NHKエリカ様主演“地味な”ドラマ、男性諸君必見のワケ

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。 ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ビヨンセ、“口パク”疑惑を勝利と名声に変えた“たぐいまれな”危機管理能力 ソニー、パナも…スマホ拡大で、デジカメ・ゲーム機・PCメーカーの収益悪化鮮明に アジア新興勢に惨敗のパナソニック、シャープは、自動車メーカーの将来像? ■特にオススメ記事はこちら! NHKエリカ様主演“地味な”ドラマ、男性諸君必見のワケ - Business Journal(2月13日)
「書店員ミチルの身の上話 公式サイト」
(「NHK HP」より)
 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、視るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。 「エリカ様」といえば、どの女性を想起するだろうか。  映画試写会での「別に……」発言から、ハイパーなんちゃらかんちゃらな男との一悶着など、話題とスキャンダルに事欠かない沢尻エリカ様か。スタッフウケがあまりよくないといわれながらも、『SPEC』(TBS系)など数多くのドラマに出演し、着実に女優道を歩いている戸田恵梨香様か。個人的には、TBSのダイエット番組『あの日に帰りたい』の常盤えりかさんが思い浮かぶのだが。  今回のエリカ様は、戸田恵梨香である。  戸田恵梨香主演ドラマが、NHKで細々と放映されている。『書店員ミチルの身の上話』という極めて地味なつくりの作品で、極めて地味な役を演じている。小さな田舎町の書店員だった戸田は、地元の小金持ちでつまらない彼氏(柄本佑)を転がしながらも、東京の大手出版社の営業マン(新井浩文)と不倫関係にある。ある日突然、衝動的に不倫相手と東京へ出奔した戸田は、宝くじ2億円を当ててしまう。かろうじて幼馴染(高良健吾)の家に転がり込むも、人生はあらぬ方向へ……というストーリーだ。  もともとが地味でシンプル、体も平たくて華がない印象の戸田は、一部のマニアックな男性から人気がある。私の友人男性も普段はテレビをまったく視ない(持っていない)クセに、「戸田恵梨香主演ドラマっていいよね、むふふ」と鼻の下を伸ばしていた。戸田は地味ながらも、芯の強さ(鼻っ柱の強さ)が伝わってくるので、私も嫌いじゃない。  が、顔や体をおいじりになって人工的な華を身につけた女優や、若さと巨大な事務所力でスポットライトを浴びている女優と並ぶと、戸田はどうしても目立たない。いい例が『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)だった。共演した武井咲の華やかさとはちきれんばかりの若さに、すっかり色と光を失った戸田は視ていられないほどだった。  そんな戸田が「田舎のごく普通の女性」を演じている。これぞ等身大である。そういえばもうひとりのエリカ様も、化粧せずに等身大の女性を演じたら抜群なのに。煌びやかでスキャンダラスな役しかこない。芸能界はエリカの使い方を完全に間違っている、と思う。 ●日常の有事対処法をイメトレ?  と、ここまで書いてきてなんだが、読者の皆さんに言いたいのは、エリカの使い道ではない。このドラマには、男性にとって痛い現実がそこかしこに仕掛けられている、という点である。 「営業先でちょっとつまみ食いした若い女子が、本気で自分を追いかけてきたら?」 「不妊治療で視野狭窄になっている嫁が、排卵日のたびに騎乗位で乗っかってきたら?」 「おとなしくて従順だと思っていた彼女が実は二股かけていて、男と東京へ逃げてしまったら?」 「好きな女が自分を幼馴染だと油断し、男として見てくれなかったら?」 「惚れた女がうっかり殺人事件にかかわって困惑していたら?」  男性の登場人物に自分を重ね合わせたら、もうね、いたたまれなくなるから。ここまでくると、毎日愚問・駄問・珍問がとめどなく溢れ出すYahoo!知恵袋ですってば。自分でベストアンサーを出せるか? ってくらいに、畳み掛けられる「男の試練」の連続なのである。  テレビドラマは実生活に害のない、イメージトレーニングとして有効。忙しいビジネスマンも、ぜひこの「フィクション療法」で有事の際の対処法をイメトレしてほしい。 (文=吉田潮) ■おすすめ記事 ビヨンセ、“口パク”疑惑を勝利と名声に変えた“たぐいまれな”危機管理能力 ソニー、パナも…スマホ拡大で、デジカメ・ゲーム機・PCメーカーの収益悪化鮮明に アジア新興勢に惨敗のパナソニック、シャープは、自動車メーカーの将来像? 「笑う」ことの身体への意外な効果 トヨタ、奪還した世界一の座維持のカギとは?肉薄するGM、VWとの攻防

