「日本のAV女優の待遇はメジャーリーガー級!?」紗倉まな激似ヒロインのAV漫画が韓国で大ヒット中!

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漫画の宣伝Twitterを見ると、本人が、同昨のイラストを手にした画像も。まるで似顔絵!?
『Highイキ!』というエロ漫画をご存じだろうか? 昨夏よりスマホ向けの漫画サイト「レジンコミックス」で連載されている作品なのだが、これがいま韓国で話題になっているという。  本作はAV業界を舞台に、ヒロインである美人AV監督を中心とした内幕漫画で、単体女優のデビューAVや、ナンパAV、芸能人のAVデビューの撮影の様子などが、コメディタッチで描かれていく。うんちくあり、セックスシーンあり、笑いありと、盛りだくさんな内容だ。
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漫画のヒロイン。彼女はAV女優ではなく、監督という設定だ。
 韓国にも濃厚なセックスシーンが収録された映像はあるものの、日本のAVのように、挿入シーンを接写するような過激なポルノ映像というのはあまりない。そのため、多くの韓国人男性は違法アップロードされた日本のAVを視聴しており、その裏事情にはかなり興味を持っているという。  この『Highイキ!』が韓国で話題になっている理由は、ほかにもある。ヒロインが、AV女優の紗倉まなに激似なのだ。 「韓国人はみんな、紗倉まなを知っていますよ。6月には、彼女のエッセイ『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)が韓国でも出版されるようで、僕の友人も楽しみにしています」(日本に留学中の韓国人・キムさん)
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 ちなみに、このことは紗倉本人も承知のようで、『Highイキ!』の宣伝Twitterには、彼女が漫画のイラストを持った写真がアップされている。こうして見比べてみると、確かにそっくりだ。作者は、彼女のファンだったのだろうか……?  そして、この作品が韓国人に最も衝撃を与えているのが、AVに対する日本人の意識だという。 「単体女優の女の子がデビューする際、事務所の社長が『君は選ばれた人間だ』と言ったり、ヒロインの監督が『AVは誰にでもできるものじゃない、パフォーマーとしての才能が必要だ』って言うんです。この漫画を読んでいると、AV女優がまるでメジャーリーガーみたいな位置付けに思えてくるんですよ(笑)。あと、借金を抱えた国民的アイドルがAVデビューする話があるんですが、これも韓国だと考えられません。国民的アイドルまで上り詰めたのなら、たとえ借金があっても裸にはならず、芸能の道で必死にお金を返しますよ。韓国ではあり得ない話ですが、それと同時に、だから日本のAVにはこんなにレベルの高い女の子が集まるのかと、納得させられます。何にせよ、韓国人は日本のAV女優に興味津々ですよ(笑)」(同)  近年は恵比寿マスカッツのように、トップクラスのAV女優が芸能人のような扱いを受けていることもあり、芸能人としての活動も視野に入れて、この世界に飛び込んでくる女の子も増えている。    紗倉まなを筆頭に、日本のAV女優たちが今後、韓国で大フィーバーを巻き起こす日も近いかも!? (文=萩本正也) ●レジンコミックス <http://www.lezhin.com/ja/comic/high_iki

これは世紀末うどん伝説か? 『北斗の拳』みたいなグルメマンガ『食戦記』

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『食戦記』(中村博文/双葉社)
 飽食の時代といわれる現代において、日々雑誌やネットで紹介されるグルメ情報やレシピ情報は、われわれにとって欠かせない情報のひとつとなっていますね。しかし、「食べログ」とか「クックパッド」などでお気軽に手に入れられるような情報が、ある日忽然と消滅し、特定の人間たちだけが情報を操ることのできる世界が訪れたら、人々はどうなってしまうのか……?  今回ご紹介するマンガ『食戦記』は、人類が壊滅し、あらゆる文化が崩壊、原始時代に逆行した近未来の世界が舞台。生き残った人間たちの間には、知性より暴力による支配が横行していて、まるで『北斗の拳』のような世界観になっています。出てくるキャラも、いかにも「ヒャッハー」って言いそうな格好をしています(実際は言わないけど)。  そんな世界において、数少ない知性を持った一族が「食師」という人々でした。食師は民を飢えから救うために、自然の中で食べられる物を見分け、 食物の栽培や料理法等を教えてくれるという、こんな時代に超ありがたい人たちなのですが、頭の悪そうなヒャッハーな人たちには理解されません。 「人間業とは思えないような超おいしい食い物を作る奴らがいる」→「なんだ? コイツらは妖術使いか!? きっと食べ物に呪いをかけているに違いない」→ 「悪いこと企てる前に皆殺しだ! 焼き払えー!!」 ……という思考回路により、食師の一族は皆殺しにされてしまうのです。魔女狩りならぬ食師狩り。人にレシピ教えただけで殺されちゃう時代とか、そうとうヤバイですね。クックパッドなんかに投稿した日には、命がいくつあっても足りません。  そんな悲劇の食師一族の中で唯一、一命を取り留めた青年・ワタルが本作の主人公です。ワタルは、自分の命を助けてくれた部族への恩返しとして、必殺の激ウマ料理を振る舞います。村の民を全員集めて、小麦をこねるワタル。  日時計を見ながら生地を数時間寝かし、作った驚愕のメニュー、それが……! 「かけうどんというものです!」 ドーン!!  なんと、数時間かけてドヤ顔で出してきたメニューが、まさかのかけうどんです。もちろん「食師」ってくらいですから、これだけで済むはずがありません。こんなメニューは軽いジャブに違いないのです。……ということで、さらに繰り出してきたメニューが「山菜うどん」とか「焼きうどん」。お前は香川県民か!!  しかし、さすが食の原始時代だけあって、初めて見た「うどん」に対するリアクションが半端ありません。 「!!」 「旨い」 「ああーーっ」 「このような食べ物が人間の手で作れるのか!!」  これ、繰り返しますが、かけうどんの話です。「人間の手で作れるのか!!」って……。ほかに誰が作るんだよ。この調子だと、もはや立ち食いそば屋のおばちゃんだって、神になれる時代です。香川に連れて行こうものなら、天国に連れてこられたと思い込むに違いありませんね。 ちなみに一連のうどんレシピのほかに出てきた食べ物といえば「大学いも」がありますが、これもまた渋いチョイスです。確かに、原始時代に大学いもが出てきたらビックリ仰天するでしょうね。 さて、うどんのくだりの後、いよいよワタルに旅立ちの時が訪れます。さんざん伏線をちりばめまくって、さあいよいよこれからどんな奇想天外なグルメ旅が始まるのか……というところで単行本第1巻が終了するのですが、どうやら掲載誌「A-ZERO」(双葉社)が休刊となったため、残念ながら2巻以降が出ておりません。食師の夢と希望は、そのままお蔵入りになってしまっている模様です。うどんだけを残して……。  そんなわけで極限世界のグルメを描いたマンガ『食戦記』、未完なのが残念ですが、グルメマンガにおける超異端児として、ぜひとも一度読んでみてはいかがでしょうか。とりあえず、かけうどんだけでこんなにテンションが上がるマンガって、そうそうないです。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

