「うんこって、すごい言葉なんです!」【仮面女子・月野もあ】声優×最強地下アイドルの“思い描く夢”とは?

IMG_9833
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の44回目! 今回は最強の地下アイドルグループ・仮面女子のメンバーで、テレビアニメ『TO BE HERO』(TOKYO MX)のミン役で活躍中、アイドルで声優の月野もあさんが来てくれました! ――さっそくですが、大学卒業おめでとうございます! 大学では日本語教師の資格を取られたそうですね。 月野 実習が多くて大変でした……。でも、一応通っていた大学に留学生がたくさんいるので、自分の学校で実習する形でどうにかなりました。 ――生徒たちに「あれ仮面女子の月野もあじゃない?」ってバレませんか? 月野 ぜんっぜん! 大学でもバレてないと思います(笑)。 ――仮面が功を奏してるんですかね……? 月野 そうなんですかね、個人としては、まだまだ気付かれず……。 ――でも、デビューされてから、まだたった3年なんですよね。仮面女子としてはもちろん、個人でもテレビアニメのヒロイン役を演じたり、なかなかの快進撃ですね! 月野 とんでもないです!! ――月野さんは19歳でデビューとのことですが、仮面女子よりも前にエイベックスの声優オーディションを受けていたんですね。 月野 はい、一応は素人向けのオーディションだったんですけど、周りを見たらみ、んな声優の養成所に通ってる人たちだったり、素人っぽくない人たちが多くって……。 ――わかります。素人オーディションと言いつつ、いろんな事務所から滑り込んできますよね。 月野 そうなんですよ……。私はまだ発声練習も独学で、「声優になりたい」って気持ちだけでやっていた時期だったので、周りを見て「こういう人たちが受かっていくよね、何も勉強してない大学生の私には無理なんじゃないかな」と思って、一度は声優の夢を諦めてしまったんです……。だから、これを最後のオーディションにしようって。大学もあるし、就活も始まる時期だし……。 ――真面目ですねぇ~。声優の夢を諦めて、どういう流れで仮面女子に入ったんですか? 月野 まず、ドラッグストアのイメージガールに応募したんです。キャンペーンガールとか、コンパニオンみたいな仕事だろうと思って、就活が始まるまでの短期間バイトの感覚だったんですけど、いざ面談に行ったら、そのイメージガールはアリスプロジェクトがやっていた企画で、「うちの事務所に所属しないと仕事はできない」と言われて……。 ――そんな釣り広告みたいな!? 月野 もともとは仮面女子どころか、アイドル業すらやろうと思ってなかったんですけど、面談の時に初めて仮面女子のライブを見て、「すごく素敵!」って(笑)。
IMG_9826
――急にライブを観て「自分も歌いたい」ってなるものですか? そもそも、歌や踊りの経験は? 月野 私が落ちたエイベックスの声優オーディションの最終審査は、渋谷のWWWっていうライブハウスでソロステージをしなくちゃいけなかったんです。いろんなエイベックス所属のアイドルやアーティストのライブの間にステージに立って、アニメソングを歌って踊るっていう……。そこで初めて「こういう世界も素敵だな」って思ったんですよね。なので、仮面女子のライブにも心を惹かれましたねぇ。 ――でも、仮面かぶってるし、「顔見えないじゃん!」とか思わないんですか? 月野 まったく思わなかったですよ。楽曲もかっこいいし、世界観が素敵だし、仮面もオシャレじゃないですか。 ――オシャレ……!? 月野さんはもともと学生時代にバンドでデスメタルのメイクをしてベースを弾いてたから、感性に合ったのかもしれませんね。さらに空手も初段なんですよね。大学の人たち、「アイドルだ!」って気付いても、近づけなかっただけかもしれません……。 月野 あははは! そうなんですかね(笑)。 ――ちなみに、仮面女子は「選ばれなかったものたち」っていうコンセプトがあるじゃないですか。月野さんはエイベックスの声優オーディションに選ばれなかったってことですか? 月野 そうですね。他のメンバーも、AKB48さんやNMB48さんやモーニング娘。さんのオーディションでダメだった人がいたり、そういう大手から選ばれなかった人たちが集まってます。 ――なるほど~。私、初めは「仮面つけてるってことは、どうせ残念なアイドルが入ってるんだろう」と思ってたんですけど、仮面を取るとみんなかわいいんですよね。大手のオーディションでいいところまで行った人たちなら、そりゃ平均以上なはずですね。 月野 いやいやいや、事務所としては「かわいくないからお前ら仮面かぶっとけ」みたいなスタンスなので、本当に。「大手に落ちる顔じゃ勝負できないから」って。でも、仮面をつけることで、みんなでくっついて一つの個性を作れるので……。 ――えっ、それってモラハラ!! 月野 でも、みんなで話すと「私もそのオーディション受けた!」「落ちた!」「私も!」って盛り上がれるんです。それによってチームワークが強くなりますし、お互いを思いやりながらやっていけるんです。「こんなに仲良いアイドルグループいるのかな?」ってくらい仲も良いですしね。ライブで毎日一緒にいるので、家族とはまた別の心強い仲間です。 ――ちなみに、毎日一緒ってことは、毎日お仕事なんですか? お休みは? 月野 休みは、ほぼないですねぇ……。1~2年前までは月曜日から日曜日まで、午前中は学校に行って、午後はライブだったんです。けど、ここ1年は外部のお仕事をたくさんしようっていう方針で、火曜と水曜は仮面女子カフェでのライブをお休みさせていただいてるんです。でも、ライブがないだけで、お仕事はさせてもらっているので、お休みは……ないですね。 ――そうですよね、大学行って勉強して資格も取ってバンドしてライブして……気合いですね……。 月野 やりたがりなので(笑)。 ――やりたがりと言えば、空手もやられてるんですよね。空手をやってると、学生時代にイジメに遭わなそうです。 月野 やっぱり中学生くらいの頃は、女の子のドロドロしたものに巻き込まれることもありましたけど、「私は空手やってるから何かあっても大丈夫!」っていう気持ちがあるので、心は強くなりました(笑)。小学校3年から中学2年までやっていて、黒帯の初段なので。 ――かっこいい! ベースはいつから始められたんですか? 月野 ベースは高校から今までです。 ――そして今はご自分のベースまで作られたという……。ところで、なぜベースだったんですか? 月野 低音が大好きなんです。部活で吹奏楽部に入っていたとき、3年間フルートだったんですけど、途中から低音の楽器の魅力に気付いてしまったんです。「バスの音色がズンズン響く!」って、すごくかっこよくって(笑)。だから、次にやるなら絶対低音の楽器がやりたいと思いました。それで、いろんな演奏を聴くうちに、ベースの音がすごく耳に残ることに気付いて、ベースをやる気まんまんに(笑)。バンドでもベースでしたし、今も自分の聖誕祭のときにはベースを演奏させてもらっています。普段のライブでもやりたいんですけど、動き回って危ないので(笑)。
IMG_9831
――確かに、仮面女子のライブだとベースが折れそうです。仮面女子ってすごく体育会系ですよね。 月野 はい! ガッツリ運動部です(笑)。動いて走り回ってヘッドバンキングしてナンボですし、客席にダイブもします! ――客席にダイブって、握手やチェキより何段階も上のファンとのコミュニケーションですねぇ。ファンもさぞうれしいことでしょう。……そういえば、仮面女子って、アイドルグループには珍しく恋愛OKなんですよね。どうなんですか、その辺は? 月野 忙しくてそれどころじゃないです(真顔)。出会いは関係者の方とファンの方しかいないのに、「恋愛OK、ただしファンと関係者はNG」っていう決まりなんですよ。お休みもなくって、家を出てお仕事して帰る毎日の中で、メンバー共々「恋愛させる気ないだろ!?」って(笑)。これで恋愛できてるメンバーがいたら、かなりすごいと思います……。 ――それなら、いっそ恋愛NGにされても変わりないですね……。ちなみにどんな男性がタイプですか? 月野 たくさん食べる人が好きです。 ――『クッキングパパ』とかの影響? 月野 いや、違いますけど……。食事をしている時間がすごく好きなので、一緒に食べる時間を大切にしてくれる人がいいなぁ。食べ残したりしないで、好き嫌いなく、なんでも食べてくれる人が好き! ――全国のフードファイターに朗報ですね~。ではでは、もし一日休みだったら何がしたいですか? 月野 ええ~~~、難しいなぁ~~~、う~~~~~ん(困惑)。 ――休みがなさすぎるせいで考えられなくなってる! ブラック企業に勤めてる人みたい! 月野 美味しいもの食べに行きたいです、まったりのんびりと温泉とかも……おばあちゃんみたいですね(笑)。でも、お仕事もすごく楽しいので、まだまだ頑張りたいです! ――声優業も順調ですしね! 声優オーディションに選ばれなかった月野さんが、仮面女子を経て憧れの声優になるって、なんだか感動的です! テレビアニメ『TO BE HERO』のヒロイン、ミンちゃん役はオーディションだったんですか? 月野 いえ、運が良かったといいますか、偶然チャンスが舞い降りてきたといいますか、だからこれを必ず形にしなければって……とにかく頑張っています! ――ミンちゃんは、かなり口が悪い役ですよね。セリフは大変じゃないですか? 月野 そうなんですよ、しょっぱなの収録で「うんこ」って100回以上は言いました……。「うんこ」って言うの、実はむっちゃ難しいんですよ。「うんこ? うんこなの? パパがうんこしたトイレでシャワー浴びろってか?」ってセリフがあったんですけど、監督に「うんこの『ん』が聞こえないからもっとハッキリ言って」って言われて、「うんこ!」「うんこ!!」「うんこ!!!」って言ってるうちに「うんこってすごい言葉なんだな」と思えてきて……。 ――うんこのゲシュタルト崩壊! ミンちゃんは、普段の自分と似てるところはありますか? 月野 ミンちゃんも空手少女なので、そういったところは似てるかなぁ。あと、なんだかんだパパッ子なキャラクターなんですよ。私もお父さんが大好きなので、その気持ちも同じです! ――口の悪さが伝染して、日常生活に影響を及ぼしたりは? 月野 あはは、ないですよ! けど、アニメの情報公開前で、まだメンバーにも知らせてないとき、「クソッ! しつけぇんだよこの野郎!!」みたいなセリフをボソボソと壁に向かって練習していたので、メンバーとか、通りすがりのスタッフさんは心配してましたね……。 ――「もあちゃんの精神状態が限界だ」って思いますね! 月野 後から「あのときは恐かった」「裏の顔を見てしまった」って言われました。 ――あはは! 月野さんもパパッ子とのことですが、ご両親はお仕事を応援してくれてますか? 月野 芸能をやる前は「先生になった方がいいよ」って言われてたんですけど、今は「一生懸命頑張ってるから」って、すごく応援してくれてます。 ――先生になるはずだったかわいい娘が、いつの間にか仮面をつけて踊り狂ってるってどういう心境なんだろう! 月野 びっくりですよね(笑)! 今はお休みしてるんですけど、週末はLINEライブで3時間ライブを生配信してたんです。それも毎週観てくれてたみたいで、口数少ないお父さんなんですけど、たまに話すとけっこうなんでも知ってるんです。もう実家から出られないですね(笑)。
IMG_9822
――ご実家は埼玉でしたっけ。都心に通うにはちょっと遠いですよね。 月野 家の周りは畑と工場なので、ギリギリ通えるけど、やっぱり遠いです。家にもあんまりいられないですし。 ――とはいえ、都心で一人暮らしするにもお金がかかりますよねぇ。そこでなんですが、仮面女子のお給金はどうなってるんでしょうか? 月給制? 歩合制? 月野 歩合制です。 ――お~!! じゃあ、メディア露出の増えた今はガッポガッポじゃないですか? 月野 実は、声優とかの外部のお仕事は、歩合には全く関係ないんですよ。歩合制なのはチケットバックなんです。ファンの方が来てくれたチケットが、コインに変わって投票されていくんです。そのコインがお給料になるんです。 ――ええーっ!! でも、声優業も頑張ってるんだから、そっちも歩合に組み込んで欲しいと思いませんか? 月野 でも、ファンの方の投票によってメンバー各々に振られる外部のお仕事が決まったりするので……。 ――なるほど~。投票コインで応援すればしただけお給料もメディア露出も増えそうで、ファンとしても応援しがいがありそうですね。 月野 そうですね、コインは直接ちゃんと届いてますから! あとは、チャットっていうのもあって、有料のチャットをお家から配信すると、そのポイントもバックで入ってくるので、私たちのお給料の構成は、チケットバックとチャットです! ――仮面女子って「最強の地下アイドル」って言われていて、もう全然地下じゃないだろうと思ってたんですけど、今の話で断然地下っぽくなってきました! 月野 地下アイドル頑張ってます(笑)。 ――そのチケットやポイントの売り上げは、成績表みたいに貼り出されたりするんですか? 月野 毎週ですよ……。投票コインはランキングとして1位からビリまで出るので……。 ――うわぁ、こわい!! 月野さんは良いランクをキープしてますけど、そうなると落ちるのが恐いですよね……。声優業や外部の仕事が増える分、ライブでファンと直接交流を持つ機会は減るじゃないですか。それでファンが「会えなくなるなら売れなくて良い」みたいな思考になって、ランキングが落ちたりするんじゃ? 月野 お仕事の都合でライブ出演が減ると「この日にしか会えない!」って、その日に集まってくれたり、支えられながらやらせてもらっています……。 ――良いファンがたくさんいるんですねぇ。そういえば、月野さん女優業も好調そうですね。先日は仮面女子映画の第7弾で宍戸留美さんともご一緒してましたが、どんな役だったんですか? 月野 『サマータイムエンジェル』っていう作品で、私は“カラテフラッシュ”っていうヒーローで、登場シーンは跳び蹴りから……(笑)。 ――かっこいい! 空手やってて良かったですねぇ! 月野 好奇心旺盛なので、いろんなことをやってて良かったです。 でも全部まだまだなので、もうちょっと飛び抜けられるように磨いていかなきゃ! ――果てしない努力家! それでは、最後に、仮面女子としての今後の目標はありますか? 月野 仮面女子としての目標は、『紅白歌合戦』に地下アイドルとして出ること! そして国民的地下アイドルになることです! 地下アイドルって、今すっごくたくさんいるので、私たちが地下アイドルの憧れになって「地下アイドルでもここまで行けるんだ」っていう模範になりたいんです。 ――ではでは、個人としての目標は? 月野 声優として売れたいです! もちろん、仮面女子もずっと続けて行きたいんですけど、“声優・月野もあ”として知ってもらえるように頑張っていきたいです。今放送中のアニメ『TO BE HERO』も観てもらいたいし、作品の中で成長していく月野もあも観てもらいです。ギャグ満載で、大人も子どもも笑える作品なので、ぜひぜひ! ――仮面女子としても声優としても、今後がさらに楽しみです! 本日はどうもありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●つきの・もあ 1994年、埼玉県生まれ。仮面女子、アーマーガールズ、Prismメンバー。声優としてテレビアニメ『TO BE HERO』(ミン役)出演中。女優として『満腹探偵クウコ』主演。 趣味・特技/ベース(EDWARDS月野もあオリジナルモデルベース制作)、空手(逆真空手初段)、フルート(吹奏楽)、日本語教師有資格者、コスプレ、グルメ 1月3日(火)仮面女子NEWシングル「仮面大陸(ペルソニア)」リリース 月野もあTwitter moa__tsukino ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 最新情報
東京幻想曲集 発売中! amazon_associate_logo.jpg
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido 12月18日、13時~ 宍戸留美、ヴィレッジヴァンガード名古屋パルコ店にてデビュー25周年記念作品の発売を記念したインストアイベント開催決定! http://ukproject.com/column/2016/12/12197/ 同日、17時半~ 名古屋、猫に窓ガラスにてワンマンライブ開催!! ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「アニメ界のチアガールになりたい!」【サラ・ネルキン】来日4年目の“やりたいこと多すぎ”状態

IMG_8803
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の43回目! 今回はアニメ業界で働きながら声優を目指して邁進中の金髪美少女、サラ・ネルキンさんが来てくれました! ――初めまして! サラさんは普段は取材する側が多いんですか? サラ そうですね、大学2年生のときからずっとアニメ業界の記者をしていますので、取材はされるよりもする方が多いです。以前は「Anime News Network」というサイトでパートタイム記者を務めて、今は情報サイト「ANIME NOW!」のスタッフライターとして活動しています。 ――想像以上の日本語の流暢さに驚きが隠せません。さらに現在は正社員ですよね、立派すぎます! 大学から日本にいらしたんですか? サラ 大学1年生のときはハワイにいました。ハワイの大学で日本語を勉強しましたが、ずっと独学で勉強していたので、ちょっと自慢に聞こえちゃうかもしれないんですけど、大学4年生のクラスに入っても私にはちょっと簡単すぎてしまって……もっと日本の近くに行きたくて、「じゃあ、引っ越そう!」って、日本の大学に転校しました(笑)。それで、日本は4年目です。 ――すごい行動力! では、ご出身のニューオリンズからハワイに行って、それから日本ですね。 サラ えっと……悲しいことに、2005年にハリケーン「カトリーナ」というものがありまして、私が育ったニューオリンズの町も、家も、大きな被害にあって、マサチューセッツに引っ越したんです。なので、マサチューセッツで中学と高校に通って、卒業してからハワイ、それから日本ですね。 ――なるほど、恐い思いをされましたね……! サラ はい……。でも、アニメにハマり始めたのは、マサチューセッツに引っ越したときでした。あのときは悲しくて、完全に笑顔をしなくなっていたので……。そんなときにアニメのおかげで笑顔を取り戻せたと思います。そこから日本語を覚え始めて、今の私がいます。 ――では、日本に興味を持ったきっかけはアニメだったんですね! サラ そうですね! 幼い頃、兄に「面白い番組が放送されてるぞ!」って言われて見はじめたのが『ポケットモンスター』だったんです。そのあと『セーラームーン』も大好きになりました! その頃は、まだそれが日本のアニメってこともわからずに楽しんでいたんですけど、あるとき、親戚から『愛天使伝説ウェディングピーチ』のDVDをもらったんです。あの時までは英語で吹き替えられたアニメを見ていたんですけど、私の見た「ウェディングピーチ」は日本語のセリフに英語の字幕がついている状態だったので、初めて「日本のアニメなんだ!」って認識できました。それに、日本の声優さんの演技力の高さに感動してしまって!「これからはこっちで聞きたい!」って、どんどん日本のアニメにハマッていったんです。 ――アメリカでは、声優という仕事はどういう立ち位置なんですか? サラ アメリカでは、あんまり声優はメジャーな職業ではないんです。アニメに出演しているほとんどの役者は主に舞台やテレビの出演の方がメインですね。それもあって、「じゃあ、私は英語の吹き替えをやろうかな」と思ったんです。その後に日本語を勉強して、「私も日本の声優さんみたいになりたいなぁ。……人生は一度しかないんだから、なろう!!」って(笑)。 ――見事な決断力です! サラ もともと、幼い頃から演技が大好きだったんですよ。幼稚園の先生から「この子、ドラマティックすぎるのよ」って言われてたくらい(笑)。あと、モノマネ上手な兄に憧れていたのもありますね。私も真似してみて、声を操ることが好きになったんです。それで日本の大学に入ってからはオーディションに行ったり、モデルとして働いたり、テレビに出たりもしましたね。外国人がアニソンを歌うクイズ番組とか、アニメの声優になるための番組『スパルタンMX』(2013~TOKYO MX)等に出演させていただいて……。
IMG_8802
――これまでに声優のお仕事はされましたか? サラ ネットアニメの英語吹き替えに出演させていただいた経験もありますが、大学のとき、一度だけPS Vitaのゲームの声優オーディションに受かって、すごくうれしかったんですけど、プロジェクトが消えてしまって、本格的なデビューが逃げてしまいましたねぇ……。 ――残念でしたね……。大学と言えば、大学を卒業するタイミングで、だいたいの夢追い人は夢と現実(就職)の狭間で揺れると思うんですが、サラさんの場合はビザの関係もあるし、帰国っていう選択肢も出てきてしまいますね。 サラ そうですね、悩みましたねぇ。アメリカに帰るか、日本に残るために英語の教師になって、なんとなく過ごしながらアニメのオーディションを探して頑張るか……。でも、アニメ業界からはどうしても出たくなかったんです。なので、私に残された選択肢はひとつでした。“アニメ業界の仕事を探すこと”です。それで就職活動をして、たどり着いたのは成人男性向けゲームの会社だったんですよ(照)。 ――おお~!! そうなんですね!? サラ そうなんです、アハハ! 勤めていた会社はアニメ化された作品もある会社で、いろんな作品の翻訳をさせていただきました。アニメ業界の人たちと会える機会もたくさんいただいて、充実した日々でした。でも、「もっと他に何かあるんじゃないかな?」と思っていたときに、今の職場から声をかけていただいて、今は大好きなアニメのライターをしながら声優の勉強中です! ――良いご縁があってよかった! 「声優事務所に入ろう」とかじゃなくて、ちゃんと就職しているのが、とてつもなく偉いです! サラ ビザの問題もありましたしね。でも、声優の学校にはどうしても通いたかったから、声優学校の試験は受けたんです。とある声優学校の面接に行ったこともあるのですが、審査員の人はけっこう厳しくて…確かに緊張してミスもしたのですが、「お前は日本人より漢字を読まないといけない」って言われて、悔しくて……。家に帰って涙を流して「今に見てろ!」って自分に言い続け、それ以来毎日毎日、もっと早く読めるように台本の練習をしています。 ――アニメライターの仕事をしながら、毎日練習を!? サラ はい。他には、もっと大きな声で演技ができるようにボイストレーニングと、歌と、発音のチェックと……どんなに時間がたっても完璧にはならないんですけど、できるだけ頑張りたいです! ――ひええ、頭が下がります……! しかしながら、アニメの記事を書くためには、まずそのアニメを見続けないといけないから、ものすごく時間がかかりますよね。さすがに嫌になりませんか? サラ ちょっと疲れますよね(笑)。でも、以前はただストーリーを楽しんでいただけのアニメも、今は「この人はこう表現してる! 私もコレをしてみたい!」とか、演技の勉強にもなりますので、やっぱり楽しいですよ。 ――偉すぎて絶句! 毎日アニメを何本も見ては記事を書き、インタビューをして自分の勉強をしてボイストレーニングして……眠る時間は足りてますか? サラ ないない(笑)。あと料理とかワンちゃんのお世話とかで、忙しいですね! でも、アニメ業界を応援したい気持ちでいっぱいなので、それでなんとか頑張って生きてます! ――た、倒れないでくださいね!!  サラ 頑張ります……! ――ではでは、やはり英語よりも日本語で声優をしたいですか? サラ 希望としては日本語も英語もやりたいですね。やりたい役は外国人キャラクターとか、ハーフのキャラクターとか……具体的に「アイドルマスターシンデレラガールズ」のケイトみたいな役がやりたいですね。そういう感じの役をいつか上手く演じられるように、毎日ボイストレーニング頑張っています。(笑) ――狙い撃ちしましょう! 外国人役と言えば、よく、日本人が「それはないだろ!!」っていうなまり方で演じてますよね。 サラ やはり外国人が演じることでその作品にはメリットもあると思いますし、日本人にしかできない役もあると思います……私が声優になって、業界をもっとカラフルな所にしたいと思っています。 ――変えていきましょう! あと、声優に限らず、けっこうちゃんとした会社の大がかりなアニメでも、平気で英語のスペルが間違ってたりもしますね。 サラ 翻訳家としてもやはり気になりますよね。ゲーム会社で働いてたときも、英語が間違っていると、すごくしつこく「ここ間違ってますよ!! 今すぐ直しましょう!!!」ってやっていました(笑)。