レアな映像満載!『NHK×日テレ 60番勝負』が見せたテレビの底力

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『NHK×日テレ 60番勝負』
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。  日本で初めてテレビ放送が始まったのは1953年2月1日、NHKによるものだった。しかし、最初に放送免許の予備免許を国から受けたのはNHKではなく、アメリカの技術を取り入れ「コマーシャル収入による商業放送」を掲げた読売新聞社・正力松太郎率いる日本テレビだった。対するNHKは大正時代から研究を続け、自前の技術力で放送設備を完成。「受信料収入による公共放送」を掲げ、日テレに半年先駆け本放送を開始したのだ。そんな本放送開始前からのライバル2局によるテレビ放送60年を記念した合同番組が、2月1日深夜の『NHK×日テレ 60番勝負』(NHK総合)と2日深夜の『日テレ×NHK 60番勝負』(日本テレビ系)だ。 両日とも、司会を務めたのは中居正広と両局のアナウンサー。そして、1日目には爆笑問題、2日目には笑福亭鶴瓶が司会に加わった。生放送では“暴走”してしまいがちな爆笑問題太田は、この日も冒頭からエンジン全開。 「(生放送で)何かあったら頭丸めます!」 と“時事”ネタを早速ブチ込んで笑わせると、その暴走は止まらない。この番組のスタジオのひな壇には、両局を代表する社員やスタッフが並ぶという「芸能人にしかわからない豪華さ」だったのだが、太田はそのNHK側に向かって「『おはよう日本』のスタッフは?」と投げ掛ける。もちろん、スタジオはドン引きだった。  番組では「大物レア映像対決」「ハプニング映像対決」「怪しい?映像対決」「お色気映像対決」など両局が保有する貴重な映像を見せ合い、視聴者から「イィ」ボタンを押された数を競うという形が行われた。ちなみにこの「イ」は、テレビの父といわれる高柳健次郎が日本のテレビに初めて映し出した文字である。そんなレア映像は長嶋茂雄の秘蔵VTRだったり、手塚治虫や渥美清の密着、「ハプニング」という言葉が一般化した番組だったりと興味深いものばかり。特にすごかったのは、NHKが1957年に収録したもののお蔵入りとなった「霊媒師の交霊実験」だ。モノクロで一部だけしか流れていないためか、何が行われているかいまいち判然としないものの、何か怪しげですごいことが行われているのだけはビンビン伝わってくる衝撃的な映像だった。  そんな中で「イィ」数を多く獲得したのが、半裸の男性がとても「趣味」ではできっこない高度な「ヨーガ」を教えるNHKの『趣味百科ヨーガ』だったのが面白い。「NHKは時として無意識に前代未聞なチャレンジをする」という、言葉どおりの強烈なNHKの「天然」っぷりだった。  こうしたレア映像対決の合間に行われたのは、若手ディレクターがそれぞれの局に行って番組制作を体験する「テレビ交換留学」などだ。VTRはそれぞれの局が自局の人気番組『はじめてのおつかい』『プロフェッショナル 仕事の流儀』をパロディにして制作。ここでも、本気でパロディを作ったら無類の強さを発揮するNHKが光った。  そして、2日にわたっての通し企画「24時間ドラマ」。これは、その場で決められたジャンルに沿って、24時間で5分ドラマを作るというもの。ディレクター以外(日テレのほうはディレクターもその場で言い渡された)ほぼ何も決まっていない状態でドラマ制作がスタートし、その模様をWebで中継。そして、完成させたドラマを2日目の放送で発表するというものだった。こちらは、自由度と柔軟性の優れた日テレが底力を見せつけた。  奇しくもこの番組の1日目に放送された『テレビのチカラ』(NHK総合)で、萩本欽一はテレビについて「あさま山荘事件」(72年)を例に挙げて分析していた。この事件は各局が生中継をし、NHK、民放を合わせた視聴率は89.7%に達した。視聴者は、窓しか映っていない画面に釘付けになったのだ。それを見た欽ちゃんは、テレビの特性を発見する。「テレビって『何かが起きてる』じゃない、『何かが起こりそうだ』でみんなが集まるんだ」と。まさに、『NHK×日テレ 60番勝負』は、そんな「何かが起こりそうだ」というワクワク感でいっぱいだった。  そして、「何か」が実際に起こる。  番組の終盤、突然、明石家さんまがスタジオに登場したのだ。そしてCMが入らないNHKで30分近くノンストップでしゃべり続け、笑わせ続けた。  さんまのNHK出演は実に28年ぶり。さんまは『クイズ面白ゼミナール』(81~88年)の番組内で、退屈そうにあくびをしていたのが視聴者の逆鱗に触れ、新聞の投書欄を賑わせて降板。その後、朝ドラ『澪つくし』(85年)に出演して以来の登場だった。そんなサプライズに「今、テレビご覧になってる方は、本当にビックリされていると思う」と興奮するアナウンサーの言葉を遮り、さんまは言う。 「いや、テレビの前の人はそうビックリしてないやろ、テレビやから」  その言葉は何気なく発せられたが、さんまのテレビに対する哲学とプライドが詰まっているように感じられた。そう、テレビは「何かが起こりそうだ」を映すメディアであるのと同時に、何が起きても不思議ではない「何でも起こり得る」メディアなのだ。  テレビがほかのエンタテインメントと異なるのは、それが「日常」と地続きなことだ。「日常」の中に、突如として「非日常」の興奮が紛れ込む。そして見たことがない「何か」が起こったカタルシスは、すぐに当たり前の「日常」の風景に変わる。だとしたら、それは僕らが生きていくしかない「日常」にも、ワクワクする「何か」が起こり得る証明にほかならない。  「非日常」の興奮と多幸感は、いつだって「日常」のすぐそばに存在する。そんなことを思い起こさせてくれることこそ、テレビの力だ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