スーパーアイデア炸裂! ザハもびっくりの建築デザインバトルマンガ 『建作ハンズ』

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『建作ハンズ』(河本ひろし/少年画報社)
 2020年の東京五輪を控え、新国立競技場問題などで何かと建築デザインが取り沙汰される昨今、世にも珍しい「建築デザイナーマンガ」というものが存在します。その名も『建作ハンズ』。東急ハンズとは、もちろん無関係です。テーマ自体かなりマニアックですが、その中で繰り広げられる建築デザインバトルもまた、ぶっ飛んでおります。  早速、内容をご紹介しましょう。主人公は、一流の建築デザイナーを目指して上京してきた、計建作(はかり・けんさく)という少年。  建作の才能は、上野駅で早くも発揮されます。なにやら駅の構内にあるショーウィンドーの飾り付けでモメている大人たち。まったく話がまとまりそうにありません。それを見た建作は、勝手にショーウィンドーの資材をいじり始めます。それが先ほどの大人たちに見つかって、ダッシュで逃亡。  実は建作、ショーウィンドーを勝手に飾り付けしてしまったのでした。しかも、それがメチャクチャ高評価です。建作は東京の有名建築デザイン学校「日本建築学院」にトップの成績で合格し、入学するために上京した優秀な学生だったのです。  ようやくたどり着いた日本建築学院の前には、超ミニスカートのヒロイン、白瀬まゆが登場します。彼女は建築学院の講師の娘ということで、そのツテで建作も入学前に学院内を見学させてもらえることになりました。そこで繰り広げられていた授業の課題は「広く感じる部屋の作成」というもの。  建築デザインという地味なテーマなので、こんなんでマンガが盛り上がるのかと心配になりますが、そこはご安心を。ちゃんとバトルが繰り広げられます。「広く感じる部屋」を自慢げに見せびらかしてきたのは、成績は優秀だけど、ちょっと性格の悪い天本先輩。その先輩のつくった「広く感じる部屋」ですが、コマの効果音が「ばん!」ときて…… 「おおー、さすが大きなことを言うだけはある!!」 「とても広く感じるぞっ!!」 と、ギャラリーたちは好リアクション! 正直、読者には広いのかどうなのかよくわかりませんが、なにしろ効果音が「ばん!」なので、きっと広いんでしょう。そんな天本先輩ご自慢の広く見える部屋を、建作が早速ディスりまくります。 「うーん…まだまだだなぁ…」 「この部屋をもっと広くできると思ってさぁ」 「基本を忘れてるんだよねー、基本を…」  まだ入学もしていない新入生にメンツを潰され、天本先輩も激怒します。 「よおーし、じゃあその基本とやらをここで見せてもらおうじゃないか」  というわけで、建築デザイナーズバトルが勃発するのです。調子に乗ってる奴を挑発してバトルに持ち込む構造は、『ミスター味っ子』とか『美味しんぼ』などのグルメマンガの構造とよく似ています。そして、建作がつくった広く見える部屋は、コマの効果音が「ぐあっ!」ときて…… 「あ、天本の部屋より広く見えるぞ!!」 「ほっ本当だっ!!」  ギャラリーからは、天本先輩のときより大きめのリアクション。効果音が「ばん!」から「ぐあっ!」となっているので、さぞかし広くなったのでしょう。タネ明かしはこうです。 「部屋づくりの基本として、その空間が正方形により近い方が広く感じられるんだよ!」  なるほど、勉強になります。さらに、建作には、もっと部屋を広く感じさせる裏技があるというのです。その名も、計建作の究極の超拡大部屋!!(そのまんまのネーミング) 「すっ…すごいっ!!」 「部屋がずっと広がり天井がつきぬけているっ!!」  またしても好リアクション。なにせ、見開きページで効果音が「グアアアッ」となっていますし、相当広くなったのでしょう。その、「劇的ビフォーアフター」な奥義とは…… 「カガミを壁と天井の一部に張ることによって視覚的に部屋に奥行きを持たせたんだ!!」  なるほど! ラブホとかによくあるアレですね!! っていうか、それなら最初から全面にカガミを張っておけば最強なのでは……?  そんな感じでバトルに勝利した建作。一息つくのも束の間、次のバトルがすぐにやってきました。自分の住まい探しのために、超ミニスカのまゆちゃんと一緒に不動産回りをする建作。  格安の物件につられて早速契約したのですが、実は悪徳不動産屋でした。ろくな説明もされず、超ボロアパートを押し付けられてしまった建作。返金を申し出ても、契約をタテに受け付けようとしません。しかし、建作が日本建築学院の学生だと知り、突然返金の条件を突き付けてきます。  その条件とは、この不動産屋のおっさんの自宅の和室を洋室に改装し、しかも気が向いたらいつでも和室に戻せるような部屋にしてほしいとのこと。これができれば返金してくれますが、できなければ金を倍額取られてしまいます。普通に考えてあり得ないほど無茶な条件ですが、そこはマンガですから、建作は驚くべきアイデアで不可能と思えた和室と洋室のハイブリッドな部屋を考え出します。その方法とは……。 「障子と掛け軸はロールブラインドで隠し、畳を全部ひっくり返して床をフローリングに!」  なんということでしょう! こんな方法があったとは!! まさに匠のワザですね。実はこのアイデア、自分の着ているリバーシブルのジャンパーがヒントになったのでした。この安っぽさがまた、少年マンガらしくていい味出していますね。  そんな感じで、建作のスーパーアイデアが炸裂して建築デザインバトルに次々勝ち進んでいきます。その後の展開としては、喫茶店の改装バトルで店内に滝をつくってみたり、“地獄の集中授業”と称して、学生全員が無人島に置き去りにされ、最小限の工具と食料で、自分で家を一からつくらなければいけないという、なんの意味があるのかよくわからないサバイバル実習を行わされたりします。  しかも、無人島で家づくりに失敗した学生たちは次々と原因不明の失踪をしてしまうという、まるで海外ドラマ『LOST』を彷彿とさせる恐ろしい島になっており、かなり想像の斜め上を行く展開です。そのあたりのトンデモなストーリーは、ぜひ作品を読んでいただければと思います。  というわけで、世にも珍しい建築デザインバトルマンガ『建作ハンズ』をご紹介しました。部屋を広く見せるテクニックなどは、ニトリとかIKEAでインテリアをそろえたりするのが好きな方には、微妙に役に立つかもしれませんね。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

