狂気とポップカルチャーが融合!? 香港のアーティストが追求する"不完全な美"

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"the 161 series" (c)Tore
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第22回 アーティスト Tore Cheung (トーレ・チョン)  香港のアーティスト、Tore(トーレ)は現在27歳。絵はまったくの独学だが、大学卒業後、フリーで活動を始めると、すぐにその才能が認められ、イラストレーターとして雑誌や新聞で活躍するようになる。本人は「ビギナーズ・ラックだった」というが、その作風には、技術を超えた個性が際立っている。
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『おにいさまへ...DVD-BOX1』
(パイオニアLDC)
 少女漫画のようにきらきら星の目を持つ女の子たち。はっきりとした明るい色づかい。しかし、ポップだからこそ逆に危険な香りが際立つ背景の中で描かれた彼女たちの表情は、深い狂気をはらんでいる。  幼いころ、朝ご飯のときに必ずテレビで見ていたアニメ、『おにいさまへ...』(NHK、出崎統監督)。 「なんでその番組がついていたのかよく分からないんですが......とにかく毎日、朝ご飯を食べながらショックを受けていました」  自殺やドラッグ、レズビアンや暴力など、およそ子ども向けとはいえない要素がてんこもりだったそのアニメは、幼いトーレに、朝っぱらから大変な恐怖を与えたという。 「きれいで痩せっぽちで、イノセントな瞳を持つ女の子たち、クラシックでアンティークな装い......夢見るような美しさの裏には、暗いメッセージが隠されていたんです」
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"illustration for Jet Magazine" (c)Tore
 しかしそれは逆に、彼の世界観を広げることにもなる。 「人生っていろいろあるんだなと。僕が"かわいい、でも怖い"という矛盾したテーマを選ぶのは、この原体験がもたらしたものだと思います」  幼児期に既に「人生の暗い部分」を疑似体験した彼の1990年代は、日本のポップ・カルチャーとともにあった。カヒミ・カリィ、コーネリアス、ピチカート・ファイヴ。内田有紀や、ともさかりえ、広末涼子、PUFFY......「Zipper」(祥伝社)や「CUTiE」(宝島社)といった女性向けファッション誌は、安くなった古本を買い込み、サンリオが発行する「いちご新聞」(一体どこで手にいれたのか?)まで購読していたという。こうした「渋谷系」のアーティストと「ポップ・スター」やおしゃれガール雑誌は、日本がはじけていた頃の象徴でもある。トーレは「日本のカラフルで楽しいグラフィックやイラストを見るのが大好きだった」という。
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"Joystick_sticker project 2" (c)Tore
 その後、大人になったトーレが追いかけたのは、一転して「日本のダークサイドもの」。荒木経惟の写真、寺山修司の映画、椎名林檎や戸川純の音楽、丸尾末広の漫画、大竹伸朗のコラージュ......。 「僕の作風は、子どもの頃に体験した明るくてスィートな日本と、大人になって知ったダークな日本が混合したものなんです」  トーレの作品は、香港ではどのように受けとめられているのだろう。トーレによれば「香港人は、分かりやすいものにひかれる傾向がある」という。
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"new substance" (c)Tore
「アーティストにとってそういう状況は、複雑なアイデアを分かりやい表現に落とし込むという、挑戦しがいのある状況でもあります。ちょうどいいバランスに到達するのは、かなり難しいことだから」  つまりトーレは、そうした微妙なバランス感覚に優れた表現者なのだ。  最近、日本の「わびさび」に関する本を読んで感動したという。 「日本人が、"不完全で、永遠のものではない"美をいかに表現するのか、ということに、すごくインスピレーションを受けました」  かわいさ、怖さ、わびさび......。「来年は個展を開きたい」というトーレは、これからも絶妙なバランスの上で、その作風をより深化させていくのだろう。 tore-portrait.jpg●Tore Cheung 1984年香港生まれ。ドローイング、ペインティング、コラージュを制作するトーレは、香港理工大学でヴィジュアル・コミュニケーションを学び、その後フリーランスとして活動。雑誌やファッション、音楽などの分野で作品を発表している。現在は香港のファッションブランド、Daydream Nationでテキスタイル・デザインも担当。初の作品集は、2009年に出版された『Mexican Bun Crumbs』。 <http://tearmeboreyou.temptemps.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
おにいさまへ...DVD-BOX1 アニメの枠を超えたアニメです。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.21】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学"

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「Talk is not talk」(c) Graphicairlines
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第21回 アート・ユニット Graphicairlines(グラフィックエアラインズ)  膨らんだほっぺと、どこを見つめているのか分からない小さな瞳。ふてぶてしさと諦観を同居させたような、でもどこか憎めないキャラクター「Fat Face(ファット・フェイス)」が香港の街中に現れたのは、数年前。小さな虫のようにFat FaceにまとわりつくMeaty(ミーティ)と一緒に、グラフィティとして路上をにぎわせ、フィギュアになり、グッズになり、さらにはペインティングやインスタレーションとなって、ギャラリーやメディアで紹介されると、香港であっという間に話題となった。そしてFat Face+Meatyは、今ではおなじみのご近所さんのようにローカルの若者に親しまれている。  このキャラクターの生みの親、Graphicairlines(グラフィックエアラインズ)は、Tat(タット)とVi(ヴィ)の2人組のアート・ユニット。香港の人気コミック・アーティスト、Tak(※記事参照)も彼らの大ファンで、地元の雑誌の連載記事で、彼らのスタジオ訪問をしているほど。そのイラストレポートには、日本の漫画がぎっしり詰まった本棚が......「私たち、オタクなので」。
