米艦・南シナ海航行で「アップル製品不買」を叫ぶ中国ネトウヨ 書き込み端末はiPhoneにiPad!?

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米海軍が南シナ海を航行したことを報じる中国のニュース
 10月27日、中国が領有権を主張するスプラトリー諸島(南沙諸島)にある人工島から12カイリ(約22キロ)内、を米海軍イージス艦「ラッセン」が航行した。中国政府は猛反発し、米中関係に緊張感が漂っている。  今回の米海軍による「航行の自由」作戦に対し、中国外務省報道官は「中国の主権を脅かすもの。今後も挑発行為に対して監視を継続し、断固とした措置を取る」と、米国を批判。中国中央テレビも「米艦が不法に南沙諸島に侵入した。中国外務省は米国駐中国大使を呼び出して、猛烈な抗議を行った」などと報じた。  ネットメディアでもトップニュースで報じられるや、「憤青(中国版ネトウヨ)」たちも一斉に反応。「抵制美貨(米国製品をボイコットしよう)」というスローガンが、中国版Twitter「微博」上に流れた。近年、中国市場は多くの米国製品であふれており、これらの不買運動をすることで米国を懲らしめようということなのだろう。
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米国製品ボイコットを呼びかける「微博」の投稿
「人民元は大切に使おう! 米国製品不買! ケンタッキー、マクドナルド、コカコーラ、ペプシはなるべく買わないように!」 「アメ車を買おうと思ってたけど、やめた。米国製品ボイコット賛成」 「米国製、日本製はただちに不買! 日米に観光に行く中国人は皆、売国奴だ!!」  こうした発言が相次ぐ中、最も多いのはアップル製品に関する不買呼びかけだ。「いまやiPhoneは、中国市場ナシでは成立しない。アップル製品を今すぐ捨てて、中国製スマホを買おう」などといった意見が飛び交っている。
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中国人は皆、アップル製品が大好き。果たして、ボイコットできるのか?(写真は杭州市のアップルストア開店時の模様)
 しかし、アップル製品不買を呼びかける投稿に表示された書き込み端末には「iPhone」や「iPad」とあるものもチラホラ……。早速そうした投稿に対して「矛盾してるだろ」「まずお前が捨てろ、バカ」などとツッコミが入る始末。さらに「いくら米国製品不買運動をしても、中国人による自国のガラクタ製品ボイコットに遠く及ばない」などと皮肉めいた投稿も多数されている。「憤青」以外、本気で不買運動をしようという人は少ないようだ。 「尖閣問題の時も、日本製品ボイコットが、次第に中国企業によるステマへと発展したように、今回もアメ車を標的とした『中国メーカーの自動車を買おう』という動きになるに違いない。中国では景気悪化で自動車販売台数が激減していて、7月の自動車販売台数は前年同期比で7%以上も減っています。中国ではアメ車の人気が高く、多くの種類が販売されているので、国内ディーラーにとっては追い落とすまたとないチャンス。来月にもなれば、店頭に『アメ車を買わず、国産車を買おう』という横断幕が登場しますよ」(深セン市に住む日系工場オーナー)  今はまだ一部の中国人だけが不買運動を叫んでいるが、政官財が不買運動を巧妙に仕掛けていけば、米中間に新たな火種が生じる可能性もある。今後の成り行きを注視したい。 (取材・文=棟方笙子)

普通すぎ、意外に便利…結局iPad miniは買いか?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) iPhone 5で激化するau対ソフトバンク戦争の舞台裏と行く末 構築費1億円で監督不要!? 日ハム優勝の秘密・選手評価システム 「利権守るため」ローソンが無謀な中国1万店を掲げるワケ ■特にオススメ記事はこちら! 普通すぎ、意外に便利…結局iPad miniは買いか? - Business Journal(11月2日)
「アップル HP」より
「ミニなのは、サイズだけ。」  そんなキャッチコピーとともに「iPad mini」が登場した。ずいぶん前から「7インチディスプレイ搭載のiPad」というものの登場は噂されていて、何度もそれは否定されてきていた。  故スティーブ・ジョブズ氏は、「7インチタブレットは中途半端だ。スマートフォンと戦うには大きすぎるし、iPadと戦うには小さすぎる。7インチタブレットは初めから死んでいる」とまで言っていたという。(http://jp.techcrunch.com/archives/20121025tim-cook-we-will-never-make-a-7-inch-tablet-we-dont-think-theyre-good-products/)  それでも噂が消えなかったのは、それだけ多くの人が待ち望んでいたからだろう。  「下請け工場からのリークがあった」  「もう作り始めているらしい」 などとまことしやかな噂が流れる中、2012年夏には登場がほぼ確実視されるようになった。一時はiPhone 5と同時発表なのではないかとも言われた中、実際に発表されたのは米国時間で10月23日のことだ。  ところが、あれほど待ち望まれていたはずなのに、「がっかりだ」という声が多く聞こえる。iPad miniの登場待ちをしていた人々の中には、発表を中継で見ながら「これで踏ん切りがついた、Nexus 7を買う」というようなことをツイートしていた人もいたほどだ。

