かないと」とは思っていたんですけどね。やっぱりみんな面白いし、なかなか難しいですよね。
――(準決勝で敗退して)初めて決勝で審査する立場に回って、8組のコントを見た感想はいかがでしたか?
コカド コントにもまだまだ新しいことがあるんだなあ、と思いましたね。僕のイメージですけど、今までのお笑いの大会では決勝に残らないような感じの面白いコントが残ってたんで、やっぱり新しいことを欲してるのかな、と思いました。
――それは「世間の人が」ということですか?
コカド 世間の人もそうですし、業界の人も含めて。僕らの場合、ロッチはこんなコント、っていうのが何となく認識されつつあるのかもしれないんですが、それプラス何かちょっとぐらい新しいことも入ってた方がいいのかな、とは思いましたね。
中岡創一(以下、中岡) 「決勝出てないんや」っていろんな人に言われたのは、悔しかったけどうれしかったですね。そこにいるぐらいのコンビでしょ、ってみんなに思われてたっていうことなので。コントのイメージが僕らにも多少ついてきたのかな、と。あそこに行くことって、僕らからしたら相当なハードルなんですけど、世間からそう思われてるのはうれしかったですね。
――今回の単独ライブ『ストロッチベリー』では、初めて大阪でも公演をするということですが、今後はそれ以外の地方にも行きたいですか?
コカド できることなら、全国ツアーはやりたいですね。ただ、中岡くんが同じネタを何回もやるのは得意じゃないみたいなんで。本当は東京公演も5回っていう案が出たんですけど、3回が限度っていうことやもんね。
中岡 いや、それ、僕のせいにしてるけど、コカドくんが言うてたからね(笑)。コカドくんが、「やっぱ3回やったらちょっと飽きてくるな」って言ってたから。僕はだんだん慣れてくるから、そりゃ回数やってもいいですよ。
コカド あら、そう(笑)。じゃあ、もしかしたら来年は5回公演もあるかもしれないです。
――ロッチさんのコントは、ネタのパターンが一個一個違っていて、種類が豊富だという印象があります。
コカド そうなんですよね。いろんなことをやりたくてやってるつもりなんですけど、人によっては「ロッチのネタってこんな感じでしょ」とも言われますけどね。それはどっちかというと、「いろんなパターンがあるね」っていう方が言われたいんですけど。
――ネタの中身は違うんだけど、それぞれに共通する「ロッチさんらしさ」みたいなものがどこかにある、っていうことじゃないでしょうか。
中岡 そうですね。まあ、見てる人にはそういうのがあるんだと思いますね。
――それって具体的にはどういうことだと思いますか?
コカド たぶん、日常からあんまり離れないことと、人間の切なさみたいなのがどっかに出てる、っていうことなんですかね。
――ちょっと悲しい感じの。
コカド そうですね、報われないとか恥ずかしいとか、そういうのが多いとは思いますね。
中岡 コカドくんって、普段、僕が何言うてもそんなに笑わないんですけど、僕が辱めに遭ったりミスしたりするとケタケタ笑ってますから(笑)。そういう部分が面白くてしょうがないんでしょうね。だから、僕はコカドくんと接してると、ずっとバカにされてる感じがするんですよ。まともにしゃべってもらってる感じはしないです。
コカド 一番面白いのは、恥ずかしい状況になったときの(中岡の)無言の表情ですけどね。何もしゃべってないのに、顔見てるだけで面白いっていう状況が、僕は一番笑っちゃいますね。
――最後に、今回の単独ライブのコンセプトと、どういう人に見に来てほしいか、というのを教えてください。
コカド 最近はネタ番組がなくて、テレビでコントをやれてないので、ロッチの新ネタを見てもらうっていうのはこっちにもプレッシャーがあります。そういう意味では、原点がコントなので、それをちゃんとやろうっていうのがコンセプトですかね。
中岡 ネタが好きな人っているじゃないですか。バラエティーよりもネタを見たいっていう人がちょくちょくいるんで、そういう人には見に来てほしいですね。
(取材・文=ラリー遠田/写真=尾藤能暢)
●ロッチ
中岡創一(写真右)とコカドケンタロウ(左)からなるお笑いコンビ。2005年結成。コント日本一を決める『キングオブコント』では09年、10年と連続して決勝戦に進出している。
●ロッチ単独ライブ『ストロッチベリー』
・東京公演
【日時】
2011年11月4日(金) 18:20開場 19:00開演
2011年11月5日(土) 13:20開場 14:00開演
2011年11月5日(土) 17:20開場 18:00開演
【会場】北沢タウンホール
【料金】5,250円(特典付き・全席指定)
ローソンチケットにて発売中(Lコード:35242)
・大阪公演
【日時】11月27日(日)16:20開場 17: 00開演
【会場】ABCホール
【料金】5,250円(特典付き・全席指定)
※10/15から先行販売開始。その他詳細は確定次第オフィシャルサイト「ワタわら」などで発表。
ロッチのコントに「ウンコだのオッパイだのが多い」知られざる理由とは?

