「ひと月に原稿〆切20本、ライブ17本……」【姫乃たま】ワーカホリックと酒と自己逃避を巡る“人生旅行”

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の53回目! 今回も声優からちょっと外れた番外編! おたぽるで「姫乃たまの耳の痛い話」を連載し、サイゾーからは『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』も出版したサイゾーと縁の深いアイドル・ライター・歌手の姫乃たまちゃんを小明が迎え撃つ、新旧(?)アイドルライター対談です! ──ご無沙汰です、前回お会いしたのも、確かサイゾーの企画でしたね~。(【小明×姫乃たま】精神を病む素質あり(!?)の売れないアイドルの幸せはどこにあるのか?姫乃 そうです、あのときは私がインタビューしたのでした。 ──今回は逆ということで、どうですか? その後、もろもろと。 姫乃 いい大人になれるように頑張ってます、小明さんみたいな(笑)。 ──最後の(笑)はなんだよ。あと、残念ながらたまちゃんはもう大人だよ。前の取材のときはまだ大学を出たばっかりで、私はさんざん「新卒を逃して地下アイドル続行とか、愚か(笑)」と馬鹿にした気がするんだけど、それからおよそ2年だね。今、たまちゃんの名前を検索すると「キングオブ地下アイドル」って出てくるのね。 姫乃 あははは、もう性別も越えているし。 ──ねぇ、キングなの? 地下アイドルのキングになってるの? 姫乃 違います! 違います! ──だって、私が初めてたまちゃんと会ったのは、映画『世界の終わりのいずこねこ』(2014年)の撮影のときだよ。あのときのたまちゃんは印象的でしたよ。持ってたバックが超ボロボロだったの。レースはちぎれていて、持ち手の縫い目もほつれていて、全体的に薄汚れていて、それを見て「ご苦労なさってるんだわ」と思ってたんだけど、今日はもう……何それ? ルイ・ヴィトンのリュックサックじゃん。どんだけ金持ってんの? 姫乃 これは、祖母が20年くらい使った後にくれたもので……。 ──はぁ~(ため息)。出ました、おばあちゃんからのもらいもの。セレブがよく言うやつ。本当に良い物は世代を超えて受け継がれるってか? 私がおばあちゃんからもらったバッグはね、スーパーのチラシで織ったやつだったよ! 1日で壊れたよ! 姫乃 でも20年ものですよ? 一回置き引きにあって「ブランドものなんて持つんじゃなかった!」って警察に被害届を出したら、「おばあちゃんが20年かぁ、うーん、時価5,000円だね」って言われたんですよ。 ──5,000円のヴィトンかぁ……。でも、ホラ、前回のインタビューで会ったときは、たまちゃんはもっと変なワンピースを着ていたよ。中野ブロードウェイ1階のらこっと(ワンピース1枚500円とかの激安店)で売っていそうな、猫の絵がついた服を。 姫乃 小明さんに「すっごい毛玉ついてるね」って言われたやつですよね。あれもまだ着てますよ。ゴキブリコンビナートを観劇するときに便利なんですよ、虫や泥などが飛んできますので。 ──物持ちいいね! で、今日の服はヒグチユウコの猫でしょ? 猫まで売れてる猫にランクアップと来たもんだよ。 姫乃 これはね、1万5,000円くらいするのを、古着屋さんで6,000円で買いました。 ──5,000円のヴィトンとあわせて、ようやく1万円越えか……。高いのか安いのかわからないところが、キングオブ地下アイドルって感じでいいね。 姫乃 っていうか、関係ないんですけど、小明さんって、ちゃんとノートのメモを見てインタビューするんですね。偉いですね。 ──いつもならそうですが、残念ながら今日は……ジャーン!! ノートは白紙です!! 全て見ているフリでした!! 姫乃 ギャッ!? けっこうチラチラ見てたのに!?
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──それは挙動が不審なだけです。いつもは細かく個人情報を書いて質問事項をズラーっと並べているんだけど、今回はたまちゃんだし、いいかなって……。だってインタビューもいっぱい受けてるし、自分でも書いたものもたくさんあるから、同じようなこと聞いても、お腹いっぱいでしょう。 姫乃 ちなみに、前に小明さんにインタビューさせていただいたとき、小明さんにノートを覗かれたんですよ。ノートには担当編集から聞けって言われた「小明さんと中川翔子さんの格差について」って書いてあって……「聞きなよ。ホラ、早くそれ聞きなよ」って言われて震えました。 ──(爆笑)! 今は、たまちゃんとの格差が広がるばかりだよ。だってキングオブ地下アイドルだもんね。売れたんだよ。 姫乃 それは、イベンターの人が適当につけた冠だから! ──今、連載はどれくらいやってるの? 姫乃 今は月に10本くらいで、週刊もあるから、なんだかんだ月に20本くらい書いてます。改めて確認すると恐ろしいですね……。それで今月はライブが17本くらいあって。 ──何そのスケジュール! 儲かってるでしょう! 姫乃 儲かってないです。小忙しいだけです。 ──ウソつくんじゃないよ。儲かってるんだろ。私もうすぐ第二子産まれるからさ、ちょっと包んでよ。40万でいいよ。 姫乃 初孫レベル! ──毎月だよ。頑張って。でも、全然お休みもなさそうで大変だねぇ。 姫乃 というか、今週やっと私にはワーカホリックの気があるかもしれないって気が付いたんですよ。ワーカホリックの人って何かから逃避していると思うんですけど、ライブで会った大谷能生さんから「自分自身から逃げている以外にないだろう」って言われて。ワーカホリックを解いたときに、私に残るものは何なのだろうと思ったら怖くないですか? そこには虚無しかないんですよ。だから、最近はイベントで精神科医の人と対談したりして、神話の話とかしてます。 ──公開診療かな? 姫乃 あれっ、あれって診療だったのか! 「これをイベントだと思い込んだのはいつからですか?」ってやつですか。怖いな。 ──イベントの終わりには何か病名ついた? 姫乃 いえ。「この世は冥界だから頑張りなさい」って言われました。 ──え、大丈夫? その先生も怖いんだけど。 姫乃 これまで過酷な地下アイドルのインタビューとか、業界を俯瞰してできるだけ正確に伝える仕事ばかりやって来たので、もっとこう、目に見えないものも信じていかなきゃいけないなぁと思って。 ──宗教にハマる一歩手前だね! 宗教家の皆さん、勧誘するなら今ですよー! 姫乃 これまで宗教とかスピ系と呼ばれるものを毛嫌いしてたのですが、妄信するのではなくて物事の本質を知るためスピリチュアリティがあると知ってからすごく興味があって、自分から仕事の営業をかけたことがないんですけど、この間初めてTOCANA(サイゾーが運営する目に見えないものばかり載っているサイト)の編集長に連載させてくださいって頼んできました。 ──ああ、もう実行に移しているんだ。ええと、かける言葉が見つからないけど、お大事にね。でも気持ちはわかるよ。私も何かにすがりたい。私も一時期仏像とかにハマったんだけど、結局あんまり続かなかったなぁ。 姫乃 やってましたね、仏像。あれって、やっぱりそういうことだったんですか? 私も最近、「魂はいずれどこかに還っていくなぁ」って感覚が強まってきてから、生きるのが楽になりました。人生は旅行。 ──大丈夫? 今ってお酒飲んでないよね? っていうか、たまちゃんって、いつも酒を飲んでるよね。原稿書くときも飲むの? 姫乃 あ~……半分くらいは。あとライブのときはだいたい飲んでますね。んっ、なんか飲まない日がないですね。そういえば朝起きたときが一番ビール飲みたいです。 ──まんしゅうきつ子さんの『アル中ワンダーランド』(扶桑社)とかを読みなよ。多分それアル中だよ。 姫乃 私ですか? でも今は飲んでないですよ。 ──うん知ってる。だって今は挙動が変だもの。
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姫乃 あっ、確かにお酒飲んでるときの方が挙動が普通かもしれない! ──田代まさしさんが捕まる前に一緒に仕事してたけど、シャブが抜けてるときは手が震えてたよ……。逆にシャブが入ってるときはテキパキしてるんだって。 姫乃 そうそうそう! 飲めないときは、とにかく目の前にある飲み物を飲んで気分を落ち着けてるんですよ。でも、今はせっかくメイクさんに口紅を塗ってもらったから飲めなくて、それで挙動が変なのかな? ──口紅なんてあとで塗り直すよ! メイクさんはそのために来てるんだよ! 姫乃 あっ、ありがとうございます。なんか、そういう感じでやっています。 ──危ういね。変な薬とかやらないでくださいね。 姫乃 最近、石丸元章さんと仲良くさせていただいているのですが、ドラッグへの欲望を抑えて、文章を書いて生きているという点で、ほとんど神様ですよね。欲望の抑え方が修行僧。 ──カウントダウンそこまで来てんじゃん! でも、身近な人がちょいちょい捕まりがちなところは、私たちの共通点ですね。……そうだ! 共通点と言えば、先日、東洋経済オンラインでたまちゃんが村田らむさんにインタビューされているのを読んだんだけど、そこで私たちの共通点をたくさん見つけましたよ。 姫乃 あれ、主に暗い話しかしてないじゃないですか。 ──そうです。まず、暗黒の中学時代です。たまちゃんは中学校でひどいイジメにあったわけですが、私も中学校は大嫌いで1年ほぼ行かずにひきこもってました。そして「全身にかさぶたができる」という奇病も、まったく同じ症状が私にもありました。 姫乃 そうなんですよ! 私、小明さんの本を読んだときに「あ、いた!!」って思った記憶があります。アレすごいですよね、なんなんですかね? ──全身にかさぶたと膿が広がって『蔵六の奇病』みたくなるんだよね。蔵六はその膿できれいな絵を描くけど、私たちはコラムを書いていたんだね。そして19歳くらいでライターデビューしているでしょ、そこも同じです。 姫乃 私はワニマガジン社のエロ本でデビューです。 ──私は「BUBKA」! まだアイドル誌じゃなくってハードなゴシップ誌だった頃の。 姫乃 同じだー。いやでも本当に文章を書く仕事ができてよかったです。 ──アイドル一本で食うなんて、できなかったしね。 姫乃 里咲りさちゃんとか、絵恋ちゃんとか、ライブ稼業で食べている周囲の人ともぶつからなくて済むのが良いです。兼業している中途半端さが、本職の人に対して申し訳ない気持ちもありますが……。 ──ああ~、たまちゃんの世代は大変そうだね。私の時代って、まだ基本は可愛さが売りの事務所所属のアイドルが多かったから、その中でフリーで変わったことをすればナンボか目立ったんだよ。でも、今はフリーでなんでもできる上に、変な奴が多すぎるよね。ミスiD界隈とか、それの最たるもんだよね。 姫乃 しかも、みんなやる気があるでしょう? ──やる気がある上に、元気がない人たちに向けて活動している人が多いのも、やっかいなんだよ。昔は、元気なアイドルには元気なファン、ダウナーなアイドルにはダウナーなファンで住み分けができていたのに、今はもう全部まざっている感じ。それに、今は事務所に入らない子が多いから、アイドル同士のつながりも大事にしなくちゃいけなさそう。大変じゃない? 姫乃 私は業界から相手にされていない感じなので、のうのうとやっています。あと、なんだかんだでみんなアッパーなんですよね。里咲りさちゃんはアッパーの化身ですし、絵恋ちゃんは性格的にはアレですけど、ライブはアッパーです。
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──性格的にはアレというか、先日この連載で絵恋ちゃんに会ったときは(記事参照)、話を聞きながら何度も「ヤバイ」と思ったよ。 姫乃 目がね、あまり合わないんですね。私もですけど。 ──個室でマンツーマンで話しているのに目が合わないんだよ。でも、打ち解けてくると柔らかくなるの。あの不器用さが愛しいよね。っていうか、たまちゃんって友達いる? 姫乃 ……んんっ? なんの話ですか? ──アイドルで、友達っている? 姫乃 ちょっとなんの話かわからないですね。でも、絵恋ちゃんと、里咲りさちゃんと、ぱいぱいでか美ちゃんと、水野しずちゃんと女子会っていうのをやっていますよ。 ──何そのメンツ! 何しゃべるの? 姫乃 恐らく全員が「私が一番まともだ」って思ってるから、通常の女子会(行ったことない)と違ってマウンティングの取り合いがなくて居心地はいいんです。ただ、私以外の4人はあんまりお酒を飲まないんですね。というか飲まないんです。で、私は今までの人生で、同世代の女性と交流を取ることがなかったので、酒を飲まないと緊張しすぎてしまうんですよね。でもみんな飲まないから、ちょこちょこ「ビール、ビール、チューハイ、チューハイ」って注文するのが恥ずかしくって……。 ──たまちゃんの会計だけどんどん上がって、割り勘イヤだな。 姫乃 私も恥ずかしいんですよ。なので、洋食屋に行ったらワインをボトルで、焼き肉屋に行ったらマッコリをカメで頼んでしまうんですよ。一応気をつかって「飲む~?」って聞くんですけど、「いらな~い」って言われるから、それを一人で飲んで、一人で酔っていくんです。だから、だいたい記憶がなくて、何を話したかは思い出せないんですよね。そういう感じでやっています。 ──それ、酒飲まないと友情を育めないんじゃないの……? 姫乃 なんだろう、でもお酒を飲んでるときの方が現実世界に近いって、TOCANAにも書いてありましたよ。 ──TOCANAどんだけ愛読してんだよ! 私もお酒に頼ろうと思ったんだけど、その練習で自宅で一人酒しているときに急性アル中みたくなって死にかけて諦めたんだよね。たまちゃんは酒が強いから、きっと永遠に辞められないんだ……。あ、妊娠すると飲めないよ。妊娠~出産~授乳の時期は飲めないから、ずっと妊娠し続ければ酒が抜けるかもよ。 姫乃 子どもは2人くらい欲しいんですけど、結婚ってどういう手順を踏めばできるんですか? やはりハチ公前でプラカードなどを掲げて? ──フリーハグ感覚で結婚だね。ホームレスとかしか来ないだろう。あと日本のビザが欲しい外人とか……うちの旦那かな? 姫乃 旦那さんお元気ですか? 今度ホームパーティーなどに呼んでください。 ──ないよ、そんなもん。 姫乃 ないんですか? フランス人の方はそういう催しをすると聞いています。 ──フランス人もピンキリだから。私と結婚する外人だから、それなりだよ。 姫乃 小明さんは結婚したり出産したりして「幸せになったね」と言われると、とても腹が立ったり、モヤモヤしたりしませんか? ──しますよ。結婚出産して、人生はそんなにシンプルではないのだと学んだよ。 姫乃 子育てとか結婚生活って、自分と向き合う時間が多くなったりしますか? ──しませんよ。忙しいから。今、子どもは2歳で、次々に要求のボールを投げ続けられてて、それを受け止めたり返したりしないといけないから、自分と向かい合って鬱々とする習慣をキープしていたら死にます。
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姫乃 でも、これまでも30代や40代の男性たちに、ボールを投げ続けられていませんでしたか? ──さすがに24時間じゃないもの。そして彼らは基本DDだったりして、数打ちゃ当たる感覚でいろんなアイドルに投げてるから、ボールの重みも違うよ。まぁ活動歴の割にガチ恋が異常に少なかったせいもあるでしょうけど……。だから前と比べて、体力的に「あ、死ぬ」ってことはあっても、精神的に「死ぬ」ってことが減ったと思う。あと、前は「いざとなったら死にゃいいや」っていう選択肢が一番に来ていたんだけど……。 姫乃 保険感覚の死。 ──今はその選択肢がなくなったから、なんとかするしかないんだよ。あとなんか、年とっていろいろと図太く、図々しくなってるんだと思う。図々しさは強さだよね。 姫乃 図々しさですか。やはり最終的にはスターバックスで持ち込んだせんべいを勝手に食べるおばさんになりたいですよねぇ。「甘いものしかないわねぇ、ここ~(バリバリ)」みたいな。 ──それは別に今からでもできるんじゃない? 頑張って! 姫乃 今はもっと他のことで頑張らせてください。 ──でも、今はそうやって忙しいからなんとかなっているけど、そのうち子どもが大きくなって、また自分と向き合う時間が増えてきたら、「私の人生って……」って、サブカル40で鬱かもね。そのときはもう誰も私の書いた物なんて読まないだろうから、もう匿名ではてなダイアリーに投稿するよ。 姫乃 なんでも最終的には、はてなダイアリーに投稿するとなんとかなりますよね。 ──はてなダイアリーなら今はあんまり誰も読まないだろうから(失礼)、何書いても良い感じがあるよね。事務所に入ってグラドルやってたとき、ブログとは別で匿名で鬱々とした日記を書いてたよ。 姫乃 わかります。私も今、アベ、アベマ、アママ、アメバ、アベベ、あれ? アマブロ? あ、アー……? ──挙動だけじゃなく舌にもキテいる。完全にアル中である。 姫乃 あ、アメブロ? あれをオフィシャルだったのにほとんど閉じて、近々オフィシャルでもなんでもないはてなブログに移行する予定です。そういう感じでやっています。 ──そうですか、それは何よりで……あんたほんとに肝臓大事にしなさいよね。 姫乃 ところで、私、地下アイドルの肩書きを変えたいんですけど、何か良い肩書きないですかね? ──前に私が「アイドルライター継いで」って言ったら断ったじゃん。まだ根に持ってるからね。それになんで変えたいの? キングの冠を自ら下ろすなんて愚かだよ! 姫乃 先日、宍戸留美さんとイベントをやったときに、宍戸さんは写真を撮るから、「自分をアイドルと名乗るのはアイドル一本でやっている人に失礼だと思う」って話をされていて、非常に反省しました。 ──確かに、ワンマンライブをロフトプラスワンとかじゃない地上のイケてるライブハウスでやって、450人も動員している時点で、姫乃たまはもう地下アイドルではないよね。 姫乃 でも、その翌日のアフターパーティで私のお誕生日会をやったら、30人くらいしか来なかったですよ。お客さんが酒樽を買ってきてくれたので、みんなで割って飲みました。 ──それはあなたを一生食わせてくれる精鋭です。もうコミューンを作ってどこかの山で暮らしなさいよ。 姫乃 でも、小明さんのファンも来てましたよ。 ──じゃあもうマージン寄こせよ! 姫乃 でもですよ、みんな酒樽の酒を飲んでベロベロになっていて、例外なくベロベロに酔った小明さんのファンがチェキの上に酒をこぼして、「ごめんね!」って焦ってどかそうとして、そのチェキを誕生日ケーキにダイブさせたんですよ。そのまま一緒にチェキ撮ったら、クリームまみれのチェキがベローっと出てきました。あっちも申し訳なさそうだし、こっちも意味なく申し訳ない気持ちですよ! ──マージン寄こせと言ったけど、今はうちの子がごめんねって気持ち……。じゃあ、真面目に考えるね。地下アイドルじゃない肩書きって言ったら……コラムニスト? コラムニストで良いじゃん! かっこいい~! 峰なゆかさんとか、犬山紙子さんとか、北条かやさんとか、その辺とやりあうんだよ。 姫乃 私その中で戦えないよ!? 想像しただけで助かりたい気持ちだよ!? ──誰もが自分が一番まともだと思っているその女子会を抜けて、お前はそこに行くんだ。 姫乃 (震え) ──怖いね……。もう少し地下アイドルで良いんじゃないの、グラビアとかやってさ。 姫乃 もうグラビアも辞めちゃったんです。めっちゃ太ったんですよ、3年で8キロ増えたんです。 ──8キロ! 私、いま妊娠後期で8キロ増えてるんだけど、妊娠せずして8キロ!?
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姫乃 新生児3人分です。女子会でも私だけ「もう食べられないよぉ~(太っちょの声マネ)」みたいになってます。 ──やるねぇ。アイドル的な売りが厳しくなってくるアラサーあたりで肝臓を壊したら、体調が悪くて原稿も書けず、アイドル仕事もできず、サーッとヤバくなりますね。 姫乃 ほ、保険に入ります。国に金を納めて、貯金をがんばって続けようと思いました。 ──酒を辞めるって発想はないんだね! とは言え、たまちゃんはまだ24歳なんだよね。私が24歳のときって何してたかな。もう覚えてないな。 姫乃 記憶にモヤが? ──そう、二十歳前後は鬱がMAXになってるけど、そこを越えるともう防衛本能が働くのか、記憶がないのよ。 姫乃 私のMAXの時期も、18~19か。うーん、良く生きてたねぇ。大人になって良かったねぇって思いますねぇ。 ──大人になって良かったことはありますか? 姫乃 鬱が穏やかに……。 ──ハードなマイナスから、マイルドなマイナスになっただけだね……。 姫乃 あと性格も穏やかになりました。昔は切れたナイフでした。 ──キレる十代はおっかないから、それは良かったね。 姫乃 あと同性の人から好かれるようになって良かったなって。昔はなんだろう、「前世で米でも荒らしたのかな?」ってくらい、目が合うだけで嫌われてました。 ──すごいね、才能を感じるね。その代わり、男子から好かれたりする特権があったでしょ? 姫乃 「LEON」を読まないタイプのおじさまからは好かれたかもしれません。 ──サブカルおじさんから好かれて良いなぁ。私はセクハラとかで悪名高いサブカルおじさんと接触しても、完全にスルーされてたもんなぁ。なんか悔しいよ。私の何がダメだったの? 姫乃 でも、なんだろう、別にそれで何もないですよ。 ──「無」だね。あ、ハチ公前でプラカードを持たずとも、そのサブカルおじさんを受け入れれば、たまちゃんは若いアイドルだし、超ガッツかれてすぐ結婚になるんじゃない? どういうメンズが好きなの? 姫乃 体重が130キロくらいあって、車が好きで、サイゾーとかを読んでいる文化的な人ですかね。 ──それ日刊サイゾーの編集長だろ! っていうか、たまちゃん、ちょっとこの連載狙ってない? 前に宍戸さんと一緒にライブしてたあたりから薄々感じてたんだけど、私の産休中に私と取って代わろうって魂胆でしょう? 新旧アイドルライターなら新しい方が良いってか? クッソ!! 言っておくけど、このギャラは安いからな!! 姫乃 あははは、来月から宍戸留美×姫乃たまに! でも、宍戸さんと小明さんと私は職業上の血縁関係にあるので、小明さんのギャラが上がらないことには私のギャラも上がりません。上げておいてください。 ──無理!! 今日はありがとうございました!!