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『46億年物語』
 ふたりとも、子どものころから日本のアニメを見て、漫画を読んで、ゲームで遊んで過ごしたという。 「子どものころは完全にゲームオタクだった」  Tatがハマったのは、『スーパマリオブラザーズ』に『ドラゴンクエスト』、『ファイナル・ファンタジー』『夢工場ドキドキパニック』『忍者龍剣伝』『スーパーロボット大戦』。Viは、ツウ好み(?)の名作『46億年物語』。 「生物の進化が体験できるんですよ! 一番のお気に入りでした」  ゲームやアニメは、ふたりにファンタジーの世界をもたらしたという。それらは自分たちと一緒に成長し、彼らの生活にとってなくてはならないものになった。 「日本の作品は、キャラクターデザインが非常に優れていますよね。キャラクターを使って、物語や作家のメッセージを伝えるのがとてもうまい。わたしたちも多くのキャラクターを作っていますが、そういう影響は受けていると思います」
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「Speak is not speak」「Tell is not tell」(c) Graphicairlines
 彼ら自身は、自分たちのキャラクターにどんなメッセージを込めているのだろう。Viによると、Fat Faceの膨らんだほっぺたは「欲望の膨張」の現れだという。 「私たちは、常に、あらゆることを"もっと、もっと"と欲しています。富を増やし、強い権力を望み、より高いビルを建てたいと競い、大量のモノを買って、消費する......そんな人間の貪欲さが、ほっぺたをどんどん膨らませてしまうんです」  そしてFace Faceの周りでうろちょろしているMeatyは、Fat Faceのお肉で、体の中にひそむ欲望や貪欲さが視覚化されたものだ。  お世辞にも「きれい」とは言えないこのキャラだが、これをさまざまなメディアに落とし込み、表現することによって、Tat とViは「醜さの美学」を追求しているという。
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「live in 25sq.ft.」「alter_boy」「Beautiful freaks」(c) Graphicairlines
「私たちは完璧な絵画の技術を持っているわけではありません。自分たちのスタイルは未熟で、不完全だということも分かっています。でも私たちは、醜さの中には、ある種の美しさがあると信じているんです。メインストリームの市場には、美しさにおける一定の"基準"があるけど、私たちにとっての"醜さの美学"というのは、メインストリームから外れたところにあるものだと思っています」  これから、ドローイングやペインティングを含め、自分たちの満足のいく作品をもっともっと作っていきたいというTatとVi。  「毎年、新作を作って個展を開きたい。それに、自分たちの作品を香港だけではなく、他の国でも紹介したいと思っています」とVi。そして「アート活動以外に、GLA GLA DI GUOというバンドもやっているので、もっと面白いパフォーマンスや音楽も作っていきたいですね」と口をそろえる。  彼らのこんな「欲望」を聞けば、Fat Faceも頬を膨らますのをやめて、微笑みだすに違いない。 (取材・文=中西多香[ASHU]) gal_portrait.jpg ●Graphicairlines TatとViのふたりによるアート・ユニット。香港をベースに、2002年にタッグを組み、香港のストリート・アート・シーンでデビュー、話題をさらう。出版活動や展覧会を通して作品を発表するかたわら、2006年からはオリジナルのデザイン・グッズなどの制作も開始。グッズは、香港のデザインショップや、彼らのウェブで購入可能。 <http://www.graphicairlines.com/galnew/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
46億年物語 懐かしい。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学"

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「Talk is not talk」(c) Graphicairlines
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第21回 アート・ユニット Graphicairlines(グラフィックエアラインズ)  膨らんだほっぺと、どこを見つめているのか分からない小さな瞳。ふてぶてしさと諦観を同居させたような、でもどこか憎めないキャラクター「Fat Face(ファット・フェイス)」が香港の街中に現れたのは、数年前。小さな虫のようにFat FaceにまとわりつくMeaty(ミーティ)と一緒に、グラフィティとして路上をにぎわせ、フィギュアになり、グッズになり、さらにはペインティングやインスタレーションとなって、ギャラリーやメディアで紹介されると、香港であっという間に話題となった。そしてFat Face+Meatyは、今ではおなじみのご近所さんのようにローカルの若者に親しまれている。  このキャラクターの生みの親、Graphicairlines(グラフィックエアラインズ)は、Tat(タット)とVi(ヴィ)の2人組のアート・ユニット。香港の人気コミック・アーティスト、Tak(※記事参照)も彼らの大ファンで、地元の雑誌の連載記事で、彼らのスタジオ訪問をしているほど。そのイラストレポートには、日本の漫画がぎっしり詰まった本棚が......「私たち、オタクなので」。
31yd-pHWBhL._SL500_AA300_.jpg
『46億年物語』
 ふたりとも、子どものころから日本のアニメを見て、漫画を読んで、ゲームで遊んで過ごしたという。 「子どものころは完全にゲームオタクだった」  Tatがハマったのは、『スーパマリオブラザーズ』に『ドラゴンクエスト』、『ファイナル・ファンタジー』『夢工場ドキドキパニック』『忍者龍剣伝』『スーパーロボット大戦』。Viは、ツウ好み(?)の名作『46億年物語』。 「生物の進化が体験できるんですよ! 一番のお気に入りでした」  ゲームやアニメは、ふたりにファンタジーの世界をもたらしたという。それらは自分たちと一緒に成長し、彼らの生活にとってなくてはならないものになった。 「日本の作品は、キャラクターデザインが非常に優れていますよね。キャラクターを使って、物語や作家のメッセージを伝えるのがとてもうまい。わたしたちも多くのキャラクターを作っていますが、そういう影響は受けていると思います」