IMG_8804
――サラさんは翻訳の仕事も上手そうですねぇ。翻訳を始めたきっかけはありますか? サラ 翻訳をはじめたのは高校のときで、実は宍戸留美さんがきっかけだったんですよ(照)。宍戸さんが歌った『WHITE ALBUM』の歌が大好きでいつも歌っていて「これはローマ字も欲しい」と思って、日本語の先生に質問しながら翻訳したんです! だから今日はとっっっても感謝しています! 昔から宍戸さんのTwitterもフォローしていますし、『おジャ魔女どれみ』も『ご近所物語』も『金色のガッシュベル!!』も『デジモン』も『プリティーリズム』も、テレビに出ているときも……とにかく大好きでずっと見て、『おジャ魔女~』はライブハウスのイベントにも通っていたので、ご一緒できるなんて最高に幸せです!! ――サラさん、思ったよりもガチファン!! ちなみに、サラさんのご家族は、今の活動を応援してくれていますか? サラ えーーーーと、うーん、どうだろう(笑)。ライターとしての仕事は応援してくれますし、役者としても、応援はしてくれています。けど、「それだけじゃ生きていけないでしょう?」とは言われますね、何回も……。 ――お母さん、ごもっとも。 サラ それでも、やりたいんです! アニメ業界で仕事をしながら声の演技がしたいですね。なので、今のアニメ業界の仕事を続けながら、いろんな人に会う機会をいただいて、みんなに「応援してるよ!」って伝えたいです。人に幸せをあげるのが大好きなので。 ――何それすごい。 サラ 私すっっっごいTwitterをしてるんですけど、ものすごいリプライ好きなんですね。人を応援することが大好きだし、人の成功でうれしくなるんです。だから、尊敬している声優さんやクリエイターさんには「心の底から応援してます」って気持ちを伝えたくてリプライしちゃいます。私はTwitterでちょっとした言葉をもらうだけでうれしくなるので、私が憧れてる人にも気持ちを伝えたいんです! ――ほんとだ! サラさんのタイムライン、リプライだらけ! マメですねぇ~。 サラ そうやって実際に友達になっていただけた声優さんやクリエイターさんもいますし、業界のパーティーで偶然会っても「あ! お前は!!」って気付いてくださったことも数回あるので、これからもいろんな人と繋がりたいです。Twitterに限らず、記事を書いて皆さんのこと世界に紹介できるのもうれしいことですね。 ――アニメ業界のチアガールですね! サラ チアガールです(笑)! 完全にそうですね! ――ちなみに、将来的には、ずっと日本で活動されるんでしょうか? それともアメリカに……? サラ 帰らない(きっぱり)。母からは「帰ってきて」と言われるのですが、アメリカのアニメ業界で働いても私が憧れる人には会えないし、何よりも直接この業界を支える存在になりたいと思っています。 ――でも、数が多すぎませんか? サラ 確かにたくさんの声優がいて、楽しくて、そして厳しい世界だなと思います。昔作品に出演していた声優さんを「最近何してるかな」ってチェックしてみると、すでに引退されていたり、別な道に進んでいらっしゃったり。ちょっと寂しいですね。でも、アニメ業界で直接働けるところって東京くらいしかないですね。だから私はここにずっといたいです。私は日本が好きですし、本当に! ――ここはいっそ日本人と結婚して永住権をもらうって手もありますよ! サラ きゃあ(ハート)! 私はホントに良くも悪くも乙女なので、夢は理想の王子さまに出会って結婚することです……!(笑)
IMG_8801
――ではでは、好みの男性像を教えてください。 サラ 私は理想が高いんですよ~~~。いつも言ってるのは、「岡本信彦さんに会いたいなぁ」って(照)! もちろん冗談で言ってますけど……役者として非常に尊敬しています。 ――ちなみに、どこが好きなんですか? サラ 2009年に初めて『スレイヤーズ』の演技を聞いて、泣くほど感動したんです。 ――『スレイヤーズ』に岡本さん出てましたっけ? サラ アベル=ランザードっていう役で確かほんの1~2話しか登場しないんですけど、なぜだろう? 少ない話数でも存在感あってホントに感動したんです! それからずっと追いかけて……ストーカーって意味じゃないですよ(汗)! 理想として「私もこういう演技がしたいな」って追いかけさせてもらってます。憧れの役者です。あと、河西健吾さんも! 彼は10年も頑張ってやっとアニメの主役を掴んだんです。本当にすごいと思います! 心の底からその努力と演技力を尊敬しています。彼が頑張っていると私も頑張れるような気がします。他に尊敬している声優といえば、新井里美さん、根谷美智子さん、半場友恵さん、そしてもちろん宍戸留美さんですね。やはり私はお姉さん系の強い声と演技に憧れていますね。 ――王子さまも岡本さまも川西さまも、ご連絡お待ちしてます! ではでは、今後とも、日本をエンジョイしながら夢を掴んでください! 今日はどうもありがとうございました! サラ ありがとうございます!! 今のライターの仕事も大好きで感謝はしていますし、演技もこれからもしていきたいと思います!頑張っていきますので、よろしくお願いします!Thank you!(取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●サラ・ネルキン (Sarah Nelkin) 生年月日:1992年11月25日 出身地:アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズ市 出演歴 2014年2月 スパルタンMX 2014年3月 ミッドナイト感謝祭!もってけダービー’14春:アニメ好き外国人対抗!アニソンイントロダービー 2015年9月 舘ひろし&上田晋也の日本魂届けます 2015年11月 アミューズ企画ゲーム実況チャネル「Studio Lolly」 海外向けアニメ情報サイト「ANIME NOW!」にてライターとしても活動中! Twitter: @S_Nelkin ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 最新情報
東京幻想曲集 発売中! amazon_associate_logo.jpg
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! ■11/21(月) 「ひとりひとりにサリュー!vol.10~誕生日とクリスマスの間、世界編」 出演:宍戸留美 ゲスト:ナタリー、レイラ レイン、他 時間:開場 18時半/開演 19時 料金:前売り\3,500(1D別)/当日\4,000(1D別) 予約詳細: http://rumi-shishido.com ■11/26(土) タワーレコード難波店、5階イベントスペースにて18時~『東京幻想曲集』&『東京幻想写真集』のインストアライブ&特典お渡し会 ■11/27(日) 「ルンルン&純菜姫ツーマンライブ大阪~秋冬コレクション~」南堀江ビレボア 12時~ 特別ゲスト:中川雅子 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「私のことよりギンギン♂ガールズを……!」【石毛佐和】芸歴16年目の不思議な顕示欲

IMG_8286
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の42回目! 今回は『おジャ魔女どれみ』の春風ぽっぷ役、『魔法先生ネギま!』の早乙女ハルナ役でお馴染み、声優の石毛佐和さんが来てくれました! ――はじめまして! 石毛さんは現在はフリーランスですが、1998年に劇団若草からデビューされたんですよね。もともとは演劇の方だったんでしょうか。 石毛 実はその前にもう一つございまして、少しだけサンミュージックにいたんですよ。 ――超いい事務所じゃないですか! 石毛 高校生の時、「月刊デ☆ビュー」に、無料で養成してくれる特別オーディションが載ってたんです。それに応募して、サンミュージックの声優志望第1期生に受かったんです。 ――順調なスタート! じゃあ、石毛さんは高校生の時にはもう声優志望だったんですね。 石毛 というか、私、小さい時から“声”でしか褒められたことがなかったんですよ。教科書の音読とか、放課後に流れる「お家へ帰りましょう」っていうアナウンスとか、発表会の司会とか……。それから少しずつ声のお仕事に興味を持つようになったんですけど、「月刊デ☆ビュー」を見たら、もう深く考えずに応募しちゃってた(笑)。 ――なるほど~。でも、サンミュージックはすぐに辞めちゃったんですよね。何かあったんですか? 石毛 なんて言ったらいいんでしょう……想像以上に弱肉強食社会だったんですよ。今考えると、この業界では当たり前のレベルなんですが、初めてのことに戸惑いが大きかったのかもしれません。 ――弱肉の方だったんですね。 石毛 はい(笑)。私は今でも「みんなで仲良くすれば良いじゃない」って考え方なんですど、辞めたあと、次は心穏やかにお芝居の道を歩める場所を探したくて、いろいろと観に行ったんです。その中で、児童劇団の劇団若草は、子どもたちもみんな楽しそうにお芝居をしているし、先生方も「一番大切なのは“心”だよ」みたいな教え方なんですよ。「あ、ここがいいな」ってオーディションを受けたんです。 ――でも、『おジャ魔女どれみ』に出演するのはその翌年ですよね。 石毛 そうです。だから、私は養成所経験がないまま声優のお仕事を始めたんです。それで後から苦労するんですけどね(笑)。 ――劇団にいて、声優の仕事はどういう流れで決まったんですか? 石毛 若草に入って半年くらいでオーディションの話をいただきました。『おジャ魔女』って、たぶん何回かオーディションしてるんですよ。私が呼ばれたのは、2回目か3回目のオーディションかな。 ――1回目で適役が見つからなかったのかな。でも、そういう事情は声優さん側にも伝わるものなんですか? 石毛 いやいや、普通はオーディションの詳細は受ける本人には知らされないですよ。書類に「こういう人を出してください」っていうことが書いてあって、そこから事務所が人選するから。でも、若草は緩かったのか、「お前こんなん来たけど受ける?」って書類まで貰えてしまって。読んでみたら、うろ覚えなのでざっくりですが、「今回は正当派じゃなく、この役柄に合っていない子、普段主役を受ける機会があまりなくて事務所の隅で泣いている子、とにかくイメージと違うかな?って思う子を出してください」って書いてあったんですよ。 ――(爆笑)!! 石毛さん、事務所の隅で泣いてたんですか!? 石毛 泣いてない(笑)! 下駄箱で靴はいてる途中で渡されたから、本当にたまたま目に止まっただけだと思います。私がそこにいなかったら、事務所の人も、もう少し考えて人選したんじゃないかな(笑)。 ――良い感じに導かれてますね! 主人公に向かない子をよこせって言われてるから、若干癪ですが! 石毛 いやいや! そのときはすごくうれしかったですねぇ、声のお仕事も初めてだったので。 ――初めてやってみた声優の仕事はどうでしたか? 石毛 何もかもわからないことだらけだったので、『おジャ魔女どれみ』の現場だったから本当に良かったものの……って感じですよ。あの現場は、ある意味、異種格闘技戦だったんで。 ――何それ! 石毛 お笑いタレントさんがいたり、宝塚出身の方がいたり、特撮ヒーローがいたり、モデル、歌手、アイドル、そしてなんにも養成を受けてない劇団員(石毛佐和)もいるわけですよ。それぞれ経験ゼロの人が多かったので、一緒に学んでいけたんです。もしこれが一般的な現場だったら、何もかも追いつけなかったと思う。最初が『おジャ魔女』でよかったなぁ……(しみじみ)。
IMG_8291
――ちなみに、養成所に通わなかったことで、養成所出身の人との違いを感じることはありますか? 石毛 養成所を出たかどうかはあまり関係ないかもしれないですけど……私、自己プロデュース能力がまるでないんですよね。 ――……ん? どういうことですか? 石毛 養成所ってたくさん候補がいるなかで自分をアピールして選ばれなければならないし、その過程で「自分をこう見せたい」「こうありたい」って感情が芽生えやすい環境ではないかと、想像しています。私には、そういうのがまるでない。自己プロデュース能力がゼロなんですよ。それに、ごく最近気付いちゃって。 ――ちなみに、今芸歴は……? 石毛 えーと、16年目? ――逆にすごいことですね。フリーランスって自己プロデュースが命みたいなところもあるのに! 石毛 16年目でついに気付いちゃったんですよねぇ。身近に宍戸留美さんみたいな、自己プロデュースの塊のお手本もいたのに、まったく気付かなかった。ただただ無我夢中に、お芝居とだけ向き合い続けてしまったのかも。あと、私、もともと自分に関心がなさ過ぎるんですよ。この年齢で、まだマスカラも買ったことないし、そもそもメイクすら滅多にしないし、この服も3年前の……。 ――そういえば、今日もすっぴんでいらしてましたね。 石毛 そうそう。前、何かのオーディションの時に宍戸さんと一緒になって、「佐和ちゃんノーメイクで来たの? かっこいい」って言われて、そのときハッとしたんですよね。普通は少しでも良く見られるために綺麗にしてくるよなぁって。なんか意識が低いんですよねぇ、私。 ――じゃあ、もちろんネイルアートとかは? 石毛 ないです(キッパリ)。自分でネイル塗ったことない。あ、プロの方にお願いしたことはあります!でもたぶん2回だけ……。 ――すね毛とか腕毛は剃ってますか? 石毛 剃らないです(さっぱり)。生まれながらの状態です。 ――うそ!? あ、でもなんか……生えてない! なんで!? つるつる!! 石毛 自分に投資するとか、時間をかけるとか、ああしたいこうしたいっていう気持ちが、まったくないんですよ。今まで、価値基準の真ん中にあるものが“自分が喜ぶこと”じゃなくて“誰かが喜ぶこと”だったので。 ――何それ! 聖女なの!? 石毛 それはそれで良かったんですよ。悩みもないし、自分のことで深く考えることもなかった。でも、「あまりに自分をおろそかにしすぎたな」と思って……。最近は「私はどうしたいの?」って、意識的に考えるようにしています。だから、これからはもう少し「アレがやりたいコレがやりたい」「こういう髪型にしたい」っていうのを出していくから、楽しくなる気がしますよ。20代をやり直す感じです。マスカラも買う(笑)。 ――20代っていうか、中学生くらいのような気が……! ちなみに、悩みがなかったってことは、今までに進路で悩んだりはしなかったんですか? 石毛 まったく悩まなかった(キッパリ)。あ、ひとつ悩んだことと言えば、大学を中退するときかなぁ。芸術学部で絵を描いていたんですけど、このお仕事で食べて行けると思っちゃったんですよね(笑)。 ――サンミュージックだったら私も思っちゃいます……。 石毛 後悔しているので、もしかしたらまた通い直すかもしれないですね。これからは自分からわき上がる欲求を拾って行きたい! ――どんどんやっていきましょう! ところで、石毛さんは何度も事務所に入ったり辞めたりを繰り返してますよね。それはどうしてですか? 石毛 たぶん、私にとっては“事務所”より“人”が大事なんですよ。情が湧くっていうか。だから、マネジャーが辞めた時について行くとか、この人と出逢えたからここに行くってことが多いですね。 ――あんまり利益を目標としてないんですね。フリーでの活動と事務所での活動はどっちがやりやすいですか? 石毛 どっちでも不自由は感じてないんですけど、いかんせん自己プロデュース能力がないので……。 ――自己プロデュース能力がないと、自己アピールするのも難しいから、売り込みとかができなそうです。 石毛 そうなんですよねぇ。だから本当はフリーは向いてないんだろうなぁ(笑)。 ――事務所にいた方がプロデュースしてもらえるから楽なのでは? 石毛 どうでしょう? 一概には言えませんが、声優事務所ってそこまで「君をああしよう、こうしよう」ってしてくれるケースって稀じゃないかなぁと。むしろ、自分でデモテープを作って、マネジャーに「こういうのが出来ます!」「これをやらせてください!」ってご提案する場合も多いし。……でも、私は「絶対にここに行きたい!」っていう目標もないんですよね。私と周りの人が快適に過ごせることが目標なんです。それでオッケーなんです。
IMG_8284
――無欲ですねぇ! 石毛さん、アピールどころか平気で何カ月もブログ放置しますもんね……。 石毛 あはは! 自分から発信することにぜんぜん興味がないんですよ(笑)! 発信したいことがないし、「私を見て!」ってところがないので(笑)。更新を待っていてくださる皆さまには本当に申し訳ないのですが…。 ――珍しいですよね、芸能界って「私を見て! さぁ愛して!」って、自己顕示欲が強い人が多いのに! 石毛 そうなんですよねぇ。だからもし声優養成所の先生のご依頼を受けても、そういった面については何にもお伝えすることが出来ないと思う。 ――ちなみに、今は、声優の仕事が落ち着いているときは何をされているんですか? 石毛 あ、実はちょっと前からアパレルの仕事をしてるんですよ。自分がやりたいことを考えたときに、「他のお仕事もしたい」っていうのがあって。でも、2日くらいしか出勤してない月もあるから、やってるって言えるのかわからないですけど(笑)。 ――幽霊店員ですね。でも楽しそう! 石毛 はい! 私、今までずっと芸能界しか知らなかったんです。だから、一般の女の子と接することがすごく刺激になっていて。大学生も多いので就職活動のことや、どんなことで悩んで、どんなふうに日々をすごしているのか…とか、何気ない日常のお話を聞くのがとても新鮮で、良い経験になってます。 ――良いですね! 芸能のお仕事では、定期的にライブ活動もされてますよね。先日はライブでアイドルの曲も歌われたそうですが、どんな曲を? AKB? ハロプロ? それとも昔の? 石毛 ギンギン♂ガールズっていうセクシーアイドルのユニットの曲なんですけど……。 ――ん? 誰です? 石毛 ギンギン♂ガールズ(注釈:アダルト放送局「ぬきMIX」から誕生したアイドルユニットで、メンバーはギンギン♂シルバーの美泉咲と、ギンギン♂ゴールドの真木今日子)アツいですよ! ――ギンギン♂ガールズ!? 石毛 とても仲良くさせていただいている友人の吉永あずきさんがプロデュースしていて、尚且つ私の自主制作CDの楽曲をたくさん作ってくださっている松本タカヒロさんが作曲と編曲を担当されていているんです!本当に良いんですよ~!! イベントにもお邪魔させていただいてるんですけど、おもしろいんですよ~!!  ――ちょっと待って、今までないがしろにされていた石毛さんの欲望が暴走してる! 危なくないんですか!? 石毛 大丈夫! みんな紳士なんですよ! 良い方ばかり! ギンギン♂ガールズのライブには女性も来たりしますしね! 皆さん、是非検索してください! ギンギン♂ガールズ! ギンギン♂ガールズですよ! あ、ちょっとコレにギンギン♂ガールズも出してくださいよ、私の一押しアイドルとして、ちょっと、ねぇ、出してほしいです、ギンギン……。 ――自分のことは全部サラッと話すのにギンギン♂ガールズの売り込みには俄然がっつきますね! えっと、ブログを見ると石毛さんは普段から色んなジャンルのライブに行かれてますし、いっそご自分で何かをプロデュースしてみようと思ったことは? 石毛 漠然と「こういうのがやりたいなぁ」とは考えてますね。まだ開拓されていない、あのジャンルの男性ユニットとか。やっていないけど、誰かが必要としてることを見つけたいんです。 ――超切望!! この石毛さんの謎の暴走は応援せざるを得ません!! では、とりあえず今後やりたいことは、えーと、大学とアパレル店員と、プロデューサーですかね。あれ? これ声優業とあんまり関係ないですけど大丈夫ですか? 石毛 楽しいなぁと思うことはなんでも良いんですよ~! 自己プロデュースも、宍戸さんをお手本にして頑張ります! ――楽しみです! 何か告知するものはありますか? 石毛 あ! ギンギン♂ガールズが定期公演をしているので、それをですね、是非皆さん、良い曲が揃ってますのでね、ギンギン♂ガールズの方をね、えーと、ギンギンちゃんをお願いいたします。実は今日CDいっぱい持ってきてるんで、よろしくお願いします、ホントに。えーと、コレとコレ、良かったらどうぞ、はい。 ――えっ自分のCDじゃなくギンギンの!? きょ、今日はどうもありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) (※インタビュー後、ギンギン♂ガールズとマシュマロ3d+を流しながらノリノリの撮影となりました。)
IMsadG_8290.jpg
●いしげ・さわ 声優。東日本大震災チャリティー企画「Continue」のイベント等でオリジナルCDやグッズを販売中。 http://continue.ishigesawa.com/ ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
詳細は下記リンクまで。 公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ 最新情報 「東京幻想曲集」とカメラマン増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 10/14(金)19時~ 「東京幻想曲集発売記念ライブ~仙台編~」 場所:Cafe de Lucille(仙台) 前売り¥3,000/当日3,500(1D別) 10/15(土)ヴィレッジヴァンガード仙台ロフト店 15時~ サイン会&撮影会 ・キャンバスアート「フルムーン幻想夜曲」馬越嘉彦/宍戸留美(3,240円)発売中 11/5(土)14時~ 世田谷区民会館 司会をします。 出演:松崎ナオ、浜崎貴司、白井貴子、三宅伸治 11/26(土)難波周辺CDショップインストアイベント 詳細近日発表 【RunJun情報】 ◼︎11/27(日)南堀江ビレボア 12時〜 ゲスト:中川雅子 前売 4,000円(1D別) 予約: http://idolshot.com/tk/20161127.html ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「ずっと、がむしゃらな生き物だった」【並木のり子】“にゃんたぶぅ”との出会いが、すべてを変えた

IMG_7670
