お笑い評論家・ラリー遠田の『R-1ぐらんぷり2012』完全予想! 今年の優勝者は……


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「東洋水産R-1ぐらんぷり2012」公式サイトより
 3月5日、ピン芸人日本一を決める大会「東洋水産PRESENTS R-1ぐらんぷり2012」の決勝進出者が発表された。エントリー総数3,612人の中から見事に決勝に勝ち上がったのは、スギちゃん、川島邦裕(野性爆弾)、いなだなおき(アインシュタイン)、大悟(千鳥)、AMEMIYA、キャプテン渡辺、サイクロZ、多田健二(COWCOW)、友近、ヒューマン中村、ヤナギブソン(ザ・プラン9)、徳井義実(チュートリアル)の12人。決勝では、12人が4人ずつ3つのブロックに分かれて戦い、勝ち残った3人が最終決戦に挑むことになる。5日の決勝進出者発表会見では、トーナメントの組み合わせ抽選が行われ、Aブロックが「友近、川島、AMEMIYA、多田」、Bブロックが「サイクロンZ、いなだ、徳井、キャプテン」、Cブロックが「大悟、ヤナギブソン、ヒューマン、スギちゃん」というふうにグループ分けとネタ順も確定した。果たして誰が優勝するのか? 2日に行われた準決勝を生で観戦した経験を踏まえて、決勝の展開を予想しながら注目ポイントを解説していきたい。 ●決勝Aグループ 友近、川島邦裕(野性爆弾)、AMEMIYA、多田健二(COWCOW)  Aグループの戦いのカギを握っているのは、2番手として登場する川島だ。彼はお笑い界でも一、二を争うナンセンスな芸風の持ち主。準決勝でも、常人には理解しがたい支離滅裂で破壊力抜群のネタをやりきって、会場を震撼させた。彼の芸は良くも悪くもアクが強すぎるため、それが前後に出てくる芸人にも大きな影響を与える。決勝審査員は川島の芸をどこまで受け入れることができるのか? そこがひとつのポイントとなるのは間違いない。  順当に考えるなら、川島の芸風は人によって好みが分かれるため、審査員によってはあまり高く評価しないかもしれない。そうなると、Aグループを制するのは川島以外の3人のいずれかである可能性が高い。1人コントの友近、音楽ネタのAMEMIYA、ギャグを得意とする多田。誰が上がってきてもおかしくないが、決勝初登場のインパクトとネタの分かりやすさで、多田が一歩リードしている気がする。 ●決勝Bグループ サイクロンZ、いなだなおき(アインシュタイン)、徳井義実(チュートリアル)、キャプテン渡辺  なんといってもBグループ最大の見どころは、先日発表された「よしもとブサイクランキング2012」で3位に輝いたいなだと、イケメン芸人の代名詞である徳井の「ブサイクvsイケメン頂上決戦」である。最強のブサイクが最強のイケメンを打ち破る下克上はあり得るのか? 準決勝で爆笑を取っていたいなだに勝機は十分にある。4人の中で唯一、初めて決勝の舞台を踏むという点も、いなだには優位に働くだろう。ブサイク界のスーパールーキー・いなだなおきに他の3人がどう対抗するかが見ものだ。 ●決勝Cグループ 大悟(千鳥)、ヤナギブソン(ザ・プラン9)、ヒューマン中村、スギちゃん  Cグループは強豪ぞろいでかなりの接戦が予想される。『THE MANZAI2011』で活躍して以来、全国ネットのテレビでブレイクしつつある千鳥の大悟。過去には決勝経験もあり、ピン芸の評価も高いザ・プラン9のヤナギブソン。2年連続の決勝進出を果たしたヒューマン中村。そして、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)『爆生レッドカーペット』(フジテレビ系)などに出演して話題を呼んでいる今が旬のワイルド芸人・スギちゃん。ネタの面白さ、人気、実力、勢い、どれを取っても甲乙つけがたいメンバーである。勢いに乗ったときの爆発力が最も大きそうなのはスギちゃんだが、最後の出番なので観客がやや集中力を失っているという可能性はある。