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 彼ら自身は、自分たちのキャラクターにどんなメッセージを込めているのだろう。Viによると、Fat Faceの膨らんだほっぺたは「欲望の膨張」の現れだという。 「私たちは、常に、あらゆることを"もっと、もっと"と欲しています。富を増やし、強い権力を望み、より高いビルを建てたいと競い、大量のモノを買って、消費する......そんな人間の貪欲さが、ほっぺたをどんどん膨らませてしまうんです」  そしてFace Faceの周りでうろちょろしているMeatyは、Fat Faceのお肉で、体の中にひそむ欲望や貪欲さが視覚化されたものだ。  お世辞にも「きれい」とは言えないこのキャラだが、これをさまざまなメディアに落とし込み、表現することによって、Tat とViは「醜さの美学」を追求しているという。
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「live in 25sq.ft.」「alter_boy」「Beautiful freaks」(c) Graphicairlines
「私たちは完璧な絵画の技術を持っているわけではありません。自分たちのスタイルは未熟で、不完全だということも分かっています。でも私たちは、醜さの中には、ある種の美しさがあると信じているんです。メインストリームの市場には、美しさにおける一定の"基準"があるけど、私たちにとっての"醜さの美学"というのは、メインストリームから外れたところにあるものだと思っています」  これから、ドローイングやペインティングを含め、自分たちの満足のいく作品をもっともっと作っていきたいというTatとVi。  「毎年、新作を作って個展を開きたい。それに、自分たちの作品を香港だけではなく、他の国でも紹介したいと思っています」とVi。そして「アート活動以外に、GLA GLA DI GUOというバンドもやっているので、もっと面白いパフォーマンスや音楽も作っていきたいですね」と口をそろえる。  彼らのこんな「欲望」を聞けば、Fat Faceも頬を膨らますのをやめて、微笑みだすに違いない。 (取材・文=中西多香[ASHU]) gal_portrait.jpg ●Graphicairlines TatとViのふたりによるアート・ユニット。香港をベースに、2002年にタッグを組み、香港のストリート・アート・シーンでデビュー、話題をさらう。出版活動や展覧会を通して作品を発表するかたわら、2006年からはオリジナルのデザイン・グッズなどの制作も開始。グッズは、香港のデザインショップや、彼らのウェブで購入可能。 <http://www.graphicairlines.com/galnew/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
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■バックナンバー 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ"

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「tiger year 2010」(c)Kenji Chai 
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第20回 アーティスト Kenji Chai (ケンジ・チャイ) a.k.a. Black Fryday  Kenji Chaiには、1年前、東京にアジアの友人たちが大勢集まった機会に紹介された。こちらが広東語が分かると知ると、うれしそうに話しかけてくれた。香港で使われる広東語には、英語が中国語風にアレンジされて混ざったり、今どきの新語や言い回しが絶えず新陳代謝している。だが、マレーシアの人の広東語は、その根源の部分をキープしている方言、というイメージがある(広東語も中国語の一方言なのだが)。そのせいなのか、Kenjiとの会話でも、自分の中のルーツを大切にしている、そんな印象を受けた。
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『ドラえもん 1』(小学館)
 Kenjiの故郷は、ボルネオ島の北部にある、マレーシア領サバ洲のサンダカン市。熱帯のジャングルに囲まれた町だ。 「小さな町です。生活はシンプルで、住んでいる人たちの考え方もシンプル。のんびりしたところで育ったからなのか、夢見がちで、他の人と違うことが好きな子どもでした。外のことを知るのは、テレビや雑誌、そして映画から。小さいころは、もっぱらテレビでした」  一番好きだった番組は、アジアではお約束の『ドラえもん』。 「あんな友達がいて、いろんな道具をくれたら、ボクの人生は楽なんだろうなあ、なんてことを夢見てました。それと、山のようにある『ドラゴンボール』のゲームカードは、今でもきれいな状態で保存していて、実家に帰るたびにチェックしています」
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RYOKAN HOSTEL projectの壁画 (c)Kenji Chai
 現在Kenjiは、クアラルンプールを拠点に、イラストレーションのコマーシャルワークや、グラフィティ・アートのプロジェクトといった活動を精力的に行っている。同時に彼は、彼の別名でもあるBlack Frydayというデザインレーベルのアート・ディレクターでもある。つい最近は、ペナン島にある「Ryokan」というユースホステルの壁画のプロジェクトや、マレーシアの人気ヒップホップ・バンドManHanDのPVを手掛けたばかりだ。  Kenjiの作品を強烈に印象付けるのは、キャラクターのユニークさもさることながら、そのポップでカラフルな色使いだ。それは、生まれ育った自然の環境から来るものと思っていたが、Kenjiによると「色はボクの魂の中に存在するもの」なのだという。そしてそこに、日本の漫画の影響は隠せないとも。
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「revolution-down」「ryokan」「RYOKAN-building」(c)Kenji Chai
「のんびりとした故郷で育ったこと、抱いていた夢が、ボクの創造力の源です。そこで見たり聞いたりしたことは、今の作品のネタのための"リサーチ"だったんだなと思う。もちろん、日本のものに囲まれて育ったから、その影響も大きいです。日本人は、大胆な色使いが好きですよね。『ドラえもん』や『Dr.スランプ アラレちゃん』、『ドラゴンボール』は、キャラクターの色にまずやられました」  漫画だけではない。日本製のドラマや音楽も、田舎の夢見がちな少年に、絶好の夢想のネタを提供していたようだ。 「家にはまだ、そのころ好きだったアイドルのポスターが貼ってあります。金城武と深田恭子、あと木村拓哉。ドラマ『神様、もう少しだけ』は、もうね......ボクの奥さんになる人は、絶対に深田恭子ちゃんのようなルックスでないとダメだ、とか、かなり思いつめてました(笑)」  GLAYやMr.ChildrenやX Japanの歌をラジオから録音して覚え、アイドルの情報は雑誌をスクラップして保管し......。なんだか知り合いの日本の男子の話のようだ。名前もケンジだし。ところで、どうしてKenjiなのだろう?
