LCCジェットスター、相次ぐ大量欠航でも拡大路線の背景と、主要株主JALの本音

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「Wikipedia」より
 格安航空会社(LCC)・ジェットスター・ジャパンは、2012年7月の初就航から8カ月が過ぎ、3月22日には搭乗者が100万人を突破、日本航空(JAL)とのコードシェア(提携運航)もスタートし、新しい一歩を歩み出そうといている。  しかし、一方で課題は山積している。12年11月16日には整備上の問題で国土交通省から厳重注意を受け、翌12月に改善計画を提出したにもかかわらず、今年2月には再びエンジン故障事故が発生。 3月27日には那覇空港でジェットスターの乗客がはさみを持ち込んでいるのが発見されたが、持ち込み禁止のはさみであるかどうか十分確認しないまま、乗務員が乗客に返還し、保安検査場がいったん閉鎖、欠航や遅延がでるなど空港を混乱させたという。  なぜトラブルが頻発するのか。航空業界関係者は、「急速な拡大戦略に、社内体制の整備やコーポレートガバナンスができていないからではないでしょうか」と指摘する。  ジェットスターは11年8月16日、カンタス航空グループ、日本航空、三菱商事が3分の1ずつ出資して設立された。その後、12年3月12日には伊藤忠商事系の総合リース会社、東京センチュリーリースが三菱商事の保有株式の半分を引き受けて資本参加し、12年7月3日から東京-成田間の国内線を就航させた。  その後、他社の運賃よりも10%下げる最低価格保証を実施し、大々的に宣伝。一方で12年7月3日に成田-新千歳線、成田-福岡線、同9日に成田-関空(関西国際空港)線、成田-那覇線の運航を開始し、8月23日には関空の第2拠点化、24日には関空-新千歳線、関空-福岡線を、10月28日には関空-那覇線、那覇-新千歳線の運航開始と、矢継ぎ早に新路線拡大を発表した。  その猛烈な拡大ぶりに、ライバル航空会社の幹部はあきれ返るように語る。 「関空進出のときなどは、LCC事業を進めようとしていた関空から打診があったときには、何ら関心を示さなかった。そのためLCC用の運行ターミナルは小ぶりで、事実上ピーチしか利用できないようなものをつくることになっていたのですが、ジェットスターの鈴木みゆき社長が突然、関空の路線数や就航便数を増やし、拠点として利用するからと、拡大させたわけですよ。しかし、いまだに拠点化できていない」  実は11月に国交省から厳重注意があり、ジェットスターをめぐる環境は一変した。  同省関係者はいう。 「厳重注意をしたのは、整備の最終責任者にあたる確認主任者に、自分たちで決めた要件に満たしていない整備士を2人任命していたことが発覚したからです」  そのため12年12月6日から13年3月30日までの成田-関空線などで計3路線、806便の運休・時刻変更を発表した。運休は262便で4367人、スケジュール変更では544便で1万1270人の予約を受けていたが、振り替えや払い戻しで対応したという。    しかもジェットスターの関空拠点化は「厳重注意以降、話は聞かなくなりました」(関空関係者)という。ちなみにジェットスター側では「関空の拠点化は変わっていない」と説明するが、時期は未定だという。 ●LCCにくすぶる整備士不足  なぜこのような事態を起こしてしまったのか? 「ジェットスターの説明では、現場レベルでこうした社内の要件があったことを知らなかったこと、そして管理者がきちんとチェックしていなかったということでした」(国交省関係者)   しかし業界関係者は疑問を投げかける。 「自分の会社で決めた要件を社内が知らないなんて、大手の航空会社では考えられない。むしろ、ほかの理由があるのではないですか」  別の業界関係者がいう。 「実は、LCC各社は整備士の確保には非常に苦労しているのです。整備士というのは、そもそもJALやANAが必要とする数以上に養成してこなかった。大量に養成しても、就職できませんから。そのため、いきなりLCCが参入してきて、整備士が不足したのです。それに加えて、ジェットスターが保有するエアバス320は、国内ではこれまでANAしか保有していなかった。つまり、320の技術者はANAにしかいないのですから、そんな大量に整備士がいるわけがない。ほかの航空機の整備士に320のライセンスを取らせるにも、半年はかかる。オーストラリアのジェットスター本社から整備士を呼ぶにも、整備士の資格は各国で取得しなければなりませんから、日本の国内法などを勉強させなければならない。いずれにせよ、整備士を手当てする手段というのは、簡単にはありえないのです。そのような中での拡大戦略ですから、かなり無謀だったといえるのではないでしょうか」  厳重注意を受けた当時、ジェットスターの確認主任者は要件を満たしていない2人を含め14〜15人(現在は20人程度)、これで7路線24便を回さなければならないから、かなりきついスケジュールだ。しかも古参の整備士が急逝し、ローテーションがさらに厳しくなっていた。それでもなお、12月までに成田発着便の国内4路線28便、関空発着便の4路線20便まで増やすことを予定していたという。  実はジェットスター側もこの点は認めている。 「LCCというのは、収益を上げるために、スケールメリットや先駆者利益を得るため、路線を拡大していく必要がある。だから急速な拡大戦略を取らざるを得なかった。今、拡大戦略については社内の整備体制を配慮しながら慎重に対応している」 ●主要株主JALの本音  このような中で出資し、主要株主でコードシェアをしているJALはどう対応するのか? 「うちはあくまでも出資しているだけですから、特に何かやるつもりはありません。エアバス320もありませんから、専門の整備士もいません」(JAL関係者)  JALはカンタス航空と並ぶ筆頭株主で、役員や社員を出向させ、創業支援をした立場だが、ジェットスターへのさらなる支援には非常に慎重だ。 「そもそもジェットスターは、日本のマーケットに非常に関心を持ち、国交省が国内でLCCの参入の準備をしていたときにも積極的に協力していたのです。しかしジェットスターが国内で事業をするためには、外資の出資制限などがあったことから、国交省としては日本の慣習などをよく知っている国内のキャリアに資本参加させたかった。しかしANAはすでに独自でLCCの準備を進めていたことから、JALに白羽の矢が立ったのですが、JALは本当はあまり乗り気ではなかった。  しかも最初は3分の1を出資していた三菱商事も、伊藤忠関連の会社に保有株を半分売却してしまった。このままでは、JALはジェットスターを国交省から押し付けられかねない。それはJALにとっては不本意です。JALもジェットスターに何かあれば、いつでも手を引けるように、マイノリティー出資の形をとっているわけですから」(業界関係者)  ジェットスターは14年までに航空機を24機まで増強する予定で、成田-大分線、中部(中部国際空港)-福岡線、成田-札幌線が3月31日から就航を開始し、成田-鹿児島線、中部-鹿児島線などの就航も予定している。果たして進められる拡大戦略に、十分対応できる体制が社内でつくられているのか。ジェットスターの今後が注目される。 (文=松崎隆司/経済ジャーナリスト) ■おすすめ記事 堀江貴文仮釈放当日夜の様子を友人が語る「みんなに触られ、穏やか。服のサイズMに」 オセロ中島の早期復帰熱望に、テリー伊藤「病気治ってない。復帰前にすべきことある」 仕事の9割はコミュニケーションで決まる! 上司の怒りポイントを見極め仕事をスムーズに行おう!! 食事風景さえ追わない…ぬるい『情熱大陸』の少女時代ドキュメンタリーでは国家の壁を超えない! うつ病・社畜・就職浪人…… 生きづらい社会になった日本に全世界が同情中?

