
テレビの未来をAR(拡張現実)が拡張する!?『情熱大陸』とAKB48アプリでコラボ



拡張現実のわかりやすい使い方でおなじみ、AR三兄弟(長男:川田十夢、次男:高木伸二、三男:小笠原雄)が「AR三兄弟は、GMOとくとく通信で得をするのか、損をするのか、展。」を開催している。
国道246号線沿いにある東京・渋谷の+SANOW LABs. (サノウラボプラス、東京都渋谷区道玄坂1-16-3渋谷センタープレイス1F)にて、9月14日までの5週間にわたり、平日にさまざまな発明品を展示。その展示内容は週替わりで、8月6日から10日までの第1週には「AR三兄弟の拡張記念切手。これでやっと、手紙に時間が添付できるようになりました。」と題し、なんと切手を拡張する発明を出展していた!
切手をARマーカにして動画を再生させる試みは英国でも2010年に行われていたが、今回AR三兄弟が開発したのは、ユーザーが任意で撮影した動画を再生させられるようにしたAR切手とアプリの組み合わせ。
まず、アプリの入ったiPhoneで、動画を15秒以内で撮影する。そして、ARマーカが仕込まれた切手にiPhoneをかざすと、あら不思議、いま自分で撮影したばかりの動画が切手から“ばびゅーん”と飛び出してくるじゃありませんか!
現在は撮影と再生について最低限度の機能しか実装していないとはいうものの、撮影した動画がその場で切手から再生される光景はかなり衝撃的。このキャプチャー&ビューワーアプリは、今秋にもiPhoneで試験的にリリースする予定だという。
さっそく、首謀者のAR三兄弟長男、川田十夢に話を訊いてみた。
──いやいや、すごい発明ですね。
川田 もう、脅迫に使ったりとかね。橋下(徹大阪市長)さんとか。
──えっ(笑)。プレイに使った衣裳はCAだけじゃないだろう! みたいな感じですか。
川田 よくないですか、そういうの(笑)。あるいは、ファンレターのお返しに吉木りさが水着で挨拶をしてくれるとか。あと、風鈴がちりんと鳴る風鈴切手(笑)とかね。使い方はいくらでもあると思うんですよ。
──なるほど。アイデア次第か……。
川田 日本郵政に働きかけて日本の郵政を変えたい! 暑中見舞い、冷やし中華始めましたAR版、クリスマスカード、ARプロポーズ……AR示談(笑)。いろいろできます。
──15秒というのは容量的な制限?
川田 いや、長すぎると手紙を全部読んじゃうかな、と。大事な伝えたいことだけ、一部分というのがいいと思って。
──さっきの脅迫状だと、一番やばい部分だけ(笑)。
川田 使った衣裳を見せるとかね(笑)。それから振込先はここだ、と。まあもちろん、恐喝というのは冗談なんですけど、マネタイズがひとつの問題なので。切手自体で儲けるというより、切手を有効利用したコンテンツの儲けにつなげてもらえるといいかもしれない。
ARの、無限大の可能性を狭めてわかりやすくする、というコンセプトが、アナクロなメディア上で炸裂してしまったAR切手&アプリ。この15秒限定撮影&再生を基本仕様に、いくらでもカスタマイズが可能だという。
──応用範囲が広がりそうですね。
川田 そうですね、DMもこれでいけるし。生活にちゃんと落とす。おじいちゃんおばあちゃんに使ってほしくて、それなら切手かなと。郵便局に行けばARで観られるというサービスも同時に始めればいいのに。
──システムとしてAR入れちゃえよ、と。
川田 そうなんですよ、これは拡張記念切手という名前なんですけど、これそのまま採用していいので。世界初。ぜひやってほしいですね。『007』のようなスパイっぽいものを先にやっちゃえば。イギリスが真似をしたくなるような。
──ともに開発された次男の高木さんは、使ってみてどうでしたか?
高木 動画を撮るときにすごく緊張しました。互いに宛てた手紙を書いて読み上げるなんて、日常であまりないじゃないですか?
──確かに普通の電話より恥ずかしいですね。
川田 告白とか、モメたときとか、ごめんなさいとか、お金の話をするとか。
──これどうなんでしょうね、修羅場で使ったら彼女に許してもらえるのか?