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●オマケ 宍戸留美27周年記念作品について ──あのさぁ、せっかくだから宍戸さんの27周年の記念アルバムの話しようよ。せっかく二人とも歌っているしさ。 姫乃 そうだ、そういう美しい話をしましょう。 ──「ピンクのラフレシア」のレコーディングはどうでしたか? 姫乃 ……緊張しました。なんか歌えなかったんですよ、全然。声もガサガサだったし。 ──それは酒焼けだろう。 姫乃 だから龍角散を持参してたんですけど、手が震えているからオシャレなスタジオに白い粉をドバッとこぼしてしまい……宍戸さんに「おじさん臭くなったね」と言われて……。なんとかレコーディングは始めたものの、私は緊張するとピッチが下がる癖があるので、何度やってもずっと低いピッチのままで、宍戸さんがニコニコ見守ってくださる中、4時間ずっと白い粉が舞っていて……。 ──地獄だね。しかも、たまちゃんはレコーディング初日だったから、その後の人はずっと龍角散臭い中で歌ったんだね。 姫乃 そうなんです。あと、宍戸さんはすごく人間が出来ていて、現役のアイドル達を耕す意味でも自分の曲を提供してくださっているわけだけど、嫉妬心とか複雑な気持ちはないのかな、と思ってたら、レコーディング中に「あ、今すごく複雑な気持ちになった」とおっしゃられて、「そうだよなぁ、頑張って歌わなきゃ!」と思ったらますますピッチが下がっていって……だんだん向こうのブースからの応答がなくなってきて、「あ、これはもう1フレーズずつ切り貼りしはじめているな」とわかって……。 ──(爆笑)! 姫乃 服についた龍角散をバサバサしながら切り貼りしたものを聴いて「あ、歌えているみたいになってますね」って言った後、宍戸さんに「レコーディング風景を撮りたいから」って言われて、記念受験で歌ってみたら普通に全部歌えてしまい、みんながガックリしていました。 ──これに関しては、酒飲んでから行けば一発録りで出来たような気もするね……。でも、作曲家の福田さんはそれで学習したみたいで、次のアイドルから優しくなったらしいよ。私はほぼラストの方だったから超優しくて「今のニュアンスは良かったから、この頭の2文字だけちょうだい!」とか、もうフレーズごとの切り貼りですらなかったよ。その裏にはたまちゃんの龍角散臭い努力があったんだね。感謝~。 姫乃 私は申し訳なさで逃げるように帰りましたけどね。 ──後足で粉かけて帰ったんだね。次にたまちゃんと会うのはアルバムの発売記念ライブとかかな。やだなぁ。私、里咲りさちゃんとか絵恋ちゃんとかと一緒にライブするの、もうキツいよぉ。 姫乃 アッパーですよ……。 ──このアルバムに参加が決まってうれしかったけど、参加アイドルのラインナップ見てちょっと引いたもんね。現代のライブアイドルの中に、そっと入り込んでる自分の違和感がすごい。「だって宍戸さんとはずっと一緒にやってるからね!」みたいな。コネ入社ですよ。 姫乃 縁故採用! ──肩身狭いよぉ。盛り上げたり踊ったりできないよぉ。 姫乃 里咲りさちゃんや絵恋ちゃんが踊って輝くほど、私たちの目がどんどん遠くなっていって……嫌だわ……またそれをやらなきゃいけないのね……。 ──学生時代の格差が蘇るようだよ。でも、たまちゃんだって歌いながら踊るじゃん。 姫乃 だって、歌ったり踊ったりしなけりゃアイドルって言えなくなるじゃないですか。 ──そういう理由かよ~! ではでは、また発売記念ライブ(たぶんある)でね! 読者の皆さまも是非是非~! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●姫乃たま(ひめの・たま) 地下アイドル/ライター 1993年2月12日、下北沢生まれ。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。7インチレコードやカセットテープなど、様々なメディアで音楽を発表しており、地下アイドルとしても枠にとらわれない活動を展開している。 ・Twitter https://twitter.com/Himeeeno ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 ■絵恋ちゃん、里咲りさ、姫乃たま、小明、他がカバーしたものと、セルフカバーした宍戸留美アイドル時代の音源を絶賛制作中! ■11/18(土)「宍戸留美と昼下がりのキルシェ親睦会」開演:16時 場所:Kirsche 前売¥3,000(1oder別) ゲスト:るんこ、さな、cherry ※25名様限定 ■11/19(日)「宍戸留美と昼下がりのレガート親睦会」開演:13時 場所:cafe&bar Legato 前売り¥3,000(2oder別) ゲスト:るんこ、さな、たかこ ※22名様限定 ■演劇企画CRANQ主催の朗読劇に出演! 6th STAGE Sound Play #2『プリモ・ピアット~聖夜のヒミツ~』12/19(火)〜24(日) 場所:中目黒キンケロシアター http://cranq.jp/
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東京幻想曲集 発売中! 「ひと月に原稿〆切20本、ライブ17本……」【姫乃たま】ワーカホリックと酒と自己逃避を巡る人生旅行の画像9
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「ひと月に原稿〆切20本、ライブ17本……」【姫乃たま】ワーカホリックと酒と自己逃避を巡る“人生旅行”

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の53回目! 今回も声優からちょっと外れた番外編! おたぽるで「姫乃たまの耳の痛い話」を連載し、サイゾーからは『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』も出版したサイゾーと縁の深いアイドル・ライター・歌手の姫乃たまちゃんを小明が迎え撃つ、新旧(?)アイドルライター対談です! ──ご無沙汰です、前回お会いしたのも、確かサイゾーの企画でしたね~。(【小明×姫乃たま】精神を病む素質あり(!?)の売れないアイドルの幸せはどこにあるのか?姫乃 そうです、あのときは私がインタビューしたのでした。 ──今回は逆ということで、どうですか? その後、もろもろと。 姫乃 いい大人になれるように頑張ってます、小明さんみたいな(笑)。 ──最後の(笑)はなんだよ。あと、残念ながらたまちゃんはもう大人だよ。前の取材のときはまだ大学を出たばっかりで、私はさんざん「新卒を逃して地下アイドル続行とか、愚か(笑)」と馬鹿にした気がするんだけど、それからおよそ2年だね。今、たまちゃんの名前を検索すると「キングオブ地下アイドル」って出てくるのね。 姫乃 あははは、もう性別も越えているし。 ──ねぇ、キングなの? 地下アイドルのキングになってるの? 姫乃 違います! 違います! ──だって、私が初めてたまちゃんと会ったのは、映画『世界の終わりのいずこねこ』(2014年)の撮影のときだよ。あのときのたまちゃんは印象的でしたよ。持ってたバックが超ボロボロだったの。レースはちぎれていて、持ち手の縫い目もほつれていて、全体的に薄汚れていて、それを見て「ご苦労なさってるんだわ」と思ってたんだけど、今日はもう……何それ? ルイ・ヴィトンのリュックサックじゃん。どんだけ金持ってんの? 姫乃 これは、祖母が20年くらい使った後にくれたもので……。 ──はぁ~(ため息)。出ました、おばあちゃんからのもらいもの。セレブがよく言うやつ。本当に良い物は世代を超えて受け継がれるってか? 私がおばあちゃんからもらったバッグはね、スーパーのチラシで織ったやつだったよ! 1日で壊れたよ! 姫乃 でも20年ものですよ? 一回置き引きにあって「ブランドものなんて持つんじゃなかった!」って警察に被害届を出したら、「おばあちゃんが20年かぁ、うーん、時価5,000円だね」って言われたんですよ。 ──5,000円のヴィトンかぁ……。でも、ホラ、前回のインタビューで会ったときは、たまちゃんはもっと変なワンピースを着ていたよ。中野ブロードウェイ1階のらこっと(ワンピース1枚500円とかの激安店)で売っていそうな、猫の絵がついた服を。 姫乃 小明さんに「すっごい毛玉ついてるね」って言われたやつですよね。あれもまだ着てますよ。ゴキブリコンビナートを観劇するときに便利なんですよ、虫や泥などが飛んできますので。 ──物持ちいいね! で、今日の服はヒグチユウコの猫でしょ? 猫まで売れてる猫にランクアップと来たもんだよ。 姫乃 これはね、1万5,000円くらいするのを、古着屋さんで6,000円で買いました。 ──5,000円のヴィトンとあわせて、ようやく1万円越えか……。高いのか安いのかわからないところが、キングオブ地下アイドルって感じでいいね。 姫乃 っていうか、関係ないんですけど、小明さんって、ちゃんとノートのメモを見てインタビューするんですね。偉いですね。 ──いつもならそうですが、残念ながら今日は……ジャーン!! ノートは白紙です!! 全て見ているフリでした!! 姫乃 ギャッ!? けっこうチラチラ見てたのに!?
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──それは挙動が不審なだけです。いつもは細かく個人情報を書いて質問事項をズラーっと並べているんだけど、今回はたまちゃんだし、いいかなって……。だってインタビューもいっぱい受けてるし、自分でも書いたものもたくさんあるから、同じようなこと聞いても、お腹いっぱいでしょう。 姫乃 ちなみに、前に小明さんにインタビューさせていただいたとき、小明さんにノートを覗かれたんですよ。ノートには担当編集から聞けって言われた「小明さんと中川翔子さんの格差について」って書いてあって……「聞きなよ。ホラ、早くそれ聞きなよ」って言われて震えました。 ──(爆笑)! 今は、たまちゃんとの格差が広がるばかりだよ。だってキングオブ地下アイドルだもんね。売れたんだよ。 姫乃 それは、イベンターの人が適当につけた冠だから! ──今、連載はどれくらいやってるの? 姫乃 今は月に10本くらいで、週刊もあるから、なんだかんだ月に20本くらい書いてます。改めて確認すると恐ろしいですね……。それで今月はライブが17本くらいあって。 ──何そのスケジュール! 儲かってるでしょう! 姫乃 儲かってないです。小忙しいだけです。 ──ウソつくんじゃないよ。儲かってるんだろ。私もうすぐ第二子産まれるからさ、ちょっと包んでよ。40万でいいよ。 姫乃 初孫レベル! ──毎月だよ。頑張って。でも、全然お休みもなさそうで大変だねぇ。 姫乃 というか、今週やっと私にはワーカホリックの気があるかもしれないって気が付いたんですよ。ワーカホリックの人って何かから逃避していると思うんですけど、ライブで会った大谷能生さんから「自分自身から逃げている以外にないだろう」って言われて。ワーカホリックを解いたときに、私に残るものは何なのだろうと思ったら怖くないですか? そこには虚無しかないんですよ。だから、最近はイベントで精神科医の人と対談したりして、神話の話とかしてます。 ──公開診療かな? 姫乃 あれっ、あれって診療だったのか! 「これをイベントだと思い込んだのはいつからですか?」ってやつですか。怖いな。 ──イベントの終わりには何か病名ついた? 姫乃 いえ。「この世は冥界だから頑張りなさい」って言われました。 ──え、大丈夫? その先生も怖いんだけど。 姫乃 これまで過酷な地下アイドルのインタビューとか、業界を俯瞰してできるだけ正確に伝える仕事ばかりやって来たので、もっとこう、目に見えないものも信じていかなきゃいけないなぁと思って。 ──宗教にハマる一歩手前だね! 宗教家の皆さん、勧誘するなら今ですよー! 姫乃 これまで宗教とかスピ系と呼ばれるものを毛嫌いしてたのですが、妄信するのではなくて物事の本質を知るためスピリチュアリティがあると知ってからすごく興味があって、自分から仕事の営業をかけたことがないんですけど、この間初めてTOCANA(サイゾーが運営する目に見えないものばかり載っているサイト)の編集長に連載させてくださいって頼んできました。 ──ああ、もう実行に移しているんだ。ええと、かける言葉が見つからないけど、お大事にね。でも気持ちはわかるよ。私も何かにすがりたい。私も一時期仏像とかにハマったんだけど、結局あんまり続かなかったなぁ。 姫乃 やってましたね、仏像。あれって、やっぱりそういうことだったんですか? 私も最近、「魂はいずれどこかに還っていくなぁ」って感覚が強まってきてから、生きるのが楽になりました。人生は旅行。 ──大丈夫? 今ってお酒飲んでないよね? っていうか、たまちゃんって、いつも酒を飲んでるよね。原稿書くときも飲むの? 姫乃 あ~……半分くらいは。あとライブのときはだいたい飲んでますね。んっ、なんか飲まない日がないですね。そういえば朝起きたときが一番ビール飲みたいです。 ──まんしゅうきつ子さんの『アル中ワンダーランド』(扶桑社)とかを読みなよ。多分それアル中だよ。 姫乃 私ですか? でも今は飲んでないですよ。 ──うん知ってる。だって今は挙動が変だもの。
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姫乃 あっ、確かにお酒飲んでるときの方が挙動が普通かもしれない! ──田代まさしさんが捕まる前に一緒に仕事してたけど、シャブが抜けてるときは手が震えてたよ……。逆にシャブが入ってるときはテキパキしてるんだって。 姫乃 そうそうそう! 飲めないときは、とにかく目の前にある飲み物を飲んで気分を落ち着けてるんですよ。でも、今はせっかくメイクさんに口紅を塗ってもらったから飲めなくて、それで挙動が変なのかな? ──口紅なんてあとで塗り直すよ! メイクさんはそのために来てるんだよ! 姫乃 あっ、ありがとうございます。なんか、そういう感じでやっています。 ──危ういね。変な薬とかやらないでくださいね。 姫乃 最近、石丸元章さんと仲良くさせていただいているのですが、ドラッグへの欲望を抑えて、文章を書いて生きているという点で、ほとんど神様ですよね。欲望の抑え方が修行僧。 ──カウントダウンそこまで来てんじゃん! でも、身近な人がちょいちょい捕まりがちなところは、私たちの共通点ですね。……そうだ! 共通点と言えば、先日、東洋経済オンラインでたまちゃんが村田らむさんにインタビューされているのを読んだんだけど、そこで私たちの共通点をたくさん見つけましたよ。 姫乃 あれ、主に暗い話しかしてないじゃないですか。 ──そうです。まず、暗黒の中学時代です。たまちゃんは中学校でひどいイジメにあったわけですが、私も中学校は大嫌いで1年ほぼ行かずにひきこもってました。そして「全身にかさぶたができる」という奇病も、まったく同じ症状が私にもありました。 姫乃 そうなんですよ! 私、小明さんの本を読んだときに「あ、いた!!」って思った記憶があります。アレすごいですよね、なんなんですかね? ──全身にかさぶたと膿が広がって『蔵六の奇病』みたくなるんだよね。蔵六はその膿できれいな絵を描くけど、私たちはコラムを書いていたんだね。そして19歳くらいでライターデビューしているでしょ、そこも同じです。 姫乃 私はワニマガジン社のエロ本でデビューです。 ──私は「BUBKA」! まだアイドル誌じゃなくってハードなゴシップ誌だった頃の。 姫乃 同じだー。いやでも本当に文章を書く仕事ができてよかったです。 ──アイドル一本で食うなんて、できなかったしね。 姫乃 里咲りさちゃんとか、絵恋ちゃんとか、ライブ稼業で食べている周囲の人ともぶつからなくて済むのが良いです。兼業している中途半端さが、本職の人に対して申し訳ない気持ちもありますが……。 ──ああ~、たまちゃんの世代は大変そうだね。私の時代って、まだ基本は可愛さが売りの事務所所属のアイドルが多かったから、その中でフリーで変わったことをすればナンボか目立ったんだよ。でも、今はフリーでなんでもできる上に、変な奴が多すぎるよね。ミスiD界隈とか、それの最たるもんだよね。 姫乃 しかも、みんなやる気があるでしょう? ──やる気がある上に、元気がない人たちに向けて活動している人が多いのも、やっかいなんだよ。昔は、元気なアイドルには元気なファン、ダウナーなアイドルにはダウナーなファンで住み分けができていたのに、今はもう全部まざっている感じ。それに、今は事務所に入らない子が多いから、アイドル同士のつながりも大事にしなくちゃいけなさそう。大変じゃない? 姫乃 私は業界から相手にされていない感じなので、のうのうとやっています。あと、なんだかんだでみんなアッパーなんですよね。里咲りさちゃんはアッパーの化身ですし、絵恋ちゃんは性格的にはアレですけど、ライブはアッパーです。
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──性格的にはアレというか、先日この連載で絵恋ちゃんに会ったときは(記事参照)、話を聞きながら何度も「ヤバイ」と思ったよ。 姫乃 目がね、あまり合わないんですね。私もですけど。 ──個室でマンツーマンで話しているのに目が合わないんだよ。でも、打ち解けてくると柔らかくなるの。あの不器用さが愛しいよね。っていうか、たまちゃんって友達いる? 姫乃 ……んんっ? なんの話ですか? ──アイドルで、友達っている? 姫乃 ちょっとなんの話かわからないですね。でも、絵恋ちゃんと、里咲りさちゃんと、ぱいぱいでか美ちゃんと、水野しずちゃんと女子会っていうのをやっていますよ。 ──何そのメンツ! 何しゃべるの? 姫乃 恐らく全員が「私が一番まともだ」って思ってるから、通常の女子会(行ったことない)と違ってマウンティングの取り合いがなくて居心地はいいんです。ただ、私以外の4人はあんまりお酒を飲まないんですね。というか飲まないんです。で、私は今までの人生で、同世代の女性と交流を取ることがなかったので、酒を飲まないと緊張しすぎてしまうんですよね。でもみんな飲まないから、ちょこちょこ「ビール、ビール、チューハイ、チューハイ」って注文するのが恥ずかしくって……。 ──たまちゃんの会計だけどんどん上がって、割り勘イヤだな。 姫乃 私も恥ずかしいんですよ。なので、洋食屋に行ったらワインをボトルで、焼き肉屋に行ったらマッコリをカメで頼んでしまうんですよ。一応気をつかって「飲む~?」って聞くんですけど、「いらな~い」って言われるから、それを一人で飲んで、一人で酔っていくんです。だから、だいたい記憶がなくて、何を話したかは思い出せないんですよね。そういう感じでやっています。 ──それ、酒飲まないと友情を育めないんじゃないの……? 姫乃 なんだろう、でもお酒を飲んでるときの方が現実世界に近いって、TOCANAにも書いてありましたよ。 ──TOCANAどんだけ愛読してんだよ! 私もお酒に頼ろうと思ったんだけど、その練習で自宅で一人酒しているときに急性アル中みたくなって死にかけて諦めたんだよね。たまちゃんは酒が強いから、きっと永遠に辞められないんだ……。あ、妊娠すると飲めないよ。妊娠~出産~授乳の時期は飲めないから、ずっと妊娠し続ければ酒が抜けるかもよ。 姫乃 子どもは2人くらい欲しいんですけど、結婚ってどういう手順を踏めばできるんですか? やはりハチ公前でプラカードなどを掲げて? ──フリーハグ感覚で結婚だね。ホームレスとかしか来ないだろう。あと日本のビザが欲しい外人とか……うちの旦那かな? 姫乃 旦那さんお元気ですか? 今度ホームパーティーなどに呼んでください。 ──ないよ、そんなもん。 姫乃 ないんですか? フランス人の方はそういう催しをすると聞いています。 ──フランス人もピンキリだから。私と結婚する外人だから、それなりだよ。 姫乃 小明さんは結婚したり出産したりして「幸せになったね」と言われると、とても腹が立ったり、モヤモヤしたりしませんか? ──しますよ。結婚出産して、人生はそんなにシンプルではないのだと学んだよ。 姫乃 子育てとか結婚生活って、自分と向き合う時間が多くなったりしますか? ──しませんよ。忙しいから。今、子どもは2歳で、次々に要求のボールを投げ続けられてて、それを受け止めたり返したりしないといけないから、自分と向かい合って鬱々とする習慣をキープしていたら死にます。
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姫乃 でも、これまでも30代や40代の男性たちに、ボールを投げ続けられていませんでしたか? ──さすがに24時間じゃないもの。そして彼らは基本DDだったりして、数打ちゃ当たる感覚でいろんなアイドルに投げてるから、ボールの重みも違うよ。まぁ活動歴の割にガチ恋が異常に少なかったせいもあるでしょうけど……。だから前と比べて、体力的に「あ、死ぬ」ってことはあっても、精神的に「死ぬ」ってことが減ったと思う。あと、前は「いざとなったら死にゃいいや」っていう選択肢が一番に来ていたんだけど……。 姫乃 保険感覚の死。 ──今はその選択肢がなくなったから、なんとかするしかないんだよ。あとなんか、年とっていろいろと図太く、図々しくなってるんだと思う。図々しさは強さだよね。 姫乃 図々しさですか。やはり最終的にはスターバックスで持ち込んだせんべいを勝手に食べるおばさんになりたいですよねぇ。「甘いものしかないわねぇ、ここ~(バリバリ)」みたいな。 ──それは別に今からでもできるんじゃない? 頑張って! 姫乃 今はもっと他のことで頑張らせてください。 ──でも、今はそうやって忙しいからなんとかなっているけど、そのうち子どもが大きくなって、また自分と向き合う時間が増えてきたら、「私の人生って……」って、サブカル40で鬱かもね。そのときはもう誰も私の書いた物なんて読まないだろうから、もう匿名ではてなダイアリーに投稿するよ。 姫乃 なんでも最終的には、はてなダイアリーに投稿するとなんとかなりますよね。 ──はてなダイアリーなら今はあんまり誰も読まないだろうから(失礼)、何書いても良い感じがあるよね。事務所に入ってグラドルやってたとき、ブログとは別で匿名で鬱々とした日記を書いてたよ。 姫乃 わかります。私も今、アベ、アベマ、アママ、アメバ、アベベ、あれ? アマブロ? あ、アー……? ──挙動だけじゃなく舌にもキテいる。完全にアル中である。 姫乃 あ、アメブロ? あれをオフィシャルだったのにほとんど閉じて、近々オフィシャルでもなんでもないはてなブログに移行する予定です。そういう感じでやっています。 ──そうですか、それは何よりで……あんたほんとに肝臓大事にしなさいよね。 姫乃 ところで、私、地下アイドルの肩書きを変えたいんですけど、何か良い肩書きないですかね? ──前に私が「アイドルライター継いで」って言ったら断ったじゃん。まだ根に持ってるからね。それになんで変えたいの? キングの冠を自ら下ろすなんて愚かだよ! 姫乃 先日、宍戸留美さんとイベントをやったときに、宍戸さんは写真を撮るから、「自分をアイドルと名乗るのはアイドル一本でやっている人に失礼だと思う」って話をされていて、非常に反省しました。 ──確かに、ワンマンライブをロフトプラスワンとかじゃない地上のイケてるライブハウスでやって、450人も動員している時点で、姫乃たまはもう地下アイドルではないよね。 姫乃 でも、その翌日のアフターパーティで私のお誕生日会をやったら、30人くらいしか来なかったですよ。お客さんが酒樽を買ってきてくれたので、みんなで割って飲みました。 ──それはあなたを一生食わせてくれる精鋭です。もうコミューンを作ってどこかの山で暮らしなさいよ。 姫乃 でも、小明さんのファンも来てましたよ。 ──じゃあもうマージン寄こせよ! 姫乃 でもですよ、みんな酒樽の酒を飲んでベロベロになっていて、例外なくベロベロに酔った小明さんのファンがチェキの上に酒をこぼして、「ごめんね!」って焦ってどかそうとして、そのチェキを誕生日ケーキにダイブさせたんですよ。そのまま一緒にチェキ撮ったら、クリームまみれのチェキがベローっと出てきました。あっちも申し訳なさそうだし、こっちも意味なく申し訳ない気持ちですよ! ──マージン寄こせと言ったけど、今はうちの子がごめんねって気持ち……。じゃあ、真面目に考えるね。地下アイドルじゃない肩書きって言ったら……コラムニスト? コラムニストで良いじゃん! かっこいい~! 峰なゆかさんとか、犬山紙子さんとか、北条かやさんとか、その辺とやりあうんだよ。 姫乃 私その中で戦えないよ!? 想像しただけで助かりたい気持ちだよ!? ──誰もが自分が一番まともだと思っているその女子会を抜けて、お前はそこに行くんだ。 姫乃 (震え) ──怖いね……。もう少し地下アイドルで良いんじゃないの、グラビアとかやってさ。 姫乃 もうグラビアも辞めちゃったんです。めっちゃ太ったんですよ、3年で8キロ増えたんです。 ──8キロ! 私、いま妊娠後期で8キロ増えてるんだけど、妊娠せずして8キロ!?