JALパイロットとの“ブチ切れ”合コン実況!写メで女性コレクションを自慢

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サイト「足成」より
 多い時は年間500以上の合コンをこなし、これまでの合コン回数は3000回以上の合コンプランナーとして、テレビ、雑誌などのメディアに多数出演している安藤京花氏。合コンサークル「カリテクラブ」運営会社のオフィスカリテ代表取締役を務める一方、定額制エステ『サロンドマシェリ』の代表でもある安藤氏が、合コンから垣間見えたアノ有名企業や人気業界の裏側に迫る!  こんにちは! 合コンプランナーの安藤京花です。  今回は、私が合コン参加男性にキレた、伝説の合コンをご紹介します♥ 「高収入の男性だけ集まる合コンを企画したから、安藤さん、女性集めてくれないかな?」と、40代経営者の男性から依頼を受けたときのことです。 「高収入って、わかりにくいです。どのようなお仕事をされている方が集まるんですか?」 「パイロットだよ、JALの。あとは経営者かな、だから可愛い子にしてね、みんな目が肥えている連中だからさ。普通の子だとブーイングされちゃうからね」  この言葉を聞いただけで「この男性のお友だちということは、絶対性格が悪い高収入の男性なんだろうな」と私の直感が反応しました。「そもそも君たちは、可愛い子を指定できるほどカッコいいのですか?」と疑問を持ちつつ、「類は友を呼ぶんだなー」と心から思いました。  私は、イベントコンパニオンを派遣するような合コンを主催したいわけではないので、いたって普通に可愛らしいOLさんに声をかけ「高収入のパイロットとその仲間たち合コン」という名のもとに3名をご招待しました。  そして当日、男性は高収入ということもあるのか、「奢るから、好きなもの食べていいからね」と、スタートから女性にチヤホヤ羽振りのいいところを見せてきました。  でも、それは最初の30分だけでした。だんだんお酒が回ってきたせいもあり、JALの自称独身の男性が、「僕のスイートコレクション見る?」と、おもむろに自分の携帯を隣の女性に見せてきたのです。見せられた女性は「はあ?」と呆れ顔。何を見せられたかというと、なんと女性が写る写メの数々……。 「僕いちおしの美人合コンメンバーだよ、この子はレギュラーメンバー。可愛いでしょう? 見ればわかると思うけど普通の子じゃないよ、モデルなんだよ」 「それで、この子は補欠だけど超美脚のダンサーなんだ。いつも参加男性の目線は彼女の美脚に集中するよ、罪だよね~美しさって(笑)」  嬉しそうに何度も写メを見せてくるのです。しかもほかの参加男性も、このJAL男を後押しするではありませんか! 「見せてもらいなよ。タレントも、こいつ知り合いだぜ」。高収入の男性陣は、合コン中ずっと、以前付き合った名前を聞いたこともないような芸能人の名前を挙げ、「あいつは俺に惚れていた。でも俺から断ったんだ」話で、私も含め参加女性の気を引こうとがんばっていました。 ●会計は、なんと「割り勘」!  そもそも合コンの鉄則として、ほかの異性の話は出さないことが暗黙の了解なのに、基本の「き」もできてない男性に、「合コン補欠」呼ばわりにされていた写メの女性たちは、この事実を知ったら怒ると思います。  そして、合コン終了となり、お会計。参加女性の冷ややかな空気を読み取った男性陣は、「これはマズイ、先はないな」と思ったのか、ありえない一言を発しました。 「じゃあ、女性ひとり4000円ね」 「奢るから、どんどん食べて飲んでね」と、2時間前まで言っていたあのセリフはどこへやら。大人げない態度の彼らに、さすがに私はキレました。 「あれ~? 女性も支払わなきゃダメになったんですか? だったら私が全額払いますよ、おいくらですか?」  するとパイロットの男性が「もういいですよ。僕が払います、領収書もらっていいですか?」と、お店の方にコソコソ頼んでいました。「もういいです」ってなんだよ、ソレ(怒)。  参加女性と私は足早にお店を後にし、「今日の合コンが女子会のネタになるくらい最悪だったね」話で盛り上がりながら歩いていたら、  なんとさっきの高収入男性らが追いかけてきたんです。その彼らのセリフが、二度とパイロットと呼ばれる男性とかかわっちゃいけないなと思える一言でした。 「待って~君たち! 今日の記念に写メ撮らせて!」  もちろんコレクションされたくないので、走って逃げました。ちゃんちゃん(笑)。 【今回の教訓】  合コンの席で開口一番「僕パイロットしてます」と言い、名刺を配布する男性は、女性をコレクションにしている可能性が大! (文=安藤京花/合コンプランナー、オフィスカリテ代表取締役) ■おすすめ記事 大手新聞社長、保身のために海外に飛ばした愛人と再燃し同棲生活!? トヨタ景気回復でもディーラーは違う?3月上旬まで超安値で車を買えるカラクリ “ハゲ鷹”に狙われる西武 提携解約と引き換え詐欺まで要求され上場できない!? 相手を快適にする「距離感」の作り方 14年新卒採用、特定の大学に絞り込む企業増…学生は再び大手志向強まる

結局はANAとJALがイイ!? 遅延に業績低迷LCCの翼が折れる!?

 サイゾーのニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 大手新聞社長、海外出張中に部下と愛人契約、経費で豪遊も リストラ部署の業務は「就職先を探すこと」最新解雇事情とは? 餃子の王将はブラック企業じゃない?スパルタ研修、人材育成へ多額投資… ■特にオススメ記事はこちら! 結局はANAとJALがイイ!? 遅延に業績低迷LCCの翼が折れる!? - Business Journal(1月18日)
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LCCのさきがけのひとつライアンエアー。
(「ウィキペディア」より)
 2012年は日本初のLCC(格安航空会社)が就航しLCC元年と呼ばれた。日本航空が再上場するなど航空(エアライン)業界は何かと話題が多かった。  13年はどうなるのか。1月7日、国内航空9社の年末年始(12年12月21日~13年1月6日)の利用実績が発表になった。航空各社にとって年末年始はかき入れ時、搭乗率は新規参入したLCC3社の今後を占う目安になる。搭乗率75%以上がLCCの採算ラインといわれているからだ。  航空専門情報会社・Aviation Wire調べによるとLCC3社の国内線の搭乗率は8割前後と好調だった。だが、LCCと大手に挟まれたスカイマークは7割台前半と苦戦した。  LCC3社のうち搭乗率が最も高かったのは関西国際空港を拠点とする全日空系のピーチ・アビエーション(大阪府泉佐野市、井上愼一CEO<高経営責任者>)。国際線が81.6%、国内線が83.5%だった。  次いで成田国際空港が拠点の日航系のジェットスター・ジャパン(成田市、鈴木みゆき社長)。国内線のみで78.7%。同じ成田が拠点の全日空系のエアアジア・ジャパン(成田市、小田切義憲・新社長)は国際線が72.2%、国内線が77.4%だった。  これに対して、スカイマーク(東京都大田区、西久保愼一社長)は国内線のみで73.0%。前年の年末年始の実績より10.1ポイント、数字を落とした。減少率が2ケタ台となったのはスカイマークだけである。  スカイマークがジェットスターやエアアジアと競合するのは成田発着6路線のうちの3路線。12年12月1カ月の搭乗率は福岡線が61.3%で最も高く、那覇線が47.7%、札幌線が38.3%。一方、ピーチと競合する関空の発着路線では那覇線が37.9%、札幌線が47.5%だった。スカイマークはLCCに客を奪われてしまったことを、数字が如実に示している。  スカイマークは12年3月、関西国際空港を拠点に、関西ー札幌(新千歳)、関西ー那覇の2路線を就航したが2路線とも搭乗率は5割を切る厳しい数字となっている。  このため収益の改善が見込めないとして関空発着の2路線から今年3月31日をもって撤退する。さらに那覇ー石垣を13年4月に就航する計画を発表していたが、発表から2週間も経っていない1月9日に就航を延期すると発表するなど迷走を続けている。  こうした“LCCショック”はLCCと競合していない航空各社にも及んだ。羽田ー北九州線を運航しているスターフライヤー(北九州市、米原愼一社長)は全日空の傘下に入った。12年12月12日付で、これまで筆頭株主だった米投資ファンドから全日空が24億円で株式を買い取り、18%を保有する筆頭株主となった。  スターフライヤーの年末年始の国内線の搭乗率は、前年より5.8ポイント減の72.4%。12年7月に初の国際線として就航した北九州-釜山線は62.1%にとどまった。その他のエアラインはAIRDO(札幌市、齋藤貞夫社長)が5.1ポイント減の76.5%、スカイネットアジア航空(宮崎市、高橋洋社長)が3.2ポイント減の72.6%だった。  大手2社はどうか。日本航空(植木義晴社長)の年末年始の国内線の搭乗率は67.7%(国際線は82.4%)、全日本空輸(伊東信一郎社長)は66.6%(国際線は77.1%)だった。ピーチの国内線、83.5%からすると低い搭乗率のように見えるが、前年の年末年始の搭乗率と比較すると、日航は4.4ポイント、全日空も3.9ポイント、それぞれ改善した。  大手2社は競合路線が少ないこともあってLCCの新規参入の影響をあまり受けなかったようだ。  スカイマークの13年3月期第2四半期(12年4~9月)の累計決算によると、売上高は462億円と前年同期で16.4%増となったものの、営業利益は66億円で26.8%減、純利益は29億円で33.7%減となった。通期での業績予想も下方修正した。スカイマークはLCCに完敗した格好だ。  LCCの前途は洋々かというと、そうではない。年末年始は1年のうちで利用者が最も多い時季である。ジェットスターとエアアジアの搭乗率は、採算ラインといわれる75%を上回っているが、通常の月は採算ラインを大幅に下回ることが多い。  全日空系のエアアジアでは、12年8月に就航したばかりというのに、4カ月後の12月にCEOが岩片和行氏(55)から小田切義憲氏(50)に交代した。就航後の平均搭乗率が65.4%で、目標の80%に届かなかったのが交代の理由だ。かき入れ時の年末年始の国内線の搭乗率も77.4%と目標に届かず前途は厳しい。  日航系のジェットスターも就航直後から欠航などのトラブルが相次いだ。11月16日には、経験が社内規定(3年以上)に満たない整備士を確認主任者に選任していたことが発覚し、国土交通省から厳重注意を受けた。そのため12月に予定していた関西国際空港を成田に次ぐ第2の拠点とする計画を延期した。  LCC3社のなかで比較的順調なのが、競合路線が少ない関西国際空港を拠点にしたピーチということになろうか。  国交省航空局がまとめた航空8社に関する「航空輸送サービスに係わる情報公開」(12年7~9月分)によるとLCCの遅延率が突出している。遅延率とは定時の運行予定時間より15分以上時間がかかった発着率の割合をいう。延滞率はエアアジアが57.2%でワースト1位。便の半分以上が定時運行していないということを示す。ワースト2位はジェットスターの25.9%。ピーチは13.7%でスカイマークの15.4%に次いでワースト4位だ。  欠航率は6.4%の日本トランスオーシャン航空がワースト1位だが、これは沖縄を直撃した台風による欠航がほとんど。実質的にはエアアジアの3.5%が1位。ジェットスターは1.4%、ピーチは1.1%だった。  LCCは少ない航空機を使い回してコスト削減するため、遅延や欠航が出やすい。ここに、コストをできるだけ掛けず事業の拡大を急ぐLCCのひずみを見ることができる。  LCCは早くも正念場を迎えた。 (文=編集部) ■おすすめ記事 大手新聞社長、海外出張中に部下と愛人契約、経費で豪遊も リストラ部署の業務は「就職先を探すこと」最新解雇事情とは? 餃子の王将はブラック企業じゃない?スパルタ研修、人材育成へ多額投資… アベノミクス+不倫?一億生涯恋愛宣言が景気回復に不可欠? またAndroidに不正アプリ 便利ツール装い個人情報盗む〜福袋、最速充電…

結局はANAとJALがイイ!? 遅延に業績低迷LCCの翼が折れる!?

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LCCのさきがけのひとつライアンエアー。
(「ウィキペディア」より)
 2012年は日本初のLCC(格安航空会社)が就航しLCC元年と呼ばれた。日本航空が再上場するなど航空(エアライン)業界は何かと話題が多かった。  13年はどうなるのか。1月7日、国内航空9社の年末年始(12年12月21日~13年1月6日)の利用実績が発表になった。航空各社にとって年末年始はかき入れ時、搭乗率は新規参入したLCC3社の今後を占う目安になる。搭乗率75%以上がLCCの採算ラインといわれているからだ。  航空専門情報会社・Aviation Wire調べによるとLCC3社の国内線の搭乗率は8割前後と好調だった。だが、LCCと大手に挟まれたスカイマークは7割台前半と苦戦した。  LCC3社のうち搭乗率が最も高かったのは関西国際空港を拠点とする全日空系のピーチ・アビエーション(大阪府泉佐野市、井上愼一CEO<高経営責任者>)。国際線が81.6%、国内線が83.5%だった。  次いで成田国際空港が拠点の日航系のジェットスター・ジャパン(成田市、鈴木みゆき社長)。国内線のみで78.7%。同じ成田が拠点の全日空系のエアアジア・ジャパン(成田市、小田切義憲・新社長)は国際線が72.2%、国内線が77.4%だった。  これに対して、スカイマーク(東京都大田区、西久保愼一社長)は国内線のみで73.0%。前年の年末年始の実績より10.1ポイント、数字を落とした。減少率が2ケタ台となったのはスカイマークだけである。  スカイマークがジェットスターやエアアジアと競合するのは成田発着6路線のうちの3路線。12年12月1カ月の搭乗率は福岡線が61.3%で最も高く、那覇線が47.7%、札幌線が38.3%。一方、ピーチと競合する関空の発着路線では那覇線が37.9%、札幌線が47.5%だった。スカイマークはLCCに客を奪われてしまったことを、数字が如実に示している。  スカイマークは12年3月、関西国際空港を拠点に、関西ー札幌(新千歳)、関西ー那覇の2路線を就航したが2路線とも搭乗率は5割を切る厳しい数字となっている。  このため収益の改善が見込めないとして関空発着の2路線から今年3月31日をもって撤退する。さらに那覇ー石垣を13年4月に就航する計画を発表していたが、発表から2週間も経っていない1月9日に就航を延期すると発表するなど迷走を続けている。  こうした“LCCショック”はLCCと競合していない航空各社にも及んだ。羽田ー北九州線を運航しているスターフライヤー(北九州市、米原愼一社長)は全日空の傘下に入った。12年12月12日付で、これまで筆頭株主だった米投資ファンドから全日空が24億円で株式を買い取り、18%を保有する筆頭株主となった。  スターフライヤーの年末年始の国内線の搭乗率は、前年より5.8ポイント減の72.4%。12年7月に初の国際線として就航した北九州-釜山線は62.1%にとどまった。その他のエアラインはAIRDO(札幌市、齋藤貞夫社長)が5.1ポイント減の76.5%、スカイネットアジア航空(宮崎市、高橋洋社長)が3.2ポイント減の72.6%だった。  大手2社はどうか。日本航空(植木義晴社長)の年末年始の国内線の搭乗率は67.7%(国際線は82.4%)、全日本空輸(伊東信一郎社長)は66.6%(国際線は77.1%)だった。ピーチの国内線、83.5%からすると低い搭乗率のように見えるが、前年の年末年始の搭乗率と比較すると、日航は4.4ポイント、全日空も3.9ポイント、それぞれ改善した。  大手2社は競合路線が少ないこともあってLCCの新規参入の影響をあまり受けなかったようだ。  スカイマークの13年3月期第2四半期(12年4~9月)の累計決算によると、売上高は462億円と前年同期で16.4%増となったものの、営業利益は66億円で26.8%減、純利益は29億円で33.7%減となった。通期での業績予想も下方修正した。スカイマークはLCCに完敗した格好だ。  LCCの前途は洋々かというと、そうではない。年末年始は1年のうちで利用者が最も多い時季である。ジェットスターとエアアジアの搭乗率は、採算ラインといわれる75%を上回っているが、通常の月は採算ラインを大幅に下回ることが多い。  全日空系のエアアジアでは、12年8月に就航したばかりというのに、4カ月後の12月にCEOが岩片和行氏(55)から小田切義憲氏(50)に交代した。就航後の平均搭乗率が65.4%で、目標の80%に届かなかったのが交代の理由だ。かき入れ時の年末年始の国内線の搭乗率も77.4%と目標に届かず前途は厳しい。  日航系のジェットスターも就航直後から欠航などのトラブルが相次いだ。11月16日には、経験が社内規定(3年以上)に満たない整備士を確認主任者に選任していたことが発覚し、国土交通省から厳重注意を受けた。そのため12月に予定していた関西国際空港を成田に次ぐ第2の拠点とする計画を延期した。  LCC3社のなかで比較的順調なのが、競合路線が少ない関西国際空港を拠点にしたピーチということになろうか。  国交省航空局がまとめた航空8社に関する「航空輸送サービスに係わる情報公開」(12年7~9月分)によるとLCCの遅延率が突出している。遅延率とは定時の運行予定時間より15分以上時間がかかった発着率の割合をいう。延滞率はエアアジアが57.2%でワースト1位。便の半分以上が定時運行していないということを示す。ワースト2位はジェットスターの25.9%。ピーチは13.7%でスカイマークの15.4%に次いでワースト4位だ。  欠航率は6.4%の日本トランスオーシャン航空がワースト1位だが、これは沖縄を直撃した台風による欠航がほとんど。実質的にはエアアジアの3.5%が1位。ジェットスターは1.4%、ピーチは1.1%だった。  LCCは少ない航空機を使い回してコスト削減するため、遅延や欠航が出やすい。ここに、コストをできるだけ掛けず事業の拡大を急ぐLCCのひずみを見ることができる。  LCCは早くも正念場を迎えた。 (文=編集部) ■おすすめ記事 大手新聞社長、海外出張中に部下と愛人契約、経費で豪遊も リストラ部署の業務は「就職先を探すこと」最新解雇事情とは? 餃子の王将はブラック企業じゃない?スパルタ研修、人材育成へ多額投資… アベノミクス+不倫?一億生涯恋愛宣言が景気回復に不可欠? またAndroidに不正アプリ 便利ツール装い個人情報盗む〜福袋、最速充電…