2月23日、ロッチのDVD『ロッチ単独ライブ「PELO PELO PELOTTi」』が発売される。これは、2010年秋にオール新ネタで行われた彼らの単独ライブの模様を収録したもの。「少しだけエロを感じさせる」という理由で、彼らは自らこのタイトルを付けたのだという。
つかみどころのないキャラクターと、独創的なネタの数々。本人たちへのインタビュー取材を通して、謎に包まれたロッチの素顔に迫った。
――DVDのタイトルにもなっている『PELO PELO PELOTTi』というのは、少しだけエロを感じさせるということでこのフレーズにしたんですよね。
コカド そうですね。ちょっとだけエロい、そよ風程度のエロさがあるのがいいなあと。片仮名だと露骨になるから、アルファベットにしました。僕らのコンビとしての要素にもそれは入ってますね。普段しゃべっていても、そういう話題で一番笑ってる気がするし。まあ、エロいって言っても、中学2年生レベルのエロさですけどね。
中岡 一時期、内村(光良)さんにも、「(ロッチのネタは)ウンコだのオッパイだのが多いなあ」って言われたんです。自分たちでは意識して作ってなかったんですけど、そういえばそうだなあ、って思いました。2年前の『キングオブコント2009』でも、「これ、受け入れられるかなあ?」と思いながらも、ネタの中で「巨乳、巨乳」って連呼してましたからね。
コカド あの時期、はんにゃとかジャルジャルに紛れて、なぜか自分達もキャーキャー言われてたんですよ。それが自分たちの中でもしっくり来なかったんで、テレビであえてそういうのをやりたいというのもあったんですよね。
中岡 キャーキャー言われると、2人とも恥ずかしくて変な笑顔になるんですよ。うれしいはうれしいんですけどね。間違えてますよ、と(笑)。
コカド 前回の単独ライブ『ロッチラリズム』のときは、出て行った瞬間にキャーキャー言われて、こんなん言われたらでけへんわ、って思ったんですけど、今回はそれがなくなってて。コントやりやすくなったけど、無いなら無いで、「何やねん!?」と思いますね(笑)。
――お二人のネタは、かなりパターンも豊富ですが、今回のライブでは、中岡さんが一方的にコカドさんにいじり倒される、という形のネタが目立った気がします。今までにもそういうネタはあったと思うんですけど、今回は特に理不尽度が高い、というか。
中岡 分かります。今回は特に多かったですね。
コカド 作ってて楽しかったからそうなっただけで、あえてそうしたってわけじゃないんですけどね。今までは、(中岡の演じる)切ないキャラをどうやって面白がるかっていうことだったのが、最近はいじめっぽく見える感じにはなってきましたよね。
中岡 でも、いじめられてる方もちょっと悪いところはあるんですよ。本当はテレビ出たくてしゃあないのに、「出たくない」って言ってるやつとか。そういう悪い部分をこっちに持たしといて、向こうがやりたい放題やる、っていうのばっかりなんですよ。十文字アキラもそうですよね。
コカド まあ、「ジャンケンマン」は悪くないけどね(笑)。あいつ、めっちゃ盛り上げようと思ってがんばってるだけやから。でも、単なるテレビ売り場で働いてる一個人が、独りで勝手にコスチューム作って、あそこまで考えてやってくる。そんなのが現実にいたら、いじらなしゃあないじゃないですか(笑)。あいつは、がんばりすぎなんです。それをいちばんデリカシーないやつに捕まった、っていうだけで。
――やっぱり、お二人の実際の性格も、コントの中のキャラと近いところがあるんでしょうか?