●iPad2+カメラ強化+小型化=iPad mini

 何ががっかりなのかといえば、まずは期待が高まりすぎたということがあるように思える。長く噂があり、アップルというスマートデバイス界隈で圧倒的なリードをとっている企業が出してくる製品に対して、期待しすぎた。「きっと何かすごいものを出すに違いないと思っていたら、普通だった」というのが正直な感想だろう。  実際、スペックは普通すぎるほどに普通だ。同時発表された第4世代iPadに及ばないのはもちろん、実は「新しいiPad」と最近呼ばれていた第3世代iPadにも及ばない。どこと同じかといえば、iPad2とほぼ同じだ。CPUと液晶解像度がまったく同じで、カメラまわりだけ、やけに強化されている。(http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/113/113871/)  以前、高精細の代名詞的にも使われていた「Retinaディスプレイ」を採用していないという話が流れた時点で、興味を失った人も多かったようだが、実際に7.9インチというサイズでそれほど高解像度である必要があるのかといえば、そんなことはないだろう。ただ、一度上位の性能を見てしまうと「普通」では見劣りしてしまうのだ。  そして価格が予想以上に高かった。最安値となるWiーFi版の16GBモデルで2万8800円。第3世代iPadのWiーFiモデルは16GBで3万8800円だ。1万円しか違わない。全体的に、あと1万円足せばフルサイズのiPadが買えるという価格設定だった。「ミニなのは、サイズだけ。」というだけあって、お値段もミニではない。  しかし、技術的には小さなスペースに同じ機能を詰め込むのには、手間と技術が必要だ。だから小さいものは割高感のある値段になりやすい。そう考えれば別に理不尽に高額だというわけではない。  ところが近年、ネットブックやUltrabookなど小さくて安価な機械が身近になってきたせいで、ユーザーはいろいろ錯覚している。しかも、iPad mini発表に先駆けて登場した7インチのAndroidタブレット「Nexus 7」が、1万9800円と安価だったこともあり、比較されてしまったのだろう。

●花盛りの7インチクラスでiPad miniの勝ち目は?

 結局、iPad miniは「買い」なのか?   これは用途とユーザーの性格によって変わってくるところだ。すでにiPhoneを持っていて、何か持ち歩けるタブレットも欲しいという人にはちょうどよいだろう。最も向いているのは、iPadをすでに持っているが、重い、大きすぎると感じていたユーザーだ。  一方で、スマートデバイスを初めて購入する人や、すでにAndroidスマートフォンを持っている人にとっては魅力が薄い。ハードウェア的にもっと高性能なモデルや、もっと安価なモデルがAndroidタブレットには存在するからだ。  7インチクラスはちょうど花盛りで、各方面から製品が登場している。安価で高性能と話題の「Nexus 7」、読書端末としてカスタマイズされている「Kindle Fire HD」、スマートフォンの延長のような形で登場した「AQUOS PAD」、マウスコンピューターがビックカメラグループ専売にしている「LuvPad AD701」などは、実売価格が1万円以下の激安モデルだ。それぞれ性能や特徴が異なっているから、いろいろ比較して選ぶとよいだろう。(http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1210/24/news099.html)  こうして類似製品を見渡すとわかるが、iPad miniは正直なところ、これまでのアップル製品のように「唯一無二」の存在感は持っていない。似ているものはあってもアップル製品が1番、と胸を張れる製品ではないのだ。一番軽いといっても数十グラム、類似品の中では大きな画面だといっても0.9インチ。値段と考え合わせると少々インパクトに欠ける。  この状態を「アップルはもうトップではない」と評しているのはアメリカ版GIZMODOのBrian Barrett氏だ。「他社の後追いのような製品だ」という意見だ(http://www.gizmodo.jp/2012/10/post_11069.html)。  期待していただけに「がっかり」という声も多かったiPad mini。今後「アップルは下降線をたどっている」といわれるようになるのか、「やはり小型タブレットもアップルだ」ということになるのか。実際に使った人々の声を聞いてみたいところだ。 (文=エースラッシュ) ■おすすめ記事 iPhone 5で激化するau対ソフトバンク戦争の舞台裏と行く末 構築費1億円で監督不要!? 日ハム優勝の秘密・選手評価システム 「利権守るため」ローソンが無謀な中国1万店を掲げるワケ これは究極!? すべて「念じるだけで家電操作」できる住宅公開 「1人10万円」「やりとりは商品券」名門 “裏口入学”の実態とは!?

「今なら摘発されない?」iPad商標訴訟にアップル敗訴の広東省で盗作品が増殖中

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 今月13日、中国大陸でもiPhone4Sが販売開始を迎えた。販売日当日には国内5カ所のアップルストアには、夜を徹しての長蛇の列が作られ、客と警官隊が衝突する騒ぎも見られた。また、転売業者による買い占めが相次いだため、アップルストアでは販売を無期限停止する措置をとらざるを得ない事態となり、北京の店舗では怒った客が生卵を投げつける一幕もあった。  中国大陸でもまさに旋風を巻き起こしているアップルだが、一方では頭の痛い問題に直面している。  アップルは、iPadの商標権を主張する広東省深セン市のIT企業「唯冠グループ」と訴訟合戦を展開してきた。しかし昨年12月、深セン市の地方裁判所で出された判決は、アップル側の主張を退けるものであった。    本家本元が商標を横取りされるケースは、『クレヨンしんちゃん』をはじめ中国では枚挙にいとまがないが、iPadの場合、その人気の高さゆえ、これまでに類を見ない大きな弊害が出始めているという。 「深セン市にある広東省最大の電気街、華強北路にはアップル製品の山寨(パクリ製 品)が以前から溢れていましたが、見かけはiPadのもろパクリでも、『lPad iRad』といったように、商標は微妙に変えられていたんです。これはパクリ王国といわれる中国であっても、商標法違反に対しては取り締まりが意外と厳しかったから。『iPad』のロゴが書かれてある商品も中にはありましたが、店頭ではその部分に黒いシールが張られ、隠されていたんです。ところがアップル敗訴の判決以降、iPadと堂々と書かれた商品が並んでいる。iPadの商標の帰属が確定していない現在なら、摘発されることもないと踏んでのことでしょう」(現地在住ライター)  ちなみに唯冠グループは、商標を無断で使用されたことに対する損害賠償として、100億元(約 1,250億円)をアップルに請求する考えを示しており、アップルはiPadを改名せざるを得ない可能性も、現実味を帯び始めている。 (文=高田信人)
中国商標実務基礎 ワル知恵満載? amazon_associate_logo.jpg
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アップル社の勝手な"強制突然バーゲン"で電子書籍市場が大パニック!