ANAが、“大優遇”JAL再上場潰し狙う怪文書をまいた?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ギャッツビーの汗ふき 使いづらい“アレ”の商品改善を要求してみた アパレルメーカーの本音は「アウトレットに出店したくない」!? Yahoo!IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い” ■特にオススメ記事はこちら! ANAが、“大優遇”JAL再上場潰し狙う怪文書をまいた? - Business Journal(8月14日)
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かげろうに揺れるJALの飛行機。(「足成」より)
 迷走を続けた日本航空(JAL)の再上場問題がやっと滑走路に乗った。JALは8月3日、株式の再上場が東京証券取引所から承認され、9月19日の大安吉日に東証1部に復帰する。2010年2月の上場廃止から2年7カ月という超スピードで経営再建を完了する。  目論見書に記載されている想定売出価格は3790円。売出価格から算出した時価総額は6878億円。全日空(ANA)の時価総額を、13%程度上回る。上場にあたり新株発行は行わず、売り出しのみ。JAL株式の約96%を保有する企業再生支援機構が保有する株式をすべて売却する。  ところで、JALの再上場問題が大詰めを迎えた7月上旬、こんな話が永田町や兜町に流れた。  要約すると、〈JALが9月の株式再上場を延期する。13年1月になる公算大。財務省が日本たばこ産業(JT)の株式売り出しを優先させたいため“行政指導”に乗り出した。東日本大震災の振興財源(5000億円)の確保という錦の御旗を押し立てた財務省のゴリ押しである。  企業再生支援機構は、13年1月末までにJALへの投資を回収しなければならない。1月、再上場だと企業再生支援機構も綱渡りの資金繰りとなり、パニック状態という。財務省が、JALの再上場に反対している自民党運輸族の顔を立てたわけではないだろうが、JALの経営陣は立ち往生だ〉  当初予定されていた東証の上場承認日は8月16日だった。大幅に予定が早まったのは、自民党から再上場への疑問の指摘が相次いだからだといわれている。「政局の影響をできるだけ排除したい」というJAL&企業再生支援機構の思惑が働いたという見方も台頭している。  8月7日には衆院国土交通委員会でJAL再建に関する集中審議が行われた。その前に上場承認を取り付けて、上場を既成事実化するという政治的な判断があったといわれている。自民党は振り上げた拳の持っていきどころを失った。  羽田雄一郎国土交通相は、7日の衆院国土交通委で「JALとANAなど競合他社との公平性を確保するための指針作りを検討する」考えを示したが、自民党が指針に盛り込むよう求めている新規投資や路線開設の制限は「法的根拠がなく、できない」と突っぱねた。  上場を承認する日を約2週間早めたにもかかわらず、再上場する日時は9月19日に据え置いた。稲盛和夫・名誉会長はずっと以前から「大安吉日に上場する」と言ってきた。上場日を前倒ししなかったのは、投資家への説明の時間を十分に確保するためだ。  というのも「安定株主」作りは予定通りには進んでいない。苦戦中だ。企業再生支援機構が保有する、JAL株式1億7500万株が一気に売り出されるからだ。 「ANAが自民党議員をたきつけた」。国土交通省がカンカンに怒ったのは、JALの経営上の問題点を指摘するような資料がANAルートで自民党議員にまかれたためだ。  自民党の航空問題プロジェクトチーム(PT)は7月13日、JALの再上場に反対する決議を採択した。決議ではJALの経営破綻の元凶の1つとなった「地方の路線」を復活するよう求めた。  ここからJALの再上場は政争の具となった。 「航空自由化が進み、欧州では1国1社が崩れ始めているのに、国交省航空局が運輸省時代からの遺物であるJAL・ANAの1国2社体制を守ろうとしたことが、再上場反対の気運が高まった原因です。JALの破綻処理後、買い手を探す努力をしなかった。入札になればANAが真っ先に手を上げることが確実視されていたからだ。スポンサー探しをせずにJALを再上場させるということは、2社体制を是とする国交省航空局のシナリオ通りになったことを意味する」(航空評論家)  ANAにはJALを買収する絶好のチャンスを封じ込められたうえに、不公平な競争を強いられる、という不満が強い。JALは長期間、税金が免除され、相対的に競争力が増す。公的資金を使って再生したJALは利益を上げながら9年間にわたり、約4000億円の法人税が免除される。こうなればANAとJALの力関係は逆転する。ANAにとっては、はなはだ面白くない。  だからANAは自民党議員をたきつけて反撃に出た。自民党もJALの再上場を歓迎していない。何故なら、JALが再上場すれば、政権交代した民主党政権の“初仕事”となったJALの再生の手法が間違っていなかったことを証明することにもなる。今にも倒れそうな野田政権に政治的なポイントを与えたくない。ANAと自民党は利害が一致した。  航空問題PTではANAの別働隊とみられても仕方のないような意見が飛び出した。7月6日の会合では、「JALの筆頭株主をANAにするとか、(ANAに)優先的に株式をたくさん買わせるとか、あるいは今の発着枠をANAに優先的に傾斜配分するとか、こういうことをやらない限り、(JALを)上場させたらダメだ」  次の選挙で自民党が政権に返り咲いたら、航空局の幹部たちを左遷するぞと、受け取れるようなブラフもかけた。ついでに、地方の赤字政治路線の復活を露骨に求めたのである。  自民党からの圧力が強まるなか、国交省、企業再生支援機構、JALは、再上場に向けて一点突破をはかる。JALの再上場日の前倒し決定がそれだ。これはJAL再生が政治的な“実績”になると考える官邸の意向とも一致する。 「JAL株式の再上場延期」説は、真夏の夜の夢だったのか。上場当日まで、JAL機を操縦するキャプテン・稲盛氏は乱気流を警戒し続けなければならない。 (文=編集部) ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ギャッツビーの汗ふき 使いづらい“アレ”の商品改善を要求してみた アパレルメーカーの本音は「アウトレットに出店したくない」!? Yahoo!IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い” 野村、外資系証券etc.“巧妙な”インサイダー取引の実態 ブームに踊る“誤った”バイオマス発電でハゲ山だらけに!? 3割も節税できちゃう!?“今すぐできる”賢い年金活用術 「もはやメリットがない」“世界の工場”中国から企業が撤退中!

