「このままでは歩けなくなって、寝たきりになってしまう」 脚力維持のリハビリをしていた80代の男性は、悲痛な面持ちでこう語った。 東京都大田区の閑静な住宅街にあるフィットネスクラブ「インスパ洗足池」が先ごろ「賃貸借契約期間の満了」を理由に、6月末での閉店を発表。同所は2009年からの営業だったが、それ以前もスポーツクラブではあった。 もとは1980年代に流行したラケットボールやエアロビクスのスタジオだったが、ブームが去った2002年からは女優の釈由美子がイメージキャラクターを務めた「ワウディー」に代わった。 しかし、運営会社ワークアウトワールド・ジャパンは、08年に約32億円の負債を抱えて破産。クラブは別会社が引き継いだが、これまた倒産。現在は株式会社ロックスが運営。10年以上も長く通ってきた前出の男性会員は「運営会社の変更は会員に詳しく告知されないので、自分が支払っている会費がどこへいっているか、よくわからなかった」と話している。 今回の閉鎖はクラブ運営の問題ではなく、老朽化したビル側が建物を解体して新築マンションを建設するということだが、移転するほどの体力はなかったようだ。 問題は、運営はコロコロと変わっても変わらずにクラブに通い続けてきた常連たち。会員は60代以降の高齢者となっている者が多く、中には90代もいる。同クラブで体を動かすことが日常生活のサイクルになっていたため、閉店による運動不足には不安が大きいと話す。 「顔見知りの会員はみんな言ってますよ。足腰が弱って歩けなくなり、寝たきりになっちゃうんじゃないかって。近くに手ごろなクラブはないので、どうしたものか。このクラブは定年退職した我々高齢者の社交場としての機能もあったんですよ。運動だけでなく、地域の情報を共有したり、孤独な老人を減らす効果もあったんですけどね。仲間との会話があれば認知症にもなりにくかったんじゃないかと思ってましたし」(同) 住宅街にポツンとそびえ建つフィットネスクラブは、ちょうど丘の谷間にあって、他のクラブに行くためには大きな坂を越えなければならず、高齢者が自転車や徒歩で行くのは難しいという。 実は似たような問題は全国で起こっている。千葉県でフィットネスクラブを経営する男性によると「ライザップのような高額クラブも話題になって健康ブームとなっていても、純利益は減少しているのがこの業界」というのだ。 「一部の高額クラブが出てきたのには理由があって、近年のクラブは大手各社が一様に値下げする傾向があったんです。入会金無料や数カ月割引といった広告で人集めをしてきましたが、それは巨大な設備投資と維持費、人件費は客が何人でもかかるという固定費の問題があったからです。でも、値下げ競争をすると質が落ちてしまい、まるで牛丼とかハンバーガー業界のような悪循環に陥りました。それで逆に高額クラブが出現しているという次第です。一般のクラブにとっては、高額クラブより質が悪いようなイメージもついてしまい、値下げでは客集めもできなくなってしまった。先行きが暗いので、閉鎖する店舗も少なくありません」 あるクラブ関係者は「医師や看護師が常駐するデイケア風クラブとか、ゲートボールコート併設などの高齢化社会に向けたクラブが必要になってくるかも」と言っているが、それ以前に運営会社の経営が明るくなければ実現は難しいだろう。行き場のなくなった高齢者が増えれば、介護保険財政も苦しくなると思われるのだが。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)インスパ洗足池公式サイトより
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「キャッチを見つけたら警察が乗り込んでくる」新宿・歌舞伎町に風雲急!? 客引き激減のワケとは