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の41回目! 今回は『テニスの王子様』芝砂織や『ハンター×ハンター』マチ、またエコうたユニット“にゃんたぶぅ”リーダーのんたんとしても活躍中の並木のり子さんが来てくれました! ――デビューした作品のことは今でも覚えていますか? 並木 もちろん覚えていますよ! 『ドラゴンリーグ』(1993年)っていう、サッカーと恐竜ブームが来たときにできたアニメでした。恐竜と動物と人間が一緒にサッカーをするんですけど、私はネズミンっていうネズミの男の子役でデビューでした。けど、すぐに恐竜の三兄弟のイグ・アノ・ドンのアノ役、それからその後に出てきたマリアナ姫の役もやることになって……。 ――えっ、一つの作品でそんなに? ちょっと多すぎませんか? 並木 最初から声を大幅に変えて、いろんな役をやることが多かったんです。 ――デビュー作から大活躍ですね! かなり喉を酷使されませんか? 並木 しますねぇ~。『超ぽじてぃぶ!ファイターズ』(2004年)っていう日本ハムファイターズの応援アニメをやったときは、野球のチーム9人中8人演じてました。1人だけしゃべらないキャラで、あとの8人は全員! あのときはずっと叫んでいたので、喉もカスッカスになってしまって、行きつけのお医者さんに「どうにかして~!」って泣きついたりしてましたよ(笑)。 ――声優さんって、通常は一作品でそんなに何役もやらないですよね?? 並木 たぶん、そのときの監督や脚本の方に「並木のり子にそういうのをやらせる」っていうのが流行っちゃったみたい……(笑)。その後の『RAGNAROK THE ANIMATION』(2004年)っていう韓国のオンラインゲームのアニメ化でも、カプラサービスっていう6人のキャラクターを全員私がやりました。あの時は幸せでした! ――素晴らしい声幅の広さ! やっていて混乱しませんか? 「あ、今はこの声じゃなかった!」みたいな……。 並木 それが、そう思ったことは一度もないんです。わりと頭の中で整理されるみたいで、ある意味ちょっとした特技なのかな? 大変ですけど、声を変えてたくさんのキャラクターを演じるのは大好きなんですよ。 ――なるほど~。ちなみに、並木さんは初めから声優志望だったんですか? 並木 もともとは聖子ちゃんが好きで、歌手になりたかったんです。でも、小学6年生のときに、『セクシーボイスでよかったら』(別冊フレンドKC/1984年/著者かやま ゆみ)っていう単行本を読んで、「声優さんってこういう感じでやってるんだ!!」って衝撃を受けたんです。それからずっと声優志望というか、「自分は声優になる」って決めてましたね。
IMG_7674
――入り口がアニメとかじゃなく漫画っていうのが珍しいですね。 並木 もちろんアニメも大好きなんですけど、大好きすぎて「声をやってる人がいる」って全く思ってなかったんですよね(笑)。だから、その後に『鎧伝サムライトルーパー』(1988年)っていうアニメが流行って、その声優さんたちが大ホールでコンサートをしているのをテレビで観たときは「すごい! 役もできて歌も歌えて素敵!! 絶対なるしかない!!」って。だから高校を卒業するとき、進学先は代々木アニメーション学院しか見つからなかった(笑)。 ――おお~! ご両親は反対されなかったですか? 並木 まず「東京に行く」っていうところからすでに反対で、父と母と私で、もう切々と話をして、泣きわめき……。高校の時に父と一緒に体験入学に行ったんですけど、父は「アニメを描く方の人になりたいんだろう」と思って連れてきてくれてたんです。「それなら、手に職だし、まぁいいか」と思っていたら、私に「声優になりたい」って言われたもんだから「え!? なんのこと!?」って。「新聞奨学生制度でもいいから行きたい」って説得を続けたら「じゃあ、大学まで行かせるつもりで行かせてやるか……でも寮だぞ」って。 ――代アニに寮があるんですか? 並木 いろんな学校の混合の寮が埼玉にあったんです。 ――……学校まで遠くないですか? 並木 そこしかもう空いてなかったんですよ! ――代々木アニメーション学院を卒業されて、すぐに声優事務所に入ったんですか? 並木 卒業して一番最初に受けたオーディションが声優の三ツ矢雄二さんが新しく立ち上げた劇団のフリーアトム(現:ミツヤプロジェクト)で、そこに所属して劇団員になったんです。最初からアニメのオーディションを受けさせてもらえたし、演劇もやらせてもらって、あてがきの台本で舞台を踏めたり……大変だった覚えしかないけど、今思えば本当に恵まれた状態でしたねぇ。三ツ矢さんは全員をちゃんと面倒みてくれて、何もかもが目から鱗の毎日でした。 ――勉強しながら仕事もできるし、なんてったって三ツ矢雄二だし、いろいろ豪華すぎますね……! 並木 豪華だし面白かったですよ。役とかも一発芸で決まるんですよ。
IMG_7671
――何それ! 並木 「ハイやって!」って言われたら「ハイ!」って何かできる人を育成してたのかな? 瞬発力を上げる、みたいな。そういうのはすごく勉強になりましたよ。一発芸もたくさん覚えたし(笑)。他にも数え切れないくらいの貴重な経験をさせてもらえたので今があるのかなぁ。 ――並木さんは現在は声優の講師もされてるんですよね。その頃の経験はかなり活きてそうです。 並木 そうですね、そのへんは三ツ矢さんに教わったことが、ものすごく活きています。だから、私は先生っていうよりは先輩って感じですね。あと、生徒さんの今の悩みを踏まえた上で、気持ちの整理をさせてあげながら相談に乗ったり。オーディションに受かるために「メイクとかどうしてるの? 衣装は?」とか、そういうアドバイスもしますよ。 ――すごい……! 先生+保健室のお姉さん……! 並木 そうですね。一方的に教えるんじゃなくて、いろいろディスカッションもできて、現場で会ったときに「頑張ったね! 今日は一緒にできるね!」って盛り上がれる関係になりたいです。 ――ファンの人は入学して来ないですか? ご結婚もされましたし、「俺の青春を返せ」みたいな……。 並木 そういうのは全然ないです(笑)! いい年だったから、みんな「良かったね!」って思ってくれてるんじゃないかな(笑)。 ――なら良かったです! 話を戻しますが、その三ツ矢さんの事務所には何年くらい在籍してたんですか? 並木 5年ですね。その後も5年間は他のところに所属して、それからずっとフリーです。 ――フリーになってみて、環境や心情はどう変わりましたか? 並木 目が覚めたって感じ。今までずっと事務所に守られてたので、やっと地に足がついて「仕事ってこういう風にやるんだ!」っていういろんな仕組みがわかりましたね。事務所にいたときは自分で売り込みもしたことなかったし、オーディションも待つだけだったし。だから、フリーになって、やっと“並木のり子”っていう名前を背負って自分の足で歩き始めた感じ。そうしたら「今度は自分で何かを発信しなければ!」と思うようになって、アコースティックやアイドル系のライブを毎月勉強させてもらって、経験値が上がったらオリジナルを作ってもらったり、自分で歌詞を書いたり、朗読会をしたり、バンドをやってみたり……。
IMG_7675
――おお~! お仕事の幅がすごく広がりましたね! 並木 もう、20代の終わりから30代は「やらなきゃいけない」って思いと「今やれること」が、ブワワワ~~ッと目まぐるしかったです。毎日が楽しくて、食べるのもとりあえず、眠るのもとりあえずって感じ(笑)。出会った人と何ができるかをいつも考えていたし、経験値が上がっていくのが楽しくて! 何も用意されていないってすごいことだなぁって、毎日がびっくりの連続です。アニメのキャラクターも、昔は可愛らしい役が多かったんですけど、「こんな役もやってみたい」って言ったら応えてもらえたり、お母さん役が増えたり……そんな中で“にゃんたぶぅ”に出会ったんです。 ――“にゃんたぶぅ”! 並木さんがリーダーをやっている歌のユニットですね。どうやって始まったんですか? 並木 『おかあさんといっしょ』のカバーアルバムで歌のお姉さんをしたとき、歌のお兄さんとして来たのが“にゃんたぶぅ”のたくまん、和田琢磨さんだったんです。彼は歌手をしている方なんですけど、たまたま同い年で……あ、一応、私は“にゃんたぶぅ”では名前はのんたんで、年齢も16歳っていうゆるキャラ設定があるんですけど(笑)。 ――たくまんこと和田さんはご一緒した際、「えっ!? 並木のり子じゃん!!」ってならないんですか? 並木 まさにそんな感じで言われましたね、「並木のり子って、あの並木のり子さんですか!? 声優さんなのに、こんなに歌えるんですね!!」って(笑)。それから、彼はエコの活動をずっと個人でやっていたので、「じゃあ、大人になって自然にできるように、子どもに向けてそういうメッセージを伝えようか」って。そこに俳優の森田桂介さんがもりちぃとして加わって、埼玉のイオンのステージから本格始動したんです。 ――活動としては、やはりエコを伝えているんですか? 並木 そうですね、エコをわかりやすく歌ったりお話したりするグループで始まったんですけど、お祭りのステージや保育園なんかは地域に根付いているから、「いっそ地域の大使とかになった方がいろいろと幅広くできるんじゃない?」という助言をいただいて、まずたくまんの地元の埼玉県の県知事から“勝手に埼玉応援隊”っていう役目をいただいて。そのあと私が並木のり子の名義で地元の長野県松川町から環境大使をいただいて、すぐに“にゃんたぶぅ”名義でも広報大使をいただきました。 ――寮があった埼玉県から! ご縁がありますね~! 並木 そうなんです。埼玉はすごく良いところなのに、県民愛は最下位なんですよ……。 ――あ~、バカにされがちですしね、埼玉……。 並木 都心に近い分、東京に働きに行って帰ってくる人が多いみたいなんですよね。だから、もっと「埼玉にもこんなに良いとこあるじゃん!」っていうのを率先して発信してくれる人が欲しいってことで、公式だけど“勝手に”がついてるんです。 ――なるほど~。 並木 そうこうしているうちに、たくまんの地元の蓮田市も、負けず劣らずやりましょうってことで、松川町と蓮田市がのんたんとたくまんをご縁に友好交流都市宣言、災害時相互応援協定を結ぶことになって。そしたら遠く離れたもりちぃの広島県の三原市もにゃんたぶぅをふるさと大使に任命してくれて……。 ――ちょっとちょっと! “にゃんたぶう”の影響力すごすぎません!? 並木 ぶっちゃけそれぞれは芸歴が長いので、活動を本気で頑張ってるのが通じたみたい(笑)! いろんなイベントに呼んでいただいて、地域も盛り上げつつ、エコも発信……ということで、一昨年くらいから、名前を『日本チャチャチャ! 地域活性化GENKI発信☆ECOうたユニット にゃんたぶぅ』にして、ちょっと長いんですけど……
IMG_7239
――ちょっとではない長さ! 並木 少しでも抜くと大事な何かが伝わらない気がして(笑)! ――あはは! “にゃんたぶぅ”はすごく性に合ってる感じですね。 並木 フリーで活動していると、常に「私は頑張っています!!」ってしていないと誰にも見てもらえないような強迫観念に苛まれるから、“にゃんたぶぅ”を始めて「そんなに頑張らなくていいから! のんたんは、子どもたちの可愛いアイドルなんだよ!」って、たくまんプロデューサーに呪文のように言われ続けて、「そっか……そうだよね……そうだよね……」ってなってきて。 ――洗脳! 並木 それで髪を伸ばすようにしたり、普段からピンクの服を着たりして、のんたんを体に染みこませて染みこませて、やっと楽になったんですよ。それまで女の子として生きるのをすっかり忘れてたんですよ。 ――ちなみに、その前まで何として生きてたんですか? 並木 なんだろう!? がむしゃらな生き物でしたね(笑)。常に変化してなきゃいけないと思っていて、バンドをしてるときも頭が刈り上がってたり、毎回髪型も色も変わっていたし、ロックスタイルの次にフェミニンとか、とっちらかった人になってました……。よく声優の現場に行って「のりちゃんって声優っぽくないよね」って言われていて、完全に何の人だかわからなかった……。 ――生き急いでたんですね! 並木 まさにそう! たぶんフリーになってからは「今死んでもいいように生きなきゃ!」って思ってやってたから、どっかで何かがおかしくなったんでしょうね。ハムスターが輪の中をカラカラカラカラ回ってるみたいでした。だから“にゃんたぶぅ”をやることで、「あ、生きてる感じがしてきた」って。 ――“にゃんたぶぅ”があって良かった! でも、男女入り交じってるとアレじゃないですか? うっかり恋が芽生えたりとか……。 並木 えっ? 私がまったく趣味じゃないので……ん? 2人も私のことをまったく趣味じゃないし……うん、好みじゃない。好みじゃないんです。きっと好みじゃないから……。 ――そんなに強調しなくてもいいですよ! 並木 変に誤解されたくないというか、本当に気持ち悪いくらい仲が良いんです。尊敬してるし、本当に出逢えてありがとうですよ。
IMG_7242
――声優業も歌の活動もお忙しそうですが、休みの日は何をしてるんですか? 並木 趣味も仕事も、全部やりたいことで生きてるので、休みの日も趣味と実益を兼ねることに使ってます。ネイルアートとかも、好きでやってはいるけど、この“にゃんたぶぅ”のカラー(ブルー・ピンク・イエロー)は抜きたくないし……。子どもたちに見られたときに、いつも「のんたん可愛い!」って思ってもらいたいから。 ――私は子どもに見られたくないことしかしてないです! 偉すぎ! そんな並木さんの今後の野望は? 並木 今“にゃんたぶぅ”でできてる仕事にプラスして、ソロの仕事も頑張っていきたいですね。もっと声優の並木のり子としてアニメにもバンバン出て行きたい! それに、“にゃんたぶぅ”は子ども向けの可愛らしいグループに見られがちなんですけれど、私は声優として、たくまんは歌手として、もりちぃは俳優として、それぞれ実力を持っていて、もっともっといろんなことができるんだよって分かって欲しい。目指せ全国区です!!!!!! ――全国区になったら、もっといろんな大使が増えそうですねぇ。 並木 許されるならいくらでも(笑)! 早く紅白も出たいです! ――応援してます! 今日はどうもありがとうございました!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●なみき・のりこ アニメ「赤ずきんチャチャ」(お鈴役)、「テニスの王子様」(芝砂織役)、「るろうに剣心」(すずめ役)、「ハンター×ハンター」(マチ役)、「ハマトラ」(美濃羽役)、「純情ロマンチカ」(相川絵理役)、ゲーム「ぷよぷよ」(ラフィーナ・リデル・おにおん役)など多数担当。 ゲーム、ナレーション、舞台、司会、CM 等でも活躍中。 声優業を中心に、音楽プロジェクトであるエコユニット「にゃんたぶぅ」のリーダー「のんたん」としても活躍中。 新感覚マルチバトルRPG「エルクロニカ」2016年夏サービス開始! 英雄を導く封印の監視者 エル役に決定! プロモーション動画でナレーションも担当。 http://elchronica.gesi.jp/ 2016年12月8日発売予定 25周年記念シリーズ最新作、ニンテンドー3DS用ソフト『ぷよぷよクロニクル』 ラフィーナ●リデル●おにおん役 並木のり子 ■『ぷよぷよクロニクル』公式サイト http://puyo.sega.jp/PuyopuyoChronicle/ ■youtubeゲーム紹介映像 https://www.youtube.com/watch?v=Ane80aylSjI ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
詳細は下記リンクまで。 公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ 最新情報 「東京幻想曲集」とカメラマン増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! ○25周年記念で立ち上げた宍戸留美応援プロジェクト、引き続き、プロモーション応援企画開催中!是非、ご一読下さい。 https://motion-gallery.net/projects/runrun25go ○「宍戸留美、25周年感謝祭〜私はここで生まれました〜」 日程:9/3(土) 会場:LIVLABO 会場:17時半/開演:18時 前売り¥3,500(D別)/当日¥4,000(D別) http://livlabo.wixsite.com/livlabo/93- ○ 9/4(日)13時〜博多でパネル抽選会&お渡し会イベント開催!(8/3から「東京幻想写真集」HMV&BOOKS TOKYOとHAKATAにて、パネル展開催中!) http://ukproject.com/column/2016/07/11358/ ○「ひとりひとりにサリュー!vol.9〜声優編」 日程:9/12(月) 会場:風知空知 開場:18時半/開演:19時 ゲスト:並木のり子 前売り¥4,000(1D別)/当日¥4,500(1D別) http://fu-chi-ku-chi.jp/ ○【GENKI!? Vol.89 森下純菜生誕記念超々々スペシャル】 日程:9/18(日) 会場:渋谷テイクオフセブン 開場:11時半 /開演:11時50分 出演:宍戸留美・森下純菜・中川雅子 前売り ¥3,500(D別)/ ¥4,000(D別) http://kox-radio.jp/takeoff7/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「フワフワフワッフーに感謝です」【airly】ヨーロッパで花開いた元ミニスカポリスの夢

IMG_6182
衣装提供/TIGLILY(ティグリリィ)
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の40回目! 今回は元グラビアアイドルでミニスカポリス、現在はヨーロッパを中心にアイドル歌手として活動中のairly(エアリー)さんが来てくれました! ――ご無沙汰してます! かつて私と同じ事務所だったことは言っていいんですか? airly はい(笑)。むしろ嬉しいです、こんな風に一緒にお仕事が出来る日が来るなんて! ――当時の事務所の人とは今も連絡とってますか? airly マネジャーさんくらいですね。他の方とは、そのマネジャーさんの結婚式でお会いしたのが最後かも。 ――え? あのマネジャー結婚したの? 私呼ばれてないんですけど! airly あっ……同じ事務所だったのも10年以上前ですもんね! ――お互いに思えば遠くへ来たものですね、売れないグラドルをやたら生産していたあの事務所が懐かしいです。 airly あはは、本当に! でも、私は良くしていただいてましたよぅ。 ――事務所にいた頃は、芸名はまだ“もも子”でしたね。「もも色大好き、もも子です(ハート)」っていうキャラで、いろいろなメディアで“ももパンチ”とか“ももビーム”とか、いろんな技を繰り出していましたが……。 airly そう、そう! 思い出した! またやろうかな、フランスで(笑)! ――当時「ヤバイ奴だな」と思っていたんですが(失礼)、数年後にももちこと嗣永桃子さんがテレビで全く同じキャラでブレイクしたんですよ。あのときは衝撃でしたよ、「もも子ちゃんは間違ってなかったんだ!!」って! でも、なんだったんですか、あのキャラ設定は!? airly あはは! 「もも色大好き、もも子です」のフレーズは、『女子アナ水着ニュース』っていう番組のオーディションでフワッと思い浮かんでやってみたら、プロデューサーさんにウケて「もっとやっちゃえやっちゃえ」って言われるうちに私も楽しくなって。だから、嫌でやってたわけじゃないですよ(笑)! ――なかなか強烈でした! でも、もともとは歌がやりたかったんですよね。なぜグラビア系の事務所に? airly 「グラビアで売れたらCD出そうね」っていう言葉を信じて……。 ――確かに、当時はグラビアで売れたらCDが出せた時代でした! airly そうなんですよ! だから、グラビアもそんなに辛くはなかったし、他のお仕事もキツかったことはあんまりないんですよ。鈍感なだけかもしれないけれど(笑)。
IMG_6188
――同じ時代に所属してキツすぎて禿げ散らかしてた私との明暗の差がすごいです。 airly うーん、でも、やっぱり露出が高くなってくると病みますよね、当時は着エロが流行っていたし……。脱げちゃう子は全部脱ぐけれど、着エロで頑張ってる子って、すごく悩みながらやってるから、見ている人にも、そういう頑張りを分かってほしいなぁと思ってやってましたね。……そんなとこ見せちゃいけないんですけどね(笑)! ――「それじゃ抜けねぇよ!」って声が聞こえてきそうです。ちなみに、その事務所を辞めたきっかけは? airly やっぱり歌がやりたくって。ある程度良いお仕事もさせてもらって、それはそれでとっても楽しかったんですけど、「このままやっていたらバラエティタレントで終わっちゃうな」って気付いたんです。そこでCDを出したところで、「バラエティタレントの子が記念に1枚出した」みたいになっちゃうかなって。それで事務所を辞めたら、「もも子がAVに行ったんじゃないか」って、皆さんをすごく心配させてしまって……。 ――グラドルが事務所辞めるときは必ずそういうウワサが流れますねぇ。でも、もも子さんのときは、それがとてつもなくリアルだったんですよ!! 「もう撮影終わったらしい」って話まで聞いて……ごめんなさい、これ聞いちゃいけなかったかな!? airly それが!! 大きな勘違いなんですよ~!!! 私もけっこうフワフワしてるから、騙されてAVにいっちゃうキャラに見えたんだと思うんです! あ、AVで頑張ってる方は素晴らしいんですけど、私は絶対脱がないって決めていたので……! でも、「着エロまでは頑張ろう」と思って着エロDVDを撮ってもらって、その話がこじれたのか、お友達から電話で「もう撮影しちゃったの? 嫌じゃなかったの?」って言われて、私は着エロのことだと思ってるから「うん! 頑張りました!」って(笑)。 ――(爆笑)!! そんなアンジャッシュの勘違いコントみたいなことが実際に!? airly あの時期はいろんな方に心配かけましたね(笑)。 ――それが今では世界を股に掛ける歌姫に……感慨深いです! ちなみに、アイドルを志したのはいつから? airly アイドルというか、歌を伝える人になりたかったんです。孤独なとき、いつも歌に助けられてきましたし。あと、承認欲求もあったのかな。いろいろ大変な子ども時代で、「認めて欲しい」「愛して欲しい」「居場所が欲しい」っていう思いがいつもあって……。厳しい家庭だったので、「親の理想型の私じゃないといる意味がないんじゃないか」「本来の私では価値がないかもしれない」と思ってしまう。アイドルも似たところがありますよね。「ファンの望む自分でいなくっちゃ」っていうプレッシャーがあって。 ――「私を愛して!」と思って入ったものの、ファンからの希望に翻弄されて、結局自分を見失っていくんですよねぇ。 airly そう~!! だから本当に小明ちゃんの本(『アイドル墜落日記』『アイドル脱落日記』絶賛発売中です)を読んで、わかるところがいっぱい!! ヨーロッパで活動を始めて、やっとそこから脱出できたところなんです。ヨーロッパって、すごく自分らしさを大事にしてくれるので、今が一番自分らしさを見つめられてるなぁ。
IMG_6179