視聴率奪取の宿命を追った50年史 NHK大河ドラマを蝕む"作家主義"の弊害

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『八重の桜 前編』(NHK出版)
【サイゾーpremium】より ──ドラマファンには評価が高かったにもかかわらず、視聴率的には惨敗した2012年『平清盛』をはじめ、昨今視聴率低迷に悩むNHKの看板ドラマシリーズ「大河ドラマ」。50年の歴史を持つこの枠も、今岐路に立たされている──。脚本家や歴史学者ら製作関係者たちの声、スキャンダル史と局内事情から、「大河ドラマ」という大看板の光と影に迫る! 念のため、おさらいしたい 〈NHK大河ドラマ〉とは? NHKが手がける、毎年1月~12月の通年で放映されるドラマ枠。現在の放映時間帯は、毎週日曜夜20時(総合テレビ)。1963年から放映を開始し、基本的には毎年歴史モノが製作されている。これまでに昭和以降の近現代をメイン舞台とした作品は、86年放送の『いのち』(三田佳子主演)のみ。司馬遼太郎ら大家の小説を原作とすることも多く、時代劇ファンの心をつかみ続けてきた。 「大河ドラマ」──そう聞いて、思い浮かぶ作品はなんだろうか?2012年に放映された大河ドラマ『平清盛』は、長くワースト1位を維持した『花の乱』(94年/平均視聴率14・1%)を超え、歴代最低となる平均12%という低視聴率を叩き出した。12年1月の放映開始以来、同作は批判にさらされてきた。特に耳目を集めたのは、物語の舞台にもなった兵庫県の井戸敏三知事が「画面が汚くて見る気がしない。神戸のイメージダウンになる」と異例のクレームをつけたことだろう。一般視聴者からも「映像がきれいじゃない」「登場人物が多くて関係が複雑すぎる」といった声が上がった。テレビドラマ評論家の古崎康成氏も、こう指摘する。 「平安時代が舞台ゆえ、やむを得ないのでしょうが、個人名ではなく役職や誰の女房かといった間接的な名前で呼ぶので、誰が誰なのかわかりにくい。ホームページの人物相関図を手にしていないと、劇中のセリフが誰を指しているのかすら判然としないことがあるわけです。私のようなドラマ研究者や熱心なファンはともかく、多くの視聴者がついてこれなかったのもやむを得ない面があるように思います。じっくり観ると深みのある話が展開されているのですが、カラッとした明快さではなく、やや高尚なところで面白さを感じる作りで、そこも広い支持が得にくかったように思います」  確かに『平清盛』は、低い視聴率とは裏腹に、例えばツイッターなどでは放映時間になるとハッシュタグを使って観る人が盛り上がり、プロのマンガ家やイラストレーターが登場人物を描いて投稿する(通称「盛絵」)など、一部では異様にファンを集めていた。テレビ全体の視聴率が下がる中、ここまで愛されるドラマも珍しい。それだけでもドラマとしては評価されてもよさそうなものだが、そこは「大河」という金看板を掲げる枠、そうはいかないらしい。 「大河ドラマは、キャスティングや脚本家の起用、映像のレベルなど全てにおいて、テレビドラマのベンチマークになっているといえます。ドラマが生放送で作られていた時代にVTRをいち早く導入して豪華キャスティングを可能にしたり、軽量化された収録機材を使用することでロケ撮影を容易にして派手な合戦シーンを撮れるようにしたりと、技術革新によるテレビドラマの可能性の拡大も担ってきました。大河ドラマが活性化するとほかのドラマも活性化していくという、プラスの連鎖がドラマ史の中にはあるのです。特に最近は、かつてのような正統派歴史ドラマの作りだけでは視聴者が満足しなくなっているので、脚本家の起用方法や映像演出などにおいて、大河自体が変化球を打ち出すようになっています。『清盛』では、そうした斬新さが強まりすぎて、視聴者の理解を超えてしまった面があるのでしょう」(前出・古崎氏)

民放にはない作家主義が裏目に出ることも?