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「子どものころ見た香港映画に、Kenjiという日本人の俳優が出てたんです(現在映画監督の谷垣健治)。僕らの間では有名でした。Form4(日本の高校1年)のときに自分の英語名を何にしようか考えて、Kenjiが面白いんじゃないかって。仕事を始めるようになってからは中国語の「蔡(Chai)」という漢字をKENJIというアルファベットで作ったロゴマークをつくり、Kenji Chaiと名乗ることにしたんです」。  だからKenjiという名前だけよりも、Chaiも含めたフルネームで呼んでもらう方がうれしいという。 「自分が中国人だということを忘れたくないから」  これからは、中国のモチーフも作品に取り入れていくつもりだというKenjiの今の夢は、世界中を旅して、偉大なアーティストたちと出会うこと。 「彼らと一緒に巨大な作品を創りたいんです。境界のない遊技場で遊ぶ子どもたちみたいに」  ドラえもんがいなくても、アート活動における自分の夢の一つ一つを実現しているKenji。だからこそ彼には、いつでも次の「夢」が必要なのだと思う。 portrait_kenji.jpg ●Kenji Chai マレーシア連邦サバ州サンダカン市生まれ。現在はクアラルンプールをベースに、イラストレーター、グラフィティ・アーティスト、キャラクター・デザイナーなどとして、さまざまな分野で活動している。コマーシャル・クライアントにVans、Black Berry、Sony、U-mobileなど。 <http://www.kenjichai.com/> <http://www.blackfryday13.com/>  Special thanks to Si Juan (Bigbros workshop) ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
ドラえもん (1) 万国共通。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト

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「54boy アニメーション」<http://potot.com/?p=1436>
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第19回 アーティスト Wen Ling(ウェン・リン/温凌)  Wen Lingは、ちょっと変わり種だ。児童書の挿し絵画家の父を持ち、"中国の芸大"である北京の中央美術学院でクラシックな絵画技法を学んだアートエリート。でも最初の仕事は京華時報という新聞のフォト・ジャーナリスト。採用されたきっかけは、アメリカの人気フォト・ブログ・サイトに触発されて作った自分のフォト・ブログだという。
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「Dad 2010」(左、中央)、「Eat」(右)
(c)Wen Ling
 以前このコーナーに登場した"中国のガロ系"漫画家、ヤン・コンと、今年の7月に北京の798にあるギャラリーで二人展を開いた。そのときに出版した初のコミック『54boy』(ウェンの漫画家としてのペンネームでもある)は、父親が病気で亡くなるまでの自分と家族の生活を淡々と描いたものだ。  その筆致は、シンプル&シュール。しかしその実、登場する人やモノのリアルさ、生々しさに驚かされる。コンビニのおにぎり、KFCのファミリ−パック、公共のゴミ箱、町中に始終たむろっている(?)公安、そしてスマートフォンやPCで常に行われるSMSやネットサーフィン。
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「長安街」(c)Wen Ling
「中国では、僕らみたいな若者は、情報はほとんどインターネットで手に入れています。日本のテレビ番組や映画、コミックやバンドのPVも、いつでも見ることができますよ。僕が影響を受けたものはすべて、インターネットで見たもの。というか、逆にインターネットでしか見てないとも言えるけど」  テレビドラマの『GTO』が大好きだったというウェン。 「中国版YouTubeの土豆網(http://www.tudou.com/)や優酷網(http://www.youku.com/)などで、何でもダウンロードできます。今ハマっているのは『勇者ヨシヒコと魔王の城』です」
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「身分証」(左)、「Group Photo」(中央)、「3G」(右)
(c)Wen Ling
「あと日本のもので好きなのは、『MEN'S NON-NO』にセブンーイレブン。え? セブンーイレブンはもともとアメリカのコンビニ? 知らなかった。かわいくて、これぞ"ジャパニーズカルチャー"って感じなのに!」  フォト・ブログにしても、漫画にしても、ウェンは、ごく普通の日常をそこにぼんとさらけ出すだけ。なのに、受け取った瞬間に感じるずっしりとした手応えと、なかなか消化されない感じ。それは、彼の作品に収納された膨大な"彼自身の"リアリティーゆえなのかもしれない。
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『ドラえもん 1』(小学館)
「人生で起きる、経験するすべてのことを細かく観察したいんです。例えば、病気で充血してしまった父の両目、車を運転しながら感じたこと、見慣れた街路樹の枝の模様、新しく買ったアンドロイド3Gでネットサーフしたときの感覚、常に無数のカメラや警官や公安の監視の下にある北京の生活、長安街(北京のメインストリート)で、警官に呼び止められIDカード(をちゃんと携帯しているかどうか)をチェックされたこと、亡くなっていく父を看取る感情......こうした感覚をコミックで表すときに、僕はいつも『写しとりたい』と願うんです。例えば携帯のブランドまでも、まるでメーンキャラクターであるかのように写実したい、と」  そんな彼のコミック作品に強い影響を与えたのは、『ドラゴンボール』と『ドラえもん』。 「だって、すごくかわいいでしょう」。  今、ウェンは、バンドを作りたいと思っている。好きなのは日本のポスト・ロックバンドのMONO。これもインターネットで見つけた。 「今、ポスト・ロックがマイブームなので。自分では楽器は弾けないんですが、バンドは僕の夢です」  それと映画。 「自分のコミックをベースにした映画を作りたい」
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「自画像2000」(左)、「自画像2011」(右)
(c)Wen Ling
