「少し前まで絶賛だったのに」ボクシング専門誌が“亀田バッシング”を解禁した裏事情とは

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亀田興毅オフィシャルブログより
「闘志みえぬ戦いのすえに凡戦」  4月4日に4度目の防衛に成功したWBA世界バンタム級チャンピオン、亀田興毅についてボクシング専門誌が厳しく批判した。  前述の見出しを付けて痛烈に批判した「ボクシング・マガジン」(ベースボール・マガジン社)5月号では、「まったくといっていいほど、緊張感のない試合だった」「レベルの低い世界戦に見えた」「世界王者としての評価が下がっている」とボロクソだ。  実際、ボクシングファンの多くが亀田の試合については批判的で、ネット上でも同様の厳しい声は多いのだが、「専門誌の批判には違和感を覚える」というのは都内の老舗ジム会長だ。 「弱い対戦相手を連れてきてあのザマだから批判はいいけど、それを言うなら誰とは言わないけど、ほかにもひどいチャンピオンの試合はある。でも、ジムの広告をもらっていたりするから、そっちは絶対に叩かない。亀田と同じ興行に出た清水智信だってKO負けしているのに、優しい記事だった。だいたい専門誌が亀田を叩きだしたのは最近の話で、少し前までは絶賛していたんだよ」  確かに過去、専門誌では亀田兄弟に対してここまで厳しい批評はほとんどなく、急に論調が変わった印象だが、その理由を同会長は「大手・帝拳ジムへのゴマスリ」だという。 「亀田戦の2日後に帝拳の世界戦興行があって、興行戦争になっていたから。この業界で帝拳ジムといえば天皇みたいな存在、誰ひとり歯向かえない。でも、テレビの視聴率で亀田は14.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で時間帯トップだったけど、帝拳の方は8.9%。数字で負けているから、内容で勝ったように強調したかったんだろう」  また会長は、“執筆者にも注目しろ”と話を続ける。 「亀田の批判記事を書いたのは、業界歴の浅い女性ライター。記事を読むと“(亀田は)どうして終始下がりながら戦ったのだろうか”と疑問を平気で書いているが、それを取材して答えを書くのが記者。試合見た感想を書くだけで取材力がない若い奴を担当させているのも、意図的に叩かなきゃいけなかったからじゃないの?」  こう話した会長は、あるネット日記の画面を印刷した紙を差し出した。そこには帝拳ジムの女性マネジャーを批判するような内容が書かれていたのだが、「これを書いたのは、その専門誌で帝拳のチャンピオン・粟生隆寛の試合を“文句なし!”って絶賛している記者」なのだという。 「陰口はネットで書いているんだから、要するに本音と建前は別ってことさ。専門誌なんてのも、信用できないのがボクシング界だよ。出版社の経営もかなり厳しいと聞くし、長いものには巻かれて、嫌われ者は叩いて読者に媚びてんじゃない?」(同)  ボクシングといえば弱肉強食のスポーツだが、ジムとマスコミとの力関係にも同様の構図があるということか。 (文=林)

