ネットショップ市場、ゲーム市場、携帯電話市場を一網打尽に狙う孫正義氏の豪腕ぶり

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孫正義 (masason) on Twitter
 8月31日から9月29日までの1カ月間、ヘビーTwitterユーザーである孫正義氏のツイートが止まった。その間、9月11日のiPhone 5c/5sの発表イベントに加えて、20日の発売日にも姿を見せなかった。ドコモがiPhoneに参入し、起死回生の予想外プランを練っているかと思いきや、結局なし。auとほぼ横並びのプランになった。マスコミがソフトバンク批判を繰り返す中、それでも反論なし。もはや孫氏はiPhoneに飽きたのか? と思ってしまうほどだった。とはいえ、フタを開けてみると、市場の予想に反してソフトバンクの接続率や通信速度はauより少し低く、ドコモよりは明らかに上。自信があったから放っておいたようだ。  9月31日にスマホ冬モデルの発表に関して発言し、ツイート再開。しばらくは業務連絡だったが、ここ数日は冗談や信念を語るなど、元のペースが戻ってきている。行方不明の1カ月間、孫氏は何をしていたのだろうか? 実はその間、3つの市場を一網打尽にするべく暗躍していたのだ。  10月7日、「Yahoo!ショッピング」の出店者イベントに、珍しく孫氏が登場。なんと、ストア出店料と売り上げロイヤルティを10月から完全無料化するという。これは、ネットショップを持つユーザーにとっては朗報。楽天市場の流通規模は2012年が1兆4460億円、Yahoo!ショッピングが3082億円。店舗数は楽天が約4万、Yahoo!ショッピングが約2万となる。孫氏は、2019年までに状況を逆転すると明言。国内最大のECサイトを目指すという。Yahoo!は広告収入のビジネスモデルに転換できるが、楽天市場は難しい。すでにYahoo!ショッピングには申し込みが殺到しているという。Yahoo! BBやソフトバンクモバイルでの手腕を見るまでもなく、成功する可能性は高い。「不毛な値下げ競争が始まった」との批判にも、「不毛ではない。まだ少し残っている」(8日のTwitter)と冗談で返す余裕ぶりだ。  続く15日、ソフトバンクと孫氏の実弟が会長を務めるガンホーは、フィンランドのゲーム会社スーパーセルを1515億円で買収した。孫氏はスーパーセルの取締役に就く予定だ。スーパーセルは2010年に設立された新興ゲーム会社だが、「クラッシュ・オブ・クランズ」や「ヘイ・デイ」といったタイトルのブレークにより一気に勢いづいた。「クラッシュ・オブ・クランズ」は18日現在でも、 Appのゲームカテゴリーのトップセールスで上位5位に入っている。そして、ガンホーは知らない者はいないメガヒットゲーム「パズル&ドラゴンズ」を提供している。この2つのキラーコンテンツを武器に、世界のゲーム市場に打って出るというわけだ。  16日、ソフトバンクはウワサに上っている米ブライトスターの買収に関して「協議中」と公表した。米ブライトスターは、スマートフォンの世界最大の卸売り事業者。新聞記事やニュースなどによると、ソフトバンクはブライトスターを1000億円ほどで買収するとのこと。7月に買収したアメリカ第3位の通信キャリアであるスプリントとの相乗効果を狙い、端末を調達する力を増やそうと考えているようだ。まだ正式には協議中のようだが、これが実現すると、とんでもない未来も見える。ブライトスターが傘下に入れば、Android端末が安価で調達できるようになり、数の不安もない。拮抗状態に入った国内のiPhone市場に見切りをつけ、今度はAndroidスマホを押してくるのではないだろうか。まだAndroid端末はiPhoneのレベルに達していないが、冬モデルには魅力的な端末もあり、来年にはiPhoneキラーとなる機種がお目見えする可能性も考えられる。そのタイミングでソフトバンクが手のひらを返し、激安端末と格安プランで攻めたら面白いことになる。  ネットショップ市場とゲーム市場、携帯電話市場を一気に狙う孫正義氏のバイタリティはすごい。今後の動向からも目を離せない。 (文=柳谷智宣)

KDDI憎し!! ソフトバンクが総務省でブチ切れ騒動!?

