山口組が分裂し、山健組ら13団体が「神戸山口組」を立ち上げた結果、本家と離脱組の間で縄張り争いにならないかと、関西の歓楽街にある風俗店などから不安の声が上がっているという。同様に芸能界でもタレントのディナーショーに関係して、山口組と長年の付き合いがある興行主は「どうなるのかとハッキリ聞けないし、不安はある」と話す。 叔父が1980年代まで山口組の仕切りでディナーショーを開催してきたというプロモーターの辰巳義男氏(仮名)は、2003年ごろに自身の手で興行事業を再開。その際に「一応の義理立てとして、叔父と付き合いがあった山口組の方に謝礼を持っていき、興行のたびにその挨拶だけを続けている」という。 「具体的には言えませんが、不安なのは開催場所の縄張りと、出演タレントの人脈で、面倒を見ている組が違ったりするところ。今回の分裂で、その部分が分かれてしまったケースが年末にあって、挨拶はどうしたらいいものかと悩んでいます」と辰巳氏。 こうした業界のネジレ現象はほかでも起こっているようだが、「仲介する有力者がいるところはそこで話をつけると聞きますが、ウチみたいな弱小業者はそういうものもなく、トラブルの予感があるなら最悪、興行自体を自粛するしかない」(同)。 近年の暴力団排除の流れで、芸能人と暴力団のつながりはほとんどが切り離されてはいるが、それでも辰巳氏の言う「有力者」を通じてつながりを残していたり、個々の付き合いが続くところもあるようだ。その中で特に暴力団が介在しやすいのが、ホテルや高級宴会場でのディナーショーだという。実際、過去に暴力団との関係が取り沙汰されて開催自体がキャンセルされた演歌歌手のショーもあった。 一方で、こうした暴力団が地域と共存共栄をしようという動きもある。暴力団排除条例以来、年々縮小するヤクザの世界では「ここは俺のシマだ」「ウチのニワだ」と争ってはいられなくなってきたところがあり、暴力団事情に詳しい作家の影野臣直氏によると「ヤクザが芸能プロダクションを経営し、興行主となっていたのは昔のこと。今は暴排条例の影響で、ヤクザが表立つと興行を開けないのが現状」というから、波風を立てず、辰巳氏からのような細々とした謝礼を受け取っているところもある。 「ただ、今回のように組織を割った組がその地域で興行を行うとなると、タダでは済まされないでしょう。そもそも、興行の面倒を見られたのも大組織の代紋があってのこと。組織を出るということは、本来そのシノギ(収入源)をすべて返さなくてはならない」(影野氏) 興行の利権は暴力団にとって大きな資金源であり、組織の威光も資金力がものをいうところがある。「だから、返せと言われても簡単にはいかないでしょう。それが火種となるかもしれません」と影野氏。 芸能人にとって、暴力団絡みのディナーショーは出演料以上のご祝儀が集まるともいわれるが、今回の分裂騒動が他人事ではない芸能人も少なくなさそうだ。 (文=ハイセーヤスダ)『血別 山口組百年の孤独』(サイゾー)
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山口組分裂報道に見る警察のマスコミコントロール「分裂は当局による仕掛けだった」説も……
「ある意味、警察が仕掛けたクーデターでもあるんです」 創設100年を迎えた暴力団、山口組の分裂騒動について、実話誌の記者からそんな話が聞かれる。 「警察が今回の分裂で今にも各地で抗争がドンパチ始まりそうなことを言っているのは、これを機に山口組を一気に叩いてしまおうということなんでしょうが、そもそも警察が分裂を煽った説があるんですよ」(同記者) 山口組の分裂は、先代の五代目組長を輩出した傘下の有力二次団体、山健組をはじめとする旧主流派が、六代目組長就任以降の勢力争いで劣勢になり、これへの不満に端を発して関西系の13組が離脱したもの。実はこの状況は暴力団の動向をメインに追う実話誌ではすでに予測解説されていたことで、今回のクーデター報道が間に合わなかった8月29日発売の「月刊実話ドキュメント」(マイウェイ出版)でも「世代交代」という言い回しでその構図が解説されている。 