一番ダークなスポーツは野球!? 切っても切れないスポーツと闇社会

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『野球賭博と八百長はなぜ、なくなら
ないのか』
(ベストセラーズ)。
──西武ライオンズの若きエース・涌井秀章選手が、自身の所属するエージェントと裁判沙汰になっていることが報じられたが、そこで問題になっているのは、涌井とエージェントをつないだ元暴力団員の存在。比較的少なくなってきてはいるが、ほかにもコワモテとアスリートのつながりは指摘されている──。  日本中の注目を集め、莫大な年俸を稼ぐプロアスリート。彼らの活動を支えるのは、それぞれが所属するチームやスポンサー企業だが、そのほかにも公私にわたって彼らの面倒を見るグレーゾーンの後援者たちがいることはよく知られている。そして彼らが時に、裏社会の人脈につながっているケースも少なくない。  典型的なのが、ここ数年で野球賭博や八百長といったスキャンダルが立て続けに発覚した大相撲だろう。  本誌3月号でも詳しく解説しているが、もともと相撲界には食事から"女"まで、かなりの部分をタニマチに頼る「ごっつぁん体質」がはびこっており、ご祝儀などの名目で、力士の小遣いから日々の飲み食い、さらに地方興行では各部屋の宿泊所から稽古場まで、地元の有力者が面倒を見るといった構造が出来上がっている。そこには裏社会の住人たちが付け入るスキが、いくらでもあった。  一連のスキャンダルによって、こうした構造の問題点が浮き彫りになったわけだが、大相撲のスキャンダルはスポーツ界全体にも衝撃を与えており、どの競技団体も、少なくとも表面上は、タニマチを名乗る暴力団関係者などの裏社会との関係には神経質になっているようだ。 「かつてはスポーツ興行に暴力団が介在していた時代が、確かにありました。ただ現在は競技団体やチームのコンプライアンス上、簡単には許されなくなっている。選手個人も彼らと付き合うことのデメリットを理解するようになっており、『ヤクザをバックに持っても、ロクなことはない』という若い世代の選手も増えてきています」(スポーツジャーナリスト)  一時期は、裏社会とは兄弟分のような付き合いをする豪快な選手がゴロゴロいたプロ野球界も、すっかり様変わりした。 「球界入りするルーキーは、NPB(日本野球機構)の新人研修などでも口を酸っぱくして暴力団との接点を注意されるし、球界のドンこと読売ジャイアンツの渡邉恒雄や楽天イーグルスの三木谷浩史といった実質的な球団トップからも『(暴力団が集まる)怪しい会合には、絶対に顔を出すな』と厳しい通達が出ているそうです」(スポーツ紙記者)  かつては「ヤクザ以上にヤクザっぽい」といわれた江夏豊や張本勲、東尾修といったレジェンド・クラスから、コワモテが絡んだ車庫トバシ(違法に車庫を確保すること)に関係していた篠塚和典、暴力団組長との飲み会写真が流出し登板日漏洩疑惑も囁かれた桑田真澄など、裏社会との関係が報じられた選手は枚挙にいとまがない。 「ここ数年だと、2004年に発覚した元中日ドラゴンズの立浪和義が起こした女性トラブルに、現役の暴力団幹部が乗り出してきたという醜聞が目立つ程度。現役選手では、ほとんど聞かなくなりました。ただ『食肉の帝王』の異名を取ったハンナンの浅田満会長と関係があった現楽天監督の星野仙一など、監督・コーチクラスには、裏社会との接点がある人物はゴロゴロ残っています」(同) ■芸能プロが入り込む スポーツ界のユルさ  もっとも、表立っての交際がなくなっただけで、現在も裏社会との交流は形を変えて続いているとの指摘もある。 「人気球団のスター選手は、芸能プロやマネジメント会社と契約するケースが増えており、怪しげなタニマチは減っている。ただ、そのマネジメント会社や芸能プロが裏社会につながっている場合も少なくない。例えば日ハムのダルビッシュ有や阪神の金本知憲が所属するエイベックスにしても、社長の松浦勝人には暴力団員を同席させて株主を監禁・脅迫したという疑惑が報じられていますからね」(芸能プロ関係者)  その意味で、現在のプロ野球界で最も注目を集めているのが、西武ライオンズのエース・涌井秀章投手に関するスキャンダルだろう。  これは、写真週刊誌「フライデー」(講談社/11年7月15日号)が報じたもので、表面上は涌井の個人事務所が契約していたマネジメント会社「スピードエージェンシー」(「フライデー」ではイニシャル)とのトラブルだが、実際は、涌井のプライベートに食い込んでいる元暴力団組員・Kとの関係に球団側が難色を示したことがトラブルになったきっかけだという。 「スピード社も実質的にKの会社といわれていますからね。涌井も球団の手前、一応はビジネス上の関係を解消する方向で動いていますが、先日、熱愛を公表したフリーアナ・杉崎美香を紹介したのもKといわれており、今後もプライベートでの関係は続きそうです」(前出・スポーツ紙記者)  多くのスポーツ興行に絡んできたKの経歴は当特集【2】を参照してもらうとして、その人脈は水泳の金メダリスト・北島康介や、ロッテからメジャーに移籍した西岡剛選手など多岐に及んでおり、今後の動向が注目されている。  同様に注目を集めているのが、野球評論家の清原和博や日本ハムの中田翔、テニスのクルム伊達公子や格闘家の山本"KID"徳郁、プロゴルファーの加賀崎航太といった有名選手を筆頭に、バスケ、スノーボードなど50人以上の選手が所属するスポーツマネジメント会社「JSM」だ。  JSMはパチンコ・パチスロの大手販売会社「フィールズ」のスポーツマネジメント部門。フィールズのトップは、あの押尾学の庇護者としても名前の挙がった山本俊英会長である。 「山本会長は以前から、元横綱の千代の富士(現・九重親方)や、その弟子で元大関の千代大海(現・年寄佐ノ山)の後見人として知られていますが、現在のプロスポーツ界では"最大のタニマチ"といえる存在です。ただJSMは選手を抱えすぎて、ほとんど商売にはなっておらず、近いうちに金になりそうな数名の選手を残して縮小するともっぱらです。清原だけは、山本会長のポケットマネーで個人事務所を作るともいわれています」(前出・スポーツジャーナリスト)
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