――ただ今無料キャンペーン中「サイゾーpremium」から、今ホットな話題に関する記事をお届け!!  7月29日、ソフトバンクの孫正義社長は周波数の追加割り当てをめぐって、総務省を行政訴訟する準備を進めていることを明らかにしました。総務省がUQコミュニケーションズ(KDDIグループ)に周波数を割り当てるという日本経済新聞の報道を受け、孫社長は怒り爆発。「電波の割り当ては元総務省の電波部長が天下りしている先の企業に出来レースで決まっているんですか」などと抗議したとのことですが果たしてどうなることやら。サイゾーでは2013年の1月号ですでに孫社長のKDDIおよび総務省への怒りを取り上げていました。 ■今回のピックアップ記事 『KDDI憎し!! ソフトバンクが総務省でブチ切れ騒動!?』(2013年1月号NEWS SOURCEより)
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『ソフトバンク 新30年ビジョン』(ソフトバ
ンククリエイティブ)
「AXGPと同じだというこのデータは本当か?」(SB) 「同じ国際標準を採用しており、同じになるはずだ」(UQ) 「AXGPには我々独自の技術が入っていて国際標準のままではない。だから同じのはずがない」(SB) 「少なくとも、干渉に関するデータは同じになるはず。違うという根拠がわからない」(UQ)  11月22日、霞が関は総務省内の会議室。KDDIの子会社であるUQコミュニケーションズ(以下、UQ)とソフトバンク(以下、SB)、それぞれの担当者が強い口調でやり取りをし、場の空気は非常に重くなった。  その会議は、携帯電話など電波利用における通信技術の国内利用許可を下す「情報通信審議会」の分科会「携帯電話等高度化委員会」。UQはWiMAXによるデータ通信サービスをより高速化するため、新規格「WiMAX Release 2.1」の利用許可を総務省に申請している。総務省では、携帯電話会社の技術者や大学教授などで構成する委員会で技術検討を行っており、この会議がまさにそれ。通常ならばあくまでも技術的な確認をする場であり、激しいやり取りなど起きようはずもない。にもかかわらず、UQ側の説明に対し、SBの担当者が強烈に噛み付いたのだ。その場では、総務省の担当者が別途UQの主張を検討する場を設けることを提案して収まったものの、いきなり難癖を付けられた形のKDDIサイドは終始困惑。だが、一方のSB側にしてみれば、KDDIに対して圧力を掛ける動機は明白に存在したのである。 「社内では今、完全に”KDDIシフト”が敷かれていて、KDDIに勝つためならなんでもやれという雰囲気。だからこの発言も、同社の足を少しでも引っ張るためだと思いますよ」と語るのは、あるSB関係者。 「要は、iPhone5での競争に負けたのがきっかけ。うちの孫正義社長がメディアを通してKDDIを攻撃したりキャッシュバック増額競争を仕掛けたりしていることは知られていますが、そのほかにもこうして、ユーザーに見えないところでKDDIに対してプレッシャーをかけているわけですよ」(同)  これまでも孫社長は、ライバルたちを攻撃してきた。近いところではプラチナバンド獲得の際。900MHz帯電波を手に入れるため、同帯域を持つドコモやKDDI対してSBだけが持たないことの不当性を繰り返し訴えたことは記憶に新しい。また昨年には、NTTが持つ固定回線インフラを分社化する「光の道」構想を政権与党民主党にロビイングし、NTTや総務省に対して強くプレッシャーをかけてきた。  しかし、それらSBの圧力もこれまでは政策決定や行政方針に対してというレベルでのもので、冒頭で述べた分科会のような場ではあり得なかった。というのも分科会に参加するのは各社の幹部級などではなく技術者のため、彼らならではの”仁義”や”親近感”もあり、激しくやり合うようなことはなかったのだ。だからこそ今回の激しいやりとりに、SB以外の委員はあっけにとられたのである。 ■ソフトバンクの総務省軽視!?  従来SBは、行政側に圧力こそ掛けるものの、国の立場や決定は尊重してきた。だがここにきて、総務省の軽視とさえいえる態度を取り始めている。その一例が冒頭の会議。そしてそのもうひとつの例が、10月に発表されたイー・モバイル買収だろう。 「今回の買収劇の裏には、孫さんのKDDIへの対抗心が強くあるようです。