先日、東京スポーツで報じられたNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』のパクリ騒動。女優・能年玲奈(20)演じる主人公の女子高生・天野アキが所属する47都道府県の地元アイドルからなるグループ「GMT47」が、「AKB48」を意識しているというもの。 そもそも、「GMT47」というグループ名自体が、「AKB48」グループを連想させ、共通点も数多く指摘されているが、NHKの訓覇圭プロデューサーは「特定のアイドルグループは想定していない」と「AKB48」グループとの関連性を否定している。 同紙では、「NHKの関係者が秋元康さんのところに直接あいさつに行って『AKB48に似せても、ドラマ内の架空グループならかまわない』という旨の返答を受けた話もあるんですから」という業界関係者のコメントを紹介。その上で、一部でウワサされている「GMT47」のCDデビューに対し、「架空の話ならともかく、実際にパクリで金儲けする動きが出たら、AKBサイドが怒り出す」と警鐘を鳴らし、著作権法に抵触する可能性や民事による損害賠償請求にも言及している。 芸能界の事情にも詳しい法曹関係者は、今回の騒動についてこう語る。 「少なくとも、視聴者などが『GMT47』が『AKB48』および、その関連グループであると混同するおそれがある点で、商標法上ないし不正競争防止法上、問題があると思います」 さらに続ける。 「放送法上の問題もあります。放送法第4条では、国内放送の放送番組の編集等について公安及び善良な風俗を害しないこと、政治的に公平であること、報道は事実をまげないですること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることが規定されています」 放送法に基づく特殊法人として設立されたNHKでは、こうした放送法の規定を受けて「国内番組基準」において「日本放送協会は、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保し、豊かで、よい放送を行うことによって、公共の福祉の増進と文化の向上に最善を尽くさねばならない」と規定している。 「AKB48」を明らかに想像させる「GMT47」を、一番組にすぎないドラマに利用し、同名でアイドルのプロデュースまがいの企画・制作をすることは、“不偏不党”の立場を守っているとは言えず、同基準に反する可能性があるというのだ。 CDデビューや暮れのNHK紅白歌合戦への出場も取り沙汰されている「GMT47」だが、その“暴走”が、せっかくの『あまちゃん』ブームに水を差さないことを祈るばかりだ。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』
「388」タグアーカイブ
NHK利権でビクター圧勝! “低迷レコード会社”が『あまちゃん』独占の裏事情
老若男女から人気を博し、視聴率も20%を超えるNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』。能年玲奈のみずみずしい演技もさることながら、劇中に登場する楽曲も大きな話題を呼び、続々と関連CDがリリースされている。 大友良英によるサントラ『連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック』はオリコンチャート初登場5位、天野春子(小泉今日子)「潮騒のメモリー」は2位と、売り上げも好調。今月28日に発売を控える、劇中歌などを収録したコンピレーションアルバム『あまちゃん歌のアルバム』もセールスに期待できそうだ。 そんな『あまちゃん』関連CDのほとんどは、サザンオールスターズとSMAPが所属することで知られる老舗のレコード会社・ビクターエンタテインメントからリリースされている。これに対し、音楽業界関係者の間では驚きの声が上がっているという。 「業界におけるビクターの評価は、“歴史はあるけど、落ち目のレコード会社”なんですよ。サカナクションなど若者にウケる中堅バンドが所属しているとはいえ、サザンとSMAPのほかには、“国民的”と呼べるほどのアーティストを輩出できていない。そんなビクターが、まさか『あまちゃん』をほぼすべて持っていくとは(笑)」(ほかのレーベル関係者) ビクターから発売されることには、どんな理由があるのだろうか? 「ビクターは、2011年に『みんなのうた』が50周年を迎えたことを記念して発売したアルバムなど、もともとNHK絡みのCDをよくリリースしています。恐らく、NHKに強い担当者がいるのでしょう。あとはもうひとつ、ビクターに所属しているサザンオールスターズとSMAPに――つまり“紅白歌合戦の目玉”に、NHK側が配慮した面もあるのでは?」(同) 一方で、ベイビーレイズ「暦の上ではディセンバー」(ポニーキャニオン)の発売日が8月21日から9月11日に延期となった。さらに当初は「CDのみの通常版」「CD+DVDの初回限定盤」の2種が予定されていたパッケージも、CDとDVDのセット1種に変更されている。なんらかの圧力がかかっているようにも見える動きだが……。 「発売を延期したことにより、『暦の上ではディセンバー』の音源はビクターから発売される『歌のアルバム』が最初となります。そう考えると大きな力が働いているようにも思えますが、ビクターにそれほどの力があるとは思えない(笑)。恐らくベイビーレイズの所属事務所・レプロエンタテインメントが、NHKとの今後の関係を考えて、自主的に気を遣ったのでしょう」 長らく低迷の続いていたビクターだが、今年の後半はサザン復活と『あまちゃん』関連CDによって、他社に一泡吹かせることになりそうだ。 (文=木野雪)NHK連続テレビ小説『あまちゃん』