「愛人の作り方、学べます!」不倫とポジティブに向き合うマンガ 『フリンジマン』

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『フリンジマン』(青木U平/講談社)
 サイゾー読者の皆様、こんにちは。早くも今年の流行語大賞の有力候補に、「センテンススプリング」や「ゲス不倫」といったワードが入ってきそうな勢いを感じるほど、あの人気タレントも、あの政治家も、あの師匠も、そしてあのスポーツライターも、みんな不倫、不倫、不倫だらけの昨今。「あれ!?  日本って、一夫多妻制だったっけ?」と、勘違いするレベルですね。 「不倫=バレたら破滅」というのは散々歴史が証明しているところですが、それでも不倫がなくならないところを見ると、やはり「不倫は文化」というフレーズは正しいのでしょう。そして、マンガの世界に目を移してみると、やはり多くのマンガで不倫は背徳行為のシンボルとして扱われています。しかし、もしかしたら唯一? といっていいほどポジティブに不倫と向き合っているマンガが存在しました。その名も『フリンジマン』。これを読めば、あなたも愛人が作れるかもしれない!? 『フリンジマン』の設定をご紹介しましょう。とある雀荘で卓を囲む男4人。しかし、彼らは、卓を囲みながらもお目当ては麻雀ではなく、ほかのところにありました。そう、一度不倫をしてみたい、愛人を作ってみたい男たちの密会が行われていたのです。    卓を囲んでいたのは、同時に最高5人の愛人と付き合う「愛人教授(ラ・マン プロフェッサー)」と呼ばれる不倫のエキスパート・井伏真澄。そして、不倫に憧れる田斉、満島、安吾という、3人の迷える子羊たちです。ここで、井伏の教えを請いながらお互いの愛人作りをサポートする「愛人同盟」が結成されます。  早速、愛人教授・井伏が繰り出す、数々の不倫名言が弟子たちの不倫モチベーションを高めます。 「愛人にどう告白すべきかでしたっけ?…愚問ですね。いらないんですよ、告白なんて」 「愛人にするのは好きな女ではありません、都合の良い女です」 「感情を捨てなければ愛人関係という任務は遂行できません。マシーンになるのです」  こんな感じで、思いっきり不倫に前向きなのです。教授いわく、不倫とは「ウニを食べる」「海外旅行に行く」「グリーン車に乗る」などと同様、少し手を伸ばせば手に入る、オトナだけに許された悦楽なのであります。そう考えると、全然ゲスな行為ではないんですね。  田斉をはじめとした弟子たちの愛人作りを通して、より実践的なレクチャーへと進んでいきます。例えば、田斉は会社の新人OL、山口詠美がターゲット。愛人教授によるGPSとイヤホンを駆使した的確な遠隔指示、さらに愛人同盟の協力体制により、着実に愛人作りを遂行していきます。  ところで、愛人作りにおいてまず課題となるのは、結婚している男に一体どんな女(ヒト)が興味を持ってくれるのかということですが、そこで役に立つのが「愛人の原石の見分け方」です。 「オハヨウゴザイマスの後にアナタの名前を呼ぶ女は愛人の原石」 「曲がっているネクタイを自ら直接直しに来る女は愛人の原石」 などなど。つまり、会社で単なる「おはようございます」ではなく「おはようございます○○主任」と名前まで呼んでくれる女性、あるいは曲がったネクタイを指摘するだけでなく、わざわざ直してくれる女性は間違いなく自分に好意があり、愛人候補として大いにチャンスがある! という理屈です。なるほどなるほど、つまり不倫をしたければネクタイは曲げておくべし、ということですね。実に勉強になります。  そして、自分に好意を持ってくれる愛人の原石を見つけたら、給湯室などの2人きりになれる場所で世間話をし、擬似不倫体験を共有する……これぞまさに、明日からすぐに(愛人を)探せるテクニックです。  しかし、愛人作りのためには、注意点も数多くあります。 ・待ち合わせ場所は書店がオススメ。道端、居酒屋などは避ける ・宝飾店や指輪は2人の会話に結婚のイメージが入り込む恐れがあるため、愛人との会話では厳禁 ・デパートの受付嬢は店舗案内…「店案」と呼ばれ、愛人にするには最も手ごわい職種のひとつ などなど。そうですか、デパートの受付嬢は手ごわいですか。覚えておいて損はない知識ですね。個人的には、役に立つ日が来るとは到底思えませんけど。  こんな感じで、かつてないほど実践的なレクチャーがちりばめられている「HOW TO 不倫」なマンガ『フリンジマン』なのです。不倫スキャンダルで芸能ニュースをにぎわせたタレントたちも、このマンガを一読してさえいれば、あんな悲劇は起こらなかったかもしれません。……と言いたいところですが、実は不倫をネタにしたギャグマンガなので、どこまで本気にするかはアナタ次第です。  ちなみにこの「愛人教授」ですが、恋愛だけでなく仕事のほうもデキる男なのかと思えば、仕事のほうはからっきしダメで、新人レベルの間違いで上司に怒られたり、全国の愛人行脚のために長期休暇を取って同僚に迷惑をかけたりと、ダメダメ男なのです。デキる男がモテるのかと思いきや、現実は案外そういうものではないのかもしれませんね。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