――私は今も絶賛見失い中ですよ! でもまだやってます! airlyさんも、“もも子”時代からカウントして、もう12年、干支一回りアイドルやってることになりますね。 airly この年でアイドルなんて言ったら申し訳ないって思うんですけど、日本人って海外に行くとどうしても若く見えるし、向こうでは“アイドル”って感じで紹介はしてもらえますね。アイドルキャラの方が需要があるというか、自分にも合ってるみたいで。自分ではあんまり自覚してないんですけど……。日本での活動だと「アイドルって言っていいのかな?」って、ちょっと遠慮しちゃいます。 ――日本ではどんなライブに出ているんですか? airly 7、8年前までは地下アイドル系のライブに出ていたんですけど、今はアーティストさんとかシンガーソングライターさん寄りのライブでアイドルソングを歌っています。 ――同じ事務所の時も、ライブでは松田聖子さんから松浦亜弥さんまで、ザ・アイドルな選曲でしたね。昔からアイドルソングが好きなんですか? airly 好きなんです……! それと、ファンの方が昔のアイドルのビデオとかDVDとか音源をくださって「可愛いなぁ」って。80年代の音楽がすごく好きなので、今作っている曲も懐かしい感じのものが多いですね。こういう衣装も大好きだし……。 ――そういえば、airlyになってからは衣装がグッとグレードアップしましたね! 今日も完全なるドレス! airly この形に落ち着いたのは3年前なんです。初めてフランスのJapanExpoに行ったときに、インタビューで「君は例えて言うならどういうアイドルなの?」って聞かれて、悩んでいたら、一緒についてきてくれたお友達やスタッフに「プリンセスかな?」「プリンセスだね!」って……。 ――フランスで“これからairlyをどうするか会議”が! airly そうそう(笑)。それから、メイド服を着てみたり、ロリータ服を着てみたり、ドレスを着てみたりして、どれが一番反応が良いかを研究した結果、ドレスが一番だったんです。着物を着て活動している方はけっこう多いんですけど、ドレスを着ている人はまだいないし、私も好きだし……そんな流れで「airlyと言えばドレス!」って。 ――けっこう緻密に調査されていたんですね、てっきり趣味だとばかり……! airly 実はそうなんですよ! まぁ好きでやってるところもありますけどね(笑)。 ――ちなみに、海外で活動するきっかけは何だったんですか? airly 少し遡るんですけど、2008年に“Red-List Entertainment”っていうレーベルの川西愼護さんに「フワフワフワッフー」って曲を作っていただいたんです。YouTubeにもあげてなかったから日本では誰も知りませんね(笑)。CDも1,000枚限定で、それもなんとか売れたのか売れてないのかって感じだったんですけど、それが12年になって、フランスの“NoLife”という日本のポップカルチャーを専門としたチャンネルで4位にランクインしたんです。L’Arc-en-Cielやモーニング娘。さんよりもランキングが上で、7週連続20位以内に入って、殿堂入りになって……! ――えっ!? 発売から4年近く経ってから!? フランスで!? airly 私も出したことを忘れてるくらいの時期にフランスから連絡がきたので、まったく意味がわからなくて。本当にびっくりしましたね~。
IMG_6178
――なんか、話がうますぎて詐欺を疑うレベルです! airly そうそうそう、ドッキリかなと思ったけど、ドッキリして得する人もいないし……。多分、川西さんの事務所はビジュアル系のCDも出していたから、バーターで流してもらったのかもしれないですね。本当に世の中何が起きるかわからないですよ、しかも「フワフワフワッフー」で……(笑)! 苦労してきたかいがあったなぁ(しみじみ)。 ――活動をヨーロッパに広げるにあたって、不安じゃなかったですか? airly 不安でしたねぇ。いきなりフランスに行くっていうのも不安だし、チャートにランクインはしたものの、ファンがいるのかもわからないし……すぐには行けなかったです。そしたら、「airlyをフランスに呼ぼう!」って、“AirlyFrance”っていうNPO団体をフランスのファンの方が設立してくれて……。それで一昨年に初めてフランスでライブをして、イタリアにも行って、ヨーロッパツアーをして……今もその方たちに支えてもらってます。ヨーロッパツアーは、次で6回めかな? ――いっきに話が大きくなってきました! っていうか、半分も日本に住んでないじゃないですか! airly ね~。よく「向こうに住んだら?」って言われるんですけど、やっぱり日本が良いんですよねぇ。日本のお風呂が好きすぎるんですよ~。ヨーロッパはお風呂につかる習慣もないし、バスタブがある立派なホテルに泊まれもしないので、子ども用のミニプールを向こうで買って、無理矢理お湯を溜めて入ってるんです(笑)。 ――ミニプールでチャプチャプしてるのを想像すると可愛いです。日本とヨーロッパは、どちらが活動しやすいですか? airly 私は完全にヨーロッパがあってたみたいです。今まで日本で、本当に自分なりに努力して頑張って芽が出なかったのが、同じことをヨーロッパでやると、「ワーーー!!!」って反応が返ってくるんですよ。それがすごく嬉しいですね。 ――日本のライブはチケットノルマがあって、集客がなければ存在価値無しのような扱いを受けますもんね……。 airly そうですねぇ、自分で払わなくちゃいけなくなっちゃったり……。 ――じゃあ、いやらしい話、今はツアーでマネーもじゃぶじゃぶですね! airly いやぁ~~~ぜんぜんですねぇ。だから、滞在費のために日本で必死にライブして頑張るしかない! 今回のツアーはイタリア、フランス、イギリスのいろんなところを回るんですが、イタリアでは素晴らしいオーガナイザーさんに出逢えて、とても大きなフェスティバルに呼んでいただいているので、そのフェスティバルの会社が用意してくださるすごい豪華なホテルに泊まれたり、毎日の打ち上げがレストランを貸しきったり、いろいろな場所を貸し切るすごいパーティで、なんだか夢のような毎日なんですが……フランス、イギリスは各地方のファンの方が自分たちの家を貸してくれたり、各地方のオーガナイザーさんの知り合いのお家に泊まらせてもらったりして、ご飯を食べさせてもらって……。 ――人生がウルルン滞在記みたいですね。ドキュメントにして売りましょうよ、もう。 airly 海外で活動される方って、お金に余裕がある方が多いんですよ。だから「airlyちゃんってすごい頑張ってるね!」って言われるんです。それは、こっちはCD売らないことには生活していけないからで、「命がかかっているので……」って答えてます(笑)。ブログとかにはあんまり書けないけど、金銭面が一番不安ですね。決して余裕があるわけじゃないので……。 ――ツアーってすごく儲かるものだと思ってました……。 airly NPOは非営利の団体なので、黒字になりすぎてもダメですしね。違うビザが必要になってしまう。まだ全然まかなえてないので、もっと本格的にお仕事をやっていけたら就労ビザに変えられるのかなぁ。 ――今後はそれも視野に入れた方がよさそうですね。ところで、airlyさんみたいに海外で活動したいアイドルやシンガーソングライターの方はたくさんいると思うんですが、だいたいは「グラビアで売れたらCD!」みたいな感じで、「日本で売れたら海外!」って思ってると思うんですよ。どうやったらairlyさんみたいに海外進出できるんですか? airly 「フワフワフワッフー」がウケてくれたことだけですよね。逆にみんなに聞いちゃいましたよ、「何が良かったの!?」って(笑)。 ――そのチャンスをちゃんと次につなげているじゃないですか。それってなかなかできることじゃないですよ! airly 日本でやってきたことを、ヨーロッパでもするだけですね。例えば、大きなイベントのステージを用意してもらえたとしたら、ただステージに立つだけじゃなくて、もっと私を知ってもらうために、衣装を着て「何時からライブやります!」ってフライヤーを配ってアピールして……そうしたら、また違う国のオーガナイザーさんの目に止まって、違う国のイベントに呼んでもらえたり。今まで、それを日本で一生懸命やって全然ダメだったけど、ヨーロッパでは受け入れてもらえて、どんどん次につながっていくんです。だから、もし日本でダメだったとして、場所を変えたら、どこかにすごくぴったりな場所があるかもしれないですね。……ただ、すごく感じるのは、ヨーロッパの人って感覚がすごく鋭いので、嘘とかはすぐ見破られちゃうんです。よく聞くのが、日本で売れるためにヨーロッパを利用すると、すぐにバレて相手にされなくなるって。
IMG_6184
――あ! 「フランスで人気の日本人アーティスト」っていう逆輸入を狙うってことですか? airly そうそう。経歴をつけたいだけの人は、心がないから相手にしてもらえないんです。私はフランスに初めて行ったとき、フランスが大好きになってしまって、その思いが伝わったんだと思います。向こうの人って正直だから、嫌なものは嫌なんですよ。日本でいくら有名でもダメ。私はヨーロッパがたまたますごく合ったんですけど、「韓国が好き」「台湾が好き」「シンガポールが好き」でも、どこでも良いんです。「本当にこの国が好き」っていう感覚が一番大事なのかなって、私は思います。 ――じゃあ、「日本で売れないから海外で一旗あげるか~」っていう軽い気持ちは見透かされてしまうんですね……。8年前の私に教えてあげてください(8年前台湾の事務所に入り売れずにクビになりすぐに帰国しました)。全てのきっかけをくれた「フワフワフワッフー」に感謝ですね。 airly はい……この曲を作ってくださった川西さんは事故で亡くなってしまったんですけど、今も毎日感謝してます。すごく印象に残ってるのが、川西さんが生前に「この曲は世界で絶対に売れる」って言ってたんですよ。そのときは「まさか~(笑)」って思ってたんですけど、今こんなことになって……きっと見守ってくれてるのかなって。 ――良い話! 川西さんは私も仕事したことあります。ちょっとは私のことも見守ってくれていいんですよ(airlyの上空を見つめながら)。それで、あのー、「ヨーロッパはすごく合ってる」ということは、日本では少し息苦しさがあるんですか? airly 私、自然にしてると日本の人には引かれちゃうんですよ。フレンドリーすぎるのか、裏があると思われたりとか……だからちょっと気を遣っちゃうんです。 ――あー! わかります!! 同じ事務所だったときは、あのー……過剰に良い人だから、宗教の勧誘じゃないかと身構えてました! 「この人、さっきから私のことをやたら褒めるけど何? 何が狙い?」って。 airly それ! それよく言われるんです! 「壷売られるんじゃないか」みたいな(笑)! ――実は宗教では……? airly ないです(笑)!! ――みんなに笑顔でハグして生きているイメージなんですが、苦手な人とかはいるんですか? airly もちろん! 感覚的に合わない人とか、苦手な人は上手にさけてしゃべらないようにしてます。恐いんですよ、上辺だけのお付き合いもできないし……だから好きな人には、あなたがどんなに素晴らしいかを伝えたくなって、それで警戒されて(笑)。ヨーロッパはそこも合ってたかもしれないです。感性が日本とは違うのか、本音で話して、日本人が疑うところでも「目を見ればわかる」って、すぐ信じてくれるし、わかり合えるんですよ。職業も年齢も気にされないし、そんなに私のことを知らなくても「私、今日は家にいないから使っていいよ」って家に泊めてくれた女の子もいました、フランスで。私が泥棒だったらどうするんだろう? ――さすがに危ないよ!! 女の子も不用心だけど、夜中に変な男が入ってきたらどうするの!! airly ……は!! そうですね、気をつけます! 日本でも海外でも、周りのスタッフさんやアーティストの方やファンの方に色々助けていただいてるから、つい信用しちゃって。本当に皆さんのおかげで続けられています。 ――助けたくなるというか、何か手伝いたくなるオーラが出てるんでしょうね。いいなぁ! ではでは、最後にairlyさんの今後の野望を教えてください airly お城ですね。 ――……城!? ……建てる?? airly はい。お城と飛行機。同じように表現活動をしていてヨーロッパに行きたい子に、住む場所と移動を提供できるようになりたいなぁと思って。 ――おお~、今後は是非とも、もっと私と親しくしてください! お城はどんなお城にしますか? airly もも色(ハート)! ――高速から見えるラブホみたい! 今日はありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●えありー 自ら作詞作曲を手がけヨーロッパと東京を中心に歌を歌っている。 日本では元12代目ミニスカポリスでもあり、数々の雑誌で巻頭グラビアも多数掲載されたグラビアアイドルでありながらも、TBSをはじめとした番組のレギュラーレポーター、MC、タレント活動やを経て、小さい時からの夢であった歌手活動を2006年から開始。フランスの日本音楽専門チャンネル『nolife』でX JAPAN,Perfumeに続き4位にランクインしたのをきっかけにairlyのフランスでのファンクラブやairlyの為のNPO法人が設立された。皆さんの手助けによりフランスを中心に、イタリア・スイス・イギリス・アジア等に進出。世界的に有名な"30万人"の動因を誇るイベントのJAPANEXPOやLuccaComics,NapoliComicon,HyperJapnaChristmas2015等のステージに上がる。また、パリ・ストラスブール・ノルマンディーの各所レストランやBAR、保育園、イベント会場から招聘されたり、イタリアのリゾート地のホテル等でもライブを行っている。 5回のユーロツアーを終えて、airlyに歌ってほしいと世界中のさまざまな場所やコラボレーションを希望する海外アーティストからも声がかかるようになり、世界中に歌を届けるために活動の場所を広げている。また、フランスの3箇所で撮影したミュージックビデオもフランスの番組『nolife』で放送中。 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
詳細は下記リンクまで。 公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ 最新情報 8/3にアルバム「東京幻想曲集」とカメラマン増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」同時発売!! ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「AKBって、イケてるブスが多くないですか?」【ヒオキタマオ】自称・地下アイドル界の“老害”が怪気炎!!

IMG_5094
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の39回目! 今回は3月17日放送の『アウト×デラックス』(日本テレビ)で某仮面アイドルに牙を剥いた自称地下アイドル界の老害(!?)、ヒオキタマオさんが来てくれました! ――『アウト×デラックス』面白かったです! 放送では某仮面アイドルについて「ホッケーマスクをかぶってジェイソンっぽくするなら、武器はチェーンソーではなく鉈だろ!」と猛烈に怒ってましたが、反響はどうですか? ヒオキ かなりありましたねぇ、びっくりするくらい。でも、「ディスるな!」っていう声は4人くらいしかなくて、逆にチェーンソー担当のメンバーから、「私もチェーンソーだと思ってました、ごめんなさい」っていう謝罪がきたくらい。だから「次からは鉈を持ってください」って返信して……。 ――あははは!! 本人から!! ヒオキ 彼女たちが持ってるチェーンソーの元ネタは『悪魔のいけにえ』なんですよ。で、ホッケーマスクのジェイソンは『13日の金曜日』。そことそこを混ぜてるのが……ねぇ(苦笑)? 要するに運営がダメなんですよ。私は彼女たちじゃなく、運営をディスってるだけですから。 ――運営の方は、ちょっと昔に「週刊文春」(文藝春秋)で元メンバーに“性接待”の強要を告発されてましたが、まさかこんな視点からもディスられるとは思ってもなかったでしょうね……。もともとアイドル好きなヒオキさんですが、これに関してはアイドル愛よりもホラー愛が勝った感じですかね。 ヒオキ これに関しては譲れないですよ! ホッケーマスクには鉈であれ!! メンバーもそうですけど、誰一人としてそれをわかってる運営がいなかったのが問題なんですよ!! 鉈だったら推してました!! ――うーん、他にもいろいろ問題はありそうな感じですけれどもね! ホラー映画は昔からお好きなんですか? ヒオキ 『リング』(1998年)のブームからホラーに目覚めて、気付いたらわけがわからないB級ホラーにハマり……。 ――ブログを見ると、「なんでそれを観るに至ったの?」っていうカルト作品のレビューをされてますよね。 ヒオキ 『変態ピエロ』(2007年)とか『道化死てるぜ!』(2013年)とか、そんなのばっかり観てますね。 ――シッチェス映画祭の太客になれそう! 以前は大槻ケンヂさんの小説『ステーシー』(2001年)のゾンビのコスプレもされてましたね。 ヒオキ あれ、映画化されたときにレイトショーを東中野まではるばる観に行って、友達と号泣しながら帰ったんですよ。 ――……絶望で? ヒオキ 感動でですよ!! 友松直之監督の映画の中で唯一まともな作品だと思ってます!! ――あ、あのー、私は“ゾンビアイドル”なんですが、怒ってますか? 「何あの動き、全然ゾンビをわかってない!!」的な……。 ヒオキ いえいえいえいえ、小明さんは先駆者だと思ってますから。イベントで真野恵里菜ちゃんを脅かしているのを見て、「いいなぁぁぁ」って思いながら。 ――ヒオキさんはハロオタなんですね。 ヒオキ ハロプロと、乃木坂ですね。AKBではなく乃木坂。乃木坂にはAKBにはない清潔感があって良いんです。AKBが不潔ってわけじゃないけど、ちょっとイケてるブスが多くないですか? ――ぎゃ! ヒオキさん、ソレ言っちゃいます!? ヒオキ 最初は中の上が多かったのに、だんだんブスが増えてきて、中の下になってきて、最近は下の下だなって。 ――あ、アウト~! っていうかヒオキさんの審美眼が育ちすぎなんですよ! 話をAKBからハロプロに戻しましょう、ズッキこと鈴木香音ちゃんが卒業ですね。 ヒオキ そうなんですよ!!! ――ブログに「香音ロスに陥って地元のイオンでパニック発作を起こした」って書いてましたね、ヤバイ!! ヒオキ デビューの頃から5年間も推し続けてきたので……。リバウンド王なんですけど、太ってるときも可愛いじゃないですか。
IMG_5176
――確かにズッキはどんな体型でも可愛いです! 男性アイドルはどうですか? ヒオキ 光GENJIで育ったので、それからずっとジャニオタです。幼稚園の頃からジャニオタ。今年で35歳なので、人生をジャニーズと共に歩んでいますね。好きなのは、光GENJI、SMAP、KinKi Kids、TOKIO、V6、Sexy Zoneですね。嵐は流行りだしてから私の中では廃れましたね。昔、あまりにも売れなくて、2ちゃんねるで「嵐のようにならないためにはどうしたらいいか」っていうのをジャニオタが真剣に議論していた頃は好きだったんですけどね。桜井くんをJr.の時から推してたので。 ――嵐にも売れない時代があったんですねぇ。……っていうか、ヒオキさん、相当な面食い? ヒオキ イケメンが大好きです(きっぱり)。小明さんのブログを拝見してるんですけど、一番思い出されるのが「ずぶ濡れになった西島秀俊を迎えに行く支度はいつでも出来てる」っていうブログで、すごいよくわかるんです、その気持ち!! 私は斎藤工で今そんな感じで……私、ほんとに頭がおかしくて、唇が分厚いイケメンが好きなんですよ! ――さかなクンとか? ヒオキ は? ダメですね。そういう系統じゃないです。 ――すみません……。あ! 話は変わるんですが、以前、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)に出演されたっていうのは本当ですか? ヒオキ そうなんですよ。前に『さしこのくせに』(TBS系)に“地下アイドルVSさしこ”って企画で出してもらったときに、2ちゃんねるで「バナナマンがいる」「日村、日村」って言われて、ブログでも「日村」ってコメント残されたりして、腹が立ってきたんで、自分でフジテレビのモノマネ番組に応募したんですよ。そのオーディションには落ちたんですけど、その後『いいとも!』から「番組に来ませんか?」って連絡が来て。そこにもある程度のオーディションがあるはずだったんですけど、ほぼなくて。 ――すごい!! 顔パスで合格!! ヒオキ そっくり度合いが薄い人から順番に並べて誰のそっくりさんかを当てさせて、最後にご本人が登場する企画で、私は60%のそっくり度で出たんですけど、さまぁ~ずさんに「あなた60%じゃないでしょ。90%でしょ」って真顔で言われて……。ご本人が出てきたときも、設楽さんに「並んでみ? 並んでみ? ……兄妹みてぇだな」って。 ――(爆笑)!! ヒオキ 出演者には中居くんもいたんですよ! 私、SMAPでは中居くん推しだったので、すさまじい興奮で! けど、スタッフから「普通にしていてください」って再三注意を受けていたので、頭の中でだけ「ああ、中居くんがこんなに近くに、ああ、テレビと一緒だ、ああ……!」って(照)。で、中居くんはなかなか答えられずにいたんです、私が誰のそっくりさんなのかを。他の出演者から「マツコ・デラックス!」とか「アジアン馬場園!」とか言われてると、中居くんがポツリと「可哀想じゃん……」って言ったんですよ。「私が女の子だから!?!? 良い人!!!!」って。 ――中居くん、素敵!! 日村さんに似てて良かったですね!! よっ! そっくり~!! 似てる似てる~ぅ!! ヒオキ うん、やっぱり日村さんって言われるのは嫌ですけどね!! そこからですよ、私が大きめなカラコンとか入れるようになったのは!! ――あっ……でも、そうやって美容に感心が高まったり、良い方向にいって良かったかもしれないですね。ご自分の美容ブログ『ブスにならない哲学』には、メイクのビフォー・アフターを載せていますが、本当にドすっぴんなのが凄いです。だいたいのアイドルはカラコンも外さず、ゴリゴリに加工して「すっぴんです」って言うから。 ヒオキ 裸眼のドすっぴんで載せます。30歳すぎてから、「可愛いって言われたい」とか、そういうのがなくなったんです。すべてがどうでも良くなったんです。そういうもんなんですよ。
IMG_5081
――でもお肌きれいですよね。……って言いたいんですけど、ブログに「さんま御殿で『ブスは褒めるところがないから、とりあえず肌が綺麗と褒めておく』って言ってたのが頭から離れない」って書かれてて、肌綺麗って言いづらいです。 ヒオキ あれ、もうほんと頭から離れない!! 女性から言われるのはうれしいんですけど、男性から言われると「絶対こいつブスだと思ってるな」と思って……ならもう話しかけなくていいんですよ! もう何も言うな(激怒)!! ――そうやって、摘まなくていい芽も摘んでそう! 今、婚活もされてるそうですが、成果の方はどうですか? ヒオキ 婚活、一時期はちゃんとやってたんですけど、婚活パーティーの空気に耐えられなくて。せわしないんですよ、席もクルクル回って、プロフィールカードを見せ合いながら何番の人、何番の人って話していくんですけど、肝心の番号も忘れちゃうし、「あ、こりゃもうダメだ」って。 ――ちなみに、プロフィールカードにはどんなことを書くんでしょうか。 ヒオキ 趣味とか、性格とか、好きなもの、とかですね。 ――ヒオキさんだと、ホラー、アイドル、ジャニーズ? ヒオキ 「アイドルを観ること」は普通に書きましたけど、さすがに「趣味:映画鑑賞」とかにしましたねぇ……。 ――話は弾むんですか? ヒオキ 映画の話は、珍しくシネコンで普通の映画を観たときは弾みましたよ。『道化死てるぜ!』とか『変態ピエロ』とかは誰も観てないから。 ――そっちで話が弾んだら、もう即結婚した方がいいですよね。 ヒオキ でも、最近、その話に付き合ってくれる人が出来たんですよ。LINE友達なんですけどね。 ――え! ヒオキさんって、ツイッターに普通にLINEのアカウント載せてますよね!? もしかして、それが出会い!? というか、あんなことして大丈夫なんですか!? ヒオキ あれは一応別のアカウントなんですよ、公式アカウントを自分で作れる時代になったので、公式を作って……。 ――それでヒオキさん本人と話せるってことでしょ!? 普通にLINEが出来るアイドル!! ヒオキ 自動返信にしてるアイドルもいるんですけど、私は普通に返信してますね。自分がドルオタなんで、レスがもらえるとうれしいじゃないですか。最低限、電話番号を交換しなければ大丈夫だと思ってます。その人くらいですからね。「昔は良かったよね~ビデオ屋に普通に『ギニーピッグ』(1985年)とか並んでてさ」とか話せるの。 ――というか、もう、その人と結婚したら良い気が……。 ヒオキ でも、確実におっさんだと思うから、私の範疇じゃないっていうか。たぶん、斎藤工でもないですし。 ――それが斎藤工であるという可能性にかけましょう! ヒオキ 斎藤工さんの握手会には行ったことがあるんですけど、私、「先月33歳になりました」って言ったら、「あ、そうなんだ。頑張ろうね」って言われて……えっ何を? 人生を??