NHK来春朝ドラ『花子とアン』吉高由里子との“Wヒロイン”に、惨敗続きの仲間由紀恵で大丈夫か
先日、来春のNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』のヒロインに、女優の吉高由里子が選ばれた。 「今年の後半は杏さん主演の『ごちそうさん』が決まっていますが、現在『あまちゃん』がかなり高視聴率なので、2人に掛かるプレッシャーはものすごいものだと思いますよ。しかも2人ともオーディションではなく、直接のオファーでキャスティングされていますからね。数字がそのまま評価につながるので、結果次第では今後の女優人生に大きな影響が出ると思いますよ」(ドラマ関係者) NHKの朝の連続テレビ小説といえば、これまでは若手女優の“登竜門”的な位置付けだったが、ここ数年は実績がある若手女優の起用が目立っている。 「宮崎あおいさん、堀北真希さん、井上真央さん、多部未華子さんなど、民放ドラマで実績を残した人の起用が多いのは、ある程度数字が見込めるからですが、所属事務所の介入が多いのも事実です。今回も、ヒロインは吉高さんなのですが、一応“Wヒロイン”ということで、仲間由紀恵さんの出演も決まっています。彼女は、16年前に『天うらら』に出演していますから、16年ぶりの出演ということで話題にはなるでしょうね。ただ、最近の彼女は主演しても数字が取れないので、局内では彼女の起用をいぶかしがる声も少なからず上がっているんです」(NHK関係者) 確かに、仲間が所属するプロダクション尾木は、キャスティングにも口を挟めるくらい大きい。しかし、ここ最近の彼女の主演作はというと、どれも平均視聴率で2ケタに届いていない。 「先日もNHKで主演ドラマ『島の先生』が放送されましたが、こちらも平均6.1%でしたからね。尾木プロとの関係もありますので、この結果だけでどうこうはないですが、もう少し数字を取ってもらわないと来年の朝ドラにも響きますからね。秋には民放で特番があるみたいですが、最低でも2ケタは取ってもらわないと困りますね」(同) 女優として瀬戸際にいる仲間。今年後半で巻き返すことができるのだろうか?プロダクション尾木 公式サイトより
NHK来春朝ドラ『花子とアン』吉高由里子との“Wヒロイン”に、惨敗続きの仲間由紀恵で大丈夫か
先日、来春のNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』のヒロインに、女優の吉高由里子が選ばれた。 「今年の後半は杏さん主演の『ごちそうさん』が決まっていますが、現在『あまちゃん』がかなり高視聴率なので、2人に掛かるプレッシャーはものすごいものだと思いますよ。しかも2人ともオーディションではなく、直接のオファーでキャスティングされていますからね。数字がそのまま評価につながるので、結果次第では今後の女優人生に大きな影響が出ると思いますよ」(ドラマ関係者) NHKの朝の連続テレビ小説といえば、これまでは若手女優の“登竜門”的な位置付けだったが、ここ数年は実績がある若手女優の起用が目立っている。 「宮崎あおいさん、堀北真希さん、井上真央さん、多部未華子さんなど、民放ドラマで実績を残した人の起用が多いのは、ある程度数字が見込めるからですが、所属事務所の介入が多いのも事実です。今回も、ヒロインは吉高さんなのですが、一応“Wヒロイン”ということで、仲間由紀恵さんの出演も決まっています。彼女は、16年前に『天うらら』に出演していますから、16年ぶりの出演ということで話題にはなるでしょうね。ただ、最近の彼女は主演しても数字が取れないので、局内では彼女の起用をいぶかしがる声も少なからず上がっているんです」(NHK関係者) 確かに、仲間が所属するプロダクション尾木は、キャスティングにも口を挟めるくらい大きい。しかし、ここ最近の彼女の主演作はというと、どれも平均視聴率で2ケタに届いていない。 「先日もNHKで主演ドラマ『島の先生』が放送されましたが、こちらも平均6.1%でしたからね。尾木プロとの関係もありますので、この結果だけでどうこうはないですが、もう少し数字を取ってもらわないと来年の朝ドラにも響きますからね。秋には民放で特番があるみたいですが、最低でも2ケタは取ってもらわないと困りますね」(同) 女優として瀬戸際にいる仲間。今年後半で巻き返すことができるのだろうか?プロダクション尾木 公式サイトより
「年末は休みたい」けど……小泉今日子『あまちゃん』挿入歌CD化で、紅白ほぼ確定か
NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の挿入歌で、小泉今日子が演じる天野春子が歌う「潮騒のメモリー」がCD化され、31日に緊急発売されることが決定した。 「潮騒のメモリー」は脚本の宮藤官九郎が作詞、同ドラマの音楽を手がける大友良英氏らが作曲。“1986年に公開されたアイドル映画『潮騒のメモリー』の大ヒット主題歌”とのコンセプトで作られた、同ドラマのオリジナル曲だ。80年代テイストのメロディーとかつてのアイドルソングへのオマージュがちりばめられたユニークな歌詞で、春子がカラオケで歌唱するシーンがオンエアされると、視聴者の話題を呼び、早くから音源化が望まれていた。 「この曲は、劇中で能年玲奈と橋本愛演じるアキとユイの“潮騒のメモリーズ”によっても歌われる“もうひとつのテーマソング”。ドラマでは薬師丸ひろ子演じる大女優・鈴鹿ひろ美主演の映画主題歌として鈴鹿自身が歌い、大ヒットしたという設定ですが、実は春子が影武者として歌っていた事実が、先日の放送で明らかになりました。ドラマの鍵を握る曲と言っていいですね」(芸能記者) ドラマの展開もさることながら、当然予想されるのが今年の紅白への出場。小泉だけでなく能年、橋本、薬師丸の四者揃い踏みで「潮騒のメモリー」を披露するといった“サプライズ”も期待できそうだ 「実は小泉は昨年、デビュー30周年を迎えたこともあり、NHKから紅白に出場を打診されましたが、『年末はのんびり過ごしたい』と固辞しました。あまり紅白出場には熱心ではないのです。ただ、これだけ高視聴率の『あまちゃん』は、もはや“国民的ドラマ”ですからね。さすがに今回ばかりは断るわけにもいかず、出場するのではないでしょうか」(同) もし出場が決定すれば、まさに「じぇじぇじぇ~!」なのだが……。『Kyon30~なんてったって30年!~』(ビクターエンタテインメント)
鈴木敏夫の引き出す力 『仕事ハッケン伝』で見せたジブリの真髄
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。 「頑張る必要ない。才能出してくれれば」 これはスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫が、オリエンタルラジオ中田敦彦に初対面で言い放った言葉だ。 「あなた、才能あるんでしょ?」という鈴木の問いかけに、「…や、頑張ります」と中田が答えたのを受けてのものだった。 『仕事ハッケン伝』(NHK総合)は「もし今と違う仕事についていたら、どんな人生を送っていたのだろう」をコンセプトに、各界の著名人がさまざまな職種の企業に実際に1週間程度“入社”し、その仕事を体験するというドキュメンタリー。2011年5月に第1シーズンが始まり、現在第3シーズンを迎える。今回のシーズンではこれまでも、吉木りさがバスツアー企画、平山あやがファッションエディター、小島よしおが食品スーパーなどと、実にさまざまな職種に挑戦している。ちなみに13年4月11日に放送された「冨永愛×左官」は、ギャラクシー賞月間賞を受賞した。 6月27日放送回で中田が“入社”したのは、憧れの会社「スタジオジブリ」。巨匠・宮崎駿を擁し、名プロデューサー鈴木らが『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、数々の大ヒット作を生み出してきた、世界を代表するアニメ映画制作会社だ。中田が配属されたのはプロデューサー室。映画のヒットに直結する広告やパンフレット、公式グッズなどを制作する部署だ。そこで鈴木が中田に課したのは、宮崎監督5年ぶりの新作『風立ちぬ』の新聞広告のデザインだった。 そんな“難問”に対し、中田は実に彼らしいやり方で、その“解答”を導き出そうとする。中田は自ら「受験パンク」と呼ぶように、ベッドを破壊して椅子に自分を縛り付けて寝ずに勉強して倒れ病院に運ばれたり、“右脳と左脳を交互に休ませれば、眠る必要はない”という独自の理論から眼帯をつけて勉強したほど、学生時代、勉強に没頭した。受験勉強に最も大切なのは「傾向と対策」だ。出題者の意図をくみ取り、相手の求めていることを探るのが解答への近道。中田はお笑い芸人としても、受験と同じようにこの傾向と対策を徹底的に分析しネタを作り、自分の立ち位置を選び取っていった。だから、今回も彼はその方法論を採用する。 まずは絵コンテを読み込み、印象的なシーンやセリフを抜き出しメモを取っていく。さらに“過去問”にあたるようにジブリの過去の新聞広告をひとつひとつ、つぶさに見て、その傾向を分析していく。会議では自分が発言するよりも、その様子をじっくりと観察していく。そうして中田の手元には、膨大な量の書き込みであふれるメモの山ができ上がっていた。 「強烈なビジョンを鈴木さんが持っていて、それをみんなで削りだしていくっていう作業」だと、中田はジブリの企画会議の傾向を挙げ、「まったく新しいアートというか、僕がいいっていう、ひとりよがりのものは絶対はじかれる」と対策を練っていった。 さらに中田は、過去の新聞広告から“解答”には「(1)メインコピー (2)オリジナルコピー (3)テーマ (4)煽り (5)劇中セリフ (6)歌 (7)宮崎語録」の7つのバリエーションが存在すると分析。