「愛人の作り方、学べます!」不倫とポジティブに向き合うマンガ 『フリンジマン』

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『フリンジマン』(青木U平/講談社)
 サイゾー読者の皆様、こんにちは。早くも今年の流行語大賞の有力候補に、「センテンススプリング」や「ゲス不倫」といったワードが入ってきそうな勢いを感じるほど、あの人気タレントも、あの政治家も、あの師匠も、そしてあのスポーツライターも、みんな不倫、不倫、不倫だらけの昨今。「あれ!?  日本って、一夫多妻制だったっけ?」と、勘違いするレベルですね。 「不倫=バレたら破滅」というのは散々歴史が証明しているところですが、それでも不倫がなくならないところを見ると、やはり「不倫は文化」というフレーズは正しいのでしょう。そして、マンガの世界に目を移してみると、やはり多くのマンガで不倫は背徳行為のシンボルとして扱われています。しかし、もしかしたら唯一? といっていいほどポジティブに不倫と向き合っているマンガが存在しました。その名も『フリンジマン』。これを読めば、あなたも愛人が作れるかもしれない!? 『フリンジマン』の設定をご紹介しましょう。とある雀荘で卓を囲む男4人。しかし、彼らは、卓を囲みながらもお目当ては麻雀ではなく、ほかのところにありました。そう、一度不倫をしてみたい、愛人を作ってみたい男たちの密会が行われていたのです。    卓を囲んでいたのは、同時に最高5人の愛人と付き合う「愛人教授(ラ・マン プロフェッサー)」と呼ばれる不倫のエキスパート・井伏真澄。そして、不倫に憧れる田斉、満島、安吾という、3人の迷える子羊たちです。ここで、井伏の教えを請いながらお互いの愛人作りをサポートする「愛人同盟」が結成されます。  早速、愛人教授・井伏が繰り出す、数々の不倫名言が弟子たちの不倫モチベーションを高めます。 「愛人にどう告白すべきかでしたっけ?…愚問ですね。いらないんですよ、告白なんて」 「愛人にするのは好きな女ではありません、都合の良い女です」 「感情を捨てなければ愛人関係という任務は遂行できません。マシーンになるのです」  こんな感じで、思いっきり不倫に前向きなのです。教授いわく、不倫とは「ウニを食べる」「海外旅行に行く」「グリーン車に乗る」などと同様、少し手を伸ばせば手に入る、オトナだけに許された悦楽なのであります。そう考えると、全然ゲスな行為ではないんですね。  田斉をはじめとした弟子たちの愛人作りを通して、より実践的なレクチャーへと進んでいきます。例えば、田斉は会社の新人OL、山口詠美がターゲット。愛人教授によるGPSとイヤホンを駆使した的確な遠隔指示、さらに愛人同盟の協力体制により、着実に愛人作りを遂行していきます。  ところで、愛人作りにおいてまず課題となるのは、結婚している男に一体どんな女(ヒト)が興味を持ってくれるのかということですが、そこで役に立つのが「愛人の原石の見分け方」です。 「オハヨウゴザイマスの後にアナタの名前を呼ぶ女は愛人の原石」 「曲がっているネクタイを自ら直接直しに来る女は愛人の原石」 などなど。つまり、会社で単なる「おはようございます」ではなく「おはようございます○○主任」と名前まで呼んでくれる女性、あるいは曲がったネクタイを指摘するだけでなく、わざわざ直してくれる女性は間違いなく自分に好意があり、愛人候補として大いにチャンスがある! という理屈です。なるほどなるほど、つまり不倫をしたければネクタイは曲げておくべし、ということですね。実に勉強になります。  そして、自分に好意を持ってくれる愛人の原石を見つけたら、給湯室などの2人きりになれる場所で世間話をし、擬似不倫体験を共有する……これぞまさに、明日からすぐに(愛人を)探せるテクニックです。  しかし、愛人作りのためには、注意点も数多くあります。 ・待ち合わせ場所は書店がオススメ。道端、居酒屋などは避ける ・宝飾店や指輪は2人の会話に結婚のイメージが入り込む恐れがあるため、愛人との会話では厳禁 ・デパートの受付嬢は店舗案内…「店案」と呼ばれ、愛人にするには最も手ごわい職種のひとつ などなど。そうですか、デパートの受付嬢は手ごわいですか。覚えておいて損はない知識ですね。個人的には、役に立つ日が来るとは到底思えませんけど。  こんな感じで、かつてないほど実践的なレクチャーがちりばめられている「HOW TO 不倫」なマンガ『フリンジマン』なのです。不倫スキャンダルで芸能ニュースをにぎわせたタレントたちも、このマンガを一読してさえいれば、あんな悲劇は起こらなかったかもしれません。……と言いたいところですが、実は不倫をネタにしたギャグマンガなので、どこまで本気にするかはアナタ次第です。  ちなみにこの「愛人教授」ですが、恋愛だけでなく仕事のほうもデキる男なのかと思えば、仕事のほうはからっきしダメで、新人レベルの間違いで上司に怒られたり、全国の愛人行脚のために長期休暇を取って同僚に迷惑をかけたりと、ダメダメ男なのです。デキる男がモテるのかと思いきや、現実は案外そういうものではないのかもしれませんね。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