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姫乃 新生児3人分です。女子会でも私だけ「もう食べられないよぉ~(太っちょの声マネ)」みたいになってます。 ──やるねぇ。アイドル的な売りが厳しくなってくるアラサーあたりで肝臓を壊したら、体調が悪くて原稿も書けず、アイドル仕事もできず、サーッとヤバくなりますね。 姫乃 ほ、保険に入ります。国に金を納めて、貯金をがんばって続けようと思いました。 ──酒を辞めるって発想はないんだね! とは言え、たまちゃんはまだ24歳なんだよね。私が24歳のときって何してたかな。もう覚えてないな。 姫乃 記憶にモヤが? ──そう、二十歳前後は鬱がMAXになってるけど、そこを越えるともう防衛本能が働くのか、記憶がないのよ。 姫乃 私のMAXの時期も、18~19か。うーん、良く生きてたねぇ。大人になって良かったねぇって思いますねぇ。 ──大人になって良かったことはありますか? 姫乃 鬱が穏やかに……。 ──ハードなマイナスから、マイルドなマイナスになっただけだね……。 姫乃 あと性格も穏やかになりました。昔は切れたナイフでした。 ──キレる十代はおっかないから、それは良かったね。 姫乃 あと同性の人から好かれるようになって良かったなって。昔はなんだろう、「前世で米でも荒らしたのかな?」ってくらい、目が合うだけで嫌われてました。 ──すごいね、才能を感じるね。その代わり、男子から好かれたりする特権があったでしょ? 姫乃 「LEON」を読まないタイプのおじさまからは好かれたかもしれません。 ──サブカルおじさんから好かれて良いなぁ。私はセクハラとかで悪名高いサブカルおじさんと接触しても、完全にスルーされてたもんなぁ。なんか悔しいよ。私の何がダメだったの? 姫乃 でも、なんだろう、別にそれで何もないですよ。 ──「無」だね。あ、ハチ公前でプラカードを持たずとも、そのサブカルおじさんを受け入れれば、たまちゃんは若いアイドルだし、超ガッツかれてすぐ結婚になるんじゃない? どういうメンズが好きなの? 姫乃 体重が130キロくらいあって、車が好きで、サイゾーとかを読んでいる文化的な人ですかね。 ──それ日刊サイゾーの編集長だろ! っていうか、たまちゃん、ちょっとこの連載狙ってない? 前に宍戸さんと一緒にライブしてたあたりから薄々感じてたんだけど、私の産休中に私と取って代わろうって魂胆でしょう? 新旧アイドルライターなら新しい方が良いってか? クッソ!! 言っておくけど、このギャラは安いからな!! 姫乃 あははは、来月から宍戸留美×姫乃たまに! でも、宍戸さんと小明さんと私は職業上の血縁関係にあるので、小明さんのギャラが上がらないことには私のギャラも上がりません。上げておいてください。 ──無理!! 今日はありがとうございました!!
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●オマケ 宍戸留美27周年記念作品について ──あのさぁ、せっかくだから宍戸さんの27周年の記念アルバムの話しようよ。せっかく二人とも歌っているしさ。 姫乃 そうだ、そういう美しい話をしましょう。 ──「ピンクのラフレシア」のレコーディングはどうでしたか? 姫乃 ……緊張しました。なんか歌えなかったんですよ、全然。声もガサガサだったし。 ──それは酒焼けだろう。 姫乃 だから龍角散を持参してたんですけど、手が震えているからオシャレなスタジオに白い粉をドバッとこぼしてしまい……宍戸さんに「おじさん臭くなったね」と言われて……。なんとかレコーディングは始めたものの、私は緊張するとピッチが下がる癖があるので、何度やってもずっと低いピッチのままで、宍戸さんがニコニコ見守ってくださる中、4時間ずっと白い粉が舞っていて……。 ──地獄だね。しかも、たまちゃんはレコーディング初日だったから、その後の人はずっと龍角散臭い中で歌ったんだね。 姫乃 そうなんです。あと、宍戸さんはすごく人間が出来ていて、現役のアイドル達を耕す意味でも自分の曲を提供してくださっているわけだけど、嫉妬心とか複雑な気持ちはないのかな、と思ってたら、レコーディング中に「あ、今すごく複雑な気持ちになった」とおっしゃられて、「そうだよなぁ、頑張って歌わなきゃ!」と思ったらますますピッチが下がっていって……だんだん向こうのブースからの応答がなくなってきて、「あ、これはもう1フレーズずつ切り貼りしはじめているな」とわかって……。 ──(爆笑)! 姫乃 服についた龍角散をバサバサしながら切り貼りしたものを聴いて「あ、歌えているみたいになってますね」って言った後、宍戸さんに「レコーディング風景を撮りたいから」って言われて、記念受験で歌ってみたら普通に全部歌えてしまい、みんながガックリしていました。 ──これに関しては、酒飲んでから行けば一発録りで出来たような気もするね……。でも、作曲家の福田さんはそれで学習したみたいで、次のアイドルから優しくなったらしいよ。私はほぼラストの方だったから超優しくて「今のニュアンスは良かったから、この頭の2文字だけちょうだい!」とか、もうフレーズごとの切り貼りですらなかったよ。その裏にはたまちゃんの龍角散臭い努力があったんだね。感謝~。 姫乃 私は申し訳なさで逃げるように帰りましたけどね。 ──後足で粉かけて帰ったんだね。次にたまちゃんと会うのはアルバムの発売記念ライブとかかな。やだなぁ。私、里咲りさちゃんとか絵恋ちゃんとかと一緒にライブするの、もうキツいよぉ。 姫乃 アッパーですよ……。 ──このアルバムに参加が決まってうれしかったけど、参加アイドルのラインナップ見てちょっと引いたもんね。現代のライブアイドルの中に、そっと入り込んでる自分の違和感がすごい。「だって宍戸さんとはずっと一緒にやってるからね!」みたいな。コネ入社ですよ。 姫乃 縁故採用! ──肩身狭いよぉ。盛り上げたり踊ったりできないよぉ。 姫乃 里咲りさちゃんや絵恋ちゃんが踊って輝くほど、私たちの目がどんどん遠くなっていって……嫌だわ……またそれをやらなきゃいけないのね……。 ──学生時代の格差が蘇るようだよ。でも、たまちゃんだって歌いながら踊るじゃん。 姫乃 だって、歌ったり踊ったりしなけりゃアイドルって言えなくなるじゃないですか。 ──そういう理由かよ~! ではでは、また発売記念ライブ(たぶんある)でね! 読者の皆さまも是非是非~! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●姫乃たま(ひめの・たま) 地下アイドル/ライター 1993年2月12日、下北沢生まれ。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。7インチレコードやカセットテープなど、様々なメディアで音楽を発表しており、地下アイドルとしても枠にとらわれない活動を展開している。 ・Twitter https://twitter.com/Himeeeno ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 ■絵恋ちゃん、里咲りさ、姫乃たま、小明、他がカバーしたものと、セルフカバーした宍戸留美アイドル時代の音源を絶賛制作中! ■11/18(土)「宍戸留美と昼下がりのキルシェ親睦会」開演:16時 場所:Kirsche 前売¥3,000(1oder別) ゲスト:るんこ、さな、cherry ※25名様限定 ■11/19(日)「宍戸留美と昼下がりのレガート親睦会」開演:13時 場所:cafe&bar Legato 前売り¥3,000(2oder別) ゲスト:るんこ、さな、たかこ ※22名様限定 ■演劇企画CRANQ主催の朗読劇に出演! 6th STAGE Sound Play #2『プリモ・ピアット~聖夜のヒミツ~』12/19(火)〜24(日) 場所:中目黒キンケロシアター http://cranq.jp/
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増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「売れたい気持ちも、なきにしにあらず……」【大石理乃】パンクな“優しい元締め”は絶賛恐喝中!?

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の52回目! 今回は声優からちょっと外れて番外編! 宍戸留美27周年記念アルバムに入る名曲『地球の危機』のカバーオーディションに合格した、シンガーソングライターの大石理乃さんが来てくれました! ――この度は宍戸留美さんの“地球の危機オーディション”に合格おめでとうございます! レコーディングはどうでしたか? 大石 ありがとうございます。えーっと、緊張しました……。 ――でも、大石さんはミュージシャン歴はかなり長いのでは? 大石 いやぁ、ずっと宅録が多かったので、人前で誰かにディレクションしていただきながら歌うのは、すごく久々で……。 ――ってことは、普段はご自分で作った曲をご自宅で録音されてるってことですか? それもすごいです。 大石 今時はそういう人も多いんですよ。よく“DAW女”とかって言いますよね。 ――“DAW女”? 大石 Degital Audio Workstationの略で、ぜんぶ一人で編曲までいっちゃう女の子のことをそういうんです。 ――おお、私には何を言ってるのかさっぱりですが、編曲までやれるってのは、すごいですね! そうして一人でなんでもできる大石さんが、なぜあのオーディションに応募しようと思ったんでしょう? 大石 たまたまTwitterでオーディション情報が流れてきて、すごく面白そうだったので勇気を出して応募しました。宍戸さんのことは昔から知っていたし、ずっとTwitterもフォローしていたので、「これは宍戸さんにお近づきになるチャンス!」と思って(笑)。
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――では、せっかくなので、宍戸さん本人から合格の理由を聞きましょう! 宍戸 彼女は私の一押しなんです。やっぱり声が商品になる声というか、お金を払いたくなる声だと思ったし、歌もうまい。あと不思議なご縁で、彼女のお父様が私のアイドル時代の曲を作曲してくれてたの。 ――えっ!! それ、大石さんは知ってましたか? 大石 後になって知りました。どうりで小さい頃、家で宍戸さんの曲がかかっていたなぁって。それで宍戸さんの歌が身に染み渡ったと言うか、洗脳されたと言うか(笑)。 ――じゃあ、わざわざオーディション受けなくても「私これやりたいから、パパちょっと連絡しといてよ」とかできそうじゃないですか! 大石 いやいや! 父にそんな力はないと思う(笑)! ――ちなみに、お父様は他にどんな曲に関わってるんですか? 大石 私もあんまり知らないんですけど、有名な曲だと、『○○○○○○○』の編曲とか……。 ――ぎゃー! めちゃくちゃ有名じゃないですか!! 大石 私も「踊ってみた」とかが流行ったときに知って「あ、そうなんだ!?」って、後から知りました。 ――基本は後から知るんですね! 大石 あんまりわかってないんです。子どもの頃は親はパチンコで稼いでると思ってたんですよ。絶えずお仕事があるわけじゃなく、苦労していたみたいです。父が外出する時にいつも「パチンコ行ってくる」って言ってるのを聞いて「そうなんだ……」って(笑)。 ――あはは! 大石さんが音楽を始めたのは、やっぱりお父様の影響ですか? 大石 そうですかね。学生時代に部活をやろうと思ったときに、「楽器って面白そうだけどお金かかりそう……あ! ギターならお父さんに借りればいいじゃん!」って。それで楽器を始めたので、影響と言えばそのくらいですかね~。 ――うまいこと業界のコネを使えば一気に売れそうなのに、全然その辺の情報は発信されないんですね。 大石 そんなにすごい有名人ってわけでもないのかなって(笑)。「父が宍戸留美さんの曲を作ってた」って言ったのも、『地球の危機』のオーディションのために投稿した動画が初めてでした。歌の終わりのフリートークの部分でこっそり言ったつもりだったけど、全体公開だったから「あ、バレちゃった」みたいな。あは。
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――ちなみに、昔の話になるんですが、2012年頃には“魔法少女りのタソ☆彡”名義でやられてましたよね。当時のブログは「魔法の国からホウキ星にまたがって、お引越ししてきました☆彡 魔法少女りのタソ☆彡です☆彡 エンタメ系の、地下哀ドルだよぉ☆彡」っていうノリなんですけど、2017年現在はもうブログも「朝からにんにくステーキ」「鼻くそが増えた」とかになってますよね。超キャラ変わってる! 大石 ああ……。“魔法少女りのタソ☆彡”は、もうめんどくさいので、爆発させて、ミニアルバムのタイトルにして埋葬というか……すぐ飽きちゃって……。 ――また濃いキャラを作って飽きましたねぇ。その後、2014年からガールズバンド・LAGOON(ラグーン)のギターになって、2年で脱退されたじゃないですか。あのバンド、ボーカルは女優の瀧本美織だし、事務所もスターダストだし、完全に美味しそうな仕事なのに、どうして脱退しちゃったんですか? 大石 えーと、表向きの理由がなんだったのかも忘れちゃったんですけど、公開するキャラ設定を作られて……プライベートや取材文に関しても、ウソをつかなければならなかったし……それに当時、私はミュージシャンとして仕事がしたかったんですけど、みんなはまだ若くてバンドに夢を持っていて、「みんなでガールズバンド頑張ろうよ!!」みたいな、ちょっとついていけないノリで、冷めた人がいてはダメな雰囲気なんですよ。みんなが若かった(笑)。 ――ああ~、温度差にやられたんですね。 大石 でも、結局は私の脱退後にすぐ解散したんですよ。若い子たちには頑張って欲しかったですけどね! なんだったんでしょうね! ――あは! 大人の事情ってやつですね! 脱退後は、シンガーソングライターやバンドの女の子を集めた“tasotokyoガールズ”というグループを創設されましたね。どんなことをしてるグループなんですか? 大石 えーっと、恐喝……ですかね……。 ――恐喝!? 大石 基本的には「ガールズバンドがやりたい」っていう子たちの集まりなので、ライブによってメンバーを変えながらガールズバンド編成をして、みんなで楽しくやっています。私もよくお酒を飲んで記憶をなくしながらチェキを売りつけていたっていうのを、後から人づてに聞いたりしますね。 ――何それ楽しそう! でも、アイドル的にはチェキを売るのは普通だけど、ガールズバンドもチェキを売るんですね。それだと物販が圧倒的にやりやすくなりそうです。 大石 そこなんですよ! 「チェキは売らない」って言ってるバンドもいるけど、どうやって生活してるんだろう? ――基本的に、CDだってアイドルファンじゃなきゃ何枚も買わないですもんね。 大石 そう、バンドは貧困なのです。だからお金をたくさん恐喝すべく、私たちはステージ上でもお金を稼いでいます。曲もリクエストを募ったりして……あ、まずリクエスト料金が1,000円かかるんですよ。 ――スナックかよ! 大石 あと、飲みかけのジュースをオークション形式にしたら「1万円!」って高値がついたりとか。 ――えっ何それ! 今飲んでるそのお茶くださいよ! 売るから! しかし、思っていたよりヤバイ集団ですね。そりゃスターダストで女優と行儀良くバンドなんてできないな。 大石 はい。パンクなんです。 ――でも、そうやってお金を稼げる土壌を作ってあげて、グループみんなが潤って、なおかつファンもうれしいわけだから、大石さんは優しい元締めですね! 大石 そうです、良心的ですよ(笑)。
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――あ、バンドじゃないんですが、先日、大石さんのソロの「東京LOvE STORY」と「マイケル一族の数奇な人生」のMVをYouTubeで見させてもらったら、曲も映像もすごく良かったです。あの曲は安原兵衛さんと共同プロデュースなんですね。超すごいじゃないですか! 七尾旅人とか、沢尻エリカとかのサウンドクリエイターですよ! 大石 超すごいですね(笑)。ありがとうございます。プロのアレンジャーさんです。 ――これ……そろそろ売れちゃうじゃないですか? 大石 いやもう、ぜんぜん、売れたい気持ちも、なきにしもあらずというか。 ――何それ!? 売れたいの!? 売れたくないの!? どっちなの!? 大石 ああ……。売れる気は、私自身にはそんなになかったんですけど、周りから「そろそろ売れて欲しい」みたいな圧力を感じるので、そろそろ売れようかなって……。 ――そんな、アラサーが実家帰ったときに受ける「そろそろ結婚してほしい」みたいなノリで……。売れるには何をしたらいいんですかね。共同プロデューサーにも、安原兵衛さん以上に素敵な人って多分いないですよね。 大石 そうですね、確かにこれ以上何を望むかって感じですかね……。あ、できるなら、新宿ロフトやBLAZEでワンマンをしたいです。チケットもソールドアウトさせたい! ――1万円で飲みかけのジュースを買ったファンのためにも、実現させたいですね! 大石 そう、自分のためだと思うともう頑張れないので、恩返しのために頑張って売れたいです! ――自分のためにも頑張ろうよ! あ、キャッチコピーを決めるとか? 宍戸さんの「ルンルンはミニが好き」「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ」みたいな。 大石 そう! そういうのですね! 何がいいかなぁ? 恐喝っていうのがインパクトあるかなって思って言ってるだけなんですが実際には恐喝してないし案外良心的だし……。 ――もう「エンタメ系の地下哀ドル・魔法少女りのタソ☆彡」があるじゃない。 大石 それは、もうキャラ的に疲れちゃうから(笑)! ――本日はどうもありがとうございました! 大石さんの『地球の危機』も楽しみです! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●おおいし・りの シンガーソングライターでありギタリスト。 セルフプロデュースアイドルグループ「tasotokyoガールズ」「taso東海ガールズ」「taso関西ガールズ」「taso東北ガールズ」「taso札幌ガールズ」を立ち上げる。 公式情報 Twitter:@tasotokyo ライブ情報 Twitter:@OishiRinoLive
●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【27周年記念プロジェクト】 モーションギャラリーにてクラウドファンディング開始!石嶋由美子&福田裕彦のゴールデンコンビの楽曲を新たに再録予定!! https://motion-gallery.net/
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東京幻想曲集 発売中! 「売れたい気持ちも、なきにしにあらず……」【大石理乃】パンクな優しい元締めは絶賛恐喝中!?の画像6
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「この声、私生活にも支障があるんですよ……」【ニーコ】“舌ピアス声優”の穏やかで幸福な日常

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の50回目! 今回はファッション誌「Zipper」(祥伝社)や「KERA」(ジェイ・インターナショナル)の読者モデルとして人気を博し、アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN!』の主役リボーン役で声優デビューし、現在までに数多くの作品で大活躍のニーコさんが来てくれました! ──『家庭教師ヒットマンREBORN!』十周年おめでとうございます! ニーコ ありがとうございます! ──Blu-ray Boxにコンピアルバムの発売もあって、夏までイベントで忙しくなりそうですね~。イベントといえば、ニーコさんは今ポルトガル帰りでしたね。 ニーコ そうですね。ポルトガルのアニメフェスだったんですけど、ゴールデンウィークに3泊5日の弾丸で行ってきました。 ──フェスでは何をされたんですか? ニーコ えっとね、ありがたいことに、フェスのヘッドライナーとして招待していただいたので、5曲のライブとトークショー、握手会にサイン会、コスプレヨーロッパ大会の審査員、それからメディア取材ですね。 ──隣にポルトガル語の通訳さんがいたわけですね。外タレ感がかっこいい! お客さんの反応はどうでしたか? ニーコ 行く前は不安だったんです。「ポルトガルにニーコのこと知ってる人なんているのか!?」って。でも行ったら行ったで「ニーコ! 待ってました~!!」って歓迎してもらえて、ありがたかった! ──昨年はアメリカのオレゴン州のフェスにも呼ばれてましたし、フランスのJapan Expoにも何年も出演されますよね。超国際派! ニーコ 年に一度は海外に呼んでもらいますねぇ。やっぱり『家庭教師ヒットマンREBORN!』の存在が大きいと思います。 ──人気声優はたくさんいますけど、みんなそこまで海外に呼ばれないですよ。ニーコさんの場合は声優業に限らず、ファッション業界での実績やバンド活動があって、総合で“生きるクールジャパン”に存在になってるんだと思います。ちなみに、その『家庭教師ヒットマンREBORN!』のリボーン役はどういう流れで決まったんですか? ニーコ もともと、人前に出る活動を始めたのは「Zipper」とか「KERA」の読者モデルだったんです。たまにテレビのバラエティに呼ばれたりもしてて、その何個か出たうちの一つを、たまたまアニメのキャスティングの方が見ていて、「なんだこの声!?」って名前をメモしてくださっていて、2年後に『家庭教師ヒットマンREBORN!』に呼んでもらったんです。 ──ちなみに、その当時は読モとバンド活動をバンバンやられてましたよね。アニメ業界に興味はあったんでしょうか? ニーコ 漫画が大好きで、アニメもたまに見たり、完全に「ファン」として楽しんでたので そのとき所属していた事務所から「アニメに興味ありますか?」って言われるまで完全に頭になかった。でも、そう言われたら「え!? やってみる~!!」って、100%オッケーでしたね(笑)! ──そんな軽いノリなんだ! ニーコ 重くも考えてなかったし、不安もなかったです。っていうのも、ニーコがこういう活動をする上で、ずっと「人に元気とか希望とか、刺激とか楽しさを与えたい」っていう想いがあるんです。そのためなら手段はなんでもいいんですよ。なんでも好きだし、なんでもそれなりに楽しめちゃうし、器用貧乏なんですよね(笑)。 ──なるほど~。確かにニーコさんは声優・バンド・モデル・DJ・女優……とえらいたくさんやられてますもんね。 ニーコ だからこそ、一つの道を極めている人はリスペクトします。私にはそれができないから。私には突出した天才的なことは特にないので……。 ──その声、充分突出してますよ! 誰も持ってないよ! ニーコ ダハハー、ありがとうございます! なので、アニメのオーディションの話が来たときも、「あ、楽しそう! まだ見ぬ世界、やってみよう!」って受けることにしたんです。 ──あ、オーデションだったんですね。私はてっきり指名で主役に抜擢かと! ニーコ まさか! 最初は違う役のオーディションで、違うキャラをやらせてもらったら「あれ? ちょっとリボーンやってみてくれない?」って言われて、やってみたら「君だ!!」みたいな。決まりました。