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350円の本を買おうとクリックすると、
なぜか表示されるのは250円という価格。
「あれ? アプリの値段が全部下がっている......。システム障害?」  7月14日の朝9時過ぎにApp Storeをのぞいたユーザーはさぞかし驚いたに違いない。App Store上の書籍やアプリを購入しようとクリックしたところ、要求された金額が表示価格より大幅に安かったからだ。驚いたのはユーザーだけではない。出店者側にとってもまったくの寝耳に水。値下げしたつもりのない自社の商品が、アップル社から何の連絡もないままに、値下げして売られていたのである。一体なぜこんなことになったのか。   ことの顛末を知る前に、まずはApp Storeで商品を売る際の価格設定ルールを知っておく必要があるだろう。App Storeでアプリや書籍を売る場合、実は販売価格は売り主が自由に決めることはできない。アップル側があらかじめ決めた価格帯からしか選択できないのだ。  例えば、7月14日午前9時以前までのApp Storeにおける一番安い商品価格は115円。以下、順に230円、350円、450円、600円、700円、800円、900円、1,000円......と上がっていく。つまり、「115円じゃ安すぎて儲からないけど、230円だともらいすぎだから、200円で売りたい」と思っても不可能なのだ。書籍も同様で、「この本は市場動向から見て300円なら売れそうだ」と思っても、売り主の意思で価格を決めることができないのである。
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App Storeでの世界各国の販売価格は帯ごとに決められてい
る。赤い枠内が日本(赤線は編集部)。115円の販売価
格のうち、出店側の取り分が81円(7割)という意味。
 では、なぜそんなルールになっているのか。この件についてアップル社はこれまで公式説明をしていなが、「為替レートの関係でしょう」と言うのはあるITライターだ。 「おそらく1ドル115円くらいのときに決めた"ドル建て価格"なので、あちらの感覚では1ドル、2ドルと、ドル単位で区切っている感覚なんだと思います。ただ、その計算でいうと3ドルは345円で端数になるため350円に切り上げてしまい、5ドルは575円だから600円にしてしまおうと、かなりアバウトに決められているようですね。そういう意味では115円だって端数なんですが、そこらも含めてアバウトなんでしょう。厳密な約束ことはないようです」  その結果、450円の次に高い商品が600円になってしまい、500円台で売ることができないというおかしな事態になってしまっているというのだ。一般に小売店で売られている商品は、製造や流通のコストと需給バランスを勘案し、1~10円単位でシビアに決められるのは当然のこと。スポーツ用品メーカーがサッカーボールを1個1,200円で売りたいと考えているのに、店側から「800円か1,500円かのどちらかを選ばないと売らせない」と言われて困惑している姿を想像してみれば分かりやすいだろう。  今回の突然の"価格改正"により、販売価格は85円(今まで115円)、170円(同230円)、250円(同350円)と、それぞれ大幅に下げられている。ちなみに、App Storeの決済システムを利用した場合、売り上げの30%がいわゆる"場所代"としてアップルに徴収される。この30%という数字は、携帯ゲームのGREEやmixiでアプリを売る場合もほぼ同じだ。  つまり85円で売れた場合の取り分は、わずか約60円。115円で売っていたこれまでと比較して一個あたり20円の収益源となる。より分かりやすい例で言えば、これまで800円で売っていた商品は140円も値下げとなるため、仮にこの商品が1万本売れた場合の誤差は実に140万円ということになる。では、なぜ今回、販売価格が突然下げられてしまったのか。  これについてもアップル社からの説明が一切ないため憶測の域は出ないものの、先のITライターは「円高が1ドル85円くらいまで進んでいるのでレートに合わせて、アバウトに調整しようということでしょう(笑)」と推察する。 「ただ、なんでそれをアップル社がすべての商品を一斉に、しかも出店側に何の告知もしないままにやるかのか、という問題です。円高が進んでしまってアメリカで売れなくなったとしても、それは売る側の責任で対処すべきことです。そもそも、電子書籍のように日本の市場だけをターゲットに出店しているところも多いわけで、余計なことをするなというのが出店者側の気持ちでしょう」  しかも、電子書籍の場合は執筆者に著者印税が発生する。1,000円の本なら3割の300円が相場だ。ただ、今回は突然、アップル側により1,000円の本が800円に下げられてしまった。この場合の印税計算はどうなるのだろうか。本の値段は下がっても、印税だけは同じ額を払わなければならないならば、出店側は大打撃だ。  実際に電子書籍をApp Storeで展開している「グリフォン書店」によると、「印税はあくまで販売価格に対する%で契約しているため、例えば1冊あたり300円でお支払いしていたものが240円に下がるという考え方になります」とのこと。ただ、単純に安売りになってしまうために、出店者も執筆者も収益が減ることは間違いない。しかも、「問い合わせがあったすべての著者さんにそのことをご説明して納得していただくのに、丸二日を要しました。起きてしまったことは仕方ないですが、せめて事前告知は欲しかったというのが正直なところです」と困惑する。グリフォン書店ではしかたなく価格の再設定を進めているが、実はこれにもアップルの審査が必要となる。おそらく今、日本中から数千件規模の価格変更が申請されているはずで、その処理が済んで画面上の表示に反映されるには、かなりの時間を要することになりそうだ。  また、ストア型のアプリ「食べレコ」を運営する「株式会社ハンズエイド」の小室健社長も、「すべての仕事や打ち合わせをキャンセルして、対応に一日が潰された」と憤懣やるかたない。「当社の場合は価格表示の変更をサーバ側で対応できましたけど、ストア型の出店者は大変だと思いますよ。アプリのデータベースもマスターを変えて、アプリ自身を更新する作業をしないといけない場合もありますから」  大幅値下げでたくさん売れて、結果的に売り上げがアップするのでは、という一部のネット上の声に対しては、「そういう考えも確かにありますし、弊社でもあるアプリを実験的にしばらく放置してみたんですが、それまで一日15個くらい売れていなかったのが、30個くらい売れましたからね(笑)。しかし、一時的にちょっと多く売れても、中長期的には経営にプラスになりません。安定した状態で売れ行きデータをとっていかないとマーケティングにもなりませんし」  また、「新興市場としてこれから盛り上がろうというときに、冷や水をかけられたのは業界にとって痛手」と懸念するのは、先のITライターだ。 「価格も自由に決められない上、いつ大幅値下げ、あるいは値上げが起こるか分からない。これでは事業計画も立てられません。革命前夜の社会主義国よりリスクが大きい(笑)。新規参入を検討している事業者はもちろん、著者側からしても二の足を踏みたくなるでしょうね。著者が躊躇すればコンテンツは増えない。業界にとっては大きなマイナスです」  同じことは今後も起こりうると考えるのが妥当のようだが、各社ともその対処にどう向き合っていくべきなのだろうか。前述の小室氏は、「海外市場をにらんだ展開をあらためて痛感した」という。 「アップル社のやり方の是非はともかく、価格変動にも揺るがない経営基盤を構築しないとならないというのが、今回の教訓ですかね。そのためには、国内のみならず、海外で利益を上げなければなりません。今、国内のiPhoneが400~500万台と言われていますが、世界中のIOS(iPhone、iPadなどに搭載のOS)は2億台です。そこを目指した展開を考えていかないとならないでしょうね」  もっとも、強大な資本を持たないベンチャー企業でも参入が可能なのが、この市場の一つの魅力のはず。世界を目指すために国内で地道に稼ぐスタイルがあってもよさそうなものだが、そういう事業者はアンドロイドへ移行すべきということか。いずれにせよ、今回の"アップル大恐慌"が今後の電子マーケットへ深い爪跡を残したことだけは間違いなさそうだ。 (文=浮島さとし)
スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション ちょっと、ジョブズさん! amazon_associate_logo.jpg
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アダルト天国は大嘘? Android marketポルノ規制の実態