というのも、実はKDDIもイー・モバイルに買収を持ちかけていたとの噂がありましたが、企業買収によって新たな電波帯域を手に入れることは総務省の電波行政方針にそぐわないため、KDDIは諦めたらしいのです。ところが孫社長は、それをやってのけてしまったわけです」(証券アナリスト)  イー・モバイルが持つユーザーと電波帯域を手に入れた上、KDDIの鼻をあかすことができたこの買収は、孫社長にとってまさに一石三鳥だったというわけだ。  だが、やはりトップにはドコモが居座っている。だからこそ、というべきか、孫社長が下した決断は予想を超える巨大なものだった。イー・モバイルの買収から2週間後に発表されたのは、米第3位の携帯電話会社「スプリント・ネクステル」【1】買収。買収金額は約201億ドル(約1兆5700億円)と、かつてのボーダフォン買収に匹敵する巨額投資であり、これによってSBは、なんと世界第3位の携帯電話事業グループを形成するにいたったのである。  日本を飛び出し、世界に打って出るというかねてからの目標を達成する。その偉業実現を前にして、総務省への配慮などもはや不要なものと孫社長は考えているのかもしれない。 「しかし、実はSBは一般に知られているよりも中国企業との結びつきが強いため、米当局がこの買収を認めない可能性もまだ残されています。こうした事態を避けるためにこそ、企業の海外進出に際しては通常、行政による支援が欠かせません。大企業の海外進出は、市場のルールをめぐる国家対国家という側面もありますからね」(前出アナリスト)  だがSBは、それらを振り切って海外を目指しているかのように見える。その裏には、「国の支援など無用」という、孫氏の”無頼精神”が潜んでいるのだろうか。 (三森黒介) 【1】「スプリント・ネクステル」の買収 この買収劇に対する業界内の評価はネガティブなものも多い。その主な理由は2つ。ひとつは、米国と日本の携帯電話事業の違いである。ほぼ全人口に行き渡った日本とは異なり、米国ではまだ契約者数増加の余地が大きい。しかし、日本よりも国土が広くユーザー層も多様な米国では、日本以上にインフラ投資が難しいといわれており、日本での営業ノウハウがどこまで通用するかは未知数なのだ。そして2つ目が「iPhone依存」の問題。日本国内のSBユーザー数増加は完全にiPhoneに依存しており、もし仮にアップルが方針転換をしたりiPhone自体の求心力が落ちたりした場合、SBの勢いは一気に削がれてしまう可能性は高い。もしかしたら今回のスプリント・ネクステル買収は、iPhone頼みの危うさを自覚するがゆえの、孫社長の打ち手なのかもしれない……。 【ただ今絶賛無料キャンペーン中「サイゾーpremium」では他にもソフトバンクの裏側に迫る記事が満載です!】ソフトバンクが頼り続ける”モバイル戦略”の危うさ──グループのビジネス戦略を徹底分析!『あんぽん』著者・佐野眞一が語る「“うさんくささ”が生んだ孫正義のカリスマ性の本質」連結子会社100社以上、グループ企業70社以上のソフトバンク──”借金”の歴史と”使い捨て人脈”の系譜
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ソフトバンクはブラック企業か?高待遇、孫社長に逆らえない…

サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) アサヒ鮮度実感パックの実力 ビールは時間がたつほどまずくなる!? ホームレス、借金地獄、失踪……年の瀬の新橋に突撃! ソフトバンクの大型買収をめぐり囁かれるインサイダー疑惑 ■特にオススメ記事はこちら! ソフトバンクはブラック企業か?高待遇、孫社長に逆らえない… - Business Journal(12月17日)
ソフトバンク本社機能が所在する
東京汐留ビルディング
(「Wikipedia」より)