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──すごすぎ……! 当時ニーコさんは、まだ22歳ですね。声優をやってみて、声優業界からの風当たりはどうでしたか? ニーコ 声優さんからはそんなに厳しい風当たりはなかったんですよ。ひたすら感謝です。共演の宍戸留美さん含め、皆さんすごく面白がってくれて(笑)。 ──あはは、声優には珍しいタイプですもんね。舌ピアスした声優さんって恐らくニーコさんくらいですし。 ニーコ でも、発表された時はけっこう叩かれたかな。今となればそれも懐かしいですが。本当に、話を盛ってない状態で、当時のオフィシャルサイトに1時間に100件くらいかな?「土下座して謝れ」「舌ピアスふざけてんの」って内容のメールが来たり。そういうメールでサーバーもパンク寸前でしたね……。 ──こ、こええ~~~~!!! ニーコ でも、その気持ちもわかるんですよ。私もマンガが大好きで、親も好きだから週に3~4冊はマンガが増えていく家庭で育ったんです。だから、好きなマンガがアニメ化されたときに自分のイメージと違うと……ねぇ? ──「髪の色が変わってる!! なんで!?」とかありますよね。 ニーコ そう(笑)! それでやっぱり「あれ? こんな声なの?」って思うこともあるじゃないですか。それが自分の一番好きな作品で、まさか、こんな意味のわからない、素人のモデルやっててピアスついてる女が「こんにちは~~~」なんて言ってたら、そりゃあまぁムカつくだろうなぁ、と……。さらに1時間に100件越えのメールもあったので、逆に達観してしまって、すぐにブログを更新しましたね。「皆さん、さまざまな声をいただきありがとうございます。皆さんのお気持ちすごーくわかります」って。でも、ここで私が卑下しちゃったら、選んでくださったプロデューサーさんや原作の先生に失礼だし、自信を持って言うしかないと思って、「でも、リボーン役はニーコに決まったので、本気で頑張ります! リボーンを愛して、大切にやっていくので、どうか観てやってください!」みたいな感じで締めて、収録が始まって……あの時の100%でやったけど、1話とかはもはや今全く同じでやれと言われても逆に出来ないですね(笑) 。そのくらい、初めての色々なモノが詰まってます。 ──どんな役作りをして挑んだんですか? ニーコ 最初は本当に「ニーコのままでいいから」っていうプロデューサーさんの言葉を信じて、体当たりでやりました。でも、回数を重ねるごとに、徐々にリボーンの完成系になっていきましたね。 ──ちなみに、声優になって苦労したことはありますか? ニーコ 苦労? 苦労は……えーと……あー……苦労? ──してない……の? ニーコ もともと、滑舌が良かったんですよね。声質的に良くないように思ってる人多いかもだけど、ホントは良いんだよ(笑)! 国語の本読みが大好きで、詰まったり、噛んだりとか、した事ないかも。バンドでもラップとかしてたけど声が枯れたこともないから、喉が強い方なんだと思います。あ、だから、たまに声が枯れるとテンション上がっちゃうんですよ。「あら、普通の人の声みたい!」って(笑)! ──あはは! ……あの、今更ですが、ニーコさんのその声って、地声なんですよね? ニーコ 地声です! コンプレックスも声です! 自分の声を聞くのは未だに苦手! ──でも、その声を持って生まれたら、そりゃ歌手か声優しかないですよ! ニーコ それは大人だから冷静にそう思えるもので、私はもうイヤでイヤでイヤで! っていうか私、小学校の高学年まで自分の声を知らなかったんですよ。 ──なんで!? あ、でも、「自分の声を録音すると思ってたよりキモイ」って現象はありましたよね。 ニーコ そう! それをやったのが小学校高学年です! 初めて聴いて「うわぁ! きっしょ!! なんやコレ!!」ってカセット投げた。鳥肌たっちゃって。
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──それまでは自分の声がどんな風に聞こえてたんですか……。 ニーコ それまで、私の中では低めのカッコイイ感じの声で…例えば、米倉涼子さんみたいな? ──(爆笑)! ニーコ ちょっと、笑わないでよぉ! ホントにそう聞こえてくるんだもん! ──耳か脳にすっごいフィルターがついてる! ニーコ だから、自分の声はすごく苦手ですねぇ……。もう、私生活にもすごい支障があるんですよ。40度の熱を出して病院に行って「しんどいです……」って訴えてもあんまり伝わらないし、区役所とか、真面目な場所が大変。 ──ああ、ファニーになってしまって真剣味が出ないんですね……。 ニーコ だから、声優になってからは、そういうときは声を変えてやってます。電話でタクシー呼ぶときとかも「スミマセ~ン(裏声)」って。 ──(爆笑)! ニーコ ホントに大変なんですよ! でも、声優になったおかげでお仕事をもらえて、つまりお金も稼げて。今はこの声で生かされている。声優になってからだな、自分の声を肯定的に考えられたのは。 ──コンプレックス昇華おめでどうございます! そのコンプレックスを経て、叩かれてからも認められ、世界中のアニメフェスで歓迎されるようになったのは感慨深いですね。仕事があって、お金がもらえて、伴侶がいて、子どもも産まれて、海外にもファンがいて……満ち足り感がヤバイな。 ニーコ 幸せですね。うれしい。今突然ボンって消えても笑えるくらいに。幸せ。 ──まだ、子どもも育つから……! ニーコ がはは。それはもちろんよ。あのね、なんだかそんくらい幸せな人生。って思って。消えたくないよ(笑)。私、毎年毎年、1年ごとにどんどん幸せになってるの。80歳くらいでどうなってるんだろう……。過去を見て「あのときに戻りたい」って時期が一切なくって。 ──人が一番若くて希望に満ちてる時期に、ニーコさんは読モとバンドで貧乏すぎてレンコン囓ってましたもんね。 ニーコ そう、当時は貧乏生活でバイトも3っつ掛け持ちしてましたねぇ。っていうかなんでそんな身内しか知らないこと知ってんの……? レンコンはほら、腐らないからいいんですよ(腐ります)。人生がゲームみたいで楽しいです。どんどんアイテムが増えていく感じ。 ──すごい、私のアイテムは年々減っていく一方ですよ。でも、ニーコさんの場合は、もし声優になってなくても何かしらで食っていけそう。読モ時代はヘアメイクの学校に通っていたのに、ヘアメイクの仕事に就かなかったのはなぜですか? ニーコ メイクの学校に通っていた頃は、「人を元気にしたい、刺激を与えたい」とは思っていたけど、まだ手段がわからなかったんですよね。まだいろいろと模索中の18歳。その選択肢の一つにヘアメイクがあったんです。人をきれいにして喜んでもらいたいし、自分にプロのメイクができるのも最高じゃないですか(笑)。でも、読モをやってみたら楽しかったし、何よりも自分に合ってたんです。自分の好きなものを誌面に載せると、「見たよ! ニーコちゃんの真似しました!」って、すごくダイレクトに反応が返ってくるんです。そこで、自分がずっとやりたかった「人に刺激を与える」ってことが、「あれ? もうできてるんじゃないの?」って。あと、同時期に表方と裏方を経験できたのも大きいと思います。メイクの学校に通っていると、先生についてアシスタントとして撮影を見学させてもらうことがあるんですよ。たまたま行ったのが、なんかの撮影だったんですけど、そのときのモデルさんは「ちょっと、早くしてよね(激怒)!!」っていう、マンガに出てくるような態度の人で……。私はもう読モをしていたけど、そんな人は見たことなかったから衝撃を受けて、ふと「じゃあ、ニーコ が出よっかな!」って思っちゃったの。その瞬間、「あ、表方の人にそう思ってしまった私は、もう裏方をやってはダメだ!」って気付いたんです。だから、その撮影に行ったのもまた一つの転機でもあったなぁ、と今では思います。
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──そうして無事に表方の道に進まれて、2010年にはご自分のファッションブランドも立ち上げましたね。せっかくお子さんも産まれたことですし、ここはひとつ子ども服も作ってください! ニーコ そのブランドは今はお休みしてるんですけど、子ども服はやってみたいですね~。 子どもを産んで初めてわかったんですけど、親って服の素材もすごく気にするんですよね。メイドイン何処なのか、縫い方がどうとかも。落ち着いたら小さい規模で、受注生産とかでやってみたいなぁ。 ──ブログとかインスタに載ってるニーコさんの息子さんの服はいつも超かわいいので楽しみです! ちなみに、最近のブログに「現在は昔からの夢のために合格を目指して勉強中」とありましたが、何の勉強をされてるんですか? ニーコ えっとね、「人を元気にしたい」っていうのは、中学生のときから考えていたんです。だから、原宿にサロンみたいなものを開きたいなって。サロンって、ネイルサロンとかヘアサロンじゃなくって、おしゃべりするところね。開放的にして、イメージとしては放課後の保健室かな。例えば失恋とか友達の悩みでもいいし、親子関係とか、「鬱かもしれない」とか、なんでもいいので、相談に乗りたいんです。もちろん、ただ楽しみたいだけの子も歓迎だし、ファッションのことでも、ヘアアレンジができるスペースがあったり、服を持ち込んで交換するスペースがあったりして、そこでニーコがお茶を出して~っていう空間を作りたいなって、中学生のときに思ったんです。 ──中学生の頃から、そんな原宿の母のような思想を!? ニーコ その夢は今も変わらず持っていて、その第一歩として、カウンセラーの資格を取りたくて勉強中です。前から時間があるときに、ボランティアで養護施設とか、親がいない子の施設とか、不登校の子が行くフリースクールに行って、おしゃべりしたり一緒に遊んだりした事もあって。 ──えっ、立派すぎるんですけど……! ピンクの髪した型破りな経歴を持つカウンセラーはなかなかいないから、悩める若人たちは「自分はどうしてこんな小さなことで悩んでたのかな」ってなりますね! ニーコ そうなの、それもいいのかなって。ニーコはこれがナチュラルな自然体だからね。私、人に何かを教えるのって向いてるみたい。しゃべるのも好きだし、話を聞くのはもっと好き。プライベートでも、結婚前までは趣味が飲みだったんですよ。職種問わず、いろんな人と飲みに行ってしゃべって、一人でも飲みに行って店長さんとしゃべったり。どういうタイプの話も聞いてきたから「この話は苦手」みたいなアレルギーもないので。
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──「あ、鬱の話は釣られて暗くなるからやめてほしいんだよね」とか言われたら鬱も悪化しそうですしね。 ニーコ ない、ない(笑)。だから、すごく自分に向いてるなって思ったの。 ──やだもう聖母なの? ニーコさんは外見だけじゃなく内面もピッカピカや~! ニーコ あらまぁ、素敵、ホホホ。 ──なんだか私も精進しなくてはいけない気持ちになりました。最後に、今後の野望はありますか? ニーコ 海外に行くたびに面白がってもらえて、すごく自分に合っているなぁって思うんです。だから、海外で声優ができたら最高ですよね。それにはもう英語を勉強するしかない! ということで、英会話の予約を取り付けたところです。フフフ……! あと、子どもが産まれたのもあって、子ども向けのアニメを日常的に見るようになったので、この声を活かして子ども向けの番組もやりたいなぁ! 声の仕事をもっともっとやりたいですね! ──全体的に楽しみです! 今日はどうもありがとうございました!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美)
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●ニーコ 2001年から読者モデルとして活動スタート。 その後、モデル、声優、バンドボーカル、女優、MC、作詞作曲、DJ、ブランドディレクター、講師など、マルチに活動する原宿系個性派アーティストとしてカリスマとなる。 声優としては、週刊少年ジャンプで連載していた「家庭教師ヒットマンREBORN!」のアニメ化により主役・リボーン役でデビュー。 最近では「魔法つかいプリキュア!」「エルドライブ」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「グランブルーファンタジー」「超次元ゲイム ネプテューヌ」など数多くの作品に出演。 一児の母でありながらもピンク頭の個性派キャラはずっと変わらず健在。 【告知】 ・現在OA中アニメ 「ちょびっとづかん」リトルハナガシラ役 TOKYO MXほか 毎週木曜21時55分~ ・新作アニメ 「人妻つぶ子」つぶ子役(主役) フジテレビ 2017年7月6日(木)25時30分~ 『#ハイ_ポール』内にて放送開始 ・公式Twitter @NEEKO21 ・公式Amebaブログ http://ameblo.jp/neeko21 ・公式LINEブログ lineblog.me/neeko/ ・Instagram neeko_isuzu ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 7/16(日)藤沢ライブ 7/21(金)ワンマンライブin京都 7/22(土)ワンマンライブin大阪 7/23(日)大阪RunJunライブ 「宍戸留美ひとりひとりにサリュー!vol.13~シークレットカオス編〜」 日程:7/31(月) 会場:風知空知(下北沢) 開場:19時/開演:19時半 OA:上埜すみれ ゲスト:真珠子/Theo Dabrigeon (from France) 前売り¥3,500(1D別) 【27周年記念プロジェクト】 モーションギャラリーにてクラウドファンディング開始!石嶋由美子&福田裕彦のゴールデンコンビの楽曲を新たに再録予定!! https://motion-gallery.net/
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増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「私、底辺のカリスマになりたいんです」【絵恋ちゃん】真面目すぎる“永遠の14歳”がファンに牛乳をぶっかけるワケ

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の49回目! 今回は公称年齢14歳、先日新宿LOFTで戸川純さんとのツーマンライブを果たしたアイドル、絵恋(えれん)ちゃんが来てくれました! ――戸川純さんとツーマンお疲れさまでした! あのライブはどういう流れで実現したんですか? 絵恋 もともと私が戸川さんのファンで、ライブに通っていたんです。ずっと「いつか戸川さんと共演したい」と思っていたので、ダメもとでオファーを出してみたんです。ダメに決まってるけど。 ――確かに、戸川さんはレジェンドすぎて現実味ないですよね。しかも会場はキャパ500人の新宿LOFT……実現させたなんてすごすぎます。会場のセレクトも絵恋ちゃんが? 絵恋 私が戸川さんのライブを初めて見たのが新宿LOFTだったので、まずは「私もLOFTでワンマンライブをするぞ!」っていう目標があったんですよ。去年の5月7日にようやくLOFTワンマンができて、夢が一つ叶ったので、「今年も何かやりたいなぁ」ってLOFTの人に日程を聞いたら、たまたま同じ5月7日だけが空いていたんです。だから、なんか運命的なものを感じて、戸川さんにオファーを出しました。もちろんすぐOKのお返事が来たわけじゃなかったんですけど、「そりゃそうだな」って感じでダメージもなく(笑)。待ってる間に5月7日が近付いてきちゃって、そろそろ告知を出さないとって思って、ナタリーさんに絵恋のワンマンライブで告知を出してもらうことにして。でも、その記事が出る2時間前に戸川さんから「出ます」って返信があって……! もう混乱しながら、ナタリーさんにも急いでツーマンライブに文面を変えてもらって、ただただビックリでしたね。 ――そして実現されたツーマンはどうでした? 絵恋 まず、始まる前にわざわざお手紙をくださって、その時点でもう「あ、もう今日帰ってもいいな」と思いました。リハーサルも見させてもらったんですけど、「あぁぁぁ、戸川純さんがリハーサルしている……!!」って感動して号泣しちゃって、もうその時点で涙腺がグズグズになりすぎて「ダメだ、これ以上は見てはいけない」と思って楽屋に引っ込みました。 ――その結果、絵恋ちゃんの関係者パスには赤ペンで「私は関係者なので、あの戸川純さんとのツーマンライブと言えども、なにがなんでもドリンク代だけでLIVEが見たいです。どうかお願いします。」って書かれてたんだ! 絵恋 ああ、あれは去年のワンマンのときも書いたんです。『ドリンク代だけでワンマンが見たいです』っていう関係者パスのシリーズですね(笑)。 ――シリーズなのかよ! 絵恋 それで、戸川さんの曲を一曲カバーさせてもらうことになって、YAPOOSの「ヒステリヤ」って曲をカバーしようと思って。 ――なぜ「ヒステリヤ」? 絵恋 初めてLOFTに戸川さんを見に行ったときにその曲をやっていて、生で聴いたら、「いろいろあったわよね」っていうシンプルな歌詞にグッときすぎて泣いちゃったんです。いろいろあってそこにたどり着いているから、まるで自分に歌ってもらったような気持ちになったんですね。だから、もし同じLOFTのステージでカバーができるなら、絶対に「ヒステリヤ」を歌いたくて、ツーマン当日に戸川さんに「今日は『ヒステリヤ』をカバーさせていただきます」って挨拶に行ったんです。そしたら「いろいろあったのね」って言ってもらえて……もう鳥肌たっちゃって! その歌詞に感動した話はしてないんですよ。さらに特別な曲になりました。 ――ちなみに、もらったお手紙にはどんなことが書いてあったんですか? 絵恋 お手紙には……ンフ、ンフフ、内緒です(照)。けど、私が戸川さんのライブに行ってたときに、お手紙を渡してたんですよ。そのお返事を書いてきてくれて、「お返事遅くなってゴメンね」みたいなことが……。 ――えーっ!! 優しい!! 絵恋 そうなんですよ、すっごい、めちゃくちゃ優しかったです。音楽に対しても真面目だし、本当に尊敬してます。今日も戸川さんのTシャツ着てきちゃいました。 ――しかも冨樫義博先生が描いたやつだ、最高! あれ? そういえば、絵恋ちゃんは戸川さんとのツーマンの前、ライブで宍戸留美さんと「プンスカ」を歌ったときも号泣してましたね。絵恋ちゃん、もしかして普通によく泣く人なんじゃ……? 絵恋 違いますよ!? 宍戸さんも大好きで!! ほんとにそんなDDとかじゃないんで!! 戸川純さんと宍戸さんは私の中のツートップなんで!! ――じゃあ、最近はそのツートップに連続で会えてしまったんですね。ヤバいですね。 絵恋 そうなんですよ、死ぬのかな。 ――エンドロール来てる感じありますね。そもそも、どうやってアイドルデビューに至ったんですか?
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絵恋 えっと、最初は地下アイドルの受付の手伝いをしていたんです。同じ学校に地下アイドルの子がいたので。 ――そのアイドルって、絵恋ちゃんがストーカーしていた人ですか? 絵恋 そうですけど、なんで知ってるんですか……。同じ学校に地下アイドルがいるって知って気になって、色々調べてるうちにファンになって。徐々に近づくことに成功して、ついにその子に「主催ライブがあるんだけど、出ない?」って誘われたんです。でも、いきなりライブに出る勇気はなかったんで、「手伝えることがあったらやります」って、受付スタッフを。そしたら、オタクの人にけっこうチヤホヤされたんですよね。絶世の美少女でもないのに優しくされて、「写真撮っていいですか?」とか言われて、「あ、こんな普通の女の子でも、オタクの人は優しいんだ!」と思って、調子にのって私も地下アイドルに。 ――ストーカーがバレないように近づいて、うまいことアイドルの内側に入り込むという、まさにプロの手口……! 絵恋 はい、最終的にその子と同じユニットに入ることまで成功してます(キリッ)。 ――怖いよ! そんな学生時代を経て、今も無事アイドル活動を続けていらっしゃいますが、バイトもずっと続けられてたんですよね。一人暮らしだったんですか? 絵恋 ずっと実家です。 ――じゃあ、バイトしなくてもやっていけるんじゃ? 絵恋 そうですね。でも、バイトしてた方がライブが楽しいんですよ。 ――絵恋ちゃんの曲の「レジ打ちでスカ」とかにレジ打ち経験が活きてるんでしょうか。 絵恋 あれは作曲家の人が歌詞を書いたんですけど、コールの部分は私がレジ打ち経験を活かして作りました。 ――レジ打ち以外ではどんなバイトを? 絵恋 百貨店のケーキ屋さんでバイトしてたんですけど、もう、ケーキを全然キレイに入れられなくて、ぐちゃぐちゃになっちゃうんですよ。でも失敗すると持って帰れるからおいしかったな~!それで3日でクビになって。 ――(爆笑)! 絵恋 百貨店の服屋さんもバイトしたことあるんですけど、それも全然ダメでした。お客さんに何聞かれてもわかんなくて。だって「私に似合う服あるかしら?」とか聞かれるんですよ? 「ねぇよ」とか思っちゃって……。「ちょっとわかんないです」って言ってたら店長に怒られて、1週間でクビになりました。 ――ギャハハ! 死ぬほど向いてない! っていうか、百貨店に挑むあたり、一応ちゃんとしたいという願望があるんでしょうか。絵恋ちゃんの「就職しないとナイト」って曲は殺傷能力が高かったですね。私も同窓会があったことを間接的に聞くタイプなので……。 絵恋 そうですよね……。私も卒業した学校から会報が届いたときに、「毎年同窓会を行っていて、今でも仲が良い何年何組!」って私がいたクラスの写真が載ってて、「あっ毎年やってんだ!?」って初めて知りました。先生もいるのに一度も呼ばれてない。 ――わぁ、公式から排除はすごいです。学生生活も社会生活も、馴染めないどころかまず参加が難しいですよね。バイトもほとんどしたことない私からすると、クビになりながら働き続ける絵恋ちゃんは偉いですよ。尊敬してます。 絵恋 ライブだけだと曲があんまり作れなくなってきて、歌詞も浮かばないんですよ。 ――絵恋ちゃんはネガティブなものでネジまいて動いてる感じしますもんね。疎外される場所に行った方が良い歌詞が書けそうです。 絵恋 そうなんですよね。やっぱレジ打ちたいなって。 ――いっそレジ打ちで就職するっていうのは? 絵恋 無理です(きっぱり)。就職できる気がしないです。 ――でも「就職しないとナイト」よろしく、大人だから就職しないと気まずいときって多いですよね。「結婚しないとナイト」って曲もありますけど、絵恋ちゃんは結婚願望はあるんですか? 絵恋 ないですねぇ。 ――ですよねぇ。じゃないとあの歌を正気で歌えないです。数年前の私だったら、歌いながら泣いています。 絵恋 でも、小明さん結婚式やってましたよね、一人で。 ――えっ、やりました。イベントでソロウェディングやりました。 絵恋 私もオタクと結婚式をやろうと思って、そういうのやったことある人いるのかな、って調べたら小明さんが出てきたんですよ。「もうやってる人いるのか!」って。あと、ファンに髪を切らせる断髪式もやろうと思ったんですけど、検索したらそれも小明さんが先にやってて……。 ――すみません、ちょっと先に生まれているから……。断髪式も良かったけど、ソロウェディングは最高に楽しくて感動して泣きましたよ。私はソロでしたけど、絵恋ちゃんはオタクと結婚するんですか?
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絵恋 はい、オタク全員と結婚します。大好きなので。 ――全員と!? でもわかります。自分のファンと過ごすのって超楽しいですもんね。「学生時代にみんなと同じクラスになりたかった」とは思います。だから、その延長で結婚があっても全然おかしくないです。 絵恋 ですよねぇ。女子校に行ってたけど、もしオタクと同じ学校だったら姫として楽しい青春時代を過ごせたのかなぁって思います。 ――オタサーの姫、憧れますねぇ。それに女子校出身だと、男女間の距離の掴み方を学べないまま育つのも問題ですよねぇ。 絵恋 そう! わからなくて、最初はそれが理由でメイドカフェでバイト始めたんですよ。男の人とうまく話せないから、いきなり居酒屋とかでバイトするのは怖かった。 ――リハビリとしてのメイド……! 「みんな仲良くアットホームな職場です」って求人に笑顔の写真載せてる居酒屋が一番正しい道なんでしょうけどね。 絵恋 絶対無理です(即答)。でも、メイドカフェだったらきっとお客さんも優しいし、失敗しても笑って許してくれそうじゃないですか。最初はおしゃべりどころか、おしぼりも渡せなかったんですけど、続けてみたらけっこう合っていたみたい。その前は磁石工場でしかバイトしたことなかった。 ――磁石工場!! 私が唯一続いたバイトも工場で、延々ベルトコンベアーに流れてくる洋服にタグをつける作業でした。 絵恋 おお、一緒だ! ――女工からのメイド、そしてアイドル……だんだん接する人間が多くなっていっているので、リハビリは成功ですね。私も元女工として絵恋ちゃんのライブに行ってみたいです。「君が展覧会を開いても」(https://youtu.be/iWMj6bEL8JA)って曲が大好きなんですよ。 絵恋 おお、ありがとうございます! ――あの曲は特に染みるんですよ。私、売れないアイドル時代を共に過ごした友達が音速で売れていった経験があって、やっぱり彼女が展覧会を開いても、私といたアンダーグラウンドは載らないですもんね。あの曲を聴くと、その時期の自分と重なって、「ああっ絵恋ちゃん!!」ってなります……。 絵恋 うれしいです、良かったぁ。 ――普通のアイドルは辛いときに笑顔で応援してくるけど、絵恋ちゃんは辛い心に寄り添ってくれるので永遠に聴けるんですよ。 絵恋 ああ~~~。私、底辺のカリスマになりたいんです。キラキラしているアイドルを見ていると、逆に疲れる層も存在するじゃないですか。元気なアイドルは、ある程度健康じゃないと楽しめないですから。 ――まさに私です。若いアイドルにハマった時期もあったけど、もう疲れちゃうの……。 絵恋 そう、そういう人って絶対にいるので、そういう人たちのために歌っていきたいです。 ――そういう人を待っていました。絵恋ちゃんの歌は辛いときに間違っても「ガンバレ!」とか言わないから、安心して聴けるんですよね。 絵恋 あはは! 私が自分で書いた歌詞で一番気に入ってるのが「頑張りたい、頑張りたい、頑張りたい」っていう歌詞です。頑張りたいなぁっていつも思ってるんですけどね(笑)。 ――わかりすぎてつらい! 絵恋ちゃんの書いた歌詞を見て、「絵恋ちゃんはオタクに牛乳をぶっかけたりもするけれど、実際は絶対に優しい良い子に違いない」って確信したんですよ。……なんでかけたの? 牛乳、なんでぶっかけたの?