 ウェンのバンドにも興味はあるが、映画は是非とも近い将来に実現してもらいたい。彼独自の写実主義に貫かれた、極めてシュールなものになるに違いない。 0925portrait.jpg●Wen Ling 1976年北京生まれ。2000年中央美術学院卒業後、パーソナル・アニメーション・サイト、54boy.comを立ち上げる。2001年にフォト・ブログ・サイトziboy.comを設立。2002〜03年、北京の新聞社「京華時報」でフォト・ジャーナリストとして活動。並行して2002年より、友人のLv, Lan LanとBreathと共に、アーティスト・コミュニティのプラットフォーム、緑校(Lvxiao /GreenSchool)を運営。2010年自身のコミック・サイトpotot.comオープン。2011年、コミック作品『54boy』出版(Star Gallery)。 54boy.com <http://potot.com/?p=1436> pototo.com <http://potot.com/> 緑校 <http://lvxiao.blogbus.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
ドラえもん (1) 万国共通。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールの多重人格アーティスト

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「Ten Years Of Work For Every Minute On Stage」(C) MessyMsxi
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第18回 アーティスト/イラストレーター MessyMsxi(メッシー・ミス シー)  シンガポールで活躍するアーティスト&イラストレーター、MessyMsxi(メッシー・ミス シー)。さまざまなスタイルを駆使して描かれた彼女の作品のテーマは、私たちのごく身近にある食のスタイルや肥満への悩みから、世界的な環境問題まで、驚くほどレンジが広い。こうしたテーマに光を当てる理由は、「まず自分に刺さってくる話題」を描くことが、彼女にとって一番しっくりくる手段だからだという。  「日本文化との遭遇」の思い出を、MessyMsxiは楽しそうに語ってくれた。 「子どものころ、両親はオーチャード・ロード(シンガポールの目抜き通り)界隈で働いていました。高島屋シンガポール店がオープンしたてのころです。毎週末、そこにある日系スーパーマーケットに出掛けては、日本のスナックやキャンディーのパッケージに目を輝かせたものです。私にとっては、パッケージのイラストやデザインそのものが宝物のように思えました。でも、実はお散歩コースの中で一番のお気に入りは、スーパーの後に必ず行く、ハロー・キティやマイ・メロディ、バッドばつ丸のおもちゃや文房具であふれたサンリオ・ショップです。子どもですから、高いものには手が届かず、お小遣いが入るたびに、小さなシールやら鉛筆やらをちょっとずつ買い集めていました」
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『千と千尋の神隠し』
(ブエナ・ビスタ・ホーム・
エンターテイメント)
 そんな彼女は、日本にヒーローが2人いるという。 「漫画は特に好きではないのですが、宮崎駿だけは別です。『千と千尋の神隠し』は、もう7、8回は見たでしょうか。見るたびに新しいメッセージを発見しては驚いています。彼の作品はどれも、隠された意味が層をなし、たくさんの視点が織り込まれています。コンセプトも新鮮で、本当にわくわくします」  もう一人のヒーローであるアーティストの奈良美智にいたっては、彼の持説である「始めたころの精神を忘れるな」という言葉に感動し、17歳の時からそれに従って生きて来たという。
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「Junk Food Benny」(C) MessyMsxi
 SMAPが出演するSoftBankのCMでも、とびきりゴージャスで景気のいいシーンが登場するなど、シンガポールは今、日本でも最も注目を浴びている場所の一つだ。この場所に対するMissMsxiの視点は、しかし、冷静そのものだ。 「守られた環境で、お粗末な金メッキのかごに入れられているような感じがして、時々イラっとくるんです。この都市の安全な現代性がもたらす単調さは、私たちの創造性を枠にはめてしまいかねません」  彼女は、予測不能な環境の中でこそ、人は変化に対して敏感になり、日々の生活の絶え間ない流れを漂う創造力が生まれてくるのでは、という。
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「coccogelo」(C) MessyMsxi
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「An Effort Most Futile」(C) MessyMsxi
「もちろん、シンガポールでアーティスト/イラストレーターであることは、確かにそれだけでアドバンテージがあります。ここでの活動は、以前イギリスにいたころより、遥かに大きなものを私にもたらしましたし。そうはいっても、どこにいようと、私の作品は、ある主題への共感から生まれるものですし、結果、多くの人々にインスピレーションを与えるものでありたいと思っています」  今、手掛けているプロジェクトのテーマは「Breakfast(朝食)」。 「実は、"朝食大事主義者"なんです。新しい1日に向かって、自分を準備するための"ウェルカム・ミール"を食べることが、単純に大好きということなのですが」  朝食もまた、彼女に「刺さってきた」テーマなのだ。ちょっとユニークな「朝食プロジェクト」が彼女によってどのように調理されていくのか、報告が待ち遠しい。 (取材・文=中西多香[ASHU]) mmm.jpg ●MessyMsxi アーティスト、イラストレーター。シンガポール生まれ。2006年、シンガポール政府の奨学金を得て、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでイラストレーションを専攻。2010年、ロンドン・クリエイティブ・インターナショナル・コンペティションの「New Talent of Year」を受賞。同年、シンガポールのJUICEマガジンより「Best Illustrator 2010」を受賞する。現在はシンガポールをベースに、フルタイムのアーティスト、イラストレーターとして活動中。 <http://www.messymsxi.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
千と千尋の神隠し 世界の名作。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能

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(c)小克
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第17回 イラストレーター/漫画家/アニメーター/脚本家/作詞家 小克(シュウハ)  小克(シュウハ)は、漫画家であり、脚本家であり、アニメーターであり、作詞家であり、かつてはぬいぐるみ作家だったこともあるマルチタレントだ。本人に、肩書きをどうすればいいかと聞くと「好きなように呼んでいいよ。自分では決められないんだ」という。学生のころにその才能をウォン・カーウァイに見い出され、彼の映画の脚本チームとして参加して以来、小克の活動は香港の若者の注目の的であり、今や香港のカルチャー・シーンでカリスマ的人気を誇る兄貴的な存在だ。    その小克に、日本のことをチラリと振ると、待ってましたとばかりに話し出す。 「日本のテレビアニメを見ること、それが僕の子どものころの一番大切な時間でした。10歳でサッカーを始めたのは、『キャプテン翼(足球小將)』の影響だし。あとは何と言っても『黄金戦士ゴールドライタン(飯冪鋩淪)』。僕の『ハーバー・ヒーローズ』は、ゴールドライタンの深い記憶から生まれた、彼らに捧げた作品です」