京セラのJAL増資はインサイダーだった?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 暴走トーハンに抗う講談社社長の狙いは取次会社の中抜き? 孫正義が描くプラチナバンドの胸算用 アコム、アイフル株価上昇?消費者金融破綻・整理の最終章 ■特にオススメ記事はこちら! 京セラのJAL増資はインサイダーだった? - Business Journal(7月17日)
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『ありがとうジャンボ 〜The Final
Touch Down〜JAL Boeing747
Memorial DVD 』
「鶴(JAL)に恩返しさせろ」――。日本航空(JAL)の再建問題を議論している自民党国土交通部会の「航空問題プロジェクトチーム」(PT)の会合で、出席議員の1人は、JALのロゴマークの鶴丸と夕鶴の民話を掛けて、こう皮肉った。  PTは7月13日、JALの再上場に反対する決議をした。公的支援に加え、巨額の税金の免除を受けた日航が、国際線で新規路線を開設したり、格安航空会社(LCC)への出資で事業を拡大する一方、公共性の高い地方路線から撤退するなど、利益を社会に還元していないことを、反対の理由にしている。  PTは、「国際線などの新路線を開くことに何年か歯止めをかけるルールを作ること」や「縮小した地方路線の復活を進めること」を再上場を容認する条件にするよう、政府に要求した。  国の支援で業績を回復した以上、撤退した地方路線を復活して「鶴(JAL)は恩返ししろ」という理屈である。自民党航空族がゴリ押しした“政治路線”が、日航の赤字を招いた一因だったことを忘れたかのような乱暴な意見だが、その言い分には一理ある。  業績のV字回復は、銀行団の債権放棄による5215億円の借金棒引きや、官民ファンドの企業再生支援機構などから、7000億円を超える公的資金を受けたことが大きい。  政府の支援で再生した日航が再上場を急ぐのも、政府主導ならではのこと。JALは、現在、国が支援機構を通じて発行済み株式総数の96.5%を保有する筆頭株主。支援機構は来年1月中旬までに全株式を売却するよう義務付けられている。政府は是が非でも日航を上場させ、3500億円の出資金を回収しなければならない事情がこれだ。再上場をテコに株式を高値で売却することで、出資金(=公的資金)にプラスαをつけて返済することが「鶴の恩返し」なのである。  ライバルの全日本空輸(ANA)は「このままでは公正な競争ができなくなる」とかみついた。ANAが問題にしているのは、JALが巨額の利益を上げながら、法人税を免除されるという恩恵を受けていることだ。「日航は2012年3月期の法人税は約680億円軽減された」(毎日新聞7月4日付朝刊)。法人税の免除は昨年度から始まり、延べ9年間で4300億円を超えると試算されている。  法人税の減免は、企業が過去の赤字と今の利益を相殺できる一般的な税のルールだ。「ANAも2009年3月期が赤字になった影響で、2012年3月期は単体で約350億円の法人税が免除された」(同)。  ただし、JALの場合は経営破綻した際の資産の洗い直しで膨大な評価損が発生した。この多額の繰越欠損金で利益を帳消しにできるわけでメリットは大きい。  JALは、燃費効率が従来機より20%良い次世代中型機のボーイング787を45機購入する。この購入額が、9年間の法人税の免除額にほぼ匹敵することが判明している。こうした国の過剰な支援によって「競争環境がゆがめられている」と、ANAの伊東信一郎社長は不満を口にしたのである。  JALの再建策は民主党の前原誠司国土交通相(当時)が政治主導で決めたものだ。野党の自民党からすれば格好の攻撃材料だ。自民党の国土交通部会は7月13日、日航が2011年3月に実施した第三者割当増資についても「透明性に欠ける」と批判した。  同部会に招かれたJALの絶対の大株主である企業再生支援機構が、「(会社更生法の)更生手続きが近く終わる予定であることが、(増資の)引受先に伝わっていた」と述べたことから、批判の火が広がった。再上場が間近で株価の値上がりが確実な第三者割当増資だったことが明らかになったからだ。  11年3月15日の第三者割当増資では127億円を調達した。支援機構は「どこが出資したかは守秘義務で言えない」と公表を拒んだ。だが、公表を拒んだってダメである。  第三者割当増資は、JALの稲盛和夫・名誉会長(11年3月時点では会長)の出身母体である京セラが50億円、大和証券グループ本社が50億1000万円を出資したほか、大手旅行会社のJTBと阪急交通社、損害保険会社の三井住友海上火災保険や損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険、東京海上日動火災保険の合計8社が引き受けた。  第三者割当増資が完了した直後の3月28日、JALは更生手続きを終えている。  出席した自民党議員からは「インサイダー取引だ」との指摘が出たが、金融庁の担当者は「JALは非上場企業なのでインサイダー規制は適用されない」との認識を示した。その当時は、確かに非上場企業とはいえ、再上場のスケジュールがほぼ明らかになっている企業の株式を、単なる非上場企業と一緒にしていいものなのか。  確か11年3月、「ほかに大口の引き受け手がなかったから」と、京セラが50億円を出資した理由について説明されたと記憶しているが、JALの再建を主導してきた稲盛氏がオーナーの京セラが、第三者割当増資を引き受けたことの是非が問われることになる。  民主党の分裂で衆院解散、総選挙が現実味を帯びる。国交省は政権に復帰するかもしれない自民党の意向を無視できず、地方路線の拡充をJALに要請する事態に追い込まれた。JALの再上場は、まずは、“政治赤字路線”の復活という副産物を生むことになろう。  順調とみられてきた鶴のマークのエアラインの再上場は、最終局面で、政治の乱気流に巻き込まれ、ダッチロールすることとなった。 (文=編集部) <おすすめ記事> 暴走トーハンに抗う講談社社長の狙いは取次会社の中抜き? 孫正義が描くプラチナバンドの胸算用 アコム、アイフル株価上昇?消費者金融破綻・整理の最終章 ルネサス再建を阻む、融資打ち切り懸念と3年前の時限爆弾? 沢尻大麻疑惑、たかのビューティ「今後のCM契約は未定」 リクルート上場で、億万長者の社員が続出は吉と出るか? パン焼きオーブンでアスベスト被害「気づいてほしい」遺族の願い