山口組では、組長と親子の盃を交わした「直参」の数が五代目から六代目にバトンタッチした10年前に大きく変化していた。73名の直参うち、三代目組長時代に直参となった者は、五代目時代には12名いたが、六代目になるとわずか2名に激減。同じく四代目世代の直参は14名からたった1名に減っていた。 そして五代目世代は67名も直参がいたところ、六代目になると22名と大幅に減っており、逆に六代目世代は48人が新たに直参となって7割近くの数を占めていたのだ。 組の要職に就く者の数も、幹部12名うち8名が六代目世代の直参で、「実話ドキュメント」ではこれを「世代交代を進める組織改革」と伝えていた。同誌で長年、暴力団の取材を続ける記者によると「勢力図がそのまま金の流れに表れるので、五代目世代の者たちは経済難から不満を募らせていた」という。 「ただ、その動向が以前より鮮明に見えなくなっていて、それは暴力団排除条例などでヤクザ専門の記者が取材にしくくなっていることが大きいんです。普通の業界であれば関係者と親しくなって食事でもしながら定期的に話を聞いたりしますが、これがヤクザ相手だと下手すれば交友関係と見なされてしまうので、携帯電話に暴力団関係者の番号ひとつ残しておけなくなっています」(同) 結果、近年では暴力団情報入手の比重を高めているのは本職よりも警察からの情報で、記者以上に警察が暴力団情報をコントロールするようになっているという。 「警察関係者は、マスコミに情報を流す中で暴力団組員たちを仲たがいさせようと、偏った情報を流したり、一方を極端に貶める内容の暴露本を出版させたりしていたので、ある意味では今回の分裂騒動は警察が起こしたクーデターだという人もいますよ」(同) たしかに分裂報道は専門誌ではなく大手の全国紙が一斉に報じており、その情報源はいずれも警察発表だ。 「大手メディアでは、抗争の危険が迫っていると主張する記事が目立っていて、これなんかは警察にとって暴力団潰しの口実になる話。ただ、実際には今の暴力団は抗争してしまえば自分の首を絞めることになるので、もっと慎重ですよ」(同) 警察が警戒するのは1985~87年、四代目組長の人事トラブルから全国での銃撃戦に発展した「山一抗争」の再現だが、これは92年施行の暴力団対策法やその後のたび重なる法改正、全国の排除条例につながっており、かえって組織の弱体化を招いた歴史がある。 「少しでも何か事件が起これば警察は大々的に報じさせて徹底した弱体化を狙うんでしょうが、怖いのは、その弱体化が訪れた後です」(同) というのも、数万人の組員たちがさらなる弱体化で日々の生活費にも困る事態になれば、なお末端での犯罪者化が進むという見方がある。組織の方針に背を向けて一部が暴徒化するのは、現状よりも怖い話だ。最近は関東連合など半グレと呼ばれる少数精鋭の不良集団が一般人に紛れて犯罪集団化しており、こうなると警察でさえもその実態をはかりにくくなっている。 暴力団は反社会勢力として不要な存在となっているが、かつて彼らが握っていた警備やパチンコなどのビジネスは、今や警察利権の柱となって拡大しているとも言われており、別の問題の浮上も危惧される。だからといって暴力団を守るべきともいわないが、目先の分裂以上に怖い未来への不安が存在する。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)『血別 山口組百年の孤独』(サイゾー)
山口組元直系組長の太田守正・元太田興業組長が独白!山口組六代目継承クーデターの真実