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(左)「黄金戦士ゴールドライタン」オリジナル・サウンドトラック
(右)「hourbar heroes」(c)小克
 「ハーバー・ヒーローズ」とは、巨大ロボット風に描かれた香港の高層ビル群が、ローカルなネタをめぐって毎回珍騒動を巻き起こす、小克漫画の人気シリーズだ。香港っ子も大好きなヒーローたちの元ネタが、ゴールドライタンだったとは......。 「日本のプラモデルにも夢中でした。バンダイやタミヤの、ガンダムやタンクモデル。特に今も捨てられないのが、『ビッグワンガム』(のおまけについていたプラモデル)!! 子どものころ、母親に連れられてスーパーマーケットに行くたびに『ビッグワンガム』をねだりました。いつも買ってもらえたわけではないけど、僕がスーパーに行きたがった理由は、考えてみたらそれだけでしたね」 「生涯何度でも繰り返し見ることができるのアニメは『天空の城 ラピュタ』。宮崎駿は、僕のスーパーアイドルですから。『ラピュタ』が香港で初めて上映されたのは1986年。僕は12歳でした。ああ!! もう、これって、12歳の男子にとっての、ファンタジーそのものでしょ。冒険、父と息子の関係、愛と友情、夢、空を飛ぶこと、戦争、機械、ロボット、西洋的な風景、環境保護、工業革命、アトランティスの謎の石......他に何が必要か、教えてほしいぐらい! この映画がきっかけで、元ネタの『ガリバー旅行記』も読みました」
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(c)小克
 日本アニメを熱く語る小克兄貴。だが、コミックは数えるほどしか読んでいないという。 「テレビはタダだけど、漫画は買ったり借りたりにお金がかかったから。漫画を読まない漫画家というのは変かもしれないけど、でも楳図かずお(媒圖一雄)の『神の左手悪魔の右手』を読んだときの衝撃は今でも覚えているし、大学のときに出会った手塚治虫の『火の鳥』は、未来永劫僕の"ベスト・オブ・ザ・ベスト"です!」   小克は小説読みでもある。好きな作家を聞いてみた。 「最近は東野圭吾、向田邦子、宮本輝。東野圭吾は推理小説の発展にすごく貢献していると思う。向田邦子の文章や人物表現、そして彼女の悲劇の人生に感銘を受けました。宮崎輝は、常に大好きな作家なのですが、人生を描くときのリアルな描写力、彼の表現するリアリティーがすごい! 僕の作品に直接影響を与えたわけではないのですが、彼の書くものからは、自分とほぼ同じ感覚を受けるんです。まるで自分の考えを書かれているみたいに! 彼と僕は、すごく似た感覚を持っているのかもしれません。『錦繍』は、今まで読んだ中で最高の小説でした」  この夏、ビッグ・イベントが控えているという。 「香港のテルフォード・プラザというショッピング・センターで「Siuhak's mass landing 2011」というイベントを行います。7月18日から9月まで、僕の初の個展も開かれるなど、夏いっぱい、カーニバルが続く感じです。時間があったら、是非遊びに来てください!」 ■画像ギャラリー<画像をクリックすると拡大します/(c)小克>
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(取材・文=中西多香[ASHU]) siuhak-portrait.jpg ●小克 1974年、香港生まれの典型的なてんびん座。
96年、Hong Kong Polytechnic universityにて BA (Hons) Graphic design修得。
卒業後は、フリーランスで、イラストレーター、漫画家、アニメーター、脚本家、作詞家として活躍中。現在は杭州をベースに、香港を行き来している。 Web site : <http://siuhakfans.blogspot.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
「黄金戦士ゴールドライタン」オリジナル・サウンドトラック テコンVみたいな感じね。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界

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「Untitled」(c) Yan Wei
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第16回 アーティスト/イラストレーター Yan Wei(ヤン・ウェイ)  中国の北西部で生まれ、12歳の時に両親とともに北京に移ってきたYan Wei(ヤン・ウェイ)にとって、絵を描くことは当たり前のことだった。程なくして、自分の感じたことや考えを、絵を通して周りに「話し掛ける」のが、自分のやり方なのだと気がついたという。彼女の作品からは乾いた妖気が漂い、子どもの姿を借りた怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回るさまからは、どことなくユーモアさえ感じさせる。そんな自分の作品に、日本のマンガの影響が大きく存在することを、彼女は隠さない。
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『火の鳥<オリジナル版>
復刻大全集 黎明編』
 「日本のアニメやマンガはとても好きでした。一番好きなのは手塚治虫さん。1980〜90年代には、日本の人気マンガの最新版が簡単に手に入るようになったこともあり、マンガ三昧でした。有名な作家の作品もいくつか読みました。楳図かずおさんや伊藤潤二さんの作品、『ゴン』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『ベルセルク』......。アニメも好きで、『ちびまる子ちゃん』は今でも時々見ています」  日本画も好きで、中でも怪物や妖怪を題材にしたものに、強く惹かれたというヤン・ウェイ。 「伝統的な構図から、強いインスピレーションを受けました。また、ディテールにこだわり、小さな部分にも多くの労力を注いで仕上げる手法は素晴らしいと思います。かなり前に日本を訪れたことがあるのですが、そのときには日本独自のデザインセンスに夢中になりました。日本の人たちは、自分たちの伝統と文化を維持するための優れた仕事をたくさんしていると思います」  自分の作品のどこに、実際の「日本文化」の影響が映り込んでいるか、特定するのは難しいというが、日本の「ものづくり」の手法は、確実に彼女にインパクトを与えているようだ。
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「Cycles」(c) Yan Wei