過激発言連発!! 打ち切り&発禁になった伝説の女装男子マンガ『ストップ!!ひばりくん!』『おカマ白書』

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『ストップ!!ひばりくん!』(小学館)
 いまテレビで一番勢いのあるバラエティタレントといえば、マツコ・デラックスですね。かつてはおすぎとピーコの独壇場であったオネエ枠ですが、今では多数のタレントがおり、エンタメの世界になくてはならない存在となっています。  こういったマスコミの取り上げ方や、コスプレイヤーが世間で認知されるようになるとともに女装のハードルも下がり、「女装男子」とか「男の娘」が普通に話題となる、いわゆる女装のカジュアル化が起こっています。  しかし1980~90年代は『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「Mr.レディー」ブームこそあったものの、まだまだ女装が何かまがまがしいものであるかのような扱いを受けていた時代です。そんな時代にあえて女装男子をテーマとした伝説的2作品を、今回はご紹介します。 ■『ストップ!!ひばりくん!』  女装男子をテーマにした作品で最も有名なものといえば、おそらく江口寿史先生の 『ストップ!!ひばりくん!』でしょう。81~83年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された後、アニメ化されてゴールデンタイムで放映されました。よくよく考えれば、これはすごいことですね。  主人公・坂本耕作は両親を亡くし、母親の知人の家に居候することになります。その知人とは、関東大空組というヤクザの組長。ですが、そこにいたのは、つばめ・つぐみ・ひばり・すずめと美人ぞろいの大空家姉妹。その中で一番の美少女・ひばりが、実は男だったのです。ヤクザの組長の息子が女装男子。しかも、とびきりの美少女という、当時としては相当のブッ飛び設定でした。  ひばりは、街を歩けば周りの注目を浴びる完璧美少女(※ただし女装)です。しかし、ひばりや耕作が通う若葉学園では、ひばりは男であることを隠して女子として通っていたため、周りの男子たちからはモテまくり、女子からは嫉妬されまくりです。さらに、ひばりをよく思わない女子たちがひばりの正体を暴こうとし始めて、そこに耕作が巻き込まれて右往左往するドタバタコメディです。  ひばりは設定こそ「男」ですが、画的に男性っぽさを感じさせる部分はほぼ皆無。実際、ひばりをかわいく描くための江口先生のこだわりがアシスタントの使用を困難にしたというエピソードもあるぐらい、少年マンガ屈指のかわいさ(だけど男)なのです。さらに、全体的にライトでポップな作風のため、「女装」のイメージが醸し出すいかがわしさとか背徳感みたいなものはありませんでした。だからこそ、ゴールデンで放送できたのでしょう。  基本的にギャグマンガなのですが、女装とかおカマをいじったネタよりも、ヤクザをネタにしたギャグのほうが過激です。ひばりの父親(大空組の組長)が、ひばりの女装姿にショックを受けて心臓発作を起こした時、覚せい剤を注射して蘇生するシーンとか……。ギャグとして描かれていますが、今のご時世なら絶対シャレになりません。  ちなみに、本作は当時から休載を繰り返していた江口先生が最終的にギブアップし、未完のまま打ち切り終了しているのですが、09年に発売された『ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション』では、掲載されなかったエピソードが加筆されて完結しています。
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『おカマ白書』(小学館)
■『おカマ白書』  こちらは89~91年に「週刊ヤングサンデー」(小学館)誌上に連載されていた作品です。作者は『殺し屋1(イチ)』『ホムンクルス』の山本英夫先生です。いわゆる、マスコミが煽るような「おカマ」的要素をふんだんにちりばめたお下品ネタが満載で、近年のギャグマンガにはない、独特の破壊力を持っています。  主人公は岡間進也(おカマ・しんや)という大学生。いかにもな名前がナイスです。大学の飲み会の席で、イタズラで女装させられた自分の姿があまりにかわいく、自分の女装姿に惚れてしまうほどだったため、親友・田中の勧めでおカマバー「モーリス」で源氏名「キャサリン」としてバイトを始めます。そこに客として現れた女子大生・ミキちゃんが、なんとキャサリンと瓜二つのカワイコちゃん。進也は自分の女装姿にそっくりのミキちゃんに一目惚れし、キャサリンの姿でミキちゃんに接近する……という話です。  とにかく表現がお下品かつ、過激。聞いたことがない専門用語がビシバシ登場して、ノンケの読者は困惑必至です。 「ママリンの男のタイプはね…サラマンは絶対条件ね。あと乳首に毛がはえてればグッド&テイスティーね」 「いいカラダしてるわね、おじさんとビビンバしない?」 「サラマン」とか「ビビンバ」って、一体なんなの……? すごくいかがわしい感じがビンビンしますね。  作品中に出てくるおカマたちの恋愛対象は、当然ながら全員男性です。しかし、主人公の進也は女の子に近づく手段として女装を使っており、あくまでも恋愛対象は女子(ミキちゃん)なのです。  モーリスのママの、「女の子っていうのはね、男に対しての警戒心が…おカマに対してだと、ほとんど消えちゃうのヨ!!」というセリフの通り、女装効果は絶大。キャサリンに対し、親友としてすっかり心を許しているミキちゃん。しかし、キャサリンとミキちゃんの距離があまりに近くなりすぎてしまったため、岡間進也として告白ができずに思い悩むことになるのです。お下品おカマコメディである半面、「性」が複雑に交錯するセンシティブな一面ものぞかせる作品です。  この作品では「女装」も「ゲイ」も「ニューハーフ」も区別せず、一括りで「おカマ」として変態扱いされています。もちろん当時はLGBTなんて言葉も知られておらず、マスコミも含め、世間一般的にその程度の認識だったわけですが。それが、後に大騒動に発展します。 「エイズでもくれてやろうかしら!」 「カマはカマ同士仲良くやってな」 「チンポねーちゃん」 といった、数々のおカマをいじった過激な表現が、マイノリティの人たちに侮蔑的と捉えられ、抗議を受けて単行本3巻以降の発売が白紙になってしまいます。それどころか、すでに発売されている1、2巻まで書店から回収されるという異例の事態へと発展します。  最終的に、一部過激な表現が修正され、巻末には「おカマ白書における男性同性愛者の描かれ方について」という文章が「動くゲイとレズビアンの会」監修の下で挿入されてようやっと復刊されることになるのです。こういった発禁エピソードに加え、読者が誰も予想しなかったであろう衝撃のラストシーンは、『ひばりくん』とは別の意味でレジェンドと呼ばれるにふさわしい作品といえるでしょう。  というわけで、オネエタレントや女装が珍しくなくなってしまった今だからこそ、あえて読みたい伝説の女装男子マンガ2作品をご紹介しました。あなたもこれを読んだら、新しい人生の扉が開けるかもしれませんよ?(モロッコ的な意味で) (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