JAL機長、血まみれ骨折でもフライトするこれだけの理由

 4月23日(月)にサイゾーが“満を持して”オープンした新ニュースサイト「Business Journal」では、話題の企業・経済ニュースから、ビジネススキル、蓄財・運用、充実したプライベートライフを実現させるための実用情報まで、“本音の”情報をお届けします。  今回は「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップ! このほかにも、東電、AIJからスマホ、FX、AKBまで、サイゾーだから書ける“ディープ”かつ“役に立つ”情報が満載ですので、ぜひともご覧ください! JAL機長、血まみれ骨折でもフライトするこれだけの理由 - Business Journal(4月25日)
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「写真素材 足成」より
 日本航空(JAL、植木義晴社長)をめぐっては、マスコミは経営の神様・稲盛和夫名誉会長(京セラ創業者)による"再建美談"一色だが、行き過ぎた利益至上主義の刷り込みとモノ言えぬ雰囲気が社内に広がった結果、「空の安全」さえ脅かされているとの声もささやかれている。国土交通省も事態を注視しており、株式再上場に影響が出る恐れもある。  まず、"再建"の一環として行われたJALパイロットに対する整理解雇の是非をめぐる裁判を見てみよう。3月29日に判決が出されたこの裁判で東京地裁(渡邉弘裁判長)は、解雇を有効と認める判決を言い渡した。「会社の言いなり」(山口宏弥原告団長)とパイロットらが強く反発する同判決には、「空の安全」を軽視するという致命的な欠陥がある。 裁判所が「想定外」と言う事態が、すでに起こっていた?  会社更生手続き中の整理解雇が争われた初の事件として、労働問題や事業再生に携わる専門家はもちろん、広く社会の注目を集めたJAL裁判だが、航空関係者の間では、「体調不良による休職を基準とするクビ切りが、どう判断されるか?」という点が、ひそかな関心を呼んでいた。 「裁判で原告側は、体調不良を正直に申告して一時的に休んだ人を解雇するなら、健康状態を会社に正直に申告することが難しくなり、『空の安全』を脅かすと主張しました。しかし渡邉裁判長は、『(そうした)事態はにわかに想定し難い』と切って捨てたのです」(原告関係者)  実際に判決文には、「多数の乗客乗員の生命や財産を預かる航空輸送に携わる者として高い職業倫理を有する運航乗務員や航空会社の産業医が、(略)運航の安全に対する脅威となるような判断を行うといった事態はにわかに想定し難い(略)」と書かれている。パイロットらは、高い職業倫理を持っているから、たとえ自分がクビを切られる恐れがあっても、健康状態を正直に申告し、健康に問題があったら安全優先の判断をするはずだ、というのだ。もちろん、そうあってほしい。  だが、実際にはこの判決が出る3カ月近くも前に、現場ではこの「にわかに想定し難い」ことが起きていた。  それが、1月2日の旭川発羽田行1116便で起きた、肋骨を骨折した機長が無理を押して航空機を操縦した「骨折フライト事件」だ。この事件について、「フライデー」(講談社/2月23日号)の直撃取材を受けた稲盛名誉会長は「聞いていない」と答えているが、事件発生の背景には何があるのだろうか?  まず、複数のJAL関係者の話を総合すると、事件の経緯はこのような具合だ。機長には乗務前、機体の周りを歩いて異常がないか点検する任務がある。1116便のK機長はこの出発前点検の際、凍りついたエプロン(飛行場内の駐機場所)で転倒して右脇腹を強く打ち、顔面も負傷して血を出した。  ところがK機長は、「大丈夫だから」と言い残してコックピットに乗り込んだのだ。旭川から羽田までは2時間弱。何事もなく着いたのは、ほんとうに幸運だった。着陸後、同機長は激しい痛みでボーディングブリッジ(ターミナルビルから旅客機に、乗客・乗員を乗降させるための設備)で倒れ込む。機長は、同僚に自家用車を運転してもらい、新浦安にある自宅近くの大学病院に担ぎ込まれ、そこで「肋骨骨折」と診断され、入院したのだ。もし激痛がフライト中に起きていたらと思うと、背筋が寒くなる。  しかもJALは、この事件を隠していたというのだ。 「会社は2カ月以上もこの件を公にせず、国交省にも20日以上たってから、『フライト中は痛みが引いていたから、問題なかった』と報告したのです」(JAL社員) 血まみれ機長を飛ばせた理由とは?  国交省通達によれば、航空会社は、機長の健康を常時把握し、問題があれば、躊躇なく安全を最優先して乗務を止めなければならない。そして機長には、自らの健康状態を会社に申告することが義務づけられている。  ではなぜ、K機長は無理をしたのか? 渡邉裁判長は否定したが、伏線は2010年の大晦日に強行された165人の整理解雇にあったのだ。解雇されたJAL元パイロットは「『直近の病欠・休職』を理由のひとつにクビ切りが行われたため、パイロットが体調不良を正直に申告しにくくなったのです」と語る。また、あるJALの幹部は、「今回の解雇は、はっきり言って禍根を残した。運航本部としても唯々諾々と受け入れたわけではない」と悔やむ。    もの言えぬ風潮に拍車をかけたのが、「利益が第一」と教える「JALフィロソフィ」と、京セラのアメーバ経営を持ち込んだ「部門別採算制」だ。 「旭川空港には交代要員のパイロットがいなかったため、搭乗予定パイロットのケガ=欠航となってしまう。1116便の機長は、社内では『利益第一』を推進する管理職に過ぎないので、売上を落とす欠航を言い出しにくかったのでしょう。1便1便の収支が社内に掲示され競争が煽られているのも、『安全のために飛ばない』という判断を難しくしています」とK機長の同僚機長は心中をおもんぱかる。  別の機長も、「何かあっても、現場が『飛ばさない』という判断をするのが厳しい。先日もエンジンにリミットアウト(修理しなければ飛べない傷)があったのに、何日も報告されなかった。ミスを報告しにくい雰囲気になっている」と明かす。  10 年1月の会社更生法適用申請後、官民ファンド・企業再生支援機構の下で経営再建中であるJAL。同社は2月、12年3月期通期の営業利益予想を従来予想比400億円増の1800億円に上方修正し、過去最高だった11年3月期(1884億円)に近づく見通し。累積損失解消も視野に入ってきたと言われている。  たしかに、稲盛氏の下でJALは、大幅な路線廃止・縮小、不採算事業の整理、リストラを大胆に進め、財務はピカピカになったといえよう。だが、万が一にも大事故が起きれば、すべては一瞬にして水泡に帰す。JALは再上場の前に、「安全なくして、利益なし」の原点を思い出すべきではないか。 (文=北 健一) ※このほかにも「Business Journal」には、ビジネスパーソンを刺激する記事が満載!ぜひご覧ください! ■そのほかの記事(一部抜粋) ツナマヨが欠品のコンビニは失格! アパマンに載らない新居選びのツボ 「目ん玉売れ!」の商工ローンと武富士が強力タッグ デキる男は"精子も元気"カンタン不妊対策