そして「ジブリ」が「熱風」という意味であることに目をつけた中田は、“解答”を導き出してコピーを作り上げた。 「『風の谷のナウシカ』から29年。/この夏、ジブリに新たな『風』が吹く。」 自信作だった。しかし鈴木は「基本的には面白い」と評価する一方で「まだ終わったわけじゃないから」と納得しない。そして2人の話し合いの中から、宮崎による企画書を全文掲載するという斬新なアイディアが生まれる。 「しゃべってると刺激を受けるんですよ。自分ひとりで考えていたって(いいアイディアは)出てこない」という鈴木の言葉に、中田は「『今話してて思いついたんだよ』って強調してくれたのは『お前がいてよかったよ』っていうメッセージですから、うれしかった」と素直に喜んだ。 「人数が多いほうが面白いものができる」というのが、鈴木の信念なのだという。それは宮崎も同じだ。彼はありとあらゆることを他人に訊いて回るのだという。そうしてその反応を作品に反映させていく。ひとりで考えていただけでは、いいものは完成しないのだ。中田はそのことに苦しんできた。デビュー以来、ネタはほぼすべて自分ひとりで考えてきた。しかし、近年、それに限界を感じ始めていたのだ。 鈴木から中田は新たな課題を出される。企画書を全文掲載したポスターに添える煽りコピーを考えてほしい、というものだ。 鈴木がこれまでの最高傑作と考える「天才・宮崎駿の/凶暴なまでの情熱が/世界中に吹き荒れる!」という『もののけ姫』の煽りコピーを超えるものを、というのだ。 中田はデビュー当時、100個ネタを書くことを自らに課した。それが、中田が思う芸人としての“通過儀礼”であり、最善の策だったのだ。今回もまた、中田は「天才・宮崎駿」に代わるものを見つけるため、100個コピーを考えることを自らに課す。 最初は、言葉から発想し、別の言葉を探していた中田。しかし、それでは言葉が「記号化」してしまう、と気づき、鈴木の過去の言葉と傾向を頭の中からいったん“捨てた”。そして、中田自身が作品を見て感じたことを言語化していった。すると、止まっていたペンが一気に動き出したのだ。その膨大なコピーの中から、どれを選ぶのか? 「自分で作るけど、選ぶのは他人かもしれない」 デビュー当時、100個のネタの中から、あの大ブレイクした「武勇伝」の原型となるネタ「中田伝説」をやろう、と言い出したのは相方の藤森だった。中田はデビューの頃と同じように、藤森に意見を聞いた。 そして中田は藤森たちからの反応が良かった、 「『誰かのため』ではなく/『自分のため』に作った。/宮崎駿、七十二歳の覚醒。」 「トトロの姿が見えなくなった大人たちへ。/宮崎駿がもう一度、夢を見せます。」 「どう生きるか。どう愛すか。/大人には教科書がない。/でも宮崎アニメがある。」 など、13個の案まで絞り、鈴木に提出した。 「すごいね、君、才能あるね!」鈴木は、それらのコピーを見て称賛する。そして、あるひとつのコピーに眼の色を変えた。 「『巨匠・宮崎駿』ではなく、/『人間・宮崎駿』としての処女作。」 「これいいねえ。刺激を受けた。だって新鮮だもん! 『人間・宮崎駿』だけでもすごいですよ。まったく自分の中になかった」と絶賛したのだ。そして「欲を言えば、完成度」と、その仕上げを中田に求めたのだ。 「自分だったら……?」。そう中田は自問自答する。「大事な局面で素人が案を出しても、100%使わない」と。だったら「鈴木さんの中にある言葉を削りだす」と戦略を立て、中田は再び自分の言葉を“捨てた”。それが、相手が求めている答えのはずだと考えたのだ。これまでの対話の中で鈴木から出た言葉の中から組み合わせて、中田はコピーをひねり出す。それを見て「最後はやっぱり難しいよね」と鈴木はつぶやき、自分が考えてきたという1枚を机に広げようとした。その瞬間の中田の表情は、明らかに落胆していた。自分が傾向と対策を分析し導き出した解答は間違っていたのだ、と。やっぱり、すでに鈴木の中には鈴木なりの答えがあったのか、というような一瞬の表情だった。 しかし、中田は実際にポスターに添えられたコピーを読んで驚愕する。 『人間・宮崎駿、七十二歳の覚悟。』 それは中田が生み出した言葉から発想されたコピーだった。中田は解答を間違えた。しかし、間違えたのは生み出した言葉ではない。少年漫画のような気持ちのいい逆転劇。 鈴木の答えは、中田の中にあったのだ。 「君が考えたことをテクニックでまとめることだけをやろうと思ってた」と鈴木は言う。けれど、中田の出した中に使えるものがひとつもなかったらどうしたのだろうか?「あるんだよ!」と鈴木は力強く即答する。「それは自信があるの、俺。いろんな人と付き合ってきて。大概の人は、一個は持ってる」と。 鈴木の引き出す力で、中田の言葉を引き出し、完成された“作品”に昇華させた。それが、鈴木敏夫の真骨頂であり、スタジオ・ジブリの真髄だ。 「もし俺が『君の案はダメ。自分で考えます』とやったとするじゃん。そうしたら俺の負け。その人から引き出せないってことだから」 鈴木が引き出したのは中田の言葉だけではない。彼の芸人としての向き合い方、方法論。そして他人との信頼関係。その苦悩、すべてを削りだした。それらは決してひとりだけで傾向と対策を練るだけでは辿りつけない“解答”のヒントだった。 「全部間違えてた。人を使うって難しいんですよ。(略)その結果、ひとりでネタ作るって結論に戻っちゃってたんですよね。人がうまく使えなくて。今日の鈴木さんの言葉に、お笑いに対する向き合い方の答えがあった気がする」 鈴木は、そうやって「人間・中田敦彦」を削りだし、その魅力を引き出したのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『NHK 仕事ハッケン伝』より