IMG_5104
――が、頑張りましょうね……! ヒオキさんは、よくご自分を“モラトリアム系こじらせ喪女”と称されますけど、今まで彼氏は? ヒオキ ゼロです(きっぱり)。 ――それはライク・ア・バージン的なことですか? ヒオキ そうです(きっぱり)。 ――お、おお……。 ヒオキ バージンロードを大手を振って歩けますよ。もう、ドヤ顔で歩きますね。 ――そうなると、初めて付き合う人のハードルってどんどん上がっていかないですか? ヒオキ 上がりますねぇ。なので、もう独居女子でいいかなって。こうやって、朝から『少クラ』(『ザ少年倶楽部』の略。ジャニーズの若手が活躍する番組)観て暮らしていければいいかなって。 ――ヤバい、『嫌われ松子の一生』の後半みたいになってきた。ファンの方やライブのお客さんから口説かれたりはしないんですか? ヒオキ ツイッターのDMで「巨乳そうですね」って言われたりすると、即座にフォローを外してます。 ――身持ちが堅いですね。 ヒオキ 身持ちは堅いんですよ。 ――堅いから彼氏がいないのかも。 ヒオキ 彼氏が欲しい時期もあって、婚活をする前は出会い系サイトに登録してたんですよ。で、最初の出会いでホテルに連れて行かれて。 ――……んっ!? ヒオキ でも、恐くなって、トイレの中でお父さんに電話したら、お父さんが警察呼んで、千葉県警が来て……。 ――未成年の時の話ですか? ヒオキ いや、29歳の時ですね。 ――(爆笑)!!  ヒオキ 別々に事情聴取されて念書を書かされましたねぇ。あの人には悪いことしたなぁ。婦警さんに「身分証ありますか?」って言われて、私が出したのが障害者手帳だったから、「これからは、こういうことしちゃいけないよ?」ってすごい心配されましたねぇ。 ――ひたすらに男が可哀想です! っていうか、さっきからアイドルに話を聞いている感じが全くしないんですが……。 ヒオキ そうですね、ただのオタクなんでね。 ――否定できない! しかもアイドルオタクとジャニオタとホラーオタクと喪女がこじれててややこしいよぉ! そんな人が、どうしてアイドルになろうと思ったんですか!? ヒオキ あー……またオタクっぽい話になるんですけど、11年前にV6の10周年イベントで、握手会があったんですよ。握手会に行ったら「ああ、もうこれ以上の幸せはないだろうな。よし、明日死のう」と思って、本当に自殺未遂をしたんですよ。幸せの絶頂で死のうって。 ――メンタルもこじれてる!! ヒオキ そのとき、もう精神科に通ってたので、ありったけの睡眠薬を飲んでですね……。 ――幸せの中で死にたいって気持ちはわかりますけど、V6も超いい迷惑ですよ! ヒオキ その時は友達に救急車を呼ばれて病院に運ばれて、「あ、死ねなかった」って気づいて。それで「そういえば、死ぬ前にやっておきたかったことってなんだろう」って思ったら「ステージで歌ってみたいな」って結論に至ったんです。 ――壮絶な序章……!! しかしながら、その当時は22~3歳ですよね。アイドルって、そのくらいの年で引退し始めたりしますよね。そこからのスタートってなかなかいないですよ。 ヒオキ そうなんですけど、地下アイドルってその当時はけっこう年いってる人が多かったんですよ。だから大丈夫だと思った。 ――その頃の同期の人たちって、今はどうされてますか? ヒオキ 結婚してるか、行方不明になってるかですね。 ――行方不明!? ちなみに、ヒオキさんは引退や行方不明のご予定は? ヒオキ この地下アイドル飽和時代の中で、四十になっても居座ってやろうと思ってます。地下アイドル界の老害として。ふふふ。 ――ド根性! 今、地下アイドルの子たちって、年齢は下がってビジュアルは上がってきてるじゃないですか。居心地悪くないですか? ヒオキ 居心地悪いですよ! 若い子たちのステージはもう見ないですねぇ。 ――自信なくなりますもんねぇ。 ヒオキ いや、「くっだらねぇ」とか思って。 ――えっ!? そっち!? ヒオキ キャバクラの体入とか、学生のバイトみたいな感覚でアイドルになってるから、お腹が出る衣装なのにカップラーメンの1.5倍を食べて「お腹出ちゃったぁ~!」って言ってるようなアイドルもいますからね。小5~中1くらいの子でしたけど。そういう子の物販で並んでる奴らも「全員ロリコンだな」と思って見てますね。 ――そしてそれを眺めるヒオキさんの物販スぺースはモーゼ状態(※自分の前にのみ人が並ばずモーゼが海を割ったような状態になること)というカオスさ……。その感じで現在は11年めなわけじゃないですか。そうとうなメンタルだなと思ってたんですけど、昨年のブログで「本格的に精神を病み始めて10年」って書いてますし、もしや、アイドル向いてないんじゃ……。 ヒオキ 大丈夫ですよ!! プライベートでいろいろと病名が変わっているだけなんで(笑)。 ――ブログには、「躁うつ、パニック、ヒステリーでカウンセリング中」と書かれてましたね。 ヒオキ そうなんですよ。人生の大三元です。ふふふ。 ――おお~。ちなみに、アイドルになる前は何をされてたんですか? ヒオキ 秋葉原のメイドゲーセンで働いてたんですけど、イジメに遭って、病みがピークにきて、毎日腕を切りながらバイトに行ってましたよ。 ――そんなメイドさんは嫌だよ!! ヒオキ あとは、19歳くらいからコスプレイヤーをしてたんですよ。そのあたりから承認欲求が始まって、ネットアイドル全盛期だったこともあって、それに便乗してネットアイドルになったは良いものの、それもまた売れないっていう(笑)。19歳から今まで、ずっと売れてないっていう(笑)。撮影会も、誰かのオマケでしか呼ばれないとか、予約が埋まらないとか……。
IMG_5180
――あるあるあるある。アイドルって売れないと憂鬱ですよねぇ。死にたくもなるっていうか、ヒオキさんの場合は実際に何回か死のうとなさってますもんねぇ。 ヒオキ そうですねぇ。アイドルになってから5年くらいはずっと死にたかったですねぇ。30歳になるまでは、売れないストレスで死にたかったです。1回目のオーバードーズ(V6の握手会)の後に、2回くらいやってるんですよ。 ――立派なオーバードーザーですね。 ヒオキ そうなんですよ。リスカ学園は卒業したんですけど、オーバードーズはなかなか卒業できないな、と思って。今はしてないですけどね。 ――私、もうこの人こわい。でも、今は良い感じですよね。去年は事務所をかまえて、アイドルユニットのダイエット・デス・スパイラルをつくって、さらにニートも卒業されたんですよね。凄すぎ! ヒオキ 今バブルなんですよ。『アウト×デラックス』バブルがきています。10年ぶりの労働もしているんですよ。仕分けのパートなんですけど。 ――10年ぶり! アイドル時代はほんとにずっと無職だったんですね。もしや実家が富豪なのでは? 家族から「働かないで食うメシはうまいか?」とか言われないんですか? ヒオキ 普通の中流家庭ですよ。家族は、「とりあえず病気がよくなるといいね」みたいな感じでした。 ――優しい世界! アイドル活動はリハビリになってそうですね。 ヒオキ 今は安定してますよ。アイドルも、前は「どうしたら売れるんだろう」って考えてた時期もあったんですけど、どうでも良くなってからバブルも来たし。 ――バブルが来ている今、やりたいことをやりつくしたいですね! 何が一番したいですか? ヒオキ やっぱりホラー映画に出るのが夢なんですよねぇ。 ――あ、ヒオキさんもお好きなゾンビ映画『STACY』と同じ監督の作品で『レイプゾンビ』っていうシリーズが……。 ヒオキ (食い気味に)友松監督以外のやつにしたいです。「名前のある役はおっぱいを出さなきゃいけない」って言われたので。 ――言われた? ヒオキ 言われた。監督ご本人に。やっぱりおっぱいは出したくないので。処女を脱するまでは何もしないでおきたいんです。 ――なるほど~。……どうしよう! もう何も言えなくなってきました! ヒオキさんの活動のゴールはどこにあるんですか? ライブもしているし、地上波も出たし、CDも今は自分で作れるし……。 ヒオキ そう、やりきった感も満載なんですよね。だから、結婚したら引退しようと思ってます。でも、辞める辞める詐欺のmisono商法になるかなぁとも思います。実際、妹から「10年経ったら辞めるって言ってたよね?」って言われてますし。自分でも辞めるって思ってたけど、結婚もしてないし、彼氏もいないし、アイドル辞めてもやることない。今辞めても、ただ、ひたすらにホラーDVDとジャニーズDVDを見続けて、さらにオタクをこじらせるだけ。もう着地点がないですねぇ(しみじみ)。だから、飽きるまで地下アイドルを続けるでしょうねぇ……。 ――アイドルってなんなんだろうと考えさせられますねぇ(しみじみ)。ここはひとつどうですかね、私の“ゾンビアイドル”を継ぐっていうのは。ホラー映画に呼ばれやすくなるし、美容的にもメイク技術が活かせて楽しいですよ! ヒオキ あ! 継ぎたいですね、継ぎたいな! それでいきます! ありがとうございます! ――私もまだ辞めないですけどね! じゃ、そういうことで、どうもありがとうございました!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●ひおき・たまお 1981年7月13日生まれ B型 東京都出身千葉育ち。売れないネットアイドルを経て売れないニートアイドルとしてデビュー後、まったく売れることなくキャリアだけを積み11年目を迎える。 …はずが某全国ネット番組出演を機にバブルが起こっているパートタイマー兼地下アイドル。 趣味はアイドルを観る事とホラー映画、B級映画を観る事。 最近おすすめのB級映画は「武器人間」。 「アイドル10周年記念ツーマンライブ」 2016/05/15 歌舞伎町GOLDEN EGGにて OPEN 18:30 START 19:00 ヒオキタマオ生誕35周年記念公演 「アイドル志望遊戯」 2016/07/25 あさがやドラムにて OPEN 19:00 START 19:30 全ての詳細・ご予約はhttp://hioki.clockwork-dolls.net まで ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
詳細は下記リンクまで。 公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ 昨年、デビュー25周年記念プロジェクトでのクラウドファンディングで目標達成を上回り、その資金で8月に写真集とアルバム「東京幻想曲集」をリリース予定。 乞うご期待!! https://motion-gallery.net/projects/runrun25 ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「『小明の副作用』のメール職人してました」【湯浅かえで】出世のきっかけは“モブなのに人気投票3位”事件!?

IMG_4239
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の38回目! 今回は『ガンスリンガー ストラトス』まぐま役やアプリゲームなどで活躍中の注目の新人声優、湯浅かえでさんが来てくれました! ──ご無沙汰してます! 最後に会ったときは、湯浅さんはまだ私のイベントの客席にいたのに……いつの間にやら立場が逆転! ついに声優さんになったんですね、おめでとうございます! 湯浅 ありがとうございます! ──ちなみに、なんで私のイベントなんかに来てたんですか? 湯浅 昔、中川翔子さんのブログで小明さんの存在を知って「なんか凄い人いた!」って衝撃を受けて(笑)。 ──“凄い”にマイナスの意味合いを感じます……。 湯浅 それからしばらくは在宅で応援してたんですけど、働くようになってからはイベントにも行くようになって、「声優になりたい」とか、「いつか一緒にお仕事ができたらうれしい」みたいなことを、手紙に書いたと思うんですよね。今日は夢が叶った! ──叶いやすい夢だね! ちなみに、私に限らず、かなりのアイドル好きですよね。ブログを見ていると、AKBにSKEにBiSにライムベリーにトマパイ……かなり幅広く愛してますね。 湯浅 うへへ。 ──よく、お仕事で元SKE48の秦佐和子さんとご一緒されてますけど、どうですか? 湯浅 秦さんは、もともとSKEの推しメンで、握手会にも通ってたんですよ! だから秦さんがSKEを辞めたときは「もう会えないのかぁ」と落ち込んだんですけど、卒業してなんと声優に! 『魔法少女大戦 ZANBATSU』(2014)っていうゲームでご一緒できたときは、一方的に「すすす、好きです」ってご挨拶して……。 ──「こいつストーカーかよ、こわいな」ってならなかったですか? 握手会に通ってたのはバレないようにしないと! 湯浅 自分からバラしちゃいましたよ! すごく素敵な方で、「ありがとうございます」って喜んでくれて、今はすごい仲良くしてます。 ──奇跡かよ~。推しメンとも仲良くなって、声優にもなって、人生のハッピーエンド感! 湯浅 そうそうそうそう。 ──もういいんじゃない? 夢も叶ったし、辞めたら? 湯浅 そうそ……ナヌ!? よくないよくない! まだまだ頑張りますよ!! ──ところで、湯浅さんの趣味をリサーチすると、宝塚歌劇団の観劇、アイドルの現場、美少女の写真集集め、グラビアの切り抜きのファイリング、AKBのPVロケ地の聖地巡礼……けっこうキテますね! 湯浅 小明さんのサイゾーテレビ『小明の副作用』のメール職人もしてましたよ~ふふふ。 ──こんなクソみたいなアイドルのメール職人とか、ちょっともうお気の毒です! ブログを見てると、クリスマスは宝塚を観て、年末年始はコミケから初日の出に直行という……好感の持てるタイプのリア充ですね。 湯浅 ははは(乾いた笑い)。クリスマスだしな、と思って宝塚のチケットとって行きました。 ──数年前のブログでも「ハロウィンなので宝塚を観に行きました」って書いてあって、イベントごとにかこつけて、やたら宝塚を観に行ってますよね。 湯浅 ちょいちょい観に行きますよね! 宝塚にしてもアイドルにしても、女性が華やかなのが好きなんです。あと、女子同士、いろいろある中で頑張ってる人たちを観るのが好きで……宝塚とAKBって似てるなぁって勝手に思ってて。 ──似てる!? 湯浅 トップスター制、センター決め、組替え、卒業、退団、専用の劇場とか。 ──ほんとだ! 言われてみれば共通点が多いんですね。 湯浅 その方々が頑張ってるのを観て、「私もがんばろ!」って思えるんです。 ──アイドルも宝塚も湯浅さんのガソリンなんですね。でも、どっちもチケット高くない? その趣味はお金がかかりますね。 湯浅 そうなんですよ~。普通に働いていたときも、お金あるわけじゃないし大変でした……。けど、宝塚って、意外と1,500円の立ち見席が出てたりするので、お金がないときは朝から並んで、一番後ろで、どこかしらは見切れて見えないような席で立って観るんです。ステージはもう豆粒なので、オペラグラスを持参して! ──意外と安い! けど、疲れそう! 声優の仕事が忙しくなって、アイドルや宝塚に行けなくなったら、ガソリン切れちゃいますね。 湯浅 そうなんですよね、ほんっと(真顔)。宝塚とかを観て、フワァァァっと元気になって、女性ホルモンをブワ~っと出して艶々で帰るんで、切れるとカラカラになっちゃいます……。 ──今、声優さんってみんな可愛いから、そこで注入できそうな気もします。 湯浅 そうなんですよ! みなさん可愛い! でも、ソレとコレとは別! 別の趣味として楽しんでます! ──楽しそうで何より! ちなみに、コミケには何しに行くの? 湯浅 昔の仕事仲間がいっぱいいるので、同窓会気分で……。 ──コミケで同窓会?? 湯浅 そうですね、前はアニメを作る会社にいたので……。 ──完全に内側の人じゃないですか! なんでまた、出る側に? 湯浅 私は撮影という部署にいたんですが、ずっと机に向かってPC上で無音の状態で作業をしているので、映像に音がついた瞬間が一番感動したんです。本当にキャラクターに息が吹き込まれるというか。「すごい! 私もそっち側に行きたい!」と思って。 ──なるほど! 2013年の5月には今の事務所の“準預かり”になって、今は“預かり”になってますよね。どの段階で“準”が取れるんですか? 湯浅 うちの事務所は年数が決まっていて、1年は“準預かり”なんです。 ──じゃあ、1年の間に仕事が取れなかったら、そのままいなくなっちゃうの? 湯浅 事務所いわく、そういう方も何人かは……。仕事の分量もありますけど、どちらかと言えば、仕事に対する姿勢とか、普段の立ち振る舞いを見ているみたいで、仕事が1本もなくても、どれだけ努力をしているかによって上がれる人もいます。 ──そして“預かり”から“所属”になるにはさらに高い壁が……がんばって! 実際にお仕事を始めてみて、どうですか? 湯浅 思ってたより大変! アニメを作っているときは「声優さんは楽しそうだな~」と思っていたけど、みんなこんなに大変な思いをしていたとは! やっぱり、見られてることも多いし、最初の方はほめられることも全くないし、新人は端に座ってドアの開け閉めをするとか、そういう立ち振る舞いもわからなかったですし。 ──えっ!? そんな体育会系なルールがあるの!? 湯浅 ぜんぜん強制じゃないんですけど、暗黙の了解というか。 ──そういうノリは大丈夫なんですか? 湯浅さんって絶対運動部とかじゃないですよね。 湯浅 運動したことないです(きっぱり)。でも、「こういうのがあるんだ!」ってびっくりしたのは最初だけでしたよ。それからは「そういうのを最初に知っておかなきゃ」と思って、先輩とご飯に行かせてもらったりして……。 ──湯浅さんのブログを見ていると事務所の方とけっこう交流を持たれてますけど、これってそういう処世術だったんだ! 湯浅 や! そういうわけではないです(笑)! でも、先輩から教えてもらえることは多いんです。 ──なるほど~! デビューはTBS『俺、ツインテールになります。』(2014)のあすかちゃん役ですか? 湯浅 テレビアニメだと、『俺ツイ』だと思います。 ──あすかちゃん役はオーディションですか? 湯浅 実はモブ(名前のない通行人など、群衆キャラ)だったんですよ。一話に出てきた怪人に捕まる女の子だったんですけど、なぜか人気投票でヒロインたちを抑えて3位になったんですよ。ネタだったのかもわかりませんが、皆さんが投票してくれて。監督さんもあすかちゃんはお気に入りのキャラクターだったようで、最終回にも出てきました。 ──2回も出たら、もうモブじゃない! 湯浅 なんとイベントにも呼んでもらえて! 幸せでした! ──TOKYO MXの『ガンスリンガー ストラトス』のまぐま役は? 湯浅 それは初めてオーディションに受かった役でした! マネージャーさんから電話が来たときは「ほほほほんとですか(震)!?」って感じで。『ガンスト』って作品はもともとゲーセンのアーケードゲームで、今もゲームが出てるので、イベントとかに出してもらったりする機会が増えたり、ガンストを通していろいろな経験をさせていただきました!