だが、それを考慮に入れてもなお、僅差でスギちゃんが接戦をものにするのではないか、と予想する。 ●最終決戦  私の個人的な読みでは、最終決戦に残るのはCOWCOW 多田、アインシュタイン いなだなおき、スギちゃんの3人。この三者による勝負の行方もかなり悩ましいところだが、過去のR-1優勝者の顔ぶれを見ると、芸歴の長いベテラン芸人が多いように思われる。3人の中で最も芸歴が長いのは多田。ここは多田が意地を見せて、4年連続で決勝敗退していた相方の山田與志の雪辱を果たす、というのがひとつの美しいシナリオとして考えられるのではないだろうか。  ......と、ひとしきり勝手に展開予想をしてみたものの、お笑いの勝負は水物。結果はフタを開けてみるまで分からない。決勝が行われるのは3月20日(火・祝)。19時から関西テレビ・フジテレビ系列全国ネットで生放送される。12人の芸人による意地と誇りをかけた真剣勝負に期待したい。 (文=お笑い評論家・ラリー遠田)
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【関連記事】 ・『R-1ぐらんぷり2011』覇者・佐久間一行が"信じきったもの"とはエハラマサヒロ 「究極の器用貧乏芸人」が無限の笑いをコラージュするなだぎ武 R-1二連覇を成した演技派芸人の「本当の運命の出会い」とは

お笑い評論家・ラリー遠田の『R-1ぐらんぷり2012』完全予想! 今年の優勝者は……


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「東洋水産R-1ぐらんぷり2012」公式サイトより
 3月5日、ピン芸人日本一を決める大会「東洋水産PRESENTS R-1ぐらんぷり2012」の決勝進出者が発表された。エントリー総数3,612人の中から見事に決勝に勝ち上がったのは、スギちゃん、川島邦裕(野性爆弾)、いなだなおき(アインシュタイン)、大悟(千鳥)、AMEMIYA、キャプテン渡辺、サイクロZ、多田健二(COWCOW)、友近、ヒューマン中村、ヤナギブソン(ザ・プラン9)、徳井義実(チュートリアル)の12人。決勝では、12人が4人ずつ3つのブロックに分かれて戦い、勝ち残った3人が最終決戦に挑むことになる。5日の決勝進出者発表会見では、トーナメントの組み合わせ抽選が行われ、Aブロックが「友近、川島、AMEMIYA、多田」、Bブロックが「サイクロンZ、いなだ、徳井、キャプテン」、Cブロックが「大悟、ヤナギブソン、ヒューマン、スギちゃん」というふうにグループ分けとネタ順も確定した。果たして誰が優勝するのか? 2日に行われた準決勝を生で観戦した経験を踏まえて、決勝の展開を予想しながら注目ポイントを解説していきたい。 ●決勝Aグループ 友近、川島邦裕(野性爆弾)、AMEMIYA、多田健二(COWCOW)  Aグループの戦いのカギを握っているのは、2番手として登場する川島だ。彼はお笑い界でも一、二を争うナンセンスな芸風の持ち主。準決勝でも、常人には理解しがたい支離滅裂で破壊力抜群のネタをやりきって、会場を震撼させた。彼の芸は良くも悪くもアクが強すぎるため、それが前後に出てくる芸人にも大きな影響を与える。決勝審査員は川島の芸をどこまで受け入れることができるのか? そこがひとつのポイントとなるのは間違いない。  順当に考えるなら、川島の芸風は人によって好みが分かれるため、審査員によってはあまり高く評価しないかもしれない。そうなると、Aグループを制するのは川島以外の3人のいずれかである可能性が高い。1人コントの友近、音楽ネタのAMEMIYA、ギャグを得意とする多田。誰が上がってきてもおかしくないが、決勝初登場のインパクトとネタの分かりやすさで、多田が一歩リードしている気がする。 ●決勝Bグループ サイクロンZ、いなだなおき(アインシュタイン)、徳井義実(チュートリアル)、キャプテン渡辺  なんといってもBグループ最大の見どころは、先日発表された「よしもとブサイクランキング2012」で3位に輝いたいなだと、イケメン芸人の代名詞である徳井の「ブサイクvsイケメン頂上決戦」である。最強のブサイクが最強のイケメンを打ち破る下克上はあり得るのか? 準決勝で爆笑を取っていたいなだに勝機は十分にある。4人の中で唯一、初めて決勝の舞台を踏むという点も、いなだには優位に働くだろう。ブサイク界のスーパールーキー・いなだなおきに他の3人がどう対抗するかが見ものだ。 ●決勝Cグループ 大悟(千鳥)、ヤナギブソン(ザ・プラン9)、ヒューマン中村、スギちゃん  Cグループは強豪ぞろいでかなりの接戦が予想される。『THE MANZAI2011』で活躍して以来、全国ネットのテレビでブレイクしつつある千鳥の大悟。過去には決勝経験もあり、ピン芸の評価も高いザ・プラン9のヤナギブソン。2年連続の決勝進出を果たしたヒューマン中村。そして、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)『爆生レッドカーペット』(フジテレビ系)などに出演して話題を呼んでいる今が旬のワイルド芸人・スギちゃん。ネタの面白さ、人気、実力、勢い、どれを取っても甲乙つけがたいメンバーである。勢いに乗ったときの爆発力が最も大きそうなのはスギちゃんだが、最後の出番なので観客がやや集中力を失っているという可能性はある。だが、それを考慮に入れてもなお、僅差でスギちゃんが接戦をものにするのではないか、と予想する。 ●最終決戦  私の個人的な読みでは、最終決戦に残るのはCOWCOW 多田、アインシュタイン いなだなおき、スギちゃんの3人。この三者による勝負の行方もかなり悩ましいところだが、過去のR-1優勝者の顔ぶれを見ると、芸歴の長いベテラン芸人が多いように思われる。3人の中で最も芸歴が長いのは多田。ここは多田が意地を見せて、4年連続で決勝敗退していた相方の山田與志の雪辱を果たす、というのがひとつの美しいシナリオとして考えられるのではないだろうか。  ......と、ひとしきり勝手に展開予想をしてみたものの、お笑いの勝負は水物。結果はフタを開けてみるまで分からない。決勝が行われるのは3月20日(火・祝)。19時から関西テレビ・フジテレビ系列全国ネットで生放送される。12人の芸人による意地と誇りをかけた真剣勝負に期待したい。 (文=お笑い評論家・ラリー遠田)
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決勝進出の8名が決定!ラリー遠田が見た「R-1ぐらんぷり2011」準決勝・東京大会レポ

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熱戦が繰り広げられた準決勝・東京。左上からスリムクラブ真栄田、ねづっち、ユリオカ超特Q、エハラマサヒロ、くじら、中山功太、レイザーラモンRG、楽しんご、中川家・礼二
 1月31日、ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2011」の決勝進出者8名が発表された。見事に決勝行きを決めたのは、AMEMIYA、佐久間一行、スリムクラブ真栄田、バッファロー吾郎・木村、COWCOW山田與志、キャプテン渡辺、ナオユキ、ヒューマン中村の8名。決勝戦の模様は、2月11日(金)の午後7時から、関西テレビ・フジテレビ系全国ネットで放送される。  今年の準決勝は、大阪・なんばグランド花月と東京・品川よしもとプリンスシアターで行われた。計80名の芸人が、決勝行きの切符をつかむために激闘を繰り広げていた。1月30日に行われた東京の準決勝から決勝に進んだAMEMIYA、スリムクラブ真栄田、バッファロー吾郎・木村、COWCOW山田與志、キャプテン渡辺の5名の戦いぶりを中心に、準決勝・東京大会の模様をレポートしていきたい。  説明の便宜上、出番の早い順からAグループ、Bグループ......