国歌で揺れるのは日本だけじゃない? 世界の国歌事情が見える『国歌斉唱』

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『国歌斉唱』(河出書房新社
 来たる2010年6月11日。世界中が一丸となって盛り上がる、4年に1度のビックイベント『第19回FIFAワールドカップ』がいよいよ開催される。サッカーファンならずとも、テレビに釘付けになる人は多いだろう。注目はもちろん、国をかけて戦う選手の華麗なプレーだが、試合前の各国"国歌斉唱"シーンにも注目して観てもらいたい。  『国歌斉唱』(河出書房新社)の著者・新保信長氏は、06年にドイツで行われたワールドカップのテレビ中継を観ながら、あることに気付く。フランス代表選手たちがあまり口を動かしていない。そして、その顔ぶれを見て納得する。メンバーの多くは黒人、すなわち移民(もしくはその子孫)であったのだ。ほかの国も気になり、よく見てみると、意気揚々と歌う国の選手も存在すれば、一切歌おうとしない国の選手も存在する。そのことが、この本を書くきっかけになっている。   例えば、歌う選手が少なかったフランス国歌の内容を見てみると、以下の通り(一部を抜粋)。 Aux arms,citoyens!(この国に暮らすみんな 武器をとれ!) Formez vos bataillons!(みんなの軍隊をつくるんだ!) Marchons! marchons!(さあ行こう! さあ行こう!) Qu'un sang impur abreuve nos sillons!(この地にヤツらの薄汚い血の雨を降らせろ!)  う~ん......、これはなかなか激しい。植民地から移民してきた側の感情としては、とても口に出して歌えたものではないかも。フランス国内でもさすがに賛否両論があるようで、特に若い世代に反対の声が多いという。  なんだか、どこぞやの国でも似たような議論が巻き起こっているような気がしないでもない。どうやら、国歌について議論は、それほど珍しいことではないようだ。そもそも、世界の国歌の歌詞はどんなことが書かれているかを見てみると、大体次の4つのグループに分類される。 (1)神や君主を讃える国歌 (2)歴史や風土を讃える国歌 (3)祖国の独立を讃える国歌 (4)社会の革命を讃える国家  国歌は、その国の時代背景に強く影響されて誕生するが、スウェーデンやチェコは(2)、アメリカは(3)、フランスは(4)に属する。そして、イギリスや日本はというと、(1)に属する。イギリスでは女王が讃えられ、じゃあ、日本では......、というところで問題になってしまう。  個人的には、日本の国歌『君が代』は機会が少ないとは言え、小学校の頃から耳にしている曲なので、聞けば無条件に日本の国歌だなぁ、と思う。世間では、歌うの歌わないので、卒業式の時期になると常にモメているが、正直言うと、聴き慣れた曲だし、まぁ別に歌ったっていいんじゃないの? と思ってしまう。けれど、世の中には深く物事を考えて歌詞の意味から反対する人も多いし、「歌うなんて考えられない! 断固拒否」の考えを貫き通す人もいる。  本書では、最後の章に、日本人の『君が代』に対する思いを、過去に行われた膨大な新聞記事を元にまとめている。この機会に、日本の国歌『君が代』、そして、世界の国歌事情を考えるきっかけにしてはどうだろうか。ワールドカップ、要注目。 (取材・文=上浦未来) ●新保信長(しんぼ・のぶなが) 1964年大阪生まれ。東京大学文学部心理学科卒。流しの編集&ライター。タイガースファン。著書に『笑う新聞』『もっと笑う新聞』(ともにメディアファクトリー)、『少年法(やわらかめ)』(伊藤芳朗氏と共著/アスペクト)、『東大生はなぜ「一応東大です」と言うのか?』(アスペクト)など。
国歌斉唱♪---「君が代」と世界の国歌はどう違う? もうちょっとポップめでお願いします! amazon_associate_logo.jpg
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サッカー日本代表・岡田武史監督の進退伺い「冗談だった」発言の裏事情

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『指揮官 岡田武史―アルマトイ、
フランス、そして札幌』朝日新聞社
 FIFAワールドカップに向けた国内最後の試合である韓国戦に、サッカー日本代表は0-2の完敗を喫した。このことが、どうせ本番でも負けるだろうという「厭ワールドカップ」気分を醸成してしまったが、さらに問題視されたのが、岡田武史監督の試合後mp共同記者会見での一言だ。 「一年に二回も韓国に負けて申し訳ないですし、当然監督の責任問題も言われると思います。ただ、犬飼会長にもいちおう訪ねましたが、"やれ"ということだったので」  試合後、なんと進退伺いをしたのだと、岡田監督は吐露した。大事な戦いを前に、周囲がチームを支えていこう、選手がチームに貢献しようと気持ちを高めているこの時期に、弱音を吐くとは何事か、むしろ突っ張り通すことがリーダーの責務ではないのか──そうした論調で強烈な批判が飛び交った。  この空気を察したのか否か、岡田監督は翌25日、離日直前の練習後、囲み取材に応じた際、進退伺い発言が「冗談だった」と修正した。もし本当だったのだとすれば、笑えない冗談だ。修正発言を受けても、本気で冗談だと思っている人間はそういないだろう。  ところが、同日にスポーツニュースサイト「スポーツナビ」のUstream中継ライター討論会で、ベテランジャーナリストふたりが「オレたちは冗談だと思っていた」と発言したのだという。 「笑ったのは記者会見場の前のほうにいた重鎮、ベテラン記者だけだったと言います。たしかに岡田監督はいつも仏頂面で、冗談か本気か、笑っているのか泣いているのか、判然としないところがあります。しかしそうした外見や気質は、80年代に岡田監督が現役だった頃から知っているベテランには分かっても、中堅以下にはピンとこない。比較的若い報道陣が冗談を真に受け、本気の発言として先走ってしまった可能性がないとは言えません」(サッカー関係者)  ジェネレーションギャップが生んだ"マスゴミ"的誤報だったのか、それとも「冗談だ」という釈明が単に岡田監督のごまかしなのか。件のUstream中継はアーカイブ化されておらず、事実を辿れないが、そうした言及箇所があったのは確かだという。  いずれにしても、笑えないタイミングでする発言ではなかったかもしれない。韓国戦の試合終了直後、岡田監督はファンに向けた挨拶をしなかった。ケガの影響で満足にプレーできず、"置物"状態でベンチに晒されていたキャプテンの川口能活に任せ、自らはスタジアム内のどこかにいたのである。そのあとの会見での進退伺い発言。川口が挨拶をしている間、進退伺いをしていたのではないかと勘ぐられても仕方がないではないか。  士気を高めることもできただろう韓国戦をフイにしてしまった感は否めないが、救いなのは、選手が「ぼくらの責任」とかばう姿勢をみせたため、ファンが岡田監督に対して好意的なこと。もちろん批判も多いが、まだ見捨てずに支えようというファンがいるのは事実だ。窮状を知って急遽、出国前最後の練習に詰めかけるファンが何人もいた。彼らの声は確実に監督や選手に届いただろう。  ワールドカップ本大会まであとわずか。ファンの好意を無にしないようにがんばってほしいものだ。
指揮官 岡田武史―アルマトイ、フランス、そして札幌 ベスト4、目指すんでしょ? amazon_associate_logo.jpg
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