IMG_4228
──ゲーム『バンドやろうぜ!』(2015)ではウッドベースも弾いてるんですよね。 湯浅 そうなんですよ。ウッドベースを弾く女の子の役をやっているんですけど、私もたまたまウッドベースをやっていて……。 ──ウッドベースって、たまたまやってるようなもの!? 湯浅 大学の時に、ジャズ科があったんですよ。そこの子たちがやってるのを見て、「私もやる!」って教えてもらってやってたんです。 ──まさかそれが仕事で活きるなんて……ぶっちゃけ声と関係ないですもんね。 湯浅 そうなんですよ。先日、そのPVを撮ることになって、ドラムとギターは普段からバンドをやってる方だったんですけど、役者兼楽器は私だけで、自分が演じたキャラの格好をしてウッドベースを弾きました。めっちゃ練習して、マメだらけの手で行って、楽しかったです。やってて良かった! ──人よりいろんな経験ができそうですね。学生時代はジャズの他に、オーケストラ部と吹奏楽でホルンを吹いてたんですよね。ホルンとウッドベースが家にあるって、どんな富豪なの……? 湯浅 ぜんぜん! ウッドベースはなかったです! 高校の時に転校した先に吹奏楽部がなくって、市がやっている楽団に入ろうとしたら「楽器を買わないとダメ」って言われて。 ──ホルンって肺活量は上がりそうですし、声優業に活きそう! 湯浅 活きてたらいいな、もうずっと吹いてないので……。 ──一人暮らしだと、よほど壁の厚いところに住んでないと吹けないですね。 湯浅 そうなんですよ。一応は持ってきたんですけど「あ、コレ無理、吹けないな」って徳島の実家に送りました。 ──場所とりますしね。ちなみに、徳島のご家族は、今のお仕事に反対とかなかったですか? 湯浅 いや、全然なかったですね。反対っていうか、そもそも東京に出てきてアニメの仕事をするっていうときに一度「なんじゃそりゃあああ!!」ってなって、そうとう戦ったので……。私、最初は「音響やる~!」って行って東京に出てきたんですよ。それが3カ月くらいで「ん、いいや」ってなっちゃって、結局「映像やる~! 映像の方が面白いぞ!」ってなって、映像をやったり、空間アートみたいなゼミに入って勉強してたんですけど、「やっぱり就職する~!」って。そんな感じでコロコロと「アレやる~! コレやる~!」ってやってきたから、「働きながら声優の学校に行く~!」って言ったときは、親ももう諦めていて「自分のお金でやるんなら好きにすれば?」みたいな(笑)。 ──じゃあ、働きながら自腹で養成所に? そこからアイドルに貢いで、養成所にお金も払って……霞を食べて生きてたの? 湯浅 当時はそうです(笑)。ずっと貧乏でしたね……。 ──ちゃんとした事務所に入れて本当に良かったね! 今の事務所に入ったきっかけは? 湯浅 えっと、うちの事務所と、「声優グランプリ」(主婦の友インフォス情報社)がやってるゲームのオーディションがあったんです。それに一般公募で応募して、賞をいただいて、今の事務所に。 ──賞ってグランプリ!? 湯浅 いやいや、特別賞的な感じの、声優グランプリ賞を……。うちの事務所のアクロス賞っていうのもあったんですけど、私はそれをとっていないという。 ──え!? そうなの!? 湯浅 製作の方と面談をして、「アクロスに入りたいんです」って話したら「じゃあ社長に会う?」ってお話させていただいて、社長に電話をかけまくった覚えがあります。「いつ会ってくれますか!?」みたいな(笑)。 ──地雷感!! しかしながら、そこからはアイドル声優への道が広がっていたという。駆け上がりましょう! 湯浅 ハッ(乾いた笑い)。人よりこの世界に入ったのも遅いし、「駆け足で行かねば」と思って頑張ってます。 ──息切れしない? 湯浅 切れてます、たまに(笑)。だからそういう時は宝塚を観たりアイドルを観たりなどして……。 ──湯浅さんって、生放送とかでもニコニコしながら目が死んでる瞬間がありますけど、そういうときってガソリン切れてるんでしょうね。 湯浅 (爆笑)! よく見ていらっしゃる! ──気を抜くと一瞬目の光が失われるんですよね。実は根が暗いのかな。 湯浅 小明さんだからそう見えるだけですよ! 根は暗いと思いますけど! そうじゃないと小明さんなんて応援しないです! ──……えっ!? えっと、でも、ブログはけっこうアッパー系ですよね。「みんなに感謝!」みたいな。 湯浅 ちゃんと皆さんへの感謝を忘れず、自分に渇を入れているのです。 ──その前後に「今日はいろいろ勉強になりました。頑張ろう!」とか書いてると、「あ、何かうまくいかなくて落ちこんだな」って思うよね。 湯浅 小明さん……さすがです……。 ──過剰に前向きな自己啓発っぽいことを書いてるときは、だいたい自分に言い聞かせてるという……ふふふ、お見通しだ! 湯浅 いろいろ考えても、結局はもう頑張るしかないですからね……! ──これからは、そういう目でブログを読みます! お仕事の面で、今後の野望はありますか? 湯浅 メインの役をやれるような声優になりたいっていうのと、ずっとこのお仕事を続けていけたらいいな、と思ってます! ──また急に「今度はコレやる~!」って気が変わるかも? 湯浅 もうない……と、信じたい(笑)! 今までで一番長く続いてる大好きな仕事なので、このまま頑張りたいです! ──まだ2年半ですよ! 歌とかはどうですか? 湯浅 歌いたいです! 今の事務所に入ったときに、小明さんの出した歌を歌って録音して、サンプルとして事務所に提出しましたよ。 ──ごめんね、馬鹿じゃないの!? 今後とも、応援してます!! たくさん売れますように!! 今日はありがとうございました!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●ゆあさ・かえで 1月16日、徳島県生まれ。アニメ『ガンスリンガーストラトス』まぐま役、『かみさまみらない・ヒミツのここたま』長谷川ケイト役、『迷家』ユウナ役。ゲーム『バンドやろうぜ!』ユキホ役、『放課後ガールズトライブ』紫ゆかり役。ニコ生パソナリーティー『月2学園パワプロ部』、『ニンジャスレイヤー』など。 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
詳細は下記リンクまで。 公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「新人だと、主役でも1万5,000円!」【瀧本富士子】が声優業界のイロイロを大ぶっちゃけ!

takimotoIMG_8743
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の37回目! 今回は『魔法陣グルグル』のニケ、『超者ライディーン』の大鳥疾風、『まほろまてぃっく』の美里優など、多くのアニメで主役を演じる瀧本富士子さんが来てくれました! ――25周年、おめでとうございます! 具体的には、いつがデビューだったんですか? 瀧本 ありがとうございます。もう本当のデビューの月も忘れちゃって(笑)。けっこうみんな覚えているみたいなんで、私も「絶対に忘れちゃいけない」と思って何度も紙に書いたんですけど、結局その紙ごとなくしちゃうんですよねぇ……。 ――大丈夫ですか? 銀行口座のパスワードとか覚えられてますか? 瀧本 大丈夫、忘れたら大変なことになるから(笑) ――ちなみに、日付はさておき、どの作品でデビューしたかは覚えていますか? 瀧本 えっとー……ふふふふふ。 ――覚えていなさそう! 瀧本 多分、一番最初は声の仕事じゃなくって、エキストラだったと思います。あの頃、声優さんばかりでドラマを撮るっていうのがあって、そのエキストラ! 日本ナレーション演技研究所の生徒だったときにいただいたお仕事でしたね。役名があるお仕事だと、うーーーーん、ゲームのお仕事が先だったかなぁ……あ! 朝の番組でモデルをやったのが先かな!? 現場に行ったらビキニを着せられて、お風呂の中で「エクササ~イズ♪」って、痩せるための運動をしました。 ――それは、声は出るんですか? 瀧本 出ません。 ――(爆笑)! 瀧本 学生の頃に入ってきたお仕事って、アルバイトみたいな感じだったから、みんな楽しかったですね。「声優の仕事はいつできるんだろう?」とは思ってましたけど(笑)。 ――声優を志されたのはいつでしたか? 瀧本 子どもの頃から芝居に興味があったんです。でも、小学校には演劇部がなくて、似たものを探して落語部に入って。 ――落語部がある小学校の方がレアですよ! じゃあ、演劇部は中学から? 瀧本 それが、中学校にもなくって、高校でやっと演劇部に入れたんです。けど、女子校で、女が少年を演じるのが許されなくて、女子しか出てこない芝居しかできなかったんですよね。残念すぎ。 ――でも、その頃にはもう演劇部で声優に向けての下地作りが始まってそうですね。 瀧本 というか、その頃には、もう勝田声優学院で通信教育を受けていたんです。それを受講しながら演劇部をやっていたので、途中で「大阪でやってたら、関西弁は抜けない」って気付いたんですよ。自分では標準語をしゃべれていると思っても、関西のイントネーションが残ってしまうし、周りもみんな大阪人だから、指摘されないでしょ? それで「ダメだこりゃ」って、声優を諦めたんです。高校1年で。 ――切り替え早!! では、卒業後の進路は? 瀧本 私、虚弱体質なんですよねぇ。何かあるとすぐ寝こむ病弱さで、親にはずっと「あんたは体がそんななんだから、事務員になりなさい」って言われてて……。私の夢は高校1年でもう諦めちゃったから、「まずは親の夢を叶えましょう」って、就職して事務員になったんです。でも、「違うなぁ。私、馴染めないなぁ」ってずっと思っていて……。他の女の人は「新商品の口紅が~」ってやってるじゃないですか。私、もう、なんの話にも入っていけなくて、年数を重ねるごとに「やっぱり私のいる所はここじゃない」って思うことが増えていって……。それで、就職して4年目に入った頃かな。テレビを見ていたら、素人が出るモノマネ番組をやっていたんですよ。アニメのモノマネをする人も出ていたので、家族と「あんなん私でもできるわぁ~!」なんて言いながら見てたら、「言うだけやったらなんぼでも言えんねん! 悔しかったら出てみぃや!」「おう分かった、出たらぁ!」という流れになって(笑)。それでオーディションを受けたら受かっちゃって、関西代表で東京に行くことになったんです。
takimotoIMG_8686
――関西代表!? いきなりすごいじゃないですか!! 瀧本 別に賞は取らなかったんですけど、そこで「同じようにモノマネで出てくる人はいるけど、あなたの場合は本職でいけそうだね」って言われて、「そうかなぁ!?」って(笑)。その頃、アニメ好きの友達が「ザ・デビュー」っていう雑誌を持ってきて、「アーツビジョンって事務所に興味あるって言ってたよね? 何か募集してるよ~」って言うから「ナヌ!?」って。もし受かったら東京に出ようと思って。で、アーツビジョン放送劇団から合格通知が来たので、会社に「すみません、夢を追いかけさせていただいてよろしいでしょうか?」って辞めて……。 ――すごい辞め方!! 「一身上の都合」とかじゃないんですね!! 瀧本 あははは! まっしぐらなんですよね。会社の方も、皆さん優しい方だったので、「僕等の夢を乗せて頑張ってね」「ダメだったらいつでも帰ってきなさい」って、帰ってくるところまで予想されて励まされました(笑)。で、親に「3年ください」って言って。3年あれば、無理か、いけるか、わかると思ったんです。 ――ご両親は反対しなかったですか? 瀧本 いや、もう絶対に許してくれないと思ったので、強行突破で決めました。親は「あんたが一人暮らしなんてできるわけない! 電車もうまく乗れないのに!」って言ってましたし……。 ――えっ、まず、そこから!? 瀧本 過保護だったので、危ないから料理も作らせてもらえなくて、遠出もしちゃいけなかったんです。だから、ほんとに一通りの電車の乗り方しか知らなかった。親にしてみれば、「料理も何もできない、電車も一人で乗れない人が、知り合いも誰もいない東京で一人暮らしなんて無理でしょ?」って感じですよね。でも、出てきちゃった。家も借りて、仕事も見つけて……。 ――いっきに自立ですね! ホームシックになりませんか? 瀧本 ならなかった(きっぱり)。夢まっしぐらなので、「早くうまくならなきゃ、関西弁のなまりをとらなきゃ」って、そればっかりで、気がついたら2年3年と経ってました。学校に行っている間も特殊な感じでね、日ナレって、普通は進級審査を受けて、受かったら上のクラスに行けるんです。まず“基礎科”があって、それから“本科”、その次が“研修科”。それからやっと所属なんです。 ――ステップが多いんですね……! 瀧本 ただ、私は日ナレ本体ではなくて、アーツビジョン放送劇団っていう団体だったので、また別件だったんです。だから、入ってしばらく経ったら、放送劇団が本体に吸収されることになって、いっこ飛ばしで“本科”に入れたんです。それから1年後、進級審査落ちてまた本科で学んでいたある時、クラスを見にきた講師の先生に引き抜かれて、“研修科”にあがったんです。 ――それだけ実力があったってことですね、すごい! 瀧本 それが全然そうじゃなくって……「とにかく目につく奴を上にあげた」んですって! 私、たまたまその日は先生に怒られていて、泣きながら「はい! はい!」って言い続けてたんです。それが目についたみたいで、「辛抱強いというか、打たれ強いというか、それであげた。お前を上手いと思ったんじゃないから」って言われました(笑)。 ――さすがプロの着眼点、よくわからない! 瀧本 普通は「あなたは上手い」って認められた上であがる研修科に、下手なままあがっちゃったんですよ。それも面白かったです。うまい人たちに引っ張っていってもらえるし、良い先生との出会いもあったし、そのお陰で私は伸びたと思います。 ――なるほどー。ちなみに、ご自身が実際に声優になって、思ってたのと違ったことはありますか? 瀧本 最初の頃は、「声優になれた! 仕事ができる!」って喜びの方が強かったなぁ。でも、思ってもみなかったことは沢山ありましたよ。どれも新人だった頃の話ですけど。当時は、まだ昔からの風習が残っている厳しい現場だったので、新人がお茶を入れて配ったり、差し入れがあったら開封して配ったりと、普通の会社の新人OLがする仕事と同じ事をやるのが当たり前でした。座る席も、モニター画面が一番見えにくい場所に座ると決まっていたり、最初、それ知らなくて主人公だったから真ん中に座ったら、「あら、お偉いわね~」って言われて気付いて、すみません知りませんでしたと深くお詫びして端っこの席に座り直したこととかありました(笑)そういった現場でのルールって、誰かに教わらないと知ることが出来ないので怖かったです。マイクの使い方もそうだし。全部ルールがあるんです。他にも、とある番組にゲストで出演したんですけど、いつもの感じでニコニコして、隣の人に話しかけたりしてたら、後日「こないだの現場で、ニコ二二コしてたでしょ? 隣の人とかに話かけてたでしょ? アレ、やるな。新人は笑わず黙って座ってればいいんだよ。」って先輩からクレームもらって。「えええええ!!」ですよ。休憩時間にしかやってないのに。「明るく元気にいこう!」という精神を全て砕かれて、そこから私、ずっと暗い人になっちゃって……。 ――何それ!! 心が折れます!! 瀧本 現場でもずっと下向いてしょんぼりして、話しかけられた時だけ笑うから、“氷の微笑”って言われてました(笑)。「瀧本さんって全然しゃべんないし、笑ってても何考えてるかわかんないよね~」「芝居してるときはあんなに元気で明るいキャラやってるのに、なんで普段こんなに暗いんだよ」「あのさぁ、いつも気になってたんだけど何で怒ってるの?」って言われて(笑)「違うんです!! 喋るな、笑うなって言われてて!!」って説明したら、「あ、そうだったの!? なんか気に触ることしたかなあ?ってみんなで心配してたんだよ~」って誤解が解けて……。無表情だと本当に人相が悪いんですよね、私……。怒ってるような顔つきになっちゃうんです。今は、流石に25年経って中堅になってるので、喋ったり笑ったりしてますけど(笑) ――ちなみに、声優のお仕事だけで食べられないときはどうされてましたか? 瀧本 たぶんバイトですね! デビューしてからしばらくは、いっぱい仕事があってもギャラが安いんですよ、新人だから。寝られないくらい仕事があっても生活苦。私はアルバイトを掛け持ちする体力がなかったので、東京に出て来て、すぐに就職してます。
IMG_8892
――仕事辞めて東京に来て、また就職!? 瀧本 自分の夢を目指して出て来てるから、絶対に親からの支援は受けませんって断ってたから、親からの仕送りもナシだったので、東京で暮らせるお金は二ヶ月分しかなかったんです。2カ月以内に仕事決めないと、お金が底をついちゃう。だから、東京では、まずハローワークに行きました。 ――東京観光もせずに職安……! 瀧本 ハローワークの人に「こういう職を希望してるんですけど」って言ったら「こんなのないと思いますよぉ?」って鼻で笑われて、「こっちは真剣なのに!」って憤りながら「じゃあ自分で探すからいいです!」って別のスペースで探したら、あったんですよ、希望通りの仕事! だから、わざわざその人のところに行って「あ・り・ま・し・た!」って言ってやりました(笑)。そこに面接に行ったらすぐに採用してもらえて、翌日から働きましたねぇ。神様、味方してくれまくり! 初めて世の中に広く名前を知ってもらえた『魔法陣グルグル』(1994年~)の時もそこで働いていたし。 ――え!! ニケ、就職してたの!? 瀧本 そう! 「魔法陣だ~!」とか言いながら、会社では「はい、こちら○○○でございます、いつもお世話になっております」って電話うけてました。 ――あんな人気アニメの声優が!? 信じられない!! ちなみに、新人声優のお給料って、どれくらいなんでしょうか? 瀧本 日本俳優連合っていう協会があるんですよ。その協会に入っている人と、入っていない人で金額が変わります。 ――と、言いますと? 瀧本 入ってる方が、お金がキチッと整理されるんです。ランク付けがあって、そのランクによって金額が決まっていて、登録したばかりの新人はアニメ1本で1万5,000円です。 ――ほ、ほう! どの役でも、ですか? 瀧本 はい。主役で死ぬほどしゃべっても、一言「ヤッホ~」だけでも、ギャラは同じです。 ――ええええ! そうなんですか! じゃあ、それからベテランになっていくに連れて、ギャラは上がっていくんですか? 瀧本 その人によりますね。アイドル声優だったら、値段をつり上げても出せば売れるから年々上げていく人もいるのかもですけど、実際のところ自分以外の方のギャラがどうなっているかは知りません。一年ごとにギャラ更新があるので、そこで上げると申告すると上がる。本人が決定する事が出来るんです。でも、事務所に所属してる人は事務所との相談ですね。 ――わあ……自分で交渉できるなら協会に登録しない方が得って感じもしますけど、それはそれで難しそうですし……うーん、世知辛い! 瀧本 世知辛いですよ! 新人の場合は1万5,000円ですけど、そこから事務所に手数料を抜かれますよね。50%とるところだったら、残りは7,500円で、そこから源泉で750円引かれて、台本を取りに行くなら交通費の電車賃もそこから……ね? お金ないでしょ? ――どう頑張っても5,000円くらいしか残らない! 主役をやっても全然無理です!! 瀧本 事務所によって手数料の%は違うので、所属する際は、調べた方がいいかもですね。かなり手取り金額が変わりますからね。大体の場所は20%~30%が相場ではないかと思いますが。そんな訳で、ずっと普通の仕事と掛け持ちでしたよ。声優業が忙しくなってあんまり普通の仕事に行けなくなってからも、バイトに切り替えて行かせてもらって、7年間は働きましたね。その会社の方とは、今でも年賀状のやりとりしてますよ。 ――想像以上に厳しい業界です……! 今まで声優を辞めようと思ったことは? 瀧本 ないです。でも以前、“大人の事情で主役を降板”ってことが、1年で3回重なったことがあったんです。そのときは、自分が戦ってもどうしようもないし、絶対にひっくり返らないし、プライベートもうまくいかなくて、体重が37キロまで落ちちゃって。精神的にきちゃって、食べたくても食べられないし、眠りたくても眠れなくて、それでも仕事はしてるから、周りから心配されてしまってね。私は「痩せられるー!」とか思ってたんですけどね(笑)。この時は辛かったです。 ――危機感のなさが余計にヤバイ! 瀧本 でも、洋画の吹き替えの仕事の時、共演の方々に「みんなと一緒なら食べられるんじゃない?」って誘ってもらって、それがすごく美味しくて!「食べられた~♪」って言いながら。 そんなことをしていたら、オーディションなしで洋画ドラマの主役をいただいて、「こんなこともあるんだ、頑張ろう」って。その後も、またオーディションなしでアニメの主役をもらったんです。それが『まほろまてぃっく』(2001年)なんですけど、そのアニメにはすごく助けられました……。私が演じた優くんっていうキャラクターは、両親を亡くして大きな家に一人で住んでいるんですけど、そこに可愛いメイドさんがやってきて、人生が変わっていくんです。どんどん明るくなって、人生が良い方向に向かってくの。私も、優くんと同じようなところにいたので、本当に彼と一緒に明るい方に連れて行ってもらえた感じで……本当に、いつも作品に助けられています。 ――良い話! あ、良いお話と言えば、2014年は声優の荻原秀樹さんと結婚されましたね、おめでとうございます! 瀧本 あ、ありがとうございます! ――出会いは……? 瀧本 向こうは私のことをずっと認識してたんですって。『魔法陣グルグル』でニケをやってる時に、学校の生徒がアフレコを見学に来る日があって、彼はその見学者の中にいたらしくって。私も挨拶はしたけど、もともと顔が覚えられなくて(笑)。その後、共演も何度もしてるんです。でも、彼のやった役は覚えていても、彼のことは覚えてないっていう……(笑) ――ヒドイ!! 瀧本 『きこちゃんすまいる』(1996年)も『超者ライディーン』(1996年)もレギュラーで出ていて、そこに彼もゲストで来てたんですよ。他の子が「ヒデ、ヒデ」って呼んでたのは聞こえたけど、彼のことはまったく覚えてなかった(笑)。彼自身のことは、『グラビテーション』(2000年)でようやく認識しました。 ――それはまた長い道のりでしたねぇ……。 瀧本 その後、『まほろまてぃっく』(2001年)でようやくクラスメート役で共演者になって、「あ、確か『グラビテーション』で一緒でしたよね?」なんて言ったら、「瀧本さんの中ではそうかもしれないですけど、僕、ずいぶん前から何度も共演してるんですよ(笑)」って言われて、「え! アレも? ああ、アレも? ヒデって呼ばれてたの君だったんだ!?」ってなって(笑)。 ――やっと認識!! じゃあ、そこから付き合ってるんですか!? 瀧本 いえいえ、その当時は友達でしたよ(笑) ――長い友達期間を経ての結婚ってどうですか? 新婚とはいえ、一緒にいる時間が長すぎますよね。 瀧本 そうそうそう。だから、ただ籍が入っただけですよ。結婚して変わったこともないですし。普通にモンハンで遊んでたりする(笑)