 世の中には「就職人気ランキング」に対して、「ブラック企業ランキング」、もしくは「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ランクインされている企業を見てみると、私が定義するところの「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがある。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影しているものと考えられる。そのような企業を採り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。 【3】ソフトバンク  不人気企業でも、活躍して充実した社会人生活を送る人はいるし、人気企業に入りながらも「こんなはずじゃなかった…」と不満を募らせる人もいる。親の期待や友人からの評価も大事かもしれないが、そこで働くのはあくまで自分自身なのだ。ほかならぬ自分自身の判断基準で、主体的な判断をして然るべきである。  さて皆さんは「TOPIX Core30」(トピックス コア30)という株価指数をご存じだろうか。東証一部の全銘柄のうち、時価総額、流動性の特に高い30銘柄で構成された株価指数のことだ。すなわち、この30社はほぼイコール「日本の大企業トップ30社」であるといえる。  具体的には、次の企業が構成メンバーである。  日本たばこ産業、セブン&アイ・ホールディングス、信越化学工業、武田薬品工業、アステラス製薬、新日本製鐵、小松製作所、東芝、パナソニック、ソニー、ファナック、日産自動車、トヨタ自動車、本田技研工業、キヤノン、任天堂、三井物産、三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングス、東京海上ホールディングス、三菱地所、東日本旅客鉄道、日本電信電話、KDDI、NTTドコモ、関西電力  どうだろう。もう名前を聴くだけで誰もが知っている大企業ばかり。とても、この中にブラック企業が入っているとは思えない。  さて、上記に名前が挙がったのは29社。30社目はどこだろうか。その会社こそ、今回採り上げる「ソフトバンク」である。コア30の中では唯一のITベンチャー企業だ。  同社はいまだにITベンチャー企業というイメージが強いが、もう創業から31年目となる、業界では老舗企業である。規模も巨大であり、2012年3月期のデータでは資本金1,887億5,000万円、連結売上高3兆2,024億3,500万円、連結従業員数は2万1,858名だ。現在、連結子会社117社、持分法適用関連会社73社を数える大グループを形成している。  同社の創業から現在までの様々なストーリーは多々語られているので、本項では同社が「必ずしもブラックとは言えない」面について、いくつかの事実を記載していこう。 【高年収】  全上場企業を対象にした「30歳時点での平均年収ランキング」では、全上場企業中堂々の「9位」、811万円。 ツイッターなどで「やりましょう」と公約したことを、続々「できました」に】  私は常々、企業は「言っていること」と「やっていること」が合致していなければならないと主張しているが、同社では着実に言ったことをやったことにしている。 【キャリア開発・支援制度が充実】  ジョブポスティング(社内公募)、資格取得支援制度、自己申告制度(社員がチャレンジしたい業務を自己申告できる)、エルダー制度(新入社員に対し育成担当を設けてサポートする)など、豊富に整備されている。 【休暇制度が充実】  有給休暇は勤続年数に応じて増加。7年目以降だと年間20日取得可能。その他、有効期間(2年)を過ぎた有給休暇を「積立年休」として最大60日までプールでき、特別有給休暇として結婚休暇、配偶者出産休暇、子女結婚休暇、アニバーサリー休暇、リフレッシュ休暇、忌引休暇、転勤休暇、公務休暇、災害休暇、交通遮断休暇、召還休暇、ドナー休暇、ボランティア活動休暇、公傷病休暇など多数用意されている。 【その他福利厚生も充実】  社員持株会、財形貯蓄制度、確定拠出年金制度、関東ITソフトウェア健康保険組合の保養施設利用権、高級感あふれる社員食堂、ウェルネスセンター(汐留本社にあるマッサージや産業医・カウンセラーとの相談ができる施設)など多数。 【出産・育児のための休暇・休業・時短勤務制度も充実】  以下のとおり、豊富な休暇・休業制度が用意されている。  ・産前・産後休暇(産前6週間/産後8週間)  ・マタニティ通院休暇(妊娠中〜産後1年未満)  ・配偶者出産休暇(配偶者の出産予定日1週間前〜出産後1カ月以内。