東京・新宿の歌舞伎町に大異変だ。飲食店や風俗店が立ち並ぶセントラルロードから、客引きが激減しているのだ。 「飲み放題3千円で」 「居酒屋どうですか」 「メシですか、メスですか?」 居酒屋やキャバクラに誘う客引き、いわゆる「キャッチ」は条例で規制されても堂々と横行していたものだが、9月上旬からその姿が減っていき、最近では夕方からの時間帯でもほとんど見当たらないということもある。一体、何があったのだろうか。 歌舞伎町の元キャッチで、現在も同エリアで別の仕事に従事しているA氏によると「最近、警察がぼったくり店の摘発に本腰を入れていて、客引きを見つけた時点で店に乗り込んでくることが増えた」という。 「下手に抵抗すれば営業許可の取り消しをするという強気の姿勢なので、店側がキャッチを解雇したところ、食えなくなったキャッチが次々に廃業しています。一部では店の前から離れないでしぶとく通行人に合法的な声かけをしていたりもしますが、キャッチの集客だけに頼っていたような店は、錦糸町や池袋、上野とかに場所を移してます」 実際、パトロールする警察官は目に見えて増えており、歌舞伎町で居酒屋を経営する男性によると「9月1日から4日か5日間ぐらい、警察官が一斉にキャッチをつかまえて任意聴取をしていた」という。 「キャッチはそれで、くもの子を散らすようにいなくなったんです。最初は抵抗も見られたんですが、実際、署に連行された者が続出して、9月の2週目あたりから、いつも見かけていたキャッチたちが次々に姿を消しました」(同) 9月下旬の金曜日、取材中の午後10時すぎ、通行人に「オッパイいりますか」とささやくように声をかけていた中年男性がいたが、聞けば「警察の取り締まりが厳しくなって、何か言われたら『ひとりごとです』と逃げられるように、地味にやるしかなくなった」と打ち明けた。当然、この消極的な勧誘では「成果はほとんどない」と泣き顔だ。 「危険な部分を遊びながら学べるところが歌舞伎町のよさだったのに、これじゃつまらない街になっちゃう。健全になると貧乏学生とかが増えるから、金持ちの客がさらに減っちゃう悪循環になる。そうなったら歌舞伎町自体が壊滅するよ」 中年男性は独自の理屈でキャッチ撃退による街の健全化を否定していたが、世間はこれを歓迎するだろう。何しろ、つい最近まで歌舞伎町はぼったくり店が横行し、キャッチがその入り口となっていたからだ。 「飲み放題3,000円」と誘うが、実際には「予約チャージ」「座席チャージ」「サービスチャージ」など理由をつけて数万円を請求する仕組み。キャバクラ店のキャッチは「完全前払い」と言って数千円の金を受け取るが、店に入った客にはホステスが「お触り」や「ホテルでの売春」をエサに追加料金を要求、応じないと、まともな接客すらしないという悪質店だったりする。 しかし、これを「警視庁」と書かれた赤いベストを着た警察官が「客引きは100%ぼったくり」と呼びかけながら取り締まるため、客の方も警戒感が強まり、ぼったくり店自体が次々に店をたたんだ。客引きの激減はイコール悪質な店の激減というわけだ。何度も浄化作戦が行われてきた歌舞伎町だけに、今度こそという期待も大きい。 (文=ハイセーヤスダ)
マスコミの目届かず、好き放題……横浜市議「みどりのその」問題に見る地方議員・地方行政の闇
現職の市議が理事長を務める社会福祉法人による、所有地の不正売買疑惑が浮上している。問題となっているのは、社会福祉法人「みどりのその」。理事長は、横浜市議の太田正孝氏だ。 同法人が横須賀市秋谷に所有する保育園跡地が売地として情報公開され、マイソク(物件の概要、間取り図、地図などをまとめた資料の通称)が流布されているのだが、実はこれ、違法行為である。売地には朽ち果てた保育園の建物が残っているのだが(保育園はすでに廃園)、同法人はこの園舎を解体・撤去しなければ法律的に土地を売ることはできない。つまり、売ってはいけない土地を売ろうとしているわけである。それも公職にある市議が、である。 そもそも、「みどりのその」は太田市議ではなく、別の人間が理事長を務めていた法人。2007年に太田市議が同法人を買収し、理事長に就任した経緯がある。だが、ここに至るまでには紆余曲折があり、そのことが今回の疑惑の根元となっているのだ。 話は、太田市議が同法人の理事長に就任する前年の06年にさかのぼる。当時の理事長だった新倉義久氏は、同法人の社会福祉法人としての活動が長らく休眠状態であったことから、園舎が建つ土地を売却して換金したいと考えていた。