川田 それがクスっとするとか、本当にかわいそうだなと思えるものであれば。
──直接会うとやばくなるし、会わなくてもこじれるなら、中間のクッション的なメディアになるかもしれないですね。
川田 そういう仲直りするときは、河合奈保子の「けんかをやめて」切手とか、使い方を限定してもいいかなと。「負けないで」切手、「愛を語るより口づけをかわそう」切手、「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」切手(笑)、いろいろね。むしろ切手に内容が引き寄せられるというか。
真面目な話をすると、今メディアがないじゃないですか。DVDとかCDが売れないから、もう切手の中に入れちゃえばいいんですよ。音楽付きの手紙でもいいし。本当に可能性は無限大。お金持ちになっちゃうな、どうしよう。PVをつけてもいいし。世界初の切手ミュージックビデオ。つなげると完成するとか。
──1枚15秒で12枚並べると一曲できあがるんですね。
川田 順番に並べると観られる。芸能界のいろいろな人に送ろうか!
──でも、それこそ営業にいいんじゃないですかね。
川田 グラビアアイドルとかね。あと映画? 映画超いいですね、手紙が送られてきて、切手から予告編とか。
──古くて新しいメディアなんですね。
川田 そう。だからサイゾーも、公にできない本当にやばいネタは、メルマガでも出せないようなものはARでやってみては! これは、という映像が手に入った場合は。
……やばいですね。また拡張しちゃいました(笑)。
もともとゲームデザイナーの水口哲也など尖鋭的なクリエイター、アーティストとの連動が多かった+SANOW LABs.。同様に、先端技術に携わるAR三兄弟とGMOとくとく通信とのコラボレーションが持ち上がり、披露したい企画が複数あるので、ならばGMOグループの展示スペースである+SANOW LABs.で、週替わりで展示しませんか──ということで、この5週間にわたる展示会が実現したという。
1週間のお盆休みを挟み、このあと第2週(8/20-8/24)には「毎日がメンズプレシャス:MEN'S Precious年間巻頭連載をうっかり巨大化しました。」を発表。LOUIS VUITTONやCartierなど、名門ブランド拡張の歴史を大きくざっくりおさらいする。その後も、第3週(8/27-8/31)には眼からビームを出す(!)「AR三兄弟の眼力王」、第4週(9/3-9/7)には昭和テイストの「夜明けのスリットスキャン」、第5週(9/10-9/14)にはテレビ番組にリンクを貼る「プログラム(テレビ番組)に、ハイパーリンクが貼れないのダサい。」という、震撼の新作を披露していく予定だ。
8/20(月)、8/27(月)、9/3(月)、9/14(金)はそれぞれ夜8時から、くだけた雰囲気の新作披露パーティが開かれる。AR三兄弟の新作に直接触れるチャンス、一度足を運んでみてはいかがだろうか?
(取材・文・写真=後藤勝)

コスチュームがかなりヤバイです。

エリス中尉ふうボブカットのウィッグで喋るARサン・ジュナ少尉の勇姿!

『セカイカメラ』より。
最近、IT系のメディアでよく聞くようになった「AR」という言葉。Augmented Realityの略で、「拡張現実」と呼ばれることも多い。日本では2009年9月にベンチャー企業の頓智ドットからiPhone向きのカメラアプリ『セカイカメラ』が登場。2010年6月にはKDDIがau向けに『セカイカメラzoom』を搭載した。NTTドコモも、次期冬モデルのPRIMEシリーズ全機種でAR機能に対応することが明らかにされている。
だが、現状ではARという言葉だけが一人歩きしている感は否めず、どこが便利なのか、どのように利用される技術なのか、一般に認知されるにはサービス面や技術面で課題があり、まだまだイメージが湧きづらいことも確かだ。
そんな中、「俺たちがARだ」と力強く訴えた人物がいる。誰あろう、恋愛シミュレーションゲーム『ラブプラス』の産みの親、コナミの内田明理プロデューサーその人だ。
この発言は、7月28日に開催されたイベント『AR Commons Summer Bash 2010』で、頓智ドット井口尊仁CEOと『東のエデン』の神山健治監督、そして内田氏の3名が壇上に立ったトークセッション中でのもの。
「僕は凛子派」と強調する井口氏の「キャラクターと常に生活を共にし、空間と感情を共有する『ラブプラス』はARよりもAR的。ネットの先の世界を見せてくれている気がする」という発言を受けてのものだ。内田氏はこうもいう。
「一人は淋しいけれど、二人はしんどいという人は多いのではないでしょうか。そして『ラブプラス』は1.5人だと思います」
「実は『ラブプラス』をプレイしたことがない」という神山監督も次のように印象を述べている。
「アニメによって主人公に対する共感の感情が生まれたのですけれど、そこでは拡張現実にはなりきれなかった。自分たちが二次元に行けないことに気がついて、二次元に来て欲しい、とみんなが思うようになった。二次元がこちらに来ちゃったのが『ラブプラス』だったと感じます」
このように、作り手の側は、『ラブプラス』=ARというように一致している。だが、正直まだピンとこない諸兄が多いのではないか。
そこで、『AR―拡張現実』(マイコミ新書)の著者で『PORAR BEAR BLOG』を運営している経営コンサルタントの小林啓倫氏に、『ラブプラス』のどこがAR的なのか、ARは今後どのように使われていくのかを指南して頂いた。
――トークセッションでは『ラブプラス』がAR的ということでしたが、具体的にどのあたりが「拡張」されているのでしょうか?