中田の出演回は、7月3日(水)午後4時05分~4時53分に再放送予定。
鈴木敏夫の引き出す力 『仕事ハッケン伝』で見せたジブリの真髄
「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。 「頑張る必要ない。才能出してくれれば」 これはスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫が、オリエンタルラジオ中田敦彦に初対面で言い放った言葉だ。 「あなた、才能あるんでしょ?」という鈴木の問いかけに、「…や、頑張ります」と中田が答えたのを受けてのものだった。 『仕事ハッケン伝』(NHK総合)は「もし今と違う仕事についていたら、どんな人生を送っていたのだろう」をコンセプトに、各界の著名人がさまざまな職種の企業に実際に1週間程度“入社”し、その仕事を体験するというドキュメンタリー。2011年5月に第1シーズンが始まり、現在第3シーズンを迎える。今回のシーズンではこれまでも、吉木りさがバスツアー企画、平山あやがファッションエディター、小島よしおが食品スーパーなどと、実にさまざまな職種に挑戦している。ちなみに13年4月11日に放送された「冨永愛×左官」は、ギャラクシー賞月間賞を受賞した。 6月27日放送回で中田が“入社”したのは、憧れの会社「スタジオジブリ」。巨匠・宮崎駿を擁し、名プロデューサー鈴木らが『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、数々の大ヒット作を生み出してきた、世界を代表するアニメ映画制作会社だ。中田が配属されたのはプロデューサー室。映画のヒットに直結する広告やパンフレット、公式グッズなどを制作する部署だ。そこで鈴木が中田に課したのは、宮崎監督5年ぶりの新作『風立ちぬ』の新聞広告のデザインだった。 そんな“難問”に対し、中田は実に彼らしいやり方で、その“解答”を導き出そうとする。中田は自ら「受験パンク」と呼ぶように、ベッドを破壊して椅子に自分を縛り付けて寝ずに勉強して倒れ病院に運ばれたり、“右脳と左脳を交互に休ませれば、眠る必要はない”という独自の理論から眼帯をつけて勉強したほど、学生時代、勉強に没頭した。受験勉強に最も大切なのは「傾向と対策」だ。出題者の意図をくみ取り、相手の求めていることを探るのが解答への近道。中田はお笑い芸人としても、受験と同じようにこの傾向と対策を徹底的に分析しネタを作り、自分の立ち位置を選び取っていった。だから、今回も彼はその方法論を採用する。 まずは絵コンテを読み込み、印象的なシーンやセリフを抜き出しメモを取っていく。さらに“過去問”にあたるようにジブリの過去の新聞広告をひとつひとつ、つぶさに見て、その傾向を分析していく。会議では自分が発言するよりも、その様子をじっくりと観察していく。そうして中田の手元には、膨大な量の書き込みであふれるメモの山ができ上がっていた。 「強烈なビジョンを鈴木さんが持っていて、それをみんなで削りだしていくっていう作業」だと、中田はジブリの企画会議の傾向を挙げ、「まったく新しいアートというか、僕がいいっていう、ひとりよがりのものは絶対はじかれる」と対策を練っていった。 さらに中田は、過去の新聞広告から“解答”には「(1)メインコピー (2)オリジナルコピー (3)テーマ (4)煽り (5)劇中セリフ (6)歌 (7)宮崎語録」の7つのバリエーションが存在すると分析。そして「ジブリ」が「熱風」という意味であることに目をつけた中田は、“解答”を導き出してコピーを作り上げた。 「『風の谷のナウシカ』から29年。/この夏、ジブリに新たな『風』が吹く。」 自信作だった。しかし鈴木は「基本的には面白い」と評価する一方で「まだ終わったわけじゃないから」と納得しない。そして2人の話し合いの中から、宮崎による企画書を全文掲載するという斬新なアイディアが生まれる。 「しゃべってると刺激を受けるんですよ。自分ひとりで考えていたって(いいアイディアは)出てこない」という鈴木の言葉に、中田は「『今話してて思いついたんだよ』って強調してくれたのは『お前がいてよかったよ』っていうメッセージですから、うれしかった」と素直に喜んだ。 「人数が多いほうが面白いものができる」というのが、鈴木の信念なのだという。それは宮崎も同じだ。彼はありとあらゆることを他人に訊いて回るのだという。そうしてその反応を作品に反映させていく。ひとりで考えていただけでは、いいものは完成しないのだ。中田はそのことに苦しんできた。デビュー以来、ネタはほぼすべて自分ひとりで考えてきた。しかし、近年、それに限界を感じ始めていたのだ。 鈴木から中田は新たな課題を出される。