ここ最近、ヤクザ業界をはじめ、アウトロー社会全体が騒がしくなっている。 その要因のひとつが7月28日に出版された『血別 山口組百年の孤独』(小社刊)にあるという。著者は2008年10月に除籍処分を受け、山口組を去った元直系組長の太田守正・元太田興業組長。その名を世界に轟かせる強豪揃いの山口組の中でも、屈指の超武闘派軍団の太田興業を率いる、有力親分のひとりであった。 「太田組長は山口組の渡辺芳則五代目組長(故人)が、初代山健組内で興した健竜会に入門して以来、渡辺五代目から厚い信頼を受けたようだ。その後、山健組では舎弟頭や相談役といった要職を歴任し、同組の首都圏における勢力拡大に著しい貢献を果たしたこともあって、関東のヤクザ社会では良くも悪くも名を馳せていた。ずいぶんと痛い目に遭った関東ヤクザは多い」(大手在京組織の三次団体幹部) そうした太田元組長が著した書籍であれば、業界で大きな反響を呼ぶのは当然、発売からわずか数日で初版は完売となり、急きょ増刷態勢が敷かれている。 今回は、著者である太田元組長にインタビューし、『血別』を執筆した動機などについて熱く語ってもらった。 ――まずは、このたび『血別』を書こうと思われた動機は何ですか? 太田守正氏(以下、太田) それは、盛力(09年に山口組から除籍された元直系組長の盛力健児・元盛力会会長)が、2年前に出した『鎮魂 さらば、愛しの山口組』【1】(宝島社)の内容が、まるで事実と違っていたからですよ。ワシらみたいに長いことヤクザやってきた人間、特に山口組にいた者なら、何行か読んだだけで「ああ、これはウソやな」ってわかります。しかし、ヤクザの世界を知らん人も読むんで、ウソが真実として世間でまかり通りつつありました。それを止めたかったんです。 ――『鎮魂』を書かれた盛力元会長とはどのようなご関係ですか? 太田 盛力のほうが歳は4つ下やが、山健組では先輩やったので当初は(顔を)立てていました。事実、当時はまともやったし、渡辺五代目、杉秀夫さん(初代健心会会長=05年引退)と並んで「山健組の三羽ガラス」と呼ばれてました。 ところが、抗争で長い懲役に行ってから人が変わってしまったんです。おかしな人間とばかり付き合うようになり、中でも「ミナミの帝王」のモデルだと言い触らす和田アキ子の叔父【2】という男は最悪でした。インチキばかり言うサギ師で、ワシも手形を勝手に回されたり、若い衆をこき使われたことがあるから、盛力にも何度も付き合うのをやめるように忠告したんですが、ずっと付き合うてましたな。もしかしたら、かなりの額を騙されてるかもしれません。 ――太田元組長が除籍処分を受け、他に10人の直系組長も処分されることになった08年に開かれた会合は、『鎮魂』では謀議とされていますね。 太田 謀議という認識はなく、単なる直系組長だけの話し合いと思って出席しました。ある日、信頼していた井奥文夫・元井奥会会長(絶縁)から、「これから若い衆を連れず直系組長だけで会いたい。仲のいい直系組長がいれば連れて来て欲しい」と電話で誘われました。そこで、川﨑昌彦・元二代目一心会会長(除籍)と、浅井昌弘・元浅井組組長(謹慎)の2人に連絡して一緒に神戸のある場所へ向かったんです。その部屋には、なぜか奈須幸則・元三代目大門会会長(絶縁)ら、十数名の直系組長がおりましたよ。 盛力本では、その席で謀反の企てが行われて、ワシらが「司忍六代目と髙山清司若頭を殺す」と言ったと書いてありましたが、そんなことは言っていません。盛力はおらんかったくせに、よう書けるもんですわ。 ただ、その場ののりで物騒な話をしたのは事実です。あとは、その集まりが秘密のはずやったのに上層部に筒抜けで、出席したほとんどの直系組長が処分を受ける事態となったことにも驚かされました。集まっただけで謀議と受け取られたのかもしれません。出席しなかった盛力も、信用できないと見なされたのか除籍されました。出席したのに処分を受けなかった現役の直系組長が1人おりますが、そいつが上層部にしゃべったんでしょう。処分されるのが腹立たしくて、一度はケンカしようかとも考えましたが、自分は当時、70歳目前で、今後、若い衆の面倒を見切れるかどうかわからんこともあって処分を受け入れたんです。 ――『鎮魂』には、五代目山口組の宅見勝若頭の暗殺を、渡辺五代目が事前に了承しており、司六代目(当時若頭)が、その事実を提示して渡辺五代目に引退を迫ったとされる記述があります。