とグループ分けをして説明していくことにする。なお、主催者の意向により、個々の芸人がどういうネタを演じたかを記事の中で公表することは禁じられている。ネタの内容には踏み込めないため、現場の雰囲気を中心にしたレポートになっていることをお断りしておきたい。  Aグループでは、一番手の大輪教授をはじめとして、ネゴシックス、サイクロンZ、Gたかしと、過去のR-1ファイナリスト達が立て続けに登場。彼らの安定感のあるネタで会場は早い段階から盛り上がった。特に、マジックの要素をうまくネタに取り入れたサイクロンZ、得意のものまねを生かしたGたかしの活躍が光っていた。  次のBグループでは、元・地方局女子アナという異色の経歴を持つピン芸人・小林アナが登場。捨て身のネタを見事にやりきって、良くも悪くも観客に衝撃を与えた。次に出てきたくじらは、「追加合格のくじらです」という自虐ネタできっちり笑いを取った。  Cグループでは、1人目の決勝進出者・AMEMIYAが自作の歌を熱唱するだけの、シンプルな構成のネタで爆笑を巻き起こす。圧倒的な歌唱力を生かしたわかりやすい歌ネタで、一気に自分の世界に引き込める力がある。決勝でも健闘するのは間違いない。  そして、何と言っても圧巻だったのは、同じグループで2人目の決勝進出者となったキャプテン渡辺。どこか切なさの漂う漫談ネタで、この日一番の大爆笑を獲得した。振り返れば、彼は昨年のR-1準決勝でも、トップクラスの笑いを取っていながら、テレビ向きではないネタを披露してしまったため、惜しくも決勝行きを逃していた。満を持して臨む今年の決勝では、派手に暴れ回ってくれるに違いない。  Eグループでは、今をときめく「2つの意味で"ゲイ"人」の楽しんごから、お笑い界の奇才・レイザーラモンRGまで、多彩な顔ぶれが並んだ。Fグループでは、アナログタロウ、長浜之人と、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で活躍する芸人たちの健闘が目立った。  そして、Gグループでは、3人目の決勝進出者・ノイズ真栄田(スリムクラブ真栄田)が、M-1で準優勝した勢いそのままに、異様な設定のコントで観客を圧倒した。また、それに負けじと意地を見せたのが、同グループで4人目の決勝進出者となったキムラ・ケブラーダ(バッファロー吾郎・木村)。『キングオブコント2008』の優勝者が、独創的なネタでピン芸でも新境地を見せた。  最後のHグループからは、COWCOW山田與志が5人目の決勝進出者に選ばれた。毎年、フリップ芸の新たな可能性を追求し続ける山田。今年もまた、めくりにめくりまくる笑いの波状攻撃を決めていた。  決勝進出者以外の芸人のレベルも高く、誰が勝ってもおかしくないハイレベルな準決勝だった。予選を勝ち抜いた8名の奮闘に期待したい。 (文=ラリー遠田) 【準決勝東京大会・出場者(出番順)】 ・Aグループ 大輪教授 杉岡みどり バイきんぐ小峠 ネゴシックス サイクロンZ Gたかし d ・Bグループ 小林アナ くじら さな 中山功太 くまだまさし 夙川アトム ・Cグループ AMEMIYA TAIGA マナティ マキタスポーツ キャプテン渡辺 鈴木つかさ ・Dグループ メルヘン須長 藤井ペイジ かたつむり林 竹若元博(バッファロー吾郎) 井上マー 田上よしえ ・Eグループ 横澤夏子 楽しんご レイザーラモンRG KICK☆ 井戸田潤(スピードワゴン) 長江もみ ・Fグループ ケンキ ホリ 鬼頭真也(夜ふかしの会) ねづっち アナログタロウ 長浜之人 ユリオカ超特Q ・Gグループ マリッジブルーこうもと ノイズ真栄田 オサダショルダー 島田秀平 吉富Aボタン キムラ・ケブラーダ やまもとまさみ ・Hグループ 星野卓也 中川家 礼二 スギタヒロシ COWCOW山田與志 エハラマサヒロ 南野やじ もう中学生
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