「やりすぎ横暴演出」が愛しい『美味しんぼ』連載終了!? 一方「終われない」人気作の惨状は……

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『美味しんぼ 111 (ビッグコミックス) 』(小学館)
 人気料理マンガ『美味しんぼ』(小学館)の連載再開が決定し、それと同時に連載終了になることが明らかとなった。原作者の雁屋哲氏によれば、「今までの登場人物総出演で、美味しい食べ物の話でどんちゃんどんちゃん楽しく騒いで大団円。そう考えています」と最終回の構想を語っている。 「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で1983年の連載開始から30年以上、単行本は111巻を数える。連載中期以降は国際問題などにも料理を通して切り込み「左翼色が強い」という批判もあったが、ファンからすれば数ある名エピソードの思い出のほうが強いはずだ。 「トンカツ慕情」を筆頭に初期の人情話や市井の人々にスポットを当てた「神回」はもちろん、主人公である山岡士郎と父・海原雄山との「究極・至高の料理対決」、山岡とヒロインである栗田ゆう子の結婚までのエピソードなど、単純にマンガ作品としても評価が高かった同作。しかし、往年のファンからすればイチイチ大げさで「やりすぎ」な演出ネタこそが、このマンガの真骨頂という認識ではないだろうか。  特に山岡の父、海原雄山のぶっ飛んだエピソードは枚挙に暇がない。古きよき料理を愛する海原は、ハンバーガーなどファストフードが嫌いで「(ハンバーガーを食べて)手が汚れてしまった!」と激怒したり、評判のカレー店に行って「じゃあ本当のカレーとはなんだ」と店主に難癖をつけるなどやりたい放題。車が渋滞していると「馬鹿どもに車を与えるな」と八つ当たり。当代一の美食家で芸術家ではあるが、特に初期はかなり横暴な人物だった。最も有名なセリフは「このあらいを作ったのは誰だあっ!!」か。しかし、基本的に息子である山岡を厳しくも温かく見守るツンデレな面もある。  他にも、栗田ゆう子が美味しいヒラメを食べた時に出た名言「シャッキリポン」や、山岡が生きる気力をなくしたうつ病患者に「死ねよ」と突き放したり……(もちろん意図があって)。なんともやりすぎな演出が多く印象に残っている。  しかし連載25年目、長くあった「父と子の戦争」が終わり、山岡と海原が和解し休載になると、ファンの間でも「そろそろ終わりか」という声がささやかれ始めた。親子の意地の張り合いがこのマンガの根幹だっただけに、そう考えるのは極めて自然だ。  さらに2009年の連載再開後、福島原発に関する「鼻血」の描写で世間からバッシングを喰らい、またも連載休止。その後、現在にいたる。  そろそろネタ切れになるのも仕方がないし、雁屋氏も「30年は長すぎた」と語っている。まさに“潮時”を迎えたということだろう。作品にとっても制作陣にとってもその選択は正しいように思える。  逆に、同じく単行本が100巻以上となる「少年マガジン」(講談社)連載のボクシング巨編『はじめの一歩』などは、連載から20年以上が経った今でも、主人公の一歩が25戦23勝(23KO)2敗という成績でいまだ世界戦に挑めないという非現実的な状況が続いている。人気作だけに編集部としても長引かせたいのはわかるが、さすがにもう限界ではないのか。そういう意味では『美味しんぼ』は悪くないタイミングに終了するといえるのではないか。『一歩』作者の森川ジョージ氏も羨ましがっていたりして。

壮絶! リストラ漫画家のお遍路旅『55歳の地図』で知る、四国の人のあったかさ

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『55歳の地図』(黒咲一人/日本文芸社)
 人が人生の岐路に立った時に選ぶ道のひとつに、「お遍路」というものがあります。いわゆる四国八十八カ所のお寺を回る、日本最大規模のスタンプラリーです。最近は旅行会社のツアーなんかもあったりして、大変人気があるようですね。  今回ご紹介するのは、お遍路をテーマにした漫画『55歳の地図』という作品。「実録!リストラ漫画家遍路旅」というサブタイトルがついており、仕事がなくなり、食えなくなってしまった漫画家、黒咲一人先生が自分探しのためにガチの「お遍路さん」をする、壮絶なドキュメント漫画なのです。  黒咲先生は2003年ごろから原稿の新規依頼が途絶え、連載していた雑誌が廃刊になったりと、漫画の仕事が徐々になくなっていきます。そして、ついに完全に廃業状態となった黒咲先生は、身辺整理を始めます。しかし、ハローワークに行っても、漫画しか描けない55歳のオッサンに職が見つかるはずもありません。  そんな黒咲先生の窮状を心配して駆けつけてきたのが、漫画家仲間のさとう輝先生。『江戸前の旬』がロングヒットしており、リストラとは無縁なお方です。さらに御大、本宮ひろ志先生も、ビルのワンフロアーをタダで貸してくれるなどと言ってくれます……。うーん、いい人たちだ。  さらに、犬漫画の帝王『銀牙』『銀牙伝説WEED』などでおなじみ高橋よしひろ先生も、「仕事を手伝わないか?」と電話をかけてきてくれました。  せっかく心配して声をかけてくれているんだから、素直に高橋先生の仕事を手伝えばいいじゃないかと思うのですが、そこはかつて自分も第一線で描いていた漫画家だというプライドがあるのでしょう。結局、自分探しの道、四国遍路の旅を選びます。 『55歳の地図』というタイトルで思い出すのが、尾崎豊の名曲「十七歳の地図」です。尾崎は「盗んだバイクで走りだす」のですが、黒咲先生の場合は「5,000円で買った中古三輪チャリ」で走りだします。これが55歳の青春なんでしょうか……。あまりの先行き不透明感で、読んでいるこっちも暗澹たる気分になります。  それにしても黒咲先生、どうも要領が悪すぎるというか、自らピンチを招き入れている感があります。出発の日は冬が差しせまる11月、どう考えても春や夏に比べて、放浪旅をするにはつらい時期です。さらに土砂降りの雨。何も、こんな日を選ばなくても……って気がしますが。しかも、運が悪いことに途中で三輪車のタイヤがパンク。  タイヤを修理するために土砂降りの中を右往左往し、予定のフェリーの時間に間に合わず……。まだ東京なのに、すでに瀕死状態です。大丈夫なのか、こんなんで。  四国へ上陸後、旅路用にホームセンターでテントを買って一国一城の主気分になるも束の間、相変わらず大ピンチです。なにしろ、総重量20キロの全財産を自転車に積んでいるため漕ぐことができず、結局、常に自転車を手押しして移動することになります。案の定、徳島で早速、死にそうになります。朝から胃袋に入れたのは、缶コーヒーとビールのみ。カロリーメイトぐらい買っておけばいいのに……。  ようやくスタート地点である、第一番札所「霊山寺」(徳島)に到着。ここでお遍路さんのコスプレ、もとい衣装に着替え、お遍路さんに変身。しかし、延々と続く山道を20キロの重量を積んだ自転車を押し続けるわけですから、相当大変です。  せっかく有り金をつぎ込んで宿に泊まっても風邪を引いてしまい、食事も取れずボロボロに。死に装束風のお遍路さんのカッコも相まって、いつ逝ってもおかしくない雰囲気です。そんな常に瀕死の黒崎先生を見るに見かねたのか、謎のオヤジが登場。 「死ぬで!!」  ハードボイルドなホームレス風のオッサンは一心さんという人で、さまよえるお遍路さんに付き添ってアドバイスしてくれる、お遍路の「先達さん」をライフワークにしている人でした。まさに、黒咲先生の命の恩人。  作品の中盤まで、ラーメンを作ってくれたり、テントを張るベストポジションを教えてくれたり、効率のよい寺の回り方などをアドバイスしてくれたり、お供え物のゲットの仕方まで、とにかく至れり尽くせりで生きる伝授してくれます。さらに、この一心さん以外にも、無料宿泊所のリストをくれる人、自転車をタダで修理してくれる自転車屋さん、自転車をタダで修理してくれた上にミカンまでくれる町工場の人、自転車を家族総出でタダで直してくれる地元の駐在さんと、四国の人あったかすぎて泣ける!  そんな感じで何度も死にそうになりながら88カ所の寺を回り切り、真のゴールである高野山(和歌山)へ。その高野山が、完全に冬登山モードで遭難必至。あまりの寒さに、何度も三途の川を渡りそうになります。ゴールを目前にして息絶えるのか……というところで、間一髪。通りがかった車に乗せてもらい、なんとか高野山にたどり着くのでした。最後まで人の優しさに頼り切って、見事ゴール! 本当によかった、よかった。  冷静に考えると、数々の申し出を振り切ってまでお遍路さんに行って、自分探しはできたけど職は探せていなくて、実はなんの解決にもなってないという、元も子もないオチなのですが、結局、お遍路ネタでこの漫画が描けているのですから、これこそがまさにお遍路さんのご利益なのかもしれませんね。皆さんも人生に行き詰まったら「お遍路さん」。覚えておいて損はありません。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