中岡 まあ、ほぼそのまんまですよね。僕が何か面白いようなことを言っても、コカド君は全然笑わないんですけど、僕が失敗したりすべったりしてるのを見ると、めちゃくちゃ笑いますね。
コカド そうですね、そういうとこ見た瞬間、ニヤニヤが止まれへんので。街とか電車とかでたまに、独りでしゃべってる人っているじゃないですか。まあ、僕はそういう人にしゃべりに行きますね。「え、何言うてんの?」って(笑)。「教えて教えて!」って行くんですけど、そうするとああいう人は100%黙りますね。僕は聞きたいのに、ああいう人って聞かれたら嫌なんでしょうね。
――最近はお二人の姿をテレビで見る機会も増えましたが、お互いを見て昔と比べて変わったことはありますか?
中岡 コカド君は、西麻布や六本木で開かれている「レセプションパーティー」とか「バースデーパーティー」とかに、足繁く通うようになりましたね。芸能人になろうと必死なんですよ(笑)。
コカド そんなことないんですけどね。僕、お金がないときからハワイ行ってましたし。でも、今こういう状況になって、正月ハワイ行ったら、おかしなことになりますよね。今まで通りやってるだけなんですけど。中岡君は、独り言とかで、「あー、結婚したい」ってよう言いますね。後輩とかには、「今年結婚すんねん」って言ってます。で、「相手おんの?」って聞いたら「おらん」って返すという。坂田(利夫)師匠と全く同じパターン(笑)。
中岡 この若さで(笑)。でも、本当に結婚はしたいです!
(取材・文=ラリー遠田)
●ロッチ
中岡創一(写真右)とコカドケンタロウ(左)からなるお笑いコンビ。2005年結成。コント日本一を決める『キングオブコント』では2009年、2010年と連続して決勝戦に進出している。また、ハライチ、我が家とともに「クレイジーラッツ」を結成し、5月7~8日にライブを行う予定。
●クレージーラッツライブ(タイトル未定)
日時:5月7日 18:15開場 19:00開演 / 5月8日 13:15開場 14:00開演 / 5月8日 17:15開場 18:00開演
会場:東京・新宿BLAZE
出演者:クレージーラッツ
チケット:全席指定5,000円(別途ドリンク代500円)
2月19日(土)10時~ローソンチケットにて
ロッチ シンプルな構図でコントに魂を吹き込む「関係性のスペシャリティ」

『ロッチラリズム』(ジェネオン・
ユニバーサル)
笑いを取るための方法には、大きく分けて2つの種類がある。それは、言葉で笑わせる方法と、動きで笑わせる方法だ。漫談や漫才では、前者の手法が主に使われる。また、はんにゃの「ズクダンズンブングンゲーム」や志村けんの「だっふんだ」は、後者の手法の典型である。ちなみに、芸人が実際にネタを演じるときには、それらを組み合わせて用いることが多いので、その区別は必ずしも明確ではない。
さて、そのような視点から考えてみると、ロッチの2人が演じるコントは、かなり特殊なものであるということが分かる。彼らのコントの多くは、言葉や動きで直接笑わせようとするつくりにはなっていない。だが、だからこそ、他の芸人のネタにはない何とも言えない味わいがあり、それが彼らの魅力になっている。彼らのネタは、どのように構築されているのだろうか。
ロッチのコントは、設定がとてもシンプルだ。2人の間にひとつの関係性があって、それを最初から最後まで延々となぞり続ける、というパターンが多い。その多くは、中岡創一が内気で情けないキャラクターを演じて、何らかの格好悪い部分を見せてしまい、それをコカドケンタロウが指摘して、しつこく延々といじり倒す、という形である。ひとつの関係性を保ったままでそれを最後まで引っ張っるというのは、かなり珍しいスタイルである。だが、それで笑いを取れるのは、彼らが笑いにつながるポイントを正確につかんでいて、そこだけを集中的に攻めているからだ。
