自殺率は先進国トップ、国民幸福度も絶望的……“肯定経験”皆無な現代韓国社会の闇

post_2667_0812korea.jpg
「Thinkstock」より
 「国民が幸せな国」と聞かれたときに、真っ先に思い浮かべる国はどこだろうか? 国民の幸福度を表す「肯定経験指数(positive experience index)」を米ギャラップ社が発表した。調査対象国は143カ国の中で、1位はパラグアイ(89点)。2位にはコロンビアやエクアドルなどが84点で並んだ。日本は83位(66点)と、世界平均71点よりも若干下にランクイン。アジア勢からは、フィリピンとシンガポールが11位(80点)で最上位、ブータン(79点)、インドネシア(78点)などがトップ30にランクインしている。ちなみに、トップ10入りを果たしたのは、すべてラテンアメリカの国家だったそうだ。    国連が定めた3月20日の「国際幸福デー」を迎えて発表された今回の「肯定経験指数」に対して、ダメージを受けている国がある。お隣・韓国だ。結果は143カ国中、118位(59点)。先進国といわれている国家の中でも特に低い、3ケタ台の屈辱を味わうこととなった。何よりも、毎年発表される「肯定経験指数」において、年々点数を下げていることが問題だ。2012年64点、13年63点、そして最新の14年が59点だ。世界の平均が71点であることを踏まえると、50点台はかなり深刻な数字といえるかもしれない。  そもそも米ギャラップ社の「肯定経験指数」は、国民1,000人が以下の5つの質問にYESと答えられるかどうかで決められるという。(1)昨日ゆっくり休めたか (2)昨日誰かから尊敬を受けたか (3)昨日たくさん笑ったか (4)昨日面白いことを行ったり、学んだりしたか (5)昨日楽しいことをたくさんしたか。つまりは“主観”なのだが、主観だからこそ、GDPをはじめとする経済的な数値からは測定できない“人々の幸福度”に迫ることができると、米ギャラップ社は考えているようだ。  それを証明するかのように、「肯定経験指数」は「自殺率」(WHO調べ、調査対象173カ国)と相関関係にあるといえるかもしれない。例えば、「肯定経験指数」1位のパラグアイは、自殺率が110位と低い。「肯定経験指数」2位のコロンビアも自殺率は120位だ。そして、韓国の自殺率はというと、先進国の中でトップとなる3位。「肯定経験指数」には一定の信ぴょう性があると言ってもいいだろう。  実際に、「肯定経験指数」が年々低下している韓国の自殺率は、近年急増している。10万人あたりの自殺者数は、1993年当時は9.4人にすぎなかったものの、20年間で28.1人に膨れ上がった(韓国統計庁調べ)。老人の自殺問題も深刻で、2000年と比べて現在は約3倍に増加したとの数字もある。さらに付け加えると、ここ10数年で、若年層の自殺率が46.9%も増加しているというのだから驚きだ。経済的な困窮、成績や進学など学業に関する問題が主な原因となっており、格差や競争の激しさが構造的な問題となってしまっている。  高い自殺率に加えて、今回の調査で「国民が幸せな国」でもないことが判明してしまった韓国。どこに原因があるのかは不明だが、問題が山積していることだけは間違いなさそうだ。

黒澤明より、北野武より……韓国人の“オールタイムベスト邦画”最有力は、ミポリン主演のアノ作品だった!?