嗚呼、清原……『かっとばせ!キヨハラくん』で、かつてのプロ野球界のアイドルの全盛期を振り返る

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『かっとばせ!キヨハラくん』、『モリモリッ!ばんちょー!!キヨハラくん』(小学館)
 ご存じの通り、清原和博が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された事件は、日本列島に衝撃を与えています。10代の若者からすれば「元野球選手かなんか知らないけど、ヤクザみたいなオジサンが逮捕されて、なんでこんな大騒ぎになってるの?」という感じかもしれません。しかし、我々アラフォー世代にとっては、清原といえば、野球に興味があるなしにかかわらず、誰でも知っている国民的大スターだったわけです。  そんな清原の全盛期の人気ぶりを象徴するのが、なんといっても、マンガ『かっとばせ!キヨハラくん』でしょう。1987年から94年まで「月刊コロコロコミック」(小学館)で、単行本にして15巻分の長期連載がなされていたのですから、当時の子どもたちへの影響力は絶大だったといえます。今でいうピカチュウ、ジバニャンと同等レベルの知名度といって差し支えないでしょう。  連載がスタートした87年ごろといえば、清原がシャブではなくホームランを打ちまくっていた時代。くしくもお笑い界では、マーシーこと田代まさしが「ギャグの王様」「ダジャレの帝王」と呼ばれてバラエティ番組を席巻し、アイドル界ではのりピーこと酒井法子が「のりピー語」をひっさげて衝撃のデビュー。歌謡界ではCHAGE and ASKAが「恋人はワイン色」「LOVE SONG」「SAY YES」を立て続けにヒットさせていました。 『かっとばせ!キヨハラくん』の主人公は、西部ライアンズの四番打者キヨハラ。第1話からファンの女の子にキャーキャー言われているシーンが、当時のアイドル的人気を物語っています。そのほかには、モリ監督、ピッチャーのクドー、イシゲ、アキヤマといったライアンズの面々や、パ・リーグ、セ・リーグの有名選手たちが登場し、毎回彼らとのドタバタギャグが繰り広げられます。内容はといえば、子どもたちが好きそうな下ネタあり、ダジャレありの、くっだらないギャグのオンパレードです。  たとえば、先発ピッチャーに悩むモリ監督が、クドーやワタナベに打診したところ拒否されてしまいます。そこで、「代わりにやりましょうか?」とキヨハラ。おもむろにモリ監督の頭をシャンプーしだします。「洗髪=センパツ」というわけです。  ほかにも、モリ監督が出したスクイズのサインを見てウグイスと間違えて「ホーホケキョ」と言ってみたり……。クドーの投げた牽制球がキヨハラの股間に当たり、チ●チンが膨れ上がったり……。いかにも小学生が大好きそうなギャグなのですが、大人が読んでも十分笑えるクオリティです。  そしてなんといっても、学生時代からのライバルである東京カイアンツのクワタの存在が作品の面白さを際立たせています。天然ボケで肉体派のキヨハラと、根暗でネガティブなクワタの掛け合いがバツグンに面白いのです。  クワタのキャラクターはかなりエキセントリックで、五寸釘を藁人形に打ち込んだり、いつもブツブツ言ってる不気味なキャラで、助っ人外国人や審判に変装したり、時にはウグイス嬢に女装するなど、ありとあらゆる手段でキヨハラの練習や試合を妨害します。主役のキヨハラを食うレベルの活躍で、作品中で『がんばれ!クワタくん』というスピンオフ作品を生んだほどでした。  このように、子ども向けギャグマンガの王道を行く『かっとばせ!キヨハラくん』でしたが94年に一旦終了。その後は、松井秀喜をモデルとした後継作品『ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん』がしばらく連載されます。しかし、2003年に松井が大リーグ入りしたタイミングで、巨人に移籍した清原がモデルの『モリモリッ!ばんちょー!!キヨハラくん』が開始されます。  ……しかし、この『モリモリッ!ばんちょー!!キヨハラくん』がエライことになっていました。タイトルの通り、番長キャラに変貌した主人公キヨハラ。モトキをはじめとした舎弟たちを引き連れ、丸刈り、関西弁、目は据わっており、やたら裸になって筋肉を誇示します。ハラ監督やヨシノブ(高橋由伸)をはじめとした気の弱そうなキャラクターたちを恫喝して笑いを取るギャグが多く、『かっとばせ!』時代とは完全に別のキャラクターとなっているのです。ある意味、リアルさを追求した結果といえなくもないですが、これはこれでちゃんと笑えるギャグになっているところが、作者・河合じゅんじ先生の職人技なのかもしれません。  まるで何かのクスリをやっているのではないかと思うほどのキャラの変貌ぶりで、バイオレントに暴れまくるキヨハラですが、ここでもクワタが、暴走するキヨハラのストッパー役として登場。2人の掛け合いで、見事にギャグが成立しています。まるで長年連れ添った夫婦のようなコンビネーション。光と影、陰と陽。やはり、この2人は切っても切れない関係なのです。リアルの清原も、釈放されてイチから人生をやり直すとしたら、やっぱり一番頼りになる存在は桑田なのかもしれませんね。  ちなみに、14年から刊行されている大人版のコロコロコミックである「コロコロアニキ」では、番長時代ではないほうのマンガ『かっとばせ!キヨハラくん』が復活し、好評連載されていました。そして今回の事件を受けてその存続が心配されていましたが、残念ながら「諸般の事情」により休載が発表されています。一応「休載」ですから、いつの日か復活するかも……。そんなわずかな望みにかけて、再開を待ちたいと思います。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