5日間の有給休暇)  ・育児休業(子の1歳の誕生日の前日まで)  ・看護休暇(子の小学校就学前まで子1人につき年間10日間)  ・キッズ休暇(子の人数に関わらず、子の小学校卒業時まで年間10日間)  ・短時間勤務(1日最大2時間45分まで労働時間を短縮して勤務可能)  ・フレックスタイム勤務(コアタイム10:00〜16:00、フレキシブルタイム7:00〜10:00および16:00〜22:00)  ・繰上勤務(始業時刻を9:00から15分単位で繰上可能)  ・繰下勤務(始業時刻を9:00〜10:00の間で、15分単位で繰下可能)時間外勤務の制限(1カ月について24時間、1年について150時間を越えた時間外勤務が免除)  ・深夜業の制限(22:00〜翌日5:00までの深夜業を免除) 【有名な「出産祝金制度」】  勤続1年以上の正社員を対象に、第1子:5万円、第2子:10万円、第3子:100万円、第4子:300万円、第5子以降:500万円を支給。 【「子供向け携帯電話」端末の無料配布および基本料金の免除】  勤続年数1年以上の正社員の小学校在学中の子どもを対象に、ソフトバンクモバイルの携帯電話機を無料で配布。親の在職期間中、基本料金は無料。  待遇面だけでもこれだけの項目が挙げられる。これらはやはり、「大企業の余裕」がない限り実現できないことばかりである。  私自身の周囲にも、同社社員が多数いる。おしなべて聞こえてくるのは「比較的待遇はよい」「仕事にはやりがいがある」「女性管理職も比較的多く、働きやすい環境」といったコメントだ。もちろん一方で「社長の意思には逆らえない」「残業は相応に多く、それに応えられないと出世は望めない」という実力主義的な面も確かに存在する。双方のメリット、デメリットを理解する人にとっては、働きやすい会社といえるかもしれない。 (文=新田 龍/ブラック企業アナリスト、株式会社ヴィベアータ代表取締役) ※本稿は、新田龍氏のメルマガ「ブログには書けない、大企業のブラックな実態」から抜粋したコンテンツです。 ■おすすめ記事 アサヒ鮮度実感パックの実力 ビールは時間がたつほどまずくなる!? ホームレス、借金地獄、失踪……年の瀬の新橋に突撃! ソフトバンクの大型買収をめぐり囁かれるインサイダー疑惑 ソフトバンクに電波だけ取られる…イー・アクセス買収の内幕 孫社長の朝令暮改にうんざり 社員が語るソフトバンク

個人資産6000億円の正体──孫正義とソフトバンク"実りなき経営戦略"の功罪

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(絵/我喜屋位瑳務)
 今やIT企業の筆頭として、常にマスコミのネタにされるソフトバンクとCEO孫正義氏。新エネルギー事業への参入などで、ますますその存在感を増している同社の事業を分析しつつ、非難を浴びながらも巨大化していく同社の実態に追った。  3・11以降、ソフトバンク(以下、SB)・孫正義社長の周辺が何かと騒がしい。4月6日には、被災者の支援と被災地復興のために個人で100億円を寄付すると同時に、2011年度から引退まで、グループ代表として受け取る報酬の全額を遺児の支援に充てていくと発表。また、原発事故発生以来、孫社長のツイッターはエネルギー関連のつぶやき一色に。「国難の時、経済人である前に人の命を思う人物でありたい」と、事あるごとに放射能汚染の恐怖を訴え、「正義を疎かにする経済ほど愚かなものはない」と理想を掲げつつ、脱原発と自然エネルギーへの転換を提案。それまでも決して薄くはなかった存在感をより圧倒的なものとした。  そして、5月25日には、神奈川県、埼玉県、静岡県など、全国19の自治体と共に「自然エネルギー協議会」を7月上旬に設立すると発表。個人宅の太陽光発電設備の普及を進めると共に、全国の休耕田や耕作放棄地の2割にメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設をブチ上げ、6月24日には、自然エネルギーによる発電事業への参入も決定している。 ■メガソーラー構想に渦巻く毀誉褒貶  ド派手なアクションを繰り返す孫社長だが、その評価はまちまち。「FLASH」(光文社)が、その4月26日号で「あっぱれ!100億円寄付!孫正義 愛国の原点となった『差別』と『反骨』」という特集を組む一方で、「週刊現代」(講談社)5月28日号は「いつ届く孫正義の『義捐金100億円』」という記事を掲載。発表から1カ月半以上たっても寄付金が届けられた気配がないことを批判し、そもそも孫社長が即寄付が可能なキャッシュを持っているのか疑問を投げかけた。  