小林啓倫氏(以下、小林) ARというのは、現実にない情報を付け加えたり、目では見えない空間を作り出したりすることで、『セカイカメラ』や『ラブプラス』は視覚的に拡張していることになります。それに加えて、いかに利用する人間の心の中に訴えかけて、「彼女がいる」とか「思い出がある」ということに感応できるかなんですね。井口CEOがおっしゃったのは、ここにはいない「彼女」が時間を知らせてくれることなどで、現実生活に影響を与えることがAR的だ、ということだと思います。
――例えば、同じ恋愛シミュレーションゲームの『ときめきメモリアル』などと『ラブプラス』はどう違うのでしょう?
小林 『ときメモ』はバーチャルな世界なのでゲームの中で完結していますけれど、『ラブプラス』は同じ時間と場所を共有するということで、単純な恋愛ゲームの一線を越えていますよね。常に肌身離さず持ち歩いてクリスマスのようなイベントを一緒に過ごすというのは、現実世界を侵食している感覚があって、バーチャルを超えているところがあるのではないでしょうか。ARは現実を拡張することもあるけれど、逆に二次元から現実に入ってきて人間の行動に影響を与えていく、という面もあります。
――藤崎詩織はバーチャルリアリティで、姉ヶ崎寧々は拡張された現実に飛び込んできた存在というわけですね。ARという言葉がより一般の方に広まるためのきっかけは何になるのでしょうか?
小林 ARという技術が広まるのではなくて、いかに技術が提供する価値が生み出されて活用されていくかがカギだと思います。例えばベルリンの壁はもうないわけですが、ARで再現されるようになると旅行者にとっては価値になりますよね。日本では東京大学で「バーチャル飛鳥京プロジェクト」という、ARで遺跡を復元する試みを行っています。商用化されれば歴史ファンにとっては価値があるものになって、ガジェットやアプリを買うようになるのではと考えています。
――ARを活用することで現実の空間に対する影響を与えることもあるのでしょうか?
小林 例えば子どもの遊び場くらいにしかならない空き地の上に、ARを使ってバーチャルな店舗を立ち上げたり出来ますし、大きな迷路を作ることも可能です。これらはオランダで開発された「layAR」(http://layAR.com/)で既に実現されています。それによってバーチャル+リアルで広場に人が集まって新たな価値が生まれるかもしれません。
――ユーザー自身がAR空間にコンテンツを作るような面白さが生まれる可能性はどうでしょうか?