いわゆるクーデターはあったのでしょうか? 太田 これも、まったくの盛力の作り話です。盛力本によれば、神戸の山口組総本部の奥にある部屋で、司六代目から詰められた渡辺五代目ががっくりとうなだれたそうです。そのとき、盛力は中国の青島にいたんですよ。ここでも、現場にいないのにまるで見てきたように書くんですから呆れましたわ。だいたい、渡辺五代目のことを「渡辺、渡辺」と呼び捨てにできる神経を疑います。亡くなったら、元の親分を慕う気持ちは消えてしまうんでしょうか。ワシにはまったく理解できません。 ――最後に、『血別』を書き上げての感想をお願いします。 太田 とにかく自分が体験した真実のみ書くことを心がけました。例えば「ある親分」ではなく実名を書いて注釈も付けています。伝聞や推論も避けました。そして、渡辺五代目は先見の明があって統率力もある立派な親分でした。ケンカの収め方のほかにも、さまざまなヤクザとしての所作を学ばせていただきました。そして、ワシの道連れで処分されてしまった、いまは亡き川﨑と浅井の2人が、義俠心にあふれた本物の男であったことは間違いありません。亡くなった方に鞭打つようなマネだけは絶対に許されません。死者は反論できないんですから。今回、『血別』を書いた動機として、真実を広めたいとともに、渡辺五代目をはじめ亡くなった親分らの名誉を回復させたいとの思いも強くありました。盛力には『鎮魂』に書いた渡辺五代目ほか、いまは亡き親分衆について、しっかりと詫びてもらいたい。 これまで、『憚りながら』(山口組元舎弟の後藤忠政・元後藤組組長著/宝島社)、『鎮魂』という山口組の元直系組長による書籍は、いずれも大ヒットを記録した。そして、このたびの『血別』も予想通りの売れ行きを見せている。ただ、『血別』のあとがきには、「書いた以上は逃げも隠れもいたしません。(中略)説明しに来いと言われれば、どこにでも出向く所存です」とあるように、行間から漂う本気度や真実味は、とてつもなく大きい。 暴力団排除の流れがますます厳しくなる昨今、アプローチは違えど、日本の裏面史を浮き彫りにした『血別』の凄みをぜひ体感してほしい。 (文=柳沢壱郎) 【1】『鎮魂 さらば、愛しの山口組』 2013年8月30日発売。「宅見若頭射殺事件」に渡辺五代目の介入があったと断言したほか、司忍六代目が興した弘道会が、中部国際空港の利権で最大派閥にのし上がったなど、現体制批判とも取れる内容となっている。大きな話題となったが山口組は沈黙を保ったまま無反応であったという。 【2】和田アキ子の叔父 〈4年間付き合ったけど、ただの1度も美味しい目に遭わせてもらえんどころか、うちの若い衆をタダで使いよるんですわ。(中略)東京へも四国に行くにも、小遣い渡さんと旅費も宿泊費もわしら持ちですわ〉『血別』第4部「斃れざる者たち」P243より太田守正・元太田興業組長
キャバ嬢から女子大生まで──親分が畏怖する"極道の妻たち"
──山口組六代目司忍組長の出所、大物ヤクザの自伝『憚りながら』(宝島社)やヤクザ社会のルポルタージュ『ヤクザの修羅場』(文春新書)が話題になる昨今、ヤクザたちを支える現在の「極道の妻たち」はどのような存在になっているのか? 現役の極妻さんたちに聞いてみると、バラエティに富んだ素顔が......。 「あんた、指詰めなアカンよ」 岩下志麻演じる「姐」が服役中の夫に代わってスゴむと、子分たちはひれ伏さんばかりに萎縮する──。 これは、作家・家田荘子原作の映画『極道の妻(おんな)たち』(1986年)で、縄張り内で起こったトラブルの責任を取れと姐が子分にタンカを切るワンシーンだ。極道の世界を女性の視点から見る斬新な設定と、役柄にマッチした岩下の好演により、同作は高い評価を得た。それゆえ、多くの人が思い描く"極道の妻"のステレオタイプなイメージは出演する女優たちに近いだろう。 実際『極道の~』は、本職からも大人気だったようだ。