51fXENfMRoL.jpg
『Love Letter』
 「おでん」「うどん」「刺身」など韓国で通じる日本語は意外に多いが、「お元気ですか?」も実はその一つ。食べ物などが日本語のまま通じるのはわかるが、挨拶言葉である「お元気ですか?」を韓国人の多くが知っているのには、ちょっと変わった理由がある。  3月8日に放送された人気バラエティ番組『スーパーマンが帰ってきた』に、在日韓国人であり、いまや韓国で家族そろって人気の格闘家・秋山成勲が出演した際のこと。北海道のスキー場で秋山と娘のサランちゃんに、妻でモデルのSHIHOが「お元気ですか?」と叫び、視聴者の笑いを誘ったという。日本人からすると不思議な光景だが、これはとある映画を“パロッた”もの。その映画とは、ちょうど20年前、全盛期の中山美穂が主演した岩井俊二監督作『Love Letter』。日本でも有名な映画ではあるが、いま日本でこの光景をパロディと気付く人は、ほぼいないだろう。ずいぶん前の作品にもかかわらず、しかも隣国でこれほど“特別な映画”であることは意外に知られていないかもしれない。韓国のネットには「韓国人が最も好きな日本人監督は岩井俊二」とまで書かれていたりする。  『Love Letter』が韓国で公開されたのは、1999年11月。その前に、韓国で一般公開となった初の邦画は、ヴェネツィアで金獅子賞を受賞した北野武監督作品『HANA-BI』。同年に黒澤明監督の『影武者』も公開されている。それに続いた『Love Letter』はファンタジックな内容ながら、より日本の日常のムードを感じられる作品だったのではないだろうか。いま以上に“近くて遠い国”という関係性、“知りたくても知ることのできない国”という状況下で、韓国にとってのファーストインパクト的作品こそが『Love Letter』だったのかもしれない。黒澤映画も北野映画も邦画には違いないが、より“普通の日本”を想像させたであろう『Love Letter』は、動員140万人と当時としてはかなり異例の、そして日本を超える大ヒットを記録。岩井監督も予想だにしなかったであろうが、今でも韓国でパロディCMが作られるほど影響力があり、韓国人の記憶に残る名作と位置付けられている。 “韓流”の象徴的ドラマ『冬のソナタ』などから逆算して考えると、あの手の作品の作り手たちは『Love Letter』を邦画オールタイムベストに選びそうな気はする。全体的に霧がかかったような白く淡い映像のように、どこか奥ゆかしくあいまいな情緒は日本的であり、“洗練された作風”として映り、後の韓国映画やドラマにも影響を与えたのではと思わせる。 スタッフやキャストなどの詳細は明かされていないが、『Love Letter』は今年の下半期には韓国ドラマとしてリメイクされることが決定しているという。また、先月末から3月初旬にかけて韓国で開催された第4回マリ・クレール映画祭には、岩井俊二監督が招待されて『リリイ・シュシュのすべて』など数作が上映された。  果たして、リメイクドラマ版は一体どのように仕上がるのか? これだけ愛される映画なだけに、時を超えた“ラブレター”なレスポンス作品になることを願う。 (文=梅田ナリフミ)