ロッチのコントのテーマは「情けなさ」である。ほんの少しの下心や気取りが原因で恥ずかしい思いをするというのは、誰でも一度は経験があるだろう。格好悪くて情けない自分の姿は、できればずっと他人の目に触れないようにしたいものだ。だが、それがふと、何らかのアクシデントで他人に気付かれてしまうときがある。こういうときに人間は「情けない」という感覚を味わう。
ロッチのコントでは、中岡がその役回りを引き受けて、情けない姿をさらけ出す。そして、コカドはそれを見逃さずに素早くえぐり出し、その一点だけをどこまでも深く掘り下げて、中岡の格好悪い部分を徹底的にあぶり出していく。
ここで注目すべきは、コカドの怒濤の攻撃を堂々と真正面から受けきる中岡の芯の強さである。彼は、コカドに絡まれて、自分の中の気恥ずかしさを際限なく増幅され、厳しい立場に追い込まれる。それでも、中岡はコカドの攻撃を全部受け止めて、きっちりそれを自分の中に留めるのだ。無闇に反論したり、すねたりしない。とぼけた表情ですべてを受け入れるのである。これがなかったら、彼らのコントは目も当てられないものになりかねない。コカドが中岡を一方的にいじめているように見えてしまうだけだ。そうならないのは、中岡があの風貌とたたずまいで、コカドの波状攻撃をきちんと受けきってしまうからだ。
ロッチのコントには、特定のフレーズや動きに限定されるような笑いどころが少ない。彼らがひとつの関係性を演じることで、気まずい状況そのものを楽しむことができる。ただ、ロッチにはキャラクターやフレーズの飛び道具もある。コカドが演じるリアクション芸人「こんにちは根岸」や、中岡が演じる売れない俳優「十文字アキラ」は、『爆笑レッドシアター』でも人気キャラとして定着しているし、「笑ってまうくらい怒られてるやん!」に代表されるような、独特の言語感覚も魅力である。
ロッチは、言葉にも動きにも頼らず、人間同士の関係性だけを切り取ってコントを作る。それは、短絡的に目先の笑いを欲しがらないという点で、若手芸人の中でも類を見ない芸風だ。たったひとつの関係性を貫く独創的なネタを量産しているロッチは、一点突破主義のコント職人だ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)
●お笑いトークラリーpresents
「笑う犬の告白 ~人生で大切なことは全部お笑いで学んだ~」
【日時】8月4日(水) OPEN 18:30 / START 19:30
【出演】ラリー遠田、岩崎夏海
【Guest】吉田正樹
【会場】新宿ロフトプラスワン
前売¥2000/当日¥2500(共に飲食代別)
※前売券は7/3(土)よりローソンチケットにて発売。(Lコード:38927)
ロッチ 単独ライブ 「ロッチラリズム」
新世代、着々と。
●連載「この芸人を見よ!」INDEX 【第86回】山崎邦正 ダウンタウンによって強制開花した「ヘタレの天才」が巻き起こす奇跡 【第85回】フルーツポンチ 確かな演技力でポストバブル世代に現出した「キザ男のリアリズム」 【第84回】よゐこ 爆発力と切れ味で支持層を拡大する「自然体のシュール」 【第83回】バッファロー吾郎 マニアック芸人の権化が極めた「もうひとつの天下」 【第82回】ドランクドラゴン 完璧な構築物に風穴を開けて回る「鈴木拓のガッカリ力」 【第81回】高田純次 還暦過ぎても華衰えぬ「日本一の適当男」が歩み続けた孤高の道程 【第80回】森三中 メンバーの結婚で進化する「ブスとブスとブスの関係性」 【第79回】Wコロン・ねづっち 「整いました!」