 一方で、役者を供出する側の芸能事務所のマネージャーは、大河ドラマの作られ方をこう語る。 「とにかく制作面においては作家主義です。これはNHKのドラマ全般について言えることですが、プロデューサーと大御所脚本家の意向がまずあって、それに沿って作っていく。ある意味、ドラマとしては極めてまっとうです。主役のキャスティングがまず先にあり、スポンサーの意向をくみながらギリギリで撮影して、視聴率次第で展開やキャスティングを修正する作り方ではなく、作りたい世界観があって、それを表現するためにはどうするか、と考えているのが民放とは根本的に違うところ」  なるほど、テレビドラマとしては健全な考え方だ。しかし、局内においてはそれゆえの弊害もあるらしい。 「NHKのドラマ班の人は本当にドラマが大好きで、熱い人が多い。だけど、一度大河のディレクターまで務めてしまうと皆が『俺はドラマが作れる』と思い、すぐに『NHKを辞める』と言いだすんです。そうした風土の中で、これからを担う30代があまり育っていない印象もあります」(NHKドラマ外部製作会社社員)  これにはNHKの他部署局員も同意する。 「ドラマがやりたくて入局する人間は新卒では少ない。NHKというと報道やドキュメンタリーのイメージが強く、『NHKスペシャル』のような看板番組を手がけたい、という動機の人が多い。ドラマ志望は毎年入ってくる新入局員の中では少々異端。そうした人の集まりですから、ドラマ班は個性的な人が多い印象です。さらにベテランプロデューサー間での派閥争いなどもあるらしいので、そうした面で嫌気が差すのもあるでしょう。早々に退局してしまうのも納得がいきます」(30代記者)  そして、こうした局内事情ゆえか、近年の大河では、ディレクターやプロデューサーといった局側の責任者ではなく、脚本家に責を負わせる部分が大きくなっているように見える、と前出の古崎氏は指摘する。 「当の脚本家たちのエッセイなどの記述を参照すると、時代考証面のバックアップ体制は充実しているようですが、作品の骨格はかなり脚本家に任されているように映ります。NHKの最近のドラマ作りは、民放と比べると、脚本家に自由に書いてもらうという考え方があるようで、それが大河ドラマの制作体制でも活かされているのでしょう。しかしそれゆえに、脚本家にやや過剰な負担がかかっているようにも思えます。そもそも最近の脚本家は、かつてに比べると時代劇や歴史ドラマへの造詣が浅い人が多い。大河ドラマでほぼ初めて歴史ドラマに挑戦するようなケースすらあるので、そんな人に『自由に書いてもらう』といっても無理があるのではないでしょうか。本来、作品の最終責任はプロデューサーが担うもので、脚本家ではない。作劇が批判されたとしても、脚本にダメ出ししなかったプロデューサーやディレクターにこそ、責任があると思います」 ■長丁場に安いギャラ役者が大河に出る理由  こうした製作事情に左右されながら、大河ドラマは50年間続いている。しかしそうした裏方の都合より、テレビで観ている視聴者の大半が興味があるのは、「誰が出演しているか?」という点だろう。1作目である『花の生涯』(63年)で当時の映画界のスター・佐田啓二と歌舞伎界の重鎮・尾上松緑が主演して以来、意外性のあるキャスティングや、民放ではなかなか見られない大御所の豪華競演は注目の的だ。国民的ドラマともいわれるこの枠に所属タレントがキャスティングされることは、芸能事務所にとってはオイシイことなのだろうか? 「正直、条件だけだと微妙なところですね。大河は、とにかく役者の拘束時間が長い。放送前年の9~10月頃から撮り始めて、翌10月までかかりきり。その準備で、撮影に入る前の半年も駆り出されて、あまりほかの仕事が入れられなくなる。さらに、ギャラもそんなに高いわけではないです。NHKは特に、これまでに築いた局との関係の長さ・深さによってギャラのランクが明確にあり、主演俳優だからって一番高額とは限らない。例えば民放なら、高ければ主役級で1話200万円弱×1クール10話で1作2000万円弱、脇役は1話30万円で300万くらいのところが、大河は主役級で1話30万円ということも十分ありえます。これにリハーサル稼働、関連イベント出演、DVD化の権利関係……と、事務所が交渉してプラスアルファしてもらう。だからある程度大きくて体力のある事務所か、小さくても広告仕事が多くて金銭的に余裕のある事務所や役者じゃないと受けられないですよね」(前出・芸能事務所マネージャー)  1話30万円×年間約50話と考えると、主役級でも1作1500万円! CM1本何千万という世界で活躍する第一線のタレント・役者を起用すると考えれば、驚くほどの安さだ。それでも過去から現在に至るまで、豪華キャストが実現されてきたのには理由があるという。 「昔は大河の主役級といったら大物俳優でしたが、00年代に入った頃から若手を主演に据えることでメディアが話題を盛り上げるようになってきた。同時に、若手がそこで時代劇を経験するようになった。それまでは、時代劇ってやっぱり老人のものでしたからね。だから今では大河に出れば話題にもなるし、『国民的俳優』というステータスにもなる。そこに加えて、その後の役者人生と、知名度が上がることで広告仕事での価値も増すことを考慮して、事務所と俳優自身が出演を判断しています」(同)  そうした判断のもとに出演を受諾した事務所にしてみれば、『清盛』のように低視聴率の汚名を着せられては「話が違う」と憤慨するところかもしれない。ある種、博打に乗ってくれる、限られた事務所と付き合いが深くなることもあるのだろうか? 「大河ドラマに関しては、特定の事務所や製作会社に集中していないか、厳しく外部団体がチェックしているので、癒着はまずありません。逆に、NHKとの関係が良くなくて出演NGの事務所があるという噂もありますが……」(前出・製作会社社員)  大河1作品に投じられる年間予算は30億円程度といわれる。民放のドラマは1クール10話で高くて5億円程度。全50話の大河と、予算としてはそう大きく違わない。その中で大河は、役者へのギャラは渋い代わりに、ロケやセット、CGなどに惜しみなく金を使い、民放ドラマには作れないクオリティで国民的ドラマと呼ばれるに足る作品に仕上げなければならない。なぜならば、「NHKの番組」だからだ。 「やはり受信料という視聴者のカネを惜しげもなく投入して作っているがゆえ、作り手の自己満足で終わる作品は許されないのです。ちゃんと受信料を払う一定の視聴者の心をとらえるものでなければならない。それが大河ドラマの持って生まれた宿命なのです」(前出・古崎氏)  むろん民放ドラマでも、スポンサーに対して視聴率を獲得せねばならないという責務があるが、直接観る視聴者に対して打ち返さねばならない重責と伝統の重みを同時に背負うのは、ドラマ枠多しといえども大河ドラマくらいだろう。その中でいかに面白いものを作るのか、製作者たちは悪戦苦闘し続けていく。以降の本特集では、作品に関わった製作者たちの生の声や、大河という金看板の内幕を見ていこう。 (文/松井哲朗) 「サイゾーpremium」では他にもNHK大河ドラマに迫った記事が満載です。】"大河のせいで倉本聰が北海道に移住!? 国民的ドラマに炸裂したスキャンダル列伝宇野常寛の批評のブルーオーシャン「平家にあらずんば人にあらず」裏テーマは"vs『篤姫』"!? 『ハゲタカ』演出家の挑戦は"坂本龍馬"像をアップデートできたか?
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“普通”の人々の歴史が面白い! 著名人の家族を通してひもとく、日本の庶民史『ファミリーヒストリー』