岩下も、新幹線で「ホンモノ」からあいさつされたことがあるというエピソードは、この世界ではつとに有名だと広域指定組織三次団体幹部を夫に持つ極妻Aさんは語る。 「ただ、あれはあくまでフィクション。極妻同士の盃(親分と子分の関係になる)など、絶対あり得ない話も多い。日本全国どこの組織でもそうですが、極道は究極の男の世界。女が口を出すなんて許されないし、もし出したら夫が笑われます。いくら服役中でも、夫を差し置いて妻が組員に指図するなどありえませんし、どんな不祥事でも子分に指を詰めろなんて冗談でも言えません。リアルなのは現役ヤクザの描き方くらいですね、大半は女好きで金に弱いっていう(笑)」 また、ヤクザの世界では"めんどりが鳴く(女性が口を出す)と組は潰れる"なる格言(?)もあるようだが、この一例が、山口組三代目の田岡一雄組長の妻フミ子夫人だという。 山口組三代目田岡一雄組長の死後間もなく、四代目本命と目されていた山本健一(山健組組長)が病死したため、フミ子夫人は四代目に竹中正久(竹中組組長)を指名。これに反発した山本広(山広組)らが一和会を結成し、山口組と一和会は対立。死者29名、負傷者66名、直接の逮捕者は560人にも及んだ山一抗争へと発展したのだ。 「抗争が起こったのは夫人の強い意向により竹中四代目が誕生したためと見る向きが多く、この話は山口組内でも長い間タブーになっていた。しかし、実際はそうではないという話。たとえば、田岡組長の長女・田岡由伎さんと作家の宮崎学氏の対談『ラスト・ファミリー』(角川書店/10年)では、田岡組長は自身の死後、組が割れるとわかっていながら跡目を考えていなかったことも明かされている。これを知っていたのか、危篤状態が続いたフミ子夫人を『姐さんが死なれへんのはな、俺らの兄弟ゲンカの言い訳を親分にするのを考えてるからや』と若い衆が気遣うくだりも。つまり、長女という身内の証言ではあるが、内部抗争は起こるべくして起こったというのが真相のようだ」(実話誌ライター) ■一番嫌われるのは金にうるさい姐さん? こうした中、極道のファーストレディともいえる田岡フミ子夫人について、田岡組長は『田岡一雄自伝』(徳間書店/73年)でその糟糠の妻ぶりを綴り、同じ山口組の大幹部だった後藤忠政元組長も、『憚りながら』(宝島社/10年)で妻に苦労させたことを語っている。 「フミ子夫人は戦後の混乱期でも、苦心してお金を作って若い衆を食べさせ、さらに彼らの下着の洗濯までする糟糠ぶり。後藤元組長は奥方を『おっかぁ』と呼び、自分の浮気に怒りながらもずっと連れ添っていることを感謝している」(同) では、最新版の"極道の妻たち"とはどんな人物像なのだろうか? 前出のAさんによると、極妻は大きく分けて大親分を支えた「糟糠の妻」タイプと「愛人」タイプになるという。 Aさんによると、「かつては糟糠の妻がほとんどだった」というが、このタイプは、夫が若い衆の時代には水商売、場合によってはソープランドで働いてでも夫を支え、出世してから外でシノギや遊びに精を出し、あるいは懲役に行って帰ってこなくなっても、組や家の中をしっかり支え続けてきた女性である。 「糟糠の妻も、シロート出身系とオミズ出身系に分かれます。三代目田岡組長の奥さんは実家が喫茶店で、シロート系の代表。でも、オミズ系でいうと、夫がパクられたらソープででも働いて、裁判費用や生活費を捻出する人はさすがに見なくなりました。今はアッサリ別れちゃう人も多いです」(同) 浮き沈みの激しいヤクザの世界、かつては極妻が夫の生活を支えることは普通だったのだろうか?家田荘子の『極道の妻たち』。
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産廃処理から人身売買まで──ヤクザも訝しがる復興事業"儲けのカラクリ"
──震災復興のめどがなかなか立たない中で、山口組の迅速な復興支援が報道されるなど、実話誌などでは"復興ビジネス"に注目が集まった。暴対法の締めつけにより、なりふり構わないシノギに走る昨今の暴力団が狙う、復興ビジネスとは?