なぞかけ芸が時代にハマった深い理由 【第78回】所ジョージ 突出した安定感を生み出すボーダレスな「私の世界」 【第77回】土田晃之 元ヤン、家電、ガンダム......でも嫌われない「ひな壇の神」の冴えたやりかた 【第75回】タカアンドトシ 非関西系漫才のツッコミ新境地「欧米か!」が生まれた理由 【第74回】キングコング西野亮廣 嫌われるには理由がある!? 天才を悩ませる「出た杭の憂鬱」 【第73回】椿鬼奴 虚栄心から自由になった女芸人の「自然体が放散する魅力」とは 【第72回】萩本欽一 テレビを作り、テレビに呑み込まれた「巨人の功罪」 【第71回】アンガールズ キモカワ芸人が精緻に切り出した「人生のNGシーン」に宿る笑い 【第70回】エハラマサヒロ 「究極の器用貧乏芸人」が無限の笑いをコラージュする 【第69回】なだぎ武 R-1二連覇を成した演技派芸人の「本当の運命の出会い」とは 【第68回】いとうあさこ 悲観なき自虐を操る「アラフォー女性のしたたかなリアル」 【第67回】チュートリアル M-1完全優勝を勝ち取った「ひとつもボケない」漫才進化論 【第66回】松村邦洋 己を棄てて己を活かす「笑われる天才」が生きる道 【第65回】キャイ~ン・ウド鈴木 20年目の変わらぬ想い──「満面の笑顔で愛を叫ぶ」 【第64回】しずる 緻密なマーケティングと確かな演技力で突っ走る「腐女子枠のプリンス」 【第63回】青木さやか 仕事も家庭も......不器用に体現する「現代女性の映し鏡」 【第62回】 今田耕司 好きな司会者第3位にランクされる「代弁者としての3つの極意」 【第61回】我が家 「変幻自在のローテーション」が3人のキャラ薄をメリットに転化する 【第60回】ハライチ "ツッコミ"を棄てた関東M-1新世代が生み出す「面の笑い」とは? 【第59回】出川哲朗 稀代のリアクション芸人が「計算を超えた奇跡」を起こし続ける理由 【第58回】中川家 すべてはここから始まった!? 兄弟が奏でる「舞台芸と楽屋芸のハイブリッド」 【第57回】板尾創路 笑いの神に愛された男が泰然と歩む「天然と計算の境界線」 【第56回】清水ミチコ 対象者の心を浮き彫りにする「ものまねを超えた賢人の不真面目芸」 【第55回】とんねるず 暴れ放題で天下を取った「学生ノリと楽屋オチの帝王学」 【第54回】友近 孤高の女芸人が体現する「女としての業と生き様」 【第53回】ウンナン内村光良 受け継がれゆく遺伝子「終わらないコント愛」 【第52回】モンスターエンジン 結成2年でシーンを席巻する「高次元のバランス」 【第51回】関根勤 再評価される「妄想力」ひとり遊びが共感を呼ぶ2つの理由 【第50回】南海キャンディーズ しずちゃんを化けさせた山里亮太の「コンビ愛という魔法」 【第49回】フットボールアワー 無限の可能性を秘めた「ブサイクという隠れみの」 【第48回】ますだおかだ 「陽気なスベリ芸」という無敵のキャラクターが司る進化 【第47回】ナインティナイン あえて引き受ける「テレビ芸人としてのヒーロー像」 【第46回】インパルス タフなツッコミで狂気を切り崩す「極上のスリルを笑う世界」 【第45回】アンタッチャブル 「過剰なる気迫」がテレビサイズを突き抜ける 【第44回】おぎやはぎ 「場の空気を引き込む力」が放散し続ける規格外の違和感 【第43回】志村けん 「進化する全年齢型の笑い」が観る者を童心に帰らせる 