韓国世界遺産級の史料が焼失!?  「訓民正音解例本」とカネをめぐる“ドロ沼法廷闘争”に終止符か

15417014502_f379413ba7_z.jpg
イメージ画像 Photo By Republic of Korea from Flickr.
 韓国の慶尚北道尚州市のとある民家で、3月26日午前、火事があった。人的被害はなかったものの、ペ氏の自宅は全焼。現在、出火原因の調査が続いている。と、ことさら取り上げるまでもない事件だが、実はこのペ氏、骨董品や古書籍を数多く所有していた人物で、その中には訓民正音に関する世界遺産級の史料があった可能性があるということで、大騒ぎとなった。  訓民正音とは現在のハングルのことで、1446年に時の王・世宗によって創製された。その当時、訓民正音について解説した本が「訓民正音解例本」だ。1940年に発見された「解例本」は、訓民正音の創製動機や使用方法が紹介されており、価格をつけられない文化遺産と評価されている。実際、ベートーベンの「交響曲第9番」の自筆楽譜や日本の国宝『御堂関白記』と同じく、ユネスコ記憶遺産にも登録された。もちろん韓国の国宝(第70号)だ。「解例本」の出版日とされる10月9日は、現在韓国で“ハングルの日”に指定されており、休日となっている。そんな木版本の「解例本」は、長らく世界に1冊しか残されていないとされ、現在も澗松美術館に保管されている。 しかし、2008年7月、古書籍商のペ氏が自宅を整理していると、「訓民正音解例本」を発見。韓国文化財庁の調査員が確認してみると、国宝として保存されている「解例本」とまったく同一の版本で、保存状態はこちらのほうが良好だったという。 “だったという”と言葉を曖昧にしたのは、新たに見つかった「解例本」(便宜上「尚州本」と呼ぶ)が、広く世の中に公開されていないからだ。見つかった「尚州本」が偽物だったわけではない。その背景には、所有権をめぐる醜い裁判があった。 「尚州本」の発見からわずか1カ月後、ペ氏と同じ尚州市に住むチョ氏が本の所有権を主張。チョ氏は「あの『解例本』は私が保管していたのに、ペ氏が盗んだ」として、刑事告訴と民事訴訟を起こした。刑事告訴は嫌疑なしで処理されたが、民事訴訟ではチョ氏の主張が認められた。「尚州本」の所有権はチョ氏に渡ったことになる。しかし、ペ氏は本をどこかに隠してしまい、再三の捜査が行われたが結局、発見できずじまい。ペ氏は検察に拘束起訴され、最高裁まで争い、14年6月に「盗んだ証拠がない」として無罪を勝ち取った。 しかし、その後もペ氏は「尚州本」を公開しなかった。民事訴訟で敗れており、この間に亡くなったチョ氏が本を国家に寄付する意向を伝えていたからだ。韓国メディアの質問に、ペ氏が答えている。 「裁判を何年も行い、心と体があまりに傷ついた。367日間も獄中で過ごし、家宅捜索も受けて被害が大きい。すべての真実が明らかになるまで、絶対に公開しない。今の段階で公開したら、所有権は誰のものになるというのだ。これは絶対の原則だ!」  ちなみにペ氏は、最初の刑事告訴を乗り越えたところで、「尚州本」を100億ウォン(約10億円)で売却しようとして失敗している。最後の価格調整の段階で、破約となったようだ。  そんな状況下で起きた、ペ氏自宅の火事。相変わらず「尚州本」の“隠し場所”については口を閉ざしているが、最悪、焼失した可能性もある。所有権、つまりはカネをめぐる醜い欲望によって世界遺産級の史料が失われたとなれば、呆れてものも言えない。ましてや韓国が世界に誇るハングルだけに、ダメージは大きそうだ。

近代施設と旧き風俗街が並ぶ街は韓国の“新世界”と、なりうるのか?『永登浦(ヨンドンポ)』

kankokufzk01.jpg
駅を背にして右の建物が新世界デパート。左のビルがタイムズスクエア。ちょんの間は路地を左に進んだところにある。
 今回の旅の宿は、ソウル市内、鍾路3街(チョンノサンガ)にあるゲストハウス。しかも、6ベッドのドミトリーである。予算の見積もりを失敗したシワ寄せがこんなところに現れてしまったわけだ。ま、バックパッカーだったので慣れてるけど、やっぱり、ね……。  しかも到着早々、トランクのカギが開かないトラブルに見舞われつつも、急ぎ足で向ったのは永登浦(ヨンドンポ)にある新世界デパートとタイムズスクエアの並ぶ路地だった。  駅から地下通路を歩けば3分というその一画にそびえ立つのは、新世界デパートと、国内最大級を誇る複合ショッピングモール「タイムズスクエア」である。青白くきらびやかに浮かび上がる近代的な“街”がそこにある。
kankokufzk02.jpg
午後8時、まだ開店していないちょんの間と、そのうしろにタイムズスクエアがそびえる。
 しかし、もちろん、ここに来たのは買い物のためではない。そのキラキラした街の端っこにへばり付くピンク色に輝く街を見るためだ。新世界デパートとタイムズスクエアのすぐ隣、そこには、別世界のちょんの間街が残っているのだ。  永登浦はかつて工場地帯であり、タイムズスクエアの建つ場所も、元は紡績工場跡地だった。ちょんの間は、その町で働く労働者たちの慰労のためにできたといわれる。 「永登浦のちょんの間は、財閥と戦っているんです」  ガイドのP氏はそう語る。  2009年、ちょんの間街から見れば、すぐ裏に巨大なショッピングモールが完成したが、逆にモールの事業主から見れば、直近に風俗街があるなんて愉快なことではない。 「モールは駐車場の出入り口を、わざとちょんの間街の側に造ったんです」(P氏)
kankokufzk03.jpg
ちょんの間街の外れに照明のついている店があったが、女のコはまだいなかった。左側の先に駐車場の出入り口があり、クルマはこの路地を通らないと駐車場に入れない。
 おおっぴらには顔を見られたくない風俗嬢たちをそこに居づらくさせて、ちょんの間を閉鎖に追い込む作戦に出たという。 「でも、その作戦は失敗でした。怒ったちょんの間の権利者たちは、何がなんでも店の権利は譲らないと強行策に出てしまった」(同)  その結果、グランドオープンから5年が過ぎた現在も、“新”と“別”の世界が同じ路地に存在している。どうやら、今のところは、ちょんの間側に軍配が上がっているようだが、相手はあの財閥系(前号の記事参照)。次の戦いやいかに……。
kankokufzk04.jpg
龍山は壊滅しオーパルパルも縮小したのに比べると、永登浦は優秀な方だ。写真は2002年3月の永登浦。
(写真、文=松本雷太)