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絵恋 いやぁ、なんか、夏の野外ライブだったんで、「何かをかけよう」と思っても、水鉄砲なんかはだいたい私より前の出番の人たちがもうやってるんですよ。だから「かぶらないようにしなくちゃ……あっ牛乳! じょうろで牛乳!」って。 ――しかも夏かよ。最悪に臭くなるじゃん……。 絵恋 でも、そのおかげで“牛乳新規”が釣れて。 ――“牛乳新規”って何!? そんなぞうきん臭が漂う新規嫌だよ!! でも、そんな風にオタクに牛乳ぶっかけつつも、かつてはオタクの心を理解するために、カウンセリングの養成所に通ったんですよね。 絵恋 はい、通ってました。はじめにメイドをしてたとき、千葉の柏にあるメイドカフェだったんですけど、もっとご主人様に喜んでもらうためには何をしたらいいのかなって考えるようになって。「私、本場で修行してきます」って突然店長に告げて、秋葉原に行ったんですよ。で、秋葉原に行ったら客層がだいぶ違ってて、病んでるお客さんが多かった。常にお客さんに人生相談されてる状態になって、こっちも力になりたいから一緒になって毎日悩んじゃって。それで、「うまく返せないから、一回カウンセリングの勉強した方がいいな」って、養成所に通いました。 ――通った結果、どうでしたか? 絵恋 本当にヤバイお客さんに対しても、私だけすごく優しくしちゃったことで、逆にストーカー化して警察沙汰になって、バイトも辞めざるをえなくなって……。 ――悪化させている! 絵恋 そのとき「優しくしすぎるのは優しさじゃないんだ」って気付いて、相手のためにも自分を守るためにも優しくするのは辞めて、こうしてオタクを雑に扱うスタンスに落ち着きました。 ――なるほど~。ちなみになんですけど、絵恋ちゃんってどっちかって言うと、カウンセリングは受ける側じゃないですか? 絵恋 そういえば授業で、カウンセリングを受ける人がやるアンケートをやったら、その後に先生が紹介する患者の回答が私の回答と一致してたり、絵を描かされたと思えば、「皆さんはこういうことにはならないと思うんですけど、これがカウンセリングに通う人たちの絵です」って見せられたのが私の絵とほとんど一緒だったりしました。あ、だから養成所の勉強期間が終わった時に、最後に私だけ先生に呼び出されて「何かあったらここに電話してきなさいね」って言われたんだ! ――(爆笑)!! 絵恋 どうかしてたから「カウンセラー養成所に通おう」って発想になったのかな? ――発想が極端に走りがちですね。真面目すぎるんですよ! でも、なんて言うか、病むのも疲れてきますよね。十代とか、若い時ってメンヘラで辛くてもなんとかやっていけたんですけど、三十路が近づいてからは私は病むのに疲れてきました。 絵恋 そうですねぇ。確かに「よっしゃ、今日は荒れるぞ~」っていう感じのメンヘラは十代のイメージです。 ――絵恋ちゃんは年齢を公表してないのが本当に正解だと思いました。14歳で固定だから、病んでても痛さが少ないんですよ。私は三十路も越えているから、半端に病んだ感じを出すと、もう本当に人が引いていくというか……。 絵恋 私も今は毒舌で面白いねって言ってもらえてるけど、そのうちただのクレーマーみたいに見えちゃうのかな?なんかイライラしている大人の女性ってすごいこわいですもんね! ――「ああ、更年期かな?」って。少女のメンヘラ感は庇護欲を煽るけど、ババアのメンヘラ感って引かれますよね、メンヘラ少女が順調にババアになっただけなのに……。 絵恋 どうしよう!優しい人になる! ――でも優しい人になったらもはや絵恋ちゃんではないし、難しいですよね。でもホラ、絵恋ちゃんはまだ14歳だから……。 絵恋 はい、14歳です(即答)。 ――いつまで14歳なの? 急に実年齢に戻す日とかは来るんですか?
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絵恋 実年齢は14歳なんですけど、1年くらい「今年はこの年で行きます」っていうのはやってみたい。翌年また14歳に戻したり! ――いいですね、好きな年に設定すりゃいいですよ! 活動の最終的な着地点みたいなものは決めているんですか? 絵恋 ずっと音楽はやっていきたいなって。 ――戸川純さんも宍戸留美さんもやってますもんね。 絵恋 そういう先輩がいると私も頑張ろうって気持ちになります。私もそういう方向に行けたらいいな。 ――きっとなれます! 今日はありがとうございました! 絵恋 楽しかったです! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●絵恋ちゃん まっとうな人生をやってみたいと思っているが、カリスマ性がすごいのでやむをえず音楽活動をがんばっている。愛称はえったん。使用楽器はブーケ、レジ袋。 http://eren.sorashi.com <告知> ★リリースイベント 2017/6/28(水)下北沢CLUB251 ★東京ワンマン 2017/7/30(日)下北沢シェルター http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002227192P0030001 ★大阪ワンマン 2017/9/3(日)ロフトプラスワンウエスト http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002228938P0030001 ★バースデーライブ 2017/10/7(土)目黒鹿鳴館 ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 6/25(日)中野イベント 6/28(水)下北沢風知空知、ゲスト:姫乃たま 7/4(火)渋谷音楽イベント 7/16(日)藤沢ライブ 7/21(金)ワンマンライブin京都 7/22(土)ワンマンライブin大阪 7/23(日)大阪RunJunライブ 【27周年記念プロジェクト】 モーションギャラリーにてクラウドファンディング開始!石嶋由美子&福田裕彦のゴールデンコンビの楽曲を新たに再録予定!! https://motion-gallery.net/
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東京幻想曲集 発売中! 「地下アイドルは、お金が回ってた!」【里咲りさ】社長のたったひとりからの卒業宣言の画像6
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「地下アイドルは、お金が回ってた!」【里咲りさ】社長の“たったひとりからの卒業”宣言

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の48回目! 今回はアイドル・シンガーソングライターで元アイドルグループの運営、現在は社長(!!)という波乱の人生を送る、里咲りささんが来てくれました! ──よろしくお願いします! まさか、こんなに素朴な美少女が社長とは……ついにこの連載に社長が来てしまいましたよ。 里咲 あはは、声優さんの連載なのにすみません! ──里咲さんの経歴は、シンガーソングライター→グループアイドル→グループアイドル運営兼メンバー→アイドル兼社長なんですね。24歳とは思えない人生の密度です。まず、初めの方からうかがっていきたいんですが、シンガーソングライターからアイドル路線に移られたのはなぜだったんでしょう? 里咲 そうですね、初めはシンガーソングライターでギターを持って歌ってたんですけど、「あ、これはもう大きいレーベルから電撃メジャーデビューでもしない限り、お金は回ってこない」ってわかって、紆余曲折あって、気付いたら地下アイドルの育成番組みたいなのに出てたんです。そこで初めてライブハウスに出て、ファンの人と会う機会があったんですよ。そしたらチェキ1枚が500円とか、1,000円とかで売れて……「あれ? ここにはお金が回ってる!」って。 ──(爆笑)! すごい現実的! 路線変更は、良くある「憧れていたアイドルに影響されて~」とかじゃないんですね。 里咲 もちろんハロプロやAKBに憧れたりはしてたんですけど、地下アイドルっていうアンダーグラウンドな音楽文化には、どちらかというと「え、地下アイドル……?」っていうネガティブなイメージを持ってた方なんです。でも、すぐにそのステージに立ったんだから、人生ってわかんないですよね(笑)。 ──アイドルとシンガーソングライターの間には、見えるくらいの壁がありますよね。 里咲 ありますねぇ。シンガーソングライターをやっていたときは、私も含めて「私たちは音楽でみんなに伝えたいんです」って主張でやってる人が多かったんです。けど、人に届けるためにはお金も回していかないといけないですし……。だんだん「私、ここだとちょっとハマらないかも」と思ってきて、地下アイドルのライブに出るようになったんです。初めは「アイドルだからギター弾かない方がいいだろうな」と思って、ファーストから4曲目くらいまではザ・アイドルな曲を出してたんですけど、ある日ライブでギターを弾いてみたら「いいやん!」って反応してくれるお客さんが多くて、「あ、ギター弾いても褒めてくれるんだ! じゃあ、好きな曲書いていいんだね!」って、好きな曲を書けるようになりました。 ──なるほどー。では、グループアイドルに入っていた時期はどうでしたか? 江頭2:50さんが名前をつけた、某家電量販店のアイドルグループでしたよね。 里咲 それが、当時は交通費も自腹で、お客さんの集客もあんまりないグループだったので、ギャラもなく……。チェキを撮ったらそれも運営費になって、さらに家電量販店で働くグループなので、本当にみんな週5~6で働いてるんですよ。 ──えっ、コラボで「今日はメンバーの誰誰が一日店員です」とかじゃなくて? そんなにちゃんと就労してるの? 里咲 そうですよ。一応、時給はもらえてたんですけど、割が悪くって、大元の会社にそもそもいくら払ってるのかを聞いてみたら、明らかに……。そのときに「雇われていたらギャラももらえない。そうだ、雇われるのを辞めよう」と思って、1年で卒業したんです。 ──ブラック企業みたい! 1年で見切りをつけたのは大正解ですよ。私も昔は事務所に入ってグラビアをやってたんですけど、上の方針に従っても全然売れないまま精神を病んだので、「他人の指示で失敗して消耗するのって無駄だな」ってフリーになったんです。けど、4年もかかっちゃった。 里咲 ああ、つらいですよね……。自分でやってダメだったことは勉強になるけど、人に言われてダメだったことは納得できないですよね。自分では「私はもっとこっちが向いてるのに」ってわかるだけに、余計につらいです。 ──そのグループを辞めてからは、どうされたんですか? 里咲 辞めていた大学に戻ろうかと思ったんです。早稲田って、辞めてからも7年くらいはちゃんと申請すれば戻れるんですよ。18歳で入ってすぐに辞めたので、今年がギリギリかなぁ。 ──なんですぐに辞めちゃったんですか? 早稲田を辞めるなんでもったいない! 里咲 中学から生徒会長をやっていて、高校もものすごい進学校だったんです。みんな勉強だけするんです。朝5時に起きて、7時に学校について、夜9時まで学校で自主勉して、帰ってまた2時まで勉強して、土日も模試・模試・模試。だから、あまりに勉強しすぎて、大学に入るときに「このまま大学に入ったらバカになっちゃう!」と思ったんです。勉強的な意味じゃなく、人間的に。だから一回休学して正社員で働いたんですけど、結局は辞めましたねぇ。 ──わざわざ休学して正社員で働いたの? 普通は海外でのんびりとかじゃ……? 里咲 いや、なんか社会に出なきゃいけないと思って……。 ──里咲さんって妙に自立心が強いですよね。実家が極貧だったとか?
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里咲 極貧だった時代と普通だった時代があって、「早く親に楽をさせたい」って気持ちが強いんです。長女だったから、小3くらいから「早く自立したい」と思ってました。 ──ええ!? 私もやや極貧出身の姉妹なんですけど、姉も私も一度も定職についたことないですよ! 偉すぎ!! 里咲 え、ああ……。私は中学を出たら社会人だと思ってました。でも親に「高校まではとりあえず良い学校に行きなさい」って言われて、女子校に入ったんです。それからもずっと「ひとりで生きていかなきゃいけない」と思っていて……そのせいか、人に頼るのが苦手なんですよね。 ──女子校出身だと、思春期に学んでおいた方が確実に人生に有利であろう男性への頼り方や甘え方が壊滅的になりますよね。でも、里咲さんは親父転がしが超うまいと思います。ネットTVで杉作J太郎さんと和気藹々と歓談されてるのを観たんですが、杉作さんと話が弾む若い女子なんて珍しいです。 里咲 確かに昔から年上の男の人には好かれるなぁ。愛読書が『女帝』(倉科遼)だったせいかな。「彩香はいいなぁ、一人で頑張ってて」って。 ──あはは! 家に『女帝』が揃ってる環境に親近感が湧きます。ではでは、里咲さんが運営兼メンバーだったユニット「少女閣下のインターナショナル」での話を聞かせてください! なぜそんなに若いうちに、わざわざアイドルの運営をやろうと思ったんですか? 里咲 最初は作詞作曲がしたくって、裏方をやろうと思っただけなんですよ。まさか自分が女の子を集めてグループをやるなんて思わなかったし、むしろ絶対やりたくなかったくらい。女の子の一番いい時期を預かる責任がとれないし、お金を回せるかどうかもわからなかったし……。けど、気付いたら「一緒にやろう」って言ってた人たちがオーディション募集し始めてて、あれよあれよという間に始まってました。止められなかった。やるしかなくなってやっちゃった感じ。「私も前に出たいかも」と思ってメンバーもやってたんですけど、本当に胃が痛かったですねぇ……。 ──運営兼メンバーだと、メンバー側の心情も運営側の事情もわかるから、板挟みになりそうですね。 里咲 そう、それが特にしんどかったです。メンバーの「こうして欲しい」っていうのもわかるし、運営側の「予算がこうで、そういうオファーは来てない」っていう事情もわかるので、当時は暗かったと思います……。それに、そのグループにギャラが払えなくなったら困るので、自分のソロ活動の他にも普通に営業職について働いてたんですよ。なので、仕事に行って、ライブに行って、家に帰って運営の事務作業して……っていう生活でした。とにかく負担が大きかったです。 ──え? 並行してソロ活動と就職して、その売り上げと給料でグループのメンバーにギャラ払ってたってこと? おかしい、おかしいよ、何かが。 里咲 あはは、メンバーだけじゃなく、スタッフにも、そこからちゃんとお金払ってたんですよ。 ──自転車操業……! 稼げども稼げども、全然貯まらないじゃないですか! 里咲 でもね、そうしているうちに、ソロの方が売り上げが上がってきたんです。それで会社も辞めて、ソロの売り上げのみでグループの赤字を補填できるようになって……しんどかったけど良い経験でもあるので、今思えばやってよかったですよ。 ──恐るべき前向きさ! 某家電グループで搾取されていた分、運営側になると過剰に与えてしまうんですねぇ。ホワイト企業! じゃあ、現在はそのグループも卒業して、お金はジャブジャブですね! 里咲 そうですね(笑)! 今までグループに使ってたソロの売り上げを、そのままソロに還元できるので、できることが多くなりました。ミュージックビデオの製作にもお金をかけられるようになったし、良かったなぁ! ──本当によかったなぁ! ……ちなみに、ソロの売り上げが上がった話の後にアレなんですが、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で里咲さんの“ぼったくり物販”が話題になりましたね。いったいどんなぼったくり具合なんですか? 里咲 自分のオリジナルのタオルとかTシャツを作ろうと思ったとき、どこも50ロットから~とかなんですよ。だけど、当時の私のお客さんは5人とか10人の話だったので、確実に赤字になっちゃうんです。それで「もっと小ロット生産はないかな~」と思いながら100円ショップで買い物してたら、肌着とタオルが売っていて……「あ、コレじゃん!!」と思って10枚ずつ買って、サインして「1,000円です!」って売ったら、ファンの人が「わぁ、サインと落書きつきだ~!!」って喜んでくれて「あ、欲しいんだ!? アリなんだ、コレ!!」と思って(笑)。 ──(爆笑)! 里咲 そこから芸として進化させて、その場で10秒でサインして「1,000円です!!」みたいな(笑)。 ──1,000円なら、ぜんぜん良心価格じゃないですか! 里咲 そこで1万円とかとっちゃうと叩かれるでしょう。私はチェキも1,000円なので、1,000円が許してもらえる額かなって。 ──計算高いな! でも、私も同じことやりましたよ。アイドルの抱き枕が流行ってる時期に、発注すると大赤字だから安くて大きな布を買って縫って、自分で全身の絵を描いて「等身大抱き枕です」って同じような価格帯で売りさばきました。素人の酷い絵なんだけど、みんな喜んでくれましたよ! 里咲 うわぁ! あはは! それやりたいです! ──アレも今思えばぼったくりだったんだなぁ。でも、ライブアイドルってみんなそんなもんですよね。
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里咲 そうですね。私の場合は、たまたまビートたけしさんのテレビカメラが入ってるときに、ファンの人が「わぁ~そんなペラペラのタオルが1,000円なんてぼったくりだ!」って言っていたから、私も「里咲りさの、ぼったくり物販はじめま~~~す!」って言ってたら定着してしまって……(笑)。でも、たくさん話題にしてもらえて良かったです! あ、CDとかは、たくさんの人に買ってもらいたいのでもっと良心価格ですよ! ──そういえば、そのCDも、今までは自分でCD-Rに焼いて製作していたんですよね。最近ではプレスもリリースされてますが、どっちもやってみて、どうですか? 里咲 プレスはすっごい楽ですね! だって焼かなくていいんですよ? 今まではリリース前の大事なプロモーションの時期に、ずっとCD-R焼いてたんで(笑)。でも、2016年に『売れるまで待てない』ってアルバムをプレスだけで出したときは、なんか自分的にあんまり面白くないというか、物足りなかったです。自分で思ってたよりもCD-Rが好きだったみたい(笑)。 ──私もよく物販は手作りしてたんですけど、だんだん疲れて朦朧としてくると、物販がお金に見えてくるんですよね。「これが1,000円……2,000円……3,000円……」って。 里咲 めっちゃわかります(笑)。フリーでやっているとピンハネされないから、そうなりますよね。お客さんの気持ちがそのまま私に入ってくるので、とってもクリアだと思います。 ──CDと言えば、里咲さんは作詞だけじゃなく作曲もされているんですよね。クオリティが高いし、次々に違うジャンルの曲を歌われるので、てっきりプロに発注してるんだと思ってました。 里咲 うれしいです! 5歳の時から、お父さんと作詞ゲームをしてたんですよ。スピッツの曲をかけながら「どっちが上手な歌詞を書けるか」みたいな。 ──英才教育! 里咲 作詞ノートみたいなものを初めて作ったのも、その時期でした。5、6歳だから字も汚くて、自分にしか読めないんですけどね(笑)。その頃はまだワンフレーズなんですけど、意識して本格的な作詞ノートを作り始めたのは、小学校の中学年か高学年の頃ですね。 ──スタート、早!! 里咲 で、「歌詞を作ったらメロディも作ればいいじゃん」って小6のときに「ウミガメ」って曲を作ったのを覚えています。ピアノとかも習いたかったけど、習えなかったので、ピアニカで。 ──なんとなく貧乏そうでしたもんね(失礼)。何に感銘を受けて「ウミガメ」だったんでしょう? 里咲 もうわかんないです(笑)。それで、中2くらいからギターを始めました。ギターも、最初は買ってもらえなかったので、段ボールで実寸大のギターを作ってコードの練習をしてたんです。そしたらお父さんが本物を買ってくれて。 ──なんて健気な。お父さんも不憫になったのかな……。 里咲 それで弾けるようになって、中2くらいから歌詞だけじゃなく、コードのノートも作るようになって、高校時代も勉強の合間にラジオを聴きながら曲を書いてました。そこから作詞作曲をずっとしています。 ──5歳からカウントすると、作詞歴は19年の超ベテランですね。それに、里咲さんは声質もすごく良いですよね。「カタルカストロ」のウィスパーボイスは最高でした! 里咲 アイドルグループをやっていたとき、私はすごくウィスパーの曲をやりたくて、密かに「今はあんまりこういうの歌いたくないんだよなぁ~」と思っていて(笑)。だから自分で書けばいいやって、書いた1曲目が、その「カタルカストロ」だったんです。 ──なるほど、念願のウィスパーだったんですね。アイドルって元気に声張って歌わされがちですもんねぇ。 里咲 そうですねぇ。ライブも回数を重ねるから喉にも負担がかかるし、「私はこの声で作りたい曲があるんだけどなぁ」と思っていたので、喉を壊したくなかったです。 ──グループにいると大変ですよねぇ。ちなみに、運営から社長になったのは何歳のときだったんですか? 里咲 21歳だったかなぁ。アイドルグループの運営のときに、いろんな人を外注で雇いまくっていたので、みんなが私を「社長」って呼ぶようになって。でも、税務署的には普通の個人事業主なんですよ、八百屋さんみたいな。 ──運営時代にはもう社長だったんですね! 社長としては、どんな苦労がありますか? 里咲 そうですね、いろいろと外注したり、演出で協力してもらったりはするんですけど、基本的には本当に一人でやってるんです。近年は活動の規模も大きくなってきて、テレビ局の収録に行くときも一人なんです。なので、逆にスタッフさんに心配かけちゃったりとか。他のタレントさんはマネジャーさんやレーベルの人と何人かで来るので……。 ──売れてる人って、ちょっとの出番でも「あなたの役割は何なの?」っていう人も引き連れてますもんね。 里咲 そうそう。なので、そういう世界でやっていこうと思ったときに、本当に一人だと、ちょっと楽屋の鍵を持っててもらうにも、ディレクターさんに頼んだりしなくちゃいけないんです。 ──私もよく一人で現場に入って、台本をその辺のスタッフさんに持っててもらったままなくなったりします。 里咲 そうそう! だから、やっぱり活動の規模を大きくするためと、現状で手が回らなくなってきた事務作業のために、誰かに助けて欲しいなぁって。それに、そろそろちょっと他の人の意見が欲しくなってきたんです。 ──と、言いますと? 里咲 今は手探りで始めたものを続けている状態なので、これからもっと続けていくために、相談できる人や会社が欲しいと思い始めたところなんです。なので、自分の会社もやりつつ、どこかのレーベルに委託することを今年は考えたいなぁ、と。今はそのレーベルを決めるために、いろんな会社さんと話しているところなんです。 ──そこもちゃんと見極めないといけないですよね。搾取されない、センスの有無、信頼の置ける……って考えると、だいぶなくなりますよね。 里咲 はい、だいぶなくなりますね……。怖いですね、慎重にやらないと。やっぱり世間からの見え方的にも、自分的にも、「社長をやってる」っていうのは変えたくないし、そこはもう株式会社にして……とか考えつつ。 ──しっかりしているなぁ! 里咲社長は、将来に不安とかはあるんですか?