企画書を全文掲載したポスターに添える煽りコピーを考えてほしい、というものだ。 鈴木がこれまでの最高傑作と考える「天才・宮崎駿の/凶暴なまでの情熱が/世界中に吹き荒れる!」という『もののけ姫』の煽りコピーを超えるものを、というのだ。 中田はデビュー当時、100個ネタを書くことを自らに課した。それが、中田が思う芸人としての“通過儀礼”であり、最善の策だったのだ。今回もまた、中田は「天才・宮崎駿」に代わるものを見つけるため、100個コピーを考えることを自らに課す。 最初は、言葉から発想し、別の言葉を探していた中田。しかし、それでは言葉が「記号化」してしまう、と気づき、鈴木の過去の言葉と傾向を頭の中からいったん“捨てた”。そして、中田自身が作品を見て感じたことを言語化していった。すると、止まっていたペンが一気に動き出したのだ。その膨大なコピーの中から、どれを選ぶのか? 「自分で作るけど、選ぶのは他人かもしれない」 デビュー当時、100個のネタの中から、あの大ブレイクした「武勇伝」の原型となるネタ「中田伝説」をやろう、と言い出したのは相方の藤森だった。中田はデビューの頃と同じように、藤森に意見を聞いた。 そして中田は藤森たちからの反応が良かった、 「『誰かのため』ではなく/『自分のため』に作った。/宮崎駿、七十二歳の覚醒。」 「トトロの姿が見えなくなった大人たちへ。/宮崎駿がもう一度、夢を見せます。」 「どう生きるか。どう愛すか。/大人には教科書がない。/でも宮崎アニメがある。」 など、13個の案まで絞り、鈴木に提出した。 「すごいね、君、才能あるね!」鈴木は、それらのコピーを見て称賛する。そして、あるひとつのコピーに眼の色を変えた。 「『巨匠・宮崎駿』ではなく、/『人間・宮崎駿』としての処女作。」 「これいいねえ。刺激を受けた。だって新鮮だもん! 『人間・宮崎駿』だけでもすごいですよ。まったく自分の中になかった」と絶賛したのだ。そして「欲を言えば、完成度」と、その仕上げを中田に求めたのだ。 「自分だったら……?」。そう中田は自問自答する。「大事な局面で素人が案を出しても、100%使わない」と。だったら「鈴木さんの中にある言葉を削りだす」と戦略を立て、中田は再び自分の言葉を“捨てた”。それが、相手が求めている答えのはずだと考えたのだ。これまでの対話の中で鈴木から出た言葉の中から組み合わせて、中田はコピーをひねり出す。それを見て「最後はやっぱり難しいよね」と鈴木はつぶやき、自分が考えてきたという1枚を机に広げようとした。その瞬間の中田の表情は、明らかに落胆していた。自分が傾向と対策を分析し導き出した解答は間違っていたのだ、と。やっぱり、すでに鈴木の中には鈴木なりの答えがあったのか、というような一瞬の表情だった。 しかし、中田は実際にポスターに添えられたコピーを読んで驚愕する。 『人間・宮崎駿、七十二歳の覚悟。』 それは中田が生み出した言葉から発想されたコピーだった。中田は解答を間違えた。しかし、間違えたのは生み出した言葉ではない。少年漫画のような気持ちのいい逆転劇。 鈴木の答えは、中田の中にあったのだ。 「君が考えたことをテクニックでまとめることだけをやろうと思ってた」と鈴木は言う。けれど、中田の出した中に使えるものがひとつもなかったらどうしたのだろうか?「あるんだよ!」と鈴木は力強く即答する。「それは自信があるの、俺。いろんな人と付き合ってきて。大概の人は、一個は持ってる」と。 鈴木の引き出す力で、中田の言葉を引き出し、完成された“作品”に昇華させた。それが、鈴木敏夫の真骨頂であり、スタジオ・ジブリの真髄だ。 「もし俺が『君の案はダメ。自分で考えます』とやったとするじゃん。そうしたら俺の負け。その人から引き出せないってことだから」 鈴木が引き出したのは中田の言葉だけではない。彼の芸人としての向き合い方、方法論。そして他人との信頼関係。その苦悩、すべてを削りだした。それらは決してひとりだけで傾向と対策を練るだけでは辿りつけない“解答”のヒントだった。 「全部間違えてた。人を使うって難しいんですよ。(略)その結果、ひとりでネタ作るって結論に戻っちゃってたんですよね。人がうまく使えなくて。今日の鈴木さんの言葉に、お笑いに対する向き合い方の答えがあった気がする」 鈴木は、そうやって「人間・中田敦彦」を削りだし、その魅力を引き出したのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『NHK 仕事ハッケン伝』より
中田の出演回は、7月3日(水)午後4時05分~4時53分に再放送予定。
能年・橋本ユニットCDデビューも? 『あまちゃん』利権貪るNHK“天下り”構造

NHK連続テレビ小説「あまちゃん」
MXテレビ都議選特番、池上彰の破壊力生かせず…味わい深いニッチ&サブカル感が“惜しい”
サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けします。
■「Business Journal」人気記事(一部抜粋)
「警告文送付」またブラック企業報道のユニクロ、ワタミと、超ホワイト企業はなまるうどん
コンフェデカップで露呈したザックの限界と他国監督との力量差…W杯を任せるべきか?