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Android Marketの同意書に「pornographic」という記載はあるものの、
具体的な説明は一切ない。
 iPhoneやiPad用のアプリを販売するAppleの「App Store」がポルノに対して非常に厳しい姿勢を取っていることは有名である。他方、Googleが運営するAndroid Marketは「コンテンツの審査なし」を看板にしている。この結果、「Android Marketではたとえアダルトコンテンツであっても自由に売れる」という印象が世間に広まった。  2010年4月21日には、AppleのCEOスティーブ・ジョブズがユーザーの電子メールへの返信に「ポルノが見たければAndroidフォンを買えばいい」と書き、逆宣伝の意味でAndroidとポルノが密接な関係を持っているかのようにアピールした。これに対し、Googleはというと、「Appleはまるで北朝鮮のようだ」とその審査が厳しすぎることを批判しただけにとどまった。つまり、「ポルノを売る」ということを否定しなかったのだ。これにより、世界中の多くのユーザーが「Androidプラットフォームはアダルト天国である」と誤解するに至ってしまった。  しかし現実には、Android Marketではポルノコンテンツの販売が禁止されている。Android Marketにデベロッパーとして登録する際に「読んで同意しろ」と表示される文書に、そのことは明記されている。ただしこれは英文であり、長大な文章の中に「pornographic」とう単語はたった一回しか登場しない。ついでに、何が「pornographic」に相当するかという説明は一切ない。  Android Marketにユーザー登録した後に参照できる日本語のヘルプの中には、もう少し詳しい記述がある。 「Googleでは、ヌード、性行為の画像、および露骨に性的なマテリアルを含むコンテンツの使用を禁止しています」  英文の「pornographic」の内容を詳しく説明した感じになっているが、全てのヌード画像を使用禁止にするなど、一般的に考えられている「pornographic」の解釈とはかなり異なっている。  というわけで、Androidプラットフォームは決して「アダルト天国」ではない。水着画像の入ったコンテンツをすべて閉めだしてしまうAppleよりは多少マシだが、それでも「水着までは認めるが、ヌードは全部ダメ」という程度のものでしかないのだ。 ■実はかなり「潔癖」なAndroid Market  Andoroid Marketは13歳未満の利用を認めていないし、20歳未満のユーザーの利用については親権者の許可が必要である。基本的に「大人向け」のサービスなのに、こうした規定が存在するというのも不可解だが、もっと怪しむべきはそうしたポリシーを取っているということを、対外的に強くアピールしていないことなのだ。  こうした姿勢は、今後多くのユーザーやデベロッパーの誤解を招き、トラブルを頻発させるものと思われる。都内の、とある編集プロダクションでは、日本の携帯電話(いわゆるガラケー)用の漫画をAndroidアプリ化して公開したが、すぐに販売が保留されてしまった、という。  「保留の処分が出てから慌てて原因をあちこち探しまわって、単なるヌードも禁止だという事実を知ったわけです」と、この業者は言う。ちなみにガラケーの公式サイトで販売されている漫画は、原則的に年齢制限がついておらず、そういう意味では「ポルノ」だという扱いを受けていない。  さらに事態を複雑にしているのは、Googleが採用している「通報」制度だという。 「販売されている個々のコンテンツに対して、ユーザーが不適切と思われるものをGoogleに連絡することができるんです。どうやら、これによって『このコンテンツは規約違反だ』とされたらしいですね」(前述の編集プロダクション談)  Googleが登録されたコンテンツを「不適切である」とする理由の中には、性的な表現以外にも、暴力的な表現というのが選択肢として用意されている。ユーザーがこれを濫用すれば、Appleが審査で落とすものよりも大量のコンテンツを「不適」としてAndroid Marketから排除することができてしまうのだ。  実は日本はアメリカなどよりずっと「電子書籍先進国」であり、スマートフォンなどに移植可能なデジタルコンテンツが多数流通している。しかしその大半は、ガラケー上で販売されているアダルト要素の濃厚な漫画なのだ。キャリア各社が力を入れてガラケーからスマートフォンへの移行を促すようになると、この手の漫画へのニーズが、スマートフォンの市場においても高まることは必須である。手放すにはあまりに大きなこの"金脈"を、各キャリアがどのように延命させるのか、見物である。
Android Hacks ―プロが教えるテクニック & ツール エロも立派なカルチャーだ!! amazon_associate_logo.jpg
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海賊版『容疑者Xの献身』が暗示する電子書籍の不確かな未来