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『ファミリーヒストリー』(NHK総合)
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。  2009年から毎年年明けに放送されている『新春TV放談』(NHK総合)。千原ジュニアが司会を務め、NHK・民放問わず、その前年に放送されたテレビについてトークを繰り広げている。5回目である2013年は、秋元康、大根仁、小島慶子、鈴木おさむ、関根勤、テリー伊藤をパネラーに迎え、放送された。  そこで大根仁が2012年のベスト番組に挙げたのが『ファミリーヒストリー』(NHK総合)だった。大根は「あんなシンプルな切り口で、テレビ見てこんなに泣くのか」と絶賛。ジュニアや小島も口々に「大好き」と賛同した。  『ファミリーヒストリー』は、著名人の家族の歴史を本人に代わって徹底取材し、そのルーツを探るドキュメンタリー。プロデューサーで制作統括を務めるのは『プロジェクトX』や『プロフェッショナル 仕事の流儀』をデスクとして支えてきた小山好晴。2008年10月に『番組たまご』としてパイロット版が放送された以降、毎年新作が作られてきたが、ついに2012年10月からレギュラー化された。これまでルー大柴、浅野忠信、永瀬正敏、宮川大輔、余貴美子、市川猿之助、小塚崇彦、コロッケ、武蔵、そして出川哲朗など実に多種多様な人物の先祖をたどってきた。  自分の家族の歴史なんて、知っているようで実は全然知らないものだ。たとえばルー大柴は、自分の祖母が「満州で時計屋を営んでいた」ということは知っていたが、それが「満州で一番大きな時計屋だった」ことはまったく知らなかった。しかも、第二次世界大戦の敗戦で、時計屋の金品がソ連軍に略奪され、ルーの父である稔は日本人捕虜としてシベリアに抑留されてしまっていたことさえ、これまで知る由もなかったのだ。戦後4年たってようやく日本に帰国した稔は、ルーの母と出会い結婚。しかし、日本の生活に馴染めなかったこともあって離婚。その後、ルーと会うことはなかった。  ルーはそんな自分の知らない家族史に驚きつつも、冷静さをギリギリで保ちながらそのVTRに見入っていたが、ついに耐え切れなくなって嗚咽する。それは、父が糖尿病を患って入った療養所で、友人に「マイサンが今度テレビジョンに出るんだ」と得意げに話していたというエピソードが紹介された時だった。ヨーロッパで放浪の旅をし、今では「ルー語」と呼ばれる英語交じりの話し方をするルー大柴と同様、父もまた満洲やシベリアで英語を使っていたせいで、英語交じりの話し方をしていたという。それは些細だけど奇妙で心動かされるルーツのひとつだった。  現在写真家としても活動する永瀬正敏の曽祖父が実は写真館を開業していたり、「お祭り男」宮川大輔の先祖が神田明神の防火用の天水桶を作った人物であったりと、本人がまったく知らない現在の自分と符合する事実が次々と明かされていく。宿命と呼ぶのは大袈裟かもしれない。けれど、ただの偶然と切って捨てることはできないルーツであり、それは家族と本人のアイデンティティにもつながっていく。「事実は小説よりも奇なり」という使い古された言葉がリアリティをもって迫ってくるのだ。  「出川哲朗とNHK、真逆のところでやってきたんで……」と、本人もこの番組への出演を驚いたという出川哲朗は、創業100年以上の歴史を持つ海苔問屋の息子として生まれた。この回は、その伝統ある店の三代目に嫁いできた彼の母親が、夫の放蕩の果て家業が傾く中、必死で店を守り抜いた人生を中心に描かれた。父は調子に乗って手を出したクラブ経営で失敗して多額の借金を抱え、おまけに愛人を作って、家には帰らない。そんな父の人となりは、ええ格好しいの調子乗りで出川哲朗そっくりだ。それでも父と意地でも離婚せずに気丈に家業を守りぬいた母。彼女は時折、海の見えるところに行き、その先にある故郷の宮城県塩釜に想いを寄せるようにジッと海を眺めていたのだという。  58歳で亡くなった父の葬儀には、予想をはるかに超える参列者が集まった。母との別居中も父は、多くの人に対して見返りを求めることなく世話を焼いていたのだ。「母親は完全に最後に父のことは許していました」と、出川の姉は振り返る。父からはええ格好しいで友人思いの性格を、そして母からは常に身を粉にして全力で仕事に取り組む姿勢を受け継いだ出川哲朗は、家族の歴史の事実を見て「心を新たに、いただいた仕事を一つ一つ頑張ってやっていく」と涙をこぼした。  ただ、そんな感動的な話も、出てくる先祖の写真がことごとく出川本人とソックリすぎて笑ってしまい、前半は頭に入ってこなかったのだけど。  毎回、さまざまなゲストの家族史を追っているのに、そのどれもが劇的なことに驚く。そしてほとんどの回に共通するのが、そのターニングポイントに戦争が色濃く関わっているということだ。戦争によって翻弄され、厳しい選択を強いられ生き延びた家族。そんな無名の庶民の昭和史・近代史は、これまでほとんどテレビで語られることはなかった。タレントの家族というフィルターを通すことで、そういった「普通の人々」の生活と歴史をひもとく。それは、今まで「面白くない」「興味がない」と漠然とイメージされてきたものだ。しかし、それは違う。普通に生きてきた人々の歴史だからこそ面白いのだ。そして、庶民史だからこそ見えてくる日本の近代史が確かにある。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