日本大震災の発生から5カ月たち、いよいよ本格的な復興が始まろうとしている。そんな中、巨額の資金が動く復興計画に食い込んで甘い汁を吸おうと動きを見せているのが、「裏社会」の住民たちだ。総計で20兆円を超えるといわれる復興予算は、2008年に暴力団対策法(以下、暴対法)が改正されて以降、シノギが厳しくなっている暴力団にとって渡りに船。今後、被災地でどのような「復興利権」が発生し、裏社会の住民たちはどのように関与していくのだろうか? 被災地では震災発生直後から、暴力団関係者の動きが確認されている。阪神・淡路大震災の際には、山口組が炊き出しなどを行ったことで話題になったが、今回も山口組のほか、住吉会や稲川会などの組織が、早い時期に被災者支援のため現地入りしたとの情報もある。これらの動きは一部メディアにより美談として伝えられたが、当然、裏社会ならではの「狙い」があると指摘する声は多い。 ■閉鎖的な土地柄で裏社会も右往左往!? 裏社会の現状に詳しいジャーナリストは「阪神大震災の経験も踏まえ、どのような利権が発生するか、暴力団関係者は熟知している。復興利権の本丸は都市計画に絡むインフラ事業だが、いまだに具体的な計画が決まっておらず、現状では、瓦礫の処理や炊き出し支援などで地ならしをしつつ静観している状況でしょう」と話す。6月には、宮城県石巻市の避難所で封筒に入った現金を配る人物が現れ、世間をにぎわせた。しかしこれも、暴力団が建設事業など今後発生する復興利権に関与するため、地元住民に取り入る活動だったという見方が出ている。 そもそも、復興に至る大規模な都市整備に巨額の資金が投入されるということは、暴力団ではなくとも想像がつく。それを見越して地元の業者を懐柔し、下請けとして受注や労働者派遣を通して利益をむさぼろうという算段なのだ。 「行政としては地元産業の復興の名目もあるため、地元の企業に発注することが望ましいと考えている。しかし、震災前から東北地方の建設・土木業は疲弊していたこともあり、重機の準備もままならない。暴力団関係者はそこを狙い、資金の融資や重機の提供などを行い、取り入っていくのではないでしょうか」(前出・ジャーナリスト) 一方、暴力団関係者にとって建設・土木業などには、そこまでうまみがないと分析する識者もいる。復興行政にかかわる専門家は、「国会が政争に明け暮れて復興計画の策定がまったく進まず、補正予算も萎んでいます。日銭を大きく稼いで上前をピンハネするのが基本の暴力団も、やりにくい状況でしょう。さらに、東北地方はもともと閉鎖的な土地柄で、地元の利権構造は、自治体や代議士も絡んで硬直的です。都市型の復興だった阪神大震災の時と比べて、シマを広げるのにコストばかりかかって、うまみが少ないとも言えます」。 そんな中、新たな利権として浮上しているのが、被災地における貧困ビジネスである。国際犯罪学者の加藤久雄氏は「92年に暴対法が成立して以降、暴力団のシノギは恐喝やみかじめ料の徴収といった単純なものではなく、フロント企業などを駆使した複雑なものに変わってきている。そのひとつが貧困ビジネスです。被災地には肉親を亡くした生活困難者が多数いるため、そういった被災者の義援金などを狙って暴力団が貧困ビジネスを展開することは十分考えられます」と警鐘を鳴らす。 では、被災地での「貧困ビジネス」とは、どういうものなのか?東日本大震災直後の荒廃した土地に、
突如として立てられた謎の看板。区画
整理もままならない現地では、こうし
た不法占拠が、時として認められてし
まうこともあるとか......。
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