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『容疑者Xの献身』(文芸春秋)
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。  作家の村上龍自ら、電子書籍制作・販売会社を設立するなど、何かと話題になっている電子書籍だが、早々に海賊版が出回る、という事件が勃発した。  しかもこの海賊版小説、人気売れっ子作家の東野圭吾『容疑者Xの献身』(文芸春秋)だったというから驚きだ。しかも「App Store」で......。  「App Store」はアップルが運営するiPhone、iPadなどに向けるアプリのダウンロードサービスだが、そこにベストセラー作品『容疑者Xの献身』アプリが登場したのは11月初頭だった。値段は115円。だがその内容は、不審だらけのものだったという。 「誤字脱字だらけで、不自然な字間や、文字が追加されている箇所もあったようです。値段も安すぎる。不審に思った購入者が、版元の文芸春秋に問い合わせをしたようです。しかし、文芸春秋側も全く関知していない。そんなアプリがあることも、この問い合わせで知り、大騒ぎになった」(出版関係者)  もちろん、作者の東野もあずかり知らないという完全な無断販売・海賊盤だったのだ。急遽、販売停止の処置を要請したという。  厳格と言われる「App Store」でさえ、こんな事態が起こる。今後、楽天や角川グループなど、日本企業も次々と電子書籍業界に参入が予定されているが、こうしたチェック機能がどこまで働くのか。  電子書籍では、著作権や印税の配分を巡り議論があるが、しばらくは、こうしたさまざまなトラブルが起るのでは、と思わせる一件であった。 (文=神林広恵)
容疑者Xの献身 犯人は誰だ!? amazon_associate_logo.jpg
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電子書籍なのに手売り販売? ウワサの「電書フリマ」で電子書籍の最前線を体験レポート