そこに土地の買い手として手を挙げたのが、周辺の土地を2,000坪所有し、長期にわたって整地し続けていたS社のT社長だった。とはいっても、社会福祉法人の所有地を売買するには、越えなければならないハードルが存在する。 「土地だけを買うことはできず、法人格も引き継がなければならない。つまり、土地と法人はセットなんです。社会福祉法人というのは公益性が高く、行政の補助金・助成金対象の事業ですから、好き勝手に土地だけ売り買いするなんてことはできないわけです。しかし、弊社としては土地だけが欲しいのであって、社会福祉法人の運営には全く興味がなかった。そもそも、そんなノウハウなんてなかったですしね。弊社が土地を買うためには、新倉氏が法人としての事業を停止し、所管する神奈川県に法人格を返上するしかないのですが、それにも困難が伴いました」(T社長) その困難というのが、助成金の存在。同法人は園舎の建設費など、神奈川県から1,256万円、横須賀市から1,905万円の助成金を受けている。事業を停止し、法人格を返上するには、この合計3,161万円もの助成金を返済しなければならないのだ。いってみれば、負債である。しかし、そもそも現金が欲しくて土地を売ろうとしていた新倉氏に、返済資金などあろうはずもない。 「それでも、横須賀市が間に入って調整に努めてくれた甲斐もあり、私が負債を負担する代わりに土地の販売価格からそれを差し引いた金額(2,511万円)で土地を取得するという形で話がまとまろうとしていました。実際、売買の同意書も新倉さんと交わしていたのですが……」(同) 話がまとまりかけたその時、横から獲物をかっさらうように、同法人を買収して理事長に就任したのが太田市議だった。買収価格は土地込みで2,000万円。負債や園舎の解体費用などを考慮しての価格設定とのことだが、T社長の売買価格よりも500万円安い。後から参入してきた上、なおかつ、より安い価格で太田市議が土地を取得できたというのは、いかにも不自然なのだが……。 「新倉さんのご子息の家族が太田市議の選挙区でもある横浜市磯子区に住んでいて、奥様がお子さんの保育園入園について太田市議へ陳情したところ、多くの子どもたちが“入園待ち”だったのにもかかわらず、すんなり入園が認められたそうです。新倉さんに直接聞いたので、間違いのない話です。つまり、太田市議は相手の弱みにつけ込む形で、みどりのそのの土地に目を付けたのでしょう。彼は市議の傍ら、不動産会社も経営していて、土地の商売には目ざといですからね」(同) この話が事実なら、議員の特権を悪用した不適切な土地取得と言えなくもない。だが、ほかにも不審な点はある。「太田市議が法人を引き継いだのだから、土地の名義は太田市議個人であるはずなのに、いつの間にか太田市議が経営する『大福不動産』(現在は大福建設不動産)の名義になっていたんです。こんなのおかしいですよ」と、T社長は憤りを隠さない渦中の物件
土地取得の経緯だけでも、何やら胡散臭さが漂うのだが、太田市議とはどのような人物なのか? 「無所属なので、自民党議員が多数を占める議会での発言力はあまりありませんが、当選10期目を数える横浜市会最古参の大物市議です。それだけに横浜では力を持っており、過去にはさまざまな利権に絡んできたともささやかれています。磯子区にある自宅は迎賓館まである大豪邸で『磯子のマラカニアン宮殿』などと揶揄されており、ロールスロイスを3台所有するほどの資産家。また、一部では反社会勢力との親密関係も取り沙汰されていますが、その一方で東日本大震災による原発事故の際には、横浜市の放射能対策に積極的に取り組み、主婦層の喝采を浴びたりもしています。いずれにせよ、毀誉褒貶相半ばする人物ではあります」(横浜市会関係者) 太田市議と暴力団との関係をめぐっては現在、地元メディア関係者との名誉棄損裁判が行われており判決を待ちたいが、裁判を傍聴した者は次のように話す。 