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里咲 不安と自信は半々です。もともとのんびりした性格で「なんとかなるでしょ」と思っちゃうタイプなんです。でも一人でやっていると、そんな私を律してくれる人がいないので、いざというときの対策を打てなくなっちゃう。なので、意識的に半分は不安を持つようにしています。 ──おお、なんだか実業家のセミナーを聞いているような気持ちになってきました。音楽以外で、今後チャレンジしてみたいジャンルはありますか? 里咲 うーん、やっぱり、とりあえず音楽で成功を収めたいです。私が作った曲をもっと他の人に歌ってもらいたいので、楽曲提供も増やしていけたらいいな。 ──自分の曲も作って、人の曲も作ったら忙しすぎませんか? 里咲 デモは毎日1曲ずつ作ってるんですよ。 ──1日1曲デモ作り!? 里咲 小・中学校からの習慣なんですよ。学校であったことを曲にするのは日記みたいなもので、今もフレーズを思いついたら、それで一曲書いてみたり。 ──あなたは天才なんですね……? 里咲さんについて行けば食いっぱぐれない気がしてきました、ちょっと事務所に雇ってくださいよ。私も搾取のないホワイト企業で働きたいです。私は今からでもCDーRを焼きますよ。お金だと思って焼きます(真顔)。 里咲 あはは! 会社が大きくなったらお願いします! ──では、最後に、今後の野望を教えてください! 里咲 今、1リリースで3,000枚くらいが限界なんですけど……。 ──3,000枚も売れてんのかい! 里咲 なので、3万枚いきたいんです。今はCDが売れない時代なので、3万枚とかで普通に売れてる人の枚数なんですよ。だから、お茶の間にもちゃんと届く曲を書いて売っていきたいです。 ──そのためにも、一つ大きな力を借りたい、と。 里咲 そうですね。今までは「自分一人でどこまでいけるか」っていうのが楽しかったし、開拓の余地もあったんですけど、もう、自分でやってテレビの仕事も取って、CDを3,000枚売って……けっこう来るとこまで来たんじゃないかと思って。だから、次はメジャーなところでやっていけたらいいな。今はちょうど岐路にいるんだと思います。 ──別に、今のやり方のままでも食べていけるじゃないですか。そこから変化をつけるのは、けっこう勇気がいることですよね。 里咲 現状維持でやっていけるタイプじゃないんです。常に一個上のところに挑戦していきたくて。 ──素敵! 良いレーベルが見つかって、清涼飲料水のCMとかで歌ってください! 今後も応援しています! 里咲 歌いたいですねぇ~。まずは3万枚目指して頑張ります! ありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●里咲りさ(さとさき・りさ) 1992年9月25日生まれ。アイドル、シンガーソングライター。愛称はしゃちょー。音楽レーベルフローエンタテイメント代表。女性アイドルグループ「少女閣下のインターナショナル」元運営兼メンバー。音楽ユニット「あ、ピンチ。」企画・プロデュース兼歌唱担当。群馬県出身。155cm。楽曲は自作曲中心で現在までに30曲以上発表し、楽曲提供も行っている。使用楽器はGivson Dove、Fender JazzMaster。 5/29 全国ツアー初日「里咲りさワンマン in 新宿ロフト!」 会場 新宿ロフト 開場19:00 開演19:45 チケット 前売り 2500円+1D (イープラスで販売中) http://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft/63783 9/22 ZeppDiverCityTOKYOワンマンライブ 開場18:00 開演19:00 チケット4800円+1D(イープラスで販売中) ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 5/29(月)ワンマンライブin仙台 6/3(土)神戸イベント 6/4(日)大阪イベント 6/25(日)中野イベント 6/28(水)下北沢風知空知、ゲスト:姫乃たま 7/4(火)渋谷音楽イベント 7/16(日)藤沢ライブ 7/21(金)ワンマンライブin京都 7/22(土)ワンマンライブin大阪 7/23(日)大阪RunJunライブ 【27周年記念プロジェクト】 モーションギャラリーにてクラウドファンディング開始!石嶋由美子&福田裕彦のゴールデンコンビの楽曲を新たに再録予定!! https://motion-gallery.net/
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東京幻想曲集 発売中! 「地下アイドルは、お金が回ってた!」【里咲りさ】社長のたったひとりからの卒業宣言の画像6
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった“飽きないことを探す”人生

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の47回目! 今回は昨年声優デビューを果たした画家・アニメーション作家の真珠子さんが来てくれました! ――ご無沙汰してます! 真珠子さんと初めてお会いしてから、もう12年近くたってるんですね。 真珠子 わぁ~小明ちゃん、お久しぶ……えっ、12年!? ――確か、私が中野ブロードウェイのタコシェで『アイドル墜落日記』(洋泉社)の発売記念をしている時にお会いしたんです。 真珠子 そう! あのときの写真をこないだ見てました、懐かしい~と思って! でも、あれってそんなに昔!? そっか、12年……一回り……驚きです……! ――あの当時、真珠子さんはもうすでにバリバリ画家として活動されてましたけど、今はもう海外とかに呼ばれまくってるんですね。ちょっと調べただけでもリスボン、ブダペスト、フランクフルト、メルボルン、台北、パリ、ウィーン……めちゃくちゃ国際派じゃないですか! 真珠子 そんなに!? 私も今把握しました(笑)。海外には作品と映像だけ行って、私は行けてない国もあるんです。 ――今まで行かれた国では、どこが気に入りましたか? 真珠子 先日行ったウィーンはかなり気に入りました! ――文化庁主催の国際アニメーション映画祭ですね。『この世界の片隅に』の、こうの史代先生と行かれたんですよね。 真珠子 そう! こうの史代先生はビッグネームなのに、すっごくいい方で、私は着物を着ていたのですが、着物で立ったり座ったりする動作の大変な時に、映画館の座椅子をわざわざ先生自ら座りやすいように押さえて下さったり・・・作品も好きでしたけど、ますます好きになりました。海外はいろいろと行ったけれど、ウィーンはもう一回行きたいって強く思いますね。みんなすごく優しかった! ――ウィーンの映画祭ではどんなことをしたんですか? 真珠子 「パフォーマンスをしてください」って言われたので、4メートル×2メートルくらいの屏風にライブペインティングをしました。初めて描きながら歌ったんですけど、すごく楽しかったです。 ――描きながら歌うの? 水森亜土さんみたいに? 真珠子 バスガイドさんがよく使ってる、ベルトにつけるスピーカーがあって、それをつけながら日本の童謡を歌ったんです。面白かったなぁ。衣装も「着物もいいけど、なんか違うのがいいな」と思って、最近はレオタードにハマっていたので……。 ――レオタード!? なぜ!?
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真珠子 なんか、女は40歳になるとレオタードを着たくなるような気がするんです。 ――そういえば、CAMISAMAじゅんさんの曲(出演もCAMISAMAじゅんさん&えりーさん)、神田旭莉さん映像監督の『真珠子体操』(https://youtu.be/xDlRSlL-XE4)で超レオタード着て踊ってましたね。あのPV好き過ぎて元気のない夜に一人でよく観てます。 真珠子 『真珠子体操』は、こうの史代先生にも「観てると勇気が出る」って言ってもらったんですよ~うれしい! レオタードは、40歳の友達に言っても「わかる」って言ってましたよ。そういえば宍戸留美さんが名言をおっしゃっていました。「レオタードは自分のために着る」んです! 宍戸 もうちょっとしたら小明ちゃんにもわかるようになると思う。 ――お、おお……。 真珠子 それで、ウィーンでの衣装は、着物要素あり、レオタード要素ありのものを、ひさつねあゆみちゃん(ミスiD2017年特別賞)と一緒に考えて、あゆみちゃんに作ってもらったんです。髪型のアドバイス、アクセ制作は友人の顕一郎さまです。ライブペインティングは背中が目立つから、背中に歌舞伎の荒事っていう大きなタスキをつけてくれて、すごく格好いいのが出来ました。 ――さすがミスiDは多才ですね~! でも、描きながら歌うのはかなり難しそうです。どんな練習をしたんですか? 真珠子 ヒカシューの巻上公一さんのボイストレーニングに通ってるんです。そこで「どんな声が出るようになっても僕は責任もちません」って言われた(笑)。 ――超ヤバそう! 巻上さんはホーミーもするし、なんかすごいトレーニングをしそうです。 真珠子 体を動かしながらやるので、いつも「ぎゃあぁぁ」って叫びながらやってます。あと、ウィーンでパフォーマンスする前に、一回どこかでやってみようと思って、あるジャズセッションに行って試してみたんですよ。そしたら、そこを率いているジャズ ピアニストのスガダイローさんが大爆笑してくださってたから、「これはイケるかもしれない」と思って、ウィーンでも頑張れました。 ――観たかった! 日本でも是非やってください! あのー、ちなみに、今さらな質問で申し訳ないんですが、真珠子さんって、いつから女の子の絵を描きはじめたんですか? 真珠子 17歳のときに、図書館で竹久夢二の絵を見たのがきっかけです。私の住んでいた熊本県・天草は本屋さんもあんまりなくって、図書館が全ての情報網で(笑)。それで、夢二の絵の模写をはじめたのが17歳。でも、そのときはサルバドール・ダリも好きでした。美術部の先生がシュルレアリスムに影響を受けた人だったから、不思議な授業をいっぱいされて、私もいろんな絵を描いてたんだけど、二十歳の時に「やっぱ女の子にしよ!」って決めて、今も女の子の絵を描いてます。 ――女の子の絵を描き始めてから、3年ほど高校の美術の先生をされてたんですよね。振り返ってみて、どんな先生でしたか? 真珠子 確か、その時はビートルズが大好きで「Lucy in the Sky With Diamonds」っていう、「LSDやって作っただろ」って言われて問題になった曲をかけながら「これ聴いて絵を描け」って言ったり、今思うと超ヤバイ授業を……。この間フェイスブックで当時の教え子に見つかって「先生!」って言われて「わあぁぁぁ」って、ドキッとしちゃった(笑)。私の中では遠い昔の記憶すぎて「本当に先生してたのかな」って思うくらいなんですよね……。 ――人に教えるのは向いてましたか? 真珠子 向いてない(即答)。 ――でも、今も“真珠子学園”っていうワークショップをやられてますよね。そこに教師時代の経験が活きてるのかと思ったんですが……。 真珠子 ……! 向いてるかどうかは別として、教えるのは好きかも! 今頃だけど(笑)! ウィーンで書道を教えたときも楽しかったし、みんなの知らないことを教えてあげるのってワクワクします! ――生まれ育った天草を出ようと思ったのは、なぜだったんですか?
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真珠子 2000年に上京したんですけど、当時付き合ってた人から、突然「君は僕の器じゃ手に負えない」って言われて、「ええ~~~!?」って。それから「九州男児だいっきらい!!」って出てきましたね(笑)。それから、上京準備を始めました。 ――安定した教職に未練は? 真珠子 なかったです。東京に行ってみたかったし、作家(画家)になりたかったから。上京して、初めてアルバイトもやってみたんですけど、本当に何も知らなくて「とりあえずOLさんみたいなのをやろう」って、受付嬢をしたんです。モデルルームに来るお客さんにコーヒー出したりするんですけど、ある日コーヒーマシンの使い方がわからなくて、ドバーーーーッと溢れさせたんです。私はそれを「わぁ、どうしよう~」「すごい溢れてるな~」って、ただひたすらじっと見ていて……。上司がそれを見て「この子ダメだ」って思ったみたいで、それから超怖くなって(笑)。ふとしたときに「今、あなた自分の世界に入ってましたね?」って言われたんですけど、私はそこで「え? 入ってちゃいけないんだ!」って、社会の常識みたいなものに初めて気付いたんですよ。そんなとき、桜の花を見ていて、「あ、私、気が狂うかもしれない」って。上京1年のことでした……。 ――社会に出るって本当に難しいですよね。 真珠子 それからいろんな仕事をしました、化石の発掘とか……。 ――……ん? 今なんて? 真珠子 化石の発掘現場で働いたんです。「都会に来てから土を触ってない」って気付いて「じゃあ掘ってみよう」って。普通に求人にあったので応募して、毎日つなぎを着て顔から蛇口みたいに汗を出しながら掘ってました。 ――大変そうだけど、掘り起こしたときの達成感がありそうですね! 真珠子 それが、ひとつも出せませんでした……なんにも……。 ――……。ええと、いろんなバイトをしながらも、絵を描く時間はありましたか? 真珠子 上京した年に「絶対友達と原宿でグループ展をやろう」って決めてたので、そのためにずっと描いてました。その展示は原宿のデザインフェスタギャラリーでできて、うれしかった~。それからずっと作りたかったアニメーションも作るようになったんですけど、パソコンも触ったことなかったから、すごく大変でした、人生は勉強だ~! ――以前は、あや野さん(ぐしゃ人間初代メンバー)と一緒に“てンぬイ”っていうユニットを組んで音楽活動もされてましたよね。最近はあまり活動が見られませんが、どうなったんでしょう? 真珠子 “てンぬイ”は、あや野ちゃんが育児中なので保留な感じです。(←2017年夏、てンぬイライブ復活します!)でも、私は昔からずっと弾き語りに憧れていたので、もう一度ピアノを習いに行こうかと思っていて……。昔はクラシックを習ってたけど、今度はジャズをやりたいんです。ジャズにはコードがあって、それさえ弾けばメロディは自分で歌えばいいって知って、「それは良い!」って(笑)。さっそく習いに行ったんですけど、もう、無茶苦茶難しくて!! ――そりゃそうですよ! 真珠子 冬ごもりして、毎日猛特訓して、一曲だけ弾けるようになったんです。うれしすぎてiPhoneで弾き語りを忘れないうちに録って、やっと「これ録れたからもういいか」って落ち着けた(笑。現在はキレイさっぱり忘れてます。)。それで、それをBar星男(新宿2丁目のアート&ミュージックバー)でたまたま隣に座った人に聴いてもらったんですよ。そしたら「ヤバいですね、あなた」「狂ってますね」って言われて……「あ、ありがとうございます」って。 ――(爆笑)!! 真珠子 それから「僕CMソング作ってるから、ちょっと仕事お願いします」って言われて、この間ハウスラボっていう水漏れ修理の会社のCMを歌ったんです。女優の松下由樹さんが水漏れで困ってる後ろで、私が「ハウスラボ~♪」って歌ってるの。 ――え!! そんなことってあるんですか!! (動画を検索して)……本当だ!! すごいけどなんか……不安になる曲ですね!? 真珠子 CMソングって、引っかかる声の方が印象に残るらしくて「あなたちょっと狂ってるから」って。冬ごもりして練習して良かったなぁ! やっぱり思った通りのことをするっていいんですねぇ~! ――いや、それにしてもすごすぎです。たまたまバーで隣にいた人に録音聴かせて「狂ってる」って理由でCMソング歌う人なんて、たぶん世界に一人だと思う……。CMで歌ったことで、人生に変化はありましたか?
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真珠子 CMで歌ってから、「これ私の声なんで、何かあったらお願いします」って友達のアニメーターに営業をかけまくりました(笑)。それで、昔NHKに作品を投稿してたときからの仲間のAC部(映像製作ユニット、2014年に文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞)にも言っておいたら「すっごい、いい役があるからお願い」って、早給セゾンカードの『美少女OLハヤキュー』っていう作品でセーラー服着た女の子の役をやりました! ――ついに声優デビューですね!! おめでとうございます!! どういう役柄だったんですか? 真珠子 魔法少女でした! 普通にOLだったんですけど、早く給料を前借りできるっていうシステムを作られてて、女の子が魔法でアレコレしていくストーリーで、ラップもやりました。 ――ラップ!? 真珠子 前からいろんな人に「ラップやれば?」って言われてたから、私もその気になって……。そのときに声優の話も重なって、みんな友達がうまいこと仕事を繋げてくれた感じです。 ――みんなで真珠子という御輿をノリノリでワッショイした感じですね! OLが給料前借りでセーラー服で魔法少女でラップ……どんなアニメなのか全然想像つかないけど面白そう! 声優業はどうでしたか? 真珠子 面白かった~~~! スタッフの皆さんが良い人ばっかりで恵まれてたのもあると思う! でも、すごく楽しかった! またやりたいです! ――真珠子さんの場合、ご自分でアニメーションも作れるから、自分のアニメに声当て放題ですね。 真珠子 そうなんです! それは今までも作品としてやってたんですけど、どなたかが作った作品に声を当てるのは、すごく新鮮でうれしかったです。これからも、どんな役でも、なんでもやってみたいです! ――真珠子さんの経歴からは、本当に「なんでもやってみたい」が溢れ出ていますよね。画家にアニメーション作家、歌手に芸者もやって、近年では寿司職人もされてたとか……。芸者まではなんとなくわかるんですけど、なんで寿司職人に!? 真珠子 ははははは! なんか、作品作りをする時に「私は日本人」ってことを意識しはじめたんです。で、海外の求人を見ると、寿司食人だらけなことに気がついたんですよ。世界中が寿司食人を求めている……。だから「寿司食人になれば食いっぱぐれないかも」と思って。 ――意外と堅実な理由! しかし、女性だと厳しくないですか? 真珠子 友達が「女の子でも握れるところが秋葉原にあるよ」って教えてくれて、「え~行く行く!」って。でも、求人フォーマットを見たら年齢は35歳までって書いてあったから、「あ、コレ絶対落とされる」と思ってフォームで出さずに電話したんです。そしたら「とりあえず来てください」って言われて、行ったら受かったんです。「なんで?」と思ってたら、お店初日デビューする時に、お店のブログで私のことを「アニメ声です」って紹介されてて「あ、そこで受かったんだ!」って。だから40歳で秋葉デビューできました。あははは。 ――電話したのは大正解でしたね! 寿司食人の仕事はどうでしたか? 真珠子 最初は皿洗いだと思ってたら、いきなり板場に出されちゃったんです。「何をすればいいんだろう」と思ってたら「お話ししててください」って言われて……なんか私、お客さんとただしゃべってるだけなのにドッカンドッカンうけるし、二十歳くらいの先輩は「ほら、ここ濡れちゃうよ」って優しく面倒みてくれるし、「秋葉、良いかも~!」って(笑)。 ――そ、それで、寿司は握れるようになったんですか? 真珠子 けっこう早く「もう握りOKです」ってLINEがきて、「LINEで許可きた~!」って友達を呼んで食べてもらってたら、「ちょっとチェック入ります」ってテストされて、「あのー、全然違うんですよ」って。違っていました。だから握れてなかったみたい。 ――あはははは! でも、これで職歴に寿司職人が入ったから、海外の展覧会で気に入った国があったら、そこで寿司握りながら絵を描いて暮らせますよ。絵も寿司屋に飾れば良いですし。 真珠子 本当だ! そうですよね! そうしよう! 新しい~! ――本業以外に寿司も握り、化石も掘り、声優もやり……これだけいろいろやられて、もうチャレンジしてないジャンルもなさそうですね。そのアクティブさを見習いたいです!
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真珠子 私って多分すごく飽きっぽくて、すぐに「次、次!」ってなっちゃうんですよ。 ――「コレは私には出来ないなぁ」「やめておこう」ってネガティブになったことは? 真珠子 ……あったかなぁ~? けっこう今までなんでもやって、言われたことも引き受けてきた気がします。あは! ――すごい! 今後も何をされるのか楽しみです! では最後に、今後の野望などはありますか? 真珠子 自分が飽きないことを……見つける……? ――絵はずっと飽きてないですよね。真珠子さんって絵を描かない人生って想像つかないですね。 真珠子 そうだ、そうだ。やっぱり最初から絵ありきで広がってますね。 ――絵から派生して歌ったり声優したり、楽しいことが広がっていって、やっぱり絵って素晴らしいですね! 真珠子 そうですねぇ~……わ、すごい! キレイにまとまった感じになってる~!! ――なんか恥ずかしい……! 本日はありがとうございました! また会えるのを楽しみにしてます! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美/衣装=ZOESTYLES、衣装屋ひさつね、maimiallo、中野ロープウェイ/水引髪飾り=顕一郎/ヘアピン=でことらんど) ●真珠子 1976年8月3日生まれ。日本の画家、イラストレーター、映像作家、インスタレーション作家。最近は、モデル、歌手、声優、書評家、臈纈染教室、書家、秋葉原で寿司職人、芸者などなどやってきて今、目指してるのはコメディエンヌ!逆ストリッパーも開始。熊本県天草出身。 2004年に原宿「LAPNET」での個展を期にアーティストとしての活動を開始。以後、日本の少女文化シーンを中心に表現活動を行っている。 最もよく知られている作品はアニメーション「パピヨンよし子」(2004年)。オートマティック的に描かれた自由な線と独特なリズム感で少女の内面世界を描いた作品である。 2006年に熊本市現代美術館で個展を開催。シュルレアリスティックなインスタレーション形式で、以後、彼女の中心的な表現形態となる。インスタレーションを発展させた個展ではほかに、 故郷の天草や渋谷パルコで開催されたメイド喫茶風個展「よかにゃ~?みぞかちゃん」(2012年)などがある。 ・主なグループ展 2017年 文化庁メディア芸術祭 海外メディア芸術祭等参加事業ウィーン企画展『しなやかに、したたかに』(オーストリア・ウィーン) 2016年 増田賢一&真珠子展『真珠子40歳-』(東京・Bar星男) 2014年 『夜想アーバンギャルド展』(東京・パラボリカ・ビス) 2011年 TPAM国際舞台ミーティング in 横浜(横浜・BankArt) ・装画 2011年『論理と感性は相反しない』山崎ナオコーラ著 2011年『家系図カッター』増田セバスチャン著 2008年『ポケットは80年代がいっぱい』香山リカ著 2008年『原宿ガール』橋口いくよ著 ・その他 グウェン・ステファニー「Love Angle Music Baby」歌詞カード、ノベルティ、コンサートグッズなどにイラスト提供 宍戸留美「井の頭にて」PV制作、25周年記念グッズ製作 戸川純 avec おおくぼけい メインビジュアル、グッズ担当 ・公式ウェブサイト http://www.yan-oki.com/ ・近日イベントの告知 ★6/25、宍戸留美さんと真珠子による謎で可愛いイベントを中野ロープウェイ(アイドルが通う雑貨屋さん)にて開催予定! ★7月末、Bar星男にて毎年恒例の写真と絵による「増田賢一&真珠子」夫婦展、今年もやります! 詳細は真珠子Twitterにてチェックしてね★ @Shinjuko ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 5/4(祝木)渋谷ライブ 5/6(土)&5/7(日)南青山ライブ 5/21(日)ワンマンライブin広島 5/29(月)ワンマンライブin仙台 6/3(土)神戸イベント 6/4(日)大阪イベント 6/25(日)中野イベント
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東京幻想曲集 発売中! 「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった飽きないことを探す人生の画像7
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった“飽きないことを探す”人生

「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった飽きないことを探す人生の画像1
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の47回目! 今回は昨年声優デビューを果たした画家・アニメーション作家の真珠子さんが来てくれました! ――ご無沙汰してます! 真珠子さんと初めてお会いしてから、もう12年近くたってるんですね。 真珠子 わぁ~小明ちゃん、お久しぶ……えっ、12年!? ――確か、私が中野ブロードウェイのタコシェで『アイドル墜落日記』(洋泉社)の発売記念をしている時にお会いしたんです。 真珠子 そう! あのときの写真をこないだ見てました、懐かしい~と思って! でも、あれってそんなに昔!? そっか、12年……一回り……驚きです……! ――あの当時、真珠子さんはもうすでにバリバリ画家として活動されてましたけど、今はもう海外とかに呼ばれまくってるんですね。ちょっと調べただけでもリスボン、ブダペスト、フランクフルト、メルボルン、台北、パリ、ウィーン……めちゃくちゃ国際派じゃないですか! 真珠子 そんなに!? 私も今把握しました(笑)。海外には作品と映像だけ行って、私は行けてない国もあるんです。 ――今まで行かれた国では、どこが気に入りましたか? 真珠子 先日行ったウィーンはかなり気に入りました! ――文化庁主催の国際アニメーション映画祭ですね。『この世界の片隅に』の、こうの史代先生と行かれたんですよね。 真珠子 そう! こうの史代先生はビッグネームなのに、すっごくいい方で、私は着物を着ていたのですが、着物で立ったり座ったりする動作の大変な時に、映画館の座椅子をわざわざ先生自ら座りやすいように押さえて下さったり・・・作品も好きでしたけど、ますます好きになりました。海外はいろいろと行ったけれど、ウィーンはもう一回行きたいって強く思いますね。みんなすごく優しかった! ――ウィーンの映画祭ではどんなことをしたんですか? 真珠子 「パフォーマンスをしてください」って言われたので、4メートル×2メートルくらいの屏風にライブペインティングをしました。初めて描きながら歌ったんですけど、すごく楽しかったです。 ――描きながら歌うの? 水森亜土さんみたいに? 真珠子 バスガイドさんがよく使ってる、ベルトにつけるスピーカーがあって、それをつけながら日本の童謡を歌ったんです。面白かったなぁ。衣装も「着物もいいけど、なんか違うのがいいな」と思って、最近はレオタードにハマっていたので……。 ――レオタード!? なぜ!?