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 「2010年は電子書籍元年」と言われ、Amazon kindleやApple iPadなどの電子ブックリーダーが次々に登場。国内でも出版社や印刷会社などが電子出版の取り組みに本腰を入れ始めた。また、佐々木俊尚氏の『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー21)等、関連書籍も軒並みヒットしている。  だが、kindleはまだ日本語対応しておらず、iTunes Book Storeに並ぶ書籍の数はまだ紙の出版物に比べものにならないほど少数というのが実情。コンテンツの少なさに、せっかくiPadを買ったのに「何に使えばいいか分からない」といった声も聞く。 そんな中、大手流通をまったく介さない、電子書籍の「対面販売」という手法が編み出され密かに注目されている。このシーンをリードしているのが、大人気パズルゲーム『ぷよぷよ』の生みの親でもある米光一成さんが率いる有志団体「電子書籍部」(以下電書部)だ。  5月23日に開催された第10回文学フリマで電子書籍15点を販売し、5時間で168人に1,453冊を販売するという驚異的な数字を叩き出した。これは、「一点数十冊売れれば上出来」という文学フリマの常識を覆す販売数である。  何かが確実に変わり始めている。そう感じずにはいられなかった筆者は、7月17日に開催された世界初の「電書フリマ」に参加してみた。  朝10時。渋谷駅から約7分、宮益坂上の信号のほど近くに、今回のフリマの会場、レンタルカフェ「ColaboCafe」はあった。入口前には、手書き感満点の看板が。 denshifurima02.jpg  B1Fに降りてみると、約35平米とさして広くない部屋の中は既に多くの人でごった返していた。奥のソファー席前のテーブルには紙に印刷された電子書籍の見本が並べられ、皆熱心に目を通している。客層は20歳前後から壮年の方までさまざま。男女比は同じくらい。ただ、iPhone所有率は高いようだ。  今回は合計64作品が出品(http://densho-z.heroku.com/catalog)。電子書籍関連の内容のものが目立つが、小説、歌集、評論、写真集、マンガとさまざまなジャンルのものがあり、どこか骨董品市のような風情が漂う。  ところで、電書は何で読めるのだろうか? 「PC、Kindle、iPhone、iPadで読めます。iPhoneならStanza(http://www.lexcycle.com/)というアプリで読むのが快適ですよ」  iPadを持った電書部のメンバーが親切に教えてくれた。では、実際に電書を買うまでの流れはどうなっているのだろう? 「まず、あらかじめサイトで取得した電書ナンバーかメールアドレスを教えて頂いて、購入する電書の番号をクリックします。すると、登録したアドレスにメールが届くので、そこから一カ月の間ダウンロードして頂けます」  さっそく、15冊を選んで購入してみた。 「10冊以上お買い上げになると1冊どれでも100円になりますので、15冊で合計1,500円です」  中には500円のものもあったはずなので、とてもお買い得! これはまとめ買いをする人が多いのではないだろうか。しかも、電書だと実際の本と違ってかさばらないという利点もある。ここでは重い紙袋を持つということはないのだ。  早速会場でPCを開いてみると、すでにメールが届いていたのでリンクからすぐにダウンロード。通常のPDFなら問題なく読める。インストールしておいたKindle PC版でもうまく作動した。iPhoneでも、Stanzaを起動させればページ送りなどはスムーズだし、文字の大きさも気にならないレベルだった。  しかし、出品する側にはいろいろな苦労があったようだ。 「タグを何回直してもうまく改行されなかったり、試行錯誤の連続でした」  ミニコミ誌「放課後」メンバーのゆりいかさんは、特にデザイン面で何度もテストを重ねたという。 「見出し部分や、太文字などを制御するのが大変でしたね。詩集も収録しているのですが、縦書きや改行に意味があるものですから、画像で処理しました」  作り手にとっては印刷とは違った技術的な課題がまだまだ残されている、といった声はこのほかにも多く聞かれた。 denshifurima03.jpg    一方、「電書」というスタイルに魅力を感じている作者もたくさんいた。処女歌集『モテる体位』を上梓した佐々木あららさんもその一人。 「何より手軽なのがいいですね。もともと短歌集って既存の出版流通だとそんなに売れないし出せないので、それほどお金がかからずに発表できるのはありがたい。自分みたいに歌集や句集を発表する人が、これからどんどん増えていくといいなと思っています」  今回「この人が目当てで来ました」という声が多かったのが、「コミックバーズ」にて『大東京トイボックス』を連載中のうめさん。特に、諸事情で没になったネームをそのまま公開した『東京トイボツ(没)クス』は、電書ならではのコンテンツと言えるだろう。 「個人的にも好きなネームで、いつか日の目を浴びせたいと思っていたのですが、正式な完成品でもないので、お金を取って売ってもいいのかという疑問がある。そういったモノに、手売りでの電子書籍販売という形が最適だったんですよね。没ネームはたくさんあるので、好評ならまた出します(笑)」  うめさんは、電子書籍によって、これまでの価値観に変化が出てくるだろうと予測する。 「電書は、紙と比べてリスクが少ないので多少雑なコンテンツでも世に出せます。だからこそ、逆の意味で編集という仕事が何なのかが浮き彫りになってくると思います。ボツになったネームの方が売れてしまったとすれば、編集に何か問題があったことになりますし、その逆に編集がスゴかったから売れていた、という作者も出てくるかもしれません」  また、電書部の活動について積極的に参加していきたいと語る。 「電子書籍は大きな話題もたくさん出ていますが、形になっていないしまだ流動的な状態。ならば、早く動いてしまえば自分達の望むように小さなコンテンツでも流通できるような市場に出来るんじゃないか、と思っているんです」  今回の電書フリマの実績は購入者529名・売上部数5,206冊という結果になった。特に、電子書籍を出すノウハウ本やマンガが多く販売されたとのこと。 「AmazonやApple、大手の版元がペットショップの血統書付きの猫だとすれば、僕たちは野良猫。野良猫は野良猫で、しぶとく生きていきます(笑)」  概ね好評だったことに米光さんは満足を感じつつ、「次」を見据えているようだ。 「今回同時多発的に吉祥寺と京都でもイベントが行われました。こういった動きが広がっていけばいい。そのために販売のノウハウも含めてオープンにしたいと考えています。ただ、僕たちは『部活』ですので、気負わずに出来ることをやっていくつもりです」  Twitterの電書フリマのハッシュタグ「#denf717」を見ると、作品の感想やバグの報告などがTLに並んでおり、今も活発に動いている。もしかすると、いままで語られてこなかったこのような有志たちによる小さな動きが、電子出版界の最前線なのかもしれない。 (取材・文=ふじいりょう)
電子書籍の衝撃 衝撃! amazon_associate_logo.jpg
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アダルト絶対NGはホント? iPadで夢のエロ漫画読み放題生活!