18歳少年の「イスラム国合流ショック」から2カ月……“クリスチャン大国”韓国IS報道のいま

51ArKdktv2L.jpg
「週刊ニューズウィーク日本版 2015年2/3号」
 18歳の少年・キム君が、イスラム国(IS)に合流したかもしれないという報道(記事参照)から約2カ月。社会的なショックが大きかったせいか、韓国ではイスラム国に関連する情報が続々報じられている。  韓国メディアは過日、東京・立川市で起きた「殺人練習事件」を一斉に報じた。イスラム国に感化された中学生が、学校で飼育されていたヤギを殺人の練習台にしようと侵入し、警察に逮捕された事件だ。また、関東地方に住む男子高校生がTwitterに「『イスラム国』が東京で大規模テロを実行する」などと書き込んでいた事件も取り上げていた。同様に、アメリカや欧州、オーストラリアなどの国の実情に言及しながら、イスラム国に影響され、過激な行動を厭わなくなってきた若者の実態について、細かく取り上げている。  メディアの動向から察するに、韓国の関心は中東情勢というよりも、自国内の若者に及ぼすであろう、イスラム国の影響について焦点が集中し始めているように感じる。言い換えれば、遠い国で起こっている戦争の悲劇としてではなく、身近に起きている危機として、イスラム国問題が議論され始めている。  もし、キム君が人質になったらどうするか――。韓国では、そのような主題で議論されることも増えているそうだ。 「彼が過ちを悔いるのであれば、子どもが斬首されないように働きかけるべき」 「キム君が生きて帰ってくれば、彼の証言から第二、第三のキム君が出てくるのを防げるはず」 「自分の意思で行ったのだから、もし身代金を要求されても断るべき。そのお金で、国内の孤児や独居老人を支援するほうがいい」 「テロリスト志願者を助ければ、韓国はテロリストを保護する国になってしまう」  などなど、寄せられる意見は実にさまざまだ。日本では後藤健二さんらの人質事件を前後して世論が二分したが、今後、韓国政府も対応に追われることになりそうだ。  また最近では、こんなタイトルの記事がネット上に掲載され、話題を呼んでいる。 「『ISを許します』 ISに苦しめられたキリスト教徒、許しを宣言」  これは、イラクから避難することを余儀なくされた10歳のキリスト教徒の少女の話だ。彼女はイスラム過激派に住んでいた土地を追われ、難民キャンプで暮らさなければならない状況について、「私はISを許してくれるよう神に祈ります。彼らを苦しめるようなことを、わたし自身は何もする気はありません」とメディアに語ったそうだ。  また、リビアのとあるキリスト教徒の青年は「わたしの2人の兄弟はISに斬首されたが、ISのメンバーが救われるように祈る」と話しているという(情報の元となっているのは、米キリスト教雑誌「クリスチャントゥデイ」、中東のキリスト教系TV「SAT-7」など)。  国民の約4人にひとりがクリスチャンといわれる韓国。そのような背景からも、イスラム国絡みのニュースにはなおさら敏感なのかもしれない。 (取材・文=河鐘基)

韓国“ドラマ帝国”に崩壊危機……多チャンネル化でキャスティング&視聴者の争奪戦が激化!?