「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった飽きないことを探す人生の画像2
真珠子 なんか、女は40歳になるとレオタードを着たくなるような気がするんです。 ――そういえば、CAMISAMAじゅんさんの曲(出演もCAMISAMAじゅんさん&えりーさん)、神田旭莉さん映像監督の『真珠子体操』(https://youtu.be/xDlRSlL-XE4)で超レオタード着て踊ってましたね。あのPV好き過ぎて元気のない夜に一人でよく観てます。 真珠子 『真珠子体操』は、こうの史代先生にも「観てると勇気が出る」って言ってもらったんですよ~うれしい! レオタードは、40歳の友達に言っても「わかる」って言ってましたよ。そういえば宍戸留美さんが名言をおっしゃっていました。「レオタードは自分のために着る」んです! 宍戸 もうちょっとしたら小明ちゃんにもわかるようになると思う。 ――お、おお……。 真珠子 それで、ウィーンでの衣装は、着物要素あり、レオタード要素ありのものを、ひさつねあゆみちゃん(ミスiD2017年特別賞)と一緒に考えて、あゆみちゃんに作ってもらったんです。髪型のアドバイス、アクセ制作は友人の顕一郎さまです。ライブペインティングは背中が目立つから、背中に歌舞伎の荒事っていう大きなタスキをつけてくれて、すごく格好いいのが出来ました。 ――さすがミスiDは多才ですね~! でも、描きながら歌うのはかなり難しそうです。どんな練習をしたんですか? 真珠子 ヒカシューの巻上公一さんのボイストレーニングに通ってるんです。そこで「どんな声が出るようになっても僕は責任もちません」って言われた(笑)。 ――超ヤバそう! 巻上さんはホーミーもするし、なんかすごいトレーニングをしそうです。 真珠子 体を動かしながらやるので、いつも「ぎゃあぁぁ」って叫びながらやってます。あと、ウィーンでパフォーマンスする前に、一回どこかでやってみようと思って、あるジャズセッションに行って試してみたんですよ。そしたら、そこを率いているジャズ ピアニストのスガダイローさんが大爆笑してくださってたから、「これはイケるかもしれない」と思って、ウィーンでも頑張れました。 ――観たかった! 日本でも是非やってください! あのー、ちなみに、今さらな質問で申し訳ないんですが、真珠子さんって、いつから女の子の絵を描きはじめたんですか? 真珠子 17歳のときに、図書館で竹久夢二の絵を見たのがきっかけです。私の住んでいた熊本県・天草は本屋さんもあんまりなくって、図書館が全ての情報網で(笑)。それで、夢二の絵の模写をはじめたのが17歳。でも、そのときはサルバドール・ダリも好きでした。美術部の先生がシュルレアリスムに影響を受けた人だったから、不思議な授業をいっぱいされて、私もいろんな絵を描いてたんだけど、二十歳の時に「やっぱ女の子にしよ!」って決めて、今も女の子の絵を描いてます。 ――女の子の絵を描き始めてから、3年ほど高校の美術の先生をされてたんですよね。振り返ってみて、どんな先生でしたか? 真珠子 確か、その時はビートルズが大好きで「Lucy in the Sky With Diamonds」っていう、「LSDやって作っただろ」って言われて問題になった曲をかけながら「これ聴いて絵を描け」って言ったり、今思うと超ヤバイ授業を……。この間フェイスブックで当時の教え子に見つかって「先生!」って言われて「わあぁぁぁ」って、ドキッとしちゃった(笑)。私の中では遠い昔の記憶すぎて「本当に先生してたのかな」って思うくらいなんですよね……。 ――人に教えるのは向いてましたか? 真珠子 向いてない(即答)。 ――でも、今も“真珠子学園”っていうワークショップをやられてますよね。そこに教師時代の経験が活きてるのかと思ったんですが……。 真珠子 ……! 向いてるかどうかは別として、教えるのは好きかも! 今頃だけど(笑)! ウィーンで書道を教えたときも楽しかったし、みんなの知らないことを教えてあげるのってワクワクします! ――生まれ育った天草を出ようと思ったのは、なぜだったんですか?
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真珠子 2000年に上京したんですけど、当時付き合ってた人から、突然「君は僕の器じゃ手に負えない」って言われて、「ええ~~~!?」って。それから「九州男児だいっきらい!!」って出てきましたね(笑)。それから、上京準備を始めました。 ――安定した教職に未練は? 真珠子 なかったです。東京に行ってみたかったし、作家(画家)になりたかったから。上京して、初めてアルバイトもやってみたんですけど、本当に何も知らなくて「とりあえずOLさんみたいなのをやろう」って、受付嬢をしたんです。モデルルームに来るお客さんにコーヒー出したりするんですけど、ある日コーヒーマシンの使い方がわからなくて、ドバーーーーッと溢れさせたんです。私はそれを「わぁ、どうしよう~」「すごい溢れてるな~」って、ただひたすらじっと見ていて……。上司がそれを見て「この子ダメだ」って思ったみたいで、それから超怖くなって(笑)。ふとしたときに「今、あなた自分の世界に入ってましたね?」って言われたんですけど、私はそこで「え? 入ってちゃいけないんだ!」って、社会の常識みたいなものに初めて気付いたんですよ。そんなとき、桜の花を見ていて、「あ、私、気が狂うかもしれない」って。上京1年のことでした……。 ――社会に出るって本当に難しいですよね。 真珠子 それからいろんな仕事をしました、化石の発掘とか……。 ――……ん? 今なんて? 真珠子 化石の発掘現場で働いたんです。「都会に来てから土を触ってない」って気付いて「じゃあ掘ってみよう」って。普通に求人にあったので応募して、毎日つなぎを着て顔から蛇口みたいに汗を出しながら掘ってました。 ――大変そうだけど、掘り起こしたときの達成感がありそうですね! 真珠子 それが、ひとつも出せませんでした……なんにも……。 ――……。ええと、いろんなバイトをしながらも、絵を描く時間はありましたか? 真珠子 上京した年に「絶対友達と原宿でグループ展をやろう」って決めてたので、そのためにずっと描いてました。その展示は原宿のデザインフェスタギャラリーでできて、うれしかった~。それからずっと作りたかったアニメーションも作るようになったんですけど、パソコンも触ったことなかったから、すごく大変でした、人生は勉強だ~! ――以前は、あや野さん(ぐしゃ人間初代メンバー)と一緒に“てンぬイ”っていうユニットを組んで音楽活動もされてましたよね。最近はあまり活動が見られませんが、どうなったんでしょう? 真珠子 “てンぬイ”は、あや野ちゃんが育児中なので保留な感じです。(←2017年夏、てンぬイライブ復活します!)でも、私は昔からずっと弾き語りに憧れていたので、もう一度ピアノを習いに行こうかと思っていて……。昔はクラシックを習ってたけど、今度はジャズをやりたいんです。ジャズにはコードがあって、それさえ弾けばメロディは自分で歌えばいいって知って、「それは良い!」って(笑)。さっそく習いに行ったんですけど、もう、無茶苦茶難しくて!! ――そりゃそうですよ! 真珠子 冬ごもりして、毎日猛特訓して、一曲だけ弾けるようになったんです。うれしすぎてiPhoneで弾き語りを忘れないうちに録って、やっと「これ録れたからもういいか」って落ち着けた(笑。現在はキレイさっぱり忘れてます。)。それで、それをBar星男(新宿2丁目のアート&ミュージックバー)でたまたま隣に座った人に聴いてもらったんですよ。そしたら「ヤバいですね、あなた」「狂ってますね」って言われて……「あ、ありがとうございます」って。 ――(爆笑)!! 真珠子 それから「僕CMソング作ってるから、ちょっと仕事お願いします」って言われて、この間ハウスラボっていう水漏れ修理の会社のCMを歌ったんです。女優の松下由樹さんが水漏れで困ってる後ろで、私が「ハウスラボ~♪」って歌ってるの。 ――え!! そんなことってあるんですか!! (動画を検索して)……本当だ!! すごいけどなんか……不安になる曲ですね!? 真珠子 CMソングって、引っかかる声の方が印象に残るらしくて「あなたちょっと狂ってるから」って。冬ごもりして練習して良かったなぁ! やっぱり思った通りのことをするっていいんですねぇ~! ――いや、それにしてもすごすぎです。たまたまバーで隣にいた人に録音聴かせて「狂ってる」って理由でCMソング歌う人なんて、たぶん世界に一人だと思う……。CMで歌ったことで、人生に変化はありましたか?
「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった飽きないことを探す人生の画像4
真珠子 CMで歌ってから、「これ私の声なんで、何かあったらお願いします」って友達のアニメーターに営業をかけまくりました(笑)。それで、昔NHKに作品を投稿してたときからの仲間のAC部(映像製作ユニット、2014年に文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞)にも言っておいたら「すっごい、いい役があるからお願い」って、早給セゾンカードの『美少女OLハヤキュー』っていう作品でセーラー服着た女の子の役をやりました! ――ついに声優デビューですね!! おめでとうございます!! どういう役柄だったんですか? 真珠子 魔法少女でした! 普通にOLだったんですけど、早く給料を前借りできるっていうシステムを作られてて、女の子が魔法でアレコレしていくストーリーで、ラップもやりました。 ――ラップ!? 真珠子 前からいろんな人に「ラップやれば?」って言われてたから、私もその気になって……。そのときに声優の話も重なって、みんな友達がうまいこと仕事を繋げてくれた感じです。 ――みんなで真珠子という御輿をノリノリでワッショイした感じですね! OLが給料前借りでセーラー服で魔法少女でラップ……どんなアニメなのか全然想像つかないけど面白そう! 声優業はどうでしたか? 真珠子 面白かった~~~! スタッフの皆さんが良い人ばっかりで恵まれてたのもあると思う! でも、すごく楽しかった! またやりたいです! ――真珠子さんの場合、ご自分でアニメーションも作れるから、自分のアニメに声当て放題ですね。 真珠子 そうなんです! それは今までも作品としてやってたんですけど、どなたかが作った作品に声を当てるのは、すごく新鮮でうれしかったです。これからも、どんな役でも、なんでもやってみたいです! ――真珠子さんの経歴からは、本当に「なんでもやってみたい」が溢れ出ていますよね。画家にアニメーション作家、歌手に芸者もやって、近年では寿司職人もされてたとか……。芸者まではなんとなくわかるんですけど、なんで寿司職人に!? 真珠子 ははははは! なんか、作品作りをする時に「私は日本人」ってことを意識しはじめたんです。で、海外の求人を見ると、寿司食人だらけなことに気がついたんですよ。世界中が寿司食人を求めている……。だから「寿司食人になれば食いっぱぐれないかも」と思って。 ――意外と堅実な理由! しかし、女性だと厳しくないですか? 真珠子 友達が「女の子でも握れるところが秋葉原にあるよ」って教えてくれて、「え~行く行く!」って。でも、求人フォーマットを見たら年齢は35歳までって書いてあったから、「あ、コレ絶対落とされる」と思ってフォームで出さずに電話したんです。そしたら「とりあえず来てください」って言われて、行ったら受かったんです。「なんで?」と思ってたら、お店初日デビューする時に、お店のブログで私のことを「アニメ声です」って紹介されてて「あ、そこで受かったんだ!」って。だから40歳で秋葉デビューできました。あははは。 ――電話したのは大正解でしたね! 寿司食人の仕事はどうでしたか? 真珠子 最初は皿洗いだと思ってたら、いきなり板場に出されちゃったんです。「何をすればいいんだろう」と思ってたら「お話ししててください」って言われて……なんか私、お客さんとただしゃべってるだけなのにドッカンドッカンうけるし、二十歳くらいの先輩は「ほら、ここ濡れちゃうよ」って優しく面倒みてくれるし、「秋葉、良いかも~!」って(笑)。 ――そ、それで、寿司は握れるようになったんですか? 真珠子 けっこう早く「もう握りOKです」ってLINEがきて、「LINEで許可きた~!」って友達を呼んで食べてもらってたら、「ちょっとチェック入ります」ってテストされて、「あのー、全然違うんですよ」って。違っていました。だから握れてなかったみたい。 ――あはははは! でも、これで職歴に寿司職人が入ったから、海外の展覧会で気に入った国があったら、そこで寿司握りながら絵を描いて暮らせますよ。絵も寿司屋に飾れば良いですし。 真珠子 本当だ! そうですよね! そうしよう! 新しい~! ――本業以外に寿司も握り、化石も掘り、声優もやり……これだけいろいろやられて、もうチャレンジしてないジャンルもなさそうですね。そのアクティブさを見習いたいです!
「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった飽きないことを探す人生の画像5
真珠子 私って多分すごく飽きっぽくて、すぐに「次、次!」ってなっちゃうんですよ。 ――「コレは私には出来ないなぁ」「やめておこう」ってネガティブになったことは? 真珠子 ……あったかなぁ~? けっこう今までなんでもやって、言われたことも引き受けてきた気がします。あは! ――すごい! 今後も何をされるのか楽しみです! では最後に、今後の野望などはありますか? 真珠子 自分が飽きないことを……見つける……? ――絵はずっと飽きてないですよね。真珠子さんって絵を描かない人生って想像つかないですね。 真珠子 そうだ、そうだ。やっぱり最初から絵ありきで広がってますね。 ――絵から派生して歌ったり声優したり、楽しいことが広がっていって、やっぱり絵って素晴らしいですね! 真珠子 そうですねぇ~……わ、すごい! キレイにまとまった感じになってる~!! ――なんか恥ずかしい……! 本日はありがとうございました! また会えるのを楽しみにしてます! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美/衣装=ZOESTYLES、衣装屋ひさつね、maimiallo、中野ロープウェイ/水引髪飾り=顕一郎/ヘアピン=でことらんど) ●真珠子 1976年8月3日生まれ。日本の画家、イラストレーター、映像作家、インスタレーション作家。最近は、モデル、歌手、声優、書評家、臈纈染教室、書家、秋葉原で寿司職人、芸者などなどやってきて今、目指してるのはコメディエンヌ!逆ストリッパーも開始。熊本県天草出身。 2004年に原宿「LAPNET」での個展を期にアーティストとしての活動を開始。以後、日本の少女文化シーンを中心に表現活動を行っている。 最もよく知られている作品はアニメーション「パピヨンよし子」(2004年)。オートマティック的に描かれた自由な線と独特なリズム感で少女の内面世界を描いた作品である。 2006年に熊本市現代美術館で個展を開催。シュルレアリスティックなインスタレーション形式で、以後、彼女の中心的な表現形態となる。インスタレーションを発展させた個展ではほかに、 故郷の天草や渋谷パルコで開催されたメイド喫茶風個展「よかにゃ~?みぞかちゃん」(2012年)などがある。 ・主なグループ展 2017年 文化庁メディア芸術祭 海外メディア芸術祭等参加事業ウィーン企画展『しなやかに、したたかに』(オーストリア・ウィーン) 2016年 増田賢一&真珠子展『真珠子40歳-』(東京・Bar星男) 2014年 『夜想アーバンギャルド展』(東京・パラボリカ・ビス) 2011年 TPAM国際舞台ミーティング in 横浜(横浜・BankArt) ・装画 2011年『論理と感性は相反しない』山崎ナオコーラ著 2011年『家系図カッター』増田セバスチャン著 2008年『ポケットは80年代がいっぱい』香山リカ著 2008年『原宿ガール』橋口いくよ著 ・その他 グウェン・ステファニー「Love Angle Music Baby」歌詞カード、ノベルティ、コンサートグッズなどにイラスト提供 宍戸留美「井の頭にて」PV制作、25周年記念グッズ製作 戸川純 avec おおくぼけい メインビジュアル、グッズ担当 ・公式ウェブサイト http://www.yan-oki.com/ ・近日イベントの告知 ★6/25、宍戸留美さんと真珠子による謎で可愛いイベントを中野ロープウェイ(アイドルが通う雑貨屋さん)にて開催予定! ★7月末、Bar星男にて毎年恒例の写真と絵による「増田賢一&真珠子」夫婦展、今年もやります! 詳細は真珠子Twitterにてチェックしてね★ @Shinjuko ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 5/4(祝木)渋谷ライブ 5/6(土)&5/7(日)南青山ライブ 5/21(日)ワンマンライブin広島 5/29(月)ワンマンライブin仙台 6/3(土)神戸イベント 6/4(日)大阪イベント 6/25(日)中野イベント
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東京幻想曲集 発売中! 「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった飽きないことを探す人生の画像7
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「ゴミみたいな自分でも、生きてていいの?」【清水愛】アイドル声優と“人妻”プロレスラー、その数奇な現在進行形

「ゴミみたいな自分でも、生きてていいの?」【清水愛】アイドル声優と人妻プロレスラー、その数奇な現在進行形の画像1
 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の46回目! 今回はアイドル声優のパイオニアで、現在は女子プロレスラーとしても活躍中の清水愛さんが来てくれました! ――本日はよろしくお願いいたします! この連載は今回で46回目なんですけど、清水さんは今までで一番謎な経歴の持ち主というか……。 清水 えっ!? そうなんですか!? ――声優で現役プロレスラーなんて清水さんが初ですよ! 清水 光栄です(照)。 ――気になることはいろいろあるんですが、まず、もともとは声優志望だったんでしょうか? 清水 志望かと聞かれたら、志望ではないです。いつの間にか声優になっちゃった、というか。 ――なっちゃった? 清水 えっと、思春期の頃、すごく引っ込み思案で人見知りも激しくて、コンビニの店員さんともしゃべれないくらいだったんです。「お箸おつけしますか?」って言われるだけでカーッて恥ずかしくなっちゃって、目も合わせられないまま「ハ、ハィ(超小声)」みたいな……。自分なりに「これじゃ日常生活もままならない」と思って、高校を卒業するときに「大学受験かぁ、もう勉強はいいや」っていう気持ちと、「もっと社交的になりたい」っていう気持ちで、まずはモゴモゴしゃべりから脱却して声をハッキリ出すために、声優の勉強をすることにしたんです。そうして人並みの生活を送れるようになってから、自分のなりたいものを探そうと思って。 ――社会参加を目標として声優の勉強をはじめたんですね……! 清水 それで、家の近くに専門学校(日本工学院専門学校)があったので、「ここでいいや」って(笑)。月曜から土曜までみっちり授業があったんですけど、私は怠け者なので、時間で縛ってもらった方が逆に動きやすかったんですよね。やっているうちに楽しくなって、スポンジのように吸収してたら、いつの間にか声優になってしまった。もともと引っ込み思案なので、人前でしゃべるような仕事は向いてないと思ってたんですけど、なんか、なっちゃいました。 ――専門学校から、どうやって声優事務所に入ったんですか? 清水 在学している間、先生が「ウチの子たち見てよ」って、事務所の社長さんを何人か呼んでオーディションを開催してくれたんです。それで私を選んでくれた事務所に入ったんですけど、その事務所も紆余曲折あって……社長がいなくなってしまったんです。それで違う人が社長になって、社名も変わって、やっと慣れてきたと思ったら「ウチ、もう潰すからどこかに行って」って言われて……。 ――声優業界って、たまに社長が消えますね!? この連載でもう何回か聞きました。しかしながら、その紆余曲折の段階で「もうハキハキしゃべれるし、辞めようかな」とは思いませんでしたか?
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清水 声優は楽しかったので、思いませんでしたね。きっと表現をすることは好きだったんでしょうね。自分が何かをすることによって、誰かが喜んでくれるのが、すごく嬉しいんです。在学中にも、学校で講師をやっていた神谷明さんの番組のアシスタントオーディションに受かったんです。それで、自分の声が電波に乗るっていうミラクルなことを体験して、沖縄とか北海道とか海外とか、見ず知らずの遠くに住む知らない人たちから「応援してます」「あなたの声で元気が出た」って言ってもらえて……「何の役にも立たないゴミみたいな自分は生きてていいのかわからなかったけど、生きてていいの?」って思えて、ハマッちゃったんでしょうね。 ――その低すぎる自己評価は何!? 青春時代に何にも良いことがなかった人みたい! 清水 学生時代は本当に黒歴史続きですね。やっぱりいじめられたりとか。コミュニケーションも上手くなかったし、食べるのも遅かったですし、マイペースなんですよ。みんなと違ったので、島国の本能で排除されたんだと思います。異物を排除しないと、自分たちのコミュニティが滅ぼされるかもしれないじゃないですか。だから異物であった私にとって、学生時代は地獄でしたねぇ。大人になって「世の中ってこんなに楽しかったんだ!」って感動してます。 ――例え話が恐いんですけど、清水さんが「生きてていい」と思える日が来て本当に良かったです。学校を卒業されてからは、2000年代の“アイドル声優”の先駆け的な存在でしたね。まだいろいろと前例のない時期なので、ご苦労も多そうですね。 清水 私、こんなこと言ったら頭おかしいと思われるかもしれないんですけど、なんでもそうなんですよ。興味を持って始めたことが、そのときは誰もやってないから「変なことはじめやがって、クソが」みたいな扱いを受けるんですけど、一段落ついた頃にそれが流行りだして、そのジャンルが持てはやされるんです。でも、その頃、私はもう別のことをやっているんですよ。私、ゴスロリが好きでいっぱい着てたんですけど、そのときには誰も着ていなくって、よく「オタクに媚びてる」「事務所に着せられてる」って言われてたんです。でも、そんなわけないじゃないですか! あんな高い服を、好きでもないのに他人の指示で買うわけないですよね(笑)!? 黒髪を貫いたり、前髪をぱっつんにしたり、顔の横に必ず長めの毛がないと死んじゃう、みたいなのも、昔は今みたいに声優のスタンダードじゃなかったですね。 ――確かに! 今はAKBとか地下アイドルとか、もうほぼ全員ありますよね、アイドルの触覚(顔の横の毛)! 清水 私は物心ついたときからずーーーっとそのスタイルが好きで!! でもそういうのの繰り返しなんです、時代が私に追いつかないって言うと傲慢な言い方なんですけど、ズレてるんです、時空が! あと10年遅く産まれてたら、もっと人生が楽しかったはずなんです! そうすれば、周りとももっと話が合ったはずだし、異物として排除もされなかったはずなんです! アイドル的な仕事を始めたときも、まわりの先輩からは「チャラチャラしやがって、ふざけんなよ」みたいな感じでめっちゃ言われてたんですよ。「短いスカートはいてオタクにパンツ見せてりゃいいと思いやがって、芝居する気ねぇんだろ?」って! ――先輩の口が悪すぎてヤバイ!! まさか、声優になってまでもイジメに!? 清水 でも私、若い頃すっごい気が強くって、めちゃくちゃ尖ってたので、ぜんぜん平気だったんですよ。というか、その頃はあまりに忙しくて、一個一個の仕事をなるべく高クオリティで仕上げるために、余計なことにかまっていられなかったんですよね。 ――当時はどういうお仕事が多かったんですか? 清水 アフレコやラジオ収録の他にユニットとしてのお仕事もあったので、全国でイベントをしたりライブをしたり、雑誌やDVDの撮影とかが多かったです。 ――それだと、実際にアニメに声をあてている時間よりも、そっちの方が長くかかりますよね。 清水 そうなんです。なので、ひどいときは、こんなこともありました。同じ作品の別のお仕事がアフレコ前に入っていて、そっちを終えてからアフレコ現場に移動するんですけど、スタッフさんには「この時間で大丈夫です」って言われているから、普通に「おはようございま~す」って現場に入るじゃないですか。そうすると先輩達がすっごい怒りながら待ってる、みたいな……。 ――想像するだけでお腹が痛くなりますね……。
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清水 メディアミックスという概念がまだまだ浸透していなかった頃なので、「アフレコが一番大事なお仕事で、イベントや撮影なんて二の次」っていう昔ながらの考え方がみなさんの中に根付いてたんでしょうね……。でも、私たちは、このアニメを見たり買ったりしてくれるお客さんに喜んでもらうことも大事だし、そうしないと作品も成り立たないとも思っていて……。そうしてまた「努力もせずにニコニコしてれば仕事が来るんでしょ?」と思われて……理不尽でしょう? そういう情報の錯綜が相当なストレスで、アイドルっていう言葉が大嫌いになっちゃったんですよ。もう本末転倒なんです。声でお芝居するのが大好きなのに、そのために頑張っても頑張っても「芝居やる気ないんだろ?」って頭ごなしに決めつけられて、“アイドル声優”ってレッテルを貼られることに、ものすごい嫌悪感とストレスを感じてました。 ――壮絶ですね……! 清水 それから10年経って、アイドル声優全盛期になって、友達が出ている『アイドルマスター』のライブを観に行ったんです。そのとき、そのステージがあまりにキラキラしていて、笑顔で歌って踊ってくれて、MCも面白くて、本当にただ楽しくてキラキラした空間で、「アイドルって、すごいお仕事なんだな、夢を与えてくれる!」って感動したんです。それで、昔“アイドル声優”って言われるのが嫌だったことを思い出して、「私ももっと楽しめる環境だったら良かったのにな」って、しみじみしました。昔の私が可哀想(笑)。やっぱり産まれる時代を間違ったんです。 ――本当に可哀想! しかしながら、清水さんが足場をならしておいてくれたおかげで、今の子たちが笑顔で活動できるのかもしれませんよ。 清水 みんながやりやすくなったなら、うれしいですねぇ。 ――時代の先をいっているので、これから数年後にはプロレスデビューする声優が頻発する時期が来るかもしれません……。 清水 あはは、来ますかね(笑)! ――声優軍を作りましょう! プロレスといえば、清水さんのプロレスデビューは2013年なので、今年でもう4年めですね。「最低でも何年は続けよう」とかは決めてたんですか? 清水 何にも考えてませんでした(キッパリ)。 ――お、おお! プロレスを始めたのも、たまたまプロレスの興業に呼ばれて「じゃあリングデビューもしたい」って流れでリングに立ったんですよね。話題作りとか、記念に一試合だけじゃなく、そのままレスラーを続けているって、すごいことですよ。 清水 そうですねぇ。本当に何も考えずに生きているので……あ、考えなくていいことは死ぬほど考えちゃうんですけど、考えなきゃいけないことは全然考えてないんです。それでもこの年齢まで生きてこられるんだから日本は平和だなぁ。 ――プロレスにハマッたきっかけは何だったんですか?