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実際に販売されているiPadで読めるエロ漫画。
「電子書店では、エッチな内容の本、特に漫画は買うことができないらしい」  こんなことが、iPadが発売された今春以降あちこちでささやかれている。  一種の都市伝説なのだが、その根拠は存在する。海の向こうでiPadが華やかにデビューし、それを見た日本人が「電子書籍=iPad」という錯覚を起こしたことがその一つ。さらにiPadを販売しているAppleが、アダルトコンテンツに対して非常に厳しい姿勢を取っていることがもう一つの原因だ。  Appleの製品であるiPhone用の「App Store」では、"エロコンテンツ狩り"が行われており、水着写真集程度のアプリであっても発売停止の処置が取られる。内容的によりフリーダムな日本の漫画の場合、単純なアダルトものよりもApp Storeの関門は厳しい。単純な露出だけではなく、キャラクターの年齢(児童か否か)、暴力描写などが問題視されるからだ。講談社が一般向け漫画コンテンツをApp Storeで販売しようとしたら3分の1が審査落ちしたとか、廣済堂が持ち込んだコンテンツが全滅した、とかいうニュースも実際に伝えられている。こんなものを立て続けに見せられたのでは、「アダルト漫画を電子書籍として買うことはできない」と思い込むようになったとしても無理はない。しかし、実際には全くそんなことはない。  iPadは「電子書籍リーダー」とは言われているものの、その正体はタブレット型のパソコンであり、ごく普通にインターネットに接続できる。ブラウザもAppleのパソコンが搭載しているものと同じSafariなのだ。だから、これで普通のダウンロードサイトに接続し、コンテンツを買うことが可能だ。別にApple直営の書店でなければ本が買えないというわけではない。決済方法にしても、一般的なWebブラウザ上で使用可能なクレジットカードやPayPalなどが使える。  iPadで標準とされている電子書籍のフォーマットは「EPUB」と言われているもので、その中身は基本的にWebページと同じものだ。「EPUBで日本語の書籍を作るのは難しい」とよく言われるが、これは縦書きで作ろうとした場合の話。漫画のような、絵だけで構成されたコンテンツの場合、驚くほど簡単に電子書籍化できる。特別なソフトは何もいらない。その気になれば、Windows付属の「メモ帳」でもイケてしまうのだ。  というわけで、「iPadでも利用できる電子書店」も、「そこで販売できる電子書籍」も、個人ベースで作れてしまう。EPUBそのものは、Appleが開発したフォーマットではないオープンな規格なので、いくらエッチな本を販売しても、Appleが文句を言ってくることはない。表現面でやりすぎたり、そこらにある漫画を勝手にスキャンして電子書籍化して売ったりすると日本の法律によって処罰されるが、水着程度なら全く問題ないのである。  筆者はケータイ用のデジタル漫画を制作するプロダクションで働いている。だから著作権的に何の問題もない漫画データは豊富にある。それをフリーのツール(FUSEeというフリーソフト)で電子書籍化し、さらに書店サイトを作って販売を開始した。コンテンツはiPad・iPhoneで閲覧できるほか、ビューアソフトを入手すればパソコンでも鑑賞可能だ。  自分で書店を運営する場合、問題になるのはネットを通じて商売する上で必須になる決済システムだが、これにはPayPalを使用した。PayPalは日本ではあまり使われてないが、世界的にはオークションの決済などに多用される少額決済用のシステムである。サービス利用開始時に初期費用が一切かからないこと、日本国内だけでなく世界中のユーザーが利用可能という点が魅力である。  他のやり方としては、ビューアアプリだけを製作し、コンテンツ本体はそのビューアから出版社のサイトに直接アクセスさせ、そこで購入させるという手法がある。この方法は、パピレスが運営する「電子化資本Renta!」などで採用されている。ただし、アプリ方式だと提供する業者ごとにユーザーインターフェースが異なったり、近い将来登場してくるAndroid端末では利用できないなど、克服しなければならない問題点も多い。  しかし、AV見たさにビデオデッキが急速に普及したと言われるのと同様に、電子書籍においてもエロコンテンツがその普及の牽引役を担うことを期待したい。 (文=高安正明)
iPadスタートブック iPhoneで十分? amazon_associate_logo.jpg
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噂の新型デバイス! あらゆる産業に革命を巻き起こす『iPadショック』

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『iPadショック』(日経BP社)
 日本に鉄道が登場したのは1872年(明治5年)、新橋‐横浜間に開通したのが始まりである。その後、昭和初期まで、およそ50年の歳月をかけて、日本全国に鉄道が敷設されていった。東西南北津々浦々、レールは延々と伸びてゆき、鉄道という画期的な機械は、人々の暮らしだけでなく、意識すらも変えていったのだ。もちろん、鉄道の開通に反対した町や村も少なからずあった。鉄道を開通しなかったそれらの町村は、現在、深刻な過疎化にある。  2010年5月7日、アップル社の開発したタブレット型メディアプレイヤー及びPC「iPad」が日本でも発売され、大きな話題となった。周知のとおり、タブレット型PCとは、タッチパネルディスプレイを搭載した手持ちでの運用に重点をおいたパソコンで、タッチパネルを指でなぞるだけでマウスの操作ができるスグレモノだ。iPadのサイズは縦24.28cm 横18.97cm、13.4mmの薄さで、重量はわずか730gほど。iPhoneの約6倍の大きさである。ネットユーザーの皆様には、長い説明は不要であろう。  そのiPadがあらゆる産業に革命を起こす!? 『iPadショック』は、ITジャーナリスト兼コンサルタントの林信行氏が『iPhoneショック』(日経BP社)に続いて上梓した、iPadの性能や魅力、iPadで変わる社会について記した本だ。製品情報やシステム、アップル社について、携帯電話業界のアレコレまで詳しく説明されており、インターネット業界に明るくない人でもわかりやすい内容だ。iPadを模した黒白の装丁も、シンプルでシビれるデザイン。  世間でもっぱら騒がれている電子書籍。iPadは画面が大きく、画質も美麗で、手軽に持ち運ぶことができる。まさに電子書籍にうってつけのツールなのだ。電子書籍の流行は、印刷、流通、販売、と書籍に関わる産業を大きく変えることを意味する。アップルは多くの専用アプリケーションを備え、書籍だけでなく、音楽も聴ける、映画も観られる、ゲームもできる、とiPadひとつで様々な情報や娯楽を享受することができる。電車内、皆一様にiPadを手に持って移動時間を過ごす、といった未来も遠くないように思えてくる。  鉄道敷設に反対した町や村は発展から取り残されたが、先祖代々の土地をそのまま残すという点においては成功したともいえる。昔ながらののどかな暮らしと文明の発達したにぎやかな暮らし、どちらが正しいとは一概には言えない。ただ、iPadは産業に少なからぬ衝撃を与えることは確かだ。『iPadショック』は、当分続きそうである。 (文=平野遼) ・林信行(はやし・のぶゆき) ITジャーナリスト兼コンサルタント。1980年頃からアップルの動向に関心を抱き、90年から本格的な取材活動を始める。グーグルなどの検索市場の動向、ブログやSNSの動向などについても記事を執筆。主な著書に、『iPhoneショック』、『Twitterの衝撃』(共著・日経BP社)、『スティーブ・ジョブス 成功を導く言葉』(青春出版社)、『iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?』(アスペクト)などがある。ツイッターアカウントは@nobi。
iPadショック iPhoneもiPadも持ってないけど、不自由ないです。 amazon_associate_logo.jpg
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祝「iPad」発売!! ますます盛り上がる電子書籍ブームはメディアをどう変える?