『NEWS ZERO』移籍“内定済み”のキャスター山岸舞彩 日テレが危惧する「奔放な男性関係」

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山岸舞彩オフィシャルブログより
 NHKのレギュラー番組『サタデースポーツ』と『サンデースポーツ』を来年3月で卒業することになったフリーアナウンサーの山岸舞彩。突然の辞意は局内外でも物議を醸しているというが、実際には、ロンドン五輪での現地キャスターとして見せたミニスカート姿などNHKらしからぬ振る舞いに苦情も多かったのだという。 「最近では有働由美子アナの脇汗ばかりが話題になっていますが、山岸への苦情は有働アナの数倍ともいわれていました。また、アナウンス能力には定評があったものの、局アナを差し置いて活躍する山岸をやっかむ声が多かったと聞いています。NHKは最近、局アナを積極的に登用していく方針を打ち出していますし、NHK局内の今回の件へのリアクションは、批判半分、歓迎半分といったところですね」(テレビ誌記者)  実際、日本テレビ系『NEWS ZERO』への出演が“内定”しているといわれる山岸だが、迎え入れる日テレ側が危惧しているのは、山岸の“男回り”だという。 「元カレがプロ野球・楽天球団の立花陽三社長であったことや、サッカーキャスター時代には数々のJリーガーと浮名を流したこともあった。NHKではかなりの締め付けがあったはずですが、それでもサッカーの大津祐樹と親密ぶりを見せつけるなどしていた。日テレが心配しているのは、そうした彼女の奔放な男性関係ですよ」(民放関係者)  日頃から「権力のあるオトコが好き」と公言し、NHKでも局の幹部やプロデューサーを手玉に取っていたという山岸。だが、報道番組のキャスターとなれば、男性関係もこれまでのようにはいかないだろう。民主党政調会長だった細野豪志氏(前・環境大臣)との路チューが報じられ、『筑紫哲也 NEWS23』(TBS系)のキャスターを降板させられた山本モナの例もあるだけに、日テレ側は「私生活はくれぐれも慎重に」と願っているに違いない。

「聞いてない!」山岸舞彩キャスターの日テレ移籍報道に“育ての親”NHKが激怒

山岸舞彩オフィシャルブログ
 NHKでロンドン五輪の現地キャスターを務めるなど、フリーアナウンサーとして異例の抜擢で話題を呼んだ山岸舞彩が、来年3月末で同局との専属契約を解消し、民放に移籍するという。  7日発売の「フライデー」(講談社)によると、山岸は来年3月までのNHKとの契約を更新しない模様で、4月から日本テレビ系『NEWS ZERO』のキャスター就任が“内定”しているという。  舞台裏を知る人物は「実は、ずいぶん前から山岸サイドと日本テレビの間で交渉が行われていたんです。“山岸獲り”には、同じエロキャラ路線の平井理央がいなくなったフジテレビの『すぽると!』も参戦していたそうですが、早々と日テレ1本に決まった」と明かす。  現在は詰めの協議をしている段階で、4月には「嵐」の櫻井翔らと並ぶ山岸の姿が見られそうだ。  一方で、今回の件にブチ切れているのが“育ての親”であるNHK。同局関係者は、「まったく寝耳に水」と不機嫌な様子で次のように語る。 「アナウンス技術をイチから教え、現場に香水をプンプンつけて来たこともあった彼女を“正した”のはウチですよ。確かにフリーという立場ではありますが、なんの断りもなしに他局に移籍するのは、礼儀がなってないですよ!」  山岸サイドとしては、NHKとの契約事項に規定が多く「数百万のギャラが出る芸能イベントへの出演依頼やバラエティ番組の出演オファーも断らざるを得なかった。活動が制限されることが、移籍を決めた1番の理由」(テレビ関係者)という。  結果的に遺恨を残すことになってしまったが、山岸キャスターには今まで以上のミニスカを期待したものだ。

「これで再起不能か……」NHK『紅白』落選の小林幸子 このまま表舞台から消えてしまう!?