小林 現在でも、位置情報のついたTwitterのメッセージを、エアタグのようにAR空間に表示するというアプリケーションがあります。そうなると、Twitterの投稿者は知らず知らずのうちにAR空間のコンテンツを作っていることになります。また、もう既に『ホームページビルダー』のような、ある程度素材は決まっているものでモノを作るアプリケーションが次々に登場しています。ここ数年のうちにイマジネーションさえあれば、自由にAR空間で遊んだりビジネスをする世界が来るのは確実だと思います。
ARの技術は、今まさに凄い速さで進化し続けている。8月11日、頓智ドットとモバイルゲームの開発を手がける株式会社アンビションは、『セカイカメラ』上で遊べるオンラインRPG『セカイユウシャ』を公開した。位置情報と連動しており、近くにいるプレイヤー同士が協力して敵と戦ったり、地域限定のモンスターやアイテムがあるなど、ARならではの機能が搭載されている。
こういったゲームなどのコンテンツがARアプリに搭載されるようになることが、ARが広く認知され利用されるきっかけになる近道なのかもしれない。
(文=ふじいりょう)
AR三兄弟の企画書 Twitter=津田大介、AR=AR三兄弟

綾波コスの美女とのツーショットでしたり顔のAR三兄弟・川田十夢氏。
「乙」の字が記されたボードを掲げるとそこにCGが映され、踊るコスプレイヤー、花道を歩む長島☆自演乙☆雄一郎と交錯してこの世のものとは思えない光景を出現させる──。
7月5日、国立代々木競技場第一体育館で行われた「K-1 WORLD MAX 2010、-70kg World Championship Tournament FINAL16」は、自演乙の"史上初"AR入場が注目された。
大会前日の会見でも「キミと同じ仕組まれた子ども。フィフスチルドレンさ」と、渚カヲルコスの説明をしつつ、「AR三兄弟と面白いことをしますので、僕の入場はチャンネルを変えず、そのままでお願いします」と告知に励んだ自演乙。
その中身とは、以下のようなものだった。
・本人よりも巨大なAR自演乙が、いかにもスクリーンに表示されたCGらしく、フラッシュや数々のコスプレを瞬時に着せ替え
・第三使徒サキエルのコスチュームで入場する自演乙の周囲をAR使徒が乱舞
・乙ボードの傾きに応じて「ずももももも」と、某動画サイト調のコメントが流れる
自演乙が"開発"したコスプレ入場を、技術に長けたプロの手でちょっと違うものに変容、あるいは昇華させたAR入場。このインパクトのおかげか否か、自演乙はアンドレ・ジダにからくも勝利した。
競技としての勝ち負けと、観客を楽しませるエンタテインメントとの兼ね合いを模索するなか、コスプレイヤーとARの合体でひとつの可能性を示した事件だったが、その舞台裏はどうなっていたのか。

コスプレイヤーが大集合!
AR入場シーンを担当した、AR三兄弟の川田十夢に訊いた。
──史上初のAR入場を振り返って、いかがですか?
川田十夢(以下、川田) 代々木第一体育館という広い空間、かつK-1という大舞台でARが本当に稼働するのか、 我ながら若干の不安はありました。しかし、TBSの技術部の皆さん、K-1イベントプロデュースチームの皆さんなど関係者の多大な協力もあって、なんとかカタチにすることができました。テレビ放送の反響もかなり大きく、関わった全ての人の為になって、やって良かったと思っています。
──なるほど。そもそもAR三兄弟と長島☆自演乙☆雄一郎の出会いとはどんなものだったんでしょう。
川田 共通の知り合いに江口晋太郎君という人がいて、その人から紹介されて自演乙君とお会いしました。テレビや媒体から受ける印象とは違って、眼光に力があるし、頭の回転が早い人だなと言うのが第一印象です。
──彼が目指しているエンタテインメントをAR三兄弟的にはどう解釈してますか? 拡張できた感触は?
川田 彼の存在は元々知っていましたし、格闘技というジャンルを拡張している人だなと以前から感じていました。格闘技のことを全く知らない人が、強さだけをアピールする選手を見たところで何の興味も抱かない。では、何をすれば格闘技自体に興味を持ってもらえるのか。それを深く考えた末にコスプレという表現に至ったのだろうと。あと、言動や行動から、ナチュラルなヲタであることも好感が持てます。
拡張の手応えは十分です。そもそも、格闘技を見る人からしても、ARという言葉は知らない訳ですし、ARを知っている人が格闘技好きとは限らない。そういう意味で、すごくいい文化交流の機会だったと思っています。
──今回のAR入場はAR自演乙→AR使徒→ARコメントという段階を踏みつつ第三使徒サキエルコスの自演乙が歩いてくるものでした。マーカーを使うやり方はいつもどおりかなと思うんですが、技術的に難しかったところは?