51PMbVon6VL.jpg
『星から来たあなた-DVD-SET1』
 韓国といえば、“ドラマ帝国”といわれているほど、朝から晩までドラマばかり放送されていることで知られる国。それだけドラマに対する需要も高く、長年にわたって子どもからお年寄りまで、幅広く視聴されてきた。その証拠に、2013年のドラマ平均視聴率トップ15を見ると、すべてが15%以上を叩き出している。しかしながら、15年は2月までに放送を終了したドラマの中で15%を超えたものは、『家族なのにどうして?』(14年KBS)、『清潭洞スキャンダル』(14年SBS)の2作品のみだ。  韓ドラ界に、いったい何が起きているのだろうか? 日本と同じくネットの普及による若者の“テレビ離れ”も原因の一つだが、特筆したいのは「放送局が増えたこと」だ。  韓国では、主要民放局がKBS、MBC、SBS、EBSの4社しかないため、ケーブルテレビや衛星放送などの有料放送局の数が飛躍的に伸びていき、今ではその数が50前後にも上る。またここ数年で、ビデオ・オンデマンドやダウンロードなどのサービスが利用可能なIPTVの普及率も急激に上がっていった。その背景には、韓国政府主導でIPTV促進政策を進め、教育や保健医療等の公共の分野などにおいても、サービスの導入を支援してきたため。そして今では、ケーブルテレビや衛星放送、IPTVなどの有料放送加入世帯数は90%に達しており、国民の約9割が有料放送を視聴しているのだ。こういった状況から、主要民放局以外の有料放送局(tvN、JTBC、TV朝鮮など)でドラマが放送されるようになり、視聴率が四散したといえる。  放送局が増えたことで、キャスティングの分散化も起こっている。民放の放送局が主だった2010年頃までは、今では考えられない豪華キャスティングのドラマが多数存在した。『華麗なる遺産』(09年SBS)や『成均館スキャンダル』(10年KBS)などが代表的な作品だ。これらのドラマは、日本映画への進出も果たしたハン・ヒョジュ、最新映画の日本公開も決まったイ・スンギとムン・チェウォン、JYJのユチョン、優れたルックスと演技力を持つソン・ジュンギ、『JIN‐仁‐』のリメイク版でヒロインを演じたパク・ミニョンなど、今では主役級のスターが4人以上も出演しているのだ。前述の通り、昨今放送局が増え始めたことから、各局で“キャスティング競争”が激化。そのため一昔前のように、主役級が複数キャスティングされるドラマが減り、見たい俳優が分散化されたことで、視聴者も分かれるようになったのだ。  『星から来たあなた』(14年SBS)や『奇皇后』(14年MBC)などの例外はあるにせよ、日本と違って、ドラマの視聴率低下が構造化しつつある韓国。日本の韓流ブームにも頼れない現状は、韓国ドラマ業界にとって冬の時代といわざるを得ない。 (取材・文=平松相善)

国歌斉唱中にストレッチした外国人選手が解雇! 韓国人は“国民儀礼”に敏感!?