「裁判は、2000年に殺傷容疑で逃走中だった稲川会系暴力団組長(当時)のS氏に太田市議が逃走資金100万円を渡したと、地元メディアが報じたことなどが事実無根であり、名誉棄損に当たると、太田市議が地元メディア関係者を相手どり訴えているもの。裁判で太田市議はS氏との関係について、以前住んでいた自宅の3軒隣がS氏の自宅で、暴力団関係者であったために回覧板などが自治会から回ってこないというS氏からの訴えに、市会議員である自分が住民との間に入り、回覧板が回るように助けただけだと主張していました。確かに市議ともなればさまざまな人たちと接するだろうから、暴力団関係者と知己があるというだけで、親密関係だと即断することはできないでしょう。逃走資金を100万円渡した、なんてことは被告側にとって証明は困難なので、太田市議の主張を覆すのは難しいのでは」 太田市議が最も注目されたのは、なんといってもアンチ中田宏・前横浜市長の急先鋒だったことだろう。 「当時、横浜市長だった中田氏の愛人問題など、07年に『週刊現代』(講談社)で報じられた一連の“中田スキャンダル”の仕掛け人だったのが太田市議。愛人とされていたNさんが記者会見を行った際、太田市議が会見を仕切っていたのが印象的でした。中田氏が横浜市長を辞任した後も、彼が落選した10年の参議院選の前に中田氏の逮捕が近いとの情報が太田市議からメディアに寄せられたのですが、結局はガセで、我々はさんざん振り回されたものです(苦笑)」(週刊誌記者) 話をみどりのそのに戻す。同法人の理事長に就任し、所有地を2,000万円という格安価格で手に入れた太田市議は、10年に神奈川県と横須賀市に対して、長らく休眠状態にあった保育園の廃園と園舎の解体を条件に、前述した約3,100万円の“債務免除”を認めさせたのだ。そもそも債務があったからこそ、法人の買収価格を2,000万円に値切ることができたはずなのに、行政側にその債務を帳消しにさせたのだから、その“豪腕”ぶりには恐れ入ると言うしかない。しかし、助成金は元をただせば我々の税金。その税金を返済しない方向で処理しようとするのは、太田市議のような公職にある者としては不適切と言うしかないだろう。 また、廃園と解体は、社会福祉法人として評議員全員が出席する評議員会を経て正式決定されなければならないが、ここにも重大な疑義が生じている。11年7月2日に開催された「みどりのその評議員会」で廃園と解体が決まったが、その議事録によると出席した評議員として太田市議とその妻のほかに、複数の横浜市議や元有名スポーツ選手らの名が記載されている。だが、評議員の1人である大桑正貴市議は、「太田市議から評議員会開催の連絡はもらったが、議会関係の先約があったため欠席した」と明かす。つまり議事録は偽造で、そもそも評議員会など開かれなかったのではないのか。 ともあれ、債務免除が認められ、あとは園舎を解体さえすれば、土地が売れてカネが転がり込む――太田市議としてはそんな腹づもりだったのかもしれない。だが、園舎は度重なる行政からの指導にもかかわらず、解体されずに現在でも残っているのだ。 「問題の土地というのは高台にあって、近隣には有名タレントの自宅や結婚式場などが建ち、晴れの日には富士山を望むことができるなど、なかなか風光明媚な場所です。ただ、残念なのは接道の幅が1.5m程度と極端に狭く、しかも階段であること。そのため重機などが接道を通ることができず、園舎を解体しようにも現実的には不可能なんです。もっとも、隣接する弊社の土地にある引き込み道を通れば、解体作業を行うこともできるのでしょうが、これは弊社の私道であり、土地を横取りした太田市議に使わせてやる義理なんてありませんよね(笑)」(前出・T社長) T社長の意趣返しとも言える“反撃”に、慌てたのが太田市議。園舎を壊さなければ、安く仕入れた土地も高値で売り抜けられない。そもそも園舎の解体は債務免除を条件にした行政の正式決定であり、その決定を無視して土地を売ることは明確に法律違反なのだ。かといって、せっかくの土地を塩漬けにはしたくない。そこで太田市議は、T社長に法人格と土地を5,500万円で買い取るよう迫った。法人格とセットでなら、園舎付きの土地を売っても法律には違反しないし、接道が狭いという条件の悪い土地なんて欲しがるのは、周辺の土地を買い集めていたT社長以外にはいなかったからだ。 「もちろん欲しい土地ではありましたが、社会福祉法人を引き継ぐ気は最初からありませんでしたからね。大体、負債があるからといって自分は2,000万円で買い叩いたくせに、私に売る時には5,500万円も吹っかけるのだからボッタクリにもほどがある。断固拒否してやりましたが、そこから太田市議の嫌がらせが始まったのです」(同)太田正孝横浜市議