川田 マーカーを使う以上は、その認識率との戦いが常にあります。照明とかカメラワークとか、K-1の文法だとかなりハイレベルな技術を前提としているので、そことの融合はかなり大変でした。僕たち三兄弟の役割として、映像技術などの担当は次男なのですが、彼は何度もTBSに通っては技術の打合せをしていたので、今回の影の功労者は次男だったと思います。身内ながら、本当によくやってくれたと思います。
──アイデアは皆で出し合ったんですか。某動画サイトっぽいコメントとか、自演乙君が好きそうな感じなんですけど。
川田 まず、自演乙君から「次のコスプレはサキエルで行きたい!」という強い希望がありました。彼のこれまでのコスプレ遍歴を鑑みて、サキエルという選択はかなり斬新な試みなんです。あの人は、そういうショーマンシップの勘所が本能で分かっているんです。どうすればお客さんが喜んでくれるのか? 常に深く考えている。打合せを重ねる度にそれが分かって、本当に感心しました。あと、世界戦への切符をかけた大一番でしたし、何かこれまでと違うことをやろうという気持ちもあったのだと思います。僕はその気持ちを十分に汲んで、演出プランとARシステムの仕様を考えました。彼は2ちゃんねるの芸能・音楽・スポーツニュース速報+板の記者をやっていたりしますし、その方向の拡張が相性がいいだろうということで、某動画サイトっぽいコメント表示を演出として加えました。特に番組中には説明がなかったですが、あれは「#jienotsu_ar3」というハッシュタグ付きでTwitterでつぶやいてくれた応援コメントを、会場とテレビで流すという画期的な試みだったんです。テレビは一般に意味の分からないものや中傷めいたコメントは予めカットする傾向があるのですが、それだとネット文化の面白みが伝わらないので、極力、コメントを全て表示するように心がけました。
──最初の大きなAR自演乙やAR使徒、いい具合にガビガビっとしたビジュアルでしたよね。アナウンサーも「本物ではない自演乙が」とか言っていましたが(笑)。あの大雑把感が現実と仮想を乱暴に接合したみたいでいいなと思ったんですが、あれは狙い通り?
川田 そうです。と、言っておきましょう(笑)。
ホントは技術的な制約半分、計算半分といった感じです。ARに解像度を完全に求めるには、まだハード的な技術が追いついていない部分があって、半分は仕方なくああいうカタチになってしまうのですが。僕の中では、ああいうツギハギ感覚の残った映像こそARのユニークな部分だと思っているので、結果オーライです。古いアニメーションとか、色味が明らかに違う崩れそうな崖とかあったじゃないですか。ああいう予め分かってしまう感覚って、なんとなく面白かったのに、CG技術が進みすぎた現代においてあまり少ないので。そういう意識も若干あり(AR)ます。
──ARのツボってその辺にありそうですよね。
川田 ですね。ARでテレビ番組を作るとき、いつもカメラマンさんと技術さんとのせめぎ合いになるのですが、最終的には「このツギハギ感覚こそ、ARの面白いところなんです!」と、説得の上、ご理解いただいております。だって、CGやVRだったらいくらでも綺麗な映像は作れるし、それと同じことをARでやっても仕方がない訳で。現実との融和と違和感、それが現在形でのARの面白いところだと僕は思います。
──最近、いかにもARっぽいんじゃない分野に乗り出してますよね。ネットとARの親和性が高いのは、それはそれでいいこととして、テレビを拡張したのは今回大きかったんじゃないですか。
川田 そうですね、大きかったと思います。あ、でも僕たち。テレビを拡張するのはコレで三回目なんですよ。うっかり。一度目は昨年、NHKの子ども番組(*1)を拡張しています。今年に入ってからは、ノイタミナ生特番で「民放初ビーム」を出しましたし(*2)、スマイレージというアイドルのデビューにもARをテレビCMで流しました。スマイレージの時には、AR三兄弟自身もCMデビューを飾ってしまうというヤバい拡張をうっかり果たしました。
──そのようにARを使うかどうかは別にして、一見縁のないものを マッシュアップして壊しながら進んでいくのは、いまの時代に必要な気がするわけです。
川田 僕もそう思います。今、日本以外全部沈没とかいかレスラーとか撮った映画監督の河崎実さんと、「水商売の拡張」に挑んでいまして、それもうっかり面白くなりそうです。7月中旬にオープン予定なので、よかったら取材に来てください!
(取材・文=後藤勝)
*1)NHK教育テレビ『天才てれびくんMAX・ビットワールド』では、2009年12月11日の回でAR生放送を実施した。システム開発をAR三兄弟が担当し、デザイングループ「AC部」制作のCGを表示した
*2)今年4月15日深夜25時から放送した『ノイタミナ生特番』で、AR三兄弟か被る黄色い革命運動っぽいヘルメット、通称「カクメット」から、工場の火花的な効果音とともにビームを飛ばした。Twitterでは「本当にビーム出てる...w」「ビームうつせよ」などの反応があった
ARのすべて-ケータイとネットを変える拡張現実 未だによくわからん。
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