baske.jpg
 レギュラーシーズンが終了し、プレーオフが始まっていよいよクライマックスを迎えている韓国プロバスケットボール・リーグのKBLで、信じられないことが起こった。3月20日、昌原(チャンウォン)に本拠地を置き、LGエレクトロニクスがスポンサーになっている昌原LGセイカーズが、チームの大黒柱であるアメリカ出身のデイボン・ジェファーソンを緊急解雇したのだ。LGセイカーズはリーグ戦4位でプレーオフに進出しており、その中心選手がジェファーソンだ。今季レギュラーシーズンでは平均22得点を記録し、レギュラーシーズンの得点王にもなっている。  そんな大黒柱が大事なポストシーズンの最中に解雇されるキッカケとなったのは、日本では考えられない理由だ。18日の試合前に会場に流れる韓国国歌である愛国歌斉唱の際、ジェファーソンはストレッチをしながら体をほぐしていたのだが、この態度に「無礼だ」と非難集中。メディアやファンから厳しい声が上がった。19日に本人が謝罪会見を開いたが、その一方で自身のSNSに両手で中指を立てている写真をアップしていたことが発覚し、さらに非難の的に。ジェファーソンは「韓国文化を無視したのではない。国歌が流れたときに痛みを感じたのでストレッチしただけ」と釈明したが、結局、昌原LGセイカーズが解雇を発表する事態になったわけだ。  LGセイカーズ側は解雇通告に当たり、「愛国歌の演奏中にストレッチしたから解雇するわけではない。今までの彼の不適切な行動を加味して下した」と説明。試合中に携帯電話をチェックしたり、自身のSNSに歓楽街で女性と撮った写真や下半身裸でベッドに横たわる黒人女性の写真をアップしてきたことなども問題視しての決断だったとしているが、“愛国歌ストレッチ”が解雇の決め手になったことは間違いないだろう。  もっとも、裏返せば大事な時期にチームの大黒柱を手放さなければならないほど、韓国では国歌斉唱や国旗掲揚などのいわゆる“国民儀礼”が過剰に重要視されていることがわかる。過去にもサッカー韓国代表のキ・ソンヨンが、Aマッチ前の国歌斉唱時の敬礼を右手ではなく左手で行っていただけで非難されたこともあるほど、韓国人は“国民儀礼”に敏感なのだ。今回のジェファーソンの行いも“愛国歌ストレッチ”と揶揄され、「LGセイカーズの決断は正しい。ほかの外国人選手にも十分なアピールになる」と拍手を送る声も多い。  ただ、露骨に愛国心を助長するだけではなく、外国人にまで韓国愛を強要するのはいかがなものか。それも、ストレッチしていただけで解雇されるとは……。韓国の一部ネチズンの間では、「あれで解雇? マジで韓国の愛国主義はひどすぎる。逆に韓国の選手が日本に行ってジェファーソンと同じことをすれば、“よくやった”と褒めるくせに」と、行きすぎる自国の愛国主義を嫌味たっぷりで皮肉る声も上がっている。  ちなみに韓国ではプロバスケットボールだけではなく、プロ野球でもすべての公式戦で国歌斉唱が行われているが、アメリカのNBAやMLBに倣った慣例だといわれている。プロサッカーのKリーグでは行われず、プロバレーボールリーグのVリーグでは開幕戦とオールスター戦のみ行われる程度。アメリカに倣った慣例でアメリカ人選手が解雇されるのだから、それもまた皮肉でしかないだろう。