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清水 DDTプロレスリングさんが経営するエビスコ酒場に友達が連れていってくれたんですけど、お肉料理に「なんだこりゃ!?!? 美味しい!!!!」って衝撃を受けて、めっちゃくちゃ通うようになったんです。お手洗いに入ると興業のポスターが貼ってあるので、「こんなに通ってるのに試合を見たことがないのもアレだな」って、店員のレスラーさんからチケットを買って観に行ったんです。で、観たらハマってしまって、DDTさんの関連グループの興業も、観られる限りは全部観て、そのまま沼にズブズブと……(笑)。 ――肉料理で餌付けされてズブズブに……! 清水 そうですね、胃袋つかまれちゃいました。お肉美味しかった。それに、プロレスは人生の縮図なんですよ。もう立ち直れないくらい打ちのめされても、目は相手を睨みつけて反撃のチャンスをうかがって、そこから流れが急変したりするんですよ。だから、負けることが終わりじゃなくて、諦めて辞めたときが本当の終わりなんです。負けてもまだ次があります。もちろん、次がないような取り返しのつかない失敗もあると思いますけど……もう、死ぬこと以外はかすり傷だと思って。 ――死ぬこと以外はかすり傷!! イケてる!!! とはいえ、怪我はしますよね? 清水 怪我の基準がおかしくなっちゃってるんです。痣は当然できるし、捻挫もたまにするんですけど、「折れてはいないから怪我してないです」って感じです。先輩方はもっとすごくて、試合中に「なんか痛いな」って思いながら続けて、しばらくして病院行ったら「ここ折れてたけど、もうくっついてるね」みたいな人が多いんですよ。アドレナリンが出ちゃうんですよねぇ。 ――アドレナリンだけの問題じゃないような気が……レスラーの自己治癒力はどうなってるんでしょうか。清水さんは、プロレスをしていて「私って強い、センスあるな」って感じることはありますか? 清水 「ほんっとにダメだなぁ」って思います……。「この人は本当に素晴らしいな」って人は何人もいるんですけど、私は……。 ――それでも、続けようと思うのはなぜ? 清水 楽しいからですかね。体を動かす機会は大人になってから全然なかったので、気分転換になりますよ。 ――そんな、OLがヨガやるみたいな! 清水 でも本当にそうですよ。一番初めは、倒立前転すらグニャ~っとなってたんですよ。自分の腕が、自分の全体重を支えきれるような筋力を維持してなかったんですよね。高校のときの体育ではできてたのに、そこからもう20年近く経っているので、もう体がそれどころじゃないんです。それが、練習を続けていくことによって活性化して、汗をたくさんかくことによって汚れも出て、肌も綺麗になって……。 ――プロレスにデトックス効果が! 清水 間違いなく、あります! ――しかしながら、30歳を越えてからのプロレスデビューでしたが、女子プロの三禁(酒、煙草、男の禁止)はかなり厳しいのででは?
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清水 32歳でデビューです。33歳の3カ月前。三禁は全団体じゃないので、恋愛を推奨してる団体さんもありますよ。十代はダメだけど、大人になったら恋愛もどんどんしてねっていう団体さんとか。 ――なるほどー、だから清水さんも結婚してOKだったんですね! 遅くなりましたが、リングアナの井上マイクさんとのご結婚、おめでとうございます! 同業者ですし、仕事にも理解がありそうで素晴らしいですね! 清水 ありがとうございます(照)。営業で帰りが遅くなる~とか言われて明け方近くになっても、そういう事情は私もわかるので全く腹が立たなくてやりやすいです(笑)。 ――昨年ご結婚されるまで、清水さんにはあんまり男の影がなかったですよね。どんなに検索しても、出てくるのは百合疑惑ばかりなんですよ。 清水 だって普通言わなくないですか? ――言わなくてもバレてるじゃないですか! 今は週刊文春も見張ってますよ! 清水 雑誌社さんが声優業界にもゴシップの需要があるって気づいたときには、特に私に人気がなかったというか(笑)。 ――そこだけは時代の先をいってて良かったかもしれません。やっぱり事務所から「恋人を作っちゃダメ」みたいな制約はあったんですか? 清水 事務所からは何にも言われなかったです、さっきの服装や髪型もそうですけど、一切。“男の影がない”っていうのは、私がもともと、あんまり自分の話をするタイプじゃないからかな? 恋人がいるいないは「わざわざ言うことではないんだろうな」とか、「聞いて楽しい話じゃないのかな」とか思ったし、言う機会がなかったんです。けど、結婚を発表をしてから「あの人が私の主人です」っていう話ができるのが、こんなにうれしいものなんだって……やっとFacebookのステータスを“既婚”にする人の気持ちがわかりました。今までは、そうやってステータスやパートナーの存在を公にしている人を心配してたんですよ。私がネットストーカー気味というか、気になったことは必死で検索して調べ当てちゃうタイプなので、私みたいな人が私を調べたとして、何でも明け透けになっちゃったらなんか恥ずかしい! と思って、なんにも情報を出さないようにして生きてきたんです。でも、結婚してからは、ちょっとずつ人生を公にすることに快感を覚えて……。SNSを利用する人の中には「結婚しました」って配偶者との写真をアイコンにしたりする方いらっしゃるじゃないですか。昔は「なんで こんなことを!?」と思ってたんですけど、今はやりたくなるのわかるなぁって(笑)。 ――普通の人は、そんなに検索されたり特定されても困らない人生なんでしょうなぁ。人妻となった清水さんは、プロレスでも“人妻軍”として活躍中ですね。“婚勝(婚活)軍”との試合のレポートを読んだんですけど、めちゃくちゃ面白そうです! 清水 婚勝軍はゼクシィで殴ってくるんですよ……。 ――超痛そう! ゼクシィを凶器に使った後、本家ゼクシィ編集部からガチクレームを受けて号泣謝罪する婚勝軍とか、もう応援しかできません……! ちなみに、清水さんの2016年の目標はご結婚で、無事に達成されましたが、2017年の目標はありますか?
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清水 部屋を綺麗にすることですかね(キッパリ)! ――清水さんにとっての掃除は結婚と同じくらいハードルが高いものなんですか!? 清水 すみません!! そればっかりは!! すみません!! あと、もっと長期的な目標で言ったら、ちょっと高齢出産になっちゃうんですけど、いずれは子どもが欲しいなぁと思っていて、小さい子が観て喜んでくれるような作品に声優として出たり、絵本を超うまく読めたらうれしいなぁと、ぼんやりと。 ――それでは子作りの方もがんば……って言うとセクハラになりますね……。 清水 そうなんですよ、主人も表に立つお仕事の人なので、これを読んだお客さんとかに「どう? できた? 作ってる?」とかって想像させるのも気まずいじゃないですか、難しいですよね(笑)! ――片付けと共にマイペースに頑張ってください! 今日はありがとうございました!! 試合観に行きます!! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●しみず・あい フリー。声優業の傍ら、趣味にも全力投球。 ファンと共に渓流釣りを楽しむバスツアーや実弾射撃を体験する海外ツアー等のアウトドアイベントにも従事し、プロレス観戦にハマったかと思うと2013年12月リングデビュー。以降DDTの系列団体を中心に活躍。その後アニソンDJデビューまで果たし、マルチな活動に磨きがかかる。 2016年8月には DDTリングアナ・井上マイクとの結婚を発表、『人妻声優プロレスラー』に。着々と属性を増やし続ける清水愛の明日はどっちだ!? ≪声の出演≫ 『ファイアーエムブレムif』シャーロッテ役 『鋼鉄のワルツ』アフローラ/ベロニカ役 『快盗天使ツインエンジェル そして神話の乙女たち』ユーノ役 アトレ秋葉原 店内アナウンス ≪ニコ生≫ 『ニコニコ清水愛チャンネル』 毎週水曜23時~ ゲーム実況放送 ときどき趣味である釣りやサバゲーを生中継!? http://ch.nicovideo.jp/shimizu-ai 『ニコプロ -ニコニコプロレスチャンネル-』 月イチ生放送MC担当 http://ch.nicovideo.jp/nicopro ≪舞台出演≫ 演劇企画CRANQ 5th STAGE 『デッド・ビート・ダッド!』 2017年4/27(木)~5/1(月) 東京芸術劇場 シアターウエスト 4/29(土)19時〜の回にゲスト出演 cranq.jp ≪ご主人のお店≫ 新宿三丁目へお立ち寄りの際にはぜひ☆ Bar Lounge SWANDIVE03-5315-4570東京都新宿区新宿3-8-2 クロスビル4階 https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13192237/ Twitter/Instagram:@aitter_smz ボイスサンプルはこちらから http://with-voice.com/shimizu-ai.html ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美ライブ情報】 3/11(日)フランス、グルノーブル「お膳や」16時&18時の2回公演。 3/24(金)中目黒トライ19時半 4/23(日)福岡、書斎りーぶる2階 13時半『絵恋ちゃん×里咲りさツーマン 博多編!~スペシャルゲスト 宍戸留美さん~』 5/21(日)デビュー27周年記念ライブ in 広島 最新情報
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東京幻想曲集 発売中! 「ゴミみたいな自分でも、生きてていいの?」【清水愛】アイドル声優と人妻プロレスラー、その数奇な現在進行形の画像8
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ◆3/4(土)『たまみずきフェスティバル』 会場:大泉学園、ゆめりあホール 『障がい者と健常者の壁を取り払おう!みんなで一緒に楽しむたまみずきスプリングフェスティバル』現在、クラウドファンディングをしています。応援の程、よろしくお願いします。 https://motion-gallery.net/projects/tamamizuki ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/

「ひたすら、びっくりしています」【太田貴子】なぜ『クリィミーマミ』は30年以上も愛され続けるのか

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の45回目! 今回は伝説の魔女っ娘アニメ『魔法の天使 クリィミーマミ』で知られる太田貴子さんが来てくれました! ――太田さんは1982年に『スター誕生』で、現在の徳間ジャパンからスカウトを受けてのデビューでしたが、それ以前にスカウトされたことは? 太田 もう時効だと思うんですけど、私が中学3年生の冬休みのとき、たまたま『スター誕生』を観に行ったんです。ぼ~っと見てたらスタッフさんに声をかけられちゃって、「やってみない?」って。 ――会場で!? 夢がありますね! 太田 それで、やることは決まってたんですけど、それだと世間体が……ってことで、一応オーディションを受けてくださいって。それで『スター誕生』に出たんです。 ――そして再びスカウト! 徳間ジャパンも、よほど惹かれるものがあったってことですね。そして、その翌年には、あの伝説のアニメ『魔法の天使 クリィミーマミ』の声優と主題歌という大仕事が! 太田さんは初めから声優志望だったんですか? 太田 いえ、初めに事務所から提示されたのは歌手か女優だったんですけど、歌が好きだったので歌手にしました。それが決まったら、もうバタバタバターっていろんなところへ挨拶回りに行って、徳間書店さんに顔を出したら、そこのお偉いさんに「こんな仕事があるんだけど、どう思う?」って言われて、「可愛いじゃないですか、やりた~い!」「じゃあやろう」って。その一言で決まったのがマミちゃんだったんです。 ――凄まじい展開ですねぇ! それで芸能活動が本格始動して、普通の女の子が急に何百人のファンの前で歌って握手して……大変でしたねぇ。 太田 不思議な感じでしたよね。でも、好きでやっていたから全然大変じゃなかったです。人が好きなんですよ、私。小さい頃から仲良くなるとすぐについて行っちゃうから、両親によく「危ない!」って言われてました(笑)。 ――本当に危ない~! 太田さんは当時まだ15歳ですが、マミみたいに学校とお仕事の両立は出来たんでしょうか? 太田 その当時は両立してました。学校が終わってスタジオに行って……毎日忙しかったですねぇ。そのときの声優さんたちはけっこう大御所の方が多いので、現場では私はいじられキャラでしたね(笑)。 ――初仕事の出来はどうでしたか?
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太田 どん引きですよ……(笑)。一話は本当に自分で見るのも恥ずかしいくらいの棒読み(笑)! ――では、大御所の皆さんが良い先生になった感じですね。 太田 まぁ先生というか、教えてはくれませんけどね(笑)。今の声優業界は教えてくれるものなんですか? 当時は、先輩より監督がマンツーマンで教えてくれてました。教え方も優しくて上手だったし、自分でも上達がわかってうれしかったなぁ。褒められたことは一度もないけど(笑)。 ――その経験を活かせば、声優学校の講師にもなれそうですね。 太田 うーん、こう見えて、私は意外と個性派なんですよ。実際にちゃんと養成所を出られた方って、どんな役にも対応するじゃないですか? そういう方は個性と言うよりも技術だと思うんです。私は個性を大事にしていて……こういうの、養成所だと怒られちゃいそうですよね。 ――確かに、太田さんの声は個性的です。色っぽくて可愛くて、ちょっと他で聞いたことがない声ですよね。今マミちゃんを見返してもすごく新鮮でした。 太田 本当ですか? うふふふ、ありがとうございます! ――『クリィミーマミ』の後、声優をメインのお仕事にしようと思いませんでしたか? 太田 『風の谷のナウシカ』に出たり、チラホラはやったんですけど、音楽の方が多かったですね。でも、今は声優さんの事務所に入っているので、今後またあるかもしれない(笑)。まだオーディションを受けたりもしてないので、そのうちやろうかな? あはは! ――マイペース! でも、『クリィミーマミ』は若い子向けのブランドとコラボしたりして、30年以上も愛され続けているので、その都度イベントなんかで忙しそうですね。 太田 そうなんです。つい最近もマミちゃんが『プリパラ』ってアニメとコラボをしたんですけど、そのときのサイン会に『プリパラ』を見ている子たちも、マミを見てくれていた人たちも来てくれて、世代を超えた不思議な世界を体験しました(笑)。 ――ご自分の演じたキャラクターが30年以上も愛され続けているなんて、ご本人的は……? 太田 本人びっくり~! ひたすらびっくりで、ついていけてないんですよ! 「わぁ~すごいすごい!」って、他人事みたいな感じ(笑)! ――ビッグウェーブにどんどん乗っていきましょう! ちなみに、太田さんは1994年に一度引退されましたよね、それはなぜ? まだ26歳くらいですよね。
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太田 結婚がしたかったんですよ。でも、結婚ってしたいからできるもんでもないじゃないですか(笑)。若いときからずっと芸能界に染まってたので、「このまま芸能界にいたら世間知らずになる!」と思って、社会勉強のためにいろいろと、ね? まともな人間になろうと思って(笑)! ――あはは! どんな感じの社会勉強をなさってたんですか? 太田 OLです。馴染んでましたよ、事務したり電話出たり。 ――えらい良い声の事務員だなぁ、さすがにバレるでしょう? 太田 バレないんですよ。もともと性格がこんな感じなんで、みんな疑うことすらしなかったみたい(笑)。 ――確かに、お話ししていても“ザ・アイドル”って感じではないですよね。でも昔の動画では、もっとアイドルっぽい受け答えしてましたよ! 太田 アイドルのときは、いちおう作ってたんですよ! でも、自分じゃない自分を演じるのにも限度ってものがありまして、ポロッポロって出ちゃうんですよねぇ、地が(笑)! 自分をどこまで作っていいのかわからなかったし、そうやってポロポロ出さないと続かなかった(笑)。 ――なるほど~。やっぱりハードですもんねぇ。ちなみに、何が一番つらかったですか? 太田 『24時間テレビ』に出たことかなぁ。あとはNHKの『レッツゴーヤング』のサンデーズをやったんですけど、ボーカルレッスンはまだしも、苦手なダンスのレッスンがすごく辛かった! とにかくスタッフさんが恐いんですよ、いつも怒鳴られてましたねぇ、なんか知らないけど。 ――怒鳴られたり怒られたりすると落ち込むタイプですか? 太田 ううん、抜けちゃうタイプ(笑)。 ――(爆笑)! 太田 あとは、当時、ジャニーズで言うとトシちゃんとかマッチの全盛期だったんですけど、ジャニーズファンがすごくって! サンデーズの相手はジャニーズで、仕事で手を握るだけでどうのこうの言われるんですよ。だから、「別にそんな気ないから~」ってジャニーズのファンの人たちに言ったんですよ。一人ずつ「ごめんね、ごめんね~!」って謝って。そしたらみんな「いいよ、太田さんだったら大丈夫」って言ってくれて(笑)。 ――ジャニオタを手懐けた……! 実際にジャニーズと恋に落ちたりはしなかったんですか?
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太田 あるわけないじゃないですか(即答)。光GENJIの子もいたけど、そういう目では見たことがないですね……。私、アイドルより俳優さんが好きだったんです。 ――もったいない……! じゃあ歌手じゃなく女優を目指してたらもっと早く結婚してたかも? 太田 そうかもしれな~い(照)! 女優にすれば良かったかな、なんて! あはは! ――ちなみに、旦那さまは芸能関係の方なんですか? 太田 ぜんぜん! 28歳のときに、業界と関係ない友達の紹介で知り合った方と結婚しましたよ。本当に普通の人! ――引退してから結婚するっていうのも真面目ですよね、アイドルしながら結婚する人も多いじゃないですか。 太田 芸能界じゃ、格好いい人がたくさんいすぎて選べないから(笑)! ――羨ましいセリフ!! ご結婚後、1998年にまた復帰されましたが、そのきっかけは? 太田 復帰する気はなかったんですよ。誰にも現状を教えてなかったし、このまま社会人になっていくと思ってました。でも、『クリィミーマミ』の会長さんが私を探してたみたいで、見つかっちゃった(笑)。それですぐに「イベントに出てね」って言われて「へえぇぇぇ~~!?」って、あっという間に戻されちゃいました。 ――探偵みたいな会長さんですね……! 3人のお子さんを産んだり育てたりしながらのお仕事は大変じゃなかったですか? 太田 大変すぎたけど、なんとかなると思って乗り越えてきました(笑)。私、子どもに宣言したの。「ママね、真面目なママはやらないよ」って。そしたら「別にいいよ。期待してない」って(笑)! ――(爆笑)! 今後、娘さんや息子さんがデビューしたりは? 太田 私の仕事場を見せたことがあるんですけど、「絶対に私はママと同じことはしない」「もっとしっかりしますから」ってみんな言ってます(笑)。 ――ナイス反面教師です! ところで、今はせっかく声優事務所にいることですし、今後は声優業でどういう役をやりたいですか? 太田 やっぱり可愛い役がいいなぁ! 例えばお母さん役とか、おばあちゃん役とか、年相応なやつよりも可愛い女の子がいいです。自分の精神年齢が若いから(笑)! 私、30年前から変わってないんですよ。だって、変わったって楽しくないじゃないですか。そう思いません? ――確かに、嫌な感じで大人になっちゃったり、つまんない人になっちゃったりとか……。 太田 そうなんですよ~。特に、子育てしてるとあっという間だし! ――子育てしながらも乙女性をキープしている太田さん、素敵すぎます! では、最後に今後の野望を教えてください!
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太田 やりたいことをやっていきたいなぁ。「これやりたい」って思ったことをすぐに実践していきたいです。 ――た、例えば? 太田 ファンの方とのイベントやバスツアーは、自分でやりたくって実現したんです。 ――そうだったんですか。トークイベントやバスツアーやボウリング大会をされたり、ファンの方との交流をとても大事にされてますよね。次のバレンタインライブもご自分で企画を? 太田 そうです。私が「宍戸留美さんとやりたいっ」って言って実現させちゃったんです。ウフフー。 ――どんなライブになるんですか? 太田 それはまだ考えてない(笑)。でも、楽しいライブにするので是非是非(ハート)! ――楽しみにしてます! 本日はありがとうございました! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●太田貴子 東京都出身。1982年に『スター誕生!』に出演したことがきっかけで、翌83年デビュー。アニメ『魔法の天使クリィミーマミ』の主人公役に抜擢され、同番組の主題歌「デリケートに好きして」で歌手デビュー。以降、歌手・声優だけでなくタレント、ナレーター、ラジオDJなど幅広い活動を行っている。 2017年2月12日(日)「太田貴子Dreamsバレンタインライブ」開催 日時:2017年2月12日(日)17:30 Open 18:00 Start 場所:渋谷テイクオフセブン・・・03-6427-5273 住所:渋谷区宇田川町32-12アソルティ渋谷B1F URL:http://kox-radio.jp/takeoff7/ 地図:http://kox-radio.jp/takeoff7/access.html Google Map:https://goo.gl/maps/a6p4cehyjNF2 出演:太田貴子 特別ゲスト:宍戸留美(おジャ魔女どれみ 瀬川おんぷ役) (はなかっぱ ももかっぱちゃん役) (はだかん帽 NHKみんなのうたO.A.) オープニングアクト:森下純菜 料金:予約5000円・当日5500円(D別) 主催:アイドルショット チケット:当ホームページにて2016/11/1より発売開始 特設ページ:http://idolshot.com/takako.html チケットご購入は下記ページよりお名前、配達先ご住所、電話番号、振込方法、枚数を送信の上お申込みください。折り返し折り返し二営業日以内に振込口座をご案内いたしますので、ご入金をお願いいたします。 お申込みページ:http://idolshot.com/tk/20170212.html ※所属事務所81プロデュースへのお問合せはご遠慮ください。 【お問合せ】 お問合せ:info@idolshot.com ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 最新情報
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増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ◆1/23(月)【DAIZ FEST Vol.0】 会場:TSUTAYA O-WEST 福田裕彦主宰「大頭視聴覚」のレーベルアーティスト初共演! 出演:漁港・科楽特奏隊・ノーメイクス・福田裕彦・宍戸留美・井口昇 チケットはこちら。 全国のe+で発売中! ◆2/3(金)「ひとりひとりにサリュー!vol.11~豆とお面編」 会場:風知空知 OA:Jocelyn Guzman(メキシカン歌手) ゲスト:ペパーミント 開演19時 前売り¥3,500(1D別) ご予約は下記まで、お名前とご連絡先を明記の上メッセージを下さい。 mailto:sundaliru@gmail.com ◆3/4(土)『たまみずきフェスティバル』 会場:大泉学園、ゆめりあホール 『障がい者と健常者の壁を取り払おう!みんなで一緒に楽しむたまみずきスプリングフェスティバル』現在、クラウドファンディングをしています。応援の程、よろしくお願いします。 https://motion-gallery.net/projects/tamamizuki ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/