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「iPad」公式サイトより
­──「日刊サイゾー」で話題のあの記事をただ読む以上に、さらなる知識を知りたいそんなアナタのために、話が100倍(当社比)膨らむ" プレミアム"な記事をサイゾー目線で厳選レビュー!  ついに日本でも「iPad」が発売され、大々的に謳われている「電子書籍元年」は本格的にその幕を開けたといえるだろう。Kindleをはじめ続々と発売される電子書籍リーダーを嚆矢として、電子書籍のニューウェーブは21世紀のガラパゴス・日本をも飲み込もうとしている。電子書籍が本を駆逐するとも言われ、ただでさえ四苦八苦している出版業界は、追いうちをかけるかのごとくやってきた電子書籍に戦々恐々。一方で、新しいメディアの脅威にさらされているのは出版業界に限ったことではない。新聞やテレビなどの既存の大手メディアに対抗するかのようにニコニコ動画やUstreamといった新しいメディアが次々と現れては軒並み人気を博している。  そんな中、ネット上で若い研究者の論文を募集し公開するというプロジェクト「.review」を立ち上げた西田亮介氏が「電子書籍とメディアの関係」について語った記事が注目を浴びている。彼の使命は、自身の媒体を通して"知のハブ"を生成し言論を活性化させること。それは要するに、同人誌やウェブサイトなどの小さなメディアを持つことによって既存の大手メディアには出てこれなかった優れた人を世に送り出そうというシンプルなものではあるが、こうした流れはなにも最近はじまったわけではない。  いわゆるゼロ年代と称される2000年~2009年、血気盛んな若手評論家を中心にオールドメディアをハックするという動きは顕著に見られた。自身のミニコミ誌「PLANETS」で多彩な文化評論を展開している宇野常寛氏や、メールマガジン「SYNODOS」を発行し広い視野で言論をマネジメントすると同時に、自身も闊達に発言する荻上チキ氏などが代表的だ。彼らのようなゼロ年代の論客といわれる人々の議論は、抽象的なものに限らず社会的な問題にも及んでおり、その注目度は今やうなぎ昇りである。それは今年の2月にニコニコ動画で行われた、批評家の東浩紀氏や超人気ブロガーの小飼弾氏などによる「朝までニコニコ生激論 テーマ『ベーシック・インカム(キリッ』」において、述べ来場者数が5万人を超える驚異的な動員を見せたことからもわかるだろう。もはやネット文化は社会を語る上で欠かせないものとなっていることは、今さら言うまでもないだろう。  このように地殻大変動ともいえる大きな変化が訪れているメディア環境。しかし、ネットにあふれる情報を追うだけでは色々な情報があり過ぎてなにがなんだかよくわからない! という人も多いはず。そこで、「電子書籍って何がすごいの?」と素朴な疑問を抱く人も、「最近注目の論者を知りたい!」という知的欲望に満ち溢れる人も、ひとまず"プレミアム"な関連記事を読んでみてはいかがだろうか。今回は佐々木俊尚氏がレクチャーする今さら聞けない電子書籍の基礎知識から、新旧メディアを問わず縦横無尽に活躍する注目の論客たちまでをフィーチャー。広がりを見せる新しいメディア・ランドスケープに備え、知のアップデートをもくろむアナタへ贈ります。 【日刊Pick Up記事】 クラウド・ソーシングの新媒体「.review」発起人が語る、メディアの未来 2010年5月22日付 新しい時代を言祝ぐ福音なのか!? 電子書籍でメディアを読む プレミアムな記事紹介はこちら↓ 【プレミアムな関連記事】 [レベル1:電子書籍とは一体何なのかを改めて] 賑わう 電子書籍リーダー 市場 読書のカタチはどう変わる? 2010年1月号(プレミアサイゾー) でも、iPadって結局でかいiPhoneじゃないの? "Kindle""iPad"電子書籍端末という黒船に対峙する日本出版界最初の一手!! 2010年3月25日付(日刊サイゾー) 現代版・勝海舟? 日本のおじさんたちも出版界のためにがんばってます。 [レベル2:新しいビジネスモデルを考える] 鍵を握るは「ネット」と「個人」新聞以後のメディアが百花繚乱! 2009年3月号(プレミアサイゾー) twitterみたいな新しいメディアが続々と誕生なう。 若手評論家が語る「新聞・雑誌の死後」 2009年7月号(プレミアサイゾー) サイゾー読者にはお馴染みの宇野常寛氏と荻上チキ氏の対談。 舌鋒鋭きお2人が侃々諤々メディアの未来を語り尽くす! 小飼 弾×元「スタジオ・ボイス」編集長 危うい雑誌の未来 2010年1月号(プレミアサイゾー) 私ごとですが、サイゾーも毎日雑誌の未来を憂いてます。 既存のレコード会社はもういらない!? nauが提案する新しい音楽の楽しみ方 2010年6月号(プレミアサイゾー) お金の配分、Amazonが7:3ならこっちは8:2! [レベル3:今後も活躍間違いなし! の論客たちをチェック] "松本人志以降を総括する"インディーズ誌「PLANETS」お笑い批評特集 2009年5月31日付(日刊サイゾー) 昔の「QJ」が好きな人におススメ。 東浩紀&宇野常寛 冬コミ「ゼロ年代のすべて」&「Final Critical Ride 2」 2009年12月29日付(日刊サイゾー) 30分でわかる!? ゼロ年代のサブカルチャー。 批評家・東浩紀が選ぶヤバいくらいためになった本 2010年1月号(プレミアサイゾー) 作家、早大教授としても八面六臂の活躍を見せる彼の人が選んだのは、西田氏の名を一躍広めた"あの"本。 対談 速水健朗×後藤和智 「俗流若者論」にダマされるな! 2009年3月号­­­(プレミアサイゾー) ゆとり、ゲーム脳、草食系男子、全部嘘。 サイゾー本誌では「PLANETS」の連載が7月号より開始します! ご期待下さい!! プレミアサイゾー http://www.premiumcyzo.com/
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