韓国未解決事件に救世主!? 「コールドケース」特別チーム結成の本当の狙いとは……

15063694295_b217be2bff_z.jpg
イメージ画像 Photo By Simon HunterWilliams from Flickr.
 韓国で過去に世間を騒がせた事件が、時効まであと1年と迫っている。その事件とは、韓国南部の小都市で起きた「羅州女子高生殺害事件」だ。  2001年2月4日、女子高生・パクさん(当時17歳)が、羅州にあるトゥドゥル川流域で、死体で発見された。死体には性暴行の痕や刺し傷が残っており、直接的な死因は溺死と断定された。  同事件は、パクさんの地元・光州ではない羅州で発見されたことなどが原因となり、目撃者や証拠があまり見つからず。事件経過1カ月が過ぎた頃には 捜査が早々に暗礁に乗り上げた。  ところが、事件が忘れ去られつつあった11年後の2012年、転機が訪れる。捜査線上に、有力な容疑者が浮上したのだ。その人物とは、ほかの事件で強盗殺人の罪で無期懲役刑を受け、服役中だったキム容疑者。パクさんの体から検出されたDNAと、キム容疑者のDNAが一致し、事件は急展開を迎えるかに見えた。  しかし、ここでも事件は解決しなかった。その理由は、事件当日にパクさんととある男性を見かけたとする目撃者のひとりが、「キム容疑者ではない気がする」と証言したためだ。また、キム容疑者も「パクさんとは、お互い好意を持っていて、性行為をしたこともある」とし、検察は証拠不十分で不起訴という決断を下した。事件はまたも迷宮入り。時効までいよいよあと1年弱となり、不可解さや残虐さからか、同事件は世間の注目を再び集めることになった。  そんな世論の関心の高まりを受けてか、韓国警察関係者の間で、ある動きが起きている。  OBおよび現役の優秀な刑事や犯罪学者が集まり、未解決事件を専門に扱う特別チームを結成されたのだ。いわゆる「コールドケース」を専門とする、エキスパート集団が登場したのである。  同チームの中心人物は、元ソウル市警察の強行班長コ・ビョンチョン氏。「30年の刑事生活を通じて一度も未解決事件を出したことがない」と自ら誇る、犯罪捜査のプロだ。コ氏はすでに、キム容疑者への再捜査が必要と公言しており、過去に不起訴処分とした検察とも対決する姿勢だ。  しかし、韓国警察関係者による、大衆受けするような“特別チーム”の結成には裏がありそうだ。というのも、韓国では2010年から未解決事件が年ごとに約10%のペースで増加している。それに比例するように、警察への批判がメディアを中心に噴出しているのだ。そんな状況下での、ドラマのようなコールドケース解決チームの登場は、“無能な警察”というレッテルから逃れるための、ある種のアピールと取れなくもない。いずれにせよ、今回結成された特別チームが、コールドケース解決に大きな力を発揮するのか、その成果には注目したい。 (取材・文=河鐘基)

韓国人と中国人が空港内ですり替わる事件が続発! 裏に密入国専門ブローカーの影か

Korea-Incheon-Internatio.jpg
仁川国際空港(Wikipediaより)
 韓国人と中国人が空港ですり替わるという、前代未聞の珍事件が起きた。韓国のテレビ局・YTNの報道番組によると3月21日、大韓航空便のバンコク行きのチケットを持った中国人と、カナダ行きのチケットを持った韓国人が、韓国の空港内の免税店エリアでお互いのチケットを交換。行き先をすり替えようとしたことが発覚した。しかも、この事件の5日前、16日にもアシアナ航空便で同様の行為が摘発されている。  そもそも、なぜこのような事件が立て続けに起きたのか? 番組に出演した専門家によると、今回の事件の裏には、密入国を専門とする国際ブローカー集団が関与している疑いがあるという。中国のパスポートに比べ、韓国のパスポートは欧米諸国でビザなしで入国できる国が多い。また真偽のほどは定かではないが、西洋人などからすると、中国人と韓国人の顔はあまり区別がつかないらしい。  そのような実情を知ったブローカーが、なんらかの策を講じ、出国審査を抜けた免税エリアで、同事件の容疑者たちを接触させた可能性が高いという。実際に、関連事件の容疑者からは「約150万円の報酬をもらう約束だった」という証言も出ている。前出専門家は、「これまで頻繁に行われていた手口が、今回いよいよ発覚したのでは」と、すでに同様の密入国手段が広く蔓延していると危惧している。  密入国者を発見した場合、航空機は原則上、離陸後でも出発地に引き返さなければならないとされている。21日に起きた事件では、大韓航空は目的地周辺ですり替わった容疑者に気付いたため、到着後に容疑者の身柄を拘束したという。大韓航空にとっては、一歩間違えば“ナッツリターン”ならぬ“すり替わりリターン”となる珍事件。そうなれば、管理体制の不備を理由に、また矢面に立たされていたことだろう。今後、韓国の空港では、搭乗前に航空券とパスポートを徹底的に確認するべきだという指摘も出ている。  余談だが、最近、韓国には整形目当てで入国する中国人が激増している。中国の入国管理局では、韓国帰りの本国人チェックのために、長蛇の列ができているという報道もある。今回のような事件が続けば、空港内での本人確認はより煩雑なものになってしまいそうだ。  YTNのニュース番組は、最後に次のように視聴者に訴えかけていた。 「重大な犯罪なので、決して真似しないでください」 (取材・文=河鐘基)