takimoto600_1
――あ、2月5日ライブをされますね。ご夫婦で出演されたりしないんですか? 瀧本 残念ながら私だけです、ゲストで呼ばれての出演ですし。でも、私は二人で何かライブだったり楽しくやれたら最高だなあっていう希望はずっと持ってます(笑) ――ブログに書いてあるライブの告知に、「人前に出るのが最後かもしれない」って書かれてたのが気になって、ブログを読み進めていたら、その前の年も「これが最初で最後の舞台かも……」って書かれていて、アメ横の閉店セールみたいになってましたよ! 瀧本 (爆笑)!! 出ない出ない詐欺ですね!!舞台はもともと立つ機会が全く無かったので、最初で最後かもと(笑)今回のライブも歌を歌いたいなら25周年ですし、折角ですしって誘って下さって実現したものなので次はいつライブやるかわからないよ?って。何が言いたいかというと、今が大事ってこと(笑)次行けたら行きますって人よくいるんですけど、未来のことはわからない。何かを開催するのはとっても大変なんですよって。人前に立つといえば、人前に立たない生活してると一般人な感覚になっていくんですよ、芸能人である自分を忘れていくような。けど、いつも、そういうときに、人前に立つ(出る)お話がくるんですよ。ライブもそうですし、こちらの声優 on FINDER!さんのコメントと撮影もそうで。天が私に「まだ芸能人だよ」と言ってくれているのかもしれない。 ――きっとそうです! ではでは、今後の野望は? 瀧本 最近はめっきり少年役がご無沙汰なので、また主役とか、少年役をやりたいなぁ。けど、そういう時代でもないのかなぁ。あとは、自分で頑張って曲を作って出したいと思ったりはするんですけど、才能がないので、勉強しなきゃな~と思ってるうちに時間が過ぎて、あれから1年、2年……ってなっちゃうんですよねぇ。でも、何かは作りたいなぁって思っています。 ――楽しみにしています! 今日はありがとうございました!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●たきもと・ふじこ アーツビジョン所属 声優25周年を迎え、今年は26年目突入。 少年役を得意とし、様々な主役を演じている、老婆から赤ちゃん、動物なんでも演じる幅広さが特徴。神ゲーと呼ばれる作品の主役も務めるなど、ゲーム、アニメ、洋画、歌手、講師としても活躍している。 『魔法陣グルグル』(ニケ)、『ラブ★コン』(寿聖子郎)、『イナズマイレブン』(浦部リカ、ガゼル)、『グランディア』(ジャスティン) 時のオカリナ(子供リンク)、『クロックタワーゴーストヘッド』(翔)、『夢のチョコレート工場』(チャーリー)、『フリークスアンドギークス』(サム)など、様々な役で活躍。 2月にライブ、そして、4月にもグルグルの衛藤ヒロユキ先生主催DJpartyのスペシャルトークゲストとして参加が決まっている。 Twitter @inkarose77 ブログ http://angelkimagure.blog85.fc2.com/ HP http://angelring.chu.jp/ 仕事情報ブログ http://takimotofujiko.cocolog-nifty.com/blog/ 2016年2月5日(金)のライブ情報 『超AniROSSO~Valentine's Live~』 2016年2月5日(金) 場所:新宿 GYOEN ROSSO 198 OPEN 18:30 / START 19:00 チケット 前売り 3400 当日 3900 (ドリンク代別 1ドリンク600 2ドリンク1000 飲み放題2500) 前売りイープラスにて2016年1月30日まで 以降は、当日券または 本人連絡で取置きになります。 http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002171535P0030001 GYOEN ROSSO 198 新宿区新宿1-19-8 サンモール第7ビルB1F 電話03-5925-8333 「新宿御苑前駅」2番出口より徒歩3分 http://bar-rosso.com/ 出演者: スペシャルゲスト / うちやえゆか スペシャルゲスト / YOFFY(サイキックラバー) 瀧本富士子・ 那須めぐみ ・コウノイチロウ ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
【ライブ情報】 ■『宍戸留美ひとりひとりにサリューvol.4~ショコラ編~』 日程:2/14(日)会場:風知空知 開演:14時 ゲスト:minmin 前売り¥3,500(1D別) ◼︎『宍戸留美ひとりひとりにサリューvol.5〜11/6蠍座B型デビュー25周年編』 日程:2/20(土)会場:風知空知 開演:19時 ゲスト:瀧本富士子 OA:蝦名恵 前売り¥4,500(1D別) 詳細は下記リンクまで。 公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「OPD時代、恋愛はOKだったけれど……」【中野公美子】吉本新喜劇を彩る“美魔女”の悩みとは……?

nakanokumiko_0564206.jpg
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の36回目! 今回は、元大阪パフォーマンスドールで現在は女優、そして“ルミネtheよしもと”の新喜劇に出演中の中野公美子さんが来てくれました! ――今日はお一人ですか? マネジャーさんは? 中野 いないです(笑)。基本、吉本はマネジャーはついてこないです(笑)。 ――そうなんですか! 吉本興業に所属されてどのくらいなんですか? 中野 うーん……21、2年? 最初からずっと吉本なんですよ。 ――えっ!? 私はてっきり大阪パフォーマンスドール(以下OPD)時代はアイドル系の事務所にいたのかと! どうして吉本だったんですか? 中野 まず、OPDのオーディション情報に「歌って踊れるアイドル募集」って書いてあって、私、昔からクラシックバレエをやっていて、歌も好きだったので、「これは一石二鳥!」って応募したんです。キャッチフレーズにも“家から通える芸能界”って書いてあって、「大阪にいても芸能活動ができるなんて、めっちゃいいやん!」って(笑)。それに受かって、気付いたら吉本に入ってたんです。で、よ~~~く見たら、オーディション募集の端っこにちっちゃく『協力:吉本興業』って書いてあって……。 ――詐欺の手口みたい! 中野 私、もともと大阪出身なので、大阪で吉本っていうと、面白い子が「お前吉本行けや~」って言われるノリだから、「うわ! 自分が吉本入っちゃった!」みたいな感じでした(笑)。 ――オーディションに受かってからはレッスン三昧ですか? 中野 毎日レッスンで、歌とダンスとバレエ、演技と器械体操もあって、前転、後転、側転とかやってましたね。
nakanokumiko02
――新喜劇で、よりうまくコケるためにでしょうか……? 中野 あはは! 一応、OPDのためだとは思います(笑)。身体能力を向上させたかったのかな? その後も、「バク転ができるようになれたらいいね」ってやってたんですけど、結局誰一人できなかった(笑)。 ――レッスンというより修行に近いです! OPDには、1996年の解散までどれくらい在籍されていましたか? 中野 最後までなので3年間かな。解散というか、自然消滅みたいな感じだったんですよ。ファンのみなさんに「解散します!」って言えずに終わったので、すごいモヤモヤしていて……。昔、“よしもと大博覧会”っていう東京ドームでやってるイベントがあって、その中で何曲か歌うっていう、ミニミニライブみたいなものが最後でしたね。その時、私たちは会社から「これで最後」って知らされていたけれども、「公には言わないで」とも言われていたので……。だから、ファンのみなさんに挨拶できずに終わっているのがずっと心残りだったんです。 ――今みたいにTwitterで気軽に交流できない時代ですもんね、無言で放流されたファンたちはどうすればいいんだ……。その後、メンバーとの交流はありましたか? 中野 OPDって当時からみんな仲が良いから、今でも年に何回か集まってます。 ――そうなんですね、年頃の女の子が集まると、自然と仲が悪くなるイメージでした! 中野 (笑)! 関西人っていうのもあると思うんですけど、たまにメンバー同士でちっちゃい問題があったりしても、その場でお互いに言っちゃうから、それで解決(笑)。もう家族同士のお付き合いになってましたね。逆に「仲が良すぎてダメだ」って、マネジャーには言われていました。競争心がまったくないわけじゃないけどね。だから、解散後もずっと集まったりはしていて、6年前かな。みんなで「OPDの復活ライブをやろう!」ってことになって……。
nakanokumiko03
――おお! そこはやっぱり、歌って踊るんですか? 中野 最初はみんな「もう踊れないでしょ」「トークライブでいいんじゃないの?」って言ってたんだけど、「いや! やっぱり歌と踊りでしょ!! やらなきゃ!!」って(笑)。結果、半年以上の練習期間を……。 ――長!! 中野 振りつけとかも覚えてないから、当時のビデオを……あ、ビデオですよ、DVDじゃなく(笑)! それを見ながら半年間はリハーサルしてました。結婚して地方にいて来られなかったメンバーは手紙やビデオレターをくれたり、来れるOPDメンバーが来てくれたりで、当日はけっこう集まりました。そこでやっとファンのみなさんに挨拶ができました(笑)。 ――復活ライブで「解散します!」ってシュールすぎます! 中野 「復活ライブで解散しますとは言ってないんですけど、あの時はみんなに伝えられなかったけど、今、またみんなに会えて良かった!!」みたいな(笑)。お客さん入るかどうかも不安だったんですけど、当時のファンのみなさんがけっこう来てくださって、ぎゅうぎゅうの客席に懐かしいみなさんの顔があって……私たちもそうですけど、ファンの方も年齢を重ねているから、「あ~年月が経ったんだなぁ」ってしみじみして、涙ながらにMCしましたね。本当にうれしくて! ――良い話すぎてドキュメントで観たいです! 中野さんは、OPDに入る前は何をされていたんですか? 中野 その前は普通に高校に通っていました。ずっとバレエをやっていたので、もし芸能界に入れなかったら、バレエの先生とか、バレエ団に入ろうと思ってたんです。 ――そっちの人生もかっこよすぎ! そもそも、中野さんはアイドル志望だったんでしょうか? 女優のお仕事が多いですよね。 中野 アイドルに憧れていたけれど、お芝居もやりたいと思っていたんです。それをOPDの頃から両方やらせてもらっていたので、すごく恵まれていたなぁと思います。 ――NHKの大河ドラマに2本も出演されているのってすごいです。OPDをやりながら『星の金貨』(1995年/日本テレビ)、『龍馬におまかせ!』(96年/日本テレビ)、それにバラエティ番組多数、となると、かなり忙しかったんじゃないですか? 中野 まず、学生だったので、学校行って、終わったらレッスンに行って、お仕事があるときは学校を休んで……って感じなんですけど、芸能学校とかではない普通の学校なので、単位が厳しくて、大変でした。 ──そうして無事に女優業やOPDの活動ができたわけですが、その頃は吉本の新喜劇に出るとは思ってましたか? 中野 まったく(即答)。まったく思ってなかったです。たまたま、先輩に「ルミネで新しいお芝居みたいなのをやるから、どう?」って言われて、せっかくお誘いいただいたので、よろしくお願いしますって。そうやって出始めて、もう10年くらいですね。 ――新喜劇に出てる綺麗な女優さんってどういう流れて出てるんだろうと思ってたけど、そういう流れがあったんですね! 新喜劇は、普通のお芝居やライブとはまた違う楽しさがありそうですね。 中野 というか、すごくびっくりしたんですけど、普通、舞台って1カ月くらい稽古期間があるんですけど、吉本のって1回とか2回しかないんですよ。だから、めちゃめちゃ緊張します。お笑いなので、お客さんの反応を見ながら変えていくんですよ。だから、一番始めはあんまり作り込まずにやって、そこで生まれたアドリブがウケたら、それが本当の台本になるんです。だから稽古もほとんどなくて、10年やっても初日は緊張します。 ――芸人さんたちのアドリブに答えていかなきゃいけないんですもんね、気が抜けない!! ところで、芸人さんに口説かれたりはしないですか? 中野 うーん、同じ事務所だと、いろんなウワサも耳に入ってきますし……もちろん芸人さんは尊敬してますけど、自分が彼女だったら大変だろうなって思っちゃう(笑)。
nakanokumiko04
――その芸人のいろんなウワサだけで日刊サイゾーで数コラム書けそうだから教えてほしいです……。あ、ところで、昨年大人AKBのオーディションを受けていたっていうのは本当なんですか!? 中野 (爆笑)!! 受けました、受けました! ――事務所の意向で? 中野 いや、もう自分で「受けたい!」って(笑)。マネジャーに「受けたいんですけど」って言ったら「言わなかったんですけど、ちょうど中野さんにいいと思ってたんです」って! ――ちなみに、なぜ受けようと思ったんですか? 中野 歌って踊るのが今でも好きだから! それにAKBの人たちって、すごい一生懸命でキラキラしてるから、一緒にできたら楽しいだろうなぁと思ったんですよね。最終選考までいけただけで、良かったかな(笑)。 ――最終まで!? すごい!! 昨年はそれだけじゃなく、美魔女としてYahoo!ニュースのトップにもなられてましたね。確かに美肌がまぶしすぎます。日々、気を遣ってることを教えてください! 中野 私、特別なことは本当に何もしていなくて……。 ――綺麗な人はみんなそう言うよね……。 中野 ただ、昔から自然にやっていることが、周りから見たら「手入れしてるね」って言われることはよくあります。例えば、お風呂上がりは体を拭いたら下着とか着る前にまず化粧水を付けたり、その後もちょっと時間をおいてまた付けるのを3回くらい繰り返す、とか。半身浴で汗をかいたり、今だったらジムに通っているので、ヨガをしたり、筋トレしたり。 ――なるほど、やっぱり美は一日にしてならずですね。 中野 あと、うち、犬がいるんですけど、もう毎日可愛いんですよ。だから毎日可愛いね、可愛いねってキュンキュンしてるから、そういうのも影響してるのかな(笑)?
nakanokumiko05
――犬と言えば、中野さんのYouTubeのチャンネルを見たんですけど……。 中野 ああ、めっちゃ恥ずかしい! ごめんなさい!! ――ずっと犬を愛でながら顔をべろべろ舐められて喜んでる映像ですごかったです! そしてその後、更新がプッツリ途絶えました。 中野 ネタがないんです(笑)。私、用事がない限り外に出ないので、余計にね。 ――家の中ではどんなことをしてるんですか? 中野 家のこととか、勉強したり、DVD観たり、犬と遊ぶくらい……。だから、それじゃいけないと思ってジムに行くんです(笑)。 ――ブログを見ると人と遊んでいる記事も多いので、アクティブな方だと思い込んでいました。 中野 アクティブな所もありますが、今となっては、みんなけっこう結婚しているので、前ほどご飯を食べに行く機会も減りましたね。その子のお家にいって、子どもと遊んだりしてます。 ――中野さんのブログは、犬の次くらいに子どもと戯れてますね! 子どもが欲しくなったりしますか? 犬がいるとそうでもないのかな? 中野 もちろん! 欲しいと思っています!(笑) よく「犬飼ってるから独身なんだよ」って言われるんですけど、いやいやいや! それとこれとは別だし、ちゃんと私は彼氏欲しいと思ってるし、結婚もしたいと思ってます! ――結婚願望ありですか! どんな方がタイプですか? 中野 思いやりがある人ですね、誠実で。 ――タイプにビジュアルや年収を入れない心の清さがまぶしいです。OPD時代は彼氏はいたんですか? 中野 いなかったです(即答)。恋愛はOKって言われてましたけど、女子校だったので出会いもなくって。「彼氏欲しいな」とは思ってましたけど、それよりもOPDの方が大事だったので、そっちに必死でしたね。
nakanokumiko06
――私も女子校なのでわかります……女子校出身の方が絶対結婚が遅いですよね。ちなみに、自宅でしている勉強って言うのは、どんなものを? 中野 資格を取っていて、アロマテラピーとか耳つぼジュエリーとか、小顔とか……。 ――小顔!? これ以上なにを望むんですか!? 中野 私がやるんじゃなくて、やってあげる方で! 小顔リンパマッサージなんかを勉強しています。やっぱり友達はもう子どもがいて、自分に時間をかけられなくなっているから、そこを私がやってあげられたらいいなぁって。耳つぼジュエリーも良いですよ。ピアスに見えるけど、裏に耳のツボを刺激するチタンが付いていて、それをツボに貼ると効果があって……。 ――なにそれすごい。今すぐ友達になってください。このままいくと、自宅でサロンが開けそうですね。 中野 そうなんですよ、そうなれたらいいなって(笑)。 ――そういうのをYouTubeのチャンネルにあげていきましょうよ! 中野 あっそうか(笑)! そういうのを発信できたらいいし、みんなで綺麗になれたらいいな。 ――今日の取材、なんかサイゾーっぽくない! ゲスい臭いがしなさすぎて困惑します! 他にやってみたい仕事はありますか? 化粧品のモデルもされていますし、スタイルも素晴らしいし、モデルとかは? 中野 やりたいです! やっぱり、自分が美容に興味があるので、美容に関するモデルもできたらいいな。新たなことには、年齢関係なくチャレンジしたいと思います。 ――がんばってください!! そんな中野さんに、悩みはあるんですか? 中野 彼氏がいない、とか……(笑)。 ――てっとり早く、ご自身の元ファンとかだと嫌ですか? 中野 全然そんな事ないですよ! あはは! ――当時じゃなければもう時効ですよね。ちなみに、今、中野さんに会いたいっていう人は、どこに行けば会えるんですか? 中野 ルミネtheよしもとで(笑)。 ――元ファンのみなさん、チャンスですよ! 今日はどうもありがとうございました!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美)
nakanokumiko07
●なかの・くみこ 1993年~1996年 大阪パフォーマンスドールのメンバーとして活躍(シングル8枚 アルバム3枚) 『星の金貨』『竜馬におまかせ!』大河ドラマ『武蔵』『功名が辻』『仮面ライダーW』『碧の海』などに出演。 舞台「吉本新喜劇」(木村祐一班、陣内智則班など)にレギュラー出演中。 お芝居だけでなく、司会やナレーションなど幅広く活動している。 中野公美子ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/kumiko_nakano_blog Twitter @nakanokumiko instaglam kumikorion youtube https://www.youtube.com/user/nakanokumiko ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 子供達に絶大な人気を誇るNHKアニメ『はなかっぱ』ももかっぱ役で声優を務める。 デビュー25周年! 『デビュー25周年記念プロジェクト始動中!! 』 https://motion-gallery.net/projects/runrun25 最新インタビュー掲載中 http://otapol.jp/2015/08/post-3687.html テレビアニメ 『はなかっぱ』ももかっぱ役『VENUS PROJECT-CLIMAX-』黒城星役 webドラマ『鬼の人美に涙』配信中! https://www.youtube.com/watch?v=_6geVevMNG8
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

「殺人とかも起こっちゃって……」【優月心菜】壮絶すぎる地下アイドル現場を見た!!