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「茨の木」
 26日、年末の風物詩であるNHK『紅白歌合戦』の出場者が発表され、出場の可否が注目を集めていた演歌歌手・小林幸子が“落選”したことが明らかになった。 「毎年、ド派手な衣装で『紅白』の名物となっていた小林だが、今年4月に個人事務所社長らを解任するなど“お家騒動”を起こしていた。この問題を重く見た芸能界の重鎮らが小林の“排除”に動き、先月には大手スポーツ紙に早くも“落選確定”の報を書かせるなど、小林には強烈な逆風が吹いていた」(スポーツ紙記者)  小林は8月には長年所属してきた日本コロムビアとの契約も解除し、自主制作の形で新曲「茨の木」を発表するなど、最後まで『紅白』出場に向けてアピールしてきたが、実らなかった。 「33年間、出場を続けてきた『紅白』から追い出されたわけですから、これでひとつの結論が出た形。小林幸子の名前は今後、表舞台から消えていくことになるでしょう。地方の営業などでしばらくは食うには困らないでしょうが、一線級の演歌歌手としては再起不能でしょうね」(同)  来年には芸能生活50周年を迎える小林幸子。長きにわたって芸能界を生き抜いてきた大ベテランが、このまま終わるとも思えないが……。

「パンツの中にも手を入れて……」報道各社が自主規制したNHK森本アナの卑劣な犯行手口

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 NHK『おはよう日本』を担当する同局アナウンサー・森本健成容疑者が15日、電車内で女性の胸を触るなどして強制わいせつ容疑で現行犯逮捕されていたこよがわかった。警視庁などによると、同容疑者は14日午後7時45分ごろ、東急田園都市線の渋谷駅から二子玉川駅に着くまでの約11分間、23歳の女子大生の胸を触っていたという。  当時、車内は大混雑しており、身動きも取れない状態で、女子大生は「大声を出せず、逃げることもできなかった」などと話している。  逮捕当初、森本容疑者は「酒に酔って記憶がない。そのようなことはしていない」と否認していたが、16日に容疑を認め、その後、処分保留で釈放された。同容疑者は「大変なことをした。これからどうなるのか」と話しているという。  局内では“人格者”で有名だった同容疑者の逮捕に、一時は「誤認逮捕」や「冤罪」を指摘する声も上がっていたが、取材を進めると、およそ「酒に酔っていた」では済まされない卑劣な犯行手口が浮かび上がってきた。  社会部記者は「痴漢行為ですが、迷惑防止条例ではなく強制わいせつ罪が適用されたのは、当局が相当悪質と判断したため。被害女性の真正面にいた同容疑者が満員電車をいいことに、女性に接近し、右手で胸を11分間揉みしだいたことは報じられていますが、実は下半身にも手を伸ばしているんです。それもパンツの中にまで。このことは各テレビ局もつかんでいますが、放送を自粛しました」と話す。  被害女性の怒りは今もなお凄まじく「最初否認していた森本容疑者が“オチた”のも、被害女性が警察に事件の詳細を事細かに話していたから」(同)という。森本容疑者には、局内では決して見せない“裏の顔”があったようだ。

「NHK+白石さん+のだめ+バカリズム=?」 @NHK広報のツイートはなぜユルい?