平昌五輪をめぐる狂騒曲――「反対闘争委員会」の、意外すぎる主張とは

20150323.jpg
 2018年の平昌冬季五輪開催をめぐるニュースが騒がしい。一部の競技施設の建設費用が高騰したり、宿泊施設の不足が指摘されたり、スポンサーが集まらなかったりと、さまざまだ。昨年末にはIOC(国際オリンピック委員会)から長野や北朝鮮での分催も提案されたが、パク・クネ大統領は否定。平昌冬季五輪組織委員会も「分催はない」とあらためて強調した。だが、3月12日には市民団体が分散開催を求める記者会見を開いた。「予算拡大が予想され、その負債は国民が負担することになる」というのが、市民団体の主張だった。  そんな市民団体の声を探るべく、韓国の大手ポータルサイト「NAVER」で「平昌五輪 市民団体 反対」と検索してみる。いくつか挙がってくる記事の中に出てきたのは、「平昌五輪反対闘争委員会」。組織名称に「反対」「闘争」とあるので、まさに急先鋒的な存在なのだろう。ただ、公式サイトなどはない。いろいろと手を尽くして、連絡先を突き止め取材を申し込むと、委員長のウ・ガンホ氏なる人物が応じてくれるという。これは刺激的な反対意見が聞けるかと思いきや、委員長から出た言葉は意外なものだった。 「平昌の市民たちが五輪の開催を大反対している? そんなことはない。我々にとっては、3度の挑戦でやっとつかんだ開催だ。五輪は悲願であり、それが決まった時も今も、五輪開催への関心と意欲は高いよ」  ウ・ガンホ委員長は1959年10月3日生まれ。2000年に平昌郡議会の議員となり、同議会副議長・議長なども歴任。13年からは同郡社会福祉協議会会長も務めている。そんな彼がなぜ、「反対闘争委員会」委員長を務めているのか――。 「我々の委員会は、五輪開催そのものに反対するのではなく、分催に反対している。と同時に、競技場建設や選手村建設などに積極投資しようとしない政府の消極的な態度に対して、断固戦うために組織されたものだ。昨年10月には平昌郡庁でデモも行ったし、文化観光部や組織委員会に何度も抗議している。本番まであと2年しかないのに、いまだに“分催問題”などが取り沙汰されるのは、もどかしい」  そのもどかしさといら立ちのほとんどが、韓国政府の取り組みにあるという。政府がもっと積極的に投資すれば、分催はもちろん、競技場建設の遅れや宿泊施設不足も起こらないとウ・ガンホ委員長は言う。 「なぜ政府が五輪投資に消極的か? それは仁川アジア大会やテグ世界陸上などの国際大会で過剰投資したからだ。投資しても見返りがなかった。だが、今回は大会の次元が違う。五輪だ。人類最高の国際イベントだ。なぜそれを国家的事業と考えず、もっと積極的に投資をしないのか。まったく理解できないし、国が積極的にならないから、一部の国民から分催や大会開催返上などの意見が出るのだろう。国がもっと本気で取り組めば、そんな声は出てこない。平昌郡の財源だけで開催できないのは、報道されている通りだ。どう考えても無理だろう。だから国の支援がいる。ただでさえ平昌は地方財政が潤沢ではないのだ。国が支援しないで、できるわけがない。平昌は、素晴らしいイベントを韓国に誘致したのだ。今度は国が応える番だろう」  平昌五輪の開催に反対する声をどこかで期待していただけに拍子抜けしまったが、ウ・ガンホ委員長の話を聞いていると、平昌市民が五輪に寄せる期待と、韓国政府の取り組みの間に、大きな温度差があるのは間違いなさそうだ。はたして、その温度差は、埋まるのだろうか? 平昌五輪をめぐる狂騒曲はまだまだ続きそうだ。