IMG_7884
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の35回目! 今回は元コスプレイヤーでメイド喫茶研究家、グラビアアイドルで声優、女優にモデル、さらに脚本家に怪談師……とあまりにマルチに活動しすぎている優月心菜さんが来てくれました! ――ご無沙汰しています! 2014年の夏にニコファーレの『ドキッ 女だらけの怪談大会』でお会いしましたね~。あの時はまだグラビアアイドルだったような? 優月 グラビアは辞めたんですよ、今はもっと声の仕事をやりたくて頑張ってるところです! ――なぜグラビアは辞めちゃったの? 優月 ぜんぜん売れなくて(サラッと)。2枚目のDVDが発売日当日にお店に置かれてなかったり、発売イベント会場の場所も3~4日前になって伝えられて、告知もできないから人もぜんぜん来ないという微妙な感じで終わってしまって……。しかも2枚目だったらまだそんなに脱がなくていいはずなのに、けっこう脱がされちゃって「あ、もう絶対向いてない」と思って……。 ――辛かったね(涙)! 年齢設定が「永遠の15歳っ」ていうのも、もう辞めたんですか? 優月 辞めました。「イタイな」と思って(照)。それに、グラビアのオーディションに行くと、けっこうオラオラ系の人がいるじゃないですか。ああいう人たちに「何ソレ」「そういうのいらないから」とか、めっちゃキレられて、怖いから……。 ――グラドルはなぜか元ヤンが多いんだよね! こっちは呪われた青春を取り戻すべく「今に見ていろでございますよ~」って気持ちでやってるから、そっと側とは決して相容れないよね。 優月 そうなんですよ!! 最近気付きました、最初は認めてもらおうと思って頑張ってたんですけど、無理なんですよ! ――同じ立場にいるはずなのに「認めてもらおう」と下からいってしまう、オタクの悲しい性ですね! 優月さんは元からオタク気質だったんですか? 優月 産まれたときからオタクです。お父さんがセガのテストプレイヤーみたいな仕事をしていて、物心ついたときから家にセガサターンのゲームが全部あったんです! あとアニマックスも入ってたので、古いアニメを一日ずっと見放題! ――恵まれた環境で培われたエリート感! 一番影響を受けたアニメはなんですか? 優月 いっぱいあるんですけど、アイドルになるのに一番影響を受けたのは、田中陽子さんの『アイドル天使 ようこそようこ』です。ようこが渋谷のストリートでゲリラで歌を歌うシーンを見て「うわぁ~カッコイイ! 私もやりたい」と思って! ――まさかのよっきゅん! 優月 田中陽子さんとか、宍戸留美さんとか、中嶋みちよさんとか、CoCoさんで育ってるんで…… ――えっと、年齢は詐称してないんだよね? 優月 その疑惑はよく出ます(笑)。あと影響されたのは、宍戸留美さんのバトン! 『コズミック・ランデブー』(1990)を見てすぐにバトンを買いに行って、バトン部にも入りましたよ、運動神経悪いのに(笑)。バトンは小4から小6までやっていて、発表会も最初は我慢してよくわからない流行の曲でやってたんですけど、6年の最後には「一回だけ『コズミック・ランデブー』でやらせてください!! もう卒業なんで! わからないと思うけど覚えてください!! お願いします!!」って、ちゃんとフォーメーションも考えて、みんなにもやらせました! むりやり押しつけて(笑)!
IMG_7763
――ワー、キテる! その感じで生活すると、小、中、高校と、友達はできるんですか? 優月 できないです(きっぱり)。友達は外で、コスプレ会場とかでつくってました。 ――そこで引きこもらずに外で出て行く姿勢が素晴らしいです。 優月 1年引きこもりもやったんですけど、「コレつまんないな」と思って。その間はゲームつくったりしてたんですけども。 ――クリエイティブな引きこもりだね。めずらしいね。それでも、友達をつくろうという気持ちはあったんだね。 優月 コミケに行ったら、みんな楽しそうに友達とサークルをやっていて、「いいなぁ、やっぱ友達つくろう」と思ったんです。その翌年から、同人誌を描きながらコスプレもガンガンやるようになりました。 ――優月さんはコスプレイヤーでもありますもんね! コスプレデビューはいつだったんですか? 優月 小6でした。 ――ヒョーーー! 早いです! 優月 でも、ちゃんとメイクして、カツラとかもかぶってやるようになったのは14歳とかですよ。 ――それだって早いですよ! 悪い人に狙われたりしなかったですか? 優月 コミュ症で、男の人も寄ってこなかったんですよ……。芋臭いというか、オタクすぎるからかな。 ――そういう子が大好物な男性は多いと思いますよ。 優月 みんなでファミレスとかに行っても、よくわらかないプログラミングの話とかをずっとひとりでしてしまうので……。それか、怪談話とか……。 ――いろいろと度を超えていたのでしょうか。若くて可愛くても話の内容がプログラムと霊……モテない! 優月 モテない! ――そこから、どうやってこのお仕事にたどり着いたんですか? 優月 もともと、声優さんやアイドルさんが憧れだったんですけど、どうやってなるのかがわからなくて……。事務所に入ると、レッスン料とか撮影料がめちゃめちゃ高いイメージがあって、「どうしよう、貧乏だからそんなの無理だ……」と思ってて……。 ――そういうので儲けてる事務所も、実際いっぱいありますもんね。 優月 だから、似たような活動をもっと安くできないかなって思っていたときに、コスプレイヤーのお友達が「心菜ちゃんも一緒にやろうよ」って、アイドル撮影会に誘ってくれたんです。それに出たら、たまたまそこの撮影会のオーナーさんが水野葵ちゃんっていうアイドルさんのマネジャーをやっていた方で、その方にいろいろ教えていただいて、メイド喫茶のメイドをやりながらライブに出るようになって……。 ――ちょっと待ってね。学校に行きながらコスプレイヤーをやって同人誌を描いて、メイドもやってたの? どのくらい? 優月 メイド喫茶は6年くらいですね。
IMG_7792
――長!! 優月 学校が楽しくなかったので、外で発散しようと思って……。その時はまだメイド喫茶のはしりの時代なので、すごく面白かったですよ。昔はメイドのアルバイトって300人に1人しか受からなかったんです。だからちょっとしたアイドルみたいで、送り迎えもタクシーを使わせてもらえたりして。 ――芸者並! 優月 だからみんな厳しかったですね。「可愛い服が着たいとか、そういう生半可な気持ちじゃなくて、本気でメイドが好きじゃないとメイドはできないの」みたいな、意識高い系のメイドでした。今は「可愛い服を着てお給料稼いじゃお☆」みたいな求人が出てることが多いんですけど、昔は「本当にメイドがしたい人以外は応募しないでください。コスプレお断り」みたいな感じでしたもん。研修の時はお給料ナシでしたし、お辞儀の角度まで決まってました。 ――き、厳しい……! 6年もいたら、そうとう古株になりませんか? 優月 そうですね。でもやっぱり、そこでも浮いていたので……。私すぐに浮くんですよ。メイドでもずっと浮いてましたね。 ――6年も浮きながら居続けた根性がすごいです。 優月 いつか浮かない自分になりたいと思って……。 ――生活はバイトでなんとなかなるとしても、精神的にはご家庭でのフォローがないと厳しそうですね。ご両親とは仲良くやられていますか? 優月 いや、もう絶縁していて……何やってるのかも知らないと思います。ギャンブラーだったんで。 ――お、おお……。じゃあ、えーと、彼氏とか……? 優月 彼氏どころか、家が貧乏すぎて、高校1年の時に学費が払えなくなって退学したんですよ。それ以降ずっと引きこもって、また一から受け直して2年通ったんです。けど、またやっぱり学費が払えなくなって定時制に転校することになって、高校卒業するのに5年かかったんですよ。 ――さっきからすごい話が出すぎィ! それで、学校でもやっぱり浮いていたんでしょうか? 優月 もちろん! というか、学校生活は、ほとんどずっとイジメられていて、定時制に行ってやっとイジメされなくなったくらいですね。定時制は『ごくせん』(日本テレビ系)みたいなヤンキーしかいなかったので、私みたいなのは珍しがられて、逆に大切にしてもらえたんですよ。けど、あとはずっとイジメられてましたね(笑)。もうどこでもイジメられてました、メイド喫茶でもバイト先でも、学校でも(笑)。 ――笑ってるけどけっこう壮絶な話だからね、それ! 自殺してもおかしくないやつだよ! 優月 何回も死にたくなりましたよ! その上、私をイジメてた子のひとりが、今、すごい有名な声優さんになっちゃって……本当にひどくて、カバンの中身とかを全部出して裏に捨ててあったりとか、靴をぐしゃぐしゃにされたり……! それでも死ななかったのは、「見返そう」という気持ちと、家に帰ってアニメを50本とかバーーーッと見続けると元気になれるから、それに生かされましたね。私、ストレスが溜まると、2日でアニメを全て見切るっていうのを習慣としてやっているんです。寝ないでずっと水だけ飲んで『美少女戦士セーラームーンR』を2日で見切った時には、さすがに「気持ち悪い」と思いましたけども(笑)。 ――シャブいらず……! でも、それじゃ、暇な時間がないでしょ? 優月 暇だと「頑張ってない」って気がしてきちゃうんですよ。『おジャ魔女ドレミ』も、4年間流れてたものを1カ月で見終えましたよ。 ――生き急いでいる……! ひとり暮らしでその生活って、いろいろ大丈夫?  優月 今、シェアハウスなんですよ。 ――シェ、シェアハウス!? なぜわざわざまた浮きそうな所に!? 優月 いや、住人がみんなコミュ症だから、人の気配がすると誰も廊下に出てこなくって、私が部屋にひっこんだのを確認すると人が出てくるんですよ。だから誰にも会ったことなくて(笑)。すごい快適です! ――ライトを照らすと逃げる虫みたいだね! ちなみに、普通に就職しようと思ったことは? 優月 一度、探偵をやってたんですけど……。 ――ん? 何を言っているのかな? 優月 データ入力のバイトに募集したら「実はデータ入力は表向きで、ホントは探偵なんだけど大丈夫?」って言われて、犬を探したりしましたよ。あとは、浮気調査のデータを大量に渡されて、クリスマスにはホテルでずっと張り込みしたりしてました。あとのバイトは普通ですね。ラブホテルの清掃とか……。そこもすごかったですよ。動物園みたいな臭いがすると思ったら部屋中にうん○が塗ってあったり……。 ――そっか。優月さんの普通の定義、たぶんちょっとズレてるよ。まず何が起きて、そのバイトをしようと思ったのよ……。 優月 当時は定時制に通ってるから、深夜にできるバイトがそこしかなくて……。探偵は、あまりに芸能のお仕事がないから「普通に就職するのも良いかもしれない」と思ってやってました。
IMG_7868.jpg
――しかもデビュー後の話かよ……。アイドルがクリスマスにホテルで張り込む側なんて……(泣)! というか、話がそれてしまいましたが、デビューのきっかけを教えてください! 優月 ある日オーディション情報を見ていたら、レッスン料が安い声優オーディションを見つけて、それを受けて……。 ――ずっと金額を気にしまくってるのが切実ですね。ちなみに、事務所の方は、優月さんが受けに来たときはどういうリアクションでしたか? 優月 「目に輝きがない」って言われました。ずっと家に籠もって、プログラムばっかりやってたので……。 ――すみません、プログラムというのがよくわからないんですが、具体的には何をやってたんですか? 優月 C言語っていうのができて、ゲームを作れるんですよ。10代の時から3っつ作ってて、「ウィンドウズマガジン」とか「週刊アスキー」に載せてもらったり。 ――すごい多才さ! プログラムはいつ覚えたんですか? 優月 お父さんが昔から秋葉原に通っていて、パソコンが大好きだったんですよ。3歳くらいから、お下がりのマッキントッシュを使っていたので、初めて絵を描いたのも、クレヨンとかクーピーよりも先に『一太郎』の『花子』ってソフトでした。 ――恐ろしいエリート教育……! 恐ろしいといえば、優月さんは怪談話も得意ですよね。もともと霊感があるんですか? 優月 そうなんですよ。子どもの頃にいわく付き物件に住んじゃって、寝てるときにずっとダダダダダーッて足音が聞こえるので、家族に「なんか音がする!」って言ったんですけど、みんな「聞こえない」って……。でも、その家を引っ越した後に「ごめん、怖がると思って言わなかったんだけど、ほんとは全員聞こえてた」って。霊感も、その家に住んでるうちにつきました。他にも……(以下怪談話)。 ――何それ全部こわい! 夏場はそれで営業まわりましょう! それにしても、怪談、コスプレ、夏コミ、冬コミ、ゲーム、メイドで、ぶっちゃけ、本業の声優で食っていかれずとも、なんらかで食っていけそうな気もしますね。 優月 それも一応視野には入れて……あっ、もちろん声優にはなりたいんですけど! 食っていかなきゃいけないから! 普通のバイトをしてると、お仕事できないじゃないですか? だから、ちょっとずついろんな商売をやって、自分で生計を立てながら声優を目指すっていうのを、今やっています。 ――しっかりしているなぁ! オタク的な活動をされた上で、地上波にも出演されているのもすごいですよね。先日も『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)で、地下アイドルと王様気分のファンに対してキレッキレにキレていたとか。それはどういう流れで出演が決まったんですか? 優月 「キレて怒りをぶつけよう!」みたい企画だったので、「コレは何かできるかもしれない」と思って自分で送ったんです。地下アイドルをやっていたときに、すごいひどい状況をいっぱい見てきたので、もうそろそろ言ってもいいだろうと思って。 ――自薦!? ちなみにどんなことに対してキレたんですか? 優月 地下アイドルの人たちって、お客さんと外で会ったりしてファンをゲットしてるんですよ。っていうか売れない地下アイドルはほとんどがソレなんです! ライブ後に帰り道を歩いてCoCo壱番屋を覗いたら、さっき会場にいたお客さんとアイドルがごはん食べてるんですよ。あと、アイドルの子の家に遊びに行ったら、昨日その子のファンが着ていた服がハンガーにかけてあって……「あ、泊めた」とか言って! どうなっているのかと! ――何ソレ!! 夢があるのかないのか、もうわからない!! 今、現場はそんな戦場みたいになっちゃってるの!?!? 優月 そうなんですよ、もう殺人とかも起こっちゃって。
IMG_7928
――殺人!!?? 優月 5人のアイドルを推してくれるファンの人がいて、その5人の中に私も入っていたのですが、その方が中毒みたいになってしまって、物販のためにお金をおろしまくって、もうお金がなくなっちゃったみたいなんですね。それで、誰かにお金を借りようとしたけど、なかなか貸してもらえなくて、鈍器で殴って殺しちゃったんです。それからしばらく逃げていたので、殺してから何回も私のライブに通ってたんですよ。羽振りがよくなったから「おかしいな」とは思ってたんですけど、そんなことになってるとは思わないから……。その人の家から私と撮ったチェキが家からいっぱい出てきたから、どの現場に行っても警察が来て「何をプレゼントされたか」「この時はチェキを撮ったのか」って事情聴取されました。 ――何ソレ!! さっきからすごいことをサラサラ言うね!!! そ、それで、その人はどうなったの? 優月 結局ライブ会場を出たところで御用になったので、今はたぶん獄中ですかね。そのライブ会場もつぶれてしまったなぁ(しみじみ)。 ――いつか慰問ライブに行きたいね……。はぁ、それにしても、そんな怖い思いをしているのに「もう辞めたい」とは思わないんですか? 優月 もう何回も「辞めたい!」と思いました……! でもやっぱり、今までずっといろんな人に馬鹿にされてきていて、それが悔しくて、辞めたくなると馬鹿にされたエピソードを思い出して「頑張ろう!」と思うんです。 ――ちなみにどんな感じで馬鹿にされるんですか? 優月 もう、たくさんありすぎて! DVDが流通に並んでないのだってそうですし、大手のオーディションに行くと私だけ名前も聞いてもらなくって「アキバ系なんだね、君はもうお話にならないね。もういいから(失笑)」って扱いだったり、グラビアやってても雑誌にも載ってないので、売れてるグラビアアイドルに「正直微妙(笑)」って言われたり、それはもう……! ――その道なら私も通ったことがあるよ! 売れないアイドルって人権がないんだよね(涙)。やっぱり今まで馬鹿にしてきた奴らを見返すには、出世しかないのかな。 優月 出世ですね。それは常に思っています。 ――お仕事をしていたらうれしいこともありますしね、良い思い出をたくさん作っていきましょう! ちなみに、一番うれしかったお仕事は? 優月 『めぐる季節の中で──春冬編──』『めぐる季節の中で──夏秋編──』ですね、これは感動しました! ――優月さんは出演と歌と……原作もやってるんですか! 同人作家時代の経験が活きまくりですね! 中学生の淡い思い出を切なく描いた作品とのことですが、優月さんの中学生時代って……? 優月 私にとって中学ってすごく特別なものだったんですよ。友達もいないし、イジメられてて、クラスでも浮いてたんですけど、学園もののアニメが大好きだったこともあって、学校っていう場所に、あの校舎に出入りできてたってことがもう幸せで……! ――幸せのハードルが低め! 優月 だから、このCDにも肝試しに行く話があるんですけど、コレは実話なんです。ただ実際はこんなに仲良くはなかったんですけどもね! リア充が「肝試し行くから怪談詳しい人も来て」って言われて、「なんか出たらお祓いしてもらおうぜ」って……そういう枠でいつも呼んでいただいてました! ――滲み出る下っ端感に親近感が湧きまくりです。キャスティングされてる声優さんも豪華ですよね。岩男潤子さん、國府田マリ子さん、宍戸留美さん、椎名へきるさん! 優月 本当にダメもとだったんですよ。絶対に断られると思ったのに、みなさま快く引き受けてくださって……。 ――憧れの声優さんたちが演じるのを見るのはどうでしたか? 優月 もう感動して、鳥肌が立って、泣きそうになりました。もう涙をこらえながらの収録で。 ――自分が作ったものに自分も出て、憧れの人たちと共演って、究極の自作自演ですね。 優月 本当に! 作ったときは「ハァァ、もうこれで死んでもいいや、幸せ~~~」と思っちゃったけど、収録でみなさまを生で見ていたら「ハッ、まだダメだ、やっぱりちゃんとアニメに出たい」って思って踏みとどまりました。 ――良かった! でも、これで制作側にもまわれているわけですし、これからもバンバン脚本を書いて、今まで馬鹿にしたり、イジメてきた女がオーディションを来たときに、審査員席からすっごい嫌らしい微笑みで迎えてあげたいですね。 優月 やりたいですねぇ(満面の笑み)! でも、コレ(『めぐる季節の中で』)の時にそれに似たことはできて……。
IMG_7940
――詳しくぅ! 優月 前に某ゲーム番組の仕事をしていたときに、3人女の子が出演する中で、なぜか私だけ下ろされたんですよ。「降板です」とも言われないまま、急に番組に呼ばれなくなって、なんに説明もないから番組のファンにもすごく叩かれて、辛かった……。 ――ちなみに番組を干された理由はなんだったんでしょうね? 優月 (自主規制)……。 ――あ~……それ優月さん悪くないやつだよ! お疲れ様でした! 優月 それで、私の後に入ってきた女の子が声優をやっていたこともあって、番組ファンの人にめちゃめちゃ比べられてたんですよ。「心菜はグラビアなんかやってAVか。かたや○○ちゃんは声優で売れてて天と地の差だな」って。だから「絶対一緒に仕事しよう」と思って、今回は無理矢理キャスティングしましたね(ニヤリ)。 ――ヒュ~! カッコイイ~!! その調子です!! 優月 私の事務所は声優の事務所じゃないので、オーディションも全然まわってこないんですよ。だから、「自分の出る場がないから作れ!」と思って、今後はこういうドラマCDもどんどん企画したいです。今、漫画の原作も書いてるんですけど……(優月心菜原作『アイドルになりたいっ!』) ――これ、リアルで超面白いです! 優月 いつかアニメ化も狙って(笑)。今って、みんな養成所に行ってから事務所に入って、それで声優になるじゃないですか? でも、私はお金がなくて養成所に行けなかった。だから、違うルートからでも、養成所を出た子たちと同じように声優として活動できるって証明したいんです。負けず嫌いなので(笑)。 ――なんて偉いの……(涙)! 物騒な話でアレですが、身を崩してまで貢いで応援したくなる気持ちもわかる気がしてきたよ……! 今日はどうもありがとうございました、全力で応援します!! (取材・文=小明/写真=宍戸留美) ●ゆづき・ここな アバンジエンターテインメント所属 ◆誕生日◆11月9日 ◆主なこれまでの参加作品◆ 【テレビ】テレビ朝日『お願いランキング』内「まあまあマイク」 【声優】『めぐる季節のなかで』/長谷川ももか役 【漫画】comicoにて連載中「アイドルになりたいっ!」原作:優月心菜 漫画:本条みずき ◆趣味◆読書・怪談・美少女ゲーム ◆好きなもの◆90年代アニメ・歌うこと・泣けるもの blog: http://ameblo.jp/kibiruu/ twitter: https://twitter.com/kibiruu アバンジ公式サイト: http://a-vanzi.com/ 【告知】 11/8の夜に優月心菜バースデーイベントをとらのあな秋葉原C店イベントフロアにて開催予定! 詳細はブログ・ツイッターなどをご覧ください。 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 子供達に絶大な人気を誇るNHKアニメ『はなかっぱ』ももかっぱ役で声優を務める。 デビュー25周年! 『デビュー25周年記念プロジェクト始動中!! 』 https://motion-gallery.net/projects/runrun25 最新インタビュー掲載中 http://otapol.jp/2015/08/post-3687.html テレビアニメ 『はなかっぱ』ももかっぱ役『VENUS PROJECT-CLIMAX-』黒城星役 webドラマ『鬼の人美に涙』配信中! https://www.youtube.com/watch?v=_6geVevMNG8
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。