まず太田市議が行ったのが、横須賀市議会への陳情。S社の宅地造成がみどりのそのの活動を妨害しているとして、行政によるS社への指導を求めた。だが、S社が同法人の活動を邪魔しているといっても、すでに廃園と解体が決定しており、活動実態そのものがないのである。虚偽の陳情と言っていいだろう。さらに太田市議は、S社が違法な宅地所造成を行っているという中傷、引き込み道に進入防止柵を強引に設置するといった妨害などを行ったという。そして極めつけは、S社の土地から生じた泥が同法人の土地敷地内に流入したとして、太田市議がT社長に対して3,000万円もの処理費用を求めるという挙に出たことだ。 「確かに、弊社の土地からみどりのそのの土地に泥が流入したのは事実なのですが、ごく少量なんです。処理費用を見積もりましたが、5万円程度ですよ(笑)。にもかかわらず、太田市議はさらに1億円を要求してきただけでなく、警察の存在をチラつかせながら、私を脅してくる始末。公職にある人間の振る舞いとは思えませんよ。堪らず裁判に訴えましたが、結審するのに2年もかかりました。不毛なやり取りに多大な時間を費やしたわけですが、もう金輪際、太田市議とは関わり合いになりたくないですね」(同) 売るに売れない土地への焦りからか、太田市議は露骨に違法行為とも言える動きを見せるようになる。冒頭で述べたマイソクの流布もその1つだ。マイソクに記載された土地の販売価格は、なんと1億2,000万円。接道が狭く、2,000万円の価値しかない土地に6倍もの値段を付けたわけである。もちろん、いくら高値を付けようが、園舎を解体しない限り売れないのだが、マイソクには園舎が存在することすら記載されていない。これはかなり悪質で確信犯と言えそうだ。 また、近隣の結婚式場を運営する企業(現在は倒産)と共同で、周辺の土地開発を手がけようとしたこともあった。もちろん、社会福祉法人による土地開発は違法行為である。近隣住民は「園舎は廃墟化していて不審者が出入りしていたし、地震などによる倒壊や火災の恐れもあったので、早く解体して欲しいって近所の人たちと話していたところでした。そんな時に土地開発の挨拶状が届いたので、解体を期待していたのですが、結局は放置されたまま。えっ、あの土地開発は違法だったんですか? 現職の市議なのに、モラルが低いですね」と、当時を振り返る。 助成金の返済を免除されたにもかかわらず、園舎を解体することなく、社会福祉法人の土地を売買することは、補助金適正化法に違反しかねない。それを認識した上で、不正行為に手を染めようというのか。太田市議に真偽を問うたが、期限までに回答は得られなかった。 みどりのそのの登記上の住所は、横須賀市から大福建設不動産の所在地である横浜市磯子区に移されている。従って現在、同法人を所管しているのは横浜市。長らく続く違法状態に横浜市健康福祉局では、「法律に則り、粛々と指導を行うだけです」とは言うが、具体的なアクションを起こそうとする気配は感じられない。果たして、そこに癒着はなかったか。中央とは違い、地方議員や地方行政はマスメディアのチェックが行き届かないのでやりたい放題だとは、よく指摘されるところ。今回の太田市議の一件も、そんな中央マスコミの間隙を縫う行為だと言えそうだ。
「働かないという選択肢があってもいい」 "リア充ニート"phaが考える社会とのかかわり方

日本中のニートの憧れ!? リア充ニート・pha氏。