【第42回】はるな愛 「すべてをさらして明るく美しく」新時代のオネエキャラ 【第41回】明石家さんま テレビが生んだ「史上最大お笑い怪獣」の行く末 【第40回】ブラックマヨネーズ コンプレックスを笑いに転化する「受け止める側の覚悟」 【第39回】笑い飯 Wボケ強行突破に見る「笑わせる者」としての誇りと闘争心 【第38回】笑福亭鶴瓶 愛されアナーキストが極めた「玄人による素人話芸」とは 【第37回】島田紳助 "永遠の二番手"を時代のトップに押し上げた「笑いと泣きの黄金率」 【第36回】東野幸治 氷の心を持つ芸人・東野幸治が生み出す「笑いの共犯関係」とは 【第35回】ハリセンボン 徹底した自己分析で見せる「ブス芸人の向こう側」 【第34回】FUJIWARA くすぶり続けたオールマイティ芸人の「二段構えの臨界点」 【第33回】ロンブー淳 の「不気味なる奔放」テレ朝『ロンドンハーツ』が嫌われる理由 【第32回】柳原可奈子 が切り拓くお笑い男女平等社会「女は笑いに向いているか?」 【第31回】松本人志 結婚発表で突如訪れたカリスマの「幼年期の終わり」 【第30回】はんにゃ アイドル人気を裏打ちする「喜劇人としての身体能力」 【第29回】ビートたけし が放った『FAMOSO』は新世紀版「たけしの挑戦状」か 【第28回】NON STYLE M-1王者が手にした「もうひとつの称号」とは 【第27回】ダチョウ倶楽部・上島竜兵 が"竜兵会"で体現する「新たなリーダー像」 【第26回】品川祐 人気者なのに愛されない芸人の「がむしゃらなリアル」 【第25回】タモリ アコムCM出演で失望? 既存イメージと「タモリ的なるもの」 【第24回】ケンドーコバヤシ 「時代が追いついてきた」彼がすべらない3つの理由 【第23回】カンニング竹山 「理由なき怒りの刃」を収めた先に見る未来 【第22回】ナイツ 「星を継ぐ者」古臭さを武器に変えた浅草最強の新世代 【第21回】立川談志 孤高の家元が歩み続ける「死にぞこないの夢」の中 【第20回】バカリズム 業界内も絶賛する「フォーマット」としての革新性 【第19回】劇団ひとり 結婚会見に垣間見た芸人の「フェイクとリアル」 【第18回】オードリー 挫折の末に磨き上げた「春日」その比類なき存在 【第17回】千原兄弟 東京進出13年目 「真のブレイク」とは 【第16回】狩野英孝 「レッドカーペットの申し子」の進化するスベリキャラ 【第15回】サンドウィッチマン 「ドラマとしてのM-1」を体現した前王者 【第14回】小島よしお 「キング・オブ・一発屋」のキャラクター戦略 【第13回】U字工事 M-1決勝出場「北関東の星」が急成長を遂げた理由 【第12回】江頭2:50 空気を読んで無茶をやる「笑いの求道者」 【第11回】バナナマン 実力派を変革に導いた「ブサイク顔面芸」の衝撃 【第10回】山本高広 「偶像は死んだ」ものまね芸人の破壊力 【第09回】東京03 三者三様のキャラクターが描き出す「日常のリアル」 【第08回】ジャルジャル 「コント冬の時代」に生れ落ちた寵児 【第07回】爆笑問題・太田光 誤解を恐れない「なんちゃってインテリ」 【第06回】世界のナベアツ 「アホを突き詰める」究極のオリジナリティ 【第05回】伊集院光 ラジオキングが磨き上げた「空気を形にする力」 【第04回】鳥居みゆき 強靭な妄想キャラを支える「比類なき覚悟」 【第03回】くりぃむしちゅー有田哲平 が見せる「引き芸の境地」 【第02回】オリエンタルラジオ 「華やかな挫折の先に」 【第01回】有吉弘行 が手にした「毒舌の免罪符」