JAL機長、血まみれ骨折でもフライトするこれだけの理由

 4月23日(月)にサイゾーが“満を持して”オープンした新ニュースサイト「Business Journal」では、話題の企業・経済ニュースから、ビジネススキル、蓄財・運用、充実したプライベートライフを実現させるための実用情報まで、“本音の”情報をお届けします。  今回は「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップ! このほかにも、東電、AIJからスマホ、FX、AKBまで、サイゾーだから書ける“ディープ”かつ“役に立つ”情報が満載ですので、ぜひともご覧ください! JAL機長、血まみれ骨折でもフライトするこれだけの理由 - Business Journal(4月25日)
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「写真素材 足成」より
 日本航空(JAL、植木義晴社長)をめぐっては、マスコミは経営の神様・稲盛和夫名誉会長(京セラ創業者)による"再建美談"一色だが、行き過ぎた利益至上主義の刷り込みとモノ言えぬ雰囲気が社内に広がった結果、「空の安全」さえ脅かされているとの声もささやかれている。国土交通省も事態を注視しており、株式再上場に影響が出る恐れもある。  まず、"再建"の一環として行われたJALパイロットに対する整理解雇の是非をめぐる裁判を見てみよう。3月29日に判決が出されたこの裁判で東京地裁(渡邉弘裁判長)は、解雇を有効と認める判決を言い渡した。「会社の言いなり」(山口宏弥原告団長)とパイロットらが強く反発する同判決には、「空の安全」を軽視するという致命的な欠陥がある。 裁判所が「想定外」と言う事態が、すでに起こっていた?  会社更生手続き中の整理解雇が争われた初の事件として、労働問題や事業再生に携わる専門家はもちろん、広く社会の注目を集めたJAL裁判だが、航空関係者の間では、「体調不良による休職を基準とするクビ切りが、どう判断されるか?」という点が、ひそかな関心を呼んでいた。 「裁判で原告側は、体調不良を正直に申告して一時的に休んだ人を解雇するなら、健康状態を会社に正直に申告することが難しくなり、『空の安全』を脅かすと主張しました。しかし渡邉裁判長は、『(そうした)事態はにわかに想定し難い』と切って捨てたのです」(原告関係者)  実際に判決文には、「多数の乗客乗員の生命や財産を預かる航空輸送に携わる者として高い職業倫理を有する運航乗務員や航空会社の産業医が、(略)運航の安全に対する脅威となるような判断を行うといった事態はにわかに想定し難い(略)」と書かれている。パイロットらは、高い職業倫理を持っているから、たとえ自分がクビを切られる恐れがあっても、健康状態を正直に申告し、健康に問題があったら安全優先の判断をするはずだ、というのだ。もちろん、そうあってほしい。  だが、実際にはこの判決が出る3カ月近くも前に、現場ではこの「にわかに想定し難い」ことが起きていた。  それが、1月2日の旭川発羽田行1116便で起きた、肋骨を骨折した機長が無理を押して航空機を操縦した「骨折フライト事件」だ。この事件について、「フライデー」(講談社/2月23日号)の直撃取材を受けた稲盛名誉会長は「聞いていない」と答えているが、事件発生の背景には何があるのだろうか?  まず、複数のJAL関係者の話を総合すると、事件の経緯はこのような具合だ。機長には乗務前、機体の周りを歩いて異常がないか点検する任務がある。1116便のK機長はこの出発前点検の際、凍りついたエプロン(飛行場内の駐機場所)で転倒して右脇腹を強く打ち、顔面も負傷して血を出した。  ところがK機長は、「大丈夫だから」と言い残してコックピットに乗り込んだのだ。旭川から羽田までは2時間弱。何事もなく着いたのは、ほんとうに幸運だった。着陸後、同機長は激しい痛みでボーディングブリッジ(ターミナルビルから旅客機に、乗客・乗員を乗降させるための設備)で倒れ込む。機長は、同僚に自家用車を運転してもらい、新浦安にある自宅近くの大学病院に担ぎ込まれ、そこで「肋骨骨折」と診断され、入院したのだ。もし激痛がフライト中に起きていたらと思うと、背筋が寒くなる。  しかもJALは、この事件を隠していたというのだ。 「会社は2カ月以上もこの件を公にせず、国交省にも20日以上たってから、『フライト中は痛みが引いていたから、問題なかった』と報告したのです」(JAL社員) 血まみれ機長を飛ばせた理由とは?  国交省通達によれば、航空会社は、機長の健康を常時把握し、問題があれば、躊躇なく安全を最優先して乗務を止めなければならない。そして機長には、自らの健康状態を会社に申告することが義務づけられている。  ではなぜ、K機長は無理をしたのか? 渡邉裁判長は否定したが、伏線は2010年の大晦日に強行された165人の整理解雇にあったのだ。解雇されたJAL元パイロットは「『直近の病欠・休職』を理由のひとつにクビ切りが行われたため、パイロットが体調不良を正直に申告しにくくなったのです」と語る。また、あるJALの幹部は、「今回の解雇は、はっきり言って禍根を残した。運航本部としても唯々諾々と受け入れたわけではない」と悔やむ。    もの言えぬ風潮に拍車をかけたのが、「利益が第一」と教える「JALフィロソフィ」と、京セラのアメーバ経営を持ち込んだ「部門別採算制」だ。 「旭川空港には交代要員のパイロットがいなかったため、搭乗予定パイロットのケガ=欠航となってしまう。1116便の機長は、社内では『利益第一』を推進する管理職に過ぎないので、売上を落とす欠航を言い出しにくかったのでしょう。1便1便の収支が社内に掲示され競争が煽られているのも、『安全のために飛ばない』という判断を難しくしています」とK機長の同僚機長は心中をおもんぱかる。  別の機長も、「何かあっても、現場が『飛ばさない』という判断をするのが厳しい。先日もエンジンにリミットアウト(修理しなければ飛べない傷)があったのに、何日も報告されなかった。ミスを報告しにくい雰囲気になっている」と明かす。  10 年1月の会社更生法適用申請後、官民ファンド・企業再生支援機構の下で経営再建中であるJAL。同社は2月、12年3月期通期の営業利益予想を従来予想比400億円増の1800億円に上方修正し、過去最高だった11年3月期(1884億円)に近づく見通し。累積損失解消も視野に入ってきたと言われている。  たしかに、稲盛氏の下でJALは、大幅な路線廃止・縮小、不採算事業の整理、リストラを大胆に進め、財務はピカピカになったといえよう。だが、万が一にも大事故が起きれば、すべては一瞬にして水泡に帰す。JALは再上場の前に、「安全なくして、利益なし」の原点を思い出すべきではないか。 (文=北 健一) ※このほかにも「Business Journal」には、ビジネスパーソンを刺激する記事が満載!ぜひご覧ください! ■そのほかの記事(一部抜粋) ツナマヨが欠品のコンビニは失格! アパマンに載らない新居選びのツボ 「目ん玉売れ!」の商工ローンと武富士が強力タッグ デキる男は"精子も元気"カンタン不妊対策

航空専門誌『エアワールド』の竹内編集長に聞く 絶好調のJALにつきまとう不安要素とは?