長引く不況で、一向によくならない失業率。どんな大企業もいつ倒産するか分からない──。誰もが「職」に対して不安を抱えながら暮らしているこんな時代に、あえて「働かない」という選択肢を選び、ゆる~く現代の波間をさすらう謎の男がいる。その男の名前はpha(ファ)。ネット界隈を中心にその特殊な生き方に注目が集まり、今年に入って各メディアがこぞって彼を取り上げ始めた。アルバイト的なソフト開発やメディア出演、ネット上で呼びかけたカンパで生活する彼の"リア充ニート"とも言えるライフスタイルは、およそ現代人の感覚からすると理解しがたいものがある。
pha氏は現在31歳。京都大学卒業後、人並みに就職したものの28歳の時に出会ったインターネットとプログラミングに衝撃を受け退社。その後は「圧縮新聞」などのWebサービスを開発したり、毎日グダグダしながら"日本一のニート"を目指しつつ、日々ブログを更新したり、プログラマーなど理系の人材が共同生活を営むシェアハウス「ギークハウス」を運営している。
いったい彼は何を考え、このようなライフスタイルを貫いているのか。その真意に迫った。
──そもそも、ニートといわれる生活に入ったに至った経緯は、「インターネットがあれば生きていける」と思って仕事を辞めたことがきっかけだそうですが。
pha ネットで遊んでいたら友達がいっぱいできるし、孤独にはならない。人とのつながりとか社会のつながりとか、そういうものに困ることはないなぁと思ったんです。よく、「ネットでのつながりはフェイクである」的な論調ってありますが、僕はそうは思わない。逆にネットの方が深くコミュニケーションできることもあります。僕は家に居ながら、Twitterやチャットで何百人としゃべっている。そうすると一日中誰かと繋がっているわけです。そういうつながり方ってネットがなければ全くできなかったことだし、そういう面ではネットの方が優れていると思うんですよね。
──ネット上ではニートに対し、「働かない奴はだめだ」「自分本位すぎる」などという否定的な意見がありますが、こういう意見に対して、ニート側からのリアクションってあんまりメディアに出てこないですよね。phaさんとしては、どのように感じていますか?
pha そんなに人を攻撃してくるっていうことは、その人がすごく大変そうだな、と思いますね。その人自身がすごく苦しんでいるんだなぁと。働かなきゃいけないということにすごく囚われて、それで苦しんだりすごく辛かったり、自殺してしまったり......。もうちょっと肩の力を抜いて楽になればいいのに、と思います。
──働いて社会に認められたい、地位や名声を得たいという欲求って、誰にでも少なからずあると思うんですが......。
pha そういった欲求はあんまりないですね。僕の満足感って植物的というか、ぶらぶら散歩してごはんがおいしかったとか、いい天気で気持ちよかったとかで十分な感じ。よく、「働かないに生活に満足しているのか」という意見もありますが、僕は満足していますね。
──今、月収はどれくらいですか。
pha だいたい10万円ちょっとくらいです。ブログのアフィリエイトやちょっとしたネットサービスを公開していたり、ネットで本を売ったり。それから時々原稿を書いたりしているのでパラパラと細かい収入があります。年金は滞納してますが......。
──と言うと、いわゆるフリーのエンジニアさんですよね? そこをあえてニートと名乗るのはどうしてでしょうか? phaさんの場合、プログラミングの知識を生かしてある程度稼げる、という確信のもとに会社を辞めているわけで、ニートではなくて、独立という形なんじゃないかと思うのですが。
pha 仕事を辞めて2年ぐらいは本当にニートだったんですが、いまは厳密に言えばニートじゃないと思います。本当はもっと完全なニートになりたいけど、まだそうもいかないので、ちょこちょこ小銭を稼いでいます。でも、毎日何もせずにプラプラして暮らしていきたいというのは常にあります。ブログを始めたときに、「働かなくてもいいんじゃないか」という主張をネガティブではなく、肯定的に発したかったんです。それで、ニートってキャッチーで伝わりやすいなって思ったんですよね。
──自分がメディアに出ることでの影響力といったものは意識していますか?