パナソニック、責任を取らない中村邦夫は兵士を犬死させた日本軍総司令官と全く同じだ!
■特にオススメ記事はこちら!
MXテレビ都議選特番、池上彰の破壊力生かせず…味わい深いニッチ&サブカル感が“惜しい” - Business Journal(6月24日)
主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。 TOKYO MXテレビ(以下、MX)の健闘を称えたいのだけれど、やっぱり圧倒的な“差”が出てしまった。 6月23日夜の東京都議会議員選挙の開票速報は、NHKとMXが放映していた。NHKの『東京都議会議員選挙 開票速報』は安定感抜群の武田真一アナをメインに、人海戦術が可能なNHKならではの確実&隙のない開票速報だった。一方、MXの『首都決戦2013 池上彰の都議選開票速報』では、満を持して池上彰が登場したのだけれど、池上さんの破壊力が存分に発揮されたとは言い難い内容だったのである。 何がダメって、中継システムの脆弱さ。各党の幹事長や選対委員長にインタビューする際、池上さんが直接質問できないという致命傷。自民党の石破茂幹事長にはかろうじてダイレクトに質問を浴びせられたのだが、みんなの党の渡辺喜美代表や浅尾慶一郎政調会長に対しては、現場にいる記者が池上さんの質問を短縮して聞くというスタイル。それじゃ、池上さんの“本意と悪意と毒と愛”が伝わらないじゃないか。池上さんがこっそり皮肉をつぶやくも、現場の記者はそれをいちいち伝えるわけにもいかないだろうし。インタビューされる側も怪訝な顔つき。池上さん本人も忸怩たる思いだったようで、「中継システムの関係で、視聴者の皆さんももどかしいとは思いますが」と何度も言っていた。 テレビ局のことはよくわからないけれど、こんなに間抜けなことはない。この時代に中継で直接質問できないって、どういうこと? 直接テレビ電話で話したほうがいいのでは? と思ったほど。この残念感、これがMXである。 まあ、人員にも機材にも限界はある。民放キー局ですら、ときどき「人手が足りないんだな」と感じさせられることがあるのだから。むしろ池上さんにオファーして、出演してもらっただけでも頑張ったと思う。 ●独特の“脱力感” そして、MXならではの独特の味わいもあったので、そこは褒めておこうと思う。開票速報なので、投票数の動きや当確などの情報が逐一画面上に出てくるのだが、その区になぜかキャッチコピーをつけて紹介していた。各区の短い紹介文なのだが、あまりにニッチな、“脱力感”あふれるものだったのだ。さすがは池上さんで、放送中にそこも言及していたのだが、これぞMX。“プライドの高いキー局”や、“皆様のNHK”には決してできない、サブカル感覚。一部を紹介しておく。 「荒川には接してない」(荒川区) 「神奈川県ではありません」(町田市) 「伊豆七島ではなく9島ある」(島部) これを観た時、思わず大笑いしてしまった。池上さんのツッコミもきちんと入っていたのだが、よりによって選挙速報にこのネタ!? また、「ハチ公像は生存中に設置」(渋谷区)、「アニメ制作会社が70社」(杉並区)など、どうでもいいけど「へえ~」という情報も満載。ネタに尽きたのか、「寅さんと両さんと翼」(葛飾区)、「ジブリ美術館と天文台」(三鷹市)、「競馬・競艇・ラグビーも」(府中市)と連呼系も。「府中の刑務所はさすがに入れないんだなぁ」とひそかに思ったりして。なんとなく切なかったのは、「人口密度日本一」(豊島区)、「高齢化率NO.1」(北区)だった。心にほんのちょっと隙間風が吹いた瞬間。ひゅぅぅ。 今回の都議選は東京を離れるため、期日前投票を済ませておいたのだが、この速報だけは観たいと思っていた。早めに帰ってきて正解。毒舌池上さんに対する我々の期待、池上さん本人の忸怩たる思いは、7月に予定されている参院選報道でぜひ昇華させてほしい。 (文=吉田潮/ライター・イラストレーター) ■おすすめ記事 「警告文送付」またブラック企業報道のユニクロ、ワタミと、超ホワイト企業はなまるうどん コンフェデカップで露呈したザックの限界と他国監督との力量差…W杯を任せるべきか? パナソニック、責任を取らない中村邦夫は兵士を犬死させた日本軍総司令官と全く同じだ! 増え続ける奇形児…中国の汚染食品が招く最悪のシナリオ 老後の生活にいくらかかるかご存じですか? 今から年300万ずつ貯めても足りない?『首都決戦2013 池上彰の都議選開票速報』(TOKYO MX)のHPより