 戦後最大の倒産とまでいわれた日本航空(JAL)の会社更生法申請から2年。「堕ちた翼」とまで揶揄された倒産航空会社が、早くも業績を回復させてナショナルフラッグの威厳を取り戻しつつある。  JALが先ごろ発表した「5カ年中期経営計画」によれば、中心となって再建を進めてきた稲盛和夫会長が名誉会長に退き、会長職に大西賢前社長が、新社長にはパイロット出身の植木義晴氏が就任。前社長で「整備畑」出身の大西氏に続く二代続けての"現場上がり"の社長となる。JALといえば、これまで現場の空気を知らない「経理畑」や「総務畑」出身者が長らくトップを務める時代が続き、これが要因の一つとなって経営を破たんさせた。その意味で、実務型の"できる"人物を二代続けてトップに据えた稲盛前会長の人事を、「社内の士気を高める」(業界紙)と評価する声は多い。  JALは2012年3月期連結決算の業績予想を、従来予想より400億円引き上げて1,800億円と上方修正。これは全日空(ANA)のほぼ倍にあたる数字だ。業績回復の理由として「一つには徹底したコスト削減が実を結んだ」と言うのは、航空専門誌『エアワールド』の竹内修編集長だ。 「JALの社員が札幌へ出張するような場合、仮に自社の直行便が一般客で満席の場合は、今まではANAの便などを利用していました。ところが、今は自社便でいったん大阪などを経由して、それから札幌へ行くなどの節約をしているようです。また、整備スタッフが使っている軍手などの消耗品も、今までのようにすぐに捨てずに大事に使うなど、いわば涙ぐましいまでの節約を続けています。もちろん、格安航空会社のLCCでは既に当然のことなのですが、あのJALが2年でここまで節約概念を身につけたという点は評価されていいのではないでしょうか」  また、社内の風通しも、官僚的要素が強かった以前とは比較にならないほどよくなったという。 「大ヒットしたアニメ映画『けいおん!』にJAL本社が協力しており、劇中にも鶴丸のマークが描かれたJALの機体が登場しているんですが、この人気に便乗したJALの関連会社「ジャルパック」が、映画の舞台となったロンドンにからめて「『けいおん!』ロンドンJALパックツアー」を企画して人気を集めています。こうしたかつてのJALでは見られなかった横の連携と、チャンスを最大限に活かして利益を上げていこうという姿勢も、企業の体質が変化してきた表れの一つだと言えるのではないでしょうか」(竹内氏)  しかしその一方で、不安要素もあると竹内氏は言う。 「JALは燃料効率のいい次世代旅客機、ボーイング787(ドリームライナー)を積極的に活用することで、アメリカのサンディエゴやフィンランドのヘルシンキへの便を新たに開設するとしています。ヘルシンキは欧州便の中では比較的短い時間で行けることもあって、意外に人気が高い。その意味で路線の開設そのものはアリだと思うのですが、肝心な787に最近不具合が見つかりました。ボーイング社は問題ないとコメントしていますが、不安を感じている関係者は多いはずです」  また、787の引渡しの遅れには、最近起きた"ある事故"の影響を指摘する声もある。というのも、アメリカのボーイング社の工場で昨年、工員がJALに引き渡す予定の「787」にひかれ、足を切断する事故があったとの情報が流れたのだ。車の納車を大安に選ぶほど縁起を重んじる日本人にとって、こうした機体を引き取ることには抵抗があるはずだ。  事実、この事故との関連は不明ながら、JALは787の引き渡しが当初の予定から大幅に遅れて3月末以降にずれこむとの見通しを明らかにしている。当初のJALの計画では、3月末に「成田―モスクワ線」など3路線に787を就航させる予定だったが、これらについては引き渡しの遅れにより既に延期が決まっている。また、4月22日に新たに開設される新生JALの象徴路線とも言うべき「成田―ボストン線」にも、787の納入が間に合わないとさえウワサされている。  不安要素は787の納期だけではない。業績回復を追い風に9月をめどに目指す再上場についても、巨額の債権放棄を強いられた金融機関の抵抗感は決して小さくないはずだ。竹内氏が続ける。 「いくら業績が回復したといっても、5,800億円の債権放棄と3,500億円の公的資金導入の結果であることは間違いないですから。再上場となれば金融機関は大量の新株購入を求められるわけで、釈然としない銀行が出てくるのも当然です。場合によっては、これが原因で再上場の時期がずれ込むことも考えられそうです」 (文=浮島さとし)
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「観光にさらなる打撃」またまたサーチャージ値上げ! 日本の航空業界はどうなる!?

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 中東情勢の混迷や、福島第一原発の事故を受けての世界的な「原発離れ」による原油価格高騰のあおりを受けて、飛行機代がまた上がる。全日本空輸(以下、ANA)では、6月発券分から国際線の燃油サーチャージを値上げすると発表。上げ幅は1,000~7,500円程度で、これにより運賃に上乗せされるサーチャージ(片道1人分)は、北米やヨーロッパで2万5,000円(現行1万7,500円)、ハワイで1万6,000円(同1万1,000円)となる。  また、日本航空(以下、JAL)でも6月から同規模の値上げを行う予定で、これによるサーチャージは北米やオセアニアで2万5,000円(現行1万7,500円)、グアムで8,000円(現行5,000円)、タイやシンガポールで1万3,000円(同8,500円)となる見込み。さらに、外資系航空会社も軒並み値上げを表明している。  各航空会社が一斉にサーチャージの値上げに動くのは、2月の引き上げ(500円~3,500円程度)に続き、今年に入り早くも2回目。路線によっては「昨年末の運賃より1万円以上高くなる便も少なくない」(都内旅行代理店)という。  ローコストキャリア(LCC)と呼ばれる格安航空会社が国内にも急速に浸透しつつある中、今回の値上げがそうしたニーズ拡大に逆風になることはないだろうか。  これについて、今回の値上げで打撃を受けるのは「LCCよりは、正規料金に近い価格でビジネス客を相手にしている大手キャリアのほうが大変」と言うのは、航空専門誌「エアワールド」編集長の竹内修氏だ。 「LCCの利用者は、多少値上げされても他に選択肢はありません。その反面、これまでビジネスクラスで社員を出張に行かせていた企業は、ただでさえ経費削減が求められるのに、これ以上値段が上がるなら出張自体の数を減らすか、出張をするにしても価格の安いエコノミークラスの利用が増えるでしょう。こうした動きが進めば、エコノミーでも高いからLCCを使えという流れにもなりかねません」  さらに3月の震災以降、海外からのビジネス客が減少を続けていることも大きな不安要素だ。 「従って、こうした高価格ゾーンを収益の柱としている大手エアラインにとっては苦しい展開が予想されます。LCCとしてはむしろ、富裕層から流れ込んでくる新たな顧客層が見込めるかもしれません」  総じて"負け組"に甘んじていると言われている航空業界だが、その中でも業態による勝ち負けの二分化が予想されるというわけだ。  また、昨年秋から国際便の運行が一部復活し、「成田より便利な国際空港として今後に大きな期待がかかる羽田空港」(前出の旅行代理店)に、こうした値上げの動きはどんな影響をあたえるのだろうか。竹内氏が言う。 「羽田で国際便が認可されたといっても、北米便やヨーロッパ便の発着は早朝や深夜の時間帯に限定されています。出発が早朝6時ならチェックインは4時ごろまで。となると電車やバスはまだ走ってないので、ホテルに前泊する必要がある。しかも行き先がニューヨークの場合、羽田を6時に出ると時差の関係で到着が朝5時ごろ。あまりの不便さに利用者数は伸びていません。それどころか、欧米のエアラインの中には事実上の撤退を検討している会社もあるという噂です」  各社とも表向きは大震災の影響による「一時的な運休」としてはいるが、利用客が伸びず、儲からない羽田の国際便から、これを契機にフェイドアウトしたいというのが本音のようだ。今回の値上げがこうしたネガティブな動きにさらなる拍車がかかるということなのか。 「ただ、JALやANAと提携関係にあるエアラインは、契約上の問題で自社の一存で撤退するわけにはいきませんし、将来の羽田の発着枠の拡大をにらむと、今ここでフェイドアウトの決断をするのは難しい。今回の値上げで即撤退や運休を決めるエアラインが出てくることはないと思いますが、このままサーチャージが高い水準にとどまれば、前述したように、羽田がメインターゲットにしている企業の海外出張者の数も減少します。苦しい状況になることは間違いないでしょう。逆に、値上げをしない、あるいはしても小額の中東系航空会社は有利になるかもしれません」  また、今回の値上げで打撃をこうむるのは、航空会社よりも観光業界全体だと竹内氏は予測する。 「今年は稼ぎ時のゴールデンウィークが震災の影響で低調でしたので、ホテルや旅館はなんとか夏休みで盛り返したいと考えていたはず。今回の値上げで出鼻をくじかれた感は否めません。震災で激減した中国人旅行者が最近になってようやく戻ってきたといわれていましたが、彼らの旅行形態は大半が極めて低価格のパックツアー。6,000円、7,000円の値上げは正直痛い。観光業界としては間違いなく逆風でしょう」  原油価格が上がればチケットの値段も上昇し、震災やテロが起これば不安感から利用者は激減する。一見、華やかに見える航空業界が、実は極めて不確かな要素に左右される"水商売"的なビジネスである実態が、今回の値上げであらためて露呈したと言えるだろう。 (文=浮島さとし)
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