ダメ。ゼッタイ。 怖すぎドラッグマンガ 『エンドレス・ドラッグ・ウォーズ リスク』

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『エンドレス・ドラッグ・ウォーズ リスク』
 リスクをお忘れだ! 快楽だけじゃ、都合良すぎるぜ!!  かねて薬物使用のウワサがあったプロ野球界の大物OBが、ホームランだけでなくクスリも打っていたということで、ついに逮捕されました。一昨年は、同じく覚せい剤所持容疑で逮捕された大物ミュージシャンが、供述で「SAY YES!」と言ったとか言わないとか(たぶん言ってない)という話もありましたし、危険ドラッグの影響と思われる交通事故も多数発生しましたね。  ということで、ドラッグの恐ろしさをあらためて皆さんと共有すべく、世にも恐ろしいドラッグがテーマのマンガをご紹介いたします。その名も『エンドレス・ドラッグ・ウォーズ リスク』。やだ……タイトルがすでに怖い!  本作はそのタイトルの通り、麻薬撲滅のために闘う男が主人公です。主人公、財前要は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部の麻薬取締官。いわゆる麻薬Gメンとか、マトリと呼ばれる人です。麻薬捜査官は警察ではないんですが、逮捕権や拳銃の所持も認められているんですね。  財前は、単なるマトリの捜査官とは比較にならないほど、尋常じゃないドラッグへの憎悪を燃やしています。それもそのはず、自分自身が過去に捜査中にハメられてシャブを大量に投与されてしまい、生死をさまようことに。10年以上たった今も、後遺症で恐ろしいフラッシュバック(幻覚症状)に悩まされているのです。主人公の麻薬捜査官が元シャブ中……とんでもなく、ダークなマンガです。まさに、エンドレス・ドラッグ・ウォーズ。  作中で表現されているフラッシュバックのシーンが、またヤバいです。体中の至るところを虫が這い回ったり、時には人の顔が歪んだり、目が3つになったり……。財前は、自分の身にフラッシュバックが起こると、正気を保つために、ある行為に出ます。  それは、サックスを思いっきり吹くこと! そのため財前は、捜査中でも常にサックスをケースごと持ち歩いています。どう考えても捜査のジャマだろうと思うところですが、ジャンキーに襲われた時にサックスのケースで思いっきりブン殴るなど、武器としても役に立ちます。  その財前の宿敵が、関東仙石会幹部ヤンマ組組長である鬼山丈。通称、鬼ヤンマ。街をシャブで埋め尽くし、日本の麻薬王になる! と息巻く武闘派ヤクザです。鬼ヤンマの覚せい剤への入れ込みようはハンパではなく、言ってることもやってることもムチャクチャ。とんでもなくクレイジーな男で、もちろん自分自身もシャブを打つという筋金入りのジャンキーです。この鬼ヤンマの、シャブ中名言がスゴいです。 「シャブは基本的に無害なんだよ!」 「ヴーーーーーッ 来た来た来たあ 上がって来たぞォ」 「シャブは最高の貿易だ!! 広告も宣伝もいらなけりゃ、ジャロに苦情も来ねえ」 「オレにはシャブは現実(リアル)へのパスポートだ!」  こんなヤバいやつですので、怒らせると世にも恐ろしい拷問が待っています。それが「眼球シャブ注射」です。ギャーーー! ダメ! ゼッタイ!!  そして、こういうマンガですから、麻薬にハマって人生が崩壊する悲惨な人たちがワンサカ登場します。いくつかご紹介していきましょう。  大手広告代理店にお勤めの城野チーフ、プレゼン絶不調で、もう3日寝ていない状況です。そしてフラフラと、飯も食わずにトイレに行ってしまいました。しかし、トイレに行った後の彼は全然違いました! シャッキーン! 別人のような輝き!! 劇的ビフォーアフター。 「ホラ、メシなんか食ってないでガンガンいくぞ」  3日間不眠不休の男が、数分で見違えるほどに元気になるとは……。シャブの効果恐るべし。 しかし、コトがバレれば、もちろん会社はクビです。あとは転落するのみ。これからが本当の地獄の始まりなのです。仕事のために頑張っても、全然報われません。  若者向けドラッグといわれているMDMA(通称エクスタシー)も出てきます。しかも、舞台は高校の学校内です。最初は離婚の寂しさを紛らわすために使っていた体育教師から、女子高生……そして、男子高生へと段階的に波及していきます。こんな広がり方もあるのか。身近なだけに、恐ろしいですね。  MDMAは覚せい剤ほど強烈ではありませんが、本人が感じてなくても異常に発汗していたり、少しずつ異常な行動が増えていくようです。そして最悪なパターンは、ウワサによく聞く、いわゆる「アイ・キャン・フライ」です。  高校生が給水塔からダイブして、死亡。本人が飛べると思っちゃってるんだから、助かりようがないですよね。この男子生徒が大物政治家の息子だったため、マスコミや政界を巻き込んだ大問題に発展していきます。こんな感じで、基本的にいろいろなクズ野郎が出てくるマンガではあるのですが、この作品の中でも最凶最悪なクズ・オブ・クズで、キング・クズなキャラクターがいます。それが、御手洗光司という男。  麻薬中毒患者の更生施設「メシア」を運営し、何人も麻薬中毒から立ち直らせた人格者。しかし、実はこの男自身がいつのまにか覚せい剤にハマり、ジャンキーになってしまっていたのです。ミイラ取りがミイラにとは、まさにこのことです。  幼い一人娘に飲ませるフルーツミックスジュースも、なんとシャブ入り。おかげで、8歳にして娘もジャンキーです。いかにこの男が、キング・クズであるか伝わりましたでしょうか。 「キャハハハハハ 気持ちいーィ」  めちゃくちゃ楽しそうにブランコに乗る娘。そんな気持ちいいブランコ、おかしいから!! 実は、若かりし頃の財前をシャブ中にしたのも、この御手洗です。ウワサを聞いて内偵していた財前に一服盛って、財前に致死量寸前のシャブを投与したのでした。  ……というわけで、エンドレスで危ないドラッグマンガ『エンドレス・ドラッグ・ウォーズ リスク』をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか? 気の利いたキャッチコピーで「ダメ。ゼッタイ。」を連呼するよりも、一発こういう超おっかないマンガを読ませたほうが、よっぽど抑止効果があるような気がします。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)