『東京都北区赤羽』でおなじみの漫画家・清野とおるによる、悶絶必死の爆笑コラム。
小2の時の話。
昼休みに校庭でドッジボールをしようと思い、室井くんと外に出ようとしたところ、下駄箱付近に、一匹のモグラが転がっていた。

モグラなんて、小学生にしてみたら、大人でいうところの河童やツチノコ並みの、UMA的存在じゃないですか。
俺たちは大興奮し、軽くパニックになった。

でも、すぐに見慣れて、飽きてしまった。
作戦会議した結果、モグラを元いた世界……つまり、土の中に帰してあげることにした。
校庭の隅の、木々がちょろっと茂っているエリアに移動し、柔らかめの土の上にモグラを置いた。

モグラと小学生の、心温まる出会いと別れ。
この連載をずっと読んでくれてる方は、「小学生によるモグラ四肢切断の末の惨殺」とか予想されたかもしれないけど、そんなことは決してしませんのである。

……しかし、モグラは穴を掘らず、ぐったりしたままその場に突っ伏している。

陸の魚を早く川に戻してあげなきゃ死んじゃう~、とまったく同じ感覚である。
考えた末、モグラが掘って出てきた「穴」を探して、そこに戻してあげようということになり、手分けして探した。

しかし、「穴」が見つからないまま、チャイムが鳴ってしまった。早いところ教室に戻らないと、先生に怒られてしまう。

やむなく花壇に穴を掘って、そこにモグラを埋めることにした。

やがて下校する頃には、モグラの存在なんて完全に忘れていた。
なにせ当時は、ビックリマンシールやファミコンなど、麻薬的娯楽が多くて、それに比較するとモグラなんて、ねえ……。
ぶっちゃけ、最初のインパクトだけじゃないですか。

数週間後、ふとモグラのことを思い出したので、モグラを埋めた花壇に行ってみることにした。

モグラを生めた埋めたあたりの土から、何か得体の知れない、ミミズに毛が生えたような謎の物体が飛び出しているではないか……。
室井くんがそれを引っ張ったところ、

それは、腐りかけてビッグ異臭を発するモグラの死体の尻尾だった……。
モグラを生きて土に帰してあげられなかったガッカリ感と、モグラから発せられる腐敗臭に、俺たちのテンションは、下がれる限界までとことん下がった。
こんなおもいをさせられるなら、もうにどと、ちじょうにあらわれてほしくないなあと、ぼくはおもいました。
おわり。
(文・イラスト=清野とおる)
●せいの・とおる
1980年生まれ。東京都板橋区出身。地元・赤羽に生息する奇妙な人々を生き生きと描いた漫画『東京都北区赤羽』(Bbmfマガジン )が大ヒット中。
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