pha うーん......あんまりはっきりとは意識していないですね。ただ、ブログを書いていたら時々取材のオファーが来るので、ある程度の需要があるんだろうとは思いますけど。でも、ネットの世界を超えて広がっていくというのはあんまり考えていませんでしたね。
──なんだかphaさんって、ウッドストックに集まっていたヒッピーみたいですね。俺たちみたいに自由になろうぜ」っていう主張をしているけど、彼らだって本気でみんな自由になればいいと思っているわけじゃない。でもみんなガツガツしすぎだから「たまには僕らの歌を聞きなよ」というメッセージを発信している感覚にすごく近い。みんなでギターを弾いて歌っているというのと、インターネットというツールを使ってみんなで集まって話をしようよっていうのは、同じようなことなんじゃないかと思います。インターネットというツールがあったから、なんとなくニートというパッケージができちゃった、というか。自分では、そういうパフォーマーとして、切り売りしているという感覚はあるんですか?
pha phaっていうコンテンツを自分でプロデュースしている感覚は多少あります。最初はブログでごくごく普通のことを書いていたんですが、ニートっぽいことを書いたらやけにウケて、そういうものを求められているんだったらやろうかなぁと。
僕の知り合いのエンジニアにネット上で面白いことをやってる奴がいて、そいつはすごい借金を抱えていたんですよね。で、彼が借金を苦に死んでしまうのはもったいないって、ネットで知り合った人が100万円くらい彼に貸してあげたんですよ。結局、「ヤバい」とか「面白い」とか、何か本当に伝わるものがあれば、困ったときは誰かがきっと助けてくれる。そういうインターネットの力を信じている部分はありますね。
──でもそれって、同時にネットの中にいる人たちに対して、存在をアピールし続けなければならない、という現実がありますよね。要は社会に参加し続けていなければセーフティネットも働かないので、その互助システムが動作する状態をキープし続ける。それはもしかしたら労働と呼べるものじゃないのでしょうか。
pha うーん。僕はあんまりお金自体にこだわりがないから、「金くれ」と気さくに言ったり、余ったら自分より金のないやつにあげたりもするし。そんな感じでお金に執着せずに生活ができるように支えてくれる保障があったらいいなぁ、と思います。だからベーシックインカムみたいなのはあったらいいなぁって思いますね。
──例えば日本憲法で一応、強制ではないにしろ労働の義務が書かれています。結局、Phaさんはそもそも、そういうルールのある日本という国で生きているわけじゃないですか。
pha 憲法に書いてあるから働かなくちゃいけない、とはあんまり思いません。別に働きたい人は働いたらいいけど、働くのに向いてない人が無理して働いてしんどい思いしているほうが、基本的人権が侵されている感じがしますね。
──将来に対してビジョンってあるんですか。
pha 動き続けていたいですね。今やっていることにこだわって、それをやり続けるとかじゃなくて、自分が心動くものを追いかけていきたいっていうのがあります。だから、歳とったらどうなるかなんてあんまり考えていない。歳をとったらとったで、自分の肉体が変化したり、経験を積んだりして考え方も変わるかもしれない。その時自分が何考えるのかわからないので、あまりイメージできない。
──ある意味ポジティブというか、ロックンロールですね。
pha もう3年くらいニートって言い続けているので、ちょっと飽きているんです。でもまぁ、僕がニートをやることに需要があるからやってもいいかなぁという感じ。僕みたいな生き方も世の中にはあるし、いま何かで追い詰められて煮詰まっている人も、もっと別の生き方を見たらちょっと楽になるんじゃないかなぁとか。そういうのが伝わればいいなと思いますね。別にニートじゃない人たちを否定するわけではないです。それぞれ向き不向きはあるので。ニートに向いている人、向いていない人はいるし、適材適所ってやつですかね。ニートの状態だと落ち着かないし、社会から必要とされていない気がして不安だとか、そういう人はいると思う。だから、そういう人が働きすぎてしんどくなってしまったら、ちょっとニートもアリだろって目で見てくれればいい。それで楽になればいいなと思います。
(取材=有田シュン/構成=編集部)
「ニート」って言うな! オルタナティブな生き方ってやつ
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