「秋田県95.7%、東京都61.6%、沖縄県44.3%」“NHK受信料”支払い率に差があるワケ
NHKは28日、平成24年度の受信料における「都道府県別推計世帯支払率」を発表した。これは、NHKの契約・収納活動の説明性や、信頼性の向上のために行っているもので、前年に続き2度目の公表となる。 支払い率の上位と下位は、次の通り。 ▼ベスト 1位 秋田県(95.7%) 2位 島根県(91.8%) 3位 新潟県(91.0%) 4位 山形県(90.0%) 同率4位 鳥取県(90.0%) ▼ワースト 1位 沖縄県(44.3%) 2位 大阪府(58.0%) 3位 東京都(61.6%) 4位 北海道(64.5%) 5位 京都府(68.2%) 全国の推計世帯支払い率は73.4%と、対象世帯4世帯のうち1世帯以上が未払いという現状。これは「国税調査」における世帯数をもとに算出しているため、実際は「さらに低い可能性もある」という一部の見方もあるようだ。 全国値を下回るのは北海道、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、福岡、大分、沖縄で、NHKの見解では「大都市圏では低い傾向があり、地方圏では高い傾向がある」としている。 しかし、なぜこれほどまでに地域差が出てしまうのだろうか? この疑問を、NHKに直接投げかけた。 「支払率の地域による違いは、NHKの契約・収納活動を行う環境の違いが主な要因であると考えています。支払率が高い秋田県などでは、単身世帯が少なく戸建ての世帯が多いため、訪問時にお会いしやすいといえます。また、世帯の移動が少なく、転居先の把握がしやすいことも要因だと考えます。一方、大阪や東京などの大都市圏では、単身世帯や共同住宅が多い上、世帯の移動が多く、面接や転居先の把握が困難な環境にあると分析しています」(NHK広報部 担当者) 未払いの読者ならご存じの通り、契約・収納活動は、個人の地域スタッフや受託法人が世帯を一軒一軒訪問し、行っている。このアナログともいえる活動の行いやすさが、支払い率に直接つながっているようだ。 また、沖縄が最も低い要因としては、大小さまざまな島があり、さらに広域であるため、訪問が困難だという地理的な問題のほか、歴史的背景もあるという。 「沖縄でのNHKの受信料制度は、昭和47年に、日本復帰に伴って旧沖縄放送協会(OHK)の業務を引き継いで始まりました。その時点で民放が10年以上先行しており、受信料制度に対してなじみがない期間が長かった経緯があります」(同) NHKは、法人委託化などの営業改革が進み、47都道府県すべてにおいて前年度値を上回ったとしている。今後もさらに受信料の公平負担を徹底するため、新たな施策を導入していくという。 「25年度は、自治体への調査(住民票の除票閲覧)で確認できれば、住所変更届の提出を省略できる施策や、BSの設置確認メッセージを見たお客様から電話等で契約のお届けを頂いた場合に、契約書の提出を省略できる施策などを本格的に実施します。これらは全国共通の施策ですが、特に訪問による面接が困難な大都市部で効果的であると考えています。また、外部のパワーを活用したよりきめ細かな契約・収納活動や、放送やイベントを通じた受信料制度に対する理解促進活動も、積極的に実施していきたいと考えています」(同) 受信契約は、放送法第64条で義務付けられているものの、これまで未払いによる罰則が規定されたことはなく、未払い世帯もまだ多い。 ここ10年のうちに、『NHK紅白歌合戦』プロデューサーによる不正支出発覚、ディレクターの大麻および覚せい剤取締法違反、複数職員によるインサイダー取引発覚など、たびたび不祥事が明るみとなり、それが受信料の不払い運動につながることもあった。しかし、2011年の東日本大震災の際、どこの民放よりも迅速に情報を伝えていたテレビ局がNHKであったことも忘れないようにしたい。NHK放送センター(Wikipediaより)