メガソーラー構想についても「週刊文春」(文藝春秋)7月7日号が「孫正義『強欲経営』の正体」という批判記事を展開すれば、同じく7月7日号の「週刊新潮」(新潮社)も「脱原発の政商になる『孫正義』の果てなき商魂」と、孫社長をバッサリ斬り捨てる。  この時の文春、新潮の批判のポイントはおおむね同じ。1.太陽光発電はエネルギー変換効率が悪く、停電リスクが高い。2.孫社長は一世帯当たり毎月500円程度の負担増でプロジェクトをなし得るとするが、5000円の負担増になるとの試算もある。3.それでも太陽光発電を推進するのは、ケータイ事業が頭打ちになり、経営危機説も囁かれる中、新規事業を打ち出すことで資金集めをしたいだけなのではないか。4.電力事業に着手する以前に、震災直後、まるでつながらなかった同社回線の改善に努めるべきではないか。  反原発・脱原発の機運が高まる中、メガソーラー構想を高く評価する声も聞かれる一方で、高邁な理想を掲げながら、結局、カネ儲けをしたいだけなのではないかとの批判があるのもまた事実なのだ。 ■ソフトバンクが傾くと国民が被害を被る!?  孫社長やSBが毀誉褒貶に晒されるのは、今に始まった話ではない。アメリカ留学中に開発した多国語翻訳機をシャープに1億円で売り込み、弱冠25歳でパソコンソフトの卸売企業を設立したかと思えば、96年、創業間もないYahoo!への投資をきっかけに、アメリカのインターネット企業を相次いで買収。99年にはメディア王、ルパード・マードックと共にテレビ朝日株を買い取り、翌年も日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)にも資本参加してみせる。  81年の「株式会社日本ソフトバンク」設立以前から、事あるごとに注目を浴び続ける孫社長だが、特にその存在感を示したのは、01年。個人向けADSLサービス「Yahoo!BB」の開始時だろう。  これが、国内ブロードバンド網の普及に大きな弾みになったのは間違いない。しかし、街頭でADSLモデムをタダでバラまくプロモーションや、加入の意思のない家庭に勝手にモデムを送りつける代理店を野放しにする姿勢には批判が集まった。そして、サービス開始当初には、NTT東西の「フレッツ・ADSL」など、他サービスが申し込みから2週間程度で開通していたのに対し、1カ月たってもサービスを受けられないというトラブルも頻発していた。  次に注目を集めたのは06年。英ボーダフォン日本法人を買収し、ソフトバンクモバイルを設立した。
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「CMより設備投資しろ!」ソフトバンクモバイル大規模通信障害でユーザー激怒中

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 7月4日早朝から約4時間半にわたり続いたソフトバンクモバイルの大規模な通信障害。iPhoneを含む全機種のショートメールが使えなくなったほか、一部地域では、iPhone以外の機種でネットへの接続が不可能になった。これにより、約1,500万人のユーザが影響を受けたとされている。iPhoneへの切り替えを模索中だったユーザにとって、「おいおい、ソフトバンクで大丈夫か?」と、二の足を踏まざるを得ない"事件"だったことは間違いない。  実際、ソフトバンク社(SB)が管理する「Yahoo!掲示板」は、障害発生直後からちょっとした炎上状態。 「ただでさえ電波が悪いのにいいかげんにしろ!」 「auユーザのときはこんなこと一度もなかった! 乗り換えて後悔してる!」 「SMAPをCMに使う金があるなら設備投資しろ!」  とまさにブーイングの嵐。非難の書き込みは最初の2時間だけで800件を超えた。  今回の顛末について、あるITライターが「キャリアの悪口を言うと仕事が来なくなるんですよー」と、匿名を条件で次のように語ってくれた。 「ユーザが本当に怒ったのは通信障害そのものではなく、障害が発生したことをSBがユーザに速やかに伝えなかったこと。多くのユーザは自分の端末が壊れたと思って不安に陥った。災害時に情報不足でパニクるのと同じ現象です。しかも、MMS(ショートメール)は使えなかったが、SMSやEメールは使えていたそうなので、一斉メールで知らせることは技術的にできたはず。