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『中の人などいない@NHK広報の
ツイートはなぜユルい?』(新潮社)
 数ある企業の公式Twitterの中でも、1、2を争う人気アカウント「NHK_PR1号」。お堅いNHKらしからぬ“ゆるさ”を全面的に押し出し、日々、お叱りの声とも戦いながら、マイペースに更新。現在のフォロワー数は50万を超える。普段、わたしたちが持っているNHKのイメージとはあまりにかけ離れたツイートの数々に、戸惑いを覚えた人も少なくないだろう。このアカウント、NHKから委託を受けた広告代理店や放送作家がやっているのかと思いきや、「中の人」はれっきとしたNHK広報部の職員。近年バラエティ化が著しいNHKとはいえ、こんなお遊びが許されるなんて、いったいどういうことなのか――。  『中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?』(新潮社)は、そんなNHK_PR1号のつぶやきの秘密と正体に迫る一冊だ。  実はこのアカウント、もともとはPR1号が会社の了解なしに勝手に始めた非公式のもの。視聴者と直接コミュニケーションを取って、NHKに対するイメージを変えてもらおうと実験的に活用していたアカウントだったが、ある日、ネット管理業務を担当する同僚にそのユニークさを認められ、公式アカウントとなることを命じられるのだった。  あまり知られていないが、一応キャラ設定があるそうで、NHKの真面目なイメージ、「生協の白石さん」の誠実さ、のだめ(『のだめカンタービレ』)の天然さ、バカリズムの面白さ、そしてPR1号本人の性格を合わせたものだという。「3時ヽ(*´∀`)ノだよ!」「(* ̄ω ̄) チラッ。oO(2号先輩の机の上におせんべいがある…)」など、他愛のないことを顔文字とともに綴ったり、「きょうの『ピタゴラスイッチ』は“やくにたつあな”です。中にはあまり役に立たないアナも…うわやめろ何をする…んtんとどkzとどkz尾rまたはい異kk…」といった番宣なのにどこかツッコミたくなるツイートなど、言われてみればそのキャラ設定も分からなくもないが、それにしても遊びすぎなのではないかと、こちらが不安になってしまう。  これまで、NHKで中継していない小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還の様子を生放送している他のネット配信を紹介したり、「さかなクン」に“さん”を付けるかどうか論争、エイプリルフールの不適切発言など、数々の話題を振りまいてきたPR1号だが、その存在感をより印象付けたのは、やはり東日本大震災だろう。  いつものゆるキャラを封印し、NHKに届く最新情報を簡潔にまとめ、停電などでテレビが見られない人に向けてツイートするだけでなく、当時はまだ認めていなかったNHKの放送をネット上で動画配信しているサイトを知らせたり、政府の公式発表前に福島第一原発の爆発の可能性を示唆するツイートなども行ったが、緊急時とはいえ、多大な影響力を持つNHKの一職員が独断で情報を流す、という行為は前代未聞だし、この行為は賛否を呼んだ。だが、「クビになるかもしれない」という覚悟の上、それでも“たった一人でも助かるなら”“わずかでも事故の可能性があるのなら”ツイートすべきだと決断をしたPR1号の行為は、日々のユーザーとのやりとりの中で築かれた信頼関係に、非常時こそ真摯に向き合おうとする誠実さが感じられるものだった。  そして、それが最も象徴的に表れたのが、震災4日後にツイートされた、こんな文章だった。 「被災地では、被災された方も支援にあたっている方も疲労がたまり、たいへんお辛い状況かと存じます。孤立状態にある方も大勢いらっしゃいます。誰もが緊張しています。だからこそ、このアカウントでは、今後、出来る限り日常的なユルいツイートをします。ご批判もあるとは思いますが、ご理解ください」  未曾有の大震災を前に、誰もが底知れぬ不安と苛立ちを抱える中、ことネットの世界では攻撃的な発言で埋め尽くされていた。せめてPR1号のタイムライン上だけでもこの流れを変えたい、という思いでのツイートだったが、もちろん、これにも非難が殺到。「状況を考えろ」「ふざけるな」「不謹慎だ」――。しかし、「不謹慎なら謝ります。でも不寛容とは戦います」と、厳しい意見にも屈することなく、PR1号は自らの信念を貫いた。  ゆるキャラを装いながらも、ユーモアがあって大事な局面では上に頼らず自ら判断し、厳しい意見にも耳を傾ける――。NHK_PR1号のそんな姿は、報道だけでなく、真面目なドキュメンタリー番組から子ども向け番組、お笑い番組まで、実は幅広い間口を持つNHKの本当の姿を反映しているようにも思える。このアカウントの活躍によって、少なくともネットユーザーの間では、NHKのイメージが変わりつつあることは間違いない。

出演ゼロ確定から一転「政治と文化は違う」発言も……どうなる『紅白歌合戦』の“韓国枠問題”!?

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第63回 NHK紅白歌合戦
 暮れのNHK『紅白歌合戦』の出場歌手の選考が、いよいよ大詰めを迎えている。今年は例年より早く発表される予定で、「11月中旬ごろになるのではないか?」(音楽関係者)という。  そんな中、注目されるのは、韓国人歌手が出場するか否かだ。昨年はKARA、少女時代、東方神起の3組が出場したが、今年は韓国の李明博大統領が島根県の竹島に無断上陸したことから、日韓の緊張がいつになく高まっている。当初、NHKは国民感情を鑑み、今年の紅白の韓国枠はゼロの方針を固めた。ところが、同局の石田研一放送総局長は10月24日に行われた定例会見で、韓国人歌手の選考について聞かれ「政治と文化は違うというスタンスで、総合的に考えたい」と発言。  9月に松本正之会長が「日本人が自信を持って新たな一歩を踏み出そうというメッセージを伝える」と語り、事実上の“韓国枠ゼロ”と解釈されていたものを、石田総局長が白紙撤回したとも言える。これに敏感に反応したのがネット住民だ。  「韓国人歌手を出すという宣言か?」「一年の最後に気分が悪くなってもいいのか!」という感想から「どこの国の放送局だ。放送免許取り消せ」など、過激な書き込みも見て取れた。現在、某巨大掲示板には5,000件近いコメントが寄せられており、大半が韓流歌手出場に反対の声。中には、同局への抗議電話や受信料不払いを呼びかけるものもあった。  これに対し、紅白事情に詳しい音楽関係者は「これほどの反応があるとは、NHKも面食らったでしょう」と指摘。続けて「石田総局長の“政治と文化は違う”は観測気球ですよ。NHKが恐れているのは、やはり抗議活動が広がり、受信料徴収に影響を及ぼすこと。そのため、現段階でどの程度、国民の拒絶反応があるか調べるため、わざとあのような発言をしたと見られています」と明かす。  事実、紅白スタッフは某巨大掲示板などを、連日くまなくチェックしているという。一部で少女時代の出場もウワサされているが、これについても前出の音楽関係者は「確かにそんな話も流れていますが、根拠は薄いですね。おそらく、キャリアの大半を日本で費やし、“限りなく日本人アーティストに近い”という扱いで『東方神起』が白組で出場する可能性があるため、それならば紅組からも1組出るだろうということで、彼女たちの名前が挙がったのでしょう。とはいえ、今年に限っては韓国人歌手も日本のお祭りである紅白に出場すれば、祖国の反発は必至。少女時代のような韓国でも大人気のグループにとっては、リスクが高すぎますよ」と話す。  いずれにせよ、あと数週間もすれば今年の出場歌手が明らかになる。NHKは最後まで神経をすり減らしながら、選考することになりそうだ。