 中国で生まれ育ち、教育を受けたヤン・ウェイにとって、自国の文化は、もちろん、最も興味深いものだという。 「中国の文化もとても好きです。研究対象としても面白いテーマがたくさんあるので、できれば掘り下げてエキスパートになりたいぐらい。でも、いろんなことに好奇心を持ちすぎていて、一つのことに没頭するのは恐らく無理でしょうね。アートに関しては別ですが」  中国の伝統技術である水墨画的な手法は、最近の彼女の作品に見られる特徴でもあるが、単なる「中国風」な印象を与えるものや、分かりやすいアイコンをただ置くようなことはしたくないのだという。
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左から「Untitled」「Pineapple Face」「烟雾」(c) Yan Wei
「墨と筆による表現手法は、私のアーティストとしてのキャリアを作るひとつのステップに過ぎません。私にとっては使いやすい道具だし、複雑で繊細なディテールを表現するのに適しているということなんです。ちょうど『自画像』という、墨で描いたモノクロのシリーズを完成させたところなので、これから油絵も試してみようと思っています。"色"をどう扱おうかと、ちょっとわくわくしています。油絵というメディアが、自分をどこに連れて行ってくれるか、とても楽しみなんです」。  この6月には、友人たちと立ち上げたシルクスクリーンのプロジェクト「紙星人(Paper Terrestrials)」のサイトがオープン予定だ。中国の若手アーティストの作品をプロモートする、世界中どこからでも購入可能なオンラインショップでもあるという。もちろん、ヤン・ウェイのシルクスクリーンの新作も発表される。  多様なメディアの力を得て、ヤン・ウェイの妖魔的異界はどこまでも広がっていく。 (取材・文=中西多香[ASHU]) meeee.jpg ●ヤン・ウェイ 1981年中国生まれ。現在は北京をベースに活動するアーティスト、イラストレーター。中国のTsinghua Academy of Art and Design(清華大学)でアートとデザインを学び、2003年BFA(ファイン・アート学士号)を取得。卒業後は、個展やグループ展を中心に作品を発表している。リーバイス、シーメンスなど、グローバル・クライアントのコマーシャルワークも多く手掛ける。 <http://kokomoo.blogbus.com> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
火の鳥≪オリジナル版≫復刻大全集 黎明編 日本マンガ史上不滅の最高傑作。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター

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「B_Lee1」 (c)Stephen Lau
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第15回 マルチ・クリエーター Stephen Lau(ステファン・ラウ)  ステファン・ラウ(Stephen Lau)は、マレーシア生まれ。現在、クアラルンプールをベースに活動するマルチ・クリエーターだ。自らをビジュアル・グラフィック・デザイナーと称し、アーティスト・デザイナー・イラストレーターとして、インターナショナルなクライアントのコマーシャル作品を制作する傍ら、自身のファッションブランド Jam Divisionや、デザインスタジオMinor Playerのオーナー&クリエーティブ・ディレクターも務める。マレーシアでは彼の作品だけでなく、そのマルチな活動スタイルにあこがれるフォロワーが続出している。
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『DRAGON BALL 1 』
(集英社)
 ステファンの作風は多彩で、「一人の作家の作品なのか」と驚かされることが度々だ。彼の創作のインスピレーションは、どのように形成されてきたのだろう。 「子どものころは、日本のアニメとディズニーのアニメに夢中でした。だけど、より強い影響を受けたのは、日本のカルチャーです。宮崎駿(『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』......)、『ドラゴンボール』『ドラえもん』『鉄腕アトム』『仮面ライダー』『ウルトラマン』『鉄人28号』『ストリートファイター』『スーパーマリオブラザーズ』、大友克洋、手塚治虫、『マジンガーZ』に『ガイキング』......好きな作家や作品が、とにかくたくさんありすぎて言い切れません!」 「子どものころに見た、あるいはもっと古くからある日本のコミックやアニメのキャラクターは、すべて僕の作品の中に生きています。想像力・ストーリー・絵のテクニックとか、色使い、ロボットやおしゃれなキャラのデザインなど......。特に、かわいい女の子やかっこいい男の子をどう描くかを、日本のキャラクターから学びました」
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「John_Lennon_War」(c)Stephen Lau
 マレーシアは、マレー系・中華系・インド系の民族が共存する多文化国家。そうした背景を、ステファン自身はどうとらえているのだろうか。 「マレーシアで生まれ育ちましたが、ローカルの文化にインスパイアされたとはあまり感じていません。ただ、何年か前に、中国のカルチャーにすごく感化されたことがあります。筆を使った創画の技術とか、中国的なモチーフとか」  最近の彼の作風からは、また別な印象を受ける。 「今、マイブームが、"西洋的ミニマリズム"なので。だけど、ちょっと暗い感じとか、エモーショナルな感じは、やっぱり自分の変わらない要素として時々顔を出します。僕には決まったスタイルがないんです。常に変化を求めて、その時の気持ちに一番合ったスタイルで表現したいと思っているから。だけど、"僕らしさ"を出すために、譲れないことがある。それは音楽やファッションの要素、それと、自分が好きな彩色の技術です」  年末に向けて、クアラルンプールにおける初の個展の計画が進行中だという。 「これまでの作品の集大成になると思います。地元の人たちが、自分の仕事をどのぐらい支援して、受け入れてくれているか、それを見てみたいという気持ちがすごく強い。それ以外にも、いくつかのコラボレーションプロジェクトが同時に動いていますが、本音では、数カ月後にリニューアルオープンするJam Divisionのコレクションに集中したいなと......」  自分を「複数の文化のバランスを取ることに長けているとは思わないし、そこに踏み出すには、もう少し時間が必要」というステファンだが、その実、見事にマルチな活動の舵取りを行っているようだ。 (取材・文=中西多香[ASHU]) ■画像ギャラリー(画像をクリックすると拡大します/(c)Stephen Lau)