危機管理能力を問われても仕方ない」  実際、ネットの書き込みを見ると、批判の大半が「なんで知らせなかったんだ!」という、情報提供を怠った対応に対する怒り。「ただいま通信障害が発生しています。お客様にはご迷惑を......』というメッセージを一回送っていれば、ユーザ感情は大きく違っていたかもしれない。  SBは昨年4月にも、全国約1,500万契約でパケット通信サービスが利用できなくなるという同規模の通信障害を起こしており、総務省が「設備管理の必要な措置がなされていなかった」「ユーザに十分な説明が行われていなかった」と行政指導を行っている。  これについて、「SBモバイルは発足から保守に不安を抱えてきた」と指摘する声もある。 「SBがボーダフォンを買収するとき、これに反発したボーダフォンの保守管理スタッフが、実は大量に辞表を出して辞めているんですよ。その後、大規模な補充をしたという話も聞かないから、それが原因で『SBは保守が弱い』とは常にささやかれてきた。こう度々ネットワーク障害があると、やっぱりな、と思わざるを得ない」(関係者)  さらに怒りの矛先は、SBが主催するお笑いイベント「S-1バトル」にまで。賞金総額が2億円を超えるという同イベントには、当初から「無駄金を使いすぎ」と批判の声が少なくなかったが、今回の事故で怒りにさらに火がついた格好だ。ネットの掲示板には、 「賞金に1億円払う余裕があるなら、基地を作って電波改善しろ!」 「S-1は面白くない。(年間チャンピオンの賞金)1億円の価値なんか全然ない」  と、「S-1」そのものを否定する書き込みにまで発展(?)している。一時的な声で収まるならいざ知らず、この動きが今後も増幅するようでは、芸人に対してもかえってマイナスになるのではなかろうか。お笑い評論家のラリー遠田氏が言う。 「今の段階でマイナスとまでは言えないが、『S-1』がお笑いコンテンツとしては成功していないことは確か。SBとすれば番組を放送してパケット料を稼げるし、携帯動画のコンテンツビジネスの道を模索する吉本興業も依然として企画に前向きではありますが、やらされてる感のある芸人は総じて温度が低い。M-1やR-1と違い、S-1に一生懸命になってる芸人というのを聞いたことがない」  一方で、こうした集中砲火を浴びるSBにやや同情的なのは、モバイルビジネスコンサルタント携帯電話研究家で工学博士の木暮祐一氏だ。 「通信障害というのは、SB以外の他のキャリアでもたまにあるんですよ。ただし、コンテンツのメニュートップで『通信障害が発生しています』というテロップを流すとか、何らかの配信サービスを使って状況を伝えています。いち早く情報を出せば、テレビのニュースなどで速報が流れることもある。今回はたしかに後手にまわってしまった。ただ、SBは昔からなぜか叩かれやすい傾向がある。ドコモだってトラブルはあるけど、ごまかすのが上手ですよ。端末機種でリコールがあっても、責任を全部メーカーに押し付けて回収させて表に出ないようにしたり。逆に言えばSBは下手なのかもしれないですが(笑)。そもそも電波の悪さは、総務省が800MHz帯域を割り当てないことも原因ですから」  お笑いイベントの「S-1」や、タレントに払うCMのギャランティについても、「賞金の1億円を設備投資に回しても、1億で作れる基地はせいぜい数局、20~40kmほどのエリアがカバーできる程度で、賄えるユーザ数もたかが知れています。広告費を削減してユーザ離れが加速したウィルコムの例もありますし、設備投資と広告宣伝は企業として並行して行う必要があるでしょう」  たしかに、ドコモとauが総務省から天下りを大量に受け入れていることは公然の事実。「今後100年は関係省庁からの天下り人事を自主的に受け入れない」と宣言しているSBは、総務省からすれば面白くない相手なのかもしれない。いずれにしても、加熱する一方だったiPhone4熱が一瞬とは言え冷えかけているのは事実。ユーザは今後、キャリアの乗換え時がさらに難しくなりそうだ。 (文=浮島さとし)
幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来 やっぱり、悪名高き金の亡者? amazon_associate_logo.jpg
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