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  StephenLau.portrait.jpg ●ステファン・ラウ ビジュアル・グラフィック・デザイナー、イラストレーター。マレーシア生まれ。10年前に出身高校から壁画を依頼されたことがきっかけで、アーティストとして目覚める。現在はクアラルンプールを拠点に活動。カシオ、ナイキ、タイガービール、UNIQLO、GAP、コンバース、コカコーラ、MTVなど、国際的クライアントのコマーシャル作品も多く手掛けてきた。ファッションブランドJam Division、デザインスタジオMinor Playerを主宰・運営。 <http://www.stephenlau.co> <http://www.facebook.com/stephenLCO> <http://www.facebook.com/thejamdivision> (ウェブサイトは、鋭意制作中とのこと) ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
DRAGON BALL 1 今こそ悟空の力が必要だよ。 amazon_associate_logo.jpg
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エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界

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「Lamb of God」 ©Tianzhuo Chen
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第14回 アーティスト Tianzhuo Chen(ティエンチョウ・チェン)  ティエンチョウ・チェンは、北京生まれのアーティスト。現在はロンドンをベースに、作品制作を続けている。解剖図、中国の水墨画、油絵やインスタレーションなど、さまざまな手法で作られた作品には、エロチシズム、宗教、物質界が混在し、極めてシュールな彼の世界観を表している。  
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『上海異人娼館/
チャイナ・ドール』
(紀伊國屋書店)
 1990年代に育った中国のほとんどの子どもたち同様、小さい頃は『エヴァンゲリオン』や『ドラゴンボール』、『セーラームーン』などのコミックを普通に読んでいたティエンチョウだが、ロンドンの大学でファイン・アートを学んでいるときに、日本のニューウェーブ映画にハマったという。特に寺山修司監督の作品は、彼にとって最大のショックだった。 「彼のショートフィルムが僕の作風に与えた影響は計り知れません。その"不条理さ"に夢中になりました。彼の作品には、サイケデリックなイメージと、深い批評性のバランスが存在している」
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シリーズ「Sick」(2007)より ©Tianzhuo Chen
 ちなみに最も好きな寺山作品は「映画だと『上海異人娼館/チャイナ・ドール』(80)、ショートフィルムは、本当に全部好きなんですが、『トマトケチャップ皇帝』(70)が僕のマスターピースです」。  「ジャパニーズ・カルチャーは、"不条理"な思想を、多くのレベルで許容しているように思います。それは映画やコミックや、他のさまざまなアートとして表現されているだけでなく、根本的に日本人の考え方に根ざしているものだと感じます。とにかく、日本文化における不条理な精神性からは、とても大きな影響を受けました」
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「Göbekli Tepe」(2010)より ©Tianzhuo Chen
 彼はまた、中国とイギリスという、複数の文化の中で育ち、学んだという経験を持つ。一見相反する文化同士のバランスをどう取っているのだろうか。 「僕は"バランス"ではなく、むしろ異文化の"衝突"と呼んでいます。それは"自分は何者か"と"どう作品を創るか"の間の衝突でもあります。中国文化も西洋文化も、僕にとって大きなインパクトであることに間違いはないし、どちから逃れることもできない。二つの異なる文化を背景に持つことが、僕に"異種交配"的な作品を創らせるのだと思うし、その衝突を美しいと思っています」
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「The Donne Triptych」 ©Tianzhuo Chen
 85年生まれのティエンチョウは、いわゆる「八十后(パーリンホウ)」。中国の一人っ子政策後に生まれ、文革や貧困など、いわゆる中国の負の部分を知らない新しい世代だ。しかし、自分が「八十后」だと感じるのは、誰かにそう言われたときぐらいだという。 「メディアや大衆が、国の変化を、怪奇現象のようにはやし立てました。もちろん、85年以降とそれ以前では、経済や文化に大きな違いがあり、これ以降の世代は、前の世代と比べると、オープンマインドで、新しいライフスタイルを受け入れているのは確かです。でも僕は、それは"西洋化"の一プロセスに過ぎないと思う。ごく普通のプロセスであり、遅かれ早かれそうなるものなのです。僕らの世代が革命的に見えるとすれば、それは僕たちがこの変化のただ中にいるからだと思います。僕らもまた、変化の産物であり、中国のような国でこうした変化が起きると、僕らを畸形扱いすることにつながるのだと思います」
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<画像をクリックすると拡大されます>Untitled  ©Tianzhuo Chen
 アーティストであると同時に、自分の立ち位置を冷静に分析する批評家でもあるティエンチョウ。彼が現在手がけるプロジェクトは、ギャラリーや公共の場所を、一時的な礼拝所に変える「テンポラリー寺院」の制作だ。 「人々が生活する場所が崩れ、モラルや信仰が崩壊している、ということを問いかけたいんです。身近な場所に置かれた神秘的な崇拝物が醸し出すユニークなコンビネーションは、見る人を、善と悪、秩序と混沌、低俗と神聖が等しく並べられた世界に誘うでしょう」  プロジェクトのテーマは、世界的に共通するものだから、発表する国を限定したくはないという。日本で彼の作品世界を体験できるチャンスも近いのではないだろうか。 (取材・文=中西多香[ASHU]) portrait.jpg ●ティエンチョウ・チェン アーティスト。1985年北京生まれ。セントラル・セントマーチンズ・カレッジ オブ アート アンド デザイン、チェルシー・カレッジ オブ アート アンド デザインでファイン・アートを学び、現在はロンドンをベースに活動。在学中からロンドン、北京、上海のギャラリーを中心に、グループ展に多く参加。2006年の上海ビエンナーレにも参加している。 <http://www.tianzhuochen.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
上海異人娼館 チャイナ・ドール デジタルリマスター版 「O嬢」が上海に売られたら。 amazon_associate_logo.jpg
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